JPWO2008053948A1 - 化学機械研磨パッドの製造方法および被研磨体の加工方法 - Google Patents

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Abstract

研磨面となるべき面およびそれの裏面である非研磨面となるべき面を有し、非研磨面となるべき面はその面に開口する凹部を有し、そして該凹部は底面を有するパッド概形を形成し、該パッド概形を切削加工機の定盤上に吸引固定して切削加工により研磨面となるべき面に溝または溝群(3)を形成することを特徴とする、化学機械研磨パッドの製造方法。

Description

本発明は化学機械研磨パッドの製造方法および被研磨体の加工方法に関する。
半導体ウェハの化学機械研磨において、研磨の目的が達成され、その研磨を終了する研磨終点の決定は、経験的に得られた時間を基準として行うことができる。しかし、被研磨面を構成する材料は様々であり、これらによって研磨時間はすべて異なる。また、被研磨面を構成する材料は今後様々に変化することも考えられる。さらに、研磨に使用する水系分散体や研磨装置においても同様である。このため様々に異なる研磨において各々からすべて経験的に研磨終点に達するまでの時間を知ろうとすることは非常に効率が悪い。
近年、被研磨面の状態を直接観測できる光学的な方法を用いた光学式終点検出器および方法が開発され、普及しつつある(特開平9−7985号公報、2000−326220号公報)。光学式終点検出方法は、被研磨層の膜厚を分光反射率測定により検出して研磨終点を知る方法であり、化学機械研磨を行っている最中に被研磨面に例えばレーザー光を照射し、その反射率によって膜厚を検出する技術である。光学式終点検出方法を適用して化学機械研磨を行うには、使用する化学機械研磨パッドの一部に光の通路を設ける必要があるため、例えば研磨基体の一部に研磨面からその裏面へと貫通する孔を設け、その孔に透明のプラグを嵌め込むことにより透光性領域を確保するパッドが提案されている(米国特許第6045439号明細書)。
しかし、このような化学機械研磨パッドの使用には二つの大きな問題点がある。
一つは、透光性領域の材質が研磨基体の材質とは異なることに起因する問題である。すなわち、透光性領域を構成する材料が研磨基体を構成する材料よりも硬質である場合には、研磨パッドの継続使用に伴い、透光性領域が研磨基体の表面から突出し、被研磨面にスクラッチと呼ばれる引っ掻き傷状の欠陥が発生する場合があり、一方、透光性領域を構成する材料が研磨基体を構成する材料よりも軟質である場合には、研磨パッドの継続使用に伴って透光性領域が陥没して研磨屑が滞留しやすくなり、やはり被研磨面のスクラッチの原因となる。
もう一つの問題点は、半導体ウェハの製造コスト削減の要請から、より精密な終点検出の精度が求められてきている点である。すなわち、被研磨体の研磨すべき層が研磨除去されたときに速やかに終点が検出されることにより、研磨時間および研磨用水系分散体の節約に資し、トータルの製造コストが削減されることとなる。この要請を充たすためには、透光性領域の透光性を十分高い状態に保持することが必要となる。しかし、製造直後の研磨パッドにおいて透光性領域が十分な透光性を有していたとしても、化学機械研磨の際には研磨用の水系分散体が使用されるため、これが透光性領域と被研磨面との間に入り込み、被研磨層の膜厚の検出を阻害して所期の透光性が発揮されないことが第二の問題点である。
上記のうち、前者の問題点を解決するために、透光性領域を構成する材料の検討や、透光性領域の形状の検討等がなされており、一定の成果を上げている(特開2004−327974号公報、特開2005−340795号公報)。
一方、後者の問題点を解決すべく、研磨面のうちの透光性領域を含む比較的広い領域にわたって溝を形成しないことが提案されている。特開2006−239833号公報によると、透光性領域およびこれを囲繞する領域に溝を設けないことによって透光性領域と被研磨面との間に研磨用水系分散体が流入することを避けることができ、これにより光学式終点検出の感度が維持されるという。そして同公報は、特殊な加工を施した研磨用定盤を使用する切削加工方法により研磨面のうちの一定領域に溝を形成しないことを実現している。しかし、このような切削方法は汎用性に欠けることとなり、実用面で問題がある。さらに、この方法により得られる化学機械研磨パッドは、同公報の実施例において光学式終点検出感度と研磨速度との両立を達成したと記載されているが、透光性領域を有する研磨パッドにおいて最も懸念される被研磨面のスクラッチについては何ら評価されておらず、同公報においてはかかる問題点は未解決のまま放置されているものと思われる。
さらに近年、検出感度の低い光学式終点検出器が普及している現実がある。すなわち、光学式の終点検出方法が提案された当初は、光学式の終点検出器を備えた化学機械研磨装置としては検出感度の高い比較的高価なものが市販されているのみであった。しかし、2001年ころから検出感度に劣る安価な汎用機が多く市販されるようになり、このタイプの装置が普及することとなったのである。したがって、上記した光学式終点検出装置の抱える第二の問題点と相俟って、従来にも増して高度の透光性を示す透光性領域を有する化学機械パッドが要請されている。
光学式終点検出方法を適用した化学機械研磨方法に使用しうる透光性領域を有する化学機械研磨パッドにおいて、上記二つの問題点を同時に解決する方策は未だ知られていない。
ところで最近、さらに新しい研磨終点検出方法として、渦電流を利用した方法が提案された。この方法は、被研磨面が金属である場合に有効なものであり、渦電流が金属層の抵抗に依存する現象を利用して、磁界により金属層の渦電流を誘導し、該渦電流により発生する磁束を測定して金属層の抵抗値を求め、これにより金属層の厚さを知ろうとする技術である(渦電流モニタリングシステム。国際公開第2003/066284号パンフレット参照)。同国際公開パンフレットには、渦電流を利用した研磨終点検出方法の概略が示されており、該方法に使用される化学機械研磨パッドは渦電流を誘導するコイルの一部を挿入するための凹部を有すべきことが示されている。しかしながら同国際公開パンフレットには、渦電流を利用する研磨終点検出方法に適した化学機械研磨パッドのその余の形態、材質等および研磨性能との関連等については何ら記載されていない。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、その目的は、光学式の終点検出器または渦電流モニタリングシステムを備えた化学機械研磨装置に使用する場合に良好な終点検出感度を示し、しかも被研磨面にスクラッチ等の表面欠陥が実質的に発生しない化学機械研磨パッドを製造するための方法および被研磨体の加工方法を提供することにある。
本発明によれば、本発明の上記目的は第一に、
研磨面となるべき面およびそれの裏面である非研磨面となるべき面を有し、非研磨面となるべき面はその面に開口する凹部を有し、そして該凹部は底面を有するパッド概形を形成し、
該パッド概形を切削加工機の定盤上に吸引固定して切削加工により研磨面となるべき面に溝または溝群を形成することを特徴とする、化学機械研磨パッドの製造方法によって達成される。該方法により製造される化学機械研磨パッドが光学的終点検出器を有する化学機械研磨装置に装着して使用されるものである場合には、少なくとも上記凹部の有する底面の領域は研磨面となるべき面から該凹部の底面に光学的に通じる透光性領域であることが好ましい。
本発明の上記目的は第二に、
上記の方法により化学機械研磨パッドを製造する工程と、
該化学機械研磨パッドを用いて被研磨体を化学機械的に研磨する工程と、
研磨終点を光学的に検出する工程または渦電流により生じた磁束の変化により研磨終点を検出する工程と、
を含むことを特徴とする被研磨体の加工方法により達成される。
本発明の方法に使用されるパッド概形の有する凹部の一例を示す断面概略図。 本発明の方法に使用されるパッド概形の有する凹部の一例を示す断面概略図。 本発明の方法に使用されるパッド概形の有する凹部の一例を示す断面概略図。 本発明の方法により製造された化学機械研磨パッドの一例の有する凹部の近傍を示す概略図。 本発明の方法により製造された化学機械研磨パッドの一例の有する凹部の近傍を示す概略図。 本発明の方法により製造された化学機械研磨パッドの一例の有する凹部の近傍を示す概略図。
本発明におけるパッド概形は、これに溝または溝群を形成することによって化学機械研磨パッドとなるものであり、パッドの前駆体である。
本発明の化学機械研磨パッドの製造方法に使用されるパッド概形は、研磨面となるべき面およびそれの裏面である非研磨面となるべき面を有する。
このパッド概形の形状は特に限定されず、例えば円柱状や多角柱状とすることができる。パッド概形の大きさも特に限定されない。しかし、本発明の方法により製造される化学機械研磨パッドを装着して使用する化学機械研磨装置の定盤に適合するような形状および大きさのパッド概形を使用することが好ましい。パッド概形の厚さは、好ましくは0.5〜5.0mmであり、より好ましくは1.5〜3.0mmであり、さらに1.9〜2.9mmとすることが好ましい。例えばパッド概形が円柱状または多角柱状であるとき、その底面のうちの片方が研磨面となるべき面(上面)であり、その裏面側の底面が非研磨面となるべき面(下面)である。以下、本明細書においてはパッド概形の研磨面となるべき面を「上面」といい、非研磨面となるべき面を「下面」ということがある。
本発明の化学機械研磨パッドの製造方法に使用されるパッド概形は、その下面に開口する凹部を有し、該凹部は底面を有する。かかる凹部の存在により、後述するように本発明の方法により製造される化学機械研磨パッドの研磨面の有する特殊な構成の溝または溝群を簡易な汎用の切削加工機械により容易に形成することができることとなるとともに、化学機械研磨時に研磨パッドと被研磨面との間に発生する応力が適度に緩和されて高品位の被研磨面を与える化学機械研磨パッドを得ることができる。
凹部の底面の平面形状は、特に限定されないが、例えば円形、楕円形、多角形等とすることができる。多角形としては、例えば四角形、六角形、八角形等を挙げることができる。凹部の底面の大きさは、例えばパッド概形が円柱状である場合、パッド概形の下面の半径方向に平行な長さとして好ましくは10〜100mmであり、より好ましくは20〜80mmであり、さらに30〜60mmであることが好ましく、パッド概形の下面の接線方向に平行な長さとして好ましくは2〜50mmであり、より好ましくは5〜30mmであり、さらに10〜20mmであることが好ましい。
