JPWO2006103945A1 - 無声放電式プラズマ装置 - Google Patents

無声放電式プラズマ装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2006103945A1
JPWO2006103945A1 JP2007510383A JP2007510383A JPWO2006103945A1 JP WO2006103945 A1 JPWO2006103945 A1 JP WO2006103945A1 JP 2007510383 A JP2007510383 A JP 2007510383A JP 2007510383 A JP2007510383 A JP 2007510383A JP WO2006103945 A1 JPWO2006103945 A1 JP WO2006103945A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge
dielectric
glass tube
power supply
high voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007510383A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4510882B2 (ja
Inventor
昇 和田
昇 和田
葛本 昌樹
昌樹 葛本
中谷 元
元 中谷
弘行 荊原
弘行 荊原
江崎 徳光
徳光 江崎
峯 慎吾
慎吾 峯
民田 太一郎
太一郎 民田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2006103945A1 publication Critical patent/JPWO2006103945A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4510882B2 publication Critical patent/JP4510882B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01TSPARK GAPS; OVERVOLTAGE ARRESTERS USING SPARK GAPS; SPARKING PLUGS; CORONA DEVICES; GENERATING IONS TO BE INTRODUCED INTO NON-ENCLOSED GASES
    • H01T19/00Devices providing for corona discharge
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B13/00Oxygen; Ozone; Oxides or hydroxides in general
    • C01B13/10Preparation of ozone
    • C01B13/11Preparation of ozone by electric discharge
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2201/00Preparation of ozone by electrical discharge
    • C01B2201/10Dischargers used for production of ozone
    • C01B2201/12Plate-type dischargers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2201/00Preparation of ozone by electrical discharge
    • C01B2201/10Dischargers used for production of ozone
    • C01B2201/14Concentric/tubular dischargers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2201/00Preparation of ozone by electrical discharge
    • C01B2201/20Electrodes used for obtaining electrical discharge
    • C01B2201/22Constructional details of the electrodes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2201/00Preparation of ozone by electrical discharge
    • C01B2201/20Electrodes used for obtaining electrical discharge
    • C01B2201/24Composition of the electrodes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2201/00Preparation of ozone by electrical discharge
    • C01B2201/30Dielectrics used in the electrical dischargers
    • C01B2201/32Constructional details of the dielectrics
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2201/00Preparation of ozone by electrical discharge
    • C01B2201/30Dielectrics used in the electrical dischargers
    • C01B2201/34Composition of the dielectrics
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2201/00Preparation of ozone by electrical discharge
    • C01B2201/60Feed streams for electrical dischargers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2201/00Preparation of ozone by electrical discharge
    • C01B2201/60Feed streams for electrical dischargers
    • C01B2201/64Oxygen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2201/00Preparation of ozone by electrical discharge
    • C01B2201/70Cooling of the discharger; Means for making cooling unnecessary
    • C01B2201/74Cooling of the discharger; Means for making cooling unnecessary by liquid
    • C01B2201/76Water
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2201/00Preparation of ozone by electrical discharge
    • C01B2201/90Control of the process

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)

Abstract

無声放電式プラズマ発生装置が、誘電体と、誘電体を挟んで対向配置された1組の電極と、電極間に交流電圧を印加して放電させる交流電源とを含み、放電を発生させる放電空間にガスを供給してプラズマを形成する。電極の少なくとも一方は、誘電体の上に形成された導電性の給電薄膜からなり、誘電体が破損して電極間にアーク放電が発生した場合に、アーク放電が発生した部分の給電薄膜を消滅または酸化させて、アーク放電の発生を停止させる。

