JPWO2007043518A1 - 嘔気および/または嘔吐治療剤 - Google Patents

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Abstract

嘔気および/または嘔吐の治療および/または予防剤を提供する。式(I):(式中、であり、R1およびR2は各々独立して水素または低級アルキルであり、R3は水素または低級アルコキシカルボニルであり、R4は水素または低級アルキルである。ただし、R1〜R3は全て同時に水素ではなく、R1とR4は同時に水素ではない。)で示される化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を含有することを特徴とする、嘔気および/または嘔吐の治療および/または予防剤。

Description

本発明は、嘔気および/または嘔吐、特にオピオイド受容体(例えばオピオイドμ受容体)アゴニスト作用を有する化合物により誘発される嘔気および/または嘔吐の治療および/または予防剤に関する。
モルヒネ等のオピオイドμ受容体アゴニストは癌疼痛患者に対して非常に有効な鎮痛剤として使用されているが、副作用として強い悪心、嘔気、嘔吐、尿閉、痒みなどを誘発する。種々の制吐薬が臨床上使用されているが、いずれも十分な効果を示すとは言えず、患者のQOL改善のためにも優れた嘔気および/または嘔吐の治療または予防剤が求められている。
特許文献1には、本発明に係る化合物と類似の化合物がオピオイドμ作動薬の誘発する悪心、嘔吐の治療または予防に有効である旨記載されているが、本発明に係る化合物については具体的には記載されていない。
また、特許文献2〜5および非特許文献1に本発明化合物またはその類似化合物が記載されているが、本発明に係る化合物が特に優れた嘔気および/または嘔吐治療および/または予防剤となり得ることは示されていない。
国際特許出願公開WO2004/007503号パンフレット 国際特許出願公開WO94/07896号パンフレット 国際特許出願公開WO89/00995号パンフレット 国際特許出願公開WO95/31463号パンフレット 国際特許出願公開WO95/13071号パンフレット Journal of Medicinal Chemistry 41、4177−4180(1998)
嘔気および/または嘔吐、特にオピオイドμ受容体アゴニスト作用を有する化合物により誘発される嘔気および/または嘔吐の治療および/または予防剤を提供する。
本発明は、
(1)式(I):
Figure 2007043518

