JPWO2008007715A1 - 液晶光学素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

透過状態においてヘイズ値が低く、かつ、透過−散乱特性の安定性および生産性に優れる、液晶光学素子およびその製造方法を提供すること。本発明の態様1にかかる液晶光学素子は、少なくとも一方が透明である一対の絶縁基板11、21と、基板の各内面に形成された電極12、22と、基板の内面間に挟持されたネマティック液晶と硬化物との複合体50とを備えた液晶光学素子1である。複合体50は、下記カイラルネマティック液晶組成物が前記絶縁基板の内面間に挟持されかつ液晶が配向された状態で該液晶組成物中の前記硬化性化合物を硬化させることにより得られるものである。カイラルネマティック液晶組成物:ネマティック液晶と硬化性化合物とを含み、該硬化性化合物の少なくとも一部が旋光性を有する光学活性物質であり、かつ含まれる旋光性を有する光学活性物質が実質的に該硬化性化合物のみからなる、カイラルネマティック相を示す液晶組成物。

Description

この発明は、液晶光学素子およびその製造方法に関する。
液晶光学素子は、低消費電力、薄型、軽量等の利点を有するため、携帯電話、デジタルカメラ、携帯情報端末、テレビ等の多くの電子機器に広く用いられている。その中で、近年、電界により液晶分子の配列を制御して、光散乱状態を変化させる液晶光学素子が提案されている。
また、LCPC(Liquid Crystal Polymer Composite)、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)、NCAP(Nematic Curvilinear Aligned Phase)等、液晶と硬化物との複合体を備えた液晶光学素子(以下、液晶/硬化物複合体素子という)が知られている(特許文献1参照)。一般的に、液晶/硬化物複合体素子では、樹脂相中にネマティック液晶相が均一に分散しており、電圧を印加して樹脂相と液晶相の屈折率の一致/不一致を切替えることにより、光の透過/散乱を制御している。この液晶/硬化物複合体素子は、原理的に偏光板を必要としないため、光透過率が高い。このため、例えば、自動車のサンルーフなどに利用される光シャッター、文字や模様を表示できるショーウィンドウ、各種掲示板、自動車のインストルメントパネル、ウィンドウ等の用途に適している。このような液晶/硬化物複合体素子の一例として、電圧非印加時に透明状態を示す素子も報告されている(特許文献2参照)。
しかしながら、上記液晶/硬化物複合体素子では、通常20質量%(mass%)以上、好ましくは30質量%以上の硬化物の含有を必須とするものが多い(特許文献3、特許文献4参照)。ここで、液晶相が複数の屈折率を有するのに対し、硬化物相は通常単一の屈折率のみを有するため、大型の窓ガラスに適用する場合などには、屈折率が一致している方向以外では、透過時のヘイズ値が大きいという問題があった。すなわち、透過時に、パネルに対し垂直方向から見た場合、パネルは透明に見えるが、斜め方向から見た場合、パネルが充分に透明に見えないという問題があった。また、重合相分離方式(特許文献3、特許文献4の実施例に記載されたような、液晶に比較してモノマーを多量に含む液晶混合物を重合させることにより、液晶と硬化物とを相分離させる方式)により製造される液晶/硬化物複合体素子では、高い耐熱温度すなわち高い相転移温度Tの液晶相が要求される場合、重合前に均一な液晶混合物から液晶相が析出するのを防止するため、液晶混合物を加熱しながら重合硬化させる必要があった。上記2つの問題点を回避するため、可視光線を選択反射する螺旋ピッチを有するカイラルネマティック液晶に微量の硬化性化合物を添加し、カイラルネマティック液晶(コレステリック液晶ともいう)のフォーカルコニック配向を安定化させ、電圧非印加時に散乱状態としたPSCT(Polymer Stabilized Cholesteric Texture)が開示されている(特許文献5参照)。
米国特許第4688900号明細書 特開2000−119656号公報 米国特許第4834509号明細書 米国特許第5200845号明細書 米国特許第5437811号明細書
しかしながら、特許文献5で開示されるPSCTでは、電圧非印加時に光散乱状態を示し、電圧印加で透明状態となる液晶光学素子を提供する場合、液晶組成物に電圧を印加しながら硬化性化合物を硬化させる必要があった。そのため、特に大型の液晶光学素子では、全体を均一に製造することが困難であり、生産性に劣る問題があった。また、カイラルネマティック液晶は、いくつかの配向を取り得るいわゆるマルチステイブルであるため、外力が加わることなどにより配向が変化し得る。そのため、透過−散乱特性の安定性に欠ける問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、透過状態においてヘイズ値が低く、かつ、透過−散乱特性の安定性および生産性に優れる、液晶光学素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は前記の課題を解決するためになされたものであり、以下の発明を提供する。
[1]少なくとも一方が透明である一対の絶縁基板と、前記絶縁基板の各内面に形成された電極と、前記絶縁基板の内面間に挟持されたネマティック液晶と硬化物との複合体とを備えた液晶光学素子であって、前記複合体は、下記カイラルネマティック液晶組成物が前記絶縁基板の内面間に挟持されかつ液晶が配向された状態で該液晶組成物中の前記硬化性化合物を硬化させることにより得られることを特徴とする液晶光学素子。
カイラルネマティック液晶組成物:ネマティック液晶と硬化性化合物とを含み、該硬化性化合物の少なくとも一部が旋光性を有する光学活性物質であり、かつ含まれる旋光性を有する光学活性物質が実質的に該硬化性化合物のみからなる、カイラルネマティック相を示す液晶組成物。これにより、透過状態においてヘイズ値が低く、かつ、透過−散乱特性の安定性および生産性に優れる、液晶光学素子が得られる。
[2]電極に電圧を印加しない状態で前記硬化性化合物を硬化させることによって得られる、[1]に記載の液晶光学素子。
[3]前記カイラルネマティック液晶組成物をフォーカルコニック配向とした状態で、前記硬化性化合物を硬化させる[1]または[2]に記載の液晶光学素子。これにより、電圧非印加時に散乱状態となる液晶光学素子が得られる。
[4]前記カイラルネマティック液晶組成物が、さらに、光学活性物質ではない硬化性化合物を含有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の液晶光学素子。これにより、液晶/硬化物複合体中の硬化物の含有量を調整することができ電圧印加による透過―散乱の動作を安定化させることができる。
[5]前記硬化性化合物の総量がカイラルネマティック液晶組成物全体に対して0.1〜20質量%(mass%)である[1]〜[4]のいずれかに記載の液晶光学素子。これにより、確実に透過状態においてヘイズ値が低い液晶光学素子が得られる。
[6]前記カイラルネマティック液晶組成物の誘電異方性が正である[1]〜[5]のいずれか1項に記載の液晶光学素子。これにより、電圧印加時に透過率が高く、コントラストのよい液晶光学素子が得られる。
[7]ネマティック液晶と硬化物との複合体とを備えた液晶光学素子の製造方法であって、少なくとも一方が透明である一対の絶縁基板の各内面に電極を形成する工程と、下記カイラルネマティック液晶組成物を介し、前記絶縁基板の内面同士を対向させて当該絶縁基板を貼り合わせる工程と、前記液晶組成物が前記絶縁基板の内面間に挟持されかつ液晶が配向された状態で当該液晶組成物中の前記硬化性化合物を硬化させることにより前記複合体を形成する工程とを備えることを特徴とする液晶光学素子の製造方法。
