JPWO2007049485A1 - セルロース溶液の製造方法、セルロース溶液および再生セルロースの製造方法 - Google Patents

セルロース溶液の製造方法、セルロース溶液および再生セルロースの製造方法 Download PDF

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Abstract

セルロースと、式(1)で示されるイオン液体とを混合して得られた混合物を加熱し、セルロースをイオン液体中に溶解させてセルロース溶液を製造する。これにより、含水率が比較的高い状態でも比較的高濃度でセルロースを溶解でき、かつ、加熱による溶解法を用いた場合でも溶解後のセルロースの重合度低下が比較的少ない、セルロース溶液の製造方法を提供できる。〔式中、R1〜R3は、互いに同一でも異なっていてもよい、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基、またはR4−O−(CH2)n−で表されるアルコキシアルキル基を示し(R4は、メチル基またはエチル基を示す。)、nは1または2である。Yは、ハロゲン化物イオン、総炭素数1〜3のカルボン酸イオン、過塩素酸イオン、または擬ハロゲン化物イオンを示す。〕

Description

本発明は、セルロース溶液の製造方法、セルロース溶液および再生セルロースの製造方法に関し、さらに詳述すると、分子内にアルコキシアルキル基を有する4級アンモニウム塩型イオン液体を用いたセルロース溶液の製造方法、セルロース溶液および再生セルロースの製造方法に関する。
従来、セルロースから構成される材料を一旦有機溶媒に溶かした後、この溶液中からセルロースを再生したり、セルロースの水酸基修飾反応時にセルロースを有機溶媒に溶かしたりする手法が、広く行われている。
これらのセルロース溶液を調製する際の溶媒として、最近、イオン液体が利用され始めている。
例えば、特許文献1(特表2005−506401号公報)には、実質的に水を含まないイオン液体中にセルロースを溶解させてセルロース溶液を調製し、これに水を加えてセルロースを再生させる方法が開示されている。イオン液体としては、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライドが最適であることが示されている。
特許文献2(国際公開第2005/054298号パンフレット)には、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライドに代表されるイオン液体にセルロースを溶解し、セルロースの水酸基をエーテル化する手法が開示されている。
上記特許文献1において、セルロースのイオン液体溶液に水を加えてセルロースの再生が行われているように、イオン液体に対するセルロースの溶解性は、イオン液体に含まれる水分量に著しく左右される。このため、再生セルロースの製造工程などで、比較的高濃度のセルロース溶液を調製する必要がある場合には、できる限り含水率を低下させたイオン液体を用いる必要がある。
しかし、特許文献1,2で用いられているようなハロゲンアニオンを有するイオン液体は、極めて吸湿性が高いという性質を有している。このため、イオン液体中の含水率が高くなり、このような高含水率イオン液体をそのまま用いた場合、セルロースが完全に溶解しないといった問題が生じる。このことから、従来用いられているイオン液体では、含水率を低減させる高度な精製をイオン液体に施す必要があった。
しかも、そのような処理を施した後のイオン液体であっても、実用上十分なセルロース溶解能を有しているとは言い難く、高濃度のセルロース溶液を調製するためには、マイクロウェーブ処理などの特殊な操作を必要としている。
一方、再生後のセルロースの物性を大きく左右する要因の一つにセルロースの重合度(分子量)がある。この点、従来用いられているイオン液体に、加熱下でセルロースを溶解し、その後再生した場合には、得られるセルロースの重合度が大きく減少することが知られている。特許文献1の手法では、上述したマイクロウェーブ処理という特殊な溶解手法を採用することで、セルロースの溶解性の改善を図るだけでなく、再生セルロースの重合度(分子量)の低下をも抑えている。
以上のように、従来、最もセルロース溶解用の溶媒に適しているとされる1−アルキル−3−メチル−イミダゾリウム系のイオン液体には、含水率を低減させるための精製処理が必要となるのみならず、セルロース溶解の際にもマイクロウェーブ処理を必要とするなど、工程の煩雑化を招く要因が多く存在し、工業的利用を考えた場合に、使用し易い溶媒であるとは言い難い。
特表2005−506401号公報 国際公開第2005/054298号パンフレット
