JPWO2007013235A1 - 保護膜付きガラス板 - Google Patents
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Abstract
液晶ディスプレイ等の部材に用いる無アルカリガラス板の保存、輸送中のキズや汚れを防ぎ、従来と比べて簡便に、かつ、より完全に水洗除去することができ、これを用いて製造した液晶ディスプレイ等の誤作動の発生率が、従来と比べて格段に低く、大型のガラス板に適用した場合であっても、その効果を発揮する無アルカリガラス板用の保護剤、無アルカリガラス板の表面に保護膜を有する保護膜付きガラス板、およびそれを積層させたガラス積層体を提供する。水溶性無アルカリ有機酸塩を含み、かつ無アルカリである保護剤を使用して無アルカリガラス板の表面に保護膜を形成する。
Description
本発明は、液晶ディスプレイ等用の無アルカリガラス板の表面を保護するための保護剤、無アルカリガラスの表面に保護膜を有する保護膜付きガラス板、およびそれを積層させたガラス積層体に関する。
無アルカリガラス板をその表面に電気回路等を組み込むガラス基板として用いる場合、ガラス基板にはきわめて高い表面特性が要求される。例えば、無アルカリガラス板を液晶ディスプレイの部材として用いる場合、その無アルカリガラス板の表面にわずかなキズや汚れがあっても、その表面に形成した電気回路等が断線やパターニング不良を発生し、歩留まり低下の要因となる。
この無アルカリガラス板表面のキズや汚染は、製造工程以外では、保管、輸送中にも発生し得る。
例えば、このガラス板を積層して輸送する際に、隣接するガラス板の間でずれが生じ、ガラス板表面にキズが生ずる場合がある。また、保管および輸送雰囲気中の有機物がガラス板表面に吸着し、ガラス板表面が汚染される場合がある。この有機物(汚染物質)は、水洗のみではその表面から除去することは困難であり、例えば酸やアルカリを用いて洗浄する必要がある。しかし、この場合、洗浄時の作業環境は悪化し、洗浄および廃液処理コストも増大する。さらに、このような洗浄を行っても有機物をガラス板表面から完全に除去することは困難である。
例えば、このガラス板を積層して輸送する際に、隣接するガラス板の間でずれが生じ、ガラス板表面にキズが生ずる場合がある。また、保管および輸送雰囲気中の有機物がガラス板表面に吸着し、ガラス板表面が汚染される場合がある。この有機物(汚染物質)は、水洗のみではその表面から除去することは困難であり、例えば酸やアルカリを用いて洗浄する必要がある。しかし、この場合、洗浄時の作業環境は悪化し、洗浄および廃液処理コストも増大する。さらに、このような洗浄を行っても有機物をガラス板表面から完全に除去することは困難である。
このような保管、輸送中のキズや汚染を防止する方法として、積層するガラス板の間に合紙を挟み込み、隣接するガラス板表面を保護する方法が考えられる。
しかし、このような合紙を挟み込む方法では、合紙がガラス板表面と直接接触するため、合紙の樹脂成分がガラス板表面に転写され、ガラス板表面を汚染するという別の問題が生じる。
しかし、このような合紙を挟み込む方法では、合紙がガラス板表面と直接接触するため、合紙の樹脂成分がガラス板表面に転写され、ガラス板表面を汚染するという別の問題が生じる。
そこで、これを回避するため、現状では樹脂成分の含有量が少ない合紙を用いるなどの方法が取られている。
しかし、合紙からの樹脂成分転写量を精密に制御することは事実上極めて困難であり、また、このような合紙は普通紙に比べると価格が高く、コストアップの要因となっている。また、合紙を用いること自体のコストアップも否定できない。
しかし、合紙からの樹脂成分転写量を精密に制御することは事実上極めて困難であり、また、このような合紙は普通紙に比べると価格が高く、コストアップの要因となっている。また、合紙を用いること自体のコストアップも否定できない。
このような問題に関連した従来法として、例えば、特許文献1〜2に記載の方法がある。
特許文献1には、表面の一部又は全部が、30℃以上の温水で溶解する水溶性物質からなる保護膜によって被覆されてなることを特徴とするガラス製品が記載されている。そして、このガラス製品の具体例として、板ガラス、瓶ガラス、電子部品用ガラス、フラットパネルディスプレイ用ガラス、ブラウン管用ガラスが挙げられている。
また、水溶性物質は、エステル、エステル重合体、アルコール重合体、エステル・アルコール共重合体及びこれらの混合物からなる群から選択された1種又は2種以上が好適であると記載されている。
そして、このガラス製品は、表面に水溶性物質からなる保護膜が形成されてなるため、ガラス製品に加わる傷の発生を抑えることができ、また、ガラス製品の表面に汚染物が飛来しても、保護膜を介してガラス製品に付着し、直接ガラス表面に付着することはなく、30℃以上の温水によってガラス製品を洗浄すれば、汚染物を保護膜とともに除去することができると記載されている。
また、水溶性物質は、エステル、エステル重合体、アルコール重合体、エステル・アルコール共重合体及びこれらの混合物からなる群から選択された1種又は2種以上が好適であると記載されている。
そして、このガラス製品は、表面に水溶性物質からなる保護膜が形成されてなるため、ガラス製品に加わる傷の発生を抑えることができ、また、ガラス製品の表面に汚染物が飛来しても、保護膜を介してガラス製品に付着し、直接ガラス表面に付着することはなく、30℃以上の温水によってガラス製品を洗浄すれば、汚染物を保護膜とともに除去することができると記載されている。
また、特許文献2には、表面の一部又は全部に、水溶性物質からなる保護膜が塗布形成されてなるガラス製品において、前記水溶性物質が、平均重合度600以下、鹸化度40モル%以上のポリビニルアルコールからなることを特徴とするガラス製品が記載されている。そして、このガラス製品の具体例として、板ガラス、瓶ガラス、電子部品用ガラス、フラットパネルディスプレイ用ガラス、ブラウン管用ガラスが挙げられている。
そして、このようなガラス製品は、保護膜によって表面の損傷や汚染を有効に防止することができ、また保護膜中にアルカリ成分が含まれないため、アルカリ成分によって表面が侵食されることがなく、しかもこの保護膜は、水溶性塩類からなる保護膜に比べて水溶解度が低いため、ガラス表面に結露が発生しても、溶解し難いという長所を有していると記載されている。
特開平10−167761号公報
特開平10−226537号公報
そして、このようなガラス製品は、保護膜によって表面の損傷や汚染を有効に防止することができ、また保護膜中にアルカリ成分が含まれないため、アルカリ成分によって表面が侵食されることがなく、しかもこの保護膜は、水溶性塩類からなる保護膜に比べて水溶解度が低いため、ガラス表面に結露が発生しても、溶解し難いという長所を有していると記載されている。
しかし、特許文献1〜2に記載されている方法を無アルカリガラス板に適用し、その表面に水溶性物質等からなる膜を形成した場合、後の水洗のみでは完全に除去することができず、この無アルカリガラス板に形成された電気回路等に、断線やパターニング不良、誤作動を発生する場合があった。
さらに、近年、ガラス基板の大型化・高精細化が進んでいる。特に、液晶ディスプレイ等の誤作動の発生割合は、近年のガラス基板の高精細化とともに高まっている傾向にある。液晶ディスプレイ等の誤作動の一つの原因は、上記の水溶性物質等の無アルカリガラス表面での残存と推定されており、水溶性物質はなるべく無アルカリガラス表面において残存しないことが望まれている。
このように、液晶ディスプレイ等に用いるガラス板は、他のガラスと比較して特に高い表面特性が要求されており、特許文献1〜2に記載されているようなガラス表面に塗布等する水溶性物質の、ガラス板用保護剤としての性能改善が、近年益々高まっている。
従って、本発明は、液晶ディスプレイ等の部材に用いる無アルカリガラス板の保存、輸送中のキズや汚れを防ぎ、従来と比べて簡便に、かつ、より完全に水洗除去することができ、これを用いて製造した液晶ディスプレイ等の誤作動の発生率が、従来と比べて格段に低く、大型のガラス板に適用した場合であっても、その効果を発揮可能な無アルカリガラス板用の保護剤、無アルカリガラスの表面にこの保護剤で形成された保護膜を有する保護膜付きガラス板、およびそれを積層させたガラス積層体を提供するものである。
本発明者は、上記のような特許文献1〜2に記載されているような従来法を適用した無アルカリガラス板を用いて製造した液晶ディスプレイ等が誤作動したり、形成した膜が水洗のみでは完全に除去できない原因を検討した。
そして、その原因は、無アルカリガラス板の表面に塗布等する水溶性物質等の種類にあり、特定の水溶性物質を用いれば、このような問題を解決できることを見出した。
そして、その原因は、無アルカリガラス板の表面に塗布等する水溶性物質等の種類にあり、特定の水溶性物質を用いれば、このような問題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は次の(1)〜(9)を提供するものである。
(1)水溶性無アルカリ有機酸塩を含み、かつ無アルカリである無アルカリガラス板用保護剤。
(2)水溶性無アルカリ有機酸塩を含み、かつ無アルカリである保護膜を、無アルカリガラス板の少なくとも一方の主面上に有する保護膜付きガラス板。
(3)前記水溶性無アルカリ有機酸塩が、糖類の無アルカリカルボン酸塩である上記(2)に記載の保護膜付きガラス板。
(4)前記糖類の無アルカリカルボン酸塩が、多糖類の無アルカリカルボン酸塩である上記(3)に記載の保護膜付きガラス板。
(5)前記多糖類の無アルカリカルボン酸塩が、アルギン酸アンモニウムである上記(4)に記載の保護膜付きガラス板。
(1)水溶性無アルカリ有機酸塩を含み、かつ無アルカリである無アルカリガラス板用保護剤。
(2)水溶性無アルカリ有機酸塩を含み、かつ無アルカリである保護膜を、無アルカリガラス板の少なくとも一方の主面上に有する保護膜付きガラス板。
(3)前記水溶性無アルカリ有機酸塩が、糖類の無アルカリカルボン酸塩である上記(2)に記載の保護膜付きガラス板。
(4)前記糖類の無アルカリカルボン酸塩が、多糖類の無アルカリカルボン酸塩である上記(3)に記載の保護膜付きガラス板。
(5)前記多糖類の無アルカリカルボン酸塩が、アルギン酸アンモニウムである上記(4)に記載の保護膜付きガラス板。
(6)前記無アルカリガラス板の主面と前記保護膜との間に、さらに機能性薄膜を有する上記(2)〜(5)のいずれかに記載の保護膜付きガラス板。
(7)前記保護膜の厚さが0.2〜100μmである上記(2)〜(6)のいずれかに記載の保護膜付きガラス板。
(8)上記(2)〜(7)のいずれかに記載の保護膜付きガラス板を水洗し、前記保護膜の少なくとも一部を前記無アルカリガラス板の主面上または前記機能性薄膜上から除去した無アルカリガラス板。
(9)上記(2)〜(7)のいずれかに記載の保護膜付きガラス板を、少なくとも2枚以上積層させたガラス積層体。
(7)前記保護膜の厚さが0.2〜100μmである上記(2)〜(6)のいずれかに記載の保護膜付きガラス板。
(8)上記(2)〜(7)のいずれかに記載の保護膜付きガラス板を水洗し、前記保護膜の少なくとも一部を前記無アルカリガラス板の主面上または前記機能性薄膜上から除去した無アルカリガラス板。
(9)上記(2)〜(7)のいずれかに記載の保護膜付きガラス板を、少なくとも2枚以上積層させたガラス積層体。
このような保護剤を用いて表面に保護膜を形成した液晶ディスプレイ等用無アルカリガラス板、およびそれを積層させたガラス積層体は、保存、輸送中のキズや汚れが防止されている。また、従来と比べて簡便に、かつより完全にその保護膜を水洗除去することができ、ガラス表面の清浄性を復活できる。また、これを用いて製造した液晶ディスプレイ等の誤作動の発生率を、従来と比べて格段に低くできる。さらに、そのガラス板が大型の場合であっても、その効果を発揮できる。
1…保護膜付きガラス板
10…基板
20…保護膜
10…基板
20…保護膜
本発明は、水溶性無アルカリ有機酸塩を含み、かつ無アルカリである無アルカリガラス板用保護剤である。なお、無アルカリガラスとは、実質的にアルカリ分が含まれていないガラスを意味する。
つまり、本発明は、液晶ディスプレイ等用の無アルカリガラス板の表面に塗布等して、このガラス板の表面に保護膜を形成するために用いる、溶液中に水溶性無アルカリ有機酸塩を含み、かつ無アルカリである保護剤である。
このような保護剤を、以下では「本発明の保護剤」ともいう。
つまり、本発明は、液晶ディスプレイ等用の無アルカリガラス板の表面に塗布等して、このガラス板の表面に保護膜を形成するために用いる、溶液中に水溶性無アルカリ有機酸塩を含み、かつ無アルカリである保護剤である。
