JPWO2007145217A1 - 輝度向上フィルム、その製造方法、および液晶表示装置 - Google Patents

輝度向上フィルム、その製造方法、および液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

透明性の向上、打ち抜き加工性の向上、製品コストの低減化を可能にした輝度向上フィルムおよびその製造方法を提供する。スチレン系樹脂層を含む樹脂フィルムを延伸してなる位相差フィルム、コレステリック規則性を有する樹脂層を含む偏光分離フィルム、および前記位相差フィルムと前記偏光分離フィルムとの間に、温度23℃における剪断貯蔵弾性率が1〜500MPaである組成物からなる接着層を含んでなる積層フィルムを、輝度向上フィルムとして用いる。

Description

本発明は、光源からの光を偏光化する機能を有し、他の光学フィルムと組み合わせて、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイパネルなどの表示装置に用いることにより、前記表示装置おける光の利用効率を図って明るい表示を実現することのできる輝度向上フィルム、その製造方法、および液晶表示装置に関する。
従来、液晶セルの裏側サイドには、偏光板と輝度向上フィルムを貼り合わせた偏光板が設けられている。輝度向上フィルムは、液晶表示装置などのバックライトや裏側からの反射などにより自然光が入射すると所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過する特性を示すもので、輝度向上フィルムを偏光板と積層した偏光板は、バックライト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射される。この輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後ろ側に設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上フィルムに再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態の光として透過させて輝度向上フィルムを透過する光の増量を図ると共に、偏光子に吸収させにくい偏光を供給して液晶表示画像表示等に利用しうる光量の増大を図ることにより輝度を向上させうるものである。
前記輝度向上フィルムとしては、例えば誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光は反射する特性を示すもの、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持したものの如き、左回り又は右回りのいずれか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示すものなどが提案されている。
中でも、コレステリック液晶層の如く円偏光を透過するタイプの輝度向上フィルムでは、そのまま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑制する点よりその円偏光を位相差板を介し直線偏光化して偏光板に入射させることが好ましい。その位相差板としては1/4波長板を用いることにより、円偏光を直線偏光に変換することができる。通常、コレステリック液晶層の如く円偏光を透過するタイプの輝度向上フィルムでは、コレステリック液晶層と1/4波長板とを、他の接着手段を介して積層させて用いられており、いろいろな提案がなされている。
例えば、特許文献1(特許第3373374号公報)、及び特許文献2(特開平11−002722号公報)には、コレステリック液晶層からなる偏光分離フィルムと1/4波長板とを応力緩和性に優れる粘着層を介して接着した積層体からなる輝度向上フィルムが、開示されている。また、特許文献3(特開2004−191803号公報)には、コレステリック液晶フィルム、液晶配向フィルムおよび位相差板の各層が接着手段を介して積層されてなり、前記接着手段のいずれか少なくとも1つが、接着剤層であり、かつ23℃における貯蔵弾性率が0.5〜100MPaである輝度向上フィルムが、開示されている。
前記輝度向上フィルムは、まず、基本的に光の透過性が良好なことが大切である。その上で、光源や反射層からの自然光を効率的に直線偏光化する機能において、元の自然光の直線偏光への変換効率がより高いことが重要となる。
また、前記輝度向上フィルムが使用される液晶表示装置などの表示装置は、予期せぬ外力を受けたり、温度変化の激しい環境下で利用される。例えば、携帯電話は、使用者とともに様々な環境下を移動するので、その液晶装置には、様々な外力と温度変化がかかり続ける。またカーナビゲーション装置に用いられている液晶表示装置は、昼夜を通して温度が激しく変化する車中において使用される。そのため、外力や温度変化に対して十分な物理的耐久性を有することが重要となる。
また、前記輝度向上フィルムは、様々なサイズの表示装置に適用するために、それぞれの適用先の表示装置に合わせて、所望のサイズに打ち抜き加工されるが、プラスチックフィルムの積層体であるため、打ち抜き時の加工性が良好であることが重要となる。
さらに、液晶表示装置を始めとする表示装置は、近年、様々な用途に大量に使用される傾向にあり、製造コストの低減、特に使用材料面でのコスト低減が重要となる。
輝度向上フィルムという製品には、前述のように、高い透明性、光利用効率の向上、物理的耐久性の向上、打ち抜き加工性の向上、および製造コストの低減の諸条件が、それぞれ他の条件を犠牲にすることなく、同時に実現することが、重要な条件となる。
前述の諸特性を実現するとの観点から、前記従来の輝度向上フィルムを検討すると、特許文献1に開示の偏光素子は、粘着層を介して偏光分離フィルムと1/4波長板とを貼り合わせており、そのため、打ち抜き加工時に、打ち抜き刃に粘着成分が付着したり、粘着剤層の伸びが発生し、加工の効率が低下し、打ち抜き品の形状特性も不十分となる。
また、特許文献2では、前記特許文献1と同様に加工性における問題点に加えて、偏光分離フィルムにコレステリック液晶ポリマーを用いているため、その配向性を高めることが難しく、光の偏光化効率をさらに向上させることが難しい。
また、特許文献3は、3種のフィルムを接着手段によって一体化しており、積層体の耐クラック性を向上するために、粘着剤層と接着剤層とを使い分けて、使用している。すなわち、コレステリック液晶フィルム−粘着剤層−液晶配向フィルム−接着剤層−位相差板という積層構造を採用している。つまり、粘着剤と接着剤とを併用することで、各フィルムへの応力を緩和して、耐クラック性の向上を図っている。しかしながら、この特許文献3の輝度向上フィルムは、粘着剤を使用している点では、先の特許文献1と2と同様であり、この輝度向上フィルムには、打ち抜き刃への粘着剤の付着および粘着剤層の伸びという解決すべき問題が同様に存在する。また、5層の積層構造であるため、製造工程が複雑になり、歩留まりが低下する。さらに、この特許文献3の輝度向上フィルムは、液晶配向フィルムを必須要素として具備しているので、構成が複雑となる。
さらに、特許文献1、2、3を代表とする従来の輝度向上フィルム一般に要求される問題として、さらなる透明性の向上がある。これに対して、例えば、位相差フィルムとして透明性の高い高分子材料であるスチレン系樹脂層を有する複層フィルムを用いることが考えられるが、この複層フィルムは、比較的高い硬度を有するため、打ち抜き時にクラック等の打ち抜き不良を生じるおそれがある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その課題は、透明性の向上、打ち抜き加工性の向上、製品コストの低減化を可能にした輝度向上フィルムおよびその製造方法を提供することにある。
