JPWO2007142337A1 - 積層体、流動体輸送管及びチューブ - Google Patents

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Abstract

本発明は、視認性に優れ、かつ薬液透過性が小さい積層体、及び、この積層体からなる流動体輸送管及びチューブを提供することを目的としたものである。本発明は、溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と着色層(B)とを有する積層体であって、上記着色層(B)は、クロロトリフルオロエチレン共重合体と着色剤とを含むものであり、上記クロロトリフルオロエチレン共重合体は、少なくともクロロトリフルオロエチレン単位、テトラフルオロエチレン単位、並びに、クロロトリフルオロエチレン及びテトラフルオロエチレンと共重合可能な単量体〔α〕に由来する単量体〔α〕単位を構成単位とするものであり、上記クロロトリフルオロエチレン単位及び上記テトラフルオロエチレン単位は、合計で90〜99.9モル%であり、上記単量体〔α〕単位は、0.1〜10モル%であることを特徴とする積層体である。

Description

本発明は、積層体、更にはこの積層体を用いた流動体輸送管及びチューブに関する。
含フッ素ポリマーを材料とする積層体は、耐薬品性、耐熱性等に優れているので、半導体や液晶パネル、医薬品、飲食品等の各種製造分野に利用されている。
なかでも半導体や液晶パネルの製造には、様々な強い腐食作用を持つ薬液や、研磨剤を含む界面活性剤入り液剤が用いられる。これらの薬液類を輸送するために、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体〔PFA〕からなるチューブを用いることができることはよく知られている。これは優れた耐食性と、流動体の輸送状況が視認できる透明性に負うところが大きい。
PFAからなるチューブは、製造ラインに何本も使用されるが、配管された個々のチューブに何の流動体が流通しているかを容易に認知できるものであること(視認性)が要求される。
この要求に応えるために、PFAと無機顔料とを混合したものとして、更に含フッ素オルガノポリシロキサン化合物を混合させてなる樹脂組成物とその成形体が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この成形体では、含まれる顔料が半導体や液晶パネルの製造ラインで汚染源になってしまう問題があった。
そこで、溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と、着色溶融加工性ポリマー層(B)とを積層状に有してなる流動体輸送管が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、薬液の透過性について更なる低減が要求されている。また、流動体輸送管は、両層の接着強度が低い、或いは両層が全く接着していないと薬液透過性が不充分となる可能性がある。
ところで、薬液の透過性が小さな含フッ素樹脂として、クロロトリフルオロエチレン共重合体が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。また、クロロトリフルオロエチレン共重合体を用いた積層体からなる流体移送部材が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、いずれの文献にも、具体的にクロロトリフルオロエチレン共重合体を着色させた記載は見当たらない。
特開2000−26688号公報 国際公開第2005/047747号パンフレット 国際公開第2005/100420号パンフレット 国際公開第2005/108051号パンフレット
本発明の目的は、優れた視認性を示すことができ、かつ薬液透過性が小さい積層体、及び、この積層体からなる流動体輸送管及びチューブを提供することにある。
本発明は、溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と着色層(B)とを有する積層体であって、上記着色層(B)は、クロロトリフルオロエチレン共重合体と着色剤とを含むものであり、上記クロロトリフルオロエチレン共重合体は、少なくともクロロトリフルオロエチレン単位、テトラフルオロエチレン単位、並びに、クロロトリフルオロエチレン及びテトラフルオロエチレンと共重合可能な単量体〔α〕に由来する単量体〔α〕単位を構成単位とするものであり、上記クロロトリフルオロエチレン単位及び上記テトラフルオロエチレン単位は、合計で90〜99.9モル%であり、上記単量体〔α〕単位は、0.1〜10モル%であることを特徴とする積層体である。
本発明は、上記積層体を用いてなることを特徴とする流動体輸送管である。
本発明は、上記積層体を用いてなることを特徴とするチューブである。
本発明は、上記流動体輸送管又は上記チューブを備えていることを特徴とする半導体製造装置である。
本発明は、上記流動体輸送管又は上記チューブを備えていることを特徴とする半導体製造ラインへの薬液供給システムである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の積層体は、溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と着色層(B)とを有するものである。
本明細書において、「溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と、着色層(B)とを有する」とは、上記溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と上記着色層(B)とが接していてもよいが、必ずしも上記溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と上記着色層(B)とが接していることを要さず、上記溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と、上記着色層(B)との間に他の層を有していてもよいことを意味する。
ここで、他の層とは、必ずしも後述のガスバリア層として性能を満たす必要はなく、要求される性能に応じて公知の材料から選択することができる。
本明細書において、「溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と、着色層(B)とを有する」とは、また、着色層(B)が溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)又は所望により設ける上記他の層の全面を被覆していることをも意味する。
