JPWO2008026763A1 - バイオメトリクスセンサ - Google Patents
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Abstract
Description
また、体調の具合で体臭が変わることは、我々がよく経験することであり、医療診断を実施する手段として体臭データを用いるために、体臭の数値化が求められている。
さらに、近年の情報化社会の発展に伴い、各種情報の管理におけるセキュリティを高めるため、より高い信頼性で且つ利便性に優れた個人認証システムが必要とされている。
上記の技術分野は本願発明と関連するが、以下、その事例として認証システムにバイオメトリクスセンサを適用する場合について説明する。
現在、個人の認証方法としては、パスワードやIDカードを用いたものが一般的である。しかし、これらの認証方法では、情報の紛失・盗難・偽造といった危険性が伴い、情報管理上のセキュリティという観点から見ると不十分と言える。そこで、これらの危険性が無いバイオメトリクスを用いた認証方法が現在注目されている。
バイオメトリクスとは、身体的特徴や行動的特徴など「個人に固有の情報」を利用して人物を認識する技術のことである。現在、バイオメトリクスセンサといえば、指紋や虹彩、静脈パターンを利用したものが一般的であり、広く実用化されている。
一般に、体臭には個人に固有の「匂い型」が存在することが知られている。例えば、P.Wallanceは、掌から発散される体臭によって、ヒトが他のヒトの個体を区別し得ることを報告しており、遺伝及び食事によって体臭原因物質の種類が影響され得ることを示唆している(Physiology & Behavior,vol.19,pp.577−579,Pergamon Press and Brain Research Publ.,1977)。これは、MHC(主要組織適合抗原複合体)型により、体臭中の有機酸類、アルコール類の構成比が異なるためである。第13図にMHC型の違いにより構成比が異なることが報告されている物質とその構造式を示す。
[公知例1]
本願発明に比較的近い公知例としては、本願発明の発明者らの開発した疎水基パターン認識センサがある(小出、益永、林、都甲、「バイオメトリクスのための匂い物質の疎水基パターン検出」、平成17年度電気関係学会九州支部連合大会、230頁、05−2P−19)。これは、匂い物質を吸着するための疎水基吸収認識部として、油滴を使用し、蛍光分析法により油滴中の蛍光プローブの蛍光強度変化を観測するものである。上記蛍光プローブとして、ジフェニルヘキサトリエンが用いられている。
公知例1は油滴を使用し、該油滴に吸着した匂い物質を検出するものであるが、本願発明は、以下に説明するように、液体を使用しない点で公知例1に対して相違する。
[公知例2]
また、特開2000−148985号公報には、個人認証システムが開示され、入力すべき情報として、体臭を含めた生体情報を用いても良い旨記載されている。しかし、この文献には、体臭等の入力装置の構成について具体的な記載がない。
[公知例3]
また、特開2005−129032号公報には、バイオメトリクス認証システムが開示されている。しかし、この文献には、匂いを認証情報として入力とするための具体的な構成についての記載がない。
[公知例4]
また、Amy C.Eklundらは、変性高速液体クロマトグラフィー(DHPLC)法によりHutterite集団のサンプルの分析を行っている。そして、その分析結果に基づいて、ヒト白血球抗原(HLA)に関連する嗅覚のレセプター遺伝子の多様化が「超対立遺伝子」を形成しており、HLAに関連する臭気型の多様性が見出され得ることを報告している(Human Immunology 61,711−717(2000))。この文献も、上記公知例1と同様に、液状のサンプルが使用されている点で、本願発明と相違する。
また、従来の一般的なバイオメトリクスセンサの場合、例えば、個人を認証する際にセンサに指や目、掌を近づけなければならないため、認証を受ける際に手間がかかる等の短所がある。そこで、本願発明の目的は、リモートで生体情報を測定することによって認証を受ける者の手間を省くことができるという利点を有する、臭気や体臭を利用するバイオメトリクスセンサを提供することにある。
本願発明の第2の発明は、上記第1の発明の構成を有し、電子装置に用いる個人認証システムに用いられるバイオメトリクスセンサであって、上記被測定者が認証対象者であり、上記の分子篩部が有機酸類、アルコール類或いはアミン類を吸着して他のガス成分を放出するものであり、上記ガス検出部は、放出されたガス成分から予め決められたガス成分を選択的に検出するものであり、上記データ処理部は、演算部及び記憶部とを備え、上記認証対象者ごとの有機酸類、アルコール類或いはアミン類の構成比を予め保存した検出結果から得られた構成比と比較して認証対象者についての判定或いは確率的判定を行なうものである。