(式中、
Figure 2007043518

であり、RおよびRは各々独立して水素または低級アルキルであり、Rは水素または低級アルコキシカルボニルであり、Rは水素または低級アルキルである。ただし、R〜Rは全て同時に水素ではなく、RとRは同時に水素ではない。)
で示される化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を含有することを特徴とする、嘔気および/または嘔吐の治療および/または予防剤、
(2)Rが水素であり、Rがメチルであり、Rが水素である化合物、Rが水素であり、Rが水素であり、Rがエトキシカルボニルである化合物、Rが水素であり、Rがメチルである化合物、もしくはそれらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を含有することを特徴とする、上記(1)記載の治療および/または予防剤、
(3)嘔気および/または嘔吐がオピオイド受容体アゴニスト作用を有する化合物により誘発されるものである、上記(1)または(2)記載の治療および/または予防剤、
(4)オピオイド受容体アゴニスト作用を有する化合物がモルヒネ、オキシコドン、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物である、上記(3)記載の治療および/または予防剤、
(5)嘔気および/または嘔吐の治療および/または予防のための医薬を製造するための、上記(1)記載の式(I)で示される化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の使用、
(6)オピオイド受容体アゴニスト作用を有する化合物により誘発される嘔気および/または嘔吐の治療および/または予防のための医薬を製造するための、上記(1)記載の式(I)で示される化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の使用、
(7)上記(1)記載の式(I)で示される化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を投与することを特徴とする、嘔気および/または嘔吐の治療および/または予防方法、
(8)上記(1)記載の式(I)で示される化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を投与することを特徴とする、オピオイド受容体アゴニスト作用を有する化合物により誘発される嘔気および/または嘔吐の治療および/または予防方法、
(13)オピオイド受容体アゴニスト作用を有する化合物と、当該化合物投与により誘発される嘔気および/または嘔吐の治療および/または予防のために効果的な量の上記(1)記載の式(I)で示される化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物とを組み合わせてなる鎮痛剤、
を提供する。
本発明化合物(I)は悪心、嘔気および/または嘔吐、特にオピオイド受容体アゴニスト作用を有する化合物により誘発される嘔気および/または嘔吐の治療および/または予防作用を有し、オピオイドμ受容体アゴニスト作用を有する化合物を投与されるまたは投与中の患者の副作用改善剤として有用である。
本明細書中、「ハロゲン」とはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を包含する。
「低級アルキル」とは、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6、さらに好ましくは炭素数1〜3の直鎖または分枝状のアルキルを包含し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、n−へプチル、イソヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、n−ノニルおよびn−デシル等が挙げられる。好ましくはメチルまたはエチルである。
「低級アルコキシカルボニル」の低級アルキル部分は上記「低級アルキル」と同様である。好ましくはメトキシカルボニルまたはエトキシカルボニルである。
本明細書中、「溶媒和物」とは、例えば有機溶媒との溶媒和物、水和物等を包含する。水和物を形成する時は、任意の数の水分子と配位していてもよい。
化合物(I)は製薬上許容される塩を包含する。例えば、アルカリ金属(リチウム、ナトリウムまたはカリウム等)、アルカリ土類金属(マグネシウムまたはカルシウム等)、アンモニウム、有機塩基およびアミノ酸との塩、または無機酸(塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸またはヨウ化水素酸等)、および有機酸(酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マンデル酸、グルタル酸、リンゴ酸、安息香酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸またはエタンスルホン酸等)との塩が挙げられる。特に塩酸、リン酸、酒石酸またはメタンスルホン酸等が好ましい。これらの塩は、通常行われる方法によって形成させることができる。
また、化合物(I)は特定の異性体に限定するものではなく、全ての可能な異性体やラセミ体を含むものである。
本発明に係る化合物(I)は上記特許文献1〜5および非特許文献1等に記載された方法により製造することができる。
