JPWO2007015418A1 - 電気複合素子 - Google Patents

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Abstract

条件に応じて、復帰型素子および非復帰型素子のいずれかとして機能する電気素子を提供する。そのような電気素子は、ポリマーPTC素子およびそれと直列に接続された温度ヒューズ部材を有して成る電気複合素子であって、温度ヒューズ部材は、ポリマーPTC素子の熱的影響下にあるように配置され、また、温度ヒューズ部材を構成する金属の融点は、ポリマーPTC素子を構成するポリマーの融点より少なくとも5℃高い。

Description

本発明は、電気複合素子、詳しくはポリマーPTC素子および温度ヒューズ部材を有して成る電気複合素子を提供する。更に、本発明は、そのような電気複合素子を有する、例えば回路保護素子として有する電気回路を含む電気デバイス、例えば2次電池パック、およびそのような電気デバイスを用いる電気装置、例えば充電装置、携帯電話装置等を提供する。
2次電池(例えばリチウムイオン電池)パックのような電気デバイスまたはそのようなデバイスを用いる電気装置を使用する場合、種々の異常状態が生じ得る。そのような異常状態が解消されないままで継続すると、電気デバイスまたは電気装置の温度が上昇し、その後、過熱状態となり、最悪の場合には火災に到ることもある。
例えば、電気デバイスの端子同士が短絡状態となる故障が生じると、電気デバイスの温度が上昇して異常状態となるが、端子同士の短絡状態を早急に察知し、それを解消すれば異常状態は解消する。例えば、2次電池パックの充電中に、例えば端子間にクリップ等の導電性を有する金属片のような異物が挟まることによって突発的に短絡状態が生じて異常状態となるが、そのような異物を取り除くことによって、正常状態に戻る。このような異常状態は、「一過性の異常状態(例えば解決可能な一時的な故障状態)」であると言える。電気デバイスには異常時に回路を保護するために回路保護素子が組み込まれているが、このような一過性の異常状態が生じた場合に、回路保護素子が電気デバイスの回路を永久的にオープン状態にするのは必ずしも好ましいことではない。この場合、異常状態をもたらす原因を、例えばデバイスのユーザー側で比較的簡単に取り除けるので、取り除いたら電気デバイスを再使用できるように、回路保護素子は、電気回路を一時的にオープンにする復帰型のもの、即ち、リセッタブル(resettable)素子であるのが望ましい。
上述の場合とは対照的に、電気デバイス自体に本質的な故障が存在する場合(例えば、電気デバイスの回路設計に問題があり、ある条件では必然的に過剰電流が流れてしまう場合)にも、電気デバイスの温度が上昇して異常状態となる。このような異常状態は、一般的にはその原因をデバイスのユーザー側で簡単に取り除くことができるものではない。一旦電流を遮断して電気デバイスの温度が下がったとしても、誤って再度通電することによって同じ異常状態が生じ、非常に危険な状態となる。このような異常状態は、「重大な異常状態(例えば簡単に修理できない本質的な故障状態)」である。安全面の観点から、故障の原因を取り除くことなく再通電することによって生じる再度の過熱状態(および最終的には火災が生じる危険)を避けるためにも、電気デバイスに組み込まれている回路保護素子は、電気デバイスの回路を永久的にオープン状態にする、非復帰型のもの、即ち、ノンリセッタブル(non-resettable)素子であるのが好ましい。
回路保護素子として用いられる電気素子として、例えばポリマーPTC素子がある。この素子は、素子に過剰電流が流れると、ジュール熱によって自己発熱して高温となり、その結果、抵抗が高くなって回路電流を減少させ、それによって回路を保護する機能を有する。また、ポリマーPTC素子の自己発熱ではなく、素子の周囲温度が上昇するという異常が生じ、その結果としてPTC素子の温度が上昇した場合にも、同様に素子の電気抵抗が急激に上昇する。この場合、周囲温度の上昇という異常状態をもたらす電気回路にポリマーPTC素子を組み込んでおくと、高抵抗になった素子によってその回路を流れる電流が実質的に遮断され、電気回路からの発熱が無くなり、その結果、上昇した周囲温度は下降する。
