JPWO2007123120A1 - 火薬組成物及び火薬組成物成形体、並びにそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、燃料成分および酸化剤成分を、疎水性粘着剤の水性エマルションにより、混練し、乾燥して得た、耐水性が高く、押出成形性及び成形機の清掃性が良好な上、製造上の問題が少ない火薬組成物を提供するものである。また、本発明の火薬組成物は、成形体として、ガス発生剤、オートイグニッション剤およびエンハンサー剤等に適用することが好ましい。更に、本発明の火薬組成物成形体は、自動車安全装置を作動させるためのガス発生器用に供してとりわけ好適なものである。
Description
本発明は、火薬組成物及び火薬組成物成形体、並びにそれらの製造方法に関し、具体的には、例えばエアバッグやシートベルトプリテンショナー、ボンネット上昇装置等の自動車安全装置を作動させるためのガス発生器用に供して好適な火薬組成物に関する。
ガス発生器用火薬組成物には、例えばガス発生剤、エンハンサー剤、点火剤、オートイグニッション剤等がある。これらの薬剤のうち、ガス発生剤、エンハンサー剤、オートイグニッション剤は、通常成形体として使用されるため、水や有機溶媒等の、使用される溶剤に溶解する接着剤(バインダー)が添加されている(特開2000−95592号公報)。また、水を溶剤とした水性接着剤として、水溶性または、水膨潤性のバインダーを使用した押出成形可能な点火組成物が知られている(特表2003−524565号公報)。さらに、水性接着剤として、エチレン/ビニルアセテートコポリマーの水性懸濁液を使用した火薬組成物が知られている(特開2003−238285号公報)。そして、無機バインダーとして、合成ヒドロタルサイトを使用した火薬組成物も知られている(特開2001−192288号公報)。
しかし、特開2000−95592号公報に記載の有機溶媒を溶剤とするバインダーの場合、安全性に配慮する必要があり、かつVOC(volatile organic compounds:揮発性有機化合物)排出規制に対応しなければならないという欠点がある。また、特開2000−95592号公報や特表2003−524565号公報に記載の水を溶剤とするバインダーの場合、安全性は良好であるが、吸湿性を低下させることができず、また成形後、成形体同士が固着するという欠点がある。さらに、成形機への薬剤付着により洗浄に手間がかかる等の製造上の問題が多い。また、薬剤付着により成形機の洗浄に溶剤を必要とするという製造装置メインテナンス上の問題もある。特開2003−238285号公報に記載の組成物では、押出成形しても成形体は得られない。特開2001−192288号公報に使用されるバインダーは、打錠用のバインダーとして有効であるが、押出成形用バインダーとしては適当ではなく押出成形体が得られない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、従来と比較して、耐水性が良好で製造上の問題の少ない火薬組成物及び火薬組成物成形体を提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかる火薬組成物及び火薬組成物成形体の製造方法を提供することにある。
即ち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.燃料成分および酸化剤成分を、疎水性粘着剤の水性エマルションの存在下に、混練し、乾燥して得たことを特徴とする火薬組成物。
2.前記疎水性粘着剤の含有量が、2乃至15質量%であることを特徴とする上記1に記載の火薬組成物。
3.前記疎水性粘着剤が、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤およびシリコーン系粘着剤からなる群から選択される少なくとも1種類であることを特徴とする上記1又は2に記載の火薬組成物。
4.前記疎水性粘着剤が、アクリル系粘着剤であることを特徴とする上記3に記載の火薬組成物。
5.前記疎水性粘着剤は、熱分解温度が200℃以上であることを特徴とする上記3または4に記載の火薬組成物。
6.前記燃料成分が、含窒素化合物および/またはホウ素であることを特徴とする上記1乃至5のいずれか1項に記載の火薬組成物。
7.前記含窒素化合物が、グアニジン、テトラゾール、ビテトラゾール、トリアゾール、ヒドラジン、トリアジン、アゾジカルボンアミド、ジシアナミド及びそれらの誘導体、並びにニトラミン化合物からなる群から選択される少なくとも1種類であることを特徴とする上記6に記載の火薬組成物。
8.前記酸化剤成分が、塩素酸塩、過塩素酸塩、硝酸塩および塩基性硝酸塩からなる群から選択される少なくとも1種類であることを特徴とする上記1乃至7のいずれか1項に記載の火薬組成物。
9.前記酸化剤成分が、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸ストロンチウムおよび塩基性硝酸銅からなる群から選択される少なくとも1種類であることを特徴とする上記8に記載の火薬組成物。
10.更に、金属粉末、ケイ素窒化物および金属窒化物の内から選択される少なくとも1種類を含むことを特徴とする上記1乃至9のいずれか1項に記載の火薬組成物。
