JPWO2006109584A1 - 無線ネットワークシステム - Google Patents

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圭司 森
東田 真明
真明 東田
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保昭 坂西
俊裕 江崎
俊裕 江崎
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Abstract

2本以上の通路を有する乗り物において複数のアクセスポイントを、各通路の沿って配置する無線ネットワークシステムを提供する。第1の通路にあるアクセスポイントの位置と、第2の通路にあるアクセスポイントの位置は、ジグザグに配置される。これにより、アクセスポイント間の距離を大きくし、アクセスポイントからの無線電波が干渉しないようにする。

Description

本発明は、複数の通路が存在する乗り物において、無線通信の少なくとも送信を行う基地局であるアクセスポイントと、少なくとも受信を行う端末を用いて構成される、無線ネットワークシステムに関する。
従来、室内や乗り物内において、複数の端末をネットワークに接続したシステムを構成する場合、一般的には端末数に相当する導体線路を配線する方法が採用されている。
この方法は、通信の信頼性が高いという長所を有する反面、配線の布設に時間、経費がかかることや、布設後の保守作業における労力も多大であるという欠点がある。
一方で、近年では、端末への配線を無線化したネットワークが提案され、徐々に採用されつつある。無線ネットワークは、従来の有線ネットワークと比較して、配線の布設や保守に費やす時間、経費を削減できる利点を有している。また、無線化により、配線に要する面積や配線の重量を無くすことは、特に乗り物に設置する場合に非常に有利な点となる。
しかし無線電波は、障害物等で反射されると、波形に位相のずれが生じ、位相がずれた波形が合成され、結果として受信レベルが低下するというフェージング現象により、受信パケットの破棄(エラー)が発生し、利用できる帯域が小さくなるという問題を有している。
従来、複数通路が存在する乗り物において、アクセスポイントをどのように配置すべきかについては、提案されていなかった。
アクセスポイントの一般的な位置については、特許文献1,2,3に開示されているが、乗り物内の配置については、全く記載されていない。
特開平8−321799号公報 特開平11−127096号公報 特開2000−13853号公報
アクセスポイントは、客室の中央において、前方から後方に向かって等間隔に設置することが考えられる。
乗り物の両端まで電波が届くように、アクセスポイントからの無線電波の出力を上げると、前後に設けた2つのアクセスポイントからの無線電波の干渉が生じ、信号に品質の低下を招く。
本発明においては、複数のアクセスポイントを、複数の通路を有する乗り物内に設置する場合に、アクセスポイント間において干渉が生じないようにすると共に、利用可能な無線通信の帯域を減少させない無線ネットワークシステムを提供する。
本発明は、少なくとも2本の通路を有する乗り物内の空間において、通路上にアクセスポイントを設置することで反射波の発生を抑制するという利点を生かしつつ、少なくともアクセスポイント間の干渉の発生を抑制し、利用帯域の向上を図るものである。
本発明の第一の発明は、少なくとも2本以上の通路が存在する空間において、無線通信の少なくとも送信を行う複数のアクセスポイントと、前記アクセスポイントと無線通信の少なくとも受信を行う端末と、からなる無線ネットワークであって、アクセスポイントは、通路に沿って設けられていることを特徴とする無線ネットワークシステムである。好ましくは、隣り合う通路上に設置された少なくとも2つの前記アクセスポイント同士の距離が前記通路間の最短距離とならない位置に前記アクセスポイントを設置することを特徴とする無線ネットワークシステムであり、隣り合う通路上に存在するアクセスポイント同士の干渉の発生を抑制するという作用を有する。
本発明の第二の発明は、前記通路上と、隣接するもう一方の前記通路上にそれぞれ前記アクセスポイントを設置する場合に、各々の通路に設置する最も近い位置関係にある前記アクセスポイントの設置場所を、一方を通路の上方に、もう一方を通路の下方に設置することを特徴とする無線ネットワークシステムであり、隣り合う通路上に存在するアクセスポイント間の距離が、上方または下方でそろえた場合に比べ長くなり、干渉が発生する可能性を抑制するという作用を有する。
本発明の第三の発明は、前記通路上に設置された前記アクセスポイントが使用する周波数帯域を、隣接する前記通路に設置されたもう一台の前記アクセスポイントが使用する周波数帯域から干渉を生じない帯域を選択することを特徴とする無線ネットワークシステムであり、隣り合うアクセスポイント同士の利用する周波数帯域が離れることから干渉が発生する可能性を抑制するという作用を有する。
本発明の第四の発明は、各座席に設けられた端末と、端末に接続されるアンテナを有し、複数座席からのアンテナを一カ所に集結して設けたことを特徴とする無線ネットワークシステムであり、アクセスポイントとアンテナの距離を均一、かつ短くすることにより、アクセスポイントから発信された無線電波を均等、且つ安定した状態で受信することができる効果を有する。
以上のように本発明は、少なくとも2本の通路を有する乗り物内の空間において、複数の基地局であるアクセスポイントを通路上に配置して無線ネットワークを構成する場合に、アクセスポイント間の干渉を減らし、利用帯域の低下を防ぐという優れた効果が得られる。