上記着色層(B)は、全部が着色部分であるものであってもよいし、一部に着色部分を有しこの着色部分以外の部分が透明であるものであってもよい。
上記積層体において、溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と着色層(B)は、いずれが内層側に位置していてもよい。
本発明の積層体において、上記溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)は、一般に、溶融加工性含フッ素ポリマーからなるものである。
上記溶融加工性含フッ素ポリマーは、溶融加工性を有し炭素原子に結合した水素原子の少なくとも一つがフッ素原子に置換されてなるポリマーである。
上記溶融加工性含フッ素ポリマーとしては、クロロトリフルオロエチレン重合体、フッ化ビニル重合体、ビニリデンフルオライド重合体が挙げられるが、耐蝕性と加工性の点でテトラフルオロエチレン共重合体であることがより好ましい。
本明細書において、上記溶融加工性とは、ASTM D−1238及びD−2116に準拠して、結晶化融点より高い温度でメルトフローを測定できるポリマーの特性を意味する。
上記テトラフルオロエチレン共重合体は、テトラフルオロエチレン〔TFE〕と、TFE以外のフルオロオレフィン及び/又はフッ素非含有エチレン性モノマーとを共重合して得られるものである。
上記TFE共重合体において、上記TFE共重合体を構成する全単量体単位に占める上記TFE単位の割合は、80〜99モル%であることが好ましい。80モル%未満であると耐熱性に劣ることがあり、99モル%を超えると脆くなり耐クラック性の点で問題が生じることがある。より好ましい下限は85モル%、更に好ましい下限は、90モル%である。
本明細書において、上記「全単量体単位」とは、上記TFE共重合体の分子構造のうち、単量体に由来する全ての部分を意味する。
本明細書において、上記「TFE単位」とは、上記TFE共重合体の分子構造のうち、TFE単量体に由来する部分を意味する。
上記TFE以外のフルオロオレフィンとしては特に限定されず、例えば、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕、
Figure 2007142337
等のパーフルオロエチレン性モノマー;ビニリデンフルオライド〔VdF〕、トリフルオロエチレン、フッ化ビニル、トリフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ヘキサフルオロイソブテン等の水素含有フルオロエチレン性モノマー;クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕等の塩素含有フルオロエチレン性モノマー等が挙げられる。
上記PAVEとしては、得られる樹脂の耐クラック性やコストの面からパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)等を好適に用いることができる。
上記TFE以外のフルオロオレフィンは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記フッ素非含有エチレン性モノマーとしては特に限定されず、例えば、エチレン〔Et〕、プロピレン、ブテン、ペンテン等の炭素数2〜10のα−オレフィンモノマー;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキル基が炭素数1〜20のアルキルビニルエーテル等が挙げられる。
上記フッ素非含有エチレン性モノマーは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記テトラフルオロエチレン共重合体としては、耐蝕性、耐薬品性に特に優れ、更に、流動体輸送管として内部の流動体を汚染せず且つ可視光透過度が高い積層体とすることができる点で、TFE/PAVE共重合体〔PFA〕、TFE/HFP共重合体〔FEP〕、Et/TFE共重合体、又は、TFE/VdF共重合体であることが好ましく、PFAであることがより好ましい。
得られる積層体を流動体輸送管として使用し、牛乳等の流動体の殺菌を目的として輸送管外部からUV照射等を行う場合、耐熱性が要求される点、また雑菌が繁殖しにくい点で、PFAであることがより好ましい。
上記溶融加工性含フッ素ポリマーとしては、耐薬品性の点で、不安定末端が残存していないものが好ましい。本明細書において、不安定末端とは−COF、−CHOH、−CONH、−COOH等の容易に熱分解されやすい末端基を意味する。
特に、PFAは、耐薬品性の点で、−COF、−CHOH、−CONH等の不安定末端が残存していないものが好ましい。上記溶融加工性含フッ素ポリマーの末端基は、−CFであることが好ましい。
上記溶融加工性含フッ素ポリマーは、官能基含有エチレン性単量体を共単量体として重合したものであってもよい。
特に、上記溶融加工性含フッ素ポリマーは、テトラフルオロエチレン〔TFE〕共重合体である場合、後述する着色層(B)又はガスバリア層(C)との接着性を向上させる目的で、官能基含有エチレン性単量体を共単量体として重合したものであってもよい。
本明細書において、上記「官能基含有エチレン性単量体」とは、官能基として、ヒドロキシル基、カルボキシル基、塩を形成しているカルボキシル基、アルコキシカルボニル基及び/又はエポキシ基を有する単量体であって、炭素原子に直接結合しているフッ素原子を有するエチレン性不飽和化合物である。
上記官能基含有エチレン性単量体としては、下記一般式(I)
CX =CX―Rf―Y (I)
(式中、Yは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、塩を形成しているカルボキシル基、アルコキシカルボニル基又はエポキシ基を表し、X及びXは、同一又は異なって、水素原子若しくはフッ素原子を表し、Rfは、炭素数1〜40の含フッ素アルキレン基又は炭素数1〜40のエーテル結合を有する含フッ素アルキレン基を表す。)で表されるビニル単量体が好ましい。
上記官能基含有エチレン性単量体としては、下記式
Figure 2007142337
で表される各化合物等がより好ましい。
上記官能基含有エチレン性単量体を共単量体として用いる場合、上記TFE共重合体を構成する全単量体単位に占める上記官能基含有エチレン性単量体単位の割合は、0.002〜30モル%であることが好ましい。0.002モル%未満であると、上記官能基含有エチレン性単量体に基づく共重合の効果が検知し得る下限を下回る。より好ましい下限は0.01モル%、更に好ましい下限は、0.05モル%である。