11.更に、界面活性剤を含むことを特徴とする上記1乃至10のいずれか1項に記載の火薬組成物。
12.前記界面活性剤は、HLB値が15以下であるノニオン界面活性剤であることを特徴とする上記11に記載の火薬組成物。
13.上記1乃至9のいずれか1項に記載の燃料成分および酸化剤成分を、疎水性粘着剤の水性エマルションの存在下に混練し、成形し、乾燥することを特徴とする火薬組成物成形体。
14.前記成形体が、ガス発生剤、オートイグニッション剤およびエンハンサー剤のいずれかであることを特徴とする上記13に記載の火薬組成物成形体。
15.前記成形体が、自動車安全装置用であることを特徴とする上記13又は14に記載の火薬組成物成形体。
16.前記成形体の形状が、顆粒状、錠剤状、円柱状、円筒状、角柱状、多孔円筒状および多孔角柱状のいずれかであることを特徴とする上記13乃至15のいずれか1項に記載の火薬組成物成形体。
17.更に、金属粉末、ケイ素窒化物および金属窒化物の内から選択される少なくとも1種類を含むことを特徴とする上記13乃至16のいずれか1項に記載の火薬組成物成形体。
18.更に、界面活性剤を含むことを特徴とする上記13乃至17のいずれか1項に記載の火薬組成物成形体。
19.前記界面活性剤は、HLB値が15以下であるノニオン界面活性剤であることを特徴とする上記18に記載の火薬組成物成形体。
20.燃料成分および酸化剤成分を、疎水性粘着剤の水性エマルションを用いて混練し、ついで乾燥させることを特徴とする火薬組成物の製造方法。
21.燃料成分および酸化剤成分を、疎水性粘着剤の水性エマルションを用いて混練し、ついで成形した後、乾燥・固化させることを特徴とする火薬組成物成形体の製造方法。
22.前記成形が、押出成形であることを特徴とする上記17に記載の火薬組成物成形体の製造方法。
本発明の火薬組成物は、成形後の成形体同士の付着が少なく、乾燥後に、凝集した薬剤同士の解砕も容易である。また、得られた乾燥成形体は、耐吸湿性、耐水性が良好で、水分を嫌う自動車安全装置を作動させるためのガス発生器用火薬組成物として好適である。また、本発明の火薬組成物の成形体を製造するに当たり、疎水性粘着剤を、エマルションの状態で水中に分散させ、水性エマルションとして使用することにより、燃料成分と酸化剤成分の混練物はもち状となり、押出成形がしやすくなる。さらに、上記混練物は製造機械に対し、付着し難く、製造後の機械の洗浄も容易である。
本発明の火薬組成物は、燃料成分および酸化剤成分を主成分とし、これらを疎水性粘着剤の水性エマルションを用いて混練し、必要に応じて成形した後、乾燥して得られるものである。本発明で使用する粘着剤は、疎水性の粘着剤であって、水中に分散させることにより水性エマルションを形成するものである。かような疎水性粘着剤としては、例えばゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤が挙げられるが、燃焼速度、燃焼ガスのクリーン性からアクリル系粘着剤が好ましい。その使用量は、火薬組成物中に固形分として2乃至15質量%含有させるのが好ましく、特に成形性や燃焼ガスのクリーン性の面からは固形分として3乃至9質量%含有させるのがより好ましい。粘着剤の熱分解温度は、火薬組成物の自己分解温度より高いことが望ましく、例えば200℃以上が好ましい。また、成形前の火薬組成物がもち状態になるようなアクリル系粘着剤を使用するのが押出成形する上で好ましい。
本発明で使用する燃料成分としては、含窒素化合物およびホウ素を挙げることができる。含窒素化合物としては、例えばグアニジン、テトラゾール、ビテトラゾール、トリアゾール、ヒドラジン、トリアジン、アゾジカルボンアミド、ジシアナミド及びそれらの誘導体、並びにニトラミン化合物からなる群から選択される少なくとも1種類を挙げることができる。より具体的には、5−オキソ−1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、5−アミノテトラゾール、硝酸アミノテトラゾール、ニトロアミノテトラゾール、ビテトラゾール(5,5’−ビ−1H−テトラゾール)、5,5’−ビ−1H−テトラゾールジアンモニウム塩、アゾビステトラゾール、5,5’−アゾテトラゾールジグアニジウム塩、グアニジン、ニトログアニジン、シアノグアニジン、トリアミノグアニジン硝酸塩、硝酸グアニジン、硝酸アミノグアニジン、ビウレット、アゾジカルボンアミド、カルボヒドラジド、カルボヒドラジド硝酸塩錯体、シュウ酸ヒドラジド、ヒドラジン硝酸塩錯体、アンミン錯体などを挙げることができる。これらの含窒素有機化合物の中でも、安価で反応性が良く比較的取扱いが容易であることから、テトラゾール誘導体およびグアニジン誘導体から選ばれる1種以上が好ましく、ニトログアニジン、硝酸グアニジン、ビテトラゾール、アゾビステトラゾールおよび5−アミノテトラゾールから選ばれる1種以上が特に好ましい。
