JPWO2007132882A1 - Hcv感染症を治療または予防するための医薬組成物 - Google Patents

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琢哉 楳原
琢哉 楳原
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Abstract

本発明者らは、HCVサブゲノムレプリコン細胞FLR3-1またはHCV感染キメラマウスを用いて、SPT阻害剤および/またはインターフェロンの抗HCV効果を検討した。その結果、SPT阻害剤であるミリオシンまたは式(III)の化合物がHCV感染症の新規治療剤となりうること、および、該SPT阻害剤およびインターフェロンを併用することにより、より高いHCV複製阻害効果が得られることが明らかとなった。

Description

本発明は、ミリオシンおよびインターフェロンを有効成分として含有する、HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物、およびその利用に関する。
C型肝炎(HCV)感染症は通常、慢性肝炎を引き起こし、しばしば肝硬変または肝細胞癌に至る。保因者の数は、現在では全世界の人口の約3%(〜1億7000万人)に上る。HCVは、いまだ明らかでない原因により宿主の免疫機構を回避するため、免疫機構の発達した大人に感染した場合でも持続感染が成立することが多く、慢性肝炎、肝硬変、肝癌へと進行し、手術により摘出しても、非癌部で引き続き起こる炎症のため肝癌が再発する患者が多いことも知られている。
現在のところHCV感染症に対する最も有効な治療方法として、PEG化インターフェロン(PEG-IFN)とリバビリン(非特許文献1、2)の併用が知られている。しかし、インターフェロン治療が有効な患者は、全患者の1/3程度に限られており、特にHCV遺伝子型1bに対するインターフェロンの奏効率は非常に低い。従って、インターフェロンに代わる、もしくはそれと併用し得る抗HCV薬の開発が望まれている。その中でも、抗炎症剤により炎症を抑える対症療法とは別に、患部である肝臓においてHCVを減らすあるいは根絶させる薬剤の開発が強く望まれている。
HCVは、フラビウイルス科に属する一本鎖RNAウイルスである。RNAゲノムは少なくとも10個のウイルスタンパク質を産生し、これには構造および非構造(NS)タンパク質が含まれる。前者はHCV粒子の形成に関与している。後者は、HCVゲノム複製において重要な役割を果たしている(非特許文献3)。一般的に、NSタンパク質の複合体はゴルジおよび小胞体膜上の脂質ラフトに会合し、ここでHCV感染が起こることが容認されている(非特許文献4、5)。このように、脂質ラフト集合体が破壊されると、HCV複製の抑制が起こる可能性がある。
ミリオシン(ISP-1)は、スフィンゴ脂質生合成経路の第一段階酵素であるセリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)の特異的阻害剤である(図1;非特許文献6、7)。ミリオシンは、スフィンゴシンに対するその構造的類似性のためにSPT活性を阻害し、それによって細胞内スフィンゴミエリンならびにその中間体であるジヒドロスフィンゴシン、スフィンゴシン、セラミド、およびスフィンゴシン-1-ホスフェート(図1)の減少が起こる。スフィンゴミエリンは脂質ラフト集合体の肝要な成分の一つであることから、ミリオシンによってSPTが阻害されると、最終的に脂質ラフトの破壊が起こると考えられる(非特許文献8)。
最近、Sakamotoらは、HCVのサブゲノムレプリコンの複製を抑制する化合物NA255を単離した(非特許文献9、特許文献1)。NA255は、ミリオシンと構造的に類似であり、SPTの酵素活性を阻害し、それによってHCV NS3(プロテアーゼおよびヘリカーゼ)またはNS5B(RNA依存的RNAポリメラーゼ)の酵素活性に影響を及ぼすことなく、HCV複製の抑制が起こることがわかっている。このように、HCVサブゲノムレプリコンの複製は、スフィンゴ脂質、セラミド、およびスフィンゴミエリンの量の減少に反応してNA255によって抑制された。これらの知見は、NA255がHCV NSタンパク質と会合した脂質ラフト集合体を破壊することを示唆している。
上記の結果により、ミリオシンが抗HCV効果を示すことが示唆されてきたが、ミリオシンおよびインターフェロンの併用が、HCVの複製阻害にどのような効果を示すかについては、これまで明らかにされてこなかった。
尚、本出願の発明に関連する先行技術文献情報を以下に示す。
WO2006/016657 Glue, P. et al., Hepatology, 32, 647-653 (2000) Reddy, K.R. et al., Hepatology, 33, 433-438 (2001) Rosenberg, S., J Mol Biol, 313, 451-464(2001) Aizaki, H. et al., Virology, 324, 450-461 (2004) Gao, L. et al., J Virol, 78, 3480-3488 (2004) Fujita, T. et al., J Antibiot (Tokyo), 47, 208-215 (1994) Miyake, Y. et al., Biochem Biophys Res Commun, 211, 396-403 (1995) Simons, K. and Ikonen, E., Nature, 387, 569-572 (1997) Sakamoto, H. et al., Nat Chem Biol, 1, 333-337 (2005)
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物およびインターフェロンを組み合わせてなる、HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物を提供することにある。また、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物およびインターフェロンを対象に投与する工程を含む、HCV感染症を治療または予防する方法の提供も目的とする。
上記課題を解決するために本発明者らは、まずHCVサブゲノムレプリコン細胞FLR3-1におけるミリオシンの抗HCV作用および細胞毒性を調べた。その結果、ミリオシンの投与によって、細胞生存率または細胞増殖には影響が生じないのにも関わらず、HCV複製活性が用量依存的に大きく減少することが明らかとなった(図2A)。
次に、スフィンゴリピッド代謝物とHCV複製との相関を調べるために、ミリオシンの存在下でのFLR3-1細胞によるデノボスフィンゴ脂質生合成をモニターした。その結果、セラミドおよびスフィンゴミエリンの産生はいずれも、用量依存的に阻害されたが、スフィンゴシンの代謝物であるホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジルセリンの産生は、影響を受けなかった(図2B)。また、HCVサブゲノムレプリコン複製の抑制がスフィンゴリピッド枯渇によって引き起こされるか否かを確認するために、スフィンゴ脂質生合成経路の中間体の存在下でミリオシンの抗HCV効果を調べた。その結果、ミリオシンによるHCV複製の抑制は、スフィンゴ脂質生合成の抑制が原因であることが明らかとなった。
次に、HCV遺伝子型1aまたは1bに感染したヒト化肝臓を有するキメラマウスを用いて、ミリオシンおよび/またはインターフェロンの抗HCV効果を検討した。具体的には、キメラマウスにミリオシンおよび/またはインターフェロンを投与して、血清および肝臓中のHCV RNAレベルを検出した。その結果、ミリオシンはヒト化肝臓から発現されたh-Albに影響を及ぼすことなくHCVの複製を抑制することが明らかとなった。また、ミリオシンとPEG-IFNを併用することにより、軽度の肝損傷を示しつつもHCVの複製が相乗的に抑制されることが明らかとなった。
さらに、HCV遺伝子型1bに感染したキメラマウスを用いて、式(III)で表される化合物およびインターフェロンの抗HCV効果を、同様の方法により検討した。その結果、式(III)の化合物の投与によってもHCVの複製が抑制され、また式(III)の化合物およびPEG-IFNを併用することにより、HCVの複製は相乗的に抑制されることが明らかになった。
即ち、本発明者らは、SPT阻害剤であるミリオシンまたは式(III)の化合物がHCV感染症の新規治療剤となりうること、および、該SPT阻害剤およびインターフェロンを併用することにより、より高いHCV複製阻害効果が得られることを見出し、これにより本発明を完成するに至った。
本発明は、より具体的には、以下の(1)〜(42)を提供する。
(1)スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物およびインターフェロンを組み合わせてなる、HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物。
(2)HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物が、配合剤であることを特徴とする(1)に記載の医薬組成物。
(3)スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物と、インターフェロンとが併用されることを特徴とする、(1)に記載の医薬組成物。
(4)スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物と、インターフェロンとが同時にまたは順次に投与されることを特徴とする、(3)に記載の医薬組成物。
(5)スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物と、インターフェロンとが別々に投与されることを特徴とする、(3)に記載の医薬組成物。
(6)インターフェロンと併用することを特徴とする、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物を有効成分として含有する、HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物。
(7)インターフェロンと同時に投与することを特徴とする、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物を有効成分として含有する、HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物。
(8)インターフェロンの投与前又は投与後に投与することを特徴とする、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物を有効成分として含有する、HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物。
(9)スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物と併用することを特徴とする、インターフェロンを有効成分として含有する、HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物。
(10)スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物と同時に投与することを特徴とする、インターフェロンを有効成分として含有する、HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物。
(11)スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物の投与前又は投与後に投与することを特徴とする、インターフェロンを有効成分として含有する、HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物。
(12)スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物が、パルミトイルCoAからスフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物である、(1)〜(11)のいずれかに記載の医薬組成物。
(13)スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物が、以下(a)または(b)である、(1)〜(11)のいずれかに記載の医薬組成物
(a)パルミトイルCoAから3-ケトジヒドロスフィンゴシンの生合成に関与する、セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物
(b) セリンパルミトイル転移酵素の発現を抑制する化合物
(14)セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物がミリオシン、スフィンゴファンギン、以下の式(I)で表される化合物またはそれらのその薬学的に許容される塩である、(13)に記載の医薬組成物。
式(I):
Figure 2007132882
〔式中、Aは、−(CH2n−を表し、ここでnは、0〜10の整数を表し;
Bは、−CH2−、−(C=O)−、−CH(OH)−、−CH(NH2)−、または−C(=NOR)−を表し、ここでRは、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基(炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよい)を表し;
Dは、−(CH2m−R′を表し、ここでmは、0〜10の整数を表し、R′は、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、置換されていてもよい複素環式基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、−OX基(ここで、Xは、水素原子または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、シクロアルキル基、または置換されていてもよいアリール基を表す)、またはハロゲン原子を表し;
