JPWO2008047812A1 - 親水性単量体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、安全性の高い原料を用い、安価でかつ容易に、架橋性水酸基含有(メタ)アクリレート様化合物を製造することができる方法を提供する。本発明は、下記式(1)で表される化合物を、下記式(2)で表される化合物と反応させる工程を含む、下記式(4)で表される親水性単量体の製造方法である。(式中、各記号は、明細書中の定義の通りである。)

Description

本発明は、アルキル鎖の末端に(メタ)アクリロイルオキシ基等の重合反応性アシロキシ基を有し、アルキル鎖の側鎖に水酸基を有する親水性単量体の製造方法に関する。
近年、下記式(A)に表されるような、アルキル鎖の末端に(メタ)アクリロイルオキシ基等の重合反応性アシロキシ基を有し、アルキル鎖の側鎖に水酸基を有する親水性単量体(以下、このような化合物を、架橋性水酸基含有(メタ)アクリレート様化合物と称する。)、特に、エリスリトールジメタクリレート(EDMA)、キシリトールジメタクリレート(XDMA)およびソルビトールジメタクリレート(SDMA)は、インク材料、コーティング材料、ゲル材料、接着材料、特に歯科用接着剤等の用途において有用なものとなっている。
Figure 2008047812
{式中、Rは水素原子または脂肪族飽和炭化水素基を示し、pは1以上の整数であり、qは0以上の整数(特にq=0)である。}
架橋性水酸基含有(メタ)アクリレート様化合物の製造方法としては、例えば、特許文献(米国特許第3,950,399号明細書に対応する特開昭49−110622号公報)および非特許文献(インターナショナル・ジャーナル・オブ・ポリメリック・マテリアルズ(International Journal of Polymeric Materials),1997年、37巻、1−14頁)に記載の方法が知られている。当該特許文献に記載の方法では、1,2−3,4−ジエポキシブタンとメタクリル酸とを反応させている。しかし、この方法は、極めて毒性の高い1,2−3,4−ジエポキシブタンを使用しているため、その工業的な実施には問題がある。
また、上記非特許文献に記載の方法では、(±)−2,3−ジヒロドキシ−1,4−ジブロモブタンとメタクリル酸ナトリウムとを反応させて、エリスリトールジメタクリレートを得ている。しかし、この方法では、(±)−2,3−ジヒロドキシ−1,4−ジブロモブタンが非常に高価であるという問題がある。また、(±)−2,3−ジヒロドキシ−1,4−ジブロモブタンの水酸基を保護する合成ルートによる方法も開示されているが、当該方法では、保護基を使用するため、3工程が必要である。従って、製造方法としては煩雑で、工業的な実施において不利なものである。
上記問題点に鑑み、本発明は、安全性の高い原料を用い、安価でかつ容易に、架橋性水酸基含有(メタ)アクリレート様化合物を製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明は、式(1)
Figure 2008047812
(式中、nは、1以上の整数を示す。)
で表される化合物{以下、化合物(1)ともいう。}を、式(2)
Figure 2008047812
{式中、R1は、水素原子、または炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を示し、Xは、ハロゲン原子、または式(3)
Figure 2008047812
(式中、R1は前記と同義である。)
で表される基を示す。}
で表される化合物{以下、化合物(2)ともいう。}と反応させる工程を含む、式(4)
Figure 2008047812
(式中、R1は、前記と同義であり、mは、1以上の整数であり、kは、0以上の整数であり、かつm+k=nであり、m個の水酸基を有する単位とk個のエステル基を有する単位の配列順序は、任意である。)
で表される親水性単量体{以下、親水性単量体(4)ともいう。}の製造方法である。
本発明において、nは、2〜4の整数であることが好ましい。kは、0であることが好ましい。R1は、水素原子またはメチル基であることが好ましい。Xは、塩素原子または臭素原子であることが好ましい。
反応に際し、反応温度は、−30℃〜120℃であることが好ましい。また、化合物(1)1モルに対し、化合物(2)を1.5〜k+3モル使用することが好ましい。
前記kが0であった場合には、本発明の製造方法は、化合物(1)と化合物(2)との反応混合物を、炭化水素化合物で処理する工程をさらに含むことが好ましい。このとき、炭化水素化合物の炭素数が、5〜18であることが好ましい。また、前記炭化水素化合物が、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクヘキサン、トルエン、キシレンおよびメシチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
本発明によれば、架橋性水酸基含有(メタ)アクリレート様化合物を、安全性の高い原料を用い、安価でかつ容易に製造することができる。
