JPWO2007007651A1 - ランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品、ランプおよびランプ用ガラス組成物の製造方法 - Google Patents

ランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品、ランプおよびランプ用ガラス組成物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2007007651A1
JPWO2007007651A1 JP2007524615A JP2007524615A JPWO2007007651A1 JP WO2007007651 A1 JPWO2007007651 A1 JP WO2007007651A1 JP 2007524615 A JP2007524615 A JP 2007524615A JP 2007524615 A JP2007524615 A JP 2007524615A JP WO2007007651 A1 JPWO2007007651 A1 JP WO2007007651A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
lamp
sno
ceo
glass composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007524615A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5062589B2 (ja
Inventor
亮介 澤
亮介 澤
淳子 阿部
淳子 阿部
とも子 安宅
とも子 安宅
雅信 伊藤
雅信 伊藤
赤井 智子
智子 赤井
山下 勝
勝 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2007524615A priority Critical patent/JP5062589B2/ja
Publication of JPWO2007007651A1 publication Critical patent/JPWO2007007651A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5062589B2 publication Critical patent/JP5062589B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J61/00Gas-discharge or vapour-discharge lamps
    • H01J61/02Details
    • H01J61/30Vessels; Containers
    • H01J61/302Vessels; Containers characterised by the material of the vessel
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/095Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing rare earths
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C4/00Compositions for glass with special properties
    • C03C4/08Compositions for glass with special properties for glass selectively absorbing radiation of specified wave lengths
    • C03C4/085Compositions for glass with special properties for glass selectively absorbing radiation of specified wave lengths for ultraviolet absorbing glass

Abstract

重量百分率で、SiO2:60〜75wt%、CeO2+Ce2O3:0.01〜5.2wt%、SnO+SnO2:0.01〜5.2wt%、Al2O3:0.5〜6wt%、B2O3:0〜5wt%、Li2O+Na2O+K2O:13〜20wt%、MgO:0.5〜5wt%、CaO:1〜10wt%、SrO:0〜10wt%、BaO:0〜10wt%、ZnO:0〜10wt%、Fe2O3+FeO:0〜0.2wt%、TiO2:0〜1wt%からなるランプ用ガラス組成物とする。これにより、鉛およびアンチモンを含有せず、紫外線遮断能力が高く、かつ、ガラスの初期着色および紫外線による着色が起こり難いランプ用ガラス組成物とすることができる。

