JPWO2006118268A1 - 慢性閉塞性肺疾患治療剤 - Google Patents
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Abstract
Description
慢性閉塞性肺疾患は、慢性気管支炎、肺気腫、又は両者の併発により惹起される気流閉塞(閉塞性換気障害)を特徴とする疾患であると定義されていたが、2001 年 4 月に発表された国際ガイドライン GOLD (Global initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)で、「完全に可逆的ではない気流閉塞を特徴とする疾患であり、この気流閉塞は通常進行性で、有害な粒子又はガスに対する異常な炎症反応と関連している」と定義された。COPDは、「タバコ等の有害ガス,粒子によって引き起こされる肺気腫、末梢気道病変により閉塞性換気障害を呈する慢性非特異性肺疾患」とも言い換えられる。病歴に関しては,タバコ喫煙歴が重要である。喫煙はCOPD の明確な原因であり、喫煙により閉塞性換気障害が慢性進行性に悪化する。その他のCOPD の原因として大気汚染、職業(煙を吸うような職業、例えば調理師)があげられ、促進因子として感染があげられる。COPD は、進行性、不可逆性の慢性疾患であり、原因のほとんどが喫煙であることから、進行を遅らせる治療は禁煙であり、呼吸不全(PaO2 60mmHg 以下)になってから予後の改善に有意に寄与したものは在宅酸素療法である。
COPD患者の気管支肺胞洗浄液の解析により、好中球数とTNF−α、IL-8の濃度が上昇していることが報告されている(非特許文献1)。また、COPD患者や病態動物モデルでの解析から、抗TNF−α療法がCOPDの治療や進展防止に有効である可能性が示唆されている(非特許文献2)。このことから、 IL-8 産生抑制、好中球の浸潤・活性化、 TNF- α産生抑制、 IL-8 、 TNF- αを産生する炎症細胞の1つである肺胞マクロファージの浸潤・活性化、気道上皮、肺胞壁の肥厚やそれに関与する因子、更には肺胞壁の破壊など気腫様病変やそれに関与する因子を抑制する薬剤が COPD の治療及び/または予防薬となると考えられる。」
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(1)式(1)
[Xは、酸素原子または硫黄原子を表す。
R1は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換の単環式もしくは二環式ヘテロ環基を表す。
R2は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換の単環式もしくは二環式ヘテロ環基、または−CON(R6)R7を表す。
R6は、水素原子または置換もしくは非置換アルキルを表す。R7は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R6)R7が環状イミノ基を表してもよい。
Y1は、単結合、置換もしくは非置換アルキレン、−CO(CH2)n−、−SO2(CH2)n−、−CONH(CH2)n−、−CSNH(CH2)n−、または−COO(CH2)n−を表す。
nは0から5の整数を表す。
波線は、(E)または(Z)配位を意味する。
R3は、水素原子、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、置換もしくは非置換二環式へテロ環基、または置換もしくは非置換シクロアルキルを表す。
Y2は、置換もしくは非置換アルキレン、またはアルケニレンを表す。
R4は、水素原子、置換もしくは非置換アルカノイル、置換もしくは非置換アルキル、−COOR8、−SO2R9、−COR10、−CON(R11)R12、−CSN(R13)R14、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、−C(=NH)N(R15)R16を表す。R5は、水素原子、または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R4)R5が環状イミノ基を表してもよい。
R8は、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R9は、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R10は、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R11は、水素原子またはアルキルを表す。R12は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールカルボニル、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。または、−N(R11)R12が環状イミノ基を表してもよい。R13は、水素原子またはアルキルを表す。R14は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールカルボニル、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。または、−N(R13)R14が環状イミノ基を表してもよい。
R15は、水素原子またはアルキルを表す。R16は水素原子または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R15)R16が環状イミノ基を表してもよい]
で表される5員環化合物もしくはその薬学上許容される塩、またはそれらのプロドラッグを投与することによって、慢性閉塞性肺疾患を予防及び/又は治療する方法。
-CH2CH2-NH(CO)NHCH3、R3がメタ置換フェニルである(1)に記載の慢性閉塞性肺疾患を予防及び/又は治療する方法。
(3)5員環化合物が式(2)で表される、N-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン -4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアである(1)に記載の慢性閉塞性肺疾患を予防及び/又は治療する方法。
(4)N-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン -4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアの結晶型が針状晶である(3)に記載の予防及び/又は治療方法。
(5)N-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン -4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアの融点が190-191℃である(3)に記載の予防及び/又は治療方法。
[Xは、酸素原子または硫黄原子を表す。
R1は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換の単環式もしくは二環式ヘテロ環基を表す。
R2は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換の単環式もしくは二環式ヘテロ環基、または−CON(R6)R7を表す。
R6は、水素原子または置換もしくは非置換アルキルを表す。R7は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R6)R7が環状イミノ基を表してもよい。
Y1は、単結合、置換もしくは非置換アルキレン、−CO(CH2)n−、−SO2(CH2)n−、−CONH(CH2)n−、−CSNH(CH2)n−、または−COO(CH2)n−を表す。
nは0から5の整数を表す。
波線は、(E)または(Z)配位を意味する。
R3は、水素原子、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、置換もしくは非置換二環式へテロ環基、または置換もしくは非置換シクロアルキルを表す。
Y2は、置換もしくは非置換アルキレン、またはアルケニレンを表す。
