JPWO2007111274A1 - 核酸検出カセット及び核酸検出装置 - Google Patents

核酸検出カセット及び核酸検出装置 Download PDF

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純 岡田
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Abstract

核酸検出カセットは、第1流路及び第2流路を含む流路がその内に形成されている本体を備えている。ターゲット核酸を含むサンプルが投入口を介して第2流路のサンプルチャンバに投入される。本体には、第1及び第2流路に連通する検出チャンバと核酸検出ユニットを具備する検出部が組み込まれている。第1流路内には、第1試薬が保持されている第1試薬保管部及び第2試薬が保持されている第2試薬保管部が定められ、第1及び第2試薬保管部は流路内気体によって分離され、第1及び第2流路に連通するポンプ部での作用によってサンプル、第1及び第2試薬が検出部に供給される。従って、検出非対象核酸分子が混入し、且つ、核酸サンプルが外部への漏れ出すことを防止することができる。

Description

この発明は、ターゲット核酸を検出して塩基配列を特定する核酸検出カセット及び核酸検出装置に係り、特に、核酸の検出或いは核酸の検出の前処理の工程を全自動で処理し、ターゲット核酸を検出する為の核酸検出カセット及びこの核酸検出カセットを用いた核酸検出装置に関する。
近年の遺伝子工学の発展に伴い、医療分野では、遺伝子による病気の診断或いは予防が可能となりつつある。このような診断は、遺伝子診断と称せられ、遺伝子診断によって、病気の原因となるヒトの遺伝子欠陥或いは変化を検出して病気の発症前若しくは極めて初期の段階での病気の診断或いは病気の予測をすることが出来る。また、ヒトゲノムの解読とともに、遺伝子型と疫病との関連に関する研究が進み、各個人の遺伝子型に合わせた治療(テーラーメイド医療)も現実化しつつある。従って、簡便に遺伝子を検出し、また、遺伝子型を決定することは非常に重要となっている。
従来から、核酸抽出からデータ解析までを自動で行う全自動タイプの核酸検出装置が開発されている。例えば、特開平3−7571号には、核酸増幅及び核酸検出を自動で処理可能な核酸検出装置が開示されている。しかし、この装置は、検出の対象(ターゲット)とされない非対象核酸分子が混入する所謂コンタミネーションに対して確実な対策は取られていない問題がある。また、この特開平3−7571号に開示された従来の核酸検出装置は、大型の装置であり、研究用途向けとなっている。この特開平3−7571号が提案された後に、コンタミネーションの問題に対処するカセットが特開2005−261298号で提案されている。この特開2005−261298号に開示された全自動タイプの核酸検査装置では、コンタミネーションに対して、閉鎖型カセットを採用することによって問題解決を図っている。しかし、この装置に装填されるカセットは、複数のバルブ機能及び流路チャネルを必要とし、構造が複雑となり、カセットの小型化並びに簡易化を妨げ、装置自体の小型化及び簡易化も妨げている問題がある。
その他、Affymetrix Inc.に譲渡された米国特許6,830,936及びMotorolaに譲渡された米国特許6,605,454等にも核酸検出カセットが開示されている。米国特許6,830,936及び米国特許6,605,454のいずれにも開示されたカセットには、流路が形成され、また、バルブ機構が搭載され、カセットの構造が複雑になっている。核酸検出カセットの構造が複雑になると、核酸検出カセットの信頼性の低下はもちろん、流路内或いはバルブ部分等への吸着によるサンプル量或いはサンプル濃度の低下、液漏れによるコンタミネーション、検査時間のロス等につながる虞がある。
上述したように全自動核酸解析装置の開発にあたっての重要な課題として検出非対象核酸分子(非ターゲット核酸分子)が混入や、核酸サンプルが外部への漏れ出しを防止することが重要である。このような背景から、コンタミネーションを防ぐことはもちろん、小型で簡易な構造を有する核酸検出カセット及び全自動核酸検出装置の開発が望まれている。
この発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、その目的は、検出非対象核酸分子が混入し、且つ、核酸サンプルが外部への漏れ出すことを防止する構造を有する核酸検出カセット及び核酸検出装置を提供するにある。
この発明のある観点によれば、(以下、クレーム訂正に併せて訂正下さい。)
ターゲット核酸を含むサンプルを投入可能な投入口と;
第1流路と;
前記第1流路及び前記投入口に連通する第2流路と;
前記第1及び第2流路に連通し、外部から隔てられて形成されたプローブチャンバを有し、当該プローブチャンバに前記サンプルを供給して前記ターゲット核酸を判別する為の電気信号を検出する核酸検出ユニットを具備し、前記第1及び第2流路間に配置されている検出部と;
前記第1流路内に定められ、前記サンプルとは気体を介して分離して第1試薬を保管する第1試薬保管部と;
前記第1流路内に定められ、第2試薬を前記第1試薬及び前記サンプルとは気体によって分離して保管する第2試薬保管部と;
前記第2流路内に定められ、前記投入口に連通し、投入された前記サンプルを保管するサンプルチャンバと;
前記第1及び第2流路部に連通するように前記第1及び第2流路間に配置されるポンプ部であって、前記第1及び第2流路部、前記核酸検出ユニットとともに密閉閉路を形成して外部から与えられた圧力によって前記サンプル、前記第1の試薬及び前記第2の試薬を個別に前記核酸検出ユニットに供給するポンプ部と;
を具備する核酸検出カセットが提供される。
また、この発明の他の観点によれば、
ターゲット核酸を含むサンプルを投入可能な投入口と;
第1流路と;
前記第1流路及び前記投入口に連通する第2流路と;
前記第1及び第2流路に連通し、外部から隔てられて形成されたプローブチャンバを有し、当該プローブチャンバに前記サンプルが供給されて前記ターゲット核酸を判別する為の電気信号を検出する核酸検出ユニットを具備し、前記第1及び第2流路間に配置されている検出部と;
前記第1流路内に定められ、前記サンプルとは気体を介して分離して第1試薬を保管する第1試薬保管部と;
前記第2流路内に定められ、前記投入口に連通し、投入された前記サンプルを保管するサンプルチャンバと;
前記第2流路内に定められ、前記サンプルチャンバに連通する第1流路口及び前記検出部に連通する第2流路口を備え、前記サンプルチャンバから供給された前記サンプルを含むサンプル液を保管するサンプル貯蔵チャンバであって、前記サンプル液の液面上に前記第1及び第2流路口が配置されるサンプル貯蔵チャンバと;
前記第1及び第2流路部に連通するように前記第1及び第2流路間に配置されるポンプ部であって、前記第1及び第2流路部、前記核酸検出ユニットとともに密閉閉路を形成して外部から与えられた圧力によって前記サンプル、前記第1の試薬及び前記第2の試薬を個別に前記核酸検出ユニットに供給するポンプ部と;
を具備する核酸検出カセットが提供される。
更に、この発明によれば、
ターゲット核酸を含むサンプルを投入可能な投入口と;
第1流路と、
前記第1流路及び前記投入口に連通する第2流路と;
前記第1及び第2流路に連通し、外部から隔てられて形成されたプローブチャンバを有し、当該プローブチャンバに前記サンプルが供給されて前記ターゲット核酸を判別する為の電気信号を検出する核酸検出ユニットを具備し、前記第1及び第2流路間に配置されている検出部と;
前記第1流路内に定められ、前記サンプルとは気体を介して分離して第1試薬を保管する第1試薬保管部と;
前記第1流路内に定められ、第2試薬を前記第1試薬及び前記サンプルとは気体によって分離して保管する第2試薬保管部と;
前記第2流路内に定められ、前記投入口に連通し、投入された前記サンプルを保管するサンプルチャンバと;
前記サンプルチャンバに連通され、このサンプルチャンバに供給可能に第4の試薬を保持する第4試薬保管部と、
前記第2流路内に定められ、前記サンプルチャンバに連通する第1流路口及び前記検出部に連通する第2流路口を備え、前記サンプルチャンバから供給された前記第4の試薬が混合したサンプル液を保持する為のサンプル貯蔵チャンバであって、前記サンプル液の液面上に前記第1及び第2流路口が配置されるサンプル貯蔵チャンバと;
前記第2流路に連通するように前記カセット本体に設けられ、外部からの作用によって前記第4の試薬を前記サンプルチャンバに供給する第1ポンプ部と;
前記第1及び第2流路部に連通するように前記第1及び第2流路間に配置されるポンプ部であって、前記第1及び第2流路部、前記核酸検出ユニットとともに密閉閉路を形成して外部から与えられた圧力によって前記第4の試薬が混入された前記サンプル、前記第1の試薬及び前記第2の試薬を個別に前記核酸検出ユニットに供給する第2ポンプ部と;
を具備する核酸検出カセットが提供される。