Description

本発明は、無声放電式プラズマ装置に関し、特に、誘電体が破損した場合においても、非破損部のみで安全に運転を継続できる導電性薄膜電極を有する無声放電式プラズマ装置に関する。
従来の無声放電式プラズマ装置の一例として無声放電式オゾン発生装置がある。無声放電式オゾン発生装置では、ガラス管を誘電体バリアに用いた電極構造が一般的に採用されている。誘電体バリアが金属電極間に存在することにより、金属電極間で発生した放電はアークに転移することなく、放電の停止と発生を繰り返す。
しかし、金属電極間に異常放電が発生し、温度が上昇したり過大電圧が印加された場合、誘電体の耐電圧性能が損なわれ、絶縁破壊が発生し、誘電体が破損に至る場合がある。誘電体が破損した場合、接地電極と高電圧電極とが短絡状態になり、放電およびオゾン発生が停止し、破損した誘電体の交換が必要となる。このため、オゾン発生装置電極と駆動電源の間に高圧ヒューズが設置され、誘電体破損時には高圧ヒューズを溶断させ、破損箇所を有した電極と駆動電源を切り離すことにより、破損箇所を有した電極以外の非破損電極のみでオゾン発生を継続させている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−146071号公報
しかし、高圧ヒューズは極めて高価であるとともに、繰返し使用が不可能であるためコストが高くなるという問題があった。
また、高圧ヒューズ自身の電気抵抗値が数十Ω程度となり、電気的、熱的な損失が無視できず、オゾン発生装置のエネルギー効率にも影響を及ぼすという問題もあった。
更に、短絡時にヒューズの溶断不良が発生する場合もあり、安全性についても問題があった。
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑み、高圧ヒューズを用いることなく、誘電体が破損した場合に破損箇所への給電を停止し、非破損部のみで安全に運転が継続できる無声放電式プラズマ装置の提供を目的とする。
即ち、本発明は、誘電体と、誘電体を挟んで対向配置された1組の電極と、電極間に交流電圧を印加して放電させる交流電源とを含み、放電を発生させる放電空間にガスを供給してプラズマを形成する無声放電式プラズマ発生装置であって、電極の少なくとも一方が、誘電体の上に形成された導電性の給電薄膜からなり、誘電体が破損して電極間にアーク放電が発生した場合に、アーク放電が発生した部分の給電薄膜を消滅または酸化させて、アーク放電の発生を停止させることを特徴とする無声放電式プラズマ発生装置である。
本発明にかかる無声放電式プラズマ装置では、ガラス管が破損した場合、導電性薄膜電極が短絡電流を瞬時に検知し、導電性薄膜を選択的に自己消失させ、給電を停止する。このため、かかるプラズマ装置では、破損箇所を有するガラス管電極の自己消失部分以外のすべての部分において、電気的短絡を発生することなくプラズマ発生を継続することができる。また、高圧ヒューズを使用しないため、ガラス管電極の小口径化、プラズマ装置のコンパクト化が可能となるとともに、低コスト化が可能となる。
実施の形態1.
図1は、全体が100で表される、本実施の形態1にかかるオゾン発生装置の断面図を示す。図1において、オゾン発生装置100は、所定の空隙長dで対向して配置された接地電極1と高電圧電極2とを有する。接地電極1と高電圧電極2は、ともに同軸円筒型の電極であり、その間に少なくとも1つの誘電体3が配置されている。この空隙長dを放電空隙長、放電空隙長により形成された空間を放電空間4という。
接地電極1と高電圧電極2の一方または双方は、その内部に水道水または純水が通る冷却水通路5を有し、放電空間4の冷却を行う。
放電空間4には、酸素を含んだガスが原料ガスとして導入され、駆動電源6と接続された給電部材7を介して、接地電極1と高電圧電極2との間に交流高電圧が印加されることにより、無声放電プラズマが発生する。なお、給電部材7は、接地電極1の外側で高電圧電極2と接している。
プラズマ中では、酸素分子が電子と衝突することにより、酸素分子が解離し、三体衝突によりオゾンが生成される。ここでは、端板8、9に固定される接地電極1にはステンレス管を用い、誘電体3にはガラス管を用いた。誘電体3に用いたガラス管はSCHOTT社より販売されている商品名「DURAN」である。「DURAN」はホウケイ酸ガラスの1種でSiO含有量が81%の化学耐久性に優れた硬質ガラス管である。
なお、以下の図においても、同一符合は、同一又は相当箇所を示すものとする。
本実施の形態1にかかるオゾン発生装置100の放電空隙長dは0.6mm以下である。従って、ガラス管の外径公差が少なくとも放電空隙長dの1/2以下となるもの、およびガラスの耐電圧性能を考慮し、長さが1500mm、肉厚が0.5mm以上、外径が30mmφ以下のガラス管を使用した。本発明において使用したガラス管は、外径が小さいため、機械的に優れた強度を有し、また長手方向の反り量も極めて小さい。
高電圧電極2には、表面処理されたガラス管の内表面に無電解ニッケルメッキにより形成された導電性薄膜を用いた。導電性薄膜は、ガラス管内表面の適度な表面処理により、隙間なく、かつ適度な強度でガラス管と密着させることができる。なお、図1中、矢印はガスの流れる方向を示しており、電極部右側端部より発生したオゾンが取り出される。
図2には、比較のために、全体が500で表される、従来構造のオゾン発生装置の断面図を示す。
オゾン発生装置500では、誘電体103には、オゾン発生装置100のガラス管よりも大口径の、外径100mm以下のガラス管が使用される。ガラス管内表面にはアルミニウムなどの金属を溶射、スパッタリング、蒸着等することにより高電圧電極102が形成されている。
高電圧電極102は、ガラス管内表面に表面処理を施さなくても極めて強固な密着度が得られる。膜厚は抵抗値を低く抑えるために、数100μm程度となっている。また、給電部材107は、高電圧電極102の長手方向に均一に給電するために、端板108、109に固定された接地電極101の内部で複数箇所で高電圧電極102と接触している。
このような高電圧電極102と接地電極101により放電空間104が形成され、無声放電が発生する。必要とされるオゾン発生量に応じて電極群の数が調整され、タンク111内に設置される。放電空間104には酸素を含む原料ガスが、図中に矢印で示した方向に流され、オゾンとして取り出される。更に、駆動電源106と給電部材107との間には高圧ヒューズ110が設置されている。オゾン発生装置500において、図3に示すように、ガラス管が破損した場合、破損部112を介して接地電極101と高電圧電極102の間にアーク放電(矢印部)が破損後瞬時に発生する。アーク放電の発生に伴い、オゾン発生装置500には短絡電流が流れ、無声放電およびオゾン発生は停止する。停止したオゾン発生装置500を再起動するためには、破損したガラス管の交換を余儀なくされる。このため、一般には、駆動電源106と給電部材107との間に高圧ヒューズ110を設置し、ガラス管破損時に流入する短絡電流からオゾン発生装置500を保護している。
即ち、破損したガラス管に接続された高圧ヒューズ110が短絡電流の流入により溶断され、駆動電源106と破損したガラス管が電気的に切断されるため、破損したガラス管を新品に交換しなくても、破損していないガラス管のみでオゾン発生を継続することができる。ただし、破損部を有したガラス管は二度とオゾン発生に寄与することはできない。
図4は、図1に示した電極を複数本設置した、本実施の形態にかかる他のオゾン発生装置150である。
ここでは、複数本の電極の中に、図5に示すような模擬破損部10を形成したガラス管11(内表面には上記に示した無電解ニッケルメッキによる高電圧電極が形成されている)を1本混在させてオゾンの発生を行った。模擬破損部10は、幅1mm程度、長さ5mm程度の貫通穴となっている。オゾン発生装置150の運転条件は、印加電圧波高値は5〜12kVp程度、周波数は0.3kHz〜10kHzである。
従来のオゾン発生装置では、模擬破損部を形成したガラス管を用いた場合、電力投入後瞬時に電気的な短絡状態に陥るため、駆動電源と高電圧電極の間に高圧ヒューズを設置しなければ破損部を有さないガラス管だけでの運転が継続できない。これに対して、本発明にかかるオゾン発生装置150では、明確な破損部10が存在しているにもかかわらず、電気的な短絡は発生せず、破損部10を有したガラス管11を含めたすべてのガラス管において放電およびオゾン発生を継続することができた(図4において、放電空間4内のハッチング部は、短絡することなくオゾンを発生している箇所を示す)。
図6は、数分間放電を継続させた後の模擬破損部10の外観写真である。図6より、模擬破損部10の周囲10mm程度の高電圧電極だけが剥離、消失しているのがわかる(剥離、消失部を符合12で示す)。
即ち、本発明にかかるオゾン発生装置150においてガラス管に破損が生じた場合、従来のオゾン発生装置と同様に破損部を介して瞬時にアーク放電が発生するが、そのアーク放電が発生した瞬間に、過電流(短絡電流)に基づく熱的影響などにより破損部周辺の導電性薄膜で構成される高電圧電極が剥離、蒸発、または昇華などにより消失する。つまり、高電圧電極自身が瞬時にアーク放電による短絡電流を検出し、アーク放電がほぼ停止すると考えられる沿面距離に相当する領域の高電圧電極を自己消失させている。破損部周辺のみの放電を選択的に停止させることができるこの作用は、高圧ヒューズと同様の作用であり、本発明における高電圧電極は無限個の高圧ヒューズが並列に接続されていることと等価であると考えられる。
また、破損部10の位置、形状および大きさを変化させても同様の効果が確認された。更に、模擬的な破損部を形成せず、オゾン発生装置を異常条件下で運転させることにより、敢えてガラス管を破損させた場合もガラス管は割れることなく、図6と同様にΦ1mm程度の貫通穴状の破損部が形成され、高電圧電極の自己消失により、破損部周辺のみ放電を選択的に停止することができた。
従来の高圧ヒューズを用いたオゾン発生装置では、ガラス管が破損した場合、破損部を介したアーク放電により短絡電流が流れ、高圧ヒューズが溶断する。高圧ヒューズの溶断により破損部を有したガラス管は駆動電源から切り離され、無声放電は停止する。従って、破損したガラス管の本数分に対応する量だけオゾン発生量が低下してしまう。これに対して、本発明にかかるオゾン発生装置では、破損部の周囲のみ高電圧電極が消失することにより、破損部を有したガラス管には高電圧を印加し続けることが可能であり、破損部の周囲のみ無声放電が停止する。従って、オゾン発生量は殆ど低下しない。
高電圧電極の自己消失効果は、高電圧電極の材質、膜厚とガラス管との密着力に影響される。高電圧電極は、破損時のアーク放電により瞬時に消失する必要があるため、過度な膜厚と密着力は不要である。
図7は、本発明にかかるオゾン発生装置の、ガラス管内表面の十点平均表面粗さRzと高電圧電極の膜厚との関係を示したものである。無電解ニッケルメッキの形成条件(条件A)は一定とした。図7において、縦軸に高電圧電極の膜厚(μm)を、横軸に無電解ニッケルメッキを実施する前のガラス管内表面の十点平均粗さRz(μm)を示す。