本発明の火薬組成物中における燃料成分の含有率(配合割合)は、15〜50質量%程度とするのが好ましく、20〜45質量%程度とするのがより好ましい。燃料成分の含有率(配合割合)が15質量%未満では、ガス発生剤として火薬組成物を用いた場合の火薬組成物100g当りの発生ガスモル数が減少し、酸素過剰でNOxの発生量が増加するという傾向にある。一方、燃料成分の含有率(配合割合)が50質量%を超える場合には、低比重の燃料成分が多くなるためにガス発生剤としての火薬組成物の真比重が減少し、例えばエアバッグやシートベルトプリテンショナー用等のガス発生器への体積当りの充填量が減少してしまう。また酸化剤成分が不足するためにCOガスが多く発生するという傾向にあるためである。燃料成分として、含窒素化合物とホウ素を併用する場合、その使用割合は、含窒素化合物を1質量部とした場合、ホウ素を0.1乃至10質量部とすることが好ましく、より好ましくは、ホウ素を0.5乃至5質量部とすることである。
本発明で使用する酸化剤成分としては、例えば塩素酸塩、過塩素酸塩、硝酸塩または塩基性硝酸塩が挙げられる。塩素酸塩としては、例えば塩素酸カリウム、塩素酸ナトリウム等の塩素酸のアルカリ金属塩、塩素酸バリウム、塩素酸カルシウム等の塩素酸のアルカリ土類金属塩、塩素酸アンモニウム等の塩素酸のアンモニウム塩が挙げられる。過塩素酸塩としては、例えば過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム等の過塩素酸のアルカリ金属塩、過塩素酸バリウム、過塩素酸カルシウム等の過塩素酸のアルカリ土類金属塩、過塩素酸アンモニウム等の過塩素酸のアンモニウム塩が挙げられる。硝酸塩としては、例えば硝酸アンモニウム等の硝酸のアンモニウム塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の硝酸のアルカリ金属塩;硝酸バリウム、硝酸ストロンチウム等の硝酸のアルカリ土類金属塩等が挙げられるが、塩基性硝酸塩としては、例えば塩基性硝酸銅、塩基性硝酸マンガン、塩基性硝酸鉄、塩基性硝酸モリブデン、塩基性硝酸ビスマス、塩基性硝酸セリウム等が挙げられる。これらの中でも、過塩素酸塩、硝酸塩または塩基性硝酸塩が好ましく、過塩素酸塩の中では、発生ガス量が高く、反応性の高い過塩素酸アンモニウムまたは過塩素酸カリウムが好ましい。また硝酸塩の中では、反応性及び取扱い性などの理由から、アルカリ金属およびアルカリ土類金属から選ばれる金属硝酸塩であることが好ましく、特に、硝酸カリウム、硝酸ストロンチウムが好ましい。または、塩基性硝酸塩の中では、燃焼温度が低く、熱安定性が良い塩基性硝酸銅が好ましい。
本発明の火薬組成物中における酸化剤成分の含有率(配合割合)は40〜80質量%程度とするのが好ましい。酸化剤成分の含有率(配合割合)が40質量%未満である場合には、酸素不足となるためにCOガスが多く発生するという傾向にあり、一方、80質量%を超える場合には、酸素過剰でNOxの発生量が増加するという傾向にある。
本発明の火薬組成物中には、さらに燃焼速度を高め、着火性をより向上させるために、金属粉末、ケイ素窒化物または金属窒化物を含ませることができる。金属粉末としては、例えばアルミニウム、マグネシウム、マグナリウム、チタン及びジルコニウムなどが挙げられる。ケイ素窒化物または金属窒化物としては、例えば、窒化珪素,窒化硼素,窒化アルミニウム,窒化マグネシウム,窒化モリブデン,窒化タングステン,窒化カルシウム,窒化バリウム,窒化ストロンチウム,窒化亜鉛,窒化ナトリウム,窒化銅,窒化チタン,窒化マンガン,窒化バナジウム,窒化ニッケル,窒化コバルト,窒化鉄,窒化ジルコニウム,窒化クロム,窒化タンタル,窒化ニオブ,窒化セリウム,窒化スカンジウム,窒化イットリウム,窒化ゲルマニウム等が挙げられる。金属粉末、ケイ素窒化物または金属窒化物の含有量は、火薬組成物中0乃至10質量%が好ましい。
本発明の火薬組成物中には、さらに燃料成分、酸化剤成分及び疎水性粘着剤の混練性を高め、且つ押出成形性をより高めるために界面活性剤を含ませることができる。界面活性剤としては、例えばノニオン界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン界面活性剤のいずれも使用できるが、ノイゲン(第一工業製薬社製)等のノニオン界面活性剤が望ましい。ノニオン界面活性剤の中でも、HLB(Hydrophile Lipophile Balance)値が、15以下であることが好ましい。より好ましくは、3乃至15である。2種類以上の界面活性剤を併用した場合は、加重平均にてHLB値を算出する。HLBがあまりに低い場合には、水系での分散能力が悪く、逆に高すぎる場合には火薬組成物の耐吸湿性が低下してしまう。界面活性剤の含有量は、火薬組成物中0乃至5質量%が好ましい。
本発明の火薬組成物中には、さらに押出性を改善させるために、保水剤・潤滑剤として押出助剤を含ませることができる。押出助剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMCNa)、カルボキシメチルセルロースカリウム塩、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩、酢酸セルロース、セルロースアセテートブチレート(CAB)、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)などが挙げられる。押出助剤の含有量は、火薬組成物中0乃至1質量%が好ましい。