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、含水率が比較的高い状態でも比較的高濃度でセルロースを溶解でき、かつ、加熱による溶解法を用いた場合でも溶解後のセルロースの重合度低下が比較的少ない、イオン液体を用いたセルロース溶液の製造方法、セルロース溶液および再生セルロースの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記式(1)で示されるような分子内にアルコキシアルキル基を有する4級アンモニウム塩型のイオン液体が、従来最もセルロースの溶解に適しているとされるイミダゾリウム型イオン液体よりも、セルロースの溶解能が高く、含水率が比較的高い状態であっても比較的高濃度でセルロースを溶解し得、かつ、加熱による溶解法を用いた場合でも溶解後のセルロースの重合度低下を抑制し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. セルロースと、式(1)で示されるイオン液体とを混合して得られた混合物を加熱して、前記セルロースを前記イオン液体中に溶解させることを特徴とするセルロース溶液の製造方法、
Figure 2007049485
〔式中、R1〜R3は、互いに同一でも異なっていてもよい、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基、またはR4−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基を示し(R4は、メチル基またはエチル基を示す。)、nは1または2である。Yは、ハロゲン化物イオン、総炭素数1〜3のカルボン酸イオン、過塩素酸イオン、または擬ハロゲン化物イオンを示す。〕
2. 前記R1〜R3が、互いに同一でも異なっていてもよい、メチル基、エチル基、アリル基、2−メチルアリル基、またはR4−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基(R4およびnは、前記と同じ意味を表す。)である1のセルロース溶液の製造方法、
3. 前記イオン液体が、式(2)で示される化合物である2のセルロース溶液の製造方法、
Figure 2007049485
〔式中、nおよびYは前記と同じ意味を表す。〕
4. 前記イオン液体が、式(3)で示される化合物である3のセルロース溶液の製造方法、
Figure 2007049485
5. 前記セルロースが、10質量%以上含まれる1〜4のいずれかのセルロース溶液の製造方法、
6. 前記セルロースが、植物由来セルロース、動物由来セルロース、バクテリア由来セルロースおよび再生セルロースから選ばれる少なくとも1種である1〜5のいずれかのセルロース溶液の製造方法、
7. 前記イオン液体が、水を2質量%以上含む5または6のセルロース溶液の製造方法、
8. 式(1)で示されるイオン液体にセルロースが溶解していることを特徴とするセルロース溶液、
Figure 2007049485
〔式中、R1〜R3は、互いに同一でも異なっていてもよい、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基、またはR4−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基を示し(R4は、メチル基またはエチル基を示す。)、nは1または2である。Yは、ハロゲン化物イオン、総炭素数1〜3のカルボン酸イオン、過塩素酸イオン、または擬ハロゲン化物イオンを示す。〕
9. 前記R1〜R3が、互いに同一でも異なっていてもよい、メチル基、エチル基、アリル基、2−メチルアリル基、またはR4−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基(R4およびnは、前記と同じ意味を表す。)である8のセルロース溶液、
10. 前記イオン液体が、式(2)で示される化合物である9のセルロース溶液、
Figure 2007049485
〔式中、nおよびYは前記と同じ意味を表す。〕
11. 前記イオン液体が、式(3)で示される化合物である10のセルロース溶液、
Figure 2007049485
12. 前記セルロースが、10質量%以上含まれる8〜11のいずれかのセルロース溶液、
13. 前記セルロースが、植物由来セルロース、動物由来セルロース、バクテリア由来セルロースおよび再生セルロースから選ばれる少なくとも1種である8〜12のいずれかのセルロース溶液、
14. 1〜7のいずれかに記載のセルロース溶液の製造方法により得られたセルロース溶液を、前記イオン液体に相溶し、かつ、実質的にセルロース溶解能を有しない媒体に加え、セルロースを析出させることを特徴とする再生セルロースの製造方法、
15. 1〜7のいずれかに記載のセルロース溶液の製造方法により得られたセルロース溶液に、前記イオン液体に相溶し、かつ、実質的にセルロース溶解能を有しない媒体を加え、セルロースを析出させることを特徴とする再生セルロースの製造方法