凹部の底面は、その表面粗さ(Ra)が10μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましく、さらに好ましくは7μm以下である。凹部の底面をこのような表面粗さとすることにより、化学機械研磨時における光学的にまたは渦電流により生じた磁束の変化により研磨終点を検出する際の検出精度をより高めることができる。この表面粗さ(Ra)は、下記式(1)
Ra=Σ|Z−Zav|/N・・・(1)
(上記式において、Nは測定点数であり、Zは粗さ曲面の高さであり、Zavは粗さ曲面の平均高さである。)
により定義され、例えばキャノン(株)製の3次元表面構造解析顕微鏡(型式「Zygo New View 5032」)等を用い、凹部の底面につき異なる3視野の各々の平均表面粗さを測定して得られた3つの平均表面粗さから求めた平均値として知ることができる。
パッド概形の下面に開口する凹部の深さ(パッド概形の下面から凹部の底面までの距離)は、好ましくは0.1〜2.0mmであり、より好ましくは0.4〜1.8mmであり、さらに0.6〜1.4mmであることが好ましい。パッド概形の上面から凹部の底面までの距離としては、好ましくは0.1〜2.0mmであり、より好ましくは0.4〜1.8mmであり、さらに0.6〜1.4mmであることが好ましい。なお、このパッド概形の上面から凹部の底面までの距離は、凹部底面の領域が透光性領域である場合には透光性領域の厚さに相当する。
本発明の方法により製造される化学機械研磨パッドは、後述のようにその研磨面に溝または溝群を有することとなる。凹部の深さは、この溝または溝群の深さ(その好ましい範囲は後述する。)と同じであるかこれよりも深いものであることが好ましい。凹部の深さは、研磨面に形成されるべき溝または溝群の深さに対して100〜300%であることが好ましく、100%を越えて300%以内であることがより好ましく、さらに110〜200%であることが好ましく、特に120〜150%であることが好ましい。
凹部の深さが上記の範囲にあり、またパッド概形の厚さが前述の範囲内にあることに加え、さらに凹部の深さのパッド概形の厚さに対する比が10〜90%であることが好ましく、30〜70%であることがより好ましく、さらに40〜60%であることが好ましい。
本発明の化学機械研磨パッド製造方法に使用されるパッド概形の下面に開口する凹部の開口部は、凹部の底面と同じ大きさであることができ、あるいは凹部の底面の大きさよりも大きくてもよい。
パッド概形の下面への凹部の開口部の大きさが凹部の底面と同じ大きさである場合、その形状は凹部の底面と同じ形状であることが好ましい。この場合、パッドの下面の凹部の断面形状(凹部をパッド概形の下面に垂直な方向に切断した断面形状をいう。以下同じ。)は、矩形であることが好ましい。
一方、パッド概形の下面への凹部の開口部の大きさが凹部の底面よりも大きい場合の開口部の形状は、凹部の底面の形状と同じであっても異なっていてもよく、パッド概形をその下面の方向から観察したときに凹部の開口部が凹部の底面を囲繞する関係にあればよい。この場合、凹部の開口部は凹部の底面と同じ形状であることが好ましく、さらにこれらの中心点がほぼ一致していることがより好ましい。パッド概形の下面への凹部の開口部の大きさが凹部の底面よりも大きい場合における開口部の大きさとしては、例えばパッドが円柱状である場合、パッド概形の下面の半径方向に平行な方向における長さとして好ましくは20〜200mmであり、より好ましくは30〜150mmであり、さらに50〜100mmであることが好ましく、下面の接線方向に平行な方向における長さとして好ましくは5〜100mmであり、より好ましくは10〜80mmであり、さらに10〜30mmであることが好ましい。
パッド概形の下面への凹部の開口部の大きさが凹部の底面よりも大きい場合、凹部の断面形状としては、例えば台形状、矩形の上にさらに小さい矩形を重ねた二段階形状、矩形の上にさらに順次に小さい矩形を重ねた多段階形状等であることができる。凹部の断面形状としてはこのうち二段階形状であることが好ましく、この場合においてパッド概形の下面から一段目の段差までの深さとしては、0.1〜2.5mmであることが好ましく、0.3〜2.0mmであることがより好ましく、さらに0.8〜1.4mmであることが好ましい。また、パッド概形の下面から凹部の一段目の段差までの深さは、好ましくは凹部の深さ(下面から凹部の底面までの距離)の5〜60%であり、より好ましくは10〜30%である。
なお上記断面形状を評価する際のパッド概形の下面に垂直な切断面は無数に考えられるが、パッド概形の下面の半径方向に平行な面または下面の接線方向に平行な面のいずれかの面における断面形状が上記の形状であることが好ましく、これら二つの面の双方における断面形状が上記の形状であることがより好ましい。
図1〜3にパッド概形の有する凹部の断面形状の好ましい例を示した。これらの図はいずれもパッド概形の凹部の近傍を模式的に表した断面概略図である。図1〜3において、0はパッド概形であり、10はパッド概形の上面であり、20はパッド概形の下面であり、30は凹部の底面であり、そして40はパッド概形の下面への凹部の開口部である。
図1の凹部では、パッド概形の下面への凹部の開口部40の大きさは底面30の大きさと同じである。この凹部の断面の形状は矩形である。
図2の凹部では、パッド概形の下面への凹部の開口部40の大きさは底面30よりも大きく、凹部の断面の形状は台形状である。
図3の凹部では、パッド概形の下面への凹部の開口部40の大きさは底面30よりも大きく、凹部の断面は、矩形の上にさらに小さい矩形を重ねた二段階形状である。
本発明の方法により製造される化学機械研磨パッドが光学的終点検出器を備えた化学機械研磨装置に装着して使用されるものである場合には、少なくともパッド概形の下面に開口する凹部の底面の領域は研磨面から凹部の底面に光学的に通じる透光性領域であることが好ましい。ここで「凹部の底面の領域」とは、パッド概形を厚さ方向に貫く立体的な概念であり、パッド概形を凹部の底面の形状で厚さ方向に仮想的に切り取った部分をいう。また、「光学的に通じる」とは、当該領域において波長100〜3,000nmの間のいずれかの波長の光が通過することをいい、好ましくは波長100〜3,000nmの間のいずれかの波長における透過率または波長100〜3,000nmの間の任意の波長域における積算透過率が10%以上であることをいう。この透過率または積算透過率は15%以上であることがより好ましく、さらに20%以上であることが好ましい。光学式終点検出装置を用いた研磨に用いる研磨パッドにおいては、特に終点検出用光としての使用頻度が高い領域である400〜800nmにおける透過率が高いことが好ましく、波長400〜800nmの間のいずれかの波長における透過率または波長400〜800nmの間の任意の波長域における積算透過率が上記の要件を満たすことが好ましい。この透過率は、所定の波長における吸光度が測定できる紫外−可視吸光度計等の適宜の装置を用いて各波長における透過率を測定したときの値である。積算透過率は、同様に測定した所定の波長域における透過率を積算して求めることができる。
上記透光性領域は、透光性を有する材料により構成される。ここで「透光性を有する」とは、材料の厚さを2mmとした場合に、上記の波長における透過率または上記の波長域における積算透過率が好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上であることをいう。
上記透光性領域は、パッド概形の上面側において上面(研磨面となるべき面)の一部を構成する。
本発明の方法により製造される化学機械研磨パッドが光学的終点検出器を備えた化学機械研磨装置に装着して使用されるものである場合、パッド概形は少なくとも上記の透光性領域が上記の意味で透光性を有していればよく、パッド概形の全体が透光性を有する同一の材料で構成されパッド概形の下面に開口する凹部の領域が薄肉化されることにより透光性領域となっているパッド概形(以下、「第一のパッド概形」ということがある。)であってもよく、あるいはパッド概形のうちの少なくとも透光性領域が透光性を有する透光性部材からなり、その他の部分(以下、「研磨基体」ともいう。)が前記透光性部材とは異なる材料により構成される部材からなり、両者が融着されているパッド概形(以下、「第二のパッド概形」ということがある。)であってもよい。第一のパッド概形は凹部を有さない表面が研磨面となるべき面である。第二のパッド概形は、その表面において透光性部材と研磨基体とが凹部を有さない共通面を構成し、その共通面が研磨面となるべき面である。第二のパッド概形における「融着」とは、接着剤を使用せず、透光性部材もしくは研磨基体の両方または一方の少なくとも接合面を熔融または溶解させて接合した状態をいう。製造に際しては、接合面のみならず、透光性部材の全体を熔融または溶解して接合させてもよいし、研磨基体の全体を熔融または溶解して接合させてもよい
具体的な融着方法は特に限定されない。例えば、
(A)透光性部材または研磨基体の一方を金型に保持し、金型の残余の空間に他方の部材の原料組成物を仕込み融着させるインサート成形方法
(B)透光性部材および研磨基体を所定の形状に成形して両者を嵌合した後、その接触面を、赤外線熔接、高周波熔接、マイクロ波熔接、超音波熔接等により熔融して接合させる方法
(C)透光性部材および研磨基体の接合しようとする表面に溶剤を使用して接合させる方法
等が挙げられる。透光性部材と研磨基体が融着されていることにより、かかるパッド概形から得られた研磨パッドは、透光性部材および研磨基体の二つの部材から構成されているにもかかわらず両者の間に間隙を有さず、そのため研磨時に水系分散体が研磨パッドの裏面側に漏れ出ることはない。
第二のパッド概形における融着の態様としては、研磨基体を構成する材料と透光性部材を構成する材料とが化学的に架橋した状態にあることが好ましい。両者を化学的に架橋した状態で融着することにより、融着部の強度が格段に向上し、化学機械研磨工程において融着部の剥離に起因する化学機械研磨用水系分散体の漏れ、被研磨面の表面欠陥などを防止することができる。融着部の強度としては、融着部が延伸部のほぼ中央に位置するように3号ダンベルの形状に切り出した試験片について、JIS K6251に準拠して引張速度500mm/分にて引張試験を行ったときに、試験片が破断するに至らないか、あるいは融着部以外の部位で破断することが好ましい。
上記の如き態様の融着とする観点から、融着方法としては前記の方法(A)が好ましい。
一方、本発明の方法により製造される化学機械研磨パッドが渦電流モニタリングシステムを備えた化学機械研磨装置に装着して使用されるものである場合には、非研磨面に開口する凹部の底面の領域は透光性を有していてもよく、あるいは透光性を有していなくてもよい。この場合、凹部の底面の領域は、その厚みが0.5〜1.5mmであることが好ましい。
