JP2013188664A - 排水処理システムおよび方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生物処理能力を向上させて排水処理能力の向上、糸状菌の繁殖抑制による汚泥沈降性向上とバルキング障害の防止、汚泥発生量の減容を目的としたオゾンの供給と、膜による汚泥の流出防止とを両立可能な排水処理システムおよび方法を提供することを解決課題とする。
【解決手段】有機性排水を処理する排水処理システムであって、活性汚泥を有し、流入する前記有機性排水を生物処理する活性汚泥槽と、前記活性汚泥槽内で前記活性汚泥にオゾンを添加するオゾン供給装置と、前記活性汚泥槽から送られる前記有機性排水を、槽内に配置した浸漬膜により浄化する浸漬膜槽と、前記活性汚泥槽から前記浸漬膜槽へ繋がる経路の途中に設けられ、前記活性汚泥槽から前記浸漬膜槽へ送られる前記有機性排水を、前記浸漬膜を通過する前記有機性排水のオゾン濃度が前記浸漬膜の許容オゾン濃度以下となる所定時間以上滞留させる滞留手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、排水処理システムおよび方法に関する。
好気性微生物を含む活性汚泥により有機性排水を処理する活性汚泥法は、浄化能力が高く、処理経費も比較的少なくて済むなどの利点があるため、活性汚泥法を利用した種々な水処理方法が提案され、下水処理や産業排水処理等において広く一般に利用されている。活性汚泥法は、処理対象となる各種の有機性排水を曝気槽へ導き、排水中の有機汚濁成分を分解させて浄化処理をしている。
活性汚泥法では、分解した有機物のうちの50〜70%は微生物の維持エネルギーとして消費されるが、残りの30〜50%は菌体の増殖に使用されるので、活性汚泥の量が次第に増加していく。このため、一般的には、曝気槽で処理された排水を沈殿槽へと導き、沈殿した活性汚泥の中から有機性排水の浄化処理に必要な量だけ返送汚泥として曝気槽内へと戻し、それ以外の活性汚泥は濃縮、消化、脱水、コンポスト化、焼却といった工程を経て余剰汚泥として処理しているため、このような処理に費用と手間がかかり問題となっている。
そのため、汚泥発生量の少ない排水処理技術として、曝気槽における汚泥の滞留時間を長くする長時間曝気法や、汚泥を反応槽内の接触剤表面に大量に担持させる接触酸化法などが提案され、実用化されている。
しかしながら、これらの方法では汚泥の滞留時間を長くとるために広大な曝気槽を用意する必要がある。また、長時間曝気法では、負荷低下時に活性汚泥や生物膜が劣化して汚泥の拡散が生じ、固液分離に支障をきたすことになる。また、接触酸化法では、負荷上昇時に発生汚泥が増大して汚泥の目詰まりが発生する場合がある。
そこで、発生汚泥を減容化する方法として、汚泥を曝気槽から抜き出してオゾン処理したのち、曝気槽に返送して汚泥を減容化する方法(例えば、特許文献1−2を参照)や、下水余剰汚泥をオゾンで酸化分解する汚泥の前処理方法(例えば、特許文献3を参照))が提案されている。また、好気性生物処理槽内に配置したエジェクターで、汚泥混合排水中にオゾン含有ガスを吹き込んで混合する方法(例えば、特許文献4を参照)が提案されている。また、発生汚泥を減容化させつつ、生物処理能力を向上させる方法として、曝気槽にオゾンを直接供給する方法が提案されている(例えば、特許文献5を参照)。
活性汚泥法では、曝気槽から排出された活性汚泥を沈殿槽で固液分離して上澄みを排水する。しかし、活性汚泥の沈降性が悪いと沈殿槽で汚泥の分離ができず、上澄み水に汚泥が混じる。そこで、曝気槽に設けた膜でろ過する方法(膜分離活性汚泥法:MBR)が提案されている。しかし、膜分離活性汚泥法においては、目詰まりが起こるため、膜面の洗浄のために多くの曝気空気が必要である。
そこで、目詰まりを防止するために、活性汚泥槽から抜き出した活性汚泥にオゾン処理を施して再び活性汚泥槽に戻しながら、反応液を分離膜で分離する方法が提案されている(例えば、特許文献6を参照)。また、浸漬膜にオゾンを直接供給する方法が提案されている(例えば、特許文献7を参照)。なお、浸漬膜を用いる場合は目詰まり防止のため、浸漬膜槽に多くの空気を供給する必要がある。よって、浸漬膜にオゾンを直接供給すると、浸漬膜槽の液相部におけるオゾンの滞留時間が短くなるため、溶けきれなかったオゾン
が気相部に大量に放出され、オゾンの利用率が低下する。
特許第2973761号公報 特開2003−126882号公報 特開平2−222798号公報 特開2001−259678号公報 特開2006−314911号公報 特開平8−19789号公報 特開2001−62483号公報