R4は、水素原子、置換もしくは非置換アルカノイル、置換もしくは非置換アルキル、−COOR8、−SO2R9、−COR10、−CON(R11)R12、−CSN(R13)R14、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、−C(=NH)N(R15)R16を表す。R5は、水素原子、または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R4)R5が環状イミノ基を表してもよい。
R8は、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R9は、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R10は、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R11は、水素原子またはアルキルを表す。R12は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールカルボニル、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。または、−N(R11)R12が環状イミノ基を表してもよい。R13は、水素原子またはアルキルを表す。R14は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールカルボニル、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。または、−N(R13)R14が環状イミノ基を表してもよい。
R15は、水素原子またはアルキルを表す。R16は水素原子または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R15)R16が環状イミノ基を表してもよい]
で表される5員環化合物もしくはその薬学上許容される塩、またはそれらのプロドラッグ含む慢性閉塞性肺疾患に対する予防及び/又は治療剤。
-CH2CH2-NH(CO)NHCH3、R3がメタ置換フェニルである(6)に記載の慢性閉塞性肺疾患に対する予防及び/又は治療剤。
(8)5員環化合物がN-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアである(6)記載の慢性閉塞性肺疾患に対する予防及び/又は治療剤。
(9)N-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアの結晶型が針状晶である(8)記載の慢性閉塞性肺疾患に対する予防及び/又は治療剤。
(10)N-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアの融点が190-191℃である(8)記載の慢性閉塞性肺疾患に対する予防及び/又は治療剤。
[Xは、酸素原子または硫黄原子を表す。
R1は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換の単環式もしくは二環式ヘテロ環基を表す。
R2は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換の単環式もしくは二環式ヘテロ環基、または−CON(R6)R7を表す。
R6は、水素原子または置換もしくは非置換アルキルを表す。R7は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R6)R7が環状イミノ基を表してもよい。
Y1は、単結合、置換もしくは非置換アルキレン、−CO(CH2)n−、−SO2(CH2)n−、−CONH(CH2)n−、−CSNH(CH2)n−、または−COO(CH2)n−を表す。
nは0から5の整数を表す。
波線は、(E)または(Z)配位を意味する。
R3は、水素原子、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、置換もしくは非置換二環式へテロ環基、または置換もしくは非置換シクロアルキルを表す。
Y2は、置換もしくは非置換アルキレン、またはアルケニレンを表す。
R4は、水素原子、置換もしくは非置換アルカノイル、置換もしくは非置換アルキル、−COOR8、−SO2R9、−COR10、−CON(R11)R12、−CSN(R13)R14、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、−C(=NH)N(R15)R16を表す。R5は、水素原子、または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R4)R5が環状イミノ基を表してもよい。
R8は、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R9は、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R10は、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R11は、水素原子またはアルキルを表す。R12は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールカルボニル、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。または、−N(R11)R12が環状イミノ基を表してもよい。R13は、水素原子またはアルキルを表す。R14は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールカルボニル、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。または、−N(R13)R14が環状イミノ基を表してもよい。
R15は、水素原子またはアルキルを表す。R16は水素原子または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R15)R16が環状イミノ基を表してもよい]
で表される5員環化合物もしくはその薬学上許容される塩、またはそれらのプロドラッグと併用剤としてステロイド剤もしくは抗コリン剤とを組み合わせることを特徴として投与することによって、慢性閉塞性肺疾患を予防及び/又は治療する方法。
(13)5員環化合物がN-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアであり、併用剤がステロイド剤である(11)に記載の慢性閉塞性肺疾患を予防及び/又は治療する方法。
(14)5員環化合物がN-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアであり、併用剤が抗コリン剤である(11)に記載の慢性閉塞性肺疾患を予防及び/又は治療する方法。
[Xは、酸素原子または硫黄原子を表す。
R1は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換の単環式もしくは二環式ヘテロ環基を表す。
R2は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換の単環式もしくは二環式ヘテロ環基、または−CON(R6)R7を表す。
R6は、水素原子または置換もしくは非置換アルキルを表す。R7は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R6)R7が環状イミノ基を表してもよい。
Y1は、単結合、置換もしくは非置換アルキレン、−CO(CH2)n−、−SO2(CH2)n−、−CONH(CH2)n−、−CSNH(CH2)n−、または−COO(CH2)n−を表す。
nは0から5の整数を表す。
波線は、(E)または(Z)配位を意味する。
R3は、水素原子、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、置換もしくは非置換二環式へテロ環基、または置換もしくは非置換シクロアルキルを表す。
Y2は、置換もしくは非置換アルキレン、またはアルケニレンを表す。
