JPWO2007111023A1 - 医薬用水和物 - Google Patents

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Abstract

[7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸]の1/2水和物は安定で調製の容易な化合物であり、医薬品原末として優れた特性の化合物である。

Description

本発明は、医薬品製剤、とりわけ固形製剤、の製造のための医薬品原末として適した化合物に関する。
式(I):
Figure 2007111023
で示される構造を有する新規なキノロン化合物は、グラム陰性菌だけでなく、キノロン系抗菌薬にも低感受性となったグラム陽性球菌に対しても強い抗菌活性を有し、優れた安全性及び体内動態を有する医薬として優れた特性を有するキノロン系合成抗菌薬として期待される化合物である(特許文献1参照)。
ある化合物を医薬として提供するためには各種製剤、とりわけ固形製剤、を製造できる特性を有する、医薬品原末として適した特性の化合物(あるいは結晶)が必要である。この様な化合物としては、例えば、化学的安定性に優れ、吸脱湿を起こさない、あるいは結晶転換を起こさないこと、また、水和物であれば結晶水の脱離がないこと等安定性に優れていることが求められる。さらに、この様な安定性(貯蔵安定性)を有する化合物であっても、これを得るために使用する溶媒が安全に使用できるものであることも必要である。
しかしながら式(I)の化合物についてはそのような特性を充足する化合物は明らかにされていなかった。
特願2005−146386号
本発明の目的は、式(I)の化合物に関して固形製剤製造用の医薬品原末として採用し得る特性を有する化合物を提供することである。
本発明者らは、式(I)で表される化合物の1/2水和物(下式;なお、本明細書では単に『1/2水和物』と略すこともある。)
Figure 2007111023
は十分な保存安定性を有し、さらにその調製についても安全性に優れる溶媒から調製できることを明らかにし、医薬品原末として必須な特性を備えることを見出して本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、式(I)
Figure 2007111023
で表わされる化合物の1/2水和物に関するものである。
すなわち以下の態様;
1. 7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・1/2水和物;
2. 下記式
Figure 2007111023
で表わされる化合物;
に関する。
また、本発明は上記1/2水和物を含有する医薬に関する。
さらに本発明は、上記1/2水和物及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物に関する。
さらに本発明は、上記1/2水和物の医薬製造のための使用に関する。
さらに本発明は、上記1/2水和物の有効量を投与することを特徴とする感染症の予防治療法に関する。
本発明は、安定で調製の容易な化合物を提供し、本発明によれば医薬品原末として優れた特性の化合物を提供できる。
式(I)の化合物のPRSPマウス肺局所感染モデルにおける治療効果を示す図である。 式(I)の化合物の大腸菌によるラット単純性膀胱炎モデルにおける治療効果を示す図である。 本発明化合物[7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・1/2水和物]の粉末X線回折スペクトルを示す図である。 本発明化合物の熱分析(TG/DTA)スペクトルを示す図である。 本発明化合物の吸脱湿挙動パターンを示す図である。 本発明化合物の加熱脱水(60℃)後の吸脱湿変化のパターンを示す図である。 本発明化合物の加熱処理時X線回折スペクトルにおける変化のパターンを示す図である。
式(I)の化合物は、例えば後記参考例1〜11又は参考例12〜22に従って製造することができる。すなわち、参考例1〜11によれば、式(I)の化合物は、下記反応式に従って製造することができる。
Figure 2007111023
また、参考例12〜22によれば、式(I)の化合物は、下記反応式に従って製造することができる。
Figure 2007111023
本発明の1/2水和物は、式(I)の化合物をアセトニトリルから再結晶して得ることができる。1/2水和物を調製するためには種々の形態の式(I)の化合物を使用することができる。この様な化合物としては、例えば無水物や参考例で得られているエタノール和物、そして1/2水和物自体の粗体等を挙げることができる。
アセトニトリルから再結晶するときのアセトニトリルの使用量は出発原料に対して5〜20(v/w)程度、好ましくは5〜15(v/w)程度を使用すればよい。再結晶自体はこの分野で通常実施される方法に従えばよい。例えば、原料をアセトニトリルに加えて50℃に加熱して溶解し、25℃に冷却することにより、1/2水和物結晶を析出させるのが好ましい。
アセトニトリル以外の溶媒を使用しても本願の1/2水和物を取得することができる。このような溶媒としては例えば、エステル類、ケトン類及びエーテル類を挙げることができる。エステル類としてはギ酸エチル、酢酸メチルを挙げることができ;ケトン類としてはメチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノンを挙げることができ;エーテル類としてはテトラヒドロフランを挙げることができる。さらにこれらの溶媒は、アルコール又は水との混合溶媒として使用することもできる。これらの溶媒を用いた場合も、アセトニトリルを用いた場合と同様に、原料を溶媒に加えて50℃に加熱して溶解し、25℃に冷却することにより1/2水和物を析出させればよい。
本発明の1/2水和物は、驚くべきことに次のような優れた特性を有することが判明した。
すなわち;
1.湿度変化によっても重量変化は微小であり、安定な吸脱湿挙動であること、
2.加熱脱水後の吸脱湿変化では、脱水後の復水も速やかで、吸湿後の挙動も加熱処理前と変化がないこと、
3.加熱脱水後の結晶形変化において、脱水後も結晶状態を維持しており吸水しても安定な1/2水和物に戻り、速やかな復水が起こること、
4.保存中に結晶形の変化を生じないこと、
5.湿熱条件下、乾熱条件下でいずれも安定で含量変化を来たさないこと、
が判明し、安定性に優れる化合物であり、医薬品原末として好ましい化合物であることが判明した。
本発明の1/2水和物は、強い抗菌作用を有することから、ヒト、動物及び魚類用の医薬として、又は農薬、食品の保存剤として使用することができる。本発明1/2水和物を人体用の医薬として使用する場合、投与量は成人一日当たり50mg〜1gであり、100〜500mgがより好ましい。また、動物用としての投与量は投与の目的、処置すべき動物の大きさ、感染した病原菌の種類、程度によって異なるが、一日量として一般的に動物の体重1kg当たり1〜200mgであり、5〜100mgがより好ましい。この一日量を一日1回、又は2〜4回に分けて投与する。尚、一日量は必要によっては上記の量を超えてもよい。