ガラスのように表面粗さが極めて小さい基材(Rz=0.1μm程度)に対しては、高電圧電極は適度な密着度を有して形成することが不可能であり、基材を表面処理し、アンカー効果を付与するのが一般的である。密着度が小さすぎると、部分的な剥離や給電部材設置時に剥離を発生する。基材の材質や形状と高電圧電極素材により付与されるアンカー効果の大小は変化するため、図7に示した結果をもとにメッキ膜厚とガラス管の表面粗さの最適値を決定する必要がある。図7より、Rzが増大する、つまりガラス管内表面の凹凸が大きくなるにしたがい、形成される高電圧電極の膜厚は増加傾向を示すことがわかる。
また、Rzが10μm以上では形成できる高電圧電極の膜厚は0.6μm程度でほとんど変化しなくなる。
更に、Rzが12μmを超えると、膜厚はほとんど変化しないことに加えて、部分的な剥離が発生する。
以上の結果より、本発明にかかるガラス管に対しては、Rzが12μm以下の場合において適度な密着強度を有した高電圧電極を形成することが可能であることがわかる。Rzが12μmを超えると、形成された凹凸の凸部が表面処理され始め、結果として平坦部が増加し、アンカー効果が小さくなる。また、本発明のような管内表面に薄膜を形成する場合、ある膜厚以上になると高電圧電極薄膜の残留応力が無視できなくなり、ガラス管の表面粗さに対して高電圧電極の膜厚は飽和し始める。このため、膜厚の増加は望めず、むしろ部分的な剥離が発生する。
以上のようにして形成した、ガラス管内表面のRzが12μmの場合のすべての高電圧電極は、自己消失効果を十分に発揮することが確認された。
しかし、Rzが12μm以上の場合、メッキ皮膜の密着強度が低下していることから、アーク放電による外部エネルギーがトリガーとなり、自己消失効果とともに破損部以外での剥離も確認された。従って、ガラス管の内表面の表面粗さRzを12μm以下とすることにより、破損部だけでの選択的自己消失効果を達成できる。
また、メッキ液濃度、メッキ液温度およびメッキ時間を調整し、メッキの厚膜化を抑制する残留応力を緩和させた場合(条件Bおよび条件C)、条件Aの場合と同様に安定かつ均一に高電圧電極が形成できる領域は、条件Bでは、Rzが14μm以下で膜厚は1.0μm以下、条件Cでは、Rzが15μm以下で膜厚は1.5μm以下であった。
条件Bでは、メッキ液温度とメッキ時間、条件Cではメッキ液濃度とメッキ時間を条件Aから変更した。両者の場合においてもすべての高電圧電極は自己消失効果を十分に発揮することが確認された。
ガラス管破損時の高電圧電極薄膜の自己消失効果は、高電圧電極の膜厚に影響を受けると考えられるが、過度に膜厚が小さいと高電圧電極の抵抗値が上昇し、抵抗による発熱損失を生じることになる。従来のオゾン発生装置においては、高電圧電極の抵抗値に起因する発熱損失を抑制するため、膜厚が極めて厚い導電層を高電圧電極としていた。
これに対して、本発明では、高電圧電極による発熱損失はオゾン発生に関わる放電電力の1%以内としているため、本実施の形態のようにガラス管の長さが1500mm程度の場合、高電圧電極の長手方向の抵抗値は、同一高電圧電極内での均一給電と発熱損失を考慮して、1000Ω以下であることが望ましい。当然のことながら、この抵抗値は、高電圧電極の長さにより変化する。
なお、本実施の形態で用いた無電解ニッケルメッキ皮膜の抵抗率は10−6Ω・mのオーダであり、バルクのニッケル(10−8Ω・m)より2桁程度大きくなっている。
図8(a)は、オゾン発生装置の放電空隙長dと、高電圧電極における発熱損失が放電電力の1%となる高電圧電極の抵抗値との関係を示したものである。図8(a)において、縦軸は高電圧電極の抵抗値(Ω)、横軸は放電空隙長d(mm)を示し、オゾン発生装置の放電電力密度を0.1、0.25および0.5W/cmとした場合の関係を示す。動作周波数は0.3kHzである。
図8(b)は、図8(a)と同条件における、高電圧電極の膜厚(μm)と放電空隙長d(mm)との関係を示したものである。図8(b)より、本発明におけるオゾン発生装置の動作領域においては、高電圧電極の膜厚は0.05μm以上が効果的であることがわかる。つまり、放電空隙長dが0.6mm以下の場合、発熱損失を放電電力の1%以下とするためには、高電圧電極の膜厚は0.05μm以上であればよいことがわかる。
動作周波数が0.3〜10kHzにおいて、図7の結果と併せて、高電圧電極の膜厚を0.05μm〜1.5μmとし、ガラス管破損時の自己消失効果を確認したところ、すべての高電圧電極において自己消失効果が確実に得られることを確認した。
なお、自己消失効果の信頼性から動作周波数は低い方が好ましく、またオゾン発生装置へ印加する電圧波高値を軽減する観点から、動作周波数は0.8〜6kHzがさらに好ましい。
以上のように、無電解ニッケルメッキによる高電圧電極の膜厚は、基材であるガラス管の表面粗さと発熱損失を考慮することにより規定することができ、コストなどの兼ね合いからさらに最適化することができる。
この結果、本発明におけるオゾン発生装置の動作条件において、ガラス管の破損時に十分な高電圧電極の自己消失効果を達成するためには、高電圧電極を形成する基材の十点表面平均粗さを15μm以下とし、高電圧電極の膜厚を0.05μm以上とするのが良いことがわかった。
無電解メッキの他に、電解メッキ、溶射、蒸着、スパッタリングや導電性塗料塗布により高電圧電極を形成することも可能である。溶射、蒸着、スパッタリングや塗料塗布により高電圧電極を形成する場合、ガラス管の内表面の表面処理は必ずしも必要はないが、電解メッキの場合は無電解メッキと同様の表面処理を施した方が好ましい。図9に、このような方法により形成したさまざまな高電圧電極膜厚とガラス管との密着力の関係を示す。図9において、縦軸が引張試験により得られた密着力(MPa)、横軸が高電圧電極膜厚(μm)を示す。図9より、高電圧電極膜厚が10μmを超えると、密着力が上昇しているのがわかる。また、図9におけるすべての電極において、図6と同様の高電圧電極の自己消失効果の確認試験を行ったところ、すべての高電圧電極において、自己消失効果が実現されることが確認された。
一方、図示していないが、膜厚100μmを超えると、ガラス管との密着力が50MPaを超過し、強固な密着度を有した厚膜電極となるため、高電圧電極においては、十分な自己消失効果を得ることができず、アーク放電が持続し、短絡状態に陥った。
即ち、本発明における高電圧電極の自己消失効果は、膜厚100μm以下の高電圧電極において実現できる。従って、無電解ニッケルメッキを高電圧電極とした場合と併せて考えると、自己消失効果に必要な高電圧電極膜厚は0.05〜100μmとなる。
ただし、高電圧電極は自然剥離しない程度の適度な密着度さえ有していれば本発明においては問題ないため、密着度を必要以上に大きくする必要がない膜厚0.05〜10μmで高電圧電極を形成するのがさらに望ましい。
ガラス管の破損部において、短絡電流を検知した高電圧電極は瞬時にアーク放電がほぼ停止するだけの沿面距離を維持して消失する。しかし、アーク放電が停止しても、高電圧電極端部から接地電極へのガラス管を介した沿面放電により、高電圧電極端部は劣化し、消失が進展する可能性がある。従って、高電圧電極端部と接地電極間の最適な沿面距離を把握する必要がある。
本発明にかかるオゾン発生装置100では、高電圧電極2と接地電極1間の沿面距離Lは少なくとも10mm必要であると考えられる。図10に示すように、ガラス管である誘電体3に破損部14が形成された場合、瞬時的なアーク放電による熱的影響により破損部14の周辺およそ10mm程度の部分が初期消失部分15として自己消失する。かかる状態を維持し、オゾン発生を継続させると、自己消失部分は高圧電極端部からの沿面放電により、破損部14から距離L程度の消失部分進展が確認される場合がある。距離Lはおよそ5〜10mm程度であった。
しかし、消失部分の進展は高電圧電極端部に酸化物層13が形成されることにより、自動的に停止し、消失部分の進展は停止する。この酸化物層13は絶縁体ではなく、幅2mm程度の半導電性を有する電界緩和層として作用し、沿面放電を停止させるに至っている。
従って、高電圧電極の自己消失部分は、瞬時的なアーク放電の後、破損部14に対する初期消失部分15を含めて長手方向の両側へ10mm程度の沿面距離Lを形成するまで、つまり自己消失範囲が20mm程度になるまで、沿面放電により消失を継続する可能性を考えておく必要がある。
図11、12は、本発明にかかるオゾン発生装置100の、高電圧給電部材の配置を示す断面図である。本発明においては、図11に示すように、給電部材7は、接地電極1の外部で高電圧電極2と接触し、接地電極1内部には存在しないことが望ましい。図12には給電部材7が接地電極1内部で高電圧電極2に接触されており、給電部材7の接触位置近辺でガラス管が破損し、破損部16を形成した場合を示す。高電圧電極2の自己消失部分17は20mm程度になる場合が考えられるため、図12に示した場合においては、自己消失部分17が給電部材7接触位置にまで進展する。この場合、高電圧電極2は消失しているが、自己消失しない給電部材7から直接接地電極1へ放電経路が形成され、アーク放電が発生し、オゾン発生装置は短絡する。
従って、図11に示すように、給電部材7は接地電極1の外部、つまり放電空間の外部で高電圧電極2と接触させることにより、高電圧電極2の自己消失を有効に行える。具体的には、接地電極1端部でガラス管の破損が発生し、破損部16および高電圧電極の自己消失部分17が形成された場合、給電部材7は接地電極1端部から少なくとも10mm以上の沿面距離Lを有して設置することが好ましい。このように給電部材7を接触させることにより、放電空間のあらゆる位置におけるガラス管の破損を、短絡を発生させることなく検知することができる。
ここで、実際にガラス管が破損するのは、オゾン出口側(図11の接地電極右端)であることが多い。従って、給電部材7が原料ガス入口側(図11の接地電極左端)に設置されていれば、給電部材7が接地電極1内部で高電圧電極2に接触していても問題ない場合もある。一般的な破損部である最下流側から給電部材接触位置まで十分な距離が維持されているため、ガラス管に破損が発生しても、オゾン出口側の一部分だけが自己消失するだけで、その他の部分は正常なオゾン発生を継続する。このため、オゾン発生量はほとんど低下することなく、また短絡することもなく、オゾン発生を安全に継続することができる。
従来のオゾン発生装置では、直径が80mm程度の誘電体(ガラス管)が使用されてきた。オゾン発生量とガラス管電極の本数は比例関係にあるため、オゾン発生量を増加させるためにはガラス管本数が増大し、ガラス管を収納するオゾン発生装置タンク径が大きくなる。このため、ガラス管の直径を小さくし、オゾン発生装置タンク内へのガラス管電極の集積度を増加させることにより、オゾン発生量を維持しながらオゾン発生装置タンク径を小さくすることができる。
