JPWO2008053767A1 - γ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法、γ−アミノ酪酸含有組成物を含む食品 - Google Patents

γ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法、γ−アミノ酪酸含有組成物を含む食品 Download PDF

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Abstract

栄養価としてのγ−アミノ酪酸を一定量以上含有するγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法を提供する。豆類または莢の細胞壁を破砕処理して細胞壁破壊処理物を得る工程と、細胞壁破壊処理物と水とを含む反応液を作る反応液製造工程と、反応液を4〜15℃で実質的にγ−アミノ酪酸の含有量を増加させるのに必要な時間保持する低温反応工程と、を有することにより、従来品よりγ−アミノ酪酸を多く含有するγ−アミノ酪酸含有組成物を製造できる。

Description

本発明は、豆類を低温保持することにより、豆類中のγ−アミノ酪酸(GABA)を増加させるγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法およびγ−アミノ酪酸含有組成物を添加した食品に関する。
豆類や野菜に含まれている成分の一種であるγ−アミノ酪酸は、脊椎動物の脳内等で神経伝達物質として作用する生理活性アミノ酸の一種であり、近年、γ−アミノ酪酸を摂取することによる健康への効果が注目されている。すなわち、γ−アミノ酪酸は、血圧上昇抑制作用、脳代謝促進作用、脳血管障害の諸症状改善作用、頭部外傷に伴う諸症状の改善作用、筋萎縮性疾患の改善作用、糖尿病の改善作用等の諸種の作用を有しており、食品から摂取しても、安全性の面からも問題がないことが確認されている。
このため、豆類や野菜からより多くのγ−アミノ酪酸を摂取するための方策が検討されている。例えば、下記の特許文献1には、カボチャ粉砕溶液のpHが5.0〜6.5となるようにグルタミン酸を所要量加え、加えたグルタミン酸をカボチャに存在する酵素によりγ−アミノ酪酸に変換する操作を複数回行うことにより生成される。
特開2001−252091号公報
特許文献1に記載の製造方法において、保持工程は15〜25℃で行う。これは、通常、酵素反応により生成物を増やそうとする場合には、基質が十分な反応系において、その酵素であるグルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)に適した反応温度、反応時間、pH等を選択するという観点からは一般的な考えである。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、例えば特許文献1のカボチャの例の如く、従来の一般的な方法により最適化された製造方法において、保持工程を上記温度で行った場合、理由は定かではないが、GADや基質が適量存在する条件であってもγ−アミノ酪酸の生成量が予想よりも少ないことを初めて見出した。本発明の課題の1つは、このような予想がつかなかった現象に鑑みて、GADが、従来の一般的な方法よりも高い活性を発揮し、その結果としてγ−アミノ酪酸の生成量を増加させる新規な方法を見つけることである。
また、従来の一般的な方法により最適化された特許文献1のカボチャの例によれば、γ−アミノ酪酸含有量を増加させるには、保持工程をある程度高温で行わなければならない。しかし、この条件で品質が保障された飲料や加工食品を作る場合、γ−アミノ酪酸含有量の増加と共に、微生物学的な観点からの制限も必須である。特許文献1に示された例のように、高温で保持した場合、飲料や加工食品として、品質が微生物学的に好ましくない状態にあることは明らかである。すなわち、γ−アミノ酪酸を増加させると共に、ある程度食品衛生上許容できる範囲内に菌数の増加を抑制できなければ、量産化は不可能となり、工業的スケールで微生物的に安全なγ−アミノ酪酸含有組成物を提供することができない。
このような観点からすると、特許文献1の製造方法においては、微生物的な衛生性は全く考慮されていない。すなわち、15〜25℃という高温での保持条件では、γ−アミノ酪酸含有量を増加させることができる一方、微生物も増加してしまう。このため、保持時間を長くすると腐敗が進んでしまう場合があり、流通可能な製品とならない場合があった。これは、飲料や加工食品の製造メーカーにとっては、とても大きな問題である。特に、豆類は腐りやすいため、長い時間加温(例えば15℃以上で保持)をすることは、できる限り避けたいと考えるのが通常である。本発明の課題の1つは、従来の一般的な方法よりもγ−アミノ酪酸の生成量を増やし、かつ、上記食品衛生上の問題を解決するγ−アミノ酪酸の増加方法を提供することである。
上記問題点を鑑み、本発明の目的は、栄養価としてのγ−アミノ酪酸を一定量以上含有するγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題の解決のために鋭意研究した結果、特許文献1のような高温/短時間の保持条件ではなく、これとは全く逆の低温/長時間の保持条件とすることで、γ−アミノ酪酸含有量においても顕著な増加が可能となることを新たに見出した。そして、この結果として、特許文献1よりもγ−アミノ酪酸含有量を多くできることを見出し、本発明を完成するに至った。この製造方法は、かぼちゃおよびトマト等を用いた場合と比較して、豆類を用いた場合に特異的に優れた効果を発揮する製造方法である。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 豆類または莢の細胞壁を破砕処理して細胞壁破壊処理物を得る工程と、前記細胞壁破壊処理物と水とを含む反応液を作る反応液製造工程と、前記反応液を4〜15℃で実質的にγ−アミノ酪酸の含有量を増加させるのに必要な時間保持する低温反応工程と、を有するγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法。
本発明によれば、豆類中におけるグルタミン酸(Glu)を、酵素であるGADによりγ−アミノ酪酸に変換する反応では、GADに適した温度(例えば20〜30℃)で短時間(例えば3時間以内)反応させて生成したγ−アミノ酪酸含有量よりも、GADに適した温度より低い温度(例えば4〜15℃)で長時間(例えば10℃で18時間を超える時間以上)反応させて生成したγ−アミノ酪酸含有量の方が多いことが判明した。
このような低温/長時間の保持によるγ−アミノ酪酸含有量の増加現象は従来予想できなかったものであり、特に10℃以下においても酵素が十分に活性を示すことは予想できなかったものである。そして、この発見を上記の低温保持工程に適用することにより、高温で保持した従来品に比べてγ−アミノ酪酸含有量を増やした豆類を製造できることを見出したところに本発明の特徴がある。
(2) 前記低温反応工程において、菌数を初期菌数の100倍以下の範囲内となるように温度を制御する(1)に記載のγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法。
低温反応工程を適用することにより、菌が増加することを抑制することができるので食品衛生的に適し、かつ、高温で保持した従来品に比べてγ−アミノ酪酸含有量を増やした豆類を製造できる。また、低温反応工程の開始前の菌数(初期菌数)と終了後の菌数を100倍以下の範囲内で制御することができれば、4〜15℃の範囲内であれば温度を変化させてもよい。
(3) 前記豆類が、大豆属、えんどう属、いんげん豆属、そら豆属、ささげ属、ひよこ豆属、および、ひら豆属からなる群より選ばれる1種である(1)または(2)に記載のγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法。
本発明の態様では、豆類であれば特に限定されない。また、上記豆類の莢であってもよい。
(4) 前記低温反応工程前および/または前記低温反応工程中に、外部からグルタミン酸を添加する添加工程を有する(1)から(3)のいずれかに記載のγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法。
この態様によれば、基質として、グルタミン酸を外部から添加するので、より効率的にγ−アミノ酪酸含有量を増加させることができる。
(5) 前記添加工程で外部から添加したグルタミン酸の含有量が、保持工程終了時にグルタミン酸が残る程度の量である(4)に記載のγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法。