を提供する。
本発明によれば、分子内にアルコキシアルキル基を有する4級アンモニウム塩型のイオン液体をセルロース溶解用の溶媒として用いているから、比較的高濃度のセルロース溶液を簡便に調製でき、効率的に再生セルロースを製造することができる。
すなわち、このイオン液体は、1質量%未満まで含水率を低減しなくとも、十分なセルロース溶解能を有しているので、イミダゾリウム系イオン液体のように、含水率を低減するために高度な精製を行わずに済む。
また、このイオン液体は、イミダゾリウム系イオン液体よりも、セルロースの溶解能に優れているため、マイクロウェーブによる処理を用いずに、通常の加熱処理だけでも比較的高濃度のセルロース溶液を調製することができる。
さらに、このイオン液体に加熱溶解させた後に再生したセルロースは、イミダゾリウム系イオン液体から再生したそれよりも重合度の低下が少なく、加熱処理による溶解の後に再生した場合でも、十分実用に耐え得るセルロースが得られる。このため、本発明の再生セルロースの製造方法は、従来法にて重合度の減少を抑制するために用いられていた、マイクロウェーブ処理のような特殊な処理を必要としないという利点がある。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係るセルロース溶液の製造方法は、セルロースと、式(1)で示されるイオン液体とを混合して得られた混合物を加熱して、セルロースをイオン液体中に溶解させるものである。
Figure 2007049485
〔式中、R1〜R3は、互いに同一でも異なっていてもよい、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基、またはR4−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基を示し(R4は、メチル基またはエチル基を示す。)、nは1または2である。Yは、ハロゲン化物イオン、総炭素数1〜3のカルボン酸イオン、過塩素酸イオン、または擬ハロゲン化物イオンを示す。〕
式(1)において、炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基等が挙げられる。炭素数3〜5のアルケニル基としては、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基(クロチル基)、3−ブテニル基、イソクロチル基、2−メチルアリル基(メタリル基)等が挙げられる。R4−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基としては、メトキシまたはエトキシメチル基、メトキシまたはエトキシエチル基が挙げられる。
イオン液体を構成するYはアニオンであって、Cl-、Br-、I-等のハロゲン化物イオン;C25CO2 -、CH3CO2 -、HCO2 -等の総炭素数1〜3のカルボン酸イオン;一価でありハロゲン化物に類似した特性を有するCN-、 SCN-、 OCN-、 ONC-、N3 -等の擬ハロゲン化物イオン;ジシアナミドイオン(N(CN)2 -)、過塩素酸イオン等が挙げられるが、セルロースの溶解性を高めるという点から、Cl-、HCO2 -、Br-が好ましい。
これらの中でも、イオン液体としては、式(1)におけるR1〜R3が、互いに同一でも異なっていてもよい、メチル基、エチル基、アリル基、メタリル基、またはR4−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基(特に、メトキシエチル基またはメトキシメチル基)であるものが好ましい。
より具体的には、下記式(2)で示されるイオン液体を好適に用いることができる。
Figure 2007049485
〔式中、nおよびYは上記と同じ意味を表す。〕
この場合も、Yとしては、セルロースの溶解性を高めるという点から、Cl-、HCO2 -、Br-が好ましい。
特に、n=2およびY=Cl-である、下記式(3)で示されるイオン液体が好適である。
Figure 2007049485
なお、イオン液体の融点は、特に限定されるものではないが、セルロース溶解時の加熱処理温度との兼ね合いから、100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、70℃以下がより一層好ましい。
セルロースとしては、公知のセルロース材料から適宜選択して用いればよく、例えば、植物由来セルロース、動物由来セルロース、バクテリア由来セルロース、再生セルロース等を用いることができる。
植物由来セルロースとしては、コットンリント、コットンリンター、針葉樹セルロース、広葉樹セルロース、靭皮セルロース、葉脈セルロース、麻セルロース、ケナフセルロース、バナナ繊維セルロース、竹繊維セルロース等が挙げられる。