しかし、ガラス管の直径を小さくした場合、高圧ヒューズを設置することは不可能である。これは、ガラス管の本数および集積度が向上したことにより、隣り合う高圧ヒューズ間の絶縁距離が維持できなくなるためである。例えば、図2に示すように、ガラス管103の直径をφD、隣り合うガラス管間距離をL、高圧ヒューズ110の直径をφD、隣り合う高圧ヒューズ間距離をLとすると、オゾン発生装置の放電面積は、ガラス管本数、放電有効長さ、ガラス管外径に比例する。同一オゾン発生装置タンク径を想定し、ガラス管103の直径φDを例えば1/2にすると、タンク111内に集積できるガラス管本数はおよそ4倍となり、放電面積は2倍となる。即ち、同じタンク径のオゾン発生装置において2倍のオゾン発生量を得ることができる。従って、ガラス管の直径を小さくすることはコンパクトなオゾン発生装置を提供する上で極めて有効である。
一方、ガラス管1本あたりに1個の高圧ヒューズを設置する場合、ガラス管の直径を小さくすると、隣り合う高圧ヒューズ間の絶縁を維持できなくなる。従来のオゾン発生装置では、例えばφD=80mm、L=5mm、φD=20mmであり、Lは、L=φD+L−φD=65mmとなる。ガラス管103が、ある位置で貫通破壊したとすると、高圧ヒューズ110の端子1bはアース電位となる。一般的なオゾン発生装置においては、印加電圧波高値が10kV程度であるため、隣の高圧ヒューズ110aの端子2bには高電圧が印加されており、端子1bと端子2b間には10kV程度の高電圧が印加される。酸素を原料とするオゾン発生装置において、ガス圧力0.1MPa(G)程度で運転する場合、10kV程度の電圧で絶縁破壊を起こさないようにするためには絶縁距離Lを15mm以上設定する必要がある。この絶縁距離は、高圧ヒューズの温度上昇による絶縁性能の低下および高圧ヒューズの配置位置精度を勘案して決定する。従来例ではL=65mmであり、絶縁を維持することができる。一方、Lを15mm以上確保するためには、ガラス管直径を30mm以上とする必要がある。高圧ヒューズ直径を小さくすると更にガラス管直径を小さくできるが、高圧ヒューズの設計の観点から外径20mmが技術的な限界であった。即ち、高圧ヒューズを設置し、短絡保護を行う限り、ガラス管直径φDを30mm以下にすることは技術的に困難であり、高圧ヒューズによる短絡保護がオゾン発生装置のコンパクト化への律速となっていた。
本発明に用いるガラス管では、高圧ヒューズを設置する必要がなく、また隣り合う高圧ヒューズ管の絶縁距離を考慮する必要がない。このことから、ガラス管の外径をφ30mm以下に小口径化することができる。
更に、耐電圧性能と機械的強度および使用する放電空隙長精度を補償する観点から、ガラス管の外径をφ30mm以下とし、かつ肉厚を0.5mm以上とした。このようなガラス管は、機械的、熱的強度(耐熱性)が極めて優れているため、耐電圧性能が損なわれてガラス管が破損する場合において、いわゆるバラバラになる「割れる」状態にならず、本実施の形態で示したような貫通穴状の部分的な破壊形態を示す。また、高電圧電極の自己消失直前の瞬時的なアーク放電により過大な熱ストレスが印加されても、同様に「割れ」が発生することはない。
従来の高圧ヒューズを設置したオゾン発生装置においては、ガラス管が破損した際、高圧ヒューズが溶断されるが、非破損ガラス管だけでの運転は継続できる。しかし、原料ガスにとっては、放電空間を流れるよりも破損したガラス管の内部から破損部を介して放電空間へ流れる方が圧力損失が小さく、破損したガラス管へ原料ガスが集中して流れ、他の非破損ガラス管が配置される放電空間への原料ガス流量が低下することによりオゾン発生量が低下する場合がある。
これに対して、本発明に用いたガラス管では、破損は微小な貫通穴状となるため、破損部を有したガラス管に大量の原料ガスが流入することがなく、原料ガス流の偏りに起因するオゾン発生量の低下はほとんどない。
一方、外径がφ30mmを超えると、ガラス管の外径公差が放電空隙長精度を補償できなくなることに加え、ガラス管の破損形態には「割れ」が発生する場合があり、本発明の実施には望ましくない。
しかし、このようなガラス管において、「割れ」が発生せず、貫通穴状の破損が発生した場合、高電圧電極の自己消失効果により破損部以外では正常なオゾン発生を継続することができるため、オゾン発生量の低下を抑制する効果はある。
本発明で使用する「DURAN」は、JIS規格で示される硬質ガラス管において、1級に相当するガラス管(概ねSiO含有量が80%以上、耐熱温度250℃)である。しかし、2級に相当するガラス管(概ねSiO含有量80%以下、耐熱温度180℃)では機械的、熱的強度が1級に比して低下するため、上記φ30mmを超えるガラス管と同様に破損形態には「割れ」が含まれるので使用は望ましくない。硬質1級に相当するガラスとしては、ホウケイ酸ガラスの他、石英ガラス、高ケイ酸ガラスがあり、本実施の形態と同様の効果が得られる。また、SiO含有量は80%以下であるものの、軟化点が極めて高く優れた耐熱性を有するアルミノケイ酸ガラス(SiO含有量は60%以上)などを用いた場合は、本実施の形態と同様の効果が得られた。
また、高電圧電極の自己消失は、瞬間的な短絡により発生するアーク放電による入熱に起因すると考えられる。このため、入熱に対するガラス管選択の基準となる物性値として熱膨張係数(線膨張係数)が挙げられる。本実施の形態で使用した「DURAN」の熱膨張係数(20℃〜300℃)は3.3×10-6-1であった。熱膨張係数が異なる複数の他のガラス管において、図6と同様に模擬破損部を形成し、高電圧電極の自己消失効果の確認試験を実施した。その結果を表1に示す。
表1には各ガラス管の高電圧電極膜厚、熱膨張係数、自己消失効果の有無、および確認試験後のガラス管の状態を併せて示している。表1より、全てのガラス管において、高電圧電極の自己消失が確認でき、本実施の形態と同様の効果が得られた。しかし、熱膨張係数が9.8×10-6-1であるガラス管においては、高電圧電極の自己消失は確認できたものの、ガラス管に亀裂が発生した。さらに、熱膨張係数が10.8×10-6-1であるガラス管に至っては「割れ」も発生している。これは、熱膨張係数が大きくなったために、瞬時的なアーク放電による入熱に対して、ガラス管がその形状を維持できず、破損したものと考えられる。
高電圧電極の自己消失が実現できてもガラス管が割れてしまうと、本発明によりオゾン発生装置が短絡することなく運転を継続することができたとしても、原料ガスの流れに不均衡が生じ、オゾン発生量が低下する可能性がある。従って、本発明において使用できるガラス管の熱膨張係数は、およそ10×10-6-1未満であり、アーク放電による入熱により顕著な変形(「割れ」)を発生しない耐熱強度が必要である。
Figure 2006103945
以上のようなガラス管には、例えば、SCHOTT社のガラス管では「DURAN」の他に「AR−Glas」、「DURATAN」、「DUROBAX」、「SUPREMAX」、「SURPRAX」、「FIOLAX」、「ILLAX」、「8248」、「8250」、「8252」、「8253」、および「8485」などが挙げられる。
また、本発明にかかるオゾン発生装置100に用いられる誘電体はガラス管に限らず、表1に記載したセラミクス管GおよびHのようなΦ30mm以下、肉厚0.5mm以上、および熱膨張係数が10×10-6-1未満のセラミクス管でもよい。ただし、セラミクス管は成形時にクラックなどが発生しやすいため、好ましくは1.0mm以上の肉厚が望ましい。このようなセラミクス管においては、本発明で示したガラス管と同様に、異常時における破損形態は貫通穴状の部分的破損となる。このようなセラミクス管に、本発明にかかる導電性薄膜を高電圧電極として設けることにより、高電圧電極の自己消失効果を実現することができた。
以上のように、本発明にかかるオゾン発生装置100では、φ30mm以下、肉厚0.5mm以上、SiO含有量60%以上、好ましくは80%以上であり、その熱膨張係数が10×10-6-1未満である硬質ガラス管を用いることにより、異常時におけるガラス管の破損形態は貫通穴状の部分的破損にとどまり、「割れ」が発生することはない。
また、かかるガラス管に高電圧電極として、膜厚0.05〜100μm、好ましくは0.05〜10μmの導電性薄膜を形成し、高電圧を接地電極端部から少なくとも10mm以上離れた位置から給電部材にて高電圧電極に給電する。ガラス管が破損した場合には、高電圧電極が短絡電流を瞬時に検知し、顕著なアーク放電を停止できるだけの沿面距離を確保しながら自己消失する。このため、高圧ヒューズなどの高価な保護装置を用いることなく、オゾン発生装置を短絡させず、破損部のみ選択的に放電を停止することができる。なお、φ30mm以下、肉厚0.5mm以上であり、その熱膨張係数が10×10-6-1未満であるセラミクス管においてもガラス管と同様の効果が得られた。
更に、従来の高圧ヒューズを用いたオゾン発生装置のように、破損部を有したガラス管全体を駆動電源から完全に切断するのではなく、破損部のみの放電を停止することから、オゾン発生量の低下がほとんどなく、非破損部のみでの安全な運転を継続することができる。
加えて、高圧ヒューズを用いないことにより、コスト削減および高圧ヒューズによるエネルギー損失の緩和ができる上に、小口径のガラス管を使用できることから、オゾン発生装置のコンパクト化も可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1では、ガラス管が破損した場合、破損部周辺の高電圧電極が剥離、蒸発、または昇華などにより自己消失することにより、高圧ヒューズを用いることなく短絡保護動作を実現できた。しかしながら、図13に示すような場合、つまり破損部18の周囲の高電圧電極が消失する代わりに酸化することによっても、実施の形態1と同様の短絡保護動作を実現できることが確認できた。
図13は、本実施の形態2にかかるオゾン発生装置の部分断面図である。図1と同一符合は、同一又は相当箇所を示す。高電圧電極2は実施の形態1と同様に形成された導電性薄膜であり、ガラス管3が破損部18において貫通破壊を発生した状態を示す。この場合、破損部18では、高電圧電極2は剥離、蒸発、または昇華などせず、酸化層19としてガラス管3内表面上に残存している。
しかし、この酸化層19は電気抵抗値が他の高電圧電極に比べて極めて高く、また完全な絶縁性ではなく半導電性のため電界緩和作用を有する。このため、破損部18を介して接地電極1と高電圧電極2との間に発生するアーク放電を抑止する効果がある。
従って、破損部18周囲の酸化層19のみにおいて高電圧の給電が選択的に停止され、実施の形態1と同様の効果が得られる。