本発明の製造方法には、出発物質として、化合物(1)および化合物(2)を用いる。
化合物(1)において、nは、1以上の整数であり、原料入手の容易さ、および本発明の製造方法の最終生成物である親水性単量体(4)のインク材料、コーティング材料、ゲル材料、接着材料、特に歯科用接着剤等の用途への有用性の観点から、2〜4の整数であることが好ましい。化合物(1)は、nが上記定義内で異なる2種以上の化合物の混合物であってもよい。化合物(1)は、公知方法に準じて製造することができる。また、市販品として入手できるものもあり、その場合には市販品を使用してもよい。
化合物(2)において、R1は水素原子、または炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基である。炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基の例としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基等が挙げられる。炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよく、例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、シクロオクチル基、デシル基等が挙げられる。炭素数2〜10のアルケニル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよく、例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、デセニル基等が挙げられる。炭素数2〜10のアルキニル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよく、例としては、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ヘキシニル基、オクチニル基、デシニル基等が挙げられる。最終生成物である親水性単量体(4)を歯科用接着剤等に使用する際には、ラジカル重合が行われる。従って、R1としては、最終生成物のラジカル重合反応性の観点から、水素原子またはメチル基が好ましい。化合物(2)は、R1が上記定義内で異なる2種以上の化合物の混合物であってもよい。
化合物(2)において、Xは、ハロゲン原子または式(3)で表される基である。従って、化合物(2)は、酸ハライド化合物または酸無水物である。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。Xとしては、反応性および原料入手の容易さの観点から、塩素原子および臭素原子が好ましい。
化合物(2)は、公知方法に準じて製造することができる。また、市販品として入手できるものもあり、その場合には市販品を使用してもよい。
本発明の製造方法は、化合物(1)を化合物(2)と反応させる工程(反応工程)を含む。当該反応工程は、例えば、溶媒および塩基性化合物の存在下、化合物(1)を化合物(2)と混合することによって行うことができる。混合は、化合物(1)に化合物(2)を添加してもよいし、化合物(2)に化合物(1)を添加してもよい。また、化合物(1)への化合物(2)の添加は、段階的に行ってもよい。
化合物(2)の使用量は、化合物(1)1モルに対して、好ましくは1.5〜k+3モル、より好ましくは、1.8〜k+2.5モルである(kは、親水性単量体(4)のkと同義である。以下同じ。)。化合物(2)の使用量が1.5モルより少ないと、親水性単量体(4)の収率が低下する傾向にあり、k+3モルより多いと、化合物(1)の側鎖の水酸基の全部が化合物(2)と反応した副生成物が、多く生成してしまうおそれがある。
溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、キノリン、トリエチルアミン、トリメチルアミンなどの含窒素化合物類、ジメチルスルホキシド、スルホランなどの含硫黄化合物類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、エチレンカーボネートなどのエステル類、1−ブチル−3−メチル−1H−イミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチル−1H−イミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−エチル−3−メチル−1H−イミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネートなどのイオン性液体類等を使用することができ、これらのうち、DMF、ピリジン、ジメチルスルホキシドが、化合物(1)の溶解性が高い点で好ましい。これらの溶媒は単独で、または2種以上を混合して使用してもよい。溶媒の使用量としては、化合物(1)100重量部に対して、好ましくは10〜100000重量部、より好ましくは100〜10000重量部である。