実施の形態1に係る、乗り物内に搭載した無線ネットワークシステムの構成図 図1の乗り物の断面図 アクセスポイントの相対関係を示した説明図 実施の形態2にかかる、無線ネットワークシステムを搭載した乗り物の断面図 米国内におけるIEEE802.11aのチャンネルと割り当て周波数を示したテーブル 実施の形態3に係る、乗り物内に搭載した無線ネットワークシステムの構成図
符号の説明
1 航空機
2 サーバー
4 スイッチ
6a〜6e 中継器
8 天井
10 床板
12,14,16 座席群
18,20,22 荷物入れ
24 座席
A1〜A15 アクセスポイント
P1,P2 通路
以下、本発明に係る無線ネットワークシステムの実施の形態について、図1を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明に係る無線ネットワークシステムを航空機に利用した場合の構成図である。1は航空機、2はサーバー、4はスイッチ、6a,6b,6c,6d,6eは中継器、A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7,A8,A9,A10,A11,A12,A13,A14,A15はアクセスポイント(基地局とも言う。)である。航空機1内には、座席群と座席群の間に通路が設けられており、この実施の形態では2本の平行した通路P1,P2が設けられている。図1において、アクセスポイントA1,A2,A3は、第1客室エリアに配置され、アクセスポイントA4からA15は第2客室エリアに配置されている。サーバー2、スイッチ4,中継器6a,6b、6c、6d、6eは、無線信号を供給する無線信号供給手段を構成する。
サーバー2からは、機内放送、音楽、映画などのコンテンツがパケット形式で配信され、スイッチ4を介して、中継器6a,6b,6c,6d,6eに送られ、さらに各アクセスポイントに送られる。各アクセスポイントからは、予め決められた周波数の無線ネットワークシステム用の電波が出力され、アクセスポイントの近傍に配置された座席のそれぞれに設けられた受信用の端末器のアンテナ(図2参照)により受信され、無線通信が行われる。各端末機では、オーディオ、ビデオの再生や、種々の制御信号の発信、受信が行われる。
この無線通信は、端末器アンテナがアクセスポイントに近いほど無線電波を強く受信することができ、逆にアクセスポイントから遠くなるほど、受信する無線電波の強さは弱くなる。端末器アンテナは各座席に設けるようにしてもよい。また、一つの座席列に含まれる複数座席からのアンテナを一カ所、例えば座席列の端であってアクセスポイントにより近い位置、に集結して設けてもよい。さらには、複数の座席列に含まれる複数座席からのアンテナを一カ所に集結して設けてもよい。
図1の実施の形態において、アクセスポイントA1からA15のそれぞれが受け持つ通信対象座席の範囲を点線で囲って示している。
アクセスポイントA1からA15のそれぞれが使用する無線電波のチャンネルは、表1に示す通りである。
Figure 2006109584
ここで使用されるチャンネルは、IEEE802.11aで規定される無線LANの規格に基づくチャンネルであって、アメリカ合州国内において利用可能なチャンネルである。IEEE802.11aで規定される無線LANの規格に基づくチャンネルと、その中心周波数を示したテーブルを図5に示す。
複数のアクセスポイントを使用する場合、使用するチャンネルが近いと干渉を起こし、利用帯域を低下する場合がある。干渉を起こすか否かは、チャンネルの近さとアクセスポイント間の距離の両方の条件により決まり、一方の条件のみでは決まらない。仮に同一のチャンネルを使用した場合でも、アクセスポイント間の距離を充分にとるか、後で説明する有効範囲が重ならないようにすれば干渉は生じない。逆にアクセスポイント間の距離を極端に短くすれば、複数のアクセスポイントからの電波の干渉は、たとえチャンネルを一つまたは二つ離しても、防ぐことは難しい。
このアクセスポイント間の距離と、チャンネルの間隔の関係は、サービスを行う空間の特質に依存するため一概には決められず、事前の測定が必要である。ここでは、隣接するアクセスポイントのチャンネルを二つ離す場合を例に説明する。
表1に示すように、アクセスポイントA1がチャンネルCH36、アクセスポイントA2がチャンネルCH48を使用している。これは、図5に示すテーブルから分かるように間に2つのチャンネルを跳ばしてして設定されている。隣接するアクセスポイントが使用するチャンネルは二つ以上離れたものを使用するのが好ましい。このように隣接するアクセスポイントが使用するチャンネルを二つ以上離れたものを使用すれば、干渉の発生を低減することができ、利用帯域の品質低下を防ぐことが可能となる。
次に、アクセスポイントの配置について説明する。
図2は航空機1の断面図である。座席群は、中央座席群14、第1窓側座席群12、第2窓側座席群16に分けられ、いずれの座席群も床板10に固着されている。また、座席群の上には、天井8が設けられている。天井8の表側(座席に面した側)には、中央荷物入れ18、第1窓側荷物入れ20、第2窓側荷物入れ22が取り付けられており、中央荷物入れ18は中央座席群14と対向した位置に配置され、第1窓側荷物入れ20、第2窓側荷物入れ22はそれぞれ第1窓側座席群12、第2窓側座席群16と対向した位置に配置されている。中央座席群14と第1窓側座席群12との間に第1通路P1が設けられ、中央座席群14と第2窓側座席群16との間に第2通路P2が設けられている。
