JPWO2007004290A1 - ピストン型水車を用いた発電装置 - Google Patents

ピストン型水車を用いた発電装置 Download PDF

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Abstract

水を高所から落下させる立地条件を確保できない場合であっても、効率的に発電を行えるようにする。
開閉弁(121A,121B,122A,122B)を制御することによって、水槽(12A,12B)に液体(W)を注水又は排水する。水槽に液体を注水すると、液体の増加に従って浮力体(11A,11B)が上昇し、ロッド(13A,13B)が上昇する。また、水槽から液体を排水すると、液体の減少に従って浮力体が下降し、ロッドが下降する。運動変換手段(17)は、ロッドの上下運動を回転運動に変換する。また、運動変換手段は、変換した回転運動によって発電機を回転させる。そして、発電機は、運動変換手段からの回転運動による回転力によって発電を行う。

Description

本発明は、ピストン型水車を用いた発電装置に関する。より詳細には、水槽に河川水等を注水し、また水槽に溜めた河川水等を排水することにより、浮力体を上昇・下降させ、この浮力体の上下運動を動力として使用するピストン型水車を用いた発電装置に関する。
従来から、水を利用する発電方法として水力発電が知られている。現在、水力発電の代表的な方法としては、河川に水をせき止めるための小さなダムを設けて発電する方法がある。この方法では、先ず、ダムの取水口から水が取り入れられ、取り入れられた水が発電所内の水槽に導かれる。次いで、その水槽から水圧鉄管を介して水が流れ落ちていく力によって、高速且つ高圧に水車やタービンが回転される。そして、その水車やタービンに連動する発電機によって発電が行われる。
また、特に、水力発電の中で揚水発電と呼ばれるものがある。この揚水発電は、発電所を挟んで位置する下部調整池から電気の使用量が少ない夜間に水を汲み上げ、電気の使用量の多い昼間に上部調整池から水を落として発電する方法である。このような揚水発電では、発電する際のエネルギー転換効率が6割以下といわれているが、夜間の余剰電力を利用して発電を行う点で経済的効果が大きい。
本願出願人は下記特許文献1において、タンク内に空気を流入させてタンク内の液体をタンクの下部から排出させ、その排出力(水流)によって水力タービンを回転させ発電を行おうとする発電装置を提案している。
特開2004−124866号公報
しかし、上記の水力発電方法では、水を高速且つ高圧で落下させるために、取水ダムの設定場所と水車やタービンの設置場所との間に相当の高低差を設けなければならない。しかし、一般に、河川や池、貯水地等から水をひいて、高所から高速且つ高圧で水を落下させることは、立地条件の確保等の点において非常に困難を伴うことが多かった。また、そのような立地条件を満たす設置場所に発電設備を設置した場合であっても、発電設備建設のために自然環境を破壊してしまう恐れがあった。
また、水を高所から落下させるのではなく、河川に直接プロペラ型の水車やタービンを設定して、河川を流れる水の流速を利用して発電することも考えられるが、発電のために必要な水の流速や水圧を確保することは難しいといった問題があった。
そこで、本発明は、液体(河川水等)を高所から落下させる立地条件を確保できない場合や多くの液量(水量)の確保が難しい場合であっても、非常に効率的に発電を行える小規模の発電装置を提供することを目的とする。
本発明のピストン型水車を用いた発電装置は、上方または下方から液体(W)が注水され、また、下方から液体が排水される水槽(12,2)と、該水槽に注水された液体または該水槽から排水された液体の液量に伴いに上昇・下降する浮力体(11,1)と、回転運動により発電を行う発電機(16)と、前記水槽への液体の注水または前記水槽からの液体の排水に伴う前記浮力体の水槽内での上昇・下降の上下運動を、前記発電機を回転させるための回転運動に変換する運動変換手段(17,7)と、を備えた、ことを特徴とする。
ここで、前記浮力体(11,1)内部には空洞部が形成されており、該空洞部には予め所定量の液体(W)が注水されている、ものとすることが好ましい。
さらに本発明は、前記水槽(12,2)の上部又は下部に形成された、液体(W)を注水するための注水口(121,21)と、前記水槽の下部に形成された、液体を排水するための排水口(122,22)と、該排水口を開閉するための排水口開閉弁(42,4a)と、を備え、該排水口開閉弁は、液体が水槽に溜まった液体からの水圧が所定値に達すると、排水口を開口して水槽に溜まった液体の排水し、水槽に溜まった液体の多くを排水した後に閉口する、ものとすることもできる。
ここで本発明は、前記注水口(121,21)を開閉するための注水口開閉弁(41,4b)をさらに備え、該注水口開閉弁は前記排水口開閉弁(42,4a)の開閉に連動し、排水口開閉弁が開口すると閉口し、排水口開閉弁が閉口すると開口する、ものとすることが好ましい。
また本発明は、前記水槽(2A,2B)の上部又は下部に形成された、液体(W)を注水するための注水口(21)と、前記水槽の下部に形成された、液体を排水するための排水口(22)と、前記水槽に、前記注水口及び前記排水口を開閉するための板状のスライド開閉弁(4)と、を備え、該スライド開閉弁は、水槽の前記注水口及び前記排水口が設けられている面に摺動して移動することによって、前記排水口を開放し、水槽の前記注水口及び前記排水口が設けられている面に摺動して移動することによって、前記注水口を開放する、ものとすることもできる。