嘔気および/または嘔吐とは、特にオピオイド受容体(例えばオピオイドμ受容体)アゴニスト作用を有する化合物を摂取することにより誘発される悪心、嘔気および/または嘔吐である。「オピオイドμ受容体アゴニスト作用を有する化合物」としては、具体的にはモルヒネ、オキシコドン、フェンタニル、メサドン、コデイン、ジヒドロコデイン、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、プロポキシフェン、デキストロプロポキシフェン、トラマドール、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物が挙げられ、特にモルヒネ、オキシコドン、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物である場合には本発明治療剤および/または予防剤は特に有効である。
本発明に係る化合物は、急性消化不良、急性アルコール中毒、食中毒、感冒、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、腸閉塞、虫垂炎、腹膜炎、胆石症、肝炎、肝臓炎、脳炎、髄膜炎、脳圧亢進、頭部外傷、乗り物酔い、つわり、化学療法による副作用、抗癌剤等による副作用、放射線療法による副作用、消化管の圧迫・狭窄や手術後の腸管癒着などの原因により起こる消化管通過障害、脳腫瘍・脳出血・髄膜炎・脳への放射線照射などによる脳圧上昇等の原因により起こる嘔気および/または嘔吐の治療および/または予防に対して有効である。
また、後述の試験例から明らかな通り、脳移行性が低いため、疼痛を伴う疾患(例えば癌性疼痛(骨転移、神経圧迫、頭蓋内圧亢進、軟部組織浸潤または筋の攣縮による痛み、内臓、筋・筋膜、腰または肩関節周囲の痛み、術後の慢性的な痛み)、AIDS等)の患者に対して投与されるオピオイド受容体アゴニスト作用を有する化合物の鎮痛作用をほとんど阻害することなく、オピオイド受容体アゴニストにより誘発される嘔気および/または嘔吐に対して高い改善効果を示す。
また、化合物(I)は強いオピオイドδ受容体拮抗作用、高い受容体選択性、高い経口吸収性、低毒性、ヒト血漿中における高い安定性、高いバイオアベイラビリティー等の特徴をも有しており、医薬品として非常に有効である。
オピオイド受容体アゴニストにより誘発される嘔気および/または嘔吐に対して本発明に係る化合物を投与する場合、その投与はオピオイド受容体アゴニスト作用を有する化合物の投与前、投与後または同時投与のいずれであってもよい。
これらの2種の薬物の投与間隔は特に限定されるものではない。例えば、本発明に係る化合物をオピオイド受容体アゴニスト作用を有する化合物の投与後に投与する場合、オピオイド受容体アゴニストの投与直後〜約3日以内、好ましくは投与直後〜約1日以内であれば、より有効に作用する。また、オピオイド受容体アゴニスト投与前に本発明にかかる化合物を投与する場合、オピオイド受容体アゴニスト投与直前〜約1日前、好ましくは直前〜約12時間前であれば、より有効に作用する。
本発明に係る化合物を嘔気および/または嘔吐治療剤および/または予防剤として投与する際には、他の嘔気および/または嘔吐治療剤および/または予防剤と併用してもよい。例えば、塩酸オンダンセトロン、副腎皮質ステロイド(メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、デキサメタゾン等)、プロクロルペラジン、ハロペリドール、チミペロン、ペルフェナジン、メトクロプラミド、ドンペリドン、スコポラミン、塩酸クロルプロマジンまたはドロペリドール等との併用が可能である。
また、本発明化合物とオピオイド受容体アゴニスト作用を有する化合物を組み合わせた配合剤、本発明化合物と他の嘔気、嘔吐および/または便秘治療剤および/または予防剤を組み合わせた配合剤として投与することも可能である。
本発明に係る化合物をヒトに投与する場合は、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、液剤等として経口的に、または注射剤、坐剤、経皮吸収剤、吸入剤等として非経口的に投与することができる。また、本化合物の有効量にその剤型に適した賦形剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、滑沢剤等の医薬用添加剤を必要に応じて混合し、医薬製剤とすることができる。
本発明に係る化合物は、オピオイド受容体アゴニスト作用を有する化合物および/または他の嘔気および/または嘔吐治療剤および/または予防剤、ならびに必要に応じて各種医薬用添加剤を配合した合剤とすることも可能である。
投与量は疾患の状態、投与ルート、患者の年齢、または体重によっても異なるが、成人に経口で投与する場合、通常0.1μg〜1g/日であり、好ましくは0.01〜200mg/日であり、非経口投与の場合には通常1μg〜10g/日であり、好ましくは0.1〜2g/日である。
以下に実施例および試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
試験例1 モルヒネ誘発の嘔気、嘔吐に対する影響
1)被験物質
Figure 2007043518
2)試験方法
摂餌約30分後にフェレットを観察ケージに移動し、各被験物質を投与した。被験物質は5%キシリトールに溶解し、5 mg/kgとなるよう投与した。被験液投与30分後にモルヒネ0.6 mg/kgを1 mL/kgの容量で皮下投与し、モルヒネ投与後30分まで肉眼的に嘔吐症状の観察を行った。
嘔気(腹部のリズミカルな収縮運動)、嘔吐(嘔吐物を排泄する嘔吐行為もしくはその類似行為)および嘔気と嘔吐の合計のそれぞれについて出現回数、潜時時間(モルヒネ投与から嘔吐症状の初回出現までの時間)及び持続時間(初回嘔吐から最終嘔吐までの時間)を集計した。
なお、嘔吐が出現しない例の潜時時間は観察終了時の最大値の30分間とし、嘔吐が出現しても持続時間が1分未満の例については便宜上その値を1分とした。
結果を表1に示す。
Figure 2007043518