この態様によれば、グルタミン酸を過剰に添加することにより、より効率的にγ−アミノ酪酸含有量を増加させることができる。
(6) 15℃を超える温度で任意の時間(t)保持した際に生じるγ−アミノ酪酸含有量が、WT>15℃=f´(t)の条件を満たし(WT>15℃は15℃を超える温度で保持した際のγ−アミノ酪酸の含有量を示す。f´(t)は、tの値を変数とする関数を示す。)、かつ、4〜15℃で任意の時間(t)保持した際に生じるγ−アミノ酪酸含有量が、WT=4〜15℃=f(t)の条件を満たす場合において(WT=4〜15℃は4〜15℃で保持した際のγ−アミノ酪酸の含有量を示す。f(t)は、tの値を変数とする関数を示す。)、
前記WT>15℃と前記WT=4〜15℃との関係が、WT>15℃<WT=4〜15℃となる特定の保持時間tまで、前記低温反応工程において保持する(1)から(5)のいずれかに記載のγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法。
詳細は後述するが、γ−アミノ酪酸の含有量は、時間との関数で表現することができる。ある保持時間tまで保持すると、15℃を超える温度で保持した場合と4〜15℃の範囲内で保持した場合のγ−アミノ酪酸の含有量が逆転する。すなわち、低温で保持することにより、高温で保持して生じた場合よりも多くγ−アミノ酪酸を生じさせることができる。また、低温で保持することにより、菌が増えるという問題も解決できる。
(7) 15℃を超える温度で任意の時間(t)保持した際に生じるγ−アミノ酪酸含有量が、WT>15℃=f´(t)の条件を満たし(WT>15℃は15℃を超える温度で保持した際のγ−アミノ酪酸の含有量を示す。f´(t)は、tの値を変数とする関数を示す。)、かつ、4〜15℃で任意の時間(t)保持した際に生じるγ−アミノ酪酸含有量が、WT=4〜15℃=f(t)の条件を満たす場合において(WT=4〜15℃は4〜15℃で保持した際のγ−アミノ酪酸の含有量を示す。f(t)は、tの値を変数とする関数を示す。)、前記WT>15℃の最大量をWTmaxとした場合(ただし、WT>15℃=f´(t)における任意の時間(t)が0時間<t<48時間である。)、WTmaxとWT=4〜15℃との関係が、WTmax<WT=4〜15℃となる特定の保持時間tまで、前記低温反応工程において保持する(1)から(5)のいずれかに記載のγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法。
この態様によれば、低温で保持することにより、高温で保持して生じたγ−アミノ酪酸の最大量よりも多くγ−アミノ酪酸を含有する組成物を製造することができる。
(8) 前記低温反応工程の後に、乾燥処理を行う、または乾燥処理と粉砕処理を行う、(1)から(7)のいずれかに記載のγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法。
本発明によれば、上記製造方法により得られるγ−アミノ酪酸含有組成物は、乾燥処理により、乾燥物とすることができる。ここでいう乾燥処理とは、γ−アミノ酪酸含有組成物を乾燥できるものであれば、特に限定されない。また、このγ−アミノ酪酸含有組成物の乾燥物は、粉砕処理により、粉末状にすることができる。このように粉末状にすることで、ケーキやパン等の食品原料として簡便に用いることができる。ここでいう粉砕処理とは、γ−アミノ酪酸含有組成物の乾燥物を粉砕できるものであれば、特に限定はされない。なお、スプレードライヤー(噴霧乾燥)で乾燥させた場合は、通常、適度な粒子径の粉末となるため、粉砕処理を行う必要はない。
(9) (1)から(8)のいずれかに記載のγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法により得られたγ−アミノ酪酸含有組成物を含む食品。
この態様によれば、豆類由来のγ−アミノ酪酸を高含量含んでいるγ−アミノ酪酸含有組成物を食品に添加することにより、γ−アミノ酪酸含有量が増強された食品を提供することができる。
(10) (1)から(8)のいずれかに記載のγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法で使用するγ−アミノ酪酸増加剤であって、豆類または莢の細胞壁破壊処理物からなり、グルタミン酸またはグルタミン酸を含む食品素材と共に低温反応工程を行う際に用いるγ−アミノ酪酸増加剤。
(11) グルタミン酸またはグルタミン酸を含む食品素材と水とを含む反応液に、γ−アミノ酪酸を増加させるために4〜15℃で保持する低温反応工程を施す際に用いる、豆類または莢の細胞壁破壊処理物からなるγ−アミノ酪酸増加剤。
この態様によれば、γ−アミノ酪酸を増強させたい食品素材と反応液を共に低温で長時間保持することにより、食品素材中に含まれるγ−アミノ酪酸の含有量を増強させることができる。
本発明によれば、低温/長時間の低温反応工程を設けることで、高温で保持した場合よりもγ−アミノ酪酸含有量が高いγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法を提供できる。
カボチャ溶液の保持温度・保持時間とγ−アミノ酪酸量との関係を示す図である。 トマト溶液の保持温度・保持時間とγ−アミノ酪酸量との関係を示す図である。 さやいんげん溶液の保持温度・保持時間とγ−アミノ酪酸量との関係を示す図である。 大豆溶液の保持温度・保持時間とγ−アミノ酪酸量との関係を示す図である。 枝豆莢が入ったグルタミン酸溶液の保持温度・保持時間とγ−アミノ酪酸量との関係を示す図である。 大豆溶液の保持温度・保持時間と菌数との関係を示す図である。 枝豆を添加したトマト溶液の保持温度・保持時間とγ−アミノ酪酸量との関係を示す図である。
発明を実施するための形態
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態に係るγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法は、豆類または莢の細胞壁を破砕処理して細胞壁破壊処理物を得る工程と、細胞壁破壊処理物と水とを含む反応液を作る反応液製造工程と、反応液を4〜15℃で実質的にγ−アミノ酪酸の含有量を増加させるのに必要な時間保持する低温反応工程と、を少なくとも有する。
[豆類]
本発明に用いる豆類としては、どのようなものをも用いることができ、特に限定されない。例えば、大豆属、えんどう属、いんげん豆属、そら豆属、ささげ属、ひよこ豆属、およびひら豆属からなる群より選ばれる1種を挙げることができる。なお、これら豆類は単独で使用してもよいが複数組み合わせて使用してもよい。
「大豆属」としては完熟大豆(成熟大豆、丸大豆、単に大豆と呼ばれることがある)、枝豆であり、完熟大豆の例としては、市販の乾燥大豆、青豆、黒大豆、青大豆等であり、「えんどう属」としては、えんどう豆、さやえんどう等であり、「いんげん豆属」としては、いんげん豆、さやいんげん等であり、「そら豆属」としては、そら豆等であり、「ささげ属」としては、小豆、緑豆等であり、「ひよこ豆属」としては、ひよこ豆等であり、「ひら豆属」としては、れんず豆等である。この中でも、大豆、枝豆、えんどう豆、さやえんどう、いんげん豆、さやいんげん、そら豆が好ましい。
また、上述した豆類の莢を使用してもよい。本明細書において「豆類」という場合は、特に断わりがない限り豆類の莢も含めた意味とする。例えば、枝豆やそら豆の莢をむいて取り出した豆も「豆類」である。また、例えば、さやいんげんにおいて、莢をむかず、そのままの状態でも「豆類」である。
また、特に「莢」と記載してある場合には、豆類の莢のみをさす。例えば、枝豆において、豆の部分を除いた、莢の部分をいう。「莢」としては、枝豆の莢、そら豆の莢が好ましい。
また、例えば、大豆属の大豆を用いる場合、どのようなものをも用いることができ、特に限定はない。例えば、国産大豆、IOM等の米国産大豆、遺伝子組み換え大豆、または遺伝子非組換え大豆のいずれも用いることができる。また、青大豆、黒大豆、青豆等も用いることができる。枝豆は、大豆の未熟種子であるから、大雑把に大豆として扱うこともできる。
豆類として、よりγ−アミノ酪酸を多くしたい場合、豆類由来のグルタミン酸量を増やすという点から、発芽処理豆類を用いることができる。発芽処理豆類とは、水による浸漬等により発芽反応に必要な水を含む豆類を、水切り後または浸漬等の工程中に、空気または酸素に接触させ、温度、湿度を保ちながら発芽反応を促進させた豆類を意味し、実際に芽や根が目視で確認できるか否かは問わない。具体的には、例えば、水切りした豆類を発芽床に移し間欠的に散水したり、湿らせた布で包んだりして発芽反応を進行させる。なお、本発明に用いる発芽装置としては、一般的に用いられている発芽床を使用することができるが、これに限定されるものではない。このような発芽処理豆類としては、例えば、WO2005/004633号国際公開パンフレットに記載のものが好ましく利用できる。発芽処理豆類の代表例として、発芽処理大豆が挙げられる。
