JP4678303B2 - 流動体輸送管、半導体製造ラインシステム及び液晶パネル製造ラインシステム - Google Patents

流動体輸送管、半導体製造ラインシステム及び液晶パネル製造ラインシステム Download PDF

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Description

本発明は、流動体輸送管、識別用流動体輸送管、半導体類製造・処理装置、半導体製造ラインシステム、液晶パネル製造・処理装置及び液晶パネル製造ラインシステムに関する。
半導体や液晶パネルの製造には、様々な強い腐食作用を持つ薬液や、研磨剤を含む界面活性剤入り液剤が用いられる。これらの薬液類を輸送するために、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体〔PFA〕からなるチューブを用いることができることはよく知られている。これは優れた耐食性と、流動体の輸送状況が視認できる透明性に負うところが大きい。
半導体や液晶パネルの製造では、また、薬液類の汚染を防止する必要がある。PFAを用いた高純度薬品用配管として、耐薬品性を有するPFAからなる内管と、内管の外周に密着し耐薬液透過性を有する塩化ビニリデン等からなる外管とからなる積層管が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
流動体によるPFAの帯電を防止するためのチューブとして、カーボン、鉄粉等の導電性物質とPFAとからなる導電部分を露出させて長手方向にそってストライプ状に外周面に埋め込んでなるフッ素樹脂チューブが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
PFAからなるチューブは、製造ラインに何本も使用されるが、配管された個々のチューブに何の流動体が流通しているかは、そのチューブに掛けられた札の記載によって確認することが一般的であった。札の記載は、監視モニター等離れた距離からは容易に認知することが難しいので、送液に支障が生じた際のメンテナンス性に大きな問題があった。
電線等では、PFAに顔料を分散し色分けしてなる被覆電線を作製することにより、個々の電線を識別することが知られている。しかしながらPFAからなるチューブ等のPFA成形体は、通常そのもの自体に印刷やマーカーによる着色を行うことが不可能である。
PFAと無機顔料とを混合したものとして、更に含フッ素オルガノポリシロキサン化合物を混合させてなる樹脂組成物とその成形体が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、この成形体では、含まれる顔料が半導体や液晶パネルの製造ラインで汚染源になってしまう問題があった。
従来、内部の流動体の汚染を防止するとともに、薬液の種類を外部から識別するPFAチューブは知られていなかった。
ポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕からなる内層チューブ上にPTFEディスパージョンを含浸し外層を形成し、カラーマークを不連続に施した薬液配管用チューブが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、PTFEは、非溶融加工性であり焼成によってもPTFE粒子同士の間が融着しにくいので、外層が剥がれ易く、また剥がれたものが汚染原因となりやすいという問題があった。また、強度の点でも問題があった。
特開平9−137900号公報 特開2003−4176号公報 特開2000−26688号公報 実公平3−8861号公報
本発明の目的は、ある特定の流動体輸送管を目視により他の管から容易に識別でき、離れた距離からでも内部の流動体の流動状況を視認でき、内部の流動体を汚染しない流動体輸送管を提供することにある。
本発明は、溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と、着色溶融加工性ポリマー層(B)とを積層状に有してなる流動体輸送管であって、上記溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)は、最内層であり、上記流動体輸送管は、可視光透過度が全外周方位からの可視光に対して25%以上であることを特徴とする流動体輸送管である。
本発明は、溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と、着色溶融加工性ポリマー層(B)とを積層状に有してなる流動体輸送管であって、上記溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)は、最内層であり、上記流動体輸送管は、外表面のうち可視光透過度が25%以上である部分の面積が外表面積全体の90%以上であることを特徴とする流動体輸送管である。
本発明は、識別用流動体輸送管を上記識別用流動体輸送管以外のその他の流動体輸送管から目視により識別するときに用いる上記識別用流動体輸送管であって、上記識別用流動体輸送管は、上記流動体輸送管であり、上記その他の流動体輸送管は、上記流動体輸送管であるか、又は、流動体を輸送するためのその他の管であり、上記識別用流動体輸送管の色及び/又は模様は、上記その他の流動体輸送管の色及び/又は模様と異なるものであることを特徴とする識別用流動体輸送管である。
本発明は、半導体又は半導体周辺部材を製造するための製造・処理装置と、上記製造・処理装置にて用いる薬液を輸送するための流動体輸送管とからなり、上記流動体輸送管は上記本発明の流動体輸送管であることを特徴とする半導体類製造・処理装置である。