Eは、水素原子または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基を表し;
Gは、−(CH2p−Jを表し、ここでpは、0〜4の整数を表し、Jは、水素、OH基、SH基、メチルチオ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アミノ基、グアニジノ基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよい複素環式基、または置換されていてもよいヘテロアリール基を表し;
結合Qは、単結合または二重結合を表し;そして
1、R2、及びR3は、同一又は異なって、水酸基、アミノ基(炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基でモノまたはジ置換されていてもよい)、−OL、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基を表し、ここでLは、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基を示す。〕
(15)セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物が、以下の式(II)〜(XII)のいずれかに表される化合物、またはそれらのその薬学的に許容される塩である、(13)に記載の医薬組成物。
式(II)
Figure 2007132882
式(III)
Figure 2007132882
式(IV)
Figure 2007132882
式(V)
Figure 2007132882
式(VI)
Figure 2007132882
式(VII)
Figure 2007132882
式(VIII)
Figure 2007132882
式(IX)
Figure 2007132882
式(X)
Figure 2007132882
式(XI)
Figure 2007132882
式(XII)
Figure 2007132882
(16)セリンパルミトイル転移酵素の発現を抑制する化合物が、以下の(a)または(b)である、(13)に記載の医薬組成物。
(a)セリンパルミトイル転移酵素をコードするDNAの転写産物と相補的なRNA
(b)セリンパルミトイル転移酵素をコードするDNAの転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有するRNA
(17)インターフェロンが、ペグ化インターフェロンである、(1)〜(11)のいずれかに記載の医薬組成物。
(18)HCV感染症が、C型肝炎、肝硬変、肝繊維化、または肝癌である、(1)〜(11)のいずれかに記載の医薬組成物。
(19)スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物およびインターフェロンを対象に投与する工程を含む、HCV感染症を治療または予防する方法。
(20)スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物およびインターフェロンを、対象に同時に投与することを特徴とする、(19)に記載のHCV感染症を治療または予防する方法。
(21)スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物およびインターフェロンを、対象に別々に投与することを特徴とする、(19)に記載のHCV感染症を治療または予防する方法。
(22)スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物が、パルミトイルCoAからスフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物である、(19)に記載のHCV感染症を治療または予防する方法。
(23)スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物が、以下(a)または(b)である、(19)に記載のHCV感染症を治療または予防する方法。
(a)パルミトイルCoAから3-ケトジヒドロスフィンゴシンの生合成に関与する、セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物
(b) セリンパルミトイル転移酵素の発現を抑制する化合物
(24)セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物がミリオシン、スフィンゴファンギン、以下の式(I)で表される化合物またはそれらのその薬学的に許容される塩である、(23)に記載のHCV感染症を治療または予防する方法。
式(I):
Figure 2007132882
〔式中、Aは、−(CH2n−を表し、ここでnは、0〜10の整数を表し;
Bは、−CH2−、−(C=O)−、−CH(OH)−、−CH(NH2)−、または−C(=NOR)−を表し、ここでRは、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基(炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよい)を表し;
Dは、−(CH2m−R′を表し、ここでmは、0〜10の整数を表し、R′は、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、置換されていてもよい複素環式基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、−OX基(ここで、Xは、水素原子または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、シクロアルキル基、または置換されていてもよいアリール基を表す)、またはハロゲン原子を表し;
Eは、水素原子または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基を表し;
Gは、−(CH2p−Jを表し、ここでpは、0〜4の整数を表し、Jは、水素、OH基、SH基、メチルチオ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アミノ基、グアニジノ基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよい複素環式基、または置換されていてもよいヘテロアリール基を表し;
結合Qは、単結合または二重結合を表し;そして
1、R2、及びR3は、同一又は異なって、水酸基、アミノ基(炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基でモノまたはジ置換されていてもよい)、−OL、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基を表し、ここでLは、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基を示す。〕
(25)セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物が、以下の式(II)〜(XII)のいずれかに表される化合物、またはそれらのその薬学的に許容される塩である、(23)に記載のHCV感染症を治療または予防する方法。
式(II)
Figure 2007132882
式(III)
Figure 2007132882
式(IV)
Figure 2007132882
式(V)
Figure 2007132882
式(VI)
Figure 2007132882
式(VII)
Figure 2007132882
式(VIII)
Figure 2007132882
式(IX)
Figure 2007132882
式(X)
Figure 2007132882
式(XI)
Figure 2007132882
式(XII)
Figure 2007132882
(26)セリンパルミトイル転移酵素の発現を抑制する化合物が、以下の(a)または(b)である、(23)に記載のHCV感染症を治療または予防する方法。
(a)セリンパルミトイル転移酵素をコードするDNAの転写産物と相補的なRNA
(b)セリンパルミトイル転移酵素をコードするDNAの転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有するRNA
(27)インターフェロンが、ペグ化インターフェロンである、(19)に記載のHCV感染症を治療または予防する方法。
(28)HCV感染症が、C型肝炎、肝硬変、肝繊維化、または肝癌である、(19)に記載のHCV感染症を治療または予防する方法。
(29)HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物を製造するための、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物およびインターフェロンの使用。
(30)インターフェロンと併用してHCV感染症を治療または予防するための医薬組成物を製造するための、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物の使用。
(31)インターフェロンと同時に投与してHCV感染症を治療または予防するための医薬組成物を製造するための、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物の使用。
(32)インターフェロンの投与前又は投与後に投与してHCV感染症を治療または予防するための医薬組成物を製造するための、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物の使用。
(33)スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物と併用してHCV感染症を治療または予防するための医薬組成物を製造するための、インターフェロンの使用。
(34)スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物と同時に投与してHCV感染症を治療または予防するための医薬組成物を製造するための、インターフェロンの使用。
(35)スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物の投与前又は投与後に投与してHCV感染症を治療または予防するための医薬組成物を製造するための、インターフェロンの使用。
(36)スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物が、パルミトイルCoAからスフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物である、(29)〜(35)のいずれかに記載の使用。
(37)スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物が、以下(a)または(b)である、(29)〜(35)のいずれかに記載の使用。
(a)パルミトイルCoAから3-ケトジヒドロスフィンゴシンの生合成に関与する、セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物
(b) セリンパルミトイル転移酵素の発現を抑制する化合物
(38)セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物がミリオシン、スフィンゴファンギン、以下の式(I)で表される化合物またはそれらのその薬学的に許容される塩である、(37)に記載の使用。
式(I):
Figure 2007132882
〔式中、Aは、−(CH2n−を表し、ここでnは、0〜10の整数を表し;
Bは、−CH2−、−(C=O)−、−CH(OH)−、−CH(NH2)−、または−C(=NOR)−を表し、ここでRは、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基(炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよい)を表し;
Dは、−(CH2m−R′を表し、ここでmは、0〜10の整数を表し、R′は、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、置換されていてもよい複素環式基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、−OX基(ここで、Xは、水素原子または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、シクロアルキル基、または置換されていてもよいアリール基を表す)、またはハロゲン原子を表し;
Eは、水素原子または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基を表し;
Gは、−(CH2p−Jを表し、ここでpは、0〜4の整数を表し、Jは、水素、OH基、SH基、メチルチオ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アミノ基、グアニジノ基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよい複素環式基、または置換されていてもよいヘテロアリール基を表し;
結合Qは、単結合または二重結合を表し;そして
1、R2、及びR3は、同一又は異なって、水酸基、アミノ基(炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基でモノまたはジ置換されていてもよい)、−OL、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基を表し、ここでLは、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基を示す。〕
(39)セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物が、以下の式(II)〜(XII)のいずれかに表される化合物、またはそれらのその薬学的に許容される塩である、(37)に記載の使用。
式(II)
Figure 2007132882
式(III)