R4は、水素原子、置換もしくは非置換アルカノイル、置換もしくは非置換アルキル、−COOR8、−SO2R9、−COR10、−CON(R11)R12、−CSN(R13)R14、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、−C(=NH)N(R15)R16を表す。R5は、水素原子、または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R4)R5が環状イミノ基を表してもよい。
R8は、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R9は、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R10は、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R11は、水素原子またはアルキルを表す。R12は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールカルボニル、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。または、−N(R11)R12が環状イミノ基を表してもよい。R13は、水素原子またはアルキルを表す。R14は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールカルボニル、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。または、−N(R13)R14が環状イミノ基を表してもよい。
R15は、水素原子またはアルキルを表す。R16は水素原子または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R15)R16が環状イミノ基を表してもよい]
で表される5員環化合物もしくはその薬学上許容される塩、またはそれらのプロドラッグと併用剤としてステロイド剤もしくは抗コリン剤とを組み合わせることを特徴とする慢性閉塞性肺疾患に対する予防及び/又は治療剤。
(17)5員環化合物がN-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアであり、併用剤がステロイドである(15)に記載の慢性閉塞性肺疾患に対する予防及び/又は治療剤。
(18)5員環化合物がN-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアであり、併用剤が抗コリン剤である(15)に記載の慢性閉塞性肺疾患に対する予防及び/又は治療剤。
(19)式(2)で表される、N-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレア。
(20)結晶型が針状晶である(19)記載の化合物。
(21)融点が190-191℃である(19)記載の化合物。
「アルキル」としては、例えば直鎖または分枝鎖C1−C6アルキルが挙げられ、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、2−ブチル、3−メチル−2−プロピル、1,1−ジメチルエチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等が挙げられる。
「置換アルキル」における置換基としては、例えば水酸基、ハロゲン原子、アミノ、モノまたはジ(アルキル)アミノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシ、カルバモイル、モノまたはジ(アルキル)カルバモイル、環状イミノ基、アルコキシアルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、カルボキシアルコキシ、アルカノイルオキシ、アリールオキシ、アリール、アリールカルボニルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アルキルチオ、シクロアルキル、アリールアルコキシ、アリールアルキル(アルキル)アミノ、アリールスルホニル、アルキルスルホニル、カルバモイルアルコキシ、モノまたはジ(アルキル)カルバモイルアルコキシ、アリールスルホニルアミノ、アリールカルバモイルアミノ等が挙げられる(ここで挙げたアルキルは、アルコキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシ、ジアルキルアミノ、水酸基で置換されてもよい。ここで挙げられたアリールは、アルキル、アルコキシ、ハロゲン原子、水酸基で置換されてもよい)。これらの1つまたは同一もしくは異なる2つ以上から選ばれる。例えば、同一または異なる上記置換基の1〜3個、好ましくは1〜2個で置換されたアルキルが挙げられる。R4における置換アルキルで、特に好ましい置換基としては、水酸基、アルコキシ、モノもしくはジ(アルキル)アミノ、モルホリノ、カルボキシ、アルコキシアルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、カルボキシアルコキシ等が挙げられる。
「置換アルコキシ」における置換基としては、例えば、置換アルキルにおける置換基が挙げられる。
「ハロゲン置換アルコキシ」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子の1〜3個で置換された直鎖もしくは分枝鎖C1−C6アルコキシが挙げられ、具体的には、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ブロモメトキシ、2−フルオロエトキシ、3−フルオロプロポキシ、4−フルオロブトキシ等が挙げられる。
「ジアルキルアミノ」としては、例えば直鎖もしくは分枝鎖C1−C6アルキル2個で置換されたアミノが挙げられ、具体的には、例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジ−n−プロピルアミノ、ジ−n−ブチルアミノ等が挙げられる。
「ハロゲン原子」としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、好ましい例としてフッ素、塩素、臭素が挙げられる。
「シクロアルキル」としては、例えばC3−C8シクロアルキルが挙げられ、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル等が挙げられる。
「置換シクロアルキル」の置換基としては、例えばアルキル、アルコキシ、水酸基等が挙げられる。
「アルコキシカルボニル」としては、例えば直鎖もしくは分枝鎖C1−C6アルコキシカルボニルが挙げられ、具体的には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、2−プロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、2−ブトキシカルボニル、1−メチルプロポキシカルボニル、1,1−ジメチルエトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル等が挙げられる。
「置換アルカノイル」における置換基としては、例えば、置換アルキルにおける置換基が挙げられ、好ましくは、水酸基、アルコキシ、環状イミノ基、カルボキシ、アルコキシアルコキシ、カルボキシアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルカノイルオキシ、アリールオキシ、アリール、アリールカルボニルアミノ、アリールアミノ、アミノ、モノまたはジ(アルキル)アミノ、アリールアルキルアミノ、アロイルアミノ、アルカノイルアミノ、アルキルチオ、ハロゲン原子等が挙げられる。特に好ましい置換基としては、水酸基、アルコキシ、ジアルキルアミノ、モルホリノ、カルボキシ等が挙げられる。これらから任意に選ばれる1〜3個の置換基で置換することができ、好ましくは1〜2個の置換基で置換することができる。
「ジアルキルカルバモイル」としては、例えば直鎖もしくは分枝鎖C1−C6アルキル2個で置換されたカルバモイルが挙げられ、具体的には、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイル、ジ−n−プロピルカルバモイル、ジ−n−ブチルカルバモイル等が挙げられる。
