JPWO2006137510A1 - 脳血管障害時における出血低減剤 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬(PARP阻害薬)を含有してなる脳血管障害時における出血低減剤に関する。PARP阻害薬は血管内皮細胞障害抑制作用を有するため、脳血管障害時の出血を低減することができる。また、血栓溶解薬と併用することで、血栓溶解薬使用時に懸念される出血を抑制し、血栓溶解薬のセラピューティックタイムウインドウ延長効果も期待できる。さらにPARP阻害薬は、血液凝固系および線溶系には影響を与えないことから、副作用の少ない安全な出血低減剤となりうる。
Description
本発明は、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(以下、PARPと略する。)阻害薬を含有してなる脳血管障害時における出血低減剤に関する。
脳血管疾患は、脳組織への血流が減少あるいは消失する虚血性と頭蓋内に出血する出血性の2つに大別され、虚血性脳血管疾患としては、脳梗塞、一過性脳虚血発作(TIA)等が、出血性脳血管疾患には、脳出血、くも膜下出血等が挙げられる。
脳梗塞は、脳血管の動脈硬化あるいは脳以外から血流に乗って運ばれてきた血栓によって、脳血管が閉塞し、その先の血流が途絶えることにより脳細胞への栄養供給が途絶え、最終的には神経細胞の細胞死を招く神経疾患である。また脳梗塞の患者は急死を免れたとしても、しばしば半身麻痺や失語症等の神経細胞の機能障害による重大な後遺症を遺す。一般に脳梗塞の治療においては脳血流が遮断されてから、脳組織が不可逆性の変化をきたし壊死に陥る前に血流再開を行わなくてはならないとされている。脳梗塞急性期の治療方法は、発症後時間、重症度、臨床病型を参考に、抗血栓療法(血栓溶解療法、抗凝固療法、抗血小板療法)、脳保護療法、抗脳浮腫療法または血液希釈療法等から選択されるが、最近では、抗血栓薬と脳保護薬の併用療法が主流となっている。中でも、最も効果が期待できる治療法は血栓溶解療法である。血栓溶解療法は、血栓溶解薬を生体内に投与して病的血栓を溶解し、虚血組織に血液を再灌流する治療法である。例えば、血栓溶解薬である組織プラスミノーゲンアクチベーター(t−PA)は、脳梗塞発症後3時間以内の患者において有効であり、後遺症もほとんどないことが報告されている。しかしながら、虚血によって障害された血管に一気に血液が流れると、血管が破綻を来し出血する可能性があり、血栓溶解薬でもたらされた血液凝固異常はこれを助長する。したがって、血栓溶解薬は出血性合併症を引き起こす可能性が懸念されるため、血栓溶解療法のセラピューティックタイムウィンドウ(治療可能時間枠:Therapeutic time window:以下TTWと略記する。)は3〜6時間と狭く、例えばt−PAにおいては、発症後3時間以内で、CT早期虚血性変化や頭蓋内出血が認められないこと等の使用基準が設けられている。
また、脳梗塞の治療としては、薬物治療以外に、バルーンカテーテル等による経皮的血管形成術、ステント留置術、カテーテル等による血栓除去術等の外科的治療が行われる場合もあるが、虚血後の再灌流による急激な血流再開が、虚血によって破綻した血管からの出血を引き起こす可能性もある。
一方、PARP阻害薬は、PARPの異常活性化によるエネルギー産生系の破綻を抑制する作用を有するため、細胞死抑制剤として有用であることが報告されている。例えば、一般式(I)
(式中、すべての記号は後記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は、PARP阻害活性を有するため、虚血性疾患(脳梗塞、心筋梗塞、再灌流傷害、術後障害等)、炎症性疾患(炎症性腸疾患、多発性脳硬化症、関節炎、肺障害等)、神経変性疾患(錐体外路系障害、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋ジストロフィー、腰部脊柱管狭窄症等)、緑内障、糖尿病、糖尿病合併症、ショック、頭部外傷、脊髄損傷、腎不全、痛覚過敏、血流障害等の予防および/または治療剤として有用であり、また、抗レトロウイルス剤(HIV等)、抗癌療法の増感剤や免疫抑制剤としても有用であることが開示されている(特許文献1参照)。しかし、PARP阻害薬が脳血管障害時の出血を低減することは記載も示唆もされていない。
医薬として安全かつ有用な、脳血管障害時における出血低減剤が切望されている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、PARP阻害薬が脳血管障害時における出血を低減することを初めて見出した。また、本発明者らはPARP阻害薬が血管内皮細胞保護作用を有すること、および出血時間に影響しないことから、PARP阻害薬が血液凝固系および線溶系に影響せず出血を低減する安全かつ有用な出血低減剤となりうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬を含有してなる脳血管障害時における出血低減剤、
2. ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬が、GPI−15427、GPI−16539、GPI−18078、GPI−6000、GPI−6150、KU−0687、INO−1001、FK−866、4−(4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニル)−5−ヒドロキシイソキノリノン、FR−255595、FR−257516、FR−261529、FR−247304、M−50916、ABT−472、ONO−1924H、DR−2313、CEP−8983、AG−014699、BGP−15、AAI−028、PD−141076、PD−141703、国際公開第03/070707号明細書に記載された化合物、国際公開第00/044726号明細書に記載された化合物、国際公開第00/42040号明細書に記載された化合物、国際公開第01/16136号明細書に記載された化合物、国際公開第01/42219号明細書に記載された化合物および国際公開第01/70674号明細書に記載された化合物から選択される1種以上である前記1記載の剤、
3. ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬が、一般式(I)
(式中、R1は、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C1〜8アルコキシ基、(4)水酸基、(5)ハロゲン原子、(6)ニトロ基、(7)NR2R3基、(8)C2〜8アシル基、(9)フェニル基で置換されたC1〜8アルコキシ基、または(10)NR2R3基で置換されたC2〜8アシル基を表わし、R2およびR3は、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜8アルキル基を表わし、XおよびYは、それぞれ独立して、(1)C、(2)CH、または(3)Nを表わし、
は、(1)一重結合または(2)二重結合を表わし、
は、(1)一部または全部が飽和されたC3〜10の単環式炭素環アリール、または(2)酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む一部または全部が飽和された3〜10員の単環式ヘテロ環アリールを表わし、Aは、(1)A1、(2)A2、(3)A3、(4)A4、または(5)A5を表わし、A1は、
を表わし、A2は、
を表わし、A3は、
を表わし、A4は、
を表わし、A5は、
を表わし、D1は、(1)−NR6C(O)−基、(2)−NR6C(S)−基、(3)−NR6SO2−基、(4)−CH2−NR6−基、(5)−CH2−O−基、(6)−OC(O)−基、(7)−CH2−NR6C(O)−基、(8)−NR6C(O)NR7−基、(9)−NR6C(O)O−基、(10)−NR6C(S)NR7−基、(11)−NR6−基、または(12)−NR6C(=NR7)−基を表わし、R6およびR7は、それぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)フェニル基、または(4)フェニル基で置換されたC1〜8アルキル基を表わし、D2は、(1)C1〜8アルキレン基、(2)C2〜8アルケニレン基、(3)Cyc2、(4)−(C1〜4アルキレン)−O−(C1〜4アルキレン)−基、(5)−(C1〜4アルキレン)−S−(C1〜4アルキレン)−基、(6)−(C1〜4アルキレン)−NR8−(C1〜4アルキレン)−基、(7)−(Cyc2)−(C1〜8アルキレン)−基、(8)−(C1〜8アルキレン)−(Cyc2)−基、または(9)−(C1〜4アルキレン)−(Cyc2)−(C1〜4アルキレン)−基を表わし、R8は、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C1〜8アルコキシカルボニル基、(4)フェニル基、または(5)フェニル基で置換されたC1〜8アルキル基を表わし、D3は、(1)水素原子、(2)−NR9R10基、(3)Cyc3、(4)−OR11基、(5)COOR12基、(6)CONR13R14基、(7)シアノ基、(8)ハロゲン原子、(9)−C(=CR15)NR16R17基、または(10)−NR18C(=NR19)NR20R21基を表わし、R9およびR13は、それぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C2〜8アルケニル基、(4)C2〜8アルキニル基、(5)Cyc3、(6)C1〜8アルコキシ基、(7)C2〜8アルケニルオキシ基、(8)C2〜8アルキニルオキシ基、または(9)Cyc3、C1〜8アルコキシ基、C1〜8アルキルチオ基、シアノ基、水酸基、または1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜8アルキル基を表わし、R10およびR14は、それぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C2〜8アルケニル基、(4)C2〜8アルキニル基、(5)C1〜8アルコキシカルボニル基、(6)C2〜8アシル基、(7)C3〜8シクロアルキル基、(8)Cyc4、または1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜8アルコキシカルボニル基、または(9)C1〜8アルコキシ基で置換されたC1〜8アルキル基を表わし、R11およびR12は、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜8アルキル基を表わし、R15、R16、R17、R18、R19、R20およびR21はそれぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C1〜8アルコキシカルボニル基、(4)フェニル基、または(5)フェニル基で置換されたC1〜8アルキル基を表わし、R4は、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