この発明の一実施の形態に係る核酸検出カセットを示す模式図である。 図1に示した核酸検出カセットにおけるサンプル並びに試薬を送液する動作を示す概念図である。 図1に示した核酸検出カセットにおけるサンプル並びに試薬を送液する動作を示す概念図である。 図1に示した核酸検出カセットにおけるサンプル並びに試薬を送液する動作を示す概念図である。 この発明の他の実施の形態に係る複数のサンプル投入部を有する核酸検出カセットを示す模式図である。 図1に示した核酸検出カセットにおける水平面に相当する平面内の配置を示す概念図である。 図1に示した核酸検出カセットにおける垂直面に相当する断面内の配置を示す概念図である。 図3に示した核酸検出カセットの変形例に係る核酸検出カセットを示す模式図である。 (a)及び(b)は、図4A及び図4Bに示した核酸検出カセットにおける送液動作の一例を説明する為の概念図である。 (a)、(b)及び(c)は、図4A及び図4Bに示した核酸検出カセットの変形例における送液動作の一例を説明する為の概念図である。 図4A及び図4Bに示した核酸検出カセットにおける送液動作の他の例を説明する為の概念図である。 図4A及び図4Bに示した核酸検出カセットにおける送液動作の更に他の例を説明する為の概念図である。 図4A及び図4Bに示した核酸検出カセットにおける送液動作のまた他の例を説明する為の概念図である。 図4A及び図4Bに示した核酸検出カセットにおける送液動作のまた他の例を説明する為の概念図である。 図4A及び図4Bに示した核酸検出カセットにおける送液動作の他の例を説明する為の概念図である。 図4A及び図4Bに示した核酸検出カセットにおける送液動作の他の例を説明する為の概念図である。 (a)、(b)、(c)及び(d)は、図3に示した核酸検出カセットの具体例に係る核酸検出カセットを概略的に示す上面図、正面図及び側面図である。 図3に示した核酸検出カセットの具体例に係る核酸検出カセットを概略的に示す透過斜視図である。 図11A、図11B、図11C及び図11D示した核酸抽出増幅部を概略的に示す上面図である。 図11A、図11B、図11C及び図11D示した核酸抽出増幅部を概略的に示す側面図である。 (a)〜(d)は、図12(a)及び(b)示した核酸抽出増幅部のサンプル投入口に挿入される種々のサンプル採取棒を示す側面図であり、並びに、(e)〜(h)は、図12(a)及び(b)に示した核酸抽出増幅部のサンプル投入口に挿入される種々のサンプル採取棒を示す底面図である。 図12(c)に示すサンプルチャンバを詳細に示す側面図である。 (a)、(b)及び(c)は、図12(c)に示すサンプルチャンバの他の例を詳細に示す側面図であり、(d)、(e)及び(f)は、図12(c)に示すサンプルチャンバの背後に設けられたバッファ部の一例を詳細に示す側面図である。 この発明の一実施の形態に係る核酸検出カセットを利用した核酸検出装置を示す模式的に示すブロック図である。 図18に示す核酸検出装置におけるサンプル注入から核酸検出に至る処理を示すフローチャートである。
以下、必要に応じて図面を参照しながら、この発明の一実施の形態に係る核酸検出カセット及び核酸検出装置を詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施の形態に係る挿入剤を用いる電流検出タイプの核酸検出方法を適用する核酸検出装置に挿入される核酸検出カセットの構造を模式的に示している。
この図1に示すように、核酸検出カセットは、環状に閉じた環状流路(環状に閉じた流通チャネル)CH1(第1流路),CH2(第2流路)を備えている。(以下、各「流路CH1」,「流路CH2」と記載する。)この流路CH1中には、気体によって空間的に分離された液体状のサンプル2、液体状の試薬A(第1試薬)、例えば、洗浄剤(緩衝液)及び液体状の試薬B(第2試薬)、例えば、挿入剤(ハイブリダイゼーション反応した核酸に結合し、かつ電気化学的反応をする物質の溶液)が保管されている。(すなわち流路CH1には、第1試薬を保管する第1試薬保管部と、第2の試薬を保管する第2試薬保管部を有している。)
また流路CH1,CH2に連通して、流路CH1,CH2内を、液体であるサンプル2、試薬A及び試薬Bを移動させるためのポンプ部8、例えば、後に説明されるように加圧ローラー及び弾性配管チューブを備えるペリスタ方式のポンプが配置されている。
また、図1に示すように流路CH1,CH2には外部から隔てられた検出チャンバ連通し、この検出チャンバにはDNAチップ10(核酸検出ユニット)が配置されて、前記検出チャンバと前記DNAチップ10とで検出部20をなしている。
また、流路CH2には、サンプル2が投入されるサンプルチャンバ12が設けられている。サンプルチャンバ12は、サンプル投入口を有し、外部から流路CH2にサンプル2を投入可能に構成されている。サンプルチャンバ12の投入口は、サンプル2を投入時のみサンプル2に対して解放され、サンプル2の投入後閉塞される。サンプルチャンバ12には、加熱部14が設けられていても良く、サンプルチャンバ12内のサンプル2を加熱することができる。
液体状の試薬A及び液体状の試薬Bは、流路CH1中に互いに気体によって隔離されて配置されている。投入後のサンプル2も流路CH2中に気体によって分離されて配置されている。
ポンプ部8は、液体状の試薬A、液体状の試薬B及び流路CH1内の気体を介してDNAチップ10が配置された検出部20に連結されている。また、ポンプ部8は流路CH2中の気体及びサンプル2を介して検出チャンバ内にDNAチップ10が配置された検出部20に連結されている。ポンプ部8はポンプ流路がカセット本体に設けられ、外部からこのポンプ流路を操作することによってサンプル2及び試薬A,Bを検出部20に供給する。流路CH1,CH2は、核酸検出カセット本体内に密閉構造に規定されている。DNAチップ10と検出チャンバを具備する検出部20は、このカセット本体内に同様に密閉されるように組み込まれている。つまりサンプル投入口を閉塞後は、流路CH1,CH2、その間のポンプ部8、及び検出部20は、外部に対して閉じた密閉流路を構成している。
この明細書では、挿入剤を用いた電流検出タイプの核酸検出方法の詳細については、説明を省略する。この核酸検出方法の詳細については、1998年7月7日に特許されたUSP 5,776,672 and1999年10月26日に特許されたUSP 5,972,692(いずれもKoji Hashimoto et. al and Assignee Kabushiki Kaishya Toshiba)並びに対応する日本特許2573443を参照されたい。この米国特許の明細書の記載は、この明細書の一部をなすものとする。
本実施形態のDNAチップ10は、挿入剤を用いた電流検出タイプのDNAチップである。DNAチップ10は、絶縁基板上に、複数の個別電極が配置され、個別電極上の夫々にプローブDNAが固定されている。個別電極は、望ましくは行列状に並列していても良い。また、DNAチップ10においては、前記個別電極に対応する対極、さらには参照極が配置されている。個別電極はAu等で形成されている。
サンプル2(DNAサンプル)をDNAチップ10上に供給するとサンプル2中に含まれるターゲットDNAとプローブDNAのハイブリダイゼーション反応が生じる。その後に、洗浄剤を用いて洗浄する。その後に挿入剤をハイブリダイゼーション反応した核酸に反応させる。その後、対極と個別電極との間に電圧を印加すると挿入剤の電気化学的反応により個別電極に電流が流れる。この電流を検知してターゲットDNAの存在を特定することができる。
検出部20のDNAチップ10にはDNAサンプルが供給されるプローブチャンバが設けられ、このプローブチャンバには、流路CH1,CH2に連結するポートが設けられ、このポート以外は外部から隔てられている。
図1に示された核酸検出カセットにおいては、始めに外部からサンプル2がサンプルチャンバ12に投入後、外部に対して密閉される構造としている。サンプルチャンバ12内にあらかじめ核酸抽出/増幅用の試薬を保持させておき、サンプルが加熱部14によって加熱されてターゲットDNAが抽出/増幅処理されたDNAサンプルと変化させることが望ましい。また、サンプル2として、外部からDNAサンプルを投入してもかまわない。その際には、予めサンプルチャンバ12内に保持している試薬は、核酸増幅用の試薬のみとしても良い。
その後、サンプル2をDNAチップ10に供給する順方向FWにポンプ部8が動作する。
図2Aに示されるように、ポンプ部8からの押圧力によって流路CH2内の気体が押されてサンプル2がDNAチップ10に送られ、DNAチップ10のプローブDNAにターゲットDNAが結合(ハイブリタイゼーション反応)する。
次に、ポンプ部8が逆方向BWに動作し、流路CH1内の試薬B及び気体16によって試薬Aが押されて試薬Aが検出部20のDNAチップ10に供給される。図2Bに示されるように、サンプル(DNAサンプル)2は、その殆どが試薬Aの流入に伴う圧力によってDNAチップ10外の流路CH2に押し出される。DNAチップ10においては、試薬AがDNAチップ10に供給されるに伴いDNAチップ10のプローブDNAに結合されたプローブDNAと相補的な配列を持つターゲットDNAを除くDNAがこの試薬Aによって洗浄される。更に、ポンプ部8が逆方向BWに動作され続けると、図2Cに示されるように、試薬Bが気体を更に押してターゲットDNAを除く洗浄の対象とされるDNAが混入した試薬AがDNAチップ10外の流路CH2に押し出される。
ポンプ部8が動作し続けると、気体の圧力で試薬BがDNAチップ10に移動する。DNAチップ10においては、DNAチップ10のプローブDNAにターゲットDNAが結合(ハイブリタイゼーション)した結合体に挿入剤の分子が結合する。
対極及び個別電極間に電圧印加すると、それに伴う酸化還元電流が個別電極で検出される。DNAチップ10のプローブDNAの塩基配列は既知であることから、この酸化還元電流が検出された個別電極が特定されることによってターゲットDNAの塩基配列を特定することができる。即ち、ターゲットDNAの検出対象領域の塩基配列は電流検出電極のプローブDNA配列と相補的であることが判明する。
なお、DNAチップ10が挿入剤を用いた電流検出タイプの核酸検出方法用のチップではない場合、試薬B(挿入剤)は必ずしも必要ではなく、したがって核酸検出カセットの流路CH1中に試薬Bを保管する領域(第2試薬保管部)も必ずしも必要ない。
DNAチップ10の検出領域から見て「試薬A−気体16−試薬B」の順に配置されている試薬A、試薬Bは、流路内において、ポンプ部8からの圧力により位置を移動した後も、平行移動するだけで、同じく「試薬A−気体16−試薬B」の順序を維持している。従って、検出領域に、試薬Aを配置したい場合には、ポンプによって、試薬Aを検出領域に移動させればよい。試薬Aは、ポンプ部8の送り量を制御することによって検出領域に位置決めされる。検出部20もしくは検出部20付近の流路に液検知センサが配置され、試薬Aが到達したことが検知されると、ポンプ部8の送液動作を止めるようにポンプ部8を制御しても良い。