カイラルネマティック液晶組成物:ネマティック液晶と硬化性化合物とを含み、該硬化性化合物の少なくとも一部が旋光性を有する光学活性物質であり、かつ含まれる旋光性を有する光学活性物質が実質的に該硬化性化合物のみからなるカイラルネマティック相を示す液晶組成物。これにより、透過状態においてヘイズ値が低く、かつ、外力によって散乱特性が不均一な状態になることが少なく、透過−散乱特性の安定性が高く、さらに生産性に優れる液晶光学素子が得られる。
[8]前記硬化性化合物の硬化を、電極に電圧を印加しない状態で行う、[7]に記載の液晶光学素子の製造方法。
[9]前記カイラルネマティック液晶組成物をフォーカルコニック配向とした状態で、前記硬化性化合物を硬化させる[7]または[8]に記載の液晶光学素子の製造方法。これにより、電圧非印加時に散乱状態となる液晶光学素子が得られる。
[10]前記カイラルネマティック液晶組成物に電圧を印加してフォーカルコニック配向とする[9]に記載の液晶光学素子の製造方法。これにより、液晶組成物を容易にフォーカルコニック配向させることができる。
[11]前記カイラルネマティック液晶組成物を加熱または冷却してフォーカルコニック配向とする[9]に記載の液晶光学素子の製造方法。これによっても、液晶組成物を容易にフォーカルコニック配向させることができる。
本発明により、透過状態においてヘイズ値が低く、かつ、透過−散乱特性の安定性および生産性に優れる、液晶光学素子およびその製造方法を提供できる。
本発明の実施の形態にかかる液晶光学素子の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態にかかる液晶光学素子の製造フローの一例を示す図である。
符号の説明
1 液晶光学素子
11 第1の透明基板
12 第1の透明電極
13 第1の絶縁膜
14 第1の配向膜
21 第2の透明基板
22 第2の透明電極
23 第2の絶縁膜
24 第2の配向膜
30 シール材
40 スペーサ
50 複合体層
以下に、本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。なお、本明細書においては、液晶と硬化物との複合体を「液晶/硬化物複合体」または単に「複合体」とも記載する。また、「カイラルネマティック液晶組成物」を単に「液晶組成物」とも記載する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる液晶光学素子の構成の一例を模式的に示す断面図である。図1に示すように、本発明の実施の形態にかかる液晶光学素子1は、第1の透明基板11、第1の透明電極12、第1の絶縁膜13、第1の配向膜14、第2の透明基板21、第2の透明電極22、第2の絶縁膜23、第2の配向膜24、シール材30、スペーサ40および複合体層50を備えている。
具体的には、液晶光学素子1は、第1の透明基板11と第2の透明基板21とが互いに対向し、第1および第2の透明基板11、21の間で液晶/硬化物の複合体層50を挟持して構成されている。
第1および第2の透明基板11、21は絶縁基板であり、例えば、ガラス基板や、ポリカーボネート、アクリル樹脂などからなる樹脂基板または樹脂フィルム基板等が用いられる。ただし、本実施の形態では、第1および第2の透明基板11、21としたが、必ずしも両方の基板が透明である必要はなく、一方のみが透明であってもよい。
また、これらの絶縁基板の形状は平板でもよく、全面または一部に曲率を有していてもよい。絶縁基板の厚さは適宜選択され、一般には0.4〜10mmが好ましい。
第1の透明基板11の内面上には、複数の第1の透明電極12がストライプ状に形成されている。一方、第2の透明基板21の内面上には、複数の第2の透明電極22がストライプ状に形成されている。なお。複数の第2の透明電極22は、複数の第1の透明電極12に対して略直交して交差するように形成されている。第1および第2の透明電極12、22は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)からなる。第1および第2の透明電極12、22のうち、いずれか一方は、Alや誘電体多層膜の反射電極であってもよい。もちろん、電極の形状は直交するストライプ状のものに限られることはなく、基板面全体が一つの電極であったり、特定のマークやキャラクターを表示できるものでも良い。
第1および第2の絶縁膜13、23は、各々第1および第2の透明電極12、22を覆うように形成されている。第1および第2の絶縁膜13、23は、電気絶縁性を向上させるためのものであり、SiO、TiO、Al等の金属酸化物やその他の絶縁性物質からなる。なお、第1および第2の絶縁膜13、23はなくてもよい。
第1および第2の絶縁膜13、23上には各々第1および第2の配向膜14、24が形成されている。配向膜14、24は、複合体層50内の液晶を所定の方向に配向させるため、液晶と接するように形成されている。本発明の実施の様態においては、配向膜の有無や、そのプレチルト角、さらには配向膜へのラビング処理の有無はいずれでも良いが、透過状態と光散乱状態における光学的なコントラストを高くするためにはプレチルト角が10°以下の配向膜をラビング処理を行わずに用いるのが好ましい。
シール材30は、第1および第2の透明基板11、21の間において、第1および第2の透明基板11、21の周縁に沿って形成されている。第1および第2の透明基板11、21は、シール材30により接合されている。シール材30の材料には、例えば、紫外線硬化樹脂が用いられる。第1および第2の透明基板11、21の内面間距離すなわち複合体層50の厚さ(セルギャップ)は一定であり、シール材30の高さは、第1および第2の透明基板11、21の内面間の距離と等しくなっている。
図1の液晶光学素子1はフラットな形状であるが、本発明の液晶光学素子はフラットな形状に限られず、用途によっては一部または全部に曲率を有していてもよい。すなわち、3次元の形状であってもよい。ただし、この場合においても、第1および第2の透明基板11、12の内面間距離すなわち複合体層50の厚さ(セルギャップ)は一定である。
スペーサ40は、第1および第2の透明基板11、21とシール材30に囲われた空間内に、均一に散布されている。スペーサ40は、セルギャップを制御する。セルギャップすなわちスペーサ40の直径は2〜50μmが好ましく、4〜30μmがさらに好ましい。セルギャップが小さすぎるとコントラストが低下し、大き過ぎると駆動電圧が上昇する。スペーサ40は、例えば、ガラス粒子、シリカ粒子、架橋したアクリル粒子等の硬質な材料からなる。なお、球状でなく、リブ状のスペーサを一方の基板に形成したものでもよい。
複合体層50は、第1および第2の透明基板11、21とシール材30に囲われた空間内(以下、セル空間ともいう)に封入されている。複合体層50は、セル空間内に本発明にかかる液晶組成物を充填し、セル空間内に液晶組成物が充填されかつ液晶が配向された状態でその液晶組成物中の硬化性化合物を重合により硬化して得られる、液晶/硬化物複合体からなる。この液晶組成物中の硬化性化合物の含有率(これは、液晶/硬化物複合体中に含まれる、硬化性化合物の硬化物の含有率に実質的に等しい。)は、0.1〜20質量%(mass%)であることが好ましい。0.1質量%未満では、液晶/硬化物複合体の散乱状態において、液晶相を硬化物により効果的な形状のドメイン構造に分割することができず、所望の透過−散乱特性を得ることができない。一方、20質量%を越えると、従来の液晶/硬化物複合体と同様に透過状態でのヘイズ値が増大する。また、さらに好ましくは、液晶組成物中の硬化性化合物の含有率が0.5〜10質量%であり、液晶/硬化物複合体の散乱状態での散乱強度を高く、透過−散乱の状態を切り替えることができる電圧値を低くすることができる。