このような保護剤を、以下では「本発明の保護剤」ともいう。
本発明の保護剤は無アルカリであるが、この「無アルカリ」とは、本発明の保護剤中に実質的にアルカリ成分を含有していないことを意味する。具体的には本発明の保護剤の全質量に対してアルカリ成分含有率が50ppm以下であることを意味し、10ppm以下、特に5ppm以下であることが好ましい。
従って、本発明の保護剤に含まれる「水溶性無アルカリ有機酸塩」自体のアルカリ成分含有率は、本発明の保護剤が実質的にアルカリ成分を含有しない範囲である。
従って、本発明の保護剤に含まれる「水溶性無アルカリ有機酸塩」自体のアルカリ成分含有率は、本発明の保護剤が実質的にアルカリ成分を含有しない範囲である。
なお、この本発明の保護剤中のアルカリ成分の含有率は、本発明の保護剤を乾燥させた後、濃硝酸および濃硫酸を用いて湿式分解を行い、得られた液を適宜希釈してICP発光分析にて測定した値である。
また、「アルカリ」とは、アルカリ金属元素(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム)を意味する。 保護剤における「無アルカリ」とは、保護剤中にこれらのアルカリ金属元素を実質的に含有していないことを意味する。なお、無アルカリガラスの「無アルカリ」とは、後述するように、ガラスにアルカリが実質的に含有されていないことを意味する。
また、「水溶性無アルカリ有機酸塩」の「有機酸」とは、酸の性質をもつ有機化合物であり、カルボキシル基、スルホン酸基等を有する有機化合物である。
また、「有機酸塩」とは、このカルボキシル基やスルホン酸基等の水素原子の一部または全部が、陽イオン(アンモニウムイオン、金属イオン等)で置換された構造を有する有機化合物である。
また、「有機酸塩」とは、このカルボキシル基やスルホン酸基等の水素原子の一部または全部が、陽イオン(アンモニウムイオン、金属イオン等)で置換された構造を有する有機化合物である。
また、「水溶性無アルカリ有機酸塩」における「水溶性」とは、これを含む保護剤を無アルカリガラス板に塗布等して形成した保護膜が、水洗除去することができるほどの溶解性を有することをいう。
ここで、「水洗除去することができる」とは、「水洗処理」により、「水とガラス板表面との接触角が15度以下となる」ようにすることができ、かつX線光電子分光法(XPS)による表面分析を行った場合、この保護膜の構成成分が検出下限以下(0.1原子%以下)となるほど、水溶性無アルカリ有機酸塩の残存率が低いことをいう。液晶、PDPや有機EL、無機EL、フィールドエミッションディスプレイ、蛍光表示管といったフラットパネルディスプレイにおいては、その性能を確保する点で、非常に高い清浄性が要求されている。この点で、水洗除去することができる構成成分の保護剤を用いた保護膜を形成することが重要である。
ここで、「水洗除去することができる」とは、「水洗処理」により、「水とガラス板表面との接触角が15度以下となる」ようにすることができ、かつX線光電子分光法(XPS)による表面分析を行った場合、この保護膜の構成成分が検出下限以下(0.1原子%以下)となるほど、水溶性無アルカリ有機酸塩の残存率が低いことをいう。液晶、PDPや有機EL、無機EL、フィールドエミッションディスプレイ、蛍光表示管といったフラットパネルディスプレイにおいては、その性能を確保する点で、非常に高い清浄性が要求されている。この点で、水洗除去することができる構成成分の保護剤を用いた保護膜を形成することが重要である。
ここで「水洗処理」とは、この水溶性無アルカリ有機酸塩を含む保護剤を用いて、ガラス板上に形成した保護膜を、通常の方法(例えば、20℃の温度の水を3リットル/分で30秒間、一般的な家庭用のシャワー等を用いて、ガラス板上の保護膜にかける方法)で水洗することをいう。このような水洗処理を、以下では特に「水洗処理A」ともいう。
また、ここで「水とガラス板表面との接触角が15度以下となる」とは、JIS−R3257(1999年)における滴下法により測定した接触角が15度以下となることをいう。このようなJIS−R3257による接触角の測定方法を、以下では「接触角測定法A」ともいう。なお、本発明において単に接触角といえば、全てこの方法により測定した接触角である。なお、接触角は、10度以下、特に5度以下が好ましい。
本発明の保護剤は、このような水溶性無アルカリ有機酸塩を後述する実質的にアルカリ成分を含まない溶液中に含有し、後述する水溶性膜構成成分や、その他の成分を含む場合であっても実質的にアルカリ成分を含まない。従って、本発明の保護剤は、実質的にアルカリ成分を含有しない。
また、本発明の保護剤は、液晶ディスプレイ等の製造に用いる無アルカリガラス板の保存、輸送中のキズや汚れを防ぎ、従来と比べて簡便に、かつ、より完全にガラス板表面から水洗除去することができる。これにより、保護剤が水洗除去された無アルカリガラス板を用いて製造した液晶ディスプレイ等の誤作動の発生率が、従来と比べて格段に低い。
また、本発明の保護剤は、液晶ディスプレイ等の製造に用いる無アルカリガラス板の保存、輸送中のキズや汚れを防ぎ、従来と比べて簡便に、かつ、より完全にガラス板表面から水洗除去することができる。これにより、保護剤が水洗除去された無アルカリガラス板を用いて製造した液晶ディスプレイ等の誤作動の発生率が、従来と比べて格段に低い。
ここで、本発明の保護剤からなる保護膜は、従来と比べて簡便に、かつ、より完全に、ガラス板表面から水洗除去することができる。その程度は、例えば、特許文献2に記載されているようなポリビニルアルコール(PVA)からなる膜を水洗する場合と比較して格段に高い。具体的には、このPVAからなる膜に上記の水洗処理Aを施し、接触角測定法Aにより接触角を測定すると、その値は20〜30度程度となる。特許文献1に記載されているような酢酸ビニル・ビニルアルコール重合体であっても同様である。
さらに後述するようなXPSにより測定した場合でも、PVAからなる膜をガラス板表面に形成し水洗した場合、そのガラス板表面にわずかにPVAが残存することを、本発明者は確認した。
一方、本発明の保護剤をガラス板表面に塗布して膜を形成した後、同条件で水洗した場合、本発明の保護剤は、ほぼ完全に除去されており残存していない。本発明者は、上記のように接触角を測定し、その値が15度以下となることおよびXPSの検査から、これを確認した。
さらに後述するようなXPSにより測定した場合でも、PVAからなる膜をガラス板表面に形成し水洗した場合、そのガラス板表面にわずかにPVAが残存することを、本発明者は確認した。
一方、本発明の保護剤をガラス板表面に塗布して膜を形成した後、同条件で水洗した場合、本発明の保護剤は、ほぼ完全に除去されており残存していない。本発明者は、上記のように接触角を測定し、その値が15度以下となることおよびXPSの検査から、これを確認した。
本発明の保護剤において、上記の水溶性無アルカリ有機酸塩は、糖類の無アルカリカルボン酸塩であることが好ましい。理由は、ガラス板に塗布した場合に、より簡便に均一な保護膜を形成し、塩であるために酸に比べて水への溶解速度が大きく、水洗による除去が容易だからである。有機酸塩はイオン性であるため(陽イオンと陰イオンの結合からなる)、水中では容易に両イオンに分離し高い溶解度を示すため好ましい。
ここで、糖類とは、主として次に示す単糖類、少糖類、および多糖類である。
ガラス板の表面に塗布して形成した、これらの糖類を含む保護膜は水洗除去することができる。つまり、上記の水洗処理Aを行えば、接触角測定法Aの測定結果は接触角が15度以下となり、かつXPSによる表面分析を行った場合、保護膜の構成成分が検出下限以下となる。
ガラス板の表面に塗布して形成した、これらの糖類を含む保護膜は水洗除去することができる。つまり、上記の水洗処理Aを行えば、接触角測定法Aの測定結果は接触角が15度以下となり、かつXPSによる表面分析を行った場合、保護膜の構成成分が検出下限以下となる。
この単糖類としては、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース等が挙げられる。
また、「単糖類の無アルカリカルボン酸」とは、例えば、ウロン酸(ガラクツロン酸、グルクロン酸、イズロン酸等)等であってアルカリ成分を実質的に含有しないものが挙げられる。
さらに、「単糖類の無アルカリカルボン酸塩」とは、例えば、このウロン酸のカルボキシル基の一部または全部が、陽イオン(アンモニウムイオン、金属イオン(Ca、Mgなど)など)等で置換されたものが挙げられる。
また、「単糖類の無アルカリカルボン酸」とは、例えば、ウロン酸(ガラクツロン酸、グルクロン酸、イズロン酸等)等であってアルカリ成分を実質的に含有しないものが挙げられる。
さらに、「単糖類の無アルカリカルボン酸塩」とは、例えば、このウロン酸のカルボキシル基の一部または全部が、陽イオン(アンモニウムイオン、金属イオン(Ca、Mgなど)など)等で置換されたものが挙げられる。
また、少糖類としては、例えば、ショ糖、マルトース、乳糖等が挙げられる。
また、この糖類の無アルカリカルボン酸塩は、多糖類の無アルカリカルボン酸塩であることが好ましい。理由は、ガラス板に塗布した場合に、より簡便に均一な保護膜を形成し、塩であるために酸に比べて水への溶解速度が大きく、水洗による除去が容易だからである。
ここで、多糖類としては、ホモ多糖であってもヘテロ多糖であってもよい。
具体的には、ホモ多糖であれば、例えば、デンプン、グリコーゲン、セルロース、イヌリン、マンナン等が挙げられる。ヘテロ多糖であれば、例えば、グルコマンナン、寒天等が挙げられる。
また、「多糖類の無アルカリカルボン酸」としては、例えば、アルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン、ヘパリン等が挙げられる。
さらに、「多糖類の無アルカリカルボン酸塩」とは、例えば、このアルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン、ヘパリン等のカルボキシル基の一部または全部が、陽イオン(アンモニウムイオン、金属イオンなど)等で置換されたものが挙げられる。
具体的には、ホモ多糖であれば、例えば、デンプン、グリコーゲン、セルロース、イヌリン、マンナン等が挙げられる。ヘテロ多糖であれば、例えば、グルコマンナン、寒天等が挙げられる。
また、「多糖類の無アルカリカルボン酸」としては、例えば、アルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン、ヘパリン等が挙げられる。
さらに、「多糖類の無アルカリカルボン酸塩」とは、例えば、このアルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン、ヘパリン等のカルボキシル基の一部または全部が、陽イオン(アンモニウムイオン、金属イオンなど)等で置換されたものが挙げられる。
さらに、この多糖類の無アルカリカルボン酸塩は、アルギン酸アンモニウムであることが好ましい。保護膜として必要な厚さで容易にガラス板表面に均一に塗布することができ、しかも、水洗により、より容易に、より完全にガラス板上から除去することができるからである。また、材料コストが安価であり、生分解性も高いことから環境にも優しい材料であり、工業的用途には適切であるからである。
なお、アルギン酸塩が水洗で容易に除去できる理由は、(1)分子内にアルコール性OHの量が少なくガラス表面との相互作用が小さく吸着残留しにくいこと、(2)カルボキシル基がアンモニウム塩となることで水への溶解量、溶解速度が大きいこと、(3)結晶性の塩は結晶化する際に粒界が生じてミクロな隙間が出来るため、分子レベルでは表面を完全に覆うことができないが、アルギン酸塩はイオン性ポリマーで非結晶性のため粒界は存在せず、皮膜となって均一に表面を覆うことができること、と推定している。なお、アルギン酸は、骨格はブドウ糖ではなく、ウロン酸の骨格を有する。
なお、アルギン酸塩が水洗で容易に除去できる理由は、(1)分子内にアルコール性OHの量が少なくガラス表面との相互作用が小さく吸着残留しにくいこと、(2)カルボキシル基がアンモニウム塩となることで水への溶解量、溶解速度が大きいこと、(3)結晶性の塩は結晶化する際に粒界が生じてミクロな隙間が出来るため、分子レベルでは表面を完全に覆うことができないが、アルギン酸塩はイオン性ポリマーで非結晶性のため粒界は存在せず、皮膜となって均一に表面を覆うことができること、と推定している。なお、アルギン酸は、骨格はブドウ糖ではなく、ウロン酸の骨格を有する。