活性汚泥を膜で分離する場面において、活性汚泥槽から抜き出した活性汚泥にオゾン処理を施して再び活性汚泥槽に戻しながら、反応液を膜で分離する方法を採れば、膜の目詰まりは防止できるものの、オゾンを活性汚泥に直接供給しているわけではないため、供給するオゾンを活性汚泥の性能向上に寄与させることはできない。また、浸漬膜にオゾンを直接供給する方法を採る場合、膜に接触するオゾンが膜や膜モジュール構成部材を劣化させるため、オゾンに耐性のある膜や膜モジュール構成部材を用いる必要があるが、十分な耐性のある膜や膜モジュール構成部材は実用化されるに至っていない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、生物処理能力を向上させて排水処理能力の向上、糸状菌の繁殖抑制による汚泥沈降性向上とバルキング障害の防止、汚泥発生量の減容を目的としたオゾンの供給と、膜による汚泥の流出防止とを両立可能な排水処理システムおよび方法を提供することを解決課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、オゾンが添加される活性汚泥を有する活性汚泥槽から、浸漬膜が槽内に配置される浸漬膜槽へ有機性排水を送る経路の途中に、通過する有機性排水を所定時間以上滞留させる滞留手段を設けることにした。
詳細には、有機性排水を処理する排水処理システムであって、活性汚泥を有し、流入する前記有機性排水を生物処理する活性汚泥槽と、前記活性汚泥槽内で前記活性汚泥にオゾンを添加するオゾン供給装置と、前記活性汚泥槽から送られる前記有機性排水を、槽内に配置した浸漬膜により浄化する浸漬膜槽と、前記活性汚泥槽から前記浸漬膜槽へ繋がる経路の途中に設けられ、前記活性汚泥槽から前記浸漬膜槽へ送られる前記有機性排水を、前記浸漬膜を通過する前記有機性排水のオゾン濃度が前記浸漬膜の許容オゾン濃度以下となる所定時間以上滞留させる滞留手段と、を備える。
上記排水処理システムであれば、オゾンの添加により活性汚泥槽の汚泥が活性化するとともに、発生汚泥の減容化が実現される。また、活性汚泥槽において添加された有機性排水中のオゾンは、滞留手段により所定時間滞留されて有機性排水から除去される。よって、滞留手段から送られる有機性排水が流入する浸漬膜槽の浸漬膜は、オゾンにより劣化することが無い。
ここで、所定時間とは、滞留手段に流入した有機性排水が滞留手段から流出するまでの間に要する時間であり、例えば、浸漬膜を通過する有機性排水のオゾン濃度が浸漬膜の許容オゾン濃度以下となるまでに要する、活性汚泥槽から送られた有機性排水が浸漬膜槽へ送られるまでの間に行われるオゾン除去の時間である。また、滞留手段による有機性排水
の滞留とは、有機性排水の移動を止めるものではなく、活性汚泥槽から浸漬膜槽へ流れる有機性排水の流れを滞らせることをいう。
また、上記排水処理システムは、前記浸漬膜槽の活性汚泥を、前記滞留手段または前記滞留手段の上流側の前記有機性排水が通過する経路へ返送する汚泥返送装置であって、前記浸漬膜を通過する前記有機性排水のオゾン濃度又は酸化還元電位が上昇したことを検知すると、前記活性汚泥の返送量を増やし或いは前記活性汚泥の返送を開始する汚泥返送装置を更に備えるものであってもよい。
活性汚泥は、有機性排水のオゾン濃度を低下させる効果があるため、浸漬膜を通過する有機性排水のオゾン濃度又は酸化還元電位が上昇したことを検知した場合に、滞留手段または滞留手段の上流側の有機性排水が通過する経路へ返送する汚泥の返送量を増やし、或いは、活性汚泥の返送を開始することにより、浸漬膜を通過する有機性排水のオゾン濃度を速やかに低下させて浸漬膜の保護を図ることが可能である。なお、浸漬膜を通過する有機性排水のオゾン濃度又は酸化還元電位が上昇したことを検知した場合とは、浸漬膜を通過する有機性排水のオゾン濃度又は酸化還元電位を測定することにより、浸漬膜を通過する有機性排水のオゾン濃度又は酸化還元電位の上昇を直接的に検知する態様に限定されるものではなく、浸漬膜槽の上流側を流れる有機性排水のオゾン濃度又は酸化還元電位を測定することにより、浸漬膜を通過する有機性排水のオゾン濃度又は酸化還元電位の上昇を間接的に検知する態様を含む概念である。オゾン濃度が低い場合、オゾン濃度計ではオゾン濃度を適正に計測できない場合があるが、酸化還元電位を計測すれば、オゾン濃度を間接的に検知することができる。
また、前記滞留手段は、前記活性汚泥槽から前記浸漬膜槽へ送られる前記有機性排水を前記所定時間以上滞留させる槽、又は、前記活性汚泥槽から前記浸漬膜槽へ送られる前記有機性排水を前記所定時間以上滞留させる長さを有する配管であってもよい。