Description

本発明は、ランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品、ランプおよびランプ用ガラス組成物の製造方法に関する。
ランプの中でも一般に普及している蛍光ランプは、水銀および希ガスが封入された発光管の内面に蛍光体層を備え、放電による水銀の励起放射によって発光管の内部で紫外線を発生させ、この紫外線で蛍光体を励起し、可視光を放射させてランプ光束を得るメカニズムを有する。従来、このような蛍光ランプ用のガラスとしては、酸化鉛を4〜28重量wt%含有する鉛ガラスガラスが用いられてきたが、現在では地球環境保護の観点から、酸化鉛を含有しないソ−ダライムガラスに切り替えられている。
ところで、紫外線が蛍光体層および発光管を透過しランプ外に漏洩すると、灯具等の樹脂製部材や被照明物が当該紫外線を受けて褪色したり、それらの機械的強度が劣化したりする。このような褪色や機械的強度の劣化は、被照明物が衣料品や美術品である展示照明用の蛍光ランプで特に問題となる。ところが、従来の蛍光ランプ用のガラスでは、水銀の励起放射によって発生する紫外線(特に313nmの紫外線)を十分に遮断することができなかった。そのため、紫外線に弱い樹脂製部材が褪色・劣化する不具合が生じ易かった。
これに対し、特許文献1および2には、ランプ用ガラスにCeOを含有させることによって、当該ガラスの紫外線遮断能力を向上させることが開示されている。また、特許文献1には、高い輝度性能を維持できる蛍光ランプを得るために、当該蛍光ランプの発光管にSbを含有させたガラスを用いることが開示されている。
特開2002−137935号公報 特許第2532045号公報
しかし、CeOを含有したガラスは、ガラス作製時に着色(以下、「初期着色」と称する)したり、ソラリゼ−ション(以下、「紫外線による着色」と称する)を起したりする。その結果、発光管の可視域透過率が低下し、ランプ光束が低下する。
一方、Sbの使用は、地球環境保護の観点から望ましくなく、またSbを含有するガラスは、313nmの紫外線透過率が高い。さらに、ガラス中にCeOとSbとが共存すると、当該ガラスがより紫外線による着色を起こし易くなる。
本発明の目的は、鉛およびアンチモンを含有せず、紫外線遮断能力が高く、かつ、ガラスの初期着色および紫外線による着色が起こり難いランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品およびランプを提供することにある。また、本発明の他の目的は、当該ランプ用ガラス組成物の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、CeO含有ガラスが紫外線による着色を起す確率は、ガラス中のCeO濃度の増加とともに増大すると考え、種々検討を重ねた結果、ガラス中のCeOをCeに還元する成分としてSnOの共存が有効であることを見出した。また、本発明のガラス組成物は、波長254nmの紫外線照射により白色発光を示すという、蛍光ランプ用ガラスとして好ましい特性を備えることをも見出したものである。
即ち、本発明の蛍光ランプ用ガラス組成物は実質的に、酸化物換算で、SiO:60〜75wt%、CeO+Ce:0.01〜5.2wt%、SnO+SnO:0.01〜5.2wt%、Al:0.5〜6wt%、B:0〜5wt%、LiO+NaO+KO:13〜20wt%、MgO:0.5〜5wt%、CaO:1〜10wt%、SrO:0〜10wt%、BaO:0〜10wt%、ZnO:0〜10wt%、Fe+FeO:0〜0.2wt%、TiO:0〜1wt%からなることを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラス組成物の特定の局面では、254nmの紫外線を照射することにより白色に発光することを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラス組成物の他の特定の局面では、前記CeO+Ceの含有率が0.08〜0.3wt%、前記Fe+FeOの含有率が0.04〜0.1wt%であることを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラス組成物の他の特定の局面では、前記CeO+Ceの含有率が前記SnO+SnOの含有率より低いことを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラス組成物の他の特定の局面では、熱膨張係数(α300/380)が90×10−7〜104×10−7/Kの範囲であることを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラス部品は、上記ガラス組成物からなることを特徴とする。
本発明に係るランプは、上記ランプ用ガラス部品を有することを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラス組成物の製造方法は、実質的に、酸化物換算で、SiO:60〜75wt%、CeO+Ce:0.01〜5.2wt%、SnO+SnO:0.01〜5.2wt%、Al:0.5〜6wt%、B:0〜5wt%、LiO+NaO+KO:13〜20wt%、MgO:0.5〜5wt%、CaO:1〜10wt%、SrO:0〜10wt%、BaO:0〜10wt%、ZnO:0〜10wt%、Fe+FeO:0〜0.2wt%、TiO:0〜1wt%となるように調合されたガラス原料を溶融させる溶融工程を含み、前記溶融工程において、溶融状態のガラス組成物を還元性にすることを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラス組成物は、酸化物換算でCeO+Ceが0.01〜5.2wt%、SnO+SnOが0.01〜5.2wt%含有されているため、紫外線を十分に遮断することができ、かつ、ガラスの初期着色および紫外線による着色が起こり難い。つまり、CeO+Ceを0.01wt%以上含有させることにより紫外線透過を抑制し、SnO+SnOを0.01wt%以上含有させることによりガラスの初期着色および紫外線による着色を抑制している。したがって、本発明に係るランプ用ガラス組成物を用いれば、高光束で光束維持率の高いランプを作製することができる。
発明者等は、種々検討を重ねた結果、CeOの添加に伴うガラス成分中のCe4+量の増加が、ガラスの着色の原因であることを突き止め、SnOがガラス成分中に存在すれば前記Ce4+量を減少させることができ、ガラスの着色が起こり難いことを見出した。なお、CeOによる着色を抑制することができるのは、Sn成分としてSnOがガラス中に存在する場合に限られ、SnやSnOがガラス成分中に存在してもこの効果を得ることはできない。これは、SnOが存在するとCe3+の量が増加し、Ce4+の量が減少するからである。言い換えると、Ce3+からCe4+への価数変化が抑制され、Ce4+からCe3+への価数変化が促進されるからである。
近年、省エネ・省資源光源に対する要請が高まる中で、蛍光ランプの高効率化・小形化を目的とした発光管の細管化が進み、細管を屈曲させ或いは繋ぐ等してなる複雑な形状を有する発光管を備えた所謂コンパクト形蛍光ランプが開発されているが、このようなコンパクト形蛍光ランプは、発光管から紫外線が漏洩し易いため、特に、本発明に係るガラス組成物が有用である。また、ソーダライムガラスは、一般に、鉛ガラスよりも紫外線が漏洩し易いため、本発明に係るガラス組成物が有用である。
本発明に係るランプ用ガラス組成物は、254nmの紫外線照射により白色に発光するため、これを用いてランプを作製すると、より光束の高いランプを得ることができる。
本発明に係るランプ用ガラス組成物は、前記CeO+Ceの含有率を0.08〜0.3wt%、前記Fe+FeOの含有率を0.04〜0.1wt%とし、かつ、ガラス中における全鉄イオンに対する三価の鉄イオンの割合:(三価の鉄イオン)/(全鉄イオン)が0.5未満とした場合、よりガラスの初期着色および紫外線による着色が起こり難く、かつ、可視域の透過率が高いガラスを比較的安価に得ることができる。以下にその詳細な理由を説明する。
Feは、ソーダライムガラスの一般的な原料の一つであるけい砂に不純物として多く含まれている。また、けい砂以外にもFeを含有するガラス原料は存在する。したがって、Feを全く含有しないソーダライムガラスを作製することは難しい。すなわち、Feを含有しないソーダガラスを作製するためには、特別に精製したけい砂等を使用しなければならないが、これでは原料コストが高くなる。
Feは、ガラス中では、波長1100nmの赤外波長域に吸収を有する二価の鉄イオン(Fe2+)、若しくは波長380nmを中心とした紫外波長域に吸収を有する三価の鉄イオン(Fe3+)の状態で存在する。そのうち、二価の鉄イオンは、可視光の吸収が僅かであるため、ガラスが着色する原因となることは殆どないが、三価の鉄イオンは、短波長の可視光を吸収するため、ガラスが薄い緑色に着色する原因となる。
発明者は、CeO+Ceの含有率が0.08〜0.3wt%、Fe+FeOの含有率が0.04〜0.1wt%の条件下において、ガラス中の全鉄イオンに対する三価の鉄イオンの割合を0.5未満にすれば、Feに起因するガラスの初期着色を抑制可能であることを見出した。これにより、ガラスに初期着色を抑えながらFeの添加量を増加させることが可能になった。したがって、CeOだけでは紫外線遮断効果を十分に得ることが難しい場合であっても、Feによって紫外線遮断効果を補うことができる。
ここで、三価の鉄イオンとCeOとの紫外波長域の光吸収特性を比較してみると、波長313nmの水銀輝線を吸収させる目的では、短波長可視光の吸収を伴わないCeOの方が有利である。しかしながら、CeOは、紫外線によるガラスの着色を引き起こすため、十分に添加することができない場合がある。このような場合は特に、酸化鉄で紫外線遮断効果を補うことが有効である。
さらに、CeOに代えてFeを添加することで、紫外線遮蔽効果を確保しながら原料コストを低く抑えることが可能である。Feは、CeOよりも安価だからである。
本発明に係るランプ用ガラス組成物は、前記CeO+Ceの含有率が前記SnO+SnOの含有率より低い場合、よりCe3+の量が増加しCe4+の量が減少し易くなるため、より確実に紫外線によるガラスの着色を抑えることができる。
本発明に係るランプ用ガラス組成物は、熱膨張係数(α30/380)が90×10−7〜104×10−7/Kの場合、当該ランプ用ガラス組成物からなるステムを用いてランプを作製すると、ステムの熱膨張係数と電極リ−ド線の熱膨張係数とが近似するため、ランプの気密性が高くなり、当該ランプが不点となり難い。
本発明に係るランプ用ガラス部品は、上記ガラス組成物からなるため、紫外線遮断能力が高く、また、着色が少ない。
本発明に係るランプは、着色が少なく、かつ、ランプの放電によって発生する254nmの紫外線により白色に発光を示す上記ランプ用ガラス部品を有するため、ランプ光束が高い。
本発明に係るランプ用ガラス組成物の製造方法は、溶融工程において、融液状態のガラス組成物を還元性にするため、上記発光特性を有するガラス組成物の初期着色および紫外線による着色を、より効果的に抑制することができる。
さらに、本発明に係るランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品およびランプは、従来のソ−ダライムガラスの特性を改善するために使用されることがある、鉛、Sb等の環境負荷物質を含有していないため、地球環境保護の社会ニ−ズにも応えることができる。
本発明の一実施形態に係るガラス組成物の組成および特性を示す図 比較例に係るガラス組成物の組成および特性を示す図 本発明の一実施形態に係るガラス組成物および比較例に係るガラス組成物の組成および特性を示す図 本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの要部構成を示す概略図 本発明の第2の実施形態に係る蛍光ランプの要部構成を示す概略図 本発明の第3の実施形態に係る蛍光ランプの要部構成を示す概略図 本発明の一実施形態に係るガラス組成物の発光スペクトルを示す図 本発明の一実施形態に係るガラス組成物および比較例に係るガラス組成物の分光透過率を示す図 本発明の一実施形態に係るガラス組成物および比較例に係るガラス組成物の分光透過率を示す図
符号の説明
1,22,31 発光管(ガラス部品)
32 ステム(ガラス部品)
10,20,30 ランプ
本発明の実施の形態に係るランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品、ランプおよびランプ用ガラス組成物の製造方法を、図面に基づいて説明する。
(ランプ用ガラス組成物の説明)
実施の形態に係るガラス組成物の組成は、酸化物換算で、図1における実施例1〜17および図3における実施例31〜34に示すとおりである。なお、本発明に係るガラス組成物(以下、単に「ガラス」と称する)の組成は、実施例1〜17および実施例31〜34に示す組成に限定されないが、ランプ用のガラスとしての特性を保つためには、実質的に、酸化物換算で、SiO:60〜75wt%、CeO+Ce:0.01〜5.2wt%、SnO+SnO:0.01〜5.2wt%、Al:0.5〜6wt%、B:0〜5wt%、LiO+NaO+KO:13〜20wt%、MgO:0.5〜5wt%、CaO:1〜10wt%、SrO:0〜10wt%、BaO:0〜10wt%、ZnO:0〜10wt%、Fe+FeO:0〜0.2wt%、TiO:0〜1wt%であることが好ましい。
本発明に係るランプ用ガラス組成物の各成分を上記のように限定した理由は、以下のとおりである。