ここで、本発明の保護剤の粘度は、20℃、pH6−8において350〜500mPa・sであることが好ましい。このような粘度であれば、水洗により、より容易に、より完全にガラス基板上から除去することができ、さらに、保管、輸送中に発生する結露では溶解されない保護膜を形成することができるからである。また、本発明の保護剤は、ゲル化していないことが、水洗後のガラス板の清浄性に優れる点で好ましい。
本発明の保護剤は上記のような水溶性無アルカリ有機酸塩であれば、その2種以上を含んでもよい。その場合であっても、本発明の範囲内である。
このような本発明の保護剤は、上記のような水溶性無アルカリ有機酸塩を、溶液(溶媒と、水溶性無アルカリ有機酸塩と、後述する水溶性膜構成成分と、後述するその他の成分との混合物)中に、その効果を奏する任意の比率で含有すればよい。水溶性無アルカリ有機酸塩の保護剤中の含有量は、0.005〜90.00質量%であることが好ましく、0.005〜5.0質量%であることがさらに好ましく、0.005〜3.0質量%であることが最も好ましい。このような濃度であれば、乾燥後の保護膜の膜厚調整および水洗時の保護膜の除去が容易であり、コスト、廃液処理の観点からも好ましい。
ここで、水溶性無アルカリ有機酸塩を溶かす溶媒は、実質的にアルカリ成分を含有していないものであり、水であることが好ましく、蒸留水、イオン交換水などの実質的にアルカリ成分を含有していない水であることが、さらに好ましい。水であれば、ガラス板に塗布後、さらに、保護膜形成時に発生する廃液の処理も簡便であるので、工業上有利であるからである。
また、本発明の保護剤は、上記のように水等を溶媒とし、上記の水溶性無アルカリ有機酸塩を含有するが、本発明の保護剤は実質的にアルカリ成分を含有しなければ、水溶性膜構成成分やその他の成分を含有してもよい。
水溶性膜構成成分とは、水溶性無アルカリ有機酸塩以外の物質であって、ガラス板上に塗布した場合膜を構成し、かつある程度の水溶性を有する成分であり、具体的には、水溶性高分子、水溶性有機塩および水溶性無機塩から選択される1種以上が好ましい。なお、水溶性膜構成成分が保護剤に入っている場合であっても、本発明の保護剤は無アルカリである必要がある。水溶性無アルカリ有機酸塩と水溶性膜構成成分とが本発明の保護剤中に混合して入っている場合、水溶性無アルカリ有機酸塩の割合は、水溶性無アルカリ有機酸塩と水溶性膜構成成分との合量に対して50質量%以上、特に80質量%以上であることが好ましく、さらには実質的に100質量%であることが好ましい。なお、この水溶性無アルカリ有機酸塩の割合は、後述する本発明の保護膜付きガラス板における保護膜の場合も同様である。
ここで、水溶性高分子としては、例えば、ヒアルロン酸、トレハロース、プルランであり、水溶性無機塩としては、例えば、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、珪酸塩、ホウ酸塩等が例示され、具体的には炭酸アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩、硫酸アンモニウム塩、リン酸アンモニウム塩、珪酸アンモニウム塩、ホウ酸アンモニウム塩等を挙げることができる。
ここで、水溶性高分子としては、例えば、ヒアルロン酸、トレハロース、プルランであり、水溶性無機塩としては、例えば、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、珪酸塩、ホウ酸塩等が例示され、具体的には炭酸アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩、硫酸アンモニウム塩、リン酸アンモニウム塩、珪酸アンモニウム塩、ホウ酸アンモニウム塩等を挙げることができる。
その他の成分としては、例えば、界面活性剤、分散剤、消泡剤、帯電防止剤などを含有することができる。
実質的にアルカリ成分を含有しない界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを挙げることができる。
このような界面活性剤を本発明の保護剤に含有すれば、無アルカリガラス板の表面に塗布等する際に、より均一な厚さに保護膜を形成することができるので好ましい。
実質的にアルカリ成分を含有しない界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを挙げることができる。
このような界面活性剤を本発明の保護剤に含有すれば、無アルカリガラス板の表面に塗布等する際に、より均一な厚さに保護膜を形成することができるので好ましい。
本発明の保護剤は、このようなその他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができるが、その保護剤(溶液)中、0.001〜1質量%であることが好ましく、0.005〜0.5質量%であることがさらに好ましく、0.01〜0.1質量%であることが最も好ましい。
このような本発明の保護剤を、後述する無アルカリガラス板の少なくとも一方の主面上に塗布等して保護膜を形成することができる。図1はこのようにして形成された本発明の保護膜付きガラス板の側断面を拡大して示したものである。保護膜付きガラス板1は、基板(無アルカリガラス板)10の主面に本発明の保護剤を使用して保護膜20を形成してなる。
次にこの保護膜の形成方法を例示する。
次にこの保護膜の形成方法を例示する。
本発明の保護剤を無アルカリガラス板の表面に塗布等する方法は、浸漬法、スプレー法、スクリーン印刷、はけ塗り法等の公知の方法を適用できる。ここで、必ずしもガラス基板表面全体に塗布等する必要はなく、キズや有機物(汚染物質)の付着を防止する必要がある部分のみに形成してもよい。
なお、このような方法で本発明の保護剤を無アルカリガラス板の表面に塗布等する前に、このガラス板表面を弱酸や弱アルカリ水溶液等により洗浄し、清浄な表面とすることが好ましい。特に本発明の場合は、表面にアルカリ分が残存しないことが好ましい。
なお、このような方法で本発明の保護剤を無アルカリガラス板の表面に塗布等する前に、このガラス板表面を弱酸や弱アルカリ水溶液等により洗浄し、清浄な表面とすることが好ましい。特に本発明の場合は、表面にアルカリ分が残存しないことが好ましい。
このような方法で本発明の保護剤を塗布等し保護膜を形成した後に、この保護膜を乾燥させる。乾燥方法は自然乾燥、ジェット気流による急速乾燥など種々の方法が適用可能である。しかし、膜厚制御の観点から、ジェット気流による急速乾燥方式(例えばジェットファンによる乾燥)を用いることが好ましい。
このような乾燥操作を行えば、水等の溶媒は乾燥して実質的に保護膜から除去されるので、保護膜自体は、主として、上記の水溶性無アルカリ有機酸塩、必要によって添加した水溶性膜構成成分およびその他の成分となる。
このような方法で、本発明の保護剤を無アルカリガラス板の少なくとも一方の主面上に塗布等して保護膜を形成する。
または、少なくとも一方の主面上に機能性薄膜が形成された無アルカリガラス板の、その薄膜上に、本発明の保護剤を塗布等して保護膜を形成する。つまり、前記無アルカリガラス板の主面と前記保護膜との間に、さらに機能性薄膜を有する保護膜付きガラス板とすることも可能である。機能性薄膜を有する場合であっても、本発明の保護剤を用いることで、機能性薄膜に影響することなく、膜やガラス板を十分に保護することが可能となる。
このような方法により製造し得る、水溶性無アルカリ有機酸塩を含み、かつ無アルカリである保護膜を、無アルカリガラス板の少なくとも一方の主面上に有する保護膜付きガラス板を、以下では「本発明の保護膜付きガラス板」ともいう。また、この保護膜を「本発明の保護膜」ともいう。
または、少なくとも一方の主面上に機能性薄膜が形成された無アルカリガラス板の、その薄膜上に、本発明の保護剤を塗布等して保護膜を形成する。つまり、前記無アルカリガラス板の主面と前記保護膜との間に、さらに機能性薄膜を有する保護膜付きガラス板とすることも可能である。機能性薄膜を有する場合であっても、本発明の保護剤を用いることで、機能性薄膜に影響することなく、膜やガラス板を十分に保護することが可能となる。
このような方法により製造し得る、水溶性無アルカリ有機酸塩を含み、かつ無アルカリである保護膜を、無アルカリガラス板の少なくとも一方の主面上に有する保護膜付きガラス板を、以下では「本発明の保護膜付きガラス板」ともいう。また、この保護膜を「本発明の保護膜」ともいう。
なお、保護膜における「水溶性無アルカリ有機酸塩」における「水溶性」および「有機酸塩」については前述したとおりであり、「無アルカリ」とは、アルカリ成分を実質的に含んでいないことであり、具体的には、本発明の保護膜中のアルカリ成分が30000ppm以下であり、特に10000ppm以下、さらには5000ppm以下であることが好ましい。
このような本発明の保護膜付きガラス板において、水溶性無アルカリ有機酸塩は、前記糖類の無アルカリカルボン酸塩であることが好ましい。
また、この糖類の無アルカリカルボン酸塩は、前記多糖類の無アルカリカルボン酸塩であることが好ましい。
さらに、この多糖類の無アルカリカルボン酸塩は、前記アルギン酸アンモニウムであることが好ましい。なお、糖類や無アルカリカルボン酸塩については前述したとおりである。
また、本発明の保護膜は水溶性無アルカリ有機酸塩を含有するが、実質的にアルカリ成分を含有しなければ、水溶性膜構成成分やその他の成分を含有してもよい。水溶性膜構成成分の具体例や割合、その他の成分の具体例や割合については前述したとおりである。
このような本発明の保護膜付きガラス板において、水溶性無アルカリ有機酸塩は、前記糖類の無アルカリカルボン酸塩であることが好ましい。
また、この糖類の無アルカリカルボン酸塩は、前記多糖類の無アルカリカルボン酸塩であることが好ましい。
さらに、この多糖類の無アルカリカルボン酸塩は、前記アルギン酸アンモニウムであることが好ましい。なお、糖類や無アルカリカルボン酸塩については前述したとおりである。
また、本発明の保護膜は水溶性無アルカリ有機酸塩を含有するが、実質的にアルカリ成分を含有しなければ、水溶性膜構成成分やその他の成分を含有してもよい。水溶性膜構成成分の具体例や割合、その他の成分の具体例や割合については前述したとおりである。
本発明の保護膜付きガラス板を水洗して用いて製造した液晶ディスプレイ等の誤作動の発生率は、従来と比べて格段に低いが、これは次のような理由によるものと、本発明者は推定している。
上記のような従来法の保護膜が水洗により完全にガラス板表面から除去されないで、わずかに残存する場合は、後工程の薄膜コーティング等において薄膜の密着強度の低下に起因する剥離が生じ、パターニング不良を起す。そして、製造された液晶ディスプレイ等は誤作動を起こすと考えられる。また、TFT−LCD用途においては、平行する配線間の短絡、層間絶縁膜欠陥による上下配線間の短絡、表示電極と配線との短絡などを引き起こし、歩留まり低下の原因となる。
また、アルカリ成分を含有している従来の保護剤を用いた場合、それを塗布等して形成したガラス板表面の従来法の保護膜もアルカリ成分を含有している。この場合、何らかの化学的、物理的作用により、従来法の保護膜中からガラス板表面部分へアルカリ成分が移動する可能性がある。そして、その表面にアルカリ成分を有することとなったガラス板を用いて製造した液晶ディスプレイ等は誤作動を起こすと考えられる。
一方、本発明の保護膜は、実質的にアルカリ成分を含有しない。また、水洗により簡便に、かつより完全に除去することができる。従って、本発明の保護膜を水洗除去した後の無アルカリガラス板から製造した液晶ディスプレイ等の誤作動を防止できると考えられる。
上記のような従来法の保護膜が水洗により完全にガラス板表面から除去されないで、わずかに残存する場合は、後工程の薄膜コーティング等において薄膜の密着強度の低下に起因する剥離が生じ、パターニング不良を起す。そして、製造された液晶ディスプレイ等は誤作動を起こすと考えられる。また、TFT−LCD用途においては、平行する配線間の短絡、層間絶縁膜欠陥による上下配線間の短絡、表示電極と配線との短絡などを引き起こし、歩留まり低下の原因となる。
また、アルカリ成分を含有している従来の保護剤を用いた場合、それを塗布等して形成したガラス板表面の従来法の保護膜もアルカリ成分を含有している。この場合、何らかの化学的、物理的作用により、従来法の保護膜中からガラス板表面部分へアルカリ成分が移動する可能性がある。そして、その表面にアルカリ成分を有することとなったガラス板を用いて製造した液晶ディスプレイ等は誤作動を起こすと考えられる。
一方、本発明の保護膜は、実質的にアルカリ成分を含有しない。また、水洗により簡便に、かつより完全に除去することができる。従って、本発明の保護膜を水洗除去した後の無アルカリガラス板から製造した液晶ディスプレイ等の誤作動を防止できると考えられる。