なお、ガラス管の破損時に高電圧電極が消失するか、または酸化層として残存するかは、オゾン発生装置の容量(駆動電源の容量)や短絡電流の大きさに起因すると考えられる。アーク放電による熱的影響が比較的少ない場合や、高電圧電極の材質によっては高電圧電極が消失せず、酸化層として残存し、短絡することなく、オゾン発生量の低下がほとんどない状態で非破損部のみでのオゾン発生を継続することができる。その結果、高価な高圧ヒューズを用いることなく、ガラス管の破損による短絡保護動作を高電圧電極自身が行うことができる。このため、高圧ヒューズを用いないことにより、コストの削減や高圧ヒューズによるエネルギー損失の緩和が可能となるとともに、小口径のガラス管を使用できることから、オゾン発生装置のコンパクト化も可能となる。
実施の形態3.
小容量または中容量のオゾン発生装置、つまりオゾン発生量が10kg/h程度以下のオゾン発生装置においては、ガラス管が破損した場合、高電圧電極の自己消失領域は実施の形態1に示したように極めて小さい。
しかし、例えばオゾン発生量が40kg/h程度の大容量オゾン発生装置において、実施の形態1で示したような導電性薄膜を高電圧電極として形成し、ガラス管に破損が発生した場合、図14に示すように、給電部材7と高電圧電極2の接触位置からガラス管3の貫通穴状の初期破損部20までのすべての高電圧電極がアーク放電による熱的影響により自己消失する場合がある(自己消失部分21)。
また、瞬時的に流れる短絡電流が100A程度以上となる場合、破損部を介して給電部材7と接地電極1との間にアーク放電が持続的に発生し、最終的に給電部材7端部と接地電極1との間における顕著なアーク放電による入熱により、ガラス管3にさらに貫通穴状の破損を発生する場合がある(最終破損部22)。ただし、図14において、給電部材7は接地電極1の内部において高電圧電極2と接触させていた。
図15は、40kg/hクラスの大容量オゾン発生装置において、ガラス管に上記破損が発生した場合の、駆動電源の出力電圧および出力電流波形を示す。時間t=0msがガラス管に初期破損部20が形成された瞬間を示す。
図15より、ガラス管に破損が発生した瞬間、出力電圧が8kVから4kV程度に低下し、出力電流は300Aから150A程度に低下することがわかる。
次に、t=50msにおいて、出力電圧は4kVから2kV程度にさらに低下するが、出力電流は150A程度を維持している。
更に、t=350ms程度になると、出力電圧はほぼ0kVとなり、出力電流は150Aから200A程度に増加する。
つまり、ガラス管に破損が発生した瞬間から50msまでの間は、高電圧電極2が自己消失し、自己消失部分21を形成する時間であり、この間にガラス管3内部のガス温度が次第に上昇し始めることを示している。t=50msにおいては、持続的なアーク放電が発生し、電気回路上のインピーダンスが低下するため、50msを超えた時間帯では出力電圧が低下し、t=350msにおいて、最終破損部22が形成され、完全に電気的に短絡している。
このような大容量オゾン発生装置に、実施の形態1で示した高電圧電極を用いる場合、図16に示す制御装置を用いて、図17に示すタイミングチャートによりオゾン発生装置および駆動電源を制御すれば良い。即ち、かかる制御方式を用いることにより、ガラス管が破損した場合でも、上述のような最終破損部を形成せず、オゾン発生設備を停止する必要はない。
具体的には、図16に示す制御装置で駆動電源の出力電圧および出力電流を監視し、正常運転時(ガラス管の破損がない場合)における出力電圧および出力電流値と比較検出する。正常運転時の出力電圧および出力電流値との差異が増大した場合、運転停止指令を電源回路に発令し、駆動電源を停止させる。
図17に示すタイムチャートでは、時間t=0msにおいて初期破損部が形成され、t=20msの時点で出力電圧および出力電流が正常時と異なることを検知し、運転停止指令を発令する。電源回路においては、Td=100msの時間遅れの後出力電圧がゼロとなる。t=120msの時点では、破損したガラス管においてはアーク放電が発生しているが、アークの持続時間が長くないため、ガラス管の温度上昇は少なく、更なる破損を引き起こす程度ではない。アーク放電によるプラズマが消滅する時間は約0.5s程度であるため、1s後に制御回路から再度運転指令を発令し、オゾン発生装置に電圧を印加する。この時点では、アークプラズマは消滅しているため、正常に電圧を印加することが可能となり、オゾン発生装置の運転を再開することができる。
このような制御方式を用いることにより、短時間だけオゾン発生を停止するだけで、ガラス管の交換などを行うことなくオゾン発生を再開できる。短時間の停止は、大容量のオゾン発生装置が使用されるプラント設備においては、実用上全く問題とはならない。
また、時間1s後にオゾン発生装置に電圧を印加したにもかかわらず、再度出力電圧が低下する場合は、再度運転を停止し、オゾン発生装置を停止する。または、停止時間を10s程度とし、再度電圧を印加してもよい。アークプラズマの消滅時間が長い場合には、このように10s程度の停止時間を設けることにより絶縁を回復することができる。10sの停止時間を設けても、まだ出力電圧が低下する場合は何らかの異常が発生したものとしてオゾン発生装置を停止する必要がある。
ここでは、駆動電源の出力電圧および出力電流を監視することにより、確実にガラス管の破損を検出する例を示したが、出力電圧のみ、または出力電流のみの監視による制御方式においても同様の効果を発揮し、制御装置の構成を簡易かつ低コストに実現できる。更には、出力電圧および出力電流値から演算器を介して出力電力を監視する制御方式としても同様の効果を得ることができる。
このような制御が万一失敗し、ガラス管が破損した場合でも、実施の形態1に示したように、給電部材と高電圧電極の接触位置を接地電極外部に設けることにより、給電部材と接地電極が短絡することはない。アークプラズマが消滅すれば、給電部材と接地電極との間の絶縁性能が回復するので再度高電圧を給電部材に印加することができる。
実施の形態1で示したガラス管および高電圧電極にこのような制御方式を用いることにより、短絡電流が100A程度以上になる大容量オゾン発生装置において、高圧ヒューズを用いることなく、確実にガラス管の破損を検知でき、大容量オゾン発生装置が使用されるプラント全体を停止する必要がなく、極めて短い時間のみオゾン発生を停止するだけで再度安全にオゾン発生を継続することができる。
また、高圧ヒューズを用いないことにより、コスト削減および高圧ヒューズによるエネルギー損失を緩和できる上に、小口径のガラス管を使用できることから、オゾン発生装置のコンパクト化も可能となる。
実施の形態4.
小容量または中容量のオゾン発生装置においても、投入電力密度が例えば0.5W/cm程度以上と単位放電面積あたりの投入電力が大きくなる場合、実施の形態1で示したような高電圧電極を用いると、実施の形態3と同様に広範囲な自己消失が発生する場合がある。
図18に示すように、実施の形態1で示したような導電性薄膜を高電圧電極として形成し、投入電力密度を0.5W/cm程度以上とした場合、給電部材7を接地電極1の端部から少なくとも10mm以上離れた位置で高電圧電極2と接触させれば、ガラス管に破損が発生しても実施の形態1と同様の効果が得られる。
しかし、場合によっては、実施の形態3と同様に給電部材7と高電圧電極2の接触位置からガラス管3の貫通穴状の破損部20までのすべての高電圧電極がアーク放電による熱的影響により自己消失する(自己消失部分21は点線で表示)。
従って、投入電力密度が大きくなる場合は、実施の形態3で示した制御方法を用い、自己消失部分が給電部材7に到達する前にオゾン発生を停止し、アークを消滅させた後に再起動するのが好ましい。
実施の形態1で示したガラス管および高電圧電極を用いたオゾン発生装置において、投入電力密度が例えば0.5W/cm程度以上となる場合は、実施の形態3で示した制御方法を用いることにより、高圧ヒューズを用いることなく、確実にガラス管の破損を検知できる。
この結果、オゾン発生装置が使用されるプラント全体を停止させる必要がなくなり、極めて短い時間のみオゾン発生を停止するだけで再度安全にオゾン発生を継続することができる。
また、高圧ヒューズを用いないことにより、コスト削減および高圧ヒューズによるエネルギー損失を緩和できることに加えて、小口径のガラス管を使用できることから、オゾン発生装置のコンパクト化も可能となる。
実施の形態5.
図19は、実施の形態1で示したオゾン発生装置100の接地電極1の上に誘電体23を設けた構造であり、図19中、図1と同一符合は同一又は相当箇所を示す。
誘電体23は、ステンレス管からなる接地電極1の内表面にガラスライニングやホウロウ、セラミクス溶射などにより形成することができる。また、誘電体3と同種異径のガラス管を誘電体23として接地電極1に接合しても良い。
このような構造でも、実施の形態1で示したオゾン発生装置100と同様に、ガラス管が破損した場合、破損部周辺の高電圧電極が剥離、蒸発、または昇華などにより自己消失または酸化し、アーク放電を自己抑止する。これにより、高圧ヒューズを用いることなく、また短絡することなく、オゾン発生量の低下がほとんどない状態で非破損部のみでのオゾン発生を継続することができる。この結果、高圧ヒューズを用いないことによるコスト削減および高圧ヒューズによるエネルギー損失の緩和が可能となるとともに、小口径のガラス管を使用できることから、オゾン発生装置のコンパクト化も可能となる。
実施の形態6.
図20は、実施の形態1で示したオゾン発生装置100の接地電極1を、誘電体24の内表面に設けた構造であり、図20中、図1と同一符合は同一又は相当箇所を示す。
誘電体24にはガラス管やセラミクス管を用いることができる。また、接地電極1には高電圧電極2と同様に無電解ニッケルメッキなどを用い、誘電体24の内表面に膜厚0.05〜100μmとなる接地電極1を形成すればよい。
かかる構造を用いることにより、上述の自己消失効果が、接地電極1にも付与される。即ち、誘電体24が破損した場合、破損部周辺の接地電極1が剥離、蒸発、または昇華などにより自己消失または酸化し、アーク放電を自己抑止する。このため、短絡検知の高速化および破損部の電気的切断の信頼性向上につながる。
かかる構造を用いることにより、ガラス管が破損した場合、破損部周辺の接地電極も蒸発、昇華により自己消失または酸化によりアーク放電を抑止する。これにより、高圧ヒューズを用いることなく、また短絡することなく、オゾン発生量の低下がほとんどない状態で非破損部のみでのオゾン発生を継続することができる。この結果、高圧ヒューズを用いないことによるコスト削減および高圧ヒューズによるエネルギー損失を緩和できるとともに、小口径のガラス管を使用できることから、オゾン発生装置のコンパクト化も可能となる。
実施の形態7.
本発明にかかる構造は、実施の形態1で示した円筒多管式オゾン発生装置だけでなく、平行平板型オゾン発生装置にも適用できる。
図21、22は、全体が200で表される、本実施の形態7にかかる平行平板型オゾン発生装置の断面図である。