本発明の1/2水和物は、各種の感染症の原因となる広範囲の微生物類に対して活性であり、これらの病原体によって引き起こされる疾病を治療、予防又は軽減することができる。本発明の化合物が有効なバクテリア類又はバクテリア様微生物類としては、ブドウ球菌属、化膿レンサ球菌、溶血レンサ球菌、腸球菌、肺炎球菌、ペプトストレプトコッカス属、淋菌、大腸菌、シトロバクター属、シゲラ属、肺炎桿菌、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、緑膿菌、インフルエンザ菌、アシネトバクター属、カンピロバクター属、トラコーマクラミジア等を挙げることができる。
これらの病原体によって引き起こされる疾病としては、毛嚢炎、せつ、よう、丹毒、蜂巣炎、リンパ管(節)炎、ひょう疸、皮下膿瘍、汗腺炎、集簇性ざ瘡、感染性粉瘤、肛門周囲膿瘍、乳腺炎、外傷・熱傷・手術創などの表在性二次感染、咽喉頭炎、急性気管支炎、扁桃炎、慢性気管支炎、気管支拡張症、びまん性汎細気管支炎、慢性呼吸疾患の二次感染、肺炎、腎盂腎炎、膀胱炎、前立腺炎、副睾丸炎、淋菌性尿道炎、非淋菌性尿道炎、胆のう炎、胆管炎、細菌性赤痢、腸炎、子宮付属器炎、子宮内感染、バルトリン腺炎、眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎、瞼板腺炎、角膜潰瘍、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、腹膜炎、心内膜炎、敗血症、髄膜炎、皮膚感染症等を挙げることができる。
さらに本発明の1/2水和物が有効な抗酸菌類として、結核菌群(マイコバクテリウム チュバクロシス、M.ボビウス、M.アフリカナム)、非定型抗酸菌群(M.カンサシイ、M.マライナム、M.スクロファセウム、M.アビウム、M.イントラセルラーレ、M.キセノビ、M.フォーチュイタム、M.チェロネー)等を挙げることができる。これらの病原体によって引き起こされる抗酸菌感染症は、その起因菌別に、結核症、非定型抗酸菌症、らいの3つに大きく分類される。結核菌感染症は、肺の他に、胸腔、気管・気管支、リンパ節、全身播種性、骨関節、髄膜・脳、消化器(腸・肝臓)、皮膚、乳腺、眼、中耳・咽頭、尿路、男性性器、女性性器等に見られる。非定型抗酸菌症(非結核性抗酸菌症)の主な羅患臓器は肺であり、その他にも局所リンパ節炎、皮膚軟部組織、骨関節、全身播種性型等を挙げることができる。
また、動物の感染症の原因となる各種の微生物、例えば、エシエリキア属、サルモネラ属、パスツレラ属、ヘモフィルス属、ボルデテラ属、スタヒロコッカス属、マイコプラズマ属等に有効である。具体的な疾患としては、鳥類では大腸菌症、ひな白痢、鶏パラチフス症、家禽コレラ、伝染性コリーザ、ブドウ球菌症、マイコプラズマ感染症等、豚では大腸菌症、サルモネラ症、パスツレラ症、ヘモフィルス感染症、萎縮性鼻炎、滲出性麦皮炎、マイコプラズマ感染症等、牛では大腸菌症、サルモネラ症、出血性敗血症、マイコプラズマ感染症、牛肺疫、乳房炎等、犬では大腸菌性敗血症、サルモネラ感染症、出血性敗血症、子宮蓄膿症、膀胱炎等、そして猫では滲出性胸膜炎、膀胱炎、慢性鼻炎、ヘモフィルス感染症、仔猫の下痢、マイコプラズマ感染症等を挙げることができる。
本発明の1/2水和物を含有する抗菌剤は、投与法に応じ適当な製剤を選択し、通常用いられている各種製剤の調製法にて調製できる。本発明の1/2水和物を主剤とする抗菌剤の剤型としては、例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤、油性又は水性の懸濁剤液等を挙げることができる。注射剤としては、製剤中に安定剤、防腐剤、溶液補助剤等を使用してもよく、これらを含有することもある溶液を容器に収納後、凍結乾燥等によって固形製剤として用時調製の製剤としてもよい。また、一投与量を容器に収納してもよく、多投与量を同一の容器に収納してもよい。外用製剤としては、例えば、溶液剤、懸濁液、乳濁液、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、スプレー等を挙げることができる。
固形製剤としては、活性化合物と共に製剤学上許容されている添加剤を含んでいてもよく、当該添加剤としては、例えば、充填剤類、結合剤類、崩壊剤類、溶液促進剤類、湿潤剤類、潤滑剤類等を挙げることができる。液体製剤としては、溶液、懸濁液、乳液剤等を挙げることができるが、添加剤として懸濁化剤、乳化剤等を含んでいてもよい。
次に製剤処方例を示す。
製剤例1. [カプセル剤]:
1/2水和物 100.0mg
コーンスターチ 23.0mg
カルボキシメチルセルロースカルシウム
22.5mg
ヒドロキシメチルセルロース 3.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg
計 150.0mg
製剤例2. [溶液製剤]:
1/2水和物 1〜10g
酢酸又は水酸化ナトリウム 0.5〜2g
パラオキシ安息香酸エチル 0.1g
精製水 87.9〜98.4g
計 100g
製剤例3. [飼料混合用散剤]:
1/2水和物 1〜10g
コーンスターチ 89.5〜98.5g
軽質無水ケイ酸 0.5g
計 100g
次に本発明を実施例と参考例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[参考例1]
1−アセチル−1−シクロプロパンカルボン酸 tert−ブチルエステル
Figure 2007111023
アセト酢酸 tert−ブチルエステル(497mL,3.00mol)、1,2−ジブロモエタン(310mL,3.60mmol)、炭酸カリウム(1.106kg,8.00mmol)、及びジメチルホルムアミド(2.0L)の混合物を30℃の水浴上にて1.5時間、60℃の水浴上にて3.5時間、続いて30℃の水浴上にて4日間加熱攪拌した。反応液をセライト濾過し、濾取物をジエチルエーテル(3.5L)にて洗浄した。濾液とジエチルエーテル洗浄液をあわせて水(2L)に加え、有機層を分離した。水層からジエチルエーテル(2L)にて抽出し、得られた水層に水(1L)を加えた後に、さらにジエチルエーテル(2L)にて抽出した。有機層をすべて合わせた後に、10%クエン酸水溶液(2L)、水(2L×3)、及び飽和食塩水(2L×3)にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。乾燥剤を濾去後、溶媒を減圧溜去し、得られた残留物を減圧蒸留して標的化合物371.8g(10mmHg,72−78℃の溜分,2.02mol,67%)を無色透明オイルとして得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δppm:1.37−1.40(4H,m),1.49(9H,s),2.44(3H,s).