上述した課題を達成するために、本発明の輝度向上フィルムは、スチレン系樹脂層を含む樹脂フィルムを延伸してなる位相差フィルム、コレステリック規則性を有する樹脂層を含む偏光分離フィルム、および前記位相差フィルムと前記偏光分離フィルムとの間に、温度23℃における剪断貯蔵弾性率が1〜500MPaである組成物からなる接着層を含むことを特徴とする。
スチレン系樹脂層を含む樹脂フィルムを位相差フィルムの構成材料として使用することにより、本発明の輝度向上フィルムを液晶表示装置に搭載した時に、輝度向上フィルムに斜めから入射した光のうち出射してきた光を有効的に所望の偏光として取り出すことができる。また、温度23℃における剪断貯蔵弾性率が1〜500MPaである組成物からなる接着層を用いて、スチレン系樹脂層を含む樹脂フィルムを延伸してなる位相差フィルムと、偏光分離フィルムとを一体に接着し、良好な接着性と応力緩和性を同時に実現しているので、フィルムの打ち抜き加工性を良好な範囲に保つことができる。
本発明において、接着剤とは、常温(20±15℃:JIS規格)において粘着性を示さない接着性物質を意味し、粘着剤とは、常温において粘着性を示す接着性物質を意味する。従って、前記接着層は常温で粘着性を示さないものである。本発明でいう、粘着性を示さないとは、JIS Z0237の傾斜式ボールタック測定による測定で、ボールナンバーで2未満の粘着性を示すことをいう。
位相差フィルム及び偏光分離フィルムを接着剤により積層することによって、積層体である輝度向上フィルムの打ち抜き加工時において、打ち抜き刃への接着剤のこびり付きを防止することができる。
前記接着層の厚みは2μm〜50μmであることが好ましい。本発明に用いる接着剤は、常温において粘着性を持たない、いわゆるホットメルト型の接着剤であるので、厚みが2μm未満となると、常温下における接着性が不十分になり、接着剤の介装による積層フィルム間の応力緩和性が不十分になるおそれがある。逆に、50μmを超えると、接着剤の塗工が困難になり、積層体の外観不良も誘発されやすくなる。
前記コレステリック規則性を有する樹脂層が、重合性液晶化合物を含む液晶組成物を重合して形成された非液晶性の樹脂層であることが、好ましい。
重合性液晶化合物を用いることにより樹脂層の配向性を高めることができる。
前記位相差フィルムの、式I:Rth={(nx+ny)/2−nz}×d(式中、nxは厚み方向に垂直な方向であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表し、nyは厚み方向に垂直でnxに直交する方向の屈折率であり、nzは厚み方向の屈折率を表し、dは膜厚を表す。)で表される厚み方向におけるレターデーションRthが、−20〜−1000nmであることが、好ましい。かかるRthは、位相差フィルムが材料としてスチレン系樹脂を用いているために容易に設定することができる。かかるRthに設定された位相差フィルムは、安価に得ることができ、より高価な液晶配向フィルムの性能を代替することができる。
本発明の輝度向上フィルムの製造方法は、前記偏光分離フィルムと前記位相差フィルムとを、前記接着層を介して貼り合せる工程を含み、前記貼り合わせる工程において、前記偏光分離フィルムおよび前記位相差フィルムを40℃〜110℃の範囲で加熱して貼り合わせることを特徴とする。
本発明の輝度向上フィルムにおいては、その構成要素である位相差フィルムがスチレン系樹脂層を有しているため、熱に対する寸法安定性が高められており、その結果、前記温度範囲での熱接着が可能になっている。このホットメルト接着剤層により前述のように打ち抜き加工性が良好に維持される。
本発明の液晶表示装置は、前記に記載のいずれかの輝度向上フィルムを有することを特徴とする。
本発明にかかる輝度向上フィルムは、透明性、打ち抜き加工性が良好であり、しかも、製品コストの低減化が可能であり、各種表示装置に使用することにより表示装置の輝度を向上するとともに、表示装置のコストを低減することができる。
図1は、本発明にかかる輝度向上フィルムを構成する偏光分離フィルムの構成及び機能を示す説明図である。 図2は、本発明の液晶表示装置の構成を示す分解斜視図である。
前述のように、本発明にかかる輝度向上フィルムは、スチレン系樹脂層を含む樹脂フィルムを延伸してなる位相差フィルム、コレステリック規則性を有する樹脂層を含む偏光分離フィルム、および前記位相差フィルムと前記偏光分離フィルムとの間に、温度23℃における剪断貯蔵弾性率が1〜500MPaである組成物からなる接着層を含むことを特徴とする。
かかる構成の輝度向上フィルムの各構成要素について、以下にさらに詳しく説明する。
(スチレン系樹脂層を少なくとも含むフィルムを延伸してなる位相差フィルム)
本発明における位相差フィルムを構成する「スチレン系樹脂層を含むフィルム」は、従来提案されている公知のスチレン系樹脂複層フィルムを用いることができる。一例を挙げると、スチレン系樹脂からなるフィルム(a層)の両面に、他の熱可塑性樹脂からなるフィルム(b層)を積層してなる複層フィルムを挙げることができる。
前記a層を構成するスチレン系樹脂とは、スチレン構造を繰り返し単位の一部又は全部として有する樹脂であり、具体的には、ポリスチレン、又は、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-クロロスチレン、p-ニトロスチレン、p-アミノスチレン、p-カルボキシスチレン、p-フェニルスチレンなどのスチレン系単量体と、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、(メタ)アクリロニトリル、α-クロロアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、酢酸ビニルなどのその他の単量体との共重合体などを挙げることができる。これらの中で、ポリスチレン又はスチレンと無水マレイン酸との共重合体を好適に用いることができる。
本発明において、前記スチレン系樹脂の分子量は、使用目的に応じて適宜選定されるが、溶媒としてシクロヘキサンを用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常10,000〜300,000、好ましくは15,000〜250,000、より好ましくは20,000〜200,000である。また、このポリスチレン系樹脂は、ガラス転移温度が120℃以上であることが好ましく、120〜200℃であることがより好ましく、120〜140℃であることがさらに好ましい。
前記b層を構成する他の熱可塑性樹脂は、厚さ1mmの試験片を用いて測定した全光線透過率が70%以上であることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、脂環式オレフィンポリマー、メタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなどを挙げることができる。これらの中で、脂環式オレフィンポリマーやメタクリル酸エステル樹脂が好ましい。
本発明に好適に用いられる脂環式オレフィンポリマーは、主鎖及び/または側鎖にシクロアルカン構造を有する非晶性のオレフィンポリマーである。具体的には、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物などが挙げられる。これらの中でも、透明性や成形性の観点から、ノルボルネン系重合体がより好ましい。これらの脂環式オレフィンポリマーとしては、特開平05−310845号公報、特開平05−097978号公報、米国特許第6,511,756号公報に記載されているものが挙げられる。