本発明は、半導体又は半導体周辺部材を製造するための製造・処理装置と、上記製造・処理装置にて用いる薬液を輸送するための流動体輸送管とからなり、上記流動体輸送管は上記本発明の流動体輸送管であることを特徴とする半導体製造ラインシステムである。
本発明は、液晶パネルを製造するための製造・処理装置と、上記製造・処理装置にて用いる薬液を輸送するための流動体輸送管とからなり、上記流動体輸送管は、上記本発明の流動体輸送管であることを特徴とする液晶パネル製造・処理装置である。
本発明は、液晶パネルを製造するための製造・処理装置と、上記製造・処理装置にて用いる薬液を輸送するための流動体輸送管とからなり、上記流動体輸送管は、上記本発明の流動体輸送管であることを特徴とする液晶パネル製造ラインシステムである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の流動体輸送管は、可視光透過度が全外周方位からの可視光に対して25%以上であるものである。上記可視光透過度が25%未満であると、輸送管内部の流動体の流通状況を外部から目視で確認することが容易でなく、流動体輸送管の流通状況を極めて近距離から確認せねばならないか又は外部から確認することができない点で、メンテナンス性に劣ることがある。流動体輸送管の背後から光を照射しても確認し難い流動体の流通状況を確認するためには、50%以上であることが好ましく、70%以上であることが更に好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
本明細書において、上記「全外周方位」は、流動体輸送管の長手方向に垂直な断面の外周における任意の法線方向である。
本明細書において、上記「可視光透過度」は、何の試料も置かずに測定したブランク強度に対する流動体輸送管の透過光強度の比率である。該透過光強度の比率により、上記「全外周方位からの可視光に対する可視光透過度」は表される。
本明細書において、上記「流動体輸送管の透過光強度」は、流動体輸送管をその緩和点以上の温度にあるように熱板の上に静置し、流動体輸送管の厚みの2倍に相当する厚みのスペーサーを上記流動体輸送管の両横に配置し、上記流動体輸送管上に平板を載せることにより上記流動体輸送管に平面部を静的に生じさせたまま冷却し(本明細書において、この平面部を有し冷却してなる上記流動体輸送管を「透過光強度測定用試料」ということがある。)、得られる透過光強度測定用試料を直読ヘイズメーター(東洋精機製作所社製)を用いてASTM D 1003に準拠して評価することにより得られる値である。上記平板としては、上記方法により上記流動体輸送管上に載せた場合、流動体輸送管を破壊しない程度の質量を有するものを使用する。
上記ヘイズメーターは、JIS K 6714又はJIS K 6717に基づく測定原理を有する装置で代用してもよい。
本発明のもう1つの流動体輸送管は、外表面のうち可視光透過度が25%以上である部分の面積が外表面積全体の90%以上であるものである。流動体輸送管の外表面積全体のうち、可視光透過度が25%以上である部分の面積が90%以上であれば、外表面積全体のうち残る10%未満の面積が占める部分は、可視光透過度が25%以上であることが好ましいが、25%未満であってもよいし、また、可視光透過度が25%未満である部分が幾つかに分かれて可視光透過度が25%以上である部分と交互に存在していてもよいし、可視光透過度が25%未満である部分が2以上に分かれずかたまって存在し、視認性の点ではこの可視光透過度が25%以上である部分が流動体輸送管の観察者側に位置しているものであってもよい。流動体輸送管の外表面積全体のうち、可視光透過度が25%以上である部分の面積が90%未満であると外部から流動状況が分かりにくいことがある。
本明細書において、「流動体輸送管の外表面積全体のうち、可視光透過度が25%以上である部分の面積が90%以上である」という要件は、任意に取り出した25cmの流動体輸送管サンプルについて5mm角の正方形部分毎に評価を100分割し、その中で90個以上が可視光透過度25%以上を示すことにより確認することができる。
上記本発明のもう1つの流動体輸送管は、溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と、着色溶融加工性ポリマー層(B)とを積層状に有してなる点で、上述した可視光透過度が全外周方向からの可視光に対して25%以上である本発明の流動体輸送管と共通する。
本明細書において、特に別の説明をしない限り、可視光透過度が全外周方向からの可視光に対して25%以上である本発明の流動体輸送管と、上記本発明のもう1つの流動体輸送管とを総称して、「本発明の流動体輸送管」と言うこととする。
本発明の流動体輸送管は、溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と、着色溶融加工性ポリマー層(B)(以下、「着色層(B)」という。)とを積層状に有してなるものであって、上記溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)は、最内層であるものである(以下、「最内層(A)」という。)。本発明の流動体輸送管は、該積層構造を有することにより、他の管との識別が容易であり、内部の流動体の流動状況を視認することができ、内部の流動体を汚染しないという効果を奏するものである。
上記流動体は、気体、液体の何れであってもよく、上記液体は、揮発性液体であってもよいし、研磨剤等の固体微粒子を含む流体であってもよい。
上記流動体としては特に限定されず、例えば、牛乳等の飲食物、ガス、薬液等が挙げられる。
上記ガスとしては特に限定されず、例えば、オゾン、水素、酸素、低分子量フルオロカーボン等が挙げられ、これら例示したガスは、半導体製造分野で使用されるガスであってもよい。