ここで、前記運動変換手段(17,7)には、前記浮力体(11,1)の上昇・下降を制御するストッパ機構(111)が備えられており、該ストッパ機構は、前記水槽(12,2)内への注水が完了して満水となる前までは水槽内底部に浮力体を沈めた状態で留め、水槽内がほぼ満水となった時点で浮力体の上昇を許可し、また、前記水槽内からの排水が完了して空となる前までは水槽内上部に浮力体を宙吊り状態で留め、水槽内がほぼ空となった時点で浮力体の下降を許可する、ことが好ましい。
また本発明は、前記水槽(12,2)の上部又は下部に形成された、液体(W)を注水するための注水口(121,21)と、前記水槽の下部に形成された、液体を排水するための排水口(122,22)と、前記注水口を開閉するための注水口開閉弁(41,4b)と、前記排水口を開閉するための排水口開閉弁(42,4a)と、前記水槽の上面高さより高くにその底部が来る程度の高さに設置され、河川等から導き入れた液体(W)を一時的に貯水する貯水タンク(20)と、を備え、該貯水タンクに貯水した液体を、貯水タンクの底部から、前記注水口開閉弁を経て前記水槽に注水する、ものとすることも好ましい。
さらに本発明のピストン型水車を用いた発電装置は、複数の水槽(12,2)が階段状に配置され、上段の水槽の排水口(122,22)から排水された液体(W)が、下段の水槽の注水口(121,21)へ導かれる、ことを特徴とする。
本発明のピストン型水車を用いた発電装置では、液体を水槽内に注水し水槽から排水する動作を繰り返すように制御することによって、浮力体の上下運動を回転運動に変換する。そのため、変換した回転運動によって発電機を大きな力によって回転させ、発電を行うことができる。これにより、水を高所から落下させる立地条件を確保できない場合であっても、発電を行うことができる。また流量が少ない河川・小川等であっても、その流量のほぼ全量を発電に利用することも可能であるため、非常に効率的に発電を行うことができる。
ここで、浮力体内部の空洞部に予め所定量の液体が注水されているように構成すれば、浮力体の上昇力と下降力を同じくすることができ、発電機の回転をスムーズに行わせることができる。ここで液体の所定量とは、注水により浮力体が発生する上昇力(=浮力−荷重)と、排水により浮力体に発生する下降力(=荷重)とが同程度となるような液量をいう。
また、水槽に溜まった液体の水圧を利用して排水口の開閉を行う機構を設ければ、電子的な制御によらずに排水口開閉弁の開閉を行うことができる。ここで水槽に注水口をさらに備えてやり、注水口開閉弁の開閉を排水口開閉弁の開閉に連動してやることで、より効率的な注水および排水により、発電効率を向上させることができる。
また、水槽内に、注水口及び排水口を開閉するための板状のスライド開閉弁を注水口開閉弁および排水口開閉弁として備えれば、スライド開閉弁を上方向又は下方向に摺動させて移動させることによって、効率的に注水口及び排水口の開閉を行うことができる。
また、浮力体の上昇・下降を制御するストッパ機構を備えてやれば、浮力体が水槽内の液体の増減に従って徐々に昇降するのと比して、より大きな力で発電機を回転させて発電を行うことができる。
また、水槽に注水する液体を水槽よりも高い位置に設置した貯水タンクから導き入れるようにすることで、水槽からの排水中においても、河川等から導入した水を無駄にすることなく貯水タンクに溜めることができ、有効に河川水等を利用することができる。
さらに、複数の水槽を階段状に配し、上段の水槽の排水口から排水された液体を下段の水槽の注水口に導くことで、少ない高低差、少ない水量の河川等であっても、効率的かつ大出力の発電を可能とすることができる。
なお浮力体を平たく構成しその平面積を増してやれば、液体中に沈むこととなる部分の高さが小さくなるため、例えば1m以下の低落差しかない条件下でも発電を行うことが可能となる。
第1の実施形態によるピストン型水車を用いた発電装置の他の構造例を示す断面図である。 図1に示す発電装置を側面側から見た透過図である。 第1の実施例の発電装置におけるシステム構成を示したブロック図である。 発電機6に対して左側に位置する浮力体1A及び水槽2Aを含む断面図である。 第2の実施形態によるピストン型水車を用いた発電装置の構造の例を示す断面図である。 浮力体及び水槽の構造の例を示す斜視図である。 ピストン型水車を用いた発電装置の平面図である。 運動変換手段が浮力体の上下運動を回転運動に変換する動作を示す説明図である。 運動変換手段の構造の例を示す説明図である。 第3の実施形態による複数ユニットの発電装置を用いて発電を行う場合の構成例を示す平面図である。
符号の説明
1A,1B,11A,11B 浮力体
2A,2B,12A,12B 水槽
3A,3B,13A,13B ロッド
4A,4B スライド開閉弁
4a 注水側開閉弁
4b 排水側開閉弁
6,16 発電機
7A,7B,17 運動変換手段
10A,10B,10C,10D,10E 発電装置
19 vベルト
20A,20B 貯水タンク
23 谷部
41A,41B 注水側開閉弁
42A,42B 排水側開閉弁
51 注水側分管
52 排水側分管
71 クランク
72 ギア
73 増速ギア
111 ストッパ機構
121A,121B,21a,21b,21c 注水口
122A,122B,22a,22b,22c 排水口
151A,151B,151C,151D,151E 分岐入水管
152A,152B,152C,152D,152E 分岐排水管
171 大型ギア
172 コンロッド
以下、本発明の第1の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明によるピストン型水車を用いた発電装置の構造の例を示す断面図である。また、図2は、図1に示す発電装置を側面側から見た側面透過図である。