本明細書において、上記「全単量体単位」とは、上記TFE共重合体の分子構造のうち、単量体に由来する全ての部分を意味する。
本明細書において、上記「官能基含有エチレン性単量体単位」とは、上記TFE共重合体の分子構造のうち、官能基含有エチレン性単量体に由来する部分を意味する。
上記「官能基含有エチレン性単量体単位」の割合は、官能基含有エチレン性単量体単位の種類により19F−NMR分析、赤外分光光度計[IR]、元素分析、蛍光X線分析を適宜組み合わせて行うことにより得られる値である。
上記溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)には、使用薬液に溶出しない限り着色剤が含まれていてもよい。該層における着色剤としては、後述の着色層(B)に含まれるものとして例示したものが挙げられる。
上記溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)の厚みは、特に限定されず、充分な可視光透過度を発揮する程度に適宜調整することができるが、0.01〜3.5mmであることが好ましい。
上記着色層(B)は、CTFE共重合体と着色剤とを含むものである。
上記着色層(B)におけるCTFE共重合体は、着色層(B)に用いる点で、溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)におけるCTFE共重合体とは区別すべき概念であるが、後述の構成単位とその含有量に関する要件を満たす限り、溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と同組成のCTFE共重合体であることを排除するものではない。
上記CTFE共重合体は、少なくともクロロトリフルオロエチレン単位〔CTFE単位〕、テトラフルオロエチレン単位〔TFE単位〕、並びに、CTFE及びTFEと共重合可能な単量体〔α〕に由来する単量体〔α〕単位を構成単位とするものである。
本明細書において、上記「CTFE単位」及び「TFE単位」は、CTFE共重合体の分子構造上、それぞれ、CTFEに由来する部分〔−CFCl−CF−〕、TFEに由来する部分〔−CF−CF−〕であり、上記「単量体〔α〕単位」は、CTFE共重合体の分子構造上、単量体〔α〕が付加してなる部分である。
上記単量体〔α〕としては、CTFE及びTFEと共重合可能な単量体であれば特に限定されず、エチレン〔Et〕、ビニリデンフルオライド〔VdF〕、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕、下記一般式(II)
CX=CX(CF (II)
(式中、X、X及びXは、同一若しくは異なって、水素原子又はフッ素原子を表し、Xは、水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表し、nは、1〜10の整数を表す。)で表されるビニル単量体、及び、下記一般式(III)
CF=CF−OCH−Rf (III)
(式中、Rfは、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体等が挙げられる。
上記単量体〔α〕としては、更に、国際公開第2005/100420号パンフレットに記載のCTFE及びTFEと共重合可能な不飽和カルボン酸類であってもよい。
上記単量体〔α〕は、Et、VdF、PAVE及び上記一般式(II)で表されるビニル単量体よりなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
上記CTFE共重合体は、TFEを必須単量体とし、更に、上記単量体〔α〕を後述の特定割合にて付加させて得られたものであることにより、耐熱性、成形性、耐ストレスクラック性、耐薬品性を向上することができたものである。
上記CTFE共重合体は、更に、ガスバリア性、水蒸気低透過性のみならず、薬液等の液体低透過性をも有するものである。
上記CTFE共重合体において、上記単量体〔α〕単位は、0.1〜10モル%であり、CTFE単位及び上記TFE単位は、合計で90〜99.9モル%である。上記単量体〔α〕単位が0.1モル%未満であると、成形性、耐環境応力割れ性及び耐ストレスクラック性に劣りやすく、10モル%を超えると、薬液低透過性、耐熱性、機械特性、生産性等に劣る傾向にある。
上記単量体〔α〕がPAVEである場合、上記単量体〔α〕単位のより好ましい下限は0.5モル%、より好ましい上限は5モル%、更に好ましい上限は3モル%である。
上記CTFE共重合体における各単量体単位の割合は、上述の官能基含有エチレン性単量体単位の割合と同様の方法で測定したものである。
本発明におけるCTFE共重合体としては、例えば、CTFE/TFE/HFP共重合体、CTFE/TFE/VdF共重合体、CTFE/TFE/PAVE共重合体、CTFE/TFE/HFP/PAVE共重合体、CTFE/TFE/VdF/PAVE共重合体、CTFE/TFE/Et共重合体、CTFE/TFE/Et/PAVE共重合体等が挙げられるが、なかでもCTFE/TFE/PAVE共重合体が好ましい。
上記CTFE共重合体は、樹脂、エラストマーの何れを構成するポリマーであってもよいが、好ましくは、樹脂を構成するものである。
上記CTFE共重合体としては、国際公開第2005/100420号パンフレットに記載の物性を有するものが好ましい。
上記着色層(B)において、着色剤は着色顔料であることが好ましい。
上記着色顔料(以下、単に「顔料」という。)の種類としては特に限定されず、例えば、カーボン、酸化チタン、ベンガラ、マイカ、酸化コバルト、酸化ビスマス、三酸化アンチモンホワイト、ケイ酸被覆黄鉛、ケイ酸被覆モリブデートオレンジ、ケイ酸被覆酸化鉄、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、カドミウムイエロー、群青、コバルト、バイオレット、酸化クロム等の無機顔料;フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料等の有機顔料等を1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記顔料としては、EU廃電機電子機器リサイクル令〔WEEE〕、特定物質の使用禁止令〔RoHS〕等で企業に環境保全の負担が求められるなか、カドミウム、鉛、コバルト〔化学物質排出移動量届出制度(PRTR)指定〕、アンチモン〔PRTR指定〕等は含まないことが好ましく、その代替としてチタン、ニッケル、ニオブ等を含む顔料が用いられることが好ましい。
