JPWO2007080634A1 - 侵入物検知システム、侵入物検出方法及び不具合検出方法 - Google Patents

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Abstract

漏洩ケーブル及びその関連機器に発生した不具合によって、受信機での受信信号が変動した場合に、侵入物として誤検知することなく、障害であると判断し、また、障害のある位置を割り出す方法を提供することを目的として、送信信号の送出時刻から受信信号の受信時刻までの遅延時間と、電波放射手段201及び電波受信手段301における受信信号の伝送の経由位置による伝送経路の距離との対応付けによって、電波放射手段201及び電波受信手段301の給電端からの距離対して受信信号を対応付けたレンジビンのうち、遠端に対応するレンジビンについて、送信信号に比べての受信信号の振幅の減少幅が所定の比率を超えていれば、電波放射手段201又は電波受信手段301のいずれかに不具合があると判定するようにした。

Description

この発明は、漏洩同軸ケーブルなどの電波放射ケーブルの周辺に発生させた電界の変動を観測することで、電波放射ケーブルの周囲に接近又は通過する侵入物を検知するときに、電波放射ケーブルに障害が発生した場合でも、この障害による誤動作を防ぎ、障害が発生したことを検出できるようにした侵入物検知システムに関するものである。
漏洩同軸ケーブル等のケーブル状の電波放射手段(以下、漏洩ケーブルと呼ぶ)を用いる侵入検知システムは、次のような原理に基づく。
例えば、漏洩ケーブルを敷地の外周を覆う様に配置すれば、敷地の周辺が監視エリアとなる。そして、漏洩ケーブルの周辺に電界を発生しておけば、侵入物が敷地を越えようとすれば、漏洩ケーブルによって形成された電界領域を横切ることになり、侵入物によって電界変動が生じる。この電界変動を捉えると共に電界変動が発生した位置を検出することで、侵入位置を割り出すことができる。
電界変動による侵入物の検出は、例えば、次のように構成される。
送信用の漏洩ケーブルの一方の端点を給電端として、この給電端からパルス波からなる信号を入力して漏洩ケーブルから電波として放射する。この送信用の漏洩ケーブルと一定間隔の間を開けて、受信用の漏洩ケーブルが配置されて、送信用の漏洩ケーブルから放射された電波を受信する。受信用の漏洩ケーブルは、送信用の漏洩ケーブルの給電端と同じ側の端点に受信機が接続されている。この受信機で、受信用の漏洩ケーブルが受信した電波の信号を受信する。
漏洩ケーブルの給電端に近い位置で放射、受信される電波を介する信号は早く受信機に到達し、給電端から離れて終端に近い位置を経由する信号ほど遅れて受信機に到達する。つまり、受信機に入力された受信信号であるパルス波は、送信したものに比べて時間的に引き伸ばされた波形となる。
この時間的に引き伸ばされた受信信号のエンベロープを観測すると、侵入があった場合、侵入場所に対応した部分のエンベロープが振幅変動する。この振幅変動から侵入物の存在を検知し、エンベロープの変化した場所から侵入位置を割り出すものである(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−95338号公報
従来の侵入検知システムは、以上のように構成されていたので、受信機での受信信号の変化を観測して、変化があれば侵入物と判別するが、受信機での受信信号の変化が何に起因するのかは問題としていない。侵入物以外にも受信機での受信信号を変動させる要因があるが、従来の侵入検知システムでは侵入物以外の要因による受信機での受信信号の変動でも侵入物と判別してしまう問題がある。
侵入物以外の受信信号の変動要因としては、漏洩ケーブルの導体の損傷がある。
漏洩ケーブルの導体に損傷がある場合、損傷個所で信号の反射があり、通過した信号の強度は減少する。つまり、信号が変化する。損傷箇所が、送信側であっても、受信側であっても、結局、信号強度の変化は最終的な受信機での受信信号の変化となる。そのため、損傷によって受信機での受信信号は変化し、この受信機での受信信号の変化は侵入物として判別される。つまり、漏洩ケーブルの導体の損傷は、侵入物として判別されることになる。
他の侵入物以外の受信信号の変動要因としては、スロットの損傷がある。
漏洩同軸ケーブルなどのケーブル状の電波放射手段及びケーブル状の電波受信手段には、スロットと呼ばれる導体シールド上に形成された切り込みが存在する。漏洩導波管であっても、同様な切り込みが存在する。このスロットが損傷し、例えば切り込みが広がった場合、送信又は受信性能に影響がでる。そのため、送信レベル又は受信レベルが変化する。この場合でも、結局受信機での受信信号が変化するため、侵入物として判別される問題がある。
また、漏洩ケーブルの周囲の環境の変化によっても、受信機での受信信号が変動することがあり、受信機での受信信号の振幅の低下だけで損傷を判別する場合に、問題が発生することがある。
例えば、降雨などにより地面や壁の反射率が変化してマルチパスの環境が変化した場合、場合によっては直接波と反射波の位相関係で信号が打ち消しあい、受信機での受信信号の振幅が部分的に減少する場合がある。この場合、受信機での受信信号の振幅の低下だけで損傷を判別すると誤判定の原因となる。
また、漏洩ケーブルの終端には、不要な電波の反射を抑える終端器を接続する場合がある。何らかの原因、例えば経年変化などで、終端抵抗が変化した場合も、結局、受信機での受信信号が変化する。その為、終端器の故障が原因でも侵入物として判別される問題がある。
以上のように、従来の侵入検知システムでは漏洩ケーブルやそれに接続される終端器に損傷が発生した場合や、周囲の環境が変化した場合に、これを侵入物として誤って判別する問題があった。
また、当然ながら、送受信端から見てどの位置で損傷があったかを検出することは出来ない。さらに、損傷が送信側か受信側なのかを判別することはできない。
本発明は、漏洩ケーブル又はこの漏洩ケーブルに接続される終端器に発生した損傷、破断、亀裂、又は漏洩ケーブルの周囲の環境の変化によって、受信機での受信信号が変動した場合に、侵入物として誤検知することなく、障害であると判断する方法を提供する。また、障害のある位置を割り出す方法を提供することを目的とする。
ケーブル状の電波放射手段の一端を給電端として他方の端を遠端として、スペクトル拡散信号を重畳した送信信号を前記給電端より注入して電波として放射して、この電波を電波放射手段と略平行に配置したケーブル状の電波受信手段で受信して、電波受信手段の給電端側の端で受信信号を受信するようにして、送信信号の送出時刻から受信信号の受信時刻までの遅延時間と、電波放射手段及び電波受信手段における受信信号の伝送の経由位置による伝送経路の距離との対応付けによって、電波放射手段及び電波受信手段の給電端からの距離に対応付けたレンジビンについて、送信信号のスペクトル拡散信号の符号系列と、受信信号から抽出したスペクトル拡散信号の符号系列とを照合して各レンジビンの受信信号を決定して、遠端に対応するレンジビンについて、送信信号に比べての受信信号の振幅の減少幅が所定の比率を超えていれば、電波放射手段又は電波受信手段のいずれかに不具合があると判定するようにした。
また、それぞれのレンジビンについて送信信号に比べての受信信号の振幅の減少幅を判定して、減少幅が所定の比率を超えているレンジビンのうち、給電端にもっとも近い位置に対応するレンジビンを検出して、電波放射手段又は電波受信手段のいずれかの当該レンジビンに対応する位置に不具合があると判定することを特徴とする不具合検出方法。
侵入物を検知できると共に、漏洩ケーブルの障害を検知できる。これにより、侵入物だけでなく、ケーブルの破損による電界電動を検出できるようになり、ケーブルの損傷による電界変動を侵入物と誤検知することを防ぐことが可能となる。また、不具合の有無だけではなく、位置も検出できるようになる。
実施の形態1.
図1に、本発明の実施の形態1の装置の構成を説明するブロック図を示す。
センサー100の信号発生手段110から出力した信号は、漏洩ケーブル201から電波として放射されて、漏洩ケーブル301で受信される。受信した信号をセンサー100の信号受信手段120で受信して、信号復調手段である相関器130で復調して結果をメモリー140に書き込む。書き込まれた結果をCPU150上で実行されるソフトウェアで解析することで、侵入検知及び漏洩ケーブル201又は漏洩ケーブル301の不具合検出を行う。
信号発生手段110は、PN符号発生器111、発振器112、変調器113及び増幅器114からなる。
PN符号発生器111はCPU150の命令に従い、PLL発振器160の出力クロックを基準に所定のPN符号を発生する。なお、PN符号とはスペクトル拡散通信で通常用いる、M系列、GOLD系列等の擬似拡散符号である。PLL発振器160は基準クロック170の出力を基準に所定の周波数のクロックを出力する。PN符号発生器111の出力は変調器113に入力される。変調器113では基準クロック170の出力を基準に動作する発振器112の出力を搬送波としてPN符号発生器111の出力を位相変調し、増幅器114に出力する。増幅器114の出力は同軸ケーブル202を通って漏洩ケーブル201に入力される。
漏洩ケーブル201は、「ケーブル状の電波送信手段」であって、例えば漏洩同軸ケーブル(LCX)を利用してもよい。同軸ケーブル202から漏洩ケーブル201に入力された信号は、この漏洩ケーブル201から空間中に電波として放射される。漏洩ケーブル201のセンサー100とは反対側の端(以下遠端と呼ぶ)には終端器203が接続されて、送信されなかった信号を吸収する。
漏洩ケーブル201から送信した電波は漏洩ケーブル301で受信される。漏洩ケーブル301は漏洩ケーブル201と同様の「ケーブル状の電波受信手段」である。漏洩ケーブル301は、一般的には漏洩ケーブル201とほぼ平行に配置するが、完全に平行にする必要はなく、部分的に相互の間隔が広がったり、狭くなったりしてもよい。漏洩ケーブル301のセンサー100にとは反対側の端、すなわち遠端には終端器303が接続されて、漏洩ケーブル301が受信した信号の内の、終端器303に向かって伝搬する信号を吸収する。漏洩ケーブル301が受信した信号の内のセンサー100側に向かって伝播する信号は、同軸ケーブル302を通って、信号受信手段120に入力される。
信号受信手段120は、次に説明するフィルタ121から直交復調器127までの要素で構成される。
フィルタ121は、同軸ケーブル302を通って入力される信号から、漏洩ケーブル201が放射する電波のスペクトルとは異なる、不要なスペクトルの信号を除去して、増幅器122に入力する。増幅器122は、入力された信号を所定のレベルまで増幅して、乗算器123に入力する。
乗算器123は、発振器124の出力を局部信号として、増幅器122の出力をミキシングして、必要な周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタ(以下BPFと呼ぶ)125を介してA/D変換器126に出力する。A/D変換器126は入力された信号を、デジタル信号に変換して直交復調器127に出力する。直交復調器127は、ダイレクト・デジタル・シンセサイザ(以下DDSと呼ぶ)128の出力を基にして、A/D変換器126の出力を直交検波する。
ここで、直交検波とはI/Q検波とも呼ばれるものであって、基準信号、ここではDDS128の出力に対して、A/D変換器126からの入力信号のIn−Phase成分(以下I成分と呼ぶ)と、Quadrature成分(以下Q成分と呼ぶ)とに分けるものである。直交検波によって、搬送波が除去されて、ベースバンド成分が出力される。
なお、直交復調器127の出力段には低域通過フィルタ(LPF)が入っており、高周波帯の成分は除去されて、必要な低周波帯(ベースバンド成分)のみが出力されるように構成されている。
また、発振器124は基準クロック170の出力を基準に動作し、A/D変換器126及びDDS128はPLL発振器180の出力するクロックを基に動作する。また、PLL発振器180は基準クロック170を基準に所定の周波数のクロックを出力する。
信号受信手段120の直交復調器127の出力は、信号復調手段である相関器130に入力される。相関器130は、直交検波により得られた、受信信号のI成分とQ成分を検出するもので、PN符号発生器131、相関積分器132及び相関積分器133で構成される。
PN符号発生器131は、信号発生手段110のPN符号発生器111と同一のPN符号系列を発生する。ただし、PN符号発生器131は、CPU150の命令に従って、所定の符号位相でPN符号を発生する機能がある。
符号位相とは、PN符号系列のスタートビットである。例えば、使用するPN符号長がLチップであって、これをPN(0)、PN(1)、・・・、PN(L−1)と表した場合、PN符号発生器111がPN(0)、PN(1)、PN(2)、・・・、PN(L−1)、PN(0)、・・・と出力しているときに、PN符号発生器131がPN(L−1)、PN(0)、PN(1)、・・・、PN(L−2)、PN(L−1)、・・・という、PN符号発生器111の出力に対して、1単位前にずれたPN符号系列を出力すれば、符号位相は−1ということになる。
なお、所定の符号位相でPN符号系列を発生させる動作は、PN符号系列がメモリー等に蓄積されているときには、読み出すアドレスの初期値を調整することで簡単に実現できる。また、一般的なPN符号の生成方法である、帰還タップの付いたシフトレジスタを利用するときは、シフトレジスタの初期値を変更すれば良い。
PN符号発生器131の出力は、相関積分器132及び相関積分器133に入力される。また、信号受信手段120の直交復調器127の出力のうち、I成分は相関積分器132へ、Q成分は相関積分器133に入力される。
相関積分器132は、PN符号発生器131の出力と、直交復調器127のI成分の出力とを乗算して、その乗算結果をあらかじめ指定した期間だけ積分して出力する。この積分期間はPN符号の1周期を単位として、その整数倍の値とする。
相関積分器133は、PN符号発生器131の出力と、直交復調器127のQ成分の出力とを乗算して、その乗算結果を、相関積分器132が積分する同じ期間だけ積分して出力する。
この乗算と積分によりスペクトル逆拡散が実行される。相関積分器132と相関積分器133とは、逆拡散された信号のI成分とQ成分とをそれぞれ出力する。
PN符号は、符号位相が0のとき、すなわち位相にずれが無いときは相関値が非常に大きくなる。一方、符号位相が0以外のとき、すなわち位相がずれたときは、相関値は非常に小さな値となる。位相がずれたときにどの程度小さな相関値となるかは、PN符号系列の内容やその符号長によって異なるが、符合長を十分長くすれば演算処理上の問題とならない程度に小さくすることができる。
信号送信手段110から信号受信手段120への信号伝送の経路において、漏洩ケーブル201から放射されて漏洩ケーブル301で受信される位置の違いによって、信号の伝搬距離に相違があり、信号の伝搬に遅延が発生する。前述のPN符号系列の符号位相の相違は、主としてこの伝搬遅延時間により変化する。
そこで、本発明では、信号の送信から受信までの伝搬時間を基準に受信信号を分割したレンジビンを用いる。センサー100の内部の回路での信号の伝搬遅延、漏洩ケーブル201及び漏洩ケーブル301での信号の伝搬速度及び空間中の電波の伝搬速度はあらかじめわかるため、伝送遅延時間は漏洩ケーブル201及び漏洩ケーブル301での位置に変換できる。したがって、各レンジビンは漏洩ケーブルの各位置と対応付けができる。
つまり、PN符号発生器131の符号位相によって、任意の伝搬遅延時間のI成分及びQ成分を得ることができる。このことから、各相関器130は、その相関器130で使用するPN符号の発生の初期値に対応する一つのレンジビンの値を出力することになる。相関器130を多数用意して、それぞれ連続的に異なる符号位相を与えれば、漏洩ケーブル201のすべての位置を経由して受信される信号をカバーできる。
各相関器130の出力は、対応するレンジビンのI成分及びQ成分である。これらI成分及びQ成分から二乗和の平方根をとれば振幅が、逆正接をとれば位相が、それぞれ得られる。
各レンジビンに対応する相関器130の出力は直交検波結果141として、メモリー140に記憶される。つまり、メモリー140には、すべてのレンジビンに対応するI成分及びQ成分が蓄積される。
図2に示したように、CPU150で動作する侵入物判別手段151は、直交検波結果141、すなわちI成分及びQ成分を参照して、侵入物情報142を出力するが、その処理は次のような動作により行う。
侵入物判別手段151は、各レンジビンのI成分及びQ成分から二乗和の平方根をとって振幅を、また、逆正接をとって位相を得るが、得られた振幅や位相の変化を監視して、各レンジビンに対応する伝送遅延時間で受信される信号に侵入物による変動が存在するかどうかを検知する。侵入物による変動は、各レンジビンに対応する信号の振幅や位相が、実験などの方法によってあらかじめ定めた変化量よりも大きな変化を示したことで判断する。
各レンジビンについて、侵入物による変動があると判断したときは、そのレンジビンに関する情報をメモリー140に書き込む。
侵入物の検知結果は表示装置400に表示される。
以上説明した侵入物検知の動作を、図3を用いて説明する。図3は侵入物500が、この発明の侵入物検知システムの検知範囲に侵入した状態を示している。また、図3に示した漏洩ケーブル201及び漏洩ケーブル301の下に、各位置に対応するレンジビンのI成分とQ成分の値をそれぞれグラフとして示している。
横軸は距離を示し、縦軸はI成分の大きさとQ成分の大きさとをそれぞれ示している。グラフ中の丸印611及び丸印612は、侵入物500がいる状態での、侵入物500の位置に対応するレンジビンのI成分の値とQ成分の値とをそれぞれ示している。一方、丸印621と丸印622とは、侵入物500がいない状態での、当該レンジビンのI成分の値とQ成分の値とをそれぞれ示している。
図示したように、侵入物があったときは、侵入位置に対応したレンジビンのI成分とQ成分が変動するため、この変動量をあらかじめ定めた閾値を用いて判定することにより侵入物の有無の検知とその侵入物の位置検知が可能となる。
次に、漏洩ケーブルの損傷などによる侵入物以外の原因による受信信号の変化を判別する動作を説明する。
図2に示したように、不具合検出手段152は、I成分及びQ成分を入力として、破断などの不具合の有無を示す不具合生む情報を出力する。
不具合検出手段152の動作は、メモリー140に蓄積されたI成分及びQ成分を用いて、漏洩ケーブルの破断などの不具合により、不具合のあった地点で信号が反射してしまうことによる受信信号の変化をCPU150で動作する不具合検出手段152で抽出するものである。
漏洩ケーブルの破断について、破断が漏洩ケーブル201に生じた場合は、破断点から終端側に向かって信号レベルが減少する。一方、漏洩ケーブル301に破断が生じた場合は、破断点から終端器の間で受信した信号について、センサー100に伝わる信号レベルが減少する。そのため、破断点から遠方の位置に対応するレンジビンのI成分とQ成分が極端に小さくなる。
不具合検出手段152は、遠端の位置に対応するレンジビンについて、I成分及びQ成分から振幅を算出して、求めた振幅があらかじめ実験により定めた閾値を下回っていた場合に、メモリー140の不具合有無情報143を更新して、不具合を検知したという情報を書き込む。
なお、漏洩ケーブルの破断などの不具合による反射による受信信号の振幅の低下は、侵入物による受信信号の振幅の低下に比べて大きな変動となるので、以上のように遠端の位置に対応するレンジビンについてのみ判定することで破断など不具合を検知できる。また、閾値についても進入物の検知に用いるものに比べて大きな値となる。
不具合検出手段152の動作例を、図4のフローチャートに示す。
始めにブロック711で、レンジビンの読み出し位置を漏洩ケーブルの終端に相当する値にセットする。以下、レンジビンは断りの無い限り、0番目が漏洩ケーブルの始点に位置し、数が増える毎に順に遠方を観測するように配列されていることとする。
次にブロック712で、現在読み出し位置に設定してあるレンジビンから振幅を読み出す。このとき、実動作としてはメモリー140から該当するデータを読み出すことになる。
次にブロック713で判定し、読み出した振幅が閾値を下回っていればブロック714へ、閾値を越えていればブロック715へ移る。ここで、閾値はあらかじめ実験により求めておく。
ブロック714では、不具合なしと判定し、ブロック715では、不具合ありと判定する。
不具合は破断点に相当するレンジビンより後ろのレンジビンに影響がでるため、不具合が発生している範囲の最も送信側に近いレンジビンに相当する位置が破断点である。このレンジビン番号を調べれば、レンジビン番号から距離が算出できる。
この原理に基づき、図2に示したように、不具合範囲計測手段153は、I成分及びQ成分に基づいて、さらに不具合が発生している範囲を調べて、ケーブル破断点情報として出力する。
図5のフローチャートを用いて、不具合範囲計測手段153の動作フローを説明する。
始めにブロック721でレンジビンの読み出し位置を漏洩ケーブルの終端に相当する値にセットする。レンジビンは断りの無い限り、0番目が漏洩ケーブルの始点に位置し、数が増える毎に順に遠方を観測するように配列されていることとする。
次にブロック722で、現在読み出し位置に設定してあるレンジビンから振幅を読み出す。
次にブロック723で判定し、読み出した振幅が閾値を下回っていればブロック724へ、閾値を越えていればブロック725へ移る。
ブロック724では、レンジビンの読み出し位置を1減らしてブロック722へ移る。つまり、不具合範囲の境界に到達していないものとして処理を継続する。
ブロック725では、不具合範囲の境界が判明したので、現在のレンジビンの位置を不具合位置として処理を終了する。
以上のように、不具合範囲計測手段153の動作は漏洩ケーブルの遠端から振幅レベルを検査し、正常な振幅レベルになったところでそのレンジビン番号をメモリー140に出力して終わる。つまり、ケーブルの破断点と疑われるレンジビン番号をメモリー140に出力する。
次に、破断検知手段154について説明する。
不具合判別手段152及び不具合範囲計測手段153は、信号が著しく減少する現象を利用してケーブルの破断を検出するが、破断検知手段154は、別の現象を利用してケーブル破断を検出し検出確度を強化する。
破断検知手段154は、不具合範囲計測手段153が判定した不具合位置情報144を利用するもので、図2に示したように、直交検波結果141及び不具合位置情報144を参照して破断有無情報を出力する。
漏洩ケーブルが破断した場合、破断点で信号は反射する。そして破断点が漏洩ケーブル201上であった場合、反射した信号が漏洩ケーブル201から電波として放射されて、この電波が漏洩ケーブル301で受信されセンサー100に入力される。また、破断点が漏洩ケーブル301上であった場合、漏洩ケーブル201から放射されて漏洩ケーブル301で受信した信号の内、遠端に向けて伝搬する信号が破断点で反射してセンサー100に入力される。
この状況を、図6により説明する。図5上段の2組の漏洩ケーブルのうち、上段は漏洩ケーブル201に破断点211がある場合を示し、下段は漏洩ケーブル301に破断点311が有る場合を示している。いずれの場合にも、漏洩ケーブルが破断することで、破断点より遠方のレンジビン631及びレンジビン632の値は極端に値が小さくなる。
一方、先に説明した破断点での反射信号がここに加わる。信号パス212は漏洩ケーブル201上に生じた破断点によって反射した信号のパスで、信号パス312は漏洩ケーブル301上に生じた破断点によって反射した信号のパスである。これらの信号パス212及び信号パス312の成分はレンジビン641及びレンジビン642の位置にそれぞれ現れて、ちょうど破断点に相当するレンジビンの振幅が上昇する。
このように、レンジビンの振幅が上昇して、その地点より遠方のレンジビンの振幅が極端に小さくなったことを、あらかじめ定めた閾値によって判定することにより、より的確にケーブル破断を検知できる。
図7のフローチャートにより、破断検知手段154の動作フローを説明する。
始めに、不具合範囲計測手段153が判定した不具合位置情報144で示されるレンジビン番号を用いてスタートする。ブロック731ではこのレンジビン番号を所定の値だけ小さい値に変更する。この所定の値は、レンジビンの分解能に依存して決定する。十分な分解能があるときは、この値を1とする。
次にブロック732で、変更したレンジビン番号の振幅をメモリー140から読み出したI成分及びQ成分から算出する。
次にブロック733で閾値判定を行い、あらかじめ定めた閾値を越えていればブロック734へ、越えていなければブロック735へ移る。
ブロック734では破断ありと判定して終了し、ブロック735では破断なしと判定して終了する。破断検知手段154が破断ありと判定した場合は、不具合検知手段152の不具合ありとの判定結果をより裏付けるものである。
次に、ケーブルの亀裂や変形で生じる異常を検知する亀裂検出手段155について説明する。図3に示したように、亀裂検出手段155は、直交検波結果141のI成分及びQ成分を参照して、亀裂有無情報を出力する。
漏洩ケーブルに亀裂がある場合、亀裂部分が漏洩ケーブルの伸縮や振動によって接触したり離れたりする。接触したときと離れたときとでは、ケーブルの特性インピーダンスが異なるため、この状態が繰り返されることにより、特性インピーダンスが常に変化する。また、亀裂が進行したことによっても、特性インピーダンスが変化する。
そして、漏洩ケーブルの途中に特性インピーダンスの異なる点があると、その位置で信号の反射が発生すると共に、伝搬量(透過量)も変化する。
亀裂が漏洩ケーブル201上にあった場合、亀裂点より遠方では放射される電波の振幅や位相が変化する。また、亀裂が漏洩ケーブル301上にあった場合、亀裂点より遠方で受信された信号の振幅と位相が変化する。すると、その位置に相当するレンジビンのI成分及びQ成分も変化する。本発明によらない従来の装置では、亀裂による受信信号の変動を侵入物と誤判定してしまう。
そのため、本発明では各レンジビンのI成分とQ成分の時間変化の軌跡を追う。亀裂の構造が単純で、漏洩ケーブルの特性インピーダンスが二種類の値の間で変化した場合、亀裂のある位置に対応するレンジビンのI成分及びQ成分も、2つの値の間を往復するように変化する。また、伸縮又は振動が加わって、特性インピーダンスの変化が多少複雑になった場合でも、多くの場合においては、I成分及びQ成分は高々数点の値の間を行き来する。ここで、亀裂における漏洩ケーブルの接触と離脱は瞬間的に起こるため、I成分及びQ成分の各点間の移動時間は非常に短い。このように、I成分及びQ成分が複数の点の間を行き来することと、それらの点の間での移動の速さがあらかじめ定めた閾値より上回っていることを検出したときは、亀裂による電界変動があると判定することで、上記の誤判定を防止することができる。
この判定には様々な方法が考えられるが、図8を用いて一例を説明する。図8は、横軸をI成分、縦軸をQ成分として、漏洩ケーブルに亀裂が発生したときの、その亀裂の位置に対応するレンジビンの値の変動について表している。
丸印651はI成分及びQ成分を平面上に表したものであって、図8はI成分及びQ成分の値が変化しており、その値は大きく3つのクラスに分類できて、時間の経過と共にそれら3つの集団の間で移動している様子である。I成分及びQ成分の値の細かなバラつきは、ノイズによるばらつきを表している。
メモリー140に現在と過去のI成分及びQ成分を蓄積しておき、現在から過去に溯って必要な量のI成分及びQ成分を抽出する。次に、統計処理で一般的に用いられるクラス分類を利用する。クラス分類によって引かれた境界が境界線652である。分類の計算には、例えばK−means法や階層クラスタリングなど一般的な統計処理が利用できる。統計処理により、分類された各クラスに対して平均値と共分散値が求められる。この共分散値から固有値を求めれば、各クラスを内部に含む領域の分布領域線653が抽出できる。
図8の場合、3つの分布領域線653ができる。この3つの分布領域間の距離を、あらかじめ定めた閾値で判定することにより、複数の分布領域653にI成分及びQ成分が分布していることがわかる。
ここで、レンジビンのI成分及びQ成分は基本的に電圧であるため、ここでいう距離とは実際には電圧差に相当する。分布領域653の間の距離を求めるには、例えば、各クラスの平均点の間隔から、各クラスの標準偏差を引いた値とすれば、分布領域653の間の距離になる。
また、相関器130がI成分及びQ成分の値を出力する時間周期で、各丸印651の値が蓄積されていることから、分布領域653の間の距離が大きいことは、I成分及びQ成分の値が変動する速さの平均値が大きいことを示し、そのレンジビンに対応する位置に亀裂があると判定できる。
以上のように、亀裂検出手段155は、各レンジビンについて、I成分及びQ成分の分布領域653を求めて、分布領域653の間の距離が所定の閾値以上であるかどうかを判定する。そして、分布領域653の間の距離が閾値以上であった場合には、そのレンジビン番号を亀裂情報として出力する。このような構成により、漏洩ケーブルの亀裂を判定することが可能となり、侵入物と誤判定することがなくなる。
図9のフローチャートにより、亀裂検出手段155の動作を説明する。
始めに、確認したいレンジビン番号を指定して開始する。ブロック751でメモリー140から指定されたレンジビンのI成分及びQ成分をについてあらかじめ設定した過去N点分読み出して、それぞれの振幅と位相を求める。
次にブロック752で、クラス分類を実行する。分類の計算には、例えばK−means法や階層クラスタリングなど一般的な統計処理が利用できる。その後、分類されたクラス数をブロック753で判定し、クラス数が1より大きい場合はブロック754へ、それ以外の場合はブロック758へ移る。
ブロック754では、各クラスの平均と標準偏差が求められて、ブロック755で各クラスの分布領域間の距離が抽出される。
