JP2012006370A - 積層体及びその製造方法 - Google Patents

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Tatsuya Murakami
辰也 村上
Seiji Komori
政二 小森
Tatsuya Higuchi
達也 樋口
Tsuyoshi Inaba
剛志 稲葉
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Abstract

【課題】熱プレスや真空成形により製造することができ、フルオロポリマーの耐薬品性、耐溶剤性、耐候性、耐防汚性および非粘着性を損なうことなく、フルオロポリマーと金属とが絞り加工にも耐えうる接着力で接着した積層体を提供する。
【解決手段】金属基材と、上記金属基材の片面又は両面に配置された積層フィルムと、からなる積層体であり、上記積層フィルムは、フルオロポリマーからなる層(A)及び変性ポリオレフィンからなる層(B)を有し、上記金属基材と上記積層フィルムの層(B)とが接着していることを特徴とする積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層体及びその製造方法に関する。
金属の腐食防止のために金属に樹脂フィルムを積層(ラミネート)することが知られている。例えば、特許文献1には金属板にポリエステル基材層をラミネートすることが記載されており、特許文献2にはアルミニウムの層にポリオレフィン系樹脂フィルムやポリアミドの層を貼り合わせることが記載されている。
しかし、これらの樹脂は浸透性や溶解力の高い液体等に対する耐久性が充分ではない。そこで、耐薬品性、耐溶剤性、耐候性、耐防汚性、非粘着性等の優れた特性を有する樹脂として知られるフルオロポリマーを金属と積層する試みがなされてきた。
フルオロポリマーは、本来接着力が低く、フルオロポリマーと金属とを接着させることは容易ではない。この問題を解決する技術として、1.基材の表面をサンドブラスター処理などで物理的に荒らす方法、2.ナトリウムエッチング、プラズマ処理、光化学的処理等によってフルオロポリマーの表面処理を行う方法、3.接着剤を用いて接着させる方法などが主に検討されてきた。
また、特許文献3には、ポリマー鎖末端または側鎖にカーボネート基および/またはカルボン酸ハライド基を有し、カーボネート基および/またはカルボン酸ハライド基の数の合計が主鎖炭素数1×10個に対し、150個以上である含フッ素エチレン性重合体からなる含フッ素接着性材料が開示されている。
特許文献4には、ポリオレフィン樹脂からなる層(A)、変性ポリオレフィン樹脂からなる層(B)、及び、フッ素樹脂からなる層(C)を有する中空成形体が記載されている。
特開2010−23440号公報 特開2010−46863号公報 国際公開第99/45044号パンフレット 国際公開第2008/41643号パンフレット
特許文献3に開示された含フッ素接着性材料は、フルオロポリマーと金属とを直接強固に接着できる。しかし、この含フッ素接着性材料によって実現される接着力でも用途によっては充分でない。特に、フルオロポリマーをラミネートした金属を絞り加工する場合、高い接着強度が要求される。すなわち、絞り加工は、縁壁部分に押圧力を負荷した状態で、被加工材の周縁を折り曲げ、被加工材の周縁に縁壁を成形していくため、被加工材に大きな負荷がかかり、接着強度が充分でないと、フルオロポリマーと金属とが剥離してしまう。
金属を所望の形状に絞り加工した後、塗装(ライニング)によってフルオロポリマーからなる塗膜を形成すれば、絞り加工時に剥離する問題は生じない。しかしながら、この方法では塗膜にピンホール等の塗膜欠陥を生じる場合があり、耐薬品性や耐溶剤性を損なう。また、乾燥工程および焼成工程が必要とされる。また、複雑な形状の製品には均一な塗装が困難な場合もあり、塗膜の膜厚にも制限があるため、製品の設計にも制約がある。
本発明の目的は、このような現状に鑑み、熱プレスや真空成形により製造することができ、フルオロポリマーの耐薬品性、耐溶剤性、耐候性、耐防汚性および非粘着性を損なうことなく、フルオロポリマーと金属とが絞り加工にも耐えうる接着力で接着した積層体を提供することにある。
本発明は、金属基材と、上記金属基材の片面又は両面に配置された積層フィルムと、からなる積層体であり、上記積層フィルムは、フルオロポリマーからなる層(A)及び変性ポリオレフィンからなる層(B)を有し、上記金属基材と上記積層フィルムの層(B)とが接着していることを特徴とする積層体である。
積層フィルムは、更に、層(A)及び層(B)の間に配置されたポリアミドからなる層(C)を有することが好ましい。
フルオロポリマーは、融点が150℃以上であることが好ましい。
フルオロポリマーは、エチレン単位及びテトラフルオロエチレン単位からなる共重合体であることが好ましい。
フルオロポリマーは、ポリマー主鎖末端又は側鎖に主鎖炭素数1×10個あたり3個以上の接着性官能基を有することが好ましい。
本発明の積層体は、絞り加工によって成形されたものであることが好ましい。
本発明の積層体は、金属缶又は二次電池の外装材であることが好ましい。
本発明は、少なくともフルオロポリマー及び変性ポリオレフィンを積層して積層フィルムを得る工程(1−1)、及び、上記積層フィルムの変性ポリオレフィンが位置する面と金属基材とを接触させ、上記積層フィルムを金属基材に圧着する工程(1−2)、を含む積層体の製造方法でもある。
工程(1−1)は、共押出成形法によって積層フィルムを得る工程であることが好ましい。
工程(1−1)は、フルオロポリマー及び変性ポリオレフィンに加えて、フルオロポリマーと変性ポリオレフィンとの間にポリアミドを積層する工程であることも好ましい。
工程(1−2)は、加熱プレスによって圧着する工程であることが好ましい。
本発明の製造方法は、工程(1−2)の後、絞り加工によって所望の形状に成形する工程(1−3)を含むことも好ましい。
本発明は、少なくともフルオロポリマー及び変性ポリオレフィンを積層して積層フィルムを得る工程(2−1)、金属基材を所望の形状に成形する工程(2−2)、及び、真空成形により上記積層フィルムを成形した金属基材に密着させる工程(2−3)を含む積層体の製造方法でもある。
