JPWO2008001455A1 - フィルムインサート型樹脂成形体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

射出成形におけるフィルムへのダメージを低減すると共に、溶融樹脂を金型内にスムーズに流動させ、成形後のヒケを低減し、かつボスの除去が容易なフィルムインサート型樹脂成形体を得る。加飾用のフィルム4を有するフィルムインサート型樹脂成形体1において、フィルム4を貼った側の面と反対側にある裏面に、射出成形後に、溶融樹脂を供給した際に形成されるボスを除去することにより残留する突起10を備え、その突起10は、ボスの断面積より大きく、かつ一方向に伸びる扁平形状または複数方向に延びる放射形状の底面を有する。

Description

本発明は、加飾用のフィルムを有するフィルムインサート型樹脂成形体およびその製造方法に関する。
フィルムインサート型樹脂成形体は、加飾を施した特殊フィルムを金型内に装着してから射出成形を行うことにより、その特殊フィルムと一体成形される樹脂成形体である。フィルムインサート型樹脂成形体は、樹脂成形体の形状に沿って加飾を施すことができる自由度と、外傷に強い加飾が得られる等の長所を有することから、AV機器、携帯電話のフロントパーツ、自動車の内装パーツ等に広く用いられている。
しかし、高温の溶融樹脂をフィルムに向けて射出するので、フィルムに対して悪影響を与えることも少なくない。例えば、フィルムが溶融樹脂の熱と圧力によって軟化し、射出充填される溶融樹脂の流動によって延伸され、その結果、成形体の立ち上がり部外面を覆う端部またはその周辺にシワが生じるという問題がある。かかる問題を解決するために、例えば、成形体の立ち上がり部頂面と立ち上がり部外面とがなす角部に相当する箇所で金型に接触せずに湾曲させ、かつ端面が成形体の立ち上がり部内面の端縁に相当する箇所で金型に接触するように予備成形および打抜き加工が施されたフィルムを使用する方法が知られている(特許文献1を参照)。
特開2005−104114号公報(特許請求の範囲)
また、上記のような問題の他に、高温高圧状態の溶融樹脂をフィルムに向けて射出すると、フィルムがダメージを受けやすいという問題がある。図14は、フィルムにダメージを生じたフィルムインサート型樹脂成形体100の斜視図である。フィルム101は、図14の紙面表方向に存在する。溶融樹脂は、図14の紙面裏側から射出されるため、溶融樹脂の経路となった部分にはボス102が残る。ボス102の終端103は、溶融樹脂の射出口に相当する部分である。射出口から高温高圧状態の溶融樹脂が射出されると、終端103の裏側に対応するフィルム101の一部(図中の斜線部分)がダメージを受けて、表側から見ると焼けたような跡104になる。この状況を、図15に基づいてさらに詳細に説明する。
図15は、射出成形時の状況を説明するための図である。図15では、さらに、点線で丸く囲んだ部分を拡大して示している。第二の金型110には、溶融樹脂の経路111が形成されている。第一の金型120には、加飾用のフィルム101が敷かれている。高温高圧状態の溶融樹脂は、矢印pで示すように、経路111を通り、その出口である射出口112からフィルム101に向けて射出される。この結果、フィルム101には、ゲートバーンと称するダメージ115が生じる。このダメージ115が原因となり、フィルムインサート型樹脂成形体100を表側から見ると、図14に示す焼けたような跡104になる。フィルム101は、第一の金型120側から順に、アクリル系樹脂層131と、加飾層132と、バッキング層133とから主に構成されている。、加飾層132がダメージを受けると、図14に示す焼けたような跡104になる。
このようなフィルム101へのダメージを防止するには、経路111の断面積を大きくして溶融樹脂の流速を小さくする方法、射出口112を経路111より広くして、射出時の流速を小さくする方法が考えられる。しかし、これらの方法には、次のような問題がある。