動物由来セルロースとしては、尾索動物由来のセルロース等が挙げられ、特にホヤセルロースが挙げられる。
バクテリア由来セルロースとしては、Acetobacter属、Agrobacterium属、Rhizobium属等のバクテリアに由来するセルロースが挙げられる。
再生セルロースとしては、ザンテート法、銅アンモニア法、N24/DMF法、(CH2O)x/DMSO法、NMMO法、LiCl/DMAc法、水蒸気爆砕アルカリ水溶液法、イオン液体法などにより溶解した後に再生したセルロースが挙げられる。
なお、本発明によるセルロースの溶解を妨げない程度であれば、セルロースが誘導体化されたものであっても適用可能である。例えば、セルロースの水酸基をエーテル化またはエステル化した誘導体や、シアノエチル化した誘導体などを用いることもできる。
セルロースの形態としては、特に制限はなく、糸状、布状、紙状、フィルム状、綿状、粉状、粒状、棒状など、種々の形態のセルロースを採用できる。
セルロースの結晶構造も特に限定されるものではなく、I型、II型、III型、IV型、非晶のいずれか一つの構造またはそれらの組合せからなる構造を有するセルロースを採用できる。また、セルロースの結晶化度にも大きく影響されない。
セルロースの分子量(重合度)は任意であるが、式(1)のイオン液体を用いれば、重量平均分子量200万〜4万、特に200万〜20万程度の比較的大きな分子量のセルロースも容易に溶解することができる。
本発明の製法においても、イオン液体に含まれる水分量は少ない方がセルロース溶解能が高まるが、イミダゾリウム系イオン液体のように、1質量%未満まで含水率を低減させなくとも、比較的高濃度のセルロース溶液を調製することができる。
上記式(1)〜(3)のイオン液体であれば、例えば、含水率が2質量%程度であっても、10〜15質量%程度の比較的高濃度のセルロース溶液を調製することができ、含水率が6質量%程度であっても、5質量%程度の濃度のセルロース溶液を調製することができる。ただし、含水率が高くなればなるほど、セルロースの溶解能は低下するため、その上限は、6〜8質量%程度とすることが好ましい。
また、イオン液体は、加熱真空脱水等により脱水してもよく、このような処理を行えば、その含水率を1質量%以下程度まで低減させることができる。含水率が1質量%未満のイオン液体とした場合には、15〜30質量%、場合によっては20〜30質量%程度の高濃度のセルロース溶液を調製することができる。
なお、脱水時の加熱温度、減圧度等はイオン液体の種類に応じて適宜選定すればよい。また、含水率は、カールフィッシャー水分計による測定値である。ただし、イオン液体が室温で固体である場合、イオン液体とアセトニトリルとを質量比1:1で混合し、完全に溶解した後に測定した含水率から計算によって求めればよい。
セルロースをイオン液体に溶解させる具体的な手法は、特に限定されるものではない。例えば、セルロースと、式(1)で示されるイオン液体とを混合して得られた混合物の調製法としては、セルロースにイオン液体を添加してもよく、イオン液体にセルロースを添加してもよい。また、イオン液体が室温で固体の場合、固体のままセルロースと混合してもよく、一旦加熱溶融した後にセルロースと混合してもよい。
加熱温度は、イオン液体が液状を示す温度であればよいが、セルロースの溶解を促進させるためには、50℃以上が好ましく、より好ましくは60℃以上、さらに好ましくは80℃以上、より一層好ましくは100℃以上である。
加熱手段は任意であるが、オーブンによる加熱、水浴や油浴による加熱などの一般的な加熱手段を用いればよい。本発明においては、イミダゾリウム型イオン液体を溶媒として用いる場合のように、マイクロウェーブで加熱する等の特殊な方法は必要としない。
また、加熱にあたっては、セルロースの溶解を促進するために、撹拌を行うことが好ましい。撹拌手段も任意であり、撹拌子や撹拌羽根による機械的撹拌、容器の振盪による撹拌、超音波照射による撹拌などに代表される公知の撹拌法の中から、スケール等に応じて適宜な手段を採用すればよい。
以上のような混合・加熱処理により、セルロースはイオン液体に溶解し、均一透明のセルロース溶液を得ることができる。
本発明に係る再生セルロースの製造方法は、上記のようにしてセルロース溶液を調製した後、
(A)このセルロース溶液を、イオン液体に相溶し、かつ、実質的にセルロース溶解能を有しない媒体に加え、セルロースを析出させる、または
(B)このセルロース溶液に、イオン液体に相溶し、かつ、実質的にセルロース溶解能を有しない媒体を加え、セルロースを析出させる
ものである。