本明細書では、このようにポリマーPTC素子の電気抵抗が急激に上昇することをPTC素子が「動作(あるいはトリップ(またはスイッチング)する」と言い、急激に抵抗が上昇した直後のPTC素子の温度を「動作(あるいはトリップ(またはスイッチング)温度」と呼ぶ。尚、電気回路の異常を取り除いた後、ポリマーPTC素子の温度が下がると、その電気抵抗値は、元の電気抵抗値またはそれに近い値まで低下し、その後の電気装置の再使用に際して実質的に影響を与えない。この意味で、ポリマーPTC素子は、復帰型の素子である。
別の態様では、回路保護デバイスに用いる電気素子として、温度ヒューズ部材が用いられている。これは、易融性の金属(合金であってもよい)で形成された、種々の形態(例えばワイヤー、ストリップ、プレート等の形態)の導電性要素である。ポリマーPTC素子の場合と同様に、その周囲温度が上昇して所定温度となると、溶断して、ヒューズ部材が組み込まれた回路を開くように動作する。このようにヒューズ部材が動作する温度は、ヒューズ部材を構成する金属(または合金)の融点に対応し、種々の温度で動作する温度ヒューズがヒューズ部材として市販されている。尚、ヒューズ部材は、溶断した後に、融点より低い温度に戻っても、その導電機能は復活しない。この意味で、ヒューズ部材は、非復帰型の素子、即ち、回路を永久的に開く素子である。
ところで、ポリマーPTC素子とヒューズ部材としての溶融性金属とを直列に接続した温度保護素子が下記特許文献1に開示されている。この保護素子は、その周囲の温度が所定温度を超過すると、PTC素子の導電性ポリマーが熱膨張して過熱し、その発熱によってヒューズ部材が溶融することを利用している。即ち、この保護素子では、PTC素子が動作するとヒューズ部材が必然的に溶断するように設計されている。即ち、開示されている保護素子は、ポリマーPTC素子を使用しているものの、非復帰型素子である。
特開2003−317593号公報
上述のように、電気装置において種々の異常状態が発生し得る。異常状態が生じた時は、常に電気回路を開くことが必要な電気装置もあるが、発生した異常状態の種類に応じて電気装置における電流の流れを一時的または永久的に遮断できることが望まれる電気装置もある。即ち、一過性の異常状態に際しては一時的に電流を遮断し、重大な異常状態に際しては永久的に電流を遮断することが望まれる場合がある。即ち、復帰型素子としての機能および非復帰型素子としての機能を兼備し、状況に応じてそのいずれかの機能を発揮する素子が望まれる場合がある。
上述の課題について鋭意検討を重ねた結果、電気装置(または電気デバイス)の温度は、一時的な異常状態では、重大な異常状態にある場合より低いことが比較的多く、そのような場合には電気装置(または電気デバイス)の回路を流れる電流を、永久的に遮断するのは望ましくなく、むしろ、一時的に遮断するのが望ましいことを見出した。逆に、重大な異常状態では、電気装置(または電気デバイス)の温度は、一時的な異常状態にある場合より相当高くなることが比較的多く、そのような場合には電気装置(または電気デバイス)の回路を流れる電流を、一時的に遮断するのは望ましくなく、むしろ、永久的に遮断するのが望ましいことも見出した。
また、ポリマーPTC素子が動作した状態にあっては、その素子の周囲の温度が低い場合には、素子自体の温度は、その素子を構成するPTC要素の導電性組成物のポリマーの融点と大差なく、他方、その素子の周囲の温度が高い場合には、素子自体の温度は、そのようなポリマーの融点より相当高くなることも見出した。
より詳細には、動作時のポリマーPTC素子の温度(特に素子の表面(従って、電極表面)温度)、即ち、ポリマーPTC素子の抵抗が急激に上昇した後の素子の温度とポリマーPTC素子の周囲温度、即ち、素子が置かれている環境の温度との関係について検討したところ、次のような結果を見出した:素子が動作した状態では、素子の発熱量と素子からその周囲への放熱量とがバランスして、素子はある平衡温度に達する(本明細書では、この平衡温度を素子の温度と呼ぶ);ポリマーPTC素子に用いられる導電性ポリマー組成物のポリマー(特に結晶性ポリマー)の融点より十分に低い周囲温度の領域(例えば融点より約30℃またはそれ以上低い温度)では、ポリマーPTC素子の温度は、当該ポリマーの融点またはそれより少し高い温度であるが、周囲温度が上昇するにつれて、素子の温度は当該ポリマーの融点よりもう少し高い温度となり、周囲温度がポリマーの融点を超えると、素子の温度は当該ポリマーの融点より相当高くなる(例えば10℃〜20℃、あるいはそれ以上高くなる)。