その他必要に応じ、酸性白土、カオリン系等のスラグ形成剤、アルカリ金属またはアルカリ土類金属等の塩素中和剤、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化鉄、酸化銅、酸化クロム、酸化コバルト、酸化アルミニウム等の燃焼触媒等を配合することができる。
本発明の火薬組成物は、成形体として使用することが好ましく、該火薬組成物の成形体をガス発生剤、オートイグニッション剤またはエンハンサー剤として使用できる。ガス発生剤の場合、燃料として含窒素化合物を使用することが好ましい。エンハンサー剤は、点火器から発生した火炎を大きくしてガス発生剤を燃焼しやすくするためのもので、燃料として含窒素化合物またはホウ素が好適である。オートイグニッション剤は、ガス発生剤の発火温度よりも低い温度で、例えば180℃付近で自己発火する性質を有するもので、例えば5−アミノテトラゾール、硝酸アルカリ金属塩、三酸化モリブデンを使用したものが挙げられる(特開2001−80986号公報参照)。
また、本発明の火薬組成物成形体は、例えば自動車安全装置用の部品に使用される。自動車安全装置用の部品としては、例えばエアバッグ用ガス発生器、シートベルトプリテンショナー用ガス発生器、ボンネット上昇装置用小型ガス発生器が挙げられる。本発明の火薬組成物成形体は、必要に応じてガス発生剤、オートイグニッション剤およびエンハンサー剤として組み合わせてこれらのガス発生器に使用される。
本発明の火薬組成物成形体は、粉状または顆粒状を呈している。また、成形体とした場合の形状としては、押出成形体、錠剤が挙げられる。押出成形体の形状としては、顆粒状、円柱状、円筒状、角柱状、多孔円筒状、多孔角柱状などが挙げられる。錠剤としては、打錠ペレットなどが挙げられる。
本発明の火薬組成物は、燃料成分および酸化剤成分を、疎水性粘着剤の水性エマルションにより、混練し、乾燥させることで製造される。ここで、各成分の他に、例えば、上記した金属粉末、ケイ素窒化物、金属窒化物、界面活性剤、押出助剤、燃焼触媒等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。また、本発明の火薬組成物を成形体として製造するには、燃料成分および酸化剤成分を、疎水性粘着剤の水性エマルションにより、混練し、ついで成形した後、乾燥・固化させれば良い。ここで、各成分を混練して得た混練物を成形機により成形させることが好ましく、また、成形機、特に押出機によって混合、混練を行ってもよい。上記成形機としては、例えば打錠機、圧縮成形機、押出成形機、圧伸成形機、造粒機などが挙げられるが、これらの中でも、押出成形機が好ましい。
<<実施例>>
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
硝酸グアニジン40質量%、硝酸ストロンチウム25質量%、及び塩基性硝酸銅25質量%をロッキングミキサーで混合し、混練機でアクリル系粘着剤の水性エマルションを固形分として9質量%、HLB値が8.0である界面活性剤ノイゲンTDS−30(第一工業製薬社製)を1質量%混合し、さらにこれらの成分系100質量部に対し、イオン交換水15質量部を加え、均一に混練した。次に、得られた混練物を押出機で所定の圧力を加え直径2.5mmのダイスを通しながら所定の形状に押出した。押出された火薬組成物の成形体を長さ6.5mmに裁断し、乾燥して円柱状のガス発生剤用の火薬組成物成形体を得た。
硝酸グアニジン40質量%、硝酸ストロンチウム25質量%、及び塩基性硝酸銅25質量%をロッキングミキサーで混合し、混練機でアクリル系粘着剤の水性エマルションを固形分として9質量%、HLB値が8.0である界面活性剤ノイゲンTDS−30(第一工業製薬社製)を1質量%混合し、さらにこれらの成分系100質量部に対し、イオン交換水15質量部を加え、均一に混練した。次に、得られた混練物を押出機で所定の圧力を加え直径2.5mmのダイスを通しながら所定の形状に押出した。押出された火薬組成物の成形体を長さ6.5mmに裁断し、乾燥して円柱状のガス発生剤用の火薬組成物成形体を得た。
得られたガス発生剤用火薬組成物成形体の着火性および燃焼性を示すパラメータである燃焼速度(40%−70%)dp/dtは、2.32MPa/msであった。燃焼速度(40%−70%)dp/dtは、18ccボンブ内でエンハンサー剤0.3gとガス発生剤2.5gを燃焼させたときのボンブ内圧を圧力センサで測定し、燃焼時間と燃焼圧力との間の燃焼曲線から求められた、最大圧力を100%とした場合に40%から70%に達するまでの曲線の傾きのことである。
(実施例2)
硝酸グアニジン40質量%、硝酸ストロンチウム25質量%、塩基性硝酸銅25質量%、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース1質量%をロッキングミキサーで混合し、混練機でアクリル系粘着剤の水性エマルションを固形分として8質量%混合し、さらにこれらの成分系100質量部に対し、イオン交換水15質量部を加え、均一に混練した。次に、得られた混練物を押出機で所定の圧力を加え直径2.5mmのダイスを通しながら所定の形状に押出した。押出された火薬組成物の成形体を長さ6.5mmに裁断し、乾燥して円柱状のガス発生剤用の火薬組成物成形体を得た。