図1および図2に示すように、ピストン型水車を用いた発電装置は、それぞれ、浮力体11A,11B(これらをまとめて11という。以下の各構成要素の符号についても同様に表現する。)、水槽12A,12B、ロッド13A,13B、貯水タンク20A,20Bおよび発電機16を含む。また、発電装置は、ロッド13の上下運動を回転運動に変換し発電機16を回転させる運動変換手段17を含む。
図1に示すように、例えば、浮力体11A、水槽12A、貯水タンク20Aおよびロッド13Aは、運動変換手段17に対して、浮力体11B、水槽12B、水槽20Bおよびロッド13Bと対称となる位置に配置される。なお、貯水タンク20は、図1に示すように、水槽12の上面高さより高くにその底面が来る程度の高さに設置される。
本実施例の浮力体11は、例えば、直方体形状や球体形状をしている。なお、浮力体11として、角柱形状や円柱形状など他の形状のものを用いてもよい。また、浮力体11は、例えば、ポリエチレンなどの合成樹脂やアルミニウムを用いて製作される。
さらに浮力体11内部には、空洞部が形成されている。そして、浮力体内部の空洞部には、所定量の液体W(例えば、水)が注水されている。このように所定量の液体Wを注入することによって、浮力体11の浮力および自重を適切に調整することができる。なお、浮力体11の浮力を調整するために、浮力体の外部あるいは内部に、鉛などを用いた錘を取り付けてもよい。
また本実施例の水槽12および貯水タンク20は、直方体形状をしている。水槽12は、水槽内で昇降する浮力体11が水槽と接触することのないように、浮力体の水平方向断面の形状よりも二廻り程度大きな水平方向断面形状を有している。なお、水槽12および貯水タンク20は、その他の角柱形状や円柱形状などとすることも可能である。ここで貯水タンクの貯水量は水槽の貯水用よりも多いか、同程度であることが望ましい。
水槽12には、それぞれ、上部に注水口121A,121Bが設けられ、下部に徘水口122A,122Bが設けられる。
貯水タンク20Aと水槽12A、貯水タンク20Bと水槽12Bとは、貯水タンクに貯水した液体Wを水槽の注水口121A,121Bに注水するために、電動式の注水側開閉弁41A,41Bを介して配管接続されている。また水槽の底部には電動式の排水側開閉弁42A,42Bの開閉により排水口122A,122Bから排水を行うための配管がなされている。
なお図1では貯水タンク20の底部と水槽12の上部とを配管接続しているが、貯水タンク20の底部と水槽12の底部とを配管接続し、水槽の底部から注水してやることも可能である。この場合には、注水側開閉弁41および排水側開閉弁42の2つの弁を用いる代わりに1つの三方弁を用いてやることも好ましい(図示せず)。
運動変換手段17は、図2に示すように、大型ギア171とコンロッド172とを含む。各ロッド13の上下運動は、運動変換手段17のコンロッド172を介して回転運動に変換される。また、変換された回転運動は、運動変換手段17の大型ギア171から、ベルト(例えば、vベルト)19を介して発電機16に伝えられ、発電機を回転させる。そして、発電機16は、vベルト19を介して伝えられた回転運動による回転力によって発電を行う。
ここで運動変換手段17には、浮力体11の昇降を制限するストッパ機構111が備えられている。このストッパ機構111は、コンピュータなどの情報処理装置からの指令に従って作動するモータの動力により操作され、ロッド13の上下運動をプログラムに従って制限する。
より具体的には、ストッパ機構11は、水槽12内が満水となる前まではロッドを固定して浮力体を押さえ付けることで、水槽内底部(下死点)に各浮力体を沈めた状態で留め、水槽内が満水となった時点でストッパ機構を解除する。ストッパ機構111が解除されると浮力体11が上昇し、コンロッド172を回転させる。浮力体11が上昇し水槽12内上部(上死点)に来た際には、ストッパ機構111はモータの動力により作動してロッド13を再び固定し、排水中に浮力体が下降することを抑制する。このとき浮力体11は水槽12内で宙吊り状態となる。排水がほぼ完了した時点でストッパ機構111が解除され、浮力体11は自重により下降することでコンロッド172を回転させる。以上の動作を繰り返すことで、連続的にコンロッド172が回転し、大型ギア171およびvベルト19を介して発電機16に動力が伝えられ、発電が行われる。このようなストッパ機構111を備えることで、浮力体11が水槽12内の液体Wの増減に従って徐々に昇降するのと比して、浮力体の上昇・下降時により多くの力がロッド13に付与されるため、大きな力により発電機16を回転させて発電を行うことができる。
なお図面は省略するが例えば、コンロッド172にフライホイールを取り付け、また、ロッド13とコンロッド172との連結部にクラッチを設けるなどして、浮力体11が上死点または下死点で停止している際にも、コンロッドが慣性力によって回転して発電機16に動力を与える機構を備えてやれば、より効率的に発電を行うことが可能となる。
本実施例では、河川や湖から取り入れた液体W(例えば、水)が、まず貯水タンク20に溜められる。注水側開閉弁41を制御して開閉することによって、貯水タンク20に溜めた液体Wの水槽12への注水・遮断が行われる。また、排水側開閉弁42を制御して開閉することによって、水槽12内からの液体Wの排水・遮断が行われる。
なお貯水タンク20へは、河川等から常に液体が注水されて溜められる。このような貯水タンクを設けることで、水槽12の排水時においても、河川等から導入した水の全量を貯水タンクに貯えて発電に利用することができる。
このように水槽12内に液体Wを注水し排水する制御を繰り返し実行することによって、浮力体11が上下運動を行う。また、浮力体11が上下運動に従って、ロッド13が上下運動を行う。そして、運動変換手段17は、ロッド13の上下運動を回転運動に変換する。