経路111の断面積を大きくする方法の場合、ボスが太くなり、この結果、不要なボスを除去する際に、ボスの切断が困難になる。加えて、ボスの位置の外表面にヒケが生じる。一方、射出口112を経路111より広くする方法の場合、経路111の転写により形成されるボスは容易に切断できるが、単純に射出口112を広げるだけでは、転写により形成される突起の部分が太くなるため、ヒケが生じる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、射出成形におけるフィルムへのダメージを低減すると共に、溶融樹脂を金型内にスムーズに流動させ、成形後のヒケを低減し、かつボスの除去を容易にすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、加飾用のフィルムを有するフィルムインサート型樹脂成形体において、フィルムを貼った側の面と反対側にある裏面に、射出成形後に、溶融樹脂を供給した際に形成されるボスを除去することにより残留する突起を備え、その突起がボスの断面積より大きく、かつ一方向に伸びる扁平形状または複数方向に延びる放射形状の底面を有するフィルムインサート型樹脂成形体としている。このため、溶融樹脂を金型内にスムーズに流動させることができると共に、突起の部位で溶融樹脂の流速が小さくなるので、フィルムへのダメージを低減できる。加えて、突起を残して、ボスのみを容易に除去することができる。さらに、突起の体積を比較的低くすることができるので、ヒケが生じにくい。
また、別の本発明は、先の発明における突起を、その先端から底面に向かって面積が大きくなる形状を有する突起としたフィルムインサート型樹脂成形体としている。このため、突起は、溶融樹脂が空気を巻き込まずに流れて固化したものとなる。
また、別の本発明は、先の各発明における突起の先端を、ボスの断面積より大きい面積を有するものとしたフィルムインサート型樹脂成形体としている。このため、突起とボスとの境界に明確な段差があるため、ボスを切断除去しやすい。
また、別の本発明は、加飾用のフィルムを有するフィルムインサート型樹脂成形体の製造方法において、第一の金型の内側に加飾用のフィルムを配置するフィルム配置工程と、溶融樹脂の経路の断面積より大きい開口面積を有すると共に、一方向に伸びる扁平形状または複数方向に延びる放射形状を有する溶融樹脂の射出口を備えた第二の金型を、第一の金型の開口部の上方に配置する金型配置工程と、射出口から溶融樹脂を射出する溶融樹脂供給工程と、第一の金型と第二の金型とを分離する金型分離工程とを有するフィルムインサート型樹脂成形体の製造方法としている。このため、このフィルムインサート型樹脂成形体の製造方法を採用すると、溶融樹脂を金型内にスムーズに流動させることができると共に、突起の部位で溶融樹脂の流速が小さくなるので、フィルムへのダメージを低減できる。さらに、突起の体積を比較的低くすることができるので、ヒケが生じにくい。
また、別の本発明は、先の発明における射出口の形状を、経路の終端面との接続面から射出口の開口面に向かって面積が大きくなる形状としたフィルムインサート型樹脂成形体の製造方法としている。このため、このフィルムインサート型樹脂成形体の製造方法を採用すると、溶融樹脂が経路の終端面との接続面から射出口の開口面に移行する際に、空気を巻き込まずに流れる。この結果、射出口の転写により形成される突起は空気を巻き込まないものとなる。
また、別の本発明は、先の各発明の射出口を、経路の終端面との接続面の面積が経路の断面積より大きい面積である射出口としたフィルムインサート型樹脂成形体の製造方法としている。このため、このフィルムインサート型樹脂成形体の製造方法を採用すると、溶融樹脂の固化後に、突起とボスとの境界に明確な段差が形成されるため、その段差の部位にてボスを切断除去しやすくなる。
本発明によれば、加飾用のフィルムを有するフィルムインサート型樹脂成形体において、射出成形におけるフィルムへのダメージを低減すると共に、溶融樹脂を金型内にスムーズに流動させ、成形後のヒケを低減し、かつボスの除去を容易にすることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るフィルムインサート型樹脂成形体の斜視図である。 図2は、図1に示す突起を拡大して示す図である。 図3は、図1に示すフィルムインサート型樹脂成形体を製造する工程の一部を示す図である。 図4は、溶融樹脂供給部の一部にて固化したランナーおよびサブマリンゲートと、突起の上方にボスを有するフィルムインサート型樹脂成形体の一部を示す図である。 図5は、図3のXで示す点線で丸く囲まれた部分を拡大して示す図である。 図6は、第二の金型の凸部側から射出口を見た状況を示す図である。 図7は、フィルムインサート型樹脂成形体の主な製造工程を示すフローチャートである。 図8は、ボスの除去前のフィルムインサート型樹脂成形体を示す図である。 図9は、図8に示すボスと突起の部分を拡大して示す図である。 図10は、図9に示す突起とボスの組み合わせ以外の変形例を示す図である。 図11は、図9に示す突起とボスの組み合わせ以外の変形例を示す図である。 図12は、図9に示す突起とボスの組み合わせ以外の変形例を示す図である。 図13は、図9に示す突起とボスの組み合わせ以外の変形例を示す図である。 図14は、フィルムにダメージが生じたフィルムインサート型樹脂成形体の斜視図である。 図15は、射出成形時の状況を説明するための図である。