上記顔料は、用いる種類にもよるが、得られる積層体の視認性の点で、上記CTFE共重合体100質量部に対して0.001〜20質量部であることが好ましい。
上記着色層(B)は、全体着色層として、顔料を均一に分散したマトリックスから構成したもの、表層部にエッチング等の表面処理を施し顔料を均一に分散したものであるもの等、部分的着色層として、模様が形成されるように顔料を配置し他の部分が透明であるもの、表層部が模様を形成するように表層部の溝に顔料を埋め込んだものであるもの、表層部が模様を形成するように上記溝に別途調製しておいた着色フィルム片を埋め込んだものであるもの、印刷のように表層部が模様を形成するように顔料を載せたもの等が挙げられ、これらのなかの何れであってもよいが、耐久性の点で、内部に顔料を均一に分散したマトリックスから構成したもの、即ち、CTFE共重合体からなり顔料を分散させたものであることが好ましい。
本明細書において、上記「模様」は、縞、水玉、螺旋等の通常の意味での模様のほか、アラビア数字、ローマ数字等の数字;アルファベット、漢字、ひらがな、カタカナ等の文字を含む概念である。
上記着色層(B)は、上述のCTFE共重合体及び着色剤に加え、所望により、該CTFE共重合体以外の樹脂を含むものであってもよい。上記CTFE共重合体以外の樹脂は、本発明の特徴を損なわない範囲で含有するものであり、上記着色層(B)中の樹脂の合計の10質量%以下であることが好ましい。
上記樹脂としては、例えば、TFE/HFP共重合体〔FEP〕等が挙げられる。
上記CTFE共重合体と着色剤との混合には、湿式混合、乾式混合の何れを採用することもできる。
上記乾式混合には、二軸押出機、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー等が用いられる。
上記混合後の顔料の粒子径は、得られる積層体が上述の範囲の可視光透過度を満たすものとなるように、0.1〜2μmであることが好ましい。
上記混合後の顔料の粒子径は、レーザー散乱法を用いて測定し得られる平均粒子径である。
上記着色層(B)の材料は、カラーペレットをマスターバッチとして用い、無着色のペレットを混合することにより調製したものであってもよい。
上記着色層(B)は、後述するように導電性物質を有するものであってもよい。
上記着色層(B)の厚みは、例えば、0.01mm以上、3.5mm以下であることが好ましい。0.01mm未満であると、得られる積層体の引っ掻き強さが劣ることがあり、3.5mmを超えると、得られる積層体の視認性が劣る場合がある。
上記厚みは、より好ましい上限が3mm、更に好ましい上限が1.6mmであり、上記範囲内であれば0.5mm以上であってもよい。
本発明の積層体は、最内層を溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)で構成して、それよりも外層側に着色層(B)を配置した構成とする場合、他の管との識別が容易であり、内部の流動体の流動状況を視認することができ、更には、後述の流動体を汚染しない効果を奏することができる。
本発明の積層体は、上述の溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)、着色層(B)に加え、ガスバリア層(C)を有するものであってもよい。
本発明の積層体において、着色層(B)から溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)に顔料が移入することはないが、溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)から浸透してきた成分により着色層(B)が変色する可能性があり得るとも考えられる。
本発明の積層体は、特にガス成分を輸送する流動体輸送管として使用する場合、着色層(B)の変色を防止する点で、上記溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と着色層(B)との間に適宜ガスバリア層(C)を設けることが好ましい。
上記ガスバリア層(C)の材料としては特に限定されず、例えば、酸素バリア性に優れるものとして、ポリビニルアルコール、エチレン/ビニルアルコール共重合体;二酸化炭素、水蒸気等に対するバリア性に優れるものとして、ポリクロロトリフルオロエチレン〔PCTFE〕、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリアクリロニトリル〔PAN〕;ポリエチレンテレフタレート〔PET〕、ポリブチレンテレフタレート〔PBT〕、ポリエチレンナフタレート〔PEN〕、ポリブチレンナフタレート〔PBN〕等の芳香環含有ポリエステル;ポリフェニレンサルファイド〔PPS〕;ポリグリコール酸〔PGA〕;ポリビニルクロライド〔PVC〕;ポリビニリデンクロライド〔PVDC〕;ポリビニルフルオライド〔PVF〕;ポリビニリデンフルオライド〔PVDF〕等が挙げられるが、バリア性を考慮すべきガス種に対して充分なバリア性を示し、厚みも上述の層(A)、層(B)の構成に応じて、自由に選択することができる。
本発明の積層体は、上記着色層(B)が最外層であるものであってもよいが、上記着色層(B)上に更に被覆層(D)を設けてなるものであってもよい。
上記被覆層(D)としては、着色層(B)を保護するための保護層が好ましく、また、着色層(B)を保護する機能とともに若しくは着色層(B)を保護する機能に代えて、帯電防止機能をもたせるために、導電層であってもよい。
上記被覆層(D)の材料としては特に限定されないが、例えば、ポリウレタン樹脂;ポリエステル樹脂;アラミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリカーボネート樹脂;アクリル系樹脂;スチレン系樹脂;アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル系樹脂等のポリオレフィン系樹脂;セルロース系樹脂;ポリビニルアルコール樹脂;エチレン/ビニルアルコール共重合体からなる樹脂等が挙げられ、なかでも、加工性の点で、また、樹脂の劣化を避けるためにも内層のフッ素樹脂と融点が近いものを用いることが好ましい。
上記被覆層(D)は、導電層である場合、通常、上記材料として導電性物質を含むものであり、上記導電性物質としては、特に限定されず、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、炭素繊維等が挙げられる。