本発明に好適に用いられるメタクリル酸エステル樹脂は、メタクリル酸エステルを主成分とする重合体であり、メタクリル酸エステルの単独重合体や、メタクリル酸エステルとその他の単量体との共重合体が挙げられる、メタクリル酸エステルとしては、通常、メタクリル酸アルキルが用いられる。共重合体とする場合は、メタクリル酸エステルと共重合するその他の単量体としては、アクリル酸エステルや、芳香族ビニル化合物、ビニルシアン化合物などが用いられる。
前記a層やb層には、必要に応じて酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、塩素捕捉剤、難燃剤、結晶化核剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、離型剤、顔料、有機又は無機の充填剤、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止剤、抗菌剤やその他の樹脂、熱可塑性エラストマーなどの公知の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。
本発明において、前記スチレン系樹脂及び前記他の熱可塑性樹脂は、それらのガラス転移温度をそれぞれTg(a)(℃)及びTg(b)(℃)としたとき、Tg(a)>Tg(b)+20℃の関係を満たすことが好ましい。このような関係を満たすことにより、延伸した際にスチレン系樹脂からなるa層に有効に光学的異方性を与えることができる。
a層の材料である前記スチレン系樹脂及びb層の材料である他の熱可塑性樹脂を積層して、スチレン系樹脂複層フィルムに成形する方法は、特に限定されないが、共押出Tダイ法、共押出インフレーション法、共押出ラミネーション法等の共押出による成形方法、ドライラミネーション等のフィルムラミネーション成形方法、及びコーティング成形方法などの公知の方法が適宜利用され得る。中でも、製造効率や、フィルム中に溶剤などの揮発性成分を残留させないという観点から、共押出による成形方法が好ましい。押出し温度は、使用する前記スチレン系樹脂、及び前記他の熱可塑性樹脂の種類に応じて適宜選択され得る。
本発明に用いるスチレン系樹脂複層フィルムは、前記a層の両面に、前記b層を積層してなる。a層とb層の間には、接着層や粘着層を設けることができるが、a層とb層とを直接に積層させる(つまり、b層/a層/b層の3層構成の積層体とする)ことが好ましい。また、このスチレン系樹脂複層フィルムにおいて、前記a層及びその両面に積層されたb層の平均厚みは特に制限はないが、好ましくはそれぞれ10〜300μm及び10〜400μmとすることができる。
前記スチレン系樹脂複層フィルムを延伸することにより本発明の輝度向上フィルムを構成する位相差フィルムを得ることができる。この延伸複層フィルムは、a層の延伸により設けられたA層、及びb層の延伸により設けられたB層を含むことができる。この延伸複層フィルム(位相差フィルム)は、前記スチレン系樹脂複層フィルムのb層/a層/b層の3層構造の積層体を延伸してなり、B層/A層/B層の3層構造の延伸フィルムであることが好ましい。この延伸は、好ましくは一軸延伸又は斜め延伸により行うことができ、さらに好ましくはテンターによる一軸延伸又は斜め延伸により行うことができる。
この延伸複層フィルム(位相差フィルム)においては、前記A層と前記B層の間の層間剥離強度が、1.3N/25mm以上であることが好ましい。ここで、層間剥離強度は、JIS K−6854−2に準拠して、引張速度100mm/分で180度剥離により測定された値である。このような層間剥離強度を有することにより、耐久性の高い延伸複層フィルムとすることができる。
また、この延伸複層フィルム(位相差フィルム)は、好ましくは、全光線透過率が92%以上、且つ、ヘーズが5%以下である。このように高い全光線透過率および低いヘーズを有することにより、位相差フィルムとして良好な特性を有するものとなる。
本発明に用いる位相差フィルムとしては、前記Rthを、式I:Rth={(nx+ny)/2−nz}×d(式中、nxは厚み方向に垂直な方向であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表し、nyは厚み方向に垂直でnxに直交する方向の屈折率であり、nzは厚み方向の屈折率を表し、dは膜厚を表す。)で表わした場合、−20〜−1000nmであることが好ましく、−50〜−300nmであることがより好ましい。
この位相差フィルムの厚み方向のレターデーションRthの値を前記負の範囲にすることにより、この位相差フィルムに、従来の輝度向上フィルムに使用されていた液晶配向フィルムの代替として十分な光学特性を持たせることができる。なお、前記厚み方向のレターデーションRthは、位相差フィルムを幅方向で等間隔に測定し、各測定点における厚み方向のレターデーション値の平均値として表される。
本発明に用いる位相差フィルムとして、入射光に対して1/4波長の位相差を与えるものであることがより好ましい。通常、可視光線の中心波長、例えば550nm付近において式II:Re=(nx−ny)×d(式中、nxは厚み方向に垂直な方向であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表し、nyは厚み方向に垂直でnxに直交する方向の屈折率を表し、dは膜厚を表す。)で表される面内方向のレターデーションReが1/4波長の位相差を与えるものを1/4波長板と称している。
本発明においては、前記面内方向のレターデーションReが、可視光線の中心波長である波長550nmにおいて波長の1/4であることが好ましく、波長410〜660nmを含む可視光領域のどの波長でもほぼ1/4波長であることがより好ましい。ほぼ1/4とは、0.15〜0.40、好ましくは、0.18〜0.36、さらに好ましくは、0.20〜0.30、の範囲であることを意味する。なお、前記面内方向のレターデーションReは、位相差フィルムを幅方向で等間隔に測定し、各測定点における面内方向のレターデーション値の平均値として表される。
また、本発明に用いる位相差フィルムとして、波長400〜700nmの光で測定した前記A層及び前記B層の面内方向のレターデーションの総和をそれぞれRe(A)及びRe(B)としたとき、式(1)及び式(2)を満たし、且つ、波長400〜700nmの光で測定した面内方向のレターデーションをRe、厚み方向のレターデーションをRthとしたとき、式(3)及び式(4)を満たすものであることが特に好ましい。
式(1):|Re(A)|>|Re(B)|
式(2):|Re(B)|<20nm
式(3):Rth/|Re|≦−0.5
式(4):Rth<0
Re(A)、Re(B)、Re及びRthがこれらの関係を満たすことにより、この延伸複層フィルムは、位相差フィルムとして、良好な光学的特性を得ることができる。
本発明に用いる位相差フィルムは、延伸温度や延伸倍率等の延伸条件を適宜調整することにより製造することができる。延伸温度は、前記Tg(a)−10(℃)〜前記Tg(a)+20(℃)が好ましく、前記Tg(a)−5(℃)〜前記Tg(a)+15(℃)の範囲であることがより好ましい。延伸倍率は、1.05〜30倍が好ましく、1.1〜10倍であることがより好ましい。延伸温度や延伸倍率が、上記範囲を外れると、配向が不十分で屈折率異方性、ひいてはレターデーションの発現が不十分になったり、積層体が破断したりするおそれがある。
本発明に用いる位相差フィルムは、その少なくとも片面に直径0.001〜0.1μmの突起があり、該突起の個数が50〜500個/30μmであることが好ましい。このような突起を有することにより、延伸複層フィルム表面の滑り性が向上し、延伸複層フィルムのハンドリング性が良くなる。
