JPWO2006134884A1 - エステル化反応用反応装置並びにエステル化物及びその製造方法 - Google Patents
エステル化反応用反応装置並びにエステル化物及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2006134884A1 JPWO2006134884A1 JP2007521282A JP2007521282A JPWO2006134884A1 JP WO2006134884 A1 JPWO2006134884 A1 JP WO2006134884A1 JP 2007521282 A JP2007521282 A JP 2007521282A JP 2007521282 A JP2007521282 A JP 2007521282A JP WO2006134884 A1 JPWO2006134884 A1 JP WO2006134884A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reaction
- cylindrical container
- heating jacket
- cooling
- highest point
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C67/00—Preparation of carboxylic acid esters
- C07C67/03—Preparation of carboxylic acid esters by reacting an ester group with a hydroxy group
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C67/00—Preparation of carboxylic acid esters
- C07C67/08—Preparation of carboxylic acid esters by reacting carboxylic acids or symmetrical anhydrides with the hydroxy or O-metal group of organic compounds
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
Abstract
Description
アクリル酸等と、ヒドロキシル基を有する化合物とを用いたエステル化反応は、通常、冷加熱ジャケット12に加熱媒体を導入して、反応用原料を加熱しながら行われる。反応が進行するにつれ、エステル化物の生成、脱水による水の副生等により反応液の組成が変化する。従って、図4に示されるような反応装置2を用いると、攪拌により、冷加熱ジャケット12に覆われた円筒状容器11上方の内壁部分(気液界面付近)に不定時に達する反応液が過加熱され、該反応液に含まれている、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの熱重合体や副生成物がスケールとして上記内壁部分に固着する、更には、エステル化物の収率が低下するといった問題があった。
スケールの付着性を改善するために、例えば、特定のニッケル合金製の反応容器を使用する方法が開示されている(例えば、特許文献1等)。
本発明は、反応容器の内壁へのスケール付着を低減することができ、所望のエステル化物を高い操業性をもって製造することができる反応装置、並びに、この反応装置を用いたエステル化物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の反応装置は、円筒状容器と、該円筒状容器の外周部に配設された冷加熱ジャケットとを備え、上記円筒状容器内の反応液の液面最高点より、上記冷加熱ジャケットの配設位置の最高点を低くして、カルボン酸のエステル化反応を行う反応装置であって、上記冷加熱ジャケットの配設位置の最高点は、下記式を満たす位置にあることを特徴とする。
0.02<(y−x)/x<0.3
〔但し、xは円筒状容器の直胴部下端から冷加熱ジャケットの配設位置の最高点までの長さであり、yは円筒状容器の直胴部下端から反応液の液面最高点までの長さである。〕
上記冷加熱ジャケットは、一体型又は分割型であることが好ましい。
本発明のエステル化物の製造方法は、円筒状容器と、該円筒状容器の外周部に配設された冷加熱ジャケットとを備える反応装置を用い、カルボン酸、ヒドロキシル基を有する化合物、酸性触媒及び反応溶媒を含む反応用原料を上記円筒状容器に仕込んだ後、反応液の液面最高点を冷加熱ジャケットの配設位置の最高点より高くして、上記冷加熱ジャケットの配設位置の最高点が、下記式を満たすように制御しながら上記反応用原料を加熱することを特徴とする。