本願発明の第3の発明は、上記第2の発明の構成において、上記分子篩部が、上記有機酸類、アルコール類或いはアミン類を分子サイズの違いで分離するガス用フィルタ、或いは、酸性官能基またはアミノ基の有無により分離するガス用フィルタであり、上記ガス検出部として匂検出器が用いられる、ことを特徴としている。
本願発明の第4の発明は、上記第2の発明又は第3の発明の構成において、分子サイズの違いで分離するガス用フィルタが、分子サイズに依存する吸着量を持つ物質に吸着させる濾過器を異なる分子サイズ毎にそれぞれ並列させた構成を持ち、上記の酸性官能基或いはアミノ基の有無により分離するガス用フィルタが、表面に強塩基性物質膜を設けた物質或いは強酸性物質膜を設けた物質に吸着させることで濾過するものであり、上記ガス検出部と上記濾過器のそれぞれとを個別に接続する切換部とを備える、ことを特徴としている。
上記した本願発明のバイオメトリクスセンサは、認証対象者がセンサに極度に接近したり触れたりする必要が無く、リモートで生体情報を測定することができるので、生存者の探索や医療診断に容易に利用出来る。
また、本願発明のバイオメトリクスセンサによれば、電子装置の個人認証システムに用いた場合、認証対象者についての判定或いは確率的判定の結果をその電子装置に伝送することで、認証結果を活用することができるので、他の認証方式と併用することで、情報管理のセキュリティを高めることができる。
第2図は、本願発明のバイオメトリクスセンサを示すブロック図である。
第3図は、有機酸類やアルコール類の匂い物質を分子サイズの違いと酸性官能基の有無により分離、検出する匂い分離・検出装置を示すブロック図である。
第4図は、第3図の匂い分離・検出装置に用いられる酸化物半導体センサのエタノールの感度特性を示すグラフである。
第5図は、第3図の匂い分離・検出装置を実際に用いて得られた100ppmペンタノールの吸着時間−センサ抵抗のデータを示すグラフである。
第6図は、第3図の匂い分離・検出装置を用いて、100ppmエタノール単一成分をサンプルとして測定したときの結果を示すグラフである。
第7図は、第3図の匂い分離・検出装置を用いて、100ppmペンタノール単一成分をサンプルとして測定したときの結果を示すグラフである。
第8図は、第3図の匂い分離・検出装置を用いて、100ppm酢酸単一成分をサンプルとして測定したときの結果を示すグラフである。
第9図は、第3図の匂い分離・検出装置を用いて、エタノール・ペンタノールの2成分混合サンプルについての検出例を示すグラフである。
第10図は、第3図の匂い分離・検出装置を用いて、エタノール・ペンタノール・酢酸の3成分混合サンプルについての検出例を示すグラフである。
第11図は、第3図の匂い分離・検出装置を用いて、アルカリビーズの流路を用いて、サンプル分子中の酸性官能基の有無に基づいて酸性物質を分離できることを示すグラフであり、サンプルが100ppmエタノールの場合と100ppm酢酸の場合で、匂いセンサ12が示すサンプル中の酸性物質濃度を算出したものである。
第12図は、被験者A、Bの体臭測定結果を示すグラフである。
第13図は、MHC型の違いにより構成比が異なることが報告されている物質名とそれらの構造式を示す。
第14図(a)は、結晶性ゼオライトによる分子篩の模式図である。第14図(b)は、無孔性ガラスビーズに強塩基である水酸化ストロンチウムを被覆したものの模式図である。第14図(c)は、アミン類を吸着するチオール膜の場合の模式図である。
第15図(a)は、体臭のサンプルガス1について匂いセンサ12が示す抵抗値のグラフである。
第15図(b)は、体臭のサンプルガス2について匂いセンサ12が示す抵抗値のグラフである。
第15図(c)は、体臭のサンプルガス3について匂いセンサ12が示す抵抗値のグラフである。
第15図(d)は、体臭のサンプルガス4について匂いセンサ12が示す抵抗値のグラフである。
第15図(e)は、体臭のサンプルガス5について匂いセンサ12が示す抵抗値のグラフである。
第15図(f)は、体臭のサンプルガス6について匂いセンサ12が示す抵抗値のグラフである。
第15図(g)は、体臭のサンプルガス7について匂いセンサ12が示す抵抗値のグラフである。
第15図(h)は、体臭のサンプルガス8について匂いセンサ12が示す抵抗値のグラフである。
第16図(a)は、抵抗値の極小値とガス用フィルタとの対応関係を示すグラフである。
第16図(b)は、第16図(a)に関し、センサの抵抗値の時間変化を示す応答曲線(R)とセンサの基準値曲線(R0)との関係を示すグラフである。
第16図(c)は、第16図(b)に基づいて求められた、サンプルガスに含まれるにおい物質の相対濃度を示すグラフである。