SiOは、ガラス骨格を形成する成分であって、60wt%より少ないと熱膨張係数が高くなり過ぎ、化学的耐久性も劣化する。一方、75wt%より多いと熱膨張係数が低くなり過ぎて加工成形が困難となる。
CeOは、紫外線透過率を低下させる目的で添加されるが、CeOとして投入された原料の一部は、ガラス製造時の溶融においてCeとなることが考えられるので、出来上がったガラスに含有される成分としてはCeO+Ceで表現することが適切である。即ち、本発明のガラスにおけるCeO+Ce成分が0.01wt%より少ないとその効果は得られず、5.2wt%より多いとガラスの着色が起こり、所望のランプ光束を有する蛍光ランプを作製することが出来なくなる。
SnOは、Ceの価数変化を促進する目的で添加されるが、前記CeOと同様にSnOとして投入された原料の一部は、ガラス製造時の溶融においてSnOとなることが考えられるので、出来上がったガラスに含有される成分としてはSnO+SnOで表現することが適切である。即ち、SnO+SnOが0.01wt%より少ないとその効果は得られず、5.2wt%よりも多いとガラスの機械的強度が低下し、ガラス管引き工程において歩留りが低下するなどの問題がある。
また、SnOは、CeOに対して、少なくとも等モル以上含有させることが望ましい。
本発明の蛍光ランプ用ガラス組成物においては、Sn成分としてSnOを原料として選択することが良いが、前述のようにSnOのみを原料として製造した場合においても、ガラス中にはSnOとSnOとが共存状態で存在するため、原料として部分的にSnOを使用することもできる。
ここで、SnOとSnOの共存の条件は、0.01≦Sn2+/(Sn2++Sn4+)≦1.0である。即ち、Sn2+/(Sn2++Sn4+)が1.0の時、全てのSn成分がSnOとして存在するので、最も効率よく紫外線による着色を抑制できる。また、Sn2+/(Sn2++Sn4+)が0.01未満であると、紫外線による着色を抑制するために必要なSnOがガラス中に存在していないため、紫外線による着色が起こり、ガラスが着色する。
Alは、ガラスの耐候性および耐失透性を向上させる成分であるが、0.5wt%より少ないと、これらの作用が得られにくくなる。一方、6wt%より多いとガラスの溶融性が悪化する。好ましい範囲は0.5〜5wt%である。
は、ガラスの強度および耐久性を向上させ、失透傾向を減少させることができるため、5wt%以下の割合で含まれていることが好ましい。ただし、5wt%より多くなると熱膨張係数が小さくなり過ぎる。
LiO、NaOおよびKOのアルカリ金属酸化物は、ガラスの粘性を低下させ、溶融加工性を向上させる機能を有している。これらの含有率が13wt%より少ないと、この作用が不十分となる。一方、20wt%より多くなると、ガラスの熱膨張係数が大きくなり過ぎる。また、ガラスからアルカリ成分が溶出し易くなり、当該アルカリ成分が蛍光体や水銀と反応して蛍光ランプの光束を低下させるため、蛍光ランプ用としては不適当となる。
MgOおよびCaOのアルカリ土類金属酸化物は、化学的耐久性を向上させる機能を有するが、MgOが0.5wt%より少ないかCaOが1wt%より少ないとその効果が期待できない。一方、MgOが5wt%より多いか、CaOが10wt%よりも多いと、ガラスを失透させる傾向が強くなる。
SrOおよびBaOは、ガラスの溶融性および蛍光ランプ製造時のバルブ加工性を向上させ、かつ、ガラスの電気抵抗率向上にも影響を与える物質であり、電気絶縁性も与える。ともに10wt%より多くなると失透し易くなる。好ましい範囲はSrOが0〜8wt%、BaOが0〜10wt%である。
ZnOは、ガラスの熱膨張率を低下させ、化学的耐久性を増大させる目的で添加される。また、粘性変化を穏やかにさせる効果も有する。ZnOが10wt%より多くなると熱膨張係数が小さくなり過ぎる。
Feは、紫外線吸収効果が得られる成分であるが、Feとして投入された原料の一部は、ガラス製造時の溶融においてFeOとなることが考えられるので、出来上がったガラスに含有される成分としてはFe+FeOで表現することが適切である。
Fe+FeOが0.2wt%より多くなると可視域の透過率を低下させるため、蛍光ランプの光束が低下するので好ましくない。0.04〜0.1wt%の範囲とすれば、よりガラスの初期着色および紫外線による着色が起こり難いガラスを比較的安価に得ることができる。より好ましい範囲は0.04〜0.07wt%である。
さらに、ガラス中における全鉄イオンに対する三価の鉄イオンの割合:(三価の鉄イオン)/(全鉄イオン)が0.5未満であることが好ましい。三価の鉄イオンの割合が0.5以上であると、波長380nmを中心とした波長域に吸収をもち、その吸収の裾は短波長可視光にまで達して、ガラスを緑色に着色させ、高いランプ光束を得られないため、0.5未満であることが望ましい。
TiOは、紫外線による着色を抑制する成分であるが、ガラスの可視域の透過率を低下させる成分でもあるため、その含有率は1wt%以下に制限される。
その他、原料に不純物として含まれる成分は0.01wt%以下に制限されることが好ましい。
さらに、本発明のガラス組成物において、SiO、CeO+Ce、SnO+SnOおよびLiO+NaO+KO以外の必須成分として含有されるAl、MgOおよびCaOの含有率を、それぞれ特許請求の範囲に記載したように限定することにより、蛍光ランプ用ガラスとしての要求性能を満足するものとなり、本発明のガラス組成物を蛍光ランプの発光管として使用した場合、ガラスの化学的耐久性が十分に保たれるため、ランプ寿命経過中におけるガラスの着色や劣化もなく、良好なランプ性能を維持することができるものである。
(ランプ用ガラス組成物の製造方法の説明)
本発明のガラス組成物の製造方法を説明する。まず、複数種類のガラス原料を本発明に係るガラスの範囲内で調合する。次に、調合したガラス原料をガラス溶融窯に投入し、1500〜1600℃で溶融させてガラス化し、ガラス融液を得る。その後、ガラス融液をダンナ−法等の管引き法によって管状に成形し、所定の寸法に切断加工して、ランプ用のガラス管を得る。さらに、当該ガラス管を熱加工してランプ用ガラス部品としての発光管或いはステムを作製し、それら発光管およびステムを用いて各種ランプを作製する。
ガラス原料の一つとして添加するSnOは、還元剤としての役割を果たすため、前記ガラス融液は還元性になる。なお、SnOは、本発明に係る組成の範囲内で添加しなければならないが、Sn原料の一部がSnOであっても良い。
還元性のガラス融液中ではCe4+がCe3+に価数変化するため、Ce4+の量が減少し、Ce3+の量が増加する。また、酸化鉄がイオン価数の低い状態に保たれる。
なお、ガラス融液を還元性にする方法は、還元剤であるSnOをガラス原料として添加する方法に限定されず、例えば、カーボンなどSnO以外の還元剤を使用しても良い。また、清澄剤であるぼう硝(NaSO・10HO)も、SnO程の効果はないものの還元剤として使用することができる。
(ランプの説明)
本発明に係るランプの第1の実施形態として、27Wのコンパクト形蛍光ランプ(FPL27EX−N)について、図面に基づき説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る27Wのコンパクト形蛍光ランプ(FPL27EX−N)の要部構成を示す一部破断平面図である。
コンパクト形蛍光ランプ10は、2本の直線状ガラス管1の一端部同士をブリッジ2で接続してなる略コ字形の放電路を有する発光管3を備えている。発光管3の両端部には、それぞれ電極4が配置されているとともに、それら両端部を覆うようにして口金5が取り付けられている。発光管3の内面には、3波長形蛍光体(例えば、Y:Eu3+、LaPO:Ce,Tb、BaMgAl1017:Eu,Mn)からなる蛍光体層6等が形成され、発光管3の内部には所定量の水銀(不図示)およびアルゴン等の希ガス(不図示)が封入されている。
次に、本発明に係るランプの第2の実施形態として、32Wのコンパクト形蛍光ランプ(FHT32EX−N)について、図面に基づき説明する。図5は、本発明の第2の実施形態に係る32Wのコンパクト形蛍光ランプ(FHT32EX−N)の要部構成を示す正面図である。
コンパクト形蛍光ランプ20は、多数管形(FHT)のコンパクト形蛍光ランプであって、ブリッジ接合により一体化された6本のガラス管21からなる発光管22と、当該発光管22に取り付けられた口金23とを備えている。発光管22の内面には、三波長域発光の蛍光体(色温度5000K)層が形成されており、また、当該発光管22の内部には、水銀および希ガスが封入されている。
さらに、本発明に係るランプの第3の実施形態として、直管形蛍光ランプについて、図面に基づき説明する。図6は、本発明の第3の実施形態に係る直管形蛍光ランプの要部構成を示す断面図である。
直管形蛍光ランプ30は、発光管31の両端にステム32が気密に封着されており、各ステム32にはそれぞれリ−ド線33が気密に封止されている。これら両端部のリ−ド線33の間には、それぞれ電子放射性物質が塗布されたフィラメント電極34が取り付けられている。また、発光管31の両端部には、口金35が固定されており、これらの口金35には、リ−ド線33と電気的に接触した口金ピン36が取り付けられている。発光管31には、その内面に蛍光体層37が形成され、さらに所定量の水銀とアルゴン等の希ガスとが封入されている。
(実験の説明)
まず、図1および図2に示す各組成のガラスを作製し、その特性を評価した。図1は、本発明の実施の形態に係るガラス組成物の組成および特性を示す。また、図2は、比較例のガラス組成物の組成および特性を示す。
図1に示す実施例1〜17は本発明に係るガラス、図2に示す比較例18〜21および23〜26は、本発明に係るガラスの組成範囲を満足していないガラスである。また、図2に示す比較例22は、250℃における電気体積抵抗率ρが1085Ω・cm以上である市販のガラス(日本電気硝子株式会社製PS94)、比較例27は、従来のランプ用ソ−ダライムガラスである。
評価用のガラスは、図1または図2に記載の組成となるようにガラス原料を調合し、これを白金坩堝に入れて電気炉中で加熱溶融させて作製し、その後ブロック状またはプレ−ト状に成型したものをアニールして得た。
熱膨張係数(α30/380)は、ブロック状のガラスを直径4mm、高さ12mmの円柱状に加工したものを試料とし、熱機械分析装置(株式会社リガク製Thermo plus TMA8310)を用いて、30〜380℃の温度範囲で測定した。図1に示すように、実施例1〜17の熱膨張係数は、90×10−7〜104×10−7/Kの範囲内であり、ランプ用として適した熱膨張係数を有する。
軟化点は、JIS R3103−1「ガラスの軟化点試験方法」に準拠して測定した。軟化点は、ガラスの加工性の目安となるもので、環形やU字形等の複雑な形状のランプを作製する際には、軟化点が低い、即ち、加工性の良いガラスが好適である。
250℃の電気体積抵抗率は、デジタル絶縁計(東亜電波工業株式会社製DMS−8103)を用いて測定した。
具体的には、ブロック状のガラスを直径25mm、高さ4mmの円柱状に加工後、銀ペ−ストで片面に直径10mmの電極面を、他面には直径10mm以上の電極面を形成したものを試料とし、当該試料全体を炉の中に入れ、250℃に保った状態でそれぞれの電極面にリ−ド線を導入して電気体積抵抗率ρを測定した。
313nmの紫外線透過率は、肉厚が2mmのプレ−ト状ガラスの両面を鏡面研磨したものを試料とし、分光光度計を用いて測定した。実施例1〜17は、CeO+CeおよびSnO+SnOの含有率が本発明に係るガラスの組成範囲を満足しているため、比較例22および27と比較して紫外線透過率が1/2以下であり、紫外線遮断能力が高い。
比較例18および23は、CeO+Ceの含有率が0.01wt%未満であるため紫外線遮断能力が不十分であった。それに対して、実施例1〜17は、CeO+Ceが0.01wt%以上含有されているため紫外線遮断能力が十分に高かった。
紫外線による着色および紫外線透過による樹脂製部材の褪色・劣化は、各ガラスを用いて32Wのコンパクト形蛍光ランプ(FHT32EX−N)および27Wのコンパクト形蛍光ランプ(FPL27EX−N)を作製し、評価した。具体的には、実施例1〜8および比較例18〜22は、本発明のガラス組成物において250℃における電気体積抵抗率ρが1085Ω・cm以上であるガラスを用い、32Wのコンパクト形蛍光ランプ(FHT32EX−N)を試作・評価した。また、実施例9〜17と比較例23〜27は、本発明のガラス組成物において250℃における電気体積抵抗率ρが1085Ω・cm未満であるガラスを用い、27Wのコンパクト形蛍光ランプ(FPL27EX−N)を試作・評価した。
なお、樹脂製部材の褪色・劣化の評価においては、褪色・劣化が認められなかった場合を「○」、問題にならない程度に僅かに認められた場合を「△」、問題になる程度に認められた場合を「×」とした。また、ガラスの初期着色および紫外線による着色の評価においては、着色が認められなかった場合を「○」、着色が認められた場合を「×」とした。
実施例1〜17は、ガラスの初期着色も無く、2000時間点灯後も紫外線によるガラスの着色および樹脂製部材の褪色・劣化が認められなかった。比較例21および26は、CeOとSnOとが共存しており紫外線遮断能力は十分に高かったが、その含有率が本発明の組成範囲を超えているため初期着色および紫外線によるガラスの着色が認められた。比較例19、20、24および25は、CeO+Ceが0.01wt%以上含有されているため紫外線遮断能力が十分に高かったが、SnOが含有されていないため、紫外線によるガラスの着色が認められた。
比較例22および27は、ガラスの着色は認められなかったものの、紫外線透過率が大きく、樹脂製部材の褪色・劣化が認められた。