本発明の方法により製造される化学機械研磨パッドが渦電流モニタリングシステムを備えた化学機械研磨装置に装着して使用されるものである場合に本発明の方法に使用されるパッド概形としては、上記の第一のパッド概形もしくは第二のパッド概形であることができ、またはパッド概形の全体が透光性を有さない同一の材料で構成されているパッド概形(以下、「第三のパッド概形」ということがある。)であることができる。
上記第一のパッド概形の例としては、例えば以下のようなパッド概形を挙げることができる。
(1)パッド概形の全体が透光性を有する材料で構成され、パッド概形の下面への凹部の開口部が、該凹部の底面と同じ大きさであるパッド概形
(2)パッド概形の全体が透光性を有する材料で構成され、パッド概形の下面への凹部の開口部が、該凹部の底面よりも大きいものであるパッド概形
第二のパッド概形としては、凹部と透光性部材との関係が例えば以下のようなパッド概形を挙げることができる。
(3)パッド概形の下面への凹部の開口部が該凹部の底面と同じ大きさであり、透光性部材が該凹部の開口部と同じ大きさであるかこれよりも大きいパッド概形
(4)パッド概形の下面への凹部の開口部が該凹部の底面よりも大きく、透光性部材が該凹部の開口部と同じ大きさであるかこれよりも大きいパッド概形
(5)パッド概形の下面への凹部の開口部が該凹部の底面よりも大きく、透光性部材が該凹部の底面と同じ大きさであるか、あるいはこれより大きく且つ該凹部の開口部よりも小さいパッド概形
第三のパッド概形の例としては、例えば以下のようなパッド概形を挙げることができる。
(6)パッド概形の全体が透光性を有さない材料で構成され、パッド概形の下面への凹部の開口部が、該凹部の底面と同じ大きさであるパッド概形
(7)パッド概形の全体が透光性を有さない材料で構成され、パッド概形の下面への凹部の開口部が、該凹部の底面よりも大きいものであるパッド概形
本発明の方法に使用されるパッド概形の凹部は、そのパッド概形の下面への開口部が該凹部の底面よりも大きいものであることが好ましい。この場合、凹部の底面の面積は、パッド概形の下面への凹部の開口部の面積の20〜90%であることが好ましく、40〜70%であることがより好ましい。
本発明の方法に使用されるパッド概形の下面に開口する凹部の数は特に限定されず、1つであっても2つ以上であってもよい。また、その配置も特に制限されないが、本発明の方法により製造される化学機械研磨パッドを装着して使用する化学機械研磨装置の終点検出用の光または渦電流が通過する部分に上記凹部の底面が位置するように配置されるべきである。
パッド概形の下面の総面積に占める凹部の面積の割合は、好ましくは10%以下であり、より好ましくは0.0005〜5.0%であり、さらに好ましくは0.001〜2.0%であり、特に好ましくは0.005〜1.5%であり、就中0.01〜1.0%であることが好ましい。凹部の面積の割合をこの範囲とすることにより、確実な終点検出と高い研磨性能とを両立することができる。なお、ここでいう凹部の面積とは、パッド概形の下面への凹部の開口部の大きさが凹部の底面の大きさより大きい場合であっても凹部の底面の面積の総計をいう。
なお、パッド概形の下面に開口する凹部は、本発明の方法により化学機械研磨パッドを製造した後はパッドの非研磨面に開口する凹部となるから、上記したパッド概形の凹部の形状および大きさは製造後のパッドの凹部の形状および大きさとしてそのまま維持される。
本発明の方法に使用されるパッド概形は、上述のとおり、好ましくはパッド概形の全体が透光性を有する同一の材料で構成されているパッド概形(第一のパッド概形)、透光性を有する透光性部材およびこれとは異なる材料により構成される研磨基体からなり両者が融着されているパッド概形(第二のパッド概形)または研磨パッドの全体が透光性を有さない同一の材料で構成されているパッド概形(第三のパッド概形)である。
第一のパッド概形を構成する材料および第二のパッド概形の透光性部材を構成する材料(以下、これらをまとめて「透光性材料」という。)としては、非水溶性マトリックス材と、必要に応じて添加される水溶性粒子とから構成されることが好ましい。水溶性粒子を添加する場合には、該水溶性粒子は非水溶性マトリックス材中に分散されることが好ましい。
上記非水溶性マトリックス材(以下、単に「マトリックス材」ともいう。)としては、透光性を有する有機材料、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー、ゴム等を単独でまたは組み合わせて用いることが好ましい。このマトリックス材は、透光性を有すれば、それ自体が透明または半透明である必要はないが、透光性はより高いことが好ましく、さらには透明であることがより好ましい。
透光性を有する熱可塑性樹脂としては、例えば1,2−ポリブタジエン樹脂、ポリオレフィン樹脂(例えばポリエチレン等)、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂(例えば(メタ)アクリレート樹脂等)、ビニルエステル樹脂(ただしポリアクリル樹脂を除く)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂(例えばポリフッ化ビニリデン等)、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂等を挙げることができる。
エラストマーとしては、例えばジエンエラストマー(例えば1,2−ポリブタジエン等)、ポリオレフィンエラストマー(TPO)、スチレン系エラストマー(例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、その水素添加ブロック共重合体(SEBS)等)、熱可塑性エラストマー(例えば熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)、ポリアミドエラストマー(TPAE)等)、シリコーン樹脂エラストマー、フッ素樹脂エラストマー等を挙げることができる。
ゴムとしては、例えばブタジエンゴム(例えば高シスブタジエンゴム、低シスブタジエンゴム等)、その他の共役ジエンゴム(例えばイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム等)、ニトリルゴム(例えばアクロルニトリル−ブタジエンゴム等)、アクリルゴム、エチレン−α−オレフィンゴム(例えばエチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム等)、ブチルゴムおよびその他のゴム(例えばシリコーンゴム、フッ素ゴム等)を挙げることができる。
これらの有機材料は、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基等により変性されたものであってもよい。また、これらの有機材料は、その一部または全部が架橋された架橋重合体であることが好ましい。
上記水溶性粒子としては、有機水溶性粒子または無機水溶性粒子であることができる。有機水溶性粒子の素材としては、例えば糖類、多糖類(例えばでんぷん、デキストリン、シクロデキストリン等)、乳糖、マンニット等、セルロース類(例えばヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等)、蛋白質、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキサイド、水溶性の感光性樹脂、スルホン化ポリイソプレン、スルホン化イソプレン共重合体等を挙げることができる。無機水溶性粒子の素材としては、例えば酢酸カリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、リン酸カリウム、硝酸マグネシウム等を挙げることができる。これらの水溶性粒子は、外殻の少なくとも一部に吸湿を抑制する外殻を備えることができる。かかる外殻を形成する材料としては、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリシリケート等を挙げることができる。
水溶性粒子の平均粒径は、好ましくは0.1〜500μm、より好ましくは0.5〜100μmである。水溶性粒子はその内部に空洞を有さない中実体であることが好ましい。
透光性材料における水溶性粒子の含有量としては、非水溶性マトリックス材と水溶性粒子との合計体積に対して20体積%以下であることが好ましく、1〜10体積%であることがより好ましく、さらに2〜5体積%であることが好ましい。
第二のパッド概形の研磨基体における「透光性部材と異なる材料」または第三のパッド概形における「透光性を有さない材料」は、上記透光性部材を構成する材料に含有される成分とは異なる成分からなる材料のほか、同じ構成成分からなっていてもその含有割合が異なる材料や、架橋の程度や結晶化度等が異なる材料であってもよい。第二のパッド概形における「透光性材料と異なる材料」の透光性の有無やその程度は問わない。
第二のパッド概形の研磨基体における「透光性部材と異なる材料」または第三のパッド概形における「透光性を有さない材料」としては、水溶性粒子と該水溶性粒子が分散された非水溶性マトリックスからなる素材または空洞と該空洞が分散された非水溶性マトリックス材からなる素材(例えば発泡体等)からなることが好ましい。
前者の素材における非水溶性マトリックス材を構成する材料としては、透光性材料の非水溶性マトリックス材に使用できるとして例示したもののほか、硬化樹脂、例えばウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン−ウレア樹脂、ウレア樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂等を挙げることができる。これらの有機材料は、その一部または全部が架橋された架橋重合体であることが好ましく、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基等により変性されたものであってもよい。前者の素材における水溶性粒子としては、透光性材料に任意的に使用できる水溶性粒子として例示したと同様のものを使用することができる。この場合の水溶性粒子の含有量としては、非水溶性マトリックス材と水溶性粒子との合計体積に対して1〜50体積%であることが好ましく、2〜30体積%であることがより好ましい。
一方、後者の素材、すなわち空洞が分散された非水溶性マトリックス材としては、例えばポリウレタン、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリビニルアセテートの各発泡体等を挙げることができる。