(コレステリック規則性を有する樹脂層を少なくとも含む偏光分離フィルム)
本発明の構成要素である偏光分離フィルムはコレステリック規則性を有する樹脂層を含む。本発明においては、コレステリック規則性を有する樹脂層が、重合性液晶化合物を含む液晶組成物を重合して形成された非液晶性の樹脂層であることが好ましい。
本発明に用いる偏光分離フィルムが有するコレステリック規則性を有する樹脂層を構成する重合性液晶化合物として、例えば、下記一般式(1)で表される重合性液晶化合物を挙げることができる。
3−C3−D3−C5−M−C6−D4−C4−R4 (1)
(式中、R3及びR4は反応性基であり、それぞれ独立して(メタ)アクリル基、(チオ)エポキシ基、オキセタン基、チエタニル基、アジリジニル基、ピロール基、ビニル基、アリル基、フマレート基、シンナモイル基、オキサゾリン基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、及びアルコキシシリル基からなる群より選択される基を表す。D3及びD4は単結合、炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、及び炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレンオキサイド基からなる群より選択される基を表す。C3〜C6は単結合、−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH2−、−OCH2−、−C=N−N=C−、−NHCO−、−OCOO−、−CH2COO−、及び−CH2OCO−からなる群より選択される基を表す。Mはメソゲン基を表し、具体的には、非置換又はハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素原子数1〜10個の直鎖状又は分岐状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基で1つ以上置換されていてもよい、アゾメチン類、アゾキシ類、ビフェニル類、ターフェニル類、ナフタレン類、アントラセン類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類の群から選択された2〜4個の骨格を−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH2−、−OCH2−、−C=N−N=C−、−NHCO−、−OCOO−、−CH2COO−、及び−CH2OCO−等の結合基によって結合されて形成される。)
本発明において、前記重合性液晶化合物は非対称構造であることが好ましい。ここで非対称構造とは、一般式(1)において、メソゲン基Mを中心としてR3−C3−D3−C5−と−C6−D4−C4−R4が異なる構造のことをいう。該液晶性化合物として、非対称構造のものを用いることにより、配向均一性をより高めることができる。
前記重合性液晶化合物は、そのΔn値(複屈折値)が0.18以上、好ましくは0.22以上である。Δn値が0.30以上の化合物を用いると、紫外線吸収スペクトルの長波長側の吸収端が可視域に及ぶ場合があるが、該スペクトルの吸収端が可視域に及んでも所望する光学的性能に悪影響を及ぼさない限り、使用可能である。このような高いΔn値を有することにより、高い光学的性能を有する円偏光分離フィルムを与えることができる。
前記重合性液晶化合物は、1分子中に少なくとも2つ以上の反応性基を有することが好ましい。前記反応性基としては、具体的にはエポキシ基、チオエポキシ基、オキセタン基、チエタニル基、アジリジニル基、ピロール基、フマレート基、シンナモイル基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、メルカプト基、ビニル基、アリル基、メタクリル基、アクリル基等が挙げられる。これらの反応性基を有することにより、本発明に用いるコレステリック樹脂組成物を硬化させた際に、安定した硬化物を得ることができる。1分子中に反応性基が1つ以下の化合物を用いると、コレステリック樹脂組成物を硬化させた際に、架橋した硬化物が得られないため実用に耐えうる膜強度が得られない。後述する架橋剤を使用した場合でも、膜強度が不足してしまい実用は困難である。実用に耐えうる膜強度とは鉛筆硬度(JIS K5400)でHB以上、好ましくはH以上である。HBより低いと傷がつきやすくハンドリング性に欠けてしまう。好ましい鉛筆硬度の上限は、光学的性能や耐久性試験に悪影響を及ぼさなければ特に限定されない。
本発明に用いられるコレステリック規則性を有する樹脂層を構成する液晶組成物は、必要に応じてさらに他の任意成分を含有することができる。当該他の任意成分としては、架橋剤、光重合開始剤、カイラル剤、溶媒、ポットライフ向上のための重合禁止剤、耐久性向上のための酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等を挙げることができる。これらの任意成分は、所望する光学的性能を低下させない範囲で添加できる。
本発明に用いられるコレステリック規則性を有する樹脂層を構成する液晶組成物の製造方法は、特に限定されず、上記必須成分及び任意成分を混合することにより製造することができる。
本発明の輝度向上フィルムの構成要素である偏光分離フィルムは、前記液晶組成物を透明樹脂基材に塗布し、少なくとも1回の、加温及び/又は光照射により硬化してなる。
前記透明樹脂基材は、特に限定されず1mm厚で全光透過率80%以上の基材を使用することができる。具体的には、脂環式オレフィンポリマー、ポリエチレンやポリプロピレンなどの鎖状オレフィンポリマー、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、変性アクリルポリマー、エポキシ樹脂などの合成樹脂からなる単層又は積層のフィルムが挙げられる。これらの中でも、脂環式オレフィンポリマー又は鎖状オレフィンポリマーが好ましく、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、脂環式オレフィンポリマーが特に好ましい。
前記透明樹脂基材は、必要に応じて、配向膜を有することができる。配向膜を有することにより、その上に塗布されたコレステリック規則性を有する樹脂層を構成する液晶組成物を所望の方向に配向させることができる。配向膜は、基材表面上に、必要に応じてコロナ放電処理等を施した後、セルロース、シランカップリング剤、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エポキシアクリレート、シラノールオリゴマー、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、ポリオキサゾール、環化ポリイソプレンなどを水又は溶剤に溶解させた溶液等を、リバースグラビアコーティング、ダイレクトグラビアコーティング、ダイコーティング、バーコーティング等の公知の方法を用いて塗布し、乾燥させ、その後、乾燥塗膜にラビング処理を施すことにより形成することができる。配向膜の平均厚みは、所望する樹脂層の配向均一性が得られる厚みであれば特に制限されないが、0.001〜5μmであることが好ましく、0.01〜2μmであることがさらに好ましい。
前記透明樹脂基材へのコレステリック規則性を有する樹脂層を構成する液晶組成物の塗布は、リバースグラビアコーティング、ダイレクトグラビアコーティング、ダイコーティング、バーコーティング等の公知の方法により行うことができる。
