JPWO2008047853A1 - 胃食道逆流症の予防・治療剤 - Google Patents

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Abstract

より有効な、胃食道逆流症の予防・治療剤などを提供すること。グリシンまたはアルギニンまたはグリシンとアルギニンを有効成分として含有する胃食道逆流症の予防・治療剤;グリシンまたはアルギニンまたはグリシンとアルギニンを含有する胃食道逆流症の改善用組成物。

Description

本発明は、胃食道逆流症の予防・治療剤に関する。当該剤は医薬品、飲食品などとして使用される。
胃食道逆流症(Gastro-esophageal reflux disease;GERD)は、胃内容物、十二指腸液、胆汁、膵液等の食道内への逆流とその停滞により種々の消化器症状(胸やけ、呑酸、つかえ感、嚥下困難、胸痛、しみる感じ等)を呈する疾患の総称である。特に胃酸などの逆流により、食道扁平上皮に炎症が認められるものである。健常人においても胃食道逆流は起こっているが、その頻度が多くなると胃酸もしくは胃内容物に含まれるペプシン、もしくは十二指腸液などにより炎症が引き起こされる。GERDには、内視鏡検査により器質的変化が認められる逆流性食道炎と、内視鏡的には全く所見がない非潰瘍性消化不良(non-ulcer deyspepsia;NUD)の胃食道逆流型の病態が含まれる。また、内視鏡的に炎症が認められなくとも、バイオプシーなどにより炎症が起こっている場合もあり、軽度の炎症であっても、胸やけなどの自覚症状が出現する。この場合、炎症により知覚神経が過敏になっていることなどが想定される。
我が国におけるGERDの発生頻度は、高度産業発展を遂げ、衛生環境の改善・食生活の欧米化が進んだ1970年代から急激に増加し、現在では上部消化管内視鏡検査の15%以上を占め、その頻度は欧米と同水準にまで達している。その背景として脂肪および蛋白質摂取量の増加に伴う胃酸分泌能増加、H.pylori菌感染率の低下等が挙げられ、当然ながら現在のアジア諸国も必然的に今後増加していくものと考えられている。更に、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の予防・治療のためのH.pylori菌の除菌療法の徹底により更なる増加が危惧されている。食後の胃もたれ、胸やけやストレスによる腹部不快感は誰しもが経験しており、GERDは生活習慣病と並ぶ現代社会を代表する病といえる。さらに、本疾患の特徴のひとつとして高い再発率が挙げられ、再燃による器質異変に伴う狭窄・バレット食道・腺癌への伸展を早期の確実な治療により阻止することが望まれる。
GERDの発生要因としては、一過性下部食道括約筋弛緩(Transient lower esophageal sphincter relaxation;TLESR)による胃内容物逆流(非特許文献1)、酸および/またはペプシンに対する食道粘膜の抵抗性の減弱、逆流後の食道クリアランスの低下、胃排出遅延および食道裂孔ヘルニア等が挙げられる。付加的因子として、食生活の変化による胃酸分泌増加、食物摂取量の増加や肥満などによる腹圧上昇などが加わるとされている。
また、咀嚼・嚥下障害などで経口摂取が不可能となり胃ろうによる栄養補給に頼らざるを得なくなった患者においても、栄養補給後の胃食道逆流の予防・治療が臨床現場での課題となっている。これらの患者において、胃内容物の逆流は患者生命を脅かす誤嚥性肺炎の主要因と考えられている。また、これらの患者の中には言語障害、意識障害等の理由から自ら不定愁訴を訴えることのできない場合が多く、器質的な機能障害を取り除き、不定愁訴等の感覚障害を改善することもQOL向上の点から重要視されている。
一方、乳幼児における食物アレルギーの発生頻度は近年増加する傾向にあり、小児保健上重要な問題となっている。これら食物アレルギーの乳幼児またはアレルギーを発症する可能性がある乳幼児ではGERD発症を伴う場合が多く、その早期治療が急務となっている(非特許文献2)。例えば、ヨーロッパの小児GERD治療ガイドラインでは、治療の第一歩として高粘度ミルクの使用が推奨されている(非特許文献3)。その他の治療の試みとして、低抗原性ミルク粉末の開発や逆流抑制を目的としたミルクの開発等が試みられている(非特許文献4;特許文献1)。
GERDの治療にはこれまで、プロトンポンプ阻害剤(PPI)やH2拮抗剤などの胃酸分泌抑制剤、制酸剤、消化管運動改善剤、粘膜保護剤などが用いられている。これらの中で明らかな治癒効果が確認されているのは、胃酸分泌抑制剤である。中でもPPIの治癒率は8割以上と高い(非特許文献5)。しかしながら、投薬中止によるリバウンド現象による再発・増悪化のため、PPIの長期維持療法が必要となる場合が多い。しかも、長期的に投与する場合、その安全性が未確定であるため定期的に検査する必要があり、若年層を対象としたPPI長期投与の是非については議論されている最中である。更に最近では、一部のPPI治療中のGERD患者において、夜間に胃酸分泌が回復する現象(nocturnal acid breakthrough)(「NAB」)による治療効果の低減が明らかにされつつある。したがって、これら既存の薬剤に十分な安全性が確保された状態で治療効果を求めることは困難な状況にあり、酸分泌抑制に代わるまったく新しい概念の治療薬が望まれている。
また、GERDの予防・治療を目的とした薬剤開発としては、上記に挙げた医薬品以外に新規なガンマアミノ酪酸(GABA)受容体作動薬(特許文献2)、チエノ[3,2−b]ピリジンカルボキサミド誘導体(特許文献3)、新規5-HT4アゴニスト(特許文献4;特許文献5)、平滑筋モジュレーター(特許文献6)、ニトログリセリンや硝酸塩等の一酸化窒素(以下NOとする)遊離薬等が知られている(非特許文献6)。これらの薬剤のターゲットである受容体やNO作動性の蛋白質は食道や胃だけに留まらず、脳を含む体中の臓器に分布しているため様々な生理作用を発揮する。例えば、5-HT4受容体は消化管全般の運動調節に、GABA受容体は脳の神経伝達に、NOは血圧調節全般に関与する。当然ながら、ヒトにおける高い治癒効果と安全性の双方をクリアすることは非常に困難であることが予想され、実際にこれらの新規な試みから、新たな治療法は現在のところ生まれていない。
一方、アミノ酸であるグルタミンは副作用を発現することなく潰瘍等の器質性消化管疾患の改善作用を有することが報告されている(非特許文献7)。グルタミンは胃炎・胃・十二指腸潰瘍の治療薬として使用されているが、食道の扁平上皮に対するグルタミンの作用については検討されていない。アルギニンはNOの前駆体でもあることから、アルギニンのGERD治療効果を検証するための研究が下部食道括約筋(LES)調節効果を対象として実施されている。しかしながら、アルギニンは静脈内持続注入によりLES調節が認められたが(非特許文献8)、アルギニンの経口投与においてはその有効性は確認されなかった(非特許文献9)。また、アルギニンはin vitroにおいて抗酸化作用を示す(非特許文献10)ことが知られているが、in vivoにおいて抗炎症作用は認められていない。
一方、グリシンは唾液中に豊富に含まれることが知られていたが、これまで消化管粘膜におけるその生理的役割は不明であった。近年、マクロファージの一種であるクッパー細胞にグリシン受容体の発現が確認され、マクロファージ系の細胞機能抑制に基づくグリシンを利用した新しい治療法として、肝臓障害予防・治療や肝臓や腎臓などの臓器移植へのグリシンの利用が期待されている(非特許文献11;非特許文献12)。しかしながら現段階において、GERDの病態におけるマクロファージの関与は不明であり、GERD予防・治療へのグリシンの利用は想定されていない。また、一般的な抗炎症薬(非ステロイド性抗炎症薬など)は胃粘膜障害を引き起こしGERDの病態を増悪させることが知られているため(非特許文献13)、仮にこれらのアミノ酸(アルギニン、グリシン)がin vivoにおいて抗炎症作用を有したと仮定しても、GERD予防・治療への利用を類推することは困難である。
これまで、上述のように胃食道逆流の治療法として、PPIやH2受容体拮抗薬などが用いられてきた。しかし、H2受容体拮抗薬では胃食道逆流の症状を十分改善できないことが報告されている。また、PPIでは症状は改善するものの、症状改善までには一定期間以上の服用が必要であり、速効性ではないこと、夜間の酸分泌抑制が不十分であるため、重症の患者では効果が不十分であること、さらに、服用を中止した場合にはすぐに再発し、かつ、増悪しやすいことなど問題点が多い。また、再発予防のために、PPIを長期服用しなければいけないが、長期服用の安全性については未確立である。
特開2003−245039号公報 特表2004−532259号公報 国際公開第01/058898号パンフレット 特表2002−521448号公報 特表平8−502032号公報 特表2004−521898号公報 Dent J. Gut、Vol.29、p1020-1028 (1988) Journal of Allergy and Clinical Immunology、Vol. 97、p822-827 (1996) Acta Pediatrica、Vol.87、p462-468 (1998) 小児内科、第26巻、1994年、p.304−310 Gastroenterology、Vol.112、p1798-1810 (1997) Curr Pharm Des.、Vol.7(1)、p1-18 (2001) Nutrition.、Vol.13(7-8)、p743-7 (1997) J Physiol Pharmacol.、Vol.48(2)、p201-9 (1997) Am J Physiol.、Vol.274(6 Pt 1)、pG984-91 (1998) Mol Pharmacol.、Vol.61(5)、p1081-8 (2002) Curr Opin Clin Nutr Metab Care.、Vol.6(2)、p229-40 (2003) Cell Mol Life Sci.、Vol.56(9-10)、p843-56 (1999) Can J Gastroenterol.、Vol.19(5)、p 285-303 (2005)
本発明の課題は、上部消化管の疾患である、胃食道逆流の予防・治療のために有効な新規な予防・治療剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行い、グリシンおよび/またはアルギニンを有効成分とする組成物が、胃食道逆流症を予防・治療する作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下を包含する。
(1)グリシンまたはアルギニンまたはグリシンとアルギニンを有効成分として含有する胃食道逆流症の予防・治療剤。
(2)有効成分がグリシンとアルギニンでありかつグリシンとアルギニンの質量比が1:10〜10:1である、上記(1)記載の予防・治療剤。
(3)成人に対する前記有効成分の一日あたりの投与量が1g〜20gである、上記(1)または(2)記載の予防・治療剤。
(4)グリシンまたはアルギニンまたはグリシンとアルギニンを有効成分として投与することを特徴とする、胃食道逆流症の予防・治療方法。
(5)胃食道逆流症の予防・治療剤を製造するための、グリシンまたはアルギニンまたはグリシンとアルギニンの使用。
(6)グリシンまたはアルギニンまたはグリシンとアルギニンを含有し、胃食道逆流症の改善作用を有するものであることを特徴とし、胃食道逆流症の改善のために用いるものである旨の表示を付した食品。
(7)グリシンとアルギニンを含有しかつグリシンとアルギニンの質量比が1:10〜10:1である、上記(6)記載の食品。
(8)成人に対する一日あたりの摂取量がアミノ酸全体量として1g〜30gである、上記(6)または(7)記載の食品。
(9)食品が保健機能食品またはダイエタリーサプリメントである、上記(6)〜(8)のいずれかに記載の食品。
(10)保健機能食品が特定保健用食品または栄養機能食品である、上記(9)記載の食品。
(11)グリシンまたはアルギニンまたはグリシンとアルギニンを有効成分として含有する胃食道逆流症の改善用組成物。
本発明により提供される、グリシンおよび/またはアルギニンを有効成分とする胃食道逆流症の予防・治療剤は、胃食道逆流症を予防および/または治療するために用いられる。本発明の予防・治療剤は、アミノ酸を有効成分とすることから、安全性が高く副作用がほとんどないため、医薬品として極めて有利である。
また、本発明の予防・治療剤における有効成分であるグリシンおよびアルギニンは、安全性の確立した物質であることから、本発明の予防・治療剤は安全性が高く、従って医薬用途に限らず、食品への利用が可能である。
グリシンの酸逆流性食道炎の抑制効果を示す図である。A:食道粘膜変性面積に与えるグリシンの効果。コントロール群N=7、グリシン投与群各N=5;B:コントロールおよびグリシン(250mg/kg、375mg/kg、750mg/kg)投与ラットの食道炎の典型例。 アルギニンの酸逆流性食道炎の抑制効果を示す図である。A:食道粘膜変性面積に与えるアルギニンの効果。コントロール群N=6、アルギニン投与群各N=5;B:コントロールおよびアルギニン(250mg/kg)投与ラットの食道炎の典型例。
本発明は、胃食道逆流症の予防・治療剤(以下、本発明の予防・治療剤)を提供する。なお、本発明において「予防・治療」とは、「改善」も含む意である。また、本発明において「剤」とは、医薬製剤(医薬組成物)のみならず飲食品(食品組成物)も含む意である。
本明細書において胃食道逆流症(Gastro-esophageal reflux disease;GERD)とは、胃内容物、十二指腸液、胆汁、膵液等の食道内への逆流とその停滞により種々の消化器症状(胸やけ、呑酸、つかえ感、嚥下困難、胸痛、しみる感じ等)を呈する疾患の総称である。具体的には、GERDには、内視鏡検査により器質的変化が認められる逆流性食道炎と、内視鏡的には全く所見がない非潰瘍性消化不良(non−ulcer deyspepsia;NUD)が挙げられる。
本発明の予防・治療剤は、胃食道逆流症(Gastro-esophageal reflux disease;GERD)およびそれに伴う消化器症状を改善する。ここでいう改善可能な消化器症状の具体的な症状としては、胸やけ、呑酸、つかえ感、嚥下困難、胸痛、しみる感じ、悪心、嘔吐、誤嚥、吐き気、胸焼け、膨満感、胃もたれ、ゲップ、胸中苦悶感、胃部不快感、食欲不振等の代表的な上部消化管不定愁訴、腹痛、便秘、下痢等の下部消化管不定愁訴および関連した愁訴、例えば息切れ、息苦しさ、意欲低下、喉頭閉塞・異物感(漢方でいう「梅核気」)、易疲労感、肩こり、緊張、口のかわき(口渇・口乾)、呼吸促迫、四肢熱感・冷感、集中困難、焦燥感、睡眠障害、頭痛、全身倦怠感、動悸、寝汗、不安感、ふらつき感、めまい感、熱感、のぼせ、発汗、腹痛、便秘、抑鬱感等が挙げられる。また、本発明の予防・治療剤は、胃内容物、十二指腸液、胆汁、膵液等の食道内への逆流を抑制する効果、さらに、胃食道逆流症が再発しにくくなる効果が期待できる。
本発明の有効成分(アミノ酸)である、グリシンおよびアルギニンは、L体、D体、DL−体のいずれも使用可能であるが、好ましくは、L−体、DL−体であり、さらに好ましくは、L−体である。
また、グリシンおよびアルギニンは、それぞれ、遊離体のみならず、塩の形態でも使用することができ、塩の態様のものも本発明に包含される。塩の形態としては、酸付加塩や塩基との塩等を挙げることもでき、グリシンおよびアルギニンの医薬品として許容される塩を選択することが好ましい。
グリシンおよびアルギニンにそれぞれ付加して医薬として許容される塩を形成する酸としては、例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、リン酸等の無機酸;酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、モノメチル硫酸等の有機酸が挙げられる。
グリシンおよびアルギニンの医薬として許容される塩基の例としては、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム等の金属の水酸化物または炭酸化物、あるいはアンモニア等の無機塩基;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、エタノールアミン、モノアルキルエタノールアミン、ジアルキルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機塩基が挙げられる。
上述のように本発明においては、上記有効成分の有効量を投与対象に投与することで胃食道逆流が改善されるが、その場合、有効成分をそのままあるいは医薬担体と混合して、投与されるべき有効成分の量、および投与対象(例えば、患者)の状態等を考慮した上で、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、カプセル剤、アンプル剤、分包剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、ガム製剤、ドロップス製剤、散剤、注射剤、坐薬、徐放剤、シップのような形態、および塗り薬等の医薬製剤として、経口的、または非経口的に投与することができる。投与方法としては経口投与が好ましく、さらに薬物徐放形態であるものが好ましい。徐放形態としては、ゲル被覆製剤、多重被覆製剤等の通常の徐放剤の他、ガム製剤、ドロップス製剤、定位放出剤(食道破裂製剤、幽門部破裂製剤など)等が挙げられる。一方、症状を速やかに改善するためには、速効性を示す形態も好ましい。速効性形態としては、発泡剤などがあげられる。上記剤形等については、食品に関しても同様の態様をとることができる。