塩基性化合物としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、キノリン、イソキノリン、1,8−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン−5(DBN)、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7(DBU)、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等を使用することができ、これらのうち、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンが好ましい。塩基性化合物の使用量としては、化合物(1)の1モルに対して、好ましくは1.5〜k+10モル、より好ましくは2〜k+5モルである。これらの塩基性化合物は単独で、または2種以上を混合して使用してもよい。また、これらの塩基性化合物を溶媒として使用しても構わない。
また、副反応である重合反応を防止するために、重合禁止剤を少量添加してもよい。重合禁止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルハイドロキノン、フェノール、カテコール、tert−ブチルカテコール等のフェノール類、フェノチアジン、p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン等のアミン類、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅等の銅錯体類、硫酸銅、酸化銅、塩化銅等の無機銅化合物類などが挙げられ、これらは単独で、または2種以上を混合して使用してもよい。
反応温度としては、−30〜120℃が好ましく、−20〜90℃がより好ましい。反応温度がこの範囲内であれば、化合物(2)は、化合物(1)の側鎖および末端の水酸基のうち、末端の水酸基と選択的に反応する率が特に高く、また、副反応である重合反応も抑制される。
反応時間としては、化合物(1)および化合物(2)の濃度、並びに反応温度等より適宜決定すればよいが、0.1〜120時間が好ましく、0.5〜48時間が好ましい。
反応混合物より、親水性単量体(4)は、常法(例えば、濃縮、カラムクロマトグラフィー等)に従い、単離することができる。
上記のようにして得られる親水性単量体(4)は、上記式(4)で表される構造を有する親水性単量体である。インク材料、コーティング材料、ゲル材料、接着材料、特に歯科用接着剤等への有用性の観点から、側鎖の水酸基がエステル化されていないこと、すなわち上記式(4)においてk=0であることが好ましい。またR1は、水素原子またはメチル基であることが好ましい。
上記の反応工程で得られる反応混合物は、アルキル鎖の側鎖がエステル化されていない下記式(5)で表される化合物{以下、親水性単量体(5)ともいう。}と、アルキル鎖の側鎖がエステル化されている下記式(6)で表される化合物{以下、化合物(6)ともいう。}とを含む混合物である。親水性単量体(5){上記式(4)においてk=0である親水性単量体(4)}を選択的に得たい場合には、化合物(1)と化合物(2)との反応混合物を、炭化水素化合物で処理する工程(精製工程)を行えばよい。
Figure 2008047812
Figure 2008047812
{式(5)および式(6)中、R1およびnは、前記と同義であり、m’は、0以上の整数であり、k’は、1以上の整数であり、かつm’+k’=nであり、m’個の水酸基を有する単位とk’個のエステル基を有する単位の配列順序は、任意である。}
化合物(6)は、側鎖の水酸基もエステル化されているため、親水性単量体(5)よりも親油性が高い。従って、炭化水素化合物に対しては、親水性単量体(5)よりも化合物(6)の方が圧倒的に溶解性が高いので、当該処理によって、親水性単量体(5)および化合物(6)の混合物より、化合物(6)を、炭化水素化合物に溶解させることにより除去することができる。
炭化水素化合物は、処理温度において液体のものを使用する。従って、炭化水素化合物の炭素数としては5〜18が好ましく、5〜9がより好ましい。炭化水素化合物としては、脂肪族および芳香族のいずれも使用することができ、飽和化合物であっても不飽和化合物であってもよい。炭化水素化合物の具体例としては、脂肪族飽和炭化水素化合物としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等が挙げられる。脂肪族不飽和炭化水素化合物としては、ヘキセン、オクテン、デセン、シクロヘキサジエン等が挙げられる。芳香族炭化水素化合物としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が挙げられる。なかでも、安価で容易に入手できること、さらに沸点が低く親水性単量体(5)からの除去が容易なことから、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクヘキサン、トルエン、キシレンおよびメシチレンが好ましい。これらの炭化水素化合物は、単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