また、天井8の通路P1に対向した位置にアクセスポイント(一般的にAPで示す)が配置されると共に、天井8の通路P2に対向した位置にアクセスポイントAPが配置される。アクセスポイントAPは、天井8の裏側に設けるのが好ましいが、表側、または多層形式の天井に埋設することも可能である。
各座席には、端末機とアンテナからなる受信機24が組み込まれている。なお、上述したように、アンテナは、各座席に設けてもよいし、複数座席からのアンテナを一カ所、例えば座席列の通路側の端、に集結して設けてもよい。一カ所に集結することにより、アクセスポイントにより近い位置にアンテナを設置することができる。
図3は、2本の通路P1,P2を有する第2客室エリアの一部を上から見た平面図であり、アクセスポイントA4,A5,A6,A7,A8,A9の配置を説明する図である。通路P1に沿って配置されたアクセスポイントA4,A6,A8は、大略等間隔D1に配置されると共に、通路P2に沿って配置されたアクセスポイントA5,A7,A9も、大略等間隔D1に配置される。また、一方の通路、たとえば通路P1、にあるアクセスポイント、たとえばA4と、他方の通路P2にあり、このアクセスポイントA4と一番近くに存在するアクセスポイントA5との距離D2は、D1と等しいかそれ以上の距離である。通路P1,P2間の距離WがD2より小さい場合は、図3に示すように、アクセスポイントA4からA9は、平面から見て、ジグザグに配置される。
図3において、点線で示された円状の区域106は、その中央にあるアクセスポイントからの電波を、各座席に設けられた受信機アンテナが有効に電波を受信できる範囲、すなわち有効範囲である。点線で示された区域106が、重なり合っているが、隣接するアクセスポイントのチャンネルが異なっているので、受信機は、電波の干渉を受けることはない。
もし、隣接するアクセスポイントのチャンネルが同じか、接近した周波数のチャンネルであれば、有効範囲は、実線で示された円状の区域108に限定され、隣接したアクセスポイントからの電波の干渉が生じないようにする。
アンテナを各座席に設ける場合、または少ない複数座席からのアンテナを集結させて設ける場合は、点線の区域106の有効範囲を設定する様にし、多数の複数座席からのアンテナを集結させて設ける場合は、実線の区域108の有効範囲を設定するようにしてもよい。
このように、アクセスポイントをジグザグに配置したのは、効率よく有効範囲を確保することができるからである。
また、アクセスポイントを通路の天井に設けたのは、通路上には障害物が少なく、反射波の発生を抑制することができ、有効範囲が狭くなることを防ぐことができるからである。
この有効範囲106は、障害物の状況などにより円形以外の形となる場合もある。また、各アクセスポイントが同一または近傍の周波数を有するチャンネルを利用する場合は、この有効範囲106は狭くなり(円状108に近くなる)、遠方のチャンネルを使用している場合は、この有効範囲106は広くなる。
なお、アクセスポイントは、天井8に設けるのではなく、床板10に設けるようにしてもよい。この場合、アクセスポイントの配置は、天井8に設けた場合と同様のジグザグ配置となり、同様の効果が得られる。
以上説明したように、通路P1,P2間の距離Wが、通路方向に隣り合うアクセスポイント間の距離D1より短い場合、隣り合う通路に設置したアクセスポイント間の距離D2が、通路P1,P2間の最短距離W以上になるようにアクセスポイントを設置することで、隣り合うアクセスポイントからの電波の干渉の発生を抑制することができる。
すなわち、図3の左側を、並行して存在する通路P1,P2の前方、すなわち航空機の前方、同右側を通路の後方、すなわち航空機の後方、とした場合、アクセスポイントA4の位置に対し、隣り合う通路P2に設置するアクセスポイントA5の位置を、通路の後方にずらし、アクセスポイントA4,A5が、通路を横切る横方向に見た場合、同じ位置にならないようにする。すなわち、第1通路P1にあるアクセスポイントA2,A4,A6の位置と、第2通路にあるアクセスポイントA5,A7,A9の位置は、平面、すなわち上から見た場合、ジグザグに配置されている。このようにすることにより、アクセスポイントA4,A5からの電波の有効範囲108が重なり合わないようにする、または、たとえ有効範囲106が重なり合っても、重なり部分は最小限度にとどまるようにする。これによりアクセスポイントの利用効率を上げることができる。
同様に、通路P1に設けたアクセスポイントA6も、隣り合う通路P2に設けたアクセスポイントA5の位置に対して後方にずらし、アクセスポイントA5,A6からの電波の有効範囲が重ならない、または重なっても最小限度になるようにする。好ましい例として、一方の通路P1に沿って隣接して設けた2つのアクセスポイントA4,A6の中央点の位置に対応した横方向の位置に、他方の通路P2の位置にアクセスポイントA5を設ける。
以上においては、アクセスポイントA4,A5,A6,A7,A8,A9を中心に説明したが、他のアクセスポイントA1〜A3,A10〜A15も同様に構成され、同様の効果が得られる。以下の説明においても同様である。
以上のように、本実施の形態をとれば、少なくとも2本以上通路が存在する空間において、アクセスポイントを複数台設置する場合に、複数のアクセスポイントからの電波が干渉を発生することを抑制し、利用帯域の低下を防ぐことが可能となる。
なお、このアクセスポイントの設置の際に、同じ通路P1またはP2上の複数のアクセスポイントからの電波が干渉しないような必要な距離D1が採られていることは言うまでもない。
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2の構成図である。