[豆類または莢の細胞壁を破砕処理し細胞壁破壊処理物を得る工程]
細胞壁破壊処理物とは、上述した豆類または莢を細胞壁が破壊される程度に破砕、磨砕等の処理が行われたものである。これらの処理を施した理由は、豆類または莢のGADは、細胞に内在しているのでGADを有効に利用するためには、破砕や磨砕等の処理を行うことが好ましいからである。
細胞壁破壊処理物を得る工程は、豆類に破砕や磨砕等の処理を施し、GAD活性を発揮しうる状態にするものであれば、特に限定はない。例えば、豆類や莢をマスコロイダー等で粉砕する方法や、乾燥させた豆類や莢を粉砕して粉末状とする方法が挙げられる。また、豆類や莢を水中で磨砕する方法が挙げられる(後述、「細胞壁破壊処理物を得る工程」と「反応液製造工程」とを同時に行う一例である)。また、豆類や莢を水中に一定時間置いて吸水させた後、その吸水した豆類や莢に水を加えて磨砕する方法が挙げられる(後述、「細胞壁破壊処理物を得る工程」と「反応液製造工程」とを同時に行う一例である)。なお、発芽処理豆類の場合は、発芽処理豆類中に十分な水分が含まれていれば、吸水工程を省略してもよい。この工程は、「豆類または莢を粉砕し粉砕物とする工程」、「豆類または莢からの抽出物を得る工程」、「豆類または莢を粉砕し破砕物とした後に抽出物を得る工程」を包含する。
(粉砕工程)
粉砕工程において、破砕、磨砕等の方法やその処理物の形状、粒度等には特に限定されない。この処理を行う装置として、例えば、ホモミキサー、ジューサーミキサー等が挙げられる。この処理方法としては、例えば、ホモミキサーで7000rpm、3分間粉砕または磨砕する方法等が挙げられる。粉砕工程において、水は必須ではない。
(吸水工程)
吸水工程は、粉砕工程を容易にするために、大豆を十分軟らかくできる工程であれば特に限定されない。吸水工程は、常法により、適宜調整して行うことができる。吸水工程に用いる水としては、水道水、地下水等、特に限定されないが、豆乳に含まれる大豆タンパク質の沈殿を防ぐという点から、軟水等、金属イオンを少量しか含まない水を用いることが好ましい。
(豆類または莢からの抽出物を得る工程)
豆類または莢の細胞壁を破砕処理し細胞壁破壊処理物を得る工程として、「豆類または莢からの抽出物を得る工程」や「豆類または莢を粉砕し破砕物とした後に抽出物を得る工程」を行ってもよい。例えば、豆類を吸水工程にて十分柔らかくし、豆類から特定の成分や画分を抽出することにより抽出物を得るようにしてもよい。より詳細には、上記細胞壁破壊処理物を水等で抽出する方法である。抽出物としては、例えば、蛋白画分、酵素画分が挙げられる。より詳細には、溶液状とした細胞壁破壊処理物を塩析し、これを脱塩し、カラム精製した溶液等が挙げられる。
[細胞壁破壊処理物または抽出物と水とを含む反応液を作る反応液製造工程]
細胞壁破壊処理物を得る工程や豆類または莢からの抽出物を得る工程の終了後、細胞壁破壊処理物または抽出物を水と混ぜ、反応液を製造することができれば特に限定されない。豆類と水との混合物を作り、これを一緒に粉砕工程にかけるように、「細胞壁破壊処理物を得る工程」と「反応液製造工程」を同時に行うことができる。また、乾燥した豆類を上記「細胞壁破壊処理物を得る工程」にて粉末化して、これを水に溶かして反応液とするものであってもよい。
なお、本実施形態において、「細胞壁破壊処理物または抽出物と水との反応液」とは、結果として反応液中に、豆類を粉砕または磨砕等の手段により細かくしたものまたはその抽出物と水とが混合しているものであれば、特に製造方法は問わない。反応液中の粉砕物またはその抽出物の濃度は、豆類由来のγ−アミノ酪酸含有組成物が製造できるものであれば、特に限定されない。
(除去工程)
必要に応じて粉砕工程において、得られた細胞壁破壊処理物と水との反応液から水不溶性成分を除去する除去工程を含む。除去工程においては、除去装置(または分離装置)により、細胞壁破壊処理物と水との反応液から水不溶性成分を除去して、該反応液から水不溶性成分を除去した溶液を得る。除去工程に用いられる除去装置(または分離装置)としては、例えば、スクリュープレス、スクリューデカンターを用いることができる。
特に莢を用いた場合には、水不溶性成分の除去を行うことなく用いることが好ましい。この態様によれば、水懸濁液をろ過したものに比べて、より高効率でγ−アミノ酪酸への変換を行うことができる。すなわち、未熟豆の莢の細胞壁破壊処理物においては、水溶性成分のみならず、水不溶性成分においてもγ−アミノ酪酸への変換反応を進めることができる。この場合であっても、反応終了後であれば、水不溶性成分を除去することが可能である。
[細胞壁破壊処理物を得る工程と、反応液製造工程との関係]
「細胞壁破壊処理物とする工程および/または抽出物を得る工程」と「反応液製造工程」は、同時に行うようにしてもよい。例えば、大豆を用いた場合、水中に沈めて十分に吸水させた大豆を得て、その後、その大豆に水を加えながら破砕することにより、反応液を作ることが可能である。一方、それぞれ別の工程で行う例としては、枝豆の莢を用いた例が挙げられる。詳細には、枝豆の莢のみを粉砕して粉末状とした後、これに水を加えて反応液を作ることが可能である。
(グルタミン酸の添加)
本発明においては、反応液製造工程で作られる反応液が、さらに外部から添加したグルタミン酸を含むものを用いることができる。基質としてグルタミン酸を外部から添加することで、よりγ−アミノ酪酸を増やすことができる。本発明のグルタミン酸とは、グルタミン酸とその塩(例えば、グルタミン酸ナトリウム)を指す。グルタミン酸の添加は、後述する低温反応工程前、低温反応工程中のいずれであってもよく、特に限定されない。グルタミン酸を添加する方法として、グルタミン酸を多く含む食品素材を添加することも可能である。グルタミン酸含量の高い調味料や、蛋白を分解したアミノ酸混合物(例えば、カゼインやトウモロコシ等の食品蛋白分解物等)が挙げられる。
グルタミン酸の添加量は特に限定されない。グルタミン酸を少しでも添加した場合、それに応じて、γ−アミノ酪酸は増加するので、下限を一概に規定することはできない。γ−アミノ酪酸含有量を効率的に増加させるために、後述する低温反応工程終了後(反応終了後)にグルタミン酸が残る程度添加することが好ましい。
グルタミン酸の添加量については、使用する豆類、莢の細胞壁破壊処理物それらの抽出物により、大きく影響を受けるため、一概に規制することはできない。また、製造に用いる機械や製造スケールの違いによる抽出効率の違いにより、一概に規定することはできない。グルタミン酸の量は、低温反応工程前の反応液中のグルタミン酸濃度として表記することができる。
例示として、大豆を用いた場合には、以下のような例が挙げられる。
グルタミン酸添加量は、反応液において低温反応工程前または低温反応工程中の反応液中の豆類固形分11g当たり40mg以上(48mg以上が好ましく、56mg以上がさらに好ましい)になるように添加することが好ましい。この量は、添加したグルタミン酸と豆類成分に内在するグルタミン酸との総濃度を示す。
また、グルタミン酸添加量は、反応液において低温反応工程前または低温反応工程中の反応液中の豆類固形分11g当たり88mg以下(96mg以下が好ましく、120mg以下がさらに好ましい)になるように添加することが好ましい。この量は、添加したグルタミン酸と豆類成分に内在するグルタミン酸との総濃度を示す。
グルタミン酸添加量は、反応液において低温反応工程前または低温反応工程中の反応液中の豆類固形分11g当たり40〜120mg(56〜96mgが好ましい)になるように添加することがさらに好ましい。
グルタミン酸を添加して反応液を調整する方法は問わない。例えば、反応液を作った後に添加することができる。また、反応液を作る際に前もってグルタミン酸を入れておき、反応液製造工程により、グルタミン酸を含んだ反応液を製造してもよい。また、グルタミン酸を反応液に添加する場合、保持工程前でも、保持工程中でもよく、さらに、グルタミン酸の添加を複数回行ってもよい。
(保持工程終了時のグルタミン酸の残存量)
上記のように、添加するグルタミン酸含量は一概に規定できない。グルタミン酸が少量であり、保持工程終了時にグルタミン酸が、存在しないか、反応が進まない程度の量であっても、添加したグルタミン酸に相当して、γ−アミノ酪酸の生成量は増えるからである。
本発明においては、保持工程終了時にグルタミン酸が残る程度(酵素があれば、まだ反応が進む程度)に、グルタミン酸を添加することが好ましい。このようにすることにより、γ−アミノ酪酸含量がプラトーに達しないようにして、本発明で実現されたGAD活性の増強方法の効果を十分に活かせるからである。
よって、上記のような理由から、保持工程終了時にグルタミン酸が残る程度に、グルタミン酸を添加することが好ましい。このような場合でもあっても、グルタミン酸の添加量は、製造に用いる機械や製造スケールの違いによる豆類固形分の抽出効率の違いにより、一概に規定することはできない。
一方で、グルタミン酸を極めて過剰量に入れることも想定される。しかし、最終生成物であるγ−アミノ酪酸含有組成物にグルタミン酸が多く残りすぎると、風味に大きく影響するため、極めて過剰量に添加することはできない。
保持工程終了時のグルタミン酸含量としては、例えば、反応液中に豆類固形分11g当たり32mg以下(さらに好ましくは8〜32mg)が好ましい。よって、グルタミン酸の添加量としては、例えば、反応終了時にグルタミン酸が、反応液中に豆類固形分11g当たり32mg以下(さらに好ましくは8〜32mg)の範囲で残る量のグルタミン酸量が好ましい。
[低温反応工程]
次に、本発明においては、前記反応液を4〜15℃の低温で保持し、豆類中の実質的にγ−アミノ酪酸の含有量を増加させるのに必要な時間保持し、γ−アミノ酪酸含有量を増加させる低温反応工程を行う。
詳細は実施例にて後述するが、図3、4等に示すように、発明者らの鋭意研究の成果により、低温/長時間の保持によるγ−アミノ酪酸含有量の更なる増加現象が確認された。そして、この現象を低温反応工程に適用することにより、菌の増加を十分に抑制して食品衛生的に適し、かつ従来品に比べてγ−アミノ酪酸含有量が増加したγ−アミノ酪酸含有組成物を製造できる。
ここで、「低温」とは、4〜15℃の範囲内の温度をいう。4℃未満の温度で反応液を保持すると、反応液中の水が凍結する可能性がある。一方、15℃を超える温度で反応液を比較的長時間保持すると、菌が増加してしまい、食品衛生的に適さない場合がある。4℃以上15℃未満が好ましく、4〜10℃がさらに好ましい。4〜10℃で保持した場合、菌の増加を、簡単かつ効果的に抑制できる。なお、実施例には示していないが、4℃において、本発明の効果が発揮させることは、予備実験により確認した。
本発明の低温反応工程は、実質的にγ−アミノ酪酸の含有量を増加させるのに必要な時間保持することが必要である。この時間は、豆類の種類、豆類の粉砕方法や抽出方法、反応温度、基質であるグルタミン酸の含量、反応液中の豆類の含量、反応容器の大きさや反応中の撹拌方法、等に大きく依存するために一概に規定することはできない。低温反応工程の直前のγ−アミノ酪酸含量と比して、有意に増加する時間まで保持することが必要である。
低温反応工程において、例えば図3、4および5に示すように、γ−アミノ酪酸含有量は、時間の関数で表現することができる。15℃を超える温度で保持した際に生じる単位時間tあたりのγ−アミノ酪酸含有量が、WT>15℃=f´(t)の条件を満たし、4〜15℃の範囲内で保持した際に生じる単位時間tあたりのγ−アミノ酪酸含有量が、WT=4〜15℃=f(t)の条件を満たす場合、保持時間tにおけるWT>15℃とWT=4〜15℃との関係が、WT>15℃<WT=4〜15℃となるまで保持することが好ましい。すなわち、WT=4〜15℃が、WT>15℃を超える時間まで、またはそれ以上低温で保持することが好ましい。これにより、従来の方法に比べてγ−アミノ酪酸含有量を増やしたγ−アミノ酪酸含有組成物を提供することができる。ここで、「WT>15℃」は、15℃を超える温度で保持した際のγ−アミノ酪酸の含有量を示し、「WT=4〜15℃」は、4〜15℃で保持した際のγ−アミノ酪酸の含有量を示す。
また、WT>15℃の最大量をWTmaxとした場合、WTmax<WT=4〜15℃(ただし、保持時間tは、0時間<t<48時間である。)となるまで保持することが好ましい。すなわち、15℃を超える温度で保持した際のγ−アミノ酪酸の最大量を超えるまで、またはそれ以上低温で保持することが好ましい。これにより、従来の方法に比べてγ−アミノ酪酸含有量を増やしたγ−アミノ酪酸含有組成物を提供することができる。なお、例えば図4に示すように、15℃を超える温度で保持した際、反応液が腐敗してしまい48時間まで保持することができない場合、保持できる最大時間のγ−アミノ酪酸含有量を超える時間まで、またはそれ以上保持することが好ましい。
本発明では、低温で保持することから菌の増殖を抑制することができる。低温反応工程において、例えば図3、4および5に示すように、常に4〜15℃のある一定の温度で保持する必要はなく、菌数を初期菌数の100倍以下の範囲内となるように、好ましくは10倍以下の範囲内となるように制御できれば4〜15℃の範囲内で適宜必要に応じて保持温度を変化させてもよい。4〜10℃の範囲内の温度で保持した場合には、48時間以上、菌数を初期菌数の100倍以下(好ましくは10倍以下)の範囲内に制御できるので、好ましい。例えば、20℃以上で保持した場合、ある程度のγ−アミノ酪酸含量までは短時間に増加するが、これと同時に、菌数は初期菌数の100倍を超えるため、好ましくない。
なお、上記の低温反応工程は、4〜15℃の低温を満たしていればよく、低温保持以外の他の単位操作処理(低温保持以外の他の製造プロセス)を兼ねてもよい。例えば、低温反応工程は、静止状態のみをさすものではなく、4〜15℃の範囲内に保たれていれば、粉砕、撹拌、ホモジナイズ等の工程を兼ねていても低温反応工程に含まれる場合がある。言い換えれば、低温保持手段は、保温密封機能を備えた粉砕装置、除去装置等であってもよい。したがって、本発明における保持時間は、豆類の粉砕物と水との反応液の状態で保持する時間、または、該反応液から水不溶性成分を除去した溶液の状態で保持する時間、あるいは反応液と溶液との両方の状態で保持する時間のいずれであってもよい。
(γ−アミノ酪酸含有組成物の乾燥処理)
上記の製造方法により得られるγ−アミノ酪酸含有組成物は、乾燥して、乾燥物とすることができる。乾燥処理の方法は、常法により適宜調整して行うことができ、特に限定されない。例えば、スプレードライヤー(噴霧乾燥)、真空式ドラムドライヤー、凍結乾燥、等により行うことができる。
(γ−アミノ酪酸含有組成物の乾燥物の粉砕処理)
上記の乾燥処理により得られるγ−アミノ酪酸含有組成物の乾燥物は、粉砕して、粉末状にすることができる。粉砕の方法は、常法により適宜調整して行うことができ、特に限定されない。例えば、ミキサーや臼であってもよい。具体例としては、真空式ドラムドライヤーで乾燥させた乾燥物を、ピンミル(粉砕機の種類)にかけて粉末にする例が挙げられる。なお、スプレードライヤー(噴霧乾燥)で乾燥させた場合、通常、適度な粒子径の粉末となるため、粉砕処理は行わない。また、粉末の粒子径も特に限定されない。
[γ−アミノ酪酸含有組成物を含む食品]
上記の製造方法により得られるγ−アミノ酪酸含有組成物に、例えば糖質の配合、ホモジナイズ、濃縮、脱水、乾燥、粉末化のいずれかの加工処理を施し、さらに必要に応じて、凍結、加熱、希釈、成型、圧縮、蒸煮、発酵等の加工処理を施すことによりさらに別の加工物、食品とし、これを利用することもできる。
以上のような加工処理は、一般的な加工食品の製造において通常利用される方法にしたがって行うことができる。例えば、本発明によるγ−アミノ酪酸含有組成物に関しては、これに糖質やそれ以外の成分(例えば、酸味料、調味料、甘味料、着色料、着香料、強化剤、保存料、酸化防止剤、乳化剤、品質改良剤、基剤、賦形剤等の一般的な食品添加物)を目的に応じて適宜配合して呈味を調整した液体としたり、食品に直接添加したり、必要に応じて糖質、賦形剤、基剤等を配合してペーストとしたり、さらに乾燥、粉末化の処理を施して粉末とすること等が有利に実施できる。
上記のγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法により得られるγ−アミノ酪酸含有組成物は、例えば、パン、ピザ、うどん、そば、そうめん等の麺類、アイスクリーム、プリン、ヨーグルト等の乳製品、パウンドケーキ、クッキー、ビスケット、せんべい、おかき、あられ、和菓子等の菓子類、豆腐や豆腐プリン、ゼリー状豆腐、等の豆類加工食品、錠剤等の形状にした健康食品等に使用することができる。本発明のγ−アミノ酪酸含有組成物を用いることにより、食品衛生上の問題なく、容易にγ−アミノ酪酸含量を多くすることができる。
[γ−アミノ酪酸の増強方法およびγ−アミノ酪酸増強剤]