工程(2−1)は、フルオロポリマー及び変性ポリオレフィンに加えて、フルオロポリマーと変性ポリオレフィンとの間にポリアミドを積層する工程であることが好ましい。
工程(2−2)は、絞り加工によって金属基材を所望の形状に成形する工程であることが好ましい。
本発明は、上記構成よりなるので、金属基材と積層フィルムとが強固に接着しており、絞り加工にも耐えうる。また、耐薬品性、耐溶剤性、耐候性、耐防汚性、および非粘着性にも優れる。
本発明の積層体は、金属基材と該金属基材の片面又は両面に配置された積層フィルムとからなる。
金属基材としては、金、白金、銀、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、アルミニウム及びステンレスからなる群より選択される少なくとも1種の金属からなる基材が挙げられる。
上記積層フィルムは、フルオロポリマーからなる層(A)及び変性ポリオレフィンからなる層(B)を有する。
本発明の積層体は、積層フィルムを構成する複数の層のうち、変性ポリオレフィンからなる層(B)が上記金属基材と強固に接着している。変性ポリオレフィンからなる層(B)の存在が、フルオロポリマーからなる層(A)を有する積層フィルムと金属基材との強固な接着力を実現しており、その接着力は深絞り加工にも耐えうるものである。
上記フルオロポリマーは、融点が変性ポリオレフィンの融点以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、190℃以上であることが更に好ましい。フルオロポリマーの融点が低すぎると、耐薬品性および耐溶剤性に劣るため好ましくない。融点の上限は特に限定されないが、400℃であってよい。融点は、DSC装置(セイコー社製)を用い、10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度として求めることができる。
上記フルオロポリマーは、約230〜350℃の範囲の任意の温度におけるメルトフローレート〔MFR〕が0.5〜100g/10分であることが好ましい。MFRは、メルトインデクサー(東洋精機製作所社製)を用い、各温度、5kg荷重下で直径2mm、長さ8mmのノズルから単位時間(10分間)に流出するポリマーの重量(g)を測定することで求めることができる。
上記フルオロポリマーは、少なくとも1種のフルオロモノマーに基づく繰り返し単位を有する単独重合体又は共重合体である。上記フルオロポリマーは、フルオロモノマーのみを重合してなるものであってもよいし、フルオロモノマーとフッ素原子を有さないエチレン性単量体を重合してなるものであってもよい。本発明において、フルオロポリマーからなる層(A)は、上述のフルオロポリマーを1種含有するものであってもよいし、2種以上含有するものであってもよい。
上記フルオロモノマーは、フッ素原子を有するオレフィン性不飽和単量体であれば特に限定されず、例えば、テトラフルオロエチレン〔TFE〕、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕、フッ化ビニル、へキサフルオロプロピレン〔HFP〕、へキサフルオロイソブテン、CF=CF−ORf(式中、Rfは、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕、CX=CX(CF(式中、X、X及びXは、同一若しくは異なって、水素原子又はフッ素原子を表し、Xは、水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表し、nは、1〜10の整数を表す。)で表されるビニル単量体、CF=CF−OCH−Rf(式中、Rfは、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体等が挙げられる。
上記PAVEとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔PMVE〕、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)〔PEVE〕、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)〔PPVE〕、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)等が挙げられ、なかでも、PMVE、PEVE又はPPVEがより好ましい。
上記アルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体としては、Rfが炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基であるものが好ましく、CF=CF−OCH−CFCFがより好ましい。
上記フッ素原子を有さないエチレン性単量体は、耐熱性や耐薬品性等を維持する点で、炭素数5以下のエチレン性単量体から選ばれることが好ましい。該単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、塩化ビニル、塩化ビニリデンが挙げられる。更に、国際公開第2005/100420号パンフレットに記載の共重合可能な不飽和カルボン酸類であってもよい。
上記不飽和カルボン酸類とは、共重合を可能にする炭素−炭素不飽和結合(以下、「共重合性炭素−炭素不飽和結合」ともいう。)を1分子中に少なくとも1個有し、且つ、カルボニルオキシ基〔−C(=O)−O−〕を1分子中に少なくとも1個有するものが好ましい。
上記脂肪族不飽和カルボン酸としては、脂肪族不飽和モノカルボン酸であってもよいし、カルボキシル基を2個以上有する脂肪族不飽和ポリカルボン酸であってもよく、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、アコニット酸等の炭素数3〜6の不飽和脂肪族カルボン酸類等が挙げられ、これらの酸無水物であってもよい。
上記フルオロポリマーは、フルオロモノマーとフッ素原子を有さないエチレン性単量体とを使用する場合、その単量体組成がフルオロモノマー10〜100モル%(好ましくは30〜100モル%)とフッ素原子を有さないエチレン性単量体0〜90モル%(好ましくは0〜70モル%)の量比であってよい。