Figure 2007132882
式(IV)
Figure 2007132882
式(V)
Figure 2007132882
式(VI)
Figure 2007132882
式(VII)
Figure 2007132882
式(VIII)
Figure 2007132882
式(IX)
Figure 2007132882
式(X)
Figure 2007132882
式(XI)
Figure 2007132882
式(XII)
Figure 2007132882
(40)セリンパルミトイル転移酵素の発現を抑制する化合物が、以下の(a)または(b)である、(37)に記載の使用。
(a)セリンパルミトイル転移酵素をコードするDNAの転写産物と相補的なRNA
(b)セリンパルミトイル転移酵素をコードするDNAの転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有するRNA
(41)インターフェロンが、ペグ化インターフェロンである、(29)〜(35)のいずれかに記載の使用。
(42)HCV感染症が、C型肝炎、肝硬変、肝繊維化、または肝癌である、(29)〜(35)のいずれかに記載の使用。
スフィンゴ脂質の生合成経路を示す図である。セリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)は経路における初発酵素である。 HCVレプリコン細胞におけるミリオシンの抗HCV効果を示す図および写真である。(A)ミリオシンの存在下におけるFLR3-1レプリコン細胞のルシフェラーゼ活性および細胞生存率を示す図である。実験は独立して少なくとも3回行った。 (B)デノボスフィンゴリピッド生合成をTLCによってモニターした結果を示す写真である。Cer:セラミド、PS:ホスファチジルセリン、PE:ホスファチジルエタノールアミン、およびSM:スフィンゴミエリン。 ミリオシン存在下でHCVタンパク質の発現を示す写真である。(A) HCVレプリコン細胞にミリオシンを加えた場合、NS3タンパク質の発現が抑制されたことを示すウエスタンブロットの写真である。(B) HCVレプリコン細胞にミリオシンを加えた場合、NS3タンパク質が抑制されたことを示す免疫染色の写真である。 HCV遺伝子型1bに感染させたキメラマウスにおけるミリオシンの抗HCV効果を示す図である。(A)キメラマウスの血清中のHCV RNAレベルを示す図である。星印はHCV RNAが検出されなかったことを示す。(B)キメラマウスの血清中のヒトアルブミン濃度を示す図である。 ミリオシン処置キメラマウスの肝臓におけるHCV RNAおよびコアタンパク質の検出結果を示す図および写真である。HCV RNAおよびコアタンパク質は、HCV遺伝子型1aを感染させたキメラマウスの肝臓において検出された。1a-1:無処置、1a-2:無処置および非感染、1a-3:PEG-IFN処置、および1a-4:ミリオシン処置。(A)総RNA 1μgあたりのHCV RNAのコピー数および総蛋白質1 mgあたりのHCVコアタンパク質の発現レベルを示す図である。星印はHCV RNAまたはコアタンパク質が検出されなかったことを示す。(B)キメラマウス肝臓におけるHCVコアタンパク質およびヒト肝細胞の免疫蛍光染色結果を示す写真である。左からそれぞれ、ヒト肝細胞、HCVコアタンパク質、および核を染色した結果を示す。 HCV遺伝子型1bに感染させたキメラマウスにおける式(III)の化合物の抗HCV効果を示す図である。各投与群におけるキメラマウスの8日目および14日目の血清中のHCV RNAレベルを示す。
本発明は、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物およびインターフェロンを組み合わせてなる、HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物に関する。
本発明において、「スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物およびインターフェロンを組み合わせてなる、HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物」とは、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物およびインターフェロンを、HCV感染症の治療または予防において同時に、別々に、又は順次に投与するために組み合わせた医薬組成物であればよい。本発明の医薬組成物は、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物とインターフェロンを同一医薬組成物中に含有する配合剤であってもよいし、またスフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物とインターフェロンを別々の医薬組成物に含有するものであってもよい。また、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物を含有する医薬組成物とインターフェロンを含有する医薬組成物をキットとしたものであってもよい。
ここで、上記の「組み合わせてなる、HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物」において、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物とインターフェロンが別々の医薬組成物に含有される場合には、2個の別個の製剤の剤型は同じであってもよいし、別々であってもよい。例えば、いずれか一方又は両方が、非経口製剤、注射剤、点滴剤、静脈内点滴剤であってもよい。
上述したような、HCV感染症の治療または予防において用いる上記組み合わせ製剤に対して、さらに1個以上の製剤を組み合わせたものも、上記「組み合わせてなる、HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物」に含まれる。
また、本発明は、インターフェロンと併用することを特徴とする、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物を有効成分として含有する、HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物に関する。本医薬組成物をインターフェロンと併用する際には、インターフェロンと同時に投与してもよいし、インターフェロンの投与前または投与後に本医薬組成物を投与してもよい。
また、本発明は、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物と併用することを特徴とする、インターフェロンを有効成分として含有する、HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物に関する。インターフェロンを本医薬組成物と併用する際には、本医薬組成物と同時に投与してもよいし、本医薬組成物の投与前または投与後にインターフェロンを投与してもよい。
本発明において、スフィンゴミエリンの生合成過程としては、より好ましくはパルミトイルCoAからスフィンゴミエリンの生合成過程(図1)を挙げることが出来る。
本発明において、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物とは、パルミトイルCoAからスフィンゴミエリンの生合成過程に関わる生体内反応を、直接的もしくは間接的に阻害するものであれば如何なる化合物であってもよい。スフィンゴミエリンの生合成過程に関わる酵素の活性を阻害する化合物、生合成に関わる酵素の発現を阻害する化合物であってもよく、また、これらの阻害剤を生成または増加させる化合物であって、生合成に関わる酵素を間接的に阻害する化合物であってもよい。
本発明の化合物がスフィンゴミエリンの生合成過程を遮断するか否かは、スフィンゴミエリン生合成の50%阻害濃度(IC50)値を測定することにより判断することができる。当該化合物は、限定するものではないが、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断した結果、最終的に通常のスフィンゴミエリン生合成に対するIC50値が、好ましくは1 μM以下、さらに好ましくは100 nM以下、最も好ましくは50 nM以下である化合物であればよい。スフィンゴミエリン生合成のIC50値は、当業者に任意の測定方法により測定することができるが、例えば、細胞に(14C)セリンを取り込ませ、その脂質中の量を測定する方法(Nat Chem Biol. 2005 Nov;1(6):333-7. Epub 2005 Oct 16.)、あるいはHCVサブゲノムレプリコン細胞を用いて、ルシフェラーゼアッセイにより当該化合物のHCV RNA複製の阻害活性を測定する方法(実施例1、Nat Chem Biol. 2005 Nov;1(6):333-7. Epub 2005 Oct 16.)などを挙げることができる。
本発明において、スフィンゴミエリンの生合成過程に関わる酵素としては、セリンパルミトイル転移酵素、3−ケトジヒドロスフィンゴシン還元酵素、ジヒドロスフィンゴシン−N−アシル転移酵素、ジヒドロセラミド不飽和化酵素、スフィンゴミエリン合成酵素等があるが(図1)、好ましくは、セリンパルミトイル転移酵素を挙げることができる。
本発明の化合物としては、スフィンゴ脂質生合成過程の初段階である、パルミトイルCoAから3-ケトジヒドロスフィンゴシンの生合成過程を遮断する化合物が挙げられる。該生合成過程を遮断する化合物としては、該生合成に関与するセリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物、またはセリンパルミトイル転移酵素の発現を抑制する化合物を挙げることができる。
本発明の、セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物としては、該酵素活性を阻害するものであれば如何なるものでもよい。
本発明の化合物がセリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害するか否かは、セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性の50%阻害濃度(IC50)値を測定することにより判断することができる。当該化合物は、限定するものではないが、セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性に対するIC50値が、好ましくは1 μM以下、さらに好ましくは100 nM以下、最も好ましくは50 nM以下である化合物であればよい。セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性のIC50値は、当業者に任意の測定方法により測定することができるが、例えば、細胞に(14C)セリンを取り込ませ、その脂質中の量を測定する方法(Nat Chem Biol. 2005 Nov;1(6):333-7. Epub 2005 Oct 16.)が挙げられる。
本発明の、セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物として好ましくはミリオシン、スフィンゴファギン、以下の式(I)で表される化合物またはそれらのその薬学的に許容される塩を挙げることができる。
式(I):
Figure 2007132882
式中、Aは、−(CH2n−を表し、ここでnは、0〜10の整数を表し;
Bは、−CH2−、−(C=O)−、−CH(OH)−、−CH(NH2)−、または−C(=NOR)−を表し、ここでRは、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基(炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよい)を表し;
Dは、−(CH2m−R′を表し、ここでmは、0〜10の整数を表し、R′は、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、シクロアルキル基、置換されていてもよい複素環式基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、−OX基(ここで、Xは、水素原子または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、シクロアルキル基、または置換されていてもよいアリール基を表す)、またはハロゲン原子を表し;
Eは、水素原子または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基を表し;
Gは、−(CH2p−Jを表し、ここでpは、0〜4の整数を表し、Jは、水素、OH基、SH基、メチルチオ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アミノ基、グアニジノ基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよい複素環式基、または置換されていてもよいヘテロアリール基を表し;
結合Qは、単結合または二重結合を表し;そして
1、R2、及びR3は、同一又は異なって、水酸基、アミノ基(炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基でモノまたはジ置換されていてもよい)、−OL、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基を表し、ここでLは、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基を示す。