符号の説明
1 フィルムインサート型樹脂成形体
2 開口部
3 穴
4 フィルム
10 突起
11 薄板
11a 上面(接続面)
11b 下面
12 薄板
13 薄板
14 薄板
15 ボス
20 金型
21 第一の金型
22 第二の金型
23 凹部
24 凸部
25 隙間
30 溶融樹脂供給部
31 経路
32 射出口
40 ランナー
41 サブマリンゲート
以下、本発明に係るフィルムインサート型樹脂成形体およびその製造方法の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳述する。この実施の形態では、天面に穴を有する碗型のフィルムインサート型樹脂成形体であって、天面から側面までの表面の一部に加飾用のフィルムがインサートされているものを例に、説明する。ただし、本発明に係るフィルムインサート型樹脂成形体は、上記形態のフィルムインサート型樹脂成形体に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係るフィルムインサート型樹脂成形体1の斜視図である。
フィルムインサート型樹脂成形体1は、開口部2を有する碗型の樹脂成形体であって、その天面には、矩形の穴3が設けられている。天面および側面の一部には、加飾用のフィルム4がインサートされている。フィルムインサート型樹脂成形体1は、PC/ABSアロイから成る樹脂成形体と、アクリル系樹脂(トップフィルム)とABS樹脂(バッキング層)との間に加飾層を挟んだ3層構造から成るフィルム4とから構成される。バッキング層は、射出成形時に、溶融樹脂から加飾層を保護すると同時にフィルムと射出成形樹脂とを溶着させるための層である。以後、天面を「表面」、開口部2側の面を「裏面」と、それぞれ称する。フィルムインサート型樹脂成形体1の裏面における穴3の近傍には、穴3を挟む対向位置に、2つの突起10,10が形成されている。突起10は、射出成形後にボスを除去した後に残されたものである。
図2は、図1に示す突起10を拡大して示す図である。
突起10は、略台形の薄板11の台形面に、三角形の薄板12の端面を固定した形状を有する。薄板11の上面11aの長さW1は、薄板11の下面11bの長さW2よりも短い。突起10は、射出成形時に矢印L方向から流れてきた溶融樹脂が矢印L1、矢印L2および矢印L3の3方向に分流することにより形成される。
図3は、図1に示すフィルムインサート型樹脂成形体1を製造する工程の一部を示す図である。
射出成形用の金型20は、フィルムインサート型樹脂成形体1の表面に沿った内側の面を有する凹部23を備えた第一の金型21と、フィルムインサート型樹脂成形体1の裏面に沿った面を有する凸部24を備えた第二の金型22とから、主に構成される。金型20をセッティングするに先立ち、第一の金型21の凹部23にフィルム4が敷かれる。次に、隙間25を隔てて、第一の金型21の凹部23に第二の金型22の凸部24を対向させる。第二の金型22には、第二の金型22の内部を通って凸部24の表面に開口し、隙間25に向けて溶融樹脂を射出するための2つの溶融樹脂供給部30,30が形成されている。なお、溶融樹脂供給部30,30は、一部のみを図3に示している。
図4は、溶融樹脂供給部30,30の一部にて固化したランナー40およびサブマリンゲート41と、突起10の上方にボス15を有するフィルムインサート型樹脂成形体1の一部を示す図である。
この実施の形態に係るフィルムインサート型樹脂成形体1は、ボス15より溶融樹脂の供給上流側に、ランナー40およびサブマリンゲート41を有する。ランナー40およびサブマリンゲート41は、第二の金型22と第一の金型21とを分離する際に除去される。ボス15および突起10は、第二の金型22と第一の金型21とを分離した段階では、未だ、フィルムインサート型樹脂成形体1の側に残されている。ボス15は、太すぎるとヒケの原因になるため、好適には、断面が略半円形の柱状体に形成される。ボス15は、フィルムインサート型樹脂成形体1にとって不要な部分なので、成形後、切断等の方法によって除去される。この結果、図1および図2に示すように、フィルムインサート型樹脂成形体1には、ボス15の下方に接続する突起10だけが残される。