また、既に述べたように、このような水溶性物質等の無アルカリガラス板表面での残存の割合、および液晶ディスプレイ等の誤作動の割合が、近年のガラス板の大型化・高精細化とともにより高まっているが、この原因を本発明者は次のように推定している。
近年開発された第6世代のような大きな面積の液晶ディスプレイ用ガラス板を輸送する場合、ガラス板を斜め置きすることが困難であり、平積みして輸送せざるを得ない場合が多い。このためガラス板と水溶性物質等からなる保護膜との密着率が増大し、さらに、この保護膜への荷重も増大する。上記のような何らかの化学的、物理的作用により、保護膜中のアルカリ成分のガラス基板への移動が多くなったり、ガラス基板の水洗後の保護膜の残存率がさらに高くなったりすると考えられる。
しかし、本発明の保護膜によれば、大型の無アルカリガラス基板であっても、アルカリ分の移動がなく、かつ本発明の保護膜が残存する可能性がほとんどなく、その効果が高い。
また、ガラス板を輸送する場合、合紙と呼ばれる紙をガラス板間に挟みこんだ状態で輸送することが通常である。合紙は、通常、樹脂分(主にはカーボン)が含まれており、その紙をガラス板に挟みこむと、樹脂分がガラス板表面に転写され、ガラス板が液晶ディスプレイ用に使用できなくなるおそれがある。また、上記のような平積みで輸送する場合、さらにこの転写の可能性は高くなる。本発明の保護膜を用いることで、上記のような転写を抑えることが可能となる。
近年開発された第6世代のような大きな面積の液晶ディスプレイ用ガラス板を輸送する場合、ガラス板を斜め置きすることが困難であり、平積みして輸送せざるを得ない場合が多い。このためガラス板と水溶性物質等からなる保護膜との密着率が増大し、さらに、この保護膜への荷重も増大する。上記のような何らかの化学的、物理的作用により、保護膜中のアルカリ成分のガラス基板への移動が多くなったり、ガラス基板の水洗後の保護膜の残存率がさらに高くなったりすると考えられる。
しかし、本発明の保護膜によれば、大型の無アルカリガラス基板であっても、アルカリ分の移動がなく、かつ本発明の保護膜が残存する可能性がほとんどなく、その効果が高い。
また、ガラス板を輸送する場合、合紙と呼ばれる紙をガラス板間に挟みこんだ状態で輸送することが通常である。合紙は、通常、樹脂分(主にはカーボン)が含まれており、その紙をガラス板に挟みこむと、樹脂分がガラス板表面に転写され、ガラス板が液晶ディスプレイ用に使用できなくなるおそれがある。また、上記のような平積みで輸送する場合、さらにこの転写の可能性は高くなる。本発明の保護膜を用いることで、上記のような転写を抑えることが可能となる。
本発明の保護膜付きガラス板において「無アルカリガラス板」とは、ガラス板の全質量に対してアルカリ成分の含有率が0.15質量%以下であるガラス板を意味する。アルカリ成分の含有率は0.05質量%以下であることが好ましい。
ここで「アルカリ」は、上記の本発明の保護剤で示したアルカリ金属元素である。
また、「無アルカリガラス」のアルカリ以外の組成は、例えば、68%≦SiO2≦80%、0%≦Al2O3<12%、0%<B2O3<7%、0%≦MgO≦12%、0%≦CaO≦15%、0%≦SrO≦4%、0%≦BaO≦1%が挙げられる。ここで、%は質量%を意味する。
ここで「アルカリ」は、上記の本発明の保護剤で示したアルカリ金属元素である。
また、「無アルカリガラス」のアルカリ以外の組成は、例えば、68%≦SiO2≦80%、0%≦Al2O3<12%、0%<B2O3<7%、0%≦MgO≦12%、0%≦CaO≦15%、0%≦SrO≦4%、0%≦BaO≦1%が挙げられる。ここで、%は質量%を意味する。
また、この無アルカリガラスを製造する方法は特に限定されず、各種製造方法を採用できる。例えば、上記の組成となるように通常使用される原料を調合し、これを溶解炉中で1500℃〜1700℃に加熱して溶融する。バブリングや清澄剤の添加や撹拌などによってガラスの均質化を行う。液晶ディスプレイ等のディスプレイ用基板やフォトマスク用基板として使用する場合は、周知のプレス法、ダウンドロー法、フロート法などの方法により所定の板厚に成形し、徐冷後、研削、研磨などの加工を行い、所定のサイズ、形状の基板とする。
また、本発明の保護膜付きガラス板における無アルカリガラス板のガラス板の形状、大きさ、厚さ等は特に限定されない。
本発明の保護膜付きガラス板は、液晶ディスプレイに好適に用いることができる。
本発明の保護膜付きガラス板を液晶ディスプレイ用として用いれば、液晶デバイスの誤作動の原因となる表面汚染やキズの発生を抑制することができ、不具合の割合を低減することが可能となる。また、ガラス板の搬送または取り扱い時の割れの頻度を低減できるという効果を奏する。
本発明の保護膜付きガラス板を液晶ディスプレイ用として用いれば、液晶デバイスの誤作動の原因となる表面汚染やキズの発生を抑制することができ、不具合の割合を低減することが可能となる。また、ガラス板の搬送または取り扱い時の割れの頻度を低減できるという効果を奏する。
本発明の保護膜付きガラス板を液晶ディスプレイの部材として用いる場合、無アルカリガラス板は、例えば、近年開発された第6世代(1500mm×1800mm)程度の大きさを有する。本発明においては、1500mm×1800mm以上の大きさを有するガラス板において、その効果がより大きく発揮される。また、ガラス板の厚さは、0.3〜0.8mmであることが強度確保の点で好ましく、さらに好ましくは0.5〜0.7mm程度である。
本発明の保護膜付きガラス板が有する本発明の保護膜の厚さは特に限定されないが、0.2〜100μmであることが好ましく、0.2〜10μmであることがさらに好ましく、0.2〜5μmであることが最も好ましい。理由は、ガラス板に塗布等した場合に、より簡便に均一な保護膜を形成することができ、さらに、水洗により、より簡便に除去することができるからである。本発明の保護膜は、このような膜厚の広い範囲にわたって、キズの発生を防止でき好ましい。
本発明の保護膜は、無アルカリ、つまりアルカリ成分を実質的に含んでいないことが必要である。具体的には、本発明の保護膜中のアルカリ成分が30000ppm以下、10000ppm以下、特に5000ppm以下であることが好ましい。
本発明の保護膜は、無アルカリ、つまりアルカリ成分を実質的に含んでいないことが必要である。具体的には、本発明の保護膜中のアルカリ成分が30000ppm以下、10000ppm以下、特に5000ppm以下であることが好ましい。
なお、この本発明の保護膜のアルカリ成分含有率は、本発明の保護膜の一部を濃硝酸および濃硫酸で湿式分解し、得られた液を適宜希釈した後、ICP発光分析にて測定した値である。
上記のように、本発明の保護膜付きガラス板は、上記のような水溶性無アルカリ有機酸塩を含み、かつ無アルカリである保護膜を、無アルカリガラス板の少なくとも一方の主面上または前記機能性薄膜上の、少なくとも一部に有する無アルカリガラスである。
ここで、機能性薄膜とは、例えば液晶ディスプレイを製造する際に、無アルカリガラス板の主面上に形成する導電膜、熱線遮蔽膜などの機能膜をいう。
例えば、導電膜としては酸化錫を含有する酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、Ag、Cr/Cu/Crからなる薄膜が挙げられる。酸化亜鉛には、Al、Gaまたは水素等がドープされていてもよい。酸化スズにはFまたはSbがドープされていてもよい。また、Ag膜中には、Pd,Auがドープされていてもよい。
また、熱線遮蔽膜としては、酸化物(例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、ITO等)/Ag/酸化物の構造を有する薄膜が挙げられる。
このような機能性薄膜の性状、厚さ、形成方法等は、特に限定されず従来公知のものを用いることができる。
例えば、導電膜としては酸化錫を含有する酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、Ag、Cr/Cu/Crからなる薄膜が挙げられる。酸化亜鉛には、Al、Gaまたは水素等がドープされていてもよい。酸化スズにはFまたはSbがドープされていてもよい。また、Ag膜中には、Pd,Auがドープされていてもよい。
また、熱線遮蔽膜としては、酸化物(例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、ITO等)/Ag/酸化物の構造を有する薄膜が挙げられる。
このような機能性薄膜の性状、厚さ、形成方法等は、特に限定されず従来公知のものを用いることができる。
このような本発明の保護膜付きガラス板を、保管、輸送するときは、通常、少なくとも2枚以上積層させガラス積層体とすることが好ましい。
このようなガラス積層体を、本発明のガラス積層体ともいう。
このようなガラス積層体を、本発明のガラス積層体ともいう。
本発明のガラス積層体は、本発明の保護膜付きガラス板を2枚以上積層させたものであれば、大きさや枚数等は特に限定されない。そのガラス板の間に合紙を挟み込んでもよい。
例えば、第6世代の大きさのガラス基板を約100〜500枚積層させることが可能である。また、第6世代の大きさのガラス基板を約500枚積層させた場合、全てのガラス基板の間に合紙を挟み込んだ本発明のガラス積層体であれば、1500mm×1800mm×386mm程度の大きさとなる。
例えば、第6世代の大きさのガラス基板を約100〜500枚積層させることが可能である。また、第6世代の大きさのガラス基板を約500枚積層させた場合、全てのガラス基板の間に合紙を挟み込んだ本発明のガラス積層体であれば、1500mm×1800mm×386mm程度の大きさとなる。
上記のような本発明の保護膜付きガラス板を積層体で保管、輸送した後は、液晶ディスプレイ等の電子回路等の製造現場等で用いる。また、液晶ディスプレイのみならずFED等の各種ディスプレイやフォトマスク基板にも使用できる。その他、建築用窓ガラス、および自動車用窓ガラスに付与されるLow−emissivityガラス、などの機能性板ガラスにも使用できる。
そして、この本発明の保護膜付きガラス板を水洗し、その表面に存在する本発明の保護膜の少なくとも一部、好ましくは全てを、ガラス板の主面上または前記機能性薄膜上から除去する。このようにして本発明の保護膜が除去された無アルカリガラス板は、保存、輸送の後であっても、キズや汚れがほとんど見られない。また、これを用いて製造した液晶ディスプレイの誤作動の発生率が、従来と比べて格段に低い。さらに、大型のガラス基板の場合であっても、その効果を有する。
そして、この本発明の保護膜付きガラス板を水洗し、その表面に存在する本発明の保護膜の少なくとも一部、好ましくは全てを、ガラス板の主面上または前記機能性薄膜上から除去する。このようにして本発明の保護膜が除去された無アルカリガラス板は、保存、輸送の後であっても、キズや汚れがほとんど見られない。また、これを用いて製造した液晶ディスプレイの誤作動の発生率が、従来と比べて格段に低い。さらに、大型のガラス基板の場合であっても、その効果を有する。
このような、本発明の保護膜付きガラス板を水洗し、本発明の保護膜がその表面から除去された無アルカリガラス板は、保存、輸送の後でもキズや汚れが従来と比較して少ないという点で新規である。
<アルギン酸アンモニウムをコーティングした液晶ディスプレイ用ガラス板>
<実施例1>
0.7mm厚の液晶ディスプレイ用無アルカリガラス板を5×5cm角に4枚切り出した。そして、各々のガラス片を0.01モル/リットルのNaOH水溶液に30秒間浸漬した後、水洗し窒素ブロワーを吹き付けて乾燥した。ガラス板表面に、アルカリの残存は認められなかった。
次に、この4枚のガラス片をアルギン酸アンモニウム(商品名:キミカアルギン、株式会社キミカ社製)の水溶液(純水を使用)をはけ塗りにより塗布し、窒素ブロワーで急速乾燥して、各々のガラス片表面にアルギン酸アンモニウムの保護膜を形成した。
<実施例1>
0.7mm厚の液晶ディスプレイ用無アルカリガラス板を5×5cm角に4枚切り出した。そして、各々のガラス片を0.01モル/リットルのNaOH水溶液に30秒間浸漬した後、水洗し窒素ブロワーを吹き付けて乾燥した。ガラス板表面に、アルカリの残存は認められなかった。
次に、この4枚のガラス片をアルギン酸アンモニウム(商品名:キミカアルギン、株式会社キミカ社製)の水溶液(純水を使用)をはけ塗りにより塗布し、窒素ブロワーで急速乾燥して、各々のガラス片表面にアルギン酸アンモニウムの保護膜を形成した。