上記薬液としては特に限定されず、例えば酢酸、蟻酸、クレゾール、フェノール等の有機酸類;フッ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、塩酸等の無機酸類;過酸化水素水等の過酸化物;リン酸過水、硫酸過水等の上記無機酸類と過酸化水素水との混合液;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等のアルカリ溶液;メタノール、エタノール等のアルコール類;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン等のアミン類;ジメチルアセトアミド等のアミド類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;キシレン等の炭化水素系溶剤;トリクロロエチレン等の塩素系溶剤;アセトン等のケトン類;オゾン水;超純水;機能水;これらのうち2種以上の混合液等の液体が挙げられる。上記機能水は、半導体製造分野において、超純水に水素及びアンモニアを溶存させてなる液体である。
上記最内層(A)は、溶融加工性含フッ素ポリマーからなるものである。上記溶融加工性含フッ素ポリマーは、溶融加工性を有し炭素原子に結合した水素原子の少なくとも一つがフッ素原子に置換されてなるポリマーである。
上記溶融加工性含フッ素ポリマーは、本発明の流動体輸送管中を流通する流動体の種類によってはクロロトリフルオロエチレン重合体、フッ化ビニル重合体、ビニリデンフルオライド重合体であってもよいが、耐蝕性の点でテトラフルオロエチレン重合体であることが好ましく、耐蝕性と加工性の点でテトラフルオロエチレン共重合体であることがより好ましい。
上記テトラフルオロエチレン共重合体は、テトラフルオロエチレン〔TFE〕と、TFE以外のフルオロオレフィン及び/又はフッ素非含有エチレン性モノマーとを共重合して得られるものである。
上記TFE以外のフルオロオレフィンとしては特に限定されず、例えば、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕、
Figure 0004678303
等のパーフルオロエチレン性モノマー;ビニリデンフルオライド〔VdF〕、トリフルオロエチレン、フッ化ビニル、トリフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ヘキサフルオロイソブテン等の水素含有フルオロエチレン性モノマー;クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕等の塩素含有フルオロエチレン性モノマー等が挙げられる。上記PAVEとしては得られる樹脂の耐クラック性やコストの面からパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)等を好適に用いることができる。
上記TFE以外のフルオロオレフィンは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記フッ素非含有エチレン性モノマーとしては特に限定されず、例えば、エチレン〔Et〕、プロピレン、ブテン、ペンテン等の炭素数2〜10のα−オレフィンモノマー;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキル基が炭素数1〜20のアルキルビニルエーテル等が挙げられる。
上記フッ素非含有エチレン性モノマーは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記テトラフルオロエチレン共重合体としては、耐蝕性、耐薬品性に特に優れ、内部の流動体を汚染せず、かつ可視光透過度が高い点で、TFE/PAVE共重合体〔PFA〕、TFE/HFP共重合体〔FEP〕、Et/TFE共重合体、又は、TFE/VdF共重合体であることが好ましく、得られる流動体輸送管内部を流通する牛乳等の流動体の殺菌を目的として輸送管外部からUV照射等を行う場合、耐熱性が要求される点、また雑菌が繁殖しにくい点で、PFAであることがより好ましい。
上記溶融加工性含フッ素ポリマーとしては、耐薬品性の点で、不安定末端が残存していないものが好ましい。
特に、PFAとしては、耐薬品性の点で、−COF、−CHOH、−CONH等の不安定末端が残存していないものが好ましい。上記PFAの末端基は、−CFであることが好ましい。
上記溶融加工性含フッ素ポリマーは、官能基含有エチレン性単量体を共単量体として重合したものであってもよい。
特に、上記テトラフルオロエチレン共重合体は、後述する着色層(B)又はガスバリア層(C)との接着性を向上する目的で、官能基含有エチレン性単量体を共単量体として重合したものであってもよい。
本明細書において、上記「官能基含有エチレン性単量体」とは、官能基として、ヒドロキシル基、カルボキシル基、塩を形成しているカルボキシル基、アルコキシカルボニル基及び/又はエポキシ基を有する単量体であって、炭素原子に直接結合しているフッ素原子を有するエチレン性不飽和化合物である。
上記官能基含有エチレン性単量体としては、下記一般式(IV)
CX =CX−R−Y (IV)
(式中、Yは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、塩を形成しているカルボキシル基、アルコキシカルボニル基又はエポキシ基を表し、X及びXは、同一又は異なって、水素原子若しくはフッ素原子を表し、Rは、炭素数1〜40の含フッ素アルキレン基又は炭素数1〜40のエーテル結合を有する含フッ素アルキレン基を表す。)で表されるものが好ましい。