従って、ポリマーPTC素子は、その周囲温度が高くなると、その動作状態において、それを構成するポリマーの融点より相当高い温度になることができる。よって、そのような高い温度で動作する(即ち、溶断する)ヒューズ部材、即ち、融点が当該ポリマーの融点より相当高いヒューズ部材とポリマーPTC素子が熱的に接続されている場合、そのように高い温度に到らないポリマーPTC素子の動作は復帰型の機能をもたらし、他方、そのように高い温度に到ったポリマーPTC素子の動作は、ヒューズ部材を動作させて溶融させて電流を永久的に遮断できる、即ち、非復帰型の機能をもたらすことを見出した。
尚、ポリマーPTC素子の動作によってヒューズ部材の動作が必然的に生じる場合には、本発明の課題を達成できない。上述のように、周囲温度が低い場合の動作時のポリマーPTC素子の温度は、当該ポリマーの融点またはそれより少し高い温度であり、また、ヒューズ部材の動作温度にはある程度の公差がある。これらを考慮すると、ヒューズ部材の動作温度、即ち、ヒューズ部材を構成する金属(合金も含む)の融点は、当該ポリマーの融点より少なくとも5℃高い必要がある。
上述のような知見に基づき、本発明は、
ポリマーPTC素子およびそれと直列に接続された温度ヒューズ部材を有して成る電気複合素子であって、温度ヒューズ部材はポリマーPTC素子の熱的影響下にあるように配置されており、温度ヒューズ部材を構成する金属の融点がポリマーPTC素子を構成するポリマーの融点より少なくとも5℃高いこと、好ましくは少なくとも10℃高いこと、より好ましくは少なくとも15℃高いこと、例えば少なくとも20℃高いことを特徴とする電気複合素子を提供する。
本発明の電気複合素子において、ポリマーPTC素子は、上述の課題を解決できる限り、当該技術分野において周知のものであればいずれのポリマーPTC素子であってもよい。例えば、本発明の素子を構成するPTC素子は、常温時(一般的には20℃〜40℃の範囲において)、電気抵抗値が好ましくは約5mΩ〜200mΩであり、より好ましくは約5mΩ〜100mΩであり、動作後の電気抵抗値が、(常温時の抵抗値と同等である)動作前の電気抵抗値の好ましくは少なくとも500倍、より好ましく少なくとも1000倍、例えば少なくとも5000倍、特に好ましくは少なくとも10000倍である。
一般的に、ポリマーPTC素子は、導電性ポリマー組成物から(例えば押出成形によって)形成されたポリマーPTC要素(例えば層状のポリマーPTC要素)およびその両側に接着された金属電極(例えば金属箔)を有して成る。導電性ポリマー組成物は、一般的にはポリマー(例えばポリエチレン(PE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、エチレン・アクリル酸ブチルコポリマー(EBA)、エチレン・酢酸ビニルコポリマー(EVA)等)およびその中に分散している導電性フィラー(例えばカーボンブラック、ニッケルフィラー、ニッケル−コバルトフィラー等)を含んで成る。本明細書において、「ポリマー素子を構成するポリマー」とは、導電性ポリマー組成物に含まれているこのようなポリマーを意味する。
例えば、2次電池パックの回路保護素子として本発明の電気複合素子を用いる場合、充電時の電池パックの温度が約60℃までの場合に生じる異常状態では復帰型の素子の機能を発揮することが望ましく、他方、電池パックの温度が約90℃を越える場合に生じる異常状態では非復帰型の素子の機能を発揮することが望ましいと言われることがある。この場合、特に好ましいポリマーは、EVAまたはEBAであり、100〜110℃の動作温度のヒューズ部材を使用するのが好ましい。
尚、本明細書において、ポリマーPTC素子を構成するポリマーの融点とは、プラスチックの結晶転移温度の測定に準用するJIS K 7121(プラスチックの転移温度測定方法)に基づいてDSCによって測定される温度(ピークの頂点の温度)を意味する。尚、主要な測定条件は以下の通りである。
温度条件:20〜180℃
昇温速度:10℃/min
測定雰囲気:窒素