上記フルオロポリマーとしては、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体〔ETFE〕、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体〔FEP〕、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体〔PFA〕、クロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、及び、ポリビニリデンフルオライド〔PVdF〕からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、ETFE、FEP及びクロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕/テトラフルオロエチレン〔TFE〕共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。ETFEとしては、Et/TFE共重合体〔ETFE〕又はEt/TFE/HFP共重合体であることが好ましい。
上記ETFEは、少なくともEtに基づく重合単位〔Et単位〕及びTFEに基づく重合単位〔TFE単位〕からなる共重合体である。上記ETFEとしては、TFE単位20〜80モル%、Et単位20〜80モル%及びこれらと共重合可能な単量体に由来する単位0〜60モル%からなる共重合体等が挙げられる。本明細書において、各重合単位の含有量は、19F−NMR分析を行うことにより得られる値である。
上記共重合可能な単量体としては、例えば、下記一般式(i)
CX10=CX(CF (i)
(式中、X、X及びX10は、同一若しくは異なって、水素原子又はフッ素原子を表し、Xは、水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表し、nは、1〜10の整数を表す。)で表されるフルオロオレフィン、下記一般式(ii)
CF=CF−ORf (ii)
(式中、Rfは、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるPAVE、等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いてもよい。
上記共重合可能な単量体としては、下記一般式
CY =CY−(Rf−Z
(式中、Zは、後述の接着性官能基を表し、Y及びYは、同一又は異なって、水素原子若しくはフッ素原子を表し、Rfは、炭素数2〜40のアルキレン基、炭素数2〜40の含フッ素オキシアルキレン基、エーテル結合を有する炭素数2〜40の含フッ素アルキレン基、又は、エーテル結合を有する炭素数2〜40の含フッ素オキシアルキレン基を表し、nは、0又は1を表す。)で表される不飽和化合物であってもよい。
上記ETFEとしては、
TFE単位30〜70モル%、Et単位20〜55モル%及び上記一般式(i)で表されるフルオロオレフィンに由来するフルオロオレフィン単位(但し、HFP単位を除く)0〜10モル%からなる共重合体、
TFE単位30〜70モル%、Et単位20〜55モル%、HFP単位1〜30モル%及びこれらと共重合可能な単量体に由来する単位0〜10モル%からなる共重合体、
TFE単位30〜70モル%、Et単位20〜55モル%及び上記一般式(ii)で表されるPAVEに由来するPAVE単位0〜10モル%からなる共重合体、
等が挙げられる。
CTFE/TFE共重合体は、少なくともCTFE単位及びTFE単位からなる共重合体である。CTFE/TFE共重合体としては、CTFE単位、TFE単位、並びに、CTFE及びTFEと共重合可能な単量体〔α〕に由来する単量体〔α〕単位を有する共重合体であることが好ましく、上記CTFE単位と上記TFE単位との合計が90〜99.9モル%であり、上記単量体〔α〕単位が0.1〜10モル%である共重合体が好ましい。上記単量体〔α〕単位が0.1モル%未満であると、成形性、耐環境応力割れ性及び耐燃料クラック性に劣りやすく、10モル%を超えると、燃料低透過性、耐熱性、機械特性に劣る傾向にある。
CTFE/TFE共重合体における、CTFE単位とTFE単位との比率は、CTFE単位15〜90モル%に対しTFE単位が85〜10モル%であり、より好ましくは、CTFE単位20〜90モル%に対しTFE単位が80〜10モル%である。上記単量体〔α〕がPAVEである場合、上記単量体〔α〕単位のより好ましい下限は0.5モル%、より好ましい上限は5モル%である。
FEPは、少なくもとTFE単位及びHFP単位からなる共重合体である。FEPとしては、TFE単位が98〜80モル%であり、HFP単位が2〜20モル%である共重合体が好ましい。FEPは、TFE単位、HFP単位に加え、TFE及びHFPと共重合可能な単量体〔α〕に由来する単量体〔α〕単位を構成要素とするものであってもよい。単量体〔α〕単位を含む場合、上記HFP単位と上記TFE単位との合計が90〜99.9モル%であり、上記単量体〔α〕単位が0.1〜10モル%であるものが好ましい。
上記単量体〔α〕としては、エチレン〔Et〕、ビニリデンフルオライド〔VdF〕、上述のCF=CF−ORfで表されるPAVE、上述のCX=CX(CFで表されるビニル単量体、及び、上述のCF=CF−OCH−Rfで表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体等が挙げられる。上記PAVEとしては、PMVE、PEVE又はPPVEが好ましい。上記アルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体としては、CF=CF−OCH−CFCFが好ましい。
上記単量体〔α〕としては、更に、上述した不飽和カルボン酸類であってもよい。
上記単量体〔α〕としては、下記一般式
CY =CY−(Rf−Z
(式中、Zは、後述の接着性官能基を表し、Y及びYは、同一又は異なって、水素原子若しくはフッ素原子を表し、Rfは、炭素数2〜40のアルキレン基、炭素数2〜40の含フッ素オキシアルキレン基、エーテル結合を有する炭素数2〜40の含フッ素アルキレン基、又は、エーテル結合を有する炭素数2〜40の含フッ素オキシアルキレン基を表し、nは、0又は1を表す。)で表される不飽和化合物であってよい。