上記官能基含有エチレン性単量体としては、下記式
Figure 0004678303
で表される各化合物等がより好ましい。
上記官能基含有エチレン性単量体を共単量体として用いる場合、上記テトラフルオロエチレン共重合体を構成する全単量体単位に占める上記官能基含有エチレン性単量体単位の割合は、0.002〜30モル%であることが好ましい。0.002モル%未満であると、上記官能基含有エチレン性単量体に基づく共重合の効果が検知し得る下限を下回る。より好ましい下限は0.01モル%、更に好ましい下限は、0.05モル%である。本明細書において、上記「全単量体単位」とは、上記テトラフルオロエチレン共重合体の分子構造のうち、単量体に由来する全ての部分を意味する。本明細書において、上記「官能基含有エチレン性単量体単位」とは、上記テトラフルオロエチレン共重合体の分子構造のうち、官能基含有エチレン性単量体に由来する部分を意味する。
上記「官能基含有エチレン性単量体単位」の割合は、300℃におけるテトラフルオロエチレン共重合体の溶融NMR測定によって得られる値である。
上記最内層(A)の厚みは、本発明の流動体輸送管において用いる顔料の種類にもよるが、上記範囲内の可視光透過度を発揮するものであればよい。
上記着色層(B)は、溶融加工性ポリマーからなり着色したものである。
上記溶融加工性ポリマーとしては、得られる流動体輸送管が上述の範囲の可視光透過度を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル等のポリオレフィン類、ポリアミド類、ポリアリレート類、ポリアセタール類、アラミド類、ポリイミド類、溶融加工性含フッ素ポリマー、ポリウレタン類、ポリシロキサン類等が挙げられ、耐熱性、耐薬品性等が要求される用途においては、溶融加工性含フッ素ポリマーを用いることが好ましい。
本明細書において、上記着色層(B)における「溶融加工性含フッ素ポリマー」は、着色層(B)に用いる点で、最内層(A)について上述した溶融加工性含フッ素ポリマーとは区別すべき概念であるが、最内層(A)と同じ種類の溶融加工性含フッ素ポリマーとなることを排除するものではない。
上記着色層(B)は、テトラフルオロエチレン共重合体からなり顔料を分散させたものであることが好ましい。この場合、上記着色層(B)における溶融加工性ポリマーとしては、テトラフルオロエチレン共重合体を用いる。上記着色層(B)における溶融加工性ポリマーとしてのテトラフルオロエチレン共重合体は、上述の最内層(A)における溶融加工性含フッ素ポリマーとしてのテトラフルオロエチレン共重合体と同様、上記最内層(A)又は後述するガスバリア層(C)との接着性を向上する目的で、上述した官能基含有エチレン性単量体を共単量体として重合して得られたものであってもよい。
上記着色層(B)は、上記溶融加工性ポリマーからなり、着色した層である。上記着色層(B)における着色は、通常、顔料を用いることにより行う。
上記顔料の種類としては、得られる流動体輸送管が上述の範囲の可視光透過度を満たすものであれば特に限定されず、例えば、カーボン、酸化チタン、ベンガラ、マイカ、酸化コバルト、酸化ビスマス、三酸化アンチモンホワイト、ケイ酸被覆黄鉛、ケイ酸被覆モリブデートオレンジ、ケイ酸被覆酸化鉄、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、カドミウムイエロー、群青、コバルト、バイオレット、酸化クロム等の無機顔料;フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料等の有機顔料等を1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記顔料としては、EU廃電機電子機器リサイクル令〔WEEE〕、特定物質の使用禁止令〔RoHS〕等で企業に環境保全の負担が求められるなか、顔料としてはカドミウム、鉛、コバルト〔化学物質排出移動量届出制度(PRTR)指定〕、アンチモン〔PRTR指定〕等は含まないことが好ましく、その代替としてチタン、ニッケル、ニオブ等を含む顔料が用いられることが好ましい。
上記顔料は、用いる種類にもよるが、得られる流動体輸送管が上述の範囲の可視光透過度を満たすものとなるように、上記溶融加工性ポリマー100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましい。
本明細書において、上述した「最内層(A)と、着色層(B)とを積層状に有してなる」とは、上記最内層(A)と上記着色層(B)とが接していてもよいが、必ずしも上記最内層(A)と上記着色層(B)とが接していることを要さず、上記最内層(A)と、上記着色層(B)との間に他の層を有していてもよいことを意味する。
本明細書において、「最内層(A)と、着色層(B)とを積層状に有してなる」とは、また、着色層(B)が最内層(A)又は所望により設ける上記他の層の全面を被覆していることをも意味する。
上記着色層(B)は、全部が着色部分であるもの(以下、「全体着色層(B)」ということがある。)であってもよいし、一部に着色部分を有しこの着色部分以外の部分が透明であるもの(以下、「部分的着色層(B)」ということがある)であってもよい。上記部分的着色層(B)は、着色部分と透明部分とが溶融加工性ポリマーによる連続性を有するものである。部分的着色層(B)は、上記連続性を有するものである点で、最内層(A)若しくは所望により設ける上記他の層の外面の全部ではなく一部である面上に付着又は形成した着色材であって上記最内層(A)又は上記他の層の外面上において上記着色材同士の間がポリマー等によるつなぎの透明部材を介在することなく不連続であるものとは異なる。