本発明においては、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基とは、特に本明細書中で定義している場合を除き、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐鎖状の炭化水素基を意味し、好ましくは炭素数1〜7の直鎖もしくは分岐鎖状の炭化水素基を意味する。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基などが挙げられる。またシクロアルキル基とは、炭素数3〜8の環状炭化水素基を意味する。たとえば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロヘキセニル基などが挙げられる。また、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基は、炭素数2〜8の直鎖もしくは分岐鎖状の炭化水素基であって、少なくとも1の二重結合を含むものを意味する。例えば、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、2−エテニル−2−ブテニル基などが挙げられる。直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基とは、炭素数2〜8の直鎖もしくは分岐鎖状の炭化水素基であって、少なくとも1の三重結合を含むものを意味する。例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、3−ブチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、2−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基、2−デシニル基、6,6−ジメチル−ヘプタ−2,4−ジイン−1−イル基などが挙げられる。
また、本明細書において記載される複素環式基とは、窒素原子、硫黄原子、および酸素原子から独立して選択されるヘテロ原子1〜4個(好ましくは1または2個)を環員として含む4〜6員の単環または7〜10員の二環の環式基(好ましくは単環基)であって、少なくとも1の二重結合を有していてもよい基を意味し、具体的にはピラン、モルホリン、テトラヒドロフラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、1,3−ジオキサン、ピペラジン、ピペリジン、チオモルホリンなどから誘導される基が挙げられる。
本明細書において記載されるアリール基は、芳香族性を有する単環または多環の炭化水素基を意味する。具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレンなどから誘導される基を挙げることができる。
本明細書において記載されるヘテロアリール基は、芳香族性を有し、窒素原子、硫黄原子、および酸素原子から独立して選択されるヘテロ原子1〜4個(好ましくは1または2個)を環員として含む4〜6員の単環または7〜10員の二環の環状基(好ましくは単環基)を意味する。具体的には、フラン、チオフェン、ピロール、ジアゾール、ピリジン、チアゾール、イミダゾール、ピリミジン、インドール、キノリン、オキサゾール、イソキサゾール、ピラジン、トリアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、ピラゾールなどから誘導される基を挙げることができる。
本明細書において記載されるアラルキル基は、上記のアリール基で置換されている上記の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基を意味し、具体的にはベンジル基、フェネチル基などを挙げることができる。
本明細書において記載されるヘテロアリールアルキル基は、上記のヘテロアリール基で置換されている上記の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基を意味する。
本明細書において記載されるアシル基は、カルボニル基を介して結合している、上記の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、または複素環式基を意味する。
本明細書において記載される「置換されていてもよい」は、特に本明細書中で定義されている場合を除き、このように付記されている基が、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルコキシ基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニルオキシ基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニルオキシ基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ハロゲン原子、アリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、アミノ基(直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基でモノまたはジ置換されていてもよい)、アシル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキルスルホニル基、カルバモイル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキルチオ基、カルボキシル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキルカルボニル基、ホルミル基、アミノスルホニル基などの基で置換されていてもよいことを意味する。これらの置換基に含まれるアリールおよびヘテロアリール部分は、更にハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルコキシ基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニルオキシ基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニルオキシ基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ハロゲン原子、アリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基でモノもしくはジ置換されていてもよいアミノ基、アシル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキルスルホニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルコキシ基、カルバモイル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキルチオ基、カルボキシル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキルカルボニル基、ホルミル基、アミノスルホニル基などによってモノ、ジもしくはトリ置換されていてもよい。
また、式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩は、当該化合物と、医薬品の製造に使用可能である酸または塩基とを接触させることにより製造される。上記塩としては薬理学的に許容されるものであれば特に限定されず、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸などの鉱酸との塩;酢酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ショウノウスルホン酸などの有機酸との塩;ナトリウム、カリウム、カルシウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属などとの塩などを挙げることができる。
また、当該塩には当該化合物が形成していてもよい水和物もしくは溶媒和物を含む。式(I)で表される化合物がフリー体として得られる場合、当該化合物が形成していてもよい塩またはそれらの水和物もしくは溶媒和物の状態に、常法に従って変換することができる。
本発明の式(I)で表される化合物は、国際公開公報WO2004/071503、WO2005/005372、またはWO2006/016657に記載された方法で合成することが出来る。
本発明の式(I)で表される化合物の好ましい例としては、以下の化合物を挙げることが出来る。
Figure 2007132882
Figure 2007132882
Figure 2007132882
Figure 2007132882
Figure 2007132882
Figure 2007132882
Figure 2007132882
Figure 2007132882
Figure 2007132882
Figure 2007132882
本発明の式(I)で表される化合物のより好ましい例としては、式(II)〜(XII)のいずれかに表される化合物を挙げることができる。
式(II)
Figure 2007132882
式(III)
Figure 2007132882
式(IV)
Figure 2007132882
式(V)
Figure 2007132882
式(VI)
Figure 2007132882
式(VII)
Figure 2007132882
式(VIII)
Figure 2007132882
式(IX)
Figure 2007132882
式(X)
Figure 2007132882
式(XI)
Figure 2007132882
式(XII)
Figure 2007132882
本発明の、セリンパルミトイル転移酵素の発現を抑制する化合物としては、セリンパルミトイル転移酵素をコードするDNAの転写産物と相補的なRNA、または該転写産物を特異的に開裂するリボザイムを挙げることができる。本発明において、発現を抑制されるセリンパルミトイル転移酵素の由来は特に限定されないが、好ましくは哺乳動物由来であり、より好ましくはヒト由来である。セリンパルミトイル転移酵素をコードするDNAとしては配列番号:3または5(LCB1またはLCB2)に記載の塩基配列からなるDNA、配列番号:4または6に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA、および配列番号:4または6に記載のアミノ酸配列において1または複数のアミノ酸が置換、欠失、付加、および/または挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする天然由来のDNA等も含まれる。「1または複数のアミノ酸が置換、欠失、付加、および/または挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質」は、天然型のタンパク質と同等の機能を有し、かつ高い相同性を持つものである。高い相同性とは、アミノ酸配列全体で、少なくとも50%以上、さらに好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上(例えば、95%,96%,97%,98%,99%以上)の配列の同一性を指す。
上記天然由来のDNAは、配列番号:3または5に記載の塩基配列からなるDNAにハイブリダイズするDNAである。ハイブリダイゼーションにおける条件は当業者であれば適宜選択することができるが、ハイブリダイゼーション後の洗浄において、例えば42℃、5×SSC、0.1%SDSの条件であり、好ましくは50℃、5×SSC 、0.1%SDSの条件である。より好ましいハイブリダイゼーションの条件としては、例えば65℃、0.1×SSC及び0.1%SDSの条件である。
本発明の「酵素の発現を抑制」という記載には、遺伝子の転写の抑制およびタンパク質への翻訳の抑制が含まれる。また、DNAの発現の完全な停止のみならず発現の減少も含まれる。
セリンパルミトイル転移酵素をコードするDNAの転写産物と相補的なRNAとしては、より好ましくは配列番号:1および2で表すsiRNAを挙げることができる。
本発明の「酵素をコードするDNAの転写産物と相補的なRNA」の一つの態様は、酵素をコードするDNAの転写産物と相補的なアンチセンスRNAである。
アンチセンス核酸が標的遺伝子の発現を抑制する作用としては、以下のような複数の要因が存在する。すなわち、三重鎖形成による転写開始阻害、RNAポリメラーゼによって局部的に開状ループ構造がつくられた部位とのハイブリッド形成による転写抑制、合成の進みつつあるRNAとのハイブリッド形成による転写阻害、イントロンとエキソンとの接合点でのハイブリッド形成によるスプライシング抑制、スプライソソーム形成部位とのハイブリッド形成によるスプライシング抑制、mRNAとのハイブリッド形成による核から細胞質への移行抑制、キャッピング部位やポリ(A)付加部位とのハイブリッド形成によるスプライシング抑制、翻訳開始因子結合部位とのハイブリッド形成による翻訳開始抑制、開始コドン近傍のリボソーム結合部位とのハイブリッド形成による翻訳抑制、mRNAの翻訳領域やポリソーム結合部位とのハイブリッド形成によるペプチド鎖の伸長阻止、および核酸とタンパク質との相互作用部位とのハイブリッド形成による遺伝子発現抑制などである。これらは、転写、スプライシング、または翻訳の過程を阻害して、標的遺伝子の発現を抑制する。
本発明で用いられるアンチセンス配列は、上記のいずれの作用で標的遺伝子の発現を抑制してもよい。一つの態様としては、遺伝子のmRNAの5'端近傍の非翻訳領域に相補的なアンチセンス配列を設計すれば、遺伝子の翻訳阻害に効果的であろう。しかし、コード領域もしくは3'側の非翻訳領域に相補的な配列も使用し得る。このように、遺伝子の翻訳領域だけでなく非翻訳領域の配列のアンチセンス配列を含むDNAも、本発明で利用されるアンチセンスDNAに含まれる。使用されるアンチセンスDNAは、適当なプロモーターの下流に連結され、好ましくは3'側に転写終結シグナルを含む配列が連結される。このようにして調製されたDNAは、公知の方法で、所望の植物へ形質転換できる。アンチセンスDNAの配列は、形質転換する植物が持つ内在性遺伝子またはその一部と相補的な配列であることが好ましいが、遺伝子の発現を有効に阻害できる限り、完全に相補的でなくてもよい。転写されたRNAは、標的とする遺伝子の転写産物に対して好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相補性を有する。アンチセンス配列を用いて、効果的に標的遺伝子の発現を阻害するには、アンチセンスDNA の長さは、少なくとも15塩基以上であり、好ましくは100塩基以上であり、さらに好ましくは500塩基以上である。通常、用いられるアンチセンスDNAの長さは5kbよりも短く、好ましくは2.5kbよりも短い。
