JPWO2006101229A1 - プローブアレイ及びプローブアレイの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、表面の化学的性状が均一化され区画化されたアレイ領域を備えるプローブアレイを提供することを目的とする。本発明は、区画化され、多数個のプローブが固定化され複数個のアレイ領域を基板上に備えるプローブアレイにおいて、複数個の前記アレイ領域間を区画する隔壁を有するセパレーターを前記基板に装着して備えるようにする。基板表面への印刷や化学的処理による疎水性領域の形成に替えて、区画を可能な隔壁を有するセパレーターを装着することで実現することにより上記課題を解決できる。

Description

本発明は、アレイ状にプローブを保持したプローブアレイ及びその製造方法に関し、詳しくは、複数個のアレイ領域を有するプローブアレイ、そのためのセパレーター、プローブアレイの製造方法及び核酸ハイブリダイズ方法等に関する。
ガラス基板を用いた一般的なDNAマイクロアレイにおいて、一つの基板上に複数のアレイ領域(個々のアレイ領域は、多数個のプローブが固定されたプローブ固定領域である)を形成して多検体を同時に処理することが試みられている。ハイブリダイズは、複数のアレイ領域を有するガラス基板に一枚のカバーガラスを載せて実施されるが、こうした方法では、近接するアレイ領域の反応液(ターゲットを含む溶液)が互いに混合するという問題が生じかねない。このため、例えば、特開2002−65274には、アレイ領域を区画する区画壁に疎水性を付与する一方、アレイ領域内を親水性とすることで、反応液をアレイ領域内に保持して混合を回避することが開示されている。
図19に示すように、DNAマイクロアレイなど多数のプローブを基板上に保持するアレイにおいては、通常、プローブを基板表面に固定化するための表面処理をしたうえ、インクジェット法等各種の方式によりプローブを基板表面に供給し、その後プローブを基板表面に固定するための固定化処理を行っている。複数のアレイ領域を区画するための疎水性領域の形成には、印刷あるいは化学処理が用いられているが、こうした疎水性領域を基板に固定するには、数百度の高温や基板の所定の液体への浸漬を必要とし、プローブとなる核酸やタンパク質などの生体物質や表面処理を劣化させる可能性がある。このため、従来は、図19に示すように、疎水性領域の形成工程を表面処理やスポッティングに先だって行い、予め疎水性領域を形成した基板の疎水性領域が形成されていない領域に対し、表面処理を行い、その後スポッティングを行っている。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、予め疎水性領域が形成された基板に表面処理を行い、プローブをスポットし、固定化すると、疎水性領域によって区画されたアレイ領域内のハイブリダイズ反応の均一性が従来に比して低下する傾向があることがわかった。また、印刷やコーティング等による疎水性領域で区画されたアレイ領域内でのハイブリダイズ反応は効率が低下する傾向もあった。さらに検討を進めたところ、こうしたハイブリダイズにおける不具合は、アレイ領域表面の化学的性質の不均一性に一因があることがわかった。
また、こうした複数のアレイ領域を有するアレイにおいては、被験液のアレイ領域間における被験液のコンタミネーションが大きな問題となる。例えば、被験液をアレイ領域に滴下した後、アレイを所定の反応室に収容したり、さらに所定条件のインキュベーター等にセットするなどアレイの移送に伴ってコンタミネーションが生じやすくなっている。
さらに、複数のアレイ領域を有するアレイにおいては、個々のアレイの区域を識別したり、特定のアレイを識別することが困難であった。
そこで、本発明は、表面の化学的性状が均一化され区画化されたアレイ領域を備えるプローブアレイを提供することを目的の一つとする。また、本発明は、ハイブリダイズ等プローブと被験液との良好な反応を実現できる区画化されたアレイ領域を備えるプローブアレイを提供することを他の一つの目的とする。さらに、本発明はアレイ領域間のコンタミネーションを抑制又は回避できるプローブアレイを提供することを他の一つの目的とする。また、本発明は、基板上の任意の領域に上記のようなアレイ領域を形成できるプローブアレイ作製技術を提供することを、さらに他の一つの目的とする。さらに、本発明はアレイ領域の識別性に優れるプローブアレイを提供することを他の一つの目的とする。
本発明者らは、上記した課題について検討した結果、基板の表面処理に先立って施されるアレイ領域の区画のための疎水性領域の形成処理またはその存在が、アレイ領域の表面の化学的性状が不均一化され、この結果、表面処理が不均一化し、また、プローブのスポットの形状や大きさ、ひいては固定化量が不均一化し、この結果ハイブリダイズ等の相互作用反応のバラツキも増大することを見出した。また、特に、こうした不均一化は疎水領域に近接したアレイ領域の辺縁部分に発生することも見出した。こうしたことから、本発明者らは、基板表面への印刷や化学的処理による疎水性領域の形成工程を排除するとともに、表面処理等を施した基板に対してアレイ領域を区画可能な隔壁を有するセパレーターを装着することで従来の課題を解決できることという知見を得て本発明を完成した。したがって、本発明によれば、以下の手段が提供される。
本発明の一つの態様によれば、区画化され、多数個のプローブが固定化された1個以上のアレイ領域を基板上に備えるプローブアレイであって、1個以上の前記アレイ領域を区画する隔壁を有するセパレーターを前記基板に装着して備える、プローブアレイが提供される。本発明においては、プローブは核酸プローブであることが好ましい。また、プローブは、タンパク質プローブであることも好ましい。また、前記アレイ領域は複数個であることが好ましい。
この態様においては、前記セパレーターは、前記基板上の前記プローブが固定されるプローブ固定化層の表面に装着されていてもよく、この場合、前記セパレーターは、前記プローブ固定化後に前記プローブ固定化層表面に装着されることが好ましい。
また、前記セパレーターはシート状であって、接着層を介して基板に対して固定されていることが好ましい。さらに、前記セパレーターは、前記基板に対して分離可能に固定されていることも好ましい。
さらにまた、前記セパレーターの少なくとも一部に疎水性領域を有することもできる。この態様においては、前記セパレーターの前記隔壁の頂面に前記疎水性領域を有していることが好ましい。こうした疎水性領域の水の接触角は60°以上であることが好ましい。より好ましくは70°以上である。なお、前記疎水性領域は、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド及びアクリル樹脂並びにこれらのフッ化物及びハロゲン化物からなる群から選択される材料を含有することができる。
また、前記セパレーターの前記アレイ領域を区画する隔壁で囲まれた領域は前記アレイ領域上に前記プローブと被験試料との相互作用のための開放系キャビティを構成することができる。
さらに、前記隔壁によって規定される前記アレイ領域の設計上の面積は、0.3mm2以上2000mm2以下とすることができる。好ましくは、3mm2以上90mm2以下とすることもできる。さらに、前記アレイ領域を1個以上400個以下備えることもでき、好ましくは1個以上144個以下備えることができる。
さらにまた、前記隔壁によって規定される前記アレイ領域の設計上の面積(Sd)が90mm2以下であって、以下の式(1)で表されるプロービング有効面積率が70%以上とすることができる。
プロービング有効面積率(%)=Se[mm2]/Sd[mm2]×100 (1)
ただし、Seは、プローブと対象物との相互作用に基づくシグナル強度の変動係数が20%以下の領域の面積を表す。
なお、プロービングとは、対象物と選択的又は特異的な相互作用が可能なプローブを用いて対象物との間で当該相互作用を生じさせて対象物を探査、検出、確認等することを意味するものとする。なお、シグナル強度の変動係数とは、プローブアレイ上のプローブに対して相互作用すべき対象物を供給して得られる相互作用に基づくシグナルの変動係数(アレイ領域の微小領域から検出されるシグナル強度の標準偏差/アレイ領域の微小領域から検出されるシグナル強度の平均値)である。シグナル強度の変動係数は、アレイ領域内に単一種類のプローブの微小領域(例えばスポットなどが挙げられる。)を適数個形成し、このプローブに相互作用する対象物を供給してハイブリダイゼーションを行って、各微小領域から検出されるシグナルを測定し、これらのシグナル強度の標準偏差と平均値とを求めることによって得られる。また、シグナル強度の変動係数が20%以下の領域とは、アレイ領域内の適数個の微小領域のうち、上記シグナル強度の変動係数が20%以下となるような微小領域が存在する領域を意味するものとする。なお、シグナル強度の変動係数が20%以下の領域の輪郭は、当該変動係数を充足する微小領域群の最も外側にある微小領域によって規定することができる。また、シグナル強度の変動係数の算出の対象となる微小領域は、3個以上とすることが好ましく、より好ましくは20個以上である。
また、区画化される前記アレイ領域は、当該アレイ領域内の前記隔壁から0.8mm以内の範囲を除外した領域でプロービングによって得られるシグナル強度の変動係数が20%以下となることも好ましい。また、区画化される前記アレイ領域は、深さが10μm以上240μm以下であることが好ましい。
また、区画化される前記アレイ領域は、以下の式(2)で表される比〔R〕が0.02以下とすることもできる。
R=d〔mm〕/Sd〔mm2〕 (2)
ただし、dはアレイ領域の深さ、Sdはアレイ領域の設計上の面積を表す。