混合物を、炭化水素化合物で処理するとは、化合物(6)が炭化水素化合物に溶解するように、混合物と炭化水素化合物とを接触させることをいう。具体的な処理の方法としては、親水性単量体(5)および化合物(6)の混合物に炭化水素化合物のみを添加して混合・攪拌してもよいが、当該混合物に水および炭化水素化合物を添加し、分液処理を行う方法が簡便でよい。炭化水素化合物の使用量としては、親水性単量体(5)および化合物(6)の混合物100重量部に対し、10〜100000重量部が好ましく、50〜10000重量部がより好ましい。
当該処理は、−30〜120℃で行うことが好ましく、−10〜90℃で行うことがより好ましい。
炭化水素化合物と処理した後は、常法に従って親水性単量体(5)を回収することができる。例えば、上記混合物に水および炭化水素化合物を添加して分液処理を行った場合には、水層を、親水性単量体(5)が可溶な疎水性溶媒(例、酢酸エチル、ジイソプロピルエーテル等)で処理し、親水性単量体(5)を溶解させた疎水性溶媒を濃縮する等によって、親水性単量体(5)を回収することができる。回収した親水性単量体(5)は、再結晶等により、さらに精製することもできる。
上記のように、本発明の製造方法は、安全性の高い原料を用いており、また、安価かつ容易な方法で、EDMA、XDMA、SDMA等の架橋性水酸基含有(メタ)アクリレート様化合物{親水性単量体(4)}を提供できるものであり、工業生産にも適している。
特に本発明の製造方法において、上記の反応工程に加えて精製工程を行った場合には、EDMA、XDMA、SDMA等のアルキル鎖の側鎖の水酸基がエステル化されていない親水性単量体{親水性単量体(5)}を、高純度で得ることができる。特筆すべき点は、上述の炭化水素化合物による処理を行わない場合には、化合物(1)と化合物(2)との反応混合物が副生成物を含むことから、反応混合物より親水性単量体(5)を直接結晶化することが困難であるところ、反応混合物を炭化水素化合物で処理することにより、親水性単量体(5)の純度が向上し、再結晶による精製が可能となる点である。これにより、高純度の親水性単量体(5)の工業生産も容易に可能である。
なお、上記の精製工程で行われる、化合物(6)を含む親水性単量体(5)を、炭化水素化合物で処理することによって、化合物(6)を除去する方法は、親水性単量体(5)より化合物(6)を容易に効率よく分離できるため、親水性単量体(5)の精製方法としても有用である。
また、上記の精製工程に着目して、親水性単量体(5)と化合物(6)との混合物を得る工程と、当該混合物を、炭化水素化合物で処理する工程を含む親水性単量体(5)の製造方法もまた、安全性の高い原料を用いた安価かつ容易な方法であり、有用である。親水性単量体(5)と化合物(6)との混合物を得る工程は、上記の反応工程に限らず、上記式(2)においてXが−OR2基(R2は、炭素数1〜20の炭化水素基)であるエステル化合物と、化合物(1)とを反応させる工程を行ってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に制限されるものではない。
実施例1
(反応工程)
500mLの3つ口フラスコに、エリスリトール(50.0g,0.409mol)、MEHQ(30mg)、DMF(700mL)およびトリエチルアミン(124.1g,1.23mol)を加え、スターラーで攪拌した。反応温度を−10〜0℃に保持しながら、メタクリル酸クロリド(93.6グラム,0.895mol)を滴下漏斗で2時間半かけて添加した。この間、やや黄色の白色固体が大量に析出した。滴下終了後、さらに40℃で1時間攪拌した。23℃まで放冷した後、析出した塩を濾過して除き、濾液をエバポレーターで濃縮した。濃縮は、DMFの留分がほとんど得られなくなった時点で終了した。
(精製工程)
濃縮物160gを分液漏斗に移し、蒸留水(400mL)を加え、ヘキサン(400mL)で2回、ヘキサン不溶分を洗浄した。この洗浄操作は、24〜26℃で行った。水層に蒸留水(200mL)とジイソプロピルエーテル(IPE)(500mL)を加えて、IPE層を取得し、さらにIPE(3L;500mL×6回)で抽出した。IPEをエバポレーターで留去すると、やや粘調な黄白色固体が得られた。少量(約30mL)の冷IPEで結晶を洗浄し、室温で真空乾燥することによって、白色結晶を49.0g(0.190mol,収率46%)得た。1H−NMR測定の結果、エリスリトールの1位および4位の水酸基がエステル化された、エリスリトールジメタクリレートであると判明した。また、HPLC純度は96%であった。
1H−NMR(270MHz,CDCl3):δ 6.16(d,2H,CH2=),5.62(d,2H,CH2=),4.42−4.40(dd,4H,CH2),3.87(m,2H,CH),2.94(br,2H,OH).