ここで「投与対象」としては、胃食道逆流を罹患した個体(例えば、ヒトのほかウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、イヌ、トリ等の家畜や家禽、およびマウス、ラット等の実験動物。以下、同様。)、該胃食道逆流を罹患する可能性のある個体等が挙げられる。また、「有効量」とは所望の改善効果を与えるのに十分な量をいう。有効成分の投与量は、投与対象の性別、年齢、体重、食餌、投与の形態、GERDの症状、GERDを誘発するリスクの程度、消化管の器質性疾患の症状等によって異なるが、例えば、成人(体重60kgとして)に対する有効成分の一日あたりの投与量は、好ましくは1〜20g、より好ましくは2〜20g、更に好ましくは2〜10gの範囲である。なお、ヒト以外の哺乳動物に適応する場合、本発明の予防・治療剤の摂取量は、動物の体重もしくは大きさに応じて適宜加減すればよい。また、本発明の予防・治療剤が、有効成分としてグリシンおよびアルギニンを含有する場合、かかる2種のアミノ酸の配合比は、それぞれ、遊離アミノ酸の形として、質量比で、通常、1:10〜10:1の範囲であり、好ましくは1:3〜3:1の範囲である。この範囲をはずれると、有効な作用効果が得難くなる。このような投与量を一回または数回に分けて投与することができる。投与時期は食前、食後、食間を問わない。また、投与期間は特に限定されない。なお、本明細書において、特に言及しない限りアミノ酸の質量は、遊離アミノ酸の形として算出される。
上述した「医薬担体」とは、薬学的に許容されるものであって、体内において薬学的作用を呈することが極力少ないものをいう。経口投与される場合の医薬担体としては、トラガントガム、アラビアゴム、コーンスターチ、ゼラチン等の結合剤;リン酸二カルシウム等の賦形剤;コーシスターチ、馬鈴薯澱粉、アルギン酸等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤;シユクロース等の甘味剤;色素;オレンジフレーバー等の香料;水、エタノール、グリセロール等の溶剤;蛋白質、アミノ酸、ビタミン、脂質、グルコース等の栄養素等を適宜使用することができる。さらに、医薬担体として、システイン、グルタチオン、アスコルビン酸、メタ亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム等の薬学的に許容される抗酸化剤、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸アルミニウム等の酸中和剤が挙げられる。
なお、上述した医薬製剤の剤形や医薬担体は、当業者によく知られたものであり、例えば、Reimington's Pharmaceutical Science, ed. 16(1980), Mack Publishing Companyに記載されるような剤形とし、また医薬担体を使用することができる。
本発明の有効成分であるアミノ酸の投与量(摂取量)について算出する際、その値は、本発明が目的とする疾患の治療または予防等の目的で使用される薬剤の有効成分の量として前記の算定方法が決められているので、これとは別目的で、例えば、通常の食生活の必要から、あるいは別の疾患の治療目的のために、摂取または投与されるアミノ酸については、前記算定に含める必要はない。
例えば、通常の食生活から摂取される1日あたりのアミノ酸の量を、前記本発明における有効成分の1日あたりの投与量から控除して算定する必要はない。
本発明の予防・治療剤が、有効成分としてグリシンおよびアルギニンを含有する場合、グリシンおよびアルギニンは、それぞれが単独で、または全てが1種の製剤中に含有されていてもよい。別途製剤化して投与する場合、それらの投与経路、投与剤形は同一であっても、異なっていてもよく、また各々を投与するタイミングも、同時であっても別々であってもよい。併用する薬剤の種類や効果によって適宜決定する。即ち、本発明の医薬は、グリシンおよびアルギニンを同時に含有する製剤であってもよく、また、それぞれを別途製剤化して併用するような併用剤であってもよい。これらの形態全てを包含するものである。特に、同一製剤中にグリシンおよびアルギニン全てを含有する態様が、簡便に投与できて好ましい。