硝酸グアニジン40質量%、硝酸ストロンチウム25質量%、塩基性硝酸銅25質量%、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース1質量%をロッキングミキサーで混合し、混練機でアクリル系粘着剤の水性エマルションを固形分として8質量%混合し、さらにこれらの成分系100質量部に対し、イオン交換水15質量部を加え、均一に混練した。次に、得られた混練物を押出機で所定の圧力を加え直径2.5mmのダイスを通しながら所定の形状に押出した。押出された火薬組成物の成形体を長さ6.5mmに裁断し、乾燥して円柱状のガス発生剤用の火薬組成物成形体を得た。
得られたガス発生剤用火薬組成物成形体の着火性および燃焼性を示すパラメータである燃焼速度(40%−70%)dp/dtは、2.27MPa/msであった。燃焼速度(40%−70%)dp/dtは、18ccボンブ内でエンハンサー剤0.3gとガス発生剤2.5gを燃焼させたときのボンブ内圧を圧力センサで測定し、燃焼時間と燃焼圧力との間の燃焼曲線から求められた、最大圧力を100%とした場合に40%から70%に達するまでの曲線の傾きのことである。
(実施例3)
5−アミノテトラゾール10質量%及び硝酸カリウム68質量%をロッキングミキサーで混合し、混練機でボロンを12質量%、アクリル系粘着剤の水性エマルションを固形分として9質量%、界面活性剤ノイゲンTDS−30(第一工業製薬社製)を1質量%混合し、さらにこれらの成分系100質量部に対し、イオン交換水16質量部を加え、均一に混練した。次に、得られた混練物を押出機で所定の圧力を加え直径1.8mmのダイスを通しながら所定の形状に押出した。押出された火薬組成物の成形体を長さ2.5mmに裁断し、乾燥して円柱状のエンハンサー剤用の火薬組成物成形体を得た。
5−アミノテトラゾール10質量%及び硝酸カリウム68質量%をロッキングミキサーで混合し、混練機でボロンを12質量%、アクリル系粘着剤の水性エマルションを固形分として9質量%、界面活性剤ノイゲンTDS−30(第一工業製薬社製)を1質量%混合し、さらにこれらの成分系100質量部に対し、イオン交換水16質量部を加え、均一に混練した。次に、得られた混練物を押出機で所定の圧力を加え直径1.8mmのダイスを通しながら所定の形状に押出した。押出された火薬組成物の成形体を長さ2.5mmに裁断し、乾燥して円柱状のエンハンサー剤用の火薬組成物成形体を得た。
得られたエンハンサー剤用火薬組成物成形体の着火性および燃焼性を示すパラメータである燃焼速度(30%−70%)dp/dtは10.3MPa/msであった。燃焼速度(30%−70%)dp/dt測定方法は、18ccボンブ内でエンハンサー剤1200mgを燃焼させたときのボンブ内圧を圧力センサで測定し、燃焼時間と燃焼圧力との間の燃焼曲線から求められた、最大圧力を100%とした場合に40%から70%に達するまでの曲線の傾きのことである。
(実施例4)
過塩素酸アンモニウム26質量%、硝酸ストロンチウム26質量%、及び燃焼触媒として酸化銅4質量%をロッキングミキサーで混合し、混練機でニトログアニジンを34質量%、アクリル系粘着剤の水性エマルションを固形分として9質量%、界面活性剤ノイゲンTDS−30(第一工業製薬社製)を1質量%混合し、さらにこれらの成分系100質量部に対し、イオン交換水13質量部を加え、均一に混練した。次に、得られた混練物を押出機で所定の圧力を加え直径1.5mmのダイスを通しながら所定の形状に押出した。押出された火薬組成物の成形体を長さ2.0mmに裁断し、乾燥して円柱状のガス発生剤用の火薬組成物成形体を得た。
過塩素酸アンモニウム26質量%、硝酸ストロンチウム26質量%、及び燃焼触媒として酸化銅4質量%をロッキングミキサーで混合し、混練機でニトログアニジンを34質量%、アクリル系粘着剤の水性エマルションを固形分として9質量%、界面活性剤ノイゲンTDS−30(第一工業製薬社製)を1質量%混合し、さらにこれらの成分系100質量部に対し、イオン交換水13質量部を加え、均一に混練した。次に、得られた混練物を押出機で所定の圧力を加え直径1.5mmのダイスを通しながら所定の形状に押出した。押出された火薬組成物の成形体を長さ2.0mmに裁断し、乾燥して円柱状のガス発生剤用の火薬組成物成形体を得た。
得られたガス発生剤用火薬組成物成形体の着火性および燃焼性を示すパラメータである燃焼速度(30%−70%)dp/dtは13.1MPa/msであった。燃焼速度(30%−70%)dp/dt測定方法は、10ccボンブ内でガス発生剤用火薬組成物1250mgを燃焼させたときのボンブ内圧を圧力センサで測定し、燃焼時間と燃焼圧力との間の燃焼曲線から求められた、最大圧力を100%とした場合に40%から70%に達するまでの曲線の傾きのことである。
(実施例5)
5−アミノテトラゾール28質量%、硝酸カリウム61質量%、及び三酸化モリブデン4質量%をロッキングミキサーで混合し、アクリル系粘着剤の水性エマルションを固形分として6質量%、界面活性剤ノイゲンTDS−30(第一工業製薬社製)を1質量%混合し、さらにこれらの成分系100質量部に対し、イオン交換水16質量部を加え、均一に混練した。次に、得られた混練物を押出機で所定の圧力を加え直径1.8mmのダイスを通しながら所定の形状に押出した。押出された火薬組成物の成形体を長さ2.5mmに裁断し、乾燥して円柱状のオートイグニッション剤用の火薬組成物成形体を得た。