なお、本実施例では、例えば、コンピュータなどの情報処理装置がプログラムに従って処理を実行することによって、注水側開閉弁41及び排水側開閉弁42を開閉するタイミングを制御する。
図3に本実施例の発電装置におけるシステム構成をブロック図で示した。注水側開閉弁41および排水側開閉弁42は、コンピュータの制御によって開閉される。またコンピュータは、ストッパ機構111の動作を制御して、水槽12内での浮力体11の昇降をコントロールする。一方、vベルト19からの動力により発電を行う発電機16は、発電した電力を、バッテリーを介して送電線から送電する。なお、コンピュータ、注水側開閉弁41および排水側開閉弁、ストッパ機構111を作動するモータには、発電機につながれたバッテリーから電力が供給される。
次に、発電装置の具体的な設計例を説明する。まず、水槽12の設計例を説明する。図4は、発電機16に対して左側に位置する浮力体11A及び水槽12Aを含む断面図である。なお本例では、設計を容易にするため、水槽12が、底面および側面が正方形の立方体であるものとする。
図4に示すように本設計例では、水槽12Aの幅wおよび奥行きtを1.5mとし、水槽に液体Wを注水したときの最大の水深hを4mとする。すると、浮力体11Aが上昇し下降する1サイクルあたりに必要な、水槽12Aに注水される液体Wの消費水量Qは、次式を用いて求められる。
=w×t×h=1.5(m)×1.5(m)×4(m)=9(m
また、水槽12Bについても、同様に、1サイクルあたりの液体Wの消費水量Qが9mと求められるので、発電装置全体の1サイクルあたりの消費水量Qは、次式を用いて求められる。
Q=9(m)×2=18(m
ここで、浮力体11A,11Bが上昇し下降するまでの1サイクルあたりに要する時間は、9秒程度であることが望ましい。1サイクルあたりに要する時間をτ=9秒とすると、1秒あたりの発電装置の消費水量qは、次式を用いて求められる。
q=Q/τ=18/9=2(m/s)
この程度の水量は小さな小川でも比較的容易に確保することができる。
次に、発電装置を用いて発電される発電出力について説明する。本例では、図4に示した球体形状の浮力体11Aの体積を1020リットルとする。また水の密度を1kg/lとする。
すると、浮力体11Aの浮力Fは、次式を用いて求められる。
=(浮力体11Aの体積)×(水の密度)
=1020×1=1020(kgf)
ここで、浮力体11Aの自重を510kgにすると、浮力体11Aがロッド13Aを押し上げ、またはロッドを引き下げる力はともに、510kgfとなる。また浮力体11Bについても同様に考えることができる。
浮力体11Aが1秒間に浮上する距離を1mとすると、浮力がロッド13Aを押し上げる力による仕事率(T)は、次式を用いて求められる。
=510(kgf)×1(m)/1(s)=510(kgfm/s)
このとき浮力体11Bは自重により1秒間に1m下降するため、その仕事率(T)は、510kgfm/sとなる。
したがって浮力体11A,11Bの総仕事率(T)は、次式を用いて求められる。
T=T+T==1020(kgfm/s)
ここで仕事率を、1W(ワット)=0.102kgfm/sの関係から電力に変換すると、
W=T/0.102=1020/0.102=10000(W)=10(kW)
となる。
以上のように、本実施例によれば、液体Wを水槽12A,12B内に注水し排水する動作を繰り返すように制御することによって、浮力体11A,11Bの上下運動を回転運動に変換し、変換した回転運動によって発電機16を回転させることで、発電を行うことができる。
このように本発明によれば、水を高所から落下させる立地条件を確保できない場合や多くの水量の確保が難しい場合であっても、浮力体11A,11Bを大きな力により上下運動させることができ、これにより大きな回転動力で発電機16を回転させて発電を行うことができる小規模の発電装置が提供される。
なお実際には発電機の発電効率や電動式の注水側開閉弁や排水側開閉弁の開閉やストッパ機構、注水及び排水を制御するコンピュータ等において、1〜2kW程度のロスや電力消費があると考えられるが、それでもなお2つの水槽からなる発電装置では8〜9kWの発電出力を得ることができる。
ここで、排水側開閉弁42の代わりに,液体Wが水槽に溜まった液体からの水圧が所定値に達することで排水口が開口して水槽に溜まった液体を排水し、水槽に溜まった液体の多くを排水した後に閉口する機械式弁を用いれば、排水口の開閉にかかる電力消費をなくすことができる。
また発電装置の台数を増やせば、発電量を増やすことができるのは当然である。この場合、複数の水槽12を階段状に配置し、上段の水槽の排水口122から排水された液体Wが、下段の水槽の注水口121(又は貯水タンク20)へ導かれるようにしてやれば、少ない流量の河川等であっても効率的に発電を行うことができる。
以下、本発明の第2の実施形態を図面を参照して説明する。図5は、本発明によるピストン型水車を用いた発電装置の構造の例を示す断面図である。また図6は、浮力体及び水槽の構造の例を示す斜視図である。
図6では、一例として、図5に示す2つの浮力体1A,1B及び水槽2A,2Bのうち、発電機6に対して左側に位置する浮力体1A及び水槽2Aを示す。なお、発電機6に対して右側に位置する浮力体1B及び水槽2Bの構造も、図6に示す浮力体1A及び水槽2Aの構造と同様である。
図6に示すように、本実施例では、浮力体1Aは、円筒形状である。なお、浮力体1Aとして、四角柱形状や三角柱形状など他の形状のものを用いてもよい。また、浮力体1A内部には、空洞部が形成されその中には、所定量の液体W(例えば、水)が注入されていることは実施例1と同様である。