滞留手段がこのような槽又は配管であれば、オゾンが槽内又は配管内で除去された有機性排水が浸漬膜槽へ送られるので、浸漬膜の劣化を防止することができる。
また、前記滞留手段は、前記活性汚泥槽から前記浸漬膜槽へ送られる前記有機性排水を前記所定時間以上滞留させると共に、前記活性汚泥槽から送られた前記有機性排水中に残留する前記活性汚泥を沈殿させる槽であり、前記排水処理システムは、前記滞留手段の槽内に沈殿する前記活性汚泥を前記活性汚泥槽へ返送する汚泥返送装置を更に備えるものであってもよい。
このような滞留手段であれば、浸漬膜槽に流入する有機性排水中の浮遊物が、滞留手段において除去されるので、浸漬膜の目詰まりが防止される。
また、上記排水処理システムは、前記浸漬膜槽内に空気を連続的または間欠的に吹き込む空気供給手段を更に備えるものであってもよい。このような空気供給手段が設けられていれば、浸漬膜槽内に配置される浸漬膜の表面が空気洗浄されるので、浸漬膜の目詰まりを防止することが可能である。
また、上記排水処理システムは、前記オゾンが添加される前記活性汚泥槽の排気を、前記滞留手段に滞留されている前記有機性排水、及び前記排水処理システムから排出される余剰汚泥が流入する余剰汚泥槽内のうち少なくとも何れかに吹き込む送気手段を更に備えるものであってもよい。このような送気手段が設けられていれば、オゾンを添加した活性汚泥槽の排気中に残存するオゾンが、滞留手段または余剰汚泥槽の汚泥に吸収されるので、排気中のオゾンを浄化する専用の浄化装置等を用いなくても、大気へのオゾン放出を防
止することが可能である。
なお、本発明は、方法の側面から捉えることも可能である。例えば、本発明は、有機性排水を処理する排水処理方法であって、オゾンが添加される活性汚泥を有する活性汚泥槽により、前記有機性排水を生物処理する工程と、前記活性汚泥槽から送られる前記有機性排水を、槽内に浸漬膜を配置した浸漬膜槽により浄化する工程と、前記活性汚泥槽から前記浸漬膜槽へ送られる前記有機性排水を、前記浸漬膜を通過する前記有機性排水のオゾン濃度が前記浸漬膜の許容オゾン濃度以下となる所定時間以上滞留させる工程と、を有するものであってもよい。
生物処理能力を向上させて排水処理能力の向上、糸状菌の繁殖抑制による汚泥沈降性向上とバルキング障害の防止、汚泥発生量の減容を目的としたオゾンの供給と、膜による汚泥の流出防止とを両立することが可能である。この結果、膜や膜モジュール構成部材を劣化させることなく、排水を高い処理流量でろ過することが可能となる。また、少ない敷地面積でシステムを構成でき、且つ、排出される処理水に固形物を残留させない高度な排水処理を実現することが可能である。
実施形態に係る排水処理システムの構成図である。 滞留槽における滞留時間と滞留槽から流出する有機性排水の溶存オゾン濃度との関係を示した実験データである。 滞留槽を、水路を形成する直管に置き換えた排水処理システムの構成図である。 滞留槽の滞留時間を1分とした場合の有機性排水のオゾン濃度とMLSSとの関係を示した実験データである。 有機性排水に添加するオゾンの量とORPとの関係を示した実験データの一例である。 溶存オゾン濃度計の測定値に応じて開閉する弁を、滞留槽へ活性汚泥を供給する配管に設けた排水処理システムの構成図である。 第一変形例に係る排水処理システムの構成図である。 第一変形例に係る排水処理システムの嫌気槽と好気槽である活性汚泥槽とを一つの槽内に形成した図である。 第二変形例に係る排水処理システムの構成図である。 第三変形例に係る排水処理システムの構成図である。 第四変形例に係る排水処理システムの構成図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明の実施形態を例示するものであり、本発明の技術的範囲を以下の実施形態に限定するものではない。
本発明の実施形態に係る排水処理システムの構成を図1に示す。排水処理システム1は、有機性排水を処理するシステムであり、排水処理システム1へ送られる有機性排水が流入し、好気槽として機能する活性汚泥槽2と、活性汚泥槽2を通過した有機性排水を所定時間以上滞留させる滞留槽3と、滞留槽3を通過した有機性排水が流入する浸漬膜槽4と、浸漬膜槽4の活性汚泥を活性汚泥槽2に返送する汚泥返送装置5とを備える。なお、有機性排水とは、活性汚泥による生物処理によって浄化される、有機物を含有する水系媒体である。このような有機性排水としては、例えば下水、し尿、厨房排水、食品工場の排水、及びその他の産業排水が挙げられる。