このような非水溶性マトリックス材中に分散する空洞の大きさは、平均値で、好ましくは0.1〜500μm、より好ましくは0.5〜100μmである。
パッド概形が第二のパッド概形である場合、研磨基体を構成する材料としては水溶性粒子と該水溶性粒子が分散された非水溶性マトリックスとからなる素材が好ましく、研磨基体の非水溶性マトリックス材と透光性部材の非水溶性マトリックス材とが同じ種類に属する材料を含有することがより好ましく、特に研磨基体を構成する材料が透光性部材を構成する材料と水溶性粒子の含有割合のみにおいて異なり、その余の構成成分の化学種および含有割合において一致していることが好ましい。なおここで、マトリックス材の「種類」とは、マトリックス材の有機材料における熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマーまたはゴムの別をいう。
上記第一または第三のパッド概形は、例えば所望のパッド概形の凹部の形状と契合する凸部を設けたキャビティーを有する金型を用いて成形することができる。
上記第二の研磨パッドを製造するためのパッド概形は、上記と同様の金型を用いて例えば以下のいずれかの方法により成形することが好ましい。
(1)予め成形加工した透光性部材を金型内にセットし、金型内の残余の空間に研磨基体を構成するための原料組成物を仕込んで成形する方法。
(2)予め透光性部材をインサートするための孔を有する研磨基体を成形加工し、これを金型内にセットし、研磨基体の孔中に透光性部材を形成するための原料組成物を仕込んで成形する方法。
上記第一ないし第三のパッド概形の成形にあたって、金型のキャビティーに凸部を設ける代わりに凸部に相当する形状の金属ブロックを利用する方法によってもよい。また、金型として上記のような凸部を有さないものを用いて形成した成形体に切削加工を施すことにより凹部を形成してもよい。さらに、凸部を有する金型の利用と切削加工を組み合わせることにより凹部を形成してもよい。第二のパッド概形の場合、透光性部材の位置に凹部が形成されるように金型の凸部または切削加工の位置を設定することが好ましい。
上記の如きパッド概形は、切削加工機の定盤上に吸引固定してその研磨面となるべき面に切削加工により溝または溝群を形成することにより、化学機械研磨パッドとすることができる。
パッド概形は、先ず凹部を有する下面を下にして切削加工機の定盤上に吸引固定される。吸引力としては、吸引後の圧力として好ましくは5〜30kPaであり、より好ましくは10〜25kPaである。
次いで、パッド概形の上面(研磨面となるべき面)に、切削加工により溝または溝群を形成することにより、化学機械研磨パッドとすることができる。
上記溝としては、例えば研磨パッドの研磨面の中心部から周辺部に向かって次第に拡大する一本の螺旋溝を挙げることができる。
上記溝群としては、研磨パッドの研磨面の中心部から周辺部に向かって次第に拡大する螺旋溝の複数からなる溝群、複数の同心円からなる溝群および複数の放射状溝からなる溝群ならびにこれらの組み合わせ、ならびにこれらのうちの少なくとも一つと研磨面の中心部から周辺部に向かって次第に拡大する一本の螺旋溝とからなる溝群との組み合わせを挙げることができる。溝群としては、複数の同心円からなる溝群または複数の同心円と複数の放射状溝とからなる溝群が好ましい。
溝が一本の螺旋溝であるとき、その巻回数は200〜400回であることが好ましい。溝群が複数の同心円溝であるとき、溝の数としては200〜400本であることが好ましい。溝群が複数の螺旋溝であるときの溝の数は2〜10本であることが好ましい。さらに、溝群が複数の放射状溝であるときの溝の数は、4〜64本であることが好ましい。
溝の幅は、0.1mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5.0mmであり、さらに好ましくは0.1〜2.0mmである。溝の深さとしては、好ましくは0.1〜2.0mmであり、より好ましくは0.4〜1.5mmであり、さらに0.8〜1.4mmであることが好ましい。溝または溝群が螺旋溝または同心円溝からなるとき、溝のピッチ(研磨面の中心から外周に至る仮想直線と溝が交差する交差点のうち、隣接する二交差点間の距離)としては、好ましくは1.0〜30mmであり、より好ましくは1.2〜20mmであり、さらに好ましくは1.5〜5.0mmである。
上記溝または溝群は、その内面の表面粗さを20μm以下とすることが好ましく、0.05〜15μmとすることがより好ましく、さらに0.05〜10μmとすることが好ましい。内面の表面粗さが上記の範囲の溝または溝群とすることにより、本発明の方法により製造される化学機械研磨パッドは次に述べるように研磨面の一部に溝を有さないものであるにもかかわらず、化学機械研磨時に供給される化学機械研磨用水系分散体の分配および研磨廃液の除去の双方がより効率的となり、被研磨面のスクラッチ発生の抑制効果および高度の面内均一性をより確実に得られることになる。この表面粗さは、前述した凹部の底面の表面粗さと同様に上記式(1)により定義され、例えばキャノン(株)製の3次元表面構造解析顕微鏡(型式「Zygo New View 5032」)等を用い、使用前の研磨パッドの溝の内表面につき異なる3視野の各々の平均表面粗さを測定して得られた3つの平均表面粗さから求めた平均値として知ることができる。
パッド概形は、その下面(非研磨面となるべき面)に開口する凹部を有しているため、切削加工機の定盤上に吸引固定することにより上面(研磨面となるべき面)の一部が下面方向に撓んで研磨面となるべき面から沈むこととなる。つまりパッド概形の上面は、下面の凹部に相当する領域のうちの少なくとも一部の区域が凹んだ状態で固定されるため、切削加工の際に凹んだ区域には切削刃が接触せず、これにより上面のうち下面の凹部に相当する区域に溝が形成されない区域を有することとなる。特に、本発明の化学機械研磨パッドの製造方法の最も好ましい態様では、パッド概形下面の凹部の深さが溝または溝群の深さよりも大きいものであるため、パッド概形を切削加工機の定盤上に吸引固定して溝または溝群を形成する際に、上記の効果をより確実に得ることができることとなる。
このように、本発明の方法により製造される化学機械研磨パッドは、研磨面のうち下面に開口する凹部に対応する領域に溝の形成されていない区域を有する。溝の形成されていない区域の形状としては、例えば円形、楕円形、多角形等とすることができる。多角形としては、例えば四角形、六角形、八角形等を挙げることができる。溝の形成されていない区域の大きさとしては、例えばパッドが円柱状である場合、研磨面の半径方向に平行な方向における長さとして好ましくは10〜100mm、より好ましくは20〜80mm、さらに30〜60mmであることが好ましく、研磨面の接線方向に平行な方向における長さとして好ましくは2〜50mm、より好ましくは5〜30mm、さらに10〜20mmであることが好ましい。
溝の形成されていない区域の形状および大きさは、パッド概形の下面に開口する凹部の形状および大きさを適宜に選択することにより設計することができる。以下、図を参照しつつ凹部と溝の形成されていない区域との関係について具体的に説明する。図4〜6に本発明の方法により製造された化学機械研磨パッドの研磨面の平面図の部分拡大図と、その切断端面図を示した。図4〜6において、(a)は平面図(部分拡大図)であり、(b)はA−A切断端面図である。図4〜6はいずれも第二のパッド概形から製造された化学機械研磨パッドの例であるが、第一または第三のパッド概形についても同様に理解されるべきである。
図4(a)を見ると、研磨基体1に、4つの頂点が多少丸みを帯びた矩形の透光性部材2が融着されている。研磨基体1および透光性部材2には同心円状の溝群3が形成されているが、透光性部材はその一部に溝が形成されていない区域4を有する。図4(a)における区域4は、略楕円形状を示し、透光性部材2の内部に包含されている。図4(b)を見ると、透光性部材2の下面は研磨基体1の下面に至っていない。透光性部材2の下面より下部は空洞となり、研磨基体1の下面側から観察するとその部分に凹部が存在することとなり、透光性部材2の下面が該凹部の底面を構成する。図4(b)の研磨基体1が有する凹部の下面への開口部は凹部の底面と同じ大きさであり、凹部の断面形状は矩形である。研磨基体1の下面から透光性部材2の下面(凹部の底面)までの距離(すなわち凹部の深さ)は、研磨基体1および透光性部材2の上面に形成された溝の深さよりも大きいものである。また、図4(b)からも溝が形成されていない区域4の存在が分かる。
図5(a)を見ると、研磨基体1に、楕円形状の透光性部材2が融着されている。研磨基体1および透光性部材2には同心円状の溝群3が形成されており、透光性部材はその一部に溝が形成されていない区域4を有する。図5(a)における区域4は、略楕円形状を示し、透光性部材2の内部に包含されている。図5(b)に示された断面形状は、図4(b)とほぼ同様である。
また、図6(a)を見ると、研磨基体1に、楕円形状の透光性部材2が融着されている。研磨基体1および透光性部材2には同心円状の溝群3が形成されている。図6(a)も溝が形成されていない楕円形状の区域4の存在を示している。図6(a)において、区域4はその短径において透光性部材2の短径に包含されているが、長径においては透光性部材2の長径を越えて研磨基体1の一部にまで至っている。図6(b)において、透光性部材2の下面は研磨基体1の下面に至っておらず、透光性部材2の下面より下部が凹部となっており、透光性部材2の下面が該凹部の底面を構成している点および研磨基体1の下面から透光性部材2の下面までの距離(凹部の深さ)が研磨基体1および透光性部材2の上面に形成された溝の深さよりも大きいものである点において図4(b)および図5(b)と同様である。しかし、図6(b)の研磨基体1の有する凹部の断面形状は、透光性部材2の下面(すなわち凹部の底面)から中間地点5に至るまで凹部の底面と同じ大きさであり、中間地点5においてその大きさを拡大し、拡大された大きさを維持しつつ研磨基体の下面まで至っている。すなわち図6における凹部は、研磨基体1の下面における開口部が凹部の底面よりも大きいものであり、その断面形状は矩形の上にさらに小さい矩形を重ねた二段階形状であることがわかる。