「アルキルスルホニル」としては、例えば直鎖もしくは分枝鎖C1−C6アルキルスルホニルが挙げられ、具体的には、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、2−プロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、2−ブチルスルホニル、1−メチルプロピルスルホニル、1,1−ジメチルエチルスルホニル、n−ペンチルスルホニル、n−ヘキシルスルホニル等が挙げられる。
「アルキルスルファモイル」としては、例えば直鎖もしくは分枝鎖C1−C6アルキルスルファモイルが挙げられ、具体的には、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、n−プロピルスルファモイル、2−プロピルスルファモイル、n−ブチルスルファモイル、2−ブチルスルファモイル、1−メチルプロピルスルファモイル、1,1−ジメチルエチルスルファモイル、n−ペンチルスルファモイル、n−ヘキシルスルファモイル等が挙げられる。
「アルキルアミノチオカルボニル」としては、例えば直鎖もしくは分枝鎖C1−C6アルキル置換アミノチオカルボニルが挙げられ、具体的にはメチルアミノチオカルボニル、エチルアミノチオカルボニル、n−プロピルアミノチオカルボニル、n−ブチルアミノチオカルボニル、n−ペンチルアミノチオカルボニル、n−ヘキシルアミノチオカルボニル等が挙げられる。
「置換アルキレン」における置換基としては、例えば水酸基、アルコキシ、ハロゲン原子、アミノ、アルカノイルアミノ等が挙げられ、これらから任意に選ばれる1〜3個の置換基で置換することができ、好ましくは1〜2個の置換基で置換することができる。具体的な置換アルキレンとしては、2−ヒドロキシトリメチレン等が挙げられる。
「アルケニレン」としては、例えば直鎖もしくは分枝鎖C3−C6アルケニレンが挙げられ、具体的にはプロペニレン、ブテニレン、2−ブテニレン、ペンテニレン、2−ペンテニレン、3−ペンテニレン等が挙げられる。
「置換アリール」における置換基としては、例えばアルキル、アルコキシ、ハロゲン置換アルコキシ、水酸基、環状イミノ基、単環式ヘテロ環基、ハロゲン原子、カルボキシ、シアノ、アミノ、モノもしくはジ(アルキル)アミノ、ニトロ、ハロゲン原子もしくは水酸基で置換されたアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノもしくはジ(アルキル)カルバモイル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルファモイル、アルキルスルファモイル、ジアルキルスルファモイル、アリール、置換基としてアルキル、アルコキシ、ハロゲン原子および水酸基から選ばれる基で置換されたアリール等が挙げられる。好ましい置換基として、アルキル、アルコキシ、ハロゲン置換アルコキシ、水酸基、環状イミノ基、単環式ヘテロ環基、ハロゲン原子、ハロゲン原子もしくは水酸基で置換されたアルキル、メチレンジオキシ等が挙げられ、特に好ましくは、アルキル、アルコキシ、ハロゲン置換アルコキシ、水酸基、環状イミノ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ等が挙げられる。R1、R2およびR3における置換アリールの置換基の好ましい例としては、アルコキシ、ジ(アルキル)アミノ、ハロゲン置換アルコキシ、環状イミノ基、ハロゲン原子、ハロゲン原子もしくは水酸基で置換されたアルキル、メチレンジオキシ等が挙げられ、特に好ましくは、C1−C4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、モルホリノ、ハロゲン原子、メチレンジオキシ等が挙げられる。これらの置換基は、同一または異なって例えば1〜3個がアリールに置換することができ、好ましくは、1〜2個が置換することができる。
「単環式ヘテロ環基」としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれるヘテロ原子1〜3個を含む(但し、酸素原子と硫黄原子が同時に含まれることはない)5員または6員ヘテロ環基が挙げられ、具体的には、チエニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル等の芳香族ヘテロ環基、ジオキソラニル、ピラニル、ジオキサニル等の非芳香族ヘテロ環基等が挙げられる。好ましくは、芳香族ヘテロ環基が挙げられ、特に好ましくは、ピリジルが挙げられる。
「置換単環式ヘテロ環基」および「置換二環式ヘテロ環基」における置換基としては、例えば、アルキル、アルコキシ、ハロゲン原子、水酸基等が挙げられる。かかる置換基は、同一または異なって1〜3個が単環式ヘテロ環基に置換することができ、好ましくは1〜2個置換することができる。
「アロイル」としては、例えばC7−C11アロイルが挙げられ、具体的には、ベンゾイル、ナフトイル等が挙げられる。
本発明に含まれる化合物は、不斉を有する場合または不斉炭素を有する置換基を有する場合があり、光学異性体が存在しうる。本発明には、これらの各異性体の混合物や単離されたものが含まれる。本発明には、5員環化合物またはその薬学上許容される塩の水和物等の溶媒和物も含まれる。
5員環化合物は既存薬と異なる作用メカニズムを有することから、これらの疾患に処方される予防及び/又は治療剤と併用できる。例えば、抗アレルギー剤(化学伝達物質遊離阻害剤、抗ヒスタミン剤、抗ロイコトリエン剤、抗トロンボキサン剤、Th2サイトカイン阻害剤)、ステロイド剤(吸入ステロイド剤、点鼻ステロイド剤、内服ステロイド剤等)、免疫抑制剤(サイクロスポリン、タクロリムス水和物、ピメクロリムス等)、キサンチン系気管支拡張剤(テオフィリン等)、気管支や鼻腔の拡張薬(β刺激剤、交換神経刺激薬、副交換神経遮断薬(抗コリン薬)等)、ワクチン療法剤、金製剤、漢方製剤、これらの合剤(吸入β刺激剤と吸入ステロイド剤の合剤等)等との併用が可能である。特にステロイド剤やステロイドの合剤と併用する場合には、ステロイド剤やステロイドの合剤の治療効果が増強され、また、ステロイド剤やステロイドの合剤の減量もしくは離脱が可能となる。
吸入β刺激剤としては、例えば、サルメテロール、プロカテコール、マブテロール、トリメトキノール、ツブテロール、テオフィリン、サルブタノールなどが挙げられるが、好ましくはサルメテロールが挙げられる。ステロイド剤としては、例えば、フルチカゾン、ベクロメタゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾンなどが挙げられるが、好ましくはフルチカゾンが挙げられる。吸入β刺激剤と吸入ステロイド剤の合剤としては、例えば、サルメテロールとフルチカゾンの合剤が挙げられる。
カプセル剤は、5員環化合物又はその薬学上許容されうる塩又はその薬学上許容されうるプロドラッグを薬学的に許容される担体と共にカプセル中に入れることにより、薬学的に許容される賦形剤と共に混合し、又は賦形剤なしにカプセル中に入れることにより製剤できる。カシェ剤も同様の方法で製造できる。
散剤は、薬学的に許容される散剤の基剤と共に製剤化される。基剤としては、タルク、ラクトース、澱粉等が挙げられる。ドロップは、水性又は非水性の基剤と一種又はそれ以上の薬学的に許容される拡散剤、懸濁化剤、溶解剤等と共に製剤化できる。
以下、発明を完成するに至った実施例を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
theophylline はSigma-Aldrichより購入したものを使用した。
1H-NMR (CDCl3):δ1.35 (9H, s), 3.35 (2H, m), 3.74 (2H, m), 4.89 (1H, bs), 6.99 (3H, m), 7.37 (1H, m), 7.81 (1H, bs)
粉末X線結晶解析の2θを下記に示す。また、図を図1に示す。
融点: 190-191℃
IR: (KBr, cm-1) : 3328, 2949, 2852, 1618, 1595, 1577 .
1H-NMR (CDCl3):δ2.69 (3H, d, J=4.8), 3.26 (4H, t, J=4.8), 3.45 (2H, m), 3.89-3.93 (6H, m), 5.10-5.60(2H, m), 5.80 (1H, s), 6.80-6.93 (3H, m), 6.97 (2H, d, J=8.8), 7.28-7.54 (3H, m).
(1)臭化水素酸 N-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアの合成
N-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレア(455 mg) のクロロホルム (50 ml) 懸濁液に25%HBr/AcOH (0.32 g) を加えて30分撹拌溶解し、溶媒を留去後ジエチルエーテルを加えて沈殿物を濾取し、融点191〜193℃の結晶を得た。(520 mg)
(2)ベンゼンスルホン酸 N-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアの合成
ベンゼンスルホン酸 (158 mg) を用いて、上記同様の手法にて融点153.5〜156℃の結晶を得た。(610 mg)
(3)塩酸N-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアの合成
4N塩化水素ジオキサン溶液 (0.25 ml) を用いて、上記同様の手法にて融点188〜189℃の結晶を得た。(488 mg)
(4)硫酸N-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアの合成
硫酸 (98 mg) を用いて、上記同様の手法にて融点203〜204℃の結晶を得た。(530 mg)
(5)メタンスルホン酸N-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアの合成
メタンスルホン酸 (96 mg)を用いて、上記同様の手法にて融点206〜207.5℃の結晶を得た。(530 mg)
(1)4-アミノ-2-フルオロフェノールのトルエン溶液にクロロチオノギ酸フェニルを加え、30分後1N水酸化ナトリウム水溶液を加えた。室温に戻して3時間撹拌後、t−ブチル 2−(アミノエチル)カルバメートを加えて終夜撹拌した。t−ブチル 2−{[(3-フルオロ-4-ヒドロキシアニリノ)カルボチオイル]アミノ}エチルカルバメートを得た。
1H-NMR (DMSO-d6):δ2.46 (3H, d, J=4.7), 3.17-3.24 (6H, m), 3.72-3.76 (6H, m), 6.01 (1H, s), 6.63-6.66 (1H, m), 6.75-6.78 (1H, m), 6.87-6.93 (1H, m), 6.99 (2H, d, J = 8.85), and 7.29 (2H, d, J = 8.85).
1H-NMR (DMSO-d6):δ2.59 (3H, d, J=4.6), 3.24 (2H, q, J=5.9), 3.36 (2H, q, J = 6.3), 3.68 (2H, q, J = 5.9), 4.84(2H, t, J = 6.4), 4.83 (1H. t, J = 5.4), 5.77 (1H, d, J = 4.5), 6.04-6.10 (3H, m), 6.74 (2H, d, J = 8.6), 6.89-6.98 (3H, m), 7.26 (2H, d, J=8.6), 7.28-54 (1H, m).
1H-NMR (CDCl3):δ3.26 (4H, t, J = 4.9), 3.45 (2H, t, J = 5.7), 3.89-3.94 (6H, m), 5.79 (1H, s), 6.77-6.90 (3H, m), 6.97 (2H, d, J=8.8), 7.27-7.34 (3H, m).
(1)モルモット慢性閉塞性肺疾患(COPD)モデル
既報(2002年、第75回日本薬理学会(2002年) 抄録番号P-259 慢性閉塞性肺疾患の研究−タバコ煙曝露におけるモルモットのテオフィリンの呼吸機能および肺機能に関する影響 守住孝輔,渕上淳一 他)を参考に以下のように評価を行った。
雄性 Hartley系モルモット(日本エスエルシーより購入)をタバコ曝露ホルダー(RMH-TUBES,Muenster Ltd製)に入れて曝露チャンバー(Flow-past type nose-only inhalation chamber,Muenster Ltd製)に固定し、喫煙曝露装置(Hamburg II、Borgwaldt Technik製)を用いてタバコ(ハイライト、日本たばこ製)の煙を1日60分間、1週間に5日間、計4週間吸入させた。なお、4週目は、曝露を4日間とした。
(2)薬物投与
曝露1日目から試験薬物の0.5%MC 懸濁液を、5 ml/体重 (kg)、それぞれ1日1回、25日間連日経口投与した。偽曝露群(sham-exposure群)及び対照群(control群)には、0.5%MC 懸濁液を同様に経口投与した。いずれの経口投与も、タバコの煙曝露日は曝露0.5〜1時間前に、呼吸機能測定時には測定後に実施した。ただし、曝露4週目終了後の呼吸機能測定日の薬物投与は行わなかった。
総合呼吸機能解析システム(PULMOS-I、株式会社 M・I・P・S製)を用い、ダブルフロー・プレチスモグラフ法でモルモットの特異的気道抵抗(sRaw)を覚醒下で測定した。測定は曝露前、曝露1、2、3及び4週目終了の翌日に行った。それぞれ100呼吸分の呼吸機能を1匹ずつ測定し、その平均値を測定値とした。気道抵抗変化率は下記計算式で算出した。
各測定週の変化率(%)=100×(各測定日の測定値 タバコ煙曝露開始前の測定値)/タバコ煙曝露開始前の測定値
結果を表1に示した。
表1モルモットCOPDモデルにおける気道抵抗 (sRaw)変化に対する薬物の影響
4週目の気道抵抗測定終了後、動物をウレタン(1.6 mg/kg,i.p.)麻酔下にて気管を切開し、肺側にカニューレを挿入、結紮固定し、肺機能測定システム(バイオシステムマニューバ、Buxco Electronics製)にて、残気量(RV)及び機能的残気量(FRC)を測定した。
結果を表2に示した。
表2モルモットCOPDモデルにおける機能的残気量(FRC)、残気量(RV)変化に対する薬物の影響
肺機能の測定後、動物を放血致死させて開胸し、左気管支分岐部を結紮した後、肺機能測定時に固定したカニューレを介して生理食塩水 2.5 mLを右肺内に注入、吸引する操作を2回繰り返し(計5 mL)、その回収液を気管支肺胞洗浄液(Bronchoalveolar lavage fluid、BALF)とした。BALFを遠心分離し(230×g、4℃、10分間)細胞のペレットを得た。ペレットは0.5 mL の生理食塩水に懸濁し、懸濁液の一部に希釈倍率が10〜20倍になるようにチュルク液(和光純薬製)を加え、血球計数板にて0.1 μL 当りの白血球数を計測し、1 μL当りの白血球数を算出した。再度細胞懸濁液を調製し、約2000〜3000個の総細胞数を使用して塗末標本を作製し、メイグリンワルド・ギムザ染色を行い、顕微鏡にて白血球数を計数し、各白血球数の全白血球数に対する比率を求め、この比率に基づき1 μL当りの各細胞数を算出した。結果は1 μL当りの各細胞数で示した。
結果を表3に示した。
表3モルモットCOPDモデルにおける気管支肺胞洗浄液中白血球数変化に対する薬物の影響
BALF採取後、気管及び肺を摘出した。左肺の結紮部位を開放し、肺側に固定したカニューレを介して気管、気管支及び肺内に中性緩衝ホルマリン液を20 cm H2Oの圧で注入し、肺組織を拡張固定した。定法に従い、左肺後葉を用いて組織切片標本作成及びhematoxylin-eosin(HE)染色を実施した。それ以外の肺組織に関しては、中性緩衝ホルマリン液中で保管した。作成した組織標本について、顕微鏡下で組織変化をスコア化して薬効評価した。スコアの基準を以下に示す。-; 変化なし(none)、±; 軽微(minimal)、+; 軽度(mild)、++; 中等度(moderate)、+++; 重度(severe)。数値化においてはそれぞれ0、1、2、3、4として算出した。
結果を表4、図2に示した。
表4モルモットCOPDモデルにおける肺の病理所見変化に対する薬物の影響
A. Hyperplasia, epithelial cell, bronchus
B. Cellular exudation, neutrophil/eosinophil, lumen, bronchiole
C. Thickening, alveolar wall
D. Accumulation, foamy/macrophage-like cell, alveolus
E. Cellular infiltration, neutrophil, alveolus
##p<0.01vs. control (Wilcoxon's test).
*p<0.05 vs. control (Wilcoxon's test).
NS: not significant vs. control (Wilcoxon's test).
NS: not significant vs. control (Steel test)
Grade sign: −, none; ±, minimal; +, mild; ++, moderate; +++, severe.
表1から、タバコ喫煙刺激により、control群(曝露群)の気道抵抗は経時的に上昇し、タバコ曝露2、3、4週目にsham-exposure群(非曝露群)に対し有意な増加を示した。SMP-028の10 mg/kgおよび30 mg/kg群は、この気道抵抗の上昇に対して抑制傾向を示した。
表2から、タバコ喫煙刺激により、sham-exposure群に対しcontrol群の機能的残気量(FRC)および残気量(RV)は有意な増加を示した。SMP-028の10 mg/kgおよび30 mg/kg群は、この機能的残気量(FRC)および残気量(RV)の増加に対して抑制傾向を示した。
表3から、タバコ喫煙刺激により、sham-exposure群に対しcontrol群では総細胞数、マクロファージおよび好中球が気管、肺へ浸潤していた。これら炎症細胞の気道内浸潤に対して、SMP-028の10 mg/kgおよび30 mg/kg群は抑制傾向を示した。
表4から、タバコ喫煙刺激により、control群において肺胞内の泡沫細胞/マクロファージ様細胞の集積、および肺胞壁の肥厚が認められた。このほか気管支上皮の軽微な過形成、細気管支腔内への好中球/好酸球滲出が認められた。これらの所見はヒト慢性閉塞性肺疾患と類似する肺病変である。これら病理変化に対し、SMP-028の10 mg/kgおよび30 mg/kg群で肺胞内の泡沫細胞/マクロファージ様細胞の集積、および肺胞壁の肥厚に対して軽減傾向が認められた。この病理所見をスコア化した結果を図2に示した。control群における病理所見に対してSMP-028は用量依存的に抑制傾向を示した。
SMP-028は、本モデルにおいて呼吸機能、肺機能、肺胞破壊や炎症に対して改善傾向を示し、喫煙刺激が原因となるこれら肺病変の進行を防止し、慢性閉塞性肺疾患の治療方法として非常に有用であることが示された。
試験化合物を用いて、以下のように、各種CYPに対する阻害試験を行う。
阻害剤と添加濃度
反応系 (終濃度)
反応液量 250μL
反応時間 15min
n=2
1tubeあたりの添加量
Internal Standard(I.S.)入りメタノール
I.S. 10μg/ml を100μl をメタノールで100mlにメスアップ。
5mM NADPH (M.W. 745.43 純度 82.9% )
NADPHを秤量し、イオン交換水で溶解。
上記組成のうち、共通のKpi、Microsome(Ms)、substrate 精製水(NADPH以外)の混合溶液を作製
混合溶液197.5μlを阻害剤2.5μlを分注したエッペンチューブにとる
↓
15min反応用のチューブに5mM NADPH 50μlを添加することにより反応開始
↓
37℃、15min incubation
↓
I.S.入りメタノール750μlを添加することにより反応停止
↓
0minのサンプルはI.S.入りメタノール750μlを添加した後、
5mM NADPH 50μlを添加
↓
フィルタープレートで吸引ろ過
↓
LC-MS/MS (6号機、API4000)にて分析
LC/MS/MS分析条件
Carrier :10mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH4)/MeOH=A/B
Column :Inertsil 2.1*50mm (3um)、40℃
Positive
C57BL/6マウス(チャールスリバー、雄、6週齢)を入荷し、1週間の検疫期間を終え異常のない動物を実験に使用する。0.5%メチルセルロース水溶液(MC)に懸濁した試験化合物を、1日1回、5日間連続経口投与(10 mL/kg)を行う。試験化合物の投与量は30、100および300 mg/kgとする。コントロール群には0.5%MCを同様に投与する。最終投与9時間後にエーテル麻酔下で心臓より全採血し、セパラピッドチューブを用いて血清を分離する。分離した血清はT4測定まで-80℃に保存する。T4はtotal thyroxine(T4) enzyme immunoassay test kit (ICN社、Cat No.07B90102)を用いて測定する。
材料及び方法
(1)試験化合物
(2)動物:ラット、Crj:CD(SD)IGS、雄、投与開始時5週齢
(3)投与液の調製法:被験物質を0.5%MC溶液に懸濁し、0.5%MC溶液を用いて順次希釈液を調製する。
(4)投与経路及び方法:ディスポーザブル注射筒及び弾性カテーテルを用いて1日1回(午前中)強制経口投与を行なう。
観察・測定及び検査;
a. 投与期間中
(i)一般症状:投与期間を通じて、毎日1回以上全動物について観察する。
(ii)体重:投与1,4,8日目および最終投与日、さらに解剖日に全動物について測定する。
(iii)摂餌量:投与期間を通じて、週1回の頻度で体重測定日を含む連続約48時間の摂取量をケージごとに測定する。
b. 投与期間終了時
(i)血液学的検査
(ii)血液生化学的検査
(iii)器官重量
(iv)剖検
(v)病理組織学的検査
Claims (21)
- 式(1)
[Xは、酸素原子または硫黄原子を表す。
R1は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換の単環式もしくは二環式ヘテロ環基を表す。
R2は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換の単環式もしくは二環式ヘテロ環基、または−CON(R6)R7を表す。
R6は、水素原子または置換もしくは非置換アルキルを表す。R7は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R6)R7が環状イミノ基を表してもよい。
Y1は、単結合、置換もしくは非置換アルキレン、−CO(CH2)n−、−SO2(CH2)n−、−CONH(CH2)n−、−CSNH(CH2)n−、または−COO(CH2)n−を表す。
nは0から5の整数を表す。
波線は、(E)または(Z)配位を意味する。
R3は、水素原子、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、置換もしくは非置換二環式へテロ環基、または置換もしくは非置換シクロアルキルを表す。
Y2は、置換もしくは非置換アルキレン、またはアルケニレンを表す。
R4は、水素原子、置換もしくは非置換アルカノイル、置換もしくは非置換アルキル、−COOR8、−SO2R9、−COR10、−CON(R11)R12、−CSN(R13)R14、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、−C(=NH)N(R15)R16を表す。R5は、水素原子、または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R4)R5が環状イミノ基を表してもよい。