平行平板型オゾン発生装置200は、接地電極1と、接地電極1に対向配置された高電圧電極2を含む。高電圧電極2の表面には誘電体3が設けられ、接地電極1と誘電体3との間に放電空間4が形成される。接地電極1と高電圧電極2との間には高周波電源6が接続されている。例えば、平板状電極を円板とした場合、高電圧の給電は、実施の形態1と同様に、接地電極1の外径φの外側の給電箇所25、または図21に示すように接地電極1の内径φの内側の給電箇所26により行われるのが好ましい。
図21、22中、矢印はガスの流れる方向であり、電極外周部から電極中央部に向かって流れる。図21、22において、当然ながら、給電箇所25、26は高電圧電極2の端部から沿面距離Lを有する必要がある。
このような構造では、誘電体3が破損した場合、破損部周辺の高電圧電極2が剥離、蒸発、または昇華などにより自己消失または酸化により、アーク放電を抑止する。これにより、高圧ヒューズを用いることなく、また短絡することなく、オゾン発生量の低下がほとんどない状態で非破損部のみでのオゾン発生を継続することができる。この結果、高圧ヒューズを用いないことによるコスト削減および高圧ヒューズによるエネルギー損失の緩和が可能となる。
実施の形態8.
図1に示したオゾン発生装置100の高電圧電極2が、ステンレス、クロム、金、銀、錫、亜鉛、銅、カーボン、アルミニウムのいずれかを主成分とする場合や、実施の形態1、2で述べたニッケルやニッケルを主成分として含有する導電性化合物からなる場合も、実施の形態1、2で述べた現象を確認することができる。即ち、ガラス管が破損した場合、破損部周辺の高電圧電極が剥離、蒸発、または昇華などにより自己消失または酸化し、アーク放電を自己抑止する。これにより、高圧ヒューズを用いることなく、また短絡することなく、オゾン発生量の低下がほとんどない状態で非破損部のみでのオゾン発生を継続することができる。
ステンレス、クロム、金、銀、錫、亜鉛、銅、アルミニウムは、無電解または電解メッキ皮膜、溶射皮膜、蒸着皮膜、スパッタリング皮膜、塗料塗布として形成するものとして、実施の形態1と同様にガラス管内表面上に形成した場合に確認できた。カーボンは、例えばカーボン超微粒子からなるカーボンスラリーをガラス管内表面上に塗布すれば良い。上記いずれかを含有する導電性化合物も同様に無電解または電解メッキ皮膜、溶射皮膜、蒸着、スパッタリング、塗料として形成することができる。
実施の形態9.
本発明にかかるオゾン発生装置の高電圧電極表面温度は、放電空隙長dが0.6mm、放電電力密度0.5W/cmの動作条件において、およそ100℃程度である。ガラス管が破損した場合、瞬時のアーク放電によりさらに温度が急上昇する。このため、融点が150〜200℃程度の金属を高電圧電極に使用した場合、高電圧電極の膜厚にかかわらず、ガラス管破損時に高電圧電極を自己消失させることができる。
このように、温度が急上昇した破損部において、高電圧電極が融解し、ガラス管内表面上に存在できなくなり、選択的に破損部のみ高電圧が給電されなくなる。このため、高圧ヒューズを用いることなく、また短絡することなく非破損部で安全にオゾン発生を継続することができる。
高電圧電極の材料としては、インジウム、リチウムなどの金属が適している。オゾン発生装置の動作条件が変更され、高電圧電極表面温度の最大値が変化する場合は、その最大値に応じた融点を有する金属を電極材料として選択すれば良い。
実施の形態10.
本実施の形態10は、本発明の無声放電をレーザ発振器に適用したものである。
図23の(a)〜(c)は、全体が301〜303で表される、本実施の形態10にかかる無声放電式COレーザ発振器の電極構造の断面図である。
(a)のレーザ発振器301では、円筒状の接地電極1と、誘電体3の内周面に形成された高電圧電極2とが、各々絶縁体28中に設置され、放電空間4を形成する。高電圧電極2は実施の形態1で示したものと同様の導電性薄膜である。接地電極1の内部には冷却水通路5が形成され、その外周には誘電体27が設置されている。放電空間4には二酸化炭素を含有するレーザガスが導入され、レーザ発振が行われる。
実施の形態1と同様の高電圧電極2を形成することにより、誘電体が破損した場合、破損部周辺の高電圧電極が短絡電流を瞬時に検知し、高電圧電極2が自己消失または酸化するため、破損部周辺のみ給電を選択的に停止することができる。これにより、高圧ヒューズを用いることなく、また短絡することなく、非破損部のみでのレーザ発振を継続することができる。この結果、高圧ヒューズを用いないことによるコスト削減、および高圧ヒューズによるエネルギー損失の緩和が可能となる。
(b)のレーザ発振器302では、誘電体3の内周面に高電圧電極2が形成され、更にその内部に絶縁体29と冷却水通路5とが設けられている。冷却水は、純水やイオン交換水の他に一般水道水でもよい。絶縁体29は冷却水による電気的導通を絶縁するものであり、また、異常時に蒸発、昇華により自己消失する高電圧電極2を吸着する吸着剤としても作用する。従って、絶縁体29には、絶縁性を有し、かつ比較的多孔質、つまり表面積が大きい材質を選定するのが好ましい。高電圧電極2が酸化して、破損部周辺の給電を選択的に停止する場合、絶縁体29は冷却水の絶縁のみに機能する。
(c)のレーザ発振器303では、誘電体30を平板状に配置するとともに、冷却水通路5を有した接地電極1と、冷却水通路5と絶縁体29の外周面に形成された高電圧電極2とを配置したものである。かかる構造においても、レーザ発信器301、302と同様の効果が得られた。
また、レーザ発信器301〜303のいずれの構造においても、高電圧側の給電箇所は放電空間に面しない部分に設置されているため、高電圧電極2の自己消失効果がより大きくなる。
実施の形態11.
本実施の形態11は、本発明の無声放電を有害ガス分解装置に適用したものである。
図24は、全体が400で表される希薄有害ガス分解装置の電極構造であり、(a)に横断面図、(b)に縦断面図を示す。
ここで有害ガスとは、トルエン、キシレンなどに代表されるVOC(Volatile Organic Compounds)ガスやフロン、PFC(Perfluoro Comounds)などを示す。
有害ガス分解装置400では、接地電極1、高電圧電極2と、誘電体3とで形成される放電空間4内に吸着剤31が充填される。また、高電圧電極2内には絶縁体32を介して冷却水通路5を有する金属管33が配置される。高電圧電極2は実施の形態1で示した導電性薄膜により形成されている。放電空間4に導入された有害ガスはプラズマで分解されながら同時に吸着剤により吸着除去される。このため、極めて高効率に有害ガスを除害することができる。
有害ガス分解装置400では、誘電体が破損した場合、破損部周辺の高電圧電極が短絡電流を瞬時に検知し、自己消失または酸化するため、破損部周辺のみ給電を選択的に停止することができる。これにより、高圧ヒューズを用いることなく、また短絡することなく、非破損部のみでの有害ガス分解を継続することができる。この結果、高圧ヒューズを用いないことによるコスト削減および高圧ヒューズによるエネルギー損失の緩和ができるとともに、小口径の誘電体を使用できることから、有害ガス分解装置のコンパクト化が可能となる
なお、実施の形態10と同様に、異常時に蒸発、昇華により自己消失する高電圧電極2を吸着できるように、絶縁体32には比較的多孔質な材料を選択するのが好ましい。
実施の形態12.
本実施の形態12は、本発明の無声放電を、RIE(Reactive Ion Etching)装置やCVD(Chemical Vapor Deposition)装置などの半導体製造プロセス装置に適用するものである。図25は、本発明を適用したCVD装置の断面図であり、図26は、本発明を適用したRIE装置の断面図である。図25、26中、図1と同一符合は、同一又は相当箇所を示す。
例えば、図25に示すCVD装置や、図26に示すRIE装置では、誘電体3が破損した場合、破損部周辺の高電圧電極が短絡電流を瞬時に検知し、自己消失または酸化するため、破損部周辺のみ給電を選択的に停止することができる。このため、高圧ヒューズを用いることなく、また短絡することなく、非破損部のみでのRIEおよびCVDプロセスを継続することができる。この結果、コスト削減やエネルギー損失の緩和が可能となるとともに、半導体製造装置の停止および大気開放が不要となる。
なお、高電圧側の給電位置は、実施の形態7で示したように接地電極の内側の非放電部であるのが好ましい。また、図25中に示した矢印は、ガスの流れる方向を示しており、処理するウエハは接地電極1の上に配置される。
また、図26では、図25とはガスの流れる方向が異なり、多数の小孔が形成された絶縁性シャワーヘッド35から原料ガスが導入される。この構造では、接地電極1に実施の形態1で示した導電性薄膜を用いた。処理するウエハは高電圧電極2上に形成された誘電体3上に配置される。絶縁体36は放電を抑制するガード部である。当然ながら、高電圧電極2とプラズマリアクタ容器34は絶縁されている。このような構造においても、図25のCVD装置と同様の効果が得られた。
本発明の実施の形態1にかかるオゾン発生装置の断面図である。 従来のオゾン発生装置の断面図である。 従来のオゾン発生装置の部分断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる他のオゾン発生装置の断面図である。 模擬破損部の外観写真である。 模擬破損部の外観写真である。 本発明の実施の形態1にかかるオゾン発生装置の、ガラス管内表面の十点平均表面粗さRzと高電圧電極の膜厚との関係である。 本発明の実施の形態1にかかるオゾン発生装置の、放電空隙長dと、抵抗値、膜厚との関係である。 本発明の実施の形態1にかかるオゾン発生装置の、膜厚と密着力との関係である。 本発明の実施の形態1にかかるオゾン発生装置の部分断面図である。 本発明の実施の形態1にかかるオゾン発生装置の部分断面図である。 本発明の実施の形態1にかかるオゾン発生装置の部分断面図である。 本発明の実施の形態2にかかるオゾン発生装置の部分断面図である。 本発明の実施の形態3にかかるオゾン発生装置の部分断面図である。 ガラス管に破損が発生した場合の、駆動電源の出力電圧および出力電流波形である。 本発明の実施の形態3で用いる制御装置である。 本発明の実施の形態3で用いるタイミングチャートである。 本発明の実施の形態4にかかるオゾン発生装置の部分断面図である。 本発明の実施の形態5にかかるオゾン発生装置の部分断面図である。 本発明の実施の形態6にかかるオゾン発生装置の部分断面図である。 本発明の実施の形態7にかかるオゾン発生装置の断面図である。 本発明の実施の形態7にかかるオゾン発生装置の断面図である。 本発明の実施の形態10にかかるレーザ発振器の断面図である。 本発明の実施の形態11にかかる有害ガス分解装置の断面図である。 本発明の実施の形態12にかかる半導体製造装置の断面図である。 本発明の実施の形態12にかかる半導体製造装置の断面図である。
符号の説明
1 接地電極、2 高電圧電極、3 誘電体、4 放電空間、5 冷却水通路、6 駆動電源、7 給電部材、8 端板、9 端板、100 オゾン発生装置。