本発明の方法により製造される化学機械研磨パッドにおいて、研磨面のうち溝の形成されていない区域は、パッドの下面(非研磨面)に開口する凹部の底面に対応する領域を越えてそれ以外の部分の一部に及んでいてもよいが、凹部の底面に対応する領域以外の部分(ただし、研磨面の中心部を除く。)は溝の形成されていない区域を有さないことが望ましい。また、凹部の底面に対応する領域の少なくとも一部、好ましくはその外周部に溝が形成されていることが好ましい。ここで、溝の形成されていない区域を凹部の底面に対応する領域内の一部に留めることにより、より高い終点検出感度と極めて良好な研磨性能とを両立できることとなる。本発明の方法により製造される化学機械研磨パッドの研磨面の凹部の底面に対応する領域のうち、溝が形成されていない区域の面積は、凹部の底面の面積の20〜90%であることが好ましく、40〜70%であることがより好ましい。
本発明の被研磨体の加工方法は、
上記の如き方法により化学機械研磨パッドを製造する工程と、
該化学機械研磨パッドを用いて被研磨体を化学機械的に研磨する工程と、
研磨終点を光学的に検出する工程または渦電流により生じた磁束の変化により研磨終点を検出する工程と、
を含むことを特徴とする。
上記被研磨体を化学機械的に研磨する工程は、本発明の方法によって製造された化学機械研磨パッドを用いて、好ましくは適当な化学機械研磨用水系分散体を使用して行われる。本発明の被研磨体の加工方法は、スクラッチ等の表面欠陥の発生が抑制され且つ面内均一性の高い高品位の被研磨面を与えるものである。上記研磨パッドは渦電流モニタリングシステムを備えた化学機械研磨装置に装着して化学機械研磨工程に使用することができ、渦電流により生じた磁束の変化により研磨終点を高感度で検出することができる。また、該研磨パッドが透光性領域を有するものである場合には光学式の終点検出器を備えた化学機械研磨装置に装着して化学機械研磨工程に使用することができ、研磨終点を光学的に高感度で検出することができる。さらに、該研磨パッドが透光性領域を有するものである場合には、光学式の終点検出器および渦電流モニタリングシステムの双方を備えた化学機械研磨装置に装着して化学機械研磨工程に使用することができ、重畳的な測定により研磨終点をより精密に検出することができる。
上記のうち、高い光透過性と良好な研磨性能とは、従来は二律背反の関係にあると考えられていたものである。
本発明の化学機械研磨パッドの製造方法は、上記の如き高性能の研磨パッドを汎用の切削加工機を用いた簡易な方法によって製造できる、工業的に極めて有利な方法である。
本発明の被研磨体の加工方法は、光学式の終点検出器および渦電流モニタリングシステムにより研磨終点を高い感度で検出することができ、研磨時間および研磨用水系分散体を節約することができる、工業的に極めて有利な方法である。
実施例1
I.化学機械研磨パッドの製造
(1)研磨基体の製造
1,2−ポリブタジエン(JSR(株)製、品名「JSR RB830」)66.5体積%、ポリスチレン((株)PSジャパン製、品名「HF−55」)28.5体積%および水溶性物質としてβ−シクロデキストリン((株)横浜国際バイオ研究所製、品名「デキシーパールβ−100」)5体積%を160℃に加熱したルーダーにて混練した。その後、パークミルD−40(商品名、日本油脂(株)製、ジクミルパーオキサイドを40重量%含有する。)を、1,2−ポリブタジエンおよびポリスチレンの合計量100重量部に対して0.4重量部(純ジクミルパーオキサイドに換算して0.16重量部に相当する。)添加してさらに混練することにより、研磨基体の原料組成物を調製した。この原料組成物を、プレス金型内にて160℃で7分間架橋反応させて、直径790mm、厚さ3.2mmの成形体を得た。次いで(株)加藤機械製のエンドミルを用い、この成形体の中心から105mmのところを中心として、半径方向と平行な方向における長さ80mm、接線方向に平行な方向における長さ30mmの矩形の貫通孔を形成し、孔を有する研磨基体を製造した。
(2)透光性部材の原料組成物の調製
1,2−ポリブタジエン「JSR RB830」98体積%および水溶性物質としてβ−シクロデキストリン「デキシーパールβ−100」2体積%を160℃に加熱したルーダーにて混練した。その後、「パークミルD−40」を1,2−ポリブタジエン100重量部に対して0.7重量部(純ジクミルパーオキサイドに換算して0.28重量部に相当する。)添加してさらに混練することにより、透光性部材の原料組成物を得た。
(3)パッド概形の製造
上記(1)で製造した研磨基体をプレス金型内に再びセットし、下型上、研磨基体の孔部の中央部に長さ50mm、幅15mm、厚さ1.5mmの金属ブロックを、その長さ方向を研磨基体の半径方向に平行に置き、孔部の残余の空間に上記(2)で調製した透光性部材の原料組成物を充填した後に、180℃で10分間架橋反応させることにより、直径790mm、厚さ3.2mmの円柱状であり、透光性部材が融着され、その下面に凹部を有する成形体を得た。
この成形体を、ワイドベルトサンダー機器((株)名南製作所製)の挿入口にセットし、ローラーを500rpmで回転しながら、成形体の上面および下面につき、粒度メッシュ#120、#150および#220のサンドペーパー((株)コバックス製)を順次に用いてそれぞれ0.1m/sの早さで動かして各番定あたり0.1mmずつ研削した(ここまでの総研削量は、上面、下面それぞれ0.3mmずつである。)。次いで、上面(研磨面となるべき面)のみさらに#320のサンドペーパーを用いて同様にして0.1mm研削した。
以上の操作により、直径が790mm、厚さが2.5mmであり、その下面に矩形の凹部(その断面形状は矩形である。)を有するパッド概形を製造した。
(4)化学機械研磨パッドの製造
上記で製造したパッド概形を加藤機械(株)製の切削加工機の定盤上に、凹部を有する下面を下にして吸引圧力30kPaで吸引固定した。吸引することによりパッド概形はその透光性部材の一部が凹んだ状態で定盤上に固定された。この状態で、幅0.5mm、深さ1mmの同心円状の溝群を中心から半径10mm以遠のところにピッチ2mmで形成し、その後直径が508mmの円柱状になるように外周部分をカットし、直径508mm、厚さ2.5mmの化学機械研磨パッドを製造した。この研磨パッドが有する透光性部材の研磨面側のうち、透光性部材の中心を中心として長径が半径方向と平行に40mmであり、短径が接線方向と平行に10mmである略楕円状の区域には溝が形成されなかった。
上記で製造した化学機械研磨パッドにつき、キャノン(株)製の3次元表面構造解析顕微鏡「Zygo New View 5032」を用いて透光性部材の下面および研磨面の溝内部の表面粗さを測定したところ、透光性部材の下面につき1.1μmであり、研磨面の溝内部につき3.1μmであった。また、UV吸光度計((株)日立製作所製、型式「U−2010」)を用いて透光性部材のうち溝が形成されていない区域について波長650nmにおける透過率を測定したところ、5回の平均透過率は12%であった。
II.化学機械研磨パッドの評価
(1)パターン付きウェハの研磨試験
上記で製造した化学機械研磨パッドの裏面に、3M社製両面テープ「#422」をラミネートした後、光学式の研磨終点検出器を備えた化学機械研磨装置(アプライドマテリアル社製、型式名「Mirra Mesa」)に装着し、8インチパターン付きウェハ(品名「SEMATECH−854」)を被研磨体として、以下の条件にて化学機械研磨を行った。
定盤回転数:120rpm
研磨ヘッド回転数:36rpm
研磨圧力:3psi
研磨機械研磨用水系分散体:CMS7401、CMS7452(ともに商品名、JSR(株)製)および水を1:1:2(重量比)で混合したもの。
化学機械研磨用水系分散体供給速度:200mL/分
上記の研磨においては、問題なく終点検出ができた。また、研磨後の被研磨面につき、ケーエルエー・テンコール社製、表面欠陥検査装置「サーフスキャンSP1」を使用してスクラッチ数を測定したところウェハ全面あたり0個であった。
上記に引き続いて19枚のSEMATECH−854に対して連続して同様の化学機械研磨を行ったが(総研磨枚数20枚)、いずれの研磨においても問題なく終点検出ができ、また被研磨面にスクラッチは観測されなかった。
(2)パターンなし銅膜付きウェハの研磨試験
上記「I.化学機械研磨パッドの製造」と同様にして製造した化学機械研磨パッドを用いて、直径8インチのパターンなし銅膜付きウェハを被研磨体として、研磨時間を1分としたほかは上記「(1)パターン付きウェハの研磨試験」と同様にして化学機械研磨を行った。
被研磨体につき、直径方向に、両端からそれぞれ5mmの範囲を除いて均等にとった33点について研磨前後の銅膜の厚さを測定し、この測定結果から、下記式により、研磨速度および面内均一性を計算した。
研磨量=研磨前の銅膜の厚さ−研磨後の銅膜の厚さ
研磨速度=膜厚量の平均値÷研磨時間
面内均一性(%)=(研磨量の標準偏差÷研磨量の平均値)×100
その結果、研磨速度は1,200Å/分であり、面内均一性は1.15%であった。なお、面内均一性の値が5%以下のとき、面内均一性は良好であるといえる。
(3)融着部強度の評価
上記と同様にして調製した研磨基体の原料組成物を、プレス金型内で160℃、7分間架橋反応させ(第一の架橋反応)、長さ180mm、幅180mm、厚さ3mmのシート状成形体を得た。この成形体を幅方向に半分にカットしたうちの一方を同じ金型に戻し入れ、金型の残余の空間に上記と同様にして調製した透光性部材の原料組成物を充填し、180℃にて10分間架橋反応させることにより(第二の架橋反応)、幅方向の半分が研磨基体と同じ素材、もう半分が透光性部材と同じ素材であり、両者が融着された長さ180mm、幅180mm、厚さ3mmのシート状成形体を得た。同様の操作を繰り返し、同様のシート状成形体を2枚作成した。
次いで、このシート状成形体を、融着部が延伸部のほぼ中央に位置するように3号ダンベルの形状に打ち抜いた試験片を、シート状成形体のそれぞれから5個ずつ、計10個作成した。
これら試験片につき、JIS K6251に準拠して引張速度500mm/分にてそれぞれ引張試験を行ったところ、10個の試験片はすべて研磨基体の素材の部分において破断し、融着部において破断した試験片はなかった。
実施例2
I.化学機械研磨パッドの製造
(1)研磨基体の製造
1,2−ポリブタジエン(JSR(株)製、品名「JSR RB830」)80体積%およびβ−シクロデキストリン((株)横浜国際バイオ研究所製、品名「デキシーパールβ−100」)20体積%を160℃に加熱したルーダーにて混練した。その後、パークミルD−40(商品名、日本油脂(株)製、ジクミルパーオキサイドを40重量%含有する。)を1,2−ポリブタジエン100重量部に対して0.7重量部(純ジクミルパーオキサイドに換算して0.28重量部に相当する。)添加してさらに混練して研磨基体の原料組成物を調製した。この原料組成物を中心から200mmの位置に貫通穴が形成されるような凸部を有する金型に充填して160℃、5分間架橋反応させることにより、直径790mm、厚さ3.2mmの成形体を得た。この成形体は、中心から195mmのところを中心として、長径が半径方向と平行に100mmであり、短径が接線方向と平行に50mmである楕円形状の孔を有していた。なお、金型の凸部の位置と成形体の孔の位置とが一致していないのは、成形体の収縮による(以降の実施例においても同様である。)。