R8は、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R9は、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R10は、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R11は、水素原子またはアルキルを表す。R12は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールカルボニル、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。または、−N(R11)R12が環状イミノ基を表してもよい。R13は、水素原子またはアルキルを表す。R14は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールカルボニル、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。または、−N(R13)R14が環状イミノ基を表してもよい。
R15は、水素原子またはアルキルを表す。R16は水素原子または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R15)R16が環状イミノ基を表してもよい]
で表される5員環化合物もしくはその薬学上許容される塩、またはそれらのプロドラッグを投与することによって、慢性閉塞性肺疾患を予防及び/又は治療する方法。 - R1が水素原子、Xが硫黄原子、Y1が単結合、R2が置換フェニル、-Y2-N(R4)R5が
-CH2CH2-NH(CO)NHCH3、R3がメタ置換フェニルである請求項1に記載の慢性閉塞性肺疾患を予防及び/又は治療する方法。 - N-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン -4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアの結晶型が針状晶である請求項3に記載の予防及び/又は治療方法。
- N-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン -4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアの融点が190-191℃である請求項3に記載の予防及び/又は治療方法。
- 式(1)
[Xは、酸素原子または硫黄原子を表す。
R1は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換の単環式もしくは二環式ヘテロ環基を表す。
R2は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換の単環式もしくは二環式ヘテロ環基、または−CON(R6)R7を表す。
R6は、水素原子または置換もしくは非置換アルキルを表す。R7は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R6)R7が環状イミノ基を表してもよい。
Y1は、単結合、置換もしくは非置換アルキレン、−CO(CH2)n−、−SO2(CH2)n−、−CONH(CH2)n−、−CSNH(CH2)n−、または−COO(CH2)n−を表す。
nは0から5の整数を表す。
波線は、(E)または(Z)配位を意味する。
R3は、水素原子、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、置換もしくは非置換二環式へテロ環基、または置換もしくは非置換シクロアルキルを表す。
Y2は、置換もしくは非置換アルキレン、またはアルケニレンを表す。
R4は、水素原子、置換もしくは非置換アルカノイル、置換もしくは非置換アルキル、−COOR8、−SO2R9、−COR10、−CON(R11)R12、−CSN(R13)R14、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、−C(=NH)N(R15)R16を表す。R5は、水素原子、または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R4)R5が環状イミノ基を表してもよい。
R8は、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R9は、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R10は、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R11は、水素原子またはアルキルを表す。R12は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールカルボニル、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。または、−N(R11)R12が環状イミノ基を表してもよい。R13は、水素原子またはアルキルを表す。R14は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールカルボニル、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。または、−N(R13)R14が環状イミノ基を表してもよい。
R15は、水素原子またはアルキルを表す。R16は水素原子または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R15)R16が環状イミノ基を表してもよい]
で表される5員環化合物もしくはその薬学上許容される塩、またはそれらのプロドラッグ含む慢性閉塞性肺疾患に対する予防及び/又は治療剤。 - R1が水素原子、Xが硫黄原子、Y1が単結合、R2が置換フェニル、-Y2-N(R4)R5が
-CH2CH2-NH(CO)NHCH3、R3がメタ置換フェニルである請求項6記載の慢性閉塞性肺疾患に対する予防及び/又は治療剤。 - 5員環化合物がN-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアである請求項6記載の慢性閉塞性肺疾患に対する予防及び/又は治療剤。
- N-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアの結晶型が針状晶である請求項8記載の慢性閉塞性肺疾患に対する予防及び/又は治療剤。
- N-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアの融点が190-191℃である請求項8記載の慢性閉塞性肺疾患に対する予防及び/又は治療剤。
- 式(1)
[Xは、酸素原子または硫黄原子を表す。
R1は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換の単環式もしくは二環式ヘテロ環基を表す。
R2は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換の単環式もしくは二環式ヘテロ環基、または−CON(R6)R7を表す。
R6は、水素原子または置換もしくは非置換アルキルを表す。R7は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R6)R7が環状イミノ基を表してもよい。
Y1は、単結合、置換もしくは非置換アルキレン、−CO(CH2)n−、−SO2(CH2)n−、−CONH(CH2)n−、−CSNH(CH2)n−、または−COO(CH2)n−を表す。