5−アミノテトラゾール28質量%、硝酸カリウム61質量%、及び三酸化モリブデン4質量%をロッキングミキサーで混合し、アクリル系粘着剤の水性エマルションを固形分として6質量%、界面活性剤ノイゲンTDS−30(第一工業製薬社製)を1質量%混合し、さらにこれらの成分系100質量部に対し、イオン交換水16質量部を加え、均一に混練した。次に、得られた混練物を押出機で所定の圧力を加え直径1.8mmのダイスを通しながら所定の形状に押出した。押出された火薬組成物の成形体を長さ2.5mmに裁断し、乾燥して円柱状のオートイグニッション剤用の火薬組成物成形体を得た。
得られたオートイグニッション剤用火薬組成物成形体の性能を評価するために、200℃における発火時間の計測とTG−DTA熱天秤/示差熱分析機による分解開始温度を測定した。200℃における発火時間は2秒であり、分解開始温度は175℃であった。
(実施例6)
実施例3で得られたエンハンサー剤用火薬組成物成形体を用いて−40℃から107℃の温度変化を200サイクル行う熱衝撃試験を行い、また107℃で400時間、1500時間及び3000時間放置する耐熱試験を行い、重量減少率を測定した。また18ccボンブ内でエンハンサー剤用火薬組成物1200mgを燃焼させたときのボンブ内圧を圧力センサで測定し、試験前後の燃焼時間と燃焼圧力との関係(30%−70%)dp/dtを求めた。結果を表1に示す。この結果から、熱衝撃試験および耐熱試験において重量減少率が小さく、また燃焼速度の変化も小さい、耐環境性の良好なエンハンサー剤用火薬組成物成形体が得られたことがわかる。
実施例3で得られたエンハンサー剤用火薬組成物成形体を用いて−40℃から107℃の温度変化を200サイクル行う熱衝撃試験を行い、また107℃で400時間、1500時間及び3000時間放置する耐熱試験を行い、重量減少率を測定した。また18ccボンブ内でエンハンサー剤用火薬組成物1200mgを燃焼させたときのボンブ内圧を圧力センサで測定し、試験前後の燃焼時間と燃焼圧力との関係(30%−70%)dp/dtを求めた。結果を表1に示す。この結果から、熱衝撃試験および耐熱試験において重量減少率が小さく、また燃焼速度の変化も小さい、耐環境性の良好なエンハンサー剤用火薬組成物成形体が得られたことがわかる。
(実施例7)
硝酸グアニジン40質量%、硝酸ストロンチウム25質量%、及び塩基性硝酸銅25質量%をロッキングミキサーで混合し、混練機でアクリル系粘着剤の水性エマルションを固形分として9質量%、HLB値が13.3である界面活性剤ノイゲンTDS−80(第一工業製薬社製)を1質量%混合し、さらにこれらの成分系100質量部に対し、イオン交換水15質量部を加え、均一に混練した。次に、得られた混練物を押出機で所定の圧力を加え直径2.5mmのダイスを通しながら所定の形状に押出した。押出された火薬組成物の成形体を長さ6.5mmに裁断し、乾燥して円柱状のガス発生剤用の火薬組成物成形体を得た。
硝酸グアニジン40質量%、硝酸ストロンチウム25質量%、及び塩基性硝酸銅25質量%をロッキングミキサーで混合し、混練機でアクリル系粘着剤の水性エマルションを固形分として9質量%、HLB値が13.3である界面活性剤ノイゲンTDS−80(第一工業製薬社製)を1質量%混合し、さらにこれらの成分系100質量部に対し、イオン交換水15質量部を加え、均一に混練した。次に、得られた混練物を押出機で所定の圧力を加え直径2.5mmのダイスを通しながら所定の形状に押出した。押出された火薬組成物の成形体を長さ6.5mmに裁断し、乾燥して円柱状のガス発生剤用の火薬組成物成形体を得た。
(実施例8)
硝酸グアニジン40質量%、硝酸ストロンチウム25質量%、及び塩基性硝酸銅25質量%をロッキングミキサーで混合し、混練機でアクリル系粘着剤の水性エマルションを固形分として9質量%、HLB値が16.3である界面活性剤ノイゲンTDS−200D(第一工業製薬社製)を1質量%混合し、さらにこれらの成分系100質量部に対し、イオン交換水15質量部を加え、均一に混練した。次に、得られた混練物を押出機で所定の圧力を加え直径2.5mmのダイスを通しながら所定の形状に押出した。押出された火薬組成物の成形体を長さ6.5mmに裁断し、乾燥して円柱状のガス発生剤用火薬組成物成形体を得た。
硝酸グアニジン40質量%、硝酸ストロンチウム25質量%、及び塩基性硝酸銅25質量%をロッキングミキサーで混合し、混練機でアクリル系粘着剤の水性エマルションを固形分として9質量%、HLB値が16.3である界面活性剤ノイゲンTDS−200D(第一工業製薬社製)を1質量%混合し、さらにこれらの成分系100質量部に対し、イオン交換水15質量部を加え、均一に混練した。次に、得られた混練物を押出機で所定の圧力を加え直径2.5mmのダイスを通しながら所定の形状に押出した。押出された火薬組成物の成形体を長さ6.5mmに裁断し、乾燥して円柱状のガス発生剤用火薬組成物成形体を得た。
(比較例1)