0.02<(y−x)/x<0.3
〔但し、xは円筒状容器の直胴部下端から冷加熱ジャケットの配設位置の最高点までの長さであり、yは円筒状容器の直胴部下端から反応液の液面最高点までの長さである。〕
上記加熱は、冷加熱ジャケット内に飽和水蒸気を導入して行うことが好ましい。
上記飽和水蒸気の圧力が、−0.07〜0.5MPaGの範囲にあることが好ましい。
上記エステル化は、反応溶媒を沸騰させながら行うことが好ましい。
上記カルボン酸が、アクリル酸及び/又はメタクリル酸であることが好ましい。
上記ヒドロキシル基を有する化合物が、2以上のヒドロキシル基を有することが好ましい。
本発明のエステル化物の製造方法によれば、不飽和カルボン酸のエステル化物を製造した場合等において、反応中に生成したエステル化物の重合体や副生成物等がスケールとして円筒状容器の内壁へ付着するのを低減することができ、所望のエステル化物を高収率で効率よく製造することができる。特に、カルボン酸としてアクリル酸及び/又はメタクリル酸を、ヒドロキシル基を有する化合物として2以上のヒドロキシル基を有する化合物を、それぞれ用いる場合には、蒸留等により精製しにくいエステル化物を、高収率で且つ効率よく製造することができる。
11;円筒状容器
12;(一体型)冷加熱ジャケット
121及び122;分割型冷加熱ジャケット
13;回転軸
14;攪拌翼
15;邪魔板
16;内部熱交換装置
18;反応液の液面
2;従来の反応装置。
1.反応装置
本発明の反応装置は、円筒状容器と、該円筒状容器の外周部に配設された冷加熱ジャケットとを備え、上記円筒状容器内の反応液の液面最高点より、上記冷加熱ジャケットの配設位置の最高点を低くして、カルボン酸のエステル化反応を行う反応装置であって、上記冷加熱ジャケットの配設位置の最高点は、下記式を満たす位置にあることを特徴とする。
0.02<(y−x)/x<0.3
〔但し、xは円筒状容器の直胴部下端から冷加熱ジャケットの配設位置の最高点までの長さであり、yは円筒状容器の直胴部下端から反応液の液面最高点までの長さである。〕
図1の反応装置1は、円筒状容器11と、該円筒状容器11の外周部(側周部)に配設された冷加熱ジャケット12とを備える。また、図2の反応装置1’は、円筒状容器11と、該円筒状容器11の外周部(側周部)に配設された、2基の冷加熱ジャケット121及び122とを備える。
上記円筒状容器の構成材料は、特に限定されないが、加熱等による熱伝導性に優れ、触媒成分により腐食等変質されない材料が好ましい。従って、上記円筒状容器の構成材料としては、ステンレス、ジルコニウム又はその合金、ニッケル合金等が挙げられる。また、上記材料からなるものであって、内壁面がグラスライニング処理された容器を用いることもできる。
また、上記「ニッケル合金」は、好ましくはニッケルを30質量%以上含むものであり、例えば、Ni−Cr合金、Ni−Mo合金、Ni−Cr−Mo合金等が挙げられる。
上記冷加熱ジャケット12は、反応液の温度調整を容易にするために、通常、円筒状容器11の底側から該円筒状容器11を覆うように配設されるが、配設位置は、エステル化反応を効率的に進める上で重要である。即ち、図1で示される、円筒状容器11の直胴部下端から冷加熱ジャケット12の配設位置の最高点までの長さxと、円筒状容器11の直胴部下端から反応液の液面最高点までの長さyとの間に特定の関係があり、0.02<(y−x)/x<0.3であり、好ましくは0.02<(y−x)/x<0.2、更に好ましくは0.02<(y−x)/x<0.1である。
(y−x)/x≧0.3の場合、即ち、冷加熱ジャケットの配設位置が低すぎると、反応系を所定の温度とするのに時間がかかり、効率的でなく、一方、(y−x)/x≦0.02では、スケールが大量に付着する場合がある。
尚、上記「円筒状容器の直胴部下端」とは、円筒状容器11における直胴部の垂直線上であって、底部への湾曲開始点をいう。
撹拌装置は、図1〜図4に示すように、通常、円筒状容器11内の中心部に垂設される回転軸13と、この回転軸13に配設される撹拌翼14とを備える。
攪拌翼は、円筒状容器の形状、反応用原料の体積等により、種類、数、配置等を選択することができる。尚、回転軸に配設される攪拌翼は、1種のみでよいし、2種以上を組み合わせてもよい。また、この攪拌翼14の配設位置は、図1等に示されるような、回転軸13の最下端であってよいし、最下端より上の位置であってもよい。