ランプ光束および光束維持率は、各ランプの100時間点灯後および2000時間点灯後の光束を測定し、求めた。実施例1〜8では、100時間点灯後および2000時間点灯後のランプ光束が比較例22と同等以上であった。また、実施例9〜17の100時間点灯後および2000時間点灯後のランプ光束も、比較例27と同等以上であった。一方、比較例18〜20は、100時間点灯後および2000時間点灯後のランプ光束が比較例22よりも低く、ランプ性能が低下していた。比較例21は、SnO+SnOの含有による白色発光の寄与により100時間点灯後のランプ光束が比較例22よりも高かったが、紫外線による着色により2000時間点灯後の光束が大きく低下した。また、比較例23〜26は、100時間点灯後および2000時間点灯後のランプ光束が比較例27よりも低く、ランプ性能が低下していた。比較例26は、SnO+SnOの含有による白色発光の寄与により100時間点灯後のランプ光束が比較例27よりも高かったが、紫外線による着色により2000時間点灯後の光束が大きく低下した。なお、実施例1〜8および9〜17において、SnO+SnOの含有率の増加に伴って白色発光の寄与によるランプ光束の向上が確認された。
光束維持率について、実施例1〜8は、ガラスの着色が無いため、2000時間点灯後の光束維持率が比較例22と同等であった。また、実施例9〜17も、ガラスの着色が無いため、2000時間点灯後の光束維持率が比較例27と同等であった。一方、比較例19〜21は、ガラスが着色しているため、2000時間点灯後の光束維持率が比較例22よりも低く、ランプ性能が低下していた。また、比較例24〜26も、ガラスが着色しているため、2000時間点灯後の光束維持率が比較例27よりも低く、ランプ性能が低下していた。
なお、いずれのランプにも封着不良などの不具合は確認されなかった。
図7は、本発明のガラスの発光特性を示す。発光特性は、肉厚が2mmのプレ−ト状ガラスの両面を鏡面研磨したものを試料とし、分光光度計により254nmの紫外線を照射したときの発光スペクトルを測定して評価した。
次に、図3に示す各組成のガラスを作製し、ガラスの特性を評価した。
図3に示す実施例31〜34は、本発明に係るガラスの組成範囲を満足しているガラス、比較例35〜37は、本発明に係るガラスの組成範囲を満足していないガラス、比較例38は、従来のソ−ダライムガラスである。各ガラスは、図3に示すように、30〜380℃の熱膨張係数が94×10−7/K〜104×10−7/Kの範囲内であり、蛍光ランプ用発光管として利用できるガラスである。
各ガラスについて、肉厚が2mmのプレ−ト状ガラスの両面を鏡面研磨したものを試料とし、上記分光光度計を用いて波長200〜1200nmにおける透過率を測定した。その結果を図8および図9に示す。
実施例31〜34は、CeO+CeおよびFe+FeOの含有率が本発明に係るガラスの組成範囲を満足しているため、図8に示すように、従来のソ−ダライムガラス(比較例38)よりも紫外線透過率が低かった。また、全鉄イオンに対する三価の鉄イオン(Fe3+)の割合が0.5未満に保たれているため、図9に示すように、従来のソ−ダライムガラスよりも380〜550nmの可視光透過率が高かった。
一方、比較例35は、CeO+CeおよびFe+FeOの含有率が本発明に係るガラスの組成範囲を満足しているため、従来のソ−ダライムガラスよりも紫外線透過率が低かった。しかし、全鉄イオンに対する三価の鉄イオンの割合が0.5以上であるため、380〜550nmの可視光透過率が従来のソーダライムガラスとほぼ同程度であった。
比較例36は、CeO+CeおよびFe+FeOの含有率が少ないため、従来のソ−ダライムガラスよりも紫外線透過率が高かった。しかも、全鉄イオンに対する三価の鉄イオンの割合が0.5以上であるため、380〜550nmの可視光透過率が従来のソーダライムガラスとほぼ同程度であった。
比較例37は、CeO+CeおよびFe+FeOの含有率が本発明に係るガラスの組成範囲を満足しているため、従来のソ−ダライムガラスよりも紫外線透過率が低かった。また、全鉄イオンに対する三価の鉄イオン(Fe3+)の割合が0.5未満に保たれているため、従来のソ−ダライムガラスよりも380〜550nmの可視光透過率が高かった。
さらに、各ガラスの紫外線による着色の程度を上述した方法により評価した。また、各ガラスを用いて32Wのコンパクト形蛍光ランプ(FHT32EX−N)を作製し、樹脂製部材の褪色・劣化、ランプ光束および光束維持率を上述した方法により評価した。
実施例31〜33は、ガラスの紫外線による着色、および、樹脂製部材の褪色・劣化が認められず、また、100時間点灯後のランプ光束(以下、「初期光束」と称する)も光束維持率も高かった。
実施例34は、紫外線による着色が認められなかった。しかし、CeO+Ceの含有率が0.05wt%、Fe+FeOの含有率が0.04wt%であり、本発明に係るガラスの組成範囲を満足しているもののやや少なめであるため、樹脂製部材の褪色・劣化が問題にならない程度で僅かに認められた。
比較例35は、紫外線による着色、および、樹脂製部材の褪色・劣化が認められなかった。しかし、ガラスの可視光透過率が低いため、初期光束が従来のソーダライムガラス(比較例38)よりも低かった。
比較例36は、紫外線による着色が認められなかった。しかし、紫外線透過率が高いため樹脂製部材の褪色・劣化が僅かに認められた。また、ガラスの可視光透過率が低いため、初期光束が従来のソーダライムガラスよりも低かった。
比較例37は、樹脂製部材の褪色・劣化が認められず、また、初期光束が従来のソーダライムガラスと同等であった。しかし、CeO+Ceの含有率に対してSnO+SnOの含有率が極端に低いため、紫外線による着色が認められた。但し、比較例37は、本発明に係るガラスの組成範囲を満足しており、他の還元剤との併用により紫外線による着色を抑えることが可能である。本実験ではそのような還元剤を使用しておらず、紫外線による着色が起こったため、比較例として取り扱った。
本発明のランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品およびランプはコンパクト形蛍光ランプ、環形蛍光ランプおよび直管形蛍光ランプ等の蛍光ランプや、蛍光ランプ以外の水銀蒸気放電ランプ等、ランプ全般に広く利用できる。
また、本発明のランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品およびランプは実質的に、鉛、Sb等の環境負荷物質を含有していないため、地球環境保護の社会ニ−ズにも応えるものとして有用である。
本発明は、ランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品、ランプおよびランプ用ガラス組成物の製造方法に関する。
ランプの中でも一般に普及している蛍光ランプは、水銀および希ガスが封入された発光管の内面に蛍光体層を備え、放電による水銀の励起放射によって発光管の内部で紫外線を発生させ、この紫外線で蛍光体を励起し、可視光を放射させてランプ光束を得るメカニズムを有する。従来、このような蛍光ランプ用のガラスとしては、酸化鉛を4〜28重量wt%含有する鉛ガラスガラスが用いられてきたが、現在では地球環境保護の観点から、酸化鉛を含有しないソ−ダライムガラスに切り替えられている。
ところで、紫外線が蛍光体層および発光管を透過しランプ外に漏洩すると、灯具等の樹脂製部材や被照明物が当該紫外線を受けて褪色したり、それらの機械的強度が劣化したりする。このような褪色や機械的強度の劣化は、被照明物が衣料品や美術品である展示照明用の蛍光ランプで特に問題となる。ところが、従来の蛍光ランプ用のガラスでは、水銀の励起放射によって発生する紫外線(特に313nmの紫外線)を十分に遮断することができなかった。そのため、紫外線に弱い樹脂製部材が褪色・劣化する不具合が生じ易かった。
これに対し、特許文献1および2には、ランプ用ガラスにCeO2を含有させることによって、当該ガラスの紫外線遮断能力を向上させることが開示されている。また、特許文献1には、高い輝度性能を維持できる蛍光ランプを得るために、当該蛍光ランプの発光管にSb2O3を含有させたガラスを用いることが開示されている。
特開2002-137935号公報 特許第2532045号公報
しかし、CeO2を含有したガラスは、ガラス作製時に着色(以下、「初期着色」と称する)したり、ソラリゼ−ション(以下、「紫外線による着色」と称する)を起したりする。その結果、発光管の可視域透過率が低下し、ランプ光束が低下する。
一方、Sb2O3の使用は、地球環境保護の観点から望ましくなく、またSb2O3を含有するガラスは、313nmの紫外線透過率が高い。さらに、ガラス中にCeO2とSb2O3とが共存すると、当該ガラスがより紫外線による着色を起こし易くなる。
本発明の目的は、鉛およびアンチモンを含有せず、紫外線遮断能力が高く、かつ、ガラスの初期着色および紫外線による着色が起こり難いランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品およびランプを提供することにある。また、本発明の他の目的は、当該ランプ用ガラス組成物の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、CeO2含有ガラスが紫外線による着色を起す確率は、ガラス中のCeO2濃度の増加とともに増大すると考え、種々検討を重ねた結果、ガラス中のCeO2をCe2O3に還元する成分としてSnOの共存が有効であることを見出した。また、本発明のガラス組成物は、波長254nmの紫外線照射により白色発光を示すという、蛍光ランプ用ガラスとして好ましい特性を備えることをも見出したものである。
即ち、本発明の蛍光ランプ用ガラス組成物は実質的に、酸化物換算で、SiO:60〜75wt%、CeO+Ce2O3:0.01〜5.2wt%、SnO+SnO:0.01〜5.2wt%、AlO:0.5〜6wt%、BO:0〜5wt%、LiO+NaO+KO:13〜20wt%、MgO:0.5〜5wt%、CaO:1〜10wt%、SrO:0〜10wt%、BaO:0〜10wt%、ZnO:0〜10wt%、FeO+FeO:0〜0.2wt%、TiO:0〜1wt%からなることを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラス組成物の特定の局面では、254nmの紫外線を照射することにより白色に発光することを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラス組成物の他の特定の局面では、前記CeO+Ce2O3の含有率が0.08〜0.3wt%、前記FeO+FeOの含有率が0.04〜0.1wt%であることを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラス組成物の他の特定の局面では、前記CeO+Ce2O3の含有率が前記SnO+SnOの含有率より低いことを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラス組成物の他の特定の局面では、熱膨張係数(α300/380)が90×10-7〜104×10-7/Kの範囲であることを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラス部品は、上記ガラス組成物からなることを特徴とする。
本発明に係るランプは、上記ランプ用ガラス部品を有することを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラス組成物の製造方法は、実質的に、酸化物換算で、SiO:60〜75wt%、CeO+Ce2O3:0.01〜5.2wt%、SnO+SnO:0.01〜5.2wt%、AlO:0.5〜6wt%、BO:0〜5wt%、LiO+NaO+KO:13〜20wt%、MgO:0.5〜5wt%、CaO:1〜10wt%、SrO:0〜10wt%、BaO:0〜10wt%、ZnO:0〜10wt%、FeO+FeO:0〜0.2wt%、TiO:0〜1wt%となるように調合されたガラス原料を溶融させる溶融工程を含み、前記溶融工程において、溶融状態のガラス組成物を還元性にすることを特徴とする。
本発明に係るランプ用ガラス組成物は、酸化物換算でCeO2+Ce2O3が0.01〜5.2wt%、SnO+SnO2が0.01〜5.2wt%含有されているため、紫外線を十分に遮断することができ、かつ、ガラスの初期着色および紫外線による着色が起こり難い。つまり、CeO2+Ce2O3を0.01wt%以上含有させることにより紫外線透過を抑制し、SnO+SnO2を0.01wt%以上含有させることによりガラスの初期着色および紫外線による着色を抑制している。したがって、本発明に係るランプ用ガラス組成物を用いれば、高光束で光束維持率の高いランプを作製することができる。
発明者等は、種々検討を重ねた結果、CeO2の添加に伴うガラス成分中のCe4+量の増加が、ガラスの着色の原因であることを突き止め、SnOがガラス成分中に存在すれば前記Ce4+量を減少させることができ、ガラスの着色が起こり難いことを見出した。なお、CeO2による着色を抑制することができるのは、Sn成分としてSnOがガラス中に存在する場合に限られ、SnやSnO2がガラス成分中に存在してもこの効果を得ることはできない。これは、SnOが存在するとCe3+の量が増加し、Ce4+の量が減少するからである。言い換えると、Ce3+からCe4+への価数変化が抑制され、Ce4+からCe3+への価数変化が促進されるからである。