本発明において、「質量比」とは、製剤中のそれぞれの成分の質量の比を示す。例えば、グリシンおよびアルギニンの各有効成分を1つの製剤中に含めた場合には、個々の遊離アミノ酸としての含有量の比であり、各有効成分のそれぞれを単独でまたは任意の組み合わせで複数製剤中に含めた場合には、各製剤に含められる各有効成分の遊離アミノ酸としての質量の比である。
また本発明において、実際の投与量の比は、投与対象(例えば、患者など)あたりの各有効成分1回投与量あるいは1日投与量の比である。例えば、グリシンおよびアルギニンの各有効成分を1つの製剤中に含め、それを投与対象に投与する場合には、質量比が投与量比に相当する。各有効成分を単独でまたは全てを複数の製剤中に含めて投与する場合には、1回あるいは1日投与した各製剤中の各有効成分の合計量の比が質量比に相当する。
本発明においては、グリシンおよび/またはアルギニンを有効成分とする、胃食道逆流症の予防・治療剤には、胃食道逆流症の予防・治療に使用することができる、または使用すべきであることを記載した記載物を含む、商業的パッケージも含まれる。
また、本発明はグリシンおよび/またはアルギニンを含有し、胃食道逆流症の改善作用を有するものであることを特徴とし、胃食道逆流症の改善のために用いるものである旨の表示を付した食品(以下、本発明の食品)を提供する。
本発明の食品は、グリシンおよび/またはアルギニンを含有する。本発明の食品中のグリシンおよび/またはアルギニンの含有量は、アミノ酸の全体量として通常1〜100重量%であり、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは50〜100重量%、さらにより好ましくは80〜100重量%である。本発明の食品が、グリシンおよびアルギニンを含有する場合、かかる2種のアミノ酸の配合比は、それぞれ質量比で、通常、1:100〜100:1の範囲であり、より好ましくは1:10〜10:1、より好ましくは1:3〜3:1の範囲である。この範囲をはずれると、有効な作用効果が得難くなる。
本発明の「食品」としては、グリシンおよび/またはアルギニンを含む一般的な食品形態であれば如何なるものでも良い。例えば、適当な風味を加えてドリンク剤、例えば清涼飲料、粉末飲料とすることもできる。具体的には、例えば、ジュース、牛乳、菓子、ゼリー、ヨーグルト、飴等にグリシンおよび/またはアルギニンを混ぜて飲食することができる。
また、このような食品を、保健機能食品またはダイエタリーサプリメントとして提供することも可能である。この保健機能食品には、特定保健用食品および栄養機能食品なども含まれる。特定保健用食品は、例えば、胃食道逆流症の改善など、特定の保健の目的が期待できることを表示できる食品である。また、栄養機能食品は、1日あたりの摂取目安量に含まれる栄養成分量が、国が定めた上・下限値の規格基準に適合している場合その栄養成分の機能の表示ができる食品である。ダイエタリーサプリメントには、いわゆる栄養補助食品または健康補助食品などが含まれる。本発明において、特定保健用食品には、胃食道逆流症の改善などの用途に用いるものであるという表示を付した食品、さらには、かかる用途に用いるものである旨を記載した書類(いわゆる能書き)などをパッケージとして包含する食品なども含まれるものとする。
さらに、本発明の食品を濃厚流動食や、食品補助剤として利用することも可能である。食品補助剤として使用する場合、例えば錠剤、カプセル、散剤、顆粒、懸濁剤、チュアブル剤、シロップ剤等の形態に調製することができる。本発明における食品補助剤とは、食品として摂取されるもの以外に栄養を補助する目的で摂取されるものをいい、栄養補助剤、サプリメントなどもこれに含まれる。
なお、「濃厚流動食」とは、1〜2kcal/ml程度の濃度に調整され、長期間の単独摂取によっても著しい栄養素の過不足が生じないよう、各栄養素の質的構成が十分考慮され、1日の栄養所要量を基に設計された総合栄養食品(液体状食品)である。
食品として摂取する場合、摂取量は摂取対象の症状、年齢、体重、剤形、摂取方法等によって異なるが、成人(体重60kgとして)1日あたり、アミノ酸の全体量として1g〜30g、好ましくは1g〜20g、より好ましくは1g〜10g程度が好ましい。本発明の食品において、上記1日あたりの量を一度にもしくは数回に分けて摂取することができる。これらの摂取量を、1単位包装とすることができる。また摂取期間は特に限定されない。
本発明においては、グリシンおよび/またはアルギニンを含有する食品には、胃食道逆流症の改善に使用することができる、または使用すべきであることを記載した記載物を含む、商業的パッケージも含まれる。
本明細書中で挙げられた特許および特許出願明細書を含む全ての刊行物に記載された内容は、本明細書での引用により、その全てが明示されたと同程度に本明細書に組み込まれるものである。
以下に実施例を用いて本発明を詳述するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)グリシン、アルギニンの食道炎発症の予防・治療効果
(実験方法)雄性Sprague Dawleyラット(200-230g; 日本チャールズリバー)を実験に用いた。酸逆流性食道炎モデルは幽門部および腺胃部を同時にけっさつすることで惹起させた(Nagahama K, Yamamoto M, Kato S, Takeuchi K; J. Pharmacol. Sci. 93; 55-61; 2003を参考)。各アミノ酸(グリシン、アルギニン)は0.5% carboxymethylcellulose (CMC-Na;ナカライ)に溶解または懸濁したのち、けっさつ10分後に胃内投与した(5ml/kg, ig)。4時間後にエーテル麻酔下に食道および胃を摘出し2%ホルマリン水溶液で組織固定を行った。そして、実験内容を知らされていない第三者が食道内出血を含む粘膜損傷の面積(mm2)を手術用顕微鏡(x10)下に実測し、各アミノ酸の効果について判定した。
(実験結果)グリシンおよびアルギニンの胃内投与により、食道粘膜損傷面積が投与用量依存的に抑制された(図1および図2)。
(実施例2)グリシン、アルギニンの胃液および胃酸分泌に与える影響
(実験方法)実施例1と同様な手法により酸逆流性食道炎モデルを雄性SD系ラットで作製した。4時間けっさつ後、エーテル麻酔下に胃を摘出し、胃内容液を回収し、遠心(3000rpm x 10min)操作後、上清のpHを通常のpHメーターで計測し、量(volume)をメスシリンダー(10ml)にて実測した。また、総酸分泌量(acidity)は100mM NaOHを用いた自動滴定装置(Commtite 550;平沼製作所)により定量した。各アミノ酸(グリシン、アルギニン)は0.5% carboxymethylcellulose (CMC-Na;ナカライ)に溶解または懸濁したのち、けっさつ10分後に胃内投与した(5ml/kg, ig)。
(結果)結果を表1に示した。グリシン(750 mg/kg)の胃内投与により、胃液分泌、総酸分泌量の増加および胃液pHの低下が認められた。アルギニン(250 mg/kg)の胃内投与では、胃液、総酸分泌量には大きな影響を与えることなく、胃液pHを低下させた。しかし、胃液pHは炎症に影響するほどの大きな変化ではなく(Dig Dis Sci, 51, 303-309, 2006)、単純な胃酸分泌抑制では説明することができないことが明らかとなった。
本発明により提供される新規な胃食道逆流症の予防・治療剤は、従来、予防・治療の難しかった胃食道逆流を効果的に予防、改善することができる。本発明の胃食道逆流症の予防・治療剤の有効成分は、安全性が高く、医薬、食品などに応用することができ、産業上極めて有用である。
本出願は、日本国で出願された特願2006−285464を基礎としており、そこに開示される内容は本明細書にすべて包含されるものである。

Claims (8)

  1. グリシンまたはアルギニンまたはグリシンとアルギニンを有効成分として含有する胃食道逆流症の予防・治療剤。
  2. 有効成分がグリシンとアルギニンでありかつグリシンとアルギニンの質量比が1:10〜10:1である、請求項1記載の予防・治療剤。
  3. 成人に対する前記有効成分の一日あたりの投与量が1g〜20gである、請求項1または2記載の予防・治療剤。
  4. グリシンまたはアルギニンまたはグリシンとアルギニンを有効成分として投与することを特徴とする、胃食道逆流症の予防・治療方法。
  5. 胃食道逆流症の予防・治療剤を製造するための、グリシンまたはアルギニンまたはグリシンとアルギニンの使用。
  6. グリシンとアルギニンを含有しかつグリシンとアルギニンの質量比が1:10〜10:1である、胃食道逆流症の改善用食品。
  7. 成人に対する一日あたりの摂取量がアミノ酸全体量として1g〜30gである、請求項4記載の食品。
  8. グリシンまたはアルギニンまたはグリシンとアルギニンを有効成分として含有する胃食道逆流症の改善用組成物。
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