JPWO2007083370A1 - 有害物質を除去し得るエアコンディショナー用フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】外気及び室内空気に含まれるベンゾ[a]ピレン等の有害物質を有効に除去し得る上に、集塵効果が実質上損なわれる事がないという効果をも併せ持つフィルタの提供。【解決手段】外気を装置内部に取り入れると共に装置内部の空気を循環させる機構を備えたエアコンディショナーの空気通路に取り付けられるフィルタであって、不織布からなる単層シート又は不織布シートを含む積層体のフィルタ基材と、該フィルタ基材に保持された、ベンゾ[a]ピレン等の有害物質をインターカレーション捕捉し得るDNA微粒子とからなり、該微粒子DNAは、二重らせんDNAが必要によりバインダを介して担体の表面に付着された平均粒径50ないし2000μmの微粒子からなり、且つ、前記フィルタ基材の質量に基づいて0.05ないし20質量%含有されていることを特徴とする、エアコンディショナー用フィルタ。【選択図】なし

Description

本発明は、装置内部の空気を循環させる機構を備えたエアコンディショナー(以下、単にエアコンとも言う。)に取付けられるフィルタに関する。詳細には、室内又は車室内等の空気中のピレン等の有害物質を効果的に除去し得るエアコン用フィルタに関する。
近年、節電の面から、装置内部の空気を循環させる機構をも備えたエアコンが主流となっており、また、同様の循環機構を備えたカーエアコンが乗用車に備えられている。そしてこれらエアコンには、その空気通路において、空気中の粉塵を除去するためのフィルタが取付けられているのが普通である。
ところで最近、空気中に含まれるベンゾ[a]ピレン(BaP)等の有害物質の人体に対する影響が注目されるようになっている。そこで、エアコンにおいても、空気中に含まれる有害物質を効果的に除去し得るフィルタが取り付けられることが望まれる。かような有害物質を除去し得るフィルタとして、本出願人は、例えば二重らせんDNAをフィルタ繊維体に保持させてなる有害物質除去フィルタを提案した(特許文献1)。該有害物質除去フィルタは、二重らせんDNAが、例えば遊離の状態で、又は紫外線照射により、フィルタ基材に保持されたものであり、その有害物質の除去効果は実施例において支持されている。
国際公開第2004/091753号パンフレット
循環機構を備えたエアコンにおいては、外気の取り入れと同時に装置内部の空気が繰り返し循環するため、主に外気に含まれる有害物質は相対的に希釈され、フィルタを通過する空気の総量当りの有害物質の濃度は低いものとなる。従って、かような低濃度においても、フィルタの有害物質の除去性能が十分に発揮されるようにすることが求められる。さらに、フィルタには本来の機能である集塵効果が十分に確保されていることが必要である。これに対し、上記特許文献1に記載の有害物質除去フィルタは、主にタバコ用フィルタを念頭に置いて開発されたものであり、循環機構を備えたエアコンに適用し得るものを目指して開発されたものではない。従って、低濃度での有害物質の優れた除去効果及び高い集塵効果の両方を達成する、循環機構を備えたエアコン用フィルタを得るには更なる工夫と研究が必要とされた。
そこで本出願人は、有害物質のより効果的な除去を達成すべく、二重らせんDNAと空気との効率的な接触の態様を色々と考えた。その過程でまず、フィルタ基材を二重らせんDNA溶液に浸漬しその後乾燥させることにより作られたDNA材料が保持されたフィルタを考案した。このフィルタをエアコンに取り付けて用いたところ、有害物質の除去効果及び集塵効果に関して、DNA溶液が高濃度であるとき、所期の水準を一応満たすことが示された。またこのとき、フィルタの繊維径及びフィルタ基材の目付が特定の範囲内の数値を示すとき、フィルタとしての通気性が良好であることがまた見出された。しかしながら、DNA溶液の高濃度化には限界があり、つまり、上述の態様では有害物質の除去効果の向上に関して上限があり、その上限を超える性能、即ち有害物質の存在割合が大変低い条件下でも効果的な除去効果を達成する性能を得るべく、更なる改良が必要とされた。そこで、出願人は鋭意研究を重ねた結果、二重らせんDNAを担体に付着してなるDNA微粒子をフィルタ基材に保持させることにより、循環機構を備えたエアコンのフィルタにおいて有害物質の存在割合が大変低い条件下でも優れた有害物質の除去効果が発揮されることを見出し、本発明を完成したのである。