上記導電性物質の上記導電層への添加量としては、得られる積層体の可視光透過度が全外周方位からの可視光に対して25%以上になるか、又は、得られる積層体の外表面のうち可視光透過度が25%以上である部分の面積が外表面積全体の90%以上になる範囲であればよい。
本発明の積層体における上記溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)及び着色層(B)、並びに、所望により積層させるガスバリア層(C)及び/又は被覆層(D)の積層方法は、従来公知のものであれば特に限定されない。例えば、該積層体がチューブである場合、各層を別個に作製して外層の内部に内層を挿入する方法、内層の上から熱収縮チューブである外層を被せる方法、外層の材料より内層の材料の方が融点が高い場合においては内層チューブ上に電線被覆成形のようにクロスヘッドを用いて外層を溶融被覆させる方法、外層の材料としてPVdF等の溶液化可能なものを用いている場合においては外層の材料を溶解した塗料に内層チューブを浸漬し適宜乾燥した後焼成する方法等も考えられるが、コストを抑え清浄度を高く保つために同時多層成形法が一般的である。
本明細書において、上記「外層」は、内層なる語と組み合わせて用いられ、内層に対して相対的に外に位置する層である。
本発明の積層体は、溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)の外面に無機系のコーティングを蒸着したり、上記溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)の外面にスパッタリング処理を施したりした上で、着色層(B)又はガスバリア層(C)を設けたものであってもよい。
上記コーティングの蒸着やスパッタリング処理は、クリーン性やコスト性の面ではあまり好ましくないが、流動体輸送管として使用する場合、内部の流動体が、溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)の外面にまで浸透するのを防止する点で好ましい場合がある。
本発明の積層体において、上記着色層(B)は、CTFE共重合体を用いて作成するものなので、CTFE共重合体からなる材料を用いた溶融成形を経た後、又は、ディスパージョン若しくは粉体塗料を塗布し焼成を経た後は、焼成前に溶融加工性ポリマーからなる粒子の形状が保たれていたとしても、CTFE共重合体の粒子の形状は通常消失しているので、接着性に優れている。更に、本発明の積層体は、特に溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と上記着色層(B)とが接したものである場合、優れた接着性を示すので、層間剥離しにくいものとすることができる。
また、上記着色層(B)と上記溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)との間にガスバリア層(C)を積層した場合であっても、ガスバリア層(C)の材料として、溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)との接着性、及び、着色層(B)との接着性を考慮したものを選択することにより、剥離しにくい3層チューブを形成することができる。
本発明の積層体は、上記着色層(B)中にCTFE共重合体に加え着色剤を含有するにもかかわらず、視認性に優れており、薬液透過性にも優れている。
本発明の積層体は、35%塩酸透過係数が4.5×10−13[(g・cm)/(cm・秒)]未満であることが好ましく、更に好ましくは1.0×10−13[(g・cm)/(cm・秒)]未満であり、その下限は特に限定されないが、1.0×10−15[(g・cm)/(cm・秒)]以上とすることができる。35%塩酸透過係数の下限は、配管周囲へのダメージや、着色層(B)の脱色ダメージ、透過に伴う積層体へのクラック等の構造的ダメージの軽減要求に基づき、更に低く設定することができる。
本明細書における35%塩酸透過係数は、国際公開第2005/100420号パンフレット記載の方法に基づき測定したものであり、例えば測定対象がチューブである場合、図1に示すように以下の方法で測定することができる。
〔35質量%塩酸透過係数の測定方法〕
測定対象のチューブを30cm長さに切断し、チューブ(1)の片末端を熱により溶封し、チューブ(1)内に52mlの35質量%塩酸を入れ、もう一方のチューブ末端も溶封した。塩酸の入ったチューブ(1)をガラス管(2)に挿入し、フッ素ゴム製のパッキン(3)を用いて固定した。ついで、サンプリング口(4)から純水を110ml仕込み、25℃の恒温槽内においた。このときパッキン(3)間のチューブが純水に接液しており、接液部分の長さは18.5cmであった。この状態で放置し、サンプリング口(4)から1mlほどサンプリングを行い、その純水中に含まれる塩素イオン濃度Y(ppm)をイオンクロマトグラフ(商品名:IC7000−E、横河電気社製)を用いて定量し、次の式を用いて計算した。
X=(β×膜厚)/断面積
X:塩酸透過係数〔単位:(g・cm)/(cm・秒)〕
β:Tに対し、αをプロットしたとき、αがTに対して直線的に変化している期間(Tβ)の傾き(単位:g/秒)
α:透過総量(単位:g)=Y×W×10−6
W:純水量(単位:ml)
T:透過開始からサンプリングまでの経過時間(単位:秒)
膜厚:チューブの肉厚(単位:cm)
断面積:透過試験機において、チューブの純水が接している部分の面積(単位:cm)。
本発明の積層体は、薬液透過係数の経時的増大、力学特性の低下等、長時間の使用に伴う問題を回避する点で、着色層(B)と溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)とが接する場合、各層間の初期接着強度が20N/cm以上であることが好ましく、更に好ましくは25N/cm以上であり、また初期接着強度の上限は特に限定されず、70N/cmとすることができる。
上記初期接着強度は、各層間のMFRが10分以上の暴露にて5%以上変化しない成形上限温度(Td)と、示差走査熱量測定〔DSC〕で検知される融点(Tm)に大きく依存し、接着される二層の融点の低い方の樹脂のTdが少なくとも融点が高い方の樹脂のTmを上回る必要がある。各層の樹脂は、この特性に基づいて構成単位を選択することが好ましい。
上記初期接着強度は、作成後、未使用のものについて、国際公開第2005/100420号パンフレット記載の接着強度測定に基づき評価される。例えば、積層体がチューブである場合に以下に記載するように評価する。
(初期接着強度測定)