「酵素をコードするDNAの転写産物と相補的なRNA」の他の一つの態様は、酵素をコードするDNAの転写産物と相補的なdsRNAであり、RNAi技術を含む。RNAiは、標的遺伝子配列と同一もしくは類似した配列を有する二重鎖RNA(以下dsRNA)を細胞内に導入すると、導入した外来遺伝子および標的内在性遺伝子の発現がいずれも抑制される現象である。細胞に約40〜数百塩基対のdsRNAが導入されると、ヘリカーゼドメインを持つダイサー(Dicer)と呼ばれるRNaseIII様のヌクレアーゼがATP存在下で、dsRNAを3’末端から約21〜23塩基対ずつ切り出し、siRNA(short interference RNA)を生じる。このsiRNAに特異的なタンパク質が結合して、ヌクレアーゼ複合体(RISC:RNA-induced silencing complex)が形成される。この複合体はsiRNAと同じ配列を認識して結合し、RNaseIII様の酵素活性によってsiRNAの中央部で標的遺伝子のmRNAを切断する。また、この経路とは別にsiRNAのアンチセンス鎖がmRNAに結合してRNA依存性RNAポリメラーゼ(RsRP)のプライマーとして作用し、dsRNAが合成される。このdsRNAが再びダイサーの基質となって、新たなsiRNAを生じて作用を増幅する経路も考えられている。
本発明のRNAは、標的遺伝子mRNAのいずれかの領域に対するアンチセンスRNAをコードしたアンチセンスコードDNAと、標的遺伝子mRNAのいずれかの領域のセンスRNAをコードしたセンスコードDNAより発現させることができる。また、これらのアンチセンスRNAおよびセンスRNAよりdsRNAを作成することもできる。
本発明のdsRNAの発現システムを、ベクター等に保持させる場合の構成としては、同一のベクターからアンチセンスRNA、センスRNAを発現させる場合と、異なるベクターからそれぞれアンチセンスRNA、センスRNAを発現させる場合がある。例えば、同一のベクターからアンチセンスRNA、センスRNAを発現させる構成としては、アンチセンスコードDNAおよびセンスコードDNAの上流にそれぞれpolIII系のような短いRNAを発現し得るプロモーターを連結させたアンチセンスRNA発現カセット、センスRNA発現カセットをそれぞれ構築し、これらカセットを同方向にあるいは逆方向にベクターに挿入することにより構成することができる。また、異なる鎖上に対向するようにアンチセンスコードDNAとセンスコードDNAとを逆向きに配置した発現システムを構成することもできる。この構成では、アンチセンスRNAコード鎖とセンスRNAコード鎖とが対となった一つの二本鎖DNA(siRNAコードDNA)が備えられ、その両側にそれぞれの鎖からアンチセンスRNA、センスRNAとを発現し得るようにプロモーターを対向して備えられる。この場合には、センスRNA、アンチセンスRNAの下流に余分な配列が付加されることを避けるために、それぞれの鎖(アンチセンスRNAコード鎖、センスRNAコード鎖)の3'末端にターミネーターをそれぞれ備えることが好ましい。このターミネーターは、A(アデニン)塩基を4つ以上連続させた配列などを用いることができる。また、このパリンドロームスタイルの発現システムでは、二つのプロモーターの種類を異ならせることが好ましい。
また、異なるベクターからアンチセンスRNA、センスRNAを発現させる構成としては、例えば、アンチセンスコードDNAおよびセンスコードDNAの上流にそれぞれ polIII系のような短いRNAを発現し得るプロモーターを連結させたアンチセンスRNA発現カセット、センスRNA発現カセットをそれぞれ構築し、これらカセットを異なるベクターに保持させることにより構成することができる。
本発明のRNAiにおいては、dsRNAとしてsiRNAが使用されたものであってもよい。「siRNA」は、細胞内で毒性を示さない範囲の短鎖からなる二重鎖RNAを意味し、例えば、15〜49塩基対と、好適には15〜35塩基対と、さらに好適には21〜30塩基対とすることができる。あるいは、発現されるsiRNAが転写され最終的な二重鎖RNA部分の長さが、例えば、15〜49塩基対、好適には15〜35塩基対、さらに好適には21〜30塩基対とすることができる。
RNAiに用いるDNAは、標的遺伝子と完全に同一である必要はないが、少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の配列の相同性を有する。
dsRNAにおけるRNA同士が対合した二重鎖RNAの部分は、完全に対合しているものに限らず、ミスマッチ(対応する塩基が相補的でない)、バルジ(一方の鎖に対応する塩基がない)などにより不対合部分が含まれていてもよい。本発明においては、dsRNAにおけるRNA同士が対合する二重鎖RNA領域中に、バルジおよびミスマッチの両方が含まれていてもよい。
本発明の「酵素の発現の抑制」は、また、リボザイムをコードするDNAを利用して行うことも可能である。リボザイムとは触媒活性を有するRNA分子のことをいう。リボザイムには種々の活性を有するものがあるが、中でもRNAを切断する酵素としてのリボザイムの研究により、RNAの部位特異的な切断を目的とするリボザイムの設計が可能となった。リボザイムには、グループIイントロン型や、RNasePに含まれるM1RNAのように400ヌクレオチド以上の大きさのものもあるが、ハンマーヘッド型やヘアピン型と呼ばれる40ヌクレオチド程度の活性ドメインを有するものもある。
例えば、ハンマーヘッド型リボザイムの自己切断ドメインは、G13U14C15のC15の3'側を切断するが、活性にはU14が9位のAと塩基対を形成することが重要とされ、15位の塩基はCの他にAまたはUでも切断されることが示されている。リボザイムの基質結合部を標的部位近傍のRNA 配列と相補的になるように設計すれば、標的RNA中のUC、UUまたはUAという配列を認識する制限酵素的なRNA切断リボザイムを作出することが可能である。例えば、阻害標的となる本発明の酵素のコード領域中には標的となりうる部位が複数存在する。
また、ヘアピン型リボザイムも、本発明の目的のために有用である。ヘアピン型リボザイムは、例えばタバコリングスポットウイルスのサテライトRNAのマイナス鎖に見出される(J.M.Buzayan Nature 323:349,1986)。このリボザイムも、標的特異的なRNA切断を起こすように設計できることが示されている。
標的を切断できるよう設計されたリボザイムは、植物細胞中で転写されるようにカリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーターなどのプロモーターおよび転写終結配列に連結される。しかし、その際、転写されたRNAの5'末端や3'末端に余分な配列が付加されていると、リボザイムの活性が失われてしまうことがある。このようなとき、転写されたリボザイムを含むRNAからリボザイム部分だけを正確に切り出すために、リボザイム部分の5'側や3'側に、トリミングを行うためのシスに働く別のトリミングリボザイムを配置させることも可能である(K.Taira et al. (1990) Protein Eng. 3:733、A.M.Dzianottand J.J.Bujarski (1989) Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 86:4823、 C.A.Grosshansand R.T.Cech (1991) Nucleic Acids Res. 19:3875、 K.Taira et al. (1991) Nucleic Acids Res. 19:5125)。また、このような構成単位をタンデムに並べ、標的遺伝子内の複数の部位を切断できるようにして、より効果を高めることもできる(N.Yuyama et al. Biochem.Biophys.Res.Commun.186:1271,1992)。このようなリボザイムを用いて本発明で標的となる遺伝子の転写産物を特異的に切断し、該遺伝子の発現を抑制することができる。
本発明において、「インターフェロン」とは、ウイルス、二本鎖RNA、レクチンなどによって動物細胞から誘発される抗ウイルス作用をもったタンパク質または糖タンパク質の総称を意味する。抗ウイルス作用の他、細胞増殖抑制作用、免疫調節作用を有する。産生細胞、特異的受容体との結合能、生物・物理化学的性質から数種のタイプに分類され、主要なものとしてはα、β、γがあるが、このほか、IFNω、IFNτの存在が知られている。さらにインターフェロンαには、20種以上のサブタイプの存在が知られている。現在、天然型のみならず、PEG化、コンセンサスインターフェロン等の各種遺伝子組み換え型の製剤が開発・上市されている。
本発明におけるインターフェロンは、上記タイプのいずれでもよいが、好ましくはαまたはγである。また、本発明におけるインターフェロンは、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物との併用でHCV増殖抑制能を増強する限り、天然型、人工的に変異された遺伝子組み換え型、天然に存在する変異体、融合タンパク質、又はこれらの断片などのいずれであってもよい。また、本発明のインターフェロンはPEG(ポリエチレングリコール)化されていてもよい。インターフェロンのPEG化は当業者に公知の方法(特許2980569号)により行うことが出来る。
本発明におけるインターフェロンの由来に特に制限はなく、例えば、ヒト、チンパンジー、オランウータン、イヌ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ロバ、ブタ、ネコ、マウス、モルモット、ラット、ウサギなどを由来とすることができるが、これらに限らずその他の哺乳動物を由来とすることができる。好ましくはヒト由来のインターフェロンである。
ヒトインターフェロンα又はγのアミノ酸配列は公知であり、例えば、インターフェロンαであればGenBank:NM_0240013に記載のアミノ酸配列を用いることができ、インターフェロンγであればGenBank:NM_000619に記載のアミノ酸配列を用いることができる。インターフェロンαのアミノ酸配列を配列番号:7に、塩基配列を配列番号:8に、インターフェロンγのアミノ酸配列を配列番号:9に、同γの塩基配列を配列番号:10に示す。上記インターフェロンは、当業者に周知の方法によって調製可能である。例えば、ヒト由来のインターフェロン産生細胞から周知手段によりmRNAを調製してcDNAライブラリーを作製し、該cDNAライブラリーの中から、配列番号:8または配列番号:10に記載の塩基配列の全部または一部の塩基配列からなるプローブとストリンジェントな条件でハイブリダイズするcDNAを選択し、該cDNAを適当な宿主・ベクター系を用いて発現させ、得られたタンパク質を精製することにより調製可能である。宿主・ベクター系は、後述の、抗体の製造に使用可能な宿主・ベクター系の例の中から使用してもよい。または、配列番号:8または配列番号:10に記載の塩基配列に基づいてプライマーを設計し、ヒト由来のインターフェロン産生細胞から調製したmRNAを鋳型にして上記プライマーを用いてRT-PCRを実施し、得られたcDNAを発現させて調製することもできる。
上記ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、当業者であれば、適宜選択することができる。一例を示せば、25%ホルムアミド、より厳しい条件では50%ホルムアミド、4×SSC、50mM Hepes pH7.0、10×デンハルト溶液、20μg/ml変性サケ精子DNAを含むハイブリダイゼーション溶液中、42℃で一晩プレハイブリダイゼーションを行った後、標識したプローブを添加し、42℃で一晩保温することによりハイブリダイゼーションを行う。その後の洗浄における洗浄液および温度条件は、「1xSSC、0.1% SDS、37℃」程度で、より厳しい条件としては「0.5xSSC、0.1% SDS、42℃」程度で、さらに厳しい条件としては「0.2xSSC、0.1% SDS、65℃」程度で実施することができる。このようにハイブリダイゼーションの洗浄の条件が厳しくなるほどプローブ配列と高い相同性を有するポリヌクレオチドの単離を期待しうる。但し、上記SSC、SDSおよび温度の条件の組み合わせは例示であり、当業者であれば、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを決定する上記若しくは他の要素(例えば、プローブ濃度、プローブの長さ、ハイブリダイゼーション反応時間など)を適宜組み合わせることにより、上記と同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。
このようなハイブリダイゼーション技術を利用して単離されるポリヌクレオチドがコードするポリペプチドは、通常、本発明者らにより同定されたポリペプチドとアミノ酸配列において高い相同性を有する。高い相同性とは、少なくとも40%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは少なくとも95%以上、さらに好ましくは少なくとも97%以上(例えば、98から99%)の配列の相同性を指す。アミノ酸配列の同一性は、例えば、Karlin and Altschul によるアルゴリズムBLAST (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264-2268, 1990、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-5877, 1993)によって決定することができる。このアルゴリズムに基づいて、BLASTXと呼ばれるプログラムが開発されている(Altschul et al. J. Mol. Biol.215:403-410, 1990)。BLASTXによってアミノ酸配列を解析する場合には、パラメーターはたとえば score = 50、wordlength = 3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合には、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov.)。