(2)透光性部材の原料組成物の調製
実施例1におけるのと同様にして、透光性部材の原料組成物を得た。
(3)パッド概形の製造
金型として上記(1)で使用したのとは別の凸部を有していない金型を用い、上記(1)で得た研磨基体および上記(2)で得た透光性部材の原料組成物を使用し、金属ブロックとして長径60mm、短径20mm、厚さ2.4mmの楕円柱状のものを用いその長径方向を半径方向に平行に置いたほかは実施例1におけるのと同様にして直径790mm、厚さ3.2mmの円柱状であり、透光性部材が融着された成形体を得た。次いで実施例1におけるのと同様にしてサンドペーパーによる研削を行った。
さらに、加藤機械(株)製の切削加工機のエンドミルを用いて成形体の下面(非研磨面となる面)の凹部の開口部(透光性部材に相当する領域)の周りに、開口部の中心を中心として長径が半径方向と平行に80mmであり、短径が接線方向と平行に30mmであり、深さが0.7mmである楕円形状の凹部を形成し、パッド概形を得た。このパッド概形は、その下面に楕円形状の凹部(その断面形状は矩形の上にさらに小さな矩形を重ねた二段階形状である。)を有していた。
(4)化学機械研磨パッドの製造
上記で製造したパッド概形を、実施例1の「(4)化学機械研磨パッドの製造」と同様に切削加工機の定盤上に吸引固定して同心円状の溝群を形成し、厚さ2.5mmの化学機械研磨パッドを製造した。この研磨パッドの研磨面のうち、透光性部材の中心を中心として、長径が半径方向と平行に50mmであり、短径が接線方向と平行に15mmである略楕円状の区域には溝が形成されなかった。
上記で製造した化学機械研磨パッドにつき、実施例1と同様にして透光性部材の下面および研磨面の溝内部の表面粗さを測定したところ、それぞれ1.1μmおよび5.2μmであった。また、透光性部材のうち、溝が形成されていない区域につき、実施例1と同様にして波長650nmにおける透過率を測定したところ、5回の平均透過率は18%であった。
II.化学機械研磨パッドの評価
(1)パターン付きウェハの研磨試験
上記で製造した化学機械研磨パッドの裏面に、3M社製両面テープ「#422」をラミネートした後、光学式の研磨終点検出器を備えた化学機械研磨装置(アプライドマテリアル社製、型式名「Reflexion」)に装着し、12インチパターン付きウェハ(品名「SEMATECH−754」)を被研磨体として、以下の条件にて化学機械研磨を行った。
定盤回転数:120rpm
研磨ヘッド回転数:36rpm
研磨圧力:3psi
研磨機械研磨用水系分散体:CMS7401、CMS7452(ともに商品名、JSR(株)製)および水を1:1:2(重量比)で混合したもの。
化学機械研磨用水系分散体供給速度:300mL/分
上記の研磨においては、問題なく終点検出ができた。また、研磨後の被研磨面につき、実施例1と同様にしてスクラッチ数を測定したところウェハ全面あたり0個であった。
上記に引き続いて19枚のSEMATECH−754に対して連続して同様の化学機械研磨を行ったが(総研磨枚数20枚)、いずれの研磨においても問題なく終点検出ができ、また被研磨面にスクラッチは観測されなかった。
(2)パターンなし銅膜付きウェハの研磨試験
上記「I.化学機械研磨パッドの製造」と同様にして製造した化学機械研磨パッドを用いて、直径12インチのパターンなし銅膜付きウェハを被研磨体とし、研磨時間を1分としたほかは上記「(1)パターン付きウェハの研磨試験」と同様にして化学機械研磨を行った。
被研磨面につき、実施例1と同様にして研磨速度および面内均一性を計算したところ、それぞれ1,510Å/分および2.1%であった。
(3)融着部強度の評価
研磨基体の原料組成物として上記で調製した研磨基体の原料組成物を用い、第一の架橋反応の条件を160℃、5分間としたほかは実施例1と同様にして融着部強度の評価を行った。
引張試験の試験片10個はすべて研磨基体の素材の部分において破断し、融着部において破断した試験片はなかった。
実施例3
I.化学機械研磨パッドの製造
(1)研磨基体の製造
実施例1と同様にして研磨基体の原料組成物を調製した。この原料組成物を、中心から200mmの位置を中心として貫通孔を形成させるような凸部を有する金型を用いて160℃にて7分間架橋反応させることにより、直径790mm、厚さ3.2mmの孔を有する成形体を得た。この成形体の有する孔は、中心から195mmのところを中心として、長径が半径方向と平行に100mm、短径が接線方向と平行に50mmの楕円形状であった。
(2)透光性部材の原料組成物の調製
実施例1におけるのと同様にして、透光性部材の原料組成物を得た。
(3)パッド概形の製造
金型として上記(1)で使用したのとは別の凸部を有していない金型を用い、上記(1)で製造した成形体および上記(2)で得た透光性部材の原料組成物を用い、金属ブロックとして研磨基体の下面から0.7mmのところまでは長径が半径方向と平行に80mm、短径が接線方向と平行に30mmであり、0.7mmより上面(研磨基体の下面から2.4mmの高さ)までは長径が半径方向と平行に60mm、短径が接線方向と平行に20mmであり、両者の中心軸が同軸上にあり、厚さが2.4mmである金属ブロックを用いた以外は実施例1におけるのと同様にして、直径790mm、厚さ3.2mmの円柱状であり、透光性部材が融着された成形体を得た。次いで、実施例1におけるのと同様にしてサンドペーパー研削を行うことにより、その下面に楕円形状の凹部(その断面形状は、矩形の上にさらに小さい矩形を重ねた二段階形状である。)を有するパッド概形を製造した。
(4)化学機械研磨パッドの製造
上記で製造したパッド概形を、実施例1の「(4)化学機械研磨パッドの製造」と同様に切削加工機の定盤上に吸引固定して同心円状の溝群を形成し、厚さ2.5mmの化学機械研磨パッドを製造した。この研磨パッドが有する透光性部材の研磨面側のうち、透光性部材の中心を中心として、長径が半径方向と平行に50mmであり、短径が接線方向と平行に15mmである略楕円状の区域には溝が形成されなかった。
上記で製造した化学機械研磨パッドにつき、実施例1と同様にして透光性部材の下面および研磨面の溝内部の表面粗さを測定したところ、それぞれ1.9μmおよび2.7μmであった。また、透光性部材のうち、溝が形成されていない区域につき、実施例1と同様にして波長650nmにおける透過率を測定したところ、5回の平均透過率は21%であった。
II.化学機械研磨パッドの評価
(1)パターン付きウェハの研磨試験
上記で製造した化学機械研磨パッドを用いて、実施例2と同様にして連続して20枚のSEMATECH−754を研磨した。すべての研磨において問題なく終点検出ができ、また被研磨面にスクラッチは観測されなかった。
(2)上記と同様にして製造した化学機械研磨パッドを用いたほかは、実施例2と同様にして直径12インチのパターンなし銅膜付きウェハを研磨したところ、研磨速度は1,400Å/分であり、面内均一性は2.5%であった。
実施例4
I.化学機械研磨パッドの製造
(1)透光性材料の原料組成物の調製
1,2−ポリブタジエン(JSR(株)製、品名「JSR RB830」)95体積%およびβ−シクロデキストリン((株)横浜国際バイオ研究所製、品名「デキシーパールβ−100」)5体積%を160℃に加熱したルーダーにて混練した。その後、パークミルD−40(商品名、日本油脂(株)製、ジクミルパーオキサイドを40重量%含有する。)を1,2−ポリブタジエン100重量部に対して0.9重量部(純ジクミルパーオキサイドに換算して0.36重量部に相当する。)添加してさらに混練することにより、透光性材料の原料組成物を得た。
(2)パッド概形の製造
円柱状のキャビティーを有し、その下型上に、中心から200mmのところを中心として半径と平行な方向に長さ80mm、接線と平行な方向に幅60mm、厚さ1.5mmの矩形の凸部を有する金型のキャビティーに上記(1)で調製した透光性材料の原料組成物を充填した。その後、180℃で10分間架橋反応させることにより、直径790mm、厚さ3.2mmの円柱状であり、全体に透明性があり、その下面に開口する凹部を有する成形体を得た。次いで、実施例1におけるのと同様にしてサンドペーパー研削を行うことにより、その下面に矩形の凹部(その断面形状は矩形である。)を有するパッド概形を製造した。
(3)化学機械研磨パッドの製造
上記で製造したパッド概形を、実施例1の「(4)化学機械研磨パッドの製造」と同様に切削加工機の定盤上に吸引固定して同心円状の溝群を形成し、厚さ2.5mmの化学機械研磨パッドを製造した。この研磨パッドの研磨面の下面凹部に対応する領域(透光性領域)のうち、該領域の中心を中心として、長径が半径方向と平行に70mmであり、短径が接線方向と平行に40mmである略楕円状の区域には溝が形成されなかった。
上記で製造した化学機械研磨パッドにつき、実施例1と同様にして透光性領域の下面および研磨面の溝内部の表面粗さを測定したところ、それぞれ1.6μmおよび3.2μmであった。また、透光性部材のうち、溝が形成されていない区域につき、実施例1と同様にして波長650nmにおける透過率を測定したところ、5回の平均透過率は25%であった。
II.化学機械研磨パッドの評価
(1)パターン付きウェハの研磨試験
上記で製造した化学機械研磨パッドを用いて、実施例2と同様にして連続して20枚のSEMATECH−754を研磨した。すべての研磨において問題なく終点検出ができ、また被研磨面にスクラッチは観測されなかった。
(2)パターンなし銅膜付きウェハの研磨試験
上記と同様にして製造した化学機械研磨パッドを用いたほかは、実施例2と同様にして直径12インチのパターンなし銅膜付きウェハを研磨したところ、研磨速度は1,250Å/分であり、面内均一性は3.2%であった。
実施例5
I.化学機械研磨パッドの製造
(1)パッド概形の製造
パッド概形の製造において、金型として、下型の中心から200mmの位置を中心として長径が半径と平行な方向に80mm、短径が接線と平行な方向に60mm、高さが1.5mmの凸部を有する金型を用いたほかは実施例4と同様にして実施し、直径790mm、厚さ3.2mmの円柱状であり、全体に透明性があり、その下面に開口する凹部を有する成形体を得た。次いで、実施例1におけるのと同様にしてサンドペーパー研削を行うことにより成形体を得た。さらに、加藤機械(株)製の切削加工機のエンドミルを用いて成形体の下面の凹部の開口部の周りに、開口部の中心を中心として長径が半径方向と平行に110mmであり、短径が接線方向と平行に80mmであり、深さが0.3mmである楕円形状の凹部(その断面形状は矩形の上にさらに小さい矩形を重ねた二段階形状である。)を形成してパッド概形を製造した。