上記攪拌翼としては、パドル翼、後退翼、タービン翼、アンカー翼、プロペラ翼、ハイドロフォイル翼、リボン翼、スクリュー翼、大型翼等が挙げられる。パドル翼の場合、その形状は、回転軸を中心に左右線対称であることが好ましく、四角形のみならず三角形、五角形等種々の形状が適用できる。外端部が直線上でもよいし、曲線状でも鋸刃状でもよい。
また、上記攪拌翼は、折り目、フィン等を備えてもよい。
熱交換装置は、内部及び外部のいずれに配設してもよいが、内部に配設する場合には、反応液中とすることが好ましい。反応液の液面より上の気相部にある場合は、フッ素樹脂等により表面をコーティングして過加熱を防止することが好ましい。還流装置は、反応溶媒の回収機能のみを有してよいし、回収した反応溶媒を、円筒状容器上方の内壁に吹き付ける等により導入して濡れ壁を形成する装置を備えてもよい。また、濡れ壁の他の形成方法としては、上記反応液循環装置を用いて、反応液を導入する方法等がある。
図3の反応装置1"は、邪魔板15、内部熱交換装置16等を備えた装置である。
0.02<(y−x)/x<0.3
〔但し、xは円筒状容器の直胴部下端から冷加熱ジャケットの配設位置の最高点までの長さであり、yは円筒状容器の直胴部下端から反応液の液面最高点までの長さである。〕
尚、上記のアクリル酸、メタクリル酸等は、多塩基酸及び/又はその無水物と併用することができる。
多塩基酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ハイミック酸、エンド酸、ヘット酸等が挙げられる。
1価の不飽和アルコールとしては、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、ヘキシノール等が挙げられる。
尚、上記反応溶媒としては、エステル化反応により生成する水に対する溶解度が低い有機溶媒が好ましく、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン等が挙げられる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましく、なかでも、トルエンが好ましい。また、上記有機溶媒は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記酸性触媒の使用量は、上記成分(a)及び(b)の合計100質量部に対して、通常、0.5〜8.0質量部である。
上記重合防止剤の使用量は、生成するエステル化物の理論量100質量部に対して、通常、0.01〜1質量部である。
まず、反応用原料を円筒状容器に仕込む。このとき、反応用原料の液面(未攪拌時)の高さは、冷加熱ジャケットの配設位置の最高点より高いことが好ましいが、攪拌により、反応液の液面最高点が上記(y−x)/xの範囲を満たす高さであればよい。本発明に係るエステル化は、脱水反応を伴うことから、反応の進行により、反応系に水が含まれることとなるので、反応用原料を投入した時点で、その液面が、冷加熱ジャケットの配設位置の最高点より低い場合であっても、反応が進むにつれ、反応液の液面が少しずつ低下し、更に、攪拌により、上記(y−x)/xの範囲を満たす高さとなる場合がある。
尚、反応用原料に含まれる各成分は、反応開始前にそれぞれ全量を用いてよいし、分割し、反応中に適宜の割合で逐次添加してもよい。また、重合防止剤は、予め、全量を用いてよいし、反応の途中から、添加し始めてもよい。
上記円筒状容器の雰囲気は、特に限定されない。また、エステル化は、減圧下、常圧下及び加圧下のいずれの条件でも行うことができる。
反応温度は、成分(a)及び(b)並びに反応溶媒の種類及び量等に応じて選択されるが、例えば、反応溶媒がトルエン(1気圧における沸点110.6℃)である場合、好ましい反応温度は、60〜140℃であり、より好ましくは70〜130℃である。
また、反応溶媒がシクロヘキサンである場合には、好ましい反応温度は、60〜100℃であり、より好ましくは70〜95℃である。
上記反応温度が高すぎると、反応系が不安定になって副生成物が生成したり、ゲル化する場合がある。一方、反応温度が低すぎると、反応速度が低下し、生産性が低下する場合がある。
反応温度は、終始同一温度で行ってもよいが、反応の進行具合によって、異なる温度としてもよい。
反応液を攪拌すると、反応液の液面は、通常、攪拌翼を備える回転軸付近において低くなり、円筒状容器の内壁近くにおいて高くなる。本発明においては、上記式のように、円筒状容器の直胴部下端から冷加熱ジャケットの配設位置の最高点までの長さxと、円筒状容器の直胴部下端から反応液の液面最高点までの長さyとの間に特定の関係をもって、反応液の液面最高点を冷加熱ジャケットの配設位置の最高点より高くしてエステル化物を製造する。好ましい範囲は上記の通りである。