装置:セイコー・インスツルメンツ(SEIKO INSTRUMENTS INC.)EXSTAR6000/6200
本発明において、「温度ヒューズ部材」とは、一般的に「温度ヒューズ」と呼ばれている、易融性金属(合金であってもよい)の導電性要素であり、種々の形態を有し、また、種々の動作温度を有するものが知られており、市販されている。例えば、易融性金属としては、錫、鉛、ビスマス等の合金が使用されている。温度ヒューズ部材は、端部にリード等の導電性部材を有するものであってもよい。本発明の電気複合素子は、それを所定の回路に組み込むために必要なリードを有してよい。また、ポリマーPTC素子と温度ヒューズ部材との間の接続に必要であれば別のリードを用いてもよい。「温度ヒューズ部材の融点」とは、導電性要素を構成する易融性金属の融点を意味し、実用上、市販の温度ヒューズのカタログに記載の動作温度の中央値を「温度ヒューズ部材の融点」として用いて差し支えない。
本発明において、「温度ヒューズ部材はポリマーPTC素子の熱的影響下にあるように配置されている」とは、ポリマーPTC素子の熱がヒューズ部材に伝わり、その結果、ヒューズ部材の動作、即ち、温度ヒューズ部材を構成する金属の溶融(その後の回路の開放)をもたらすことができるように、PTC素子と温度ヒューズ部材とが接続されて配置されていることを意味する。この接続は、直接的なものであっても、あるいは熱伝導性の部材を介した間接的なものであってもよい。
1つの好ましい具体的な態様では、ポリマーPTC素子と温度ヒューズ部材とが相互に直接接触している状態にある。例えばPTC素子の1つの面(例えば電極)またはその一部分と温度ヒューズ部材のある面(外側面)またはその一部分とが面接触状態にあるのが特に好ましい。この場合、面接触によって熱の伝導が効率的になる。また、ポリマーPTC素子の熱が温度ヒューズ部材に伝達されてヒューズ部材を動作させることができる限り、ポリマーPTC素子の電極に温度ヒューズ部材のリードの一部分(例えばリードの先端、リードの端面)が接着されていてもよい。この場合、実質的には点接触または線接触状態となる。更に、ポリマーPTC素子の熱が温度ヒューズ部材に伝わる限り、ポリマーPTC素子と温度ヒューズ部材が熱伝導性材料によって間接的に接続されている態様であってもよい。例えば金属ワイヤー、金属ストリップ、リード線のような導線によってポリマーPTC素子と温度ヒューズ部材とが接続されていてもよい。
本発明の電気複合素子は、その周囲温度が低い場合には、温度ヒューズ部材の溶融を起こすことなくポリマーPTC素子が動作状態となることができ、即ち、復帰型の素子として作用でき、他方、周囲温度が高い場合には、ポリマーPTC素子がトリップ状態となった場合には、それに接続された温度ヒューズ部材を溶融させることができ、即ち、非復帰型の素子として作用できる。
このような本発明の電気複合素子は、回路保護素子として用いると、素子の周囲温度が比較的低温である復帰型の回路保護素子として作用し、素子の周囲温度が比較的高温となる場合には非復帰型の回路保護素子として作用する。その結果、本発明の電気複合素子は、異常状態に応じて復帰型または非復帰型の機能作用を発揮できる。
本発明の電気複合素子の側面図および平面図を模式的に示す。 本発明の電気複合素子の製造過程を模式的に示す。 ポリマーPTC素子AおよびポリマーPTC素子Bの周囲温度と電気抵抗値(未動作時および動作時)との関係を示すグラフである。 ポリマーPTC素子Aの動作時の表面温度と周囲温度との関係を示すグラフである。 ポリマーPTC素子Bの動作時の表面温度と周囲温度との関係を示すグラフである。 本発明の電気複合素子の非復帰型の機能を示す、試験時間と周囲温度およびリーク電流値を示すグラフである。および平面図を模式的に示す。
符号の説明
図面において、引用番号は以下の要素を表す:
10…電気複合素子、
12…ポリマーPTC素子、
14…ヒューズ部材、
16,18…リード
20…絶縁基板、
22…リード
24…コンタクト
26,28…リード
30…樹脂層。
発明を実施するための形態
次に、添付図面を参照して、本発明の電気複合素子を更に具体的に説明する。本発明の電気複合素子の一例の模式的側面図および模式的平面図をそれぞれ図1(a)および図1(b)に示す。