図6に示すように、水槽2Aは、角柱形状をしている。本実施例では、水槽2Aは、図2に示すような底面が五角形の角柱形状に形成されている。なお水槽2Aとして、四角柱形状など他の形状のものを用いてもよい。
本実施例では、底面が五角形の角柱形状の水槽2Aを用いることによって、水槽2Aの下部に谷部23が形成される。この谷部23が形成されていることによって、注水口21から液体Wを注入した場合に、効率的に水槽2A内に液体Wが充填される。
また、水槽2Aの長手方向の2つの側面のうち一方の側面の上部には、水槽2A内に液体Wを注入するための注水口21a,21b,21cが設けられる。なお、図6では、水槽2Aの一方の側面の上部に3つの注水口21を設ける場合を説明するが、注水口の数は3つに限られない。例えば、水槽2Aの側面に1又は2つの注入口だけを設けてもよく、4以上の注入口を設けてもよい。
なお浮力体に注水された液体が上方から掛かると、浮力体には下向きの荷重がかかることとなり浮力体の浮力が減殺され好ましくないため、注水口の位置や注水角度は注水した液体が浮力体に直接掛からないようにすることが好ましい。
また、注水口21が設けられた水槽2Aの側面の下部には、水槽2A内の液体Wを排水するための排水口22a,22b,22cが設けられる。図6では、水槽2Aの一方の側面の下部に3つの排水口22を設ける場合を説明するが、排水口の数は3つに限られない。例えば、水槽2Aの側面に1又は2つの排水口だけを設けてもよく、4以上の排水口を設けてもよい。
また、図5に示すように、発電装置において、水槽2A,2Bには、それぞれ、注水口21及び排水口22が設けられている側面に、板状のスライド開閉弁4A,4Bが設けられる。本実施例では、スライド開閉弁4A,4Bが、スライドするように摺動しながら上下に移動することによって、注水口21及び排水口22が開閉される。具体的には、スライド開閉弁4A,4Bが下方向に移動することによって、注水口21が開口されると同時に排水口が閉口し、水槽2A,2B内に液体Wが注入される。また、スライド開閉弁4A,4Bが上方向に移動することによって、排水口22が閉口されると同時に排水口が開口し、水槽2A,2B内の液体Wが排水される。
なおスライド開閉弁4A,4Bの開閉は電動弁などを使用して電気的に行うことも可能であるが、その機構をより簡素なものとするために、機械的に行うことも好ましい。例えば、板状のスライド開閉弁4A,4Bを一体として形成し、水位が所定の高さまで達すると注水口を閉口すると同時に排水口を開口し、水位が所定の高さを下回ると注水口を開口すると同時に排水口を閉口するフロート体(図示せず)の浮力によりスライド開閉弁の開閉を行う機械式弁を用いることや、液体が水槽に溜まった液体からの水圧が所定値に達することで排水口が開口して水槽に溜まった液体を排水し、水槽に溜まった液体の多くを排水した後に閉口する機械式弁を用いることができる。後者の場合、注水口21を開閉するための注水口開閉弁4bを設け、この注水口開閉弁を排水口開閉弁4aの開閉に連動させ、排水口開閉弁が開口すると閉口し、排水口開閉弁が閉口すると開口することも好ましい。
図7は、ピストン型水車を用いた発電装置の平面図である。図7は、図5に示す発電装置を、設置面に対して上から見た図に相当する。なお、図7では、図5に示した運動変換手段7A,7B及び発電機6等は省略されている。
本実施例では、河川や湖の上流側から水を取り入れ、入水管を介して取り入れた水を液体Wとして各水槽2A,2Bに注水する。入水管は、6つの分管(注水側分管51という)に分けられ、図7に示すように、6つの注水側分管51のうちの3つが水槽2Aに接続され、水槽2Aに液体Wを注水するために用いられる。また、水槽2Aに接続される注水側分管51以外の3つの注水側分管51が水槽2Bに接続され、水槽2Bに液体Wを注水するために用いられる。
また、発電装置は、発電に用いた液体Wを、排水管を介して下流側へ排水する。本実施例では、排水管は、6つの分管(排水側分管52という)に分けられ、図7に示すように、6つの排水側分管52のうちの3つが水槽2Aに接続され、水槽2Aから液体Wを排水するために用いられる。また、水槽2Aに接続される排水側分管52以外の3つの排水側分管52が水槽2Bに接続され、水槽2Bから液体Wを排水するために用いられる。
次に、動作について説明する。図8は、運動変換手段が浮力体の上下運動を回転運動に変換する動作を示す説明図である。図8では、一例として、図5に示す浮力体1A,1B、水槽2A,2B、ロッド3A,3B及び運動変換手段7A,7Bのうち、発電機6に対して左側に位置する浮力体1A、水槽2A、ロッド3A及び運動変換手段7Aを示す。なお、図8では、運動変換手段7Aについては、その構成部分のうち一部だけが示されている。また、発電機6に対して右側に位置する浮力体1B、ロッド3B及び運動変換手段7Bの動作も、図8に示す浮力体1A、ロッド3A及び運動変換手段7Aの動作と同様である。
また図8では、運動変換手段が浮力体の上下運動を回転運動に変換する動作の説明を容易化するために、実施例1で説明したストッパ機構や貯水タンクを省略するが、このことは本実施例において、ストッパ機構や貯水タンクを備えることを禁止するものではないことは勿論である。
図8では、水槽2Aから排水口22を介して液体Wが排水され、水槽2Aに注水されている液体Wの量が最小となっている状態(図8(a))からの動作を説明する。図8(a)に示すように、水槽2A内に注水されている液体Wの量が最小となっている状態において、まず、スライド開閉弁4Aを下方向にスライドさせながら移動させるように制御する。スライド開閉弁4Aを下方向に移動させることによって、図8(a)に示すように、注水口21が開放された状態となり、注水口21から水槽2A内への液体Wの注水が開始される。