硝酸グアニジン41質量%、硝酸ストロンチウム25質量%、塩基性硝酸銅25質量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース6質量%、及びポリビニルピロリドン3質量%をロッキングミキサーで混合し、さらにこれらの成分系100質量部に対してイオン交換水15質量部を加え均一に混練した。次に、得られた混練物を押出機で所定の圧力を加え直径2.5mmのダイスを通しながら所定の形状に押出した。押出されたガス発生剤組成物の成形体を長さ6.5mmに裁断し、乾燥して円柱状のガス発生剤組成物成形体を得た。
硝酸グアニジン41質量%、硝酸ストロンチウム25質量%、塩基性硝酸銅25質量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース6質量%、及びポリビニルピロリドン3質量%をロッキングミキサーで混合し、さらにこれらの成分系100質量部に対してイオン交換水15質量部を加え均一に混練した。次に、得られた混練物を押出機で所定の圧力を加え直径2.5mmのダイスを通しながら所定の形状に押出した。押出されたガス発生剤組成物の成形体を長さ6.5mmに裁断し、乾燥して円柱状のガス発生剤組成物成形体を得た。
実施例1、7、8で得られたガス発生剤用火薬組成物成形体と比較例1で得られたガス発生剤組成物成形体を用いて、吸湿実験を行った。吸湿実験方法は、25℃において相対湿度31%、52%、80%、93%雰囲気中にガス発生剤用火薬組成物成形体を曝露して一定時間ごとの重量増加を測定した。測定した雰囲気下での曝露前との重量変化率の結果を表2に示す。この結果から、実施例と比較例を対比すると、48時間後の重量変化率において、実施例では最大でも1.42%の重量変化率にすぎないのに対し、比較例1では1.530%であり、実施例のほうが吸湿の少ないことがわかる。また、実施例どうしを比較すると、ノニオン界面活性剤のHLB値が8.0の実施例1、HLB値が13.3の実施例7、HLB値が16.3の実施例8の順に重量変化率大きくなっており、HLB値が高くなると吸湿も大きくなることがわかる。
(比較例2)
過塩素酸アンモニウム26質量%、硝酸ストロンチウム26質量%、及び燃焼触媒として酸化銅4質量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース6質量%、及びポリアクリルアミド3質量%をロッキングミキサーで混合し、混練機でニトログアニジン35質量%を混合し、さらにこれらの成分系100質量部に対してイオン交換水14質量部を加え均一に混練した。次に、得られた混練物を押出機で所定の圧力を加え直径1.5mmのダイスを通しながら押出することにより所定の形状に押出した。押出されたガス発生剤組成物の成形体を長さ2.0mmに裁断し、乾燥して円柱状のガス発生剤組成物成形体を得た。
過塩素酸アンモニウム26質量%、硝酸ストロンチウム26質量%、及び燃焼触媒として酸化銅4質量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース6質量%、及びポリアクリルアミド3質量%をロッキングミキサーで混合し、混練機でニトログアニジン35質量%を混合し、さらにこれらの成分系100質量部に対してイオン交換水14質量部を加え均一に混練した。次に、得られた混練物を押出機で所定の圧力を加え直径1.5mmのダイスを通しながら押出することにより所定の形状に押出した。押出されたガス発生剤組成物の成形体を長さ2.0mmに裁断し、乾燥して円柱状のガス発生剤組成物成形体を得た。
(比較例3)
5−アミノテトラゾール11質量%、硝酸カリウム68質量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース6質量%、及びポリアクリルアミド3質量%をロッキングミキサーで混合し、混練機でボロン12質量%を混合し、さらにこれらの成分系100質量部に対してイオン交換水17質量部を加え均一に混練した。次に、得られた混練物を押出機で所定の圧力を加え直径1.8mmのダイスを通しながら押出することにより所定の形状に押出した。押出されたエンハンサー剤組成物の成形体を長さ2.5mmに裁断し、乾燥して円柱状のエンハンサー剤組成物成形体を得た。
5−アミノテトラゾール11質量%、硝酸カリウム68質量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース6質量%、及びポリアクリルアミド3質量%をロッキングミキサーで混合し、混練機でボロン12質量%を混合し、さらにこれらの成分系100質量部に対してイオン交換水17質量部を加え均一に混練した。次に、得られた混練物を押出機で所定の圧力を加え直径1.8mmのダイスを通しながら押出することにより所定の形状に押出した。押出されたエンハンサー剤組成物の成形体を長さ2.5mmに裁断し、乾燥して円柱状のエンハンサー剤組成物成形体を得た。