(2)研磨パッドの製造
上記で製造したパッド概形を、実施例1の「(4)化学機械研磨パッドの製造」と同様に切削加工機の定盤上に吸引固定して同心円状の溝群を形成し、厚さ2.5mmの化学機械研磨パッドを製造した。この研磨パッドの研磨面の下面凹部に対応する領域(透光性領域)のうち、該領域の中心を中心として、長径が半径方向と平行に70mmであり、短径が接線方向と平行に40mmである略楕円状の区域には溝が形成されなかった。
上記で製造した化学機械研磨パッドにつき、実施例1と同様にして透光性領域の下面および研磨面の溝内部の表面粗さを測定したところ、それぞれ1.9μmおよび3.5μmであった。また、透光性部材のうち、溝が形成されていない区域につき、実施例1と同様にして波長650nmにおける透過率を測定したところ、5回の平均透過率は29%であった。
II.化学機械研磨パッドの評価
(1)パターン付きウェハの研磨試験
上記で製造した化学機械研磨パッドを用いて、実施例2と同様にして連続して20枚のSEMATECH−754を研磨した。すべての研磨において問題なく終点検出ができ、また被研磨面にスクラッチは観測されなかった。
(2)上記と同様にして製造した化学機械研磨パッドを用いたほかは、実施例2と同様にして直径12インチのパターンなし銅膜付きウェハを研磨したところ、研磨速度は1,820Å/分であり、面内均一性は2.9%であった。
実施例6
I.化学機械研磨パッドの製造
(1)研磨基体の製造
実施例1と同様にして研磨基体の原料組成物を調製し、これをプレス金型内で160℃で7分間架橋反応することにより直径790mm、厚さ3.2mmの成形体を得た。次いで(株)加藤機械製のエンドミルを用い、この成形体の中心から105mmのところを中心として、半径方向の長さ58mm、接線方向に平行な方向における長さ22mmの矩形の貫通孔を形成し、孔を有する研磨基体を製造した。
(2)透光性部材の原料組成物の調製
実施例1におけるのと同様にして、透光性部材の原料組成物を得た。
(3)パッド概形の製造
上記(1)で製造した研磨基体をプレス金型内に再びセットし、研磨基体の孔部に上記(2)で調製した透光性部材の原料組成物を充填した後に、孔部の残余の空間に孔部とほぼ同じ平面形状および大きさで厚さが1.5mmの金属ブロックを入れ、180℃で10分間架橋反応させることにより、直径790mm、厚さ3.2mmの円柱状であり、透光性部材が融着され、下面に凹部を有する成形体を得た。
その後、実施例1におけるのと同様にしてサンドペーパーによる研削を行い、直径が790mm、厚さが2.5mmであり、その下面に矩形の凹部(その断面形状は矩形である。)を有するパッド概形を製造した。
(4)化学機械研磨パッドの製造
上記で製造したパッド概形を、実施例1の「(4)化学機械研磨パッドの製造」と同様に切削加工機の定盤上に吸引固定して同心円状の溝群を形成することにより、直径508mm、厚さ2.5mmの化学機械研磨パッドを製造した。この研磨パッドが有する透光性部材の研磨面側のうち、透光性部材の中心を中心として、長径が半径方向と平行に50mmであり、短径が接線方向と平行に10mmである略楕円状の区域には溝が形成されなかった。
上記で製造した化学機械研磨パッドにつき、実施例1と同様にして透光性部材の下面および研磨面の溝内部の表面粗さを測定したところ、それぞれ1.2μmおよび6.2μmであった。また、実施例1と同様にして透光性部材のうち溝が形成されていない区域について波長650nmにおける透過率を測定したところ、5回の平均透過率は15%であった。
II.化学機械研磨パッドの評価
(1)パターン付きウェハの研磨試験
上記で製造した化学機械研磨パッドを用いて、実施例1と同様にして連続して20枚のSEMATECH−854を研磨した。すべての研磨において問題なく終点検出ができ、また被研磨面にスクラッチは観測されなかった。
(2)パターンなし銅膜付きウェハの研磨試験
上記「I.化学機械研磨パッドの製造」と同様にして製造した化学機械研磨パッドを用いて、実施例1におけるのと同様にして直径8インチのパターンなし銅膜付きウェハの研磨試験を行ったところ、研磨速度は1,180Å/分であり、面内均一性は1.12%であった。
実施例7
I.化学機械研磨パッドの製造
(1)研磨基体の製造
実施例2と同様にして研磨基体の原料組成物を調製した。この原料組成物を中心から200mmの位置に貫通穴が形成されるように凸部を形成した金型を用いて160℃、5分間架橋反応させることにより、直径790mm、厚さ3.2mmの成形体を得た。この成形体は、中心から195mmのところを中心として、長径が半径方向と平行に58mmであり、短径が接線方向と平行に22mmである楕円形状の孔を有していた。
(2)透光性部材の原料組成物の調製
実施例1におけるのと同様にして、透光性部材の原料組成物を得た。
(3)パッド概形の製造
上記で得た研磨基体および透光性部材の原料組成物を使用して実施例6におけるのと同様にして直径790mm、厚さ3.2mmの円柱状であり、透光性部材が融着され、下面に凹部を有する成形体を得た。次いで、実施例1におけるのと同様にしてサンドペーパーによる研削を行った。
さらに、加藤機械(株)製の切削加工機のエンドミルを用いて成形体の下面(非研磨面となる面)への凹部の開口部(透光性部材に相当する領域)の周りに、開口部の中心を中心として長径が半径方向と平行に80mmであり、短径が接線方向と平行に30mmであり、深さが0.6mmである楕円形状の凹部を形成し、パッド概形を得た。このパッド概形の下面凹部は楕円形状であり、その断面形状は矩形の上にさらに矩形を重ねた二段階形状であった。
(4)化学機械研磨パッドの製造
上記で製造したパッド概形を、実施例1の「(4)化学機械研磨パッドの製造」と同様に切削加工機の定盤上に吸引固定して同心円状の溝群を形成し、直径790mm、厚さ2.5mmの化学機械研磨パッドを製造した。この研磨パッドの研磨面のうち、透光性部材の中心を中心として、長径が半径方向と平行に60mmであり、短径が接線方向と平行に15mmである略楕円状の区域には溝が形成されなかった。この溝が形成されなかった区域は、研磨基体の一部にも及んでいた。
上記で製造した化学機械研磨パッドにつき、実施例1と同様にして透光性部材の下面および研磨面の溝内部の表面粗さを測定したところ、それぞれ1.2μmおよび6.2μmであった。また、透光性部材のうち、溝が形成されていない区域につき、実施例1と同様にして波長650nmにおける透過率を測定したところ、5回の平均透過率は15%であった。
II.化学機械研磨パッドの評価
(1)パターン付きウェハの研磨試験
上記で製造した化学機械研磨パッドを用いて、実施例2と同様にして連続して20枚のSEMATECH−754を研磨した。すべての研磨において問題なく終点検出ができ、また被研磨面にスクラッチは観測されなかった。
(2)パターンなし銅膜付きウェハの研磨試験
上記と同様にして製造した化学機械研磨パッドを用いたほかは、実施例2と同様にして直径12インチのパターンなし銅膜付きウェハを研磨したところ、研磨速度は1,500Å/分であり、面内均一性は2.18%であった。
実施例8
I.化学機械研磨パッドの製造
(1)研磨基体の製造
実施例1と同様にして研磨基体の原料組成物を調製した。この原料組成物を、中心から200mmの位置を中心として長径が半径方向と平行に80mmであり、短径が接線方向と平行に30mmであり、高さが0.7mmである楕円柱状の第一段目の凸部(第一凸部)を有し、この第一段目の凸部上にさらに第一凸部の上部楕円の中心を中心として長径が半径方向と平行に58mmであり、短径が接線方向と平行に22mmであり、高さが2.5mmである楕円柱状の第二段目の凸部(第二凸部)を有するプレス金型(第一凸部と第二凸部の両方により貫通孔が形成される。)に充填して、160℃で5分間架橋反応させ、直径790mm、厚さ3.2mmであり、中心から195mmのところを中心に、貫通孔を有する研磨基体を得た。この研磨基体の貫通孔の形状は、上面から2.5mmに至るまでは長径が半径方向と平行に58mm、短径が接線方向と平行に22mmの楕円柱であり、2.5mmの地点から下面に至るまでは長径が半径方向と平行に80mm、短径が接線方向と平行に30mmの楕円柱であり、両楕円柱の中心軸は同軸上にあった。
(2)透光性部材の原料組成物の調製
実施例1におけるのと同様にして、透光性部材の原料組成物を得た。
(3)パッド概形の製造
金型として上記(1)で使用したのとは別の凸部を形成していない金型を用い、上記(1)で製造した成形体を下面を上にしてセットし、金属ブロックとして研磨基体の下面から1.5mmのところまでの孔の形状と契合するものを用いたほかは実施例1におけるのと同様にして直径790mm、厚さ3.2mmの円柱状であり、透光性部材が融着され、下面に凹部を有する成形体を得た。次いで、実施例1におけるのと同様にしてサンドペーパー研削を行うことにより、その下面に楕円形状の凹部(その断面形状は矩形の上にさらに矩形を重ねた二段階形状である。)を有するパッド概形を製造した。
(4)化学機械研磨パッドの製造
上記で製造したパッド概形を、実施例1の「(4)化学機械研磨パッドの製造」と同様に切削加工機の定盤上に吸引固定して同心円状の溝群を形成し、厚さ2.5mmの化学機械研磨パッドを製造した。この研磨パッドが有する透光性部材の研磨面側のうち、透光性部材の中心を中心として、長径が半径方向と平行に60mmであり、短径が接線方向と平行に15mmである略楕円状の区域には溝が形成されなかった。
上記で製造した化学機械研磨パッドにつき、実施例1と同様にして透光性部材の下面および研磨面の溝内部の表面粗さを測定したところ、それぞれ1.2μmおよび6.2μmであった。また、透光性部材のうち、溝が形成されていない区域につき、実施例1と同様にして波長650nmにおける透過率を測定したところ、5回の平均透過率は15%であった。
II.化学機械研磨パッドの評価
(1)パターン付きウエハの研磨試験
上記で製造した化学機械研磨パッドを用いて、実施例2と同様にして連続して20枚のSEMATECH−754を研磨した。すべての研磨において問題なく終点検出ができ、また被研磨面にスクラッチは観測されなかった。
(2)パターンなし銅膜付きウェハの研磨試験
上記と同様にして製造した化学機械研磨パッドを用いたほかは、実施例2と同様にして直径12インチのパターンなし銅膜付きウエハを研磨したところ、研磨速度は1,410Å/分であり、面内均一性は1.20%であった。
実施例9
I.化学機械研磨パッドの製造
(1)水溶性粒子の表面処理