上記フルオロポリマーは、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊状重合等、従来公知の重合方法により得ることができる。上記重合において、温度、圧力等の各条件、重合開始剤やその他の添加剤は、所望のフルオロポリマーの組成や量に応じて適宜設定することができる。
フルオロポリマーは、ポリマー主鎖末端又は側鎖に主鎖炭素数1×10個あたり3個以上の接着性官能基を有することが好ましい。より好ましい接着性官能基数の下限は50個、更に好ましくは150個、特に好ましくは250個である。接着性官能基数の上限は特に限定されないが、3000個とすることができる。
上記接着性官能基としては、カルボニル基、ヒドロキシル基及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。上記接着性官能基は、接着性官能基を有する単量体に由来する官能基であってもよいし、重合開始剤に由来する官能基であってもよい。
上記「カルボニル基」は、炭素−酸素二重結合から構成される炭素2価の基であり、−C(=O)−で表されるものに代表される。上記カルボニル基としては特に限定されず、例えば、カーボネート基、カルボン酸ハライド基(ハロゲノホルミル基)、ホルミル基、カルボキシル基、エステル結合〔−C(=O)O−〕、酸無水物結合〔−C(=O)O−C(=O)−〕、イソシアネート基、アミド基、イミド基〔−C(=O)−NH−C(=O)−〕、ウレタン結合〔−NH−C(=O)O−〕、カルバモイル基〔NH−C(=O)−〕、カルバモイルオキシ基〔NH−C(=O)O−〕、ウレイド基〔NH−C(=O)−NH−〕、オキサモイル基〔NH−C(=O)−C(=O)−〕等の化学構造上の一部分であるもの等が挙げられる。
上記カーボネート基は、−OC(=O)O−R(式中、Rはアルキル基を表す。)で表されるものである。Rとしては、炭素数1〜20のアルキル基又はエーテル結合を有する炭素数2〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜8のアルキル基又はエーテル結合を有する炭素数2〜4のアルキル基であることがより好ましい。上記カーボネート基としては、例えば−OC(=O)OCH、−OC(=O)OC、−OC(=O)OC17、−OC(=O)OCHCHCHOCHCH等が好ましく挙げられる。
アミド基、イミド基、ウレタン結合、カルバモイル基、カルバモイルオキシ基、ウレイド基、オキサモイル基等の窒素原子に結合する水素原子は、例えばアルキル基等の炭化水素基により置換されていてもよい。
上記接着性官能基としては、導入が容易である点、及び、得られる樹脂が適度な耐熱性と比較的低温での良好な接着性とを有する点で、アミド基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カーボネート基、カルボン酸ハライド基が好ましく、なかでも、国際公開99/45044号パンフレットに記載のカーボネート基及び/又はカルボン酸ハライド基を有するものが特に好ましい。
上記接着性官能基の個数は、特公昭37−3127号公報および国際公開第99/45044号パンフレットに記されている方法にて測定することができる。例えば、赤外分光光度計を用いてフルオロポリマーのフィルムシートを赤外吸収スペクトル分析し、官能基特有の周波数の吸収帯からその官能基の数を測定する場合、例えば、−COF末端は1884cm−1の吸収帯、−COOH末端は1813cm−1と1775cm−1の吸収帯、−COOCH末端は1795cm−1の吸収帯、−CONH末端は3438cm−1の吸収帯、−CHOH末端は3648cm−1の吸収帯、−CF=CF末端は1790cm−1の吸収帯から計算することができる。
上記フルオロポリマーは、接着性官能基を有するものである場合、接着性官能基をポリマー主鎖末端又は側鎖の何れかに有するフルオロポリマーであってもよいし、接着性官能基を主鎖末端及び側鎖の両方に有するフルオロポリマーからなるものであってもよい。上記フルオロポリマーは、主鎖末端に接着性官能基を有する場合、主鎖の両方の末端に有していてもよいし、いずれか一方の末端にのみ有していてもよい。上記接着性官能基は、エーテル結合を有するものである場合、該接着性官能基を主鎖中に有するものであってもよい。
上記フルオロポリマーは、ポリマー主鎖末端に接着性官能基を有する重合体からなるものが、機械特性、耐薬品性を著しく低下させない理由で、又は、生産性、コスト面で有利である理由で好ましい。
上記接着性官能基の導入方法としては、上記のような官能基含有の単量体を共重合して導入してもよいし、重合開始剤として導入してもよい。
層(B)を構成する変性ポリオレフィンとしては、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性された酸変性ポリエチレンが挙げられる。酸変性ポリエチレンは、ポリエチレン系樹脂が酸変性されていることにより、金属基材との接着強度を高めることができる。不飽和カルボン酸の例としては、例えば、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられ、その誘導体の例としては、例えば、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、無水マレイン酸、イタコン酸モノエステル、イタコン酸ジエステル、無水イタコン酸、フマル酸モノエステル、フマル酸ジエステル、無水フマル酸等のエステル、無水物等が挙げられる。上記ポリエチレンとしては、例えば、直鎖状ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル(VA)共重合体、エチレン−エチルアクリレート(EA)共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体などが挙げられる。酸変性ポリエチレンは、1種類を単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、本発明の目的に反しない範囲において、酸変性されていないポリエチレン系樹脂を配合してもよい。
酸変性ポリエチレンの具体例としては、三井化学社製のアドマー(商品名)、日本ポリエチレン社製のアドテックス(商品名)、クロンプトン社製のポリボンド(商品名)および住友化学社製のボンドファースト(商品名)が挙げられる。