また、詳細は実施例にて後述するが、必要に応じて、グルタミン酸溶液や、グルタミン酸を含有する食品素材(例えば、野菜等)に対して、豆類または莢の細胞壁を破砕した細胞壁破壊処理物を加えて、上述した低温反応工程を一緒に行うことにより相乗的にγ−アミノ酪酸含有量が増加することがわかった。例えば、上述した低温反応工程を行った場合、枝豆を添加して磨砕したトマト溶液や大豆溶液は、枝豆を添加しない場合と比較して、γ−アミノ酪酸含有量が有意に増加する。
これにより、豆類または莢の細胞壁を破砕した細胞壁破壊処理物は、低温反応工程を含むγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法において、豆類由来のγ−アミノ酪酸増加剤として高度に機能することがわかった。なお、豆類由来のγ−アミノ酪酸とは、豆類の酵素により生成されたγ−アミノ酪酸のことをいい、外部から添加したγ−アミノ酪酸を除いたものをいう。
その他として、以下の態様が考えられる。
(12) (1)から(7)のいずれかに記載のγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法において、前記反応液とγ−アミノ酪酸を増強させたい食品素材と共に低温反応工程を行い、前記食品素材中のγ−アミノ酪酸含有量を増強させるγ−アミノ酪酸の増強方法。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
<γ−アミノ酪酸含有量の測定方法>
下記実施例のγ−アミノ酪酸含有量および、グルタミン酸は、下記の方法で測定した。豆類・野菜類溶液2mlと5%トリクロール酢酸2mlを混ぜ、撹拌、遠心分離により除蛋白した後、その上清を0.2μmのフィルターを用いてろ過した。得られたろ液をサンプルとし、日立高速アミノ酸分析計「L−8800A」(日立製作所社製)を用いてγ−アミノ酪酸含有量の測定を行った。
<固形分の測定方法>
実施例の固形分は、下記の方法で測定した。
豆類・野菜類溶液3gを、105℃、4時間で乾燥して溶液中の水の重量を測定し、固形分の割合を算出した。
<数値の意味>
固形分X%の溶液100ml中に含まれる含量は、固形分Xg当たりの含量と同義である。以下、特別な説明なく、γ−アミノ酪酸含有量Ymgと表記した場合には、溶液100ml中にYmg存在することである。
以下の実験例1〜4において、十分量のグルタミン酸を添加した豆類・野菜類溶液を一定温度で一定時間保持した際のγ―アミノ酪酸含有量を測定した。そして、それぞれの保持温度におけるγ−アミノ酪酸の増殖曲線を求めた。
〔実験例1〕[カボチャ溶液(温度の違いによるγ−アミノ酪酸含有量の増加)]
(カボチャ溶液の製造方法)
市販の生鮮カボチャ20g(種および皮以外の部分)を、グルタミン酸0.6gを水400gに溶かした溶液(表1の保持温度に対応した温度;5〜30℃)で磨砕して、カボチャ懸濁液を作製した。そして、これから水不溶性成分を除去したカボチャ溶液を得た。カボチャ溶液の固形分は1%であった。
(試験方法)
上記カボチャ溶液を、表1に示す保持時間(3〜48時間)および保持温度(5〜30℃)で保持した。その後、酵素失活処理としてプレート加熱にて80℃で5分間加熱後、5℃に冷却した。結果を表1、図1に示す。試験例1は、反応工程前の反応液のγ−アミノ酪酸量とグルタミン酸含量である。
Figure 2008053767
表1および図1に示すとおり、5℃および10℃で保持した場合のγ−アミノ酪酸含有量は、20℃で保持した場合のγ−アミノ酪酸含有量を超えることはなかった。また、20℃で保持した場合が最もγ−アミノ酪酸含有量が増加した。
〔実験例2〕[トマト溶液(温度の違いによるγ−アミノ酪酸含有量の増加)]
市販の生鮮トマト200gを用いた以外は、上記実験例1と同様の方法により実験を行った。トマト溶液の固形分は1.5%であった。結果を表2、図2に示す。試験例26は、反応工程前の反応液のγ−アミノ酪酸量とグルタミン酸含量である。
Figure 2008053767
表2および図2に示すとおり、5℃および10℃で保持した場合のγ−アミノ酪酸含有量は、20℃および30℃で保持した場合のγ−アミノ酪酸含有量を超えることはなかった。また、20℃および30℃で保持した場合のγ−アミノ酪酸含有量は、5℃および10℃で保持した場合に比して、高かった。
〔実験例3〕[さやいんげん溶液(温度の違いによるγ−アミノ酪酸含有量の増加)]
市販の生鮮さやいんげん55g(莢付き)を用いた以外は、上記実験例1と同様の方法により実験を行った。さやいんげん溶液の固形分は0.8%であった。結果を表3、図3に示す。試験例51は、反応工程前の反応液のγ−アミノ酪酸量とグルタミン酸含量である。なお、表中の「ND」とは、腐敗により明らかに沈殿が生じたため、測定不能を表す。
Figure 2008053767
(10℃で保持した場合で生じるγ−アミノ酪酸含有量が、20℃または30℃で保持した場合で生じるγ−アミノ酪酸含有量を超える時間)
表3および図3に示すとおり、10℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量は、20℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を12〜24時間の間で超えている。Y軸がγ−アミノ酪酸含有量、X軸が時間tのグラフにおいて、20℃、12時間のγ−アミノ酪酸含有量と20℃、24時間のγ−アミノ酪酸含有量の2点を通る直線は、Y=0.0583X+80.2(式1)である。なお、ここでYは、WT>15℃に該当し、0.0583X+80.2はf´(t)に該当する。また、10℃、12時間のγ−アミノ酪酸含有量と10℃、24時間のγ−アミノ酪酸含有量の2点を通る直線は、Y=1.1083X+61(式2)である。なお、ここでYは、WT=4〜15℃に該当し、1.1083X+61はf(t)に該当する。式1と式2を満たすXの値(10℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量が、20℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を超える時間)は、18.3(時間)となる。
同様の方法により調べると、10℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量が、30℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を超える時間は、11.6(時間)となる。
(5℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量が、20℃または30℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を超える時間)
表3および図3に示すとおり、5℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量は、20℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を24〜48時間の間で超えている。Y軸がγ−アミノ酪酸含有量、X軸が時間tのグラフにおいて、20℃、24時間のγ−アミノ酪酸含有量と20℃、48時間のγ−アミノ酪酸含有量の2点を通る直線は、Y=0.0958X+79.3(式3)である。なお、ここでYは、WT>15℃に該当し、0.0958X+79.3はf´(t)に該当する。また、5℃、24時間のγ−アミノ酪酸含有量と5℃、48時間のγ−アミノ酪酸含有量の2点を通る直線は、Y=0.4792X+67.4(式4)である。なお、ここでYは、WT=4〜15℃に該当し、0.4792X+67.4はf(t)に該当する。式3と式4を満たすXの値(5℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量が、20℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を超える時間)は、31(時間)となる。
同様の方法により調べると、5℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量が、30℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を超える時間は23.4(時間)となる。