C1〜8アルコキシ基、(4)水酸基、(5)ハロゲン原子、(6)ニトロ基、または(7)NR22R23基を表わし、R22およびR23は、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜8アルキル基を表わし、E1は、C1〜4アルキレン基を表わし、E2は、(1)−C(O)NR24−基、(2)−NR24C(O)−基、(3)−NR24−基、(4)−C(O)O−基、または(5)−S−基を表わし、R24は、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、または(3)フェニル基で置換されたC1〜8アルキル基を表わし、E3は、(1)単結合、または(2)C1〜8アルキレン基を表わし、E4は、(1)C1〜8アルキル基、(2)C2〜8アルケニル基、(3)C2〜8アルキニル基、(4)Cyc5、(5)NR25R26基、(6)OR27基、(7)SR27基、(8)COOR27基、(9)2個のOR25基で置換されたC1〜8アルキル基、(10)1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1〜8アルキル基、(11)シアノ基、または(12)C2〜8アシル基を表わし、R25は(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C2〜8アルケニル基、(4)C2〜8アルキニル基、(5)Cyc5、または(6)Cyc5またはOR28基で置換されたC1〜8アルキル基を表わし、R26は、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C1〜8アルコキシカルボニル基、(4)フェニル基、または(5)フェニル基で置換されたC1〜8アルキル基を表わし、R27は、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)Cyc5、または(4)Cyc5で置換されたC1〜8アルキル基を表わし、R28は、(1)水素原子、または(2)C1〜8アルキル基を表わし、G1は、C1〜8アルキレン基を表わし、Cyc1は(1)一部または全部が飽和されていてもよいC3〜10の単環または二環式炭素環アリール、または(2)酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む一部または全部が飽和されていてもよい3〜10員の単環または二環式ヘテロ環アリールを表わし、G2は、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C1〜8アルコキシカルボニル基、(4)C2〜8アシル基、(5)Cyc6、(6)1〜2個のCyc6、水酸基、またはC1〜8アルコキシ基で置換されたC1〜8アルキル基またはC2〜8アルケニル基、(7)Cyc6で置換されたC1〜8アルコキシカルボニル基、(8)−C(O)−Cyc6基、(9)ニトロ基、(10)NR41R42基、(11)C1〜8アルコキシ基、または(12)NR41R42基で置換されたC1〜8アルキル基を表わし、R41およびR42は、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜8アルキル基を表わし、R5は、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C1〜8アルコキシ基、(4)水酸基、(5)ニトロ基、(6)NR29R30基、(7)NR29R30基で置換されたC1〜8アルキル基、(8)NHSO2OH基、(9)アミジノ基、(10)シアノ基、(11)ハロゲン原子、(12)Cyc8、または(13)Cyc8で置換されたC1〜8アルキル基を表わし、R29およびR30は、それぞれ独立して、(1)水素原子、または(2)C1〜8アルキル基を表わし、Cyc2、Cyc3、Cyc4、Cyc5、Cyc6、およびCyc8は、それぞれ独立して、(1)一部または全部が飽和されていてもよいC3〜10の単環または二環式炭素環アリール、または(2)酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む一部または全部が飽和されていてもよい3〜10員の単環または二環式ヘテロ環アリールを表わし、Cyc7は、(1)一部または全部が飽和されていてもよいC3〜10の単環または二環式炭素環アリール、または(2)酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む一部または全部が飽和されていてもよい3〜10員の単環または二環式ヘテロ環アリールを表わすが、Cyc7はベンゼン環を表わさず、Cyc2、Cyc3、Cyc4、Cyc5、Cyc6、およびCyc8は、(1)C1〜8アルキル基、(2)C2〜8アルケニル基、(3)C1〜8アルコキシ基、(4)ハロゲン原子、(5)トリハロメチル基、(6)トリハロメトキシ基、(7)C1〜8アルコキシカルボニル基、(8)オキソ基、(9)C1〜8アルコキシ基またはフェニル基で置換されたC1〜8アルキル基、(10)水酸基、および(11)NR29R30基から選択される1〜3個の基で置換されてもよい;mおよびnは、それぞれ独立して、1または2を表わす。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシドまたはその溶媒和物、またはそのプロドラッグである前記1記載の剤、
4. 一般式(I)で示される化合物が4−(N−(4−(モルホリン−4−イル)ブチル)カルバモイルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロフタラジン−1(2H)−オンである前記3記載の剤、
5. 出血が抗血栓治療に起因する出血である前記1記載の剤、
6. 出血が血栓溶解薬、抗凝固薬および抗血小板薬から選択される一種以上に起因する出血である前記1記載の剤、
7. 血管内皮細胞障害抑制剤である前記1記載の剤、
8. 血液−脳関門の修復および/または破綻抑制剤である前記7記載の剤、
9. 血栓溶解薬のセラピューティックタイムウィンドウ延長剤である前記1記載の剤、
10. 脳血管障害の予防および/または治療剤である前記1記載の剤、
11. 抗血栓治療による出血性合併症予防および/または治療剤である前記1記載の剤、
12. ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬と、血栓溶解薬、抗凝固薬、抗血小板薬、脳保護薬、抗脳浮腫薬、血漿増量薬、免疫抑制薬、細胞間接着因子阻害薬、インターロイキン−8拮抗薬およびステロイド薬から選択される一種以上とを組み合わせてなる脳血管障害時における出血低減剤、
13. 組み合わせてなる医薬が併用剤である前記12記載の剤、
14. ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬と、血栓溶解薬、抗凝固薬および抗血小板薬から選択される一種以上とを併用してなる前記13記載の剤、
15. ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬が4−(N−(4−(モルホリン−4−イル)ブチル)カルバモイルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロフタラジン−1(2H)−オンであり、血栓溶解薬がt−PA類である前記14記載の剤、
16. 出血が、出血性脳血管疾患における出血および/または虚血−再灌流に伴う出血である前記1記載の剤、
17. 血管内皮細胞保護剤である前記1記載の剤、
18. ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物における脳血管障害時における出血を低減する方法、
19. 脳血管障害時における出血低減剤を製造するための、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬の使用、
20. 4−(N−(4−(モルホリン−4−イル)ブチル)カルバモイルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロフタラジン−1(2H)−オンの有効量とt−PA類の有効量を組み合わせて哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物における脳血管障害時における出血を低減する方法、
21. 一種以上の薬物を組み合わせてなる脳血管障害時における出血低減剤を製造するための4−(N−(4−(モルホリン−4−イル)ブチル)カルバモイルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロフタラジン−1(2H)−オンおよびt−PA類の使用に関する。
1. ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬を含有してなる脳血管障害時における出血低減剤、
2. ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬が、GPI−15427、GPI−16539、GPI−18078、GPI−6000、GPI−6150、KU−0687、INO−1001、FK−866、4−(4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニル)−5−ヒドロキシイソキノリノン、FR−255595、FR−257516、FR−261529、FR−247304、M−50916、ABT−472、ONO−1924H、DR−2313、CEP−8983、AG−014699、BGP−15、AAI−028、PD−141076、PD−141703、国際公開第03/070707号明細書に記載された化合物、国際公開第00/044726号明細書に記載された化合物、国際公開第00/42040号明細書に記載された化合物、国際公開第01/16136号明細書に記載された化合物、国際公開第01/42219号明細書に記載された化合物および国際公開第01/70674号明細書に記載された化合物から選択される1種以上である前記1記載の剤、
3. ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬が、一般式(I)
4. 一般式(I)で示される化合物が4−(N−(4−(モルホリン−4−イル)ブチル)カルバモイルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロフタラジン−1(2H)−オンである前記3記載の剤、
5. 出血が抗血栓治療に起因する出血である前記1記載の剤、
6. 出血が血栓溶解薬、抗凝固薬および抗血小板薬から選択される一種以上に起因する出血である前記1記載の剤、
7. 血管内皮細胞障害抑制剤である前記1記載の剤、
8. 血液−脳関門の修復および/または破綻抑制剤である前記7記載の剤、
9. 血栓溶解薬のセラピューティックタイムウィンドウ延長剤である前記1記載の剤、
10. 脳血管障害の予防および/または治療剤である前記1記載の剤、