活性汚泥槽2は、活性汚泥を槽内に有しており、流入する有機性排水を生物処理する。活性汚泥は、有機性排水の生物処理に用いられる好気性微生物群を有する活性汚泥であり、排水の生物処理に用いられる通常の好気性微生物群からなる活性汚泥を用いることができる。活性汚泥槽2には、一般的な排水処理で通常用いられる曝気槽を用いることができる。すなわち、活性汚泥槽2には、槽内の有機性排水を曝気するための空気を供給する空気供給装置6Aが設けられており、活性汚泥槽2の槽内の底部に空気を送り込むことにより、活性汚泥に酸素を供給して好気性微生物を活性化する。
また、活性汚泥槽2には、オゾンを供給するオゾン供給装置7が設けられており、活性汚泥槽2の槽内の底部にオゾン供給装置7でオゾンを送り込むことにより、活性汚泥にオゾンを微量添加して汚泥の活性を向上させ、活性汚泥槽2の処理能力や処理水質の向上を図っている。すなわち、活性汚泥槽2の槽内の底部には、一般的な散気管が設置されており、この散気管からオゾンを槽内に散気することで、活性汚泥にオゾンを添加する。オゾンを添加すると汚泥が活性化する理由は、オゾンを槽内に微量に散気すると、活性の低い微生物がオゾンにより殺菌されて減少し、活性の高い微生物が寡占化するためと考えられる。なお、本発明者がオゾンを添加した活性汚泥のDNAを分析したところ、オゾンを添加することにより微生物叢が変化することが確認できた。
このようなオゾンの添加により、活性汚泥槽2の処理能力や処理水質の向上が図られる他、糸状菌の繁殖を抑制して汚泥沈降性を向上させてバルキング障害の防止を図ると共に、微生物の活性が向上することにより自己消化量が増えることと、増殖する菌の一部が溶菌されることで汚泥発生量の削減が図られる。すなわち、活性汚泥槽2にオゾンを添加することにより、活性汚泥槽2の小型化や、排水の水質および水量などの負荷変動に対する適応性の向上、発生汚泥の減容化を実現している。活性汚泥に添加するオゾンの添加量は、このような活性汚泥槽2の処理能力および処理水質の向上効果、バルキング障害の防止効果、汚泥発生量の削減効果等が効果的に奏されるよう、適宜決定される。なお、オゾンを添加する際は、超音波を加えたり、マイクロバブルを加えたり、攪拌しながら加えたり、エジェクターを用いて加える等、公知のオゾン溶解促進方法を用いることで、オゾンを活性汚泥に更に効率的に添加することもできる。
滞留槽3は、活性汚泥槽2から浸漬膜槽4へ送られる有機性排水を、浸漬膜槽4に設けられている浸漬膜4Aを通過する有機性排水のオゾン濃度が浸漬膜4Aの許容オゾン濃度以下となる所定時間以上滞留させる。活性汚泥槽2から送られ、滞留槽3に流入する有機性排水は、活性汚泥の微生物が多く混ざった状態である。
図2は、本実施形態に係る排水処理システム1において、滞留槽3における滞留時間と滞留槽3から流出する有機性排水の溶存オゾン濃度との関係を示した実験データである。溶存オゾン濃度の測定は、荏原実業株式会社製のELP−200(隔膜ポーラログラフ式溶存オゾンモニタ)を用いた。図2のグラフから明らかなように、滞留時間が30秒以上になると、溶存オゾン濃度が測定下限値以下になることが判る。このことから、滞留槽3は、少なくとも有機性排水を30秒以上滞留させることが可能なものであることが好ましい。
なお、滞留槽3に有機性排水を滞留させる時間は、少なくとも上記所定時間以上であれば如何なる時間であってもよいが、滞留時間が長くなるにつれて滞留槽3の容量も増大するため、滞留槽3が適当な大きさの範囲内となるよう、滞留槽3における滞留時間を決定することが好ましい。滞留時間を、例えば、1分程度にすれば、溶存オゾン濃度を十分に低くし且つ滞留槽3が無駄に大きくなることも無い。
有機性排水をこのように所定時間以上滞留させるため、滞留槽3には、槽内の有機性排
水を曝気するための空気を供給する空気供給装置6Bが設けられており、滞留槽3の槽内の底部に空気を送り込むことにより槽内の有機性排水を攪拌する。滞留槽3の槽内の有機性排水を攪拌することにより、短絡流の発生を防止し、有機性排水が槽内に流入してから所定時間未満で流出するのを防止する。また、有機性排水中のオゾンを曝気空気で追い出すことにより、オゾン濃度を速やかに低下させる。
なお、滞留槽3に空気供給装置6Bを設ければ滞留槽3を小型化できるが、空気供給装置6Bは必ずしも設けられている必要は無く、槽内に流入した有機性排水を所定時間以上滞留させてから流出させることが可能であれば、空気供給装置6Bを省略してもよい。例えば、滞留槽3の槽内に邪魔板を設けたり、スクリューを用いた攪拌装置を設けたりすることにより短絡流の発生を防止し、有機性排水が槽内に流入してから所定時間未満で流出するのを防いでもよい。