なお本実施例では、例えば、コンピュータなどの情報処理装置がプログラムに従って処理を実行することによって、スライド開閉弁4Aをスライドさせる方向やタイミングを制御する。
液体Wの注水が開始されると、水槽2A内の液体Wの量が増加する。すると、図8(b)に示すように、液体Wの量の増加に従って、浮力体1Aの位置が上昇する。また、浮力体1Aの位置の上昇に従って、ロッド3Aの位置が上昇する。
図8に示すように、運動変換手段7Aは、クランク71と、ギア72とを含む。また、図4に示すように、クランク71は、一方の端部がロッド3Aに回動可能に接続される。
また、クランク71は、ロッド3Aに接続されている側とは反対側の端部がギア72に固定される。図8(b)に示すように、ロッド3Aが上昇すると、ロッド3Aが上昇する力によって、クランク71を介してギア72が回転される。なお、本実施例では、ギア72が反時計回りに回転する場合を説明するが、ロッド3Aの上昇によって、ギア72が時計回りに回転してもよい。
また、更に水槽2A内に液体Wが注水され続けると、水槽2A内に注水されている液体Wの量が最大となり、浮力体1Aが最高点まで上昇する。また、浮力体1Aが最高点まで上昇することによって、ロッド3Aが最高点まで上昇する(図8(c))。
水槽2A内に注入されている液体Wの量が最大となると、図8(c)に示すように、スライド開閉弁4Aを上方向にスライドさせながら移動させるように制御する。スライド開閉弁4Aを上方向に移動させることによって、図8(c)に示すように、排水口22が開放された状態となり、排水口22から水槽2A内の液体の排水が開始される。
液体Wの排水が開始されると、水槽2A内の液体Wの量が減少する。すると、図8(d)に示すように、液体Wの量の減少に従って、浮力体1Aの位置が下降する。また、浮力体1Aの位置の下降に従って、ロッド3Aの位置が下降する。この場合、図8(d)に示すように、ロッド3Aが下降すると、ロッド3Aが下降する力によって、クランク71を介してギア72が回転される。
また、更に水槽2A内の液体Wが排水され続けると、水槽2A内に注水されている液体Wの量が最小となり、浮力体1Aが最低点まで下降する。また、浮力体1Aが最低点まで下降することによって、ロッド3Aが最低点まで下降する(図8(a))。
そして、以上に示した動作に従って、水槽2A内への液体Wの注水及び排水の動作が繰り返し行われることによって、ロッド3Aが繰り返し上下運動を行い、ギア72が回転し続ける。
また本実施例では、運動変換手段7Aは、増速ギアを備える。そして、運動変換手段7Aは、ロッド3Aの上下運動を変換した回転運動の回転速度を、増速ギアを用いて増速する。
図9は、運動変換手段の構造の例を示す説明図である。図9に示すように、運動変換手段7Aは、大小複数のギアを用いた増速ギア73を備え、クランク71を介して変換したギア72の回転運動の回転速度を増速する機能を備える。なお、本実施例では特に言及していないが、運動変換手段7Bも、発電機6に対して対称に、同様に増速ギアを用いた構成を備える。
運動変換手段7Aは、増速ギアを用いて回転速度を増速すると、増速した回転運動によって発電機6を回転させる。
運動変換手段7Bも、運動変換手段7Aと同様の動作に従って、ロッド3Bの上下運動を回転運動に変換し、変換した回転運動を増速ギアを用いて増速する。また、運動変換手段7Bは、増速した回転運動によって発電機6を回転させる。
そして、発電機6は、運動変換手段7A,7Bから伝えられ回転運動による回転力によって発電を行う。
なお、本実施例では、水槽2Aと水槽2Bとに、それぞれ、交互に液体Wが注水され、且つ交互に液体Wが排水されるように制御する。すなわち、水槽2A側に液体Wが注入されているときには、水槽2Bから液体Wを排水するように制御する。また、水槽2B側に液体Wが注入されているときには、水槽2Aから液体Wを排水するように制御する。そのため、浮力体1Aと浮力体1Bとが交互に上昇と下降とを行い、ロッド3Aとロッド3Bとが交互に上昇と下降とを行う。そのように制御することによって、河川や湖から取り入れた液体W(本例では、水)を、効率的に水槽2A及び水槽2Bにそれぞれ注水し、且つ排水することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施例では、実施例2で示した発電装置を1ユニットとし、複数ユニットの発電装置を用いて発電を行う場合を説明する。
図10は、複数ユニットの発電装置を用いて発電を行う場合の構成例を示す平面図である。本実施例では、図10に示すように、5ユニットの発電装置10A,10B,10C,10D,10Eを用いて発電する場合を説明する。なお、図10において、各発電装置10A,10B,10C,10D,10Eは、それぞれ、実施例2で示した発電装置に相当する。
本実施例では、河川や湖から取り入れられた水が入水管151(例えば、直径30m程度)を介して運ばれる。また、入水管151は、5つの管(分岐入水管ともいう)151A,151B,151C,151D,151E(例えば、直径6m程度)に分岐され、それぞれ発電装置10A,10B,10C,10D,10Eに注水される。
なお、図7に示したように、各分岐入水管151A,151B,151C,151D,151Eは、発電装置毎に、さらに6つの注水側分管51に分岐され、それぞれ水槽2A,2Bに注水される。
また、本実施例では、各発電装置10A,10B,10C,10D,10Eで用いられた水は、排水管152(例えば、直径30m程度)を介して排水される。また、排水管152は、5つの管(分岐排水管ともいう)152A,152B,152C,152D,152E(例えば、直径6m程度)に分岐され、それぞれ発電装置10A,10B,10C,10D,10Eの排水に用いられる。