チューブから1cm幅のテストピースを切り取り、テンシロン万能試験機を用いて、25mm/分の速度で180°剥離試験を行い、伸び量−引張強度グラフにおける極大5点平均を初期接着強度とする。
本発明の積層体は、可視光透過度が全外周方位からの可視光に対して一般に5%以上、好ましくは25%以上になるか、又は、得られる積層体の外表面のうち可視光透過度が一般に5%以上、好ましくは25%以上である部分の面積が外表面積全体の90%以上になる範囲であればよい。
本明細書において、上記可視光透過度は、国際公開第2005/047747号パンフレットに記載の方法に基づき測定したものである。
本発明の流動体輸送管は、上述の本発明の積層体を用いてなるものである。
本明細書において、流動体は、気体、液体の何れであってもよく、上記液体は、揮発性液体であってもよいし、研磨剤等の固体微粒子を含む流体であってもよい。上記流動体としては特に限定されず、例えば、牛乳等の飲食物、ガス、薬液等が挙げられる。
上記ガスとしては特に限定されず、例えば、オゾン、水素、酸素、低分子量フルオロカーボン等が挙げられ、これら例示したガスは、半導体製造分野で使用されるガスであってもよい。
上記薬液としては特に限定されず、例えば酢酸、蟻酸、クレゾール、フェノール等の有機酸類;フッ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、塩酸等の無機酸類;過酸化水素水等の過酸化物;リン酸過水、硫酸過水等の上記無機酸類と過酸化水素水との混合液;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等のアルカリ溶液;メタノール、エタノール等のアルコール類;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン等のアミン類;ジメチルアセトアミド等のアミド類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;キシレン等の炭化水素系溶剤;トリクロロエチレン等の塩素系溶剤;アセトン等のケトン類;オゾン水;超純水;機能水;これらのうち2種以上の混合液等の液体が挙げられる。
上記機能水は、半導体製造分野において、超純水に水素及びアンモニアを溶存させてなる液体である。
本発明の流動体輸送管は、配管施工、修理等の目的で切断した際、上記流動体輸送管の内部を流通する流動体に着色層(B)に含まれる顔料が切断面から混入しないようにすることが好ましい。
流動体輸送管の切断面から流動体への顔料の混入を防ぐ方法としては、例えば、流動体輸送管の端部に流動体が直接接触しないような構造の継手を用いるか、直接流動体輸送管の端部同士を溶着する方法等がある。
上記「流動体が直接接触しないような構造の継手を用いる方法」としては、例えば、特開平05−322091号公報に開示された方法等が挙げられる。
本発明の流動体輸送管は、流動体輸送管内を通過する流動体の種類を外部から目視して認知するために用いることができる。
上記流動体の種類の認知は、本発明の流動体輸送管を用いることにより、流動体輸送管の色又は模様を識別することによって行うことができる。例えば、本発明の流動体輸送管を2本以上用いる場合、又は、本発明の流動体輸送管1本以上と流動体を輸送するためのその他の管1本以上とを用いる場合、予めどのような色又は模様を付した本発明の流動体輸送管に何の流動体を流通させるかを決めておくことにより、上記流動体輸送管又は上記その他の管の外部、例えば監視モニター等の比較的離れた距離からでも、何れの流動体輸送管に何の流動体が流通しているかその種類を目視により知るようにすることができる。
上記その他の管は、本発明の流動体輸送管とは異なる管であることが外部から目視により認知できれば、予め何の流動体を流通させるかを決めておくことにより、上記その他の管内における流動体の種類を知るようにすることもできる。
本発明の流動体輸送管は、また、上述のように外部から管内部が見える視認性を有し得るので、流動体自体の着色等の外見的特徴から、何の流動体であるか、その種類を知ることも可能とすることができる。
上記流動体輸送管は、可視光透過度を高くして、流動体の流通状況の認知を外部から目視で容易に行うことができメンテナンス性を格段に向上することができる。
本発明の流動体輸送管は、識別用流動体輸送管として使用することもできる。
上記識別用流動体輸送管は、上記識別用流動体輸送管以外のその他の流動体輸送管から目視により識別するときに用いるものである。上記その他の流動体輸送管は、上記本発明の流動体輸送管の要件を満たすものであっても、該要件を満たさない流動体を輸送するためのものであっても、上記本発明の識別用流動体輸送管の色及び/又は模様と異なるものであればよい。
上記識別用流動体輸送管は、上記その他の流動体輸送管から識別可能であれば、上記その他の流動体輸送管と色又は模様の何れかが同じであってもよい。
上記その他の流動体輸送管は、必ずしも着色している必要はなく、外表面積全体について透明であってもよい。
上述の本発明の積層体を用いてなるチューブもまた、本発明の一つである。
本発明のチューブは、上述の流動体輸送管と同様の層構成及び用途を採用することができ、例えば、半導体製造ラインにおける製造装置、処理装置、また、半導体製造工場、半導体基板製造工場、半導体用薬液製造工場等における薬液供給システムに適用することができる。更に、上記チューブは、結晶パネル製造ラインにおける製造装置、処理装置等にも適用することができる。
本発明の半導体製造装置は、上述の流動体輸送管又は上述のチューブを備えているものである。
上記半導体製造装置は、半導体又は半導体周辺部材を製造するための製造装置と、上記製造装置に用いる薬液を輸送するための薬液輸送管とからなり、上記薬液輸送管は上記流動体輸送管又は上記チューブであるものとすることができる。
上記半導体製造装置は、製造装置として市場流通可能な最小単位であってもよいし、上記最小単位の製造装置が複数結合してなる複合装置であってもよい。
上記半導体製造装置は、後述の本発明の半導体製造ラインへの薬液供給システムを構成する製造装置が幾つかの市場流通単位に分け得るものである場合、上記市場流通単位のうちの1つとなり得るものであってもよい。
上記半導体製造装置としては、薬液を用いる装置であれば特に限定されず、例えば、コーター、CMP装置、洗浄装置等が挙げられる。
本発明の半導体製造ラインへの薬液供給システムは、上述の流動体輸送管又は上述のチューブを備えているものである。