近年、省エネ・省資源光源に対する要請が高まる中で、蛍光ランプの高効率化・小形化を目的とした発光管の細管化が進み、細管を屈曲させ或いは繋ぐ等してなる複雑な形状を有する発光管を備えた所謂コンパクト形蛍光ランプが開発されているが、このようなコンパクト形蛍光ランプは、発光管から紫外線が漏洩し易いため、特に、本発明に係るガラス組成物が有用である。また、ソーダライムガラスは、一般に、鉛ガラスよりも紫外線が漏洩し易いため、本発明に係るガラス組成物が有用である。
本発明に係るランプ用ガラス組成物は、254nmの紫外線照射により白色に発光するため、これを用いてランプを作製すると、より光束の高いランプを得ることができる。
本発明に係るランプ用ガラス組成物は、前記CeO+Ce2O3の含有率を0.08〜0.3wt%、前記FeO+FeOの含有率を0.04〜0.1wt%とし、かつ、ガラス中における全鉄イオンに対する三価の鉄イオンの割合:(三価の鉄イオン)/(全鉄イオン)が0.5未満とした場合、よりガラスの初期着色および紫外線による着色が起こり難く、かつ、可視域の透過率が高いガラスを比較的安価に得ることができる。以下にその詳細な理由を説明する。
Fe2O3は、ソーダライムガラスの一般的な原料の一つであるけい砂に不純物として多く含まれている。また、けい砂以外にもFe2O3を含有するガラス原料は存在する。したがって、Fe2O3を全く含有しないソーダライムガラスを作製することは難しい。すなわち、Fe2O3を含有しないソーダガラスを作製するためには、特別に精製したけい砂等を使用しなければならないが、これでは原料コストが高くなる。
Fe2O3は、ガラス中では、波長1100 nmの赤外波長域に吸収を有する二価の鉄イオン(Fe2+)、若しくは波長380nmを中心とした紫外波長域に吸収を有する三価の鉄イオン(Fe3+)の状態で存在する。そのうち、二価の鉄イオンは、可視光の吸収が僅かであるため、ガラスが着色する原因となることは殆どないが、三価の鉄イオンは、短波長の可視光を吸収するため、ガラスが薄い緑色に着色する原因となる。
発明者は、CeO+Ce2O3の含有率が0.08〜0.3wt%、FeO+FeOの含有率が0.04〜0.1wt%の条件下において、ガラス中の全鉄イオンに対する三価の鉄イオンの割合を0.5未満にすれば、Fe2O3に起因するガラスの初期着色を抑制可能であることを見出した。これにより、ガラスに初期着色を抑えながらFe2O3の添加量を増加させることが可能になった。したがって、CeO2だけでは紫外線遮断効果を十分に得ることが難しい場合であっても、Fe2O3によって紫外線遮断効果を補うことができる。
ここで、三価の鉄イオンとCeO2との紫外波長域の光吸収特性を比較してみると、波長313 nmの水銀輝線を吸収させる目的では、短波長可視光の吸収を伴わないCeO2の方が有利である。しかしながら、CeO2は、紫外線によるガラスの着色を引き起こすため、十分に添加することができない場合がある。このような場合は特に、酸化鉄で紫外線遮断効果を補うことが有効である。
さらに、CeOに代えてFe2O3を添加することで、紫外線遮蔽効果を確保しながら原料コストを低く抑えることが可能である。Fe2O3は、CeOよりも安価だからである。
本発明に係るランプ用ガラス組成物は、前記CeO+Ce2O3の含有率が前記SnO+SnOの含有率より低い場合、よりCe3+の量が増加しCe4+の量が減少し易くなるため、より確実に紫外線によるガラスの着色を抑えることができる。
本発明に係るランプ用ガラス組成物は、熱膨張係数(α30/380)が90×10-7〜104×10-7/Kの場合、当該ランプ用ガラス組成物からなるステムを用いてランプを作製すると、ステムの熱膨張係数と電極リ−ド線の熱膨張係数とが近似するため、ランプの気密性が高くなり、当該ランプが不点となり難い。
本発明に係るランプ用ガラス部品は、上記ガラス組成物からなるため、紫外線遮断能力が高く、また、着色が少ない。
本発明に係るランプは、着色が少なく、かつ、ランプの放電によって発生する254nmの紫外線により白色に発光を示す上記ランプ用ガラス部品を有するため、ランプ光束が高い。
本発明に係るランプ用ガラス組成物の製造方法は、溶融工程において、融液状態のガラス組成物を還元性にするため、上記発光特性を有するガラス組成物の初期着色および紫外線による着色を、より効果的に抑制することができる。
さらに、本発明に係るランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品およびランプは、従来のソ−ダライムガラスの特性を改善するために使用されることがある、鉛、Sb2O3等の環境負荷物質を含有していないため、地球環境保護の社会ニ−ズにも応えることができる。
本発明の実施の形態に係るランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品、ランプおよびランプ用ガラス組成物の製造方法を、図面に基づいて説明する。
(ランプ用ガラス組成物の説明)
実施の形態に係るガラス組成物の組成は、酸化物換算で、図1における実施例1〜17および図3における実施例31〜34に示すとおりである。なお、本発明に係るガラス組成物(以下、単に「ガラス」と称する)の組成は、実施例1〜17および実施例31〜34に示す組成に限定されないが、ランプ用のガラスとしての特性を保つためには、実質的に、酸化物換算で、SiO:60〜75wt%、CeO+Ce2O3:0.01〜5.2wt%、SnO+SnO:0.01〜5.2wt%、AlO:0.5〜6wt%、BO:0〜5wt%、LiO+NaO+KO:13〜20wt%、MgO:0.5〜5wt%、CaO:1〜10wt%、SrO:0〜10wt%、BaO:0〜10wt%、ZnO:0〜10wt%、FeO+FeO:0〜0.2wt%、TiO:0〜1wt%であることが好ましい。
本発明に係るランプ用ガラス組成物の各成分を上記のように限定した理由は、以下のとおりである。
SiO2は、ガラス骨格を形成する成分であって、60wt%より少ないと熱膨張係数が高くなり過ぎ、化学的耐久性も劣化する。一方、75wt%より多いと熱膨張係数が低くなり過ぎて加工成形が困難となる。
CeOは、紫外線透過率を低下させる目的で添加されるが、CeO2として投入された原料の一部は、ガラス製造時の溶融においてCe2O3となることが考えられるので、出来上がったガラスに含有される成分としてはCeO2+Ce2O3で表現することが適切である。即ち、本発明のガラスにおけるCeO+Ce2O3成分が0.01wt%より少ないとその効果は得られず、5.2wt%より多いとガラスの着色が起こり、所望のランプ光束を有する蛍光ランプを作製することが出来なくなる。
SnOは、Ceの価数変化を促進する目的で添加されるが、前記CeO2と同様にSnOとして投入された原料の一部は、ガラス製造時の溶融においてSnOとなることが考えられるので、出来上がったガラスに含有される成分としてはSnO+SnOで表現することが適切である。即ち、SnO+SnOが0.01wt%より少ないとその効果は得られず、5.2wt%よりも多いとガラスの機械的強度が低下し、ガラス管引き工程において歩留りが低下するなどの問題がある。
また、SnOは、CeO2に対して、少なくとも等モル以上含有させることが望ましい。
本発明の蛍光ランプ用ガラス組成物においては、Sn成分としてSnOを原料として選択することが良いが、前述のようにSnOのみを原料として製造した場合においても、ガラス中にはSnOとSnO2とが共存状態で存在するため、原料として部分的にSnO2を使用することもできる。
ここで、SnOとSnO2の共存の条件は、0.01≦Sn2+/(Sn2++Sn4+)≦1.0である。即ち、Sn2+/(Sn2++Sn4+)が1.0の時、全てのSn成分がSnOとして存在するので、最も効率よく紫外線による着色を抑制できる。また、Sn2+/(Sn2++Sn4+)が0.01未満であると、紫外線による着色を抑制するために必要なSnOがガラス中に存在していないため、紫外線による着色が起こり、ガラスが着色する。
AlOは、ガラスの耐候性および耐失透性を向上させる成分であるが、0.5wt%より少ないと、これらの作用が得られにくくなる。一方、6wt%より多いとガラスの溶融性が悪化する。好ましい範囲は0.5〜5wt%である。
BOは、ガラスの強度および耐久性を向上させ、失透傾向を減少させることができるため、5wt%以下の割合で含まれていることが好ましい。ただし、5wt%より多くなると熱膨張係数が小さくなり過ぎる。
LiO、NaOおよびKOのアルカリ金属酸化物は、ガラスの粘性を低下させ、溶融加工性を向上させる機能を有している。これらの含有率が13wt%より少ないと、この作用が不十分となる。一方、20wt%より多くなると、ガラスの熱膨張係数が大きくなり過ぎる。また、ガラスからアルカリ成分が溶出し易くなり、当該アルカリ成分が蛍光体や水銀と反応して蛍光ランプの光束を低下させるため、蛍光ランプ用としては不適当となる。
MgOおよびCaOのアルカリ土類金属酸化物は、化学的耐久性を向上させる機能を有するが、MgOが0.5wt%より少ないかCaOが1wt%より少ないとその効果が期待できない。一方、MgOが5wt%より多いか、CaOが10wt%よりも多いと、ガラスを失透させる傾向が強くなる。
SrOおよびBaOは、ガラスの溶融性および蛍光ランプ製造時のバルブ加工性を向上させ、かつ、ガラスの電気抵抗率向上にも影響を与える物質であり、電気絶縁性も与える。ともに10wt%より多くなると失透し易くなる。好ましい範囲はSrOが0〜8wt%、BaOが0〜10 wt%である。
ZnOは、ガラスの熱膨張率を低下させ、化学的耐久性を増大させる目的で添加される。また、粘性変化を穏やかにさせる効果も有する。ZnOが10wt%より多くなると熱膨張係数が小さくなり過ぎる。
FeOは、紫外線吸収効果が得られる成分であるが、FeOとして投入された原料の一部は、ガラス製造時の溶融においてFeOとなることが考えられるので、出来上がったガラスに含有される成分としてはFeO+FeOで表現することが適切である。
FeO+FeOが0.2wt%より多くなると可視域の透過率を低下させるため、蛍光ランプの光束が低下するので好ましくない。0.04〜0.1wt%の範囲とすれば、よりガラスの初期着色および紫外線による着色が起こり難いガラスを比較的安価に得ることができる。より好ましい範囲は0.04〜0.07wt%である。
さらに、ガラス中における全鉄イオンに対する三価の鉄イオンの割合:(三価の鉄イオン)/(全鉄イオン)が0.5未満であることが好ましい。三価の鉄イオンの割合が0.5以上であると、波長380nmを中心とした波長域に吸収をもち、その吸収の裾は短波長可視光にまで達して、ガラスを緑色に着色させ、高いランプ光束を得られないため、0.5未満であることが望ましい。
TiOは、紫外線による着色を抑制する成分であるが、ガラスの可視域の透過率を低下させる成分でもあるため、その含有率は1wt%以下に制限される。
その他、原料に不純物として含まれる成分は0.01 wt%以下に制限されることが好ましい。
さらに、本発明のガラス組成物において、SiO2、CeO2+Ce2O3、SnO+SnO2およびLi2O+Na2O+K2O以外の必須成分として含有されるAl2O3、MgOおよびCaOの含有率を、それぞれ特許請求の範囲に記載したように限定することにより、蛍光ランプ用ガラスとしての要求性能を満足するものとなり、本発明のガラス組成物を蛍光ランプの発光管として使用した場合、ガラスの化学的耐久性が十分に保たれるため、ランプ寿命経過中におけるガラスの着色や劣化もなく、良好なランプ性能を維持することができるものである。
(ランプ用ガラス組成物の製造方法の説明)
本発明のガラス組成物の製造方法を説明する。まず、複数種類のガラス原料を本発明に係るガラスの範囲内で調合する。次に、調合したガラス原料をガラス溶融窯に投入し、1500〜1600℃で溶融させてガラス化し、ガラス融液を得る。その後、ガラス融液をダンナ−法等の管引き法によって管状に成形し、所定の寸法に切断加工して、ランプ用のガラス管を得る。さらに、当該ガラス管を熱加工してランプ用ガラス部品としての発光管或いはステムを作製し、それら発光管およびステムを用いて各種ランプを作製する。
ガラス原料の一つとして添加するSnOは、還元剤としての役割を果たすため、前記ガラス融液は還元性になる。なお、SnOは、本発明に係る組成の範囲内で添加しなければならないが、Sn原料の一部がSnO2であっても良い。
還元性のガラス融液中ではCe4+がCe3+に価数変化するため、Ce4+の量が減少し、Ce3+の量が増加する。また、酸化鉄がイオン価数の低い状態に保たれる。
なお、ガラス融液を還元性にする方法は、還元剤であるSnOをガラス原料として添加する方法に限定されず、例えば、カーボンなどSnO以外の還元剤を使用しても良い。また、清澄剤であるぼう硝(Na2SO4・10H2O)も、SnO程の効果はないものの還元剤として使用することができる。
(ランプの説明)
本発明に係るランプの第1の実施形態として、27Wのコンパクト形蛍光ランプ(FPL27EX-N)について、図面に基づき説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る27Wのコンパクト形蛍光ランプ(FPL27EX-N)の要部構成を示す一部破断平面図である。
コンパクト形蛍光ランプ10は、2本の直線状ガラス管1の一端部同士をブリッジ2で接続してなる略コ字形の放電路を有する発光管3を備えている。発光管3の両端部には、それぞれ電極4が配置されているとともに、それら両端部を覆うようにして口金5が取り付けられている。発光管3の内面には、3波長形蛍光体(例えば、Y2O3:Eu3+、LaPO4:Ce,Tb、BaMgAl10O17:Eu,Mn)からなる蛍光体層6等が形成され、発光管3の内部には所定量の水銀(不図示)およびアルゴン等の希ガス(不図示)が封入されている。