上記着色層(B)は、全体着色層(B)として、顔料を均一に分散したマトリックスから構成したもの、表層部にエッチング等の表面処理を施し顔料を均一に分散したものであるもの等、部分的着色層(B)として、模様が形成されるように顔料を配置し他の部分が透明であるもの、表層部が模様を形成するように表層部の溝に顔料を埋め込んだものであるもの、表層部が模様を形成するように上記溝に別途調製しておいた着色フィルム片を埋め込んだものであるもの、印刷のように表層部が模様を形成するように顔料を載せたもの等が挙げられ、これらのなかの何れであってもよいが、耐久性の点で、内部に顔料を均一に分散したマトリックスから構成したもの、即ち、溶融加工性ポリマーからなり顔料を分散させたものであることが好ましく、テトラフルオロエチレン共重合体からなり顔料を分散させたものであることがより好ましい。
本明細書において、上記「模様」は、縞、水玉、螺旋等の通常の意味での模様のほか、アラビア数字、ローマ数字等の数字;アルファベット、漢字、ひらがな、カタカナ等の文字を含む概念である。
上記溶融加工性ポリマーと上記顔料との混合には、湿式混合、乾式混合の何れを採用することもできる。乾式混合には、二軸押出機、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー等が用いられる。
上記混合後の顔料の粒子径は、得られる流動体輸送管が上述の範囲の可視光透過度を満たすものとなるように、0.1〜2μmであることが好ましい。
上記混合後の顔料の粒子径は、レーザー散乱法を用いて測定し得られる平均粒子径である。
上記着色層(B)の材料は、カラーペレットをマスターバッチとして用い、無着色のペレットを混合することにより調製したものであってもよい。
上記着色層(B)は、後述するように導電性物質を有するものであってもよい。
上記着色層(B)の厚みは、3.5mm以下であることが好ましい。3.5mmを超えると、得られる流動体輸送管の可視光透過度が上述の範囲とならない場合がある。より好ましい上限は、3mm、更に好ましい上限は、1.6mmである。
本発明の流動体輸送管において、上記顔料は最内層(A)には含まれないので流動体輸送管内部に流出することはないが、最内層(A)から浸透してきた成分により着色層(B)が変色する可能性があり得るとも考えられる。特に上記流動体がガス成分を含む場合、一般にガス成分は最内層(A)を透過するほど透過性が高いので、本発明の流動体輸送管は、上記最内層(A)と着色層(B)との間に適宜ガスバリア層(C)を設けたものであってもよい。
上記ガスバリア層(C)の材料としては特に限定されず、例えば、酸素バリア性に優れるものとしてポリビニルアルコール、エチレン/ビニルアルコール共重合体;二酸化炭素、水蒸気等に対するバリア性に優れるものとしてポリクロロトリフルオロエチレン〔PCTFE〕、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリアクリロニトリル〔PAN〕;ポリエチレンテレフタレート〔PET〕、ポリブチレンテレフタレート〔PBT〕、ポリエチレンナフタレート〔PEN〕、ポリブチレンナフタレート〔PBN〕等の芳香環含有ポリエステル;ポリフェニレンサルファイド〔PPS〕;ポリグリコール酸〔PGA〕;ポリビニルクロライド〔PVC〕;ポリビニリデンクロライド〔PVDC〕;ポリビニルフルオライド〔PVF〕;ポリビニリデンフルオライド〔PVDF〕等が挙げられるが、バリア性を考慮すべきガス種に対して充分なバリア性を示し、可視光透過度が前述の範囲内であるものであれば何を用いてもよく、厚みも前述の範囲において自由に選択することができる。
本発明の流動体輸送管は、また、最内層(A)の外面に無機系のコーティングを蒸着したり、上記最内層(A)の外面にスパッタリング処理を施したりしたうえで着色層(B)又はガスバリア層(C)を設けたものであってもよい。上記コーティングの蒸着やスパッタリング処理は、クリーン性やコスト性の面ではあまり好ましくないが、流動体輸送管内部の流動体が、最内層(A)の外面にまで浸透するのを防止する点で好ましい場合がある。
本発明の流動体輸送管は、上記着色層(B)が最外層であるものであってもよいが、上記着色層(B)上に更に被覆層(D)を設けてなるものであってもよい。
上記被覆層(D)としては、着色層(B)を保護するための保護層が好ましく、また、着色層(B)を保護する機能とともに若しくは着色層(B)を保護する機能に代えて、帯電防止機能をもたせるために、導電層であってもよい。
上記被覆層(D)の材料としては特に限定されないが、例えば、ポリウレタン樹脂;ポリエステル樹脂;アラミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリカーボネート樹脂;アクリル系樹脂;スチレン系樹脂;アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル系樹脂等のポリオレフィン系樹脂;セルロース系樹脂;ポリビニルアルコール樹脂;エチレン/ビニルアルコール共重合体からなる樹脂等が挙げられ、なかでも、加工性の点で、また、樹脂の劣化を避けるためにも内層のフッ素樹脂と融点が近いものを用いることが好ましい。
上記被覆層(D)は、導電層である場合、通常、上記材料として導電性物質を含むものであり、上記導電性物質としては、特に限定されず、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、炭素繊維等が挙げられる。
上記導電性物質の上記導電層への添加量としては、得られる流動体輸送管の可視光透過度が全外周方位からの可視光に対して25%以上になるか、又は、得られる流動体輸送管の外表面のうち可視光透過度が25%以上である部分の面積が外表面積全体の90%以上になる範囲であればよい。