また、活性汚泥槽2から浸漬膜槽4へ送られる有機性排水を所定時間以上滞留させる手段は、水槽に限る必要は無い。例えば、滞留槽3を図3に示すような水路を形成する直管9に置き換えてもよいし、滞留時間を確保する目的で蛇行する配管等に置き換えてもよいし、或いはタンク等に一時的に貯留してバッチ方式により浸漬膜槽4へ送る構成を採ってもよい。
浸漬膜槽4は、活性汚泥槽2から滞留槽3を経由して送られる有機性排水を、槽内に配置した浸漬膜4Aにより浄化し、浸漬膜槽4より下流側の装置あるいは排水処理システム1の系外へ排出する。浸漬膜槽4に流入する有機性排水は浸漬膜4Aを透過して排出されるため、浸漬膜槽4に流入する有機性排水の流量が変動しても、有機性排水中に浮遊する活性汚泥等が系外へ流出することが無い。
活性汚泥に添加したオゾンは、滞留槽3を通過する過程で有機性排水から除去されている。よって、浸漬膜4Aは、オゾン耐性の有無に関わらず公知のあらゆる膜を適用可能である。適用可能な膜の形状としては、例えば、平膜型や中空糸膜型、スパイラル型、管型、モノリス型といった公知の形状の膜を挙げることができる。また、適用可能な膜の材質としては、例えば、PSF(ポリスルホン)、PE(ポリエチレン)、CA(酢酸セルロース)、PAN(ポリアクリロニトリル)、PP(ポリプロピレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PTFE(ポリテトラフロロエチレン)等の有機膜や、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム等のセラミック、或いは金属等の無機膜を挙げることができる。
なお、浸漬膜4Aは、浸漬膜槽4内で浸漬膜4Aの下部に空気を連続的または間欠的に吹き込む空気供給装置6Cにより浸漬膜4Aの表面が空気洗浄され、目詰まりが防止される。例えば、浸漬膜槽4に流入する有機性排水中の浮遊物が予め除去されるよう、滞留槽3を沈殿槽として機能するように構成し、滞留槽3の上澄みや微生物を希薄にした有機性排水が浸漬膜槽4に流入するように排水処理システム1を構成すれば、浸漬膜4Aが目詰まりしにくくなるので、浸漬膜槽4内に吹き込む空気を間欠的にすることができる。浸漬膜槽4Aに吹き込む空気を間欠的にすることができれば、空気の吹き込みに要する動力のエネルギー消費を削減することが可能である。
また、オゾン添加による活性汚泥の微生物相構成の改善と能力の向上や汚泥沈降性の向上といった活性汚泥の性質変化により、浸漬膜4Aの詰まりの原因となる、膜表面に付着する活性汚泥等の量が低減する。この結果、浸漬膜4Aの性能を長時間維持することが可能である。
汚泥返送装置5は、活性汚泥による有機性排水の生物処理に通常用いられる装置であり
、例えば、浸漬膜槽4の活性汚泥を活性汚泥槽2や滞留槽3、或いは排水処理システム1の系外へ移送する配管やポンプ類を備える。
本実施形態に係る排水処理システム1は、活性汚泥槽2のMLSS(Mixed Liquor Suspended Solids)が所定の濃度に維持されるよう、浸漬膜槽4から活性汚泥槽2へ返送さ
れる活性汚泥の返送量がフィードバック制御等により決定される。そして、汚泥返送装置5は、決定された返送量に従い、浸漬膜槽4の活性汚泥の一部または全部を活性汚泥槽2へ返送し、不要な活性汚泥を排水処理システム1の系外へ排泥する。なお、ここでいう所定の濃度とは、活性汚泥槽2で処理された処理水の水質を、既定の汚濁の上限値以下とすることができる活性汚泥槽2のMLSSの濃度であり、目標とする水質に応じて適宜決定される値である。この値は、例えば、MLSSの濃度を様々に変えて実験することにより得た水質とMLSS濃度との関係等から決定することができる。
ところで、本発明の発明者らが鋭意研究したところ、有機性排水のオゾン濃度は、MLSSに依存することが判った。滞留槽3の滞留時間を1分とした場合の、有機性排水のオゾン濃度とMLSSとの関係を示す実験データを図4に示す。図4に示す実験データより、例えば、MLSSを増やすと、有機性排水のオゾン濃度が低下することが判る。特に、MLSSをある値以上にすると、溶存オゾン濃度が測定下限値以下になることが判る。これは、MLSSを増やすと活性汚泥がオゾンを消費するためと考えられる。