図2の実施の形態1においては、アクセスポイントは、全て天井8に設けられていたが、図4の実施の形態2においては、一方の通路、例えば通路P2、に沿って設けられるアクセスポイントは、床板10、例えばその裏面、に設けられる一方、他方の通路P1に沿って設けられるアクセスポイントは、天井8に設けられる。この関係を、図3を用いて説明すると、通路P1に沿って設けられるアクセスポイントA4,A6,A8は、天井8に設けられる一方、通路P2に沿って設けられるアクセスポイントA5,A7,A9は、床板10に設けられる。
図4に示すようにアクセスポイントを配置することにより、アクセスポイントを、全て天井8または、全て床板10に設置する場合と比べ、実施の形態2に示したように配置する場合の方がアクセスポイント間の距離を長くとることができるため、アクセスポイント間の干渉を抑制することが可能となる。
なお、図4では通路P1のアクセスポイントを天井8に設け、通路P2のアクセスポイントを床板10に設けるように説明したが、この関係は逆でもよい。
また、図4に示す例では中央座席群14を挟んだ通路P1,P2に設けられたアクセスポイントの位置関係について説明したが、同じ通路上に前後に設置されるアクセスポイントの位置関係についても、一つを天井8に設け、次の一つを床板10に設ける様にすれば、アクセスポイント間の距離を長くすることができる効果を得ることができる。この関係を、図3を用いて説明すると、一方の通路、例えば通路P1、に設けたアクセスポイントA4,A6,A8をそれぞれ、床板10,天井8,床板10に設ける様にし、他方の通路P2に設けたアクセスポイントA5,A7,A9をそれぞれ天井8,床板10,天井8に設けるようにしてもよい。このように、同じ通路に沿って設けたアクセスポイントを、側面から見てジグザグに配置すれば、直線的に配置する場合と比べ、アクセスポイント間の距離を長く取ることができるため、アクセスポイント間の干渉を抑制することが可能となる。
(実施の形態3)
図6は本発明の実施の形態3の構成図である。
実施の形態1で示したアクセスポイントは、発信される電波が無指向性のものを用いたが、実施の形態3では、指向性のあるアクセスポイントを用いる。たとえば、アクセスポイントA4は、通路P1,P2を横切る横方向の指向性を有するものを用いる。他のアクセスポイントも同様である。アクセスポイントA1からA15のそれぞれが受け持つ通信対象座席の範囲を点線で囲って示している。この範囲は、図1に示した範囲と比べ、横長になっている。このようにすることにより、発信電波の強度を強くしても、縦方向(通路が延在する方向)の電波の干渉は少なくてすむ効果がある。
図6の変形例として、アクセスポイントから出力される電波の指向性を、通路方向に持たせるようにしてもよい。このようにすれば、通路P1に配置したアクセスポイントからの発信電波と、通路P2に配置したアクセスポイントからの発信電波との干渉を低減することができる。
なお、二階建ての航空機の場合には、2階の天井にアクセスポイントをジグザグに配置する一方、1階の天井にもアクセスポイントをジグザグに配置すればよい。上から見た場合、1階のジグザグのパターンは、2階のジグザグのパターンに対し重なるようにしてもよいし、航空機の中心線に沿った方向にずらすようにしてもよい。後者の場合の好ましい例として、1階のジグザグのパターンは、2階のジグザグのパターンに対し、中心線で大略線対称になっているようにする。以上の様に構成することにより、1階と2階のアクセスポイント間の干渉を低減することが可能である。
以上の説明において、乗り物は、航空機の場合について説明したが、他の乗り物、たとえば船舶、陸上乗り物など、並行した複数の通路を有するものは、全て含まれる。
本発明にかかる無線ネットワークシステムは、複数のアクセスポイントを複数の通路に沿って配置しており、その効果は次の通りである。
1)たとえば10個のアクセスポイントを1列に並べた場合と比べ、10個のアクセスポイントを2列に並べた方が、アクセスポイント間の距離を長くすることができる。これにより、アクセスポイント間の干渉を減らすことができる。
2)アクセスポイントを1列に並べた場合と比べ、アクセスポイントを2列に並べた方が、横方向、特に窓側近傍にも均一に無線電波を送ることができる。
3)航空機の左右の重量バランスを考えた場合、アクセスポイントを中央1列に並べた場合と比べ、アクセスポイントを2列に並べた方が、機体のバランスを効果的に取ることができる。
4)アクセスポイントをジグザグに配置することにより、隣り合う列間で隣接するアクセスポイント間の距離を長くすることができ、アクセスポイント間の干渉を減らすことができる。
本発明は、無線ネットワークシステムに利用可能である。
本発明は、複数の通路が存在する乗り物において、無線通信の少なくとも送信を行う基地局であるアクセスポイントと、少なくとも受信を行う端末を用いて構成される、無線ネットワークシステムに関する。
従来、室内や乗り物内において、複数の端末をネットワークに接続したシステムを構成する場合、一般的には端末数に相当する導体線路を配線する方法が採用されている。
この方法は、通信の信頼性が高いという長所を有する反面、配線の布設に時間、経費がかかることや、布設後の保守作業における労力も多大であるという欠点がある。
一方で、近年では、端末への配線を無線化したネットワークが提案され、徐々に採用されつつある。無線ネットワークは、従来の有線ネットワークと比較して、配線の布設や保守に費やす時間、経費を削減できる利点を有している。また、無線化により、配線に要する面積や配線の重量を無くすことは、特に乗り物に設置する場合に非常に有利な点となる。
しかし無線電波は、障害物等で反射されると、波形に位相のずれが生じ、位相がずれた波形が合成され、結果として受信レベルが低下するというフェージング現象により、受信パケットの破棄(エラー)が発生し、利用できる帯域が小さくなるという問題を有している。
従来、複数通路が存在する乗り物において、アクセスポイントをどのように配置すべきかについては、提案されていなかった。
アクセスポイントの一般的な位置については、特許文献1,2,3に開示されているが、乗り物内の配置については、全く記載されていない。
特開平8−321799号公報 特開平11−127096号公報 特開2000−13853号公報
アクセスポイントは、客室の中央において、前方から後方に向かって等間隔に設置することが考えられる。
乗り物の両端まで電波が届くように、アクセスポイントからの無線電波の出力を上げると、前後に設けた2つのアクセスポイントからの無線電波の干渉が生じ、信号に品質の低下を招く。
本発明においては、複数のアクセスポイントを、複数の通路を有する乗り物内に設置する場合に、アクセスポイント間において干渉が生じないようにすると共に、利用可能な無線通信の帯域を減少させない無線ネットワークシステムを提供する。
本発明は、少なくとも2本の通路を有する乗り物内の空間において、通路上にアクセスポイントを設置することで反射波の発生を抑制するという利点を生かしつつ、少なくともアクセスポイント間の干渉の発生を抑制し、利用帯域の向上を図るものである。
本発明の第一の発明は、少なくとも2本以上の通路が存在する空間において、無線通信の少なくとも送信を行う複数のアクセスポイントと、前記アクセスポイントと無線通信の少なくとも受信を行う端末と、からなる無線ネットワークであって、アクセスポイントは、通路に沿って設けられていることを特徴とする無線ネットワークシステムである。好ましくは、隣り合う通路上に設置された少なくとも2つの前記アクセスポイント同士の距離が前記通路間の最短距離とならない位置に前記アクセスポイントを設置することを特徴とする無線ネットワークシステムであり、隣り合う通路上に存在するアクセスポイント同士の干渉の発生を抑制するという作用を有する。
本発明の第二の発明は、前記通路上と、隣接するもう一方の前記通路上にそれぞれ前記アクセスポイントを設置する場合に、各々の通路に設置する最も近い位置関係にある前記アクセスポイントの設置場所を、一方を通路の上方に、もう一方を通路の下方に設置することを特徴とする無線ネットワークシステムであり、隣り合う通路上に存在するアクセスポイント間の距離が、上方または下方でそろえた場合に比べ長くなり、干渉が発生する可能性を抑制するという作用を有する。
本発明の第三の発明は、前記通路上に設置された前記アクセスポイントが使用する周波数帯域を、隣接する前記通路に設置されたもう一台の前記アクセスポイントが使用する周波数帯域から干渉を生じない帯域を選択することを特徴とする無線ネットワークシステムであり、隣り合うアクセスポイント同士の利用する周波数帯域が離れることから干渉が発生する可能性を抑制するという作用を有する。
本発明の第四の発明は、各座席に設けられた端末と、端末に接続されるアンテナを有し、複数座席からのアンテナを一カ所に集結して設けたことを特徴とする無線ネットワークシステムであり、アクセスポイントとアンテナの距離を均一、かつ短くすることにより、アクセスポイントから発信された無線電波を均等、且つ安定した状態で受信することができる効果を有する。
以上のように本発明は、少なくとも2本の通路を有する乗り物内の空間において、複数の基地局であるアクセスポイントを通路上に配置して無線ネットワークを構成する場合に、アクセスポイント間の干渉を減らし、利用帯域の低下を防ぐという優れた効果が得られる。
以下、本発明に係る無線ネットワークシステムの実施の形態について、図1を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明に係る無線ネットワークシステムを航空機に利用した場合の構成図である。1は航空機、2はサーバー、4はスイッチ、6a,6b,6c,6d,6eは中継器、A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7,A8,A9,A10,A11,A12,A13,A14,A15はアクセスポイント(基地局とも言う。)である。航空機1内には、座席群と座席群の間に通路が設けられており、この実施の形態では2本の平行した通路P1,P2が設けられている。図1において、アクセスポイントA1,A2,A3は、第1客室エリアに配置され、アクセスポイントA4からA15は第2客室エリアに配置されている。サーバー2、スイッチ4,中継器6a,6b、6c、6d、6eは、無線信号を供給する無線信号供給手段を構成する。
サーバー2からは、機内放送、音楽、映画などのコンテンツがパケット形式で配信され、スイッチ4を介して、中継器6a,6b,6c,6d,6eに送られ、さらに各アクセスポイントに送られる。各アクセスポイントからは、予め決められた周波数の無線ネットワークシステム用の電波が出力され、アクセスポイントの近傍に配置された座席のそれぞれに設けられた受信用の端末器のアンテナ(図2参照)により受信され、無線通信が行われる。各端末機では、オーディオ、ビデオの再生や、種々の制御信号の発信、受信が行われる。
この無線通信は、端末器アンテナがアクセスポイントに近いほど無線電波を強く受信することができ、逆にアクセスポイントから遠くなるほど、受信する無線電波の強さは弱くなる。端末器アンテナは各座席に設けるようにしてもよい。また、一つの座席列に含まれる複数座席からのアンテナを一カ所、例えば座席列の端であってアクセスポイントにより近い位置、に集結して設けてもよい。さらには、複数の座席列に含まれる複数座席からのアンテナを一カ所に集結して設けてもよい。
図1の実施の形態において、アクセスポイントA1からA15のそれぞれが受け持つ通信対象座席の範囲を点線で囲って示している。
アクセスポイントA1からA15のそれぞれが使用する無線電波のチャンネルは、表1に示す通りである。
Figure 2006109584
ここで使用されるチャンネルは、IEEE802.11aで規定される無線LANの規格に基づくチャンネルであって、アメリカ合州国内において利用可能なチャンネルである。IEEE802.11aで規定される無線LANの規格に基づくチャンネルと、その中心周波数を示したテーブルを図5に示す。
複数のアクセスポイントを使用する場合、使用するチャンネルが近いと干渉を起こし、利用帯域を低下する場合がある。干渉を起こすか否かは、チャンネルの近さとアクセスポイント間の距離の両方の条件により決まり、一方の条件のみでは決まらない。仮に同一のチャンネルを使用した場合でも、アクセスポイント間の距離を充分にとるか、後で説明する有効範囲が重ならないようにすれば干渉は生じない。逆にアクセスポイント間の距離を極端に短くすれば、複数のアクセスポイントからの電波の干渉は、たとえチャンネルを一つまたは二つ離しても、防ぐことは難しい。
このアクセスポイント間の距離と、チャンネルの間隔の関係は、サービスを行う空間の特質に依存するため一概には決められず、事前の測定が必要である。ここでは、隣接するアクセスポイントのチャンネルを二つ離す場合を例に説明する。
表1に示すように、アクセスポイントA1がチャンネルCH36、アクセスポイントA2がチャンネルCH48を使用している。これは、図5に示すテーブルから分かるように間に2つのチャンネルを跳ばしてして設定されている。隣接するアクセスポイントが使用するチャンネルは二つ以上離れたものを使用するのが好ましい。このように隣接するアクセスポイントが使用するチャンネルを二つ以上離れたものを使用すれば、干渉の発生を低減することができ、利用帯域の品質低下を防ぐことが可能となる。
次に、アクセスポイントの配置について説明する。
図2は航空機1の断面図である。座席群は、中央座席群14、第1窓側座席群12、第2窓側座席群16に分けられ、いずれの座席群も床板10に固着されている。また、座席群の上には、天井8が設けられている。天井8の表側(座席に面した側)には、中央荷物入れ18、第1窓側荷物入れ20、第2窓側荷物入れ22が取り付けられており、中央荷物入れ18は中央座席群14と対向した位置に配置され、第1窓側荷物入れ20、第2窓側荷物入れ22はそれぞれ第1窓側座席群12、第2窓側座席群16と対向した位置に配置されている。中央座席群14と第1窓側座席群12との間に第1通路P1が設けられ、中央座席群14と第2窓側座席群16との間に第2通路P2が設けられている。
また、天井8の通路P1に対向した位置にアクセスポイント(一般的にAPで示す)が配置されると共に、天井8の通路P2に対向した位置にアクセスポイントAPが配置される。アクセスポイントAPは、天井8の裏側に設けるのが好ましいが、表側、または多層形式の天井に埋設することも可能である。
各座席には、端末機とアンテナからなる受信機24が組み込まれている。なお、上述したように、アンテナは、各座席に設けてもよいし、複数座席からのアンテナを一カ所、例えば座席列の通路側の端、に集結して設けてもよい。一カ所に集結することにより、アクセスポイントにより近い位置にアンテナを設置することができる。
図3は、2本の通路P1,P2を有する第2客室エリアの一部を上から見た平面図であり、アクセスポイントA4,A5,A6,A7,A8,A9の配置を説明する図である。通路P1に沿って配置されたアクセスポイントA4,A6,A8は、大略等間隔D1に配置されると共に、通路P2に沿って配置されたアクセスポイントA5,A7,A9も、大略等間隔D1に配置される。また、一方の通路、たとえば通路P1、にあるアクセスポイント、たとえばA4と、他方の通路P2にあり、このアクセスポイントA4と一番近くに存在するアクセスポイントA5との距離D2は、D1と等しいかそれ以上の距離である。通路P1,P2間の距離WがD2より小さい場合は、図3に示すように、アクセスポイントA4からA9は、平面から見て、ジグザグに配置される。
図3において、点線で示された円状の区域106は、その中央にあるアクセスポイントからの電波を、各座席に設けられた受信機アンテナが有効に電波を受信できる範囲、すなわち有効範囲である。点線で示された区域106が、重なり合っているが、隣接するアクセスポイントのチャンネルが異なっているので、受信機は、電波の干渉を受けることはない。
もし、隣接するアクセスポイントのチャンネルが同じか、接近した周波数のチャンネルであれば、有効範囲は、実線で示された円状の区域108に限定され、隣接したアクセスポイントからの電波の干渉が生じないようにする。
アンテナを各座席に設ける場合、または少ない複数座席からのアンテナを集結させて設ける場合は、点線の区域106の有効範囲を設定する様にし、多数の複数座席からのアンテナを集結させて設ける場合は、実線の区域108の有効範囲を設定するようにしてもよい。
このように、アクセスポイントをジグザグに配置したのは、効率よく有効範囲を確保することができるからである。
また、アクセスポイントを通路の天井に設けたのは、通路上には障害物が少なく、反射波の発生を抑制することができ、有効範囲が狭くなることを防ぐことができるからである。
この有効範囲106は、障害物の状況などにより円形以外の形となる場合もある。また、各アクセスポイントが同一または近傍の周波数を有するチャンネルを利用する場合は、この有効範囲106は狭くなり(円状108に近くなる)、遠方のチャンネルを使用している場合は、この有効範囲106は広くなる。
なお、アクセスポイントは、天井8に設けるのではなく、床板10に設けるようにしてもよい。この場合、アクセスポイントの配置は、天井8に設けた場合と同様のジグザグ配置となり、同様の効果が得られる。
以上説明したように、通路P1,P2間の距離Wが、通路方向に隣り合うアクセスポイント間の距離D1より短い場合、隣り合う通路に設置したアクセスポイント間の距離D2が、通路P1,P2間の最短距離W以上になるようにアクセスポイントを設置することで、隣り合うアクセスポイントからの電波の干渉の発生を抑制することができる。
すなわち、図3の左側を、並行して存在する通路P1,P2の前方、すなわち航空機の前方、同右側を通路の後方、すなわち航空機の後方、とした場合、アクセスポイントA4の位置に対し、隣り合う通路P2に設置するアクセスポイントA5の位置を、通路の後方にずらし、アクセスポイントA4,A5が、通路を横切る横方向に見た場合、同じ位置にならないようにする。すなわち、第1通路P1にあるアクセスポイントA2,A4,A6の位置と、第2通路にあるアクセスポイントA5,A7,A9の位置は、平面、すなわち上から見た場合、ジグザグに配置されている。このようにすることにより、アクセスポイントA4,A5からの電波の有効範囲108が重なり合わないようにする、または、たとえ有効範囲106が重なり合っても、重なり部分は最小限度にとどまるようにする。これによりアクセスポイントの利用効率を上げることができる。
同様に、通路P1に設けたアクセスポイントA6も、隣り合う通路P2に設けたアクセスポイントA5の位置に対して後方にずらし、アクセスポイントA5,A6からの電波の有効範囲が重ならない、または重なっても最小限度になるようにする。好ましい例として、一方の通路P1に沿って隣接して設けた2つのアクセスポイントA4,A6の中央点の位置に対応した横方向の位置に、他方の通路P2の位置にアクセスポイントA5を設ける。
以上においては、アクセスポイントA4,A5,A6,A7,A8,A9を中心に説明したが、他のアクセスポイントA1〜A3,A10〜A15も同様に構成され、同様の効果が得られる。以下の説明においても同様である。
以上のように、本実施の形態をとれば、少なくとも2本以上通路が存在する空間において、アクセスポイントを複数台設置する場合に、複数のアクセスポイントからの電波が干渉を発生することを抑制し、利用帯域の低下を防ぐことが可能となる。
なお、このアクセスポイントの設置の際に、同じ通路P1またはP2上の複数のアクセスポイントからの電波が干渉しないような必要な距離D1が採られていることは言うまでもない。
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2の構成図である。
図2の実施の形態1においては、アクセスポイントは、全て天井8に設けられていたが、図4の実施の形態2においては、一方の通路、例えば通路P2、に沿って設けられるアクセスポイントは、床板10、例えばその裏面、に設けられる一方、他方の通路P1に沿って設けられるアクセスポイントは、天井8に設けられる。この関係を、図3を用いて説明すると、通路P1に沿って設けられるアクセスポイントA4,A6,A8は、天井8に設けられる一方、通路P2に沿って設けられるアクセスポイントA5,A7,A9は、床板10に設けられる。
図4に示すようにアクセスポイントを配置することにより、アクセスポイントを、全て天井8または、全て床板10に設置する場合と比べ、実施の形態2に示したように配置する場合の方がアクセスポイント間の距離を長くとることができるため、アクセスポイント間の干渉を抑制することが可能となる。
なお、図4では通路P1のアクセスポイントを天井8に設け、通路P2のアクセスポイントを床板10に設けるように説明したが、この関係は逆でもよい。
また、図4に示す例では中央座席群14を挟んだ通路P1,P2に設けられたアクセスポイントの位置関係について説明したが、同じ通路上に前後に設置されるアクセスポイントの位置関係についても、一つを天井8に設け、次の一つを床板10に設ける様にすれば、アクセスポイント間の距離を長くすることができる効果を得ることができる。この関係を、図3を用いて説明すると、一方の通路、例えば通路P1、に設けたアクセスポイントA4,A6,A8をそれぞれ、床板10,天井8,床板10に設ける様にし、他方の通路P2に設けたアクセスポイントA5,A7,A9をそれぞれ天井8,床板10,天井8に設けるようにしてもよい。このように、同じ通路に沿って設けたアクセスポイントを、側面から見てジグザグに配置すれば、直線的に配置する場合と比べ、アクセスポイント間の距離を長く取ることができるため、アクセスポイント間の干渉を抑制することが可能となる。
(実施の形態3)
図6は本発明の実施の形態3の構成図である。
実施の形態1で示したアクセスポイントは、発信される電波が無指向性のものを用いたが、実施の形態3では、指向性のあるアクセスポイントを用いる。たとえば、アクセスポイントA4は、通路P1,P2を横切る横方向の指向性を有するものを用いる。他のアクセスポイントも同様である。アクセスポイントA1からA15のそれぞれが受け持つ通信対象座席の範囲を点線で囲って示している。この範囲は、図1に示した範囲と比べ、横長になっている。このようにすることにより、発信電波の強度を強くしても、縦方向(通路が延在する方向)の電波の干渉は少なくてすむ効果がある。
図6の変形例として、アクセスポイントから出力される電波の指向性を、通路方向に持たせるようにしてもよい。このようにすれば、通路P1に配置したアクセスポイントからの発信電波と、通路P2に配置したアクセスポイントからの発信電波との干渉を低減することができる。
なお、二階建ての航空機の場合には、2階の天井にアクセスポイントをジグザグに配置する一方、1階の天井にもアクセスポイントをジグザグに配置すればよい。上から見た場合、1階のジグザグのパターンは、2階のジグザグのパターンに対し重なるようにしてもよいし、航空機の中心線に沿った方向にずらすようにしてもよい。後者の場合の好ましい例として、1階のジグザグのパターンは、2階のジグザグのパターンに対し、中心線で大略線対称になっているようにする。以上の様に構成することにより、1階と2階のアクセスポイント間の干渉を低減することが可能である。
以上の説明において、乗り物は、航空機の場合について説明したが、他の乗り物、たとえば船舶、陸上乗り物など、並行した複数の通路を有するものは、全て含まれる。
本発明にかかる無線ネットワークシステムは、複数のアクセスポイントを複数の通路に沿って配置しており、その効果は次の通りである。
1)たとえば10個のアクセスポイントを1列に並べた場合と比べ、10個のアクセスポイントを2列に並べた方が、アクセスポイント間の距離を長くすることができる。これにより、アクセスポイント間の干渉を減らすことができる。
2)アクセスポイントを1列に並べた場合と比べ、アクセスポイントを2列に並べた方が、横方向、特に窓側近傍にも均一に無線電波を送ることができる。
3)航空機の左右の重量バランスを考えた場合、アクセスポイントを中央1列に並べた場合と比べ、アクセスポイントを2列に並べた方が、機体のバランスを効果的に取ることができる。
4)アクセスポイントをジグザグに配置することにより、隣り合う列間で隣接するアクセスポイント間の距離を長くすることができ、アクセスポイント間の干渉を減らすことができる。
本発明は、無線ネットワークシステムに利用可能である。
実施の形態1に係る、乗り物内に搭載した無線ネットワークシステムの構成図 図1の乗り物の断面図 アクセスポイントの相対関係を示した説明図 実施の形態2にかかる、無線ネットワークシステムを搭載した乗り物の断面図 米国内におけるIEEE802.11aのチャンネルと割り当て周波数を示したテーブル 実施の形態3に係る、乗り物内に搭載した無線ネットワークシステムの構成図
符号の説明
1 航空機
2 サーバー
4 スイッチ
6a〜6e 中継器
8 天井
10 床板
12,14,16 座席群
18,20,22 荷物入れ
24 座席
A1〜A15 アクセスポイント
P1,P2 通路

Claims (10)

  1. 並行した少なくとも2本の第1通路(P1)、第2通路(P2)と、
    通路の横に存在する座席群(12,14,16)と、
    無線信号を供給する無線信号供給手段(2,4,6)と、
    無線信号供給手段からの無線信号を発信するため、第1通路に沿って大略等間隔に配置された複数のアクセスポイント(A2,A4,A6)と、
    無線信号供給手段からの無線信号を発信するため、第2通路に沿って大略等間隔に配置された複数のアクセスポイント(A5,A7,A9)と、
    無線信号を利用するため、座席群の各座席に設けられた端末器(24)と、
    無線信号を受信するため、各端末器に接続されるアンテナ(24)とを有することを特徴とする乗り物内に設ける無線ネットワークシステム。
  2. 前記第1通路にあるアクセスポイント(A2,A4,A6)の位置と、前記第2通路にあるアクセスポイント(A5,A7,A9)の位置は、上から見た場合、ジグザグに配置されていることを特徴とする乗り物内に設ける無線ネットワークシステム。
  3. 前記第1通路にあるアクセスポイント(A2,A4,A6)と、前記第2通路にあるアクセスポイント(A5,A7,A9)は、いずれも通路の天井(8)に設けられていることを特徴とする請求項1記載の無線ネットワークシステム。
  4. 前記第1通路にあるアクセスポイント(A2,A4,A6)と、前記第2通路にあるアクセスポイント(A5,A7,A9)は、いずれも通路の床板(10)に設けられていることを特徴とする請求項1記載の無線ネットワークシステム。
  5. 前記第1通路にあるアクセスポイント(A2,A4,A6)と、前記第2通路にあるアクセスポイント(A5,A7,A9)との、いずれか一方が通路の天井(8)に設けられ、他方が床板(10)に設けられていることを特徴とする請求項1記載の無線ネットワークシステム。
  6. 前記第1通路にある複数のアクセスポイント(A2,A4,A6)が、通路の天井(8)と通路の床板(10)に交互に設けられ、前記第2通路にある複数のアクセスポイント(A5,A7,A9)も通路の天井(8)と通路の床板(10)に交互に設けられていることを特徴とする請求項1記載の無線ネットワークシステム。
  7. 前記アンテナは、各座席に設けられていることを特徴とする請求項1記載の無線ネットワークシステム。
  8. 複数の座席につながる前記アンテナは、一カ所に集結して設けられていることを特徴とする請求項1記載の無線ネットワークシステム。
  9. 隣接するアクセスポイントに割り当てられるチャンネルの周波数は、異なった周波数であることを特徴とする請求項1記載の無線ネットワークシステム。
  10. 隣接するアクセスポイントに割り当てられるチャンネルの周波数は、同じ周波数であることを特徴とする請求項1記載の無線ネットワークシステム。
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