実施例2
実施例1と同様の反応工程を実施し、実施例1の精製工程において、ヘキサンに代わりシクロヘキサンを用いた以外は同様の操作を実施した。エリスリトールジメタクリレートを白色結晶として64.0g(0.248mol,収率60%)得た。
実施例3
(反応工程)
500mLの3つ口フラスコに、エリスリトール(50.0g,0.409mol)、MEHQ(30mg)、ピリジン(800mL)およびトリエチルアミン(124.1g,1.23mol)を加え、スターラーで攪拌した。反応温度を−10〜0℃に保持しながら、メタクリル酸クロリド(93.6グラム,0.895mol)を滴下漏斗で2時間半かけて添加した。この間、やや黄色の白色固体が大量に析出した。滴下終了後、さらに40℃で1時間攪拌した。23℃まで放冷した後、析出した塩を濾過して除き、濾液をエバポレーターで濃縮した。濃縮は、ピリジンの留出がほとんど得られなくなった時点で終了した。
(精製工程)
濃縮物150gを分液漏斗に移し、蒸留水(400mL)を加え、ヘキサン(400mL)で2回、ヘキサン不溶分を洗浄した。この洗浄操作は、24〜26℃で行った。水層に蒸留水(200mL)とジイソプロピルエーテル(IPE)(500mL)を加えて、IPE層を取得し、さらにIPE(3L;500mL×6回)で抽出した。IPEをエバポレーターで留去すると、やや粘調な黄白色固体が得られた。少量(約30mL)の冷IPEで結晶を洗浄し、室温で真空乾燥することによって、白色結晶を42.6g(0.165mol,収率40%)得た。1H−NMR測定の結果、エリスリトールの1位および4位の水酸基がエステル化された、エリスリトールジメタクリレートであると判明した。また、HPLC純度は96%であった。
実施例4
実施例3と同様の反応工程を実施し、実施例3の精製工程において、ヘキサンに代わりシクロヘキサンを用いた以外は同様の操作を実施した。エリスリトールジメタクリレートを白色結晶として58.7g(0.227mol,収率55%)得た。
実施例5
(反応工程)
500mLの3つ口フラスコに、キシリトール(60.0g,0.394mol)、MEHQ(30mg)、ピリジン(1200mL)およびトリエチルアミン(119.6g,1.18mol)を加え、スターラーで攪拌した。反応温度を−10〜0℃に保持しながら、メタクリル酸クロリド(86.6グラム,0.850mol)を滴下漏斗で2時間半かけて添加した。この間、やや黄色の白色固体が大量に析出した。滴下終了後、さらに40℃で1時間攪拌した。23℃まで放冷した後、析出した塩を濾過して除き、濾液をエバポレーターで濃縮した。濃縮は、ピリジンの留出がやや遅くなった時点で終了した。
(精製工程)
濃縮物135gを分液漏斗に移し、蒸留水(350mL)を加え、シクロヘキサン(400mL)で2回、シクロヘキサン不溶分を洗浄した。この洗浄操作は、24〜26℃で行った。水層に蒸留水(200mL)とIPE(500mL)を加えて、IPE層を取得し、さらにIPE(3L;500mL×6回)で抽出した。IPEをエバポレーターで留去すると、やや粘調な黄白色固体が得られた。少量(約40mL)の冷IPEで結晶を洗浄し、室温で真空乾燥することによって、白色結晶を35.0g(0.121mol,収率31%)得た。1H−NMR測定の結果、キシリトールの1位および5位の水酸基がエステル化された、キシリトールジメタクリレートであると判明した。また、HPLC純度は95%であった。
実施例6
(反応工程)
ソルビトール(88.0g,0.483モル)、MEHQ(30mg)、DMF(1.3L)、およびトリエチルアミン(203mL,1.23モル)を2Lの3つ口フラスコに加えて室温で攪拌を継続した。反応温度を−10℃〜0℃に保持しながら、メタクリル酸クロリド(107g,0.895モル)を滴下漏斗で2時間半かけて添加した。この間、やや黄色かかった固体が大量に析出した。メタクリル酸クロリドの滴下終了後、さらに40℃で1時間攪拌した。その後、室温まで放冷した後、濾過によって析出した塩を除去し、さらに濾液をエバポレーターで留去して濃縮物を得た。