そこで、本実施形態に係る排水処理システム1では、浸漬膜槽4に流入する有機性排水のオゾン濃度が測定下限値以下となるよう、浸漬膜槽4から返送する活性汚泥の量を制御する。すなわち、本実施形態に係る排水処理システム1では、浸漬膜槽4に流入する有機性排水のオゾン濃度が一時的に高くなり、浸漬膜槽4に流入する有機性排水中にオゾンが検出された場合には、浸漬膜槽4へ送られる有機性排水中のMLSSを増やす。浸漬膜槽4に流入する有機性排水のオゾン濃度は、例えば、公知の溶存オゾン濃度測定器を、滞留槽3の出口側の配管内、あるいは滞留槽3内に設置することにより測定することができる。
なお、有機性排水に添加するオゾンの量とORP(Oxidation-Reduction Potential:
酸化還元電位)とは、正の相関関係があることが実験的に確かめられている。図5は、有機性排水に添加するオゾンの量とORPとの関係を示した実験データの一例である。図5に示す「オゾンの量」とは、排水1リットル当りのオゾンの量を示している。また、図5に示す「X」は、流入する排水における有機性流入負荷濃度を意味し、BOD(Biochemical Oxygen Demand:生物学的酸素要求量)とBODに含まれない有機性SS(Suspended
Solid:浮遊物質)との総和である。また、ORPは、オゾンを加えないときの値を1とした割合で示している。
そこで、本実施形態に係る排水処理システム1では、浸漬膜槽4から返送する活性汚泥の量を、浸漬膜槽4に流入する有機性排水のORPを測定するORP計の指示値に基づいて制御することにより、浸漬膜槽4に流入する有機性排水のオゾン濃度が低くなるようにしてもよい。
浸漬膜槽4へ送られる有機性排水中のMLSSを増やすには、例えば、浸漬膜槽4から活性汚泥槽2へ返送される活性汚泥の一部が滞留槽3へ送られるよう、汚泥返送装置5を制御する。滞留槽3のMLSSが増えると、浸漬膜槽4に流入する有機性排水のオゾン濃度が低下する。この場合、滞留槽3へ送られる活性汚泥の量は、オペレータが手動操作で調整してもよいし、例えば、図6に示すように、浸漬膜槽4の出口側に設置した溶存オゾン濃度計5Aの測定値に応じて開閉する弁5Bを、滞留槽3へ活性汚泥を供給する配管に設け、滞留槽3へ送られる活性汚泥の量を自動的に調整するようにしてもよい。
もっとも、本実施形態に係る排水処理システム1は、浸漬膜槽4に流入する有機性排水のオゾン濃度が高くなった場合に、浸漬膜槽4の活性汚泥を必ずしも滞留槽3へ送る必要は無い。例えば、活性汚泥を滞留槽3へ送る配管を省略し、浸漬膜槽4に流入する有機性排水のオゾン濃度が高くなった場合には、活性汚泥槽2へ返送する活性汚泥の量を増やすようにしてもよい。
このように構成される排水処理システム1に有機性排水が供給されると、有機性排水は、活性汚泥槽2の活性汚泥による生物処理で浄化され、処理水として活性汚泥槽2から排出される。活性汚泥槽2から排出された処理水は、浸漬膜槽4の底部から汚泥返送装置5により返送あるいは排泥される。また、浸漬膜槽4内に設置される浸漬膜4Aを透過した処理水は、浸漬膜槽4から排出される。
このように構成される排水処理システム1であれば、生物処理能力を向上させて汚泥発生量を減容することを目的としたオゾンの供給と、膜による汚泥の流出防止とを両立可能である。すなわち、活性汚泥に添加したオゾンが浸漬膜4Aに到達しないため、オゾンに耐性の無い膜を用いることが可能である。よって、オゾンで活性汚泥の性能を向上させて汚泥発生量を減容しながら、膜による汚泥の流出も防止することができる。
なお、本実施形態に係る排水処理システム1は、本発明の効果が得られる範囲内において、上述した各設備が担う処理以外の処理を行う設備を備えていてもよい。このような処理としては、例えば、活性汚泥槽に供給される有機性排水中の浮遊物を除去する処理や、活性汚泥槽に供給される有機性排水又は処理水の温度やpH等の物性を調整して活性汚泥による生物処理に適した条件にする処理等が挙げられる。これらの処理は、活性汚泥による有機性排水の生物処理における公知の技術を利用して行うことができる。
また、本実施形態に係る排水処理システム1は、上述した各設備を1つずつ備える構成に限定されるものでなく、特定の設備あるいは全ての設備が複数備わっていてもよい。例えば、活性汚泥槽2が並列に複数備わっていれば、何れか一方の活性汚泥槽2が故障した場合であっても排水処理システム1を停止することなく排水処理を継続することが可能である。
また、本実施形態に係る排水処理システム1は、浸漬膜4Aを通過する有機性排水のオゾン濃度が測定下限値以下となるよう、滞留槽3の滞留時間を決定していたが、浸漬膜4Aを通過する有機性排水のオゾン濃度は必ずしも測定下限値以下にする必要は無く、例えば、浸漬膜4Aが許容できるオゾン濃度以下であればよい。浸漬膜4Aが許容できるオゾン濃度は、浸漬膜4Aを構成する材料に応じて異なるため、滞留槽3の滞留時間は浸漬膜4Aを構成する材料に応じて適宜決定する。