前記塗布により得られた塗布層を硬化する前に、必要に応じて、配向処理を施すことができる。配向処理は、例えば塗布層を50〜150℃で0.5〜10分間加温することにより行うことができる。当該配向処理を施すことにより、コレステリック規則性を有する樹脂層を構成する液晶組成物を良好に配向させることができる。
必要に応じて配向処理を施した後、コレステリック規則性を有する樹脂層を構成する液晶組成物を硬化させることにより、コレステリック規則性を有する樹脂層を有する偏光分離フィルムを得ることができる。前記硬化の工程は、少なくとも1回、の加温及び/又は光照射により行うことができる。加温条件は、具体的には、例えば、温度40〜140℃、時間は1秒〜3分とすることができる。本発明において光照射に用いる光とは、可視光のみならず紫外線及びその他の電磁波をも含む。光照射は、具体的には、例えば波長200〜500nmの光を0.01秒〜3分照射することにより行うことができる。また、例えば、0.01〜50mJ/cm2の微弱な紫外線照射と加温とを複数回交互に繰り返し、反射帯域の広い偏光分離フィルムとすることもできる。
前記透明樹脂基材上へのコレステリック規則性を有する樹脂層を構成する液晶組成物の塗布及び硬化の工程は、1回に限られず、塗布及び硬化を複数回繰り返し2層以上の樹脂層を形成することもできる。
本発明の輝度向上フィルムを構成する偏光分離フィルムにおいて、コレステリック規則性を有する樹脂層の乾燥膜厚は好ましくは3.0μm〜10.0μm、より好ましくは3.5〜8.0μmである。3.0μmより薄いと反射率が低下してしまい、10.0μmより厚いと、樹脂層に対して斜め方向から観察した時に着色してしまうため、それぞれ好ましくない。
(偏光分離フィルム)
図1は、本発明の輝度向上フィルムに用いる偏光分離フィルム1を模式的に表したものである。図1では、基材2の上に配向膜3が積層され、配向膜3の上にコレステリック樹脂層4が積層されている。コレステリック樹脂層4は、ピッチが異なる四つの層(ピッチがP0、P1、P2、P3の各層)からなっている。図1では、ピッチpが、P0、P1、P2、P3の順に広くなっている。なお、図1では、各コレステリック樹脂層P0、P1、P2及びP3の1周期分のカイラル構造しか図示していないが、カイラル構造は2周期以上になっていてもよい。
この偏光分離フィルム1のコレステリック樹脂層4に、光が入射すると、特定波長領域の左回り又は右回りの何れかの円偏光のみが反射される。反射された円偏光以外の光は透過する。偏光分離フィルムのコレステリック樹脂層4に入射角θ1で入射した白色光は、コレステリック樹脂層4表面で屈折して屈折角θ2でコレステリック樹脂層4内に入射し、波長λに対応したピッチPを持つコレステリック樹脂層4の中で一方の円偏光が反射角θ2で反射し、コレステリック樹脂層4表面で屈折して出射角θ1で出射する。屈折はスネルの法則に従って行われる。
図1に示すように、カイラル構造において分子軸が捩れる時の回転軸を表す螺旋軸5と、コレステリック樹脂層4の法線とが平行である場合、カイラル構造のピッチ(長さ)pと反射される円偏光の波長λとは、下記式(2)の関係を有する。
λ=n×p×cosθ2 (2)
ここで、n=(ne+no)/2(式中、noは重合性液晶化合物の短軸方向の屈折率を表し、neは重合性液晶化合物の長軸方向の屈折率を表す。)である。
従って、ピッチpのコレステリック樹脂層4で反射される円偏光の反射帯域は、下記式(3)で表される。
no×p×cosθ2≦λ≦ne×p×cosθ2 (3)
(接着層)
本発明の輝度向上フィルムを構成する接着層は、前記位相差フィルムと偏光分離フィルムとを接着しており、本発明の輝度向上フィルムの打ち抜き加工性を良好に維持するために重要な役目を果たしている部材である。その特徴は、温度23℃における剪断貯蔵弾性率が1〜500MPaである組成物から構成されている点にある。
(温度23℃における剪断貯蔵弾性率が1〜500MPaである組成物)
本発明の輝度向上フィルムに用いる接着層を構成する組成物は、温度23℃における剪断貯蔵弾性率が1〜500MPaである。
前記組成物は、少なくとも接着剤を構成する主ポリマーを含有する。該主ポリマーとしては、アクリル系重合体およびアクリル系共重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、ポリビニルアルコール、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/塩化ビニル共重合体、熱可塑性エラストマー、エポキシ系、天然ゴム系、合成ゴム系などが挙げられる。これらの中でも、透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集力を示し、耐候性に優れる点で、熱可塑性エラストマー、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸エステル共重合体が好ましい。熱可塑性エラストマーとは、加硫処理をしなくても、室温でゴム弾性を有する樹脂であり、具体的には、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−エチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン共重合体およびエチレン−プロピレンターポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびこれらにカルボキシル基、スルホニル基を導入したものが挙げられる。また、これらの主ポリマーの分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレンの重量平均分子量(Mw)で、通常10,000〜500,000であり、好ましくは20,000〜400,000である。
前記組成物には、主ポリマーの種類に応じて、他の配合剤を配合することができる。他の配合剤としては、粘着付与剤、架橋剤又は硬化剤、酸化防止剤、光拡散剤、消泡剤、安定剤が挙げられる。
上記粘着付与剤は、軟らかくなりかつ固体表面が濡れやすくなった主ポリマーに、粘着力を付与するものである。このような粘着付与剤としては、ロジンおよびロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロン-インデン樹脂、石油樹脂、水素化石油樹脂などが挙げられる。これらの中でも、透明性や主ポリマーとの相溶性に優れる点で、石油樹脂、水素化石油樹脂、テルペンフェノール樹脂が好ましい。粘着付与剤の配合量は、主ポリマー100重量部に対して、好ましくは2〜50重量部であり、より好ましくは5〜20重量部である。粘着付与剤の添加量が2重量部より少ないと、粘着付与剤の効果が発現せず、逆に添加量が50重量部を超えると、接着剤の凝集力の低下による接着力の低下が見られる傾向がある。
上記架橋剤又は硬化剤としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネート、ジフェニルメタントリイソシアネートなどの多官能イソシアネート架橋剤又は硬化剤;エチレングリコールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、などのエポキシ系架橋剤又は硬化剤;ビニルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシラン系架橋剤又は硬化剤;メラミン樹脂系架橋剤;金属キレート系架橋剤;アミン系架橋剤が用いられる。架橋剤又は硬化剤の配合量は、主ポリマー100重量部に対して、好ましくは0.001〜10重量部であり、より好ましくは0.01〜3重量部である。架橋剤又は硬化剤の添加量が0.001重量部より少ないと、架橋剤の効果が発現せず、耐候性試験などで発泡や剥離が目立つ。逆に架橋剤又は硬化剤の添加量が10重量部より多くなると、接着剤の応力緩和性が低下し、ソリなどが目立つようになる。