[参考例2]
1−(1−アミノ−1−シアノエチル)−1−シクロプロパンカルボン酸 tert−ブチルエステル
Figure 2007111023
1−アセチル−1−シクロプロパンカルボン酸 tert−ブチルエステル(9.21g,50.0mmol)を7規定アンモニア/メタノール溶液(300mL)へ溶解し、氷冷下、濃アンモニア水(90mL)、塩化アンモニウム(53.5g,1.00mol)、及びシアン化ナトリウム(4.90g,100.0mmol)を加え、その後室温にて18時間攪拌した。溶媒を減圧濃縮し、残留液へ水(100mL)を加えた後、ジクロロメタン(300mL+2×100mL)にて抽出した。合わせた有機層へ無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、乾燥剤を濾去後、溶媒を減圧溜去することによって標的化合物粗生成物10.15g(48.3mmol,97%)を薄褐色オイルとして得た。得られた粗生成物はこれ以上精製することなく次の反応に用いた。
H−NMR(400MHz,CDCl)δppm:1.02−1.12(2H,m),1.19−1.17(2H,m),1.48(9H,s),1.50(3H,s),2.13(2H,brs).
MS(ESI)m/z:155(M−tBu)
[参考例3]
1−(1,2−ジアミノ−1−メチルエチル)−1−シクロプロパンカルボン酸 tert−ブチルエステル
Figure 2007111023
1−(1−アミノ−1−シアノエチル)−1−シクロプロパンカルボン酸 tert−ブチルエステル(1.12g,5.30mmol)のエタノール溶液(50mL)にラネーニッケル触媒(日興リカ,R−100,10mL)のエタノール懸濁液(30mL)を加え、水素ガス雰囲気下において室温で6時間激しく攪拌した。触媒をセライト濾過によって濾去し、溶媒を減圧溜去することによって、標的化合物粗生成物0.84g(3.92mmol,74%)を無色透明オイルとして得た。得られた粗生成物はこれ以上精製することなく次の反応に用いた。
H−NMR(トリフルオロ酢酸塩,400MHz,DMSO−d)δppm:1.08−1.19(5H,m),1.21−1.27(1H,m),1.28−1.33(1H,m),1.39(9H,s),3.27(1H,d,J=12.9Hz),3.48(1H,d,J=13.4Hz),8.34(6H,brs).
MS(ESI)m/z:215(M+H)
[参考例4]
1−(1,2−ジアミノ−1−メチルエチル)−1−シクロプロパンカルボン酸二塩酸塩
Figure 2007111023
1−(1,2−ジアミノ−1−メチルエチル)−1−シクロプロパンカルボン酸 tert−ブチルエステル粗生成物0.82g(3.83mmol)を室温で濃塩酸(5mL)に溶解し、同温度にて30分間攪拌した。反応液へ水を加えた後に溶媒を減圧溜去し、続いてエタノールにて共沸した(2回)。標的化合物粗生成物0.82g(3.55mmol,93%)を薄黄色泡状固体として得た。得られた粗生成物はこれ以上精製することなく次の反応に用いた。
H−NMR(400MHz,CDOD)δppm:1.20−1.26(1H,m),1.28(3H,s),1.32−1.43(2H,m),1.58−1.62(1H,m),3.46(1H,d,J=13.4Hz),3.80(1H,d,J=13.4Hz).
MS(ESI)m/z:159(M+H)
[参考例5]
7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン
Figure 2007111023
1−(1,2−ジアミノ−1−メチルエチル)−1−シクロプロパンカルボン酸二塩酸塩粗生成物(800mg,3.46mmol)のアセトニトリル溶液(70mL)に、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(7.38mL,34.6mmol)を加え、窒素置換下、100℃のオイルバス上にて4時間加熱還流した。室温まで冷却し、メタノール(70mL)を加えた後に溶媒を減圧溜去することによって、7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン粗生成物を薄褐色ガム状固体として得た。
MS(ESI)m/z:141(M+H)
上記で得られた7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン粗生成物へ室温で1,4−ジオキサン(20mL)、及びジ−tert−ブチルジカーボネート(1.528g,7.00mmol)を加え、混合物を同温度にて5時間攪拌した。反応液へ水(50mL)を加え、クロロホルム(100mL+50mL)にて抽出した後、合わせた有機層へ無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、乾燥剤をショートシリカゲルカラムを用いて濾去後、溶媒を減圧溜去した。得られた残留物にジエチルエーテルを加えて懸濁させ濾取することによって、標的化合物502mg(2.09mmol,2ステップ,60%)を白色粉末として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δppm:0.77−0.82(1H,m),0.94−1.04(2H,m),1.16−1.23(1H,m),1.28(3H,s),1.43(9H,s),3.29(1H,d,J=10.3Hz),4.12(1H,m),4.60(0.9H,brs),5.82(1H,brs).
MS(ESI)m/z:185(M−tBu)
[参考例6]
5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン
Figure 2007111023
7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン(3.12g,12.97mmol)のジメチルホルムアミド溶液(65mL)に、氷冷下、水素化ナトリウム(55%、ミネラルオイルディスパージョン、538mg,12.33mmol)を5分かけて加えた。同温度にて40分間攪拌した後、臭化ベンジル(1.851mL,15.56mmol)を加え、室温にて1.5時間攪拌した。反応液へ酢酸エチル(300mL)を加えて希釈し、水(100mL×2)、及び飽和食塩水(100mL)にて洗浄した。無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、乾燥剤を濾去後、溶媒を減圧溜去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン−酢酸エチル 9:1→4:1→2:1)にて精製することによって、標的化合物4.20g(12.71mmol,98%)を無色透明ガム状固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δppm:0.76−0.81(1H,m),0.93−1.06(2H,m),1.21−1.29(4H,m),1.37(9H,m),3.14(1H,d,J=10.3Hz),3.92−3.98(1H,m),4.44(1H,d,J=15.1Hz),4.56(1H,d,J=14.6Hz),4.56(1H,brs),7.22−7.33(5H,m).
MS(ESI)m/z:331(M+H)
[参考例7]
(−)−5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン及び(+)−5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン
参考例6で得られたラセミ体の5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン(2.254g,6.82mmol)を光学活性カラム(CHIRALPAK AD,20mmφ×250mm,へキサン−イソプロピルアルコール 90:10,流速=20mL/分,1回あたり50mgを分割)にて光学分割し、(−)−5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン(997mg,3.02mmol,保持時間=7.0分,[α] 25.1=−113.9゜(c=0.180,クロロホルム))、及び(+)−5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン(957mg,2.90mmol,保持時間=11.3分,[α] 25.1=+108.8゜(c=0.249,クロロホルム))を得た。
[参考例8]
(−)−5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン
Figure 2007111023
(−)−5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン(950mg,2.88mmol)のジクロロメタン溶液(15mL)に、室温で、トリフルオロ酢酸(7.5mL)を加え、同温度にて40分間攪拌した。溶媒を減圧溜去し、トルエンにて共沸した(2回)後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を加え、クロロホルム(100mL+2×50mL)にて抽出した。あわせた有機層へ無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、乾燥剤を濾去後、溶媒を減圧溜去した。得られた残留物をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解し、氷冷攪拌下、水素化リチウムアルミニウム(218mg,5.74mmol)を加え、同温度にて1時間攪拌した。さらに水素化リチウムアルミニウム(109mg,2.87mmol)を加え、室温にて2.5時間攪拌した後、再び氷冷し、水(0.31mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(0.31mL)、及び水(0.93mL)を順に注意深く加えた。得られた混合物を室温にて1晩攪拌した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、セライト濾過した。濾液を減圧濃縮することによって、7−アミノ−5−ベンジル−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン粗生成物を無色透明オイルとして得た。得られた粗生成物はこれ以上精製することなく次の反応に用いた。
H−NMR(400MHz,CDCl)δppm:0.37−0.45(2H,m),0.56−0.66(2H,m),0.96(3H,s),2.48(1H,d,J=9.0Hz),2.55(1H,d,J=8.8Hz),2.74(2H,d,J=9.0Hz),3.59(2H,s),7.21−7.37(5H,m).
MS(ESI)m/z:217(M+H)
上記で得られた7−アミノ−5−ベンジル−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン粗生成物をジクロロメタン(15mL)に溶解し、ジ−tert−ブチルジカーボネート(1.255g,5.75mmol)を加え、室温にて22時間攪拌した。溶媒を減圧溜去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−トリエチルアミン 98:2:1→95:5:1)にて精製することによって、標的化合物586mg(1.852mmol,3ステップ,64%)を無色透明ガム状固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δppm:0.40−0.45(1H,m),0.50−0.55(1H,m),0.63−0.69(1H,m),0.80−0.85(1H,m),1.20(3H,s),1.43(9H,s),2.44(1H,d,J=8.8Hz),2.59(1H,d,J=9.5Hz),2.83(1H,d,J=8.8Hz),3.33(1H,m),3.57(1H,d,J=13.2Hz),3.68(1H,d,J=13.2Hz),4.75(1H,brs),7.20−7.37(5H,m).
MS(ESI)m/z:317(M+H)
[α] 25.1=−63.6゜(c=0.129,クロロホルム)
[参考例9]
(−)−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン
Figure 2007111023
(−)−5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン(581mg,1.836mmol)のメタノール(40mL)溶液へ10%パラジウム炭素触媒(M,約50%含水,349mg)を加え、水素ガス雰囲気下、室温にて2.5時間攪拌した。触媒をろ去後、溶媒を減圧溜去し、標的化合物粗生成物434mg(定量的)を無色透明ガム状固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δppm:0.38−0.43(1H,m),0.55−0.60(2H,m),0.74−0.80(1H,m),1.08(3H,s),1.44(9H,s),2.75(1H,d,J=12.0Hz),2.77(1H,d,J=11.5Hz),3.13(1H,d,J=11.5Hz),3.75(1H,brd,J=12.0Hz),4.44(1H,brs).
MS(ESI)m/z:227(M+H)
[α] 25.1=−63.5゜(c=0.277,クロロホルム)
[参考例10]
7−[7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
Figure 2007111023
参考例9で得られた(−)−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン粗生成物(434mg,1.836mmol)と、6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(663mg,1.836mmol)、ならびにトリエチルアミン(0.768mL,5.510mmol)をジメチルスルホキシド(5mL)に溶解し、40℃のオイルバス上にて14時間加熱攪拌した。反応液にエタノール:水=4:1混合溶液(50mL)及びトリエチルアミン(5mL)を加えて100℃のオイルバス上にて2時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチル(200mL)に溶解し、10%クエン酸水溶液(50mL)及び水(50mL×2)及び飽和食塩水(50mL)にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去することによって、標的化合物粗生成物870mg(1.676mmol,91%)を黄色泡状固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δppm:0.55−0.60(1H,m),0.68−0.73(1H,m),0.74−0.80(1H,m),0.92−0.97(1H,m),1.22(3H,s),1.40(9H,s),1.43−1.59(2H,m),3.13(1H,d,J=9.8Hz),3.60(3H,s),3.75(1H,dd,J=11.0,3.7Hz),3.85(1H,dt,J=10.2,4.5Hz),4.18(1H,d,J=10.0Hz),4.47(1H,m),4.62(1H,s),4.79−4.99(1H,dm),7.83(1H,d,J=13.7Hz),8.68(1H,d,J=2.7Hz),14.88(0.7H,brs).
MS(ESI)m/z:520(M+H)
[α] 25.1=−128.5゜(c=1.240,クロロホルム)
[参考例11]
7−(7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
Figure 2007111023
参考例10で得られた7−[7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(870mg,1.676mmol)を氷冷下濃塩酸(10mL)に溶解後、室温にて20分間撹拌し、反応液をクロロホルム(20mL×5)にて洗浄した。水層に氷冷下飽和水酸化ナトリウム水溶液を加えpH12.0とし、次いで塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム:メタノール=10:1混合溶液(200mL×2)、及びクロロホルム:メタノール:水=7:3:1下層溶液(200mL)にて抽出した。あわせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をエタノールから再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物644mg(1.535mmol,92%)を淡桃色粉末として得た。
mp:195−200℃.
[α] 25.1=+40.8゜(c=0.147,0.1N−NaOH).
H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δppm:0.49−0.56(2H,m),0.67−0.76(2H,m),1.12(3H,s),1.43−1.64(2H,m),3.56(3H,s),3.59−3.71(4H,m),3.99−4.04(1H,m),4.80−5.03(1H,m),7.65(1H,d,J=13.9Hz),8.45(1H,s).
元素分析:C2123・0.75EtOH・0.5HOとして;
計算値:C,58.37;H,6.20;F,8.21;N,9.08.
実測値:C,58.23;H,5.99;F,8.09;N,9.02.
MS(EI)m/z:419(M).
IR(ATR):2964,2843,1726,1612,1572,1537,1452,1439,1387,1360,1346,1311,1294,1265,1207cm−1
[参考例12]
5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸第三級ブチルエステル
Figure 2007111023
羽撹拌下、5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸(1165g,4.994mol)のジクロロメタン(10L)懸濁液にO−第三級ブチル−N,N’−ジイソプロピルウレア(3020g,15.00mol)を室温で加えた後、内温の上昇と還流の開始を認めた後、氷水浴にて冷却した。反応液を室温まで冷却した後、氷水浴を外して1時間、次いで40℃で加熱しながら3時間撹拌した。次いで、反応液を氷水浴で冷却して1時間撹拌した後、不溶物をろ去し、ろ液を減圧乾固して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:4kg;溶離液,ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製し、標記化合物(3位異性体混合物)925.2g(64%)を淡黄色シロップとして得た。ピロリジンの3位に由来した各ジアステレオマーは容易に分取可能であったが、次工程がエピメリ化を伴う反応であることから分取せず使用した。下記には、別途分取した異性体の各々のH−NMRスペクトルを示した。
低極性異性体:
H−NMR(400MHz,CDCl)δppm:1.45(9H,s),1.54(3H,d,J=7.08Hz),2.59−2.74(2H,m),2.95−3.03(1H,m),3.14(1H,dd,J=9.77,8.79Hz),3.49(1H,dd,J=9.77,6.35Hz),7.26−7.36(5H,m).
高極性異性体:
H−NMR(400MHz,CDCl)δppm:1.36(9H,s),1.53(3H,d,J=7.32Hz),2.59−2.75(2H,m),3.02−3.11(1H,m),3.16(1H,dd,J=10.01,5.62Hz),3.51(1H,dd,J=10.01,8.54Hz),7.24−7.36(5H,m).
[参考例13]
(3S)−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸第三級ブチルエステル
Figure 2007111023
窒素ガス雰囲気下、5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸第三級ブチル(30.05g,0.104mol)のN,N’−ジメチルホルムアミド(210mL)溶液に、攪拌下、ヨードメタン26.0mL(59.28g,0.418mol)、次いで水素化ナトリウム(55%油性、11.35g,0.260mol)を室温にて加えた。内温が上昇して約50℃に達した時、氷水浴にて30℃まで冷却し、次いで外温17℃の水浴に切り替えて23時間撹拌した。反応液を冷クエン酸水溶液(10%クエン酸1Lと氷500gの混合水)に注ぎ、30分間撹拌した後、酢酸エチル(800mL,500mL)にて抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧乾固した。残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→4:1溶出部)、高極性異性体として標記化合物10.63g(33.7%)を白色固体として得た。また、低極性異性体として(3R)−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸第三級ブチル14.91g(47.3%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δppm:1.34(12H,s),1.52(3H,d,J=7.10Hz),2.27(1H,d,J=17.0Hz),2.93(1H,d,J=17.0Hz),3.05(1H,d,J=10.1Hz),3.32(1H,d,J=10.1Hz),5.50(1H,q,J=7.1Hz),7.23−7.38(5H,m).
[参考例14]
(3S)−4−[2−(第三級ブチルジメチルシリル)ヒドロキシエチル]−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸第三級ブチルエステル
Figure 2007111023
(3S)−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸第三級ブチル(30.0g,98.9mmol)、及び第三級ブチル(2−ヨードエトキシ)ジメチルシラン(36.8g,129mmol)の無水テトラヒドロフラン(288mL)溶液へ、−4℃にてリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(1.0Mテトラヒドロフラン溶液,129mL,129mmol)を滴下し、2℃にて3.5時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(300mL)を加え、酢酸エチル(300mL,200mL)にて抽出した。有機層を飽和食塩水(200mL)にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧乾固して、標記化合物54.1gを得た。尚、本成績体は、精製せずに次の工程に使用した。
MS(ESI)m/z:363(M−Boc+H)
[参考例15]
(3S)−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸第三級ブチルエステル
Figure 2007111023
前述のシリル体粗生成物(54.1g,98.9mmol)をテトラヒドロフラン(450mL)に溶解し、氷冷下、フッ化テトラブチルアンモニウム、1.0mol/Lテトラヒドロフラン溶液(148mL,148mmol)を滴下した後、室温にて2時間攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチル(200mL,100mL)にて抽出した。有機層を10%炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)、クエン酸水溶液(300mL)、及び飽和食塩水(100mL)にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧乾固した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン−酢酸エチル=6:1→4:1→1:1溶出部)にて精製し、標記化合物29.1g(83.9mmol,85%)を無色透明シロップ状物質として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δppm:1.28(3H,s),1.40(9H,s),1.51−1.53(1H,m),1.53(3H,d,J=7.1Hz),1.78−1.94(2H,m),2.90−3.08(2H,m),3.67−3.75(1H,m),3.80−3.91(1H,m),4.85−4.89(1H,m),5.43−5.53(1H,m),7.27−7.37(5H,m).
MS(ESI)m/z:348(M+H)
[参考例16]
(3S)−4−[2−(ベンゼンスルホニル)オキシエチル]−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸第三級ブチルエステル
Figure 2007111023
(3S)−4−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチル−5−オキソ−1−[(1R)−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボン酸第三級ブチル(29.1g,83.9mmol)のジクロロメタン(280mL)溶液に、氷冷下、トリエチルアミン(15.2mL,109mmol)、塩化ベンゼンスルホニル(11.8mL,92.3mmol)、及び4−ジメチルアミノピリジン(1.02g,8.39mmol)を加え、混合物を室温にて19時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(280mL)を加え、有機層を分離して溶媒を減圧下に留去し、残留物を酢酸エチル(280mL,180mL)に溶解後、先の飽和塩化アンモニウム水溶液にて再び洗浄した。有機層を1mol/L塩酸水溶液(250mL)、飽和重曹水(250mL)、飽和食塩水(200mL)にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧乾固し、標記のベンゼンスルホニル体粗生成物(43.7g)を得た。尚、本成績体は精製せずに次の工程に使用した。
MS(ESI)m/z:510(M+Na)
[参考例17]
(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[(1R)−フェニルエチル]−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−7−カルボン酸第三級ブチルエステル
Figure 2007111023
前述のベンゼンスルホニル体粗生成物(43.7g,83.9mmol)の無水テトラヒドロフラン(470mL)溶液に、氷冷下、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、1.0mol/Lテトラヒドロフラン溶液(109mL,109mmol)を加え、混合物を室温にて1時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(300mL)を加え、酢酸エチル(300mL,200mL)にて抽出し、有機層を飽和食塩水(200mL)にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧乾固した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1→2:1にて溶出)で精製して、標記化合物24.6g(89%、2工程)を白色固体として得た。
mp:55−57℃.
[α] 25.1=122.1゜(c=0.517,CHCl).
H−NMR(400MHz,CDCl)δppm:0.72−0.77(1H,m),0.85−0.90(1H,m),1.04−1.13(2H,m),1.18(3H,s),1.32(9H,s),1.54(3H,d,J=7.1Hz),3.08(1H,d,J=9.8Hz),3.53(1H,d,J=9.8Hz),5.52(1H,q,J=7.1Hz),7.26−7.34(5H,m).
元素分析;C2027NOとして:
計算値:C,72.92;H,8.26;N,4.25.
実測値:C,72.64;H,8.27;N,4.06.
MS(FAB)m/z:330(M+H)
HRMS(FAB)m/z:330.2069(Calcd for C2028NO 330.2069).
IR(ATR)ν:3066,2976,2933,2879,1720,1676,1481,1454,1433,1365,1329,1286,1238,1203cm−1
本化合物について、7位の配位を決定するべくX線構造解析を実施した。データ収集後、直接法で初期位相を決定し、完全行列最小自乗法で位相精密化を行った。精密化の際、非水素原子は非等方性温度因子を適用し、水素原子は計算で位置を決定して座標を固定した。本化合物中には不斉炭素が2個存在するが、そのうち1個の不斉炭素の絶対配置は既知であった。この絶対配置をもとに他方の不斉炭素の絶対配置を決定した。すなわち、標題化合物の7位に関する配位が(S)であることが確定された。そして、この化合物を経由して調製される一連の化合物の配位も決定されることとなった。
[参考例18]
(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[(1R)−フェニルエチル]−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−7−カルボン酸
Figure 2007111023
(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[(1R)−フェニルエチル]−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−7−カルボン酸第三級ブチル(24.5g,74.4mmol)のジクロロメタン(120mL)溶液に、氷冷下、トリフルオロ酢酸(120mL)を滴下し、2時間撹拌した。反応混合物を減圧乾固し、残留物にトルエン(20mL)を加えて減圧乾固した後、氷冷下、残留物を1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(300mL)に溶解した。この水溶液を酢酸エチル(350mL)にて洗浄後、水層に氷冷下濃塩酸(25mL)を加えpH2〜3とし、クロロホルム(300mL×2)にて抽出した。
有機層を水(200mL)及び飽和食塩水(100mL)にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物にトルエン(20mL)を加えて減圧乾固した後、残留物をクロロホルム(20mL)に懸濁し、ヘキサン(200mL)を加え、結晶化させた。析出した固体をヘキサン(100mL)にて洗浄後、減圧乾燥して標記化合物20.48g(定量的)を白色固体として得た。本成績体は精製せずに次工程に使用した。
H−NMR(400MHz,CDCl)δppm:0.78−0.83(1H,m),0.90−0.95(1H,m),1.08−1.18(2H,m),1.24(3H,s),1.55(3H,d,J=7.3Hz),3.11(1H,d,J=10.0Hz),3.55(1H,d,J=10.0Hz),5.52(1H,q,J=7.1Hz),7.28−7.32(5H,m).