なお、図7に示したように、各分岐排水管152A,152B,152C,152D,152Eは、発電装置毎に、さらに6つの排水側分管52に分岐され、それぞれ水槽2A,2Bの排水に用いられる。
本実施例において、例えば、1ユニットあたりの発電装置は、幅14m及び奥行き11mで実現される。この場合、図10に示す発電システム全体の幅は、1ユニットあたりの発電装置の幅を考慮すると、70m程度確保すればよいことが分かる。また、図10に示す発電システム全体の奥行きは、1ユニットあたりの発電装置の奥行きと、入水管151及び排水管152の直径とを考慮すると、80m程度確保すればよいことが分かる。
また、実施例2の1ユニットあたり且つ1秒あたりの発電装置の消費水量がq=3(m/s)であるとすると、図7に示す発電システム全体の1秒あたりの消費水量は、15(m/s)であることが分かる。
すなわち、図10に示す発電システム全体の発電出力は、実施例2で示した1ユニットあたり且つ発電装置の発電出力の5倍程度となる。
なお本実施形態では複数の発電ユニットを並列に並べて発電を行う構成となっているが、複数の水槽2A,2Bを階段状に配置し、上段の水槽の排水口22から排水された液体Wが、下段の水槽の注水口21へ導かれるように発電ユニットを階段状に並べて発電を行う構成とすることもできる(図示せず)。階段状に並べた発電ユニットによれば、少ない流量の河川等であっても、効率的に発電を行うことができる。
本発明は、河川や湖から取り入れた水を利用して発電する発電設備の用途に適用できる。
【0002】
ばならない。しかし、一般に、河川や池、貯水地等から水をひいて、高所から高速且つ高圧で水を落下させることは、立地条件の確保等の点において非常に困難を伴うことが多かった。また、そのような立地条件を満たす設置場所に発電設備を設置した場合であっても、発電設備建設のために自然環境を破壊してしまう恐れがあった。
[0006]
また、水を高所から落下させるのではなく、河川に直接プロペラ型の水車やタービンを設定して、河川を流れる水の流速を利用して発電することも考えられるが、発電のために必要な水の流速や水圧を確保することは難しいといった問題があった。
[0007]
そこで、本発明は、液体(河川水等)を高所から落下させる立地条件を確保できない場合や多くの液量(水量)の確保が難しい場合であっても、非常に効率的に発電を行える小規模の発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
[0008]
本発明のピストン型水車を用いた発電装置は、上方または下方から液体(W)が注水され、また、下方から液体が排水される水槽(12,2)と、該水槽に注水された液体または該水槽から排水された液体の液量に伴いに上昇・下降する浮力体(11,1)と、回転運動により発電を行う発電機(16)と、前記水槽への液体の注水または前記水槽からの液体の排水に伴う前記浮力体の水槽内での上昇および下降の上下運動を動力として、前記発電機を回転させるための回転運動に変換する運動変換手段(17,7)と、を備えた、ピストン型水車を用いた発電装置であって、前記運動変換手段には、前記浮力体の上昇・下降を制御するストッパ機構(111)が備えられており、該ストッパ機構は、前記水槽(12,2)内への注水が完了して満水となる前までは水槽内底部に浮力体を沈めた状態で留め、水槽内がほぼ満水となった時点で浮力体の上昇を許可し、また、前記水槽内からの排水が完了して空となる前までは水槽内上部に浮力体を宙吊り状態で留め、水槽内がほぼ空となった時点で浮力体の下降を許可する、ことを特徴とする。
ここで、前記動力変換手段(17,7)を構成するコンロッド(172)にはフライホイールが取り付けられており、前記浮力体(11,1)が上死点または下死点で停止している際にも、前記コンロッドが慣性力によって回転して発電機に動力を与える、ことが好ましい。
[0009]
また、前記浮力体(11,1)内部には空洞部が形成されており、該空洞部には水槽(12,2)への注水により浮力体が発生する上昇力と、水槽からの排水により浮力体に発生する下降力とが同程度となる量の液体(W)が予め注水されている、ことが好ましい。
[0010]
さらに本発明は、前記水槽(12,2)の上部又は下部に形成された、液体(W)を注水するための注水口(121,21)と、前記水槽の下部に形成された、液体を排水するための排水口(122,22)と、該排水口を開閉するための排水口開閉弁(42,4a)と、を備え、該排水口開閉弁は、液体が水槽に溜まった液体からの水圧が所定値に達すると、排水口を開口して水槽に溜まった液体の排水し、水槽に溜まった液体の多くを排水した後に閉口する、ものとすることもできる。
[0011]
ここで本発明は、前記注水口(121,21)を開閉するための注水口開閉弁(41,4b)をさらに備え、該注水口開閉弁は前記排水口開閉弁(42,4a)の開閉に連動し、排
【0004】
排水する動作を繰り返すように制御することによって、浮力体の上下運動を回転運動に変換する。そのため、変換した回転運動によって発電機を大きな力によって回転させ、発電を行うことができる。これにより、水を高所から落下させる立地条件を確保できない場合であっても、発電を行うことができる。また流量が少ない河川・小川等であっても、その流量のほぼ全量を発電に利用することも可能であるため、非常に効率的に発電を行うことができる。
また、浮力体の上昇・下降を制御するストッパ機構を備えてやれば、浮力体が水槽内の液体の増減に従って徐々に昇降するのと比して、より大きな力で発電機を回転させて発電を行うことができる。
また、前記動力変換手段を構成するコンロッドにフライホイールを取り付けることにより、浮力体が停止している際にも、発電機に動力を与えることができるので、より効率的に発電を行うことが可能となる。