上記酸化防止剤としては、テトラキス(メチレン−3−(3,5ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン等のフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤が挙げられる。酸化防止剤の配合量は、接着層の透明性や接着力が低下しない範囲である。
本発明に用いる接着層を構成する組成物の剪断貯蔵弾性率は、主ポリマー組成および粘着付与剤の添加量、架橋剤の添加量などにより変化する。
主ポリマー組成については、共重合体において、ソフトセグメントとなるモノマーの比率を上げることにより、常温における剪断貯蔵弾性率が低下する傾向がある。逆にハードセグメントとなるモノマーの比率を上げることにより、常温における剪断貯蔵弾性率は上昇する傾向がある。また、同組成物においても、重合体の分子量を低下させることでゴム状平坦領域を示す温度幅が狭くなり、常温における剪断貯蔵弾性率が低下する傾向にある。逆に、重合体の分子量を上昇させることでゴム状平坦領域を示す温度幅が広くなり、常温における剪断貯蔵弾性率が上昇する傾向にある。粘着付与剤は一般に、軟化点が60度以上と高く、分子量が数千程度と低い。粘着付与剤を添加することで、接着剤組成物の凝集力が低下し、室温における剪断貯蔵弾性率の低下が見られる。また、架橋剤を混合することで、接着剤組成物の凝集力が上昇し、室温における剪断貯蔵弾性率の上昇が見られる。
前記組成物、すなわち、ホットメルト型接着剤の23℃における剪断貯蔵弾性率は、1〜500MPaに調製することが必須要件である。23℃における剪断貯蔵弾性率が1MPa未満であると、常温において粘着性が発現し、積層フィルムの打ち抜きなどの後加工の際に、打ち抜き刃やタブ剤に糊残りが生じてしまう。逆に、23℃における剪断貯蔵弾性率が500MPaを超えると、フィルムをラミネートするために必要な粘着性を発現させるために、例えば110℃を超えるような高温になるまで加熱しなければならない。110℃を超える温度では、フィルムへの熱負荷が大き過ぎて、フィルムに変形が生じるおそれがある。また、接着剤のフィルムとの接着力も低下する。前記組成物の23℃における剪断貯蔵弾性率は、好ましくは2〜300MPaであり、より好ましくは5〜250MPaである。
前記接着剤により積層してなる輝度向上フィルムの180度剥離接着強度は、10N/25mm以上とすることができる。また、積層された輝度向上フィルムにおける接着層の全光線透過率は、80%以上、さらには85%以上に設定可能であり、位相差フィルムがスチレン系樹脂層を有するために高い透明性を有することと合わせて、本発明の輝度向上フィルムの透明性は、従来品を凌駕する透明性を具備することができる。
前記組成物を用いて接着剤として使用する場合は、前記組成物を溶剤又は水に、溶解又は分散させて用いる。前記溶剤としては、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコールなどを用いることができる。
本発明の輝度向上フィルムにおいて、接着層の平均厚みが、2μm〜50μmであることが好ましく、5μm〜30μmであることがより好ましい。平均厚みは、接着層の厚みを幅方向に等間隔に測定し、各測定点における測定値の平均値で表される。
(輝度向上フィルムの製造方法)
本発明の輝度向上フィルムの製造方法は、前記偏光分離フィルムと前記位相差フィルムとを、前記接着層を介して貼り合わせる工程を含み、前記貼り合わせる工程において前記偏光分離フィルムおよび前記位相差フィルムを40℃〜110℃の範囲で加熱して貼り合わせることを特徴とする。
接着層を形成する方法としては、接着層を構成する組成物を、偏光分離フィルム又は位相差フィルムに直接、塗工し、乾燥する方法;ポリエチレンテレフタレートフィルムや表面にシリコーン系もしくはフッ素系離型処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、接着層を構成する組成物を塗工、乾燥し、これを偏光分離フィルム又は位相差フィルムに転写する方法が挙げられる。
接着剤の塗工方法は特に制限されず、例えば、ロールコート法、グラビアコート法、スピンコート法、バーコート法などが挙げられる。また、偏光分離フィルム又は位相差フィルムに接着層を構成する組成物を直接塗工する場合には、濡れ性および密着性を高めるために、塗工面を、適宜プラズマ放電処理、コロナ放電処理、紫外線処理、又は火炎処理してもよい。
本発明において、接着層を構成する組成物を、偏光分離フィルムに形成させる場合には、液晶表示装置に搭載した時の輝度向上率および外観を鑑みて形成させることが好ましい。ここで輝度向上率とは、液晶表示装置に本発明における輝度向上フィルムを搭載した時の輝度値と搭載していない時の輝度値の比で表される値である。
次いで、接着層と、接着層が形成されていない偏光分離フィルム又は位相差フィルムとを、40℃〜110℃の範囲で加熱して貼り合わせる。偏光分離フィルムまたは位相差フィルムの貼り合わせ面は、接着性を高めるために、プラズマ放電処理、コロナ放電処理、紫外線処理、火炎処理を施されていることが好ましい。貼り合わせ温度が、40℃未満であると偏光分離フィルムと位相差フィルムの接着が不十分となり、逆に110℃を超えるとフィルムの変形、ソリなどが発生しやすくなる。貼り合わせ温度の好ましい範囲は、60℃〜100℃である。
(液晶表示装置を構成する部材)
本発明では、前記偏光分離フィルム1を後述の特定の接着層を介して1/4波長板と組み合わせて輝度向上フィルムを構成し、この輝度向上フィルムを、偏光子X、液晶セル、及び偏光子Yを少なくとも有する液晶表示装置に取り付け、偏光子X、液晶セル、偏光子Y、本発明の輝度向上フィルム(位相差フィルム+接着層+偏光分離フィルム)の順に配列することによって、輝度を向上させた液晶表示装置を得ることができる。
本発明に用いる偏光子X及びYは、液晶表示装置等に用いられている公知の偏光子である。本発明に用いる偏光子は直角に交わる二つの直線偏光の一方を透過するものである。例えば、ポリビニルアルコールフィルムやエチレン酢酸ビニル部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムにヨウ素や二色性染料などの二色性物質を吸着させて一軸延伸させたもの、前記親水性高分子フィルムを一軸延伸して二色性物質を吸着させたもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルムなどが挙げられる。その他に、グリッド偏光子、多層偏光子などの偏光を反射光と透過光に分離する機能を有する偏光子が挙げられる。これらのうちポリビニルアルコールを含有する偏光子が好ましい。
本発明に用いる偏光子の偏光度は、特に限定されないが、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。偏光子の平均厚みは好ましくは5〜80μmである。
偏光子Xの偏光透過軸と偏光子Yの偏光透過軸とは、直角になるように、液晶セルを挟むように配置する。偏光子は吸湿によって偏光性能が変化することがある。これを防ぐために保護フィルムが偏光子XまたはYの両面に通常貼り合わせてある。
液晶セルは、数μmのギャップを隔てて対向する透明電極を設けた2枚のガラス基板の間に液晶物質を充填し、この電極に電圧を掛けて液晶の配向状態を変化させてここを通過する光の量を制御するものである。