また、本態様においては、前記セパレーターは、複数の異なる高さの隔壁を形成可能とすることができる。さらに、前記セパレーターは、前記隔壁の少なくとも一部が除去されて前記隔壁の高さを減殺可能とすることもできる。この態様において、前記セパレーターは、10μm以上1000μm以下の範囲で複数の異なる高さの隔壁を形成可能とすることができる。また、前記セパレーターの隔壁は、前記プローブに対して被験試料を供給して反応させる反応時には、60μm以上の高さを有し、前記反応後の反応生成物のシグナル検出時には60μm未満の高さを有するようにすることもできる。この態様においては、前記アレイ領域の面積は、0.3mm2以上とすることができる。さらに、前記セパレーターは積層体構造を有することができる。また、前記セパレーターは、前記隔壁の少なくとも一部を除去可能な脆弱部を備えることができ、前記セパレーターは積層体であり、前記脆弱部は積層された層の界面部とすることもできる。
また、本態様においては、前記セパレーターは、前記隔壁の上方の少なくとも一部にアレイ領域上方を指向して張り出す張出し部を有することができる。さらに、前記張出し部は、前記アレイ領域の周囲全体にわたって備えられていてもよい。さらにまた、前記張出し部のアレイ領域上方に隔壁から張り出した部分の少なくとも被験液と接触可能な領域は疎水性領域を有することもできる。
また、前記張出し部の最下端の高さ(基板表面からの高さ)は、40μm以上990μm以下であってもよく、前記張出し部は、前記アレイ領域に固定化された前記プローブには到達しない範囲で張出していてもよい。さらに、前記張出し部の内周面によって規定さ
れる領域が、前記アレイ領域の前記プローブが固定化される領域としてもよい。さらにまた、前記張出し部の少なくとも一部が前記隔壁の残余の部分に対して一体化及び/又は除去可能としてもよいし、前記張出し部の全体が前記隔壁の残余の部分に対して一体化及び/又は除去可能としてもよい。
また、本態様においては、前記セパレーターは、前記アレイ領域を区画する隔壁の高さの少なくとも一部を構成することができ、前記基板が前記アレイ領域を区画する隔壁の高さの少なくとも一部を構成していてもよい。
また、本態様においては、前記1個以上のアレイ領域を識別可能な色彩及び/又は画像を有する識別層を備えることもできる。この場合、前記識別層を前記セパレーターの前記基板側に備えることができ、好ましくは、前記セパレーターが前記識別層を備えている。また、前記識別層は、印刷によって形成される層としてもよい。さらにまた、前記識別層は、前記1個以上のアレイ領域を識別可能な色彩を有していてもよいし、前記1個以上のアレイ領域を特定可能に、文字、数字、記号及び図形から選択されるいずれかあるいは2種以上の標識を有していてもよい。さらに、色彩と画像とを備えていてもよい。
また、本発明の他の一つの態様によれば、多数個のプローブが1個以上のアレイ領域を形成して固定化された基板上の前記アレイ領域を区画するための隔壁を有するセパレーターが提供される。この態様においては、前記セパレーターの前記隔壁の上面に疎水性領域を有することが好ましい。なお、アレイ領域は複数個とすることができる。また、前記セパレーターは複数の異なる高さの隔壁を形成可能とすることができる。また、前記セパレーターは、前記隔壁の上方の少なくとも一部にアレイ領域上方を指向して張り出す張出し部を有することができる。
また、セパレーターは、前記1個以上のアレイ領域を識別可能に色彩及び/又は画像を有する識別層を有することができる。この場合、前記識別層を前記基板側に備えることが好ましい。また、前記識別層は、印刷によって形成される層であってもよい。
なお、前記セパレーターは積層体構造を有していてもよい。さらに、前記セパレーターは、上記のいずれかに記載のプローブアレイ用とすることが好ましい。
また、本発明の他の一つの態様によれば、プローブアレイであって、多数個のプローブが1個以上のアレイ領域を形成して固定化され、上記セパレーターによって1個以上の前記アレイ領域が区画化されるプローブアレイも提供される。なお、この態様のプローブアレイは、区画化されていないアレイ領域を備えるプローブアレイであり、この態様のプローブアレイに上記のセパレーターが装着されることで、区画化されたアレイ領域を有するプローブアレイが得られる。
本発明のさらに他の一つの態様によれば、プローブアレイの製造方法であって、多数個のプローブを、1個以上のアレイ領域を形成して基板に固定化する工程と、プローブが固定化された前記基板の表面に、該表面を区画可能な隔壁を備えるセパレーターを装着して、多数個の前記プローブを1個以上の前記アレイ領域に区画する工程と、を備える、製造方法が提供される。この態様においては、前記アレイ領域は複数個とすることができる。
本発明のさらに他の一つの態様によれば、核酸ハイブリダイズ方法であって、核酸プローブのプローブアレイの前記アレイ領域に核酸被験試料を含んだ被験液を供給して前記プローブとのハイブリダイズを実施する工程を備える、ハイブリダイズ方法も提供される。この方法においては、前記プローブアレイは、前記アレイ領域上にハイブリダイズのための開放系キャビティを有しており、前記ハイブリダイズ工程は、前記開放系キャビティに被験液を供給し、加湿条件下で行うことができる。
また、本発明の他の一つの形態によれば、プローブアレイを用いた反応方法であって、タンパク質プローブを備える上記いずれかに記載のプローブアレイの前記アレイ領域に被験液を供給して前記プローブとの反応を実施する工程を備える、反応方法が提供される。
本発明のさらに他の一つの形態によれば、プローブアレイを用いた反応方法であって、
区画化され、多数個のプローブが固定化された1個以上のアレイ領域を基板上に備えるプローブアレイの第1の高さの隔壁で区画された1個以上の前記アレイ領域に被験液を供給して反応させる反応工程と、前記隔壁がないか又は前記隔壁の高さを前記第1の高さよりも低い第2の高さに減じた状態で前記反応工程後の洗浄又は反応生成物の検出を行う後工程と、を備える、反応方法が提供される。
この態様においては、前記反応工程に先だって、前記プローブを前記基板に固定化した後前記第1の高さの隔壁を前記基板上に形成する工程を備えることができる。また、前記反応工程の前記第1の高さの隔壁は、その上方の少なくとも一部にアレイ領域上方を指向して張り出す張出し部を有し、前記後工程においては、前記張出し部を除去して前記隔壁高さを前記第2の高さに減じた状態とすることができる。さらに、前記隔壁は、前記アレイ領域を区画可能なセパレーターを前記基板表面に付与して形成してもよく、前記セパレーターは積層体を用いてもよい。
プローブアレイの一例を示す図である。 プローブアレイの一例の詳細を示す図である。 セパレーターシートにおける隔壁形態の一例を示す図である。 セパレーターシートにおける隔壁形態の一例を示す図である。 プロービング有効面積率の概念図である。 プローブアレイの作製工程の一例を示す図である。 プローブアレイの作製工程において、基板上にプローブのアレイ領域(区画化されていない)が形成された状態を示す図である。 実施例の核酸プローブアレイのアレイ領域のパターンを示す図である。 実施例のセパレーターシートの構成を示す図である。 隔壁からの距離と蛍光強度のCVとの関係を示すグラフである。 実施例と比較例のハイブリダイズ有効面積率の相違を示すグラフである。 アレイ領域の深さと蛍光強度との関係を示すグラフである。 撥水性と蛍光強度との関係を示すグラフである。 アレイ領域の設計上の面積に対するアレイ領域の深さの比Rと蛍光強度との関係を示すグラフである(アレイ領域深さ0.25mmの場合)。 アレイ領域の設計上の面積に対するアレイ領域の深さの比Rと蛍光強度との関係を示すグラフである(アレイ領域深さ0.1mmの場合)。 実施例5で作製したセパレーターシートの積層構造を示す図である。 実施例5で作製したセパレーターシートの積層構造を示す図である。 実施例6で作成したアレイの積層構造を示す図及び平面図である。 従来のプローブアレイの作製工程の一例を示す図である。
本発明の区画化され多数個のプローブが固定されたアレイ領域を基板上に備えるプローブアレイは、前記アレイ領域とその周囲とを区画する隔壁を有するセパレーターを備えることを特徴としている。本発明のプローブアレイによれば、アレイ領域は、アレイ領域とその周囲とを区画する隔壁を有するセパレーターが前記基板に装着されている。すなわち、基板に対して撥水性材料の印刷や浸漬などによる疎水性領域を形成することなくアレイ領域が区画化されている。このため、こうした処理を表面処理前に行うことや疎水性ないし撥水性領域がプローブアレイ調製段階で基板上に存在することによる基板表面の化学的性質の不均一化、表面処理の不均一化、プローブの形状、大きさ、固定化量の不均一化など、各種操作における不均一化を排除できる。この結果、アレイ領域内の化学的性質が均一化された区画化アレイ領域を形成できるし、プローブの固定化形態や固定量等が均一化されて良好なプロービングを実施できる区画化アレイ領域を形成できる。この結果、多検体、多項目のプロービングであっても効率的に行うことができる。
また、本発明のセパレーターは、多数個のプローブが1個以上のアレイ領域を形成して固定化された基板上の前記アレイ領域を区画するための隔壁を有することを特徴としている。このため、このセパレーターを、多数個のプローブが1個以上のアレイ領域を形成して固定化されたプローブアレイに装着することで、本発明の区画化されたアレイ領域を有するプローブアレイを形成でき、この結果、上記と同様の各種の利点を得ることができる。
さらに、本発明のプローブアレイの製造方法は、多数個のプローブを1個以上のアレイ領域を形成可能なパターンで基板に固定化する工程と、プローブが固定化された前記基板の表面に、該表面を1個以上に区画可能な隔壁を備えるセパレーターを装着して、多数個の前記プローブを前記パターンで1個以上の前記アレイ領域に区画する工程と、を備えることを特徴としている。この方法によれば、アレイ領域の区画化を想定したパターンでプローブを固定し、その後に、セパレーターによって多数個のプローブを複数個のアレイ領域に区画する。このため、基板に対して撥水性材料の印刷や浸漬などによる疎水性領域を形成することなくアレイ領域が区画化されることになる。このため、こうした疎水性領域形成処理を省略できるとともに、こうした疎水性領域の存在による各種の上記した不均一化を排除して、好ましいプローブアレイを製造できる。なお、前記アレイ領域は複数個とすることが好ましい。
また、本発明の核酸ハイブリダイズ方法は、プローブアレイのアレイ領域に被験試料を含んだ被験液を供給して前記プローブとのハイブリダイズを実施する工程を備えることを特徴としている。この方法によれば、プローブアレイのアレイ領域において従来の区画化法に起因する各種の不都合が排除されているため、良好なハイブリダイズを実施できる。
また、本発明のプローブアレイは、セパレーターとして複数の異なる高さの隔壁を形成することができる。こうすることで、プローブと被験液との間で良好な反応を実現できる。すなわち、プローブの固定化、ブロッキング、反応、洗浄、シグナル検出等、プローブアレイの製造や反応工程等に応じて必要な高さでアレイ領域を区画することができる。例えば、プローブの固定化や表面処理時においては隔壁高さがこうした処理の妨げにならない程度の高さ又はゼロ(隔壁がない状態)とし、反応時等においては被験液のコンタミネーションを回避又は抑制可能な高さに設定し、洗浄やシグナル検出時においては、隔壁を低くあるいはゼロにすることが可能である。なお、隔壁高さをゼロにするには、セパレーターを基板から分離可能に形成すればよい。また、隔壁の高さを調整することにより、アレイ領域を含むキャビティに対する被験液の供給量の自由度も向上し、被験液の種類や反応の種類に応じて適切な被験液量で容易に反応させることができる。さらに、反応後においてアレイ領域毎に発色反応等させる場合においては隔壁の高さを維持又は高くすればよいし、そうでない場合には、隔壁を除去するか又は高さを減じればよい。
また、本発明のプローブアレイは、また、隔壁の上方の少なくとも一部にアレイ領域を指向して張り出す張出し部を有することができる。こうすることで、隔壁で区画されたアレイ領域を含むキャビティに被験液が供給されるとき、他のアレイ領域との被験液のコンタミネーションを効果的に回避又は抑制でき、この結果、プローブと被験液との良好な反応を実現できる。さらに、こうした張出し部の被験液に接触する部位が疎水性領域を有する場合には、親水性の被験液についてより効果的にコンタミネーションを回避又は抑制できる。また、こうした張出し部によれば、隔壁14の高さを抑制しつつ十分なコンタミネーション抑制効果を得ることができる。なお、こうした張出し部を有する隔壁に対しても、張出し部の少なくとも一部が隔壁の残余の部分に対して一体化又は除去可能とすることで、プローブアレイの製造や各種操作や処理に妨げにならないでかつコンタミネーション抑制効果を発揮させることができる。
さらに、本発明のプローブアレイを用いた反応方法は、アレイ領域が第1の高さの隔壁で区画された状態でプローブと被験液とを反応させ、アレイ領域が前記第1の高さより低い第2の高さで区画されたあるいは隔壁がない状態で前記反応後の洗浄や検出等の各種後工程を実施するものである。こうすることで、プローブと被験液との間で良好な反応を実現できる。すなわち、既に説明したように、アレイ領域を区画する隔壁に求められる特性(高さ等)はアレイの製造、反応工程により異なっているため、隔壁高さを必要に応じ、すなわち、反応時には高く、その後の工程ではより低くすることで、プローブアレイ上で好ましい反応を実現できる。
以下、本発明のプローブアレイ、セパレーター、プローブアレイの製造方法及び核酸ハイブリダイズ方法について順に説明する。
(プローブアレイ)
本発明のプローブアレイ2の一実施形態を図1に示し、その詳細図を図2に示す。プローブアレイ2は、基板4とこの基板4とセパレーター12とを備えている。基板4上には、多数個のプローブ6が固定されたスポット状の微小な領域8を備えており、これらの微小領域8は、例えば、整列されて一つのアレイ領域10を形成している。
(プローブ)
本発明においてプローブ6とは、特に限定しないで、核酸、タンパク質、合成あるいは天然の化合物など、アレイ領域10上で被験液中の各種被験試料と相互作用の結果、直接あるいは間接的に相互作用に基づくシグナルを検出できるものであればよい。例えば、核酸同士は塩基対合に基づくハイブリダイゼーションという相互作用、タンパク質と核酸、タンパク質と低分子化合物、核酸と低分子化合物との特異的結合など、各種の相互作用を利用できる。
本発明のプローブアレイのプローブとしては最も典型的には核酸を用いることができる。核酸としては、少なくとも一部に核酸の塩基対合によって他の核酸とハイブリダイズす
るものであればよく、天然あるいは合成のヌクレオチドのオリゴマーおよびポリマーの双方を含み、さらにゲノムDNA、cDNAなどのDNA、PCR産物、mRNAなどのRNA、ペプチド核酸を含む概念である。核酸は、塩基対合によるハイブリダイズ反応による相互作用、タンパク質や低分子化合物との特異的結合による相互作用によりシグナルを検出することができる。
タンパク質としては、酵素、抗体、抗原やレセプター等を用いることができる。これらはそれぞれ基質、抗原及び抗体、核酸と特異的に反応するために、シグナルを検出することが可能となる。さらに、他の合成あるいは天然の化合物としては、コンビナトリアルケミストリーにより合成した各種の薬剤候補化合物が挙げられる。なお、本発明においては、これらの例示に限定されないで、標的化合物を検出できるものであればプローブ6として用いることができる。
プローブ6は、例えば、直径50μm〜500μm程度の微小領域8として基板4上に存在する。本発明においては、基板4に対するプローブ6の固定方法や固定形態は特に限定することなく、本出願時において公知の全ての形態を包含するものである。したがって、接触型のピンによるプローブ固定方法や非接触型のインクジェット法によるプローブ固定方法のほか、基板4上でプローブ6を合成する方法も含まれる。
(基板)
基板4の形状や材質は特に限定しないが、従来のDNAチップやDNAマイクロアレイ等に用いられている各種の材料の他各種の材料を使用できる。例えば、ガラス、二酸化ケイ素、窒化ケイ素などのシリコン系セラミックスを含むセラミックス、シリコーン、ポリメチルメタクリレート、ポリ(メタ)アクリレートなどの樹脂、金、銀、銅等の金属などを用いることができる。所望の表面特性を付与するために適当なコートが施されていてもよい。なかでも、ガラス基板、シリコーン、アクリル樹脂を使用することができる。
図2に示すように、基板4には、核酸など各種のプローブ6を基板4に固定するために、プローブ6の種類に応じた処理がなされてプローブ固定化層5を備えていることが好ましい。プローブ固定化層5の種類は特に限定しないが、例えば、核酸をプローブ6として固定する場合には、ポリリシンなどの陽電荷ポリマー層、核酸中の官能基あるいは核酸に付加した反応性基を結合可能なアルデヒド基やカルボキシル基を備えるポリマー層などをプローブ固定化層5として備えることができる。なお、基板4においてプローブ6を固定するべき領域は、多孔質であるなど微小な三次元形状を有している場合も含め実質的に平坦であることが好ましい。
(アレイ領域)
基板4上には、アレイ領域10を有している。アレイ領域10は、微小領域8が形成された領域である。アレイ領域10は、多数個の微小領域8の集合体として形成されている。基板4上には、1個以上、好ましくは複数のアレイ領域10を有している。異なるアレイ領域10に異なるプローブ6のグループが固定化されていてもよい。本発明のプローブアレイ2におけるアレイ領域10は少なくとも周囲と区画されているかあるいは他のアレイ領域10と区画化されている。区画化されたアレイ領域10は、このアレイ領域10上に被験液が供給されたとき、この被験液の一定量がアレイ領域10内に保持され、周囲あるいは隣接するアレイ領域10に流出しないように区画化されていることが好ましい。これらのアレイ領域10に異なる被験試料を含む被験液を供給することで、多検体の(または異なる種類の)被験液を同時にアッセイできることになる。
こうした区画化は、好ましくは、アレイ領域10にキャビティ7を形成するようになされている。キャビティ7とは、例えばアレイ領域10の少なくとも一部が開放された開放
系キャビティが挙げられる。典型的には、上方が開放された凹状キャビティである。また、キャビティ7としては、被験液の注入口を開閉可能に備える閉鎖系キャビティであってもよい。こうしたキャビティ7は、後述するセパレーター12によって形成される。こうしたキャビティ7は、プローブ6と被験試料との相互作用のための空間であり、プローブアレイ2が核酸プローブアレイの場合には、ハイブリダイズ反応のための空間となる。
キャビティ7は、基板4自体の備える凹部や凸部によってその深さの一部が形成されていてもよい。例えば、基板4自体がアレイ領域10に対応する浅いウェルを有していてもよいし、逆に、平坦なアレイ領域10を区画する隔壁14の高さの一部に相当する高さの隔壁を有していてもよい。
キャビティ7の深さ(後述する隔壁14の高さと同義である。)は、10μm以上240μm以下であることが好ましい。この範囲であれば、キャビティ7に保持された被験液の厚みにより、キャビティ7を構成する隔壁の影響を抑制して被験液の対流並びに被験試料の拡散を確保でき、その結果として高感度な検出が可能となる。より好ましくは、150μm以下であり、さらに好ましくは100μm以下である。なお、アレイ領域10の深さは、後述するように、基板4のプローブが固定された表面から隔壁14の頂面までの高さとすることができる。こうした距離は、例えば、各種のデジタル測長機などにより容易に測定できる。このようなキャビティ7の構造は、核酸ハイブリダイゼーションなど、水性媒体下でのプロービングを行う場合に好ましい。
さらに、キャビティ7の深さとアレイ領域10の設計上の面積との関係については、以下の式(2)で表される比〔R〕が0.02以下であることが好ましい。比Rがこの範囲であると、キャビティ7の隔壁14の影響を抑制して被験液の対流並びに被験試料の拡散を確保でき、その結果として高感度な検出が可能となる。このようなキャビティ7の構造も、核酸ハイブリダイゼーションなど、水性媒体下でのプロービングを行う場合に好ましい。
R=d〔mm〕/Sd〔mm2〕 (2)
ただし、dはアレイ領域の深さ、Sdはアレイ領域の設計上の面積を表す。
また、アレイ領域10の大きさ、すなわち、設計上のアレイ領域の面積(ハイブリダイズ面積)は、0.3mm2以上2000mm2以下であることが好ましい。この範囲であると、プローブと被験試料との相互作用に基づくシグナル強度の変動係数がよく抑制されるからである。0.3mm2以下であると、隔壁14の影響により被験液の対流並びに被験試料の拡散が阻害されやすくなり、2000mm2以上であると、被験液の対流並びに被験試料の拡散のみではシグナル強度の変動係数を抑制しにくくなる。より好ましくは3mm2以上90mm2以下である。なお、設計上のアレイ領域の面積とは、後述するセパレーター12の隔壁14によって規定される前記アレイ領域の内側の面積である。また、基板4上におけるアレイ領域10の個数は特に限定しないが、好ましくは、1個以上400個以下備えることができ、更に好ましくは1個以上144個以下備えることができる。既存インフラへの対応の観点から、96穴プレート程度のサイズでは400個以下、スライドガラスサイズであれば144個以下が好ましい。
(セパレーター)
基板4上には、アレイ領域10を区画化するセパレーター12を備えている。セパレーター12は、図1〜図4に示すように、アレイ領域10を区画化する隔壁14を備えている。セパレーター12における隔壁14は、アレイ領域10を周囲と区画するためのものであり、区画しようとするアレイ領域10の大きさや形状に対応されている。図3に示す形態では、隔壁14がグリッド状に交差し、隣接するアレイ領域10を区画可能となっており、図4に示す形態では、千鳥状にアレイ領域10を区画可能に千鳥状の隔壁14を有
している。なお、こうした区画化されたアレイ領域10は、図3及び図4に示す形態に限定するものではなく、一つあるいは2個以上のアレイ領域10をどのような形態で区画化するものであってもよい。なお、セパレーター12の隔壁は、個々のアレイ領域10の全体を取り囲むような形態の隔壁10となっていることが好ましい。
セパレーター12の隔壁14の形態は、区画化しようとするアレイ領域10の大きさ、数、形状によって異なるが、セパレーター12自体は、シート状体であることが好ましい。シート状態であれば、その平坦面を利用して基板4に対して装着するのが容易である。シート状体とは、全体形状を意味し、隔壁14の部分がスケルトン状であっても、セパレーター12の厚みと外形形態(幅や長さ等)からシート状であればよい。
セパレーター12は、アレイ領域10を区画可能に基板4に対して装着されていればよい。したがって、基板4にセパレーター12を載置して治具等でこれらを挟んで固定することもできるが、図2に示すように、セパレーター12は、接着層16を介して基板4に対して固定されていることが好ましい。接着層16により固定されることで、プローブ6の固定化後において容易にセパレーター12を基板4に対して装着できる。接着層16は、具体的にはいわゆる強力でかつ長時間の接着性を発揮する接着剤を用いてもよいし、分離が容易な粘着剤を用いることもできる。接着層16を用いる装着は、セパレーター12がシート状体の場合に特に好ましい形態である。
セパレーター12は、その高さ、すなわち、隔壁14の高さが必要に応じて変更可能であることが好ましい。高さを増減可能に構成するには、セパレーター12が構成層の一体化及び/又は除去が可能な積層体構造を有することが好ましい。すなわち、セパレーター12を2層以上の層を有する積層体とし、少なくとも一つの界面において構成層を除去可能とすることで異なる高さを実現できる。一方、積層可能な構成層を有する積層可能な構造体としてもよい。さらには、分離及び一体化の双方が可能な積層体としてもよい。
積層体においてはその界面部が脆弱部でありこの部分で一体化及び/又は除去可能に構成されることが好ましい。例えば、接着剤や粘着剤などの層により一体化又は除去可能に形成されていてもよいし、構成層自体の粘着性や密着性等によって一体化又は除去可能に構成されていてもよい。接着剤等によれば、構成層と構成層との間の接着強度を容易に調整でき、高さ調整時の操作性などを容易に確保することができる。さらに、構成層は機械的な嵌合等によって一体化又は分離可能に構成されていてもよい。構成層を一体化及び/又は除去可能とする界面部分は必要に応じて1箇所又は2箇所以上設けることができる。
また、セパレーター12の高さを変更可能とするには、所定の高さ部位に脆弱部を有する構造体とすることができる。積層構造によらなくても構造的にあるいは材質的に脆弱な部位を有することで当該部位においてセパレーター12の一部を除去してその高さを減ずることができる。
このような高さ可変の隔壁14を有するセパレーター12は、例えば、10μm以上1000μm以下の範囲で高さ調整が可能となっていることが好ましい。この範囲であると、反応時には、被験液のコンタミネーションを回避又は抑制できる隔壁14高さを構成できる一方、反応後においては洗浄やシグナル検出を妨げない程度の高さの隔壁とすることできる。より具体的には、反応時には、60μm以上であることが好ましい。60μm以上であると、被検液の供給量を十分に確保しつつ、アレイ移送時のアレイ領域間のコンタミネーションを良く抑制できるからである。より好ましくは200μm以上である。200μm以上であると、アレイ領域10を含むキャビティ7に供給した被験液の液面の高さが隔壁14を越えない状態でキャビティ7において反応させるのが容易になる。一方、その後の洗浄やシグナル検出等においては60μm未満であることが好ましい。60μm未
満であると洗浄時のアレイ領域に対する洗浄液の液廻りが良く、かつシグナル検出においては、一般的な既存装置(インフラ)への適用に支障をきたさないからである。より好ましくは50μm以下である。なお、隔壁14の高さは、後工程においても40μm以上であることが好ましい。40μm以上であると、隔壁14の上部を除去して隔壁14の高さを減じたときにおいても、反応後の被験液のアレイ領域10間のコンタミネーションを抑制できるからである。
また、セパレーター12は、隔壁14の上方の少なくとも一部にアレイ領域10を指向して張出す張出し部を備えることができる。この張出し部は、アレイ領域10を包囲する隔壁14の周囲全体にわたって形成されていてもよいし、一部にのみ形成されていてもよい。一部にのみ形成されている形態としては、例えば、前記周囲において対向する一対の隔壁にそれぞれ形成されていてもよいし、前記周囲全体にわたって適当な間隔をおいて不連続に多数個の張出し部が形成されていてもよい。
また、張出し部の形状も特に限定しない。張出し部は基板4の表面に平行に張出していてもよいし、斜め下方を指向して張出していてもよい。さらに張出し部は、その内周面が基板4の表面に対してドーム状等上方にテーパ状となるように切欠き状となっていてもよい。張出し部の張出し量は、好ましくはアレイ領域10に固定化されたプローブには到達されない範囲であることが好ましい。張出し部がプローブに到達されていると、被検試料を含む被検液を供給する際に、プローブ上に気泡を残留させてしまう等の不具合を生じることがあるからである。なお、換言すれば、張出し部を有する場合には、張出し部の最も張出した先端側によって規定される領域がアレイ領域10によってプローブが固定化される領域である。したがって、張出し部の先端は、隔壁14から0.8mm以内にあることが好ましい。
また、張出し部の最も下端の位置は、40μm以上990μm以下であることが好ましい。40μm以上であると張り出し部を撓ませて除去する場合でも、張り出し部とアレイ領域との接触、損傷を防ぐことができるからである。より好ましくは60μm以上であり、また、500μm以下である。
張出し部の被験液と接触可能な部位は後述する疎水性領域18を備えていることが好ましい。疎水性領域18を備えることにより、より効果的に被験液のコンタミネーションを回避又は抑制できる。被験液と接触可能な部位は、張出し部の基板4の表面と対向する下面又は内周面等が挙げられる。隔壁14の、張出し部の形成位置が比較的低い場合、例えば、張出し部の最上端の高さが60μm未満であって、張出し部が隔壁14の最上部に形成されているなど、張出し部の頂面が露出されている場合には、その頂面も疎水性領域18を備えていることが好ましい。張出し部に疎水性領域18を付与する場合、典型的には張出し部自体を後述する疎水材料で形成することが好ましい。
張出し部はどのような形態で隔壁14に対してまたセパレーター12に対して備えられていてもよい。隔壁14の最上部に対して張出し部のみを装着し又は除去可能に設けることもできるし、予め隔壁14の最上部等の一部に備える形態であってもよい。また、こうした張出し部は、隔壁14で包囲されたアレイ領域10を含むキャビティ7の開口部(隔壁14の上端縁で構成される)の周縁を一部遮断するようなパッチ状体であってもよい。
なお、張出し部を備えることで隔壁14の高さを抑制しつつ被験液等のコンタミネーションを抑制できる。
(識別層)
セパレーター12は、識別層を備えることができる。識別層は、1個以上の(好ましくは2個以上の)アレイ領域10を識別可能に色彩及び/又は画像を有していればよい。特に、目視によってアレイ領域10を識別可能に色等を有していることが好ましい。識別層は、アレイ領域10を識別可能にアレイ領域10の周囲に形成される。したがって、識別層は、例えば、セパレーター12において隔壁14を構成する平面領域(以下、隔壁相当領域ともいう。)におおよそ対応する平面形態を有することができる。識別層は、隔壁相当領域の全体にわたって色彩及び/又は画像を有していなくてもよい。例えば、アレイ領域10の周縁近傍にアレイ領域10を囲む枠状に形成されていてもよいし、アレイ領域10の周縁近傍の一部に形成されていてもよい。
アレイ領域10の識別のために設けられる識別層は、基板4が透明な基板である場合には、適当な色彩を有していることが好ましい。例えば、セパレーター12の隔壁相当領域又はその一部に何らかの色彩は付されていることで、アレイ領域10を容易に視認できるようになる。また、セパレーター12の隔壁相当領域の個々のアレイ領域10の周縁近傍に、それぞれのアレイ領域10を特定できるような数字、文字、記号、図形やこれらの組み合わせからなる画像を有することにより、個々のアレイ領域10を特定して容易に識別できるようになる。
こうした識別層は、例えば、セパレーター12の形状に対応する着色フィルムであってもよいが、同様の形状であって印刷層又は印刷層を備えたフィルムであってもよい。識別層が印刷層を備えていると、印刷によって任意の色や画像を付与できるため好ましい。識別層は、単一の層から形成されていなくてもよい。2層以上の層が積層されて形成されていてもよい。2層以上の層は、異なる色彩や画像を有することができる。
識別層は、アレイ領域10を識別可能であればセパレーター12のどの部位に設けてもよい。すなわち、セパレーター12の最表面であってもよいが、最表面ではない内層側、すなわち、基板4側に設けられることが好ましい。基板4側に識別層を有することで、識別層を構成するインクなどの着色材と被験液との反応を抑制することができる。
なお、こうした識別層は、アレイ領域10の識別や特定のみならず、プローブアレイ自体を識別するものであってもよい。色彩や画像でプローブアレイを識別することで誤操作を低減することができる。さらに、シグナル検出の方式や型式に併せて任意の色彩や画像を付与してもよい。また、こうした識別層によれば、アレイ領域10の位置を確認しつつ操作が可能であるので操作の確実性が向上する。さらに、プローブアレイの表裏の判断も容易になる。加えて、遮光性能の高い色や画像を有している場合には、下層にある接着層の劣化を抑制して、セパレーター12と基板4との固着性の低下を抑制できる。
識別層は必ずしもセパレーター12に備えられていなくてもよい。基板4の表面に例えば、固定化層5を形成したあとであってセパレーター12の装着前にセパレーター12とは別個に装着するものであってもよい。さらに、固定化層5の形成に先立って基板4の表面に備えられるものであってもよいし、基板4の裏面に備えられるものであってもよい。
セパレーター12は、図2に示すように、基板4のプローブ固定化層5の表面に装着されていることが好ましい。プローブ固定化層5の形成後にセパレーター12が装着されて
いることにより、プローブ固定化層5は、アレイ領域10を区画する従来の疎水性領域の存在やその処理の影響に関わらず、均一に基板4の表面に形成されることになる。さらに、このことから、セパレーター12の隔壁に隣接するアレイ領域10の辺縁領域にも、他の部分と同様に均一にプローブ固定化層5等の表面処理層が形成され備えられることになる。なお、基板4が隔壁14の高さの一部に相当する高さの隔壁を備える場合には、こうした隔壁に対応するようにセパレーター12を装着すればよい。なお、基板4が隔壁14の一部を備える場合には、平坦な基板4と同様、こうした隔壁を備える基板4に対しても隔壁を含むそのアレイ領域10を形成する表面全体に表面処理を施してプローブ固定化層5を形成した後、セパレーター12が装着されることが好ましい。セパレーター12の材料は特に限定しないが、例えば、アクリル樹脂、熱可塑性エラストマー、天然あるいは合成ゴム、シリコーン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ハロゲン化ビニル、ポリカーボネートなどの樹脂を用いることができる。また、セパレーター12は、可撓性を有していることが好ましく、また、透明性を有していてもよい。
セパレーター12の少なくとも一部に疎水性領域18を備えていることが好ましい。セパレーター12に疎水性領域18を備えさせることにより、水性の被験液に対する撥水性を発揮させ、被験液のアレイ領域10間におけるコンタミネーションを抑制できるとともに、結果としてキャビティ7の本来の容量を越えて多くの量の被験液をアレイ領域10内に保持させることができる。なお、本発明における疎水性領域は、少なくとも撥水性を示す表面特性を有する領域を意味し、好ましくは、親水処理など施されていない一般的なケイ酸ソーダガラスよりも高い撥水性を有する領域を意味する。
疎水性領域18は、また、キャビティ7に露出されていることにより、例えば、キャビティ7内での被験液の自然対流を促進する駆動力として作用し、例えば、ハイブリダイズなどの物質間相互作用を良好に発現させることができる。
疎水性領域18は、被験液の流出やコンタミネーション抑制、被験液のキャビティ7への被験液の保持能力を高める観点からは、セパレーター12の隔壁の頂部又は頂面に備えていることが好ましい。ここで、頂部又は頂面とは、いずれも、隔壁14の基板4と反対側の部分あるいは面である。また、キャビティ7内における物質相互作用を促進する観点からは、疎水性領域18はキャビティ7内に露出されるセパレーター12の領域に形成されていることが好ましく、例えば、隔壁14の内側(アレイ領域10側)である。
このような疎水性領域18の備える撥水性は、一般に平坦な表面における水の接触角で表現することができる。本発明における疎水性領域の水の接触角は、30°以上であることが好ましく、より好ましくは60°以上であり、さらに好ましくは70°以上である。最も好ましくは、90°以上である。なお、接触角とは、液滴を水平な固体板状に置いたときに液滴が固体と接している部分の角度をいうものとする。接触角は、静的接触角や臨界値としての前進接触角あるいは後退接触角、さらには動的接触角などをも用いることができるが、液滴法によって測定した静的接触角を用いることが好ましい。
なお、静的接触角を測定する液滴法は、(1)接線法、(2)θ/2法および(3)3点クリック法がある。(1)の接線法は、読み取り顕微鏡等を利用してカーソルを液滴の接線に合わせて接触角を直接求める方法であり、(2)のθ/2法は、液滴の片端と頂点とを結ぶ直線と固体面との角度を2倍して接触角として求める方法であり、(3)の3点クリック法は、液滴と固体面との接点2ヶ所と頂点をコンピュータ画像上等でクリックして画像処理により求める方法である。これらの液滴法においては、上記(2)および(3)の方法にて接触角を求めることが好ましい。
疎水性領域18は、セパレーター12自体の材質を疎水性材料とすることで構成することもできるし、疎水性領域18を形成しようとする領域に対して疎水性材料および/または疎水性(撥水性)を呈する表面形態や層を付与することによっても形成することができる。疎水性領域18を構成する疎水性材料としては、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ハロゲン化ビニル、ポリアミド、ポリイミド及びアクリル樹脂並びにこれらの樹脂のフッ化又は塩化物を挙げることができる。また、撥水性を呈する表面形態としては、例えば、各種材料表面に化学的な修飾や機械的処理により接触角が60°以上になるように粗面化された形態を挙げることができる。
こうしたセパレーター12は、プローブ6が固定化された基板4に装着されてプローブアレイ2を構成する。基板4に装着される前のセパレーター12は、それ自体独立して本発明の一態様を構成する。基板4に装着される前のセパレーター12は、接着層16をその基板4への装着面に備えることができ、接着層16は使用時まで剥離層により保護されていることが好ましい。
このようなプローブアレイ2においては、基板4の表面に対して従来なされていた疎水性領域の形成処理などがなされておらず、基板4上に疎水性領域が存在しないため、プローブ固定化層5などの表面処理が均一に施されている。さらに、このために、アレイ領域10内の全体に均一にプローブ固定化層5が付与されていることになり、アレイ領域10内におけるプローブ6の微小領域8の形成形態やプローブの固定化率などが均一化されている。すなわち、従来のようにアレイ領域10の辺縁領域においてプローブ6の微小領域8の形状が歪んだり、あるいは固定化効率がばらつく若しくは低いなどという不具合が解消されている。
以上のことから、本発明のプローブアレイ2は、従来のアレイに比較してアレイ領域10のプロービング有効面積率(%)が向上されている。プロービング有効面積率とは、設計上のアレイ領域の面積(Sd)に対するプロービング有効面積(Se)の割合である(以下の式(1)参照)。
プロービング有効面積率(%)=Se[mm2]/Sd[mm2]×100 (1)
ただし、設計上のアレイ領域の面積(Sd)は、隔壁14で囲まれたアレイ領域10内の面積であり、プロービング有効面積(Se)とは、当該アレイ領域10内においてプローブと対象物との相互作用を一定の精度以上で検出できる面積であって、相互作用に基づくシグナル強度の変動係数が20%以下の領域の面積とする。例えば、核酸プローブを用いたハイブリダイズ反応の場合には、ハイブリダイズによる蛍光などのシグナル強度の変動係数が20%以下の領域となる。プロービング有効面積率の概念図を図5に示す。
プロービング有効面積率は、区画化されたアレイ領域10の設計上のアレイ領域の面積(Sd)によって異なるが、例えば、Sdが90mm2以下のときには、プロービング有効面積率は70%以上であることが好ましい態様である。このSdの場合、従来アレイでは、プロービング有効面積率は70%に到達していない(実施例1参照)。好ましくは、このSdにおいて、プロービング有効面積率が80%以上であり、より好ましくは85%以上である。
また、本発明のプローブアレイ2の区画化されたアレイ領域10は、隔壁14から0.8mm以内の範囲を除外した領域において、プローブ6と被験試料との相互作用に基づくシグナル強度の変動係数が20%以下とすることができる。従来のアレイでは、隔壁14に対応する疎水性領域から1mm程度を除外しないとこのような均一性を確保できていない。好ましくは、0.6mm以内、さらに好ましくは、0.4mm以内、最も好ましくは0.3mm以内の範囲を除外した領域において前記変動係数が20%以下となる。なお、これらの各種アレイ領域において、変動係数は15%以下であることがより好ましく、さらに好ましくは10%以下である。なお、隔壁14から所定距離離れたライン上にある微小領域8のシグナル強度を測定し、その変動係数を算出することにより、こうした判定を行うことができる。
(プローブアレイの製造方法)
次に、本発明のプローブアレイの製造方法について説明する。プローブアレイとして図1及び2に示すプローブアレイ2を例示して、図6を参照しながら本発明の製造方法について説明する。
本発明のプローブアレイの製造方法は、多数個のプローブ6を区画化された複数個のアレイ領域10を形成可能なパターンで基板4に固定化する工程と、プローブ6が固定化された前記基板4の表面に、該表面を複数個に区画可能な隔壁14を備えるセパレーター12を装着して、多数個の前記プローブ6を前記パターンで複数個のアレイ領域10に区画する工程と、を備えている。
プローブ6の固定化工程では、プローブ固定化層5を備える基板4に対してプローブ6を各種の方法で供給する。プローブ6は、微小領域8を形成するように供給されることが好ましい。プローブ6の供給方法等は、既に述べたように特に限定しないし、また、プローブ6を基板4表面において合成する方法も排除されない。プローブ6は、後段で複数個のアレイ領域10を形成可能なパターンで供給される。例えば、図7に示すように、多数個の微小領域8が整列してなるアレイ領域10が基板4上にいくつか形成される。このパターンは、後段で装着されるセパレーター12の隔壁14によって規定されるアレイ領域10の区画形態に対応している。なお、基板4がアレイ領域10に対応する凹部や隔壁14の高さの少なくとも一部に対応する凸部を備えていてもよく、この場合にはこれらに対しても同様にプローブ固定化層5が付与されていることが好ましい。
プローブ6の微小領域8のパターンが形成された基板4に対して、加熱処理、液中への浸漬、脱水・洗浄等、プローブ6とプローブ固定化層5との種類に応じた処理を行ってプローブ6を固定する。
本方法では、プローブ6の固定化に先立って、区画のための疎水性領域の形成処理も行われておらず、その結果、疎水性領域も基板4上に存在していない。このため、基板4上には均一にプローブ固定化層5が付与された状態となっており、この結果、プローブ6は固定化層5により確実に、より良好な形態で固定化されることになる。
こうして多数個のプローブ6が、複数個の区画化されたアレイ領域10を形成可能なパターンで基板4に固定化されたプローブアレイが得られる。こうしたプローブアレイは、使用時にセパレーター12を装着することで区画化されたアレイ領域10を備えるプローブアレイとなる。したがって、セパレーター12が装着されず区画化されていないアレイ領域10を備えるプローブアレイは、このままの状態で保存可能であり、また、流通可能である。
次いで、プローブ6が固定化された基板4の表面に、セパレーター12を装着する。基板4の最表層はプローブ6が固定化されたプローブ固定化層5であるので、セパレーター12はプローブ固定化層5に装着されることになる。セパレーター12は基板4の表面を複数個に区画可能な隔壁14を備えており、セパレーター12を基板4の表面に装着することにより、アレイ領域10を区画化できる。セパレーター12の装着方法及び装着形態には特に限定されず、接着層16を介してもよいし、治具等により基板4とセパレーター12とを挟持するようにしてもよい。
このようにして得られるプローブアレイ6は、上記のとおりの構成を有することができる。したがって、本発明のプローブアレイの製造方法においては、既に説明したプローブアレイ6の各種形態を包含する。
(核酸のハイブリダイズ方法)
本発明のプローブアレイにおいて、プローブとして核酸プローブを用いることで、核酸被験試料を含む多数の又は異種の被験液を同時にハイブリダイズアッセイできる核酸ハイブリダイズ方法が提供される。すなわち、核酸ハイブリダイズ方法は、プローブアレイ2の区画化されたアレイ領域10に核酸被験試料を含んだ被験液を供給して核酸プローブ6とのハイブリダイズを実施する工程を備えている。このハイブリダイズ方法においては、アレイ領域10上にハイブリダイズのための開放系キャビティ7を有していることが好ましく、ハイブリダイズ工程では、開放系キャビティ7に被験液を供給し、加湿条件下でハイブリダイズを行うことが好ましい。こうすることで、被験試料液のコンタミネーションを回避して多数個の核酸被験液を同時にアッセイすることができる。
(プローブアレイを用いた反応方法)
本発明のプローブアレイを用いた反応方法は、多数個のプローブが固定化され区画化された1個以上のアレイ領域を基板上に備えるプローブアレイであって第1の高さを有する隔壁で区画された1個以上の前記アレイ領域に被験液を供給して反応させ、隔壁がないか又は隔壁の高さを前記第1の高さよりも低い第2の高さに減じた状態で前記反応工程後の洗浄又は反応生成物の検出を行うことが好ましい。ここで第1の高さは、例えば、10μm以上であることが好ましく、また1000μm以下であることが好ましい。また、例えば、第2の高さは、60μm未満であることが好ましく、より好ましくは50μm以下である。また、第2の高さは40μm以上であることが好ましい。なお、隔壁14を除去してもよいが、上記高さ以上の隔壁14を残すことにより、セパレーター12の上部を除去して隔壁14の高さを減ずる際において、アレイ領域10間のコンタミネーションを効果的に抑制できる。
このように区画化されたアレイ領域10を有するプローブアレイを用いる反応において、必要に応じて隔壁14の高さを変更するには、その都度、隔壁14を形成するようなセパレーターを装着してもよいが、高さの変更が可能な本発明のセパレーター12を用いることが好ましい。こうしたセパレーター12によれば、反応から検出までの各種ステップに応じた高さの隔壁14を容易に構築でき、被験液のコンタミネーションを効果的に抑制しつつ、十分な被験液量の供給が可能であり、洗浄も容易であり、さらにシグナル検出にも適した厚みとすることができる。また、セパレーター12が張出し部を有する場合には、効果的に被験液のコンタミネーションを抑制できるため、隔壁14の高さを低くすることもできる。
以下、本発明を、実施例を挙げて具体的に説明する。本実施例は、基板の表面処理コートの均一性を、化学操作(印刷による撥水性附与)後に表面コートした場合と表面コート後にセパレーターシートを貼付した場合とで比較するものである。比較方法は、3基板間のハイブリダイゼーションによって得られた蛍光強度の変動係数(CV:(標準偏差/平均値)×100(%))を隔壁に沿った列毎に算出して、CVが安定する距離を確定するとともに、ハイブリダイズ有効面積率の大小からコートの均一性を評価した。ハイブリダイズ有効面積率は、(安定したCVを得られたアレイ領域の面積/設計上のアレイ領域の面積)×100(%)と定義する。
まず、ポリL−リジンでコートされたガラス基板上に、図8に示すように、複数区画に分けてラット由来のcDNAを99種スポットした。次いで、このガラス基板に対し、8
0℃で1時間加熱処理、ブロッキング溶液への浸漬処理(15分間)、及び沸騰した滅菌水中への浸漬処理(3分間)を施し、エタノールで脱水した後、遠心乾燥して、核酸プローブアレイ(区画化前)を作製した。なお、ブロッキング溶液は、70mM無水コハク酸、0.1Mホウ酸ナトリウム(pH8.0)、1−methyl−2−pyrrolidinoneとした。
複数のアレイ領域に区画化するセパレーターシートは、図9に示す構成を有しており、次のようにして作製した。すなわち、片面にシリコーン系撥水処理(水の接触角110°)を施したアクリルシート(t=0.037mm)の撥水処理面の反対面に両面接着シートと片面接着シートとを積層し、この積層体を図8に示す複数区画に対応するパターンで打ち抜いた。
このセパレーターシートを、区画化前の核酸プローブアレイに貼付し、実施例の核酸プローブアレイを作製した。
比較例の核酸プローブアレイは以下のようにして作製した。すなわち、図8に示すパターンに基づいて予め撥水材料をガラス基板に印刷し撥水材料を加熱凝固させた後にポリL−リジンでコートされたガラス基板を用意し、上記と同様にcDNAをスポット後、加熱処理、ブロッキング、洗浄及び乾燥を行い、セパレーターシートを貼付することなく比較例の核酸プローブアレイを作製した。
次に、ラット由来のmRNAを基板あたり1μg使用して、細胞工学Vol.18 No.7 1999記載の手順に従いCy3標識cDNAを調製した。この被験液を、DNAアレイの各アレイ領域に 8μlずつ滴下し、ハイブリダイゼーションを終濃度(5×SSC,0.5%SDS)で行うこととした。このプローブアレイを、滅菌水を3ml封入したタイトボックスに設置し、静置してハイブリダイゼーションを実施した。ハイブリダイゼーション条件は、42℃、湿度100%RH、16時間とした。
所定時間経過後、プローブアレイを以下の3種溶液((2×SSC,0.1%SDS)溶液、(1×SSC)溶液、(0.1×SSC)溶液)中でこの順でそれぞれ5分振とうして洗浄した。洗浄後、遠心機(1000rpm,3分間)にてプローブアレイを乾燥させ、スキャナー(Packard BioChip Technologies社製Scan Array4000)にて蛍光を測定した。蛍光強度の測定値を、数値解析ソフト(Axon社製Gene Pix.Pro)を用いて数値化し、さらに、Excelを用いて実施例及び比較例それぞれ3枚の基板間のCVを算出し、CVの安定するスポットの壁面からの距離を確定するとともに、該距離からハイブリダイズ有効面積率を算出した。
図10に示すように、実施例のプローブアレイ(表面コート後にシートを貼付して撥水性を附与したアレイ)は、比較例のプローブアレイ(撥水性附与後に表面コートを施したアレイ)に比べて、隔壁から短い距離でCVが安定していた。実施例のプローブアレイは隔壁から0.21mm、比較例のプローブアレイは0.88mmであった。
この距離の算出結果に基づくハイブリダイズ有効面積率は、以下のとおりとなった。
実施例のプローブアレイ:CVの安定する区画壁からの距離が0.21mm
ハイブリ有効面積率は、{(4−0.21×2)×(6−0.21×2)}/24=83.2%
比較例のプローブアレイ:CVの安定する区画壁からの距離が0.88mm
ハイブリ有効面積率は、{(4−0.88×2)×(6−0.88×2)}/24=39.5%
図11にも示すように、実施例のハイブリダイズ有効面積率は比較例のハイブリダイズ有効面積率の約2.1倍に拡大していた。以上のことから、本発明プローブアレイによれば、隔壁周辺のコートムラを抑えることができ、均一性の高いアレイ領域を形成し、核酸プローブが有効に固定されていることがわかった。
本実施例は、アレイ領域の深さが、ハイブリダイゼーションの結果である蛍光強度に及ぼす影響を確認するものである。実施例1で作製したセパレーターシートにおいて、表面の撥水処理剤の種類と両面接着シート及び/又は片面接着シートの厚みとを調整して、2種類の撥水性(水の接触角として70°と110°)で各種の厚みのセパレーターシートを作製した。こうしたセパレーターシートを用いる以外は、実施例1と同様に操作して、実施例の核酸プローブアレイを作製し、ハイブリダイゼーションを行い、蛍光強度を測定し、数値化した。結果を図12に示す。
図12に示すように、アレイ領域の深さ(セパレーターシートの厚みでもある)が250μm近傍で蛍光強度が大きく変化することがわかった。この結果から、アレイ領域の深さは250μm以下であることが好ましいことがわかった。なお、撥水性の相違(ここでは、70°と110°)による蛍光強度の差は認められなかった。
本実施例は、セパレーターシートの隔壁の上面の疎水性領域の撥水性がハイブリダイゼーションの結果である蛍光強度に及ぼす影響を確認するものである。実施例で作製したセパレーターシートにおいて、アクリルシートの表面処理の種類等を調整して各種の撥水性(水の接触角)のセパレーターシートを作製した。撥水性の異なるセパレーターシートを用いる以外は、実施例1と同様に操作して、実施例の核酸プローブアレイを作製し、ハイブリダイゼーションを行い、蛍光強度を測定し、数値化した。結果を図13に示す。
図13に示すように、水の接触角は60°〜70°近傍において蛍光強度が大きく変化することがわかった。この結果から、セパレーターシートの撥水性は、水の接触角が60°以上であることが好ましく、より好ましくは70°以上であることがわかった。
本実施例は、設計上のアレイ領域の面積とアレイ領域の深さが、ハイブリダイゼーションの結果である蛍光強度に及ぼす影響を確認するものである。実施例1で作製したセパレーターシートにおいて、両面接着シート及び/又は片面接着シートの厚みを調整して2種類の厚み(0.25mm及び0.1mm(アレイ領域の深さ))のセパレーターシートを作製するとともに、金型によるうち抜きパターンを1,4,9,16,25,36及び49mm2の合計7種類のシートを作製した。なお、表面処理による撥水性は実施例1と同様とした。これらのセパレーターシートを用いる以外は、実施例1と同様に操作して、実施例のプローブアレイを作製し、ハイブリダイゼーションを行い、蛍光強度を測定し、数値化した。結果を図14及び図15に示す。
図14には、アレイ領域の深さ(セパレーターシートの厚み)が0.25mmのときのアレイ領域の設計上の面積と蛍光強度との関係を示しているが、この図から明らかなように、アレイ領域の設計上の面積が15mm2以上においてそれ未満のときよりも蛍光強度が大きく変化するとともに、ほぼ一定値となった。アレイ領域の設計上の面積が15mm2のとき、アレイ領域の設計上の面積(mm2)に対するアレイ領域の深さ(mm)の比R(図14の右縦軸参照)は、0.02であり、アレイ領域の設計上の面積が増大していくと比Rはより小さくなる。
また、図15には、アレイ領域の深さが0.1mmのときのアレイ領域の設計上の面積と蛍光強度との関係を示しているが、アレイ領域の設計上の面積が5mm2以上においてそれ未満のときと比較して蛍光強度が大きく変化するとともにほぼ一定値となった。このときの上記比Rは、0.02(図15の右縦軸参照)であり、アレイ領域の設計上の面積が増大していくと比Rはより小さくなる。
以上のことから、アレイ領域の設計上の面積(mm2)に対するアレイ領域の深さ(mm)の比は、0.02以下であることが好ましいことがわかった。
本実施例は、高さ可変の隔壁を構成できるセパレーターシート及びさらに張出し部を備えるセパレーターシートを調製した例である。本実施例では、セパレーターシートを以下のように作製した以外は、実施例1と同様にして操作し、ハイブリダイズ反応、洗浄工程を実施した。
本実施例で作製したセパレーターシートを図16及び図17に示す。図16に示すセパレーターシート90は、基板側から、上下面にアクリル系両面接着剤層を備えるポリエチレン(PE)製両面接着シート100、上面にシリコンコーティングされた膜厚38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製シート101、下面にシリコン系接着剤層を有する膜厚90μmのポリエチレン製シート102、上記ポリエチレン製両面接着シート101及び膜厚145μmのPET製シート103を重ね合わせて、必要なパターンで打ち抜いて作製した。ここで、上層側のPE製シート102、両面接着シート101及びPET製シート103は全体で膜厚300μmとなっている。また、このセパレーターシートにおいては、PETシート101とPE製シート102との界面がシリコン系材料で構成されているため、シートの層厚全体で最も脆弱な界面部となっている。
図17に示すセパレーターシート110は、PET製シート103に替えてポリカーボネート製のシート104(膜厚145μm)を重ね、このポリカーボネート製シート104をアレイ領域内側に平行に張出し状になっている以外は、図16に示すセパレーターシート90と同様の構成を有している。なお、図17に示すこのセパレーターシートは、PE製両面接着シート100、PET製シート101、PE製シート102及びPE製両面接着シート100とPC製シート104はそれぞれ別個に打ち抜いた上で位置合わせして一体化して作製した。
これらのセパレーターシートをそれぞれアレイ領域が準備されたガラス製基板に貼り付けて、形成された各アレイ領域に対応するキャビティに被験液8μlを滴下したところ、ハイブリダイズのためにアレイを密閉ボックスに収容したり、さらにこの密閉ボックスをオーブンに設置する操作などにおいて、被験液のコンタミネーションを回避できた。図17に示すPC製の張出し部を備えるセパレーターシートを貼付した基板においては、液体は一層安定してキャビティ内に保持された。また、いずれのセパレーターシートを貼付した基板においても、ハイブリダイズ反応後、PET製シート101とPE製シート102との界面で上部層の膜厚300μmの積層体部分を容易に除去することができた。また、上層部分を除去して隔壁高さを低減させた状態で洗浄したことにより好ましい反応性が得られた。
本実施例は、識別層を有するセパレーターシートを調製し、このセパレーターシートを備えるプローブアレイを作製した例である。本実施例では、セパレーターシートを以下のように作製した以外は、実施例1と同様にして操作し、被験液をアレイ領域に注入した。
本実施例で作製したセパレーターシート200及びプローブアレイ300を図18に示す。図18(a)に示すように、セパレーターシート200は、基板側から、アクリル系両面接着剤層を備えるポリエチレン(PE)製両面接着シート202と、上面にシリコンコーティング層、下面に識別層206を有する膜厚38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製シート204とを重ね合わせて、必要なパターンで打ち抜いて作製した。識別層206は、白色インクで全体が印刷されているとともに、表面から視認できる側に個々のアレイ領域に対応してアレイ領域の周縁に相当する位置に1〜24の数字が印刷されている。
実施例1と同様に操作して24個の区画に分けてプローブをスポットしたガラス基板に、このセパレーターシート200を両面接着シート202を介して貼り付けて24個のアレイ領域を有するプローブアレイ300を作製した。図18(b)に示すように、このプローブアレイ300では、白色の背景に透明な24個のアレイ領域が明示されるとともに、1〜24の数字によって個々のアレイ領域を容易に識別可能であった。形成された各アレイ領域のキャビティに被験液8μlを滴下する際、容易に個々のアレイ領域を視認でき、確実に被験液をアレイ領域に注入することができた。
本発明は、2005年3月25日に出願された日本国特許出願第2005−089403、2005年10月28日に出願された日本国特許出願第2005−315262号、2006年1月31日に出願された国際出願PCT/JP2006/301565,および2006年3月2日に出願された米国仮出願60/778,100を優先権主張の基礎としており、引用によりその内容のすべてが編入される。
本発明は、試料中の核酸、タンパク質、合成あるいは天然の化合物などの検出装置の製造およびその検出結果を利用する産業に利用できる。

Claims (65)

  1. 区画化され、多数個のプローブが固定化された1個以上のアレイ領域を基板上に備えるプローブアレイであって、
    1個以上の前記アレイ領域を区画する隔壁を有するセパレーターを前記基板に装着して備える、プローブアレイ。
  2. 前記アレイ領域は複数個である、請求項1に記載のプローブアレイ。
  3. 前記セパレーターは、前記基板上の前記プローブが固定されるプローブ固定化層の表面に装着される、請求項1又は2に記載のプローブアレイ。
  4. 前記セパレーターは、前記プローブ固定化後に前記プローブ固定化層表面に装着されている、請求項3に記載のプローブアレイ。
  5. 前記セパレーターはシート状であって、接着層を介して基板に対して固定されている、請求項1〜4のいずれかに記載のプローブアレイ。
  6. 前記セパレーターは、前記基板に対して分離可能に固定されている、請求項1〜5のいずれかに記載のプローブアレイ。
  7. 前記セパレーターの少なくとも一部に疎水性領域を有する、請求項1〜6のいずれかに記載のプローブアレイ。
  8. 前記セパレーターの前記隔壁の頂面に前記疎水性領域を有している、請求項7に記載のプローブアレイ。
  9. 前記疎水性領域の水の接触角は60°以上である、請求項7又は8に記載のプローブアレイ。
  10. 前記疎水性領域は、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド及びアクリル樹脂並びにこれらのフッ化物及びハロゲン化物からなる群から選択される材料を含有する、請求項7〜9のいずれかに記載のプローブアレイ。
  11. 前記セパレーターの前記アレイ領域を区画する隔壁で囲まれた領域は前記アレイ領域上に前記プローブと被験試料との相互作用のための開放系キャビティを構成する、請求項1〜10のいずれかに記載のプローブアレイ。
  12. 前記隔壁によって規定される前記アレイ領域の設計上の面積は、0.3mm2以上2000mm2以下である請求項1〜11のいずれかに記載のプローブアレイ。
  13. 前記アレイ領域を1個以上400個以下備える、請求項1〜12のいずれかに記載のプローブアレイ。
  14. 前記隔壁によって規定される前記アレイ領域の設計上の面積(Sd)が90mm2以下であって、以下の式(1)で表されるプロービング有効面積率が70%以上である、請求項1〜13のいずれかに記載のプローブアレイ。
    プロービング有効面積率(%)=Se[mm2]/Sd[mm2]×100 (1)
    ただし、Seは、プローブと被験試料との相互作用に基づくシグナル強度の変動係数が
    20%以下の領域の面積を表す。
  15. 区画化される前記アレイ領域は、当該アレイ領域内の前記隔壁から0.8mm以内の範囲を除外した領域でプロービングによって得られるシグナル強度の変動係数が20%以下となる、請求項1〜14のいずれかに記載のプローブアレイ。
  16. 区画化される前記アレイ領域は、深さ(d)が10μm以上240μm以下である、請求項1〜15のいずれかに記載のプローブアレイ。
  17. 区画化される前記アレイ領域は、以下の式(2)で表される比〔R〕が0.02以下である、請求項1〜16のいずれかに記載のプローブアレイ。
    R=d〔mm〕/Sd〔mm2〕 (2)
    ただし、dはアレイ領域の深さ、Sdはアレイ領域の設計上の面積を表す。
  18. 前記セパレーターは、複数の異なる高さの隔壁を形成可能である、請求項1〜17のいずれかに記載のプローブアレイ。
  19. 前記セパレーターは、10μm以上1000μm以下の範囲で複数の異なる高さの隔壁を形成可能である、請求項18に記載のプローブアレイ。
  20. 前記セパレーターは、前記隔壁の少なくとも一部が除去されて前記隔壁の高さを減殺可能である、請求項1〜19のいずれかに記載のプローブアレイ。
  21. 前記セパレーターの隔壁は、前記プローブに対して被験試料を供給して反応させる反応時には、60μm以上の高さを有し、前記反応後の反応生成物のシグナル検出時には60μm未満の高さを有する、請求項18〜20のいずれかに記載のプローブアレイ。
  22. 前記アレイ領域の面積は、0.3mm2以上である、請求項18〜21のいずれかに記載のプローブアレイ。
  23. 前記セパレーターは積層体構造を有する、請求項18〜22のいずれかに記載のプローブアレイ。
  24. 前記セパレーターは、前記隔壁の少なくとも一部を除去可能な脆弱部を備える、請求項18〜23のいずれかに記載のプローブアレイ。
  25. 前記セパレーターは積層体であり、前記脆弱部は積層された層の界面部である、請求項24に記載のプローブアレイ。
  26. 前記セパレーターは、前記隔壁の上方の少なくとも一部にアレイ領域上方を指向して張り出す張出し部を有する、請求項1〜25に記載のプローブアレイ。
  27. 前記張出し部を、前記アレイ領域の周囲全体にわたって備える、請求項26に記載のプローブアレイ。
  28. 前記張出し部のアレイ領域上方に隔壁から張り出した部分の少なくとも被験液と接触可能な領域は疎水性領域を有している、請求項26又は27に記載のプローブアレイ。
  29. 前記張出し部の最下端の高さは、40μm以上990μm以下である、請求項26〜28のいずれかに記載のプローブアレイ。
  30. 前記張出し部は、前記アレイ領域に固定化された前記プローブには到達しない範囲で張出している、請求項26〜29のいずれかに記載のプローブアレイ。
  31. 前記張出し部の内周面によって規定される領域が、前記アレイ領域の前記プローブが固定化される領域である、請求項26〜30のいずれかに記載のプローブアレイ。
  32. 前記張出し部を含む部分が前記隔壁の残余の部分に対して一体化及び/又は除去可能である、請求項26〜31いずれかに記載のプローブアレイ。
  33. 前記張出し部全体が前記隔壁の残余の部分に対して一体化及び/又は除去可能である、請求項32に記載のプローブアレイ。
  34. 前記セパレーターは、前記アレイ領域を区画する隔壁の高さの少なくとも一部を構成する、請求項1〜33のいずれかに記載のプローブアレイ。
  35. 前記基板は、前記アレイ領域を区画する隔壁の高さの少なくとも一部を構成する、請求項1〜34のいずれかに記載のプローブアレイ。
  36. 前記1個以上のアレイ領域を識別可能な色彩及び/又は画像を有する識別層を備える、請求項1〜35のいずれかに記載のプローブアレイ。
  37. 前記識別層を前記セパレーターの前記基板側に備える、請求項36に記載のプローブアレイ。
  38. 前記セパレーターが前記識別層を備える、請求項36又は37に記載のプローブアレイ。
  39. 前記識別層は、印刷によって形成される層である、請求項36〜38のいずれかに記載のプローブアレイ。
  40. 前記識別層は、前記1個以上のアレイ領域を識別可能な色彩を有している、請求項36〜39のいずれかに記載のプローブアレイ。
  41. 前記識別層は、前記1個以上のアレイ領域を特定可能に、文字、数字、記号及び図形から選択されるいずれかあるいは2種以上の標識を有している、請求項36〜40のいずれかに記載のプローブアレイ。
  42. 前記プローブは核酸プローブである、請求項1〜41のいずれかに記載のプローブアレイ。
  43. 前記プローブはタンパク質プローブである、請求項1〜41のいずれかに記載のプローブアレイ。
  44. 多数個のプローブが1個以上のアレイ領域を形成して固定化された基板上の前記アレイ領域を区画するための隔壁を有するセパレーター。
  45. 前記アレイ領域は複数個である、請求項44に記載のセパレーター。
  46. 前記セパレーターの前記隔壁の頂面に疎水性領域を有する、請求項44又は45に記載のセパレーター。
  47. 前記セパレーターは複数の異なる高さの隔壁を形成可能である、請求項44〜46のいずれかに記載のセパレーター。
  48. 前記セパレーターは、前記隔壁の上方の少なくとも一部にアレイ領域上方を指向して張り出す張出し部を有する、請求項44〜47のいずれかに記載のセパレーター。
  49. 前記1個以上のアレイ領域を識別可能に色彩及び/又は画像を有する識別層を有する、請求項44〜48のいずれかに記載のセパレーター。
  50. 前記識別層を前記基板側に備える、請求項49に記載のセパレーター。
  51. 前記識別層は、印刷によって形成される層である、請求項49又は50に記載のセパレーター。
  52. 前記セパレーターは積層体構造を有する、請求項44〜51のいずれかに記載のセパレーター。
  53. 請求項1〜43のいずれかに記載のプローブアレイ用である、請求項44〜52のいずれかに記載のセパレーター。
  54. プローブアレイであって、
    多数個のプローブが1個以上のアレイ領域を形成して固定化され、請求項44〜53のいずれかに記載のセパレーターによって1個以上の前記アレイ領域が区画化されるプローブアレイ。
  55. 前記アレイ領域は複数個である、請求項54に記載のプローブアレイ。
  56. プローブアレイの製造方法であって、
    多数個のプローブを、1個以上のアレイ領域を形成して基板に固定化する工程と、
    プローブが固定化された前記基板の表面に、該表面を区画可能な隔壁を備えるセパレーターを装着して、多数個の前記プローブを1個以上の前記アレイ領域に区画する工程と、を備える、製造方法。
  57. 前記アレイ領域は複数個である、請求項56に記載の製造方法。
  58. 核酸ハイブリダイズ方法であって、
    請求項42に記載のプローブアレイの前記アレイ領域に核酸被験試料を含んだ被験液を供給して前記プローブとのハイブリダイズを実施する工程を備える、ハイブリダイズ方法。
  59. 前記プローブアレイは、前記アレイ領域上にハイブリダイズのための開放系キャビティを有しており、
    前記ハイブリダイズ工程は、前記開放系キャビティに被験液を供給し、加湿条件下で行う、請求項58に記載のハイブリダイズ方法。
  60. プローブアレイを用いた反応方法であって、
    請求項43に記載のプローブアレイの前記アレイ領域に被験液を供給して前記プローブとの反応を実施する工程を備える、反応方法。
  61. プローブアレイを用いた反応方法であって、
    多数個のプローブが固定化され区画化された1個以上のアレイ領域を基板上に備えるプローブアレイの第1の高さを有する隔壁で区画された1個以上の前記アレイ領域に被験液を供給して反応させる反応工程と、
    前記隔壁がないか又は前記隔壁の高さを前記第1の高さよりも低い第2の高さに減じた状態で前記反応工程後の洗浄又は反応生成物の検出を行う後工程と、
    を備える、反応方法。
  62. 前記反応工程に先だって、前記プローブを前記基板に固定化した後前記第1の高さの隔壁を前記基板上に形成する工程を備える、請求項61に記載の反応方法。
  63. 前記反応工程の前記第1の高さの隔壁は、その上方の少なくとも一部にアレイ領域上方を指向して張り出す張出し部を有し、
    前記後工程においては、前記張出し部を除去して前記隔壁高さを前記第2の高さに減じた状態とする、請求項61又は62に記載の反応方法。
  64. 前記隔壁は、前記アレイ領域を区画可能なセパレーターを前記基板表面に付与して形成する、請求項61〜63のいずれかに記載の反応方法。
  65. 前記セパレーターは積層体である、請求項64に記載の反応方法。

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