実施例1、3で得られたガス発生剤用火薬組成物成形体と比較例1、2で得られたガス発生剤組成物成形体を用いて、また、実施例4で得られたエンハンサー剤用火薬組成物成形体と比較例3で得られたエンハンサー剤組成物成形体を用いて、更に、実施例8で得られたガス発生剤用火薬組成物成形体を用いて、押出成形性、成形物同士の固着、成形機の清掃性について観察した。結果を表3に示す。この結果から、実施例と比較例を対比すると、いずれの実施例も押出成形性、成形機の清掃性において良好であり、また成形物同士の固着も見られなかった。これに対し比較例では、押出成形性は良好であるものの、成形機の清掃性が悪く、また成形物同士の固着も見られた。なお、表3中の各記号は次のことを意味する。
押出成形性: ○ 押出機により成形できた
× 押出機により成形できなかった
成形機の清掃性: ○ 手で押出機の付着物を除去できた
× 手では押出機の付着物を除去できず、各部品に付着した
付着物を湯で湿潤状態にした後、スクレーバを使用しないと除
去できなかった
× 押出機により成形できなかった
成形機の清掃性: ○ 手で押出機の付着物を除去できた
× 手では押出機の付着物を除去できず、各部品に付着した
付着物を湯で湿潤状態にした後、スクレーバを使用しないと除
去できなかった
Claims (22)
- 燃料成分および酸化剤成分を、疎水性粘着剤の水性エマルションの存在下に、混練し、乾燥して得たことを特徴とする火薬組成物。
- 前記疎水性粘着剤の含有量が、2乃至15質量%であることを特徴とする請求項1に記載の火薬組成物。
- 前記疎水性粘着剤が、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤およびシリコーン系粘着剤からなる群から選択される少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1又は2に記載の火薬組成物。
- 前記疎水性粘着剤が、アクリル系粘着剤であることを特徴とする請求項3に記載の火薬組成物。
- 前記疎水性粘着剤は、熱分解温度が200℃以上であることを特徴とする請求項3または4に記載の火薬組成物。
- 前記燃料成分が、含窒素化合物および/またはホウ素であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の火薬組成物。
- 前記含窒素化合物が、グアニジン、テトラゾール、ビテトラゾール、トリアゾール、ヒドラジン、トリアジン、アゾジカルボンアミド、ジシアナミド及びそれらの誘導体、並びにニトラミン化合物からなる群から選択される少なくとも1種類であることを特徴とする請求項6に記載の火薬組成物。
- 前記酸化剤成分が、塩素酸塩、過塩素酸塩、硝酸塩および塩基性硝酸塩からなる群から選択される少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の火薬組成物。
- 前記酸化剤成分が、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸ストロンチウムおよび塩基性硝酸銅からなる群から選択される少なくとも1種類であることを特徴とする請求項8に記載の火薬組成物。
- 更に、金属粉末、ケイ素窒化物および金属窒化物の内から選択される少なくとも1種類を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の火薬組成物。
- 更に、界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の火薬組成物。
- 前記界面活性剤は、HLB値が15以下であるノニオン界面活性剤であることを特徴とする請求項11に記載の火薬組成物。
- 上記1乃至9のいずれか1項に記載の燃料成分および酸化剤成分を、疎水性粘着剤の水性エマルションにより、混練し、成形し、乾燥することを特徴とする火薬組成物成形体。
- 前記成形体が、ガス発生剤、オートイグニッション剤およびエンハンサー剤のいずれかであることを特徴とする請求項13に記載の火薬組成物成形体。
- 前記成形体が、自動車安全装置用であることを特徴とする請求項13又は14に記載の火薬組成物成形体。
- 前記成形体の形状が、顆粒状、錠剤状、円柱状、円筒状、角柱状、多孔円筒状および多孔角柱状のいずれかであることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の火薬組成物成形体。
- 更に、金属粉末、ケイ素窒化物および金属窒化物の内から選択される少なくとも1種類を含むことを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項に記載の火薬組成成形体物。
- 更に、界面活性剤を含むことを特徴とする請求項13乃至17のいずれか1項に記載の火薬組成物成形体。
- 前記界面活性剤は、HLB値が15以下であるノニオン界面活性剤であることを特徴とする請求項18に記載の火薬組成物成形体。
- 燃料成分および酸化剤成分を、疎水性粘着剤の水性エマルションを用いて混練し、ついで乾燥させることを特徴とする火薬組成物の製造方法。
- 燃料成分および酸化剤成分を、疎水性粘着剤の水性エマルションを用いて混練し、ついで成形した後、乾燥・固化させることを特徴とする火薬組成物成形体の製造方法。
- 前記成形が、押出成形であることを特徴とする請求項21に記載の火薬組成物成形体の製造方法。
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