(精製工程)
この濃縮物200gを分液漏斗へ移し、蒸留水(500mL)を加えた。ここにトルエン/ヘキサン(体積比9:1)(300mL)を加え、激しく振り混ぜた後に有機層を除去した。このトルエン/ヘキサン(体積比9:1)(300mL)による洗浄操作をさらに2回実施した。この洗浄操作は、24〜26℃で行った。残った水層から、酢酸エチル(300mL)で抽出する操作を5回実施した。酢酸エチルをエバポレーターで100mL程度まで濃縮して、IPE(100mL)を加えて攪拌した。−20℃に冷却すると固体が析出してきたので、固体を濾別し、室温で真空乾燥することによって、白色固体を29.3g(0.0922モル、収率19%)得た。1H−NMR測定の結果、ソルビトールの1位および6位の水酸基がエステル化された、ソルビトールジメタクリレートであると判明した。また、HPLC純度は92%であった。
本発明は、主にインク材料、コーティング材料、ゲル材料、接着材料、特に歯科用接着剤等に使用される、架橋性水酸基含有(メタ)アクリレート様化合物の製造方法として有用であり、工業生産にも適する。

Claims (10)

  1. 式(1)
    Figure 2008047812
    (式中、nは、1以上の整数を示す。)
    で表される化合物を、式(2)
    Figure 2008047812
    {式中、R1は、水素原子、または炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を示し、Xは、ハロゲン原子、または式(3)
    Figure 2008047812
    (式中、R1は前記と同義である。)
    で表される基を示す。}
    で表される化合物と反応させる工程を含む、式(4)
    Figure 2008047812
    (式中、R1は、前記と同義であり、mは、1以上の整数であり、kは、0以上の整数であり、かつm+k=nであり、m個の水酸基を有する単位とk個のエステル基を有する単位の配列順序は、任意である。)
    で表される親水性単量体の製造方法。
  2. 前記nが、2〜4の整数である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記kが、0である請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記R1が、水素原子またはメチル基である請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記Xが、塩素原子または臭素原子である請求項1に記載の製造方法。
  6. 反応温度が、−30℃〜120℃である請求項1に記載の製造方法。
  7. 前記式(1)で表される化合物1モルに対し、前記式(2)で表される化合物を1.5〜k+3モル使用する請求項1に記載の製造方法。
  8. 前記式(1)で表される化合物と前記式(2)で表される化合物との反応混合物を、炭化水素化合物で処理する工程をさらに含む請求項3に記載の製造方法。
  9. 前記炭化水素化合物の炭素数が、5〜18である請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記炭化水素化合物が、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクヘキサン、トルエン、キシレンおよびメシチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項8に記載の製造方法。

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