エステル化反応が終了した反応液は、未反応の成分(a)又は(b)、酸性触媒、副生成物等を除去するために中和、水洗される。中和の方法は、特に限定されないが、エステル化物の分解を抑制するために、水あるいは塩化ナトリウム等の中性塩の水溶液を用いて洗浄した後、塩基性水溶液で中和を行うことが好ましい。
反応液を洗浄した後、反応溶媒を留去する。この留去は、常圧下又は減圧下、通常、40〜130℃で加熱する。この温度が高すぎると、エステル化物の重合体が生成する場合がある。一方、低すぎると、反応溶媒の留去に長時間を要する。尚、加熱の際には、エステル化物の重合を防止するために、微量の酸素ガス又は空気を吹き込むことができる。
反応溶媒を留去後、濾過等により、夾雑物を除去し、所望のエステル化物を、高い収率で得ることができる。円筒状容器の内壁には、スケールが付着することがあるが、その場合は、ごくわずかな量であり、洗浄作業も容易である。
本例において用いた反応装置1は、内径2,500mm、内容積21m3であり、内圧を40〜101.3kPaの範囲で制御可能な、グラスライニング処理された円筒状容器11と、この円筒状容器11の外周部に配設され、且つ、内圧を−0.03〜0.4MPaGの範囲で制御可能な冷加熱ジャケット12と、回転軸13及び攪拌翼14を備える攪拌装置とを有する(図1参照)。冷加熱ジャケット12には、図示していないが、飽和水蒸気を供給できる供給装置が配設されている。
円筒状容器11の直胴部下端から冷加熱ジャケット12の配設位置の最高点までの長さ(x)は2,462mm、円筒状容器11の直胴部下端から上端までの長さ(z)は3,447mmであり、x/z=0.71である。
その後、反応系の内圧を46kPa、攪拌装置の回転数を50〜100rpmとし、内圧0.01MPaGの飽和水蒸気を導入した冷加熱ジャケットにより103℃に加熱し、反応時において、円筒状容器の直胴部下端から反応液の液面最高点までの長さyを用いて算出される、(y−x)/xが、0.07〜0.25の間に入るように調整し、還流しながら、脱水エステル化反応を17〜18時間行った。尚、反応は、ジペンタエリスリトールの消費率が90%となったところで終了した。
その後、純水2,000kgを用いて再度エステル化物を洗浄し、加熱下、27kPa以下に減圧しながら、反応溶媒であるトルエンを留去し、アクリル酸エステルのみを回収した。
反応終了後、円筒状容器の内壁表面を観察したところ、反応中の反応液の液面最高点近辺において、厚さ1mm程度の固着物が確認されたが、洗浄作業により、容易に除去することができた。
実施例1と同じ反応装置を用いて、エステル化物を製造した。
円筒状容器に、成分(a)としてアクリル酸6,124kg、成分(b)としてジペンタエリスリトール3,000kg、反応溶媒としてトルエン5,010kg、重合防止剤として塩化第二銅14kg、及び、重合触媒として78%硫酸144kgを投入した(反応用原料の液面は、円筒状容器の直胴部下端からみた高さで2,423mmである。)。
その後、反応系の内圧を46kPa、攪拌装置の回転数を50〜100rpmとし、内圧0.01MPaGの飽和水蒸気を導入した冷加熱ジャケットにより103℃に加熱し、反応時において、(y−x)/xが、0.05〜0.10の間に入るように調整し、還流しながら、脱水エステル化反応を16〜17時間行った。尚、反応は、ジペンタエリスリトールの消費率が90%となったところで終了した。
次いで、実施例1と同様にして後処理を行い、アクリル酸エステルを回収した。
反応終了後、円筒状容器の内壁表面を観察したところ、反応中の反応液の液面最高点近辺において、若干の汚れが確認されたが、洗浄作業により、容易に除去することができた。
実施例1と同じ反応装置を用いて、エステル化物を製造した。
円筒状容器に、成分(a)としてアクリル酸5,716kg、成分(b)としてジペンタエリスリトール2,800kg、反応溶媒としてトルエン4,676kg、重合防止剤として塩化第二銅13kg、及び、重合触媒として78%硫酸134kgを投入した(反応用原料の液面は、円筒状容器の直胴部下端からみた高さで2,229mmである。)。
その後、反応系の内圧を46kPa、攪拌装置の回転数を50〜100rpmとし、内圧0.01MPaGの飽和水蒸気を導入した冷加熱ジャケットにより103℃に加熱し、反応時において、(y−x)/xが、−0.15〜−0.05の間に入るように調整し、還流しながら、脱水エステル化反応を16〜17時間行った。尚、反応は、ジペンタエリスリトールの消費率が90%となったところで終了した。