すなわち、本発明の第一の発明は、
外気を装置内部に取り入れると共に装置内部の空気を循環させる機構を備えたエアコンディショナーの空気通路に取り付けられるフィルタであって、
不織布からなる単層シート又は不織布シートを含む積層体のフィルタ基材と、
該フィルタ基材に保持された、ベンゾ[a]ピレン等の有害物質をインターカレーション捕捉し得るDNA微粒子とからなり、
該微粒子DNAは、二重らせんDNAが必要によりバインダを介して担体の表面に付着された平均粒径50ないし2000μmの微粒子からなり、且つ、前記フィルタ基材の質量に基づいて0.05ないし20質量%含有されている
ことを特徴とする、エアコンディショナー用フィルタに関する。
このうち好ましい態様は、前記DNA微粒子が保持された不織布繊維の径:X(μm)と、前記フィルタ基材の厚さ10mm当りの目付:Y(g/m2)とが、15000≦X・Y≦25000(但し、Xは55ないし2050である。)で表される条件を満たすことを特徴とする、第一の発明のエアコンディショナー用フィルタに関する。
本発明の第二の発明は、外気を装置内部に取り入れると共に装置内部の空気を循環させる機構を備えたエアコンディショナーの空気通路に取り付けられるフィルタであって、
不織布からなる単層シート又は積層体のフィルタ基材と、
該フィルタ基材に保持された、ベンゾ[a]ピレン等の有害物質をインターカレーション捕捉し得るDNA材料とからなり、
該DNA材料は、前記フィルタ基材を必要によりバインダを含む二重らせんDNAの溶液に接触させ続いて乾燥させることにより、該フィルタ基材に付着されており、且つ、前記フィルタ基材の質量に基づいて0.05ないし20質量%含有されていることを特徴とする、エアコンディショナー用フィルタに関する。
このうち好ましい態様は、前記DNA材料が保持された不織布繊維の径:X(μm)と、前記フィルタ基材の厚さ10mm当りの目付:Y(g/m2)とが、500≦X・Y≦1500(但し、Xは5ないし50である。)で表される条件を満たすことを特徴とする、第二の発明のエアコンディショナー用フィルタに関する。
また本発明は、とりわけ、室内エアコンディショナー又はカーエアコンディショナーに取り付けられる上記のフィルタに関する。
本発明によると、二重らせんDNAのインターカレーションにより、外気及び室内空気に含まれるベンゾ[a]ピレン等の有害物質を効率的に除去し得るという効果に関して、有害物質の存在割合が100ppm以下の低濃度である条件下において、効率的な除去を達成し得るという効果が得られる。それだけでなく、フィルタ本来の機能である集塵効果が実質上損なわれる事がないという効果をも併せ持つ。さらに、二重らせんDNAをDNA微粒子としてフィルタ基材に保持させてなる発明にあっては、有害物質の存在割合が10ppm以下であるときも、有害物質の除去効果がなお一層高められる。
大気中のベンゾ[a]ピレンを捕集するための、本発明のフィルタを有する装置を示す模式図である。
本発明において用いられるDNA微粒子は、二重らせんDNAを担体の表面に付着させて形成されるものであり、微粒子化により、二重らせんDNAが付着する部位の比表面積(フィルタの単位体積当り)の増加により、有害物質のより効果的な除去を達成するものである。DNA微粒子は、フィルタの通気性の面から、その平均粒径がおよそ50μmないしおよそ2000μmの範囲内のものから選択される。粒径が50μm未満であると、フィルタが目詰まりを起こし易くなり、粒径が2000μmを超えると、フィルタの通気性が低下するおそれがある。より好ましいDNA微粒子の大きさは、平均粒径300μmないし800μmの範囲内のものである。
本発明において好適に用いられる担体としては、二重らせんDNAが単独で又はバインダを介してその表面に付着し得る構造のものであれば、その材質及び形状は特に問われず、例えばポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、セルロース、澱粉、天然ゴム、ゼラチン、キチン、キトサン、アセテート等の合成高分子及び天然高分子、或いはシリカ、アルミナ、活性炭、珪藻土等の無機類等、トウモロコシ穂軸の微粉砕物及びこれらの混合体であり得、特に好ましく用いられる担体は、セルロースビーズ、又は、トウモロコシ穂軸の微粉砕物である。そしてDNA微粒子は、その二重らせんDNAの二重らせん構造がなるべく破壊されないように、例えば熱処理がなるべく穏やかな方法を用いてフィルタ基材に保持される。
DNA微粒子に用いられる担体には通常、必要に応じ、例えばフィルタの使用可能期間をより長期なものとするため、例えばポリエチレングリコール又はポリプロピレグリコールなどのポリグリコール類、グリセリンなどの三価アルコール類、ポリアクリル酸ナトリウム又はポリメタクリル酸ナトリウム等のポリ(メタ)アクリル系化合物又はその塩、メチルセルロース又はカルボキシメチルセルロース等のセルロース類及びその塩類などの他の水溶性高分子をバインダとして介することによって、二重らせんDNAがその表面に付着され得る。
DNA材料が保持されてなるフィルタは、フィルタ基材を二重らせんDNA溶液に単に接触させ、続いて乾燥させることによりフィルタの繊維表面に保持されるため、製造工程が簡便であるという利点を有する。DNA材料は、フィルタ基材に対して全体的に均質に保持されることが好ましいが、有害物質を含む空気の流通路になる部位において特に高濃度で保持されていても良い。フィルタ基材を二重らせんDNA溶液に接触させるのは、例えば、浸漬の他、塗布又は噴霧などすることにより行われ、そしてその後の乾燥は比較的穏やかな温度条件で行われる。二重らせんDNA溶液にはまた、DNA微粒子の場合と同様の理由によりバインダがさらに添加されていてもよい。本発明において用いられるバインダとしては、例えば上記バインダであって、特にDNAとフィルタ基材の両方に付着し得る水溶性のものが挙げられる。
本発明においては、DNA微粒子又はDNA材料としての保持のいずれの場合においても、二重らせんDNAがフィルタに所定量含有されていることが必要とされる。含有される二重らせんDNA量が少な過ぎると、有害物質の除去効果が不十分であり、逆に多過ぎると、経済的に好ましいとは言えない。この点から、含有される二重らせんDNA量は、用いられるフィルタ基材の質量に基づき、およそ0.05ないし20質量%の範囲内に定められる。より好ましい二重らせんDNAの含有量は、フィルタ基材に基づきおよそ0.5ないし15質量%の範囲内である。
フィルタ基材は通常、DNA微粒子及びDNA材料のどちらを保持させる場合においても、不織布を製造する方法を用いて製造され得る。このとき、フィルタ基材の製造工程の間において、DNA微粒子を混入しそして保持するという方法も採用することが出来る。本発明のフィルタはその機能上、集塵効果はもちろんのこと、同時に通気性が確保されていることがより望ましいため、DNA微粒子又はDNA材料が保持されたときのフィルタ基材は、その繊維間の空隙の大きさが、集塵効果及び通気性の確保を同時に満足し得るような範囲内に調節されていることがより好ましい。空隙が大き過ぎると、通気性は高まるが所定の集塵効果が得られにくく、逆に、空隙が小さ過ぎると、集塵効果は高まるが所定の通気性が得られにくい。出願人は、より適する不織布繊維の径及び目付を検討したところ、DNA微粒子が保持された場合には、該DNA微粒子が保持されたときの不織布繊維の径をX(μm)とし、用いられたフィルタ基材の厚さ10mmあたりの目付をY(g/m2)とすると、おおむね15000≦X・Y≦25000(但し、実用上、Xは55ないし2050μmの範囲内に設定される。)となる条件を満たし、また、DNA材料が保持された場合には、500≦X・Y≦1500(但し、実用上、Xは5ないし50μmの範囲内に設定される。)となる条件を満たすことが好ましいことを見出した。
このように本発明のフィルタは、空気中の有害物質が100ppm以下の低濃度において、該有害物質を効率的に除去し得る。またDNA微粒子が保持されたフィルタは、有害物質が10ppm以下のさらに低濃度であっても、該有害物質がなお一層効率的に除去され得る。さらにその上、本発明のフィルタは集塵効果を実質的に損なうことがないために、循環機構を備えたエアコンに対して好適に用いられ得る。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
実施例1
トウモロコシ穂軸の微粉砕物100gに対し、ポリエチレングリコール(PEG)400 20gを均一となるように含浸した後、微粉末状の二重らせんDNA1gを加えて撹拌し、続いておよそ40℃にて3時間乾燥して前記二重らせんDNAを前記微粉砕物の表面に付着させDNA微粒子を得た。該DNA微粒子の平均粒径はおよそ200μmであった。次に、ポリエステル製の不織布シート(繊維径:およそ10μm、厚さ10mm当りの目付:およそ100g/m2)をPEG400に浸漬した後に引き上げ、直ちに該不織布シートにDNA微粒子6gを全体的に均質となるように散布した。続いておよそ40℃にて3時間乾燥させてDNA微粒子を不織布シートに保持させ、本発明のフィルタを得た。電子顕微鏡によると、このときのフィルタの繊維径はおよそ210μmであった。
実施例2
トウモロコシ穂軸の微粉砕物100gに対し、ポリエチレングリコール400 20gを均一となるように含浸した後、微粉末状の二重らせんDNA0.5gを加えて撹拌し、続いておよそ40℃にて3時間乾燥して前記二重らせんDNAを前記微粉砕物の表面に付着させDNA微粒子を得た。該DNA微粒子の平均粒径はおよそ60μmであった。次に、ポリアミド製の不織布シート(繊維径:およそ5μm、厚さ10mm当りの目付:およそ300g/m2)に対し、0.5gのDNA微粒子を均質に混入して保持させ、本発明のフィルタを得た。電子顕微鏡によると、このときのフィルタの繊維径はおよそ65μmであった。
実施例3
酢酸セルロースビーズ100gに対し、微粉末状の二重らせんDNA1gを加えてよく撹拌し、酢酸セルロースビーズ表面に形成された多数の襞の間に二重らせんDNAを付着させDNA微粒子を得た。該DNA微粒子の平均粒径はおよそ1800μmであった。次に、ポリエステル製の不織布シート(繊維径:およそ50μm、厚さ10mm当りの目付:およそ13g/m2)をポリメタクリル酸ナトリウム溶液(ポリメタクリル酸ナトリウム分子量:およそ20000、溶液の固形分:およそ10質量%)に浸漬した後に引き上げ、直ちに該不織布シートに対してDNA微粒子1.5gを全体的に均質となるように散布した。続いておよそ40℃にて3時間乾燥させてDNA微粒子を不織布シートに保持させ、本発明のフィルタを得た。電子顕微鏡によると、このときのフィルタの繊維径はおよそ1850μmであった。
実施例4
粉末状の二重らせんDNAを脱イオン水に溶解し、10質量%濃度の二重らせんDNA溶液を調製した。該溶液中にポリエステル製の不織布シート(厚さ10mm当りの目付:およそ50g/m2)を含浸した後、該液から引上げ、さらにその後該シートを40℃にておよそ3時間乾燥させて二重らせんDNAをシートに保持させ(保持された二重らせんDNA:シートの質量に基づきおよそ5%)、本発明のフィルタを得た。電子顕微鏡によると、このときのフィルタの繊維径はおよそ10μmであった。
比較例1
屋内用エアコンに用いられるフィルタ(繊維径:およそ10μm;厚さ10mmあたりの目付:およそ200g/m2)をそのまま比較例1として用いた。
比較例2〜4
フィルタの各構成を下記表1に示した数値に変更した他は、実施例1と同様の方法により、比較例2〜4のフィルタをそれぞれ製造した。
Figure 2007083370
試験例1:大気中のベンゾ[a]ピレンの除去効果の測定
本試験は、上記実施例1ないし4の本発明のフィルタと、比較例1ないし4のフィルタとの間で、大気中の有害物質の除去効果について対比試験を行ったものである。
(試験方法)
図1に示すような、空気の導入口(図中の矢印)から順に、実施例1のフィルタ1、ガラス繊維フィルタ2、樹脂カラム3、及び定流量ミニポンプ4からなる試験装置Iを組立てた。なお、ガラス繊維フィルタ2は、フィルタ1を通過したベンゾ[a]ピレンを捕集するためのものであり、樹脂カラム3は、ガラス繊維フィルタ2をさらに通過したベンゾ[a]ピレンを捕集するためのものである。
上記の試験装置Iを、東京都S区のある交差点にそれぞれ設置し、定流量ミニポンプ0を作動して1.0L/分の流量で27.5時間大気を吸引させた。試験終了後、試験装置Iから、実施例1のフィルタ、並びにガラス繊維フィルタ2を取り外してアルミホイルで包み、さらにポリエチレン製の袋で密封し、分析直前まで−80℃で保存した。
(ベンゾ[a]ピレンの分析方法)
試験装置Iのガラス繊維フィルタ2を取出し、そしてハサミで細断し、スクリューキャップ試験管に入れた後、ホールピペットを用い、抽出溶媒として5.00mLのジクロロメタンを加え、密栓した。この試験管を超音波で10分間処理した後、気泡を取り除き、さらに10分間超音波処理してベンゾ[a]ピレンを抽出した。この抽出液を、4℃、3000rpmで10分間遠心分離し、その上澄液4mLを別の試験管に移し、PAH揮散防止剤としてDMSOを70μL加え、ドライサーモユニット中で窒素ガスを吹付けることによりジクロロメタンを除去した。このようにして得られた抽出物に930μLのアセトニトリルを加えて試料液とし、HPLCによる分離分析に供した。その条件は下記のとおりである。

カラム:4.6φ×100mm
Chromolith Performance RP−18e
予備カラム:4.6φ×10mm Eclipse XDB−C18
カラム温度:40℃
検出器:分光蛍光計
流速:1.0mL/分
移動相:水25%及びアセトニトリル75%
励起波長(nm):290
発光波長(nm):430

次に、実施例1のフィルタを取出し、抽出溶媒としてジクロロメタンの代わりにメタノールを用いた他は、上記ガラス繊維フィルタと同様の操作を行って試料溶液とし、下記条件におけるHPLCによる分離分析に供した。なお、試験装置Iの樹脂カラムからは、ベンゾ[a]ピレンは検出されなかった。試料のHPLC分析は3回ずつ行い、それらの平均値を結果とした。
また、実施例2〜4、比較例1〜4のフィルタについても、試験装置Iのフィルタ1をそれぞれのフィルタに替えて、実施例1のフィルタと場合と同様に試験を行った。結果を表2に示す。なお、表2中のBaP除去率(%)とは、試験装置Iに取込まれたベンゾ[a]ピレン量、すなわちフィルタ1(実施例1〜4、比較例1〜4のそれぞれのフィルタ)とガラス繊維フィルタに捕集されたベンゾ[a]ピレンの合計量に対する、フィルタ1に捕集されたベンゾ[a]ピレン量の割合を示す。
試験例2:集塵効率及び圧力損失の測定
本試験は、上記実施例1〜4の本発明のフィルタと、比較例1〜4のフィルタとの間で、集塵効率について対比試験を行い、フィルタの粉塵の除去効率を測定したものである。
(試験方法)
集塵効率:実施例1〜4、比較例1〜4のフィルタを風洞にセットし、ファンにより風速を与え、風速3m/秒におけるフィルタの上流、下流の1μm以上の大気塵の粉塵濃度をパーティクルカウンターにてそれぞれ測定し、次式
(上流の粉塵濃度−下流の粉塵濃度)/上流の粉塵濃度×100(%)
を用いて算出し、集塵効率とした。上記集塵効率試験は、それぞれ3回ずつ行い、その平均値を結果とした。
圧力損失:実施例1〜4、比較例1〜4のフィルタをそれぞれ風洞にセットし、ファンにより風速を与え、風速3m/秒におけるそれぞれのフィルタの上流と下流の圧力差を圧力損失計にて測定した。上記集塵効率及び圧力損失試験は、それぞれ3回ずつ行い、その平均値を結果をした。その結果を表2に示す。
(結果と考察)
Figure 2007083370
表2の結果より、二重らせんDNAを含有しない比較例1のフィルタは、BaP除去率が16.9%と非常に低く、循環機構を備えたエアコン用のフィルタとして用いることは難しいことが判る。
比較例2及び比較例3は、実施例2のフィルタにおいて、二重らせんDNA含量及びDNA微粒子の使用量を変えずに、DNA微粒子の大きさを平均粒径200μmのものから3000μm及び10μmのものにそれぞれ変更した態様であるが、11.6mmAq及び12.5mmAqという高い圧力損失結果から、比較例2及び比較例3のフィルタは目詰まりを引き起こして通気性を損なったと考えられる。
比較例4は、実施例1のフィルタにおいて、その二重らせんDNA含量を0.01%にまで減量した態様である。その結果、BaP除去率が、二重らせんDNAを含まない比較例1とほとんど変わらない17.6%まで著しく低下し、この二重らせんDNA含量では、BaP除去効果が殆ど期待出来ないものであると判る。
一方、上記比較例1ないし4のフィルタに対して、実施例1ないし4のフィルタは、BaP除去率が高く、及び集塵効率並びに通気性が十分に確保された結果となった。さらに、大気中のBaP濃度と各フィルタのBaP捕集量及び除去率から計算すると、実施例4のフィルタは、BaP濃度がおよそ100ppm以下であっても、比較例1〜4よりも優れた除去効果を有することが判った。また実施例1〜3においては、BaP濃度がおよそ10ppm以下というより低濃度であっても、さらに一層優れた除去効果を発揮したことが判った。
符号の説明
1 本発明のフィルタ 2 ガラス繊維フィルタ 3 樹脂カラム 4 定流量ミニポンプ

Claims (6)

  1. 外気を装置内部に取り入れると共に装置内部の空気を循環させる機構を備えたエアコンディショナーの空気通路に取り付けられるフィルタであって、
    不織布からなる単層シート又は不織布シートを含む積層体のフィルタ基材と、
    該フィルタ基材に保持された、ベンゾ[a]ピレン等の有害物質をインターカレーション捕捉し得るDNA微粒子とからなり、
    該微粒子DNAは、二重らせんDNAが必要によりバインダを介して担体の表面に付着された平均粒径50ないし2000μmの微粒子からなり、且つ、前記フィルタ基材の質量に基づいて0.05ないし20質量%含有されている
    ことを特徴とする、エアコンディショナー用フィルタ。
  2. 前記DNA微粒子が保持された不織布繊維の径:X(μm)と、前記フィルタ基材の厚さ10mm当りの目付:Y(g/m2)とが、15000≦X・Y≦25000(但し、Xは55ないし2050である。)で表される条件を満たすことを特徴とする、請求項1に記載のエアコンディショナー用フィルタ。
  3. 外気を装置内部に取り入れると共に装置内部の空気を循環させる機構を備えたエアコンディショナーの空気通路に取り付けられるフィルタであって、
    不織布からなる単層シート又は積層体のフィルタ基材と、
    該フィルタ基材に保持された、ベンゾ[a]ピレン等の有害物質をインターカレーション捕捉し得るDNA材料とからなり、
    該DNA材料は、前記フィルタ基材を必要によりバインダを含む二重らせんDNAの溶液に接触させ続いて乾燥させることにより、該フィルタ基材に付着されており、且つ、前記フィルタ基材の質量に基づいて0.05ないし20質量%含有されていることを特徴とする、エアコンディショナー用フィルタ。
  4. 前記DNA材料が保持された不織布繊維の径:X(μm)と、前記フィルタ基材の厚さ10mm当りの目付:Y(g/m2)とが、500≦X・Y≦1500(但し、Xは5ないし50である。)で表される条件を満たすことを特徴とする、請求項3に記載のエアコンディショナー用フィルタ。
  5. 室内エアコンディショナーに取り付けられる請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載のフィルタ。
  6. カーエアコンディショナーに取り付けられる請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載のフィルタ。

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