前記のように液晶組成物中の硬化性化合物の含有率は液晶組成物に対して0.1〜20質量%が好ましく、光学活性物質である硬化性化合物のHTP(Helical Twisting Power)に依存して0.1〜20質量%の範囲内において適宜選択することが好ましい。光学活性物質である硬化性化合物のHTPが大きい場合は、ネマティック液晶に添加して所望のカイラルネマティック相を示す液晶組成物を調製するために必要な光学活性物質である硬化性化合物の量は少なくてよい。たとえば、HTPが大きい(HTPが30〜60程度)光学活性物質である硬化性化合物を用いる場合、最も好ましい液晶組成物中の硬化性化合物の含有率は0.5〜5質量%である。光学活性物質である硬化性化合物のHTPが30よりも小さい場合は、前記のように0.5〜10質量%が好ましい。
本発明にかかる液晶組成物は、ネマティック液晶と硬化性化合物とを含み、該硬化性化合物の少なくとも一部が旋光性を有する光学活性物質(すなわちカイラル剤)であり、前記旋光性を有する光学活性物質が実質的に硬化性化合物のみからなるカイラルネマティック相を示す液晶組成物である。ネマティック液晶としては、2種類以上のネマティック液晶を組み合わせて用いてもよい。ネマティック液晶に旋光性を有する光学活性物質すなわちカイラル剤を所定量以上添加すると、螺旋構造を有するカイラルネマティック液晶(コレステリック液晶ともいう)に相変化する。ここで、螺旋構造の周期すなわち螺旋ピッチpは、カイラル剤の濃度cおよびHTPを用い、p=1/(c・HTP)で表現される。
ここで、カイラルネマティック相であるとは、第1の透明基板11と第2の透明基板21間における液晶のツイスト角θとすると、θ>360°であることをいう。換言すると、セルギャップをdとすると、カイラルネマティック相であるとは、螺旋ピッチp<dであることをいう。ネマティック液晶およびカイラルネマティック液晶のツイスト角は、例えば、少なくとも片方の基板の内面にラビング処理を施したプレチルト角が10°以下となる配向膜を備えた一対の透明基板間に液晶組成物を挟持して、偏光顕微鏡観察において偏光板を回転させながら透過光を観察することで測定できる。また、くさび形状のセルに液晶組成物を挟持して、その回位線間の距離の観察によって求めることができる。
また、カイラル剤は実質的にすべて硬化性化合物である。この硬化性化合物は、液晶組成物を電極付き基板に挟持した後に、硬化性化合物を硬化させることにより液晶相に複数のドメインを形成する。同時に、硬化により高分子化することでカイラル剤としての旋光機能の一部または全部を喪失する。そのため、硬化性化合物の硬化の過程で、カイラルネマティック液晶のほとんどがネマティック液晶に相変化する。ここで、ネマティック相であるとは、θ≦360°であること、すなわち、p≧dであることをいう。
硬化性を有するカイラル剤としては、例えば、BASF社製のPaliocolor LC 756のような右旋性(dextro-rotatory)の旋光性化合物が好適である。もちろん、硬化性を有するカイラル剤として左旋性(levo-rotatory)の旋光性化合物を使用してもよい。自然界に存在する旋光性物質を原料にして旋光性化合物を準備すると比較的安価に右旋性の旋光性化合物を提供することができる。また、硬化性を有するカイラル剤としては、カイラルネマティック液晶組成物の螺旋ピッチを所望の値に調整すること等を目的として、右旋性のカイラル剤と左旋性のカイラル剤とを併用することもできる。
なお、本発明にかかる液晶組成物は、硬化性化合物の硬化後にネマティック相を示す限りにおいて非硬化性のカイラル剤を微量に含んでいてもよい。すなわち、硬化性化合物の硬化に起因し、カイラルネマティック液晶からネマティック液晶へ相変化するような液晶組成物であれば、本発明の効果を発現させることができる。
さらに、本発明にかかる液晶組成物には光学活性化合物ではない硬化性化合物が含まれていてもよい。このような硬化性化合物としては、例えば、アルキルアクリレート、アルキルジアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエーテルジアクリレート、ポリエーテル系ウレタンアクリレート等が例示される。光学活性化合物ではない硬化性化合物としては、さらに、メソゲン構造を有する硬化性化合物であってもよい。メソゲン構造を有する硬化性化合物としては、例えば、以下に示す化合物(特許文献2に記載の式(2)や式(4)の硬化性化合物)が例示される。
Figure 2008007715
Figure 2008007715
本発明にかかる液晶組成物中の光学活性ではない硬化性化合物の含有量が多過ぎると、透過時のヘイズ値が大きくなるおそれがある。従って、本発明にかかる液晶組成物における硬化性化合物の総量(光学活性化合物である硬化性化合物を含めた量)は、液晶組成物全体に対して20質量%以下、特に10質量%以下、であることが好ましい。また、前記のように、光学活性物質である硬化性化合物として、HTPが大きい(30〜60程度)の硬化性化合物を用いる場合、液晶組成物全体に対する硬化性化合物の総量は、5質量%以下であることが好ましい。また、光学活性ではない硬化性化合物の含有量は、液晶組成物全体に対して0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%が特に好ましい。
本発明の液晶組成物から硬化性化合物を硬化して得られる液晶は、硬化物の影響を除いて、本発明の液晶組成物から硬化性化合物(硬化性のカイラル剤以外の硬化性化合物も含む)を除いた混合物の液晶物性とほぼ等しいネマティック液晶と考えられる。従って、この混合物は液晶/硬化物複合体に要求されるネマティック液晶としての液晶物性を満たす混合物とする。
本発明においては、硬化前の液晶組成物に含まれるカイラル剤の全てまたは大部分が硬化性を有する。また、上述の通り、カイラル剤の含有量とHTPとにより液晶組成物全体の螺旋ピッチを調整する。この硬化前の液晶組成物をフォーカルコニック配向とした後、硬化性を有するカイラル剤を硬化させることにより液晶/硬化物複合体を形成する。ここで、液晶組成物の螺旋ピッチがフォーカルコニック配向時の液晶組成物の光散乱状態の様態に大きく影響する。すなわち、液晶組成物が強い光散乱を示す状態で硬化性化合物を硬化させて、液晶/硬化物複合体を形成すると、電圧の印加/非印加での透過状態と光散乱状態の光学的なコントラストの高い電気光学素子が得られ、好ましい。液晶組成物の螺旋ピッチとしては、0.6μm〜4μmが好ましい。さらに液晶組成物がフォーカルコニック配向した場合の光散乱特性が良好であることから螺旋ピッチは0.8μm〜3μmが好ましい。
一方、本発明においては、液晶組成物をフォーカルコニック配向させる以外の場合にも本発明の効果を発現させることができる。液晶組成物が接する基板面に設置した配向膜のプレチルト角が10°以下で、かつ、配向膜に一方向にラビング処理が施されている場合、液晶組成物は基板面にほぼ垂直方向にヘリカル軸を持つプレナー配向となる場合がある。液晶組成物をプレナー配向とした後、液晶組成物に含まれる硬化性化合物を硬化させることにより、電圧非印加時に光散乱状態を示し、電圧印加時に透過状態となる液晶光学素子を形成することもできる。液晶組成物をプレナー配向とする場合、硬化前はセルは透明状態を示すが、液晶組成物中の硬化性化合物の硬化の過程において散乱状態を示すようになる。ただし、光散乱状態と透過状態でのコントラストは、液晶組成物をフォーカルコニック配向させる場合の方が良好である。
本発明の効果は、液晶組成物の誘電異方性(Δε)が正の場合でも負の場合でも発現可能である。また、基板の内面に備える配向膜のプレチルト角が10°以下の場合や60°以上の場合、いずれの場合においても発現できる。配向膜は、ラビング処理を行ってもよい。