各々の値は平均値±標準誤差で示した。
a):5%キシリトール、0.5mL/kg、s. c.
##:対照との有意差がP<0.01(Fisherの正確確率検定による)であることを示す。
*および**:対照との有意差がそれぞれP<0.05およびP<0.01(Dunnett's test)であることを示す。

以上の結果より、化合物(I)はモルヒネ投与により誘発された嘔気および嘔吐に対する拮抗作用を示すことがわかる。
試験例2 脳移行性試験
1)被験化合物
上記化合物2および3を用いた。
2)使用動物
Crj:CD(SD)IGS系雄性ラット7〜8週齢
3)投与検液
被験化合物各90 mgを0.5% メチルセルロース 1500cpに懸濁、全量を6 mLとした。
4)採取試料:血液および脳
5)血漿中濃度測定
非絶食ラットに被験化合物を経口投与(30 mg/2 mL/kg、n=3)し、投与2時間後に下大静脈より全採血した。血液の一部を遠心分離(3000rpm、10分、4℃)し、得られた血漿中未変化体濃度をLC/MS/MS法により測定した。
6)脳組織中濃度測定
上記全採血後のラットから脳を摘出し、25%ホモジネートとした後にLC/MS/MS法により未変化体濃度を測定した。
7)結果
得られた濃度より、Kp値を求めた。結果を表2に示す。
Figure 2007043518
参考例1 脳移行性試験
1)被験化合物
上記、特許文献1の参考例1に記載の方法で得られるNTI(naltrindol)を用いた。
2)使用動物
Jcl-SD系雄性ラット7週齢
3)投与検液
被験化合物各1.0 mgをN, N-ジメチルアセトアミド 0.8 mLに溶解し、これにプロピレングリコール0.8 mLを加えた。
4)採取試料:血液および脳
5)血漿中濃度測定
非絶食ラットに被験化合物を尾静脈内投与(0.5mg/0.8mL/kg、n=2)し、投与15分後に下大静脈より全採血した。血液の一部を遠心分離(3000rpm、10分、4℃)し、得られた血漿中未変化体濃度をLC/MS/MS法により測定した。
6)脳組織中濃度測定
上記全採血後のラットから脳を摘出し、25%ホモジネートとした後にLC/MS/MS法により未変化体濃度を測定した。
7)結果
得られた濃度より、Kp値を求めた。その結果、NTIのKp値は1.30であった。
以上の結果より、化合物(I)は脳移行性が低く、特に、上記特許文献1に記載のNTIと比較しても、より脳移行性が低いことがわかる。従って、本発明に係る化合物(I)はオピオイド受容体アゴニストの鎮痛作用を阻害することなく、その副作用である嘔気および嘔吐を軽減し得る。
製剤例1
以下の成分を含有する顆粒剤を製造する。
成分 式(I)で表わされる化合物 10mg
乳糖 700mg
コーンスターチ 274mg
HPC-L 16mg
1000mg
式(I)で表わされる化合物と乳糖を60メッシュのふるいに通す。コーンスターチを120メッシュのふるいに通す。これらをV型混合機にて混合する。混合末にHPC-L(低粘度ヒドロキシプロピルセルロース)水溶液を添加し、練合、造粒(押し出し造粒 孔径0.5〜1mm)、乾燥工程する。得られた乾燥顆粒を振動ふるい(12/60メッシュ)で櫛過し顆粒剤を得る。
製剤例2
以下の成分を含有するカプセル充填用顆粒剤を製造する。
成分 式(I)で表わされる化合物 15mg
乳糖 90mg
コーンスターチ 42mg
HPC-L 3mg
150mg
式(I)で表わされる化合物、乳糖を60メッシュのふるいに通す。コーンスターチを120メッシュのふるいに通す。これらを混合し、混合末にHPC-L溶液を添加して練合、造粒、乾燥する。得られた乾燥顆粒を整粒後、その150mgを4号硬ゼラチンカプセルに充填する。
製剤例3
以下の成分を含有する錠剤を製造する。
成分 式(I)で表わされる化合物 10mg
乳糖 90mg
微結晶セルロース 30mg
CMC-Na 15mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
150mg
式(I)で表わされる化合物、乳糖、微結晶セルロース、CMC-Na(カルボキシメチルセルロース ナトリウム塩)を60メッシュのふるいに通し、混合する。混合末にステアリン酸マグネシウム混合し、製錠用混合末を得る。本混合末を直打し、150mgの錠剤を得る。
製剤例4
以下の成分を加温混合後、滅菌して注射剤とした。
成分 式(I)で示される化合物 3 mg
非イオン界面活性剤 15 mg
注射用精製水 1 ml
本発明に係る化合物は、嘔気および/または嘔吐治療剤および/または予防剤として有効な医薬となり得る。

Claims (4)

  1. 式(I):
    Figure 2007043518

    (式中、
    Figure 2007043518

    であり、RおよびRは各々独立して水素または低級アルキルであり、Rは水素または低級アルコキシカルボニルであり、Rは水素または低級アルキルである。ただし、R〜Rは全て同時に水素ではなく、RとRは同時に水素ではない。)
    で示される化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を含有することを特徴とする、嘔気および/または嘔吐の治療および/または予防剤。
  2. が水素であり、Rがメチルであり、Rが水素である化合物、Rが水素であり、Rが水素であり、Rがエトキシカルボニルである化合物、Rが水素であり、Rがメチルである化合物、もしくはそれらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を含有することを特徴とする、請求項1記載の治療および/または予防剤。
  3. 嘔気および/または嘔吐がオピオイド受容体アゴニスト作用を有する化合物により誘発されるものである、請求項1または2記載の治療および/または予防剤。
  4. オピオイド受容体アゴニスト作用を有する化合物がモルヒネ、オキシコドン、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物である、請求項3記載の治療および/または予防剤。
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