上記積層フィルムは、層(A)及び層(B)に加えて、更に層(A)及び層(B)の間に配置されたポリアミドからなる層(C)を有することが好ましい。層(C)の一方の面に層(A)が位置し、もう一方の面に層(B)が位置することにより、積層フィルムの機械的強度を向上するだけでなく、層間の接着強度も向上させることができる。
ポリアミドは、分子内に繰り返し単位としてアミド結合〔−NH−C(=O)−〕を有するポリマーである。ポリアミドとしては、分子内のアミド結合が脂肪族構造又は脂環族構造と結合しているポリマーからなるいわゆるナイロン樹脂、又は、分子内のアミド結合が芳香族構造と結合しているポリマーからなる、いわゆるアラミド樹脂の何れであってもよい。
上記ナイロン樹脂としては特に限定されず、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6/66、ナイロン66/12、ナイロン46、メタキシリレンジアミン/アジピン酸共重合体等のポリマーからなるものが挙げられ、これらのなかから2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリアミドは、また、繰り返し単位としてアミド結合を有しない構造が分子の一部にブロック共重合又はグラフト共重合されている高分子からなるものであってもよい。このようなポリアミドとしては、例えば、ナイロン6/ポリエステル共重合体、ナイロン6/ポリエーテル共重合体、ナイロン12/ポリエステル共重合体、ナイロン12/ポリエーテル共重合体等のポリアミド系エラストマーからなるもの等が挙げられる。
これらのポリアミド系エラストマーは、ナイロンオリゴマーとポリエステルオリゴマーがエステル結合を介してブロック共重合することにより得られたもの、又は、ナイロンオリゴマーとポリエーテルオリゴマーとがエーテル結合を介してブロック共重合することにより得られたものである。上記ポリエステルオリゴマーとしては、例えば、ポリカプロラクトン、ポリエチレンアジペート等が挙げられ、上記ポリエーテルオリゴマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。上記ポリアミド系エラストマーとしては、ナイロン6/ポリテトラメチレングリコール共重合体、ナイロン12/ポリテトラメチレングリコール共重合体が好ましい。
ポリアミドのアミン価は10〜60(当量/10g)であってよい。また、好ましい下限は15(当量/10g)であってよく、好ましい上限は50(当量/10g)、より好ましい上限は35(当量/10g)であってよい。
本明細書において、上記アミン価はポリアミド1gをm−クレゾール50mlに加熱溶解し、これを1/10規定p−トルエンスルホン酸水溶液を用いて、チモールブルーを指示薬として滴定して求められる値であり、特に別の記載をしない限り、積層する前のポリアミドのアミン価を意味する。
上述した各層を構成するポリマーは、ポリマーを1種のみ含有するものであってもよいし、2種以上含有するものであってもよい。
上記各層は、更に、目的や用途に応じてその性能を損なわない範囲で、無機質粉末、ガラス繊維、金属酸化物等の種々の充填剤を配合したものであってもよく、また、充填剤以外に、熱安定化剤、補強剤、紫外線吸収剤、顔料等、その他任意の添加剤を配合したものであってもよい。
上記添加剤として、例えば、薬液透過低減の点で、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ノントロナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等のスメクタイト系の層状粘度鉱物や、雲母等の高アスペクト比を有する微小層状鉱物を添加してもよい。また、上記添加剤として、導電性を付与するために、導電性フィラーを添加してもよい。導電性フィラーとしては特に限定されず、例えば、金属、炭素等の導電性単体粉末又は導電性単体繊維;酸化亜鉛等の導電性化合物の粉末;表面導電化処理粉末等が挙げられる。
本発明の積層体において、積層フィルムの膜厚は、0.050〜1.5mmであることが好ましく、金属基材の膜厚は0.025〜5.0mmであることが好ましい。また、層(A)の膜厚は0.02〜0.6mmであることが好ましく、層(B)の膜厚は0.02〜0.6mmであることが好ましく、層(C)の膜厚は0.01〜0.4mmであることが好ましい。各層の膜厚は、マイクロスコープ等により測定することができる。
本発明の積層体は、金属基材と積層フィルムとの初期剥離強度が60N/cm以上であることが好ましい。本発明の積層体において、積層フィルムの各層間の接着強度は7N/cm以上であってよい。
本発明の積層体は、少なくともフルオロポリマー及び変性ポリオレフィンを積層して積層フィルムを得る工程(1−1)、及び、上記積層フィルムを金属基材に圧着する工程(1−2)、を含む製造方法により好適に製造することができる。この製造方法も本発明の1つである。
工程(1−1)で成形する積層フィルムは2層以上の層を有するものであってよいが、少なくとも変性ポリオレフィンが露出するように積層させる必要がある。工程(1−1)において、積層フィルムを成形する方法としては、(a)樹脂を溶融状態で共押出成形することにより層間を熱溶融着(溶融接着)させ1段で多層構造の積層体を形成する方法(共押出成形法)、(b)押出機によりそれぞれ別個に作製したフィルムを重ね合わせ熱融着により層間を接着させる方法、(c)予め作製したフィルムの表面上に押出機により溶融樹脂を押し出すことにより積層体を形成する方法、等が挙げられ、共押出成形法により積層フィルムを成形することが好ましい。
各層を構成する樹脂が共押出可能なものであれば、上記(a)の共押出成形によって形成することが好ましい。上記共押出成形としては、マルチマニホールド法、フィードブロック法、多層ブロー法、多層インフレーション成形法等の従来公知の多層共押製造法が挙げられる。これらの方法によって成形することにより、シート状、またはフィルム状の積層体とすることができる。