試薬A,Bは、気体16によって分断(隔離)され、送液の際に互いに混合することが防止され、試薬Aのみを検出領域に配置させることができる。次に、試薬Bを検出領域に移動させたい場合には、同様にポンプ部8により試薬Bが移動されて、試薬Bを検出領域に位置決めすれば良い。これにより、試薬Aは、検出領域から排出され、試薬Aと試薬Bとは、気体16により分離されていることから、互いに混合することなく、試薬Bが検出領域上に配置される。
厳密な議論をすると、流路或いは検出領域表面に残留付着している試薬と、後から送液されてくる試薬との若干の混合は発生する。しかし、試薬A及び試薬B間には気体16が配置されているため、先の試薬Aは、この気体16によって大部分が排除されるため、試薬の混合は最小限に抑制することが可能になっている。このように試薬Aと試薬Bとは、気体16により分離されて搬送されることから、試薬A及び試薬Bは、切替え供給が可能である。また、切替え供給する為に試薬A及び試薬Bの保管部(リザーバー)にバルブを設けることが不要であり、結果として検出カセットの小型化を実現することが出来る。
図2A〜2Cに示されるような閉じた流路CH1、CH2は、その断面が均一でなく、比較的大きな断面を有する流路部分及び比較的小さな断面を有する流路部分を有している。流路CH1、CH2の形状、流路CH1、CH2の表面の濡れ特性、液体としてのサンプル2,試薬A,試薬Bの表面張力、液体としてのサンプル2,試薬A,Bの粘性及び液体としてのサンプル2,試薬A,Bの体積に依存して大きな断面を有する流路CH1,CH2の部分よりも小さい断面を有する流路CH1,CH2部分内においては、液体としてのサンプル2,試薬A、Bは、常に流路CH1,CH2の断面を被覆することとなる。
前記CH1,CH2は、前記核酸検出カセットを略水平面に載置した際に、流路の方向が重力方向に対して略水平となる領域と、略垂直となる領域とを具備し、前記試薬A及び前記試薬Bや前記サンプルは、共に前記略水平な領域に配置され、形成されていることが望ましい。それにより液体の保持を安定して行うことができる。このとき前記略水平となる領域の流路断面よりも、前記略垂直となる領域の流路断面が小さいことが、各試薬保管部に液を安定に保持する上で望ましい。
尚、図1に示される流路は環状に閉じられているが、閉じた流路を構成してその流路内で液体状のサンプル2、液体状の試薬A、例えば、洗浄剤(緩衝液)及び液体状の試薬Bを個別的に供給することができれば、環状の流路に限られるものではないことは明らかである。 図3は、この発明の他の実施の形態に係る核酸検出カセットを示す模式図であって、図4A及び図4Bは、図3に示される核酸検出カセットの部分的な平面的配置を模示的に示す平面図及び図3に示される核酸検出カセットの一部分における断面的配置を模示的に示す平面図である。また、図5は、図3に示す核酸検出カセットの変形例に係る核酸検出カセットを示す模式図である。
図3及び図5において、図1に付した符号と同一符号を付した箇所或いは部分は図1に示す同一箇所或いは部分を示すものとしてその説明は省略する。
図3に示されるカセットにおいては、第1及び第2サンプル2−1、2−2を夫々投入することができるサンプル投入口を有する第1及び第2サンプルチャンバ12−1,12−2が流路CH2に設けられている。従って、第1及び第2サンプル2−1,2−2を夫々第1及び第2サンプルチャンバ12−1,12−2を介してDNAチップ10に供給することができる。この第1及び第2サンプルチャンバ12−1,12−2には、サンプル2−1,2−2を加熱する為の第1及び第2加熱部14−1,14−2が夫々設けられ、サンプル2−1,2−2に応じた温度でサンプル2−1,2−2を加熱することができる。サンプルチャンバは必要に応じて2個を超えて設けても良い。
また、図3に示されるカセットにおいては、第2サンプルチャンバ12−2とDNAチップ10との間にサンプル2−1,2−2を混合するサンプル貯蔵チャンバ18が設けられている。このサンプル貯蔵チャンバ18は、サンプル2−1,2−2を混合する為に流路CH2に設けられているが、試薬A、Bを混合して混合した試薬をDNAチップ10に供給する場合には、流路CH1に設けられても良い。更には、サンプル貯蔵チャンバ18に予め、DNAチップ上でのハイブリダイゼーション反応のために塩濃度調整用試薬或いは核酸検出用の各種試薬(第3試薬)を保管しておき、サンプル2−1,2−2をサンプル貯蔵チャンバに送液することにより、試薬とサンプルとを混合することも可能である。
ここで、サンプル貯蔵チャンバ18は、第2サンプルチャンバ12−2に連通する入力ポート(第1流路口)及び検出部20に連通する出力ポート(第2流路口)を備え、カセット本体が水平に維持されている状態においては、そのサンプル貯蔵チャンバ18内に貯蔵された試薬が入力ポート或いは出力ポートを介してサンプル貯蔵チャンバ18外に漏れ出ることがないような試薬量が貯蔵されている。即ち、貯蔵された試薬の液面が入力ポート或いは出力ポートよりも低くなるように定められている。更には、サンプル貯蔵チャンバ18内に貯蔵された試薬にサンプル2−2、2−1が添加された状態においても、カセット本体が略水平に維持されている状態においては、入力ポート及び出力ポートを介してサンプル貯蔵チャンバ18外に漏れ出ることがないようなサンプル貯蔵チャンバ容量もしくは、試薬量、サンプル分量を定めておく。また、流路CH2内には、1つのサンプルチャンバ12に対して、それに連通する補助的なサンプルチャンバが設けられていてもよい。
図5に示されるように加熱部14−1,14−2を備える第1及び第2サンプルチャンバ12−1,12−2には流路CH2とは異なる補助流路CH3,CH4に連結され、補助流路CH3,CH4には試薬保持領域4−1,4−2が夫々連結され、この試薬保持領域4−1,4−2に例えば核酸増幅用の試薬C,D(第4試薬)が充填され、試薬保持領域4−1,4−2には、それぞれ押出部6−1、6−2が連通されている。図5に示される核酸検出カセットでは、押出部6−1、6−2が作用されると、押出部6−1、6−2の変形に伴う圧力により、試薬保持領域4−1,4−2内の試薬C,Dが夫々対応する第1及び第2サンプルチャンバ12−1,12−2に供給される。図5に示す核酸検出カセットでは、サンプル2―1,2−2を第1及び第2サンプルチャンバ12−1,12−2に投入し加熱処理をした後に試薬C,Dをサンプルチャンバ12−1,12−2に投入することができる。即ち、試薬C,D投入前後のサンプルチャンバの温度管理を個別に実現することができる。従って、検体を煮沸処理し、核酸を抽出する際には、耐熱性のない酵素は、加熱処理部から退避させておき、煮沸処理が終了してから、酵素を添加し核酸増幅反応を行うことにより、効率的に反応を遂行することが可能な構成となっている。このように、それぞれの試薬に適した様々な反応条件を設定することができる。
図1に示されるカセットでは、単一のサンプルチャンバ12が設けられる例が示されており、更に、図3に示されるカセットでは、第1及び第2サンプルチャンバ12−1,12−2、及びサンプル貯蔵チャンバ18が設けられる例が示されているが、図1における流路CH2にサンプルチャンバ12に加えて及びサンプル貯蔵チャンバ18が設けられ、サンプル貯蔵チャンバ18において、サンプル2及び試薬が混合されても良い。
図1、図3及び図5のいずれの場合にあっても、サンプルチャンバ12内に予め例えば核酸抽出/増幅用の試薬を保持しておき、サンプルを投入することにより、試薬内でサンプルの処理を行うようにすることもできる。図3や、図5のように複数のサンプルチャンバがある場合、予め保持しておく試薬は、チャンバ毎に異なる試薬としても、同一の試薬としてもよい。また、サンプルチャンバ12、12−1、12−2内に、核酸抽出/増幅用試薬を保持しておいても、サンプルチャンバ12、12−1、12−2内には核酸抽出用試薬を、試薬保持領域14−1、14−2には核酸増幅用試薬をそれぞれ分けて保持しておいても良い。
サンプル貯蔵チャンバ18は、図4Aに示すようにサンプルチャンバ12−1,12−2としてのサンプルチャンバ16及びDNAチップ10を配置した検出部20間に配置され、立体的な垂直断面で見ると、後に説明するように図4Bに示す位置関係にて配置されることが望ましい。
図3を参照して説明したように、核酸検出のために、サンプル2−1とサンプル2−2とを、更にはサンプル2−1、2−2とサンプル貯蔵チャンバ内に保持されている試薬とを混合させる必要があり、この混合のために、図3及び図4A、図4Bに模式的に示すようにサンプル貯蔵チャンバ18がサンプルチャンバ12内のサンプルチャンバ16とDNAチップ10を有する検出部20との間に設けられている。
図4A及び4Bに示す核酸検出カセットにおける核酸検出では、サンプルチャンバ16内において核酸抽出及び増幅等の処理が施された後に、その溶液がサンプル貯蔵チャンバ18に送液される(貯蔵モード)。その後、サンプル貯蔵チャンバ18内のサンプル2を含む溶液は、下記に記述するようにサンプル貯蔵チャンバ18から検出部20に送液される(サンプル供給モード)。
図4Bに示すこのサンプル貯蔵チャンバ18は、貯蔵時(貯蔵モード)では、貯蔵すべき複数のサンプル2が液体として一体化し、一時的に貯蔵されたときの液面よりも、このサンプル貯蔵チャンバ18に設けられる出力ポート24が重力の方向を基準に高い位置に設けられる。従って、出力ポート24がサンプル貯蔵チャンバ18内の液でなく、サンプル貯蔵チャンバ18内の空間に連結される。また、サンプル貯蔵チャンバ18は、サンプル供給時(サンプル供給モード)では、出力ポート24がサンプル貯蔵チャンバ18内の液に接するように配置される。
図7(a)に示すようにサンプルチャンバ16に第1及び第2サンプル2―1,2−2が保持され、ポンプ部8の作用により、入力ポート22を介して第1及び第2サンプル2―1,2−2が順番にサンプル貯蔵チャンバ18に供給される。従って、サンプル貯蔵チャンバ18に予め試薬、即ち、緩衝液が保持されていると、貯蔵時(貯蔵モード)では、図7(b)に示すようにサンプル貯蔵チャンバ18には、第1及び第2サンプル2―1,2−2並びに試薬が混合された液体で満たされることとなる。