β−シクロデキストリン((株)横浜国際バイオ研究所製、品名「デキシパールβ−100」、平均粒径20μm)100重量部を混合ミキサー(カワタ(株)製「スーパーミキサーSMZ−3SP」)中に入れ、400rpmで攪拌しながら、噴霧スプレーを用いγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(GE東芝シリコーン(株)より入手、品名「A−1100」)0.5重量部を5分間に亘り噴霧しながら混合し、さらに2分間400rpmで攪拌を続けた。その後、取り出した粒子を130℃に設定された真空乾燥機中で粒子の水分含有率が5,000ppm以下になるまで加熱乾燥を行い、粒子表面をシランカップリング剤で処理したβ−シクロデキストリンを得た。
(2)透光性部材の製造
プレポリマー(ユニロイヤルケミカル社製、品名「バイブラセンB670」100重量部を容器中に仕込み80℃で攪拌しながら、上記(1)で得られた表面をシランカップリング剤で処理したβ−シクロデキストリン3重量部を加え、さらにトリメチロールプロパン10.8重量部を加えて3分間攪拌して、透光性部材の原料組成物を得た。
180mm×180mm、厚さ3mmの直方体型の空洞を有する金型内に上記混合物を注入し、110℃、30分間保持して反応を行った後、脱型した。その後、打ち抜き機を用いて長さ150mm、幅120mm、厚さ3mmの透光性部材を製造した。
(3)研磨基体の原料組成物の調製
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(住化バイエルウレタン(株)製、品名「スミジュール44S」)58重量部を反応容器中に仕込み、60℃で攪拌しながら分子の両末端に2個の水酸基を有する数平均分子量650のポリテトラメチレングリコール(三菱化学(株)製、品名「PTMG650」)5.1重量部および数平均分子量250のポリテトラメチレングリコール(三菱化学(株)製、品名「PTMG250」)17.3重量部を加え、攪拌しながら90℃で2時間保温して反応させ、その後冷却して末端イソシアネートプレポリマーを得た。この末端イソシアネートプレポリマーには21重量%の未反応の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが含まれており、残りの79重量%が両末端イソシアネートプレポリマーである混合物であった。
上記で得られた末端イソシアネートプレポリマー80.4重量部を攪拌容器に入れて90℃に保温し、200rpmで攪拌しながら、これに上記(1)で得られた表面をシランカップリング剤で処理したβ−シクロデキストリン14.5重量部を加え、1時間混合分散した後に減圧脱泡して、表面をシランカップリング剤で処理したβ−シクロデキストリンが分散された末端イソシアネートプレポリマーを得た。
末端に2個の水酸基を有する1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(三井化学ファイン(株)製、品名「BHEB」)12.6重量部を攪拌容器中120℃で2時間加温して融解した後、3個の水酸基を有するトリメチロールプロパン(BASFジャパン(株)製、品名「TMP」)7重量部を攪拌しながら加え、10分間混合溶解することにより、鎖延長剤の混合物を得た。
さらに上記で得られた表面をシランカップリング剤で処理したβ−シクロデキストリンが分散された末端イソシアネートプレポリマー94.9重量部を、アジター(AJITER、登録商標)混合機中で90℃に加温および攪拌しながら、上記で得られた鎖延長剤の混合物19.6重量部を120℃に加温して加え、1分間混合することにより、研磨基体の原料組成物を得た。
(4)パッド概形の製造
円柱状のキャビティーを有する金型内に、中心から190mmの位置を中心として透光性部材の長径方向が半径方向と平行になるように置いた。金型のキャビティーの残余の部分に上記(3)で調製した研磨基体の原料組成物を充填し、110℃にて30分間保持してポリウレタン化反応を行い脱型した。さらにギヤーオーブン中110℃で16時間ポストキュアを行い、直径790mm、厚さ3mmであり、透光性部材が融着されたパッド概形を得た。このパッド概形全体に対する水溶性粒子の体積分率すなわちポリウレタンマトリックスと水溶性粒子との合計体積に対する水溶性粒子の体積分率は10%であった。
さらに、加藤機械(株)製の切削加工機のエンドミルを用いて成形体の下面(非研磨面となる面)の透光性部材の中心点を中心として、長径が半径方向と平行に120mmであり、短径が接線方向と平行に90mmであり、深さが2.0mmである矩形の凹部(その断面形状は矩形である。)を形成し、パッド概形を得た。
(5)研磨パッドの製造
上記で製造したパッド概形につき、実施例1と同様にして、サンドペーパーにより厚さを2.3mmに調整し、切削加工機の定盤上に吸引固定して同心円状の溝群を形成することにより、化学機械研磨パッドを製造した。この研磨パッドの研磨面の下面凹部に対応する領域(透光性領域)のうち、該領域の中心を中心として、長径が半径方向と平行に100mmであり、短径が接線方向と平行に70mmである略楕円状の区域には溝が形成されなかった。
上記で製造した化学機械研磨パッドにつき、実施例1と同様にして透光性領域の下面および研磨面の溝内部の表面粗さを測定したところ、それぞれ2.3μmおよび3.4μmであった。また、透光性部材のうち、溝が形成されていない区域につき、実施例1と同様にして波長650nmにおける透過率を測定したところ、5回の平均透過率は19%であった。
II.化学機械研磨パッドの評価
(1)パターン付きウェハの研磨試験
上記で製造した化学機械研磨パッドを用いて、実施例2と同様にして連続して20枚のSEMATECH−754を研磨した。すべての研磨において問題なく終点検出ができ、また被研磨面にスクラッチは観測されなかった。
(2)パターンなし銅膜付きウェハの研磨試験
上記と同様にして製造した化学機械研磨パッドを用いたほかは、実施例2と同様にして直径12インチのパターンなし銅膜付きウェハを研磨したところ、研磨速度は1,300Å/分であり、面内均一性は2.5%であった。
実施例10
I.化学機械研磨パッドの製造
(1)透光性部材の製造
実施例9におけるのと同様にして、透光性部材の原料組成物を得た。
180mm×180mm、厚さ3mmの直方体型の空洞を有する金型内に上記混合物を注入し、110℃、30分間保持して反応を行った後、脱型した。その後、打ち抜き機を用いて長さ50mm、幅20mm、厚さ1.5mmの透光性部剤を製造した。
(2)研磨基体の原料組成物の調製
実施例9におけるのと同様にして、研磨基体の原料組成物を得た。
(3)化学機械研磨パッドの製造
円柱状のキャビティーを有する金型内に、中心から190mmの位置を中心として透光性部材の短径方向が接線方向と平行になるように置き、平面形状が透光性部材と同じであり厚さが1.5mmである金属ブロックを透光性部材上に重ねて置いた。金型のキャビティーの残余の部分に上記(2)で調製した研磨基体の原料組成物を充填し、110℃にて30分間保持してポリウレタン化反応を行い脱型した。さらにギヤーオーブン中110℃で16時間ポストキュアを行い、直径790mm、厚さ3mmであり、透光性部材が融着され、下面に矩形の凹部(その断面形状は矩形である。)を有するパッド概形を得た。このパッド概形全体に対する水溶性粒子の体積分率すなわちポリウレタンマトリックスと水溶性粒子との合計体積に対する水溶性粒子の体積分率は10%であった。
その後、実施例1と同様にして上記で得たパッド概形を切削加工機の定盤上に吸引固定して同心円状の溝群を形成することにより、化学機械研磨パッドを製造した。この研磨パッドが有する透光性部材の研磨面側のうち、透光性部材の中心を中心として、長径が半径方向と平行に50mmであり、短径が接線方向と平行に20mmである略楕円状の区域には溝が形成されなかった。
上記で製造した化学機械研磨パッドの透光性部材のうち、溝が形成されていない区域につき、実施例1と同様にして波長650nmにおける透過率を測定したところ、5回の平均透過率は20%であった。
II.化学機械研磨パッドの評価
(1)パターン付きウエハの研磨試験
上記で製造した化学機械研磨パッドを用いて、実施例2と同様にして連続して20枚のSEMATECH−754を研磨した。すべての研磨において問題なく終点検出ができ、また被研磨面にスクラッチは観測されなかった。
(2)パターンなし銅膜付きウェハの研磨試験
上記と同様にして製造した化学機械研磨パッドを用いたほかは、実施例2と同様にして直径12インチのパターンなし銅膜付きウエハを研磨したところ、研磨速度は1,200Å/分であり、面内均一性は1.05%であった。

Claims (8)

  1. 研磨面となるべき面およびそれの裏面である非研磨面となるべき面を有し、非研磨面となるべき面はその面に開口する凹部を有し、そして該凹部は底面を有するパッド概形を形成し、
    該パッド概形を切削加工機の定盤上に吸引固定して切削加工により研磨面となるべき面に溝または溝群を形成することを特徴とする、化学機械研磨パッドの製造方法。
  2. 上記凹部の深さが、研磨面となるべき面に形成される溝または溝群の深さと同じであるかこれよりも深いことを特徴とする、請求項1に記載の化学機械研磨パッドの製造方法。
  3. 上記凹部の非研磨面となるべき面への開口部が、該凹部の底面と同じ大きさである、請求項1に記載の化学機械研磨パッドの製造方法。
  4. 上記凹部の非研磨面となるべき面への開口部が、該凹部の底面よりも大きいものである、請求項1に記載の化学機械研磨パッドの製造方法。
  5. 少なくとも上記凹部の底面の領域が、研磨面となるべき面から該凹部の底面に光学的に通じる透光性領域であることを特徴とする、請求項1に記載の化学機械研磨パッドの製造方法。
  6. 透光性領域を構成する透光性材料が、非水溶性マトリックス材とこれに分散した水溶性粒子とから構成されていることを特徴とする、請求項5に記載の化学機械研磨パッドの製造方法。
  7. 請求項5に記載の方法により化学機械研磨パッドを製造する工程と、
    該化学機械研磨パッドを用いて被研磨体を化学機械的に研磨する工程と、
    研磨終点を光学的に検出する工程と、
    を含むことを特徴とする、被研磨体の加工方法。
  8. 請求項1に記載の方法により化学機械研磨パッドを製造する工程と、
    該化学機械研磨パッドを用いて被研磨体を化学機械的に研磨する工程と、
    渦電流により生じた磁束の変化により研磨終点を検出する工程と、
    を含むことを特徴とする、被研磨体の加工方法。
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