図5は、図3のXで示す点線で丸く囲まれた部分を拡大して示す図である。なお、図5は、図4のAで示す方向から金型20を見た状態を示す。
溶融樹脂供給部30は、溶融樹脂の経路31と、その経路31の終端面に連接され、凸部24側に開口する射出口32とから構成される。経路31は、幅Dより広い幅W1を有する射出口32とつながっている。加えて、射出口32は、経路31の終端面との接続面から徐々に幅を広げ、幅W2を有する開口面に向かう末広がり型の形状を有している。このため、溶融樹脂が経路31から射出口32から射出される際に、その流速が小さくなると共に、空気を巻き込まずに溶融樹脂を射出できる。このように、射出口32から射出される溶融樹脂の流速は、経路31を通過する際の流速よりも小さいので、フィルム4へのダメージを減らすことができる。しかも、射出口32の形状の転写により形成される突起10は、気泡の少ない樹脂成形体であるため、強度に優れている。この結果、ボス15を折り曲げて切除する際に、突起10を破損することなく、確実にボス15を切除することができる。
図6は、第二の金型22の凸部24側から射出口32を見た状況を示す図である。
射出口32は、略T字形状に開口している。その開口面は、長さW2の長方形の面と、その長方形の面の中心から長さ(W2)/2だけ垂直方向に伸びる長方形の面とから構成される。このため、溶融樹脂は、射出口32の開口形状にしたがって、経路31から3方向に広がるように射出される。この結果、溶融樹脂がフィルム4に接触する際の流速を小さくすると同時に、3方向に隙間25内を流れる溶融樹脂の流速をある程度大きくすることができる。したがって、溶融樹脂は、フィルム4に大きなダメージを与えずに、かつ金型20内の隙間25をスムーズに流れる。この結果、フィルム4の一部が表側から焼けたように見えることなく、かつ樹脂が隙間25のすみずみまで充填される。また、射出口32の幅(薄板11および薄板12の厚さに相当する部分)を隙間25の高さHに対して1/2以上2/3以下の範囲とすると、大きな肉厚部の形成にならず、ヒケの発生を抑えることができる。
図7は、フィルムインサート型樹脂成形体1の主な製造工程を示すフローチャートである。図8は、ボス15の除去前のフィルムインサート型樹脂成形体1を示す図である。図9は、図8に示すボス15と突起10の部分を拡大して示す図である。
まず、第一の金型21の内側に加飾用のフィルム4を配置する(ステップS101:フィルム配置工程)。次に、第一の金型21の凹部23の上方に、第二の金型22の凸部24を対向させて、金型20をセッティングする(ステップS102:金型配置工程)。次に、射出口32から第一の金型21と第二の金型22との隙間25に、240〜260℃のPC/ABSアロイから成る溶融樹脂を射出する(ステップS103:溶融樹脂供給工程)。溶融樹脂供給工程の間、金型20は、40〜60℃に保持される。次に、溶融樹脂が固化した後、第一の金型21と第二の金型22を分離する(ステップS104:金型分離工程)。ステップS104の直後のフィルムインサート型樹脂成形体1は、図8に示す形態を有する樹脂成形体であり、ボス15が形成された状態となっている。次に、突起10から伸びるボス15を、突起10から除去する(ステップS105)。図9に示すように、突起10上方のボス15の終端面の断面積S1(図9中の斜線で示す領域)は、突起10の上面11aの面積S2より小さいので、突起10の上面11aにてボス15を容易に切除することができる。こうして、フィルムインサート型樹脂成形体1が完成する。
図10、図11、図12および図13は、突起10とボス15の組み合わせの変形例を示す図である。なお、これらの図では、ボス15が最終的に除去される部分であることを考慮して、ボス15を一点鎖線で示す。
図10に示すように、突起10は、2枚の略台形の薄板11をクロスさせた形態を有するものでも良い。このような形態の突起10が形成されるように第二の金型22の射出口32の形状を設計すると、溶融樹脂は、射出口32から4方向に流れていく。フィルムインサート型樹脂成形体1の形態と射出口32の位置に応じて、図10に示す突起10を形成できるような射出口32を採用しても良い。
さらに、図11に示すように、突起10の形状を、直方体の薄板13の最も広い一つの側面に、直方体の薄板14の端面を固定した形状としても良い。このような形態の突起10が形成されるように第二の金型22の射出口32の形状を設計すると、溶融樹脂は、射出口32から3方向に流れていく。さらに、突起10の上方および下方の各面積は同一なので、経路31から出た溶融樹脂は、射出口32に入った際にその流速を減じ、ほぼ一定の速度で射出口32から出る。また、2枚の直方体の薄板13,14をクロスさせた形状の突起を採用しても良い。