上記(b)及び(c)の成形方法においては、各フィルムを形成したのち、層間接着性を高めることを目的として、各フィルムにおける他のフィルムとの接触面を表面処理してもよい。そのような表面処理としては、ナトリウムエッチング処理等のエッチング処理;レーザーやエキシマーランプ等を用いた光化学処理;コロナ処理;プラズマ処理等が挙げられ、なかでも、プラズマ処理が好ましい。上記プラズマ処理は、例えば、Ar、He、H、O、N、NH若しくは炭化水素ガス、又は、これらの混合ガス等の雰囲気下で実施することができる。フィルムを表面処理する場合には、フルオロポリマーが接着性官能基を有するものでなくとも、充分な接着強度を得ることができる。
上記成形方法としては、上記(a)、及び、上記(b)と(c)の各方法において表面処理を施して積層させる方法が好ましく、生産効率の観点から(a)の共押出成形法が最も好ましい。
工程(1−1)は、フルオロポリマー及び変性ポリオレフィンに加えて、フルオロポリマーと変性ポリオレフィンとの間にポリアミドを積層する工程であることが好ましい。
工程(1−2)は、加熱プレスによって積層フィルムを金属基材に圧着する工程であることが好ましい。加熱プレスは、130〜250℃、1〜100kNの条件で実施することができる。また、真空加熱プレスによって圧着させてもよい。
本発明の製造方法は、工程(1−2)の後、絞り加工によって所望の形状に成形する工程(1−3)を含むことも好ましい。工程(1−3)は、絞り加工した後、パンチと複数の隣接するダイを用いてしごき加工する工程であってもよい。
本発明の製造方法は、工程(1−2)の後、積層体の積層フィルム面が接するように重ねあわせ、積層フィルム同士を融着させて、積層体を袋状又は筒状に加工する工程を含むことも好ましい。
重ねあわせる方法は限定されず、1枚の積層体を積層フィルム面が接するように折り畳んで重ねあわせることもできるし、2枚の積層体を製造し、それぞれの積層体の積層フィルム面がお互いに接するように重ねあわせることもできる。
融着は、ヒートシールにより行うことができ、例えば、重ねあわせた積層体をヒートシーラーにより加熱しながら加圧する方法により行うことができる。加熱する温度は特に限定されず、積層フィルムの構成材料のうち、融着させるべき材料(露出している材料)の融点以上になるまで行えばよく、フルオロポリマーからなる層(A)が露出している場合には150〜350℃程度である。上限温度は積層体を構成する材料のいずれもが熱分解しない温度が選択される。
融着は、また、上熱盤を使用する方法、熱風を利用する方法、摩擦熱を利用する方法(機械的、超音波)や高周波を利用する方法などによって行ってもよい。さらに、溶着部に電熱線を用いたエレクトロフュージョン(電気融着接合)も熱溶融接着方法として用いることもできる。
融着させる前に、積層フィルムの最外層を剥離するなどして下層を一部露出させることで、表面層同士のみならず、下層同士を溶着してもよい。
積層体を重ねあわせる方法や融着箇所を適宜選択することにより、袋状にも筒状にも加工することが可能である。
本発明の積層体は、少なくともフルオロポリマー及び変性ポリオレフィンを積層して積層フィルムを得る工程(2−1)、金属基材を所望の形状に成形する工程(2−2)、及び、真空成形により上記積層フィルムを成形した金属基材に密着させる工程(2−3)を含む製造方法により好適に製造することができる。この製造方法も本発明の1つである。
工程(2−1)は、フルオロポリマー及び変性ポリオレフィンに加えて、フルオロポリマーと変性ポリオレフィンとの間にポリアミドを積層する工程であることが好ましい。
工程(2−1)で成形する積層フィルムは2層以上の層を有するものであってよいが、少なくとも変性ポリオレフィンが露出するように積層させる必要がある。工程(2−1)において、積層フィルムを成形する方法は、工程(1−1)において説明した方法であってよい。
工程(2−2)は、絞り加工によって金属基材を所望の形状に成形する工程であることが好ましい。また、絞り加工した後、パンチと複数の隣接するダイを用いてしごき加工することも好ましい。
工程(2−3)における真空成形は、通常の方法により行うことができ、例えば積層フィルムを130〜300℃に加熱し、積層フィルムと金属基材との空間を真空状態にし、金属基材に積層フィルムを密着させることにより行うことができる。真空成形は、金属基材を100〜200℃に加熱しながらおこなってもよく、加熱によって高い初期剥離強度を得ることができる。また、高い初期剥離強度を得るために、真空成形によって密着させた後に得られる積層体を加熱してもよい。真空成形は、真空圧空成形であってもよい。
本発明の積層体の形状は特に限定されないが、容器の形状を有することが好ましく、円筒容器の形状を有することがより好ましい。また、袋状、筒状等にすることも可能である。
本発明の積層体は、金属缶であることが好ましい。上記金属缶は、飲料用容器、食品用容器、スプレー用容器、薬品用容器、燃料用容器等に好適に使用できる。半導体製造に使用される酸・アルカリ等の腐食性、侵食性の強い薬液用の容器や研磨材のスラリー用の容器としても好適である。
本発明の積層体は、袋状物(袋状の積層体)であることも好ましい。この場合、積層体の積層フィルムの膜厚は、柔軟性の観点から、0.01〜1.0mmであることが好ましく、金属基材の膜厚は0.005〜1.0mmであることが好ましい。本発明の袋状物は、積層フィルムと金属基材とからなり、しかも両者が強固に接着しているので、厚みが小さくても、防湿性、耐候性、防汚性及び耐薬品性に優れる。上記袋状物は、二次電池の外装材、飲料用バッグ、食品用バッグ、薬品用バッグ等に好適に使用できる。
本発明の積層体は、二次電池の外装材であることも好ましい。二次電池としては特に限定されず、リチウムイオン二次電池が挙げられる。
本発明の積層体がガソリン等の引火性の液体に接する場合、引火性の液体が接して静電荷が蓄積しやすいが、この静電荷によって引火することを避けるため、液体と接触する層は導電性フィラーを含有することもできる。
本発明の積層体は以下の用途にも好適に利用可能である。
フィルム、シート類;食品用フィルム、食品用シート、薬品用フィルム、薬品用シート、建材シート、太陽電池の表面保護シート、太陽電池のバックシート、ダイヤフラムポンプのダイヤフラムや各種パッキン等
チューブ、ホース類;自動車燃料用チューブ若しくは自動車燃料用ホース等の燃料用チューブ又は燃料用ホース、溶剤用チューブ又は溶剤用ホース、塗料用チューブ又は塗料用ホース(プリンタ用途含む)、自動車のラジエーターホース、エアコンホース、ブレーキホース、電線被覆材、飲食物用チューブ又は飲食物用ホース、ガソリンスタンド用地下埋設チューブ若しくはホース、海底油田用チューブ若しくはホース(インジェクションチューブ、原油移送チューブ含む)等
ボトル、容器、タンク類;自動車のラジエータータンク、ガソリンタンク等の燃料用タンク、溶剤用タンク、塗料用タンク、半導体用薬液容器等の薬液容器、飲食物用タンク等
その他;キャブレターのフランジガスケット、燃料ポンプのOリング等の各種自動車用シール、油圧機器のシール等の各種機械関係シール、ギア、医療用チューブ(カテーテル含む)、索道管等
更に、本発明の積層体は以下の用途にも好適である。
耐熱エナメル線等の各種電線の被覆材用途;情報機器部品(紙分離爪、プリンタガイド、ギア、ベアリング)、コネクタ、バーンインソケット、ICソケット、油田用電気部品、リレー、電磁波シールド、リレーケース、スイッチ、カバー、端子板母線等の電気・電子産業関連用途;
バルブシート、油圧用シール、バックアップリング、ピストンリング、ウェアバンド、ベーン、ボールベアリングリテーナー、ローラー、カム、ギア、ベアリング、ラビリンスシール、ポンプ部品、機械的リンク機構、ブッシング、ファスナ、スプラインライナー、ブラケット、油圧ピストン、ケミカルポンプケーシング、バルブ、弁、タワーパッキン、コイルボビン、パッキン、コネクター、ガスケット、バルブシール等の機械工業関連用途;
スラストワッシャ、シールリング、ギア、ベアリング、タペット、エンジン部品(ピストン、ピストンリング、バルブステア)、トランスミッション部品(スプール弁、ボール逆止弁、シーリング)、ロッカーアーム等の車両工業関連用途;
ジェットエンジン部品(ブッシング、ワッシャ、スペーサー、ナット)、パワーコントロールクラッチ、ドアヒンジ用ベアリング、コネクター、チューブクランプ、ブラケット、油圧部品、アンテナ、レドーム、フレーム、燃料系統部品、コンプレッサ部品、ロケットエンジン部品、ウェアストリップ、コネクタシェルフ、宇宙構造体等の航空、宇宙産業関連用途等が挙げられる。その他にも、製罐機ピンカバー、メッキ装置用部品、原子力関連部品、超音波トランデューサ、ポテンショメータシャフト、給水栓部品等の用途が挙げられる。
更に、本発明の積層体は以下の用途にも好適である。
攪拌翼、タンク内面、ベッセル、塔、遠心分離器、ポンプ、バルブ、配管、熱交換器、メッキ冶具、タンクローリー内面、スクリューコンベア等の耐蝕用途;半導体工場ダクト等の半導体関連用途;OAロール、OAベルト、製紙ロール、フィルム製造用カレンダーロール、インジェクション金型等の工業用離型用途;炊飯釜、ポット、ホットプレート、アイロン、フライパン、ホームベーカリー、パントレー、ガステーブル天板、パン天板、鍋、釜等の家電・厨房関連用途;各種ギアを含む精密機構摺動部材、製紙ロール、カレンダーロール、金型離型部品、ケーシング、バルブ、弁、パッキン、コイルボビン、オイルシール、継ぎ手、アンテナキャップ、コネクター、ガスケット、バルブシール、埋設ボルト、埋設ナット等の工業部品関連用途等が挙げられる。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例の各数値は以下の方法により測定した。
(1)フルオロポリマーの単量体組成
NMR分析装置(ブルカーバイオスピン社製、AC300 高温プローブ)を用いて測定した。
(2)フルオロポリマーの融点
DSC装置(セイコー社製)を用い、10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度として求めた。
(3)フルオロポリマーのMFR
メルトインデクサー(東洋精機製作所社製)を用い、各温度、5kg荷重下で直径2mm、長さ8mmのノズルから単位時間(10分間)に流出するポリマーの重量(g)を測定した。
(4)フルオロポリマーのカーボネート基の個数
共重合体の白色粉末又は溶融押出ペレットの切断片を室温で圧縮成形し、厚さ50〜200μmのフィルムを作成した。このフィルムの赤外吸収スペクトル分析によってカーボネート基〔−OC(=O)O−〕のカルボニル基由来のピークが1810〜1815cm−1〔ν(C=O)〕の吸収波長に現れるので、そのν(C=O)ピークの吸光度を測定し、下記式(a)により共重合体の主鎖炭素数10個あたりのカーボネート基の個数Nを算出した。
N=500AW/εdf (a)
A:カーボネート基〔−OC(=O)O−〕由来のν(C=O)ピークの吸光度
ε:カーボネート基〔−OC(=O)O−〕由来のν(C=O)ピークのモル吸光度係数。モデル化合物からε=170(l・cm−1・mol−1)とした。
W:共重合体の組成から計算される単量体の平均分子量
d:フィルムの密度(g/cm
f:フィルムの厚さ(mm)
なお、赤外吸収スペクトル分析は、Perkin−Elmer FT−IRスペクトロメーター1760X(パーキンエルマー社製)を用いて40回スキャンした。得られたIRスペクトルをPerkin−Elmer Spectrum for windows Ver.1.4Cを用いて自動でベースラインを判定させ、1810〜1815cm−1のピークの吸光度を測定した。なお、フィルムの厚さはマイクロメーターを用いて測定した。
(5)初期剥離強度及び最大点荷重
得られた試験体に1cm幅に切れ目を入れ、フィルム表面を一部剥離した後、テンシロン万能引張験機(エーアンドデー社製)を用いて、剥離強度(積分平均単位荷重と最大点荷重)を測定した。
(6)熱水浸漬試験
10mmの幅に切れ目を入れた試験片を90℃以上の熱水に240時間浸漬した後、室温に戻し、剥離強度(積分平均単位荷重と最大点荷重)を測定した。
実施例1
無水マレイン酸変性ポリエチレン(商品名:FT61AR3、日本ポリエチレン社製)、ポリアミド12(商品名:ダイアミド、ダイセル・エボニック社製)、およびフッ素樹脂(ネオフロンEFEP RP5000、ダイキン工業社製)を、マルチマニホールドダイを備えた3種3層の同時共押出成形機を使用して、表1に示す条件で成形して、無水マレイン酸変性ポリエチレン/ポリアミド12/フッ素樹脂の積層フィルム(厚み400μm)を得た。
Figure 2012006370
得られた積層フィルムを無水マレイン酸変性ポリエチレンの層がアルミ板(厚さ1.5mm)と接するようにアルミ板上に配置し、220℃、予熱120秒、圧力15kN、加圧時間120秒で真空ヒートプレス機にて熱プレスすることにより、アルミ板と積層フィルムとを有する積層体を作製した。積層体の初期剥離強度及び熱水浸漬試験後剥離強度を表2に示す。
Figure 2012006370
実験例1(絞り加工)
実施例1で得られた積層体を内面が積層フィルムとなるように4段絞り加工することによって、φ33/38、90Lの円筒容器を得た。
得られた円筒容器の内面フィルムとアルミ板との接着強度は非常に強く、手での剥離は困難であった。
実験例2(真空成形)
容器の形状に成形した金属基材を真空圧空成形機(布施真空社製)の下チャンバーに設置し、実施例1において成形した積層フィルムを上チャンバーに設置した。金属基材(SUS,鉄,スズメッキ)を80℃に加熱し、それぞれ上下の独立したチャンバーを真空状態にした後、上チャンバーに設置したフィルムを赤外線ヒーターで210℃まで100秒間かけて加熱した。フィルムが軟化したところで上チャンバーを大気圧に戻し金属基材に圧着させ、内面に積層フィルムが位置する容器を得た。
得られた容器を150℃の電気炉で5分間加熱することで、フィルムと金属基材が接着し、手での剥離は困難となった。
実施例2
実施例1と同一の手順で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムを無水マレイン酸変性ポリエチレンの層がアルミシート(厚さ50μm)と接するようにアルミシート上に配置し、240℃、予熱120秒、圧力15kN、加圧時間120秒で真空ヒートプレス機にて熱プレスすることにより、アルミシートと積層フィルムとを有する積層体を作製した。この手順を繰り返し、合計2つの積層体を作製した。
得られた2つの積層体を、積層フィルム面同士が対向するように重ねた。重ねた積層体の外縁部(外縁から1.0cm)を加熱温度250℃、加熱時間1秒×2回でヒートシーラー(富士インパルス社製)にて溶着させ、袋状物を得た。この袋状物について、溶着面の剥離強度を測定した。測定は、テンシロン万能引張験機(エーアンドデー社製)を用いて、180°剥離試験により行った。荷重が60Nを越えた時点で溶着面が剥離することなく積層体が切断してしまい、剥離強度が測定できなかった。
比較例1
1.0mmのアルミ板に、厚み50μmのEFEPフィルム(ダイキン工業社製)をヒートプレス(230℃×1分)にて熱プレスしアルミ/フィルムの積層体を得た。
得られた積層体を内面がEFEPフィルムとなるように2段絞り加工することによって、φ30、50Lの円筒容器を得た。得られた円筒容器は、内面のフィルムとアルミ板との接着強度が7N/15mmと弱く、手で容易に剥離できた。
比較例2
1.0mmのSUS板に、厚み50μmのEFEPフィルム(ダイキン工業社製)をヒートプレス(230℃×1分)にて熱プレスしアルミ/フィルムの積層体を得た。
得られた積層体を内面がEFEPフィルムとなるように2段絞り加工することによって、φ30、50Lの円筒容器を得た。得られた円筒容器は、内面のフィルムとSUS板との接着強度が10N/15mmと弱く、手で容易に剥離できた。

Claims (17)

  1. 金属基材と、前記金属基材の片面又は両面に配置された積層フィルムと、からなる積層体であり、
    前記積層フィルムは、フルオロポリマーからなる層(A)及び変性ポリオレフィンからなる層(B)を有し、
    前記金属基材と前記積層フィルムの層(B)とが接着している
    ことを特徴とする積層体。
  2. 積層フィルムは、更に、層(A)及び層(B)の間に配置されたポリアミドからなる層(C)を有する請求項1記載の積層体。
  3. フルオロポリマーは、融点が150℃以上である請求項1又は2記載の積層体。
  4. フルオロポリマーは、エチレン単位及びテトラフルオロエチレン単位からなる共重合体である請求項1、2又は3記載の積層体。
  5. フルオロポリマーは、ポリマー主鎖末端又は側鎖に主鎖炭素数1×10個あたり3個以上の接着性官能基を有する請求項1、2、3又は4記載の積層体。
  6. 絞り加工によって成形されたものである請求項1、2、3、4又は5記載の積層体。
  7. 金属缶である請求項1、2、3、4、5又は6記載の積層体。
  8. 二次電池の外装材である請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の積層体。
  9. 少なくともフルオロポリマー及び変性ポリオレフィンを積層して積層フィルムを得る工程(1−1)、及び、
    前記積層フィルムの変性ポリオレフィンが位置する面と金属基材とを接触させ、前記積層フィルムを金属基材に圧着する工程(1−2)、
    を含むことを特徴とする積層体の製造方法。
  10. 工程(1−1)は、共押出成形法によって積層フィルムを得る工程である請求項9記載の製造方法。
  11. 工程(1−1)は、フルオロポリマー及び変性ポリオレフィンに加えて、フルオロポリマーと変性ポリオレフィンとの間にポリアミドを積層する工程である請求項9又は10記載の製造方法。
  12. 工程(1−2)は、加熱プレスによって圧着する工程である請求項9、10又は11記載の製造方法。
  13. 工程(1−2)の後、絞り加工によって所望の形状に成形する工程(1−3)を含む請求項9、10、11又は12記載の製造方法。
  14. 少なくともフルオロポリマー及び変性ポリオレフィンを積層して積層フィルムを得る工程(2−1)、
    金属基材を所望の形状に成形する工程(2−2)、及び、
    真空成形により前記積層フィルムを成形した金属基材に密着させる工程(2−3)
    を含むことを特徴とする積層体の製造方法。
  15. 工程(2−1)は、共押出成形法によって積層フィルムを得る工程である請求項14記載の製造方法。
  16. 工程(2−1)は、フルオロポリマー及び変性ポリオレフィンに加えて、フルオロポリマーと変性ポリオレフィンとの間にポリアミドを積層する工程である請求項14又は15記載の製造方法。
  17. 工程(2−2)は、絞り加工によって金属基材を所望の形状に成形する工程である請求項14、15又は16記載の製造方法。
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