[0017]
ここで、浮力体内部の空洞部に予め所定量の液体が注水されているように構成すれば、浮力体の上昇力と下降力を同じくすることができ、発電機の回転をスムーズに行わせることができる。ここで液体の所定量とは、注水により浮力体が発生する上昇力(=浮力−荷重)と、排水により浮力体に発生する下降力(=荷重)とが同程度となるような液量をいう。
[0018]
また、水槽に溜まった液体の水圧を利用して排水口の開閉を行う機構を設ければ、電子的な制御によらずに排水口開閉弁の開閉を行うことができる。ここで水槽に注水口をさらに備えてやり、注水口開閉弁の開閉を排水口開閉弁の開閉に連動してやることで、より効率的な注水および排水により、発電効率を向上させることができる。
[0019]
また、水槽内に、注水口及び排水口を開閉するための板状のスライド開閉弁を注水口開閉弁および排水口開閉弁として備えれば、スライド開閉弁を上方向又は下方向に摺動させて移動させることによって、効率的に注水口及び排水口の開閉を行うことができる。
[0020]
[0021]
また、水槽に注水する液体を水槽よりも高い位置に設置した貯水タンクから導き入れるようにすることで、水槽からの排水中においても、河川等から導入した水を無駄にすることなく貯水タンクに溜めることができ、有効に河川水等を利用することができる。
[0022]
さらに、複数の水槽を階段状に配し、上段の水槽の排水口から排水された液体を下段の水槽の注水口に導くことで、少ない高低差、少ない水量の河川等であっても、

Claims (8)

  1. 上方または下方から液体(W)が注水され、また、下方から液体が排水される水槽(12,2)と、
    該水槽に注水された液体または該水槽から排水された液体の液量に伴いに上昇・下降する浮力体(11,1)と、
    回転運動により発電を行う発電機(16)と、
    前記水槽への液体の注水または前記水槽からの液体の排水に伴う前記浮力体の水槽内での上昇・下降の上下運動を、前記発電機を回転させるための回転運動に変換する運動変換手段(17,7)と、を備えた、ことを特徴とするピストン型水車を用いた発電装置。
  2. 前記浮力体(11,1)内部には空洞部が形成されており、
    該空洞部には予め所定量の液体(W)が注水されている、ことを特徴とする請求項1に記載のピストン型水車を用いた発電装置。
  3. 前記水槽(12,2)の上部又は下部に形成された、液体(W)を注水するための注水口(121,21)と、
    前記水槽の下部に形成された、液体を排水するための排水口(122,22)と、
    該排水口を開閉するための排水口開閉弁(42,4a)と、を備え、
    該排水口開閉弁は、液体が水槽に溜まった液体からの水圧が所定値に達すると、排水口を開口して水槽に溜まった液体の排水し、水槽に溜まった液体の多くを排水した後に閉口する、ことを特徴とする請求項1に記載のピストン型水車を用いた発電装置。
  4. 前記注水口(121,21)を開閉するための注水口開閉弁(41,4b)をさらに備え、
    該注水口開閉弁は前記排水口開閉弁(42,4a)の開閉に連動して、排水口開閉弁が開口すると閉口し、排水口開閉弁が閉口すると開口する、ことを特徴とする請求項3に記載のピストン型水車を用いた発電装置。
  5. 前記水槽(2A,2B)の上部又は下部に形成された、液体(W)を注水するための注水口(21)と、
    前記水槽の下部に形成された、液体を排水するための排水口(22)と、
    前記水槽に、前記注水口及び前記排水口を開閉するための板状のスライド開閉弁(4,4a,4b)と、を備え、
    該スライド開閉弁は、水槽の前記注水口及び前記排水口が設けられている面に摺動して移動することによって、前記排水口を開放し、水槽の前記注水口及び前記排水口が設けられている面に摺動して移動することによって、前記注水口を開放する、ことを特徴とする請求項1に記載のピストン型水車を用いた発電装置。
  6. 前記運動変換手段(17,7)には、前記浮力体(11,1)の上昇・下降を制御するストッパ機構(111)が備えられており、
    該ストッパ機構は、前記水槽(12,2)内への注水が完了して満水となる前までは水槽内底部に浮力体を沈めた状態で留め、水槽内がほぼ満水となった時点で浮力体の上昇を許可し、また、前記水槽内からの排水が完了して空となる前までは水槽内上部に浮力体を宙吊り状態で留め、水槽内がほぼ空となった時点で浮力体の下降を許可する、ことを特徴とする請求項1に記載のピストン型水車を用いた発電装置。
  7. 前記水槽(12,2)の上部又は下部に形成された、液体(W)を注水するための注水口(121,21)と、
    前記水槽の下部に形成された、液体を排水するための排水口(122,22)と、
    前記注水口を開閉するための注水口開閉弁(41,4b)と、
    前記排水口を開閉するための排水口開閉弁(42,4a)と、
    前記水槽の上面高さより高くにその底部が来る程度の高さに設置され、河川等から導き入れた液体(W)を一時的に貯水する貯水タンク(20)と、を備え、
    該貯水タンクに貯水した液体を、貯水タンクの底部から、前記注水口開閉弁を経て前記水槽に注水する、ことを特徴とする請求項1に記載のピストン型水車を用いた発電装置。
  8. 複数の水槽(12,2)が階段状に配置され、
    上段の水槽の排水口(122,22)から排水された液体(W)が、下段の水槽の注水口(121,21)へ導かれる、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のピストン型水車を用いた発電装置。
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