JPWO2007029509A1 - 有機性汚水の生物処理方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
有機性汚水の生物処理方法である。活性汚泥処理を行う曝気槽を、原水流入部と、この原水流入部よりも下流側の部分とに区画する。原水流入部に微生物付着材を浸漬させて、微生物付着材におけるBOD容積負荷を1kg/(m3・日)以上とする。
Description
本発明は有機性汚水の生物処理方法及び装置に関する。
工場排水や下水などを生物処理するための代表的処理方法として、活性汚泥処理法が広く実施されている。そのための曝気槽や沈殿槽などを備えた活性汚泥処理設備において、汚泥性状は水処理機能および処理費用に対し大きな影響を及ぼす。また良好な処理水質を維持するためには、汚泥の沈降性を良好に保つことが極めて重要である。
しかしながら、周知のように活性汚泥の沈降性、濃縮性は大きくない。このため、公知の活性汚泥処理法においては、曝気槽のMLSS(Mixed Liquor Suspended Solids)の濃度を高濃度に維持することが困難であり、しかも活性汚泥のバルキングトラブルが起きやすいという問題がある。この結果、公知の活性汚泥処理法においては、必然的に曝気槽のBOD容積負荷を高くとることができないため、曝気槽および沈殿槽の容積が大きくなり、ひいては余剰汚泥の発生量が多いなどの、処理の本質にかかわる問題点を解決できない。
これまで、活性汚泥の沈降性や濃縮性を生物学的に確実に制御する技術は、まったく知られていない。このため、活性汚泥の沈降性を向上させるための公知の技術においては、非常に微細な砂などの無機鉱物粒子を曝気槽に添加して、活性汚泥に砂粒子を付着させることにより沈降性の良い汚泥にする方法や、被処理汚泥に高分子凝集剤を添加して活性汚泥を凝集させることにより沈降性を向上させる方法や、返送汚泥をオゾン処理して糸状菌を殺菌し、バルキングを防止する方法などの、物理化学的手法を適用せざるを得ないのが実情である。
しかし、このような物理化学的技術において、砂などの無機鉱物粒子を曝気槽に添加する方法では、たとえば砂粒子が曝気槽の底に沈降堆積するトラブルが起きやすく、また砂粒子が余剰汚泥とともに系外に排出されるため、砂粒子の補給が必要になるという欠点がある。一方、高分子凝集剤を添加する方法やオゾン処理する方法では、高分子凝集剤の添加コストやオゾン発生コストが高額であるというコスト上の欠点がある。しかも、これらの処理方法は、浮遊汚泥自体の沈降性および濃縮性を改質できる技術ではない。確実にバルキングを防止できる生物学的技術も、これまでは知られていない。
本発明は、前記のような物理化学的手法によらず、「生物学的手段によって、活性汚泥の沈降性および濃縮性を確実に向上させることができないか?」という問題認識に基づいてなされたものである。本発明は、簡単な手段によって浮遊汚泥の沈降濃縮性状を顕著に改善でき、その結果、曝気槽のMLSS濃度を顕著に増加でき、曝気槽のBOD容積負荷を大きく設定できるという新技術を本発明者が見出したことによって完成された。
公知の生物処理技術の一つとして、紐状生物付着材を、有機性汚水を生物処理する曝気槽に浸漬し、生物付着材に付着した微生物(生物膜)によって、汚水を生物学的に浄化する方法がある(JP−A−8−206673)。
本発明者は、このような生物膜処理装置において、活性汚泥法処理を行う曝気槽の汚水流入側に微生物付着材を浸漬させ、一定のBOD容積負荷以上の条件で原水を供給することによって、薬品などを使用することなく、純粋に生物学的に、活性汚泥の沈降性および濃縮性を顕著に改善できるという知見を見出し、この知見に基づいて本発明を完成させた。