本発明の電気複合素子10は、ポリマーPTC素子12およびその一方の電極(図示せず)に直接接続されたストリップ形態の温度ヒューズ部材14を有して成る。ポリマーPTC素子12と温度ヒューズ部材14との接続は、いずれの適当な方法で実施してもよく、例えば電気溶接、抵抗溶接、ハンダ付け、レーザー溶接等によって実施してよい。図示した態様では、温度ヒューズ部材14は若干湾曲し、その(実質的に線状である)端面がポリマーPTC素子12の表面電極に接続されている。
また、ポリマーPTC素子12の他方の電極(図示せず)にはリード(例えばNiリード)16が接続されている。ヒューズ部材14の他方の端部には、別のリード18が接続されている。これらのリードは、電気複合素子10を所定の電気回路に接続するために用いることができる。
本発明の1つの好ましい態様では、電気複合素子は、それを支持する支持部材上に配置された状態で構成するのが好ましい。即ち、本発明の電気複合素子を、支持部材上にPTC素子およびヒューズ部材を配置することによって構成する。このように構成すると、電気複合素子を単一の素子として扱うことができ、電気複合素子のハンドリングが容易になるので好都合である。そのような態様を図2に模式的に示す。図2では、本発明の素子を支持部材上に形成する様子を順に示す。
最初に、電気複合素子10を配置する絶縁基板20を準備する。絶縁基板20上には、ポリマーPTC素子12の電極に接続するリード22が予め形成されている。図示した態様では、絶縁基板上にはコンタクト24も予め形成されており、これには、温度ヒューズ部材14の一端が接続される。尚、これらのリード22およびコンタクト24には、本発明の電気複合素子を所定の電気回路に電気的に接続するためのリード26および28が接続される。
図2(a)にて模式的平面図で示すように、リード22およびコンタクト24が予め形成された絶縁基板20上にポリマーPTC素子12およびリード26および28を矢印で示すように配置して、これらを電気的に接続する。この接続は、いずれの適当な方法で実施してもよく、例えばリフローハンダ付けによって実施する。
次に、図2(b)にて模式的平面図で示すように、ヒューズ部材14をPTC素子20の電極とコンタクト24との間にまたがるように配置して電気的に接続する。これによって支持部材20に支持された、本発明の電気複合素子10が得られる。尚、リード22、26,および28ならびにコンタクト24は、必要に応じて形成されるものであり、本発明の電気素子10には必ずしも必須のものではない。
電気複合素子10を支持する支持部材20を、目的とする電気デバイスまたは電気装置の所定の箇所、好ましくは異常状態が生じた時に敏感に温度が変化する箇所に配置して所定のように電気回路に組み込む。尚、図示するような独立した支持部材に代えて、電気複合素子を用いる電気デバイスまたは電気装置の一部分を支持部材として用いてもよい。例えば、2次電池パックにおいて電解質を入れる筐体の一部分を支持部材として使用してもよい。
その後、図2(c)にて模式的平面図で示すように、温度ヒューズ部材14および必要に応じてその周辺部分を樹脂層30によって覆ってよい。このように樹脂層30で覆うことによって、温度ヒューズ部材14とポリマーPTC素子12との間の接続部を保護して意図しない機械的な損傷を防止すると共に、ポリマーPTC素子12で生じた熱がヒューズ部材14に伝わるに際して、周囲に熱が逃げることによる熱損失が抑制され、異常状態が生じて動作する場合のPTC素子12の表面温度によってヒューズ部材が溶融するまでの時間が短縮され得る。即ち、異常を検知する感度が向上し得る。
そのような樹脂としては、いずれの適当な樹脂を用いてもよいが、樹脂層が高温になる可能性があることを考慮して、例えばケイ素系樹脂(シリコーン樹脂等)を用いることができる。他の使用可能な樹脂として、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等を例示できる。
尚、図2(d)は、図2(c)の側面図であるが、リード22およびコンタクト24は図示していない。図示した態様では、温度ヒューズ部材14はその端面のみがポリマーPTC素子12に接続されている(図から分かるように、実質的には線接触に近い)が、別の態様では、温度ヒューズ部材14の端部分がフラットでその下面がポリマーPTC素子12の電極面に接続されていてもよい、即ち、ポリマーPTC素子12の電極の一部分と温度ヒューズ部材14の一部分とが面接触状態であってもよい。この場合、ポリマーPTC素子12の熱が温度ヒューズ部材14に伝わり易いという利点がある。
(ポリマーPTC素子の製造)
周知の方法および材料を用いて、下記に概略的に説明するように、ポリマーPTC素子AおよびBを製造した:
[ポリマーPTC素子A]
ポリマーとしてエチレン・酢酸ビニルコポリマー(ETHLENE VINYL ACETATE COPOLYMER、EVA、EQUISTAR CHEMICALS社から商品名:UE635-000として市販されているもの、融点:約85℃)58容量%、および導電性フィラーとしてカーボンブラック(COLUMBIAN CHEMICAL社から商品名:PM0342として市販されているもの)42容量%を混合して導電性組成物を得た。
得られた導電性組成物を押出成形してシート状の押出物を得、この両側にニッケル金属箔(福田金属箔粉工業株式会社から商品名:NIT-CF-35#31(ニッケルメッキ銅箔)として市販されているもの、厚さ0.035mm)を電極として熱圧着し、その後、シートを分割してポリマーPTC素子Aを得た。ポリマーPTC素子Aのサイズは、3.0mm×12.0mm×0.18mmであった。
得られたポリマーPTC素子Aの電極にリードを取り付け、ポリマーPTC素子Aの基本性能を測定した。即ち、ポリマーPTC素子Aを恒温槽に入れ、周囲温度としての恒温槽の温度を変えながら、未動作のポリマーPTC素子Aの電気抵抗値を測定した。また、別のポリマーPTC素子Aについて、恒温槽の温度を変えながら、印加電圧:DC5VにてポリマーPTC素子を動作させ、その時のリーク電流を測定して動作時の抵抗を測定した。測定結果を図3に示す。
[ポリマーPTC素子B]
ポリマーとしてエチレン・アクリル酸ブチルコポリマー(ETHLENE BUTYL ACRYLATE
COPOLYMER、EBA、EQUISTAR CHEMICALS社から商品名:EA705-009として市販されているもの、融点:約95℃)58容量%、および導電性フィラーとして上述のカーボンブラック42容量%を混合して導電性組成物を得た。
得られた導電性組成物を用いて、ポリマーPTC素子Aの場合と同様にして、ポリマーPTC素子Bを得た。得られたポリマーPTC素子Bの電極にリードを取り付け、先と同様に、未動作のPTC素子Bの電気抵抗値を測定し、また、ポリマーPTC素子Bを動作させた時の電気抵抗値も測定した。測定結果を図3に示す。
図3から明らかなように、得られたポリマーPTC素子はいずれもPTC素子としての機能を有する。例えば、常温〜低温時の抵抗値は、1×10−2Ωのオーダーであり、素子の温度が高くなるか、あるいは素子が動作すると、抵抗値が約5×10〜1×10倍大きくなっている。
次に、製造したポリマーPTC素子AおよびポリマーPTC素子Bについて、恒温槽を用いて素子の周囲温度を変化させながら、作動時の素子の表面温度を測定した。素子の表面温度は、素子の表面(即ち、電極)に熱電対を固定することによって測定した。尚、動作に際しては、先と同様にDC5Vを印加し、リーク電流値を測定することによって抵抗値を得た。測定結果を表1(素子A)および表2(素子B)に、また、図4(素子A)および図5(素子B)に示す。
表1(素子A):
























表2(素子B):
これらの結果から、いずれのポリマーPTC素子の場合であっても、素子の周囲温度が、ポリマーの融点より相当低い場合、例えば約35℃以上低い場合、素子の表面温度は、ポリマーの融点より若干高い温度であり、他方、素子の周囲温度が、ポリマーの融点より高い場合、素子の表面温度は、ポリマーの融点より相当高い温度となることが分かる。
例えばEVAを用いたポリマーPTC素子Aの場合、周囲温度が約50℃である場合、素子の表面温度は約90℃であり、周囲温度が約85℃である場合、素子の表面温度は約105℃である。また、このポリマーPTC素子Aの場合、周囲温度が約90℃である場合、素子の表面温度が約108℃である。そこで、例えば融点が108℃(ポリマーの融点との差=約23℃)の温度ヒューズ部材をこのPTC素子と組み合わせて本発明の電気複合素子を構成して回路保護素子として使用する場合を考える。