11. 抗血栓治療による出血性合併症予防および/または治療剤である前記1記載の剤、
12. ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬と、血栓溶解薬、抗凝固薬、抗血小板薬、脳保護薬、抗脳浮腫薬、血漿増量薬、免疫抑制薬、細胞間接着因子阻害薬、インターロイキン−8拮抗薬およびステロイド薬から選択される一種以上とを組み合わせてなる脳血管障害時における出血低減剤、
13. 組み合わせてなる医薬が併用剤である前記12記載の剤、
14. ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬と、血栓溶解薬、抗凝固薬および抗血小板薬から選択される一種以上とを併用してなる前記13記載の剤、
15. ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬が4−(N−(4−(モルホリン−4−イル)ブチル)カルバモイルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロフタラジン−1(2H)−オンであり、血栓溶解薬がt−PA類である前記14記載の剤、
16. 出血が、出血性脳血管疾患における出血および/または虚血−再灌流に伴う出血である前記1記載の剤、
17. 血管内皮細胞保護剤である前記1記載の剤、
18. ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物における脳血管障害時における出血を低減する方法、
19. 脳血管障害時における出血低減剤を製造するための、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬の使用、
20. 4−(N−(4−(モルホリン−4−イル)ブチル)カルバモイルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロフタラジン−1(2H)−オンの有効量とt−PA類の有効量を組み合わせて哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物における脳血管障害時における出血を低減する方法、
21. 一種以上の薬物を組み合わせてなる脳血管障害時における出血低減剤を製造するための4−(N−(4−(モルホリン−4−イル)ブチル)カルバモイルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロフタラジン−1(2H)−オンおよびt−PA類の使用に関する。
PARP阻害薬としては、PARP活性を阻害する化合物ならどのようなものでもよく、既知のPARP阻害薬だけでなく、今後見出されるPARP阻害薬をすべて包含する。
PARP阻害薬としては、例えば、一般式(I)で示される化合物、GPI−15427、GPI−16539、GPI−18078、GPI−6000、GPI−6150、KU−0687、INO−1001、FK−866、4−(4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニル)−5−ヒドロキシイソキノリノン、FR−255595、FR−257516、FR−261529、FR−247304、M−50916、ABT−472、ONO−1924H、DR−2313、CEP−8983、AG−014699、BGP−15、AAI−028、PD−141076、PD−141703、国際公開第03/070707号明細書に記載された化合物、国際公開第00/044726号明細書に記載された化合物、国際公開第00/42040号明細書に記載された化合物、国際公開第01/16136号明細書に記載された化合物、国際公開第01/42219号明細書に記載された化合物、国際公開第01/70674号明細書に記載された化合物等が挙げられる。
一般式(I)で示される化合物として好ましくは、4−(N−(4−(モルホリン−4−イル)ブチル)カルバモイルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロフタラジン−1(2H)−オン、その塩、そのN−オキシドまたはその溶媒和物、またはそのプロドラッグ等が挙げられる。
本明細書中、脳血管障害とは、脳の血管の異常が引き金になって現れる脳および/または神経系の障害を総称し、虚血性脳血管疾患(脳梗塞(脳血栓、脳塞栓)、一過性脳虚血発作(TIA)等)、出血性脳血管疾患(脳出血、くも膜下出血等)、もやもや病、血管奇形(海綿状血管腫、静脈性血管腫等)、特発性頚動脈海綿静脈洞瘻、慢性硬膜下血腫等が含まれる。
脳血管障害時の出血は、脳、胃、腸、腎臓、肺等でみられるが、本発明の出血低減剤は、特に脳における出血を低減させるものである。
脳血管障害時の出血には、出血性脳血管疾患における出血、虚血−再灌流に伴う出血等、脳における出血はすべて含まれる。また、再灌流としては自然再灌流、抗血栓治療による再灌流等が挙げられる。抗血栓治療には、血栓溶解療法、抗凝固療法、抗血小板療法、または、バルーンカテーテル等による経皮的血管形成術、ステント留置術、カテーテル等による血栓除去術等の外科的治療等が含まれる。
脳血管障害時の出血には、出血性脳血管疾患における出血、虚血−再灌流に伴う出血等、脳における出血はすべて含まれる。また、再灌流としては自然再灌流、抗血栓治療による再灌流等が挙げられる。抗血栓治療には、血栓溶解療法、抗凝固療法、抗血小板療法、または、バルーンカテーテル等による経皮的血管形成術、ステント留置術、カテーテル等による血栓除去術等の外科的治療等が含まれる。
血栓溶解療法、抗凝固療法および抗血小板療法には、それぞれ血栓溶解薬、抗凝固薬および抗血小板薬が用いられる。
血栓溶解薬としては、例えば、t−PA類(t−PA、アルテプラーゼ(alteplase)、チソキナーゼ(tisokinase)、ナテプラーゼ(nateplase)、パミテプラーゼ(pamiteplase)、モンテプラーゼ(monteplase)、デスモテプラーゼ(desmoteplase)等)、ウロキナーゼ(urokinase)、プロウロキナーゼ(prourokinase)、ナサルプラーゼ(nasaruplase)、ストレプトキナーゼ(streptokinase)等が挙げられる。ここで、t−PA類とは、t−PAおよびt−PAに改良を加えたもの(例えば、遺伝子組み換えt−PA、改変型t−PA)が挙げられる。
抗凝固薬としては、例えば、ヘパリン類(ヘパリンナトリウム(heparin sodium)、ヘパリンカルシウム(heparin calcium)、ヘパリノイド、低分子ヘパリン類(パルナパリン(parnaparin)、ダルテパリン(dalteparin)、ダナパロイド(danaparoid)、エノキサパリン(enoxaparin)、ナドロパリン(nadroparin)、ベミパリン(bemiparin)、レビパリン(reviparin)、チンザパリン(tinzaparin)等)等)、活性化血液凝固第X因子阻害薬(フォンダパリヌックス(fondaparinux)、DX−9065a、DU−176b、CS−3030、JTV−803、BMS−561389、BAY−59−7939、YM150、LY−517717、KFA−1982、KFA−1829、イドラパリヌックス(idraparinux)、DPC−423、DPC−602、DPC−A52350、Otamixaban、HMR2096、FXV−673、RPR−130673、MCM16、MCM17、TC−10、RPR−256580、RPR−225430、RPR−247978、RPR−231352、RPR−209685、RPR−208944、RPR−208815、RPR−208707、RPR−208566、RPR−200095、RPR−130338、RPR−130737、RPR−132747、RPR−128515、RPR−120844、M−55113、M−55190、M−55555、M−55529、MLN−1021、EGR−Xa、CI−1031、ZD−5227、AX−1826、ZK−813039、DE−00684、BIBT−986、BIBT−1011、BM−141248、PD−198961、PD−0313052、PD−313052、PMD−3112、PMD−3833、PMD−3805、PMD−3829、PMD−2612、PMD−2837、PMD−2566、SEL−2711、SSR−122497A、SSR−126517、SSR−128428、SSR−128429、SSR−80670A、SSR−121903A、SSR−122429A、SSR−122574A、Org−42675等)、活性化血液凝固第IX因子阻害薬(TTP−889、224AE3等)、ビタミンK拮抗薬(ワルファリン(warfarin)等)、抗トロンビン薬(アルガトロバン(argatroban)、メシル酸ガベキサート(gabexate mesilate)、メシル酸ナファモスタット(nafamostat mesilate)、キシメラガトラン(ximelagatran)、メラガトラン(melagatran)、ダビガトラン(dabigatran)、ビバリルディン(bivalirudin)、レピルジン(lepirudin)、ヒルジン(hirudin)、デシルジン(desirudin)、SSR−182289A、SR−123781A、S−18326、AZD−0837、LB−30870、L−375378、MCC−977、AT−1362等)、活性化プロテインC製剤(乾燥濃縮人活性化プロテインC(human activated protein C))、アンチトロンビンIII製剤、組織因子経路阻害薬、トロンボモジュリン製剤(ART−123、MR−33等)、カルボキシペプチダーゼU阻害薬(carboxypeptidase U inhibitor;thrombin-activatable fibrinolysis inhibitor(TAFI))(クエン酸ナトリウム、AZD−9684等)等が挙げられる。
抗血小板薬としては、例えば、アスピリン(aspirin)、チクロピジン(ticlopidine)、クロピドグレル(clopidogrel)、ジピリダモール(dipyridamole)、シロスタゾール(cilostazol)、オザグレル(ozagrel)、プラスグレル(prasugrel)、イコサペント酸エチル(ethyl icosapentate)、ベラプロスト(beraprost)、サルポグレラート(sarpogrelate)、リマプロスト(limaprost)、GPIIb/IIIa受容体拮抗薬(アブシキシマブ(abciximab)、チロフィバン(tirofiban)、エプチフィバチド(eptifibatide)、YM028等)、AZD6140等が挙げられる。
本発明において、血管内皮細胞保護とは、血管内皮細胞に正常な機能を保持させることを意味し、例えば、血管内皮細胞が何らかの原因により障害を起こしたり、損傷したり、変性したり、さらには細胞死を起こしたりすることを抑制するものである。また、物理的に正常な血管内皮細胞であっても、機能的に異常をきたした血管内皮細胞であれば、本発明の血管内皮細胞保護剤の対象として含まれる。血管内皮細胞保護作用には、血管内皮細胞障害抑制作用が包含される。
本明細書中、血管内皮細胞障害には、血管内皮細胞死、または血管内皮細胞機能障害等が含まれる。血管内皮細胞機能としては、例えば、血管の柔軟性維持、血球の漏れ防止、血管の収縮および拡張、または血栓防止等が挙げられるが、これらに限られたものではない。さらに、血管内皮細胞障害には、血液−脳関門の障害も含まれる。PARP阻害薬は血管内皮細胞障害抑制作用を有するため、血液−脳関門障害の修復や、破綻抑制効果をも期待できる。
本明細書中、セラピューティックタイムウインドウ(TTW)とは、後遺症をほとんど残すことなく治療することができる時間枠をいう。血栓溶解薬のTTWは約3〜6時間と考えられており、例えば、t−PAは、米国において、脳梗塞発症後3時間以内の症例で使用が認可されている。
本明細書中、C1〜8アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル基およびそれらの異性体である。
本明細書中、C2〜8アルケニル基とは、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル基およびそれらの異性体である。
本明細書中、C2〜8アルキニル基とは、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル基およびそれらの異性体である。
本明細書中、C2〜8アルケニル基とは、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル基およびそれらの異性体である。
本明細書中、C2〜8アルキニル基とは、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル基およびそれらの異性体である。
本明細書中、C1〜8アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ基およびそれらの異性体である。
本明細書中、C2〜8アルケニルオキシ基とは、エテニルオキシ、プロペニルオキシ、ブテニルオキシ、ペンテニルオキシ、ヘキセニルオキシ、ヘプテニルオキシ、オクテニルオキシ基およびそれらの異性体である。
本明細書中、C2〜8アルケニルオキシ基とは、エテニルオキシ、プロペニルオキシ、ブテニルオキシ、ペンテニルオキシ、ヘキセニルオキシ、ヘプテニルオキシ、オクテニルオキシ基およびそれらの異性体である。
本明細書中、C2〜8アルキニルオキシ基とは、エチニルオキシ、プロピニルオキシ、ブチニルオキシ、ペンチニルオキシ、ヘキシニルオキシ、ヘプチニルオキシ、オクチニルオキシ基およびそれらの異性体である。
本明細書中、C1〜8アルキルチオ基とは、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ基およびそれらの異性体である。
本明細書中、C1〜8アルキルチオ基とは、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ基およびそれらの異性体である。
本明細書中、C1〜4アルキレン基とは、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン基およびそれらの異性体である。
本明細書中、C1〜8アルキレン基とは、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン基およびそれらの異性体である。
本明細書中、C2〜8アルケニレン基とは、エテニレン、プロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン、ヘキセニレン、ヘプテニレン、オクテニレン基およびそれらの異性体である。
本明細書中、C1〜8アルキレン基とは、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン基およびそれらの異性体である。
本明細書中、C2〜8アルケニレン基とは、エテニレン、プロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン、ヘキセニレン、ヘプテニレン、オクテニレン基およびそれらの異性体である。
本明細書中、C1〜8アルコキシカルボニル基とは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル基およびそれらの異性体である。
本明細書中、トリハロメチル基とは、3個のハロゲン原子で置換されたメチル基である。
本明細書中、トリハロメトキシ基とは、3個のハロゲン原子で置換されたメトキシ基である。
本明細書中、トリハロメチル基とは、3個のハロゲン原子で置換されたメチル基である。
本明細書中、トリハロメトキシ基とは、3個のハロゲン原子で置換されたメトキシ基である。
本明細書中、C2〜8アシル基とは、エタノイル(アセチル)、プロパノイル(プロピオニル)、ブタノイル(ブチリル)、ペンタノイル(バレリル)、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル基およびそれらの異性体である。
本明細書中、C3〜8シクロアルキル基とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基である。
本明細書中、ハロゲン原子とは塩素、臭素、フッ素、ヨウ素原子を意味する。
本明細書中、C3〜8シクロアルキル基とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基である。
本明細書中、ハロゲン原子とは塩素、臭素、フッ素、ヨウ素原子を意味する。
本明細書中、
によって表わされる、一部または全部が飽和されたC3〜10の単環式炭素環アリールとしては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン等が挙げられる。
本明細書中、
によって表わされる、酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む一部または全部が飽和された3〜10員の単環式ヘテロ環アリールとしては、アジリジン、アゼチジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、オキシラン、オキセタン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、パーヒドロオキセピン、チイラン、チエタン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチイン(ジヒドロチオピラン)、テトラヒドロチイン(テトラヒドロチオピラン)、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、パーヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、ジチアン等が挙げられる。
本明細書中、Cyc1、Cyc2、Cyc3、Cyc4、Cyc5、Cyc6、Cyc7、およびCyc8によって表わされる、酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む一部または全部が飽和されていてもよい3〜10員の単環または二環式ヘテロ環アリールのうち、酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む3〜10員の単環または二環式ヘテロ環アリールとしては、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、チオフェン、チイン、チエピン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジチアナフタレン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、クロメン、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
また、酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む一部または全部が飽和された3〜10員の単環または二環式ヘテロ環アリールとしては、アジリジン、アゼチジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、オキシラン、オキセタン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、パーヒドロオキセピン、チイラン、チエタン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチイン(ジヒドロチオピラン)、テトラヒドロチイン(テトラヒドロチオピラン)、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、パーヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、パーヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、パーヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、パーヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、パーヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、パーヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、パーヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、パーヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、パーヒドロシンノリン、ベンズオキサチアン、ジヒドロベンズオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、ジチアン、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、クロマン、ベンゾジチオラン、ベンゾジチアン等が挙げられる。
上記ヘテロ環には、窒素原子が酸化されたN−オキシド体も含まれる。
上記ヘテロ環には、窒素原子が酸化されたN−オキシド体も含まれる。
本明細書中、Cyc1、Cyc2、Cyc3、Cyc4、Cyc5、Cyc6、Cyc7、およびCyc8によって表わされる、一部または全部が飽和されていてもよいC3〜10の単環または二環式炭素環アリールとしては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、ベンゼン、ペンタレン、アズレン、パーヒドロアズレン、パーヒドロペンタレン、インデン、パーヒドロインデン、インダン、ナフタレン、テトラヒドロナフタレン、パーヒドロナフタレン等が挙げられる。ただし、Cyc7はベンゼンを表わさない。
本発明においては、特に断わらない限り、当業者にとって明らかなように記号
は紙面の向こう側(すなわちα−配置)に結合していることを表わし、
は紙面の手前側(すなわちβ−配置)に結合していることを表わし、
はα−、β−またはそれらの混合物であることを表わす。
本発明においては、特に指示しない限り異性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基には直鎖のものおよび分枝鎖のものが含まれる。さらに、二重結合、環、縮合環における異性体(E、Z、シス、トランス体)、不斉炭素の存在等による異性体(R、S体、α、β配置、エナンチオマー、ジアステレオマー)、旋光性を有する光学活性体(D、L、d、l体)、クロマトグラフ分離による極性体(高極性体、低極性体)、平衡化合物、回転異性体、これらの任意の割合の混合物、ラセミ混合物は、すべて本発明に含まれる。
塩は、水溶性のものが好ましい。適当な塩としては、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩、薬学的に許容される有機アミン(テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩が挙げられる。
酸付加塩は水溶性であることが好ましい。適当な酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩のような無機酸塩、または酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩のような有機酸塩が挙げられる。
一般式(I)で示される化合物およびその塩は、溶媒和物に変換することもできる。
溶媒和物は非毒性かつ水溶性であることが好ましい。適当な溶媒和物としては、例えば水、アルコール系の溶媒(例えば、エタノール等)のような溶媒和物が挙げられる。
溶媒和物は非毒性かつ水溶性であることが好ましい。適当な溶媒和物としては、例えば水、アルコール系の溶媒(例えば、エタノール等)のような溶媒和物が挙げられる。
さらに塩には、四級アンモニウム塩も含まれる。四級アンモニウム塩とは、一般式(I)の化合物の窒素原子が、R0基によって四級化されたものを表わす。
R0基は、C1〜8アルキル基、フェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。
一般式(I)で示される化合物は任意の方法でN−オキシドにすることができる。N−オキシドとは、一般式(I)で示される化合物の窒素原子が、酸化されたものを表わす。
R0基は、C1〜8アルキル基、フェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。
一般式(I)で示される化合物は任意の方法でN−オキシドにすることができる。N−オキシドとは、一般式(I)で示される化合物の窒素原子が、酸化されたものを表わす。
また、一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは、生体内において酵素や胃酸等による反応により一般式(I)の化合物に変換する化合物をいう。一般式(I)の化合物のプロドラッグとしては、一般式(I)の化合物がアミノ基を有する場合、該アミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物(例、一般式(I)の化合物のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、アセトキシメチル化、tert−ブチル化された化合物など);一般式(I)の化合物が水酸基を有する場合、該水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例、一般式(I)の化合物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など);一般式(I)の化合物がカルボキシ基を有する場合該カルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例、一般式(I)の化合物のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物など);等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって製造することができる。また、一般式(I)の化合物のプロドラッグは水和物および非水和物のいずれであってもよい。また、一般式(I)の化合物のプロドラッグは、廣川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻「分子設計」163〜198頁に記載されているような、生理的条件で一般式(I)の化合物に変化するものであってもよい。さらに、一般式(I)の化合物は同位元素(例えば3H、14C、35S、125I等)等で標識されていてもよい。
[PARP阻害薬の製造方法]
本発明に用いられるPARP阻害薬は、公知の方法、国際公開第03/070707号明細書、国際公開第00/044726号明細書、国際公開第00/42040号明細書、国際公開第01/16136号明細書、国際公開第01/42219号および国際公開第01/70674号明細書等に記載された方法、またはそれに準じた方法等を適宜改良し、組み合わせて用いることで製造することができる。また、一般式(I)で示される化合物は、国際公開第03/070707号明細書に記載された方法か、それに準じた方法等を適宜改良し、組み合わせて用いることで製造することができる。
本発明に用いられるPARP阻害薬は、公知の方法、国際公開第03/070707号明細書、国際公開第00/044726号明細書、国際公開第00/42040号明細書、国際公開第01/16136号明細書、国際公開第01/42219号および国際公開第01/70674号明細書等に記載された方法、またはそれに準じた方法等を適宜改良し、組み合わせて用いることで製造することができる。また、一般式(I)で示される化合物は、国際公開第03/070707号明細書に記載された方法か、それに準じた方法等を適宜改良し、組み合わせて用いることで製造することができる。
[毒性]
本発明に用いられるPARP阻害薬、例えば一般式(I)で示される化合物の毒性は非常に低いものであり、医薬として使用するために十分安全である。
本発明に用いられるPARP阻害薬、例えば一般式(I)で示される化合物の毒性は非常に低いものであり、医薬として使用するために十分安全である。
[医薬品への適用]
PARP阻害薬は、血管内皮細胞障害抑制作用を有するため、脳血管障害時の出血を低減することができる。これより、PARP阻害剤は、脳内出血によって二次的におこる脳血管障害、および/または抗血栓治療(抗血栓療法(血栓溶解療法、抗凝固療法、抗血小板療法)または外科的治療(バルーンカテーテル等による経皮的血管形成術、ステント留置術、カテーテル等による血栓除去術等))による出血性合併症等の予防および/または治療に有用である。
PARP阻害薬は、血管内皮細胞障害抑制作用を有するため、脳血管障害時の出血を低減することができる。これより、PARP阻害剤は、脳内出血によって二次的におこる脳血管障害、および/または抗血栓治療(抗血栓療法(血栓溶解療法、抗凝固療法、抗血小板療法)または外科的治療(バルーンカテーテル等による経皮的血管形成術、ステント留置術、カテーテル等による血栓除去術等))による出血性合併症等の予防および/または治療に有用である。
PARP阻害薬は、血栓溶解薬、抗凝固薬および/または抗血小板薬と併用することによって、これらの薬剤に起因する出血を抑制する。したがって、TTWの狭い血栓溶解薬のTTW延長が期待できる。特に、t−PA類はTTWが3時間と狭いので、出血低減作用を有するPARP阻害薬との併用が有効である。さらに、PARP阻害薬は脳梗塞抑制作用も有していることから、血栓溶解薬、抗凝固薬および/または抗血小板薬と併用することによって、脳梗塞抑制作用の増強効果も期待できる。
一般式(I)で示される化合物等のPARP阻害薬は、1)該化合物の治療効果の補完および/または増強、2)該化合物の動態・吸収改善、投与量の低減、および/または3)該化合物の副作用の軽減のために他の薬剤と組み合わせて、併用剤として投与してもよい。
PARP阻害薬と他の薬剤の併用剤は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合には、同時投与および時間差による投与が含まれる。また、時間差による投与は、PARP阻害薬を先に投与し、他の薬剤を後に投与してもよいし、他の薬剤を先に投与し、PARP阻害薬を後に投与してもかまわず、それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
該他の薬剤は、低分子化合物であってもよく、また高分子の蛋白、ポリペプチド、ポリヌクレオチド(DNA、RNA、遺伝子)、アンチセンス、デコイ、抗体であるか、またはワクチン等であってもよい。他の薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、PARP阻害薬と他の薬剤の配合比は、投与対象の年齢および体重、投与方法、投与時間などにより適宜選択することができる。例えば、PARP阻害薬1質量部に対し、他の薬剤を0.01乃至100質量部用いればよい。他の薬剤は、例えば以下に示す同種群および異種群から任意の1種または2種以上を適宜の割合で組み合わせて投与してもよい。
該他の薬剤としては、前記した血栓溶解薬、抗凝固薬または抗血小板薬以外にも、脳保護薬(ラジカルスカベンジャー(エダラボン、エブセレン(DR-3305)等)、アストロサイトモジュレーター(ONO−2506等)、N−メチル−D−アスパラギン酸(N - methyl - D - aspartate;NMDA)拮抗薬、α−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチルイソオキサゾール−4−プロピオン酸(alpha-amino - 3- hydroxy - 5 - methylisoxazole - 4 - propionate;AMPA)拮抗薬、一酸化窒素合成酵素(NOS)阻害薬(L-NMMA、ONO-1714等)、カルシウム拮抗薬、ナトリウムチャネル拮抗薬、オピオイド拮抗薬、GABA作働薬、神経栄養因子等)、抗脳浮腫薬(グリセロール、マンニトール等)、血漿増量薬(デキストラン40、ヒドロキシエチルデンプン、アルブミン、ペンタスターチ(pentastarch)等)、免疫抑制薬(シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン、メトトレキサート、シクロホスファミド等)、細胞間接着因子阻害薬、インターロイキン−8拮抗薬、ステロイド薬等が挙げられる。
また、一般式(I)で示される化合物等のPARP阻害薬の予防および/または治療効果を補完および/または増強する他の薬剤には、上記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく今後見出されるものも含まれる。
一般式(I)で示される化合物等のPARP阻害薬は、必要に応じて、医薬として許容される添加剤を加え、単独製剤または配合製剤として汎用されている技術を用いて製剤化することができる。
本発明で用いる一般式(I)で示される化合物等のPARP阻害薬、または一般式(I)で示される化合物等と他の薬剤の併用剤を上記の目的で用いるには、通常、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。
投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常、成人一人あたり、1回につき、1ngから100mgの範囲で、1日1回から数回経口投与されるか、または成人一人あたり、1回につき、0.1ngから100mgの範囲で、1日1回から数回非経口投与されるか、または1mgから10mg/kg/時間を、または1日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与される。また、二種以上の投与方法を組み合わせて投与を行ってもよい。
また、例えば既に臨床で用いられているt−PAは、0.6mg/kgまたは0.9mg/kgを非経口的に、好ましくは静脈内に投与される。
もちろん前記したように、投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて必要な場合もある。
また、例えば既に臨床で用いられているt−PAは、0.6mg/kgまたは0.9mg/kgを非経口的に、好ましくは静脈内に投与される。
もちろん前記したように、投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて必要な場合もある。
本発明で用いる一般式(I)で示される化合物等のPARP阻害薬、または一般式(I)で示される化合物等と他の薬剤の併用剤を投与する際には、経口投与のための内服用固形剤、内服用液剤および、非経口投与のための注射剤等として用いられる。
経口投与のための内服用固形剤には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。カプセル剤には、ハードカプセルおよびソフトカプセルが含まれる。
このような内服用固形剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質はそのままか、または賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
経口投与のための内服用液剤は、薬剤的に許容される水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含む。このような液剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる希釈剤(精製水、エタノールまたはそれらの混液等)に溶解、懸濁または乳化される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤等を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては、すべての注射剤を含み、点滴剤をも包含する。例えば、筋肉への注射剤、皮下への注射剤、皮内への注射剤、動脈内への注射剤、静脈内への注射剤、腹腔内への注射剤、脊髄腔への注射剤、静脈内への点滴剤等を含む。
非経口投与のための注射剤としては、溶液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤を包含する。注射剤は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって調製される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
一般式(I)で示される化合物等のPARP阻害薬は血管内皮細胞障害抑制作用を有する。したがって、脳血管障害時の出血を低減することができる。また、血栓溶解薬等と併用することで、これらの薬剤による出血を低減し、血栓溶解薬のTTWを延長することが期待できる。
[生物学的実施例]
1.出血時間に対するPARP阻害薬の影響
ラット(雄性SD系ラット(7週齢);清水実験材料(SLC))をウレタン(1.2g/6mL/kg,i.p.)で麻酔し、被検物質投与用として左大腿静脈に塩化ビニール製カテーテル(JMSカットダウンチューブ,ジェイ・エム・エス)を留置した後、動物を37℃に設定した保温マット(マイクロテンプ,Seabrook Medical Systems)上に移した。生理食塩液、4−(N−(4−(モルホリン−4−イル)ブチル)カルバモイルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロフタラジン−1(2H)−オン(化合物A)(30 mg/kg)および陽性対照物質であるヘパリン(100 U/kg)を静脈内急速投与した。投与5分後、尾の先端2mmを剃刀(フェザー片刃)にて切断し、直ちに37℃に加温した生理食塩液(大塚生食注)中に浸し、出血が止まるまでの時間(最大30分)を測定し、これを出血時間とした。
対照群(生理食塩液投与群)の出血時間は約15分間であるのに対して、ヘパリン投与群は30分の測定時間中出血が持続していた。一方、化合物Aの出血時間は約15分であり、対照群の出血時間を延長あるいは短縮することがなかった。以上の結果から、PARP阻害薬は血液凝固系および線溶系に対して何ら影響を与えないことが示唆された。
1.出血時間に対するPARP阻害薬の影響
ラット(雄性SD系ラット(7週齢);清水実験材料(SLC))をウレタン(1.2g/6mL/kg,i.p.)で麻酔し、被検物質投与用として左大腿静脈に塩化ビニール製カテーテル(JMSカットダウンチューブ,ジェイ・エム・エス)を留置した後、動物を37℃に設定した保温マット(マイクロテンプ,Seabrook Medical Systems)上に移した。生理食塩液、4−(N−(4−(モルホリン−4−イル)ブチル)カルバモイルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロフタラジン−1(2H)−オン(化合物A)(30 mg/kg)および陽性対照物質であるヘパリン(100 U/kg)を静脈内急速投与した。投与5分後、尾の先端2mmを剃刀(フェザー片刃)にて切断し、直ちに37℃に加温した生理食塩液(大塚生食注)中に浸し、出血が止まるまでの時間(最大30分)を測定し、これを出血時間とした。
対照群(生理食塩液投与群)の出血時間は約15分間であるのに対して、ヘパリン投与群は30分の測定時間中出血が持続していた。一方、化合物Aの出血時間は約15分であり、対照群の出血時間を延長あるいは短縮することがなかった。以上の結果から、PARP阻害薬は血液凝固系および線溶系に対して何ら影響を与えないことが示唆された。
2.血管内皮細胞死に対するPARP阻害薬の効果
正常ヒト臍帯静脈内皮細胞(Cat.No.CRL-1730;大日本製薬(株))を、37℃、5%CO2条件下、血管内皮細胞用血清含有液体培地(日水製薬(株))で培養した。培養液の交換は2日に1回行い、コンフルエント状態まで増殖した細胞を継代培養した。ゼラチンコートした24wellプレート(Iwaki)に5×104 cells/mLの細胞懸濁液を500μL/wellで播種した。数日後、細胞がコンフルエント状態まで増殖しているのを確認後、培地を除去し、480μL/wellのダルベッコ改変イーグル培地(DMEM;GIBCO-BRL)に交換した。化合物Aはジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解後、DMEMで添加終濃度の50倍濃度になるよう調整した。滅菌は0.22μmの濾過滅菌用フィルター(Millex,MILLIPORE)を通して行った。濃度調整した化合物AのDMSO溶液を細胞に10μL/well添加し、その15分後、25 mM(終濃度0.5 mM)の過酸化水素を10μL/well添加して、37℃、5%CO2条件下で6時間インキュベートした。
評価はCell Counting Kit(DOJINDO)を用いたWST−1法(modulated MTT法)により行った。すなわち、上記の方法により細胞死を誘発後、Cell Counting Reagentを50μL/well添加し、37℃、5%CO2条件下で約2時間インキュベートした。終了後、培養上清を200μL/well回収し、その吸光度(450 nm)を測定した。コントロール群(無処置群)の細胞生存率を基準(100%)として、被験物質処置群の細胞死抑制率を算出した。
その結果、化合物Aは用量依存的に血管内皮細胞障害抑制作用を示した。これより、PARP阻害薬は、血管内皮細胞保護作用を有することが示唆された。
正常ヒト臍帯静脈内皮細胞(Cat.No.CRL-1730;大日本製薬(株))を、37℃、5%CO2条件下、血管内皮細胞用血清含有液体培地(日水製薬(株))で培養した。培養液の交換は2日に1回行い、コンフルエント状態まで増殖した細胞を継代培養した。ゼラチンコートした24wellプレート(Iwaki)に5×104 cells/mLの細胞懸濁液を500μL/wellで播種した。数日後、細胞がコンフルエント状態まで増殖しているのを確認後、培地を除去し、480μL/wellのダルベッコ改変イーグル培地(DMEM;GIBCO-BRL)に交換した。化合物Aはジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解後、DMEMで添加終濃度の50倍濃度になるよう調整した。滅菌は0.22μmの濾過滅菌用フィルター(Millex,MILLIPORE)を通して行った。濃度調整した化合物AのDMSO溶液を細胞に10μL/well添加し、その15分後、25 mM(終濃度0.5 mM)の過酸化水素を10μL/well添加して、37℃、5%CO2条件下で6時間インキュベートした。
評価はCell Counting Kit(DOJINDO)を用いたWST−1法(modulated MTT法)により行った。すなわち、上記の方法により細胞死を誘発後、Cell Counting Reagentを50μL/well添加し、37℃、5%CO2条件下で約2時間インキュベートした。終了後、培養上清を200μL/well回収し、その吸光度(450 nm)を測定した。コントロール群(無処置群)の細胞生存率を基準(100%)として、被験物質処置群の細胞死抑制率を算出した。
その結果、化合物Aは用量依存的に血管内皮細胞障害抑制作用を示した。これより、PARP阻害薬は、血管内皮細胞保護作用を有することが示唆された。
3.中大脳動脈閉塞−再開通モデルにおける脳出血に対するPARP阻害薬の効果
3−1:雄性自然発症高血圧ラットを用いた中大脳動脈閉塞−再開通モデルの作製
動物は雄性自然発症高血圧ラット(Spontaneously hypertensive rat(以下、SHRと略記する。)(14〜15週齢);日本チャールス・リバー)を使用した。ラット中大脳動脈(以下、MCAと略記する。)閉塞再開通モデルの作製は小泉らの方法(脳卒中8:1-7,1986)に従って行った。すなわち、ラットを30%酸素/70%室内気中、4%ハロタン(ハロタン気化器,シナノ製作所(株))により麻酔導入を行い、2.5%ハロタンにより麻酔を維持し、仰位に保定した。前頚部正中切開を行い、左頚動脈分岐部を中心に左側の総頚動脈および外頚動脈を周囲結合組織より剥離し、それぞれ糸を懸けて結紮した。その後、左内頚動脈を周囲結合組織より剥離し、糸を懸けた。4-0外科用ナイロン糸(NC滅菌手術糸,日腸工業(株))(長さ25 mm)の先から約5 mmの範囲を歯科用印象剤(XANTOPREN VL plusおよびOPTOSIL-XANTOPREN ACTIVATORの混和液,ヘレウスデンタルマテリアル(株))でシリコンコーティングした栓子を左頚動脈分岐部より左内頚動脈に挿入し、杉田式クリップ(瑞穂医科工業(株))で固定することにより左MCAの起始部を閉塞した。閉塞9時間後、ラットを30%酸素/70%室内気中、4%ハロタンにより麻酔導入を行い、2.5%ハロタンにより麻酔を維持し、栓子を引き抜きMCAの血流を再開させ、予め掛けておいた糸で左内頚動脈を結紮した。再開通直前に神経症状を観察し、神経症状スコアが5点以上を示す個体のみ再開通を行い評価に使用した。偽手術(sham)は左側の総頚動脈、外頚動脈および内頚動脈を周囲結合組織より剥離し、それぞれ糸を懸けて結紮した。生理食塩水および化合物A(3 mg/kg/h)を、閉塞直後から9時間静脈内持続投与(流速;10mL/kg/h)した。MCA閉塞24時間後に脳出血量を測定した。
3−1:雄性自然発症高血圧ラットを用いた中大脳動脈閉塞−再開通モデルの作製
動物は雄性自然発症高血圧ラット(Spontaneously hypertensive rat(以下、SHRと略記する。)(14〜15週齢);日本チャールス・リバー)を使用した。ラット中大脳動脈(以下、MCAと略記する。)閉塞再開通モデルの作製は小泉らの方法(脳卒中8:1-7,1986)に従って行った。すなわち、ラットを30%酸素/70%室内気中、4%ハロタン(ハロタン気化器,シナノ製作所(株))により麻酔導入を行い、2.5%ハロタンにより麻酔を維持し、仰位に保定した。前頚部正中切開を行い、左頚動脈分岐部を中心に左側の総頚動脈および外頚動脈を周囲結合組織より剥離し、それぞれ糸を懸けて結紮した。その後、左内頚動脈を周囲結合組織より剥離し、糸を懸けた。4-0外科用ナイロン糸(NC滅菌手術糸,日腸工業(株))(長さ25 mm)の先から約5 mmの範囲を歯科用印象剤(XANTOPREN VL plusおよびOPTOSIL-XANTOPREN ACTIVATORの混和液,ヘレウスデンタルマテリアル(株))でシリコンコーティングした栓子を左頚動脈分岐部より左内頚動脈に挿入し、杉田式クリップ(瑞穂医科工業(株))で固定することにより左MCAの起始部を閉塞した。閉塞9時間後、ラットを30%酸素/70%室内気中、4%ハロタンにより麻酔導入を行い、2.5%ハロタンにより麻酔を維持し、栓子を引き抜きMCAの血流を再開させ、予め掛けておいた糸で左内頚動脈を結紮した。再開通直前に神経症状を観察し、神経症状スコアが5点以上を示す個体のみ再開通を行い評価に使用した。偽手術(sham)は左側の総頚動脈、外頚動脈および内頚動脈を周囲結合組織より剥離し、それぞれ糸を懸けて結紮した。生理食塩水および化合物A(3 mg/kg/h)を、閉塞直後から9時間静脈内持続投与(流速;10mL/kg/h)した。MCA閉塞24時間後に脳出血量を測定した。
3−2:脳出血量の測定
脳出血量はAsahiらの方法(J Cereb Blood Flow Metab 20:452-457,2000)に従って脳内ヘモグロビン(Hb)含量を指標に測定した。すなわち、MCA閉塞24時間後に生理食塩液で全身灌流を行い、脳を摘出し、左(虚血側)大脳半球を採取した。左大脳半球にリン酸緩衝液を3 mL加え、組織破砕器で30秒間ホモジネートし、さらに超音波破砕器により60秒間ホモジネートした。その後、13000回転で30分間遠心分離し、その上清をHb測定用サンプルとして採取した。Hb測定用サンプル40 μLに対してドラブキン試薬160 μLを加え15分間室温で反応(Hb(酸化型,還元型の混在)をシアンメトHbに変換する反応)させた。その後、測光波長540 nmで吸光度を測定した。標準物質としては、正常ラットの大脳半球に血液0,2,4,8,16,32,64および128μLを加え上記の操作を行ったものを使用した。
その結果、偽手術群、生理食塩液投与群、化合物A投与群の脳内ヘモグロビン含量は、それぞれ13.0±1.1,25.5±2.2,17.7±1.3μLであり、SHRを用いた脳出血モデルにおける脳出血量増加に対して化合物A投与群は有意な抑制効果を発揮した。したがって、PARP阻害薬は、脳血管障害時の出血を低減することが示唆された。
また、脳内ヘモグロビン含量は以下の方法、すなわち酵素免疫測定法(ELISA)法を用いても測定することができる。MCA閉塞24時間後に生理食塩水で全身灌流を行い、脳を摘出し、左(閉塞側)大脳半球を採取した。左大脳半球にリン酸緩衝溶液(以下、PBSと略記する。)を3 mL加え、組織破砕器で30秒間ホモジネートし、さらに超音波破砕器により60秒間ホモジネートした。その後、13000回転で30分間遠心分離し、その上清をヘモグロビン測定用サンプルとして採取した。96wellプレートにサンプル(1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含む0.05% Tween 20添加PBS(以下、1% BSA-PBSTと略記する。)で100倍に希釈した。)および標準溶液として調製したヘモグロビン(5,10,20,40,80および160 ng/mL)を100μL/well添加し、4℃で1晩放置した。0.05% Tween 20含有PBSで3回洗浄し、1% BSA−PBSTを200μL/well添加し、室温で30分間放置した。抗ヘモグロビンウサギポリクローナル抗体(Biogenesis,1% BSA-PBSTで5000倍に希釈した。)を100μL/well添加し、室温で1時間放置した。0.05% Tween 20含有PBSで3回洗浄し、ホースラディッシュ ペルオキシダーゼ(HRP)標識ヤギ抗ウサギIgG抗体(Bio-Rad,1% BSA-PBSTで2500倍に希釈した。)を100μL/well添加し、室温で1時間放置した0.05% Tween 20含有PBSで4回洗浄し、ペルオキシダーゼ基質溶液(R&D Systems)を100μL/well添加した。室温で5分間放置し、停止液として200 mmol/L塩酸を100μL/well添加し、吸光度(450 nm)を測定した。吸光度の測定にはマイクロプレートリーダーSPECTRA MAX 250(日本モレキュラーデバイス(株))を用いた。
その結果、偽手術群、生理食塩液投与群、化合物A(1,3,10 mg/kg/h)投与群の脳内ヘモグロビン含量は、それぞれ4.5±0.74、19.6±2.21、15.4±2.19、15.5±2.14、10.3±1.24μg/mLであり、SHRを用いた脳出血モデルにおける脳出血量増加に対して化合物A投与群は有意な抑制効果を発揮した。したがって、PARP阻害薬は、脳血管障害時の出血を低減することが示唆された。
脳内ヘモグロビン量は以上の方法で測定することが可能であるが、これらに限定されるものではない。
脳出血量はAsahiらの方法(J Cereb Blood Flow Metab 20:452-457,2000)に従って脳内ヘモグロビン(Hb)含量を指標に測定した。すなわち、MCA閉塞24時間後に生理食塩液で全身灌流を行い、脳を摘出し、左(虚血側)大脳半球を採取した。左大脳半球にリン酸緩衝液を3 mL加え、組織破砕器で30秒間ホモジネートし、さらに超音波破砕器により60秒間ホモジネートした。その後、13000回転で30分間遠心分離し、その上清をHb測定用サンプルとして採取した。Hb測定用サンプル40 μLに対してドラブキン試薬160 μLを加え15分間室温で反応(Hb(酸化型,還元型の混在)をシアンメトHbに変換する反応)させた。その後、測光波長540 nmで吸光度を測定した。標準物質としては、正常ラットの大脳半球に血液0,2,4,8,16,32,64および128μLを加え上記の操作を行ったものを使用した。
その結果、偽手術群、生理食塩液投与群、化合物A投与群の脳内ヘモグロビン含量は、それぞれ13.0±1.1,25.5±2.2,17.7±1.3μLであり、SHRを用いた脳出血モデルにおける脳出血量増加に対して化合物A投与群は有意な抑制効果を発揮した。したがって、PARP阻害薬は、脳血管障害時の出血を低減することが示唆された。
また、脳内ヘモグロビン含量は以下の方法、すなわち酵素免疫測定法(ELISA)法を用いても測定することができる。MCA閉塞24時間後に生理食塩水で全身灌流を行い、脳を摘出し、左(閉塞側)大脳半球を採取した。左大脳半球にリン酸緩衝溶液(以下、PBSと略記する。)を3 mL加え、組織破砕器で30秒間ホモジネートし、さらに超音波破砕器により60秒間ホモジネートした。その後、13000回転で30分間遠心分離し、その上清をヘモグロビン測定用サンプルとして採取した。96wellプレートにサンプル(1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含む0.05% Tween 20添加PBS(以下、1% BSA-PBSTと略記する。)で100倍に希釈した。)および標準溶液として調製したヘモグロビン(5,10,20,40,80および160 ng/mL)を100μL/well添加し、4℃で1晩放置した。0.05% Tween 20含有PBSで3回洗浄し、1% BSA−PBSTを200μL/well添加し、室温で30分間放置した。抗ヘモグロビンウサギポリクローナル抗体(Biogenesis,1% BSA-PBSTで5000倍に希釈した。)を100μL/well添加し、室温で1時間放置した。0.05% Tween 20含有PBSで3回洗浄し、ホースラディッシュ ペルオキシダーゼ(HRP)標識ヤギ抗ウサギIgG抗体(Bio-Rad,1% BSA-PBSTで2500倍に希釈した。)を100μL/well添加し、室温で1時間放置した0.05% Tween 20含有PBSで4回洗浄し、ペルオキシダーゼ基質溶液(R&D Systems)を100μL/well添加した。室温で5分間放置し、停止液として200 mmol/L塩酸を100μL/well添加し、吸光度(450 nm)を測定した。吸光度の測定にはマイクロプレートリーダーSPECTRA MAX 250(日本モレキュラーデバイス(株))を用いた。
その結果、偽手術群、生理食塩液投与群、化合物A(1,3,10 mg/kg/h)投与群の脳内ヘモグロビン含量は、それぞれ4.5±0.74、19.6±2.21、15.4±2.19、15.5±2.14、10.3±1.24μg/mLであり、SHRを用いた脳出血モデルにおける脳出血量増加に対して化合物A投与群は有意な抑制効果を発揮した。したがって、PARP阻害薬は、脳血管障害時の出血を低減することが示唆された。
脳内ヘモグロビン量は以上の方法で測定することが可能であるが、これらに限定されるものではない。
4.SHRを用いた出血性脳梗塞モデルにおける血液−脳関門破綻に対するPARP阻害薬の効果
前記3−1における「雄性自然発症高血圧ラットを用いた中大脳動脈閉塞−再開通モデルの作製」にしたがって、SHRを用いた出血性脳梗塞モデルを作製する。
血液−脳関門の透過性は、エバンスブルー抽出法を用いて測定する。すなわち、血液−脳関門透過性のトレーサーとして2%エバンスブルーを4 mL/kgの容量で静脈内投与する。エバンスブルー投与1時間後に、生理食塩液で全身還流を行い、脳を摘出する。摘出した脳を左右大脳半球に分け、50%トリクロロ酢酸を3 mL加え、組織破砕機でホモジネートする。ホモジネート産物を4℃、12000回転で20分間遠心分離し、その上清の吸光度(620nm)を測定する。吸光度の測定にはマイクロプレートリーダー SPECTRA MAX 250(日本モレキュラーデバイス(株))を用いる。
MCA閉塞後3、6、9、12、18および24時間における脳内エバンスブルー漏出量を測定して、PARP阻害薬の効果を評価する。
前記3−1における「雄性自然発症高血圧ラットを用いた中大脳動脈閉塞−再開通モデルの作製」にしたがって、SHRを用いた出血性脳梗塞モデルを作製する。
血液−脳関門の透過性は、エバンスブルー抽出法を用いて測定する。すなわち、血液−脳関門透過性のトレーサーとして2%エバンスブルーを4 mL/kgの容量で静脈内投与する。エバンスブルー投与1時間後に、生理食塩液で全身還流を行い、脳を摘出する。摘出した脳を左右大脳半球に分け、50%トリクロロ酢酸を3 mL加え、組織破砕機でホモジネートする。ホモジネート産物を4℃、12000回転で20分間遠心分離し、その上清の吸光度(620nm)を測定する。吸光度の測定にはマイクロプレートリーダー SPECTRA MAX 250(日本モレキュラーデバイス(株))を用いる。
MCA閉塞後3、6、9、12、18および24時間における脳内エバンスブルー漏出量を測定して、PARP阻害薬の効果を評価する。
5.t−PA投与による脳内出血モデルに対するPARP阻害薬の効果
PIT(Photochemically induced thrombosis)モデルの作製は、Umemuraらの方法に従って行う。すなわち、ラットを30%酸素/70%室内気中、2.5%ハロタン吸入により麻酔を維持する。左眼窩側縁に沿って皮膚を切開し、側頭筋を一部切開し、眼窩外側壁に沿って側頭下窩を開く。手術用顕微鏡下に頭蓋底を歯科用ドリルにて約3 mmの楕円形の窓を削開する。窓の中にMCAが硬膜を通じて観察される。540 nmに吸収極大波長のある緑色光照射プローブ(浜松ホトニクス工業(株))をMCA上にセットする。ローズベンガル(和光純薬工業(株))(10〜20 mg/kg)を尾静脈より投与し、その直後より緑色光(40000ルクス)を照射してMCAに血栓を誘導する。手術用顕微鏡下にてMCAの完全閉塞を確認し、手術創を閉じる。
前記3−2と同様の方法でヘモグロビン含量を測定し、t−PAによる脳内出血が確認された条件において脳内ヘモグロビン含量を指標にPARP阻害薬の有効性評価を行う。
PIT(Photochemically induced thrombosis)モデルの作製は、Umemuraらの方法に従って行う。すなわち、ラットを30%酸素/70%室内気中、2.5%ハロタン吸入により麻酔を維持する。左眼窩側縁に沿って皮膚を切開し、側頭筋を一部切開し、眼窩外側壁に沿って側頭下窩を開く。手術用顕微鏡下に頭蓋底を歯科用ドリルにて約3 mmの楕円形の窓を削開する。窓の中にMCAが硬膜を通じて観察される。540 nmに吸収極大波長のある緑色光照射プローブ(浜松ホトニクス工業(株))をMCA上にセットする。ローズベンガル(和光純薬工業(株))(10〜20 mg/kg)を尾静脈より投与し、その直後より緑色光(40000ルクス)を照射してMCAに血栓を誘導する。手術用顕微鏡下にてMCAの完全閉塞を確認し、手術創を閉じる。
前記3−2と同様の方法でヘモグロビン含量を測定し、t−PAによる脳内出血が確認された条件において脳内ヘモグロビン含量を指標にPARP阻害薬の有効性評価を行う。
[製剤例]
本発明に用いられる代表的な製剤例を以下に示す。
製剤例1
化合物A(100g)、カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤、20.0g)、ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤、10.0g)、微結晶セルロース(870g)を常法により混合した後打錠して、一錠中に10mgの活性成分を含有する錠剤10,000錠を得た。
本発明に用いられる代表的な製剤例を以下に示す。
製剤例1
化合物A(100g)、カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤、20.0g)、ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤、10.0g)、微結晶セルロース(870g)を常法により混合した後打錠して、一錠中に10mgの活性成分を含有する錠剤10,000錠を得た。
製剤例2
化合物A(500g)、マンニトール(2kg)、蒸留水(50L)を常法により混合した後、常法により滅菌し、5mlずつアンプルに充填し、常法により凍結乾燥し、1アンプル中50mgの活性成分を含有するアンプル10,000本を得た。
化合物A(500g)、マンニトール(2kg)、蒸留水(50L)を常法により混合した後、常法により滅菌し、5mlずつアンプルに充填し、常法により凍結乾燥し、1アンプル中50mgの活性成分を含有するアンプル10,000本を得た。
PARP阻害薬は、血液凝固系および線溶系には影響を与えず、血管内皮細胞障害抑制作用によって脳血管障害時の出血を低減することができる。また、血栓溶解薬と併用することで、血栓溶解薬使用時に懸念される出血を抑制し、血栓溶解薬のTTW延長効果も期待できる。
Claims (21)
- ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬を含有してなる脳血管障害時における出血低減剤。
- ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬が、GPI−15427、GPI−16539、GPI−18078、GPI−6000、GPI−6150、KU−0687、INO−1001、FK−866、4−(4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニル)−5−ヒドロキシイソキノリノン、FR−255595、FR−257516、FR−261529、FR−247304、M−50916、ABT−472、ONO−1924H、DR−2313、CEP−8983、AG−014699、BGP−15、AAI−028、PD−141076、PD−141703、国際公開第03/070707号明細書に記載された化合物、国際公開第00/044726号明細書に記載された化合物、国際公開第00/42040号明細書に記載された化合物、国際公開第01/16136号明細書に記載された化合物、国際公開第01/42219号明細書に記載された化合物および国際公開第01/70674号明細書に記載された化合物から選択される1種以上である請求の範囲1記載の剤。
- ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬が、一般式(I)
- 一般式(I)で示される化合物が4−(N−(4−(モルホリン−4−イル)ブチル)カルバモイルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロフタラジン−1(2H)−オンである請求の範囲3記載の剤。
- 出血が抗血栓治療に起因する出血である請求の範囲1記載の剤。
- 出血が血栓溶解薬、抗凝固薬および抗血小板薬から選択される一種以上に起因する出血である請求の範囲1記載の剤。
- 血管内皮細胞障害抑制剤である請求の範囲1記載の剤。
- 血液−脳関門の修復および/または破綻抑制剤である請求の範囲7記載の剤。
- 血栓溶解薬のセラピューティックタイムウィンドウ延長剤である請求の範囲1記載の剤。
- 脳血管障害の予防および/または治療剤である請求の範囲1記載の剤。
- 抗血栓治療による出血性合併症予防および/または治療剤である請求の範囲1記載の剤。
- ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬と、血栓溶解薬、抗凝固薬、抗血小板薬、脳保護薬、抗脳浮腫薬、血漿増量薬、免疫抑制薬、細胞間接着因子阻害薬、インターロイキン−8拮抗薬およびステロイド薬から選択される一種以上とを組み合わせてなる脳血管障害時における出血低減剤。
- 組み合わせてなる医薬が併用剤である請求の範囲12記載の剤。
- ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬と、血栓溶解薬、抗凝固薬および抗血小板薬から選択される一種以上とを併用してなる請求の範囲13記載の剤。
- ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬が4−(N−(4−(モルホリン−4−イル)ブチル)カルバモイルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロフタラジン−1(2H)−オンであり、血栓溶解薬がt−PA類である請求の範囲14記載の剤。
- 出血が、出血性脳血管疾患における出血および/または虚血−再灌流に伴う出血である請求の範囲1記載の剤。
- 血管内皮細胞保護剤である請求の範囲1記載の剤。
- ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物における脳血管障害時における出血を低減する方法。
- 脳血管障害時における出血低減剤を製造するための、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬の使用。
- 4−(N−(4−(モルホリン−4−イル)ブチル)カルバモイルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロフタラジン−1(2H)−オンの有効量とt−PA類の有効量を組み合わせて哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物における脳血管障害時における出血を低減する方法。
- 一種以上の薬物を組み合わせてなる脳血管障害時における出血低減剤を製造するための4−(N−(4−(モルホリン−4−イル)ブチル)カルバモイルメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロフタラジン−1(2H)−オンおよびt−PA類の使用。
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