Claims (10)

  1. 誘電体と、該誘電体を挟んで対向配置された1組の電極と、該電極間に交流電圧を印加して放電させる交流電源とを含み、該放電を発生させる放電空間にガスを供給してプラズマを形成する無声放電式プラズマ発生装置であって、
    該電極の少なくとも一方が、該誘電体の上に形成された導電性の給電薄膜からなり、該誘電体が破損して該電極間にアーク放電が発生した場合に、該アーク放電が発生した部分の該給電薄膜を消滅させて、該アーク放電の発生を停止させることを特徴とする無声放電式プラズマ発生装置。
  2. 誘電体と、該誘電体を挟んで対向配置された1組の電極と、該電極間に交流電圧を印加して放電させる交流電源とを含み、該放電を発生させる放電空間にガスを供給してプラズマを形成する無声放電式プラズマ発生装置であって、
    該電極の少なくとも一方が、該誘電体の上に形成された導電性の給電薄膜からなり、該誘電体が破損して該電極間にアーク放電が発生した場合に、該アーク放電が発生した部分の該給電薄膜を酸化させて電気抵抗を増大させ、該アーク放電の発生を停止させることを特徴とする無声放電式プラズマ発生装置。
  3. 上記給電薄膜が、略0.05〜略100μmの膜厚を有する導電性薄膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の無声放電式プラズマ発生装置。
  4. 上記誘電体の熱膨張係数が、1×10−5-1未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無声放電式プラズマ発生装置。
  5. 上記給電薄膜が形成される上記誘電体の表面が、略15μm以下の十点平均表面粗さであることを特徴とする請求1または2に記載の無声放電式プラズマ発生装置。
  6. 上記給電薄膜が、ステンレス、クロム、金、銀、錫、亜鉛、ニッケル、カーボン、銅、およびアルミニウムからなる材料の群から選択される少なくとも1つの材料を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の無声放電式プラズマ発生装置。
  7. 上記給電薄膜が、無電解メッキまたは電解メッキにより形成されたメッキ膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の無声放電式プラズマ発生装置。
  8. 上記交流電源が、上記給電薄膜に対向して配置される電極の端部から、少なくとも略10mmの沿面距離を有して、上記放電空間の外部で該給電薄膜に接続されたことを特徴とする請求項1または2に記載の無声放電式プラズマ発生装置。
  9. 上記誘電体が、外径が略30mm以下で、かつ厚さが0.5mm以上のガラス管であることを特徴とする請求項1または2に記載の無声放電式プラズマ発生装置。
  10. 上記交流電源の出力電圧と出力電流の少なくとも一方を監視し、上記誘電体が破損して上記電極間にアーク放電が発生した場合に、該交流電源を少なくとも0.5秒間停止させて該アーク放電の発生を停止させる制御回路を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の無声放電式プラズマ発生装置。
JP2007510383A 2005-03-28 2006-03-16 無声放電式プラズマ装置 Active JP4510882B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005091426 2005-03-28
JP2005091426 2005-03-28
PCT/JP2006/305238 WO2006103945A1 (ja) 2005-03-28 2006-03-16 無声放電式プラズマ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2006103945A1 true JPWO2006103945A1 (ja) 2008-09-04
JP4510882B2 JP4510882B2 (ja) 2010-07-28