MS(ESI)m/z:274(M+H)
[参考例19]
(7S)−7−アミノ−7−メチル−4−オキソ−5−[(1R)−フェニルエチル]−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン
Figure 2007111023
(7S)−7−メチル−4−オキソ−5−[(1R)−フェニルエチル]−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−7−カルボン酸(20.4g,74.4mmol)、及びジフェニルリン酸アジド(17.6mL,81.8mmol)のトルエン(200mL)溶液へ、トリエチルアミン(20.7mL,149mmol)を加え、125℃のオイルバス上にて1時間加熱攪拌した。反応液を減圧濃縮してイソシアネート体粗生成物を得た。
得られたイソシアネート体粗生成物を1,4−ジオキサン(180mL)に溶解し、水(90mL)、及び濃塩酸(90mL)を加えた後、50℃のオイルバス上にて1時間加熱攪拌した。反応液に水(200mL)を加え、酢酸エチル(200mL)にて洗浄後、水層に氷冷下にて10mol/L水酸化ナトリウム水溶液(170mL)を加えpH9〜10とし、トルエン(200mL×2)にて抽出した。有機層を飽和食塩水(100mL)にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮して標記化合物15.8g(64.7mmol)を淡黄色油状物として得た。尚、本成績体は、精製せずに次の工程に使用した。
H−NMR(400MHz,CDCl)δppm:0.72−0.78(2H,m),0.99−1.10(2H,m),1.08(3H,s),1.53(3H,d,J=7.4Hz),2.82(1H,d,J=9.6Hz),3.27(1H,d,J=9.6Hz),5.56(1H,q,J=7.1Hz),7.14−7.37(5H,m).
[参考例20]
(7S)−7−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−[(1R)−フェニルエチル]−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン
Figure 2007111023
前述の(7S)−7−アミノ−7−メチル−4−オキソ−5−[(1R)−フェニルエチル]−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン(15.8g,64.7mmol)をトルエン(82mL)に溶解し、内温が70℃を越えないよう氷冷しながら、ナトリウム水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム、65%(重量)トルエン溶液(77.6mL,259mmol)のトルエン(6mL)溶液を15分かけて滴下した後に、80℃のオイルバス上にて10分間加熱攪拌した。反応液を氷冷し、25%(重量)水酸化ナトリウム水溶液(158mL)を滴下して反応を停止させた後、トルエン(135mL)にて抽出した。有機層を飽和食塩水(100mL)にて洗浄後、これにジ−第三級ブチルジカーボネート(15.6g,71.2mmol)を加えた。反応液を室温にて3時間攪拌後、溶媒を減圧留去して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン:酢酸エチル=8:1→4:1→1:1にて溶出)にて精製し、標記化合物18.0g(73%)を無色透明シロップ状物質として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δppm:0.37−0.49(2H,m),0.62−0.68(1H,m),0.77−0.82(1H,m),1.20(3H,s),1.32(3H,d,J=6.6Hz),1.44(9H,s),2.46(2H,dd,J=33.2,9.3Hz),2.68(1H,d,J=8.8Hz),3.27(1H,q,J=6.6Hz),3.31−3.34(1H,m),4.71(1H,s),7.19−7.34(5H,m).
MS(ESI)m/z:331(M+H)
[参考例21]
(7S)−7−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン
Figure 2007111023
(7S)−7−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−[(1R)−フェニルエチル]−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン(18.0g,54.5mmol)のメタノール(180mL)溶液へ10%パラジウム炭素触媒(52.8%含水,9.00g)を加え、水素ガス雰囲気下、室温にて18時間攪拌後、さらに40℃のオイルバス上にて5.5時間撹拌した。触媒をろ去後、溶媒を減圧乾固し、標的化合物の粗生成物13.4g(定量的)を白色固体として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δppm:0.38−0.43(1H,m),0.54−0.61(2H,m),0.74−0.80(1H,m),1.08(3H,s),1.44(9H,s),2.75(1H,d,J=7.6Hz),2.78(1H,d,J=7.1Hz),3.13(1H,d,J=11.5Hz),3.73−3.77(1H,m),4.45(1H,s).
MS(ESI)m/z:227(M+H)
[参考例22]
7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
Figure 2007111023
(7S)−7−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン(13.4g,54.5mmol)、6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボラン錯体(17.9g,49.5mmol)、及びトリエチルアミン(8.97mL,64.4mmol)をジメチルスルホキシド(52mL)に溶解し、40℃のオイルバス上にて17時間加熱攪拌した。反応液を冷水(1000mL)に注ぎ、析出した固体をろ取した。この固体にエタノール:水=5:1混合溶液(180mL)、及びトリエチルアミン(15mL)を加えて1.5時間加熱還流した。反応混合物を減圧乾固して得られた残留物を酢酸エチル(150mL×2)に溶解し、10%クエン酸水溶液(200mL)、水(200mL)、飽和食塩水(100mL)にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をクロロホルム:メタノール=9:1混合溶液(100mL)に溶解し、シリカゲル(10g)を加え1時間撹拌した。シリカゲルをろ去し、クロロホルム:メタノール=9:1混合溶液(50mL×2)にて洗浄し、ろ液を合わせて濃縮乾固した。残留物を氷冷下にて濃塩酸(200mL)に溶解後、室温にて30分間撹拌し、反応液をクロロホルム(400mL×5)にて洗浄した。水層に氷冷下10mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えpH11.8とし、次いで塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム(1000mL×3)にて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をエタノールから再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物18.5g(79%)を淡桃色粉末として得た。
本成績体のH−NMRをはじめとする機器データは、参考例11の化合物のデータと完全に一致した。すなわち、7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル基を有するキノロン誘導体のうち、高活性な化合物である参考例11に記載されたキノロン誘導体の5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル基の7位の立体は、(7S)と判明した。
[試験例1]
後の実施例に記載の式(I)の化合物の1/2水和物について抗菌活性を測定した。抗菌活性の測定方法は日本化学療法学会指定の標準法に準じて行い、その結果をMIC(マイクログラム/mL)で表1に示す。表中の菌株のうち、S.aureus,87037及びS.pneumoniae,J24はキノロン耐性菌である。レボフロキサシン(LVFX)、ガチフロキサシン(GTFX)、及びシプロフロキサシン(CPFX)についてのMIC値を併せて示す。
Figure 2007111023
また、式(I)の化合物の抗結核菌活性を、日本化学療法学会の標準法に従って測定し(化学療法学会誌1981年、第29巻、page 76−79)その結果をMIC(μg/mL)で、感受性菌に対する活性を表2に、キノロン耐性結核菌に対する活性を表3に示した。RFPはリファンピシンである。式(I)の化合物は結核菌に対して優れた抗菌活性を示した。
Figure 2007111023
Figure 2007111023
[試験例2] マウス肺局所感染モデルにおける治療効果
ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)によるマウス肺局所感染モデルを用い、式(I)の化合物を経口投与してこれらの治療効果を検討した。
雄性CBA/JNCrlj系マウス(3−4週齢、日本チャールズ・リバー:1群4匹)に、トッドヒューイット液体培地を用いて嫌気培養したPRSP 033806株を、ケタミン・キシラジン混合液麻酔下で点鼻接種した。この感染モデルに式(I)の化合物を、それぞれ図2中の用量(25、50及び100mg/kg/day)を感染2及び8時間後に経口投与した(1日のみの治療、1日量として50、100及び200mg/kg/day)。無処置対照群には、注射用蒸留水を投与した。
薬剤投与直前の無処置群(感染2時間後、pre−control)、薬剤投与翌日の無処置群(感染翌日、post−control)及び薬剤投与群の肺内菌数を測定し、治療効果の指標とした。
[試験例3] ラット単純性膀胱炎モデル(大腸菌)における治療効果
感染モデル:前日から絶水したラット(Crl:CD(SD)(IGS)系、雌、7週齢、日本チャールズ・リバー、1群4匹)にケタミン・キシラジン混合麻酔を施した後、大腸菌E77156株を経尿道的に膀胱内に接種した(1.2×10 CFU/rat)。接種後は、菌液の排出を防ぐ目的で、尿道口を2時間閉塞し、閉塞解除と同時に給水を再開した。
薬剤投与:式(I)の化合物を、5、20及び80mg/kgの投与量で感染翌日に単回経口投与した。
有効性評価:薬剤投与直前、薬剤投与翌日の無処置群(感染2日後)及び薬剤投与群の膀胱内菌数を測定し、治療効果の指標とした。
結果:式(I)の化合物では治療開始時に比較して有意な菌数の減少が認められた(図2)。この様に式(I)の化合物は先の試験例と合わせ、優れた治療効果を発揮できる化合物であることが明らかとなった。
[実施例1] 7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・1/2水和物
7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(2.08g)に、アセトニトリル(16mL)を加えて約50℃に加温して溶解した。この溶液を室温に戻した後、1日間攪拌しながら結晶を析出させた。析出した結晶をろ取し、風乾し、表記の化合物である1/2水和物1.19g(57%)を得た。本結晶について、粉末X線回折(図3)、熱分析(TG/DTA)(図4)及び元素分析を測定し、1/2水和物である掲題の化合物であることを確認した。
元素分析:C2123・1/2HOとして;
計算値:C,58.87;H,5.65;N,9.81;F,8.87.
実測値:C,58.73;H,5.65;N,9.94;F,8.87.
粉末X線回折の測定条件は以下の通りである;
装置:フィリップス,X’Pert−MPD PW3050
走査速度:0.015°2θ/s
走査範囲:5−40°
熱分析(TG/DTA)の測定条件は以下の通りである;
熱分析装置:SEIKO電子工業,SSC5200 TG/DTA220
昇温速度:10℃/min
雰囲気:窒素ガス 200mL/min
[評価例1] 吸脱湿挙動
実施例1で得られた7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・1/2水和物について、大気圧型自動水蒸気吸着装置によって吸脱湿挙動を検討した。この結果を図5に示した。この結晶は、湿度変化によっても重量変化は1%以内であり、安定であることが判明した。
[評価例2] 加熱脱水後の吸脱湿変化
実施例1で得られた7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・1/2水和物について、加熱脱水(60℃)後の吸脱湿変化について検討した。その結果を図6に示した。脱水後の復水も速やかで、吸湿後の挙動も加熱処理前と変化はなかった。
[評価例3] 加熱脱水後の結晶形変化
実施例1で得られた7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・1/2水和物について、加熱処理した時の結晶形の変化について検討した。その結果を図7に示した。脱水後も結晶状態を維持しており、回折パターンにも小さな違いしか認められず、吸水しても安定な1/2水和物に戻り、速やかな復水が起こると考えられる。
[評価例4] 結晶の安定性
実施例1で得られた7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・1/2水和物について、25℃、相対湿度0、52、93%の環境に3日間保存して重量変化及び結晶形について検討した。結晶形は粉末X線回折及び熱分析の測定によって判定した。その結果、重量変化は微小(表4)で、また結晶形の変化も生じなかった。
Figure 2007111023
[評価例5] 化学的安定性
実施例1で得られた7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・1/2水和物について、湿熱条件(40℃、相対湿度75%)及び乾熱条件(50℃、相対湿度0%)に2週間保存及び光照射条件下で保存した。この結果を表5に示した。本発明の化合物は、湿熱及び乾熱条件下では安定で含量低下を来たさなかったが、光照射下では着色変化、多少の残存率低下が認められた。
Figure 2007111023

Claims (9)

  1. 7−[(7S)−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・1/2水和物。
  2. 下記式
    Figure 2007111023
    で表わされる化合物。
  3. 請求項1又は2記載の化合物を含有する医薬。
  4. 感染症予防治療用医薬である請求項3記載の医薬。
  5. 請求項1又は2記載の化合物及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
  6. 感染症予防治療用医薬組成物である請求項5記載の医薬組成物。
  7. 請求項1又は2記載の化合物の医薬製造のための使用。
  8. 医薬が、感染症予防治療用医薬である請求項7記載の使用。
  9. 請求項1又は2記載の化合物の有効量を投与することを特徴とする感染症予防治療法。
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