次いで、実施例1と同様にして後処理を行い、アクリル酸エステルを回収した。
反応終了後、円筒状容器の内壁表面を観察したところ、反応中の反応液の液面最高点から300mm上方までの内壁に、厚さ約10mmの固着物が確認された。この固着物を分析した結果、エステル化物の重合体、反応に用いた触媒、重合禁止剤等が含まれていることが分かった。また、この固着物は、水酸化ナトリウム水溶液又は有機溶剤に対する溶解性が極めて低かった。
本例において用いた反応装置2は、内径2,400mm、内容積18.9m3であり、内圧を40〜101.3kPaの範囲で制御可能な、グラスライニング処理された円筒状容器11と、この円筒状容器11の外周部に配設され、且つ、内圧を−0.03〜0.4MPaGの範囲で制御可能な冷加熱ジャケット12と、回転軸13及び攪拌翼14を備える攪拌装置とを有する(図4参照)。冷加熱ジャケット12には、飽和水蒸気を供給できる供給装置が配設されている。
円筒状容器11の直胴部下端から冷加熱ジャケット12の配設位置の最高点までの長さ(x)及び円筒状容器11の直胴部下端から上端までの長さ(z)は同じ長さであり、3,700mmである。
その後、反応系の内圧を46kPa、攪拌装置の回転数を50〜100rpmとし、内圧0.01MPaGの飽和水蒸気を導入した冷加熱ジャケットにより103℃に加熱し、還流しながら、脱水エステル化反応を16〜17時間行った。尚、反応は、ジペンタエリスリトールの消費率が90%となったところで終了した。また、反応時において、円筒状容器の直胴部下端から反応液の液面最高点までの長さyを用いて算出される、(y−x)/xは、−0.30〜−0.20の間であった。
その後、純水1,800kgを用いて再度エステル化物を洗浄し、加熱下、27kPa以下に減圧しながら、反応溶媒であるトルエンを留去し、アクリル酸エステルのみを回収した。
反応終了後、円筒状容器の内壁表面を観察したところ、反応中の反応液の液面最高点から500mm上方までの内壁に、厚さ約50mmの固着物が確認された。
本発明のエステル化物が、成分(a)として、アクリル酸、メタクリル酸等を用いてなる化合物であった場合には、該エステル化物が熱、光、過酸化物等により重合しやすい性質を有することから、熱硬化性組成物、紫外線硬化性組成物、可視光線硬化性組成物、電子線硬化性組成物、室温硬化性組成物等の原料として好適である。この組成物は、インキ、塗料、接着剤、ポッティング剤、シーリング剤、成形材料等として多用される。
Claims (9)
- 円筒状容器と、該円筒状容器の外周部に配設された冷加熱ジャケットとを備え、上記円筒状容器内の反応液の液面最高点より、上記冷加熱ジャケットの配設位置の最高点を低くして、カルボン酸のエステル化反応を行う反応装置であって、
上記冷加熱ジャケットの配設位置の最高点は、下記式を満たす位置にあることを特徴とする反応装置。
0.02<(y−x)/x<0.3
〔但し、xは円筒状容器の直胴部下端から冷加熱ジャケットの配設位置の最高点までの長さであり、yは円筒状容器の直胴部下端から反応液の液面最高点までの長さである。〕 - 上記冷加熱ジャケットが、一体型又は分割型である請求項1に記載の反応装置。
- 円筒状容器と、該円筒状容器の外周部に配設された冷加熱ジャケットとを備える反応装置を用い、カルボン酸、ヒドロキシル基を有する化合物、酸性触媒及び反応溶媒を含む反応用原料を上記円筒状容器に仕込んだ後、反応液の液面最高点を冷加熱ジャケットの配設位置の最高点より高くして、上記冷加熱ジャケットの配設位置の最高点が、下記式を満たすように制御しながら上記反応用原料を加熱することを特徴とするエステル化物の製造方法。
0.02<(y−x)/x<0.3
〔但し、xは円筒状容器の直胴部下端から冷加熱ジャケットの配設位置の最高点までの長さであり、yは円筒状容器の直胴部下端から反応液の液面最高点までの長さである。〕 - 上記加熱は、冷加熱ジャケット内に飽和水蒸気を導入して行う請求項3に記載のエステル化物の製造方法。
- 上記飽和水蒸気の圧力が、−0.07〜0.5MPaGの範囲にある請求項4に記載のエステル化物の製造方法。
- 上記エステル化は、反応溶媒を沸騰させながら行う請求項3に記載のエステル化物の製造方法。
- 上記カルボン酸が、アクリル酸及び/又はメタクリル酸である請求項3に記載のエステル化物の製造方法。
- 上記ヒドロキシル基を有する化合物が、2以上のヒドロキシル基を有する請求項3に記載のエステル化物の製造方法。
