JP2009241205A - 研磨パッド - Google Patents

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毅 木村
Atsushi Kazuno
淳 数野
Yoshiyuki Nakai
良之 中井
Kazuyuki Ogawa
一幸 小川
Kenji Nakamura
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Abstract

【課題】 研磨速度を低下させることなくスラリーの消費量を低減でき、かつ研磨初期から研磨寿命まで安定した研磨特性を維持することができる研磨パッドを提供することを目的とする。
【解決手段】 研磨表面に溝を有する研磨層を含む研磨パッドにおいて、
前記溝は、第1矩形溝と、第1矩形溝の底部に形成された第2矩形溝とからなり、前記第1矩形溝の溝幅W1が2〜7mm、溝深さD1が0.1〜1mmであり、前記第2矩形溝の溝幅W2が1〜5mm、溝深さD2が0.1〜0.5mmであり、かつW1/W2が1.3〜7であり、D1/D2が0.3〜5であることを特徴とする研磨パッド。
【選択図】 図2

Description

本発明はレンズ、反射ミラー等の光学材料やシリコンウエハ、ハードディスク用のガラス基板、及びアルミ基板等の表面を研磨する際に用いられる研磨パッド(粗研磨用又は仕上げ研磨用)に関する。
半導体装置を製造する際には、ウエハ表面に導電性膜を形成し、フォトリソグラフィー、エッチング等をすることにより配線層を形成する形成する工程や、配線層の上に層間絶縁膜を形成する工程等が行われ、これらの工程によってウエハ表面に金属等の導電体や絶縁体からなる凹凸が生じる。近年、半導体集積回路の高密度化を目的として配線の微細化や多層配線化が進んでいるが、これに伴い、ウエハ表面の凹凸を平坦化する技術が重要となってきた。
ウエハ表面の凹凸を平坦化する方法としては、一般的にケミカルメカニカルポリシング(以下、CMPという)が採用されている。CMPは、ウエハの被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態で、砥粒が分散されたスラリー状の研磨剤(以下、スラリーという)を用いて研磨する技術である。CMPで一般的に使用する研磨装置は、例えば、図1に示すように、研磨パッド1を支持する研磨定盤2と、被研磨材(半導体ウエハ)4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハの均一加圧を行うためのバッキング材と、スラリーの供給機構を備えている。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と被研磨材4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、被研磨材4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。
通常、研磨パッドの被研磨材と接触する研磨表面は、スラリーを保持・更新するための溝を有している。従来の研磨パッドの溝形状としては、放射状、同心円状、XY格子状、及びらせん状などが挙げられる。CMPプロセスにおいて、研磨パッドの中心部に供給されたスラリーは、研磨パッドの回転によって生じる遠心力によって中心から外側に溝を伝って流れ、最終的には研磨パッドの外に排出される。
研磨速度及び平坦化特性などの研磨特性を向上させるためには、新しいスラリーを研磨パッド全面へ均一に分散させること、使用済のスラリーを効率よく排出させることが必要である。また、コスト面から新しいスラリーはできるだけ研磨パッド上に保持させて、スラリーの消費量を少なくする必要がある。
特許文献1では、研磨スラリーの保持性、流動性を向上させるため、研磨屑の除去効率を向上させるため、研磨レートを向上させるため、及びスクラッチ傷を低減させるために、溝の最浅部の幅を、溝の最深部の幅よりも広くした研磨パッドが開示されている。
特許文献2では、スラリーの浪費を減らすために、溝の下部に位置するスラリーと溝の上部に位置するスラリーとの混合を起こさせるように配置された複数の混合構造を含む溝を設けた研磨パッドが開示されている。
従来のように、溝の断面形状が台形やV形の場合には、研磨層の磨耗により溝幅が変化するため安定した研磨特性が得られないという問題があった。また、研磨速度を大きくするために溝幅の広い矩形溝にすると、溝容積が大きくなるためスラリーの消費量を少なくすることができず、また研磨パッド自体の剛性が低下するため好ましくない。
特開2000−71167号公報 特開2005−150745号公報
本発明は、研磨速度を低下させることなくスラリーの消費量を低減でき、かつ研磨初期から研磨寿命まで安定した研磨特性を維持することができる研磨パッドを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す研磨パッドにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、研磨表面に溝を有する研磨層を含む研磨パッドにおいて、
前記溝は、第1矩形溝と、第1矩形溝の底部に形成された第2矩形溝とからなり、前記第1矩形溝の溝幅W1が2〜7mm、溝深さD1が0.1〜1mmであり、前記第2矩形溝の溝幅W2が1〜5mm、溝深さD2が0.1〜0.5mmであり、かつW1/W2が1.3〜7であり、D1/D2が0.3〜5であることを特徴とする研磨パッド、に関する。
本発明者らは、研磨表面の溝を前記構造にすることにより、研磨速度を低下させることなくスラリーの消費量を低減でき、かつ研磨初期から研磨寿命まで安定した研磨特性を維持できることを見出した。詳しくは、溝が矩形で一段構造の場合、溝幅を広げることにより研磨速度を大きくすることができるが、溝容積が大きくなるためスラリーの消費量を低減することができず、また研磨パッド自体の剛性が低下する。一方、本発明のように、溝が矩形で二段構造の場合、第1矩形溝の溝幅を広げることにより研磨速度を大きくすることができ、そして第2矩形溝の溝幅を狭くすることにより溝容積を小さくしてスラリーの消費量を低減でき、また研磨パッド自体の剛性の低下を抑制することができる。
第1矩形溝の溝幅W1が2mm未満の場合には、スラリーを研磨表面と被研磨材との間に十分に供給することができなくなるため研磨速度が低下し、一方7mmを超える場合には、スラリーの消費量を低減できず、また被研磨材と研磨表面との接触面積が少なくなるため研磨速度が低下する。また、第1矩形溝の溝深さD1が0.1mm未満の場合には、磨耗により第1矩形溝が短時間で消失してしまうため寿命が短くなり、一方1mmを超える場合にはスラリーの消費量を低減できず、また研磨パッド自体の剛性が低下する。
第2矩形溝の溝幅W2が1mm未満の場合又は溝深さD2が0.1mm未満の場合には、スラリーの保持量が少なくなりすぎるため研磨速度が低下し、一方溝幅W2が5mmを超える場合又は溝深さD2が0.5mmを超える場合には、スラリーの消費量を低減できず、また研磨パッド自体の剛性が低下する。
また、W1/W2が1.3未満の場合にはスラリーの消費量を低減できず、また研磨パッド自体の剛性が低下するため好ましくない。一方7を超える場合にはスラリーの循環が悪くなり研磨特性(例えば、スクラッチの発生など)に悪影響を与える。
また、D1/D2が0.3未満の場合にはパッド寿命が短くなったり、スラリーの循環が悪くなり研磨特性(例えば、スクラッチの発生など)に悪影響を与える。一方5を超える場合にはスラリーの消費量を低減できず、また研磨パッド自体の剛性が低下するため好ましくない。
また本発明は、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法、に関する。
本発明における研磨層は、微細気泡を有する発泡体であれば特に限定されるものではない。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、エポキシ樹脂、感光性樹脂などの1種または2種以上の混合物が挙げられる。ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができるため、研磨層の形成材料として特に好ましい材料である。以下、前記発泡体を代表してポリウレタン樹脂について説明する。
前記ポリウレタン樹脂は、イソシアネート成分、ポリオール成分(高分子量ポリオール、低分子量ポリオール等)、及び鎖延長剤からなるものである。
イソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。イソシアネート成分としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
高分子量ポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコールに代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いで得られた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、及びポリヒドキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリオール成分として上述した高分子量ポリオールの他に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、及びトリエタノールアミン等の低分子量ポリオールを併用することができる。また、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、及びジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミンを併用することもできる。また、モノエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、及びモノプロパノールアミン等のアルコールアミンを併用することもできる。これら低分子量ポリオール、低分子量ポリアミン等は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリウレタン樹脂発泡体をプレポリマー法により製造する場合において、プレポリマーの硬化には鎖延長剤を使用する。鎖延長剤は、少なくとも2個以上の活性水素基を有する有機化合物であり、活性水素基としては、水酸基、第1級もしくは第2級アミノ基、チオール基(SH)等が例示できる。具体的には、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルメタン、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、及びp−キシリレンジアミン等に例示されるポリアミン類、あるいは、上述した低分子量ポリオールや低分子量ポリアミンを挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
イソシアネート成分、ポリオール成分、及び鎖延長剤の比は、各々の分子量や研磨パッドの所望物性などにより種々変え得る。所望する研磨特性を有する研磨パッドを得るためには、ポリオール成分と鎖延長剤の合計活性水素基(水酸基+アミノ基)数に対するイソシアネート成分のイソシアネート基数は、0.80〜1.20であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.15である。イソシアネート基数が前記範囲外の場合には、硬化不良が生じて要求される比重及び硬度が得られず、研磨特性が低下する傾向にある。
ポリウレタン樹脂発泡体は、溶融法、溶液法など公知のウレタン化技術を応用して製造することができるが、コスト、作業環境などを考慮した場合、溶融法で製造することが好ましい。
ポリウレタン樹脂発泡体の製造は、プレポリマー法、ワンショット法のどちらでも可能であるが、事前にイソシアネート成分とポリオール成分からイソシアネート末端プレポリマーを合成しておき、これに鎖延長剤を反応させるプレポリマー法が、得られるポリウレタン樹脂の物理的特性が優れており好適である。
ポリウレタン樹脂発泡体の製造方法としては、中空ビーズを添加させる方法、機械的発泡法、化学的発泡法などが挙げられる。
ポリウレタン樹脂発泡体の製造は、各成分を計量して容器に投入し、撹拌するバッチ方式であっても、また撹拌装置に各成分と非反応性気体を連続して供給して撹拌し、気泡分散液を送り出して成形品を製造する連続生産方式であってもよい。
また、ポリウレタン樹脂発泡体の原料となるプレポリマーを反応容器に入れ、その後鎖延長剤を投入、撹拌後、所定の大きさの注型に流し込みブロックを作製し、そのブロックを鉋状、あるいはバンドソー状のスライサーを用いてスライスする方法、又は前述の注型の段階で、薄いシート状にしても良い。また、原料となる樹脂を溶解し、Tダイから押し出し成形して直接シート状のポリウレタン樹脂発泡体を得ても良い。
ポリウレタン樹脂発泡体の平均気泡径は、30〜80μmであることが好ましく、より好ましくは30〜60μmである。この範囲から逸脱する場合は、研磨速度が低下したり、研磨後の被研磨材(ウエハ)のプラナリティ(平坦性)が低下する傾向にある。
ポリウレタン樹脂発泡体の比重は、0.5〜1.3であることが好ましい。比重が0.5未満の場合、研磨層の表面強度が低下し、被研磨材のプラナリティが低下する傾向にある。また、1.3より大きい場合は、研磨層表面の気泡数が少なくなり、プラナリティは良好であるが、研磨速度が低下する傾向にある。
ポリウレタン樹脂発泡体の硬度は、アスカーD硬度計にて、45〜70度であることが好ましい。アスカーD硬度が45度未満の場合には、被研磨材のプラナリティが低下し、また、70度より大きい場合は、プラナリティは良好であるが、被研磨材のユニフォーミティ(均一性)が低下する傾向にある。
研磨層の大きさは特に限定されるものではないが、通常直径30〜100cm程度である。
研磨層の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.8〜4mm程度であり、1.5〜2.5mmであることが好ましい。前記厚みの研磨層を作製する方法としては、前記微細発泡体のブロックをバンドソー方式やカンナ方式のスライサーを用いて所定厚みにする方法、所定厚みのキャビティーを持った金型に樹脂を流し込み硬化させる方法、及びコーティング技術やシート成形技術を用いた方法などが挙げられる。
以下、研磨表面に、第1矩形溝と、該第1矩形溝の底部に形成された第2矩形溝とからなる二段構造溝を有する研磨層を含む研磨パッドについて詳しく説明する。
図2は、研磨表面に、第1矩形溝と、該第1矩形溝の底部に形成された第2矩形溝とからなる二段構造溝を有する研磨層(研磨パッド)の概略断面図である。ただし、図2は、本発明の研磨層の構造を示す具体例に過ぎず、他の類似構造のものも本件発明に含まれる。
図2に示すように、本発明の研磨層8には、第1矩形溝9と、該第1矩形溝の底部に形成された第2矩形溝10とからなる二段構造溝11が形成されている。
第2矩形溝10は、第1矩形溝9の底部のどこに形成されていてもよいが、底部中央に形成されていることが好ましい。
第1矩形溝9の溝幅W1は2〜7mm、溝深さD1は0.1〜1mmであることが必要であり、好ましくは溝幅W1は2〜4mm、溝深さD1は0.2〜0.8mmである。また、第2矩形溝10の溝幅W2は1〜5mm、溝深さD2は0.1〜0.5mmであることが必要であり、好ましくは溝幅W2は1〜3mm、溝深さD2は0.2〜0.4mmである。また、W1/W2は1.3〜7であることが必要であり、好ましくは2〜4である。また、D1/D2は0.3〜5であることが必要であり、好ましくは0.5〜3である。
研磨表面の溝パターンは特に制限されず、例えば、XY格子溝、同心円状溝、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放射状溝、及びこれらの溝を組み合わせたものが挙げられる。また、これらの溝パターンは規則性のあるものが一般的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものにするため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を変化させることも可能である。
前記二段構造溝の形成方法は特に限定されるものではないが、例えば、所定サイズのバイトのような治具を用い機械切削する方法、所定の表面形状を有した金型に樹脂を流しこみ、硬化させることにより形成する方法、所定の表面形状を有したプレス板で樹脂をプレスし形成する方法、フォトリソグラフィを用いて形成する方法、印刷手法を用いて形成する方法、炭酸ガスレーザーなどを用いたレーザー光による形成方法などが挙げられる。
本発明の研磨パッドは、前記研磨層のみであってもよく、研磨層と他の層(例えばクッション層など)との積層体であってもよい。
前記クッション層は、研磨層の特性を補うものである。クッション層は、CMPにおいて、トレードオフの関係にあるプラナリティとユニフォーミティの両者を両立させるために必要なものである。プラナリティとは、パターン形成時に発生する微小凹凸のある被研磨材を研磨した時のパターン部の平坦性をいい、ユニフォーミティとは、被研磨材全体の均一性をいう。研磨層の特性によって、プラナリティを改善し、クッション層の特性によってユニフォーミティを改善する。本発明の研磨パッドにおいては、クッション層は研磨層より柔らかいものを用いることが好ましい。
前記クッション層としては、例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、アクリル不織布などの繊維不織布やポリウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含浸不織布、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、感光性樹脂などが挙げられる。
研磨層とクッション層とを貼り合わせる手段としては、例えば、研磨層とクッション層を両面テープで挟みプレスする方法が挙げられる。
前記両面テープは、不織布やフィルム等の基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものである。クッション層へのスラリーの浸透等を防ぐことを考慮すると、基材にフィルムを用いることが好ましい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン含有量が少ないため好ましい。また、研磨層とクッション層は組成が異なることもあるため、両面テープの各接着層の組成を異なるものとし、各層の接着力を適正化することも可能である。
本発明の研磨パッドは、プラテンと接着する面に両面テープが設けられていてもよい。該両面テープとしては、上述と同様に基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものを用いることができる。基材としては、例えば不織布やフィルム等が挙げられる。研磨パッドの使用後のプラテンからの剥離を考慮すれば、基材にフィルムを用いることが好ましい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン含有量が少ないため好ましい。
半導体デバイスは、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を経て製造される。半導体ウエハとは、一般にシリコンウエハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半導体ウエハの研磨方法、研磨装置は特に制限されず、例えば、図1に示すように研磨パッド(研磨層)1を支持する研磨定盤2と、半導体ウエハ4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤3の供給機構を備えた研磨装置などを用いて行われる。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と半導体ウエハ4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際しては、研磨定盤2と支持台5とを回転させつつ半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付け、スラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整して行う。
これにより半導体ウエハ4の表面の突出した部分が除去されて平坦状に研磨される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。
以下、本発明を実施例を上げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[測定、評価方法]
(平均気泡径測定)
作製したポリウレタン発泡体を厚み1mm以下になるべく薄くミクロトームカッターで平行に切り出したものを平均気泡径測定用試料とした。試料をスライドガラス上に固定し、SEM(S−3500N、日立サイエンスシステムズ(株))を用いて100倍で観察した。得られた画像を画像解析ソフト(WinRoof、三谷商事(株))を用いて、任意範囲の全気泡径を測定し、平均気泡径を算出した。
(比重測定)
JIS Z8807−1976に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を4cm×8.5cmの短冊状(厚み:任意)に切り出したものを比重測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計(ザルトリウス社製)を用い、比重を測定した。
(硬度測定)
JIS K6253−1997に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を2cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出したものを硬度測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、試料を重ね合わせ、厚み6mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーD型硬度計)を用い、硬度を測定した。
(研磨特性の評価)
研磨装置としてSPP600S(岡本工作機械社製)を用い、作製した研磨パッドを用いて、研磨特性の評価を行った。研磨速度は、8インチのシリコンウエハに熱酸化膜を1μm製膜したものを0.5μm研磨し、このときの時間から算出した。酸化膜の膜厚測定には、干渉式膜厚測定装置(大塚電子社製)を用いた。研磨条件としては、スラリーとして、シリカスラリー(SS12、キャボット社製)を研磨中に流量150ml/min添加した。研磨荷重としては350g/cm、研磨定盤回転数35rpm、ウエハ回転数30rpmとした。
平坦化特性の評価では、8インチシリコンウエハに熱酸化膜を0.5μm堆積させた後、所定のパターニングを行った後、p−TEOSにて酸化膜を1μm堆積させ、初期段差0.5μmのパターン付きウエハを作製し、このウエハを前述条件にて研磨を行った。
平坦化特性としては削れ量を測定した。幅270μmのラインが30μmのスペースで並んだパターンと幅30μmのラインが270μmのスペースで並んだパターンにおいて、上記の2種のパターンのライン上部の段差が2000Å以下になるときの270μmのスペースの削れ量を測定した。スペースの削れ量が少ないと削れて欲しくない部分の削れ量が少なく平坦性が高いことを示す。
製造例
容器にトルエンジイソシアネート(2,4−体/2,6−体=80/20の混合物)1229重量部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート272重量部、数平均分子量1018のポリテトラメチレンエーテルグリコール1901重量部、ジエチレングリコール198重量部を入れ、70℃で4時間反応させてイソシアネート末端プレポリマーを得た。
該プレポリマー100重量部及びシリコン系界面活性剤(東レダウコーニングシリコン製、SH−192)3重量部を重合容器内に加えて混合し、80℃に調整して減圧脱泡した。その後、撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように激しく約4分間撹拌を行った。そこへ予め70℃に温度調整したエタキュア300(アルベマール社製、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミンと3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミンとの混合物)21重量部を添加した。該混合液を約1分間撹拌した後、パン型のオープンモールド(注型容器)へ流し込んだ。この混合液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、100℃で16時間ポストキュアを行い、ポリウレタン樹脂発泡体ブロックを得た。
約80℃に加熱した前記ポリウレタン樹脂発泡体ブロックをスライサー(アミテック社製、VGW−125)を使用してスライスし、ポリウレタン樹脂発泡体シート(平均気泡径:50μm、比重:0.86、硬度:52度)を得た。次に、バフ機(アミテック社製)を使用して、厚さ1.27mmになるまで該シートの表面バフ処理をし、厚み精度を整えた。そしてバフ処理をしたシートを直径61cmの大きさで打ち抜いて研磨シートを作製した。
実施例1〜3、比較例5〜7
作製した研磨シートの表面に、溝加工機(テクノ社製)を用いて図2記載の形状の二段構造溝を表1記載の寸法で形成して研磨層を作製した。研磨表面の溝パターンは同心円状とした。この研磨層の溝加工面と反対側の面にラミ機を使用して、両面テープ(積水化学工業社製、ダブルタックテープ)を貼りつけた。更に、コロナ処理をしたクッションシート(東レ社製、ポリエチレンフォーム、トーレペフ、厚み0.8mm)の表面をバフ処理し、それを前記両面テープにラミ機を使用して貼り合わせた。さらに、クッションシートの他面にラミ機を使用して両面テープを貼り合わせて研磨パッドを作製した。
比較例1〜4
作製した研磨シートの表面に、溝加工機(テクノ社製)を用いて図3記載の形状の一段構造溝を表1記載の寸法で形成して研磨層を作製した。研磨表面の溝パターンは同心円状とした。その後、実施例と同様の方法で研磨パッドを作製した。
Figure 2009241205
表1の結果から明らかなように、本発明の研磨パッドは、研磨速度が大きく、剛性が高いため平坦化特性に優れることがわかる。
CMP研磨で使用する研磨装置の一例を示す概略構成図 本発明の研磨層の一例を示す概略断面図 比較例の研磨層の一例を示す概略断面図
符号の説明
1:研磨パッド
2:研磨定盤
3:研磨剤(スラリー)
4:被研磨材(半導体ウエハ)
5:支持台(ポリシングヘッド)
6、7:回転軸
8:研磨層
9:第1矩形溝
10:第2矩形溝
11:二段構造溝
12:一段構造溝

Claims (2)

  1. 研磨表面に溝を有する研磨層を含む研磨パッドにおいて、
    前記溝は、第1矩形溝と、第1矩形溝の底部に形成された第2矩形溝とからなり、前記第1矩形溝の溝幅W1が2〜7mm、溝深さD1が0.1〜1mmであり、前記第2矩形溝の溝幅W2が1〜5mm、溝深さD2が0.1〜0.5mmであり、かつW1/W2が1.3〜7であり、D1/D2が0.3〜5であることを特徴とする研磨パッド。
  2. 請求項1記載の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法。
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