上記半導体製造ラインへの薬液供給システムは、半導体又は半導体周辺部材を製造するための製造装置と、上記製造装置に用いる薬液を輸送するための上記流動体輸送管又は上記チューブとからなる製造ラインシステムとすることができる。
上記半導体製造ラインへの薬液供給システムとしては、例えば、上述の半導体製造装置と、薬液タンク、ポンプ等からなる薬液供給システムとを含むものが挙げられる。
本発明の半導体製造ラインへの薬液供給システムは、製造工程における複数の製造装置間、所望により更に上記薬液供給システムを、上述の本発明の流動体輸送管又は上記チューブによって連結させたものを含む。
本発明の流動体輸送管及び本発明のチューブは、上記半導体製造装置及び半導体製造ラインへの薬液供給システムのほか、管内部を流通する流動体の汚染防止が望まれる用途、例えば、液晶パネル製造システム、医薬品製造ラインシステム、飲食品製造ラインシステム等の用途にも好適に用いることができる。
上記液晶パネル製造装置は、液晶パネルを製造するための製造装置と、上記製造装置に用いる薬液を輸送するための流動体輸送管又はチューブとからなり、上記流動体輸送管又はチューブは、それぞれ本発明の流動体輸送管又は本発明のチューブであるものとすることができる。
上記液晶パネル製造装置において、薬液を輸送するための流動体輸送管又はチューブは、上述の本発明の半導体製造ラインへの薬液供給システムと同様の構成をとることができる。
本発明の積層体は、視認性を示すことができ、優れた薬液透過性を兼ね備えており、この積層体からなる流動体輸送管及びチューブは、ある特定の流動体輸送管を目視により他の管から容易に識別することもでき、離れた距離からでも内部の流動体の流動状況を視認でき、内部の流動体を汚染しないものとすることもできる。本発明の流動体輸送管は、半導体や液晶パネル、医薬品、飲食品等の各種製造分野に好適に使用することができる。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
各実施例及び比較例における組成物の量は、特に断りがない場合は、質量基準である。
なお、単量体単位の割合、薬液透過性試験、接着強度及び薬液透過性(35質量%塩酸透過係数)の各測定は、国際公開第2005/100420号パンフレット、実施例1に記載と同様の方法で行い、可視光透過度及び液位確認試験(視認性)は、国際公開第2005/047747号パンフレット、実施例1と同様の方法で測定し、着色性及び色相は、カラーコンピュータ(商品名:SM−7、スガ試験機社製)で評価し、その数値変化率が1.0%未満であったときに色相に変化なしとした。
実施例1
(1)着色層(B)用混合ペレットの作成
国際公開第2005/100420の実施例1と同様の方法にて作成したクロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕共重合体ペレット(CTFE:TFE:PPVE=34.5:64:1.5(モル%))と、PFAカラーペレット(商品名:ネオフロンPFA AP−210RD、ダイキン工業社製)とを混合した(混合比;PFAカラーペレット:CTFE共重合体ペレット=1:49)。
得られた混合ペレットを330℃、10分間溶融混練した後に、上下に±1℃の精度にて温調可能な熱板を備えた加熱圧縮成形機を用いて、350℃、圧力5MPaでプレスして、厚み0.2mmのプレスシートを作成した。
得られたプレスシートについて薬液透過性試験を行ったところ、35質量%塩酸透過係数は、国際公開第2005/100420号パンフレット、実施例1とほぼ同等の0.27×10−13[(g・cm)/(cm・秒)]であった。
(2)2層チューブの作成
テトラフルオロエチレン〔TFE〕/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕共重合体〔PFA〕ペレット(商品名:ネオフロンPFA AP231―SH、ダイキン工業社製)を溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)として用い、溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)を内層とし、本願実施例1(1)で得られた混合ペレットから得られる着色層(B)を外層とする以外は、国際公開第2005/100420号パンフレット、実施例1[積層チューブAの作成]に基づき、外径19.1mm、内径15.9mmの2層チューブ(外層厚み0.2mm、内層厚み1.4mm)を作成した。
得られた2層チューブは、充分な着色性を示し、視認性評価での正答率は100%、可視光透過度は25%以上、チューブの接着強度は24N/cm、35質量%塩酸透過係数は0.93×10−13[(g・cm)/(cm・秒)]であった。
実施例2
本願実施例1(1)記載のCTFE共重合体98質量部に対し酸化チタン、アルミニウム、コバルト系顔料(平均粒径0.3μm)を2質量部混合し、更に、得られた混合物を、50倍質量の上記実施例1(1)記載のCTFE共重合体と混合(希釈)した。これにより得られた顔料分散CTFE共重合体ペレットを着色層として外層に用いた。これ以外は上記実施例1と同様にして2層チューブを作成し、評価を行った。視認性及び可視光透過度は実施例1同様であった。接着強度は29N/cmであり、35質量%塩酸透過係数は0.90×10−13[(g・cm)/(cm・秒)]であった。
実施例3
FEPカラーペレット(商品名:NP−20GN、ダイキン工業製)と本願実施例1(1)記載のCTFE共重合体ペレットとを混合した組成物(混合比 FEPカラーペレット:CTFE共重合体ペレット=1:49)を着色層として外層に用いたこと以外は本願実施例1と同様にして2層チューブを作成し、評価を行った。視認性及び可視光透過度は上記実施例1同様であった。接着強度は27N/cmであり、35質量%塩酸透過係数は0.92×10−13[(g・cm)/(cm・秒)]であった。
実施例4
本願実施例1(1)で得られた混合ペレットから得られる着色層(B)を内層とし、本願実施例1(2)記載のPFAペレットから得られる層を外層とする以外は、本願実施例1と同様の評価を行った。
得られた2層チューブは、充分な着色性を示し、視認性評価での正答率は100%、可視光透過度は25%以上、接着強度は26N/cm、35質量%塩酸透過係数は0.81×10−13[(g・cm)/(cm・秒)]であった。
実施例5