第17図(a)は、第15図(a)に基づいて算出された、体臭のサンプルガス1に含まれる匂い物質の相対濃度を示すグラフである。
第17図(b)は、第15図(b)に基づいて算出された、体臭のサンプルガス2に含まれる匂い物質の相対濃度を示すグラフである。
第17図(c)は、第15図(c)に基づいて算出された、体臭のサンプルガス3に含まれる匂い物質の相対濃度を示すグラフである。
第17図(d)は、第15図(d)に基づいて算出された、体臭のサンプルガス4に含まれる匂い物質の相対濃度を示すグラフである。
第17図(e)は、第15図(e)に基づいて算出された、体臭のサンプルガス5に含まれる匂い物質の相対濃度を示すグラフである。
第17図(f)は、第15図(f)に基づいて算出された、体臭のサンプルガス6に含まれる匂い物質の相対濃度を示すグラフである。
第17図(g)は、第15図(g)に基づいて算出された、体臭のサンプルガス7に含まれる匂い物質の相対濃度を示すグラフである。
第17図(h)は、第15図(h)に基づいて算出された、体臭のサンプルガス8に含まれる匂い物質の相対濃度を示すグラフである。
第18図は、体臭のサンプルガス1乃至8に関して、アルカリビーズを経由する流路を用いた場合における匂いセンサの抵抗値のデータを除き、体臭のサンプルガスのデータを主成分分析することにより得られたグラフである。
第1図は、本願発明を適用する認証システム1の全体像を示すブロック図である。例えば、電子装置がパーソナルコンピュータの場合は、ID番号とパスワードをキーボードから入力して、予め登録したものとの比較・判定を行なって、登録者である場合にはパーソナルコンピュータへのアクセスを許可する、ということが行なわれている。ID番号とパスワードのほかには、指紋、虹彩、網膜、指紋などのパターンが使われる場合がある。また、声紋やDNAパターンを使うという提案もある。また、例えば、電子装置が自動車の始動に係わるコントローラの場合は、鍵の有無での認証に加えて、指紋認証を行なってから、エンジンの始動が可能になるシステムがあることが知られている。
本願発明は、認証対象者の体臭等の臭気の特徴を抽出して、認証に用いるものである。他の認証方式と併用することで、セキュリティ効果が増すことは明らかである。第2図は、本願発明のバイオメトリクスセンサ20を示すブロック図である。該バイオメトリクスセンサ20は、吸入部2、匂検出部3、データ処理部4から成る。
まず、匂いを収集するために、認証対象者の近傍の空気が吸入部2からバイオメトリクスセンサ20内に吸入される。次に、吸入された空気に含まれる有機酸類及びアルコール類の検出を上記匂検出部3で行なう。この検出結果は、認証対象者の分類に用いることができる。その検出結果は、絶対値としては変動するが、他のガス成分に対する相対値としては一定であるので、有機酸類とアルコール類の構成比が算出される。また、この構成比については、データベースのアーカイブとして例えばID番号などの他の指標と共にデータ処理部4に予め登録しておく。このデータベースを用いて、他の入力、例えば識別(ID)番号から該当者の探索を行なう。この登録データと検出結果との差異が予め許容された範囲にあって妥当なものであるならば、そのデータの該当者が認証対象者であるとの判定をデータ処理部4で行なう。データ処理部4は、比較・判定を行なう演算部41と、データを保存する記憶部(ストレージ)42を含む。動作を許可する信号として、上記電子装置5に演算部41による判定結果を伝送することで、認証結果を活用する。
つまり、登録メンバーであることが確認できれば、電子装置5の使用が許されることになる。ここで、電子装置5は、認証装置の認証結果を受けて、使用を許可する機能あるいは何らかのデータにアクセスすることを許可する機能をもったものである。上記データ処理部4は、独立した装置により構成する代わりに、電子装置5におけるプログラムとして構成することもできる。
この様に本願発明は、上記の「匂い型」を測定することでバイオメトリクスを行なうものである。つまり、以下に示す様に、この「匂い型」の原因である有機酸類、アルコール類を分子サイズの違いと酸性官能基の有無によって分離して検出し、これらの匂い物質の構成比を測定することにより、匂いによるバイオメトリクスを行なうものである。
第3図に、有機酸類やアルコール類の匂い物質を分子サイズの違いと酸性官能基の有無により分離、検出する匂い分離・検出装置の例を示す。本願発明のバイオメトリクスの吸入部、分子篩部及びガス検出部は、第3図の匂い分離・検出装置によって構成することができる。第3図の匂い分離・検出装置の分子篩部は、本願発明のバイオメトリクスの分子篩部に相当し、モレキュラーシーブ6(登録商標)(関東化学社製)及びアルカリビーズ7(信和化工社製)で構成されている。本願発明のバイオメトリクスの吸入部に相当する吸入部14から吸入された空気は、モレキュラーシーブ6あるいはアルカリビーズ7を通過する。分子サイズによる分離にはレキュラーシーブ6を用い、酸性官能基による分離にはアルカリビーズ7による吸着が用いられている。
ここで、モレキュラーシーブとは、結晶性ゼオライトのことで、規則正しい細孔をもつアルミノケイ酸塩である。第14図(a)にその模式図を示す。この細孔は分子オーダーのサイズであるため、モレキュラーシーブは特定分子サイズの吸着サイトを持つナノ構造であって、その細孔径により物質を選択的に吸着する分子ふるいの機能を持っている。第3図の匂い分離・検出装置の分子篩部を構成するモレキュラーシーブ6は、製品区分が3A、4A、5A、13Xの4種類で構成されている。尚、「A」はおおよその空孔の大きさの単位(オングストローム)を表しており、3A、4A、5A、13Xのモレキュラーシーブは、それぞれ直径約3Å、4Å、5Å、10Åの細孔を持ち、特定分子サイズの吸着サイトを持つナノ構造を有する。例えば、3Aのモレキュラーシーブでは3Å未満の物質はモレキュラーシーブの細孔内に吸着し、トラップされてしまうが、3Å以上の物質は細孔内に入り込むことができないため、トラップされない。4Aのモレキュラーシーブでは4Å未満の物質は吸着することができるが、4Å以上の物質は吸着することができない。つまり、分子サイズが3〜4Åである化学物質は、3Aと4Aのモレキュラーシーブへの吸着を比較することで検出することができる。
上記モレキュラーシーブ6とともに分子篩部を構成するアルカリビーズ7は、無孔性ガラスビーズに強塩基である水酸化ストロンチウムを被覆したもので、酸のみを選択的に吸着することができる。第14図(b)にその模式図を示す。従って、有機酸は捕集されるが、酸でないアルコールは捕集されない。また、第14図(c)は、Au等の金属表面を被覆するチオール膜の末端カルボキシル基に、アミン類が吸着される状態を示したものである。このように、アルカリビーズ7には、特定官能基と相互作用する末端を有する単分子膜が形成されている。
第3図の匂い分離・検出装置を構成する主たる流路8はテフロン(登録商標)等のフッ素樹脂性のチューブによって構成され、モレキュラーシーブ6とアルカリビーズ7は流路中のカラム(φ4.0mm、長さ50mm)に封入されている。ガス流量をどの流路系においても一定に保つため、ポンプ13の前にマスフローコントローラ9を挿入してガス流量の制御を行なう。それぞれの流路に設置された電磁弁11の開閉の制御は制御装置10(コンピュータ)を用いて行なう。電磁弁11の開閉を制御することで流路を変えて、匂い物質を分子サイズ10Å以上、5Å以上、4Å以上、3Å以上のいずれかのガス成分に濾過することができる。そして、後述する匂いセンサ12の応答を比較することにより、分子サイズ3〜4Å、4〜5Å、5〜10Åの匂い物質がサンプル中にどれだけ含まれているかを測定できる。また、アルカリビーズ7への流路を用いることで、酸性官能基を含む分子かどうかを測定できる。
分離した匂い物質の検出は、匂いセンサ12によって行われる。該匂いセンサ12は本願発明のバイオメトリクスのガス検出部に相当し、第3図の匂い分離・検出装置においては、酸化物半導体型匂いセンサ(FIGARO TGS2600)が用いられている。この酸化物半導体型匂いセンサは、高温に熱した酸化物半導体に可燃性ガスが吸着すると電気抵抗が変わることを利用した酸化物半導体ガスセンサである。該センサの抵抗値はデジタルマルチメータで測定される。
ここで、匂い物質の検出には、上記酸化物半導体ガスセンサの他に、電解質に匂い物質を拡散させる電気化学インピーダンス式ガスセンサ、接触電位差の変化を検出する電気化学式ガスセンサ、分子選択性のある膜を振動子表面に形成した水晶振動子(QCM)センサ、或いは表面プラズモン共鳴(SPR)の共鳴周波数が表面状態で変化することを利用したセンサ等を用いることができる。
酸化物半導体ガスセンサは体臭測定において十分な感度を持つが、有機ガスに対するセンサ自体の分子選択性は低い。匂いセンサ12として用いられた酸化物半導体センサのエタノールの感度特性を第4図に示す。感度特性は測定物質ごとに異なるため、測定対象が明らかでない場合は抵抗値の変化をガス濃度に変換することができない。以下に示す特性評価では、エタノール以外のサンプルや複数の物質が混在した場合での測定を行なっているため、測定ガスをエタノールと仮定したときの濃度(エタノール換算濃度)をサンプルガス濃度の目安として算出した。
[特性評価試験]
(1)単一の匂い成分の分子サイズによる分離性能の評価
100ppmのエタノール、ペンタノール、酢酸それぞれの単一成分サンプルを調製し、これらのサンプルを用いて、第3図に示す匂い分離・検出装置について、分子サイズによる分離性能を評価した。表1に測定物質の化学式、分子サイズを示す。
また、エタノールとペンタノールがそれぞれ100ppmになるように調製した2成分混合サンプル、エタノールとペンタノール、酢酸がそれぞれ100ppmになるように調製した3成分混合サンプルを用いて、第3図の匂い分離・検出装置について、分子サイズによる分離性能を評価した。
(3)酸性官能基の有無による分離性能の評価
また、100ppmに調製されたエタノール及び酢酸の単一サンプルで、アルカリビーズを用いて、酸性官能基の有無による分離を検証した。
(4)体臭測定性能の評価
また、ヒトの匂いをサンプリングし、測定を行なった。各被験者が一晩着用したTシャツをサンプルバッグ中に封入し、60℃で2時間加熱し濃縮したガスをサンプルとして測定した。実験は、被験者A及びBのサンプルに対しそれぞれ3回ずつ測定を行ない、その平均を算出することによって行った。
尚、上記(1)〜(4)の特性評価を適切に行うため、まず、装置のパラメータを次のように決定した。100ppmの匂い物質測定時を基準として、カラム内に充填するモレキュラーシーブ量を0.30g、空気の流量を130ml/minに固定した。設定した条件のもと、各サンプルガスを100秒間吸着し、そのときのセンサ抵抗の時間変化を測定した。
第5図に実際に得た100ppmペンタノールの吸着時間−センサ抵抗のデータを示す。用いた酸化物半導体ガスセンサは、清浄な空気中ではおよそ20kΩの抵抗値を示す。第5図において、カラムを通さず、サンプルガスがそのままセンサまでたどり着く流路系によって得られた応答曲線を「なし」、3A、4A、5A、13Xのモレキュラーシーブがそれぞれ充填されたカラムを通る各流路系での応答曲線をそれぞれ「3A」、「4A」、「5A」、「13X」と表示した。カラムを通さない「なし」の応答曲線の場合、サンプルガスは邪魔されることなくガスセンサ表面に到達するので、センサ抵抗値の変化はサンプル吸着開始直後から始まり、急激に減少していることが観測された。
これに対し、カラムを通す流路系では、匂い物質がモレキュラーシーブに吸着しない場合は、匂い物質はカラムを通り抜けガスセンサまで到達するため抵抗値が減少する。しかし、カラムを通る各流路系での応答曲線は、いずれも「なし」の流路系の場合と比較すると応答が遅く、緩やかな減衰を示している。これは、詰まったカラムを通すことでサンプルガスの進路が物理的に阻害されているためと考えられる。匂い物質がモレキュラーシーブに吸着する場合、匂い物質はモレキュラーシーブ細孔内にトラップされるため、ガスセンサまでたどり着けず、抵抗値に変化は現れない。
上記(1)〜(4)の特性評価において、ガスセンサ抵抗の初期値(t=0s)と匂い物質応答後の値(t=100s)を読み取り、第3図のエタノール応答特性を用いて匂い物質のエタノール換算濃度を求めることにより、匂い物質の測定を行った。
[特性評価試験の結果]
(1)分子サイズによる分離性能の評価結果(単一サンプル)
100ppmエタノール、ペンタノール、酢酸それぞれの単一成分をサンプルとして測定したときの結果をそれぞれ第6図〜第8図に示す。第6図〜第8図(a)図は、3A、4A、5A、13Xのモレキュラーシーブがそれぞれ充填された各カラムをそれぞれ通過させた場合のセンサ応答から求めたエタノール換算濃度を「3A」、「4A」、「5A」、「13X」として示した。第6図〜第8図(b)は、各分子サイズ間に含まれる匂い物質の濃度を示し、第6図〜第8図(a)のデータに基づいて算出されたものである。
前述のように、モレキュラーシーブ「4A」は、3〜4Åの分子サイズを有する化学物質をトラップするが、モレキュラーシーブ「3A」は3Å以上の分子サイズの化学物質をトラップできない。そのため、3〜4Åの分子サイズを有する化学物質のサンプル中における含有量は、第6図〜第8図(a)の「3A」の値から「4A」の値を差し引くことによって求めることができる。同様にして、第6図〜第8図(b)の4〜5Å、5〜10Åの分子サイズを有する化学物質の濃度を算出した。
第6図(b)に示されるエタノール換算濃度の結果を見ると、4〜5Åの間の化学物質の濃度が高いことが分かる。実際、エタノールの分子サイズは表1で示したとおり4.08Åであり、本願発明の匂い分離・検出装置により分子サイズによる分離ができていることが分かる。ここで注意すべきことは、エタノールは3Aの細孔より大きいため、3Aではトラップされないと考えると、3Aのモレキュラーシーブが充填されたカラムを経由しても、サンプルガスのガス濃度は変わらず、ガスセンサ応答は100ppmを示すはずである。しかし、第6図(a)の3Aにおいてガスセンサ応答が100ppmを示していないのは、モレキュラーシーブの細孔ではなくその表面にエタノールがある程度吸着してしまうためであると考えられる。ガス成分の表面吸着はいずれのモレキュラーシーブにおいても非特異的に起こると考えられ、差分を計算する際に相殺される。そのため、第6図(b)の結果は、ガス成分の表面吸着による影響を受けない。
同様に第7図(b)のペンタノール(分子サイズ6。34Å)の場合では5〜10Åの間の化学物質の濃度が高くなっており、第8図(b)の酢酸(分子サイズ3。16Å)の場合では3〜4Åの間の化学物質の濃度が高くなっている。よって、第3図の匂い分離・検出装置は、単一成分のサンプルでは分子サイズにより匂い物質を分離、検出できていると言える。
(2)分子サイズによる分離性能の評価結果(混合サンプル)
第9図(a)及び(b)にエタノール・ペンタノールの2成分混合サンプル、第10図(a)及び(b)にエタノール・ペンタノール・酢酸の3成分混合サンプルに対する結果を示す。第9図(b)に示すように、第6図(b)のエタノール単独の測定結果と比べて5〜10Åの成分の濃度が高く、また第7図(b)のペンタノールのみの場合と比べて4〜5Åの成分の濃度が高いことが分かる。つまり5〜10Åの部分ではペンタノールが、4〜5Åの部分ではエタノールがそれぞれ独立して検出できていることが分かる。また、第10図(b)を見ると、第9図(b)のエタノール・ペンタノール混合サンプルの場合と比べて3〜4Åの成分の濃度が高いことが分かり、酢酸が検出できていると言える。これらの結果より、第3図の匂い分離・検出装置は、混合サンプルにおいても分子サイズに基づく分離、検出を行う機能を充分備えていることが確認できた。
(3)酸性官能基の有無による分離性能の評価結果
アルカリビーズの流路を用いて、サンプル分子中の酸性官能基の有無に基づいて、第3図の匂い分離・検出装置が有する、酸性物質を分離する機能を検証した結果を第11図に示す。第11図は、100ppmに調製されたエタノール及び酢酸のそれぞれ単一サンプルについて、匂いセンサ12が示す各サンプル中の酸性物質濃度を算出した結果を示す。匂いセンサ12は有機酸である酢酸に対して良好に応答し、高い酸性物質濃度が示されているが、酸でないエタノールに対して応答していない。よって、第3図の匂い分離・検出装置は、酸性物質の分離及び検出機能を充分備えていることが確認できた。
(4)体臭測定性能の評価結果
第12図に被験者A、Bの体臭測定結果を示す。被験者Aでは4〜5Åの匂い物質濃度が他の分子サイズの濃度より低いのに対し、被験者Bでは逆の結果が得られた。これは個人に特有な一種の匂いのパターンとみなすことができ、「匂い型」が反映されていると期待できる。この結果から、第3図の匂い分離・検出装置は、個人によって体臭を構成する匂い物質の構成比が異なることを分析する機能を備えることが確認できたので、この装置を用いて、本願発明のバイオメトリクスセンサを構成することができる。
上記したように、モレキュラーシーブ、アルカリビーズを用いて匂い分離・検出装置を作製した。生体の体臭の「匂い型」に大きく関わっていると考えられている有機酸類、アルコール類の単一成分サンプル、混合成分サンプルのいずれに対しても分子ふるい機能が有効に発揮され、各サイズの分子と酸の検出に成功した。更に、第3図の匂い分離・検出装置を用いてヒトの匂いを実際に測定し、個人によって異なる匂いパターンが存在することを示すことができた。
上記構成例において、分子篩部は、アルカリビーズと4種のモレキュラーシーブから成る全体で5種のガス用フィルタのチャネルで構成されている。実際の匂い測定は種々のガス成分を検出する必要があるので、更に多種のガス用フィルタを組み合わせて、ガス用フィルタのチャネル数を検出対象のガス成分に応じて増やすことができる。また、アルカリビーズは酸の吸着能が弱いため、アルカリビーズの充填量を増やすことにより、分子篩部の有機酸類に対する分離性能を高めることができる。
また、近年、アミン系の受容体である第2の嗅覚レセプターの発見が報告されており、アミンも個体の識別に重要な役割を果たしている可能性もある。しかし、アミンの場合でも、第3図のモレキュラーシーブ6或いはアルカリビーズ7の代わりに、金等の金属表面に単分子膜として形成されたチオール膜(第14図(c))を用いて、第3図の匂い分離・検出装置を構成し、本願発明のバイオメトリクスセンサの分子篩部を構成することができる。
このように、本願発明のバイオメトリクスセンサを構成する分子篩部は、分析対象となる空気に応じて、当該空気中に含まれる特定のガス成分を選択的に通過させ或いは吸着する目的で、複数の種類から成るガス用フィルタを組み合わせることによって構成することができる。
[匂いによる個人認証試験]
本願発明は、認証対象者の体臭等の臭気の特徴を抽出して、認証に用いることができる機能を有する。そこで、第3図の匂い分離・検出装置を用いて、下記のように個人認証試験を行った。
(1)サンプルガスの捕集
まず、無臭のTシャツを用意する。そして、被験者A〜Eに一晩そのTシャツを着て過ごしてもらう。それによって各Tシャツに被験者A〜Eの体臭がそれぞれ付着する。その後、着用後の各Tシャツをそれぞれ個別のサンプルバッグ内に封入し、オーブンを用いて約60℃で2時間加熱することにより、Tシャツに付着した各被験者のにおい物質を揮発させて、気体としてサンプルバック内に充填した。このようにして、8種類のサンプルガスを捕集した。
尚、個人認証試験の再現性について調べるために、上記8種類のサンプルガスのうち、被験者Aの体臭についてサンプル1〜3を調製し、被験者Bの体臭についてサンプル4、5を調製した。各被験者と捕集されたサンプルガスとの対応関係を示す。
各サンプルガスをガス用フィルタへ吸着させる時間を20秒とし、その前後において400秒間、流路8中に無臭の空気を流通させることで匂いセンサ12に吸着したにおい物質を洗浄し、匂いセンサ12を基準状態へ回復させた後、流路を切り換えて、他のガス用フィルタにサンプルガスを吸着させた。尚、流路の切り換えは次の順序で行い、サンプルガス1〜8を使用して、匂いセンサ12の抵抗値を測定した。
匂いセンサ12の洗浄 → ガス用フィルタを通さずにサンプルガスを流通 → 匂いセンサ12の洗浄 → アルカリビーズ7のみに吸着 → 匂いセンサ12の洗浄 → モレキュラーシーブ3Aのみに吸着 → 匂いセンサ12の洗浄 → モレキュラーシーブ3A及びアルカリビーズ7に吸着 → 匂いセンサ12の洗浄 → モレキュラーシーブ4Aのみに吸着 → 匂いセンサ12の洗浄 → モレキュラーシーブ4A及びアルカリビーズ7に吸着 → 匂いセンサ12の洗浄 → モレキュラーシーブ5Aのみに吸着 → 匂いセンサ12の洗浄 → モレキュラーシーブ5A及びアルカリビーズ7に吸着 → 匂いセンサ12の洗浄 → モレキュラーシーブ13Xのみに吸着 → 匂いセンサ12の洗浄 → モレキュラーシーブ13X及びアルカリビーズ7に吸着 → 匂いセンサ12の洗浄
サンプルガス1〜8に関するセンサ12の抵抗値の変化を第15図(a)〜(h)に示す。
(3)試験結果の解析
匂いセンサ12ににおい物質が触れることによって匂いセンサ12の抵抗値は減少し、無臭の空気で匂いセンサ12を洗浄することによって抵抗値は増大する。そのため、第15図(a)〜(h)に示すように、抵抗値の時間変化において、多数の極小値が見出される。これらの抵抗値の極小値は、サンプルガスを吸着させるガス用フィルタへの流路に対応する。抵抗値の極小値とガス用フィルタとの対応関係を第16図(a)に示す。尚、第16図(a)以降の図面において、アルカリビーズ7及びモレキュラーシーブ3A、4A、5A、13Xをそれぞれ“AB”、“3Å”、“4Å”、“5Å”、“10Å”と示す。また、吸着させるガス用フィルタがモレキュラーシーブ及びアルカリビーズである場合、“3Å+AB”等と示す。
第15図(a)〜(h)に示された各極小値の値に基づいて、以下の計算方法によって、におい物質の相対濃度を求めることができる。
まず、第15図(a)〜(h)のそれぞれにおいて、無臭空気の導入からサンプルガスの導入に切り換える直前の抵抗値を定める。次に、第15図(a)〜(h)のそれぞれにおいて、定められた抵抗値点を滑らかな連続曲線で結び、この曲線をセンサの基準値曲線R0とする。センサの抵抗値の時間変化を示す応答曲線(R)とセンサの基準値曲線(R0)との関係を第16図(b)に示す。
匂いセンサの抵抗値をr、該抵抗値rに対応する基準値曲線(R0)上の基準値をr0としたとき、気体の濃度cの対数log(c)は、log(r0/r)の絶対値に比例する。ここで、r及びr0の決定方法が問題となるが、グラフの一点のみから導かれる気体の濃度はノイズに弱い。よって、センサの抵抗値の各極小値の前後の抵抗値rに関し、(r0/r)の平均値を算出する。そして、該平均値について次式により対数値を算出する。
z=log{1/(t2−t1)×Σ(r/r0)}・・・(1)式
尚、t1は、着目している抵抗値の極小値が示されたサンプルガスの導入が開始された時間であり、t2は、そのサンプルガスの導入終了直後に行われる無臭空気の流通が開始された時間である。
匂いセンサの抵抗値における各極小値は、サンプルガスが導入された流路、すなわち、サンプルガスが導入されたガス用フィルタに関する抵抗値に対応している。第16図(c)は、第16図(b)に基づき(1)式から求められた、サンプルガスに含まれる匂い物質の相対濃度zを示すグラフである。第16図(c)において、zが大きいほど、ガス用フィルタに対応する分子サイズの匂い物質が検出されており、その濃度が高いことを示す。第17図(a)から第17図(h)は、それぞれ第15図(a)から第15図(h)に基づいて算出された、体臭のサンプルガス1から8に含まれる匂い物質の相対濃度zを示すグラフである。
サンプルごとに気体成分は異なるため、第17図(a)から第17図(h)に示されるように各サンプルのzは異なる分布となる。そして、同一人物の体臭は特定の気体分布を持つために、匂い物質の相対濃度zの分布を比べることで個人を見分けることが可能となる。
上記8つのサンプルに対し、アルカリビーズを経由する流路を用いた場合における匂いセンサの抵抗値のデータを除き、匂い物質の相対濃度zのデータを主成分分析することにより、第18図の結果を得た。第18図の横軸及び縦軸は、サンプルガスの第一主成分(PC1)及び第二主成分(PC2)の大きさをそれぞれ示す。尚、PC1及びPC2の寄与率は、それぞれ0.92114及び0.05355であった。
PC1及びPC2は、そのデータの変動の分散を最大とする変数を主成分分析によって決定し、次のような線形変換によって得られた。
PC1=a11×(匂いデータ1)+・・・+a15×(匂いデータ5)
PC2=a21×(匂いデータ1)+・・・+a25×(匂いデータ5)
本試験の場合、匂いデータ1はモレキュラーシーブなしの流路からのデータ、匂いデータ2はモレキュラーシーブ3Åのデータ、匂いデータ3はモレキュラーシーブ4Åのデータ、匂いデータ4はモレキュラーシーブ5Åのデータ、匂いデータ5はモレキュラーシーブ10Åのデータとした。
a11、a12、a13、a14、a15は、それぞれ、0.30254463、−0.81764344、0.05372084、−0.02485475、0.48623272と決定された。また、a21、a22、a23、a24、a25は、それぞれ、−0.11814801、−0.03334846、0.81285744、−0.56034606、−0.10101491と決定された。このようにして得られた値を第18図に示す。
第18図において、符号1乃至符号8は各サンプルガス1乃至8を表しており、距離が近いサンプルほど、それらのサンプルにおけるzの分布が互いに近いことを示す。第18図より、同じ被験者から採取したサンプルは近い位置に存在していることが分かる。そして、各被験者のz分布はそれぞれ異なっていることが分かる。この結果は、本願発明が、認証対象者の体臭等の臭気の特徴を抽出して認証に用い得る機能を有することを示すものである。
上記においては、本願発明を認証システムに適用する場合について説明したが、災害時に生存者を探索する場合は、データ処理部に予め保存するデータとして災害時のデータを用いる。災害時のデータとは、各個人のデータではなく、血液の匂いとか水浴できないときの体臭等で、人間と他の動物等との区別をつけ易い点に注目したデータである。また、医療診断に用いる場合には、疾患ごとの口臭や体臭データをデータ処理部に予め保存しておく。また、被測定者の健康時の口臭や体臭データを保存しておいて、これらの臭気データと診断の際に実測した口臭或いは体臭データと比較することによって、被測定者の健康状態を判断することができる。
Claims (4)
- 被測定者の近傍の空気を入力する吸入部と、
吸入した空気に含まれる特定のガス成分を選択的に通過させ或いは吸着する分子篩部と、
該分子篩部を通過したガスの構成成分、或いは、上記選択的に該分子篩部を通過または該分子篩部に吸着させた特定のガス成分が分子篩部を通過したガス中に残存する濃度を検出するガス検出部と、
該ガス検出器の検出結果と予め保存した検出結果とを比較するデータ処理部と、を備えることを特徴とする、
バイオメトリクスセンサ。 - 電子装置に用いる個人認証システムに用いられるバイオメトリクスセンサであって、
上記被測定者が認証対象者であり、
上記の分子篩部が有機酸類、アルコール類或いはアミン類を吸着して他のガス成分を放出するものであり、
上記ガス検出部は、放出されたガス成分から予め決められたガス成分を選択的に検出するものであり、
上記データ処理部は、演算部及び記憶部とを備え、上記認証対象者ごとの有機酸類、アルコール類或いはアミン類の構成比を予め保存した検出結果から得られた構成比と比較して認証対象者についての判定或いは確率的判定を行なうことを特徴とする、
請求項1に記載のバイオメトリクスセンサ。 - 上記分子篩部が、上記有機酸類、アルコール類或いはアミン類を分子サイズの違いで分離するガス用フィルタ、或いは、酸性官能基またはアミノ基の有無により分離するガス用フィルタであり、
上記ガス検出部として匂検出器が用いられる、ことを特徴とする、
請求項2に記載のバイオメトリクスセンサ。 - 分子サイズの違いで分離するガス用フィルタが、分子サイズに依存する吸着量を持つ物質に吸着させる濾過器を異なる分子サイズ毎にそれぞれ並列させた構成を持ち、
上記の酸性官能基或いはアミノ基の有無により分離するガス用フィルタが、表面に強塩基性物質膜を設けた物質或いは強酸性物質膜を設けた物質に吸着させることで濾過するものであり、
上記ガス検出部と上記濾過器のそれぞれとを個別に接続する切換部とを備える、ことを特徴とする、
請求項2又は3に記載のバイオメトリクスセンサ。
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