また上記配列のインターフェロンに限らず、上記配列のインターフェロンに類似するポリペプチドも、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物との併用でHCV増殖抑制能を増強する限り、本発明において好適に用いることができる。このようなポリペプチドとして、配列番号:7記載のアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が欠失、置換、付加または/および挿入されたアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物との併用で高いHCV増殖抑制能を有するポリペプチド、配列番号:9記載のアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸が欠失、置換、付加または/および挿入されたアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物との併用で高いHCV増殖抑制能を有するポリペプチド、配列番号:8記載の塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物との併用で高いHCV増殖抑制能を有するポリペプチド、配列番号:10記載の塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物との併用で高いHCV増殖抑制能を有するポリペプチドを挙げることができる。
このようなポリペプチドは、当業者に周知の方法によって調製することができる。例えば、配列番号:8または10に記載の塩基配列の全部または一部をプローブとし、インターフェロン産生細胞から調製したcDNAライブラリーの中からハイブリダイズするクローンを選択し、発現させることで調製することができる。または、配列番号:8または10記載の塩基配列に、PCRによる変異導入法やカセット変異法などの当業者に周知の遺伝子改変方法を施し、部位特異的にまたはランダムに変異を導入することによって、調製することができる。または配列番号:8または10記載の塩基配列に変異を導入した配列を、市販の核酸合成装置によって合成することも可能である。
本明細書において「治療」という記載は、本発明の薬物を被験者に投与することによって、HCVを消滅あるいは軽減させること、さらなるHCVの広がりを抑制すること、HCVの感染による症状を軽減することを意味する。また「予防」という記載は、HCVが感染する前に、被験者に投与され、HCVの感染を防いだり、増殖を抑制させることを意味する。HCVの感染による症状としては、C型肝炎、肝硬変、肝繊維化、肝癌などが挙げられる。
本発明においてスフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物とインターフェロンとの併用とは、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物とインターフェロンを共に投与または使用(以下、単に「投与」と記載する。)することを意味し、投与の順番や投与間隔などで限定されるものではない。また、本発明の化合物とインターフェロンを組み合わせたキットとして実施してもよい。さらに、本発明の化合物とインターフェロンを併用する場合は、いずれかを単独で用いる場合に比べて、所望により各々の投与量を少なくすることも可能である。
本発明の化合物とインターフェロンの投与の順番は、該化合物の投与後にインターフェロンを投与、該化合物とインターフェロンを同時に投与、インターフェロン投与後に該化合物を投与、のいずれの順番でもよい。
本発明の化合物とインターフェロンを別々に投与する場合、該化合物とインターフェロンの投与間隔は特に限定されず、投与経路や剤形等の要因を考慮して設定することができる。あえて投与間隔の一例を挙げるとすれば、通常、0時間〜168時間であり、好ましくは0時間〜72時間であり、さらに好ましくは0時間〜24時間であり、さらに好ましくは0時間〜12時間である。
なお、インターフェロンの投与間隔としては、限定されるものではないが、通常1日に1回〜1月に1回であり、好ましくは週1回である。また、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物の投与間隔としては、限定されるものではないが、通常1日に1回〜2月に1回、好ましくは1日に1回〜1月に1回である。
また、本発明の化合物とインターフェロンを別々に投与する場合、投与方法や1日あたりの投与回数は同じでも異なっていてもよい。さらに、本発明の化合物とインターフェロンの重量比も特に限定されない。
本発明の化合物は、そのまま、又は、その薬理学的に許容される塩として医薬に使用することができる。上記塩としては薬理学的に許容されるものであれば特に限定されず、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸などの鉱酸との塩;酢酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ショウノウスルホン酸などの有機酸との塩;ナトリウム、カリウム、カルシウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属などとの塩などを挙げることができる。
上記医薬製剤に含まれる有効成分化合物の量は、特に限定されず広範囲に適宜選択されるが、例えば、0.1〜99.5重量%、好ましくは0.5〜90重量%である。
本発明の化合物を、常法に従って主薬として、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用し得る既知の補助剤を用いて製剤化することができる。錠剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、グルコース、尿素、澱粉、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸などの賦形剤;水、エタノール、プロパノール、単シロップ、グルコース液、澱粉液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドンなどの結合剤;乾燥澱粉、アルギン酸ナトリウム、寒天末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、澱粉、乳糖などの崩壊剤;白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油などの崩壊抑制剤;第4級アンモニウム塩類、ラウリル硫酸ナトリウムなどの吸収促進剤;グリセリン、澱粉などの保湿剤;澱粉、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸などの吸着剤;精製タルク、ステアリン酸塩、硼酸末、ポリエチレングリコールなどの潤沢剤などが例示できる。
さらに錠剤は、必要に応じ、通常の剤皮を施した錠剤、例えば、糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。丸剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えばグルコース、乳糖、カカオバター、澱粉、硬化植物油、カオリン、タルクなどの賦形剤;アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノールなどの結合剤;ラミナラン寒天などの崩壊剤などが例示できる。坐剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えばポリエチレングリコール、カカオバター、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセリドなどを挙げることができる。注射剤として調製される場合には、液剤および懸濁剤は殺菌され、かつ血液と等張であるのが好ましく、これら液剤、乳剤および懸濁剤の形態に成形するに際しては、希釈剤としてこの分野で慣用されているものをすべて使用でき、例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類などを挙げることができる。なお、この場合、等張性の溶液を調製するのに充分な量の食塩、グルコース、あるいはグリセリンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤などを添加してもよい。さらに必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤などや他の医薬品を含有することもできる。
上記医薬組成物は、投与単位形態で投与することが好ましく、経口投与、組織内投与(皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与など)、局所投与(経皮投与など)又は経直腸的に投与することができる。上記医薬組成物は、これらの投与方法に適した剤型で投与されることは当然である。
本発明の化合物など又はそれの製薬上許容され得る塩を医薬として投与する場合、抗ウイルス剤としての用量は、年齢、体重などの患者の状態、投与経路、病気の性質と程度などを考慮した上で調整することが望ましいが、通常は、ヒトについては、成人に対して本発明の有効成分量として、一日当たり、0.1〜2000mgの範囲である。上記範囲未満の用量で足りる場合もあるが、逆に上記範囲を超える用量を必要とする場合もある。多量に投与するときは、一日数回に分割して投与することが望ましい。
上記経口投与は、固形、粉末又は液状の用量単位で行うことができ、例えば、末剤、散剤、錠剤、糖衣剤、カプセル剤、ドロップ剤、舌下剤、その他の剤型などにより行うことができる。
上記組織内投与は、例えば、溶液や懸濁剤などの皮下、筋肉内又は静脈内注射用の液状用量単位形態を用いることによって行うことができる。これらのものは、本発明の化合物又はその製薬上許容される塩の一定量を、例えば、水性や油性の媒体などの注射目的に適合する非毒性の液状担体に懸濁又は溶解し、ついで上記懸濁液又は溶液を滅菌することにより製造される。
上記局所投与(経皮投与など)は、例えば、液剤、クリーム剤、粉末剤、ペースト剤、ゲル剤、軟膏剤などの外用製剤の形態を用いることによって行うことができる。これらのものは、本発明の化合物又はその製薬上許容される塩の一定量を、外用製剤の目的に適合する香料、着色料、充填剤、界面活性剤、保湿剤、皮膚軟化剤、ゲル化剤、担体、保存剤、安定剤などのうちの一種以上と組み合わせることにより製造される。
上記経直腸的投与は、本発明の化合物又はその製薬上許容される塩の一定量を、例えば、パルミチン酸ミリスチルエステルなどの高級エステル類、ポリエチレングリコール、カカオ脂、これらの混合物などからなる低融点固体に混入した座剤などを用いて行うことができる。
上記投与は、例えば、溶液や懸濁剤などの皮下、筋肉内又は静脈内注射用の液状用量単位形態を用いることによって行うことができる。これらのものは、本発明の化合物又はその製薬上許容される塩の一定量を、例えば、水性や油性の媒体などの注射の目的に適合する非毒性の液状担体に懸濁又は溶解し、ついで上記懸濁液又は溶液を滅菌することにより製造される。
なお、本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕SPT阻害剤ミリオシンの抗HCV作用
本発明者らは、HCVサブゲノムレプリコン細胞FLR3-1における、ミリオシンの抗HCV作用および細胞毒性を調べた。
まず、ミリオシン(Sigma, St. Louis, MO, USA)を、HCVサブゲノムレプリコン細胞FLR3-1(遺伝子型1b;Con-1;Sakamoto, H. et al., Nat Chem Biol, 1, 333-337 (2005))の増殖培地に最終濃度0.2、1.0、3.9、15.6、または62.5 nMとなるように加えた。72時間インキュベートした後、本発明者らは、Bright-Gloルシフェラーゼアッセイキット(Promega, Madison, WI, USA)を用いてルシフェラーゼアッセイを行った。
また、ミリオシンをFLR3-1細胞に加え、72時間インキュベートした後に、Tetra Color Oneキット(Seikagakukogyo, Tokyo, Japan)を用いて製造元の説明書に従って細胞生存率を測定した。
その結果、ルシフェラーゼ活性は、ミリオシンによって、細胞生存率(図2A)または細胞増殖(データは示していない)に影響を及ぼすことなく用量依存的に大きく減少することが明らかとなった。最大阻害率は62.5 nMのミリオシンの存在下で約80%であったが(図2A)、50%阻害濃度(IC50)は約5.8 nMであった(表1)。
(表1)ミリオシンのIC50
Figure 2007132882
HCV複製において重要な役割を果たすNS3タンパク質の減少も同様に、イムノブロッティング分析および免疫蛍光染色によって認められ、ミリオシンが強力な抗HCV効果を有することが示唆された(図3)。
〔実施例2〕スフィンゴ脂質代謝物とHCV複製との相関
スフィンゴ脂質代謝物とHCV複製との相関を調べるために、本発明者らは、ミリオシンの存在下でのFLR3-1細胞によるデノボスフィンゴ脂質生合成をモニターした。
まず、FLR3-1細胞をOpti-MEM(Invitrogen)において[14C]セリン(0.5μCi/ml)と共に2時間インキュベートした。細胞を0.1%SDSによって溶解した後、総脂質をクロロホルム/メタノール(1:2 v/v)によって抽出した。抽出物をシリカゲル60薄層クロマトグラフィー(TLC)プレート(Merck, Darmstadt, Germany)にスポットして、酢酸メチル/l-プロパノール/クロロホルム/メタノール/0.25%KCl(25:25:25:10:9、v/v)によってクロマトグラフした。放射活性スポットをBAS 2000により検出した(Fuji Film, Kanagawa, Japan)。
その結果、セラミドおよびスフィンゴミエリンの産生はいずれも、用量依存的に阻害されたが、スフィンゴシンの代謝物であるホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジルセリンの産生は、影響を受けないことが明らかとなった(図2B)。
HCVサブゲノムレプリコン複製の抑制がスフィンゴ脂質の枯渇によって引き起こされるか否かを確認するために、本発明者らは、スフィンゴ脂質生合成経路の中間体であるジヒドロスフィンゴシン、スフィンゴシン、またはスフィンゴシン-1-ホスフェートの存在下でミリオシンの抗HCV効果を調べた(図1)。