Family

ID=37053206

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007510383A Active JP4510882B2 (ja) 2005-03-28 2006-03-16 無声放電式プラズマ装置

Country Status (4)

Country Link
EP (2) EP1870974B1 (ja)
JP (1) JP4510882B2 (ja)
CN (1) CN101128964B (ja)
WO (1) WO2006103945A1 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5654238B2 (ja) * 2006-12-28 2015-01-14 ネーデルランツ オルガニサティー フォール トゥーゲパストナトゥールヴェテンシャッペリーク オンデルズーク テーエンオー 表面誘電体バリア放電プラズマユニット、および表面プラズマを発生させる方法
KR100875233B1 (ko) * 2007-02-06 2008-12-19 (주)에스이 플라즈마 돌출된 플라즈마 배출구 주위에 흡입구가 형성된 플라즈마발생장치
CN101627514B (zh) * 2007-03-05 2012-12-05 奥奈特有限公司 低温等离子体发生器
JP5086282B2 (ja) * 2009-01-08 2012-11-28 三菱電機株式会社 オゾン発生装置
JP5063622B2 (ja) * 2009-01-28 2012-10-31 三菱電機株式会社 無声放電式プラズマ発生装置および無声放電式プラズマ発生装置における消孤方法
JP4875120B2 (ja) * 2009-05-19 2012-02-15 三菱電機株式会社 オゾン発生装置
JP5456049B2 (ja) * 2009-09-15 2014-03-26 三菱電機株式会社 プラズマ生成装置
CN101993046A (zh) * 2010-11-29 2011-03-30 福建新大陆环保科技有限公司 一种用于臭氧发生器的多间隙的放电单元
US8663569B2 (en) * 2010-12-21 2014-03-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Ozone generating apparatus
US8723423B2 (en) * 2011-01-25 2014-05-13 Advanced Energy Industries, Inc. Electrostatic remote plasma source
WO2012165583A1 (ja) * 2011-06-03 2012-12-06 株式会社和廣武 Cvd装置、及び、cvd膜の製造方法
US10384938B2 (en) 2011-08-26 2019-08-20 Aqua21 Limited Ozone generator
JP2014002937A (ja) * 2012-06-19 2014-01-09 Air Water Inc 大気圧プラズマ処理装置、大気圧プラズマ処理装置の製造方法および大気圧プラズマ処理方法
JP2014002936A (ja) * 2012-06-19 2014-01-09 Air Water Inc 大気圧プラズマ処理装置および大気圧プラズマ処理方法
WO2014009883A2 (en) * 2012-07-11 2014-01-16 Asahi Glass Company, Limited Device and process for preventing substrate damages in a dbd plasma installation
JP2015076328A (ja) * 2013-10-10 2015-04-20 株式会社ケイテックリサーチ プラズマ処理装置
JP6560064B2 (ja) * 2015-09-01 2019-08-14 株式会社東芝 気流発生装置に発生した損傷の補修方法
CN112087854B (zh) * 2019-06-12 2024-01-23 中国石油化工股份有限公司 介质阻挡放电等离子体发生装置
JP7203295B1 (ja) * 2022-04-15 2023-01-12 三菱電機株式会社 放電装置の製造方法および放電装置
JP7334309B1 (ja) 2022-07-15 2023-08-28 日本特殊陶業株式会社 オゾン発生体、及びオゾン発生器

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61266304A (ja) * 1985-05-21 1986-11-26 オツォニア・アクチェンゲゼルシャフト オゾン発生器
JPH11500705A (ja) * 1995-03-25 1999-01-19 ユーロフラム ゲーエムベーハー オゾナイザおよびその製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2406606A1 (fr) * 1977-10-18 1979-05-18 Degremont Electrode pour appareil generateur d'ozone
JP2531772B2 (ja) * 1989-01-09 1996-09-04 株式会社東芝 オゾン発生装置
US5955038A (en) * 1995-03-25 1999-09-21 Euroflamm Gmbh Ozonizer and method of manufacturing it
CN2521868Y (zh) * 2001-11-02 2002-11-20 朱益民 多重微放电协同一体的放电装置
CN2653838Y (zh) * 2003-10-31 2004-11-03 罗炳灿 丝状等离子体反应器

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61266304A (ja) * 1985-05-21 1986-11-26 オツォニア・アクチェンゲゼルシャフト オゾン発生器
JPH11500705A (ja) * 1995-03-25 1999-01-19 ユーロフラム ゲーエムベーハー オゾナイザおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP1870974B1 (en) 2014-05-07
EP2479856A1 (en) 2012-07-25
EP1870974A1 (en) 2007-12-26
CN101128964A (zh) 2008-02-20
WO2006103945A1 (ja) 2006-10-05
CN101128964B (zh) 2012-05-09
EP2479856B1 (en) 2016-09-14
EP1870974A4 (en) 2011-09-07
JP4510882B2 (ja) 2010-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4510882B2 (ja) 無声放電式プラズマ装置
US7922979B2 (en) Silent discharge plasma apparatus
US2951143A (en) Arc torch
JP3827708B2 (ja) 軟x線を利用した静電気除去装置
JP2007059397A (ja) 常圧プラズマ発生用電極の製造方法及び電極構造とこれを利用した常圧プラズマの発生装置
TW201701940A (zh) 電漿炬
JP2011212838A (ja) ナノパウダー合成用のパルスアーク放電を起こさせる方法および装置
JP5438818B2 (ja) オゾン発生装置およびオゾン発生方法
JP5063622B2 (ja) 無声放電式プラズマ発生装置および無声放電式プラズマ発生装置における消孤方法
WO2019229865A1 (ja) オゾン発生装置
KR20110114479A (ko) 플라즈마 발생 장치
US20080006521A1 (en) Method for initiating a pulsed arc discharge for nanopowder synthesis
JP6783389B2 (ja) 電流遮断素子、およびオゾン発生装置
JP5243485B2 (ja) 電流遮断素子および電流遮断素子を用いた高電圧装置
CN209759028U (zh) 具备独立保护功能的臭氧发生器
JPH08185999A (ja) 放電化学反応器
JPH058047A (ja) プラズマトーチのノズル
KR101193380B1 (ko) 플라즈마 발생 장치
JPS63143263A (ja) Pvdコ−デイング設備の放電不良防止装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100427

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100430

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4510882

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140514

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250