- 請求項3に記載の製造方法により得られたことを特徴とするエステル化物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007521282A JP5109658B2 (ja) | 2005-06-14 | 2006-06-12 | エステル化物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005174281 | 2005-06-14 | ||
JP2005174281 | 2005-06-14 | ||
JP2007521282A JP5109658B2 (ja) | 2005-06-14 | 2006-06-12 | エステル化物の製造方法 |
PCT/JP2006/311775 WO2006134884A1 (ja) | 2005-06-14 | 2006-06-12 | エステル化反応用反応装置並びにエステル化物及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2006134884A1 true JPWO2006134884A1 (ja) | 2009-01-08 |
JP5109658B2 JP5109658B2 (ja) | 2012-12-26 |
Family
ID=37532246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007521282A Active JP5109658B2 (ja) | 2005-06-14 | 2006-06-12 | エステル化物の製造方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5109658B2 (ja) |
CN (1) | CN101184720A (ja) |
TW (1) | TW200712050A (ja) |
WO (1) | WO2006134884A1 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101787342B (zh) * | 2009-01-22 | 2012-11-14 | 上海日泰医药设备工程有限公司 | 玻璃生物反应容器 |
CN111971266B (zh) | 2018-03-28 | 2023-03-28 | 三菱化学株式会社 | 不饱和羧酸酯的制造方法 |
KR102611378B1 (ko) * | 2019-09-26 | 2023-12-08 | 주식회사 엘지화학 | 에스터화 반응장치 및 에스터화 반응방법 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001213844A (ja) * | 2000-02-02 | 2001-08-07 | Toagosei Co Ltd | アクリル酸エステルまたはメタアクリル酸エステル製造装置および製造方法 |
JP4051851B2 (ja) * | 2000-03-07 | 2008-02-27 | 東亞合成株式会社 | ポリ(メタ)アクリレートの製造方法 |
JP4580120B2 (ja) * | 2001-05-14 | 2010-11-10 | 株式会社日本触媒 | 不飽和カルボン酸エステルの製造方法 |
-
2006
- 2006-06-12 JP JP2007521282A patent/JP5109658B2/ja active Active
- 2006-06-12 CN CNA2006800183400A patent/CN101184720A/zh active Pending
- 2006-06-12 WO PCT/JP2006/311775 patent/WO2006134884A1/ja active Application Filing
- 2006-06-14 TW TW095121260A patent/TW200712050A/zh unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
TW200712050A (en) | 2007-04-01 |
CN101184720A (zh) | 2008-05-21 |
TWI360537B (ja) | 2012-03-21 |
WO2006134884A1 (ja) | 2006-12-21 |
JP5109658B2 (ja) | 2012-12-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN1147484C (zh) | 制备支链羧酸的缩水甘油酯的方法 | |