次に、本発明に係るランプの第2の実施形態として、32Wのコンパクト形蛍光ランプ(FHT32EX-N)について、図面に基づき説明する。図5は、本発明の第2の実施形態に係る32Wのコンパクト形蛍光ランプ(FHT32EX-N)の要部構成を示す正面図である。
コンパクト形蛍光ランプ20は、多数管形(FHT)のコンパクト形蛍光ランプであって、ブリッジ接合により一体化された6本のガラス管21からなる発光管22と、当該発光管22に取り付けられた口金23とを備えている。発光管22の内面には、三波長域発光の蛍光体(色温度5000K)層が形成されており、また、当該発光管22の内部には、水銀および希ガスが封入されている。
さらに、本発明に係るランプの第3の実施形態として、直管形蛍光ランプについて、図面に基づき説明する。図6は、本発明の第3の実施形態に係る直管形蛍光ランプの要部構成を示す断面図である。
直管形蛍光ランプ30は、発光管31の両端にステム32が気密に封着されており、各ステム32にはそれぞれリ−ド線33が気密に封止されている。これら両端部のリ−ド線33の間には、それぞれ電子放射性物質が塗布されたフィラメント電極34が取り付けられている。また、発光管31の両端部には、口金35が固定されており、これらの口金35には、リ−ド線33と電気的に接触した口金ピン36が取り付けられている。発光管31には、その内面に蛍光体層37が形成され、さらに所定量の水銀とアルゴン等の希ガスとが封入されている。
(実験の説明)
まず、図1および図2に示す各組成のガラスを作製し、その特性を評価した。図1は、本発明の実施の形態に係るガラス組成物の組成および特性を示す。また、図2は、比較例のガラス組成物の組成および特性を示す。
図1に示す実施例1〜17は本発明に係るガラス、図2に示す比較例18〜21および23〜26は、本発明に係るガラスの組成範囲を満足していないガラスである。また、図2に示す比較例22は、250℃における電気体積抵抗率ρが1085Ω・cm以上である市販のガラス(日本電気硝子株式会社製PS94)、比較例27は、従来のランプ用ソ−ダライムガラスである。
評価用のガラスは、図1または図2に記載の組成となるようにガラス原料を調合し、これを白金坩堝に入れて電気炉中で加熱溶融させて作製し、その後ブロック状またはプレ−ト状に成型したものをアニールして得た。
熱膨張係数(α30/380)は、ブロック状のガラスを直径4mm、高さ12mmの円柱状に加工したものを試料とし、熱機械分析装置(株式会社リガク製Thermo plus TMA8310)を用いて、30〜380℃の温度範囲で測定した。図1に示すように、実施例1〜17の熱膨張係数は、90×10−7〜104×10−7/Kの範囲内であり、ランプ用として適した熱膨張係数を有する。
軟化点は、JIS R3103-1「ガラスの軟化点試験方法」に準拠して測定した。軟化点は、ガラスの加工性の目安となるもので、環形やU字形等の複雑な形状のランプを作製する際には、軟化点が低い、即ち、加工性の良いガラスが好適である。
250℃の電気体積抵抗率は、デジタル絶縁計(東亜電波工業株式会社製 DMS-8103)を用いて測定した。
具体的には、ブロック状のガラスを直径25mm、高さ4mmの円柱状に加工後、銀ペ−ストで片面に直径10mmの電極面を、他面には直径10mm以上の電極面を形成したものを試料とし、当該試料全体を炉の中に入れ、250℃に保った状態でそれぞれの電極面にリ−ド線を導入して電気体積抵抗率ρを測定した。
313nmの紫外線透過率は、肉厚が2mmのプレ−ト状ガラスの両面を鏡面研磨したものを試料とし、分光光度計を用いて測定した。実施例1〜17は、CeO2+Ce2O3およびSnO+SnO2の含有率が本発明に係るガラスの組成範囲を満足しているため、比較例22および27と比較して紫外線透過率が1/2以下であり、紫外線遮断能力が高い。
比較例18および23は、CeO2+Ce2O3の含有率が0.01wt%未満であるため紫外線遮断能力が不十分であった。それに対して、実施例1〜17は、CeO2+Ce2O3が0.01wt%以上含有されているため紫外線遮断能力が十分に高かった。
紫外線による着色および紫外線透過による樹脂製部材の褪色・劣化は、各ガラスを用いて32Wのコンパクト形蛍光ランプ(FHT32EX-N)および27Wのコンパクト形蛍光ランプ(FPL27EX-N)を作製し、評価した。具体的には、実施例1〜8および比較例18〜22は、本発明のガラス組成物において250℃における電気体積抵抗率ρが1085Ω・cm以上であるガラスを用い、32Wのコンパクト形蛍光ランプ(FHT32EX-N)を試作・評価した。また、実施例9〜17と比較例23〜27は、本発明のガラス組成物において250℃における電気体積抵抗率ρが1085Ω・cm未満であるガラスを用い、27Wのコンパクト形蛍光ランプ(FPL27EX-N)を試作・評価した。
なお、樹脂製部材の褪色・劣化の評価においては、褪色・劣化が認められなかった場合を「○」、問題にならない程度に僅かに認められた場合を「△」、問題になる程度に認められた場合を「×」とした。また、ガラスの初期着色および紫外線による着色の評価においては、着色が認められなかった場合を「○」、着色が認められた場合を「×」とした。
実施例1〜17は、ガラスの初期着色も無く、2000時間点灯後も紫外線によるガラスの着色および樹脂製部材の褪色・劣化が認められなかった。比較例21および26は、CeO2とSnO2とが共存しており紫外線遮断能力は十分に高かったが、その含有率が本発明の組成範囲を超えているため初期着色および紫外線によるガラスの着色が認められた。比較例19、20、24および25は、CeO2+Ce2O3が0.01wt%以上含有されているため紫外線遮断能力が十分に高かったが、SnOが含有されていないため、紫外線によるガラスの着色が認められた。
比較例22および27は、ガラスの着色は認められなかったものの、紫外線透過率が大きく、樹脂製部材の褪色・劣化が認められた。
ランプ光束および光束維持率は、各ランプの100時間点灯後および2000時間点灯後の光束を測定し、求めた。実施例1〜8では、100時間点灯後および2000時間点灯後のランプ光束が比較例22と同等以上であった。また、実施例9〜17の100時間点灯後および2000時間点灯後のランプ光束も、比較例27と同等以上であった。一方、比較例18〜20は、100時間点灯後および2000時間点灯後のランプ光束が比較例22よりも低く、ランプ性能が低下していた。比較例21は、SnO+SnO2の含有による白色発光の寄与により100時間点灯後のランプ光束が比較例22よりも高かったが、紫外線による着色により2000時間点灯後の光束が大きく低下した。また、比較例23〜26は、100時間点灯後および2000時間点灯後のランプ光束が比較例27よりも低く、ランプ性能が低下していた。比較例26は、SnO+SnO2の含有による白色発光の寄与により100時間点灯後のランプ光束が比較例27よりも高かったが、紫外線による着色により2000時間点灯後の光束が大きく低下した。なお、実施例1〜8および9〜17において、SnO+SnO2の含有率の増加に伴って白色発光の寄与によるランプ光束の向上が確認された。
光束維持率について、実施例1〜8は、ガラスの着色が無いため、2000時間点灯後の光束維持率が比較例22と同等であった。また、実施例9〜17も、ガラスの着色が無いため、2000時間点灯後の光束維持率が比較例27と同等であった。一方、比較例19〜21は、ガラスが着色しているため、2000時間点灯後の光束維持率が比較例22よりも低く、ランプ性能が低下していた。また、比較例24〜26も、ガラスが着色しているため、2000時間点灯後の光束維持率が比較例27よりも低く、ランプ性能が低下していた。
なお、いずれのランプにも封着不良などの不具合は確認されなかった。
図7は、本発明のガラスの発光特性を示す。発光特性は、肉厚が2mmのプレ−ト状ガラスの両面を鏡面研磨したものを試料とし、分光光度計により254nmの紫外線を照射したときの発光スペクトルを測定して評価した。
次に、図3に示す各組成のガラスを作製し、ガラスの特性を評価した。
図3に示す実施例31〜34は、本発明に係るガラスの組成範囲を満足しているガラス、比較例35〜37は、本発明に係るガラスの組成範囲を満足していないガラス、比較例38は、従来のソ−ダライムガラスである。各ガラスは、図3に示すように、30〜380℃の熱膨張係数が94×10−7/K〜104×10−7/Kの範囲内であり、蛍光ランプ用発光管として利用できるガラスである。
各ガラスについて、肉厚が2mmのプレ−ト状ガラスの両面を鏡面研磨したものを試料とし、上記分光光度計を用いて波長200〜1200nmにおける透過率を測定した。その結果を図8および図9に示す。
実施例31〜34は、CeO2+Ce2O3およびFe2O3+FeOの含有率が本発明に係るガラスの組成範囲を満足しているため、図8に示すように、従来のソ−ダライムガラス(比較例38)よりも紫外線透過率が低かった。また、全鉄イオンに対する三価の鉄イオン(Fe3+)の割合が0.5未満に保たれているため、図9に示すように、従来のソ−ダライムガラスよりも380〜550nmの可視光透過率が高かった。
一方、比較例35は、CeO2+Ce2O3およびFe2O3+FeOの含有率が本発明に係るガラスの組成範囲を満足しているため、従来のソ−ダライムガラスよりも紫外線透過率が低かった。しかし、全鉄イオンに対する三価の鉄イオンの割合が0.5以上であるため、380〜550nmの可視光透過率が従来のソーダライムガラスとほぼ同程度であった。
比較例36は、CeO2+Ce2O3およびFe2O3+FeOの含有率が少ないため、従来のソ−ダライムガラスよりも紫外線透過率が高かった。しかも、全鉄イオンに対する三価の鉄イオンの割合が0.5以上であるため、380〜550nmの可視光透過率が従来のソーダライムガラスとほぼ同程度であった。
比較例37は、CeO2+Ce2O3およびFe2O3+FeOの含有率が本発明に係るガラスの組成範囲を満足しているため、従来のソ−ダライムガラスよりも紫外線透過率が低かった。また、全鉄イオンに対する三価の鉄イオン(Fe3+)の割合が0.5未満に保たれているため、従来のソ−ダライムガラスよりも380〜550nmの可視光透過率が高かった。
さらに、各ガラスの紫外線による着色の程度を上述した方法により評価した。また、各ガラスを用いて32Wのコンパクト形蛍光ランプ(FHT32EX-N)を作製し、樹脂製部材の褪色・劣化、ランプ光束および光束維持率を上述した方法により評価した。
実施例31〜33は、ガラスの紫外線による着色、および、樹脂製部材の褪色・劣化が認められず、また、100時間点灯後のランプ光束(以下、「初期光束」と称する)も光束維持率も高かった。
実施例34は、紫外線による着色が認められなかった。しかし、CeO2+Ce2O3の含有率が0.05wt%、Fe2O3+FeOの含有率が0.04wt%であり、本発明に係るガラスの組成範囲を満足しているもののやや少なめであるため、樹脂製部材の褪色・劣化が問題にならない程度で僅かに認められた。
比較例35は、紫外線による着色、および、樹脂製部材の褪色・劣化が認められなかった。しかし、ガラスの可視光透過率が低いため、初期光束が従来のソーダライムガラス(比較例38)よりも低かった。
比較例36は、紫外線による着色が認められなかった。しかし、紫外線透過率が高いため樹脂製部材の褪色・劣化が僅かに認められた。また、ガラスの可視光透過率が低いため、初期光束が従来のソーダライムガラスよりも低かった。
比較例37は、樹脂製部材の褪色・劣化が認められず、また、初期光束が従来のソーダライムガラスと同等であった。しかし、CeO2+Ce2O3の含有率に対してSnO+SnOの含有率が極端に低いため、紫外線による着色が認められた。但し、比較例37は、本発明に係るガラスの組成範囲を満足しており、他の還元剤との併用により紫外線による着色を抑えることが可能である。本実験ではそのような還元剤を使用しておらず、紫外線による着色が起こったため、比較例として取り扱った。
本発明のランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品およびランプはコンパクト形蛍光ランプ、環形蛍光ランプおよび直管形蛍光ランプ等の蛍光ランプや、蛍光ランプ以外の水銀蒸気放電ランプ等、ランプ全般に広く利用できる。
また、本発明のランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品およびランプは実質的に、鉛、Sb2O3等の環境負荷物質を含有していないため、地球環境保護の社会ニ−ズにも応えるものとして有用である。
本発明の一実施形態に係るガラス組成物の組成および特性を示す図 比較例に係るガラス組成物の組成および特性を示す図 本発明の一実施形態に係るガラス組成物および比較例に係るガラス組成物の組成および特性を示す図 本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの要部構成を示す概略図 本発明の第2の実施形態に係る蛍光ランプの要部構成を示す概略図 本発明の第3の実施形態に係る蛍光ランプの要部構成を示す概略図 本発明の一実施形態に係るガラス組成物の発光スペクトルを示す図 本発明の一実施形態に係るガラス組成物および比較例に係るガラス組成物の分光透過率を示す図 本発明の一実施形態に係るガラス組成物および比較例に係るガラス組成物の分光透過率を示す図
符号の説明
1,22,31 発光管(ガラス部品)
32 ステム(ガラス部品)
10,20,30 ランプ