FLR3-1細胞を1または2.5μMスフィンゴ脂質中間体(ジヒドロスフィンゴシン、スフィンゴシン、またはスフィンゴシン-1-ホスフェート)と共にインキュベートして、連続希釈したミリオシンを加えた。72時間後、各組み合わせのIC50をルシフェラーゼアッセイによって測定した。
HCVレプリコンの複製能は、スフィンゴ脂質生合成の中間体分子の補完によって回復することが明らかとなった(表1)。これらの結果より、ミリオシンによる複製の抑制は、スフィンゴ脂質生合成の抑制が原因であることが明らかとなった。
〔実施例3〕HCVに感染したキメラマウスにおけるミリオシンおよびPEG-IFNの抗HCV効果
HCR6(遺伝子型1b)に感染させた、ヒト化肝臓を有するキメラマウスを用いて、ミリオシンの阻害能を調べた。キメラマウスは、購入したもの(株式会社フェニックスバイオ、広島、日本)を用いた。
具体的には、表2に従ってミリオシンおよび/またはPEG-IFN(Chugai, Tokyo, Japan)を、HCV遺伝子型1b(HCR6、アクセッション番号AY045702)感染マウスに腹腔内または皮下注射によって投与し、血液を採取した。
(表2)HCV遺伝子型1b感染キメラマウスへの投与スケジュール
Figure 2007132882
表2において、B、I、およびMは各操作が必要に応じて行われたこと、および試薬の投与が0日目から始まったことを示している。PEG-IFNを30 μg/kgで注射した。注射したミリオシンの量は、マウスの体重に応じて調節した。投与は1 mg/kg(M)で開始し、体重が10%減少した際に、用量を0.5 mg/kg(M1/2)に減少させた。体重が20%減少すると、投与を中止した。
次に、総RNAを、AGPC法を用いてキメラマウスから採取した血清または肝組織1μlから精製した。HCV RNAを、当業者に公知の方法(Takeuchi, T. et al., Gastroenterology, 116, 636-642 (1999))によって、リアルタイムPCRによって定量した。
その結果、ミリオシン処置群において、HCV RNAレベルは、8日間で血清中において3×106〜1×107コピー/mlから6×105〜1×104コピー/mlまで減少する(約1/10〜1/100倍減少)ことが明らかとなった。同レベルの減少が、臨床治療において用いられる場合(30μg/kg体重)より10倍多量のPEG-IFNを注射したPEG-IFN処置群において認められた。その上、ミリオシンとPEG-IFNとの併用治療によって、HCV RNAレベルは対照レベルの1/1000未満に減少し、マウス3匹中2匹(1b-7および1b-9)ではHCV RNAは8日目に全く検出されなかった(図4A)。
同時に、本発明者らはヒトアルブミン(h-Alb)濃度をモニターした。ヒトアルブミン濃度は、Alb-IIキット(Eiken Chemical, Tokyo, Japan)を用いて製造元の説明書に従って血清2μlにおいて測定した。その結果、併用治療群に限ってヒトアルブミン濃度のわずかな減少が認められた(図4B)。
これらの結果より、ミリオシンがヒト化肝臓から発現されたh-Albに影響を及ぼすことなくインタクトHCVの複製を抑制することが明らかとなった。また、ミリオシンとPEG-IFNとの併用により、軽度の肝損傷を示しつつもHCV複製が相乗的に抑制されることが明らかとなった。
〔実施例4〕キメラマウスの肝臓におけるHCV RNAおよびコアタンパク質の検出
HCVがミリオシンによってヒト化肝臓から減少するか否かを明らかにするために、本発明者らは、もう一つのHCV遺伝子型である1a(HCG9)に感染させたキメラマウスの肝臓を調べた。本マウスの血清中のRNAレベルは、約1×108コピー/mlに達し、HCV 1b(HCR6)の値より10倍高い(図5A)。このことから、肝細胞におけるHCVコアタンパク質は、免疫蛍光染色によって容易に検出されると考えられた。本発明者らは、キメラ1a-4マウスに2 mg/kgミリオシンを毎日6日間投与して、肝臓を摘出した。比較のために、無処置(1a-1)、非感染(1a-2)、およびPEG-IFN処置(1a-3)マウスの肝臓も同様に摘出した。肝組織をRIPAにおいてホモジナイズして、総蛋白質100 μgを、Ortho HCVコアタンパク質ELISAキット(Eiken Chemical)を用いてコアタンパク質の検出のために用いた。
次に、キメラマウス肝組織の免疫蛍光染色を行った。1a-1および1a-4マウスからの肝切片を、一次抗体としてビオチン化抗HCVコアタンパク質モノクローナル抗体およびヒト肝細胞モノクローナル抗体(Dako, Glostrup, Denmark)によってプロービングした後、ストレプトアビジン-Alexa 488(Invitrogen)および抗マウスIgG-Alexa-546(Invitrogen)によってプロービングした。また、核をDAPIによって染色した。
上記の方法により、キメラマウスの肝臓におけるHCV RNAおよびコアタンパク質の発現への、ミリオシン処理の影響を確認した。
その結果、ミリオシン処置後、1a-4マウスの血清中のHCV RNAレベルは、1×105コピー/mlまで減少することが明らかとなった(図5A)。また、肝臓におけるHCV 1a RNAおよびコアタンパク質の量を定量したところ、血清中の場合と同様に減少していた(図5A)。免疫蛍光染色により、1×108コピー/ml血清であった無処置マウス1a-1のコアタンパク質がヒト肝細胞部分を発現する(図5A)が、1a-4マウスのコアタンパク質は消失する(図5B)ことが判明した。これらの結果より、ミリオシンがHCV遺伝子型1bを減少させるのみならず、HCV遺伝子型1aも減少させ、肝臓からHCVを消失させることが明らかとなった。
〔実施例5〕HCVに感染したキメラマウスにおける式(III)の化合物およびPEG-IFNの抗HCV効果
静脈内注射により、HCR6(HCV遺伝子型1b, アクセッション番号:AY045702)を106 copies/mouseで、キメラマウスに投与した。4週間後、HCV 1b RNAのレベルは、マウス血清内において106から108 copies/mLのレベルに達していた。
式(III)の化合物および/またはPEG-IFNの投与は以下のように行なった。
式(III)の化合物は、下記の式で表される化合物である。
式(III)
Figure 2007132882
上記化合物は、WO2005/005372の実施例4に記載の方法で合成することができる。
PEG-IFN(Pegasys; PEG化インターフェロンα-2a)は1週間に2回、30μg/kgを皮下投与した。式(III)の化合物は、毎日5, 10または20mg/kgを静脈投与した。また、式(III)の化合物およびPEG-IFNを併用する場合には、式(III)の化合物10 mg/kgおよびPEG-IFN 30μg/kgを皮下投与した。式(III)の化合物および/またはPEG-IFNをHCV遺伝子型1bを感染させたマウスに投与し、経時的に血液を採取した。
抗HCV活性の評価は、HCV RNAをリアルタイムPCRにより定量することで行なった。キメラマウスの血清1μLから全RNAを精製し、HCV RNAをリアルタイムPCRにより定量した。
8日間処置した群では、5 mg/kg投与群のHCVタイターは-1.0〜-1.1 logに減少していた(マウス1 および2)。10 mg/kg投与群では、最大効果は-1.2〜-1.8 logと測定された(マウス3〜5)。20 mg/kg投与群では、HCVタイターは-1.8〜-2.8 logに減少していた(マウス6〜8)。PEG-IFN のみを投与した群では-0.3〜-2 logの減少であるのに対し(マウス12〜16)、式(III)の化合物10 mg/kgとPEG-IFNを併用した投与群では、-2.6〜-4.1 logの減少にまで至った(マウス9〜11)(図6)。これらの結果より、式(III)の化合物がPEG-IFNとの併用で抗HCV活性に対して相乗効果を示すことが明らかになった。14日間処置した群では、低用量での処置の場合には用量依存的なウイルスの減少が見られたが、高用量処理群では見られなかった。
本発明者らは、インビトロでのSPT阻害剤によるHCV複製の阻害メカニズムを解明し、SPT阻害剤が、ヒト化肝臓を有するキメラマウスモデルにおいてHCV複製を阻害することを明らかにした。本発明者らの結果は、SPTがHCV複製を阻害するように設計された薬物の有効な標的となること、およびSPT阻害剤が新規抗HCV剤の開発におけるリード化合物となることを示している。
また、SPT阻害剤とインターフェロンを併用することにより、HCVの複製が相乗的に抑制されることが明らかとなったことから、これら二つの成分からなる医薬組成物は、より安全性が高く、より有効性が高いHCVを治療するための新規薬剤となりうることが示された。

Claims (34)

  1. スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物およびインターフェロンを組み合わせてなる、HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物。
  2. HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物が、配合剤であることを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物。
  3. スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物と、インターフェロンとが併用されることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物と、インターフェロンとが同時にまたは順次に投与されることを特徴とする、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物と、インターフェロンとが別々に投与されることを特徴とする、請求項3に記載の医薬組成物。
  6. インターフェロンと併用することを特徴とする、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物を有効成分として含有する、HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物。
  7. スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物と併用することを特徴とする、インターフェロンを有効成分として含有する、HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物。
  8. スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物が、パルミトイルCoAからスフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物である、請求項1〜7のいずれかに記載の医薬組成物。
  9. スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物が、以下(a)または(b)である、請求項1〜7のいずれかに記載の医薬組成物。
    (a)パルミトイルCoAから3-ケトジヒドロスフィンゴシンの生合成に関与する、セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物
    (b) セリンパルミトイル転移酵素の発現を抑制する化合物
  10. セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物がミリオシン、スフィンゴファンギン、以下の式(I)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項9に記載の医薬組成物。
    式(I):
    Figure 2007132882
    〔式中、Aは、−(CH2n−を表し、ここでnは、0〜10の整数を表し;
    Bは、−CH2−、−(C=O)−、−CH(OH)−、−CH(NH2)−、または−C(=NOR)−を表し、ここでRは、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基(炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよい)を表し;
    Dは、−(CH2m−R′を表し、ここでmは、0〜10の整数を表し、R′は、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、置換されていてもよい複素環式基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、−OX基(ここで、Xは、水素原子または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、シクロアルキル基、または置換されていてもよいアリール基を表す)、またはハロゲン原子を表し;
    Eは、水素原子または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基を表し;
    Gは、−(CH2p−Jを表し、ここでpは、0〜4の整数を表し、Jは、水素、OH基、SH基、メチルチオ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アミノ基、グアニジノ基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよい複素環式基、または置換されていてもよいヘテロアリール基を表し;
    結合Qは、単結合または二重結合を表し;そして
    1、R2、及びR3は、同一又は異なって、水酸基、アミノ基(炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基でモノまたはジ置換されていてもよい)、−OL、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基を表し、ここでLは、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基を示す。〕
  11. セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物が、以下の式(II)〜(XII)のいずれかに表される化合物、またはそれらのその薬学的に許容される塩である、請求項9に記載の医薬組成物。
    式(II)
    Figure 2007132882
    式(III)
    Figure 2007132882
    式(IV)
    Figure 2007132882
    式(V)
    Figure 2007132882
    式(VI)
    Figure 2007132882
    式(VII)
    Figure 2007132882
    式(VIII)
    Figure 2007132882
    式(IX)
    Figure 2007132882
    式(X)
    Figure 2007132882
    式(XI)
    Figure 2007132882
    式(XII)
    Figure 2007132882
  12. セリンパルミトイル転移酵素の発現を抑制する化合物が、以下の(a)または(b)である、請求項9に記載の医薬組成物。
    (a)セリンパルミトイル転移酵素をコードするDNAの転写産物と相補的なRNA
    (b)セリンパルミトイル転移酵素をコードするDNAの転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有するRNA
  13. インターフェロンが、ペグ化インターフェロンである、請求項1〜7のいずれかに記載の医薬組成物。
  14. HCV感染症が、C型肝炎、肝硬変、肝繊維化、または肝癌である、請求項1〜7のいずれかに記載の医薬組成物。
  15. スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物およびインターフェロンを対象に投与する工程を含む、HCV感染症を治療または予防する方法。
  16. スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物およびインターフェロンを、対象に同時に投与することを特徴とする、請求項15に記載のHCV感染症を治療または予防する方法。
  17. スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物およびインターフェロンを、対象に別々に投与することを特徴とする、請求項15に記載のHCV感染症を治療または予防する方法。
  18. スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物が、パルミトイルCoAからスフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物である、請求項15に記載のHCV感染症を治療または予防する方法。
  19. スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物が、以下(a)または(b)である、請求項15に記載のHCV感染症を治療または予防する方法。
    (a)パルミトイルCoAから3-ケトジヒドロスフィンゴシンの生合成に関与する、セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物
    (b) セリンパルミトイル転移酵素の発現を抑制する化合物
  20. セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物がミリオシン、スフィンゴファンギン、以下の式(I)で表される化合物またはそれらのその薬学的に許容される塩である、請求項19に記載のHCV感染症を治療または予防する方法。
    式(I):
    Figure 2007132882
    〔式中、Aは、−(CH2n−を表し、ここでnは、0〜10の整数を表し;
    Bは、−CH2−、−(C=O)−、−CH(OH)−、−CH(NH2)−、または−C(=NOR)−を表し、ここでRは、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基(炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよい)を表し;
    Dは、−(CH2m−R′を表し、ここでmは、0〜10の整数を表し、R′は、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、置換されていてもよい複素環式基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、−OX基(ここで、Xは、水素原子または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、シクロアルキル基、または置換されていてもよいアリール基を表す)、またはハロゲン原子を表し;
    Eは、水素原子または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基を表し;
    Gは、−(CH2p−Jを表し、ここでpは、0〜4の整数を表し、Jは、水素、OH基、SH基、メチルチオ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アミノ基、グアニジノ基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよい複素環式基、または置換されていてもよいヘテロアリール基を表し;
    結合Qは、単結合または二重結合を表し;そして
    1、R2、及びR3は、同一又は異なって、水酸基、アミノ基(炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基でモノまたはジ置換されていてもよい)、−OL、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基を表し、ここでLは、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基を示す。〕
  21. セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物が、以下の式(II)〜(XII)のいずれかに表される化合物、またはそれらのその薬学的に許容される塩である、請求項19に記載のHCV感染症を治療または予防する方法。
    式(II)
    Figure 2007132882
    式(III)
    Figure 2007132882
    式(IV)
    Figure 2007132882
    式(V)
    Figure 2007132882
    式(VI)
    Figure 2007132882
    式(VII)
    Figure 2007132882
    式(VIII)
    Figure 2007132882
    式(IX)
    Figure 2007132882
    式(X)
    Figure 2007132882
    式(XI)
    Figure 2007132882
    式(XII)
    Figure 2007132882
  22. セリンパルミトイル転移酵素の発現を抑制する化合物が、以下の(a)または(b)である、請求項19に記載のHCV感染症を治療または予防する方法。
    (a)セリンパルミトイル転移酵素をコードするDNAの転写産物と相補的なRNA
    (b)セリンパルミトイル転移酵素をコードするDNAの転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有するRNA
  23. インターフェロンが、ペグ化インターフェロンである、請求項15に記載のHCV感染症を治療または予防する方法。
  24. HCV感染症が、C型肝炎、肝硬変、肝繊維化、または肝癌である、請求項15に記載のHCV感染症を治療または予防する方法。
  25. HCV感染症を治療または予防するための医薬組成物を製造するための、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物およびインターフェロンの使用。
  26. インターフェロンと併用してHCV感染症を治療または予防するための医薬組成物を製造するための、スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物の使用。
  27. スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物と併用してHCV感染症を治療または予防するための医薬組成物を製造するための、インターフェロンの使用。
  28. スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物が、パルミトイルCoAからスフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物である、請求項25〜27のいずれかに記載の使用。
  29. スフィンゴミエリンの生合成過程を遮断する化合物が、以下(a)または(b)である、請求項25〜27のいずれかに記載の使用。
    (a)パルミトイルCoAから3-ケトジヒドロスフィンゴシンの生合成に関与する、セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物
    (b) セリンパルミトイル転移酵素の発現を抑制する化合物
  30. セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物がミリオシン、スフィンゴファンギン、以下の式(I)で表される化合物またはそれらのその薬学的に許容される塩である、請求項29に記載の使用。
    式(I):
    Figure 2007132882
    〔式中、Aは、−(CH2n−を表し、ここでnは、0〜10の整数を表し;
    Bは、−CH2−、−(C=O)−、−CH(OH)−、−CH(NH2)−、または−C(=NOR)−を表し、ここでRは、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基(炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよい)を表し;
    Dは、−(CH2m−R′を表し、ここでmは、0〜10の整数を表し、R′は、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、置換されていてもよい複素環式基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、−OX基(ここで、Xは、水素原子または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、シクロアルキル基、または置換されていてもよいアリール基を表す)、またはハロゲン原子を表し;
    Eは、水素原子または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基を表し;
    Gは、−(CH2p−Jを表し、ここでpは、0〜4の整数を表し、Jは、水素、OH基、SH基、メチルチオ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アミノ基、グアニジノ基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよい複素環式基、または置換されていてもよいヘテロアリール基を表し;
    結合Qは、単結合または二重結合を表し;そして
    1、R2、及びR3は、同一又は異なって、水酸基、アミノ基(炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基でモノまたはジ置換されていてもよい)、−OL、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基を表し、ここでLは、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基、または直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基を示す。〕
  31. セリンパルミトイル転移酵素の酵素活性を阻害する化合物が、以下の式(II)〜(XII)のいずれかに表される化合物、またはそれらのその薬学的に許容される塩である、請求項29に記載の使用。
    式(II)
    Figure 2007132882
    式(III)
    Figure 2007132882
    式(IV)
    Figure 2007132882
    式(V)
    Figure 2007132882
    式(VI)
    Figure 2007132882
    式(VII)
    Figure 2007132882
    式(VIII)
    Figure 2007132882
    式(IX)
    Figure 2007132882
    式(X)
    Figure 2007132882
    式(XI)
    Figure 2007132882
    式(XII)
    Figure 2007132882
  32. セリンパルミトイル転移酵素の発現を抑制する化合物が、以下の(a)または(b)である、請求項29に記載の使用。
    (a)セリンパルミトイル転移酵素をコードするDNAの転写産物と相補的なRNA
    (b)セリンパルミトイル転移酵素をコードするDNAの転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有するRNA
  33. インターフェロンが、ペグ化インターフェロンである、請求項25〜27のいずれかに記載の使用。
  34. HCV感染症が、C型肝炎、肝硬変、肝繊維化、または肝癌である、請求項25〜27のいずれかに記載の使用。
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