本発明の流動体輸送管における上記最内層(A)及び着色層(B)、並びに、所望により積層させるガスバリア層(C)及び/又は被覆層(D)の積層方法としては、相対的に外側に配置されることとなる外層と、相対的に内側に配置されることとなる内層との積層の方法として、例えば、各層を別個に作製して外層の内部に内層を挿入する方法、内層の上から熱収縮チューブである外層を被せる方法、外層の材料より内層の材料の方が融点が高い場合においては内層チューブ上に電線被覆成形のようにクロスヘッドを用いて外層を溶融被覆させる方法、外層の材料としてPVdF等の溶液化可能なものを用いている場合においては外層の材料を溶解した塗料に内層チューブを浸漬し適宜乾燥した後焼成する方法等も考えられるが、コストを抑え清浄度を高く保つために同時多層成形法が一般的である。
本明細書において、上記「外層」は、内層なる語と組み合わせて用いられ、内層に対して相対的に外にあり、内層に接することとなる層である。
本発明の流動体輸送管は、着色層(B)の材料として溶融加工性ポリマーを用いているので、溶融加工性ポリマーからなる材料を用いた溶融成形を経た後、又は、ディスパージョン若しくは粉体塗料を塗布し焼成を経た後は、焼成前に溶融加工性ポリマーからなる粒子の形状が保たれていたとしてもその形状は通常消失する。着色層(B)は、特に最内層(A)と接し上記溶融加工性ポリマーとして溶融加工性含フッ素ポリマーを用いたものである場合、最内層(A)との接着性が優れるので、剥離しにくい2層チューブを形成することができる。また、上記着色層(B)と上記最内層(A)との間にガスバリア層(C)を積層した場合であっても、ガスバリア層(C)の材料として、最内層(A)との接着性、及び、着色層(B)との接着性を考慮したものを選択することにより、剥離しにくい3層チューブを形成することができる。
本発明の流動体輸送管は、配管施工、修理等の目的で切断した際、上記流動体輸送管の内部を流通する流動体に着色層(B)に含まれる顔料が切断面から混入しないようにすることが好ましい。
流動体輸送管の切断面から流動体への顔料の混入を防ぐ方法としては、例えば、流動体輸送管の端部に流動体が直接接触しないような構造の継手を用いるか、直接流動体輸送管の端部同士を溶着する方法等がある。上記「流動体が直接接触しないような構造の継手を用いる方法」としては、例えば、特開平05−322091号公報に開示された方法等が挙げられる。
本発明の流動体輸送管は、流動体輸送管内を通過する流動体の種類を外部から目視して認知するために用いることができる。
上記流動体の種類の認知は、本発明の流動体輸送管を用いることにより、流動体輸送管の色又は模様によって行うことができる。従って、例えば、本発明の流動体輸送管を2本以上用いる場合、又は、本発明の流動体輸送管1本以上と流動体を輸送するためのその他の管1本以上とを用いる場合、予めどのような色又は模様を付した本発明の流動体輸送管に何の流動体を流通させるかを決めておくことにより、上記流動体輸送管又は上記その他の管の外部、例えば監視モニター等の比較的離れた距離からでも、何れの流動体輸送管に何の流動体が流通しているかその種類を目視により知ることができる。上記その他の管は、本発明の流動体輸送管とは異なる管であることが外部から目視により認知できれば、予め何の流動体を流通させるかを決めておくことにより、上記その他の管内における流動体の種類を知ることができる。
本発明の流動体輸送管は、また、上述のように外部から管内部が見える視認性を有するので、流動体自体の着色等の外見的特徴から、何の流動体であるかその種類を知ることも可能となる場合がある。
上記流動体輸送管は、可視光透過度が高いので、流動体の流通状況の認知を外部から目視で容易に行うことができメンテナンス性を格段に向上することができる。
本発明の流動体輸送管は、目視認知方法に好適に用いることができる。上記目視認知方法は、流動体輸送管内を通過する流動体の種類及び/又は流通状態を外部から目視して認知する方法であって、上記流動体輸送管は、上記本発明の流動体輸送管であるものである。
本発明の識別用流動体輸送管は、識別用流動体輸送管を上記識別用流動体輸送管以外のその他の流動体輸送管から目視により識別するときに用いる上記識別用流動体輸送管であって、上記識別用流動体輸送管は、上記本発明の流動体輸送管であり、上記その他の流動体輸送管は、上記本発明の流動体輸送管であるか、又は、流動体を輸送するためのその他の管であり、上記識別用流動体輸送管の色及び/又は模様は、上記その他の流動体輸送管の色及び/又は模様と異なるものであるものである。
本発明の識別用流動体輸送管は、上記その他の流動体輸送管から識別可能であれば、上記その他の流動体輸送管と色又は模様の何れかが同じであってもよい。
本発明の識別用流動体輸送管は、着色層(B)を有するものであるので、本発明の識別用流動体輸送管と識別する観点では、上記その他の流動体輸送管は必ずしも着色している必要はなく、外表面積全体について透明であってもよい。
本発明の流動体輸送管は、流動体輸送管目視識別方法に好適に用いることができる。上記流動体輸送管目視識別方法は、特定流動体輸送管を上記特定流動体輸送管以外のその他の流動体輸送管から目視により識別する方法であって、上記特定流動体輸送管は、上記本発明の流動体輸送管であり、上記その他の流動体輸送管は、上記本発明の流動体輸送管であるか、又は、流動体を輸送するためのその他の管であり、上記特定流動体輸送管の色及び/又は模様は、上記その他の流動体輸送管の色及び/又は模様と異なるものであるものである。
本発明の半導体類製造・処理装置は、半導体又は半導体周辺部材を製造するための製造・処理装置と、上記製造・処理装置にて用いる薬液を輸送するための流動体輸送管とからなり、上記流動体輸送管は上記本発明の流動体輸送管であるものである。本発明の半導体類製造・処理装置は、製造・処理装置として市場流通可能な最小単位であってもよいし、上記最小単位の製造・処理装置が複数結合してなる複合装置であってもよい。本発明の半導体類製造・処理装置は、後述の本発明の半導体製造ラインシステムを構成する製造・処理装置が幾つかの市場流通単位に分け得るものである場合、上記市場流通単位のうちの1つとなり得るものであってもよい。
上記半導体類製造・処理装置としては、薬液を用いる装置であれば特に限定されず、例えば、コーター、CMP装置、洗浄装置等が挙げられる。
本発明の半導体製造ラインシステムは、半導体又は半導体周辺部材を製造するための製造・処理装置と、上記製造・処理装置にて用いる薬液を輸送するための上記流動体輸送管とからなる製造ラインシステムである。本発明の半導体製造ラインシステムとしては、例えば、上述の半導体類製造・処理装置に属する製造・処理装置2以上からなるもの、又は、上述の半導体類製造・処理装置と、薬液タンク、ポンプ等からなる薬液供給システムとを含むもの等が挙げられる。本発明の半導体製造ラインシステムは、製造工程における複数の製造・処理装置間、所望により更に上記薬液供給システムを、上述の本発明の流動体輸送管によって繋いで得られるものを含む。
本発明の液晶パネル製造・処理装置は、液晶パネルを製造するための製造・処理装置と、上記製造・処理装置にて用いる薬液を輸送するための流動体輸送管とからなり、上記流動体輸送管は、上記本発明の流動体輸送管であるものである。
本発明の液晶パネル製造・処理装置は、製造・処理装置として市場流通可能な最小単位であってもよいし、上記最小単位の製造・処理装置が複数結合してなる複合装置であってもよい。本発明の液晶パネル製造・処理装置は、後述の本発明の液晶パネル製造ラインシステムを構成する製造・処理装置が幾つかの市場流通単位に分け得るものである場合、上記市場流通単位のうちの1つとなり得るものであってもよい。
本発明の液晶パネル製造ラインシステムは、液晶パネルを製造するための製造・処理装置と、上記製造・処理装置にて用いる薬液を輸送するための上記流動体輸送管とからなる製造ラインシステムである。本発明の液晶パネル製造ラインシステムとしては、例えば、上述の液晶パネル製造・処理装置に属する製造・処理装置2以上からなるもの、又は、上述の液晶パネル製造・処理装置と、薬液タンク、ポンプ等からなる薬液供給システムとを含むもの等が挙げられる。本発明の液晶パネル製造ラインシステムは、製造工程における複数の製造・処理装置間、所望により更に上記薬液供給システムを、上述の本発明の流動体輸送管によって繋いで得られるものを含む。
本発明の流動体輸送管は、上記半導体製造ラインシステム、液晶パネル製造システムのほか、流動体輸送管内部を流通する流動体の汚染防止が望まれる用途、例えば、医薬品製造ラインシステム、飲食品製造ラインシステム等の用途にも好適に用いることができる。
本発明の流動体輸送管は、ある特定の流動体輸送管を目視により他の管から容易に識別でき、離れた距離からでも内部の流動体の流動状況を視認でき、内部の流動体を汚染しないものとすることができる。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
最内層の材料としてPFAペレット(商品名:ネオフロンPFA AP−231SH、ダイキン工業社製)を用い、また着色層の材料としてPFAカラーペレット(商品名:ネオフロンPFA AP−210RD、ダイキン工業社製)と上記PFAペレットとを混合したもの(混合質量比PFAカラーペレット:PFAペレット=49:1)を用意した。これらの材料を多層押出機(株式会社プラ技研製)に投入し、390℃、押出圧力20MPaにて溶融押出を行い、内径22mm、最内層厚み1.45mm、外層(着色層)厚み15〜80μm(平均厚み50μm)の2層チューブを作製した。なお、上記平均厚みは1mのチューブから任意に取り出した10の断面を画像分析機によって評価し、その平均値を以って平均厚みと評価した。
次いで以下の各種評価を行った。
液位確認試験
得られたチューブの内部に液位が水平静置時にそれぞれ3mm、7mm、12mmとなるよう10質量%の塩酸水溶液を封入し、地面から1.5mの高さに水平静置した。このチューブから3m離れた位置において、裸眼視力又は矯正視力が0.8以上の成人男性10人に対して液位の確認を求めたところ、その正答率は100%であった。
可視光透過度測定
得られたチューブについて、200℃に予熱した熱板(縦200mm×横200mm)、スペーサー(縦200mm×横20mm×厚さ3mm)及び平板(縦200mm×横200mm×厚さ5mm)を用い、上述した方法によりチューブ上に平板を載せてから室温で3時間静置することにより冷却し、厚み3mmの透過光強度測定用試料を作製し、直読ヘイズメーター(東洋精機製作所社製)を用いてASTM D 1003に準拠して透過光強度を測定した。上記透過光強度から算出された可視光透過度は、25%以上であった。
顔料として、PFAカラーペレット(商品名:ネオフロンPFA AP−210BU)を用いたほかは実施例1と同様にして、3mm厚みの透過光強度測定用試料を作製し、可視光透過度測定を行ったところ、可視光透過度は、25%以上であった。
顔料として、PFAカラーペレット(商品名:ネオフロンPFA AP−2100R)を用いたほかは実施例1と同様にして、3mm厚みの透過光強度測定用試料を作製し、可視光透過度測定を行ったところ、可視光透過度は、25%以上であった。