Claims (12)

  1. 実質的に、酸化物換算で、
    SiO:60〜75wt%、
    CeO+Ce:0.01〜5.2wt%、
    SnO+SnO:0.01〜5.2wt%、
    Al:0.5〜6wt%、
    :0〜5wt%、
    LiO+NaO+KO:13〜20wt%、
    MgO:0.5〜5wt%、
    CaO:1〜10wt%、
    SrO:0〜10wt%、
    BaO:0〜10wt%、
    ZnO:0〜10wt%
    Fe+FeO:0〜0.2wt%、
    TiO:0〜1wt%
    からなることを特徴とするランプ用ガラス組成物。
  2. 254nmの紫外線を照射することにより、白色に発光することを特徴とする請求項1記載のランプ用ガラス組成物。
  3. 前記CeO+Ceの含有率が0.08〜0.3wt%、
    前記Fe+FeOの含有率が0.04〜0.1wt%であることを特徴とする請求項1記載のランプ用ガラス組成物。
  4. 前記CeO+Ceの含有率が0.08〜0.3wt%、
    前記Fe+FeOの含有率が0.04〜0.1wt%であることを特徴とする請求項2記載のランプ用ガラス組成物。
  5. 前記CeO+Ceの含有率が前記SnO+SnOの含有率より低いことを特徴とする請求項1記載のランプ用ガラス組成物。
  6. 前記CeO+Ceの含有率が前記SnO+SnOの含有率より低いことを特徴とする請求項2記載のランプ用ガラス組成物。
  7. 前記CeO+Ceの含有率が前記SnO+SnOの含有率より低いことを特徴とする請求項3記載のランプ用ガラス組成物。
  8. 前記CeO+Ceの含有率が前記SnO+SnOの含有率より低いことを特徴とする請求項4記載のランプ用ガラス組成物。
  9. 30℃〜380℃までの熱膨張係数が90×10−7〜104×10−7/Kであることを特徴とする請求項1記載のランプ用ガラス組成物。
  10. 請求項1記載のガラス組成物からなることを特徴とするランプ用ガラス部品。
  11. 請求項10に記載のランプ用ガラス部品を有することを特徴とするランプ。
  12. 実質的に、酸化物換算で、SiO:60〜75wt%、CeO+Ce:0.01〜5.2wt%、SnO+SnO:0.01〜5.2wt%、Al:0.5〜6wt%、B:0〜5wt%、LiO+NaO+KO:13〜20wt%、MgO:0.5〜5wt%、CaO:1〜10wt%、SrO:0〜10wt%、BaO:0〜10wt%、ZnO:0〜10wt%、Fe+FeO:0〜0.2wt%、TiO:0〜1wt%となるように調合されたガラス原料を溶融させる溶融工程を含み、前記溶融工程において、溶融状態のガラス組成物を還元性にすることを特徴とするランプ用ガラス組成物の製造方法。
JP2007524615A 2005-07-12 2006-07-07 ランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品、ランプおよびランプ用ガラス組成物の製造方法 Expired - Fee Related JP5062589B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007524615A JP5062589B2 (ja) 2005-07-12 2006-07-07 ランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品、ランプおよびランプ用ガラス組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005203574 2005-07-12
JP2005203574 2005-07-12
PCT/JP2006/313540 WO2007007651A1 (ja) 2005-07-12 2006-07-07 ランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品、ランプおよびランプ用ガラス組成物の製造方法
JP2007524615A JP5062589B2 (ja) 2005-07-12 2006-07-07 ランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品、ランプおよびランプ用ガラス組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007007651A1 true JPWO2007007651A1 (ja) 2009-01-29
JP5062589B2 JP5062589B2 (ja) 2012-10-31