求めた分布領域の距離をブロック756で判定して、所定の閾値を超える場合はブロック757へ、越えない場合はブロック758へ移る。この所定の閾値はあらかじめ実験により求めておく。
ブロック757では亀裂ありと判定して終了し、ブロック758では亀裂なしとし判定して終了する。亀裂ありと判定した場合、検査したレンジビンは亀裂の影響がでていることを示している。
これにより、先頭から順にレンジビンを検査していき、最初に亀裂ありと判定したレンジビンに対応する場所に漏洩ケーブルの亀裂があることがわかる。また、すべてのレンジビンをこの手段で判定しておけば、侵入物判別手段151により侵入物ありと判定されても、進入物情報で示されたレンジビンについて亀裂ありと判定していれば、侵入物でないことがわかる。
ここで、亀裂があるところに侵入があった場合について説明する。
亀裂によってI成分及びQ成分の値が複数の分布領域の間を行き来している状態で、その亀裂のある位置に侵入があった場合、対応するレンジビンのI成分及びQ成分の共分散値が大きくなり、分布領域が広がる。そのため、分布領域間の距離が狭くなって、閾値を下回ることになり、亀裂と判断されなくなることがある。このような場合には、振幅と位相の変動量から侵入物と判定できる。また、侵入物による変動が大きい場合、クラス分類も出来なくなり、亀裂とは判定されなくなることもある。つまり、亀裂があるところに侵入があっても正常に侵入物を検知することが可能である。
なお、以上のように亀裂があったところに侵入物があれば、亀裂とは判定されなくなることがあるが、一旦亀裂と判定されているので、過去の情報と組み合わせることで状況を正しく判定することは可能である。
以上のように、侵入物判別手段151、不具合判別手段152、不具合範囲計測手段153、破断検知手段154及び亀裂検出手段155は、それぞれ侵入物の有無は、破断や亀裂などの不具合の情報を判定し、メモリー140に対応する情報を書き込む。
判定結果表示手段156は、それらの判定結果に基づいて表示内容を決定して表示装置400に表示する。
例えば、侵入物情報と不具合情報を個別に表示装置400に表示しても良いが、両情報を総合的に判定することで監視員の負担を緩和できる。
侵入物情報と不具合情報の両方が出力される場合とは例えば、侵入物によって漏洩ケーブが切断されたような場合に当たる。切断される直前は侵入物を検知し、次に切断により不具合情報が出力される。
この実施の形態1によれば、PN符号の相関特性を利用して各レンジビンのI成分及びQ成分を抽出して、これを基に各レンジビンの振幅を計算する。そして、得られた振幅に基づいて侵入物の存在と漏洩ケーブルの不具合を検知できる。
各レンジビンのI成分及びQ成分を抽出する手段としては、PN符号の利用以外にも手段があるが、帯域が広くて単位帯域あたりの電力を小さくできる信号であるPN符号を利用することで、送信信号の単位周波数当たりの電力を低く抑えることができる。また、侵入物検知システム同士の相互干渉を低く押さえることができる。
この相互干渉を低く出来るのは重要な点であって、複数の侵入物検知システムが、互いの電波が届く程度の近さにあった場合には、互いの電波で干渉が生じるが、PN符号の符号系列を別々のものにすることで、相互干渉を低くできる。相互干渉があった場合、信号の位相の関係で信号が打ち消しあう場合が生じる。
例えば、降雨などで地面や壁の反射係数が変化して、互いの干渉度合いが変化して信号が打ち消しあうと、漏洩ケーブルに障害が発生したときと同じように受信信号のレベルが減少する。つまり、降雨による影響が漏洩ケーブルの不具合として誤判定される恐れがある。しかし、PN符号を用いることでこの誤判定を低減することが可能となる。
このような電波干渉によるレベルの大きな減少は、位相が打ち消しあう特定の周波数で発生する。PN符号を用いると広帯域で測定を行うため、一部の周波数でレベルが減少しても、周波数帯域全体では問題とならない、そのため、誤判定を軽減することが可能となる。
また、不具合範囲計測手段153により、漏洩ケーブルの損傷によって発生する受信信号の変化のあった範囲を調べる。この判定方式も、侵入物検知システム同士の相互干渉による振幅低下が基となる誤判定の防止につながる。例えば、侵入検知システムが一つしかなくても地面や壁の反射などによるマルチパスによっても干渉は生じる。この干渉による信号レベルの低下がある程度発生することは避けられない。しかし、信号レベルの低下が起こっている範囲を調べることで、ケーブル損傷の明確な証拠をつかむことができる。なぜなら、地面や壁の反射などによる干渉は部分的にしか生じないためである。
さらに、破断検知手段154によれば、信号レベルの低下だけでなく、信号レベルの低下している範囲の境界にセンサー100の側の位置に対応するレンジビンに生じる、信号レベルが高くなる現象を合わせて判定材料に用いるため、より確度の高い判定結果を提供できる。
以上のように検知確度が高い分、ケーブルの不具合の判定に用いる閾値を高めに設定でき、ケーブル損傷検知性能の向上を図ることが可能となる。
また、亀裂検出手段155によれば、漏洩ケーブルに亀裂が生じた場合、亀裂の発生による受信信号の変動を侵入物と誤判定することなく亀裂を検知できる。最も重要な効果は、損傷の程度が軽く侵入物検知も同時に行えた場合、損傷の検知とは別に、損傷に惑わされること無く侵入物を検知できることである。
なお、不具合範囲計測手段153や、破断検知手段154はI成分及びQ成分から得られる振幅などの情報を使用するが、不具合判別手段152が算出した振幅や位相などの情報をメモリーに記憶しておいて、読み出すように構成すれば処理の効率が向上する。
なお、この実施の形態1では、漏洩ケーブル201及び漏洩ケーブル301としてLCXを用いる例を示したが、LCXに限らず複数の送信点がケーブル上に構成されケーブルに沿って電波が放射するアレイアンテナであっても、同様に構成できる。
実施の形態2.
この実施の形態2では、実施の形態1で示した各種の検知手段とは異なる検知手段を示す。
図10に示した亀裂速報手段157により、ケーブルの亀裂や変形で生じる異常を検知する。また、侵入物速報手段158は、亀裂の影響を受けない侵入物検知を行う。
実施の形態2の動作を図11を用いて説明する。図11は、あるレンジビンについてI成分及びQ成分の値を時系列でプロットしたものである。白丸661は、注目するレンジビンに対応する位置に漏洩ケーブルの亀裂があって、レンジビンの値が2つのクラスの間を行き来している状況である。この白丸661の分布範囲を楕円662で示している。
この状態で、注目するレンジビンに対応する位置に進入物があった場合、レンジビンの値が変化する。この変化した値を黒丸663で示している。この黒丸663と先ほどの白丸661とを合わせた全体の分布を楕円664で示している。
この全体の分布の楕円664の形状を抽出して、楕円664の長半径の大きさを、あらかじめ設定した閾値により判定すれば、2つのクラスの間での往復現象の抽出、すなわち亀裂の検知ができる。この楕円664の長半径は、I成分及びQ成分の共分散行列とその固有値とを求めて、2つ得られる固有値の内の、大きいほうの値を用いればよい。
次に、亀裂があるところに侵入物があった場合の侵入の検知について説明する。
亀裂があるところに侵入があった場合の侵入の検知は、2つ得られる固有値の内の、小さいほうの値を用いて、あらかじめ設定した閾値によって判定すればよい。亀裂による2つのクラスの間の往復では楕円662で示したように短半径は大きくならないが、侵入物があったときに限って、楕円664のように範囲が広がって短半径が大きくなる。
楕円664の短半径が大きくなる現象は、亀裂が無いところに侵入物があっても同様に起こるので、侵入物速報手段158は、得られた固有値のうちの小さい方の値を用いて侵入物を検知する。
この実施の形態2では、実施の形態1のように3以上のクラスの間での移動の場合には適用できず、2つのクラスの間の往復の場合にしかうまく動作しない。しかし、実施の形態1と比較して処理が簡素で高速である。漏洩ケーブルの敷設方法を工夫して、亀裂によってI成分及びQ成分が複雑な挙動を示さず、2つのクラスの間の往復程度であるならば、この実施の形態2は簡素で高速な手法を提供する。
図10に示したように、亀裂速報手段157及び侵入物速報手段158は固有値算出手段159が直交検波結果151のI成分及びQ成分から算出した固有値情報147を用いて亀裂速報情報148及び侵入物速報情報149をそれぞれ出力する。
図12、図13及び図14のフローチャートを用いて、固有値算出手段159、亀裂速報手段157及び侵入物速報手段158の動作を説明する。
図12のフローチャートは固有値算出手段159の動作を示しており、始めに、確認したいレンジビン番号を指定して開始する。
ブロック761はメモリー140から指定されたレンジビンのI成分及びQ成分を、あらかじめ設定した過去N点分読み出して、ブロック762で2行2列の共分散行列を求める。
次にブロック763で、この共分散行列の固有値を求め得られる2つの固有値の内、大きい方の固有値を固有値1、小さい方の固有値を固有値2とする。
固有値1は楕円664の長半径、固有値2は楕円664の短半径に相当するため、固有値1が大きいことは、長半径だけが突出して大きい状態を意味し、先に説明した白丸661だけが分布している状態を意味する。つまり、そのレンジビンは亀裂による信号が含まれていることがわかる。例えば、レンジビンの先頭から検査していって、最初に長半径が閾値を超えたレンジビンに相当する漏洩ケーブルの位置に亀裂が生じていることがわかる。
亀裂速報手段157は、以上の動作を行うもので、その内容を図13のフローチャートに示す。
ブロック771では、固有値算出手段159が算出した固有値1及び固有値2を読み出す。
次にブロック772では、固有値1と固有値2の判定を行い、所定の閾値1、閾値2に対し、固有値1>閾値1かつ固有値2<閾値2の条件が成立すればブロック773へ、成立しなければブロック774へ移る。この所定の閾値1及び閾値2はあらかじめ実験により求めておく。
ブロック773では亀裂速報情報として亀裂ありと判定して終了し、ブロック774では亀裂速報情報として亀裂なしと判定して終了する。
侵入物速報手段158の動作を、図14のフローチャートに示す。
ブロック781では、固有値算出手段159が算出した固有値1及び固有値2を読み出す。
次にブロック782では、固有値1及び固有値2の判定を行い、所定の閾値1及び閾値2に対し、固有値1>閾値1かつ固有値2>閾値2の条件が成立すればブロック783へ、成立しなければブロック784へ移る。この所定の閾値1及び閾値2はあらかじめ実験により求めておく。
ブロック783では侵入物速報として侵入物ありと判定して終了し、ブロック785では侵入物速報として侵入物なしと判定して終了する。
以上の動作により、黒丸663が分布している状態が判定される。すべてのレンジビンについてこれを調査し、侵入物ありと判定したレンジビンに相当する漏洩ケーブルの位置に侵入物がいることがわかる。
この実施の形態2によれば、実施の形態1と比較して簡便な手法で亀裂を検知できる。また、亀裂の影響を受けない侵入物検知が可能となる。簡便な手法であるが故に、装置の小型化が図れ、それほど高速でないCPUでも検知処理が可能となる。
実施の形態3.