本発明の有機性汚水の生物処理方法は、活性汚泥処理を行う曝気槽を、原水流入部と、この原水流入部よりも下流側の部分とに区画し、前記原水流入部に微生物付着材を浸漬させて、前記微生物付着材におけるBOD容積負荷を1kg/(m3・日)以上とするものである。
本発明の有機性汚水の生物処理装置は、原水流入部と、この原水流入部よりも下流側の部分とを有した曝気槽を備え、かつ、前記原水流入部に浸漬されて、BOD容積負荷1kg/(m3・日)以上で運転可能な微生物付着材を備える。
本発明によれば次のような効果が得られる。
1.砂などの無機鉱物粒子や、凝集剤・オゾンなどの薬品を使うことなく、生物学的作用で沈降性および濃縮性に優れた活性汚泥を生成できる。糸状性菌によるバルキングも防止できる。
2.その結果、曝気槽よりも下流側に沈殿槽を設けることによって、この沈殿槽で確実に汚泥を沈殿でき、このため清澄な処理水を得ることができる。かつ返送汚泥濃度が増加し、このため曝気槽のMLSSの濃度を増加できる。
3.その結果、曝気槽の浮遊微生物量が増加し、さらに微生物付着材に付着した微生物も汚水浄化に寄与するので、曝気槽のBOD容積負荷を高くとることができる。従って、汚水のBOD濃度の増加や、汚水水量の増加に容易に対応することができる。
4.糸状菌が万一発生しても、微生物付着材に捕捉されるかあるいは糸毬状にかたまるので、バルキングトラブルが発生しない。
5.MLSS濃度が増加し、高MLSS(10000mg/L以上)のもとでの運転を確実に行うことができる。このため、また食物連鎖が活発になることによって、余剰汚泥の発生量が減少する。
なお、公知の下水処理方法において、標準活性汚泥法のMLSSは1000〜2000mg/L程度であり、またオキシデーションディッチ法でもMLSSは2000〜5000mg/L程度が多く、この事実から、本発明がいかに高濃度のMLSSのもとで汚水を処理することができるかを理解することができる。
つまり本発明の技術は、有機性汚水を生物処理する方法であって、浮遊汚泥の沈降性および濃縮性を著しく改善でき、曝気槽のMLSS濃度を顕著に高めることが可能な技術である。
本発明の代表的な実施例を、図1を参照して説明する。
図1において1は曝気槽であり、隔壁2によって、上流側の原水流入部3と、それよりも下流側の下流側部分4とに区画されている。図1では、下流側部分4が1段のものを例示したが、この下流側部分4を多段に構成することもできる。原水流入部3にて処理が行われることにより生成された処理水は、隔壁2の上端を越流して下流側部分4へ流入される。5は原水供給路で、原水流入部3と下流側部分4とに原水を供給可能である。曝気槽1よりも下流側には沈殿槽6が設けられており、この沈殿槽6は、曝気槽1における下流側部分4で処理が行われることにより生成された処理水の供給を受ける。沈殿槽6では汚泥の沈殿処理が行われるが、7は、その沈殿した汚泥を返送汚泥として曝気槽1に返送するための汚泥返送路で、図示の例では原水供給路5に連通されている。8は余剰汚泥排出路で、汚泥返送路7から分岐されている。9は、沈殿槽6にて汚泥を沈殿させることにより生成した処理水の排出路である。
曝気槽1における原水流入部3には、微生物付着材10が浸漬状態で設けられている。この微生物付着材10は、BOD容積負荷1kg/(m3・日)以上の条件で処理を行うことが可能なものである。このような高負荷の条件のもとで処理を行う付着部材は、比較的限定されたものであり、公知の合成樹脂製の粒状、筒状、棒上などの接触材では、このような高負荷の条件のもとでの処理を行うことはできない。適当な付着部材として、たとえばJP−A−5−92196に示されるものが挙げられる。この付着部材は、微生物の付着しにくい材料からなる芯材と微生物の付着しやすい材料からなる房状糸とを有し、多数本の房状糸が、芯材の長さ方向にわたって、この芯材から螺旋放射上に、かつ揺動可能に突出された紐状のものである。具体的には、たとえばエヌ・イー・ティ社から日本国内において「揺動床(登録商標)」あるいは「バイオフリンジ(登録商標)」と称して販売されているものが該当する。