液晶物質の配向状態を変化させる方式(動作モード)などによって、液晶セルは分類され、例えば、TN(Twisted Nematic)型液晶セル、STN(Super Twisted Nematic)型液晶セル、HAN(Hybrid Alignment Nematic)型液晶セル、IPS(In Plane Switching)型液晶セル、VA(Vertical Alignment)型液晶セル、MVA(Multiple Vertical Alignment型液晶セル、OCB(Optical Compensated Bend)型液晶セルなどが挙げられる。
(液晶表示装置)
図2は、本発明の液晶表示装置の一例を示す図である。図2に示すように、反射板10、冷陰極管11、拡散板12、プリズムシート(図示せず)、偏光分離フィルム1と位相差フィルム13とが接着剤層14を介して積層されてなる輝度向上フィルム15、偏光子Y16、液晶セル17、偏光子X18の順に配置されている。光源からの光には右偏光と左偏光とが含まれている。その光が偏光分離フィルム1に入射すると、一方の回転方向の円偏光(図中光の進行方向に向って右回転の円偏光)はそのままの回転方向を維持したまま偏光分離フィルム1を透過する。他方の回転方向の円偏光(図中、光の進行方向に向って左回転の円偏光)は偏光分離フィルム1で反射される(反射された円偏光は光の進行方向に向って左回転のままである)。透過した円偏光は、接着層14を介して偏光分離フィルム1に固着した位相差フィルム13により偏光子Y16の透過軸と平行な直線偏光に変換される。一方、反射された円偏光は、拡散板12で無偏光となり、光源11の背後に配置された反射板10によって反射され、再び偏光分離フィルム1に入射する。このようにして、光源11から出射した光が有効利用され、画面の表示輝度を向上させることができる。
なお、前記拡散板12は、一般に、粒子状の拡散材が樹脂等のマトリックス中に均一に分散し、それによって光を散乱拡散する機能を有する板として知られているものである。前記プリズムシートは、一般に、散乱等により広く進行方向が広がった光をシート面法線方向に狭める機能を有するシートとして知られているものである。
また、図2において、偏光分離フィルム1と接着層14との間、あるいは接着層14と位相差フィルム13との間に拡散シートを介在させて固着させてもよい。拡散シートは、一般に、透明フィルムの上に粒子状の拡散材が均一に分散するように積層されたものであり、光を散乱拡散する機能を有するシートとして知られているものである。
本発明では、偏光分離フィルム1の、位相差フィルム14側の面に、光拡散性を備えていることが好ましい。光拡散性とは、光を散乱拡散する性質のことである。光拡散性を備えさせるために、例えば、偏光分離フィルム1の表面に、粒子状の拡散材を均一に分散するように積層させる方法、基材に粒子状の拡散材を均一に分散する方法、または前記拡散シート12を偏光分離フィルム1に貼りあわせる方法などが挙げられる。
以下に、本発明の実施例を説明する。なお、以下の実施例により本発明はなんら限定されるものではない。
以下に、実施例1〜4と、比較例1〜3を示す。これらにおいては、輝度向上フィルムを構成する位相差フィルムと偏光分離フィルムとは同一構成のものを使用し、接着剤層の構成のみを変更した。
(偏光分離フィルムの作成)
平均厚み100μm、幅50mm、長さ200mmの脂環式オレフィンポリマーからなるフィルム((株)オプテス製、商品名「ゼオノアフィルム」)(以下、「基材」と記す。)の片面を、濡れ指数が56dyne/cmになるようにコロナ放電処理を施した。
次に、ポバール((株)クラレ社製、製品名「PVA226」)と、塩基としてトリヒドロキシシリル基含有アミノ化合物とを混合比80/20(重量比)で混合したものを、水/エタノール混合溶媒(混合比60/40重量比)に固形分率が3重量%となるように溶解し、調整した。調整した溶液を、前記基材のコロナ放電処理を施した面に、ワイヤーバー#2を用いて塗布し、100℃にて5分間加熱、乾燥した。加熱乾燥して得た膜上に基材の長手方向と平行にラビング処理を施し、厚さ0.1μmの配向膜を形成した。
前記配向膜上に、下記表1に示す組成の塗布液をワイヤバー#6を用いて塗布し、100℃にて5分間加熱、乾燥、および配向熟成した。熟成後の塗布膜に紫外線を70mJ/cm2(UV−A)を照射し、100℃にて5分間保持し、次いで紫外線を照射して塗布膜を硬化させ、平均膜厚3μmのコレステリック樹脂層を形成し、偏光分離フィルムを得た。
得られたコレステリック樹脂層は、400nm〜750nmまでの光線透過率が55%であり、反射率が35%であった。
Figure 2007145217
(位相差フィルムの作成)
メタクリル酸メチル97.8重量%とアクリル酸メチル2.2重量%とからなるモノマー組成物を、バルク重合法により重合させ、樹脂ペレットを得た。
特公昭55−27576号公報の実施例3に準じて、ゴム粒子を製造した。このゴム粒子は、球形3層構造を有し、芯内層が、メタクリル酸メチル及び少量のメタクリル酸アリルの架橋重合体であり、内層が、主成分としてのアクリル酸ブチルとスチレン及び少量のアクリル酸アリルとを架橋共重合させた軟質の弾性共重合体であり、外層が、メタクリル酸メチル及び少量のアクリル酸エチルの硬質重合体である。また、内層の平均粒子径は0.19μmであり、外層をも含めた粒径は0.22μmであった。
上記樹脂ペレット70重量部と、上記ゴム粒子30重量部とを混合し、二軸押出機で溶融混練して、メタクリル酸エステル重合体組成物A(ガラス転移温度105℃)を得た。
上記メタクリル酸エステル重合体組成物A(b層)、及びスチレン無水マレイン酸共重合体(ガラス転移温度130℃)(a層)を温度280℃で共押出成形することにより、b層/a層/b層の三層構造で、各層が45/70/45(μm)の平均厚みを有する複層フィルムを得た。この複層フィルムを、延伸温度128℃、延伸倍率1.4倍、延伸速度10m/分でテンター一軸延伸し、延伸複層フィルム(位相差フィルム)を得た。さらにこの位相差フィルムの片面を、濡れ指数が56dyne/cmになるようにコロナ放電処理を施した。
得られた位相差フィルムの波長550nmにおけるレターデーション値は、厚み方向のレターデーションRthは−118nm、面内方向のレターデーションReは140nmであった。
(接着剤を構成する組成物の23℃における剪断貯蔵弾性率の測定方法)
各接着剤液を計量カップにとり、80℃で10時間、100℃で30分乾燥機に入れて、水分を除去し、厚み約1.5mmのサンプルを作製した。このサンプルを直径8mmにカットし、粘弾性測定装置(英弘精機製、RheoStress RS600)を使用して温度23℃、周波数1Hz、歪み量0.5%の条件にて測定した。
(実施例1)
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(不揮発分40重量%、酢酸ビニル含有率40重量%)40重量部、石油樹脂エマルジョン(不揮発分40重量%、樹脂軟化点85℃)35重量部、及びパラフィンワックスエマルジョン(不揮発分40重量%、樹脂軟化点64℃)10重量部からなる、23℃における剪断貯蔵弾性率が10MPaである組成物にて形成される接着層を、前記偏光分離フィルムのコレステリック樹脂層上に平均厚みが20μmとなるように積層し、前記位相差フィルムのコロナ処理面とをラミネーターを用いて、80℃、2kgf/50mmのニップ圧にて貼り合わせを行い、輝度向上フィルム1を得た。
(実施例2)