ここで、用いたアルギン酸アンモニウム水溶液の濃度は0.01質量%であり、アルカリ分は、1ppm以下であった。
また、ここで得られた4枚のガラス片表面の保護膜の膜厚をマイクロメーターおよび走査型電子顕微鏡(断面観察)を用いて測定した結果、4枚とも0.5μmであった。なお、以下、保護膜の膜厚は同様の方法で測定した。また、保護膜中のアルカリ分は、5000ppmであった。
ここで得られた4枚の保護膜付いたガラス片を、ガラス板1−a、ガラス板1−b、ガラス板1−c、ガラス板1−dという。
また、ここで得られた4枚のガラス片表面の保護膜の膜厚をマイクロメーターおよび走査型電子顕微鏡(断面観察)を用いて測定した結果、4枚とも0.5μmであった。なお、以下、保護膜の膜厚は同様の方法で測定した。また、保護膜中のアルカリ分は、5000ppmであった。
ここで得られた4枚の保護膜付いたガラス片を、ガラス板1−a、ガラス板1−b、ガラス板1−c、ガラス板1−dという。
得られた保護膜を下記の方法により評価した。
<キズ評価(A)>
ガラス板1−aおよび1−bを恒温恒湿槽に入れ、下に示す熱サイクルテストを実施した。その後、これらの試験片を取り出し、ガラス板1−aについて1500番研磨紙を使用して20g/cm2の荷重で摩擦試験に供した。具体的には、まず、このガラス板1−aを保護膜が上になるように水平架台上に置き、保護膜上に1500番研磨紙を置き、その上面から鉛直下方向へ20g/cm2の荷重をかけた。そして、保護膜付きガラス板を水平方向へ10cm/sの速度で引き抜いた。その後、このガラス板1−aを、20℃の純水の流水下(3リットル/分)で30秒間シャワーで水洗いした後、傷の有無を評価した。
なお、この水洗条件は、特許文献2の実施例1と同じである。
<キズ評価(A)>
ガラス板1−aおよび1−bを恒温恒湿槽に入れ、下に示す熱サイクルテストを実施した。その後、これらの試験片を取り出し、ガラス板1−aについて1500番研磨紙を使用して20g/cm2の荷重で摩擦試験に供した。具体的には、まず、このガラス板1−aを保護膜が上になるように水平架台上に置き、保護膜上に1500番研磨紙を置き、その上面から鉛直下方向へ20g/cm2の荷重をかけた。そして、保護膜付きガラス板を水平方向へ10cm/sの速度で引き抜いた。その後、このガラス板1−aを、20℃の純水の流水下(3リットル/分)で30秒間シャワーで水洗いした後、傷の有無を評価した。
なお、この水洗条件は、特許文献2の実施例1と同じである。
その結果を表1に示す。なお、表1において、「なし」とは高輝度光源下で目視で観察してもキズが全く認められなかったことを意味し、「有り」とは高輝度光源下で目視で観察するとキズが認められたことを意味し、以下の例でも同様である。
<熱サイクルテスト>
(1)温度20℃、相対湿度50%で10分→
(2)温度50℃、相対湿度80%で5時間→
(3)温度20℃、相対湿度80%で5時間→
(4)(2)へ戻り、5回(2)および(3)を繰り返した後、(5)へ進む
(5)温度20℃、相対湿度50%で2時間
(1)温度20℃、相対湿度50%で10分→
(2)温度50℃、相対湿度80%で5時間→
(3)温度20℃、相対湿度80%で5時間→
(4)(2)へ戻り、5回(2)および(3)を繰り返した後、(5)へ進む
(5)温度20℃、相対湿度50%で2時間
<キズ評価(B)>
恒温恒湿槽にて熱サイクルテストを行った後のガラス板1−bに対し、サファイヤ針を使用して20g荷重で摩擦試験に供した。サファイヤ針は0.8mmφのものを用いた。
具体的には、まず、このガラス板1−bを保護膜が上になるように水平架台上に置いた。
次に、保護膜上にサファイヤ針を置き、その上面から鉛直下方向へ20gの荷重をかけた。そして、保護膜付きガラス板を水平方向へ1cm/sの速度で引き抜いた。その後、このガラス板1−bを、20℃の純水の流水下(3リットル/分)で30秒間シャワーで水洗いした後、傷の有無を評価した。
その結果を表1に示す。なお、表1において、「なし」とは高輝度光源下で目視で観察してもキズが全く認められなかったことを意味し、「有り」とは高輝度光源下で目視で観察するとキズが認められたことを意味し、以下の例でも同様である。
恒温恒湿槽にて熱サイクルテストを行った後のガラス板1−bに対し、サファイヤ針を使用して20g荷重で摩擦試験に供した。サファイヤ針は0.8mmφのものを用いた。
具体的には、まず、このガラス板1−bを保護膜が上になるように水平架台上に置いた。
次に、保護膜上にサファイヤ針を置き、その上面から鉛直下方向へ20gの荷重をかけた。そして、保護膜付きガラス板を水平方向へ1cm/sの速度で引き抜いた。その後、このガラス板1−bを、20℃の純水の流水下(3リットル/分)で30秒間シャワーで水洗いした後、傷の有無を評価した。
その結果を表1に示す。なお、表1において、「なし」とは高輝度光源下で目視で観察してもキズが全く認められなかったことを意味し、「有り」とは高輝度光源下で目視で観察するとキズが認められたことを意味し、以下の例でも同様である。
<接触角の測定>
ガラス板1−cをASTM D 4728−95に規定する試験に供した。この試験に供したガラス板は、トラック輸送をした後のガラス板と同様と見なすことができる。
その後、ガラス板1−cを、20℃の純水の流水下(3リットル/分)で30秒間シャワーで水洗いした。
ガラス板1−cと水との接触角を上記の接触角測定法A(JIS−R3257)(接触角計:協和界面科学社製のCA−A)により測定した。その結果、接触角は8度であった(表1)。この値は製造直後のガラス板自体の表面の接触角と同程度である。また、XPS装置(PHI製5500)によりガラス板表面の保護膜の残存を調べたところ、検出限界以下であり検出できなかった。以上の結果から、ガラス板表面にアルギン酸アンモニウムが残存していないことが分かった。
さらに、ガラス板1−cを飛行時間型2次イオン質量分析法(TOF−SIMS)およびX線光電子分光法(XPS)で測定したところ、アルギン酸アンモニウムは検出されなかった。これより、上記の水洗により、ガラス板1−cの表面からアルギン酸アンモニウムの保護膜が完全に取り除かれたことが再確認された。
<XPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)の測定>
ガラス板1−dをASTM D 4728−95に規定する試験に供した。この試験に供したガラス板は、トラック輸送をした後のガラス板と同様と見なすことができる。
その後、ガラス板1−dを、20℃の純水の流水下(3リットル/分)で30秒間シャワーで水洗いした。
ガラス板1−dのXPS(X線光電子分光法)によるピーク強度比(C1s/Si2p)を測定した。ここで、C1sピークは284.6eVのピークを測定、Si2pピークは103.4eVのピークを測定し、C1s/Si2pの強度比を求めた。その結果、実施例1のXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は0.2であった。
C1s/Si2pの強度比は、その実用上1.5以下、特に1.0以下、さらには0.5以下であることが好ましい。なお、C1s/Si2pの強度比が大きいほど、ガラス表面に残存するC(炭素)が多いことを意味する。
ガラス板1−cをASTM D 4728−95に規定する試験に供した。この試験に供したガラス板は、トラック輸送をした後のガラス板と同様と見なすことができる。
その後、ガラス板1−cを、20℃の純水の流水下(3リットル/分)で30秒間シャワーで水洗いした。
ガラス板1−cと水との接触角を上記の接触角測定法A(JIS−R3257)(接触角計:協和界面科学社製のCA−A)により測定した。その結果、接触角は8度であった(表1)。この値は製造直後のガラス板自体の表面の接触角と同程度である。また、XPS装置(PHI製5500)によりガラス板表面の保護膜の残存を調べたところ、検出限界以下であり検出できなかった。以上の結果から、ガラス板表面にアルギン酸アンモニウムが残存していないことが分かった。
さらに、ガラス板1−cを飛行時間型2次イオン質量分析法(TOF−SIMS)およびX線光電子分光法(XPS)で測定したところ、アルギン酸アンモニウムは検出されなかった。これより、上記の水洗により、ガラス板1−cの表面からアルギン酸アンモニウムの保護膜が完全に取り除かれたことが再確認された。
<XPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)の測定>
ガラス板1−dをASTM D 4728−95に規定する試験に供した。この試験に供したガラス板は、トラック輸送をした後のガラス板と同様と見なすことができる。
その後、ガラス板1−dを、20℃の純水の流水下(3リットル/分)で30秒間シャワーで水洗いした。
ガラス板1−dのXPS(X線光電子分光法)によるピーク強度比(C1s/Si2p)を測定した。ここで、C1sピークは284.6eVのピークを測定、Si2pピークは103.4eVのピークを測定し、C1s/Si2pの強度比を求めた。その結果、実施例1のXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は0.2であった。
C1s/Si2pの強度比は、その実用上1.5以下、特に1.0以下、さらには0.5以下であることが好ましい。なお、C1s/Si2pの強度比が大きいほど、ガラス表面に残存するC(炭素)が多いことを意味する。
<実施例2〜5>
実施例2〜5では、上記の実施例1で用いた0.01質量%アルギン酸アンモニウム水溶液の濃度を、0.1質量%(実施例2)、0.5質量%(実施例3)、1.0質量%(実施例4)、3.0質量%(実施例5)として、保護膜付きガラス板を得た。また、実施例5ではさらに水洗条件を変化させた。具体的には、実施例2〜4では実施例1と同様に、20℃の純水の流水下(3リットル/分)で30秒間水洗いしたが、実施例5では、20℃の純水の流水下(3リットル/分)で90秒間水洗いした。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)および接触角を評価した。測定結果を表1に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は、実施例2:0.2、実施例3:0.1、実施例4:0.2、実施例5:0.2であった。
実施例2〜5では、上記の実施例1で用いた0.01質量%アルギン酸アンモニウム水溶液の濃度を、0.1質量%(実施例2)、0.5質量%(実施例3)、1.0質量%(実施例4)、3.0質量%(実施例5)として、保護膜付きガラス板を得た。また、実施例5ではさらに水洗条件を変化させた。具体的には、実施例2〜4では実施例1と同様に、20℃の純水の流水下(3リットル/分)で30秒間水洗いしたが、実施例5では、20℃の純水の流水下(3リットル/分)で90秒間水洗いした。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)および接触角を評価した。測定結果を表1に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は、実施例2:0.2、実施例3:0.1、実施例4:0.2、実施例5:0.2であった。
また、ここで得られた実施例2〜5に係る保護膜の膜厚を測定した結果、それぞれ1.5μm、3.0μm、5.0μm、50μmであった。
<比較例1>
実施例1で用いた0.01質量%アルギン酸アンモニウム水溶液の代わりに、四ホウ酸ナトリウム0.02mol/l水溶液(純水を使用)を用い、その他の条件は全て同じとして、保護膜付きガラス板を得た。
ここで得られた保護膜の膜厚を測定した結果、4枚のガラス片とも0.05μmであった。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)および接触角を評価した。測定結果を表1に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は0.2であった。
実施例1で用いた0.01質量%アルギン酸アンモニウム水溶液の代わりに、四ホウ酸ナトリウム0.02mol/l水溶液(純水を使用)を用い、その他の条件は全て同じとして、保護膜付きガラス板を得た。
ここで得られた保護膜の膜厚を測定した結果、4枚のガラス片とも0.05μmであった。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)および接触角を評価した。測定結果を表1に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は0.2であった。
<比較例2>
比較例1の水洗条件のみを変化させ、保護膜付きガラス板を得た。具体的には、比較例1では、20℃の純水の流水下(3リットル/分)で30秒間水洗いしたが、比較例2では、20℃の純水の流水下(3リットル/分)で90秒間水洗いした。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)および接触角を評価した。測定結果を表1に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は0.1であった。
比較例1の水洗条件のみを変化させ、保護膜付きガラス板を得た。具体的には、比較例1では、20℃の純水の流水下(3リットル/分)で30秒間水洗いしたが、比較例2では、20℃の純水の流水下(3リットル/分)で90秒間水洗いした。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)および接触角を評価した。測定結果を表1に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は0.1であった。
<比較例3>
実施例1で用いた0.01質量%アルギン酸アンモニウム水溶液の代わりに、重合度240、鹸化度65モル%のポリビニルアルコール(PVA)水溶液(3.0質量%、純水を使用)を用い、その他の条件は全て同じとして保護膜付きガラス板を得た。
ここで用いたPVAはユニチカケミカル社製:UMR−10Hであり、特許文献2の実施例1と同じである。
ここで得られた保護膜の膜厚を測定した結果、4枚のガラス片とも0.5μmであった。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)および接触角を評価した。その結果、ガラス板表面のキズの存在は認められなかった。測定結果を表1に示す。
実施例1で用いた0.01質量%アルギン酸アンモニウム水溶液の代わりに、重合度240、鹸化度65モル%のポリビニルアルコール(PVA)水溶液(3.0質量%、純水を使用)を用い、その他の条件は全て同じとして保護膜付きガラス板を得た。
ここで用いたPVAはユニチカケミカル社製:UMR−10Hであり、特許文献2の実施例1と同じである。
ここで得られた保護膜の膜厚を測定した結果、4枚のガラス片とも0.5μmであった。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)および接触角を評価した。その結果、ガラス板表面のキズの存在は認められなかった。測定結果を表1に示す。
なお、接触角は18度であった(表1)。この値はガラス板自体の表面の接触角よりも大幅に高い値であり、ガラス板表面にPVAが残存していることを意味する。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は2.0であった。
さらに、TOF−SIMSスペクトルより、質量数43amuにPVAの典型的なフラグメントピークが検出され(負イオン検出)、また、XPS C1sスペクトルからもPVA中に存在する酢酸ビニルに起因するC−OおよびO=C−Oに帰属される成分が検出され、保護膜が残存していることが判明した。これは、PVAがガラス表面に存在するシラノール基と強固な結合を形成し、水洗では除去できないためと考えられる。このような保護膜の残渣は、後工程にてレジストまたは液晶塗布工程に悪影響を及ぼすことが考えられ、液晶ディスプレイ用ガラス板用としては好ましくない。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は2.0であった。
さらに、TOF−SIMSスペクトルより、質量数43amuにPVAの典型的なフラグメントピークが検出され(負イオン検出)、また、XPS C1sスペクトルからもPVA中に存在する酢酸ビニルに起因するC−OおよびO=C−Oに帰属される成分が検出され、保護膜が残存していることが判明した。これは、PVAがガラス表面に存在するシラノール基と強固な結合を形成し、水洗では除去できないためと考えられる。このような保護膜の残渣は、後工程にてレジストまたは液晶塗布工程に悪影響を及ぼすことが考えられ、液晶ディスプレイ用ガラス板用としては好ましくない。
<比較例4>
上記の比較例3で用いた重合度240、鹸化度65モル%のPVA水溶液(3.0質量%)の代わりに、重合度240、鹸化度55モル%のPVA(5.0質量%)を用い、その他の条件は全て同じとし、保護膜付きガラス板を得た。
ここで得られた保護膜の膜厚を測定した結果、4枚のガラス片とも5.0μmであった。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)および接触角を評価した。その結果、比較例3と同様の結果であった。測定結果を表1に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は2.0であった。
上記の比較例3で用いた重合度240、鹸化度65モル%のPVA水溶液(3.0質量%)の代わりに、重合度240、鹸化度55モル%のPVA(5.0質量%)を用い、その他の条件は全て同じとし、保護膜付きガラス板を得た。
ここで得られた保護膜の膜厚を測定した結果、4枚のガラス片とも5.0μmであった。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)および接触角を評価した。その結果、比較例3と同様の結果であった。測定結果を表1に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は2.0であった。
<比較例5>
比較例4で用いた重合度240、鹸化度55モル%のPVA水溶液を用い、その他の条件は全て同じとして、保護膜付きガラス板を得た。ただし、膜厚を厚くするためにはけ塗り回数を1回から10回に増加させた。
ここで得られた保護膜の膜厚を測定した結果、4枚のガラス片とも50μmであった。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)および接触角を評価した。測定結果を表1に示す。その結果、接触角が30度で高い値であった。また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は3.2であった。つまり、水洗後のガラス基板表面に多くのPVAが残存しているものと考えられる。
比較例4で用いた重合度240、鹸化度55モル%のPVA水溶液を用い、その他の条件は全て同じとして、保護膜付きガラス板を得た。ただし、膜厚を厚くするためにはけ塗り回数を1回から10回に増加させた。
ここで得られた保護膜の膜厚を測定した結果、4枚のガラス片とも50μmであった。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)および接触角を評価した。測定結果を表1に示す。その結果、接触角が30度で高い値であった。また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は3.2であった。つまり、水洗後のガラス基板表面に多くのPVAが残存しているものと考えられる。
<比較例6>
比較例5で行った20℃の純水の流水下(3リットル/分)で30秒間の水洗いを、20℃の純水の流水下(3リットル/分)で90秒間の水洗いとしてその他の条件は全て同じとして、保護膜付きガラス板を得た。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)および接触角を評価した。測定結果を表1に示す。その結果、接触角が25度であり高い値であった。また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は3.0であった。このように比較例5と比較すると低い値となっていることから、比較例5の場合よりも減少しているものの、実施例1〜5と比較すれば、水洗後のガラス基板表面に多くのPVAが残存しているものと考えられる。
比較例5で行った20℃の純水の流水下(3リットル/分)で30秒間の水洗いを、20℃の純水の流水下(3リットル/分)で90秒間の水洗いとしてその他の条件は全て同じとして、保護膜付きガラス板を得た。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)および接触角を評価した。測定結果を表1に示す。その結果、接触角が25度であり高い値であった。また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は3.0であった。このように比較例5と比較すると低い値となっていることから、比較例5の場合よりも減少しているものの、実施例1〜5と比較すれば、水洗後のガラス基板表面に多くのPVAが残存しているものと考えられる。
<比較例7>
実施例1で用いたアルギン酸アンモニウムを用いず(つまり保護膜を形成せず)、その他を全て実施例1と同じ条件として、ガラス板を得た。
実施例1と同じ方法で、このガラス板のキズ(A)、キズ(B)および接触角を評価した。測定結果を表1に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は2.0であった。
実施例1で用いたアルギン酸アンモニウムを用いず(つまり保護膜を形成せず)、その他を全て実施例1と同じ条件として、ガラス板を得た。
実施例1と同じ方法で、このガラス板のキズ(A)、キズ(B)および接触角を評価した。測定結果を表1に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は2.0であった。
<比較例8>
比較例7で行った20℃の純水の流水下(3リットル/分)で30秒間の水洗いを、20℃の純水の流水下(3リットル/分)で90秒間の水洗いとし、ガラス板を得た。
実施例1と同じ方法で、このガラス板のキズ(A)、キズ(B)および接触角を評価した。測定結果を表1に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は2.0であった。
比較例7で行った20℃の純水の流水下(3リットル/分)で30秒間の水洗いを、20℃の純水の流水下(3リットル/分)で90秒間の水洗いとし、ガラス板を得た。
実施例1と同じ方法で、このガラス板のキズ(A)、キズ(B)および接触角を評価した。測定結果を表1に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は2.0であった。
これらの実施例1〜5、および比較例1〜8から、アルギン酸アンモニウムを無アルカリガラス板表面に塗布することにより、保管、輸送中に発生する無アルカリガラス板表面のキズ、汚染を防止できると考えられる。
また、比較例3〜6に示したように、PVAを塗布した無アルカリガラス板を水洗しても、PVAはガラス板表面に残存することを確認した。なお、特許文献2には、その実施例に、洗浄後のガラス面を顕微鏡で観察したところ、保護膜は完全に取り除かれていたと記載されている。これは顕微鏡による観察であったために、僅かな残存は観察できなかったためと考えられる。上記のような飛行時間型2次イオン質量分析法(TOF−SIMS)およびX線光電子分光法(XPS)による高度な測定では、PVAが残存していることが確認できた。
液晶ディスプレイ等に用いる無アルカリガラス板は、顕微鏡では観察できない程度の汚染であっても許容できず、より高い表面特性が要求される。
液晶ディスプレイ等に用いる無アルカリガラス板は、顕微鏡では観察できない程度の汚染であっても許容できず、より高い表面特性が要求される。
なお、アルギン酸アンモニウムをコーティングした実施例1〜5の膜は、保護膜自身はダメージを受けていた。しかし、水洗後のガラス表面にはキズなしであった。これに対し、四ホウ酸ナトリウムをコーティングした比較例1および2も水洗後のガラス表面にはキズなしであった。しかし、この比較例1および2のガラス基板を用いて液晶ディスプレイを作成すると誤作動が生じる。これにより、コーティングした膜中のナトリウム分が誤作動を生じさせたと推定される。
また、四ホウ酸ナトリウムの保護膜の膜厚を0.2μm超とすると、水洗後のガラス表面にはキズが生じた。これは、四ホウ酸ナトリウムは熱サイクルテストにより結露が発生し、被膜にクラックが生じる結果、ガラス表面を均一に覆うことができなくなり、露出したガラス面に傷がつくためと考えられる。一方、アルギン酸アンモニウムは水溶性塩類からなる水溶性物質に比べて水に対する溶解度が低いため、これを除去する工程までの間で保護膜の表面に結露が発生しても溶解され難く、膜厚が厚い場合であっても、熱サイクルテストに供した後でもガラス表面を均一に被覆しており、ガラス基板に傷がつかないと推測される。
また、四ホウ酸ナトリウムの保護膜の膜厚を0.2μm超とすると、水洗後のガラス表面にはキズが生じた。これは、四ホウ酸ナトリウムは熱サイクルテストにより結露が発生し、被膜にクラックが生じる結果、ガラス表面を均一に覆うことができなくなり、露出したガラス面に傷がつくためと考えられる。一方、アルギン酸アンモニウムは水溶性塩類からなる水溶性物質に比べて水に対する溶解度が低いため、これを除去する工程までの間で保護膜の表面に結露が発生しても溶解され難く、膜厚が厚い場合であっても、熱サイクルテストに供した後でもガラス表面を均一に被覆しており、ガラス基板に傷がつかないと推測される。
<アルギン酸アンモニウムをコーティングした機能性薄膜付きガラス板>
<実施例6>
実施例1で用いた0.7mm厚の液晶ディスプレイ用無アルカリガラス板の一方の主面上に、公知の方法で、酸化インジウム(ITO)からなる導電膜(厚み200nm)を形成した。そして、実施例1と同様に50×50cm角に4枚切り出した。そして、各々のガラス片をUV/O3洗浄機にて3分間処理した後、水洗し自然乾燥させた。
次に、実施例1と同じ種類、濃度のアルギン酸アンモニウム水溶液を、スプレーを用いて各々のガラス片の導電膜の上面に塗布した。そして、実施例1と同様に乾燥して、導電膜の上面にアルギン酸アンモニウムの保護膜を形成し、保護膜付きガラス板を得た。
ここで得られたアルギン酸アンモニウムの保護膜の厚さは、4枚のガラス片とも1μmであった。
<実施例6>
実施例1で用いた0.7mm厚の液晶ディスプレイ用無アルカリガラス板の一方の主面上に、公知の方法で、酸化インジウム(ITO)からなる導電膜(厚み200nm)を形成した。そして、実施例1と同様に50×50cm角に4枚切り出した。そして、各々のガラス片をUV/O3洗浄機にて3分間処理した後、水洗し自然乾燥させた。
次に、実施例1と同じ種類、濃度のアルギン酸アンモニウム水溶液を、スプレーを用いて各々のガラス片の導電膜の上面に塗布した。そして、実施例1と同様に乾燥して、導電膜の上面にアルギン酸アンモニウムの保護膜を形成し、保護膜付きガラス板を得た。
ここで得られたアルギン酸アンモニウムの保護膜の厚さは、4枚のガラス片とも1μmであった。
この得られた保護膜付きガラス板を用い、実施例1と同じ方法で、キズ評価(A)、キズ評価(B)および接触角を評価した。測定結果を表2に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は0.2であった。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は0.2であった。
<実施例7>
実施例6の酸化インジウム(ITO)からなる透明導電膜の代わりに、ZnO/Ag/ZnO/Ag/ZnO(各層の膜厚:20nm/10nm/80nm/10nm/20nm)からなる熱線遮蔽膜を形成したガラス片を使用した以外は実施例6と同様に処理して保護膜付きガラス板を得た。
ここで、得られたアルギン酸アンモニウムの保護膜の厚さは、4枚のガラス片とも1.0μmであった。
この得られた保護膜付きガラス板を用い、実施例1と同じ方法で、キズ評価(A)、キズ評価(B)および接触角を評価した。測定結果を表2に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は0.1であった。
実施例6の酸化インジウム(ITO)からなる透明導電膜の代わりに、ZnO/Ag/ZnO/Ag/ZnO(各層の膜厚:20nm/10nm/80nm/10nm/20nm)からなる熱線遮蔽膜を形成したガラス片を使用した以外は実施例6と同様に処理して保護膜付きガラス板を得た。
ここで、得られたアルギン酸アンモニウムの保護膜の厚さは、4枚のガラス片とも1.0μmであった。
この得られた保護膜付きガラス板を用い、実施例1と同じ方法で、キズ評価(A)、キズ評価(B)および接触角を評価した。測定結果を表2に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は0.1であった。
<比較例9>
実施例6で用いたアルギン酸アンモニウムの代わりに、0.05mol/lの四ホウ酸ナトリウムを用い、その他の条件を全て実施例6と同じとして保護膜付きガラス板を得た。
ここで得られた四ホウ酸ナトリウムの保護膜の厚さは、4枚のガラス片とも0.5μmであった。
この得られた保護膜付きガラス板を用い、実施例1と同じ方法で、キズ評価(A)、キズ評価(B)および接触角を評価した。測定結果を表2に示す。また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は0.2であった。
また、水洗により保護膜は完全に取り除かれていたが、導電膜にキズの発生が認められた。
実施例6で用いたアルギン酸アンモニウムの代わりに、0.05mol/lの四ホウ酸ナトリウムを用い、その他の条件を全て実施例6と同じとして保護膜付きガラス板を得た。
ここで得られた四ホウ酸ナトリウムの保護膜の厚さは、4枚のガラス片とも0.5μmであった。
この得られた保護膜付きガラス板を用い、実施例1と同じ方法で、キズ評価(A)、キズ評価(B)および接触角を評価した。測定結果を表2に示す。また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は0.2であった。
また、水洗により保護膜は完全に取り除かれていたが、導電膜にキズの発生が認められた。
<比較例10>
実施例7で用いたアルギン酸アンモニウムの代わりに、0.05mol/lの四ホウ酸ナトリウムを用い、その他の条件を全て実施例7と同じとして保護膜付きガラス板を得た。
ここで得られた四ホウ酸ナトリウムの保護膜の厚さは、4枚のガラス片とも0.5μmであった。この得られた保護膜付きガラス板を用い、実施例1と同じ方法で、キズ評価(A)、キズ評価(B)および接触角を評価した。測定結果を表2に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は0.1であった。
実施例7で用いたアルギン酸アンモニウムの代わりに、0.05mol/lの四ホウ酸ナトリウムを用い、その他の条件を全て実施例7と同じとして保護膜付きガラス板を得た。
ここで得られた四ホウ酸ナトリウムの保護膜の厚さは、4枚のガラス片とも0.5μmであった。この得られた保護膜付きガラス板を用い、実施例1と同じ方法で、キズ評価(A)、キズ評価(B)および接触角を評価した。測定結果を表2に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は0.1であった。
<比較例11>
実施例6で用いたアルギン酸アンモニウムの代わりに、比較例3と同じ重合度240、鹸化度65モル%のPVA水溶液を用い、その他の条件を全て実施例6と同じとして保護膜付きガラス板を得た。
ここで得られたPVAの保護膜の厚さは、4枚のガラス片とも1.0μmであった。
この得られた保護膜付きガラス板を用い、実施例1と同じ方法で、キズ評価(A)、キズ評価(B)および接触角を評価した。測定結果を表2に示す。
導電膜にキズの発生は認められなかったが、水洗により保護膜は完全には取り除かれず残存していることを、XPS分析により確認し、TOF−SIMSおよびXPS分析により再確認した。また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は2.0であった。
これは、PVAがITO膜およびZnO膜表面に存在するIn−OH、Sn−OH、または、Zn−OH基と強固な結合を形成し、水洗では除去できないためと考えられる。このような保護膜の残渣は、後工程にてパターニングなどを施す場合、パターニング特性に悪影響を及ぼすことが考えられ、好ましくない。
実施例6で用いたアルギン酸アンモニウムの代わりに、比較例3と同じ重合度240、鹸化度65モル%のPVA水溶液を用い、その他の条件を全て実施例6と同じとして保護膜付きガラス板を得た。
ここで得られたPVAの保護膜の厚さは、4枚のガラス片とも1.0μmであった。
この得られた保護膜付きガラス板を用い、実施例1と同じ方法で、キズ評価(A)、キズ評価(B)および接触角を評価した。測定結果を表2に示す。
導電膜にキズの発生は認められなかったが、水洗により保護膜は完全には取り除かれず残存していることを、XPS分析により確認し、TOF−SIMSおよびXPS分析により再確認した。また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は2.0であった。
これは、PVAがITO膜およびZnO膜表面に存在するIn−OH、Sn−OH、または、Zn−OH基と強固な結合を形成し、水洗では除去できないためと考えられる。このような保護膜の残渣は、後工程にてパターニングなどを施す場合、パターニング特性に悪影響を及ぼすことが考えられ、好ましくない。
<比較例12>
実施例7で用いたアルギン酸アンモニウムの代わりに、比較例3と同じ重合度240、鹸化度65モル%のPVA水溶液を用い、その他の条件を全て実施例7と同じとして保護膜付きガラス板を得た。
ここで得られたPVAの保護膜の厚さは、4枚のガラス片とも1.0μmであった。
この得られた保護膜付きガラス板を用い、実施例1と同じ方法で、キズ評価(A)、キズ評価(B)および接触角を評価した。測定結果を表2に示す。
熱線遮蔽膜にキズの発生は認められなかったが、水洗により保護膜は完全には取り除かれず残存していることを、比較例11と同様、XPS分析、およびTOF−SIMSにより確認した。また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は2.7であった。
実施例7で用いたアルギン酸アンモニウムの代わりに、比較例3と同じ重合度240、鹸化度65モル%のPVA水溶液を用い、その他の条件を全て実施例7と同じとして保護膜付きガラス板を得た。
ここで得られたPVAの保護膜の厚さは、4枚のガラス片とも1.0μmであった。
この得られた保護膜付きガラス板を用い、実施例1と同じ方法で、キズ評価(A)、キズ評価(B)および接触角を評価した。測定結果を表2に示す。
熱線遮蔽膜にキズの発生は認められなかったが、水洗により保護膜は完全には取り除かれず残存していることを、比較例11と同様、XPS分析、およびTOF−SIMSにより確認した。また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は2.7であった。
<比較例13>
実施例6で用いたアルギン酸アンモニウムを用いず(つまり保護膜を形成せず)、その他を全て実施例6と同じ条件としてガラス板を得た。
この得られたガラス板を用い、実施例1と同じ方法で、キズ評価(A)、キズ評価(B)および接触角を評価した。測定結果を表2に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は2.0であった。
実施例6で用いたアルギン酸アンモニウムを用いず(つまり保護膜を形成せず)、その他を全て実施例6と同じ条件としてガラス板を得た。
この得られたガラス板を用い、実施例1と同じ方法で、キズ評価(A)、キズ評価(B)および接触角を評価した。測定結果を表2に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は2.0であった。
<比較例14>
実施例7で用いたアルギン酸アンモニウムを用いず(つまり保護膜を形成せず)、その他を全て実施例7と同じ条件としてガラス板を得た。
この得られたガラス板を用い、実施例1と同じ方法で、キズ評価(A)、キズ評価(B)および接触角を評価した。測定結果を表2に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は2.8であった。
実施例7で用いたアルギン酸アンモニウムを用いず(つまり保護膜を形成せず)、その他を全て実施例7と同じ条件としてガラス板を得た。
この得られたガラス板を用い、実施例1と同じ方法で、キズ評価(A)、キズ評価(B)および接触角を評価した。測定結果を表2に示す。
また、実施例1と同じ方法で測定したXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)は2.8であった。
<実施例8>
実施例6において50×50cm角に切り出したガラス片を適当な大きさに切り出しこのガラス板を用いて液晶ディスプレイを作成する。この液晶ディスプレイは誤作動は生じない。
実施例6において50×50cm角に切り出したガラス片を適当な大きさに切り出しこのガラス板を用いて液晶ディスプレイを作成する。この液晶ディスプレイは誤作動は生じない。
<比較例15>
比較例9において50×50cm角に切り出したガラス片を適当な大きさに切り出しこのガラス板を用いて液晶ディスプレイを作成する。この液晶ディスプレイは誤作動が生じる。
<実施例9>
実施例9では、実施例1で用いた0.01質量%アルギン酸アンモニウム水溶液を用いる代わりに、0.0095質量%アルギン酸アンモニウムおよび0.0005質量%グリセリンの混合水溶液を用いて、保護膜付きガラス板を得た。
なお、この混合水溶液のアルカリ分は、1ppm以下であった。また、ここで得られた保護膜の膜厚は0.5μmであった。また、保護膜中のアルカリ分は、5000ppmであった。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)、接触角およびXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)を評価した。測定結果を表3に示す。
<比較例16>
比較例16では、実施例1で用いた0.01質量%アルギン酸アンモニウム水溶液を用いる代わりに、0.005質量%アルギン酸アンモニウムおよび0.005質量%グリセリンの混合水溶液を用いて、保護膜付きガラス板を得た。
なお、この混合水溶液のアルカリ分は、1ppm以下であった。また、ここで得られた保護膜の膜厚は0.5μmであった。また、保護膜中のアルカリ分は、5000ppmであった。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)、接触角およびXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)を評価した。測定結果を表3に示す。
<実施例10>
実施例1で用いた0.7mm厚の液晶ディスプレイ用無アルカリガラス板の一方の主面上に、公知の方法で、酸化インジウム(ITO)からなる導電膜(厚み200nm)を形成した。そして、実施例1と同様に50×50cm角に4枚切り出した。そして、各々のガラス片をUV/O3洗浄機にて3分間処理した後、水洗し自然乾燥させた。
次に、0.0095質量%アルギン酸アンモニウムおよび0.0005質量%グリセリンの混合水溶液を、スプレーを用いて各々のガラス片の導電膜の上面に塗布した。そして、実施例1と同様に乾燥して、導電膜の上面にアルギン酸アンモニウムの保護膜を形成し、保護膜付きガラス板を得た。
ここで得られた保護膜の厚さは、4枚とも1μmであった。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)、接触角およびXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)を評価した。測定結果を表3に示す。
<実施例11>
実施例10の酸化インジウム(ITO)からなる透明導電膜の代わりに、ZnO/Ag/ZnO/Ag/ZnO(各層の膜厚:20nm/10nm/80nm/10nm/20nm)からなる熱線遮蔽膜を形成したガラス片を使用した以外は実施例10と同様に処理して保護膜付きガラス板を得た。
ここで、得られたアルギン酸アンモニウムの保護膜の厚さは、4枚のガラス片とも1.0μmであった。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)、接触角およびXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)を評価した。測定結果を表3に示す。
<比較例17>
実施例10で用いた混合水溶液の代わりに、0.005質量%アルギン酸アンモニウムおよび0.005質量%グリセリンの混合水溶液を用いて、その他を全て実施例10と同じ条件としてガラス板を得た。
実施例1と同じ方法で、ガラス板のキズ(A)、キズ(B)、接触角およびXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)を評価した。測定結果を表3に示す。
<比較例18>
実施例11で用いた混合水溶液の代わりに、0.005質量%アルギン酸アンモニウムおよび0.005質量%グリセリンの混合水溶液を用いて、その他を全て実施例11と同じ条件としてガラス板を得た。
実施例1と同じ方法で、ガラス板のキズ(A)、キズ(B)、接触角およびXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)を評価した。測定結果を表3に示す。
比較例9において50×50cm角に切り出したガラス片を適当な大きさに切り出しこのガラス板を用いて液晶ディスプレイを作成する。この液晶ディスプレイは誤作動が生じる。
<実施例9>
実施例9では、実施例1で用いた0.01質量%アルギン酸アンモニウム水溶液を用いる代わりに、0.0095質量%アルギン酸アンモニウムおよび0.0005質量%グリセリンの混合水溶液を用いて、保護膜付きガラス板を得た。
なお、この混合水溶液のアルカリ分は、1ppm以下であった。また、ここで得られた保護膜の膜厚は0.5μmであった。また、保護膜中のアルカリ分は、5000ppmであった。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)、接触角およびXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)を評価した。測定結果を表3に示す。
<比較例16>
比較例16では、実施例1で用いた0.01質量%アルギン酸アンモニウム水溶液を用いる代わりに、0.005質量%アルギン酸アンモニウムおよび0.005質量%グリセリンの混合水溶液を用いて、保護膜付きガラス板を得た。
なお、この混合水溶液のアルカリ分は、1ppm以下であった。また、ここで得られた保護膜の膜厚は0.5μmであった。また、保護膜中のアルカリ分は、5000ppmであった。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)、接触角およびXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)を評価した。測定結果を表3に示す。
<実施例10>
実施例1で用いた0.7mm厚の液晶ディスプレイ用無アルカリガラス板の一方の主面上に、公知の方法で、酸化インジウム(ITO)からなる導電膜(厚み200nm)を形成した。そして、実施例1と同様に50×50cm角に4枚切り出した。そして、各々のガラス片をUV/O3洗浄機にて3分間処理した後、水洗し自然乾燥させた。
次に、0.0095質量%アルギン酸アンモニウムおよび0.0005質量%グリセリンの混合水溶液を、スプレーを用いて各々のガラス片の導電膜の上面に塗布した。そして、実施例1と同様に乾燥して、導電膜の上面にアルギン酸アンモニウムの保護膜を形成し、保護膜付きガラス板を得た。
ここで得られた保護膜の厚さは、4枚とも1μmであった。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)、接触角およびXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)を評価した。測定結果を表3に示す。
<実施例11>
実施例10の酸化インジウム(ITO)からなる透明導電膜の代わりに、ZnO/Ag/ZnO/Ag/ZnO(各層の膜厚:20nm/10nm/80nm/10nm/20nm)からなる熱線遮蔽膜を形成したガラス片を使用した以外は実施例10と同様に処理して保護膜付きガラス板を得た。
ここで、得られたアルギン酸アンモニウムの保護膜の厚さは、4枚のガラス片とも1.0μmであった。
実施例1と同じ方法で、保護膜付きガラス板のキズ(A)、キズ(B)、接触角およびXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)を評価した。測定結果を表3に示す。
<比較例17>
実施例10で用いた混合水溶液の代わりに、0.005質量%アルギン酸アンモニウムおよび0.005質量%グリセリンの混合水溶液を用いて、その他を全て実施例10と同じ条件としてガラス板を得た。
実施例1と同じ方法で、ガラス板のキズ(A)、キズ(B)、接触角およびXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)を評価した。測定結果を表3に示す。
<比較例18>
実施例11で用いた混合水溶液の代わりに、0.005質量%アルギン酸アンモニウムおよび0.005質量%グリセリンの混合水溶液を用いて、その他を全て実施例11と同じ条件としてガラス板を得た。
実施例1と同じ方法で、ガラス板のキズ(A)、キズ(B)、接触角およびXPSによるピーク強度比(C1s/Si2p)を評価した。測定結果を表3に示す。
本発明の保護膜付きガラスは、水洗でき、かつキズ発生を防止できるので、液晶ディスプレイ等に有用である。
なお、2005年7月29日に出願された日本特許出願2005−221444号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
なお、2005年7月29日に出願された日本特許出願2005−221444号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
Claims (21)
- 水溶性無アルカリ有機酸塩を含み、かつ無アルカリである無アルカリガラス板用保護剤。
- 水溶性無アルカリ有機酸塩が、糖類の無アルカリカルボン酸塩である請求項1に記載の無アルカリガラス板用保護剤。
- 糖類の無アルカリカルボン酸塩が、多糖類の無アルカリカルボン酸塩である請求項2に記載の無アルカリガラス板用保護剤。
- 多糖類の無アルカリカルボン酸塩が、アルギン酸アンモニウムである請求項3に記載の無アルカリガラス板用保護剤。
- 保護剤の粘度が、20℃、pH6−8において350〜500mPa・sである請求項1〜4いずれかに記載の無アルカリガラス板用保護剤。
- 保護剤がゲル化していない請求項1〜5いずれかに記載の無アルカリガラス板用保護剤。
- 保護剤中における水溶性無アルカリ有機酸塩の含有率が0.005〜90質量%である請求項1〜6いずれかに記載の無アルカリガラス板用保護剤。
- 保護剤中に水溶性膜構成成分を含み、かつ水溶性無アルカリ有機酸塩の割合は、水溶性無アルカリ有機酸塩と水溶性膜構成成分との合量に対して50質量%以上である請求項1〜7いずれかに記載の無アルカリガラス板用保護剤。
- 保護剤中のアルカリ成分の含有量が、50ppm以下である請求項1〜8いずれかに記載の無アルカリガラス板用保護剤。
- 請求項1〜9いずれかに記載の無アルカリガラス板用保護剤を無アルカリガラス板に塗布することにより形成されてなる保護膜付きガラス板。
- 水溶性無アルカリ有機酸塩を含み、かつ無アルカリである保護膜を、無アルカリガラス板の少なくとも一方の主面上に有する保護膜付きガラス板。
- 水溶性無アルカリ有機酸塩が、糖類の無アルカリカルボン酸塩である請求項11に記載の保護膜付きガラス板。
- 糖類の無アルカリカルボン酸塩が、多糖類の無アルカリカルボン酸塩である請求項12に記載の保護膜付きガラス板。
- 多糖類の無アルカリカルボン酸塩が、アルギン酸アンモニウムである請求項13に記載の保護膜付きガラス板。
- 保護膜中に水溶性膜構成成分を含み、かつ水溶性無アルカリ有機酸塩の割合は、水溶性無アルカリ有機酸塩と水溶性膜構成成分との合量に対して50質量%以上である請求項11〜14いずれかに記載の保護膜付きガラス板。
- 保護膜中のアルカリ成分の含有量が、30000ppm以下である請求項11〜15いずれかに記載の保護膜付きガラス板。
- 無アルカリガラス基板の大きさが、1500mm×1800mm以上である請求項11〜16いずれかに記載の保護膜付きガラス板。
- 保護膜の厚さが0.2〜100μmである請求項11〜17いずれかに記載の保護膜付きガラス板。
- 前記無アルカリガラス板の主面と前記保護膜との間に、さらに機能性薄膜を有する請求項11〜18のいずれかに記載の保護膜付きガラス板。
- 請求項11〜19のいずれかに記載の保護膜付きガラス板を水洗し、前記保護膜の少なくとも一部を前記無アルカリガラス板の主面上または前記機能性薄膜上から除去した無アルカリガラス板。
- 請求項11〜19のいずれかに記載の保護膜付きガラス板を、少なくとも2枚以上積層させたガラス積層体。
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