着色層(B)の外側に厚み0.15mmのポリクロロトリフルオロエチレン(商品名:ネオフロンPCTFE M−300PL、ダイキン工業社製)からなる層を最外層として設けたほかは、本願実施例1と同様にして溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と着色層(B)とを設け、3層チューブを作製した。視認性及び可視光透過度は上記実施例1と同様であった。最内層(A)と着色層(B)の接着強度は25N/cmであった。着色層(B)と最外層のポリクロロトリフルオロエチレン層との接着強度は21N/cmであった。35質量%塩酸透過係数は0.43×10−13[(g・cm)/(cm・秒)]であった。
比較例1
本願実施例1(1)と同様の方法にて作成したCTFE共重合体ペレットから得られる層を外層とし、本願実施例1記載のPFAペレットから得られる層を内層となるように押出し成形した以外は、本願実施例1と同様の方法で2層チューブを作成し、評価を行った。
得られた2層チューブは、本願実施例1の2層チューブと同様の視認性及び可視光透過度を示し、接着強度が23N/cmであり、35質量%塩酸透過係数が0.84×10−13[(g・cm)/(cm・秒)]であった。
比較例2
着色層の原料として、本願実施例1のCTFE共重合体100質量部に対し酸化鉄系赤色顔料(平均粒径0.17μm)を35質量部混合し得られた顔料分散CTFE共重合体ペレットを用い、外径25mm、内径20mm、外層厚み1.0mm、内層厚み1.2mmとしたほかは、本願実施例1と同じ条件にて2層チューブを作製した。
得られた2層チューブは、可視光透過度が全外周方位からの可視光に対して5%未満であり、視認性が正答率32%であった。
比較例3
本願実施例1(2)記載のPFAペレットから得られる層を内層とし、PFAペレット(商品名:ネオフロンPFA AP231―SH、ダイキン工業社製)とPFAカラーペレット(商品名:ネオフロンPFA AP−210RD、ダイキン工業社製)とを混合したもの(混合比 PFAカラーペレット:PFAペレット=1:49)から得られる層を外層とする以外は、本願実施例1と同様にして2層チューブを作成した。得られた2層チューブは、充分な着色性を示し、35質量%塩酸透過係数は6.13×10−13[(g・cm)/(cm・秒)]であった。
以上より、CTFE共重合体と顔料とを有する着色層を設けた実施例1〜5の2層チューブは、CTFE共重合体を単独で用いた(着色剤を含まない)層を設けた比較例1の2層チューブと同等の良好な薬液低透過性、接着性、層間接着性及び視認性を示すが、更には、着色により内容物の識別性を具備することとなる。また、着色層においてCTFE共重合体に変えPFAペレットを用いた比較例3の2層チューブと比べて明らかに優位な薬液低透過性を具備していた。
更に、各実施例のチューブは、比較例2よりも適切な厚みと透過光強度を具備していることにより良好な視認性が得られることが判った。
本発明の積層体は、良好な薬液低透過性、接着性及び視認性を示すことができるので、流動体輸送管、チューブ、なかでも半導体製造ラインへの薬液供給システムにおける流動体輸送管として好適に使用することができる。本発明の流動体輸送管は、半導体や液晶パネル、医薬品、飲食品等の各種製造分野に好適に使用することができる。
図1は、35質量%塩酸透過係数の測定方法を表した図である。
符号の説明
1.チューブ
2.ガラス管
3.パッキン
4.サンプリング口

Claims (13)

  1. 溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と着色層(B)とを有する積層体であって、
    前記着色層(B)は、クロロトリフルオロエチレン共重合体と着色剤とを含むものであり、
    前記クロロトリフルオロエチレン共重合体は、少なくともクロロトリフルオロエチレン単位、テトラフルオロエチレン単位、並びに、クロロトリフルオロエチレン及びテトラフルオロエチレンと共重合可能な単量体〔α〕に由来する単量体〔α〕単位を構成単位とするものであり、
    前記クロロトリフルオロエチレン単位及び前記テトラフルオロエチレン単位は、合計で90〜99.9モル%であり、前記単量体〔α〕単位は、0.1〜10モル%である
    ことを特徴とする積層体。
  2. 35%塩酸透過係数が4.5×10−13[(g・cm)/(cm・秒)]未満であり、可視光透過度が5%以上である請求項1記載の積層体。
  3. 35%塩酸透過係数が1.0×10−13[(g・cm)/(cm・秒)]未満である請求項1又は2記載の積層体。
  4. 着色層(B)と溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)との初期接着強度は20N/cm以上である請求項1、2又は3の何れか1項に記載の積層体。
  5. 着色層(B)と溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)との初期接着強度は25N/cm以上である請求項1、2、3又は4記載の積層体。
  6. 着色層(B)は厚みが0.01〜3.5mmである請求項1、2、3、4又は5記載の積層体。
  7. 溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)は内層であり、着色層(B)は前記溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)の外層である請求項1、2、3、4、5又は6記載の積層体。
  8. 溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)は、テトラフルオロエチレン共重合体からなるものである請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の積層体。
  9. テトラフルオロエチレン共重合体は、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体である請求項8記載の積層体。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の積層体を用いてなる
    ことを特徴とする流動体輸送管。
  11. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の積層体を用いてなる
    ことを特徴とするチューブ。
  12. 請求項10記載の流動体輸送管又は請求項11記載のチューブを備えている
    ことを特徴とする半導体製造装置。
  13. 請求項10記載の流動体輸送管又は請求項11記載のチューブを備えている
    ことを特徴とする半導体製造ラインへの薬液供給システム。
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