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(不揮発分40重量%、酢酸ビニル含有率25重量%)73重量部、石油樹脂エマルジョン(不揮発分40重量%、樹脂軟化点85℃)2重量部、及びパラフィンワックスエマルジョン(不揮発分40重量%、樹脂軟化点64℃)10重量部からなる、23℃における剪断貯蔵弾性率が100MPaである組成物にて形成される接着層を、前記偏光分離フィルムのコレステリック樹脂層上に平均厚みが15μmとなるように積層し、前記位相差フィルムのコロナ処理面とをラミネーターを用いて、90℃、2kgf/50mmのニップ圧にて貼り合わせを行い、輝度向上フィルム2を得た。
(実施例3)
スチレン−アクリル酸エステル共重合体をベースポリマーとし、23℃における剪断貯蔵弾性率が50MPaである組成物(昭和高分子社製、ポリゾールL6850)からなる接着層を、前記偏光分離フィルムのコレステリック樹脂層上に平均厚みが18μmとなるように積層し、前記位相差フィルムのコロナ処理面とをラミネーターを用いて、80℃、2kgf/50mmのニップ圧にて貼り合わせを行い、輝度向上フィルム3を得た。
(実施例4)
スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体をベースポリマーとし、23℃における剪断貯蔵弾性率が100MPaである組成物(旭化成ケミカルズ製 アサプレンT436)からなる接着層を、前記偏光分離フィルムのコレステリック樹脂層上に平均厚みが15μmとなるように積層し、前記位相差フィルムのコロナ処理面とをラミネーターを用いて、90℃、2kgf/50mmのニップ圧にて貼り合わせを行い、輝度向上フィルム4を得た。
(比較例1)
アクリル酸エステル共重合体をベースポリマーとし、23℃における剪断貯蔵弾性率が0.1MPaである組成物(大同化成工業製 E−5301)からなる接着層を、前記偏光分離フィルムのコレステリック樹脂層上に平均厚みが25μmとなるように積層し、前記位相差フィルムのコロナ処理面とをラミネーターを用いて、25℃、2kgf/50mmのニップ圧にて貼り合わせを行い、輝度向上フィルム5を得た。
(比較例2)
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(不揮発分40重量%、酢酸ビニル含有率10重量%)75重量部、パラフィンワックスエマルジョン(不揮発分40重量%、樹脂軟化点64℃)10重量部からなる、23℃における剪断貯蔵弾性率が1000MPaである組成物にて形成される接着層を、前記偏光分離フィルムのコレステリック樹脂層上に平均厚みが14μmとなるように積層し、前記位相差フィルムのコロナ処理面とをラミネーターを用いて、90℃、2kgf/50mmのニップ圧にて貼り合わせを行い、輝度向上フィルム6を得た。
(比較例3)
アクリル酸エステル共重合体をベースポリマーとし、23℃における剪断貯蔵弾性率が800MPaである組成物(ニチゴーモビニール製 7980)からなる接着層を、前記偏光分離フィルムのコレステリック樹脂層上に平均厚みが18μmとなるように積層し、前記位相差フィルムのコロナ処理面とをラミネーターを用いて、80℃、2kgf/50mmのニップ圧にて貼り合わせを行い、輝度向上フィルム7を得た。
(評価)
(1)接着性の評価:
各例の輝度向上フィルムに対して180度剥離試験(剛性被着材として偏光分離フィルム、たわみ性被着材を位相差フィルムとした。)を、JIS K6854−2に準拠して実施した。層間剥離せずに凝集破壊した場合を良好、層間剥離を起こした場合を不良と判定した。その結果を下記表2に示した。
(2)打ち抜き加工時の打ち抜き刃への接着剤の付着度の評価:
各例の輝度向上フィルムをトリミング用カミソリ刃にて50mm×50mmサイズの矩形に切り出し、その時の刃への接着剤の付着のありなしを目視にて観察した。その結果を下記表2に併記した。
Figure 2007145217
実施例の輝度向上フィルムでは接着層の23℃における剪断弾性率が1〜500MPaの範囲内に設定されており、接着性は良好であり、打ち抜き刃への接着剤付着もなかった。これに対して、接着剤の23℃における剪断弾性率が0.1MPaであった比較例1では接着性が良好であったが、打ち抜き刃に接着剤が付着した。接着剤の23℃における剪断弾性率を500MPaを超える値に設定した比較例2(1000MPa)と比較例3(800MPa)では、打ち抜き刃への接着剤の付着はなかったが、層間剥離を生じ、接着性が不良であった。
(実施例5)
反射板、冷陰極管、拡散板およびプリズムシートからなるバックライトユニット上に、実施例1で作製した輝度向上フィルム1の偏光分離フィルム(A)側が拡散板側を向くように配置し、ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させて得られた偏光子Y、TN型液晶セル、偏光子Yと同様の偏光子Xとをこの順で配置し、図2に示すような液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を白表示モードにて発光させ、出光面側から観察した。表示面は全面に亘って着色がなく、輝度向上フィルム端部には接着層の欠けに基づくムラは視認されなかった。
(比較例4)
輝度向上フィルムを比較例1で作製したものに変更した以外は、実施例5と同様にバックライトユニット上に組み込み、液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例5と同様に白表示モードにて発光させ、出光面側から観察した。表示面は全面に亘って着色はないものの、輝度向上フィルム端部に接着層の欠けに基づくムラが視認された。
以上説明したように、本発明にかかる輝度向上フィルムは、透明性、打ち抜き加工性が良好であり、しかも、製品コストの低減化が可能であり、液晶表示装置を始め各種表示装置に使用することにより表示装置の輝度を向上するとともに、表示装置のコストを低減することができる。

Claims (7)

  1. スチレン系樹脂層を含む樹脂フィルムを延伸してなる位相差フィルム、
    コレステリック規則性を有する樹脂層を含む偏光分離フィルム、および
    前記位相差フィルムと前記偏光分離フィルムとの間に、温度23℃における剪断貯蔵弾性率が1〜500MPaである組成物からなる接着層を含むことを特徴とする輝度向上フィルム。
  2. 前記接着層が常温で粘着性を示さないことを特徴とする請求項1に記載の輝度向上フィルム。
  3. 前記接着層の平均厚みが2μm〜50μmであることを特徴とする請求項1に記載の輝度向上フィルム。
  4. 前記コレステリック規則性を有する樹脂層が、重合性液晶化合物を含む液晶組成物を重合して形成された非液晶性の樹脂層であることを特徴とする請求項1に記載の輝度向上フィルム。
  5. 前記位相差フィルムの、式I:Rth={(nx+ny)/2−nz}×d(式中、nxは厚み方向に垂直な方向であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表し、nyは厚み方向に垂直でnxの方向に直交する方向の屈折率であり、nzは厚み方向の屈折率を表し、dは膜厚を表す。)で表される厚み方向のレターデーション値Rthが、−20〜−1000nmであることを特徴とする請求項1に記載の輝度向上フィルム。
  6. 請求項1に記載の輝度向上フィルムの製造方法であって、
    前記偏光分離フィルムと前記位相差フィルムとを、前記接着層を介して貼り合せる工程を含み、
    前記貼り合わせる工程において、前記偏光分離フィルムおよび前記位相差フィルムを、40℃〜110℃の範囲で加熱して貼り合わせることを特徴とする輝度向上フィルムの製造方法。
  7. 請求項1に記載の輝度向上フィルムを有することを特徴とする液晶表示装置。
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