最内層と着色層との間に厚み0.15mmのポリクロロトリフルオロエチレン(商品名:ネオフロンPCTFE M−300PL、ダイキン工業社製)からなる層を設けたほかは実施例1と同様にして3層チューブを作製した。これに12N塩酸を4L/分にて流通させ、色相測定を行ったところ、チューブの色相に1ヶ月間変化は見られなかった。なお、チューブの色相は、カラーコンピュータ(商品名:SM−7、スガ試験機社製)で評価し、その数値変化率が1.0%未満であったときに色相に変化なしとした。
比較例1
着色層の原料として、PFA(商品名:AP−210、ダイキン工業社製)100質量部に対し酸化鉄系赤色顔料(平均粒径0.17μm)を35質量部混合し得られた顔料分散PFAを用い、外径25mm、内径20mm、内層厚み1.2mmとしたほかは実施例1と同じ条件にて2層チューブを作製した。該2層チューブから得た3mm厚みの透過光強度測定用試料は、可視光透過度が全外周方位からの可視光に対して5%未満であった。
得られた2層チューブについて、実施例1と同様にして液位確認試験を行ったところ、正答率は11%であった。
試験例1
実施例1にて得られた2層チューブについて、実施例4と同条件にて12N塩酸を流通させたところ、チューブの色相は7日目に3%以上の変化を示した。
この結果より、流動体輸送管は、ガスバリア層(C)を積層することにより着色層(B)における変色の防止が可能であることが分かった。
本発明の流動体輸送管は、上記本発明の流動体輸送管を含む2本以上の輸送管が製造処理装置や製造ラインシステム等に用いられる際に、各輸送管を流れる流動体の種類の識別が必要な用途に適用することができる。

Claims (11)

  1. 溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と、着色溶融加工性ポリマー層(B)とを積層状に有してなる流動体輸送管であって、
    前記溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)は、最内層であり、
    前記着色溶融加工性ポリマー層(B)は、テトラフルオロエチレン共重合体からなり顔料を分散させたものであり、
    前記流動体輸送管は、可視光透過度が全外周方位からの可視光に対して25%以上である
    ことを特徴とする流動体輸送管。
  2. 溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と、着色溶融加工性ポリマー層(B)とを積層状に有してなる流動体輸送管であって、
    前記溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)は、最内層であり、
    前記着色溶融加工性ポリマー層(B)は、テトラフルオロエチレン共重合体からなり顔料を分散させたものであり、
    前記流動体輸送管は、外表面のうち可視光透過度が25%以上である部分の面積が外表面積全体の90%以上である
    ことを特徴とする流動体輸送管。
  3. 溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)は、テトラフルオロエチレン共重合体からなるものである請求項1又は2記載の流動体輸送管。
  4. テトラフルオロエチレン共重合体は、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体である請求項1、2又は3記載の流動体輸送管。
  5. 溶融加工性含フッ素ポリマー層(A)と着色溶融加工性ポリマー層(B)との間にガスバリア層(C)を有する請求項1、2、3又は4記載の流動体輸送管。
  6. 流動体輸送管内を通過する流動体の種類を外部から目視して認知するために用いる請求項1、2、3、4又は5記載の流動体輸送管。
  7. 識別用流動体輸送管を前記識別用流動体輸送管以外のその他の流動体輸送管から目視により識別するときに用いる前記識別用流動体輸送管であって、
    前記識別用流動体輸送管は、請求項1、2、3、4又は5記載の流動体輸送管であり、
    前記その他の流動体輸送管は、請求項1、2、3、4又は5記載の流動体輸送管であるか、又は、流動体を輸送するためのその他の管であり、
    前記識別用流動体輸送管の色及び/又は模様は、前記その他の流動体輸送管の色及び/又は模様と異なるものであることを特徴とする識別用流動体輸送管。
  8. 半導体又は半導体周辺部材を製造するための製造・処理装置と、前記製造・処理装置にて用いる薬液を輸送するための流動体輸送管とからなり、
    前記流動体輸送管は、請求項1、2、3、4又は5記載の流動体輸送管である
    ことを特徴とする半導体類製造・処理装置。
  9. 半導体又は半導体周辺部材を製造するための製造・処理装置と、前記製造・処理装置にて用いる薬液を輸送するための流動体輸送管とからなり、
    前記流動体輸送管は、請求項1、2、3、4又は5記載の流動体輸送管である
    ことを特徴とする半導体製造ラインシステム。
  10. 液晶パネルを製造するための製造・処理装置と、前記製造・処理装置にて用いる薬液を輸送するための流動体輸送管とからなり、
    前記流動体輸送管は、請求項1、2、3、4又は5記載の流動体輸送管である
    ことを特徴とする液晶パネル製造・処理装置。
  11. 液晶パネルを製造するための製造・処理装置と、前記製造・処理装置にて用いる薬液を輸送するための流動体輸送管とからなり、
    前記流動体輸送管は、請求項1、2、3、4又は5記載の流動体輸送管である
    ことを特徴とする液晶パネル製造ラインシステム。
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