正の誘電異方性を有する当該カイラルネマティック液晶組成物をフォーカルコニック配向させ、その後、当該液晶組成物中に含まれる硬化性を有するカイラル剤を硬化させると、硬化反応により生成する硬化物が、硬化反応の過程で出現するネマティック相を、効果的に複数の領域(ドメイン)に分割することができる。よって、本発明にかかる液晶組成物から電圧非印加時に散乱状態、電圧印加時に透過状態の液晶光学素子を、極めて容易に得ることができる。液晶/硬化物複合体において、ドメインに分割されたネマティック液晶は、ドメイン毎にランダムに配向する。具体的には、1つのドメイン内の液晶分子の方向すなわちダイレクタは揃っているが、隣接するドメイン同士の液晶分子のダイレクタは互いに異なるように配列する。そのため、隣接するドメイン同士の平均的な屈折率が互いに異なり、電圧非印加時に散乱状態を示すものと推察される。一方、電圧印加時は、各ドメインにおいて正の誘電異方性を有する液晶分子が透明基板に対し垂直に配列するため、隣接するドメイン同士の平均的な屈折率がほぼ一致し、透過状態を示すものと推察される。
液晶組成物中の硬化性化合物の硬化によって、カイラルネマティック相がネマティック相に相変化したことは、前記のように液晶のツイスト角を測定すること以外に、液晶のN−I相転移点(ネマティック相−等方相転移点)の測定によっても確認することができる。具体的には(a)硬化性化合物(光学活性物質ではない硬化性化合物も含む)を添加する前のネマティック液晶のN−I相転移点(転移点a)、(b)硬化性化合物(光学活性物質ではない硬化性化合物を含む)を添加したネマティック液晶(すなわち、本発明にかかるカイラルネマティック液晶組成物)のN−I相転移点(転移点b)、(c)カイラルネマティック液晶組成物中の硬化性化合物を硬化させることによって得られる液晶/硬化物複合体中のネマティック液晶のN−I相転移点(転移点c)、を測定し、(転移点a)と(転移点b)とが異なり、かつ(転移点a)と(転移点c)とが同等の値であることによっても確認できる。硬化性化合物の有無に依存して(転移点a)と(転移点b)とは異なるが、本発明にかかる液晶組成物から硬化性化合物を硬化して得られるネマティック液晶は、硬化物の影響を除いて、本発明にかかる液晶組成物から硬化性化合物(光学活性物質ではない硬化性化合物も含む)を除いた混合物の液晶物性とほぼ等しいネマティック液晶と考えられる。よって、(転移点a)と(転移点b)とが異なり、かつ、(転移点c)と(転移点a)とが同等の値であることをもって、液晶/硬化物複合体中の液晶がネマティック液晶であることを確認することができる。
さらに、液晶光学素子にいったん外力を加えた後に外力を取り去り、その外観を観察することによっても確認できる。カイラルネマティック液晶はその本質として配向記憶能力を有する。よって、いったん外力が加わって液晶の配向が乱れると、外力を取り去っても配向が乱れたままとなり散乱状態にムラが発生する。これに対してネマティック液晶は配向記憶能力を持たないので、外力を加えた後に外力を取り去っても、外観に変化は見られない。このようにしても液晶/硬化物複合体中の液晶はネマティック液晶であることを確認できる。
本発明の液晶光学素子を構成する液晶はネマティック液晶であり、カイラルネマティック液晶に電界を印加した状態で硬化性化合物を硬化させて、その配向状態を安定化させる文献5に記載のPSCTとは全く異なる。液晶/硬化物複合体形成の過程において、液晶組成物に電圧を印加しながら硬化性化合物を硬化させる必要がなく、硬化させる前に、液晶組成物にフォーカルコニック配向などの所定の配向状態を付与しておけば良い。すなわち、カイラルネマティック液晶がその本質として有する配向記憶能力を利用して、電界の印加、加熱や冷却などの外部刺激を硬化前の液晶組成物に与えることで、フォーカルコニック配向などの所定の配向状態を記憶させる。次いで、硬化性化合物を硬化させて液晶/硬化物複合体を形成させる。この際、液晶組成物には既に所定の配向状態が記憶されているので、改めて電圧印加等の手段により配向を揃える必要がなく、電圧非印加の状態で硬化性化合物を硬化させるのみでよい。
液晶の配向状態としては、フォーカルコニック配向の状態として効果的な光散乱状態付与した上で硬化性化合物を硬化させると、電圧非印加状態での光散乱能力を向上させることができ好ましい。
また、液晶を硬化性化合物に溶解させて得られる液晶混合物全体を等方相とした後に、重合相分離方式によって液晶/硬化物複合体を得る場合とは異なり、高い相転移温度Tcの液晶相が要求される場合であっても、硬化前に液晶混合物からの液晶相の析出を防止するために加熱する必要もない。
さらに、硬化性を有するカイラル剤を硬化させて得られる液晶/硬化物複合体中の液晶相は、全てまたは大部分がネマティック相であるため、透過−散乱特性の安定性に優れる。PSCTのように液晶光学素子がカイラルネマティック液晶を含む場合、液晶光学素子に外部から局所的圧力などが印加された際に、液晶光学素子内部の液晶の配列に変化が生じ、その配列変化をカイラルネマティック液晶が記憶するために、光散乱状態に光学的なムラが発生することがある。しかしながら、本発明に開示される新規な液晶光学素子においては、内在する液晶相はネマティック液晶相であり、カイラルネマティック液晶相のような液晶配列の記憶能力がないために、本素子に局所的な外圧を加えることなどで、その液晶配列に変化を与えても外力を除去すると元の配列に戻ることより電圧非印加時の素子の光散乱状態に光学的なムラが発生することがなく好ましい。
また、本発明の液晶光学素子中の液晶/硬化物複合体は、従来の分散型液晶に比較して硬化物の含有率が低い。よって、本発明の液晶光学素子は、大面積の素子としても透過状態でのヘイズ値は低く、素子を観察する角度によらず透明性が良好である。
液晶/硬化物複合体が微量の硬化物により複数のドメインに分割されたネマティック液晶は、ドメイン毎にランダムに配向する。各ドメインのネマティック液晶がドメイン毎にランダム配向していることにより散乱状態を得る構成は、液晶/硬化物複合体素子において、ヘイズ値、透過−散乱特性の安定性等の観点から理想的構成といえるが、これまで実現できていなかった。本発明により、上記構成を実現することができる。
なお、本発明にかかる液晶組成物の誘電異方性は、正負のどちらでも本発明に開示される硬化性化合物の硬化前後における液晶の相変化を実現可能であるが、電圧非印加時と印加時の光学的コントラストが高い電気光学素子を得るには正の誘電異方性の液晶を用いることが好ましい。また、駆動電圧を低減するためには、誘電異方性が大きい方が好ましい。さらに、散乱強度を高めて、透過−散乱のコントラストを改善するためには、液晶組成物の屈折率異方性(Δn)を大きくすることが好ましい。一方、誘電異方性が大き過ぎると液晶組成物の電気絶縁性(比抵抗値)が低下するおそれがある。また、屈折率異方性が大き過ぎると、紫外線に対する耐久性が低下するおそれもある。
本発明の液晶組成物には、前記硬化性化合物の硬化を開始させる硬化剤や硬化を促すための硬化促進剤(硬化触媒など)が含まれていてもよい。特に、重合開始剤を用いることが好ましい。例えば、光重合によって硬化反応を行う場合、ベンゾインエーテル系、アセトフェノン系、フォスフィンオキサイド系などの一般的な光重合開始剤を用いることができる。硬化開始剤や硬化促進剤を使用する場合、その量は液晶組成物中の硬化性化合物の総量に対して5質量%以下であることが好ましい。