サンプル貯蔵チャンバ18に貯蔵された混合液体を検出部20に送液する場合(サンプル供給モード)には、図8に示すように、サンプル貯蔵チャンバ18が可撓性の容器で形成され、外部から矢印30に示すように圧力を加えて変形させてその容積を縮小させ、容積の縮小によってサンプル貯蔵チャンバ18内の溶液の液面が上昇され、この状態でポンプ部8が作動されて溶液が図7(c)に示すように検出部20に送液されても良い。
また、図6(a)に示す例では貯蔵時(貯蔵モード)では、核酸検出カセットが略水平に維持され、サンプル貯蔵チャンバ18において全ての一体化すべき溶液が一体化される。その後、サンプル供給時(サンプル供給モード)では、核酸検出用装置によって、図6(b)に示すように核酸検出カセットが回転されてその姿勢が傾けられる。核酸検出カセットが傾けられることによって、検出部20に連結される出力ポート24は、サンプル貯蔵チャンバ18内の溶液の液面下に位置され、溶液に連通される。この状態でポンプ部8が作用されると、気体に加わる圧力により溶液が矢印で示すように検出部20に送液される、という構成にしても良い。
サンプル貯蔵チャンバ18を変形させ、液面を上昇させる方法としては、図8に示すように球形から半月形に変形させてその容積を減少させる場合、図9に示されるようにサンプル貯蔵チャンバ18の側面から押圧部32によって押されて変形されてその容積が縮小されて液面が上昇するような構造でも良い。
変形例として、図10Aに示すようにサンプル貯蔵チャンバ18がその中央部が窪んだ箱形に形成され、その箱形の下部18Aが可撓性材料で作られてこの下部18Aが変形されて良い。即ち、図10Bに示すようにサンプル貯蔵チャンバ18の下部18Aが押圧部32によって下方から押し上げられることによってサンプル貯蔵チャンバ18内の液面が上昇されて、サンプル貯蔵チャンバが流路方向に液体で満たされた状態になることにより溶液が図7(c)に示すように検出部20に送液されても良い。
更に、変形例として図11Aに示すようにサンプル貯蔵チャンバ18がサンプル溶液に対して不溶性を有し、比重の高い補助液体34が収納された補助液体供給チャンバ36が連通路38を介してサンプル貯蔵チャンバ18に連通されている構造であっても良い。図11Aに示すような構造を有するカセットにおいては、貯蔵時(貯蔵モード)では、図4Bに示すようなサンプル貯蔵チャンバ18と同様にサンプル貯蔵チャンバ18にサンプル2を含む溶液が貯蔵される。サンプル供給時(サンプル供給モード)では、図11Bに示すように補助液体供給チャンバ36から補助液体34が連通路38を介してサンプル貯蔵チャンバ18に供給される。サンプル貯蔵チャンバ18内においては、補助液体34は、サンプル溶液よりも比重が大きく、サンプル溶液に対して不溶性であることから、サンプル貯蔵チャンバ18内の下部に集積され、結果として、サンプル貯蔵チャンバ18内における溶液の液面を上昇させることとなる。この状態でポンプ部8が作動されると、溶液が7(c)に示すと同様に検出部20に送液される。
上記の例ではサンプル貯蔵チャンバ18を一つだけ設ける例を示したが、サンプル貯蔵チャンバ18は連結もしくは分岐して複数設けられていても良い。例えば、増幅法としてLAMP法を採用した場合、以下の2種類の試薬を準備するのが良い。
(E) 煮沸液(1×reaction Mix + primer)
(F) 酵素液(1×reaction Mix + 酵素)
この2種類の試薬のそれぞれが別のチャンバに貯蔵され、全血等のサンプルを煮沸液に注入後、熱処理が実施され、その後、煮沸液と酵素液とを一体化し、LAMP増幅反応が実施されても良い。
上記例のような工程を経ることにより、以下のような効果がある。
細胞破壊のための熱処理時に、プライマーの熱変性も同時に行うことができる。酵素のみでは、微量で且つ粘性も高いため、送液が困難だが、酵素を反応混合(Reaction Mix)と混合しておくことにより、増量でき、粘性を下げることができ、スムーズな送液が実現できる。また、煮沸液及び酵素液の液性が同等であるため、複雑な混合操作を施さずとも両者は、容易に混合される。
上記例中での煮沸液と酵素液の一体化にもサンプル貯蔵チャンバが利用可能である。その際には、サンプル貯蔵チャンバ18にも、外部から温度制御機構が付加されていることが好ましい。
また、サンプル貯蔵チャンバ18とサンプルチャンバ16と検出部20との間には別な処理を行うサンプル貯蔵チャンバがあっても良い。例えば、RNA転写反応、一本鎖化酵素処理、蛍光色素或いは酵素等の修飾処理等が挙げられる。
上述した核酸検出カセットは、構造がシンプルで、検査の信頼性を高めることができる。また、複雑な流路或いはバルブを必要としないことから、流路或いはバルブにサンプルが吸着されてサンプル量が減少する或いはサンプル濃度が低下するような事態を防ぐことができる。
さらに、重力を利用してチャンバ18内に液体を貯蔵することから、チャンバ形状として垂直方向に縦長な構造を実現することができる。従って、核酸検出カセットが平面方向に構造的に広がることを防ぎ、上からみたときに投影面積を小さくでき、カセットの取り扱いを容易にすることができる。
以下、図12〜図19を参照して、上記実施の形態を基により具体化した核酸検出カセット及びこの核酸検出カセットを利用した核酸検出装置について説明する。
図12(a)〜(d)は、この発明の第1実施例に係る核酸検出カセットの全体構造を展開して示す平面図である。ここで、図12(a)は、この発明の第1実施例に係る核酸検出カセットの上面を概略的に示す平面図であり、図12(b)は、図12(a)に示す核酸検出カセットの正面図である。また、図12(c)は、図12(a)に示す核酸検出カセットの一方の側面に設けられた試薬保管部の内部構造を示す平面図であり、図12(d)は、図12(c)に示す核酸検出カセットの他方の側面に設けられた核酸抽出増幅部の内部構造を示す平面図である。また、図13は、図12(a)〜(d)に示される核酸検出カセットの内部構造を透視して概略的に示す透視斜視図である。
尚、図13には、核酸検出カセットを動作させるための核酸検出装置の各部がブロックで示されている。
図12(a)〜(d)及び図13に示される核酸検出カセットは、図5に示した核酸検出カセットの1具体例に相当し、この核酸検出カセットは、上面部構造70及びこの上面部構造70の両側に設けられた側面部構造72,74から構成され、全体形状が略鞍型(サドル型)に形成されている。
上面部構造70には、DNAチップ10と流路CH12を内蔵する検出部40が配置されている。また、上面部構造70には、ポンプ部46が設けられている。
一方の側面部構造74には、サンプルチャンバ12―1、12−2、流路CH2及びサンプル貯蔵チャンバ18が設けられている。
他方の側面部構造72には、試薬B及び試薬Aが配置された流路CH1が設けられている。核酸検出カセットの側面部構造72、74においては、流路CH1、CH2断面は、サンプル及び試薬の表面張力で流路CH1、CH2を完全に塞ぐことができる大きさに定められている。従って、ポンプ部46のポンプ作用によって気体に与えられた圧力によって流路CH1、CH2、及び検出部をサンプル及び試薬が移動することができる。
<上面部構造70について>
上面部構造70には、DNAチップ10が配置されている。DNAチップ10は、複数の個別電極、この個別電極に対応する対極、さらには参照極が配置され、各個別電極上にプローブDNAが設けられた構造を有している。このDNAチップ10の基板10A上には、流路CH1及びCH2に連結される検出チャンバとしてのプローブ流路CH12が形成されている。基板10A上には、このプローブ流路CH12に沿って、個別電極10B及び対極・参照極といった電極が配置され、個別電極10B及び対極・参照極間を液体が送液される。DNAチップ10の配線は、この個別電極10B及び、個別電極10Bに対応して配置され基板10A上に設けられた対極・参照極に接続され、また、電極パッド10Cに接続されている。電極パッド10Cは、上面部構造70上に露出するように配列され、電流検出時には、核酸検出装置側の電極コネクタ92に接触接続される。
尚、好ましくは、このDNAチップ10近傍の流路CH1、CH2若しくはCH12には、送液を検出する液検知センサ(図示せず)を備える。また、液検知センサは、試薬A,B及びサンプル2を判別することができ、その送液を検出すると共に送液された液の種類を判別することができることがより好ましい。
この検出部40の流路CH12は、特開2004−125777号公報に記載されるように、例えば、流路となる溝が形成されているシリコーンゴムとDNAチップの基板とが接合されて形成されている。
上面部構造70には、さらに、図12(a)、図13に示すように、核酸抽出増幅部42、検出部40、及び試薬保管部44を連結する流路に送液するためのポンプ部46が配置されている。
ポンプ部46は、加圧ローラー94が走行可能なように湾曲している面を有するベース部54及び湾曲面に沿って露出して配置されているポンプ流路である弾性配管チューブ52から構成されている。この加圧ローラー94及び弾性配管チューブ52で、送液用のポンプ部46を構成している。加圧ローラー94が弾性配管チューブ52を湾曲面に沿って加圧しながら走行することによって、順方向FW或いは反対方向BWに試薬A及び試薬B並びにサンプル2が送液される。即ち、核酸検出装置本体側に装着された加圧ローラー94がこの弾性配管チューブ52に接触され、加圧ローラーが回転されることにより弾性配管チューブ52が変形されてその内の気体或いは液体が絞り出されるように供給される。従って、この加圧ローラーは、その構造から理解されるようにカセット流路内の液体に直接液に接することなく移動される。加圧ローラー94の回転方向が逆転されることにより、送液方向が反転される。また、このように加圧ローラー94の回転を外部から操作して、チューブ内部の液体を移動させることができるため、ポンプ部46においては、カセットの内部と外界と接触することなく、カセットの内部の液体によって外部環境が汚染されることが防止される。弾性配管チューブ52は側面部構造72、74の流路CH1、CH2に連通している。
<側面部構造74について>
核酸検出カセットの側面部構造74は、図12(d)及び図13に示すような2つのサンプル投入口48A,48Bを有する核酸抽出増幅部42を有している。
図12(d)に示される核酸抽出増幅部42は、より詳細には、後に詳述するように図14A,Bに示される構造を有し、その内に流路CH2が規定されている。 また、核酸抽出増幅部42は、液の動きを制御するために部材を変形させる必要があり、シリコーンゴムのような弾性体で形成されている。
ここで、構成材質としては、必ずしもシリコーンゴムに限定されるわけではなく、FKM或いはFPMに代表されるフッ素ゴム、EP、EPDM、EPTに代表されるエチレン・プロピレンゴム等でも良い。また、ゴムに限定されるわけではなく、薄膜のPETフィルム、PPフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、PEフィルム等でリジッドな箱型を形成するのではなく、一部が変形可能な袋状の構造を備えても良い。
図14A及び14Bには、核酸抽出増幅部42の詳細な構造が示されている。
側面部構造74の入力ポートP2Aは、流路CH2Aに開口すると共に弾性配管チューブ52に接続され、また、側面部構造74の出力ポートP2Bは、流路CH2Bに開口すると共にDNAチップ10上の流路CH12に接続されている。
核酸抽出増幅部42は、一例として全体がシリコーンゴムで形成されている。図14Aに示すように、2つのサンプル投入口48A,48Bがその開口部が上面に開口するように設けられている。
サンプル2としては、ヒトや動物由来のサンプルの場合には、血液、毛根、爪、指紋、口腔粘膜、細胞等が用いられ、その他ウィルスや菌、植物細胞等が用いられる。更には、これらのサンプルに対して、煮沸等の核酸抽出処理を予め施したものをサンプルとして用いることも可能である。核酸抽出増幅部42へのサンプル2の注入後は、核酸抽出増幅部42は、密閉状態に維持されることが好ましい。
血液に代表されるような液体のサンプル2の取り扱いにあっては、図15(a)〜(d)及び図15(e)〜(h)に示すようなサンプル2を採取する採取棒60が利用される。採取棒60は、採取棒60を把持する為の円柱状の基部62を有し、この基部62から中間胴部64が延出されている。中間胴部64は、図15(a)〜(d)に示すように全長が異なる様々な形状があり、全体として略テーパー状に形成されている。必要に応じてこの円柱状中間胴部64の一部がサンプル投入口48A,48Bに挿入される。中間胴部64からは、同様に針状部66が延出されている。サンプル投入口48A,48Bが膜で気密に塞がれている場合には、この針状部66が膜に突き刺ってサンプル投入口48A,48B内にまで進入することができる程の小径を有している。針状部66の先端には、図15(e)〜(h)に示されるように十字状にスリット68が形成され、このスリット68にサンプル2を付着することができる。図15(e)〜(h)は、夫々図15(a)〜(h)の先端面の形状を示し、略いずれも同一形状に形成されている。針状部66は、図14E〜図14Hに示されるように夫々採取するサンプルに応じて異なる全長が与えられるとともに採取するサンプルに応じてスリット68の長さも異なっている。図15(a)及び(b)に示されるように針状部66には、スリット68のみが設けられても良く、図15(c)及び(d)に示されるようにこのスリット68に加えて針状部66の周囲にリング状凹部70が設けられてスリット68及びリング状凹部70でサンプル2が採取されても良い。また、針状部がなく、リング状凹部のみで構成されていてもよい。このリング状凹部は、複数設けられていてもよい。
採取棒60の先端にサンプル2が付着されてサンプル投入口48A,48Bに挿入されてサンプル2が流路CH2内に投入される。サンプル採取棒60の先端に設けたスリット68或いはスリット68及びリング状凹部70に適量(例えば、1μL程度)のサンプル2を保持することが可能にスリット68及びリング状凹部70のディメンションもしくは数量が定められている。
図14Bに示されるようにサンプル投入口48A,48Bの内部の流路CH2内に定められるサンプルチャンバ84には、予め核酸抽出用などの前処理用の試薬80が内蔵され、サンプル採取棒60の針状部66の先端がこの試薬80の内部に浸漬される。また、流路CH2であってサンプルチャンバ84から分岐した流路には、予め試薬保持領域が定められ、この試薬保持領域には例えば増幅用試薬など、試薬80とは異なる種類の前処理用の試薬82が流路CH2を塞ぐように保持されている。この分岐した流路の試薬保持領域の試薬82は、たとえばサンプルチャンバ84の試薬80によってサンプルに対し核酸抽出処理が行われた後に、サンプルに添加され、増幅処理を行うために供される。増幅用の試薬82は、耐熱性が低い場合もあるため、このように、別領域に保管しておくことが望ましい。
この試薬80及び試薬82も試薬A及び試薬Bと同様に測定に供される前においては、冷却されたカセット中で凍結され、凍結された試薬80及び試薬82を備えたカセットが搬送等に供されている。従って、搬送時にカセットに与えられる外乱等によって試薬82は前記試薬保持領域に、試薬80はサンプルチャンバ84に凍結した状態で留められ、他の試薬に混合されるような事態が防止される。また、測定に際して凍結された試薬80及び試薬82は、常温に戻されて液化されて検出装置に装着される。検出装置では、側面部構造74が略重力の方向に沿った略垂直方向に直立した状態に維持され、試薬80はサンプルチャンバ84に重力の作用で留められることとなる。
前述のごとく、図15(a)〜(d)示されるサンプル採取棒60が投入口48A,48Bに差し込まれることにより、サンプル投入口48A,48Bは、外部から密閉される。この状態で、加熱部14−1,14−2によって、例えば、95℃で5分以上に亘って試薬80に混入したサンプル2が加熱されることにより、サンプル2中の核酸が抽出される。耐熱性のない試薬(酵素)82、例えば、LAMP増幅酵素にあっては、図5に示すように、この加熱領域から離れた流路CH2の試薬保持領域に試薬(酵素)82を保管している。上記の加熱処理が終了した後に、上記の加熱されたサンプル2に試薬82が添加される。添加する試薬82の量は、例えば5〜20μL程度と微量であるため、カセット全体の送液ポンプを用いないで、図5に示したように局所的な送液機構を設けて試薬82の送液を実現することもできる。図14Bに示す構造においては、流路CH2に連通したプレス式ポンプ機構90A、90Bが核酸抽出増幅部42内に設けられ、このプレス式ポンプ機構A,90Bにより試薬82の送液が実現される。プレス式ポンプ機構A,90Bは、ポンプ部内が窪んだ空洞構造に形成され、この空洞構造を塞ぐ円形の部分を図13に示すプッシュ機構94A,94Bで外部から押すことにより、ポンプ部内の内部容積が圧縮され、その結果、流路CH2の試薬保持領域内に配置されている試薬82が流路CH2F及びCH2Gに夫々押し出される。気体、例えば、空気は、流路CH2F、CH2Gに連通したプレスポンプ用圧力バッファ85に夫々移動され、試薬82は、流路CH2F、CH2G内において加熱済みサンプル(+試薬80)に合流される。その後、増幅のための加熱処理が実施される。ここで記載しているような試薬82としてLAMP増幅酵素を利用したLAMP増幅にあっては、典型的には55〜65℃の温度で、1時間程度保持することにより、核酸を増幅することができる。ここで、プレスポンプ用圧力バッファ85は、必ずしも備えられている必要はない。
ここで、カセットに試薬82を保持した状態で、本カセットを長期保管することを考えた場合、試薬の劣化が発生しにくくするため、既に説明したように凍結することが好ましい。しかし、気体は、気体の状態方程式PV=nRTに従い、温度の低下によって大きく収縮するため、それを考慮する必要がある。例えば、本カセットにおいては、サンプル投入口48を外部に開口したまま凍結することにより、サンプル投入口48と接続されている流路及びチャンバ内の空気の収縮の影響は低減できる。しかし、プレス式ポンプ機構90A、90B内の気体は外部と接続されないため、その体積収縮により、試薬82が移動してしまい、プレスポンプ機構90A、90B内に落ちてしまうことも考えられる。したがって、プレス式ポンプ機構90A、90Bの体積は大きすぎないほうが好ましいが、かといって、試薬82を押し出すことができるだけの体積は必要である。プレス式ポンプ機構90の体積Aと、プレス式ポンプ機構90A、90Bと試薬82との間の流路体積Bと、試薬82の体積Cと、試薬82と試薬80が保管されているチャンバとの間の流路体積Dとし、試薬充填時の温度をT1、凍結時の温度をT2とした場合、以下の式を満たすことが好ましい。
[(T1−T2)/(273+T1)]×(A+B)≦B
(C+D)≦A
前記2式において、試薬充填時の温度T1を室温25℃付近、凍結時の温度T2を一般的な冷凍庫内温−20℃付近とすると、
(C+D)≦A≦5×B
となる。
<測面部構造72について>
核酸検出カセットの側面部構造72は、図12(c)に示すように両側に試薬保管部44(44A、44B)が配置される構造を有している。
図12(c)に示されるように試薬保管部44には、検出部40への流入口側(上流側)から順に試薬Aとしての緩衝液及び試薬Bとしての挿入剤溶液とが気体16を介して流路CH1中に保管される。複数種の試薬を保管する都合上、流路CH1は蛇行していることが望ましい。つまり前記核酸検出カセットを水平面に載置した際に、流路の方向が重力方向に対して略水平となる領域と、略垂直となる領域とを具備し、試薬A及び前記試薬Bは、共に前記略水平な領域に配置されていることが望ましい。それにより液体の保持を安定して行うことができる。このとき前記略水平となる領域の流路断面よりも、略垂直となる領域の流路断面が小さいことが、各試薬保管部に液を安定に保持する上で望ましい。試薬A及び試薬Bは、測定に供される前においては、冷却されたカセット中で凍結され、凍結された試薬A及び試薬Bを備えたカセットが搬送等に供されている。従って、搬送時にカセットに与えられる外乱等によって試薬A及び試薬Bが互いに混合されるような事態が防止される。また、測定に際して凍結された試薬A及び試薬Bは、常温に戻されて液化されて検出装置に装着される。検出装置では、側面部構造72が略垂直方向に直立した状態に維持された場合、試薬A及び試薬Bは、重力の作用で試薬保管部44A、44Bに留められることとなる。
図12(c)に示される試薬保管部44は、より詳細には、図16或いは変形例としての図17(a)〜(c)に示される構造を有し、その内に流路CH1が規定されている。
また、試薬保管部44は、試薬A及び試薬Bが膨張或いは収縮に対して部材が変形されることが好ましく、硬質のチップ基板に流路CH1等が溝として形成され、その基板表面がシリコーンゴムのような弾性体で覆われるとともに図17(d)〜(f)に示すような基板が裏面に設けられ、試薬A及び試薬Bの膨張或いは収縮を吸収するバッファ空間が設けられるような基板が貼り合わされた構造に作られている。
ここで、被覆材質としては、必ずしもシリコーンゴムに限定されるわけではなく、FKM或いはFPMに代表されるフッ素ゴム、EP、EPDM、EPTに代表されるエチレン・プロピレンゴム等でも良い。また、ゴムに限定されるわけではなく、薄膜のPETフィルム、PPフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、PEフィルム等でリジッドな箱型を形成するのではなく、一部が変形可能な袋状の構造を備えても良い。
図12(c)及び図16に示されるように核酸検出カセットの側面部構造72では、入力ポートP1Aが流路CH1に開口すると共に弾性配管チューブ52に接続され、また、側面部構造72の出力ポートP1Bが流路CH1に開口されると共にDNAチップ10のプローブ流路CH12(検出チャンバ)に接続されている。試薬A及び試薬Bが貯蔵される流路CH1A、CH1Bは、他の流路CH1C〜CH1Gに比べて流路幅、即ち流路断面が大きく形成されている。
尚、試薬保管部44は、図12(c)及び図16に示すような流路CH1の形態に限らず流路CH1を規定する種々の形態がある。特に流路CH1に連通し、かつカセット内の圧力膨張を吸収するためのバッファ空洞部が形成されていることが望ましい。バッファ空間が設けられることにより、例えば、サンプル貯蔵チャンバ18からサンプル溶液を検出部40に送液する際に、サンプル貯蔵チャンバ18をプッシュ機構92Cで変形させカセット内部容量が減少しても、ここに設けられたバッファ空間が圧力を吸収し、カセット外部へのリークを防止することができ、スムーズに試薬が流路CH1中を移動することができる。
側面部構造72を構成する、プレート・ユニットは、前記流路CH1となる溝または孔が形成された第1基板プレート(たとえば図17(a)〜(c))と、この第1基板の一方の面に貼り合わされ、前記流路CH2を定める第2基板プレート(図示せず)と、前記第1基板プレートの他方の面に張り合わされ前記流路CH1を定める第3の基板プレート(たとえば図17(d)〜f))とから構成する事ができる。図17(d)〜(f)は、夫々図17(a)〜(c)に対応し、図17(a)〜(c)に示される流路CH1を規定するプレート・ユニットの背面に設けられ、流路に連通されているバッファ空間を規定することが可能なプレート・ユニットを示している。 前記第2プレート・ユニットは、一部もしくは全部が弾性部材により構成されており、前記サンプル貯蔵チャンバは外部からの作用により容積が変化可能であることが望ましい。
また、前記第2プレート・ユニットには、前記サンプルチャンバに連通し、前記サンプルチャンバに供給する第4の試薬を保管するする第4試薬保管部を具備し、前記第4試薬保管部は、弾性部材により構成されており、外部からの作用により容積変化可能であることが望ましい。
次に核酸検出カセットを内部に挿入して、組み込み核酸検出を行う核酸検出装置について図18を用いて説明する。
核酸検出装置は、図18に示されるように核酸検出カセット100内の試薬A,B及びサンプル2の温度等を測定する測定部102を備え、また、流路CH1、CH2内における試薬A,B並びにサンプル2の送液を制御する送液制御部104を備えている。この送液部104は、既に説明した加圧ローラー94、プッシュ機構92A、92B、92Cを含んでいる。更に、核酸検出装置には、加熱部14−1,14−2の温度を制御してサンプル2の温度を制御する温度制御部106が設けられている。温度制御部106は、DNAチップ10を加熱してその内の流路CH12を流れるサンプル或いは試薬の温度を制御する検出部用ヒータ98を含んでいる。これら測定部102、送液制御部104及び温度制御部106は、コンピュータユニット110の制御下にある制御機構108で制御されている。核酸検出装置は、更にDNAチップ10で生じる反応を測定する測定ユニット112を備えている。測定ユニット112は、図13に示される電気接触コネクタ92を利用して電気接触パッド10Cから検出信号を検出し、導通する電極10Bを特定してサンプル核酸の配列を特定している。
このような核酸検出装置及び核酸検出カセットを用いて、例えば図19に示されるような手順で検出が実施される。(図12,図13、図14A、B、図15、図16参照)
始めサンプル採取棒60が投入口48A,48Bに差し込まれてサンプルチャンバ84においてサンプルが試薬80中に混入される。(ステップS10)
次に、この試薬80中にサンプルが投入され抽出/増幅処理が実施される。このとき加熱部14によって適当な温度に温度制御がなされる。(ステップS12)
その後、加圧ローラー94が動作されて増幅処理されたサンプルを含むサンプル溶液が流路CH2Bを介してサンプル貯蔵チャンバ18に送液される。(ステップS14)
このサンプル貯蔵チャンバ18内において予め貯蔵されている試薬とサンプル2を含むサンプル溶液とが混合される。ここで、核酸カセット100が傾けられて混合溶液で出力ポートP2Bが塞がれるとともにプッシュ機構92Cが動作される。従って、サンプル貯蔵チャンバ18からDNAチップ10上の流路CH12に混合溶液が供給される。(ステップS16)
このDNAチップ10では、温度制御された状態でハイブリダイゼーションが生じる。(ステップ18)
次に、加圧ローラー94がステップS14とは反対方向に動作されてDNAチップ10上のサンプル溶液がDNAチップ10からサンプル貯蔵チャンバ18に戻され、試薬A(洗浄液)がDNAチップ10内の流路CH12に送液される。(ステップS20)
DNAチップ10が所定温度に維持された状態で、DNAチップ10内が洗浄される。(ステップS22)
更に、加圧ローラー94がステップS22と同じ方向に動作されて試薬B(挿入剤)がDNAチップ10上の流路CH12に送液される。(ステップS24)
同様に、DNAチップ10が所定温度に維持された状態で、DNAチップ10上で挿入剤での反応が生じる。(ステップS26)
この挿入剤が反応した状態で電気化学的反応が測定されてサンプルの核酸が特定される。(ステップS28)
これらのステップや、カセット、装置についてさらに補足して以下に説明する。
複数のサンプル投入口48A,48Bを具備しているカセット構造で、は、それぞれの投入部を連通している流路部分CH2Eが破線で示すように予めクリップ98でクランプされて、サンプルチャンバ84を2つに分離していることが好ましい。これは、カセット輸送中に試薬82,80が不用意にカセット内を移動することを防止し、サンプルの投入時に内圧の均衡が崩れて同様に試薬82,80が不用意に移動をすることを防止する為である。
また、サンプル2の加熱時には、外部から核酸検出装置に設けられた加熱装置14,14−1,14−2がカセットに接するが、その際に、加熱領域を限定する意味で、連通する周辺の流路CH2A、CH2C、CH2B、CH2Dに対して流路CH2Eが核酸検出装置に設けられた加熱装置で閉鎖されることが好ましい。
複数のサンプル投入口48A,48Bを備えるカセット構造の場合、プレス式ポンプ90A、90Bにより試薬82を加熱サンプル80に添加する工程において、該当するサンプルが保持される流路CH2C、CH2Dの部分のみの閉鎖を解除し、その後プレス式ポンプ90A、90Bをプレスして試薬82の添加を行うことにより、不本意な液の移動を防止することが可能である。他方のサンプルに対して試薬82を添加する場合には、上記の開放した流路CH2C、CH2Dを再び閉鎖して、該当部分のサンプルに対する流路CH2C、CH2Dを開放してから添加する手順により、実現可能である。
サンプルを含むサンプル溶液がサンプル貯蔵チャンバ18に送液される際、これらのサンプル溶液は、気体によって空間的に分断されているが、サンプル貯蔵チャンバ18には、液体のみが溜まり、分断している気体は、通過される。このように複数のサンプル溶液が気体で分断されることなくサンプル貯蔵チャンバ18に一体の液体として貯蔵される。
また、サンプル投入口48A、48Bを連通している流路(CH2E)が、図14Bでは、サンプル投入口48A及び48Bの最底部に位置されて図示されているが、最底部から高い位置に位置して配置しておくことにより、血液煮沸時に発生する残渣を、投入口底に溜めて流路に流さないようにすることが可能である。このような構成にすることにより、残渣により流路の「詰まり」や、検出における阻害物質を少しでも除去することが可能となる。
サンプル貯蔵チャンバ18から検出部40へのサンプルの移動は、核酸検出用装置に搭載されている、サンプル貯蔵チャンバ18を圧縮する圧縮機構により、サンプル貯蔵チャンバ18が圧縮される方法がある。これにより、サンプル貯蔵チャンバ18の内部容積が減少し、液面が上昇される。これによって、検出部40に連通する流路CH2よりも上に液面を上昇させることが可能となる。
もし、各種サンプルや試薬が一体化するだけでなく、撹拌が必要であれば、サンプル貯蔵チャンバ18の圧縮と解放を繰り返すことにより、撹拌することができる。サンプル貯蔵チャンバ18を圧縮した状態で送液することにより、チャンバ18内のサンプルが検出部40に移動される。送液は、循環流路内に設けられたポンプ8によって実施される。
サンプル貯蔵チャンバ18からのサンプル溶液の送液については、既に説明したようにこの他にもいくつかの方法がある。図8を参照して説明したようにサンプル貯蔵チャンバ18の下部を外部からプレスして内部容積を変形させ液面を上昇させる方法があり、或いは、図6(a)及び(b)を参照して説明したように流路CH2を重量方向に「下」になるように傾けることにより流路CH2の流出口を液体で被覆する方法がある。また、図11に示されるようにサンプル貯蔵チャンバ18の下部に設けた流路38から、サンプルに不溶でかつ比重の大きな液体36を注入することによりサンプル液面を上昇させる方法或いは図10に示すようにサンプル貯蔵チャンバ18を下部から変形させて液面を上昇させる方法等がある。このように液面を上昇される方法であれば、いずれの方法も液送に適用可能である。
上記試薬保管部44には、試薬A、試薬Bの2種類の試薬が保管される。このとき、試薬保管部44内の流路の方向が、重力方向に対して水平に配置されていると、カセットが僅かに傾くだけで、内部で試薬A,Bが移動してしまう。そこで、図16に示すように試薬保管部44内の流路の一部が重力方向に対し垂直になるよう配置し、各試薬A,Bの保管領域が、流路内のU字部分となるような構成にすることにより、試薬A,Bの安定な保持が可能となる。しかし、垂直面内に構成されている流路内では、重力に逆らう方向に送液する必要がある。このとき、流路断面形状が適切でないと、試薬A,Bが正常に送液されなくなる。適切な流路断面形状は、試薬の粘性、カセット部材の撥水性などによるが、好ましくは4mm×3mm未満、より好ましくは2mm×2mm未満である。また、断面の角部分は丸みを帯びた形状が好ましく、理想形状は円断面である。また、垂直面内の流路の内、重力方向に垂直方向の流路断面は小さくし、上記重力の影響を受けない重力方向に水平方向の流路断面は大きくすることで、正常な送液を確保しつつ、多くの試薬量を保管することが可能である。このように流路の断面(幅)を定めることによって、凍結された試薬A,Bが解凍された際に試薬A,Bから気泡が生じてもスムーズにこの気泡を試薬A,B中から排除させることができる。
(実施例1)
以下に、上記第1実施形態の全自動核酸検出カセットの使用例を具体的に説明する。
1.核酸検出カセットの準備
核酸検出カセットのサンプルチャンバ12−1、12−2と、サンプル貯蔵チャンバに、以下の試薬を準備した。
サンプルチャンバ12−1: LAMP増幅反応用酵素、LAMP増幅反応用バッファ、プライマーセットA、dNTP
サンプルチャンバ12−2: LAMP増幅反応用酵素、LAMP増幅反応用バッファ、プライマーセットB、dNTP
サンプル貯蔵チャンバ18: 2×SSC 核酸プローブ固定化チップには、以下の配列のDNAプローブを固定化したものを準備した。
電極A−1:ATGCTTTCCGTGGCA
電極A−2:ATGCTTTGCGTGGCA
電極B−1:ATGCTTTCCGTGGCA
電極B−2:ATGCTTTGCGTGGCA
2.全自動で核酸が検出される。以下の温度制御、送液制御並びに検出は、全て核酸検査装置にプログラムされているものとした。
ヒトから採血し、全血の1μLをピペットもしくは、前述のサンプル採取棒で採取し、サンプルチャンバ12−1、12−2に注入する。
外部から温度制御し、LAMP増幅反応A、Bを行う。
チャンバ12−1、12−2は当初は分離しておくが、LAMP反応後は、連通させ、送液機構によって、LAMP産物A、Bを、サンプル貯蔵チャンバ18へと移動させ、予めサンプル貯蔵チャンバ18に貯蔵されている2×SSCと一体の溶液とされる。このとき、一体となった溶液の液面は、入力ポート22と出力ポート24よりも低く位置される。
核酸検査装置に組み込まれているサンプル貯蔵チャンバ18を圧縮する圧縮機構によって、サンプル貯蔵チャンバ18を圧縮し、一体となった溶液の液面を出力ポート24よりも高い位置に押し上げる。
サンプル貯蔵チャンバ18の圧縮を解放し、再度圧縮する。これ圧縮及び解放が繰り返されて、一体となった複数の溶液が混合され、検出用サンプル(DNAサンプル)として検出部20(40)へ送液することができる。
検出用サンプルが検出部20(40)に導入され、検出が開始される。
その結果、採取したサンプル中のDNAは、CTG CCACGGAAAGCATという配列を持つことがわかった。
(実施例2)
以下に、上記第1実施形態の全自動核酸検出カセットの使用例を具体的に説明する。
1.核酸検出カセットの準備
核酸検出カセットのサンプルチャンバ12−1、12−2と、サンプル貯蔵チャンバ18に、以下の試薬を準備した。
サンプルチャンバ12−1:AmpDirect(島津製作所製)、PCR用酵素、プライマーセットA、dNTP
サンプルチャンバ12−2:AmpDirect(島津製作所製)、PCR用酵素、プライマーセットB、dNTP
サンプル貯蔵チャンバ18:2×SSC
核酸プローブ固定化チップには、以下の配列のDNAプローブを固定化したものを準備した。
電極A−1:ATGCTTTCCGTGGCA
電極A−2:ATGCTTTGCGTGGCA
電極B−1:ATGCTTTCCGTGGCA
電極B−2:ATGCTTTGCGTGGCA
2.全自動核酸検出を行う。以下の温度制御、送液制御、検出は、全て核酸検査装置にプログラムされている。
ヒトから採血を行い、全血の1μLをピペットもしくはサンプル採取棒で採取し、サンプルチャンバ12−1、12−2に注入する。
外部から温度制御し、PCR増幅反応A、Bを行う。
チャンバ12−1、12−2は当初は分離しておくが、LAMP反応後は、連通させ、送液機構によって、PCR産物A、Bを、サンプル貯蔵チャンバ18へと移動させ、予めサンプル貯蔵チャンバ18に貯蔵されているT7exonucleaseと一体の溶液となり、30分程度保持することにより2本鎖DNAを1本鎖化処理を行う。このとき、一体となった溶液の液面は、入力ポート22と出力ポート24よりも低い位置にある。
核酸検査装置に構成されているサンプル貯蔵チャンバ圧縮機構92Cによって、サンプル貯蔵チャンバ18を圧縮し、一体となった溶液の液面を出力ポート24よりも高い位置に押し上げる。
サンプル貯蔵チャンバ18の圧縮を解放し、再度圧縮する。これを繰り返すことにより、一体となった複数の溶液を混合し、検出用サンプルとすることができる。
検出用サンプルを検出部20(40)に導入し、核酸の検出を行う。その結果、採取したサンプル中のDNAは、CTG CCACGGAAAGCATという配列を持つことがわかった。
以上説明したようにこの発明によれば、核酸の抽出、増幅、検出等の工程を全自動で実施し、標的核酸を検出することを目的とした核酸検出カセット及びこの核酸検出カセットを用いた核酸検出装置の技術分野に有効である。
以上のように、この発明によれば、コンタミネーションを防止する構造を有し、且つ、バルブ或いは複雑な流路チャネルが不要で簡便な構造を有する核酸検出カセット及び核酸検出装置を提供することができる。

Claims (32)

  1. ターゲット核酸を含むサンプルを投入可能な投入口と;
    第1流路と;
    前記第1流路及び前記投入口に連通する第2流路と;
    前記第1及び第2流路に連通し、外部から隔てられて形成された検出チャンバ及び当該検出チャンバに前記サンプルを供給して前記ターゲット核酸を判別する為の電気信号を検出する核酸検出ユニットを具備し、前記第1及び第2流路間に配置されている検出部と;
    前記第1流路内に定められ、前記サンプルとは気体を介して分離して第1試薬を保管する第1試薬保管部と;
    前記第1流路内に定められ、第2試薬を前記第1試薬及び前記サンプルとは気体によって分離して保管する第2試薬保管部と;
    前記第2流路内に定められ、前記投入口に連通し、投入された前記サンプルを保管するサンプルチャンバと;
    前記第1及び第2流路に連通するように前記第1及び第2流路間に配置されるポンプ部であって、前記第1流路、第2流路、及び前記検出部とともに密閉閉路を形成して外部から与えられた圧力によって前記サンプル、前記第1試薬及び前記第2試薬を個別に前記検出部に供給するポンプ部と;
    を具備する核酸検出カセット。
  2. 前記第1試薬は、洗浄剤であり、前記第2試薬は、ハイブリダイゼーション反応した核酸に結合し、かつ電気化学的反応をする物質を含む溶液である請求項1記載の核酸検出カセット。
  3. 前記第1試薬保管部は、前記第1流路内において前記検出部に対して気体で分離されている請求項1に記載の核酸検出カセット。
  4. 前記第1流路は、前記核酸検出カセットを略水平面に載置した際に、当該第1流路の方向が重力方向に対して略水平となる領域と、略垂直となる領域とを具備し、前記略水平となる領域の流路断面よりも、略垂直となる領域の流路断面が小さく、前記第1試薬保管部及び前記第2試薬保管部は、前記略水平な領域に配置されている請求項1に記載の核酸検出カセット。
  5. 前記ポンプ部は、第1方向のポンプ作用によって前記サンプルを前記検出部に供給し、この第1方向のポンプ作用とは逆の第2方向のポンプ作用によって前記第1試薬及び第2試薬を前記検出部に供給する請求項1に記載の核酸検出カセット。
  6. 前記サンプルチャンバにおいて、核酸が増幅される請求項1に記載の核酸検出カセット。
  7. ターゲット核酸を含むサンプルを投入可能であり、前記投入口とは異なる第2投入口と、
    前記第2流路内に定められ、前記第2投入口に連通し、投入された前記サンプルを保管する第2サンプルチャンバを更に具備する請求項1に記載の核酸検出カセット。
  8. 前記第1流路、前記第2流路、前記検出部のうちの少なくとも1つは、前記サンプル、前記第1試薬及び前記第2試薬の前記検出部への供給を検知する液検知センサを備える請求項1に記載の核酸検出カセット。
  9. 前記サンプルチャンバ及び前記検出部との間の前記第2流路に定められ、前記サンプルチャンバから供給される前記第1及び第2サンプルを貯蔵するサンプル貯蔵チャンバを更に具備する請求項7に記載の核酸検出カセット。
  10. 前記サンプル貯蔵チャンバには、緩衝液である第3試薬が保持されている請求項9に記載の核酸検出カセット。
  11. 前記サンプル貯蔵チャンバは、前記サンプルチャンバ及び前記検出部に各々連通する複数の流路口を備え、前記カセット本体が略水平に維持された状態において前記第3試薬の液面が前記流路口よりも低くなるように前記第3試薬が前記サンプル貯蔵チャンバに保持されている請求項10に記載の核酸検出カセット。
  12. 前記サンプル貯蔵チャンバは、前記第3試薬に、前記サンプルが供給された状態において、液面が前記流路口よりも低くなるように構成されている請求項11記載の核酸検出カセット。
  13. ターゲット核酸を含むサンプルを投入可能な投入口と;
    第1流路と;
    前記第1流路及び前記投入口に連通する第2流路と;
    前記第1及び第2流路に連通し、外部から隔てられて形成された検出チャンバ及び当該検出チャンバに前記サンプルが供給されて前記ターゲット核酸を判別する核酸検出ユニットを具備し、前記第1及び第2流路間に配置されている検出部と;
    前記第1流路内に定められ、前記サンプルとは気体を介して分離して第1試薬を保管する第1試薬保管部と;
    前記第2流路内に定められ、前記投入口に連通し、投入された前記サンプルを保管するサンプルチャンバと;
    前記第2流路内に定められ、前記サンプルチャンバに連通する第1流路口及び前記検出部に連通する第2流路口を備え、前記サンプルチャンバから供給された前記サンプルを含むサンプル液を保管するサンプル貯蔵チャンバであって、前記サンプル液の液面上に前記第1及び第2流路口が配置されるサンプル貯蔵チャンバと;
    前記第1及び第2流路に連通するように前記第1及び第2流路間に配置されるポンプ部であって、前記第1流路、第2流路、及び前記検出部とともに密閉閉路を形成して外部から与えられた圧力によって前記サンプル、前記第1の試薬及び前記第2の試薬を個別に前記検出部に供給するポンプ部と;
    を具備する核酸検出カセット。
  14. 前記サンプルチャンバにおいて、核酸が増幅される請求項13に記載の核酸検出カセット。
  15. 前記第1試薬保管部は、前記第1流路内において前記検出部と気体で分離されている請求項13に記載の核酸検出カセット。
  16. 前記ポンプ部は、第1方向のポンプ作用によって、前記サンプルを含むサンプル液を前記サンプルチャンバから前記サンプル貯蔵チャンバに供給し、前記サンプル液を前記サンプル貯蔵チャンバから前記検出部に供給し、この第1方向のポンプ作用とは逆の第2方向のポンプ作用によって、前記第1試薬を前記検出部に供給する請求項13に記載の核酸検出カセット。
  17. 前記第1流路内に定められ、第2試薬を、前記第1試薬及び前記サンプル液とは気体によって分離して保管する第2試薬保管部を具備し、前記ポンプ部は、前記第2試薬を前記検出部に供給する請求項13に記載の核酸検出カセット。
  18. 前記ポンプ部は、前記第2方向のポンプ作用によって前記第2試薬を前記検出部に供給する請求項17記載の核酸検出カセット。
  19. 前記第1試薬は、洗浄剤であり、前記第2試薬は、ハイブリダイゼーション反応した核酸に結合し、かつ電気化学的反応をする物質を含む溶液である請求項17に記載の核酸検出カセット。
  20. 請求項12に記載のカセットを組み込む核酸検出装置であって、
    前記第2流路口を前記サンプル液に連通させる第1機構と、
    前記第2流路口を介して前記サンプル液を前記検出部に供給させる第2機構と、
    具備する核酸検出装置。
  21. 前記第2機構は、前記ポンプ部を動作させて前記サンプル液を前記検出部に供給させるポンプ動作部を具備する請求項20の核酸検出装置。
  22. ターゲット核酸を含むサンプルを投入可能な投入口と;
    第1流路と、
    前記第1流路及び前記投入口に連通する第2流路と;
    前記第1及び第2流路に連通し、外部から隔てられて形成された検出チャンバ及び当該検出チャンバに前記サンプルが供給されて前記ターゲット核酸を判別する為の電気信号を検出する核酸検出ユニットを具備し、前記第1及び第2流路間に配置されている検出部と;
    前記第1流路内に定められ、前記サンプルとは気体を介して分離して第1試薬を保管する第1試薬保管部と;
    前記第1流路内に定められ、第2試薬を前記第1試薬及び前記サンプルとは気体によって分離して保管する第2試薬保管部と;
    前記第2流路内に定められ、前記投入口に連通し、投入された前記サンプルを保管するサンプルチャンバと;
    前記サンプルチャンバに連通され、このサンプルチャンバに供給可能に第4試薬を保持する第4試薬保管部と、
    前記第2流路内に定められ、前記サンプルチャンバに連通する第1流路口及び前記検出部に連通する第2流路口を備え、前記サンプルチャンバから供給された前記第4試薬が混合したサンプル液を保持する為のサンプル貯蔵チャンバであって、前記サンプル液の液面上に前記第1及び第2流路口が配置されるサンプル貯蔵チャンバと;
    前記第2流路に連通するように前記カセット本体に設けられ、外部からの作用によって前記第4試薬を前記サンプルチャンバに供給する第1ポンプ部と;
    前記第1及び第2流路に連通するように前記第1及び第2流路間に配置されるポンプ部であって、前記第1及び第2流路、前記検出部とともに密閉閉路を形成して外部から与えられた圧力によって前記第4試薬が混入された前記サンプル、前記第1試薬及び前記第2試薬を個別に前記検出部に供給する第2ポンプ部と;
    を具備する核酸検出カセット。
  23. 前記第1ポンプ部は、空間が弾性部材で覆われているプレス部を具備し、このプレス部を外部からプレスすることにより前記第4試薬を送液するプレス式ポンプ機構で構成され、
    前記プレス式ポンプ機構における前記空間の体積Aと、前記プレス式ポンプ機構における前記空間と前記第4試薬との間の流路体積Bと、前記第4試薬の体積Cと、前記第4試薬と前記サンプルチャンバとの間の流路体積Dとすると、
    (C+D)≦A≦5×B
    の式を満たす請求項22に記載の核酸検出カセット。
  24. 前記サンプルチャンバにおいて、前記核酸が増幅される請求項22に記載の核酸検出カセット。
  25. 前記第1試薬は、洗浄剤であり、前記第2試薬は、ハイブリダイゼーション反応した核酸に結合し、かつ電気化学的反応をする物質を含む溶液であり、第4試薬は酵素を含む溶液である請求項22記載の核酸検出カセット。
  26. 前記第1試薬保管部は前記第1流路内において前記検出部と気体で分離されている請求項22に記載の核酸検出カセット。
  27. 前記第2ポンプ部は、第1方向のポンプ作用によって前記サンプルを前記検出部に供給し、この第1方向のポンプ作用とは逆の第2方向のポンプ作用によって前記第1試薬及び第2試薬を前記検出部に供給する請求項22に記載の核酸検出カセット。
  28. 第1流路と、前記第1流路内に定められ、第1試薬が保管されている第1試薬保管部及び前記第1流路内に定められ、前記第1試薬及び前記サンプルとは気体を介して分離されて第2試薬が保管されている第2試薬保管部を備える第1プレート・ユニットと;
    ターゲット核酸を含むサンプルを投入可能な投入口と、第2流路と、前記投入口に連通し、前記第2流路内に定められ、前記サンプルを保管するサンプルチャンバを備える第2プレート・ユニットと;
    前記第1及び第2流路に連通し、外部から隔てられて形成された検出チャンバ及び、当該検出チャンバに前記サンプルが供給されて前記ターゲット核酸を判別する電気信号を検出する核酸検出ユニットを具備し、前記第1及び第2流路間に配置されている検出部と及び、前記第1及び第2流路に連通するように前記第1及び第2流路間に配置されるポンプ部であって、前記第1及び第2流路、前記核酸検出ユニットとともに密閉閉路を形成して外部から与えられた圧力によって前記サンプル、前記第1の試薬及び前記第2の試薬を個別に前記核酸検出ユニットに供給するポンプ部を備え、前記第1及び第2プレート・ユニットが両側に固定されて配置された第3プレート・ユニットと;
    を具備する核酸検出カセット。
  29. 前記第1プレート・ユニットは、前記第1流路となる溝または孔が形成された第1基板プレートと、
    この第1基板の一方の面に貼り合わされ、前記第1流路を定める第2の基板プレートと、
    前記第1基板プレートの他方の面に張り合わされ前記第1流路を定める第3の基板プレートとから構成される請求項28の核酸検出カセット。
  30. 前記第2プレート・ユニットは、一部もしくは全部が弾性部材により構成されており、前記サンプル貯蔵チャンバは外部からの作用により容積が変化可能である請求項28記載の核酸検出カセット。
  31. 前記第2プレート・ユニットには、前記サンプルチャンバに連通し、前記サンプルチャンバに供給する第4試薬を保管する第4試薬保管部を具備し、前記第4試薬保管部は、弾性部材により構成されており、外部からの作用により容積変化可能である請求項28記載の核酸検出カセット。
  32. 前記第1プレート・ユニットには、前記第1流路に連通し、かつカセット内の圧力膨張を吸収するためのバッファ空洞部が形成されている請求項28記載の核酸検出カセット。
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