この場合、周囲温度が90℃より低い状態では、ポリマーPTC素子Aが動作した場合には、ポリマーPTC素子Aの表面温度は108℃を越えないので、温度ヒューズ部材は、溶融しない。従って、電気複合素子は、復帰型の回路保護素子として機能する。ところが、周囲温度が90℃を越えた状態では、ポリマーPTC素子Aが動作した場合には、PTC素子の表面温度は108℃を越えるので、温度ヒューズ部材は、溶融する。従って、電気複合素子は、非復帰型の回路保護素子として機能する。
このことから分かるように、本発明の電気複合素子は、108℃で動作するヒューズ部材を用いているにもかかわらず、周囲温度90℃の状態で複合素子は非復帰型の素子として機能できる。即ち、重大な異常状態を検知できる温度を下げることが可能となる。それは、ポリマーPTC素子の熱を利用できるからである。
次に、先と同様に周囲温度90℃を越えると非復帰型の素子として機能する複合素子をポリマーPTC素子Bを用いて構成する場合を考える。ポリマーPTC素子Bは周囲温度90℃の場合、素子の表面温度が約105℃であるので、105℃で動作するヒューズ部材を使用する。この場合、ポリマーの融点との差は、10℃となる点で異なるが、ポリマーPTC素子Aを例に説明したことと実質的に同様のことが言える。
このように、ポリマーPTC素子を構成するポリマーの融点より少なくとも5℃高い融点を有するヒューズ部材を組み合わせることによって、周囲温度に応じて復帰型または非復帰型の素子として機能できる。尚、温度ヒューズ部材に用いる金属としては、低融点の金属(または合金)が種々知られており、重大な異常状態であると判断すべき周囲温度、ポリマーPTC素子の周囲温度と動作時の表面温度との関係およびヒューズ部材の金属の融点およびそれとポリマーの融点との関係に基づいて適宜選択できる。
具体的には、以下のようにして、あるポリマーPTC素子に組み合わせるのが好ましいヒューズ部材を選択できる:最初に、重大な異常状態であると判断すべき周囲温度(Ta)を決定する。この決定は、複合素子を用いる電気デバイスまたは電気装置に応じて適宜選択する。次に、予め求めておいた、ポリマーPTC素子の周囲温度とその素子が動作した場合の表面温度との関係から、周囲温度がTaである場合のポリマーPTC素子の表面温度(Ts)を求め、Tsで動作するヒューズ部材を選択する。このように選択すると、素子の周囲温度がTaより低い場合には、素子の表面温度はTsより低いので、ヒューズ部材は溶融しないので復帰型の素子の機能を有し、他方、素子の周囲温度がTa以上の場合には、素子の表面温度はTs以上となるので、ヒューズ部材は溶融するので非復帰型の素子の機能を有する。
実際には、ヒューズ部材の動作温度でもあるTsとポリマーの融点との温度差が小さ過ぎる場合には、素子が誤動作する可能性が大きくなる。例えば、ヒューズ部材が公称動作温度より低い温度で動作することが有り得る。また、ポリマーPTC素子の動作時の素子の表面温度がより高いことが有り得る。このような場合、復帰型の素子として機能すべきであるにもかかわらず、ヒューズ部材が溶融して非復帰型の素子として機能することがある。このような誤動作の可能性を減らすために、ポリマーPTC素子の動作時の表面温度と相関があるポリマーPTC素子のポリマーの融点と金属の融点との間である程度の温度差を安全代として設けておく必要がある。本発明の電気複合素子の場合、その温度差は少なくとも5℃とする。この温度差が大きいほど、誤動作の可能性はより少なくなる。
従って、上述のようにして選択したTsとポリマーの融点との温度差が小さ過ぎる場合には、より高いTaを新たに決定して、そのより高いTaを用いて、先と同様にしてヒューズ部材を選定する。Taをより高くすると、Tsが高くなり、結果的に、ヒューズ部材の融点が高くなり、従って、Tsとポリマーの融点との温度差が大きくなる。
別の方法としては、異なるポリマーPTC素子を準備して、先と同様に、そのポリマーPTC素子の周囲温度とその素子が作動した場合の表面温度との関係に基づいて、別のヒューズ部材を選択する。当然ながら、Tsとポリマーの融点との温度差はより大きい、例えば少なくとも10℃、好ましくは少なくとも15℃、より好ましくは少なくとも20℃である方が、誤動作という点では好ましい。
[電気複合素子の製造]
上述のように得られたポリマーPTC素子Aと温度ヒューズ部材(内橋エステック株式会社製、商品名:44E、公称動作温度108℃)とを直接直列に接続し、図2(d)に示すような本発明の電気複合素子を製造した。この温度ヒューズ部材では、リード線を両端に有する筒状体内に易溶融性金属のワイヤー状導体が配置されている。尚、この電気複合素子では、絶縁基板上に配置したポリマーPTC素子の上に、この筒状体が載置され、更に、筒状体がシリコーン樹脂層で覆われている。
[復帰型機能の確認]
上述のように製造した電気複合素子の電気抵抗値を測定した後、常温(約23℃)の周囲温度にて種々の動作電流で動作させ、その状態で保持した後、再び常温に戻して素子の電気抵抗値を測定した。その結果を表3および表4に示す:
表3(動作電流30Aおよび40A):
表4(動作電流50Aおよび60A):
いずれの場合でも、素子の電気抵抗値は、動作前と動作後では同じオーダーであり、従って、動作後であっても素子の機能としては実質的な差が生じていないことが分かる、即ち、周囲温度が低い場合には、複合素子は復帰型の機能を示すことが分かる。
[非復帰型機能の確認]
上述のように製造した電気複合素子を恒温槽に入れ、40℃の周囲温度で動作させた(動作電流:3A)後、恒温槽の温度、即ち、周囲温度を約1℃/分にて上昇させ、リーク電流値を測定した。その結果を、図6に示す。
図6から分かるように、素子No.2については、試験開始後約47分で、周囲温度が約93℃となり、このとき、リーク電流が急落してゼロになった。また、素子No.1については、試験開始後約40分で、周囲温度が約85℃となり、このとき、リーク電流が急落してゼロになった。即ち、いずれの場合でも、ヒューズ部材が溶断することにより、複合素子が非復帰型の機能を示したことが分かる。尚、動作温度が104℃のヒューズ部材を用いているにもかかわらず、約90℃の周囲温度にて非復帰型の機能を示している。
本願は、日本国特許出願第2005−226910号(出願日:2005年8月4日、発明の名称:電気複合素子)に基づく優先権を主張する。この日本国特許出願に開示されている内容は、この引用によって、本明細書に組み込まれるものとする。

Claims (11)

  1. ポリマーPTC素子およびそれと直列に接続された温度ヒューズ部材を有して成る電気複合素子であって、
    温度ヒューズ部材は、ポリマーPTC素子の熱的影響下にあるように配置されていること、ならびに
    温度ヒューズ部材を構成する金属の融点は、ポリマーPTC素子を構成するポリマーの融点より少なくとも5℃高いこと
    を特徴とする電気複合素子。
  2. 温度ヒューズ部材を構成する金属の融点は、ポリマーPTC素子を構成するポリマーの融点より少なくとも10℃高いことを特徴とする、請求項1に記載の電気複合素子。
  3. 温度ヒューズ部材を構成する金属の融点は、ポリマーPTC素子を構成するポリマーの融点より少なくとも20℃高いことを特徴とする、請求項1に記載の電気複合素子。
  4. ポリマーPTC素子を構成するポリマーは、エチレン・酢酸ビニルコポリマーまたはエチレン・アクリル酸ブチルコポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電気複合素子。
  5. ポリマーPTC要素の電気抵抗値は、動作後、常温時の電気抵抗値の少なくとも500倍である請求項1〜4のいずれかに記載の電気複合素子。
  6. 温度ヒューズ部材は、少なくとも部分的に樹脂層によって覆われている請求項1〜5のいずれかに記載の電気複合素子。
  7. 絶縁基板上にポリマーPTC素子が配置されている請求項1〜6のいずれかに記載の電気複合素子。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の電気複合素子を有して成る電気デバイス。
  9. 電池パックである請求項8に記載の電気デバイスであって、電気複合素子が電池パックの筐体の外側に配置されている電気デバイス。
  10. 請求項9に記載の電池パックを有して成る電気装置。
  11. 携帯電話装置である請求項10に記載の電気装置。
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