表3および図3に示すとおり、5℃および10℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量は、20℃および30℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を超えた。10℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量は、30℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を約11.6時間で超え、20℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を約18.3時間で超えた。5℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量は、30℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を約23.4時間で超え、20℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を約31時間で超えた。
表1〜3および図1〜3より、グルタミン酸が十分量存在する溶液において、γ−アミノ酪酸含有量を増やすために豆類を用いる場合(実験例3ではさやいんげん)、低温長時間保持を選択することが非常に有効なことがわかった。この効果は、実験例1および実験例2で示したカボチャやトマトでは発揮されず、低温保持の場合、むしろγ−アミノ酪酸含有量は低下した。
従来、これらの反応は、カボチャやトマトのように、酵素が働き易いとされる温度(20℃以上)で保持したときに、γ−アミノ酪酸含有量がより増加すると考えられていたことから、本実験の結果は予想外であった。
〔実験例4〕[大豆溶液(温度の違いによるγ−アミノ酪酸含有量の増加)]
(大豆溶液の製造方法)
市販の乾燥大豆(品種;アミーゴ、カナダ産)200gを25〜30℃、1Lの温水に約12時間浸漬させた後、水切りをして、浸漬大豆460gを得た。次に、得られた浸漬大豆460gに対し、グルタミン酸1.2gを水800gに溶かした溶液(表1の保持温度の対応した温度;5〜30℃)で磨砕して、懸濁液を作製した。その後、水不溶性成分を分離して、水不溶性成分を除去した液(大豆溶液)を得た。
(試験方法)
上記大豆溶液を用いて、実験例1と同様の方法により試験した。大豆溶液の固形分は9.5%であった。大豆溶液については、固形分11%に換算した数値を用いた。結果を表4、図4に示す。試験例76は、反応工程前の反応液のγ−アミノ酪酸量とグルタミン酸含量である。表中の「ND」とは、腐敗により明らかに沈殿が生じたため、測定不能としたことを示す。
Figure 2008053767
(10℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量が、20℃または30℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を超える時間)
図4に示すとおり、10℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量は、20℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を12〜24時間の間で超えている。Y軸がγ−アミノ酪酸含有量、X軸が時間tのグラフにおいて、20℃、12時間のγ−アミノ酪酸含有量と20℃、24時間のγ−アミノ酪酸含有量の2点を通る直線は、Y=0.2833X+63.4(式5)である。なお、ここでYは、WT>15℃に該当し、0.2833X+63.4はf´(t)に該当する。また、10℃、12時間のγ−アミノ酪酸含有量と10℃、24時間のγ−アミノ酪酸含有量の2点を通る直線は、Y=0.6833X+56.2(式6)である。なお、ここでYは、WT=4〜15℃に該当し、0.6833X+56.2はf(t)に該当する。式5と式6を満たすXの値(10℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量が、20℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を超える時間)は、18.0(時間)となる。同様の方法により調べると、10℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量が、30℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を超える時間は8.3(時間)となる。
(5℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量が、20℃または30℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を超える時間)
図4に示すとおり、5℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量が、20℃または30℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を超える前に、20℃または30℃で保持した場合腐敗する。そこで、5℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量が、腐敗直前の20℃または30℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を超える時間を求めた。20℃で保持した場合の腐敗直前のγ−アミノ酪酸含有量は、70.2mgである。なお、この値がWTmaxに該当する。この量は、5℃で保持した場合、24〜48時間の間で超える。Y軸がγ−アミノ酪酸含有量、X軸が時間tのグラフにおいて、5℃、24時間のγ−アミノ酪酸含有量と5℃、48時間のγ−アミノ酪酸含有量の2点を通る直線は、Y=0.5625X+49.8(式7)である。なお、ここでYは、WT=4〜15℃に該当し、0.5625X+49.8はf(t)に該当する。Yが70.2である場合のXの値(20℃で保持した場合で実現できるγ−アミノ酪酸含有量を超える時間)は、36.3(時間)となる。同様の方法により調べると、5℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量が、30℃で保持した場合に実現できるγ−アミノ酪酸含有量を超える時間は、16.4(時間)となる。
表4および図4に示すとおり、5℃および10℃で長時間保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量は、20℃および30℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を超えた。10℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量は、30℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を約8.3時間で超え、20℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を約18.0時間で超えた。5℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量は、30℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量を約16.4時間で超え、20℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量約36.3時間で超えた。
表1、2および4、図1、2および4より、グルタミン酸が十分量存在する溶液において、γ−アミノ酪酸含有量を増やすために豆類を用いる場合(実験例4では大豆)、低温長時間保持を選択することが非常に有効なことがわかった。この効果は、実験例1および実験例2で示したカボチャやトマトでは発揮されず、低温保持の場合、むしろγ−アミノ酪酸含有量は低下した。
従来、これらの反応は、カボチャやトマトのように、酵素が働き易いとされる温度(20℃以上)で保持したときに、γ−アミノ酪酸含有量がより増加すると考えられていたことから、本実験の結果は予想外であった。
〔実験例5〕(枝豆莢を用いたγ−アミノ酪酸変換反応)
枝豆莢を95℃、5秒の加熱殺菌を行い、その後、マスコロイダーで粉砕し、枝豆莢粉砕物を得た。この枝豆莢粉砕物200gに対して400gの水(枝豆粉砕物:水=1:2)を加え、十分撹拌混合し、この反応液をろ過したろ液として水抽出溶液を得た。水抽出溶液の固形分は1.4%であった。この水抽出溶液を200mlビーカーに100mlとり、水抽出溶液100mlに対して0.56gのグルタミン酸(水抽出溶液の固形分1gあたり、グルタミン酸0.4g)を添加した。その溶液を、0.5N NaOH溶液によりpH6.5にpH調整し、表5に示した反応温度および反応時間で撹拌した。撹拌後2〜3時間の間隔でpHを確認し、必要に応じて0.5N NaOH溶液によりpH6.5にpH調整して、反応を継続させた(pH確認と調整は、pH変動がなくなるまで行った)。
次いで、反応後の反応液を遠心分離(1500×g、3分間)して、上清を得た。その上清をスプレードライ(180℃−60℃)で噴霧乾燥し、乾燥物(水分含量 約5質量%)を得た。
(分析サンプルの調整)
上記の得られた乾燥物に水を加え、ホモミキサーで粉砕処理して乾燥物の懸濁液を調整した。この懸濁液に5%トリクロロ酢酸を混合撹拌後、遠心処理し、上清をフィルターでろ過して、ろ液(分析サンプル)を得た。結果を表5および図5に示す。
なお、外部よりグルタミン酸を添加する前のグルタミン酸含量は、いずれも固形分当たり0.1質量%以下であり、本実験に影響を与える量ではなかった。
Figure 2008053767
表5および図5に示すとおり、10℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量は、20℃、30℃および40℃で保持した場合に生じるγ−アミノ酪酸含有量の最大量を超えた。
従来、これらの反応は、酵素が働き易いとされる温度(20℃以上)で保持したときに、γ−アミノ酪酸含有量がより増加すると考えられていたことから、本実験の結果は予想外であった。
〔実験例6〕[大豆溶液(菌の増加)]
プレート加熱をする前の試験例76〜100について、以下の方法により菌数を調べた。結果を表6、図6に示す。
<菌数の測定方法>
大豆溶液5gに45gの滅菌済みリン酸緩衝液を加えて、十分撹拌した(10倍希釈)。得られた溶液のうち1gを、さらに滅菌済みリン酸緩衝液で任意に希釈した(A倍希釈)。その希釈液のうち1gをLB培地にて35℃、48時間増殖させ、生じたコロニー数を測定した。そして、そのコロニー数に希釈倍率を乗じて菌数とした(コロニー数×10(倍)×A(倍))。この測定方法により得られた菌数は、大豆溶液1gあたりに存在する菌の個数を示す。
Figure 2008053767
表6および図6に示すとおり、5℃および10℃で保持した場合では、長時間にわたり、菌数が初発菌数(反応工程直前の菌数)の10倍以下に制御されている。一方、20℃で保持した場合では、12時間で初発菌数の100倍を超え、24時間後には10000倍以上の菌数となった。また、30℃で保持した場合では、9時間で初発菌数の100倍を超え、12時間後には10000倍以上の菌数となった。
これにより、大豆溶液において10℃以下で保持することは菌数の増殖を初発菌数の10倍以下に制御でき、衛生性の観点から非常に有効であることが分かった。一方、20℃以上で保持すると菌数は指数関数的に増加するため、食品レベルとして安全な範囲で菌数を制御することは困難であることが分かった。
〔実験例7〕[他の豆類について]
上記した大豆、さやいんげん以外の豆類についても、グルタミン酸をγ−アミノ酪酸へ変換する能力があるか否かを調べるため、下記のような実験を行った。
[実験例7−1](未熟豆またはその莢のγ−アミノ酪酸変換能)
枝豆莢、そらまめ莢、そらまめ、さやいんげんまたは、さやえんどう300gに水300gを加えて、ホモミキサーで7000rpm、3分間粉砕した。この粉砕液を30℃に維持しながら、グルタミン酸5gを加えて、0.5N NaOH溶液によりpH5.7〜5.9へpH調整を行い撹拌した。以後、30℃で撹拌しながら、1時間毎にグルタミン酸5gを添加し、0.5N NaOH溶液によりpH5.7〜5.9へpH調整を行い、計12回添加した(グルタミン酸添加総量:5g×12回=60g)。そして最後の添加から、さらに13時間撹拌し、計24時間反応を行った。
次いで、反応後の反応液を90℃で1分間加熱後、ろ紙により水不溶性成分をろ過し、得られたろ液を凍結乾燥し、凍結乾燥物(水分含量 約6質量%)を得た。
得られたそれぞれの凍結乾燥物について、上記の得られた凍結乾燥物に水を加え、ホモミキサーで粉砕処理して凍結乾燥物の懸濁液を調整した。この懸濁液に5%トリクロロ酢酸を混合撹拌後、遠心処理し、上清をフィルターでろ過して、ろ液を得た。得られたろ液をアミノ酸分析計(アミノ酸アナライザーL―8800A 日立製)により分析することにより、グルタミン酸およびγ−アミノ酪酸含有量を調べた。結果を表7に示す。
また、変換率は、変換されなかったグルタミン酸の質量割合(添加したグルタミン酸量に対する残存したグルタミン酸量の質量割合)を求めて、これを100から引いた値(%)として算出した。なお、外部よりグルタミン酸を添加する前のグルタミン酸含量は、いずれも固形分当たり0.1質量%以下であり、本実験に影響を与える量ではなかった。
Figure 2008053767
表7に示すとおり、グルタミン酸がγ−アミノ酪酸に変換されている。よって、上記の豆類またはその莢は、グルタミン酸をγ−アミノ酪酸へ変換する能力を有することがわかる。
[実験例7−2](枝豆のγ−アミノ酪酸変換能)
枝豆または枝豆莢300gに水600gを加え、ホモミキサーで7000rpm、3分間粉砕した。この枝豆莢粉砕液を40℃に維持しながら、グルタミン酸14gを加えて、0.5N NaOH溶液によりpH5.0〜5.3へpH調整を行い、撹拌した。以後、40℃で撹拌しながら、1時間毎にグルタミン酸14gを添加し、0.5N NaOH溶液によりpH5.0〜5.3へpH調整を行い、計12回添加した(グルタミン酸添加総量:14g×12回=168g)。そして、最後の添加から、さらに13時間撹拌し、計24時間反応を行った。
次いで、反応後のそれぞれ反応液を上記実験例7−1と同様の方法により処理して、凍結乾燥物を得た。
得られたこれらの凍結乾燥物について、上記実験例7−1と同様の方法により、グルタミン酸およびγ−アミノ酪酸含有量を求めた。結果を表8に示した。
Figure 2008053767
表8に示すとおり、グルタミン酸がγ−アミノ酪酸に変換されている。よって、上記の豆類またはその莢は、グルタミン酸をγ−アミノ酪酸へ変換する能力を有する。
[実験例7−3](枝豆のγ−アミノ酪酸変換能)
発明者等により、大豆等を一度凍結させ、その後、解凍することによりγ−アミノ酪酸含有量が増えることを見出した。そこで、この反応を利用して、グルタミン酸をγ−アミノ酪酸に変換する能力について調べた。
酵素失活処理をしていない青豆、黒大豆、小豆、ひよこ豆、レンズ豆、青大豆または緑豆(以上の原料豆は、完熟豆で莢なし)100gを20℃の水に18時間浸漬させ、その後水切りして水分含量を56.5〜77.3質量%とし、−20℃の冷凍庫で12時間冷凍した。その後、25℃の水に6時間浸漬して解凍した後、5リットルの沸騰した0.2質量%食塩水で、解凍した青豆、黒大豆、小豆、ひよこ豆、レンズ豆、青大豆または緑豆を3分間茹でた。得られた豆を東京理科器機社製の凍結乾燥機を用いて凍結乾燥し、青豆、黒大豆、小豆、ひよこ豆、レンズ豆、青大豆または緑豆乾燥物を得た。
<豆乾燥物の分析について>
上記豆乾燥物をWonder Crush/Mill(大阪ケミカル社製)で20秒間粉砕後、得られた粉末約2gを秤量し、水20mlを加え、ホモジナイザーで3分間撹拌し、懸濁液を得た。得られた懸濁液2mlと5%トリクロロ酢酸2mlを、10ml遠心管に入れ、3分間撹拌後、遠心処理(10,000rpmで10分間)し、上清をフィルター(ADVANTEC PTFE 0.2μm)でろ過後、ろ液を得た。自動アミノ酸分析装置(日立L−8800A)を用いて、得られたろ液中のγ−アミノ酪酸含有量およびグルタミン酸含量の測定を行った。
上記の測定法で得られた分析値および豆乾燥物の固形分の質量より、原料に用いた豆および、上記豆乾燥物の固形分100g中のγ−アミノ酪酸含有量を調べた。結果を表9に示す。
Figure 2008053767
表9に示すとおり、上記処理によりγ−アミノ酪酸含有量が増加している。よって、上記の豆類またはその莢は、グルタミン酸をγ−アミノ酪酸へ変換する能力を有する。
表7〜9より、豆類またはその莢の多くに、グルタミン酸をγ−アミノ酪酸へ変換する能力があることがわかった。よって、これらはいずれも、グルタミン酸が十分量ある溶液に加えることにより、γ−アミノ酪酸含有量を増やすことができる。
〔実験例8〕[枝豆を添加したトマト溶液]
(実験例8−1)
市販の生鮮トマト200gと枝豆(莢無し、ボイルしていない)30gとを用いて枝豆を添加したトマト溶液とした以外は、上記実験例1と同様の方法により実験を行った。
(実験例8−2)
市販の生鮮トマト200gを用いた以外は、上記実験例1と同様の方法により実験を行った。市販の生鮮トマトは、試験例2と異なる品種、異なる季節のものを用いた。結果を表10、図7に示す。試験例101は、反応工程前の反応液のγ−アミノ酪酸含有量である。
Figure 2008053767
表10および図7に示すとおり、トマト溶液は、実験例2と同様に、γ−アミノ酪酸含有量の増加は見られなかった。一方、枝豆を添加したトマト溶液は、トマト溶液と比して、γ−アミノ酪酸含有量は顕著に増加した。これは、豆類を添加することにより相乗的にγ−アミノ酪酸含有量が増加することを示している。
〔実験例9〕
(実験例9−1;パイロットスケールでの有効性の確認)
(実験方法)
市販の乾燥大豆(品種;アミーゴ、カナダ産)20kgを25〜30℃、100Lの温水に12時間浸漬させた後、水切りして、浸漬大豆44kg(水分含量;61%)を得た。次に得られた浸漬大豆44kgに、グルタミン酸40gを水44kgに溶かした溶液で磨砕して懸濁液を得た。その後、水不溶性成分を分離して、水不溶性成分を除去した液(大豆溶液)を得た。次に低温で殺菌を行った(菌数;10未満)。次に10℃、20時間保持した。その後、直接蒸気吹き込み式瞬間加熱装置にて145℃で5秒間加熱後、5℃に冷却した。得られた溶液のγ−アミノ酪酸量およびグルタミン酸量を測定した。固形分11%に換算して数値を用いた。
その結果、γ−アミノ酪酸量は68mg/100ml、グルタミン酸含量は検出限界以下であった。これにより、低温反応工程の有効性が確認できた。
(実験例9−2;乾燥処理)
この溶液をスプレードライヤー(吸気温度180℃、排気温度70℃)を用いて粉末にした。得られた粉末のγ−アミノ酪酸量は、560mg/100g固形分であった。
(実験例9−3)
この溶液を用いた食品の例として、以下の方法により、ゼリー状豆腐を製造した。実験例9−1の大豆溶液85.5質量部、植物油3.6質量部、糖類(デキストリン、ゲル化剤等)5質量部、水5.9質量部を混合して、ホモジナイズ後に145℃で滅菌加熱した後、冷却しながら容器に充填し、ゼリー状豆腐を作った。
(実験例9−4)
この乾燥粉末を用いた食品の例として、以下の方法により、パウンドケーキを製造した。室温に戻した無塩バター100質量部と砂糖100質量部をクリーム状になるまで混合した。次に、撹拌しながら、卵100質量部を少量ずつ加えた。次に、実験例9−2の乾燥粉末10〜20質量部、薄力粉80〜90質量部(豆乳粉末と薄力粉を合わせて100質量部)およびベーキングパウダー2質量部を混合してふるいにかけた粉末を加えて、撹拌した。これを容器に移し、170℃、40分間焼成し、20cm型のパウンドケーキを作った。
〔実験例10〕
(実験例10;パイロットスケールでの有効性の確認)
(実験方法)
市販の乾燥大豆(品種;ツルムスメ、国産)900kgを15℃、2500Kgの水に14時間浸漬させた後、水切りして、浸漬大豆2000kg(水分含量;60%)を得た。次に得られた浸漬大豆2000kgに、グルタミン酸ナトリウム3.8kgを水3400kgに溶かした溶液で磨砕し、低温で殺菌(菌数;10未満)しながら、水不溶性成分を分離して、水不溶性成分を除去した液(大豆溶液)を得た。次に10℃、20時間保持した。その後、インフュージョン式瞬間加熱装置にて150℃で3秒間加熱後、5℃に冷却した。得られた溶液および、10℃、20時間保持前の溶液のγ−アミノ酪酸量およびグルタミン酸量を測定した。固形分11%に換算して数値を用いた。その結果を表11に示した。
表11に示した低温保持工程前のγ−アミノ酪酸量およびグルタミン酸量は、磨砕し、低温殺菌工程を終えた後、約5〜10分を経過した溶液の数値である。この溶液は、磨砕後一定時間経過しており、かつ、低温殺菌を行っていることから、γ−アミノ酪酸変換反応が少し進行している。よって、理論的には、低温保持工程前のグルタミン酸量は56mg以上であると推察できる。なお、正確なタイミングでサンプル採取できなかった原因は、実製造機の構造によるものである。
Figure 2008053767
表11に示すとおり、低温反応工程の有効性が確認できた。
(実験例10−2;乾燥処理)
この溶液を、スプレードライヤーを用いて粉末にした。得られた粉末のγ−アミノ酪酸量は、557mg/100g固形分、であった。

Claims (11)

  1. 豆類または莢の細胞壁を破砕処理して細胞壁破壊処理物を得る工程と、
    前記細胞壁破壊処理物と水とを含む反応液を作る反応液製造工程と、
    前記反応液を4〜15℃で実質的にγ−アミノ酪酸の含有量を増加させるのに必要な時間保持する低温反応工程と、を有するγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法。
  2. 前記低温反応工程において、菌数を初期菌数の100倍以下の範囲内となるように温度を制御する請求項1に記載のγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法。
  3. 前記豆類が、大豆属、えんどう属、いんげん豆属、そら豆属、ささげ属、ひよこ豆属、および、ひら豆属からなる群より選ばれる1種である請求項1または2に記載のγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法。
  4. 前記低温反応工程前および/または前記低温反応工程中に、外部からグルタミン酸を添加する添加工程を有する請求項1から3のいずれかに記載のγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法。
  5. 前記添加工程で外部から添加したグルタミン酸の含有量が、保持工程終了時にグルタミン酸が残る程度の量である請求項4に記載のγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法。
  6. 15℃を超える温度で任意の時間(t)保持した際に生じるγ−アミノ酪酸含有量が、WT>15℃=f´(t)の条件を満たし(WT>15℃は15℃を超える温度で保持した際のγ−アミノ酪酸の含有量を示す。f´(t)は、tの値を変数とする関数を示す。)、かつ、
    4〜15℃で任意の時間(t)保持した際に生じるγ−アミノ酪酸含有量が、WT=4〜15℃=f(t)の条件を満たす場合において(WT=4〜15℃は4〜15℃で保持した際のγ−アミノ酪酸の含有量を示す。f(t)は、tの値を変数とする関数を示す。)、
    前記WT>15℃と前記WT=4〜15℃との関係が、WT>15℃<WT=4〜15℃となる特定の保持時間tまで、前記低温反応工程において保持する請求項1から5のいずれかに記載のγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法。
  7. 15℃を超える温度で任意の時間(t)保持した際に生じるγ−アミノ酪酸含有量が、WT>15℃=f´(t)の条件を満たし(WT>15℃は15℃を超える温度で保持した際のγ−アミノ酪酸の含有量を示す。f´(t)は、tの値を変数とする関数を示す。)、かつ、
    4〜15℃で任意の時間(t)保持した際に生じるγ−アミノ酪酸含有量が、WT=4〜15℃=f(t)の条件を満たす場合において(WT=4〜15℃は4〜15℃で保持した際のγ−アミノ酪酸の含有量を示す。f(t)は、tの値を変数とする関数を示す。)、
    前記WT>15℃の最大量をWTmaxとした場合(ただし、WT>15℃=f´(t)における任意の時間(t)が0時間<t<48時間である。)、WTmaxとWT=4〜15℃との関係が、WTmax<WT=4〜15℃となる特定の保持時間tまで、前記低温反応工程において保持する請求項1から5のいずれかに記載のγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法。
  8. 前記低温反応工程の後に、乾燥処理を行う、または乾燥処理と粉砕処理を行う、請求項1から7のいずれかに記載のγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法により得られたγ−アミノ酪酸含有組成物を含む食品。
  10. 請求項1から8のいずれかに記載のγ−アミノ酪酸含有組成物の製造方法で使用するγ−アミノ酪酸増加剤であって、豆類または莢の細胞壁破壊処理物からなり、グルタミン酸またはグルタミン酸を含む食品素材と共に低温反応工程を行う際に用いるγ−アミノ酪酸増加剤。
  11. グルタミン酸またはグルタミン酸を含む食品素材と水とを含む反応液に、γ−アミノ酪酸を増加させるために4〜15℃で保持する低温反応工程を施す際に用いる豆類または莢の細胞壁破壊処理物からなるγ−アミノ酪酸増加剤。
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