<第一変形例>
なお、上記実施形態に係る排水処理システム1は、例えば、次のように変形してもよい。第一変形例に係る排水処理システムを図7に示す。上記実施形態に係る排水処理システム1は、3つの槽が全て好気槽となっていたが、本変形例に係る排水処理システム11は、図7に示すように、上記実施形態に係る排水処理システム1の上流側に嫌気槽8を更に設けたシステム構成としている。活性汚泥槽2、滞留槽3および浸漬膜槽4については上述の排水処理システム1と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。嫌気槽8には、活性汚泥の濃度が均一になるよう、攪拌機8Aが設けられている。
本変形例に係る排水処理システム11の汚泥返送装置15は、浸漬膜槽4の活性汚泥を活性汚泥槽2のみならず、嫌気槽8へも返送する。汚泥返送装置15は、上述の汚泥返送
装置5と同様、活性汚泥による有機性排水の生物処理に通常用いられる装置であり、例えば、浸漬膜槽4の活性汚泥を嫌気槽8や活性汚泥槽2、滞留槽3、或いは排水処理システム11の系外へ移送する配管やポンプ類を備える。
本変形例に係る排水処理システム11は、嫌気槽8および活性汚泥槽2のMLSSが所定の濃度に維持されるよう、浸漬膜槽4から活性汚泥槽2や嫌気槽8へ返送される活性汚泥の返送量がフィードバック制御等により決定される。そして、汚泥返送装置15は、決定された返送量に従い、浸漬膜槽4の活性汚泥を嫌気槽8や活性汚泥槽2へ返送し、不要な活性汚泥を排水処理システム11の系外へ排泥する。
このように構成される排水処理システム11に有機性排水が供給されると、有機性排水は、嫌気槽8において、活性汚泥中の硝化菌および脱窒菌による窒素の除去が行われ、処理水として嫌気槽8から排出される。嫌気槽8から排出された処理水は、活性汚泥槽2に送られて活性汚泥による生物処理により有機物の除去が行われ、処理水として活性汚泥槽2から排出される。活性汚泥槽2から排出された処理水は、浸漬膜槽4内に設置される浸漬膜4Aを透過して浸漬膜槽4から排出される。
このように構成される排水処理システム11であっても、上述した排水処理システム1と同様、オゾンで活性汚泥の性能を向上させて汚泥発生量を減容しながら、膜による汚泥の流出も防止することができる。また、活性汚泥槽2に添加する微量のオゾンも滞留槽3において消費され、浸漬膜槽4における溶存オゾン濃度が十分に低い値となっているので、嫌気槽8に返送する汚泥にはオゾンが含まれず、嫌気槽8の硝化菌および脱窒菌に対してオゾンが影響することが無い。
なお、本変形例に係る排水処理システム11は、嫌気槽8を活性汚泥槽2と別体にしていたが、例えば、図8に示すように、嫌気槽8と好気槽である活性汚泥槽2とを一つの槽内に形成し、槽内を嫌気槽領域と好気槽領域とに分けてもよい。
<第二変形例>
また、上記実施形態に係る排水処理システム1は、例えば、次のように変形してもよい。第二変形例に係る排水処理システムを図9に示す。上記実施形態に係る排水処理システム1は、浸漬膜4Aの目詰まりを防止する目的で浸漬膜槽4内に空気を散気させると、汚泥返送装置5が返送する汚泥の濃度が不可避的に低下する。
そこで、本変形例に係る排水処理システム21は、上述した排水処理システム1に、浸漬膜槽4から排出される活性汚泥を濃縮する沈殿槽5Cを更に設けている。このような沈殿槽5Cが設けられていれば、浸漬膜4Aの目詰まりを防止する目的で浸漬膜槽4内に空気を散気させても、浸漬膜槽4から排出される活性汚泥が濃縮されるので、システムの系外へ排泥する汚泥の濃度が上がる。この結果、排泥する余剰汚泥の容積を減らすことができる。
<第三変形例>
また、上記実施形態に係る排水処理システム1は、例えば、次のように変形してもよい。第三変形例に係る排水処理システムを図10に示す。上記実施形態に係る排水処理システム1は、有機性排水を所定時間滞留させてオゾンを除去する目的にのみ利用していた。一方、本変形例に係る排水処理システム31の滞留槽33は、有機性排水を所定時間滞留させてオゾンを除去する目的の他、活性汚泥槽2から浸漬膜槽4へ流れる有機性排水中の浮遊物を除去する目的にも利用することとし、浮遊物を沈殿させる沈殿槽状の滞留槽33となっている。このため、滞留槽33の底部には、滞留槽33の槽内に沈殿した活性汚泥を排出する配管が接続されており、滞留槽33から排出される活性汚泥が汚泥返送装置3
5により活性汚泥槽2へ返送され、あるいはシステムの系外へ排泥されるようになっている。
このように構成される排水処理システム31であっても、滞留槽33において有機排水中のオゾンを十分に除去し、オゾンによる浸漬膜4Aの劣化を防ぐことができる他、浸漬膜槽4に流入する有機排水中の浮遊物が滞留槽33により減少するので、浸漬膜4Aの目詰まりを防止することができる。
<第四変形例>
また、上記実施形態に係る排水処理システム1は、例えば、次のように変形してもよい。第四変形例に係る排水処理システムを図11に示す。本変形例に係る排水処理システム41は、オゾンを添加した活性汚泥槽2からの排気をファン(本願でいう送気手段の一例である)43で吸い込み、汚泥返送装置5が排泥する汚泥が流入する余剰汚泥槽42、及び滞留槽3に吹き込んでいる。
このように構成される排水処理システム41であれば、オゾンを添加した活性汚泥槽2の排気中に残存するオゾンが、滞留槽3や余剰汚泥槽42の汚泥に吸収されるので、排気中のオゾンを浄化する専用の浄化装置等を用いなくても、大気へのオゾン放出を防止することが可能である。なお、活性汚泥槽2からの排気は、余剰汚泥槽42及び滞留槽3の両方ではなく、何れか一方に吹き込むようにしてもよい。
1,11,21,31,41・・排水処理システム:2・・活性汚泥槽:3,33・・滞留槽:4・・浸漬膜槽:4A・・浸漬膜:5,15,35・・汚泥返送装置:6A,6B,6C・・空気供給装置:7・・オゾン供給装置:8・・嫌気槽:8A・・攪拌機:9・・直管:5A・・溶存オゾン濃度計:5B・・弁:5C・・沈殿槽:42・・余剰汚泥槽:43・・ファン

Claims (7)

  1. 有機性排水を処理する排水処理システムであって、
    活性汚泥を有し、流入する前記有機性排水を生物処理する活性汚泥槽と、
    前記活性汚泥槽内で前記活性汚泥にオゾンを添加するオゾン供給装置と、
    前記活性汚泥槽から送られる前記有機性排水を、槽内に配置した浸漬膜により浄化する浸漬膜槽と、
    前記活性汚泥槽から前記浸漬膜槽へ繋がる経路の途中に設けられ、前記活性汚泥槽から前記浸漬膜槽へ送られる前記有機性排水を、前記浸漬膜を通過する前記有機性排水のオゾン濃度が前記浸漬膜の許容オゾン濃度以下となる所定時間以上滞留させる滞留手段と、を備える、
    排水処理システム。
  2. 前記浸漬膜槽の活性汚泥を、前記滞留手段または前記滞留手段の上流側の前記有機性排水が通過する経路へ返送する汚泥返送装置であって、前記浸漬膜を通過する前記有機性排水のオゾン濃度又は酸化還元電位が上昇したことを検知すると、前記活性汚泥の返送量を増やし或いは前記活性汚泥の返送を開始する汚泥返送装置を更に備える、
    請求項1に記載の排水処理システム。
  3. 前記滞留手段は、前記活性汚泥槽から前記浸漬膜槽へ送られる前記有機性排水を前記所定時間以上滞留させる槽、又は、前記活性汚泥槽から前記浸漬膜槽へ送られる前記有機性排水を前記所定時間以上滞留させる長さを有する配管である、
    請求項1または2に記載の排水処理システム。
  4. 前記滞留手段は、前記活性汚泥槽から前記浸漬膜槽へ送られる前記有機性排水を前記所定時間以上滞留させると共に、前記活性汚泥槽から送られた前記有機性排水中に残留する前記活性汚泥を沈殿させる槽であり、
    前記排水処理システムは、前記滞留手段の槽内に沈殿する前記活性汚泥を前記活性汚泥槽へ返送する汚泥返送装置を更に備える、
    請求項1に記載の排水処理システム。
  5. 前記浸漬膜槽内に空気を連続的または間欠的に吹き込む空気供給手段を更に備える、
    請求項1から4の何れか一項に記載の排水処理システム。
  6. 前記オゾンが添加される前記活性汚泥槽の排気を、前記滞留手段に滞留されている前記有機性排水、及び前記排水処理システムから排出される余剰汚泥が流入する余剰汚泥槽内のうち少なくとも何れかに吹き込む送気手段を更に備える、
    請求項1から5の何れか一項に記載の排水処理システム。
  7. 有機性排水を処理する排水処理方法であって、
    オゾンが添加される活性汚泥を有する活性汚泥槽により、前記有機性排水を生物処理する工程と、
    前記活性汚泥槽から送られる前記有機性排水を、槽内に浸漬膜を配置した浸漬膜槽により浄化する工程と、
    前記活性汚泥槽から前記浸漬膜槽へ送られる前記有機性排水を、前記浸漬膜を通過する前記有機性排水のオゾン濃度が前記浸漬膜の許容オゾン濃度以下となる所定時間以上滞留させる工程と、を有する、
    排水処理方法。
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