実施の形態3の基本的な構造は実施の形態1と同じであるが、異なる点を図15で説明する。図15は実施の形態4のブロック図である。装置の構成で異なる点は、漏洩ケーブル301の終端に、終端器303に代えて反射器304が接続されていることである。
反射器304を接続することで、不具合が漏洩ケーブル201又は漏洩ケーブル301のいずれに発生したものであるかを判定できる。
図16及び図17を用いて受信側の不具合検出の動作を説明する。
図16は、漏洩ケーブル201に破断点221がある場合の、実施の形態3の動作を説明する図である。実施の形態1で示した図5で説明した現象に加えて、反射器304の作用によって信号の伝送経路として信号パス222が加わっている。この信号パス222による受信信号は、反射器304の位置に対応するレンジビン671にピークとして現れる。
一方、図17は漏洩ケーブル301に破断点321がある場合の、実施の形態3の動作を説明する図である。このときは信号パス222は存在しないため、レンジビン671にピークは現れない。
よって、実施の形態1で説明した方法で損傷箇所を見つけた後に、反射器304の位置に対応するレンジビン671の値を、あらかじめ実験で求めた閾値で判定することで、漏洩ケーブル201又は漏洩ケーブル301のどちらに損傷が発生したかを判別できる。レンジビン671にピークが有れば、漏洩ケーブル201に破断点221があると判定し、レンジビン671にピークが無ければ漏洩ケーブル301に破断点321があると判定できる。
ただし、漏洩ケーブルに破断ではなく、亀裂があった場合は、損傷箇所で全ての信号が遮断されずに、一部は透過するので異なる動作となる。この場合の判別について図18で説明する。図18は、漏洩ケーブル301に亀裂323がある場合の実施の形態3の動作を説明する図である。
漏洩ケーブルに亀裂323がある場合、その部分で特性インピーダンスが変化するため信号の一部が反射する。基本的には実施の形態1で説明した現象が発生するが、これに加えて、信号パス324のように、反射器304と亀裂321の間を反射して往復する信号が発生する。この信号の一部は漏れ信号325、漏れ信号326及び漏れ信号327としてセンサー100に入力される。
センサー100では、漏れ信号325はレンジビン671に、漏れ信号326はレンジビン673に、そして漏れ信号327はレンジビン674について観測される。レンジビン671は反射器304の位置に相当し、漏洩ケーブル301の長さをR、亀裂の位置を漏洩ケーブル201のセンサー100側からrの位置とすると、レンジビン671とレンジビン673との間隔、及びレンジビン673とレンジビン674との間隔は、共に2(R−r)の距離に相当する。実際にはレンジビン674より遠方の位置にも2(R−r)の間隔でピークが連続的に出現する。
つまり、不具合が破断であるのか亀裂であるのかにより、反射器304の位置に対応するレンジビン671にピークがあっても、遠端より遠方の位置にピークが現れる現象が異なる。
この動作に基づいて、不具合判別手段152と同様に受信側不具合検出手段を構成できて、受信側不具合情報を出力できる。
また、遠端より遠方の位置のピークの間隔に基づいて受信側の漏洩ケーブル301の亀裂の位置が判別できるので、受信側亀裂位置検知手段を不具合範囲計測手段153などと同様に構成できて、受信側亀裂位置情報を出力できる。この受信側亀裂位置検知手段の特長は、漏洩ケーブルの亀裂だけでなく、同軸ケーブル302の亀裂や、その他の接続コネクタの亀裂や緩みも検知できる点である。例えば、同軸ケーブル302に亀裂があっても信号は反射するため、上記の連続的なピークが現れる。接続コネクタに緩みがあっても同様な反射が発生する。つまり、実施の形態3では漏洩ケーブルだけでなく、同軸ケーブルの亀裂及びコネクタの亀裂や緩みなどの検知と、受信側亀裂位置検知手段よる位置の検知が可能となる。
この様に、レンジビン673及びレンジビン674に現れたようなピークは、亀裂などによって漏洩ケーブルの特性インピーダンスが変化したとき以外にも、同軸ケーブル302に亀裂が生じた場合も同様の反射が発生する。また、同軸ケーブル302と漏洩ケーブル301の接合部が正常でない場合や、同軸ケーブル302とセンサー100の接合部が正常でない場合にも発生する。例えば、接続コネクタが緩んでいたり、破損したりしている場合である。
一方、漏洩ケーブル201や同軸ケーブル202に亀裂が生じた場合はこのような反射は起こらないため、これまで説明した連続的に出現するピークの存在を確認することで、送信側又は受信側のどちら側で亀裂が発生したのかを判断することができる。漏洩ケーブル201で亀裂が生じた場合は実施の形態1で説明した方法でその場所を特定できる。
なお、この実施の形態3では、受信側に反射器304を取り付けた場合について説明したが、送信側に取り付ければ、送信側について同様な検出が行える。
この実施の形態3によれば、送信側又は受信側のどちら側に亀裂が生じたか判別できる。反射器を取り付けられた側の漏洩ケーブルに亀裂が生じた場合、特有の現象が発生するため、第1段階として実施の形態1や実施の形態2で説明した方法で亀裂の有無や場所を検出し、第2段階として、この実施の形態で説明した特有の現象である漏洩ケーブルの終端より遠方に位置するレンジビンに周期的に発生するピークの発生があるか無いかを見極め、ある場合には反射器を取り付けた漏洩ケーブル、そうでない場合には反射器が取り付けられていない漏洩ケーブルに亀裂があることがわかる。
また、反射器が取り付けられた側は漏洩ケーブルだけでなく、同軸ケーブルやコネクタの損傷の位置も検知できる。
実施の形態4.
実施の形態4では、実施の形態1を基本とし、図19に説明する装置を漏洩ケーブル201及び漏洩ケーブル301双方の終端に取り付ける。図19は実施の形態5のブロック図である。
この図19で説明する装置は、切替えスイッチ等の「切替え手段」により終端器と反射器とのいずれかに切り替えられるようになっている。切替え手段の制御方法は様々な方法が考えられるが、ここでは漏洩ケーブルに印加された直流電圧でコントロールする仕組みになっている。高周波信号線に、例えば交流−直流分配器であるバイアスT等の装置を挿入することで、高周波信号に影響を与えることなく、直流電圧を加えることは従来から可能であり、その電圧レベルをCPU150が制御することは特に問題なく行える。
切替え手段の制御は、送信側と受信側とで同様の方法となるので、以下では送信側を例にとって説明する。
CPU150は、漏洩ケーブル201に印加する直流電圧の電圧レベルを制御することで、スイッチ231を制御する。コイル232は漏洩ケーブル201出力から高周波信号に影響を与えることなく直流電圧を取り出すためのコイルである。スイッチ231が切り替わる事で、終端器233又は反射器234のいずれが漏洩ケーブル201に接続されるかが切り替えられる。
漏洩ケーブル201に印加される直流電圧が、所定の値より小さいときは反射器234が選択されるようにする。このように構成すれば、漏洩ケーブル201の途中に障害が発生して、電圧レベルが下がったときには、自動的に反射器234が選択される。ただし、通常はCPU150が電圧制御を行う。
コイル235は高周波信号に影響を与えることなく直流電圧を加えるためのコイルである。スイッチ236は、CPU150に接続されてCPU150の制御により電圧を制御する。電圧源237側にスイッチを向ければ、漏洩ケーブル201に直流電圧が供給され、GND238側に向ければ漏洩ケーブル201に直流電圧が供給されない。したがって、CPU150はスイッチ236を制御することで、終端器233と反射器234とを切り替えることができる。
以上のようにCPU150は漏洩ケーブル201及び漏洩ケーブル301のそれぞれに対して、終端器と反射器のいずれを接続するかを選択するが、漏洩ケーブル201と漏洩ケーブル301とでは逆の選択となるように制御する。例えば、漏洩ケーブル201に反射器234を接続するときは、漏洩ケーブル301には終端器333を接続するように制御する。そして、実施の形態3で説明した、漏洩ケーブルの長さを越えたレンジビンのピークの連続が存在するか観測する。もし、実施の形態3で説明したような現象が発生していれば、反射器を接続した側の漏洩ケーブルに、異常があることがわかる。
実施の形態3では漏洩ケーブル301に発生した亀裂についてのみ説明したので、ここでは、図20を用いて漏洩ケーブル201に発生した亀裂の説明を行って、送信側の亀裂情報を検出する動作を説明する。
図20では、簡単のために、この実施の形態で説明した切替え手段を省略しており、漏洩ケーブル201に取り付けられた反射器204は、切替え手段には接続されていないが、「切替え手段」によって反射器234が選択された状態と同じである。また、漏洩ケーブル301に取り付けられた終端器303についても同様である。
漏洩ケーブル201に発生した亀裂241により、信号パス242及び信号パス243が構成される。信号パス242は、亀裂241で反射した信号が放射されて、漏洩ケーブル301で受信されてセンサー100に戻るものである。信号パス243は、亀裂241と反射器204の間を何度も反射する信号が少しずつ漏洩ケーブル301で受信されセンサー100に戻るものである。
これら信号パス242や信号パス243を通過する信号は、センサー100では複数のレンジビンのピークとして観測される。レンジビン681に生じるピークは亀裂241で反射した信号によるものである。レンジビン682に生じるピークは、亀裂241を通過して反射器204で1回反射した信号によるものである。レンジビン683に生じるピークは、反射器204で反射した信号が亀裂241で反射して、反射器204で2回目の反射をした信号である。
このように、レンジビンに現れるピークの基本原理は、実施の形態3で説明した漏洩ケーブル301に亀裂321ができたときのものと同じであり、これを検出して解析することで、漏洩ケーブル201の亀裂241の位置がわかる。つまり、送信側亀裂情報検出手段を受信側亀裂情報検出手段と同様の動作により実現できる。
同様に、受信側亀裂位置検知手段と同じ原理に基づいて、送信側亀裂位置検知手段を構成できて、送信側亀裂位置情報を出力できる。
この実施の形態4では、スイッチ236及びスイッチ336を切り替えて、漏洩ケーブルの長さRを越えた位置にレンジビンのピークの連続が存在するか観測する。漏洩ケーブル201に対して終端器233を選択して、漏洩ケーブル301に対して反射器334を選択したときに上記のレンジビンのピークの連続が存在した場合には、受信側亀裂情報を出力する。一方漏洩ケーブル201に対して反射器234を選択して、漏洩ケーブル301に対して終端器333に選択したときに上記のレンジビンのピークの連続が存在した場合には、送信側亀裂情報を出力する。
また、実施の形態3と同様に、漏洩ケーブルの亀裂だけでなく、同軸ケーブルの亀裂や、接続コネクタの亀裂や緩みも検知できる。
この実施の形態4によれば、送信側又は受信側のどちらにケーブルの破断や亀裂が発生したか、またその場所はどこかを検出できる。また、同軸ケーブルやコネクタの損傷箇所も検知できる。
なお、「切替え手段」について漏洩ケーブルに印加する直流電圧を用いる例を示したが、この他にも無線を用いた制御など、「切替え手段」の制御には様々な方法が適用できる。
実施の形態5.
実施の形態1から実施の形態4では、PN符号を用いて、各レンジビンの受信信号の振幅と位相を測定したが、距離方向の受信信号が測定できれば、別の方式でも利用できる。例えば、チャープ信号を送信して、受信信号と送信信号をミキシングして得られるビート信号をフーリエ変換して距離方向の受信信号を出力するFrequency−Modulated Continuous Wave(以下、FM−CWと記す)方式を用いてもよい。
この実施の形態5の構成を図21に示す。
チャープ信号発生器801は、周波数F1から周波数F2までの間で連続的に変化するチャープ信号を、同軸ケーブル202と乗算機802に出力する。同軸ケーブル202に入力された信号は、漏洩ケーブル201から電波として空間に放射され、放射された電波は漏洩ケーブル301で受信される。漏洩ケーブル301で受信された受信信号は同軸ケーブル302を通って、乗算機802に入力される。乗算機802の出力の中から、低周波のビート信号がフィルタ803で取り出され、さらに、A/D変換器804でデジタル変換されてCPU805に入力される。CPU805は、チャープ信号発生器801が出力するチャープ信号の出力タイミングに同期してビート信号を所定の時間蓄積する。そして、蓄積したビート信号をフーリエ変換して、各周波数の実部と虚部をそれぞれ、I成分及びQ成分として抽出する。
なお、CPU805で、チャープ信号の出力タイミングに同期してビート信号を蓄積しないと、位相がくるってしまいI成分及びQ成分は定まらない。
ビート信号をフーリエ変換した出力は、周波数スペクトルであるが、FM−CW方式では、この周波数軸が距離方向に相当し、各周波数がレンジビンとして扱える。各レンジビンのI成分及びQ成分としては、フーリエ変換後の実部及び虚部の値がそれぞれ該当する。
I成分及びQ成分が得られた後は、実施の形態1から4に説明した方法で侵入物とケーブルの損傷を検知できる。
この実施の形態5で説明したチャープ信号とは、周波数F1から周波数F2の間で連続的に変化する信号であるが、F1とF2との周波数差を広げることで、高分解能化が容易に実現できる。したがって、高分解能化を目的とする実施の形態1で説明したPN符号を用いる方法より、この実施の形態5の方法の方が容易に実現できる。PN符号を用いる方法で高分解能化を実現しようとすると、PN符号の符号レートを上げる必要が生じ、デジタル信号処理を高速に実行しなければならないためである。
なお、実施の形態1で説明した侵入物検知システム同士の相互干渉を避ける効果は、この実施の形態5のFM−CW方式でも有効である。複数の侵入物検知システムが互いの電波が届くほどの距離にあって、互いのチャープ信号の出力タイミングが非常に近かった場合、非常に強い干渉が生じる。このときは互いの出力タイミングのずれの時間に相当する距離に、干渉の影響がでる。しかし、その距離は部分的であるため、信号レベル低下の範囲を調べることで誤判定を避けることができる。
この発明の実施の形態1の装置の構成を示すブロック図 この発明の実施の形態1の機能の構成を示すブロック図 この発明の実施の形態1の動作原理を説明する図 この発明の実施の形態1の不具合判別手段の動作を説明するフローチャート この発明の実施の形態1の不具合範囲計測手段の動作を説明するフローチャート この発明の実施の形態1の破断検知の動作原理を説明する図 この発明の破断検知手段の動作を説明するフローチャート この発明の実施の形態1の亀裂検出の動作原理を説明する図 この発明の亀裂検出手段の動作を説明するフローチャート この発明の実施の形態2の機能の構成を示すブロック図 この発明の実施の形態2の基本の動作原理を説明する図 この発明の実施の形態1の固有値算出手段の動作を説明するフローチャート この発明の実施の形態1の亀裂速報手段の動作を説明するフローチャート この発明の実施の形態1の侵入物速報手段の動作を説明するフローチャート この発明の実施の形態3の装置の構成を示すブロック図 この発明の実施の形態3の動作原理を説明する図 この発明の実施の形態3の動作原理を説明する図 この発明の実施の形態3の動作原理を説明する図 この発明の実施の形態4の装置の構成を示すブロック図 この発明の実施の形態4の動作原理を説明する図 この発明の実施の形態5の機能の構成を示すブロック図
符号の説明
110 信号発生手段
120 信号受信手段
130 相関器
151 侵入物判別手段
152 不具合判別手段
153 不具合範囲計測手段
154 破断検知手段
155 亀裂検出手段
156 判定結果表示手段
157 亀裂速報手段
158 侵入物速報手段
201 ケーブル状の電波放射手段である漏洩ケーブル
203、233、303、333 終端器
204、234、304、334 反射器
301 ケーブル状の電波受信手段である漏洩ケーブル

Claims (18)

  1. ケーブル状の電波放射手段の一端を給電端として他方の端を遠端として、スペクトル拡散信号を重畳した送信信号を前記給電端より注入して電波として放射して、
    前記電波を前記電波放射手段と略平行に配置したケーブル状の電波受信手段で受信して、
    前記給電端側における前記電波受信手段の端で前記送信信号を受信信号として受信して、
    前記送信信号の送出時刻から前記受信信号の受信時刻までの遅延時間と、前記送信信号が送信されてから前記受信信号として受信されるまでの伝送経路中の前記電波放射手段及び前記電波受信手段での経由位置よって定まる前記伝送経路の距離との対応付けによって、前記電波放射手段及び前記電波受信手段の前記給電端の位置からの距離に対応付けたレンジビンについて、前記送信信号のスペクトル拡散信号の符号系列と、前記受信信号から抽出したスペクトル拡散信号の符号系列とを照合して各前記レンジビンの前記受信信号を決定して、
    前記遠端の位置に対応する前記レンジビンについて、前記送信信号に比べての前記受信信号の振幅の減少幅が所定の比率を超えていれば、前記電波放射手段又は前記電波受信手段のいずれかに不具合があると判定することを特徴とする不具合検出方法。
  2. ケーブル状の電波放射手段の一端を給電端として、スペクトル拡散信号を重畳した送信信号を前記給電端より注入して電波として放射して、
    前記電波を前記電波放射手段と略平行に配置したケーブル状の電波受信手段で受信して、
    前記給電端側における前記電波受信手段の端で前記送信信号を受信信号として受信して、
    前記送信信号の送出時刻から前記受信信号の受信時刻までの遅延時間と、前記送信信号が送信されてから前記受信信号として受信されるまでの伝送経路中の前記電波放射手段及び前記電波受信手段での経由位置よって定まる前記伝送経路の距離との対応付けによって、前記電波放射手段及び前記電波受信手段の前記給電端の位置からの距離に対応付けたレンジビンについて、前記送信信号のスペクトル拡散信号の符号系列と、前記受信信号から抽出したスペクトル拡散信号の符号系列とを照合して各前記レンジビンの前記受信信号を決定して、
    それぞれの前記レンジビンについて前記送信信号に比べての前記受信信号の振幅の減少幅を判定して、前記減少幅が所定の比率を超えている前記レンジビンのうち、前記給電端にもっとも近い位置に対応する前記レンジビンを検出して、前記電波放射手段又は前記電波受信手段のいずれかの当該レンジビンに対応する位置に不具合があると判定することを特徴とする不具合検出方法。
  3. ケーブル状の電波放射手段の一端を給電端として、スペクトル拡散信号を重畳した送信信号を前記給電端より注入して電波として放射して、
    前記電波を前記電波放射手段と略平行に配置したケーブル状の電波受信手段で受信して、
    前記給電端側における前記電波受信手段の端で前記送信信号を受信信号として受信して、
    前記送信信号の送出時刻から前記受信信号の受信時刻までの遅延時間と、前記送信信号が送信されてから前記受信信号として受信されるまでの伝送経路中の前記電波放射手段及び前記電波受信手段での経由位置よって定まる前記伝送経路の距離との対応付けによって、前記電波放射手段及び前記電波受信手段の前記給電端の位置からの距離に対応付けたレンジビンについて、前記送信信号のスペクトル拡散信号の符号系列と、前記受信信号から抽出したスペクトル拡散信号の符号系列とを照合して各前記レンジビンの前記受信信号を決定して、
    前記送信信号に比べて前記受信信号の振幅が増加している前記レンジビンがあれば、前記電波放射手段又は前記電波受信手段のいずれかの当該レンジビンに対応する位置に破断があると判定することを特徴とする不具合検出方法。
  4. ケーブル状の電波放射手段の一端を給電端として、スペクトル拡散信号を重畳した送信信号を前記給電端より注入して電波として放射して、
    前記電波を前記電波放射手段と略平行に配置したケーブル状の電波受信手段で受信して、
    前記給電端側における前記電波受信手段の端で前記送信信号を受信信号として受信して、
    前記送信信号の送出時刻から前記受信信号の受信時刻までの遅延時間と、前記送信信号が送信されてから前記受信信号として受信されるまでの伝送経路中の前記電波放射手段及び前記電波受信手段での経由位置よって定まる前記伝送経路の距離との対応付けによって、前記電波放射手段及び前記電波受信手段の前記給電端の位置からの距離に対応付けたレンジビンについて、前記送信信号のスペクトル拡散信号の符号系列と、前記受信信号から抽出したスペクトル拡散信号の符号系列とを照合して各前記レンジビンの前記受信信号を決定して、
    前記受信信号の直交検波結果のI成分とQ成分とを座標軸とする平面での、前記受信信号の時系列の分布をクラス分類したときに、前記分布が複数のクラスに分類されて、時間の経過につれて前記受信信号の位置が前記複数のクラスの間を移動する前記レンジビンがあれば、前記電波放射手段又は前記電波受信手段のいずれかの当該レンジビンに対応する位置に亀裂があると判定することを特徴とする不具合検出方法。
  5. ケーブル状の電波放射手段の一端を給電端として、スペクトル拡散信号を重畳した送信信号を前記給電端より注入して電波として放射して、
    前記電波を前記電波放射手段と略平行に配置したケーブル状の電波受信手段で受信して、
    前記給電端側における前記電波受信手段の端で前記送信信号を受信信号として受信して、
    前記送信信号の送出時刻から前記受信信号の受信時刻までの遅延時間と、前記送信信号が送信されてから前記受信信号として受信されるまでの伝送経路中の前記電波放射手段及び前記電波受信手段での経由位置よって定まる前記伝送経路の距離との対応付けによって、前記電波放射手段及び前記電波受信手段の前記給電端の位置からの距離に対応付けたレンジビンについて、前記送信信号のスペクトル拡散信号の符号系列と、前記受信信号から抽出したスペクトル拡散信号の符号系列とを照合して各前記レンジビンの前記受信信号を決定して、
    前記受信信号の直交検波結果のI成分とQ成分との共分散行列の固有値のうちの大きい方が第1の所定の値より大きくて、かつ前記固有値の小さい方が第2の所定の値より小さいレンジビンがあるときは、前記電波放射手段又は前記電波受信手段のいずれかの当該レンジビンに対応する位置に亀裂があると判定することを特徴とする不具合検出方法。
  6. ケーブル状の電波放射手段の一端を給電端として、スペクトル拡散信号を重畳した送信信号を前記給電端より注入して電波として放射して、
    前記電波を前記電波放射手段と略平行に配置したケーブル状の電波受信手段で受信して、
    前記給電端側における前記電波受信手段の端で前記送信信号を受信信号として受信して、
    前記送信信号の送出時刻から前記受信信号の受信時刻までの遅延時間と、前記送信信号が送信されてから前記受信信号として受信されるまでの伝送経路中の前記電波放射手段及び前記電波受信手段での経由位置よって定まる前記伝送経路の距離との対応付けによって、前記電波放射手段及び前記電波受信手段の前記給電端の位置からの距離に対応付けたレンジビンについて、前記送信信号のスペクトル拡散信号の符号系列と、前記受信信号から抽出したスペクトル拡散信号の符号系列とを照合して各前記レンジビンの前記受信信号を決定して、
    前記受信信号の直交検波結果のI成分とQ成分との共分散行列の固有値のうちの大きい方が第1の所定の値より大きくて、かつ前記固有値の小さい方が第2の所定の値より大きいレンジビンがあるときは、前記電波放射手段又は前記電波受信手段のいずれかの当該レンジビンに対応する位置に侵入物があると判定することを特徴とする侵入物検出方法。
  7. ケーブル状の電波放射手段の一端を給電端として他端を遠端として、スペクトル拡散信号を重畳した送信信号を前記給電端より注入して電波として放射して、
    前記電波を前記電波放射手段と略平行に配置したケーブル状の電波受信手段で受信して、
    前記遠端側の端おいて、前記電波放射手段又は前記電波受信手段のいずれか一方には前記電波を吸収する終端器を接続して、他方には前記電波を反射する反射機を接続して、
    前記給電端側における前記電波受信手段の端で前記送信信号を受信信号として受信して、
    前記送信信号の送出時刻から前記受信信号の受信時刻までの遅延時間と、前記送信信号が送信されてから前記受信信号として受信されるまでの伝送経路中の前記電波放射手段及び前記電波受信手段での経由位置よって定まる前記伝送経路の距離との対応付けによって、前記電波放射手段及び前記電波受信手段の前記給電端の位置からの距離に対応付けたレンジビンについて、前記送信信号のスペクトル拡散信号の符号系列と、前記受信信号から抽出したスペクトル拡散信号の符号系列とを照合して各前記レンジビンの前記受信信号を決定して、
    前記遠端の位置に対応する前記レンジビンの前記受信信号の振幅が所定の値より大きいときは、前記電波放射手段又は前記電波受信手段のうち、前記終端器を接続した方に不具合があると判定することを特徴とする不具合検出方法。
  8. ケーブル状の電波放射手段の一端を給電端として他端を遠端として、スペクトル拡散信号を重畳した送信信号を前記給電端より注入して電波として放射して、
    前記電波を前記電波放射手段と略平行に配置したケーブル状の電波受信手段で受信して、
    前記遠端側の端において、前記電波放射手段又は前記電波受信手段のいずれか一方には前記電波を吸収する終端器を接続して、他方には前記電波を反射する反射機を接続して、
    前記給電端側における前記電波受信手段の端で前記送信信号を受信信号として受信して、
    前記送信信号の送出時刻から前記受信信号の受信時刻までの遅延時間と、前記送信信号が送信されてから前記受信信号として受信されるまでの伝送経路の前記電波放射手段及び前記電波受信手段での経由位置よって定まる前記伝送経路の距離との対応付けによって、前記電波放射手段及び前記電波受信手段の前記給電端の位置からの距離に対応付けたレンジビンについて、前記送信信号のスペクトル拡散信号の符号系列と、前記受信信号から抽出したスペクトル拡散信号の符号系列とを照合して各前記レンジビンの前記受信信号を決定して、
    前記遠端の前記給電端と逆の側の位置に対応する前記レンジビンについて前記受信信号の振幅が所定の値より大きいものがあるときは、当該レンジビンに対応する位置から前記遠端までの距離Rを求めて、前記電波放射手段又は前記電波受信手段のうち、前記終端器を接続した方の前記遠端からRの位置に不具合があると判定することを特徴とする不具合検出方法。
  9. 一端を給電端として他端を遠端として、前記給電端から注入されるスペクトル拡散信号を重畳した送信信号を電波として放射するケーブル状の電波放射手段、
    この電波放射手段と略平行に配置されて前記電波を受信するケーブル状の電波受信手段、
    前記給電端側における前記電波受信手段の端に接続されて、前記送信信号を受信信号として受信する信号受信手段、
    前記送信信号の送出時刻から前記受信信号の受信時刻までの遅延時間と、前記送信信号が前記受信信号として受信されるまでの伝送経路の前記電波放射手段及び前記電波受信手段における経由位置による前記伝送経路の距離との対応付けによって、前記電波放射手段及び前記電波受信手段の前記給電端の位置からの距離に対応付けたレンジビンについて、前記送信信号のスペクトル拡散信号の符号系列と、前記受信信号から抽出したスペクトル拡散信号の符号系列とを照合して各前記レンジビンの前記受信信号を決定して、各前記レンジビンの前記受信信号の振幅を算出する信号復調手段、
    及び前記遠端に対応する前記レンジビンについて、前記送信信号に比べての前記受信信号の振幅の減少幅が所定の比率を超えていれば、前記電波放射手段又は前記電波受信手段のいずれかに不具合があると判定する不具合判別手段を備えたことを特徴とする侵入物検知システム。
  10. 一端を給電端として、この給電端から注入されるスペクトル拡散信号を重畳した送信信号を電波として放射するケーブル状の電波放射手段、
    この電波放射手段と略平行に配置されて前記電波を受信するケーブル状の電波受信手段、
    前記給電端側における前記電波受信手段の端に接続されて、前記送信信号を受信信号として受信する信号受信手段、
    前記送信信号の送出時刻から前記受信信号の受信時刻までの遅延時間と、前記送信信号が前記受信信号として受信されるまでの伝送経路の前記電波放射手段及び前記電波受信手段における経由位置による前記伝送経路の距離との対応付けによって、前記電波放射手段及び前記電波受信手段の前記給電端の位置からの距離に対応付けたレンジビンについて、前記送信信号のスペクトル拡散信号の符号系列と、前記受信信号から抽出したスペクトル拡散信号の符号系列とを照合して各前記レンジビンの前記受信信号を決定して、各前記レンジビンの前記受信信号の振幅を算出する信号復調手段、
    及び、それぞれの前記レンジビンについて前記送信信号に比べての前記受信信号の振幅の減少幅を判定して、前記減少幅が所定の比率を超えている前記レンジビンのうち、前記給電端にもっとも近い位置に対応する前記レンジビンを検出して、前記電波放射手段又は前記電波受信手段のいずれかの当該レンジビンに対応する位置に不具合があると判定する不具合範囲計測手段を備えたことを特徴とする侵入物検知システム。
  11. 一端を給電端として、この給電端から注入されるスペクトル拡散信号を重畳した送信信号を電波として放射するケーブル状の電波放射手段、
    この電波放射手段と略平行に配置されて前記電波を受信するケーブル状の電波受信手段、
    前記給電端側における前記電波受信手段の端に接続されて、前記送信信号を受信信号として受信する信号受信手段、
    前記送信信号の送出時刻から前記受信信号の受信時刻までの遅延時間と、前記送信信号が前記受信信号として受信されるまでの伝送経路の前記電波放射手段及び前記電波受信手段における経由位置による前記伝送経路の距離との対応付けによって、前記電波放射手段及び前記電波受信手段の前記給電端の位置からの距離に対応付けたレンジビンについて、前記送信信号のスペクトル拡散信号の符号系列と、前記受信信号から抽出したスペクトル拡散信号の符号系列とを照合して各前記レンジビンの前記受信信号を決定して、各前記レンジビンの前記受信信号の振幅を算出する信号復調手段、
    及び前記送信信号に比べて前記受信信号の振幅が増加している前記レンジビンがあれば、前記電波放射手段又は前記電波受信手段のいずれかの当該レンジビンに対応する位置に破断があると判定する破断検知手段を備えたことを特徴とする侵入物検知システム。
  12. 一端を給電端として、この給電端から注入されるスペクトル拡散信号を重畳した送信信号を電波として放射するケーブル状の電波放射手段、
    前記給電端側における前記電波受信手段の端に接続されて、前記送信信号を受信信号として受信する信号受信手段、
    前記送信信号の送出時刻から前記受信信号の受信時刻までの遅延時間と、前記送信信号が前記受信信号として受信されるまでの伝送経路の前記電波放射手段及び前記電波受信手段における経由位置による前記伝送経路の距離との対応付けによって、前記電波放射手段及び前記電波受信手段の前記給電端の位置からの距離に対応付けたレンジビンについて、前記送信信号のスペクトル拡散信号の符号系列と、前記受信信号から抽出したスペクトル拡散信号の符号系列とを照合して各前記レンジビンの前記受信信号を決定して、各前記レンジビンの前記受信信号の直交検波を行って直交検波結果を算出する信号復調手段、
    及び前記受信信号の直交検波結果のI成分とQ成分とを座標軸とする平面での、前記受信信号の時系列の分布をクラス分類したときに、前記分布が複数のクラスに分類されて、時間の経過につれて前記受信信号の位置が前記複数のクラスの間を移動する前記レンジビンがあれば、前記電波放射手段又は前記電波受信手段のいずれかの当該レンジビンに対応する位置に亀裂があると判定する亀裂検出手段を備えたことを特徴とする侵入物検知システム。
  13. 一端を給電端として、この給電端から注入されるスペクトル拡散信号を重畳した送信信号を電波として放射するケーブル状の電波放射手段、
    前記給電端側における前記電波受信手段の端に接続されて、前記送信信号を受信信号として受信する信号受信手段、
    前記送信信号の送出時刻から前記受信信号の受信時刻までの遅延時間と、前記送信信号が前記受信信号として受信されるまでの伝送経路の前記電波放射手段及び前記電波受信手段における経由位置による前記伝送経路の距離との対応付けによって、前記電波放射手段及び前記電波受信手段の前記給電端の位置からの距離に対応付けたレンジビンについて、前記送信信号のスペクトル拡散信号の符号系列と、前記受信信号から抽出したスペクトル拡散信号の符号系列とを照合して各前記レンジビンの前記受信信号を決定して、各前記レンジビンの前記受信信号の直交検波を行って直交検波結果を算出する信号復調手段、
    及び前記受信信号の直交検波結果のI成分とQ成分との共分散行列の固有値のうちの大きい方が第1の所定の値より大きくて、かつ前記固有値の小さい方が第2の所定の値より小さいレンジビンがあるときは、前記電波放射手段又は前記電波受信手段のいずれかの当該レンジビンに対応する位置に亀裂があると判定する亀裂速報手段を備えたことを特徴とする侵入物検知システム。
  14. 一端を給電端として、この給電端から注入されるスペクトル拡散信号を重畳した送信信号を電波として放射するケーブル状の電波放射手段、
    前記給電端側における前記電波受信手段の端に接続されて、前記送信信号を受信信号として受信する信号受信手段、
    前記送信信号の送出時刻から前記受信信号の受信時刻までの遅延時間と、前記送信信号が前記受信信号として受信されるまでの伝送経路の前記電波放射手段及び前記電波受信手段における経由位置による前記伝送経路の距離との対応付けによって、前記電波放射手段及び前記電波受信手段の前記給電端の位置からの距離に対応付けたレンジビンについて、前記送信信号のスペクトル拡散信号の符号系列と、前記受信信号から抽出したスペクトル拡散信号の符号系列とを照合して各前記レンジビンの前記受信信号を決定して、各前記レンジビンの前記受信信号の直交検波を行って直交検波結果を算出する信号復調手段、
    及び前記受信信号の前記直交検波結果のI成分とQ成分との共分散行列の固有値のうちの大きい方が第1の所定の値より大きくて、かつ前記固有値の小さい方が第2の所定の値より大きいレンジビンがあるときは、前記電波放射手段又は前記電波受信手段のいずれかの当該レンジビンに対応する位置に侵入物があると判定する侵入物速報手段を備えたことを特徴とする侵入物検知システム。
  15. 一端を給電端として他端を遠端として、前記給電端から注入されるスペクトル拡散信号を重畳した送信信号を電波として放射するケーブル状の電波放射手段、
    この電波放射手段と略平行に配置されて前記電波を受信するケーブル状の電波受信手段、
    前記電波放射手段又は前記電波受信手段のいずれか一方の、前記遠端側の端に接続された、前記電波を吸収する終端器、
    前記電波放射手段又は前記電波受信手段のうち、前記終端器を接続しない方の前記遠端側の端に接続された、前記電波を反射する反射器、
    前記給電端側における前記電波受信手段の端に接続されて、前記送信信号を受信信号として受信する信号受信手段、
    前記送信信号の送出時刻から前記受信信号の受信時刻までの遅延時間と、前記送信信号が前記受信信号として受信されるまでの伝送経路の前記電波放射手段及び前記電波受信手段における経由位置による前記伝送経路の距離との対応付けによって、前記電波放射手段及び前記電波受信手段の前記給電端の位置からの距離に対応付けたレンジビンについて、前記送信信号のスペクトル拡散信号の符号系列と、前記受信信号から抽出したスペクトル拡散信号の符号系列とを照合して各前記レンジビンの前記受信信号を決定して、各前記レンジビンの前記受信信号の振幅を算出する信号復調手段、
    及び前記遠端の位置に対応する前記レンジビンの前記受信信号の振幅が所定の値より大きいときは、前記電波放射手段又は前記電波受信手段のうち、前記終端器を接続した方に不具合があると判定する不具合情報検出手段を備えたことを特徴とする侵入物検知システム。
  16. 一端を給電端として他端を遠端として、前記給電端から注入されるスペクトル拡散信号を重畳した送信信号を電波として放射するケーブル状の電波放射手段、
    この電波放射手段と略平行に配置されて前記電波を受信するケーブル状の電波受信手段、
    前記電波放射手段又は前記電波受信手段のいずれか一方の、前記遠端側の端に接続された、前記電波を吸収する終端器、
    前記電波放射手段又は前記電波受信手段のうち、前記終端器を接続しない方の前記遠端側の端に接続された、前記電波を反射する反射器、
    前記給電端側における前記電波受信手段の端に接続されて、前記送信信号を受信信号として受信する信号受信手段、
    前記送信信号の送出時刻から前記受信信号の受信時刻までの遅延時間と、前記送信信号が前記受信信号として受信されるまでの伝送経路の前記電波放射手段及び前記電波受信手段における経由位置による前記伝送経路の距離との対応付けによって、前記電波放射手段及び前記電波受信手段の前記給電端の位置からの距離に対応付けたレンジビンについて、前記送信信号のスペクトル拡散信号の符号系列と、前記受信信号から抽出したスペクトル拡散信号の符号系列とを照合して各前記レンジビンの前記受信信号を決定して、各前記レンジビンの前記受信信号の振幅を算出する信号復調手段、
    及び前記遠端の前記給電端と逆の側の位置に対応する前記レンジビンについて前記受信信号の振幅が所定の値より大きいものがあるときは、当該レンジビンに対応する位置から前記遠端までの距離Xを求めて、前記電波放射手段又は前記電波受信手段のうち、前記終端器を接続した方に不具合があると判定して、不具合の位置を前記距離Xと前記電波放射手段及び前記電波受信手段の長さから決定する不具合位置検出手段を備えたことを特徴とする侵入物検出システム。
  17. 一端を給電端として他端を遠端として、前記給電端から注入されるスペクトル拡散信号を重畳した送信信号を電波として放射するケーブル状の電波放射手段、
    この電波放射手段と略平行に配置されて前記電波を受信するケーブル状の電波受信手段、
    前記電波放射手段及び前記電波受信手段のそれぞれについて設けられた前記電波を吸収する終端器、
    前記電波放射手段及び前記電波受信手段のそれぞれについて設けられた前記電波を反射する反射器、
    前記電波放射手段及び前記電波受信手段のそれぞれについて設けられて、前記終端器及び前記反射機のうちのいずれか一方を選択して、対応する前記電波放射手段及び前記電波受信手段に接続する切替え手段、
    前記給電端側における前記電波受信手段の端に接続されて、前記送信信号を受信信号として受信する信号受信手段、
    前記送信信号の送出時刻から前記受信信号の受信時刻までの遅延時間と、前記送信信号が前記受信信号として受信されるまでの伝送経路の前記電波放射手段及び前記電波受信手段における経由位置による前記伝送経路の距離との対応付けによって、前記電波放射手段及び前記電波受信手段の前記給電端の位置からの距離に対応付けたレンジビンについて、前記送信信号のスペクトル拡散信号の符号系列と、前記受信信号から抽出したスペクトル拡散信号の符号系列とを照合して各前記レンジビンの前記受信信号を決定して、各前記レンジビンの前記受信信号の振幅を算出する信号復調手段、
    及び前記遠端の位置に対応する前記レンジビンの前記受信信号の振幅が所定の値より大きいときは、前記電波放射手段又は前記電波受信手段のうち、前記終端器を接続した方に不具合があると判定する不具合情報検出手段を備えたことを特徴とする侵入物検知システム。
  18. 一端を給電端として他端を遠端として、前記給電端から注入されるスペクトル拡散信号を重畳した送信信号を電波として放射するケーブル状の電波放射手段、
    この電波放射手段と略平行に配置されて前記電波を受信するケーブル状の電波受信手段、
    前記電波放射手段及び前記電波受信手段のそれぞれについて設けられた前記電波を吸収する終端器、
    前記電波放射手段及び前記電波受信手段のそれぞれについて設けられた前記電波を反射する反射器、
    前記電波放射手段及び前記電波受信手段のそれぞれについて設けられて、前記終端器及び前記反射機のうちのいずれか一方を選択して、対応する前記電波放射手段及び前記電波受信手段に接続する切替え手段、
    前記給電端側における前記電波受信手段の端に接続されて、前記送信信号を受信信号として受信する信号受信手段、
    前記送信信号の送出時刻から前記受信信号の受信時刻までの遅延時間と、前記送信信号が前記受信信号として受信されるまでの伝送経路の前記電波放射手段及び前記電波受信手段における経由位置による前記伝送経路の距離との対応付けによって、前記電波放射手段及び前記電波受信手段の前記給電端の位置からの距離に対応付けたレンジビンについて、前記送信信号のスペクトル拡散信号の符号系列と、前記受信信号から抽出したスペクトル拡散信号の符号系列とを照合して各前記レンジビンの前記受信信号を決定して、各前記レンジビンの前記受信信号の振幅を算出する信号復調手段、
    及び前記遠端の前記給電端と逆の側の位置に対応する前記レンジビンについて前記受信信号の振幅が所定の値より大きいものがあるときは、当該レンジビンに対応する位置から前記遠端までの距離Xを求めて、前記電波放射手段又は前記電波受信手段のうち、前記終端器を接続した方に不具合があると判定して、不具合の位置を前記距離Xと前記電波放射手段及び前記電波受信手段の長さから決定する不具合位置検出手段を備えたことを特徴とする侵入物検出システム。
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