また、図12に示すように、突起10の形状を、図2に示す突起10の形状と同じ形状にし、ボス15の終端面の面積S1(図12中の斜線で示す領域)を、突起10の上面11aの面積S2と同一にしても良い。
さらに、図13に示すように、突起10を、略台形の薄板11のみから構成しても良い。このような形態の突起10が形成されるように第二の金型22の射出口32の形状を設計すると、溶融樹脂は、射出口32から2方向に流れていく。フィルムインサート型樹脂成形体1の形態と射出口32の位置に応じて、図13に示す突起10を形成できるような射出口32を採用しても良い。
このように、フィルムインサート型樹脂成形体1の形態と射出口32の位置に応じて、各種形態の射出口32を採用でき、その結果、各種形態の突起10を形成することができる。また、射出口32の位置は、好ましくは、フィルム4以外の箇所で溶融樹脂が合流するように設けられる。フィルム4にシワが生じるのを防止する必要からである。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、種々変形を施した形態にて実施可能である。
例えば、射出口32の形状を変えることによって、突起10の形状を、T字形状、クロス形状、直線形状以外に、溶融樹脂を流す方向に対応して、直線に2つの別の直線を直交させた形状、スター形状等の多種多様な形状とすることができる。また、射出口32の上方から下方にかけて広がる角度は、射出する樹脂の種類、フイルムインサート型樹脂成形体の形状または大きさ等に応じて、適宜変更可能である。
また、樹脂成形体は、PC/ABSアロイ以外の他の樹脂、例えば、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、あるいは生分解性の樹脂(例えば、ポリ乳酸)から成るものでも良い。フィルム4についても、アクリル系樹脂とABS樹脂との間に加飾層を挟んだ構造のものに限定されるものではなく、樹脂成形体に用いられる樹脂と相溶性のあるバッキング層を持つフィルム4であれば、どのような層構造のフィルム4を採用しても良い。また、フィルム4として、予め2次成形されたフィルムを用いても良い。
また、サブマリンゲート41以外のゲート、例えば、サイドゲート、オーバーラップゲート、ピンポイントゲート、ダイレクトゲート等の他のゲートを採用しても良い。突起10の先端(上面11a)の面積S2は、ボス15の終端面の面積S1より小さくすることもできる。溶融樹脂の流速は、経路31から射出口32の入口に入る瞬間に一時的に大きくなるが、射出口32がその下方の開口側に向かって広がっていると、溶融樹脂の流速はすぐに小さくなる。このため、フィルム4へのダメージを十分低減することができる。
次に、本発明の実施例について、比較例と比較しながら説明する。
1.製造条件・評価条件
(実施例)
第二の金型に形成される射出口の形状は、図6に示す形状と同一とした。1つの射出口の開口面積は46.0mmとし、第二の金型に、合計3つの射出口を設けた。射出容積は、300cmとした。射出する樹脂は、PC/ABSアロイとし、240〜260℃の範囲の温度にて、3.0秒間射出した。射出成形中、金型の温度は、40〜60℃に保持した。フィルムには、アクリル系樹脂とABS樹脂の間に銀色の加飾層を挟んだ3層構造のフィルムを用いた。得られたフィルムインサート型樹脂成形体については、フィルムへのダメージ(ゲートバーンという)の程度と、射出容積中に樹脂が十分に充填されたか否かを評価した。ゲートバーンの具体的な評価基準としては、ダメージがほとんどない場合を「○」、少しダメージがある場合を「△」、大きなダメージがある場合を「×」と評価した。また、射出容積中への樹脂の充填の程度は、十分に充填されなかった場合に、「ショート」と評価した。
(比較例1)
第二の金型において、半月形状の断面を有する経路をそのまま延長して射出口とした。1つの射出口の開口面積は4.6mmとし、第二の金型に、合計3つの射出口を設けた。射出容積、射出する樹脂、射出時の溶融樹脂の温度、射出成形中の金型の温度、フィルムについては、実施例と同じ条件とした。射出時間は、2.0秒とした。評価は、実施例と同じ項目につき行った。
(比較例2)
射出時間を2.8秒とした以外の条件については、比較例1と同じ条件とした。評価は、実施例と同じ項目につき行った。