さらに、コントラスト比や安定性の向上を目的として、種々の化合物を添加することもできる。例えば、コントラストの向上を目的として、アントラキノン系、スチリル系、アゾメチン系、アゾ系等の各種二色性色素を用いることができる。その場合、二色性色素は、基本的に液晶化合物と相溶し、硬化性化合物とは不相溶であることが好ましい。この他に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種可塑剤の添加も、安定性や耐久性向上の点から好ましい。
これら種々の化合物を添加する場合、その総量は液晶組成物に対して20質量%以下、特に10質量%以下、であることが好ましい。
次に、誘電異方性が正の液晶組成物を、電極付き基板間にプレチルト角が10°以下の配向膜を介して配置して、硬化性化合物を硬化させることにより得られる液晶光学素子1の動作について説明する。第1および第2の透明電極12、22の間に電圧を印加すると、各ドメインにおいて正の誘電異方性を有する液晶分子が透明基板に対し垂直に配列するため、隣接するドメイン間の平均的な屈折率がほぼ一致し、透過状態が得られるものと推察される。一方、第1および第2の透明電極12、22の間に電圧を印加していないときは、上述の通り、硬化反応の過程で出現するネマティック液晶が電極間でランダム配向しているため、隣接するドメイン間の平均的な屈折率の違いにより、散乱状態が得られるものと推察される。このように電圧の印加、非印加により、散乱状態と透明状態が変化するため、所望の画像などを表示することができる。
次に、液晶光学素子1の製造方法について説明する。図2は、本発明の実施の形態にかかる液晶光学素子の製造フローの一例を示す図である。図2に示すように、本製造フローはST201〜ST208までの8ステップからなる。
まず、第1および第2の透明基板11、21の内面上に第1および第2の透明電極12、22を形成するための透明電極膜を、スパッタリング法、真空蒸着法等により形成する(ST201)。透明電極膜としては、上述の通り、ITOが好適である。この透明電極膜を、例えば、フォトリソグラフィ法により所望の文字や模様の形状にパターニングして、第1および第2の透明電極12、22を形成する。
次に、第1および第2の絶縁膜13、23を、ゾルゲル法、スパッタリング法、真空蒸着法等により、各々第1および第2の透明電極12、22を覆うように形成する(ST202)。
次に、第1および第2の絶縁膜13、23上に、各々第1および第2の配向膜14、24を形成する(ST203)。第1および第2の配向膜14、24は、カイラルネマティック相を示す液晶組成物を一対の電極付き基板間で所定の方向に配向させるため、液晶と接するように形成する。上述の通り、透明基板11、21のそれぞれに形成された配向膜14、24のうち、少なくとも一方を、液晶を透明基板11、21の内面に水平に配向させるように形成する。具体的には、プレチルト角10°以下の配向膜を形成することが好ましい。また、液晶組成物を均一に配向させるため、ラビング処理を施してもよい。また、本発明は、配向膜を用いない構成でも実現可能である。
次に、第1または第2の透明基板11、21の内面上に、散布機を用いてスペーサ40の粒子を散布する(ST204)。
次に、第1または第2の透明基板11、21の内面上に、当該第1または第2の透明基板11、21の周縁に沿って、シール材30を塗布する(ST205)。ここで、シール材30には、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。なお、シール材30がスペーサを含んでいてもよい。
次に、上記第1または第2の透明基板11、21を貼り合わせ、これにより形成されたセル内に液晶組成物を充填する(ST206)。ここで、2カ所以上に設けたシール材の切り欠きの一方を液晶組成物に浸し、他方より吸引する(吸引法)。また、シール材の切り欠きを1カ所以上設けたセルを真空中で液晶組成物の入った容器に切り欠き部を浸漬した状態で大気圧に戻し、セルの内圧と大気圧の差圧にてセル中に液晶組成物を充填させることもできる(真空注入法)。さらに、ODF(one-drop-fill)法を用いて、第1または第2の透明基板11、21の内面に、所定量の液晶組成物を滴下し、減圧下で、第1および第2の透明基板11、21の間をシール材30により貼り合わせてもよい。このODF法は、真空装置を要するが、上記吸引法や真空注入法に比べ、短時間で、液晶組成物を充填でき、大型液晶光学素子の製造に効果的である。ただし、上記以外の方法を用いてもよい。なお、ODF法は、液晶滴下法、真空滴下法などとも呼ばれる。
次に、液晶組成物中のカイラルネマティック液晶をフォーカルコニック配向させ(ST207)、液晶組成物中の硬化性化合物を硬化させる(ST208)。フォーカルコニック配向させる方法としては、電圧印加、加熱後の急冷、磁場の印加等が考えられる。カイラルネマティック液晶は配向記憶能力を有するため、いったん前記の手段等によって液晶組成物を配向させてしまえば、硬化性化合物を硬化する際にもその配向状態が維持される。よって、電圧非印加の状態で硬化性化合物の硬化を行うことができる。硬化性化合物が光硬化性化合物の場合、紫外線光源などにより露光し、硬化させる。露光により、光硬化性化合物が硬化し、液晶/硬化物の複合体層50が形成される。また、上述のODF法の場合にシール材30として光硬化性のシール材を使用した場合、同時にシール材を硬化させることもできる。なお、シール材30に光硬化性樹脂を用いない場合、シール材の硬化は別途行う必要がある。
以下に、本発明にかかる実施例を示す。ヘイズ値は、スガ試験機社製の直読ヘーズコンピューターを用いて測定した。なお、以下に記載するN−I相転移温度とは、ネマティック相と等方相との相転移温度を指す。
[実施例1]
正の誘電異方性を示すネマティック液晶(メルク社製:品名BL−002、Tc=72℃、Δn=0.246、Δε=16)に、右旋性の光学活性物質(BASF社製:Paliocolor LC756、上記ネマティック液晶中のHTPは56)を添加し、螺旋ピッチが2μmのカイラルネマティック液晶とした。上記右旋性の光学活性物質は光硬化性化合物であり、上記液晶組成物におけるその含有率は1.0質量%である。さらに、上記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物に対し、約1質量%の光重合開始剤(ベンゾインイソプロピルエーテル)を添加することにより、本発明にかかる液晶組成物(液晶組成物A)を得た。この液晶組成物AのN−I相転移温度は68℃であった。
次に、透明電極としてITO薄膜(インジウム錫酸化物)を内面に設けた一対のガラス基板のITO電極上に、絶縁層としてSiO2−TiO系の金属酸化物薄膜(セイミケミカル社製:MIC−55)を約50nmの厚みに形成する。さらにその上にプレチルト角が10°以下となるポリイミド薄膜からなる配向膜を形成する。一対のこのガラス基板を、直径6μmの樹脂ビーズからなるスペーサを介して対向させ、液晶組成物を注入するための孔以外をエポキシ樹脂により封止してセルを作製した。このセル内に上記液晶組成物Aを室温にて真空注入法により充填した後、注入孔を室温硬化性の封着材にて封止した。次に、このセルを表面温度が約90℃のホットプレート上に置いたところ均一な透明状態を呈した。透明状態のセルを25℃に保った水に浸して急冷したところ、セルは白濁して均一な光散乱状態を示した。この光散乱状態を呈するセルに、室温にて、ガラス基板面に中心波長が365nmで照射強度が30W/mの紫外線をセルの両面から10分間照射して、硬化性化合物を硬化させることにより液晶光学素子を得た。この液晶光学素子中の液晶のN−I相転移温度は72℃であった。
紫外線照射後、液晶光学素子は同様に白濁を呈し、光散乱能が若干向上した。次に、上記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、液晶光学素子は透明となり、電圧印加を除去すると再び元の光散乱状態となった。すなわち、電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となる液晶光学素子が得られた。上記透過状態におけるヘイズ値は2%以下であり、透明性は良好であった。さらに、透明状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察してもヘイズの増加はほとんど見られなかった。集光角5°のシュリーレン光学系にて、本素子の透明状態と白濁状態とのコントラストを室温にて測定したところ、7であった。電圧非印加状態の本素子の電極付き基板面に垂直に局所的な外力を加えた。外力を取り去った後に素子の光散乱状態を観察したが変化はなかった。
本発明にかかる液晶組成物Aを用いれば、特許文献5に記載のPSCTと異なり、液晶光学素子形成の過程において、液晶組成物に電圧を印加する必要がなく、硬化性を有するカイラル剤を硬化させるのみよい。本実施例のように、光硬化性化合物を用いれば、光照射のみにより、硬化性を有するカイラル剤が硬化して液晶を複数のドメインに分割するとともに、液晶がカイラルネマティック相からネマティック相へ変化する。これにより、電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となる液晶光学素子が極めて容易に得られる。また、本実施例1にかかる液晶光学素子は、硬化物の含有率が低いため、透過状態でのヘイズ値は低く、透明性は素子を観察する角度によらず良好である。さらに、白濁状態のセルに局所的な外力を加えても、外力を取り去った後ではその光散乱状態にムラが発生することはなかった。
[実施例2]
実施例1で調製した液晶組成物Aを同様に真空注入法にて実施例1と同様のセルに注入して注入孔を封止した。次に、このセルの電極端子部に、実効値8Vでパルス幅が500msのバイポーラーの矩形波パルスを印加したところ、このセルは白濁して均一な光散乱状態を示した。この光散乱状態を呈するセルに、電圧を印加しない状態で、実施例1と同様にして、紫外線を照射して硬化性化合物を硬化させることにより液晶光学素子を得た。
紫外線照射後、液晶光学素子は同様に白濁を呈し、光散乱能が若干向上した。次に、上記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、液晶光学素子は透明となり、電圧印加を除去すると再び元の光散乱状態となった。すなわち、電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となる液晶光学素子が得られた。上記透過状態におけるヘイズ値は2%以下であり、透明性は良好であった。さらに、透明状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察してもヘイズの増加はほとんど見られなかった。集光角5°のシュリーレン光学系にて、本素子の透明状態と白濁状態とのコントラストを室温にて測定したところ、8であった。実施例1と同様に、電圧非印加状態の本素子の電極付き基板面に外力を加えたが、外力を取り去った後に素子の散乱状態に光学的なムラは生じなかった。
[実施例3]
実施例1と同じ正の誘電異方性を示すネマティック液晶に、実施例1と同じ右旋性の光学活性物質を添加し、螺旋ピッチが1μmのカイラルネマティック液晶とした。上記右旋性の光学活性物質は光硬化性化合物であり、上記液晶組成物におけるその含有率は1.8質量%である。さらに、実施例1と同様に、上記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物に対し、約1質量%の光重合開始剤を添加することにより、本発明にかかる液晶組成物(液晶組成物B)を得た。
次に、液晶組成物Bを真空注入法にて実施例1と同様のセルに注入して注入孔を封止した。次に、このセルの電極端子部に、実効値12Vでパルス幅が500msのバイポーラーの矩形波パルスを印加したところ、このセルは白濁して均一な光散乱状態を示した。この光散乱状態を示すセルに、電圧を印加しない状態で、実施例1と同様にして紫外線を照射して硬化性化合物を硬化させることにより液晶光学素子を得た。
紫外線照射後、液晶光学素子は白濁を呈した。次に、上記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、液晶光学素子は透明となった。上記透過状態におけるヘイズ値は実施例1より大きかった。集光角5°のシュリーレン光学系にて、本素子の透明状態と白濁状態とのコントラストを室温にて測定したところ、15であった。
本発明にかかる液晶組成物Bを用いた場合も、電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となる液晶光学素子が極めて容易に得られる。本実施例3にかかる液晶光学素子の光学特性は、上記実施例1にかかる液晶光学素子の光学特性に比べ、透過時のヘイズがやや大きいものの、透過―散乱のコントラストは良好である。
[実施例4]
実施例1で調製したネマティック液晶組成物Aに、さらに、下記化学式(1)で示される光学活性物質でない硬化性化合物(硬化性化合物P)を、(1)を含む全体に対して1質量%となるように添加した。
Figure 2008007715
硬化性化合物Pは、分子内にメソゲン構造を有さない硬化性化合物である。さらに、添加した硬化性化合物Pに対し、約1質量%の光重合開始剤(ベンゾインイソプロピルエーテル)をさらに加えて液晶組成物(液晶組成物C)を調製した。硬化性化合物Pは光学活性物質ではないため、液晶組成物Cの螺旋ピッチは液晶組成物Aの螺旋ピッチと変わらない。
次に、実施例1と同様に、同様のセルに液晶組成物Cを真空注入法にて注入して、注入孔を封止した。このセルを表面温度が約90℃のホットプレート上に置いたところ均一な透明状態を呈した。透明状態のセルを25℃に保った水に浸して急冷したところ、セルは白濁して均一な光散乱状態を示した。この光散乱状態を呈するセルに、実施例1と同様に紫外線をセルの両面から照射して、硬化性化合物を硬化させることにより液晶光学素子を得た。
紫外線照射後、液晶光学素子は白濁を呈した。次に、上記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、液晶光学素子は透明となった。上記透過状態におけるヘイズ値は2%以下であった。透明状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察してもヘイズは小さく、良好な透明性を示した。また、集光角5°のシュリーレン光学系にて、本素子の透明状態と白濁状態とのコントラストを室温にて測定したところ、6であった。
[実施例5]
正の誘電異方性を示すネマティック液晶(Tc=94℃、Δn=0.230、Δε=15)に、右旋性の光学活性物質(BASF社製:Paliocolor LC756、上記ネマティック液晶中のHTPは55)を添加し、螺旋ピッチが2μmのカイラルネマティック液晶とした。上記右旋性の光学活性物質は光硬化性化合物であり、上記液晶組成物におけるその含有率は1.0質量%である。さらに、上記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物に対し、約1質量%の光重合開始剤(ベンゾインイソプロピルエーテル)を添加することにより、本発明にかかる液晶組成物(液晶組成物F)を得た。この液晶組成物FのN−I相転移温度は90℃であった。
次に、液晶組成物Fを真空注入法にて実施例1と同様のセルに注入して注入孔を封止した。次に、このセルの電極端子部に、実効値5Vでパルス幅が500msのバイポーラーの矩形波パルスを印加したところ、このセルは白濁して均一な光散乱状態を示した。この光散乱状態を示すセルに、電圧を印加しない状態で、実施例1と同様にして紫外線を照射して硬化性化合物を硬化させることにより液晶光学素子を得た。この液晶光学素子中の液晶のN−I相転移温度は93℃であった。
紫外線照射後、液晶光学素子は白濁を呈した。次に、上記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、液晶光学素子は透明となった。上記透過状態におけるヘイズ値は2%以下であり、透明性は良好であった。集光角5°のシュリーレン光学系にて、本素子の透明状態と白濁状態とのコントラストを室温にて測定したところ、8であった。
[実施例6]
正の誘電異方性を示すネマティック液晶(Tc=94℃、Δn=0.215、Δε=16.4)に、右旋性の光学活性物質(BASF社製:Paliocolor LC756、上記ネマチック液晶中のHTPは52)を添加し、螺旋ピッチが2μmのカイラルネマティック液晶とした。上記右旋性の光学活性物質は光硬化性化合物であり、上記液晶組成物におけるその含有率は1.0質量%である。さらに、上記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物に対し、約1.0質量%の光重合開始剤(ベンゾインイソプロピルエーテル)を添加することにより、本発明にかかる液晶組成物(液晶組成物G)を得た。この液晶組成物GのN−I相転移温度は92℃であった。
次に、液晶組成物Gを真空注入法にて実施例1と同様のセルに注入して注入孔を封止した。次に、このセルの電極端子部に、実効値6Vでパルス幅が300msのバイポーラーの矩形波パルスを印加したところ、このセルは白濁して均一な光散乱状態を示した。この光散乱状態を示すセルに、電圧を印加しない状態で、実施例1と同様にして紫外線を照射して硬化性化合物を硬化させることにより液晶光学素子を得た。この液晶光学素子中の液晶のN−I相転移温度は94℃であった。
紫外線照射後、液晶光学素子は白濁を呈した。次に、上記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、液晶光学素子は透明となった。上記透過状態におけるヘイズ値は2%以下であり、透明性は良好であった。集光角5°のシュリーレン光学系にて、本素子の透明状態と白濁状態とのコントラストを室温にて測定したところ、8であった。
[合成例]化合物(3)の合成例
ナスフラスコ中にイソソルビド(0.5g,3.4mmol)、4−(6−アクリロイルオキシ−ヘキシルオキシ)安息香酸(2.0g,6.8mmol)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1.3g,10.2mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(0.03g)をジクロロメタン(100mL)に溶解させた。窒素雰囲気下において2時間ほど室温で撹拌操作を行ったのち、40℃に加熱したオイルバス中にて約8時間加熱還流操作を行った。固形物をろ別した後、pH4程度のイオン交換水、重曹水、イオン交換水の順で抽出操作を行った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ別し、ロータリーエバポレータにてジクロロメタンを留去した。得られた残渣を、カラムクロマトグラフィーにて精製操作を行った(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=2:1)。得られた白色固形物を更にエタノールで再結晶し、目的化合物を得た。収量は0.62gであり、収率は26%であった。
Figure 2008007715
[実施例7]
正の誘電異方性を示すネマティック液晶(メルク社製:品名BL−002、Tc=72℃、Δn=0.246、Δε=16)に、合成例で得た化合物(3)(硬化性を有する右旋性の光学活性物質、上記ネマティック液晶中のHTPは42)を添加し、螺旋ピッチが2μmのカイラルネマティック液晶を調製した。上記右旋性の光学活性物質は光硬化性化合物であり、上記液晶組成物におけるその含有率は1.2質量%である。さらに、上記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物に対し、約1.0質量%の光重合開始剤(ベンゾインイソプロピルエーテル)を添加することにより、本発明にかかる液晶組成物(液晶組成物H)を得た。この液晶組成物HのN−I相転移温度は66℃であった。
次に、液晶組成物Hを真空注入法にて実施例1と同様のセルに注入して注入孔を封止した。次に、このセルの電極端子部に、実効値7Vでパルス幅が300msのバイポーラーの矩形波パルスを印加したところ、このセルは白濁して均一な光散乱状態を示した。この光散乱状態を示すセルに、電圧を印加しない状態で、実施例1と同様にして紫外線を照射して硬化性化合物を硬化させることにより液晶光学素子を得た。この液晶光学素子中の液晶のN−I相転移温度は71℃であった。
紫外線照射後、液晶光学素子は白濁を呈した。次に、上記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、液晶光学素子は透明となった。上記透過状態におけるヘイズ値は2%以下であり、透明性は良好であった。集光角5°のシュリーレン光学系にて、本素子の透明状態と白濁状態とのコントラストを室温にて測定したところ、8であった。
[実施例8]
負の誘電異方性を示すネマティック液晶(Tc=84.5℃、Δn=0.221、Δε=−6.98)に、右旋性の光学活性物質(BASF社製:Paliocolor LC756、上記ネマチック液晶中のHTPは42)を添加し、螺旋ピッチが2μmのカイラルネマティック液晶とした。上記右旋性の光学活性物質は光硬化性化合物であり、上記液晶組成物におけるその含有率は1.2質量%である。さらに、上記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物に対し、約1.0質量%の光重合開始剤(ベンゾインイソプロピルエーテル)を添加することにより、本発明にかかる液晶組成物(液晶組成物I)を得た。この液晶組成物IのN−I相転移温度は83℃であった。
次に、液晶組成物Iを真空注入法にて実施例1と同様のセルに注入して注入孔を封止した。次に、このセルの電極端子部に、実効値7Vでパルス幅が300msのバイポーラーの矩形波パルスを印加したところ、このセルは白濁して均一な光散乱状態を示した。この光散乱状態を示すセルに、電圧を印加しない状態で、実施例1と同様にして紫外線を照射して硬化性化合物を硬化させることにより液晶光学素子を得た。この液晶光学素子中の液晶のN−I相転移温度は84.5℃であった。
紫外線照射後、液晶光学素子は白濁を呈した。次に、上記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、液晶光学素子は透明となった。上記透過状態におけるヘイズ値は2%以下であり、透明性は良好であった。集光角5°のシュリーレン光学系にて、本素子の透明状態と白濁状態とのコントラストを室温にて測定したところ、5であった。
[比較例1]
硬化性化合物として、ウレタンアクリレートオリゴマー(東亞合成社製:アロニックス M1200)とイソオクチルアクリレートを質量比で12/7となるよう混合して均一な硬化性組成物(硬化性組成物Q)を得た。次に、実施例1と同じ正の誘電異方性を示すネマティック液晶(メルク社製:品名BL−002、Tc=72℃、Δn=0.246、Δε=16)と硬化性組成物Qを質量比で31/19となるよう混合して均一な組成物を得た。さらに、含まれる硬化性組成物に対し、約1質量%の光重合開始剤(ベンゾインイソプロピルエーテル)を添加して均一に溶解して組成物(組成物D)を得た。室温で組成物Dは、液晶状態を示さず等方相となり、均一な透明状態を呈した。
次に、透明電極間に設ける球形ビーズのスペーサの直径を8μmとした以外は実施例1と同様に、液晶組成物Dに接する基板面にプレチルト角が10°以下となるポリイミド配向膜を備えたセルに、液晶組成物Dを吸引注入法にて注入して、注入孔を封止した。吸引注入法を用いるため、シール部には2箇所以上の孔を設けた。液晶組成物Dを注入後に、このセルは均一な透明状態を示した。次に、室温にて、ガラス基板面に中心波長が365nmで照射強度が10W/mの紫外線をセルの両面から3分間照射して、液晶組成物Dを硬化させることにより液晶光学素子を得た。
紫外線照射後、この液晶光学素子は白濁を呈した。次に、上記一対のITO電極間に200Hz、40Vの矩形波電圧を印加したところ、液晶光学素子は透明となった。透過状態におけるヘイズ値は2%以下であり、集光角5°のシュリーレン光学系にて、本素子のガラス基板に垂直方向からの入射光に対する透過率を測定したところ、ガラス基板表面での反射や透明電極層での入射光の吸収を含んだ状態で84%であった。次に、同じ測定系にて入射光に対して45°傾けて本素子を配置した際の透過率を測定したところ、透過率は72%であった。透明状態の本素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察すると徐々にヘイズが大きくなり、良好な透明性は失われていった。同じ測定光学系にて、本素子の透明状態と白濁状態とのコントラストを室温にて測定したところ、5であった。
[比較例2]
実施例3と同じ正の誘電異方性を示すネマティック液晶に非硬化性の右旋性の光学活性物質(メルク社製:R−1011)を添加し、螺旋ピッチを1μmのカイラルネマティック液晶を調製した。次に、下記化学式(2)で示される光学活性物質でない硬化性化合物(硬化性化合物R)を、(2)を含む全体に対して、実施例3の液晶組成物Bが含む硬化性化合物の含有量と同じく、1.8質量%となるように添加した。
Figure 2008007715
さらに、上記液晶組成物に含まれる硬化性化合物Rに対し、約1質量%の光重合開始剤(ベンゾインイソプロピルエーテル)を添加することにより、本発明にかかる液晶組成物(液晶組成物E)を得た。
次に、液晶組成物Eを真空注入法にて、対向する電極付き基板間に設けるスペーサとなる樹脂ビーズの直径を4μmとした以外は実施例3と同様のセルに注入して注入孔を封止した。次に、このセルの電極端子部に、実効値12Vでパルス幅が500msのバイポーラーの矩形波パルスを印加したところ、このセルは白濁して均一な光散乱状態を示した。実施例3と同様にして、このセルに紫外線を照射して硬化性化合物を硬化させることにより液晶光学素子を得た。
紫外線照射後、液晶光学素子は同様に白濁を呈した。次に、上記一対のITO電極間に200Hz、60Vの矩形波電圧を印加したところ、液晶光学素子は透明となり、電圧印加を急激に除去すると、弱い光散乱を示す透明状態となった。再び60Vの矩形波電圧を印加したところ、液晶光学素子は透明となり、次に、徐々に印加電圧を除去して電圧非印加状態とすると、液晶光学素子は光散乱状態を呈した。
本液晶光学素子において液晶/硬化物複合体中の液晶は、非硬化性の光学活性物質を含むカイラルネマティック液晶である。すなわち、カイラルネマティック液晶相が本質的に有する配向記憶能が残留しており、印加電圧の除去の速度によって異なる液晶配向を示す双安定状態を示し、電圧非印加状態での光散乱状態が安定でない。
本発明にかかる液晶光学素子は、自動車のサンルーフに特に好適であるが、この他の用途にも利用することができる。例えば、窓(自動車用(サイドウインドウ、ドアガラス、リアクウォータ等)、建築用、航空機用、船舶用、鉄道車両用等)、天窓、間仕切り、扉等の建築の内装・外装の材料、サインボード、広告商用媒体、大型の間仕切り装置、投射型表示装置と組み合わせた投射用のスクリーン、カメラやデジタルカメラのファインダー等に適用することができる。冷蔵庫の扉に用いることによって、冷蔵庫の扉を開けることなく、内部に収容されている食品を確認することができる。あるいは、図形やパターンを組み合わせて表示しあるいは文字などを表示させて、利用者に情報を提供するようにすることができる。また、透明板に必要に応じて、文字等の装飾を施してもよい。

なお、2006年7月14日に出願された日本特許出願2006−194172号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (11)

  1. 少なくとも一方が透明である一対の絶縁基板と、
    前記絶縁基板の各内面に形成された電極と、
    前記絶縁基板の内面間に挟持されたネマティック液晶と硬化物との複合体とを備えた液晶光学素子であって、
    前記複合体は、下記カイラルネマティック液晶組成物が前記絶縁基板の内面間に挟持されかつ液晶が配向された状態で該液晶組成物中の前記硬化性化合物を硬化させることにより得られることを特徴とする液晶光学素子。
    カイラルネマティック液晶組成物:ネマティック液晶と硬化性化合物とを含み、該硬化性化合物の少なくとも一部が旋光性を有する光学活性物質であり、かつ含まれる旋光性を有する光学活性物質が実質的に該硬化性化合物のみからなる、カイラルネマティック相を示す液晶組成物。
  2. 電極に電圧を印加しない状態で前記硬化性化合物を硬化させることによって得られる、請求項1に記載の液晶光学素子。
  3. 前記カイラルネマティック液晶組成物をフォーカルコニック配向とした状態で、前記硬化性化合物を硬化させる請求項1または2に記載の液晶光学素子。
  4. 前記カイラルネマティック液晶組成物が、さらに、光学活性物質ではない硬化性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶光学素子。
  5. 前記硬化性化合物の総量がカイラルネマティック液晶組成物全体に対して0.1〜20質量%である請求項1〜4のいずれかに記載の液晶光学素子。
  6. 前記カイラルネマティック液晶組成物の誘電異方性が正である請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶光学素子。
  7. ネマティック液晶と硬化物との複合体とを備えた液晶光学素子の製造方法であって、
    少なくとも一方が透明である一対の絶縁基板の各内面に電極を形成する工程と、
    下記カイラルネマティック液晶組成物を介し、前記絶縁基板の内面同士を対向させて当該絶縁基板を貼り合わせる工程と、
    前記液晶組成物が前記絶縁基板の内面間に挟持されかつ液晶が配向された状態で当該液晶組成物中の前記硬化性化合物を硬化させることにより前記複合体を形成する工程とを備えることを特徴とする液晶光学素子の製造方法。
    カイラルネマティック液晶組成物:ネマティック液晶と硬化性化合物とを含み、該硬化性化合物の少なくとも一部が旋光性を有する光学活性物質であり、かつ含まれる旋光性を有する光学活性物質が実質的に該硬化性化合物のみからなるカイラルネマティック相を示す液晶組成物。
  8. 前記硬化性化合物の硬化を、電極に電圧を印加しない状態で行う、請求項7に記載の液晶光学素子の製造方法。
  9. 前記カイラルネマティック液晶組成物をフォーカルコニック配向とした状態で、前記硬化性化合物を硬化させる請求項7または8に記載の液晶光学素子の製造方法。
  10. 前記カイラルネマティック液晶組成物に電圧を印加してフォーカルコニック配向とする請求項9に記載の液晶光学素子の製造方法。
  11. 前記カイラルネマティック液晶組成物を加熱または冷却してフォーカルコニック配向とする請求項9に記載の液晶光学素子の製造方法。
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