微生物付着材10は、たとえばこのような芯材及び房状糸により構成される紐状の付着部材をフレームの内部に上下方向に多数本並べて配置したものにより構成することが好適である。このような特殊な付着部材であると、前述のBOD容積負荷1kg/(m3・日)以上の高負荷の条件のもとで、安定して処理を行うことが可能である。
原水流入部3における微生物付着材10の側方にはディフューザなどの散気装置11が設置され、この散気装置4から噴出される気泡によるエアリフト効果によって、微生物付着材10における付着部材に沿った循環流が発生される。12は、散気装置11に空気を供給するために槽外に設けられたブロワである。
曝気槽1における下流側部分4には、上述した微生物付着材10は設けられていない。それに代えて、この下流側部分4には、曝気処理を行うための散気装置13が設けられている。散気装置13も、同様にブロワ12から空気の供給を受ける。
このような構成の生物処理装置を運転するときの詳細は、次の通りである。すなわち、曝気槽1における好気性生物膜処理法にあっては、生物膜内部の嫌気性層が著しく増大することは望ましくないため、生物膜の更新を早めることが重要である。この目的のため、水流や気泡流が付着部材に乱れを生じさせたり付着部材に衝突したりすることによって、付着部材から過剰な生物膜汚泥を剥離させ、生物膜汚泥の過剰付着による付着部材の閉塞の発生を防止する。たとえば上述のJP−A−5−92196に記載された紐状の付着部材では、さらに房状糸が芯材の位置を基端として被処理水中で揺動可能であるため、この揺動効果によって、生物膜が適度の厚みに達すると剥離が起きるので、生物膜過剰付着防止効果が特に優れている。このような、いわゆる剪断剥離効果によって、生物膜が付着部材に過剰に付着する現象が効果的に防止されて、生物膜の更新が効果的に行われる。剥離によって、剥離汚泥が多量に発生する。
このようにしてBOD容積負荷の高い原水流入部3において発生した剥離汚泥は、隔壁2の上端部を越流して曝気槽1の下流側部分4に流入し、この下流側部分4において浮遊汚泥として流動したのち、沈殿槽6へ送られて確実に沈降分離される。
曝気槽1の下流側部分4は、微生物付着材10が設けられていない領域であり、通常の活性汚泥法のように散気装置13からの曝気によって活性汚泥が浮遊流動する領域である。この部分には、ゲル粒子、粒状スポンジ、粒状プラスチックなどの、公知の流動粒状担体を共存させても良い。
隔壁2は必要に応じて設置すれば良く、場合によっては設置しなくても良い。設置すると、下流側部分4から原水流入部3へのバックミキシングがなくなり、原水流入部3におけるBOD容積負荷を確実に高く維持することができる。
微生物付着材10は、曝気槽1における原水流入部3に浸漬することが極めて重要であり、これを下流側部分4に設置しても、浮遊汚泥の沈降性向上効果は得られない。この理由は、下流側部分4に微生物付着材10を充填すると、原水BODは、微生物付着材10に接触する前に大部分が浮遊活性汚泥によって除去されてしまうため、微生物付着材10における生物膜の成長速度が小さくなってしまい、そのため剥離汚泥の発生量が少なくなってしまうためであると思われる。
なお、原水のBODがきわめて高い場合は、この原水を流入部3だけに流入させると、微生物付着材10へのBOD容積負荷が例えば10kg/(m3・日)以上と高くなりすぎ、酸素供給が不足して溶存酸素が維持できなくなるケースがある。その場合は、原水の一部を後段の下流側部分4に分配すれば良い。
沈殿槽6では、活性汚泥が沈降分離される。処理水は、越流して排出路9へ送られる。沈殿汚泥の一部または全部は、返送汚泥として、汚泥返送路7を経て、曝気槽1の原水流入部3に返送される。返送汚泥を曝気槽1の下流側部分4に返送することもできる。
本発明者が、沈降性の良い剥離汚泥を効果的に生成でき、かつ曝気槽1の活性汚泥全体の沈降性をも良好にできる諸条件を実験的に追及した結果、次の事実が明らかになった。すなわち、
1.曝気槽1の原水流入部3に微生物付着材10を局部的に浸漬させ、原水を微生物付着材10と積極的に接触させること。曝気槽1の下流側部分4に微生物付着材10を浸漬してもほとんど沈降性向上効果が認められないこと。
1.曝気槽1の原水流入部3に微生物付着材10を局部的に浸漬させ、原水を微生物付着材10と積極的に接触させること。曝気槽1の下流側部分4に微生物付着材10を浸漬してもほとんど沈降性向上効果が認められないこと。
2.沈降性のよい活性汚泥を生成させるためには、微生物付着材10の体積に一定条件が存在し、(微生物付着材10の体積/曝気槽1の全容積)≧0.1とすること。(微生物付着材10の体積/曝気槽1の全容積)<0.1では、活性汚泥の沈降性の向上効果がほとんど認められないこと。
3.微生物付着材10におけるBOD容積負荷を1kg/(m3・日)以上に設定すること。これよりも低負荷であると、沈降性向上効果が小さくなるか、または効果がでないこと。
4.(微生物付着材10の体積/曝気槽1の全容積)≧0.8としても、沈降性向上効果はそれ以上ほとんど進まず、微生物付着材10の設備費が嵩むだけの無意味な投資になること。
以上を満足する条件で汚水処理装置を運転すると、確実に沈降性・濃縮性に優れた活性汚泥が生成されることが認められる。
本発明によって活性汚泥の沈降性が顕著に向上するメカニズムの詳細は、現時点では明らかではないが、次のように推定することができる。
すなわち、曝気槽1の原水流入部3に微生物付着材10を浸漬し、原水を所定のBOD容積負荷条件を満たすように供給して、運転を続けると、微生物付着材10の付着部材の表面に微生物膜が形成され、原生動物、微小後生動物も増殖し、これらの微生物の共生下で、多種多様な微生物の代謝する粘質物(ムコ多糖類と思われる)によって、通常の活性汚泥フロックよりも緻密な生物膜が形成される。この生物膜は、上記の粘質物を含むことによって、沈降性が良好であると思われる。この緻密生物膜が乱流によって微生物付着材10の付着部材から適度に剥離され、剥離により生じた剥離汚泥は、浮遊活性汚泥として、後段の下流側部分4の内部を浮遊し、沈降性が良い状態を維持したままで沈殿槽6に送られて沈殿分離されるものと推定される。
微生物付着材10におけるBOD容積負荷が1kg/(m3・日)未満である場合に、浮遊汚泥の沈降性の改善効果が認められない原因は、生物膜の成長速度が低くなり、これによって生物膜の剥離頻度が低くなり、また剥離生物膜(剥離汚泥)の粒子径が小さくなるためと推定される。
剥離汚泥が、曝気槽1の下流側部分4で長時間滞留する過程で細分化され、沈降性が悪化するのではないかとの懸念があったが、実際は、下流側部分4で曝気されても、汚泥は細分化されることなく沈降性の良い状態を維持したまま沈殿槽6に流入してゆくことが実験的に確認された。
微生物付着材10において、上述のJP−A−5−92196に記載された揺動式の付着部材を適用した場合には、付着部材の房状糸の近傍の水流に多くの渦流(カルマン渦)が形成されるためか、付着部材からの剥離汚泥および活性汚泥が緻密なグラニュール状汚泥となって、沈殿槽6での活性汚泥の沈降分離性がさらに向上することが認められた。上記の渦流作用によって、バルキングの原因になる糸状菌が糸毬状に丸くなり、そのために沈降性が向上することも観察された。
[(微生物付着材の体積)/(曝気槽の全容積)の適正比率の検討]
実験室規模の装置で、(微生物付着材の体積)/(曝気槽の全容積)の適正比率、つまり活性汚泥の沈降性向上効果が得られるために必要な比率を検討した。下記にその詳細を説明する。
実験室規模の装置で、(微生物付着材の体積)/(曝気槽の全容積)の適正比率、つまり活性汚泥の沈降性向上効果が得られるために必要な比率を検討した。下記にその詳細を説明する。
エヌ・イー・ティ社製のバイオフリンジを、長さ40cmとして、表1に示す種々の容積の型枠に複数本、バイオフリンジどうしの間に実質的な空間を設けることなく密に装着して、体積の異なる種々の微生物付着材を用意した。また、有効容積50リットルの曝気槽(奥行き20cm、幅50cm、水深50cm)を複数製作し、それぞれの原水流入部に、上述の体積の異なる各種の微生物付着材を浸漬した。微生物付着材を浸漬しないもの(型枠容積0リットル)も用意した。曝気槽よりも下流側には沈殿槽を設置した。これらの槽の各々に、下水処理場から採取した活性汚泥を、MLSSが5000mg/Lになるように投入した。
これらの槽の各々に、コーンスティープリカーをBOD1000mg/Lになるように水道水で希釈した人工原水(水温22〜24℃)を、曝気槽全容積当たり1kg/(m3・日)の条件で流入させ、返送汚泥比[(返送汚泥流量)/(原水流量)]=2の条件で、曝気槽溶存酸素濃度2mg/L以上、沈殿槽水面積負荷8m2/(m3・日)の条件で、5ヶ月運転を継続した。そして、そのときの、4ヶ月経過後の、沈殿槽から曝気槽への返送汚泥濃度の1ヶ月間の平均値を測定した。その結果を表1に示す。
表1においては、返送汚泥濃度が高いほど、活性汚泥の沈降性・濃縮性が優れていることを意味する。
表1から、(微生物付着材の体積)/(曝気槽の全容積)の比が0.1未満では、沈降性向上効果がほとんど認められなかった。一方、(微生物付着材の体積)/(曝気槽の全容積)の比が0.0.1〜0.7の範囲では、返送汚泥濃度が顕著に大きくなり、大きな効果が認められた。しかし、(微生物付着材の体積)/(曝気槽の全容積)の比が0.8以上の場合は、さらなる返送汚泥濃度増加効果は認められなかった。
[微生物付着材におけるBOD容積負荷の適正条件の検討]
実験室規模の装置で、微生物付着材におけるBOD容積負荷の適正条件の検討を行った。
実験室規模の装置で、微生物付着材におけるBOD容積負荷の適正条件の検討を行った。
実施例1の試験に使用した曝気槽(容積50リットル)と沈殿槽とを使用した。曝気槽に、実施例1と同様の構成であるがその体積が20リットルであるバイオフリンジ式の微生物付着材を充填した。比較のため、微生物付着材を充填しない場合についても試験した。そして、原水処理量を変化させることによって、微生物付着材へのBOD容積負荷を種々変化させた。原水には、実施例1で使用したBOD1000mg/Lのコーンスティープリカー希釈水を用いた。
その試験結果を表2に示す。表2に示すように、微生物付着材におけるBOD容積負荷が1kg/(m3・日)未満になると、沈殿槽からの返送汚泥濃度が低くなり、微生物付着材なしの場合に比べて、活性汚泥沈降性の向上効果が認められなかった。
[実際の施設への適用結果]
製菓工場の排水処理施設に本発明を適用した実施例を説明する。
製菓工場の排水処理施設に本発明を適用した実施例を説明する。
過去において、この工場では、水深5mの曝気槽が2段直列に配置され、各容積が800m3、750m3である活性汚泥処理設備によって、表3の旧来法の欄に示す水質(平均値)の原水を、返送汚泥比2.4で活性汚泥処理していた。その結果は、表3に示すとおりであった。その場合は、表3に示すように、活性汚泥の沈降性が良くないため、曝気槽のMLSSを6000mg/L以上に増加させることが困難であった。また排水処理量を450m3/日以上に増加すると、沈殿槽から活性汚泥が流出してしまうため、排水処理量をこれ以上に増加することができなかった。
このような状況にある旧来からの設備における活性汚泥沈降性を向上させるため、本発明を実施した。
すなわち、既設の前段の曝気槽(容積800m3)の原水流入側に、型枠に、上述のバイオフリンジを、バイオフリンジどうしの間に実質的な空間を設けることなく、密に多数本装着した構成の微生物付着材(体積370m3)を浸漬した。バイオフリンジ(一本あたりの長さ3.5m)の取り付けピッチは10mmとした。型枠の容積は370m3であり、この型枠に装着されたバイオフリンジの全長は37000mであった。微生物付着材の体積(370m3)と曝気槽の実質的な全容積(1525m3)との比率は、0.24であった。微生物付着材における容積負荷は、1.46kg/(m3・日)であった。
このように、本発明にしたがい、バイオフリンジを用いた微生物付着材を曝気槽の原水流入部に設置したが、それ以外は元の設備と同一条件で運転した。そして、3ヶ月経過した時点で、旧来法の場合と同様の測定を行った。その結果を表3に示す。表3に示すように、本発明によれば、活性汚泥の沈降性・濃縮性が顕著に向上し、沈殿槽から曝気槽への返送汚泥濃度が従来法の8500mg/Lから15600mg/Lに向上した。この結果、曝気槽のMLSSが、旧来法の6000mg/Lから、約2倍の11000mg/Lに増加した。
これによって、BOD・汚泥負荷は、旧来法の1/2以下に低下させることができた。また、旧来の設備における余剰汚泥転換率は、除去BOD1kg当たり平均0.26kgであったのに対し、本発明によれば、余剰汚泥転換率は、除去BOD1kg当たり平均0.058kgまで低下させることができた。その原因は、BOD・汚泥負荷が半減した効果と、微生物付着材への付着汚泥の食物連鎖による汚泥減量効果とによるもの考えられる。
表3において、SVI(Sludge Volume Index)とは、曝気槽における混合液を30分間静置したときに、1グラムのMLSSが占める容積をミリリットル数で表したものをいう。
SVI = SV30×10000/MLSS
の関係がある。
の関係がある。
詳しくは、SVIは、活性汚泥の沈降性、圧密性を表し、通常は100前後が望ましいものである。曝気槽における混合液がバルキング状態にあるとき、すなわちいわゆる軽い汚泥のときは、300以上の値になる。MLSSが高いときは、測定時のメスシリンダーの管壁抵抗によりSVが上昇するので、2倍希釈、3倍希釈してSVを測定することで、真のSVを求める。
上記において、SV(Sludge Volume)は、活性汚泥の沈殿率を示すものである。このSVは、曝気槽の混合液を1リットルのメスシリンダーに取って静置し、30分経過後の沈殿汚泥量をサンプル全体に対する百分率で表したものである。
Claims (2)
- 有機性汚水の生物処理方法であって、
活性汚泥処理を行う曝気槽を、原水流入部と、この原水流入部よりも下流側の部分とに区画し、
前記原水流入部に微生物付着材を浸漬させて、前記微生物付着材におけるBOD容積負荷を1kg/(m3・日)以上とする。 - 有機性汚水の生物処理装置であって、
原水流入部と、この原水流入部よりも下流側の部分とを有した曝気槽を備え、
前記原水流入部に浸漬されて、BOD容積負荷1kg/(m3・日)以上で運転可能な微生物付着材を備える。
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