ここで、イオン液体に対して相溶し、かつ、実質的にセルロース溶解能を有しない媒体の具体例としては、水、メタノール,エタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル類、アセトン,メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル、クロロホルムなどが挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上混合して用いることができる。
これらの中でも、効率的にセルロースを再生させることを考慮すると、水、アルコール類が好ましく、環境面を配慮すると水がより好ましい。
また、別の観点として、イオン液体の効率的かつ経済的な回収を目的とする場合には、上記媒体のうち、低沸点の有機溶媒を用いることが好ましい。低沸点溶媒の具体例としては、メタノール、エタノールが挙げられる。
なお、「実質的にセルロース溶解能を有しない媒体」とは、セルロースを全く溶解しない媒体という意味ではなく、本発明のセルロース溶液に加え、その添加量を臨界量以上に増大させた場合にセルロースを析出させることが可能な媒体を意味する。
セルロース溶液と上記媒体との使用割合は、セルロースが析出してくる割合であれば任意であり、また使用する媒体によっても変動するものであるため一概に規定することはできないが、効率的にセルロースを析出させるためには、媒体/セルロース溶液の液量比は1以上が好ましく、2以上がより好ましく、5以上がさらに好ましい。
なお、セルロース溶液中に媒体を加える方法、媒体中にセルロース溶液を加える方法は任意である。
再生セルロースの形態としては、特に限定されるものではなく、粉状、粒状、塊状、綿状、短繊維状、長繊維状、棒状、スポンジ状、フィルム状等の各種形状とすることができる。
たとえば、セルロース溶液を上記媒体に加える手法((A)法)では、Tダイなどを通してセルロース溶液を媒体中に押し出すなどにより、フィルム状や、長繊維状の再生セルロースを連続的に得ることもできる。
また、セルロース溶液中にセルロース溶液とは非相溶な液体や固体を分散させておき、セルロースを析出させることで多孔質の再生セルロースを得ることができる。この一例としてセルローススポンジが挙げられる。
以下、合成例、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
[合成例1]N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−メトキシエチルアンモニウムクロライドの合成
Figure 2007049485
ジエチルアミン(関東化学(株)製)71質量部と2−メトキシエチルクロライド(関東化学(株)製)88質量部とを混合し、オートクレーブ中、120℃で24時間反応させた。この時、最高到達内圧は4.5kgf/cm2(0.44MPa)であった。24時間後、析出した結晶を、テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)を用いて洗浄して濾別した。濾液を常圧蒸留し、沸点135℃付近の留分を81質量部得た。この化合物が2−メトキシエチルジエチルアミンであることを核磁気共鳴スペクトル(NMR)により確認した。
続いて、オートクレーブ中にてテトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)80質量部に2−メトキシエチルジエチルアミン9.0質量部を溶解し、攪拌を行いつつ15%塩化メチルガス(窒素中、日本特殊化学工業(株)製)を導入した。内圧が4kgf/cm2(0.39MPa)になるまで塩化メチルガスを加えた後、3時間かけて徐々に60℃まで昇温した。この時、最高到達内圧は5.4kgf/cm2(0.53MPa)であった。この後、攪拌を続けながら放冷し、析出した結晶を濾別した。この結晶を減圧下乾燥し、目的物であるN,N−ジエチル−N−メチル−N−2−メトキシエチルアンモニウムクロライドを12質量部得た。
[1]セルロース溶液の製造
[実施例1]
攪拌子を入れた20mlサンプル瓶に、合成例1で得られたN,N−ジエチル−N−メチル−N−2−メトキシエチルアンモニウムクロライド(DEMECl、融点59〜60℃)(含水率7600ppm)を入れ、加熱して融解させた後、これに脱脂綿(スズラン(株)製)を加えて混合物を調製した。
この混合物を乾燥機(Yamato CONSTANT TEMPERATURE OVEN DN−42)内に投入し、100℃で加熱して脱脂綿を溶解させ、セルロース溶液を得た。この際、時々、サンプル瓶を取り出しては、スターラー(IWAKI HIGH−POWER STIRRER BS−1000)で攪拌して内容物を混合した。
[実施例2]
DEMEClを含水率23400ppmのものに代えた以外は実施例1と同様にしてセルロース溶液を得た。
[実施例3]
脱脂綿から微結晶セルロース(SIGMA−ALDRICH社製)に代えた以外は実施例1と同様にしてセルロース溶液を得た。
[実施例4]
DEMEClを含水率31500ppmのものに代えた以外は実施例3と同様にしてセルロース溶液を得た。
[実施例5]
脱脂綿から濾紙(有限会社桐山製作所製)に代えた以外は実施例1と同様にしてセルロース溶液を得た。
[実施例6]
DEMEClを含水率23400ppmのものに代えた以外は実施例5と同様にしてセルロース溶液を得た。
[実施例7]
脱脂綿を短繊維状セルロース(ARBOCEL B400,J.RETTENMAIER&SO EHNE社製)に代えた以外は実施例1と同様にしてセルロース溶液を得た。
[実施例8]
DEMEClを含水率23000ppmのものに代えた以外は実施例7と同様にしてセルロース溶液を得た。
[実施例9]
DEMEClを含水率62300ppmのものに代えた以外は実施例7と同様にしてセルロース溶液を得た。
[比較例1]
DEMEClを1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド(BMIMCl、融点73℃)(ACROS ORGANICS社製)(含水率6850ppm)に代えた以外は実施例1と同様にしてセルロース溶液を得た。
[比較例2]
BMIMClを含水率23300ppmのものに代えた以外は比較例1と同様にしてセルロース溶液を得た。
[比較例3]
DEMEClをBMIMCl(含水率6850ppm)に代えた以外は実施例3と同様にしてセルロース溶液を得た。
[比較例4]
BMIMClを含水率13100ppmのものに代えた以外は比較例3と同様にしてセルロース溶液を得た。
[比較例5]
DEMEClをBMIMCl(含水率6850ppm)に代えた以外は実施例5と同様にしてセルロース溶液を得た。
[比較例6]
BMIMClを含水率23300ppmのものに代えた以外は比較例5と同様にしてセルロース溶液を得た。
[比較例7]
DEMEClをBMIMCl(含水率6850ppm)に代えた以外は実施例7と同様にしてセルロース溶液を得た。
[比較例8]
BMIMClを含水率16100ppmのものに代えた以外は比較例7と同様にしてセルロース溶液を得た。
[比較例9]
BMIMClを含水率58800ppmのものに代えた以外は比較例7と同様にしてセルロース溶液を得た。
上記各実施例および比較例について、使用したイオン液体の含水率、各イオン液体に溶解したセルロース量(質量%)を表1にまとめて示す。なお、含水率および溶解度は、以下の方法により測定した。
[含水率]
カールフィッシャー水分計(MKC−510N,京都電子工業(株)製)により測定した。なお、使用したイオン液体は全て室温で固体であったため、イオン液体とアセトニトリルとを質量比1:1で混合し、完全に溶解した後に側定した含水率から、以下の式により算出した。
室温固体のイオン液体の含水率=混合溶液(アセトニトリル:イオン液体=1:1(質量比))の含水率×2−使用したアセトニトリルの含水率
[溶解度]
セルロース量が5質量%刻みとなるよう各セルロース溶液を調製し、顕微鏡(PEAK WIDE STAND MICROSCOPE)を用いて300倍で観察した。一視野中に、不溶解膨潤セルロースが5個以上、ポイント状の不溶解物が40個以上認められたものを不溶とし、それ以下のものは溶解として100℃における溶解度を決定した。
Figure 2007049485
[2]各種セルロース試料の溶解
[実施例10〜15]
セルロース試料を脱脂綿からコットンリンター、リネン、バナナ繊維、テンセル、液体アンモニア処理(以下、液アン処理という)コットンリンター、液アン処理テンセルの各種セルロース試料に代え、各種セルロース試料の量を、イオン液体に対して15質量%に固定した以外は、実施例1と同様にしてセルロース溶液を調製した。なお、使用したDEMEClの含水率は570ppmであった。
ここでコットンリンター、リネン、バナナ繊維はI型の結晶構造を持つセルロース、テンセルはII型の結晶構造を持つ再生セルロース、液アン処理コットンリンターと液アン処理テンセルはIII型の結晶構造を持つセルロースである。なお、液アン処理はセルロース試料を液体アンモニアに浸漬した後にアンモニアを蒸発させることで行った。結果を表2に示す。
Figure 2007049485
[3]再生セルロースの製造
[実施例16]
実施例1と同様にして、短繊維状セルロース(ARBOCEL B400)を、DEMECl(含水率8900ppm)に溶かし、短繊維状セルロースのDEMECl溶液(含有セルロース:5質量%)を調製した。この溶液10gを、攪拌下で水50gに少しずつに分けて加え、最終的に全量加えた後、10分間攪拌を続けてセルロースを析出させた。
デカンテーションにより水相を捨て、新たに50gの水を加えて攪拌する操作を4回繰り返してセルロースからDEMEClを洗い流し、綿状のセルロースを得た。乾燥後の綿状セルロースの質量は0.46gであった。
[実施例17]
実施例16で調製した短繊維状セルロースのDEMECl溶液(含有セルロース:5質量%)10gに、水50gを加え、ステンレス製スパーテルで攪拌しながらセルロースを析出させた。
デカンテーションにより水相を捨て、新たに50gの水を加えて攪拌する操作を4回繰り返してセルロースからDEMEClを洗い流し、塊状のセルロースを得た。乾燥後の塊状セルロースの質量は0.48gであった。
[4]再生セルロースの分子量
[実施例18]
実施例1と同様にして、短繊維状セルロース(ARBOCEL B400)を、DEMECl(含水率8900ppm)に溶かし、短繊維状セルロースのDEMECl溶液(含有セルロース:5質量%)30gを調製した。この溶液を用い、実施例16と同様にして再生セルロース1を得た(1.45g)。
[比較例10]
比較例1と同様にして、短繊維状セルロース(ARBOCEL B400)を、BMIMCl(含水率9100ppm)に溶かし、短繊維状セルロースのBMIMCl溶液(含有セルロース:5質量%)30gを調製した。この溶液を用い、実施例16と同様にして再生セルロース2を得た(1.42g)。
[再生セルロースの分子量測定]
上記実施例18および比較例10で得られた再生セルロースの分子量を、TAPPI標準法T238su−63に従って測定した。具体的な測定法を以下に示す。
発煙硝酸(比重1.52、関東化学(株)製)300mlに、濃硝酸(比重1.38、関東化学(株)製)50mlを少しずつ加え、比重1.50の濃硝酸を調製した。続いて氷水で冷やしながらこの濃硝酸に五酸化二リン(国産化学(株)製)200gを加えて硝化反応用の混酸を調製した。氷水冷却下でこの混酸100mlに、実施例18および比較例10で得られた再生セルロース1および再生セルロース2、並びに対照として短繊維状セルロース(ARBOCEL B400)をそれぞれ1g加えてよく分散させ、1時間反応させた。反応終了後、ガラスフィルタで吸引ろ過し、生成した硝酸セルロースを混酸から分離した。この硝酸セルロースを氷冷水(300ml)中に分散させ、ガラスフィルタで再びろ過し、氷冷水とメタノールで十分に洗浄した。続いて50℃の乾燥機中で乾燥した。
得られた三硝酸セルロースをテトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)に0.1%(w/v)となるように溶解し、これを分析試料としてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)にて分子量分布を測定した。
GPCは2695 Separatins Module(日本ウォーターズ(株)製)にGPC KF−801カラム(昭和電工(株)製)を直列に3本接続したものを用い、流速1ml/min、カラム温度40℃にて測定した。この重量平均分子量(Mw)は、単分散ポリスチレン標準試料STANDARD SM−105(昭和電工(株)製)を用いて作成した検量線から、ポリスチレン換算値として求めた値である。結果を表3に示す。
Figure 2007049485
Mw:ポリスチレン換算値
表3に示されるように、実施例18で得られた再生セルロース1は、比較例10で得られた再生セルロース2に比べて、重量平均分子量(Mw)が10倍以上大きいことがわかる。
[5]セルロース溶液の粘度
[実施例19]
実施例1と同様にして、短繊維状セルロース(ARBOCEL B400)を、DEMECl(含水率890ppm)に溶かし、短繊維状セルロースのDEMECl溶液(含有セルロース:5質量%)を調製した。
[実施例20]
実施例1と同様にして、短繊維状セルロース(ARBOCEL B400)を、DEMECl(含水率8900ppm)に溶かし、短繊維状セルロースのDEMECl溶液(含有セルロース:5質量%)を調製した。
[比較例11]
比較例1と同様にして、短繊維状セルロース(ARBOCEL B400)を、BMIMCl(含水率8000ppm)に溶かし、短繊維状セルロースのBMIMCl溶液(含有セルロース:5質量%)を調製した。
実施例19,20および比較例11で調製したセルロース溶液を、それぞれガラス製の棒瓶(直径25mm、高さ100mm)に入れた。これをオイルバス中で100℃に維持し、この状態での粘度を粘度計(VISCOMETER TVB−10、東機産業(株)製)により測定した。なお、粘度測定に際しては、液体の粘度に合わせてロータとその回転数を適宜選択した。また、コントロールとしてセルロースを溶解しない状態でのイオン液体の粘度も測定した。結果を表4に示す。
Figure 2007049485
表4に示されるように、実施例20のセルロースのDEMECl溶液は、ほぼ同程度の含水率を有するBMIMClを溶媒に用いた比較例11のセルロースのBMIMCl溶液に比べて粘度が高いことがわかる。このことからもDEMEClに溶解しているセルロースの重合度は、BMIMClよりも大きいこと、言い換えれば、DEMECl溶液中では、BMIMCl溶液中よりもセルロースの重合度の減少が抑制されていることがわかる。

Claims (15)

  1. セルロースと、式(1)で示されるイオン液体とを混合して得られた混合物を加熱して、前記セルロースを前記イオン液体中に溶解させることを特徴とするセルロース溶液の製造方法。
    Figure 2007049485
    〔式中、R1〜R3は、互いに同一でも異なっていてもよい、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基、またはR4−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基を示し(R4は、メチル基またはエチル基を示す。)、nは1または2である。Yは、ハロゲン化物イオン、総炭素数1〜3のカルボン酸イオン、過塩素酸イオン、または擬ハロゲン化物イオンを示す。〕
  2. 前記R1〜R3が、互いに同一でも異なっていてもよい、メチル基、エチル基、アリル基、2−メチルアリル基、またはR4−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基(R4およびnは、前記と同じ意味を表す。)である請求項1記載のセルロース溶液の製造方法。
  3. 前記イオン液体が、式(2)で示される化合物である請求項2記載のセルロース溶液の製造方法。
    Figure 2007049485
    〔式中、nおよびYは前記と同じ意味を表す。〕
  4. 前記イオン液体が、式(3)で示される化合物である請求項3記載のセルロース溶液の製造方法。
    Figure 2007049485
  5. 前記セルロースが、10質量%以上含まれる請求項1〜4のいずれか1項記載のセルロース溶液の製造方法。
  6. 前記セルロースが、植物由来セルロース、動物由来セルロース、バクテリア由来セルロースおよび再生セルロースから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか1項記載のセルロース溶液の製造方法。
  7. 前記イオン液体が、水を2質量%以上含む請求項5または6記載のセルロース溶液の製造方法。
  8. 式(1)で示されるイオン液体にセルロースが溶解していることを特徴とするセルロース溶液。
    Figure 2007049485
    〔式中、R1〜R3は、互いに同一でも異なっていてもよい、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基、またはR4−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基を示し(R4は、メチル基またはエチル基を示す。)、nは1または2である。Yは、ハロゲン化物イオン、総炭素数1〜3のカルボン酸イオン、過塩素酸イオン、または擬ハロゲン化物イオンを示す。〕
  9. 前記R1〜R3が、互いに同一でも異なっていてもよい、メチル基、エチル基、アリル基、2−メチルアリル基、またはR4−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基(R4およびnは、前記と同じ意味を表す。)である請求項8記載のセルロース溶液。
  10. 前記イオン液体が、式(2)で示される化合物である請求項9記載のセルロース溶液。
    Figure 2007049485
    〔式中、nおよびYは前記と同じ意味を表す。〕
  11. 前記イオン液体が、式(3)で示される化合物である請求項10記載のセルロース溶液。
    Figure 2007049485
  12. 前記セルロースが、10質量%以上含まれる請求項8〜11のいずれか1項記載のセルロース溶液。
  13. 前記セルロースが、植物由来セルロース、動物由来セルロース、バクテリア由来セルロースおよび再生セルロースから選ばれる少なくとも1種である請求項8〜12のいずれか1項記載のセルロース溶液。
  14. 請求項1〜7のいずれかに記載のセルロース溶液の製造方法により得られたセルロース溶液を、前記イオン液体に相溶し、かつ、実質的にセルロース溶解能を有しない媒体に加え、セルロースを析出させることを特徴とする再生セルロースの製造方法。
  15. 請求項1〜7のいずれかに記載のセルロース溶液の製造方法により得られたセルロース溶液に、前記イオン液体に相溶し、かつ、実質的にセルロース溶解能を有しない媒体を加え、セルロースを析出させることを特徴とする再生セルロースの製造方法。
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