nは0から5の整数を表す。
波線は、(E)または(Z)配位を意味する。
R3は、水素原子、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、置換もしくは非置換二環式へテロ環基、または置換もしくは非置換シクロアルキルを表す。
Y2は、置換もしくは非置換アルキレン、またはアルケニレンを表す。
R4は、水素原子、置換もしくは非置換アルカノイル、置換もしくは非置換アルキル、−COOR8、−SO2R9、−COR10、−CON(R11)R12、−CSN(R13)R14、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、−C(=NH)N(R15)R16を表す。R5は、水素原子、または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R4)R5が環状イミノ基を表してもよい。
R8は、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R9は、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R10は、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R11は、水素原子またはアルキルを表す。R12は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールカルボニル、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。または、−N(R11)R12が環状イミノ基を表してもよい。R13は、水素原子またはアルキルを表す。R14は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールカルボニル、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。または、−N(R13)R14が環状イミノ基を表してもよい。
R15は、水素原子またはアルキルを表す。R16は水素原子または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R15)R16が環状イミノ基を表してもよい]
で表される5員環化合物もしくはその薬学上許容される塩、またはそれらのプロドラッグと併用剤としてステロイド剤もしくは抗コリン剤とを組み合わせることを特徴として投与することによって、慢性閉塞性肺疾患を予防及び/又は治療する方法。 - R1が水素原子、Xが硫黄原子、Y1が単結合、R2が置換フェニル、-Y2-N(R4)R5が-CH2CH2-NH(CO)NHCH3、R3がメタ置換フェニルである請求項11記載の慢性閉塞性肺疾患を予防及び/又は治療する方法。
- 5員環化合物がN-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアであり、併用剤がステロイド剤である請求項11記載の慢性閉塞性肺疾患を予防及び/又は治療する方法。
- 5員環化合物がN-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアであり、併用剤が抗コリン剤である請求項11記載の慢性閉塞性肺疾患を予防及び/又は治療する方法。
- 式(1)
[Xは、酸素原子または硫黄原子を表す。
R1は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換の単環式もしくは二環式ヘテロ環基を表す。
R2は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換の単環式もしくは二環式ヘテロ環基、または−CON(R6)R7を表す。
R6は、水素原子または置換もしくは非置換アルキルを表す。R7は、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R6)R7が環状イミノ基を表してもよい。
Y1は、単結合、置換もしくは非置換アルキレン、−CO(CH2)n−、−SO2(CH2)n−、−CONH(CH2)n−、−CSNH(CH2)n−、または−COO(CH2)n−を表す。
nは0から5の整数を表す。
波線は、(E)または(Z)配位を意味する。
R3は、水素原子、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、置換もしくは非置換二環式へテロ環基、または置換もしくは非置換シクロアルキルを表す。
Y2は、置換もしくは非置換アルキレン、またはアルケニレンを表す。
R4は、水素原子、置換もしくは非置換アルカノイル、置換もしくは非置換アルキル、−COOR8、−SO2R9、−COR10、−CON(R11)R12、−CSN(R13)R14、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基、−C(=NH)N(R15)R16を表す。R5は、水素原子、または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R4)R5が環状イミノ基を表してもよい。
R8は、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R9は、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R10は、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。R11は、水素原子またはアルキルを表す。R12は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールカルボニル、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。または、−N(R11)R12が環状イミノ基を表してもよい。R13は、水素原子またはアルキルを表す。R14は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アリールカルボニル、または置換もしくは非置換単環式ヘテロ環基を表す。または、−N(R13)R14が環状イミノ基を表してもよい。
R15は、水素原子またはアルキルを表す。R16は水素原子または置換もしくは非置換アルキルを表す。または、−N(R15)R16が環状イミノ基を表してもよい]
で表される5員環化合物もしくはその薬学上許容される塩、またはそれらのプロドラッグと併用剤としてステロイド剤もしくは抗コリン剤とを組み合わせることを特徴とする慢性閉塞性肺疾患に対する予防及び/又は治療剤。 - R1が水素原子、Xが硫黄原子、Y1が単結合、R2が置換フェニル、-Y2-N(R4)R5が-CH2CH2-NH(CO)NHCH3、R3がメタ置換フェニルである請求項15記載の慢性閉塞性肺疾患に対する予防及び/又は治療剤。
- 5員環化合物がN-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアであり、併用剤がステロイドである請求項15記載の慢性閉塞性肺疾患に対する予防及び/又は治療剤。
- 5員環化合物がN-{2-[2-[(3-フルオロフェニル)イミノ]-4-(4-モルホリン-4-イルフェニル)- 1,3-チアゾール-3(2H)-イル]エチル}- N'-メチルウレアであり、併用剤が抗コリン剤である請求項15記載の慢性閉塞性肺疾患に対する予防及び/又は治療剤。
- 結晶型が針状晶である請求項19記載の化合物。
- 融点が190−191℃である請求項19記載の化合物。
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