TW201114751A (en) | Process for preparing glycidyl esters of branched monocarboxylic acids | |
JPWO2006134884A1 (ja) | エステル化反応用反応装置並びにエステル化物及びその製造方法 | |
JP2005517003A (ja) | 不均一系触媒を用いる芳香族カーボネートの連続製造方法及びその反応装置 | |
JPH11507985A (ja) | 芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法 | |
JP4967385B2 (ja) | 芳香族ポリエステル製造装置の洗浄方法 | |
JP5141058B2 (ja) | 高純度塩化水素ガスの製造設備、高純度塩化水素ガスの製造方法、高純度塩化水素ガス製造設備の運転方法 | |
JP4134325B2 (ja) | 芳香族ポリエステルの製造法 | |
JP4477178B2 (ja) | (メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルエステルの製造方法 | |
JP6916364B1 (ja) | メタホウ酸の製造方法および当該メタホウ酸を用いた第2級アルコールの製造方法 | |
JP4951966B2 (ja) | 多官能(メタ)アクリレートの製造方法 | |
JP5303847B2 (ja) | 炭酸ジエステルの精製方法及びポリカーボネート樹脂の製造方法 | |
JP5464166B2 (ja) | 炭酸ジエステルの精製方法及びポリカーボネート樹脂の製造方法 | |
JP2009221406A (ja) | 液晶ポリエステルの製造方法 | |
JP2001213844A (ja) | アクリル酸エステルまたはメタアクリル酸エステル製造装置および製造方法 | |
JP2008201780A (ja) | ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法 | |
JP4580120B2 (ja) | 不飽和カルボン酸エステルの製造方法 | |
JP2003113144A (ja) | アルキルアリールカーボネートの製造方法 | |
JP2006307006A (ja) | 芳香族ポリエステルの製造方法 | |
JP2005132790A (ja) | 2−メチル−2−ヒドロキシ−1−プロピル(メタ)アクリレートの製造方法 | |
TWI565695B (zh) | (Meth) acrylic acid glycidyl ester | |
US20140316066A1 (en) | Method and System for Producing Polyester | |
JP4051851B2 (ja) | ポリ(メタ)アクリレートの製造方法 | |
JP2003300915A (ja) | ポリアルキレンテレフタレートからモノマーの製造方法 | |
JP2011052054A (ja) | 液晶ポリマー溶融重合装置の洗浄方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090403 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120117 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120308 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120626 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120808 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20120827 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120911 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120924 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5109658 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |