JPWO2007066746A1 - 真円度測定装置及び先端子良否判定方法 - Google Patents

真円度測定装置及び先端子良否判定方法 Download PDF

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Abstract

偏心がある場合の測定精度を改善した真円度測定装置の実現を目的とする。載物台1と、球状の先端部を有し、載物台の回転軸を含む第1の平面内を変位可能で被測定物の表面に接触して変位する先端子11と、先端子の変位を検出して測定データを出力する測定子12−14と、測定データを処理する処理制御部15と、を備え、処理制御部は、被測定物の中心と載物台の回転中心との偏心による被測定物の表面と先端子との接触位置の第1の平面内でのずれを補正して、真円度を算出する真円度測定装置であって、処理制御部は、偏心による接触位置の第1の平面に垂直な方向のずれを算出して、算出したずれによる接触位置の第1の平面内でのずれも補正して、真円度を算出する。

Description

本発明は、真円度測定装置及びそこで使用される先端子の良否判定方法に関し、特にワークの中心軸の回転軸に対するずれである偏心を補正して真円度を算出する真円度測定装置及び偏心を利用して先端子の良否を判定する方法に関する。
真円度測定装置は、円筒物などの円形の断面を有する被測定物(ワーク)を回転可能な載物台の上に載置して、ワークの表面に先端子を接触させ、ワークの回転に伴う先端子の変位を測定して検出することにより、円形断面の外形形状を測定する。
図1は、真円度測定装置は、基本構成を示す図である。図示のように、真円度測定装置は、ワークWを載置して回転する載物台1と、回転するワークWの表面に接触する先端子11と、先端子11の変位を測定する測定子12と、測定子12の出力する測定信号を増幅するアンプ13と、増幅された検出信号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換器(A/D変換器)14と、A/D変換器14の出力するデジタル測定信号(測定データ)を処理して真円度を算出する演算処理部15と、を有する。以下の説明ではワークWは円筒物であるとして説明を行う。
先端子11は、球状の先端部を有し、載物台1の回転軸と平行な第1の平面内を変位可能で、ワークWの表面に接触し、被測定物の回転に従って変位する。測定子12は、先端子11を支持し、先端子11の変位を、差動トランスなどで検出して測定信号を出力する。演算処理部15は、コンピュータなどで構成される。ここでは、アンプ13及びA/D変換器14は測定子12内に設けられるとする。
図2は、載物台1の上に載置されたワークWに球状の先端子11が接触する様子を示す。ワークWが回転すると、ワークWの表面の半径に応じて先端子11が変位する。真円度測定装置の基本構成については、特許文献1から3などに記載されているように広く知られているので、ここではこれ以上の説明を省略する。
図2に示すように、ワークWの中心と載物台1の回転中心が一致していれば先端子11の変位する範囲は小さい。しかし、図3Aおよび図3Bに示すように、ワークWの中心O’が、載物台1の回転中心Oからずれていると、すなわち偏心していると、ワークWの中心O’が回転中心Oの右側に位置した時に、先端子11の球(以下、この球を単に先端子と称する)の中心O’’は右側に偏心量だけ余分に変位し、ワークWの中心O’が回転中心Oの左側に位置した時に、先端子11の中心O’’は左側に偏心量Eだけ余分に変位する。言い換えれば、ワークWの半径をR、先端子11の半径をr、偏心量をEとすると、ワークWの中心O’が回転中心Oの右側に位置した時に、回転中心Oと先端子11の中心O’’の距離はR+Eとなり、ワークWの中心O’が回転中心Oの左側に位置した時に、回転中心Oと先端子11の中心O’’の距離はR−Eとなる。従って、測定信号は2Eだけ異なることになる。
アンプ13は、測定信号の変動範囲がA/D変換器14の入力信号範囲に対応するように測定信号を増幅する。従って、アンプ13の増幅率に応じて測定可能な測定信号の範囲、すなわち測定レンジが決定される。A/D変換器14の分解能はビット数により規定されるので、測定子12の出力する測定信号の範囲が大きい時には、最小分解能に対応する変位量が大きくなり、分解能が低下する。そのため、高精度の測定を行う時には測定信号の変動範囲を小さくして、測定レンジを狭くする必要がある。
上記のように、偏心があると測定信号は偏心量Eの2倍だけ変動範囲が大きくなるので、高精度の測定を行う時には、ワークWの中心O’が回転中心Oにできるだけ一致するように、すなわち偏心量Eをできるだけ小さくするように調整を行う。特許文献1から3は、偏心量Eをできるだけ小さくする心出し調整を容易に行う方法、及び軸心を正確に算出する方法などを記載している。しかし、心出し調整は時間を要する作業・動作であり、測定のスループットを低下させるという問題があった。
近年、電子デバイスやソフトウエアを実行する演算処理デバイスの進歩により、高分解能でありながら広い測定レンジで測定可能な構成が安価に実現できるようになってきた。そこで、図3Aおよび図3Bに示すような偏心量Eによる測定信号(測定データ)の変化を検出した時には、自動的に偏心量Eを算出して偏心量Eによる変化を測定データから除去する補正を行った後、真円度を算出することが行われるようになった。これにより上記の煩雑な心出し動作を行わなくても高精度の測定が行えるようになった。
特開平4−329306号公報 特開2001−91244号公報 特開2004−93529号公報
しかし、従来の真円度測定装置における偏心量の補正は、図3Aおよび図3Bに示したワークWと先端子11の接触位置Cが、回転中心Oと先端子11の中心O’’を結ぶ線上、言い換えれば先端子の変位可能な平面内にあるとして行われていた。偏心がある場合、図4Aに示すように、ワークWの中心O’が回転中心Oの右側に位置する時(O’R)及び左側に位置する時(O’L)には、ワークWと先端子11の接触位置Cは、回転中心Oと先端子11の中心O’’を結ぶ直線上にあるが、図4Bに示すように、ワークWの中心O’が回転中心Oの上側に位置する時(O’U)及び下側に位置する時(O’S)には、ワークWと先端子11の接触位置Cは、回転中心Oと先端子11の中心O’’を結ぶ直線上にはなく、図4Cに示すようになる。この時、先端子11のOとO’’を結ぶ直線上の表面位置に相当する値が、測定データとして出力される。そのため、測定信号は、回転中心OからワークWの半径Rに対応した値から誤差だけずれた値となるが、従来はこのような補正は行われていなかった。
このような補正が行われていなかった理由は、A/D変換器14の分解能で対応できる偏心量の大きさを考えた場合、そのような偏心量で生じる誤差Pが小さく、分解能に比べて無視できると考えられてきたためである。
しかし、近年、電子デバイスやソフトウエアを実行する演算処理デバイスの進歩は著しく、例えば安価なA/D変換器14でも16ビットの分解能が実現されるようになってきた。そのため、従来高精度の測定が行えなかった偏心量でも高精度での測定が可能になり、それに応じて従来無視していた図4Cに示したような誤差が無視できなくなり、十分な精度で測定が行えないという問題が生じてきた。
また、先端子11は、鋼球、超硬合金球、ルビー球などの非常に硬い材料で作られており、真円形状であるとして測定が行われる。しかし、硬い材料で作られていても、使用するに従って摩耗して形状が変化し、先端子11の形状が真円でなくなる。たとえ先端子11の形状が真円でなくなっても、偏心がなければ測定データには影響しないため、これまで特に管理されていなかった。しかし、上記のように、真円度の測定が偏心がある状態でも高精度に行えるようになると、先端子11の形状変化が測定データに影響する。そのため、先端子11の形状変化を監視して使用可能であるかを判定する必要が生じる。しかし、これまで先端子11の形状変化を簡易に測定する良い方法がなかった。
本発明は、上記のような問題を解決するもので、第1の目的は、偏心がある場合の測定精度を一層改善した真円度測定装置の実現である。第2の目的は、先端子の形状変化を簡易に測定可能にすることである。
上記第1の目的を実現するため、本発明の第1の態様の真円度測定装置は、偏心によりワークと先端子の接触位置が先端子の変位可能な平面に対して垂直な方向にずれた分の測定信号への影響を考慮して補正を行う。
すなわち、本発明の第1の態様の真円度測定装置は、円形の断面を有する被測定物を載置して回転する載物台と、球状の先端部を有し、前記載物台の回転軸と平行な第1の平面内を変位可能で、前記載物台に載置された前記被測定物の表面に接触し、前記被測定物の回転に従って変位する先端子と、前記先端子の変位を検出して測定データを出力する測定子と、前記測定データを処理して前記被測定物の真円度を算出する処理制御部と、を備え、前記処理制御部は、前記被測定物の円形断面の中心と前記載物台の回転中心との差である偏心による前記被測定物の表面と前記先端子との接触位置の前記第1の平面内でのずれを補正して、前記被測定物の真円度を算出する真円度測定装置であって、前記処理制御部は、偏心による前記被測定物の表面と前記先端子との接触位置の前記第1の平面に垂直な方向のずれを算出して、算出した前記第1の平面に垂直な方向のずれによる前記第1の平面内でのずれも補正して、前記被測定物の真円度を算出することを特徴とする。