Family

ID=37637044

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007524615A Expired - Fee Related JP5062589B2 (ja) 2005-07-12 2006-07-07 ランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品、ランプおよびランプ用ガラス組成物の製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8067322B2 (ja)
JP (1) JP5062589B2 (ja)
CN (1) CN101223115B (ja)
WO (1) WO2007007651A1 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008117088A1 (en) * 2007-03-28 2008-10-02 Pilkington Group Limited Glass composition
WO2009150809A1 (ja) * 2008-06-09 2009-12-17 パナソニック株式会社 蛍光ランプ用ガラス管、蛍光ランプ、及び、照明装置
WO2009150812A1 (ja) * 2008-06-09 2009-12-17 パナソニック株式会社 蛍光ランプ用ガラス管、蛍光ランプ、及び、照明装置
GB0810525D0 (en) * 2008-06-09 2008-07-09 Pilkington Group Ltd Solar unit glass plate composition
WO2010050591A1 (ja) * 2008-10-31 2010-05-06 旭硝子株式会社 太陽電池
DE102009029086B4 (de) 2009-09-02 2015-03-12 Schott Ag Solarisationsbeständiges Glas, Verfahren zu seiner Herstellung und seine Verwendung
CN103011587A (zh) * 2012-12-24 2013-04-03 潘慧敏 一种节能环保玻璃
DE102013109087B3 (de) * 2013-08-22 2015-02-19 Schott Ag Flachglas mit Filterwirkung, Verfahren zu seiner Herstellung, Verwendung sowie Schichtverbund
JP6385391B2 (ja) * 2015-05-18 2018-09-05 ショット アクチエンゲゼルシャフトSchott AG 増感された感光性ガラスおよびその製造
US10472273B2 (en) 2015-05-18 2019-11-12 Schott Ag Sensitized, photo-sensitive glass and its production
CN109650725A (zh) * 2018-12-29 2019-04-19 上海应用技术大学 一种蓝色荧光玻璃陶瓷的制作方法
CN110734221A (zh) * 2019-11-28 2020-01-31 叙永郎酒东方玻璃有限公司 一种新型环保高白料瓶罐玻璃
CN113233758B (zh) * 2021-06-25 2022-11-01 北京北旭电子材料有限公司 玻璃组合物、玻璃原粉及其制备方法、以及玻璃粉及其制备方法

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6050732B2 (ja) * 1978-06-27 1985-11-09 旭硝子株式会社 着色板ガラス製造用カララントガラスの製造方法
GB2115403B (en) * 1982-02-20 1985-11-27 Zeiss Stiftung Optical and opthalmic glass
JPH073018B2 (ja) * 1987-09-09 1995-01-18 株式会社豊田自動織機製作所 ジェットルームにおける緯入れ方法
JPH0446031A (ja) * 1990-06-12 1992-02-17 Asahi Glass Co Ltd 紫外・赤外線吸収ガラス
JP3084769B2 (ja) 1991-02-22 2000-09-04 日本板硝子株式会社 熱線及び紫外線吸収ガラス
JP2532045B2 (ja) * 1992-02-05 1996-09-11 東芝硝子株式会社 照明用ガラス組成物
US5350972A (en) 1993-05-25 1994-09-27 General Electric Company UV absorbing lamp glass
US5528107A (en) * 1995-03-31 1996-06-18 Osram Sylvania Inc Lead and arsenic free, solarization resistant glass
JPH1072239A (ja) * 1996-08-29 1998-03-17 Nippon Sheet Glass Co Ltd 紫外線赤外線吸収ガラス
JPH10152342A (ja) * 1996-09-20 1998-06-09 Nippon Sheet Glass Co Ltd 紫外線赤外線吸収ガラス
JPH10101369A (ja) * 1996-10-01 1998-04-21 Nippon Sheet Glass Co Ltd 紫外線赤外線吸収ガラス
EP1281687A4 (en) * 2000-03-06 2006-08-23 Nippon Sheet Glass Co Ltd FLAT GLASS WITH HIGH TRANSMISSION COEFFICIENT
JP2002137935A (ja) * 2000-10-26 2002-05-14 Nippon Electric Glass Co Ltd 蛍光ランプ用ガラス、蛍光ランプ用ガラス管及び蛍光ランプ
JP2003171142A (ja) 2001-12-03 2003-06-17 Toshiba Lighting & Technology Corp バリウムシリケートガラス、管球製品および照明装置
JP4270138B2 (ja) 2005-02-15 2009-05-27 東海カーボン株式会社 カーボンナノチューブおよびカーボンナノホーンの製造、カーボンナノチューブあるいはカーボンナノホーンを含有したアークスートの製造、ならびにカーボンナノバルーン合成用原料の製造に用いる炭素材料
US7795798B2 (en) * 2005-08-08 2010-09-14 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Transparent fluorescent glass
JP4625115B2 (ja) * 2007-11-13 2011-02-02 パナソニック株式会社 ランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品、ランプ及び照明装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5062589B2 (ja) 2012-10-31
US20100216624A1 (en) 2010-08-26
CN101223115A (zh) 2008-07-16
CN101223115B (zh) 2012-02-08
WO2007007651A1 (ja) 2007-01-18
US8067322B2 (en) 2011-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5062589B2 (ja) ランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品、ランプおよびランプ用ガラス組成物の製造方法
JP4159708B2 (ja) ランプ用ガラス組成物、ランプ用ステムおよびランプ用バルブ
CA2239342C (en) Lead and arsenic free borosilicate glass and lamp containing same
JP4485572B2 (ja) ランプおよびバックライトユニット
JP2532045B2 (ja) 照明用ガラス組成物
JPWO2006106660A1 (ja) ランプ用ガラス組成物、ランプ、バックライトユニットおよびランプ用ガラス組成物の製造方法
JPWO2007086441A1 (ja) ランプ用ガラス組成物の製造方法、ランプ用ガラス組成物およびランプ
JP2004315279A (ja) 蛍光ランプ用ガラス
JP3775734B2 (ja) 照明用ガラス組成物およびそれを用いた蛍光ランプ
US5843855A (en) Glass
AU2003237011B2 (en) An electric lamp comprising a glass component
JP4767456B2 (ja) 照明用ガラス組成物
JP2003040643A (ja) 照明用ガラス組成物
JP4756430B2 (ja) 電灯用ガラス及びその製造方法
JP2002068776A (ja) Fe−Ni−Co系合金の封着に適したガラス
EP0146187B1 (en) Glass composition suitable for use in a fluorescent lamp
JP4724252B2 (ja) ランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品、ランプ及び照明装置
JP2006321686A (ja) ランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス管およびランプ
JP2007091533A (ja) 蛍光ランプ用ガラス組成物および蛍光ランプ
JP2007297273A (ja) ランプ用ガラス組成物、ランプ用ステムおよびランプ用バルブ
JP2004315280A (ja) 蛍光ランプ用ガラス
JP2008024564A (ja) ランプ用ガラスの製造方法、ランプ用ガラス、ランプ用ガラス管およびランプ
JP2003040644A (ja) 照明用ガラス組成物
JP2009040614A (ja) ランプ用ガラス組成物、ランプ用ガラス部品、ランプおよび照明装置
JPH0421617B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090129

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090428

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20101210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20101213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120622

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120724

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120730

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees