JPWO2006095381A1 - 光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

入射する光に対して電気信号を生成する光電変換素子において,シリコン基板上(Si-Sub)に,金属層または金属シリサイド層(MSi)とポリシリコン層(PSi)とからなる超格子構造が形成され,超格子構造の上端の金属層または金属シリサイド層を第1の端子(E)とし,超格子構造の下端を第2の端子(B)とし,シリコン基板を第3の端子(C)とする三端子構造の光電変換素子である。この光電変換素子は,たとえば,数nm程度の金属層(または金属シリサイド層)と少なくともそれより厚いポリシリコン層とを交互に多層化した超格子構造がシリコン半導体基板上に形成されている。そして,金属層内で入射光により励起されたキャリアが,ポリシリコン層に放出され,ホットキャリアとして第3の端子に達することで,電子信号が生成される。

Description

本発明は,受光素子などの光電変換素子に関し,特に,光ファイバ伝送に適した波長帯域の光信号を電気信号に変換でき,シリコンプロセスで生成が可能な光電変換素子に関する。
光ファイバ伝送に適した光信号は,波長帯域が1.3〜1.55μmと可視光より波長が長く,エネルギーが小さい。そのため,光伝送の光信号ではシリコン半導体のバンドギャップを超えてキャリアを励起させることができず,光通信ではシリコン半導体を利用した受光素子は実現されていない。従来の光伝送の受光素子は,その長い波長帯と小さいエネルギーの事情から,シリコンよりもバンドギャップの小さい化合物半導体によるものが一般的である。かかる化合物半導体の受光素子は,シリコンプロセスで製造される集積回路に混載することができず,1チップ化は不可能である。レーザー光に送信信号をのせる変調素子はシリコンプロセスで製造可能であるが,上記のとおりシリコンプロセスによる受光素子がなく,シリコンによる1チップ化は実現されていない。
一方で,シリコン半導体を利用した赤外センサが提案されている。たとえば,非特許文献1に示されるとおりである。赤外線は可視光よりも波長が長くエネルギーが小さいので,光通信の光信号と類似する問題を有する。
図1は,従来のシリコン半導体を利用した赤外センサのエネルギーバンド図である。この赤外センサは,P型のシリコン半導体基板Si−Sub上に薄い金属電極である白金シリサイドPtSiを形成し,シリコン半導体Si−Subと金属電極PtSiとの間のショットキー障壁φbを形成する。入射赤外線に対して,金属電極内で電子とホールの対が発生し,金属電極内をランダムに運動し,半導体・金属界面に達したホールのうちショットキー障壁φbを超えるエネルギーを有するホールが,シリコン半導体Si−Sub中に放出されて光電流となる。図中,Ecは導電帯のボトム,Evは価電子帯のトップ,Efはフェルミレベルをそれぞれ示す。
この赤外センサは,金属電極を薄く形成することで,入射赤外線により励起されたホールがシリコン半導体側に放出される効率を示す量子効率を高くすることができる。しかし,その量子効率は,光通信の波長帯でせいぜい5%程度しかなく,赤外センサなどの特殊な用途には適しているが,微弱な光信号を受信する光通信の受光素子には適していない。
特許文献1には,上記の赤外センサのショットキー障壁の高さを任意の高さに制御するために,金属電極と接合される半導体層をシリコン半導体の超格子構造にして,超格子構造により生成される量子レベルを利用することが記載されている。この場合でも量子効率をそれ程高くすることはできない。
特許文献2には,シリコンの超格子構造をアノードとカソード間に設けて,アバランチェ・フォトダイオードを構成することが示されている。しかし,あくまでもシリコン半導体を利用するもので,可視光に対するAPDであり,光通信の受光素子としては利用できない。
「赤外線固体撮像素子の開発動向」センサ技術,1987年3月号(Vol.7. No.3) 特公平8−31619号公報 特開平10−65203号公報
光通信の波長帯の光に対する受光素子として,特許文献1に記載されているシリコン半導体に金属電極を形成し,その界面のショットキー障壁を利用することはできる。しかし,光の量に対して発生するキャリアの割合である量子効率が,前述のとおり5%程度しかないため,微弱な光通信の光信号を検出する受光素子としては適切ではない。
そこで,本発明の目的は,シリコンプロセスで形成することができ,光通信の微弱な光信号を検出することができる光電変換素子を提供することにある。
上記の目的を達成するために,本発明の第1の側面によれば,入射する光に対して電気信号を生成する光電変換素子において,シリコン基板上に,金属層または金属シリサイド層とポリシリコン層とからなる超格子構造が形成され,超格子構造の上端の金属層または金属シリサイド層を第1の端子とし,超格子構造の下端を第2の端子とし,シリコン基板を第3の端子とする三端子構造の光電変換素子である。この光電変換素子は,たとえば,数nm程度の金属層(または金属シリサイド層)と少なくともそれより厚いポリシリコン層とを交互に多層化した超格子構造がシリコン半導体基板上に形成されている。
上記構成によると,入射光により複数の金属層(または金属シリサイド層)内で励起されたホットキャリアは,ポリシリコン層に放出され電気信号となる。超格子構造にすることで,複数の薄い金属層(または金属シリサイド層)で励起されたホットキャリアが隣接するポリシリコン層に放出される確率が高くなり,量子効率を高めることができる。ただし,超格子構造内のポリシリコン層内には多くの界面準位が存在するので,第1の端子から第2の端子に向かってトンネル効果による大きなリーク電流が発生する。しかし,かかるリーク電流は,超格子構造の下端の第2の端子側に流れ出るので,暗電流の原因となることはない。そして,入射光から変換された電流は,第3の端子側から高い感度で検出される。
上記の第1の側面において,好ましい実施例では,金属層(または金属シリサイド層)が白金層(またはそのシリサイド層)からなり,入射光に対してホットホールがポリシリコン層に放出される。白金シリサイド層をポリシリコン層と積層すると,価電子帯側のショットキー障壁が低くなり,光通信の波長帯の光に対して,ホットホールがショットキー障壁を越えやすくなる。このようにポリシリコン層に放出されたホットホールは,電界により加速され,エネルギーが高いので,第2の端子領域を超えて第3の端子の電流となる。また,第1及び第2の端子間の超格子構造の領域で,白金シリサイド層から新たなホットホールが励起され,増幅作用が期待される。
上記の第1の側面において,好ましい実施例では,金属層(または金属シリサイド層)が希土類金属層(またはそのシリサイド層)からなり,入射光に対してホットエレクトロンがポリシリコン層に放出される。希土類金属シリサイド層をポリシリコン層と積層すると,伝導帯側のショットキー障壁が低くなり,光通信の波長帯の光に対して,ホットエレクトロンがショットキー障壁を越えやすくなる。そして,ホットエレクトロンは,エネルギーが高いので,第2の端子領域を超えて第3の端子の電流となる。さらに,シリコン半導体はエレクトロンに対するイオン化率がたかく,シリコン基板内でエレクトロンが新たに励起される雪崩現象により,増幅作用が起こり,より高い感度で電気信号を発生することができる。
上記の目的を達成するために,本発明の第2の側面によれば,入射する光に対して電気信号を生成する光電変換素子において,コレクタ電極が形成されるシリコン基板と,前記シリコン基板上に形成された金属層または金属シリサイド層のベース電極と,前記ベース電極の上に形成されたポリシリコン層と,前記ポリシリコン層上に形成された金属層または金属シリサイド層のエミッタ電極とを有し,前記ベース・エミッタ電極間にバイアス電圧が印加される光電変換素子である。
かかる構成にすることで,エミッタ電極やベース電極で励起されたホットキャリアが,シリコン基板内に放出され,コレクタ電流を発生する。また,エミッタ,ベース電極間のポリシリコン層内のリーク電流は,ベース電流としてベース電極から吸収される。よって,暗電流の少ない光検出電流をコレクタ電流として取り出すことができる。
本発明によれば,より高い量子効率でホットキャリアを検出電流にすることができ,高い感度の光電変換素子を提供することができる。
従来のシリコン半導体を利用した赤外センサのエネルギーバンド図である。 本実施の形態における光電変換素子の断面図である。 本実施の形態における光電変換素子のバンド図である。 本実施の形態における光電変換素子の別のバンド図である。 本実施の形態における光電変換素子の断面図及びそれに対するバンド図である。
符号の説明
Si−Sub:シリコン半導体層,シリコン半導体基板
MSi:金属層または金属シリサイド層
PSi:ポリシリコン層
E:エミッタ電極,第1の電極
B:ベース電極,第2の電極
C:コレクタ電極,第3の電極
以下,図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し,本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず,特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
図2は,本実施の形態における光電変換素子の断面図である。この光電変換素子は,エミッタEとコレクタCとベースBとを有するフォトトランジスタである。光電変換素子は,シリコン半導体層である基板Si−Sub上に,複数の金属層(または金属シリサイド層)MSiと複数のポリシリコン層PSiの超格子構造が形成されている。金属層(または金属シリサイド層)(以下単に金属シリサイド層と称する)MSiは,数nm程度(例えば10nm以下)の薄い層であり,その間に形成されるポリシリコン層PSiは,少なくとも金属シリサイド層MSiより厚く,例えば10〜50nm程度の薄い層である。そして,超格子構造の上端の金属シリサイド層MSiがエミッタ電極E,下端(シリコン基板側)の金属シリサイド層MSiがベース電極Bである。さらに,シリコン半導体基板Si−Subには電極層METが形成されてコレクタ電極Cとなる。
超格子構造のポリシリコン層PSiは,N型にドープされた半導体層である。また,シリコン半導体層である基板Si−Subの表面側もN型にドープされた領域Nがあり,その領域N上にベース電極Bとなる金属シリサイド層MSiが形成される。また,シリコン基板Si−Subのコレクタ電極MET側はP型にドープされた領域Pになっている。
そして,エミッタ・ベース間に所定のバイアス電圧が印加され,エミッタ・コレクタ間にも所定のバイアス電圧が印加された状態で,入射光OPTは超格子構造に矢印のように入射される。この入射光OPTが,複数の金属シリサイド層MSi内でキャリアを励起する。励起されたキャリアは,金属シリサイド層MSiが数nmと非常に薄いので,その層内を移動する時に多くのキャリアが隣接するポリシリコン層PSiとのショットキー障壁を超えて,ホットキャリアとして放出される。このホットキャリアは,運動エネルギーが高く,ベース領域Bを飛び越えてコレクタ電流となる。動作原理については,以下バンド図に基づき説明する。
図3は,本実施の形態における光電変換素子のバンド図である。この実施の形態では,金属シリサイド層MSiが,白金シリサイド層で構成された場合のバンド図である。図3のバンド図は,垂直方向にエネルギーレベルではなく,それとは逆の電位レベルになっている。つまり,通常のエネルギーバンド図とは上下が逆転しており,図1のバンド図とも上下が逆になっている。したがって,図3のバンド図には,上側に価電子帯Evが,下側に伝導帯Ecが,その間に禁制帯FBが位置する。Ev1は価電子帯Evの上端であり,Ec1は伝導帯Ecの底である。
図3の右側から,シリコン基板Si−Subと,金属シリサイド層MSiとポリシリコン層PSiとの超格子構造のバンド構成が示される。金属シリサイド層MSi内には,フェルミレベルEfがそれぞれ示されている。金属シリサイド層MSiが白金シリサイド層で構成される場合,金属シリサイド層MSiのフェルミレベルEfに対するポリシリコン層PSiのバリアの高さφbは,伝導帯Ec側よりも価電子帯Ev側のほうが低くなる。これは,白金シリサイド層のワークファンクションから一義的に決まる。
エミッタEとベースB間にはベース・エミッタ電圧VBEが,コレクタCとエミッタE間にはコレクタ・エミッタ電圧VCEがそれぞれ印加されている状態で,エミッタ側から超格子構造に光が入射すると,その入射光のエネルギーにより金属シリサイド層MSi内で電子とホールのキャリア対が励起される。そのうちの多くのホールHOLEが,図3中金属シリサイド層MSi内の上向きの矢印に示すように励起され,隣接するポリシリコン層PSiとのショットキー障壁φbを越えるエネルギーレベルを有し,ポリシリコン層PSi側に放出される。そして,放出されたホールHOLEは,ベース・エミッタ間電圧による電界により加速され,高い位置エネルギーを有するホットホールとなり,ベース電極Bを飛び越えてコレクタC側に流れ,コレクタ電流Icとなる。しかも,第1に,金属シリサイド層MSiは数nmと非常に薄いので,そこで励起された多くのホールがその平均自由工程内でポリシリコン層側に移動し,第2に,複数の金属シリサイド層MSiを有する超格子構造であるので,より多くのホールがホットホールとなる。したがって,入射する光子に対して発生するホットホールの割合である量子効率が高くなり,大きなコレクタ電流Icを生成することができる。
ただし,超格子構造を構成するポリシリコン層PSiは,多結晶構造であるため多くの界面準位を有する。そのため,エミッタ・ベース間のバイアス印加により,白矢印で示されるようにエミッタ電極Eからベース電極に向かって多くのホールがトンネル効果により流れて,リーク電流ILとなる。しかし,このリーク電流の原因となるホールは,励起されたホットホールのように高い位置エネルギーを有しないコールドホールであるので,ほとんどがベース電極B側にベース電流Ibとして吸収される。そのため,リーク電流ILがコレクタ電流Icに含まれて,大きな暗電流になることはない。このように,本実施の形態の光電変換素子では,3端子構造にすることで超格子構造に伴う暗電流の問題を解決している。
さらに,エミッタ・ベース間において,発生したホットホールにより新たなホールが白金シリサイド層から励起される雪崩現象によりホットホールの増幅効果が期待される。この増幅作用が働くことにより,APD(アバランチェ・フォトダイオード)のように微少な光信号から大きな検出電流を生成することができる。
図4は,本実施の形態における光電変換素子の別のバンド図である。この実施の形態では,金属シリサイド層MSiが,エルビウムErなどの希土類金属シリサイド層で構成された場合のバンド図である。このバンド図では,縦方向がエネルギーレベルになっており,図3とは逆の関係,図1と同じ関係になっている。そのため,伝導帯Ecが上側に価電子帯Evが下側に位置している。
エルビウムなどのような希土類金属のシリサイド層の場合,ポリシリコン層PSiとのエネルギー障壁は,伝導帯Ec側のほうが低い。そのため,入射光により励起された電子とホールのうち,電子ELが伝導帯Ecとのエネルギー障壁φbを超えてポリシリコン層PSi側に放出される。エミッタEとベースB間にはベース・エミッタ電圧VBEが印加されており,このバイアス電圧による電界により,放出された電子ELは加速され,ホットエレクトロンとなってベース領域を超えてコレクタ領域に流れ,コレクタ電流Icとなる。この原理は,図3と同じである。
この例の場合は,ポリシリコン層PSiは,P型不純物がドープされ,シリコン基板Si−Subのベース電極側はP型に,コレクタ電極側はN型にそれぞれドープされる。つまり,エルビウムなどの希土類金属の場合は,電子を放出しやすいので,ポリシリコン層と半導体層のベース電極側をP型,コレクタ側をN型にするのが望ましい。
この場合も,希土類金属シリサイド層MSiが数nmと薄いので,励起された電子の多くが隣接するポリシリコン層PSi側に移動する。さらに,多くの希土類金属シリサイド層MSiが設けられているので,励起される電子の数も多く,コレクタ電流Icは大きくなる。
そして,ホットエレクトロンELがシリコン半導体層Si−Sub内を移動することにより,シリコン半導体の電子に対するイオン化率が高い性質から,シリコン半導体Si−Sub内で新たに電子が励起されて(図中100),電子の雪崩現象が生じる。この雪崩現象は,可視光のAPDにおいて既に確認されている減少であり,確実に生じる。この雪崩現象によりホットエレクトロンが増幅され,コレクタ電流Icはより大きくなる。したがって,図4の場合は,量子効率はより高いものになる。
図4の例においても,ポリシリコン層PSi内の界面準位により電子が白矢印のようにトンネル効果で移動し,ベースからエミッタ側にリーク電流が発生する。しかし,このトンネル効果で移動する電子は,ベース電極に対して高いポテンシャルエネルギーを有していないので,ベース電流Ibとなり吸収される。したがって,ベース・エミッタ間のリーク電流が暗電流としてコレクタ電流Icに含まれることが回避される。
図5は,本実施の形態における光電変換素子の断面図及びそれに対するバンド図である。この例は,エミッタ・ベース間の超格子構造を,エミッタ電極Eとなる白金シリサイド層PtSiと,ポリシリコン層PSiと,ベース電極Bとなる白金シリサイド層PtSiとからなる3層構造にしている。そして,コレクタ電極Cが形成されるシリコン基板Si−Subの構成は,図2,3の例と同じである。このように,超格子構造をわずか3層構造にすると,ホットキャリアを励起する金属シリサイド層の数が減るが,原理的には,複数の金属シリサイド層を有し,3端子構造になっているので,高い量子効率を有し暗電流が少ない光電変換素子となる。
動作原理は,図3と同じであり,白金シリサイド層PtSi内で入射光により励起されたホールが,ショットキー障壁φbを超えて,隣接するポリシリコン層PSi及びシリコン基板Si−Subに放出される。放出されたホールは,バイアス電界により加速され,ホットホールとなってコレクタ電極に達する。これが入射光に対して検出されるコレクタ電流Icとなる。一方,ベース・エミッタ間は,ポリシリコン層PSiの界面準位によるリーク電流が発生するが,それはポテンシャルエネルギーが低いため,ベース電流Ibとして吸収される。このように,シリコン層とショットキー障壁を形成する複数の金属シリサイド層と,3端子構造にすることで,量子効率が高く,暗電流の少ない光電変換素子を提供することができる。
上記の実施の形態では,白金シリサイド層とポリシリコン層による超格子構造と,希土類金属シリサイド層とポリシリコン層による超格子構造とを例にして説明した。本発明はそれらの材料に限定されず,白金の代わりにニッケル,パラジウムでも適用できる。さらに,チタン,コバルト,タングステンのいずれかの層またはそのシリサイド層とポリシリコン層による超格子構造,P型ゲルマニウム層などの不純物がドープされた半導体層とポリシリコン層による超格子構造(但しエミッタとベースは白金シリサイド層)などにも適用できる。
さらに,図2,5では,シリコン半導体基板Si−Subの裏面側にコレクタ電極を形成しているが,超格子構造とベース電極とをメサ構造にして,コレクタ電極をシリコン半導体基板の表面側に設けても良い。その場合は,コレクタ領域はP型ウエル領域により形成される。
光ファイバによる光通信で使用される波長帯(1.3〜1.55μm)の光信号に対して利用可能であり,シリコンプロセスにより製造可能な光電変換素子を提供することができる。

Claims (14)

  1. 入射する光に対して電気信号を生成する光電変換素子において,
    シリコン半導体層と,
    前記シリコン半導体層上に形成され,金属層または金属シリサイド層とポリシリコン層とを積層した超格子構造とを有し,
    前記超格子構造の上端の金属層または金属シリサイド層を第1の端子とし,前記超格子構造の下端を第2の端子とし,前記シリコン半導体層を第3の端子とする光電変換素子。
  2. 請求項1において,
    前記金属層または金属シリサイド層が,白金,パラジウム,ニッケルのいずれかの金属層またはそのシリサイド層からなる光電変換素子。
  3. 請求項2において,
    前記ポリシリコン層にはN型不純物がドープされ,前記シリコン半導体層は,前記第2の端子が形成されている領域でN型不純物がドープされ,前記第3の端子が形成されている領域でP型不純物がドープされている光電変換素子。
  4. 請求項1において,
    金属層または金属シリサイド層が,希土類金属またはそのシリサイド層からなる光電変換素子。
  5. 請求項4において,
    前記ポリシリコン層にはP型不純物がドープされ,前記シリコン半導体層は,前記第2の端子が形成されている領域でP型不純物がドープされ,前記第3の端子が形成されている領域でN型不純物がドープされている光電変換素子。
  6. 請求項1において,
    金属層または金属シリサイド層が,チタン,タングステン,コバルトのいずれかの金属層またはそのシリサイド層からなる光電変換素子。
  7. 請求項1において,
    前記第1の端子と第2の端子間に第1のバイアス電圧が印加され,前記第1の端子と第3の端子間に第2のバイアス電圧が印加される光電変換素子。
  8. 請求項1において,
    前記金属層または金属シリサイド層は,10nm以下の膜厚を有し,前記ポリシリコン層は,前記金属層または金属シリサイド層よりも厚い膜厚を有する光電変換素子。
  9. 請求項1において,
    前記金属層または金属シリサイド層は,10nm以下の膜厚を有し,前記ポリシリコン層は,10nm乃至50nmの膜厚を有する光電変換素子。
  10. 入射する光に対して電気信号を生成する光電変換素子において,
    コレクタ電極が形成されるシリコン半導体層と,
    前記シリコン半導体層上に形成された金属層または金属シリサイド層のベース電極と,
    前記ベース電極の上に形成されたポリシリコン層と,
    前記ポリシリコン層上に形成された金属層または金属シリサイド層のエミッタ電極とを有する光電変換素子。
  11. 請求項10において,
    前記金属層または金属シリサイド層が,白金,パラジウム,ニッケル,希土類金属,タングステン,コバルト,チタンのいずれかの金属層またはそのシリサイド層からなる光電変換素子。
  12. 前記ベース電極とポリシリコン層との間に,更に,ポリシリコン層及び金属層または金属シリサイド層を順次積層した超格子構造を有する光電変換素子。
  13. 請求項12において,
    前記ベース及びエミッタ電極間に第1のバイアス電圧が印加され,前記コレクタ及びエミッタ電極間に第2のバイアス電圧が印加される光電変換素子。
  14. 入射する光に対して電気信号を生成する光電変換素子において,
    コレクタ電極が形成されるシリコン半導体層と,
    前記シリコン半導体層上に形成された金属層または金属シリサイド層のベース電極と,
    前記ベース電極の上に形成されたポリシリコン層と不純物ドープされた半導体層との超格子構造と,
    前記超格子構造上の上端のポリシリコン層上に形成された金属層または金属シリサイド層のエミッタ電極とを有する光電変換素子。
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