本発明の第1の態様の真円度測定装置によれば、偏心によるワークと先端子の接触位置が先端子の変位可能な平面に対して垂直な方向のずれが算出され、さらにそのずれの測定信号への影響が算出されて補正されるので、測定精度がより向上する。
上記第2の目的を実現するため、本発明の第2の態様の先端子良否判定方法は、形状が既知の基準被測定物の外形形状を、回転中心に対して偏心しない状態と偏心した状態で測定し、2つの測定データの差から先端子の変形具合を検出して良否を判定する。
すなわち、本発明の第2の態様の先端子良否判定方法は、真円度測定装置で、被測定物の表面に接触する先端子の球状の先端部の形状の良否を判定する先端子良否判定方法であって、形状が既知の基準被測定物を前記基準被測定物の円形の断面の中心が載物台の回転中心に一致するように載置して前記基準被測定物の無偏心外形形状を測定し、前記基準被測定物の円形の断面の中心を前記載物台の回転中心に対して所定量偏心させて前記基準被測定物の偏心外形形状を測定し、前記無偏心外形形状と前記偏心外形形状との差から、前記先端子の球状からの変形量を算出し、算出した前記変形量が所定の範囲を超えた時に不良と判定することを特徴とする。
被測定物の中心が回転中心に一致している場合は、変形した先端子を使用して測定を行っても、先端子の変形は測定データに影響しない。これに対して、被測定物の中心が回転中心に対して偏心している場合、変形した先端子を使用して測定を行うと、測定データが影響される。そのため、形状が既知の基準被測定物の外形形状を、偏心していない状態と偏心している状態で測定すると、2つの測定データに差を生じる。従って、2つの測定データの差から先端子の変形具合を測定できる。
本発明によれば、偏心がある場合の測定精度が向上し、偏心があっても高精度での測定が可能になるので、偏心を調整する必要がなくなり真円度測定装置の操作性及びスループットが向上する。
図1は、表面粗さ/形状測定装置の外観を示す図である。
図2は、載物台上のワークに対する先端子の動作を示す図である。
図3Aおよび図3Bは、ワークの中心が回転中心に対してずれた(偏心した)場合の従来例での補正方法を説明する図である。
図4Aから図4Cは、従来例での偏心補正の問題点を説明する図である。
図5は、本発明の第1実施例における偏心補正処理を説明する図である。
図6は、本発明の第1実施例における偏心補正処理を説明する図である。
図7は、偏心量を算出する別の方法を説明する図である。
図8Aおよび図8Bは、本発明の第2実施例における先端子の摩耗量を算出する原理を説明する図である。
図9は、第2実施例における先端子の良否判定処理を示すフローチャートである。
10 載物台
11 先端子
12 測定子
14 A/D変換器
15 演算処理部
W ワーク
以下本発明の実施例の真円度測定装置を説明するが、実施例の真円度測定装置は、図1に示した従来の真円度測定装置と類似の基本構成を有し、演算処理部15での補正処理のみが異なる。言い換えれば、演算処理部15を構成するコンピュータを動作させるソフトウエアが異なる。以下、補正処理の内容を説明する。
図5及び図6は、本発明の第1実施例の真円度測定装置における補正処理を説明する図である。
まず、第1実施例の補正処理では、ワークWの半径R、先端子11の半径r、偏心量Eを使用する。ワークWの半径R及び先端子11の半径rはあらかじめ判明している値を使用するが、ワークWの半径Rは測定した値から簡易的に算出して使用することも可能である。図3A、図3B及び図4Aで説明したように、ワークWの中心が回転中心から偏心している時には、測定信号をプロットすると略楕円形になるが、この時の楕円の短辺がワークWの直径にほぼ等しい。ワークWの半径Rは数十mm以上の値であり、検出精度は1μm以下であり、ここで入力する半径Rの値はあまり高精度である必要はない。これは先端子11の半径rについても同様である。
偏心量Eは、図3A、図3B及び図4Aで説明したように、変位信号の最大値と最小値の差から簡易的に算出することができる。なお、変位信号の最大値と最小値が、180度異なる回転位置にならない場合には、更に変位信号が同じ値になる方向、すなわち、最大値と最小値になる方向に直交する方向を求めて、これらの4方向の値から算出することも可能である。いずれにしろ、最大値偏心量Eもこのような方法で算出する場合の精度で十分である。
図5及び図6は、回転中心Oを原点とし、先端子11の中心O’’がX軸上を移動可能に支持されているとし、ワークWの中心O’が回転中心Oの周りを回転する場合を示しており、O’がOとO’’を結ぶ線上にある時を起点として示してあり、図5は中心O’が第1象限にある場合を、図6は中心O’が第2象限にある場合を示している。図5及び図6において、CはワークWと先端子11の接触位置を示し、Mは回転中心Oと先端子11の中心O’’を結ぶ線上の点を示し、Mが先端子の位置として検出される。
図5に示すように、載物台1がθ(0<θ<90°)回転したとする。ワークWの中心O’と先端子11の中心O’’を結ぶ線と、回転中心Oと先端子11の中心O’’を結ぶ線(X軸)のなす角度をδとすると、δは式(1)で表される。
δ=sin−1(Esinθ/(R+r)) (1)
測定子の出力(すなわち先端子のMの位置)は、式(2)で表される。
M=Rcosδ−(r−rcosδ)+Ecosθ (2)
実際に接触している位置Cは、次の式(3)で表される。
C=M+(r−rcosδ)=Rcosδ+Ecosθ (3)
なお、この時の位置Cは、測定開始点Sから、θ+δの回転角度にあることになる。
式(1)から(3)は、図6の場合も成り立ち、中心O’が第3及び第4象限にある場合にも成り立つ。ただし、δはX軸より下側の時には負となるものとする。
以上のようにして、ワークWのθ+δの回転角度における接触位置Cの測定値が得られる。
一般に、真円度測定装置においては、ワークWの回転中心における回転角度を一定のピッチに分割して均等に測定データの取り込みが行われるが、上記のように偏心した時には、測定開始点Sの角度をゼロとした場合、回転中心Oの回転角度がθであるのに対して、接触位置Cがなすワークの中心O’との角度はθ+δとなるため、測定データはワークの円周上において不等ピッチとなる。そこで、不等ピッチの測定データを用いて、円周上で等ピッチになる部分の値を補間して求める。このようにして求めた円周上の等ピッチの測定データに基づいて真円度を算出する。不等ピッチの測定値を等ピッチの測定データに変換する補間処理については、従来から行われているので、これ以上の詳しい説明は省略する。
なお、第1実施例では、偏心量Eを図3Aお呼び図3Bに示した測定データの最大値及び最小値から、又は更に直交する方向に測定データから算出したが、図7に示すように、ワークWの全周の測定データを直交座標にプロットし、得られた形状W’の重心位置をワーク中心O’とし、回転中心Oとの距離を偏心量Eとして求めることも可能である。ワークWが楕円形であると、第1実施例の方法で算出した場合、正確な偏心量を求めることができない。また、ワークWが三角オムスビ方などの奇数角形をしている場合、回転中心とワークの中心が一致している場合でも偏心とみなす場合がある。図7の方法を使用すれば、このような問題を生じない。
なお、図7で測定された形状の内接円と外接円の径差から、被測定物の形状異常量(真円から外れている量)を特定することも可能である。
形状異常量が一定量以下の場合には、第1実施例の方法で偏心量及び偏心方向を算出するのが適当であるが、形状異常量が一定量を超えた場合には、図7で説明した方法で偏心量及び偏心方向を算出するのが適当である。
先端子11は、鋼球、超硬合金球、ルビー球などの非常に硬い材料で作られている。第1実施例の真円度測定装置では、先端子は真円形状であるとして測定が行われるが、硬い材料で作られていても、使用するに従って摩耗して形状が変化し、真円でなくなる。ワークWが円筒(球でも可)であれば、ワークWの中心O’と回転中心Oが一致している(偏心していない)時には、先端子が摩耗してもワークWとの接点は常に同じになるため、測定信号には影響しないが、ワークWの中心O’と回転中心Oがずれている(偏心している)時には、ワークWと先端子11の接触点が移動するため、先端子の真円からの形状変化の影響を受ける。
第2実施例では、先端子の真円からの形状変化の具合を検出して、使用可能な状態であるかを判定する。
図8A及び図8Bは、第2実施例における先端子の真円からの形状変化の具合を検出をする原理を説明する図である。図8Aに示すように、もともと半径r1の先端子11が摩耗してワークと接触する部分の中心(偏心のない時にワークと接触する部分)が半径r2になった場合を考える。図8Aに示すような先端子11を使用して、真円形状の基準ワークの中心が回転中心に一致するようにして測定を行うと、図8Bにおいて、Pで示す円形の軌跡が得られる。次に、基準ワークの中心が回転中心に対して所定量ずれた状態、すなわち偏心させた状態で測定を行うと、図8BにおいてSで示す卵型形状の軌跡が検出される。なお、図8Aお呼び図8Bにおいて、Qは、偏心したワークを半径r2の先端子で測定した時の軌跡を、Rは偏心したワークを半径r1の先端子で測定した時の軌跡を示す(中心位置の補正は行っていない)。
軌跡Sでは、短辺方向の最大径がRになる横方向の位置Tが、長辺方向の径の中間位置Vに対して(r1−r2)/2だけずれる。なお、Vは軌跡Pの円の中心であり、軌跡Qの楕円の中心であり、Tは軌跡Rの楕円の中心である。そこで、位置TとVの差を算出すれば(r1−r2)/2、すなわち摩耗量r1−r2に対応する量が求まる。そこで、摩耗量r1−r2の限界値をあらかじめ設定しておき、この限界値を超えた時には、使用不能と判定する。
図9は、第2実施例における測定処理を示すフローチャートである。
ステップ101では、外形及び真円度が既知の基準円筒(球でも可)を載物台上に配置し、基準円筒中心が回転中心に一致するように配置する載物台の位置を調整する。この調整動作は、検出値を観察しながら、検出値が真円形状になるように載物台に設けられた移動機構を利用して行う。
ステップ102では、基準円筒の真円度測定を行い、測定結果を記録する。これにより円軌跡Pが得られ、Vの位置が算出される。
ステップ103では、載物台に設けられた移動機構を利用して、基準円筒の中心を回転中心に対して所定量Eだけ偏心させる。
ステップ104では、偏心した状態で、基準円筒の真円度測定を行い、測定結果を記録する。これにより卵型軌跡Sが得られ、Tの位置が求まると共に、Vの位置が確認される。
ステップ105では、Tの位置とVの位置の差、すなわち摩耗量を算出する。
ステップ106では、Tの位置とVの位置の差があらかじめ定めた閾値より小さいかを判定し、小さければ、ステップ107に進んで先端子の摩耗量が許容範囲内であることをオペレータに報知し、大きければステップ108に進んで先端子の摩耗量が許容範囲を超えて不良であり、新しい先端子を使用するようにオペレータに報知する。
以上本発明の実施例を説明したが、各種の変形例が可能であり、例えば、第1実施例では式に従って補正を行ったが、補正値のテーブルを使用して補正を行うことも可能である。
本発明により、偏心があっても真円度が高精度で測定できるので、表面粗さ/形状測定装置の作業性が改善され、これまで生産性の点から表面粗さ/形状測定装置使用できなかった分野でも表面粗さ/形状測定装置が使用できるようになり、表面粗さ/形状測定装置の使用分野が拡大する。

Claims (2)

  1. 円形の断面を有する被測定物を載置して回転する載物台と、
    球状の先端部を有し、前記載物台の回転軸を含む第1の平面内を変位可能で、前記載物台に載置された前記被測定物の表面に接触し、前記被測定物の回転に従って変位する先端子と、
    前記先端子の変位を検出して測定データを出力する測定子と、
    前記測定データを処理して前記被測定物の真円度を算出する処理制御部と、を備え、
    前記処理制御部は、前記被測定物の円形断面の中心と前記載物台の回転中心との差である偏心による前記被測定物の表面と前記先端子との接触位置の前記第1の平面内でのずれを補正して、前記被測定物の真円度を算出する真円度測定装置であって、
    前記処理制御部は、偏心による前記被測定物の表面と前記先端子との接触位置の前記第1の平面に垂直な方向のずれを算出して、算出した前記第1の平面に垂直な方向のずれによる前記被測定物の表面と前記先端子との接触位置の前記第1の平面内でのずれも補正して、前記被測定物の真円度を算出することを特徴とする真円度測定装置。
  2. 真円度測定装置で、被測定物の表面に接触する先端子の球状の先端部の形状の良否を判定する先端子良否判定方法であって、
    形状が既知の基準被測定物を前記基準被測定物の円形の断面の中心が載物台の回転中心に一致するように載置して前記基準被測定物の無偏心外形形状を測定し、
    前記基準被測定物の円形の断面の中心を前記載物台の回転中心に対して所定量偏心させて前記基準被測定物の偏心外形形状を測定し、
    前記無偏心外形形状と前記偏心外形形状との差から、前記先端子の球状からの変形量を算出し、
    算出した前記変形量が所定の範囲を超えた時に不良と判定することを特徴とする真円度測定装置の先端子良否判定方法。
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