(比較例3)
射出時間を6.1秒とした以外の条件については、比較例1と同じ条件とした。評価は、実施例と同じ項目につき行った。
(比較例4)
射出時間を14.0秒とした以外の条件については、比較例1と同じ条件とした。評価は、実施例と同じ項目につき行った。
(比較例5)
第二の金型において、半月形状の断面を有する経路をそのまま延長して射出口とした。1つの射出口の開口面積は13.4mmとし、第二の金型に、合計3つの射出口を設けた。射出容積、射出する樹脂、射出時の溶融樹脂の温度、射出成形中の金型の温度、フィルムについては、実施例と同じ条件とした。射出時間は、2.8秒とした。評価は、実施例と同じ項目につき行った。
(比較例6)
射出時間を8.0秒とした以外の条件については、比較例5と同じ条件とした。評価は、実施例と同じ項目につき行った。
2.評価結果・考察
表1に、実施例および比較例1〜6の条件で得られたフィルムインサート型樹脂成形体の評価結果を示す。
Figure 2008001455
表1に示すように、比較例1〜6の条件では、ゲートバーンが発生した。ゲート通過の流速は、射出時間を長く調整することにより小さくなったが、ゲートバーンの解消には至らなかった。また、比較例3、比較例4および比較例6の場合には、射出時間が長過ぎたために、溶融樹脂の固化が進行して流動性が低下し、射出容積内に充填不足になるという評価「ショート」になった。
これに対して、実施例の条件の場合には、ゲート通過の流速が十分に小さくなり、ゲートバーンの発生は確認されなかった。また、溶融樹脂は射出容積に十分充填された。
上記結果から、切断除去に支障のない太さのボスを形成可能な経路断面積を採用し、射出時間を変化させても、ゲートバーンが発生した。射出時間を長くすると、ゲート通過の流速が小さくなり、ゲートバーンの程度が小さくなる傾向も認められたが、その一方で溶融樹脂の充填不足が発生した。このことから、射出時間の調整では、ゲートバーンの防止と溶融樹脂の十分な充填とを両立できないと考えられる。
これに対して、経路から続く射出口を実施例のような形状にすると、ゲート通過の流速を十分小さくできると共に、分岐した先では溶融樹脂の流速を大きくすることができる。この結果、ゲートバーンの防止と溶融樹脂の十分な充填とを両立できたと考えられる。
本発明は、射出成形によって加飾フィルムをインサートした樹脂成形体を用いる電子機器、自動車の内装パーツ等を製造あるいは使用する産業において利用することができる。

Claims (6)

  1. 加飾用のフィルムを有するフィルムインサート型樹脂成形体において、
    上記フィルムを貼った側の面と反対側にある裏面に、射出成形後に、溶融樹脂を供給した際に形成されるボスを除去することにより残留する突起を備え、
    上記突起は、上記ボスの断面積より大きく、かつ一方向に伸びる扁平形状または複数方向に延びる放射形状の底面を有することを特徴とするフィルムインサート型樹脂成形体。
  2. 前記突起は、その先端から前記底面に向かって面積が大きくなる形状を有することを特徴とする請求項1に記載のフィルムインサート型樹脂成形体。
  3. 前記突起の先端は、前記ボスの断面積より大きい面積を有することを特徴とする請求項1または2に記載のフィルムインサート型樹脂成形体。
  4. 加飾用のフィルムを有するフィルムインサート型樹脂成形体の製造方法において、
    第一の金型の内側に加飾用のフィルムを配置するフィルム配置工程と、
    溶融樹脂の経路の断面積より大きい開口面積を有する射出口であって、一方向に伸びる扁平形状または複数方向に延びる放射形状を有する溶融樹脂の射出口を備えた第二の金型を、上記第一の金型の開口部の上方に配置する金型配置工程と、
    上記射出口から溶融樹脂を射出する溶融樹脂供給工程と、
    上記第一の金型と上記第二の金型とを分離する金型分離工程と、
    を有することを特徴とするフィルムインサート型樹脂成形体の製造方法。
  5. 前記射出口は、前記経路の終端面との接続面から前記射出口の開口面に向かって面積が大きくなる形状を有することを特徴とする、請求項4に記載のフィルムインサート型樹脂成形体の製造方法。
  6. 前記射出口における前記経路の終端面との接続面は、前記経路の断面積より大きい面積を有することを特徴とする請求項4または5に記載のフィルムインサート型樹脂成形体の製造方法。
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