JPWO2006078066A1 - 経気道呼吸器感染症治療剤 - Google Patents

経気道呼吸器感染症治療剤 Download PDF

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勝則 金澤
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Abstract

本発明は、呼吸器感染症、特に重症肺炎等の患者であって、抗菌剤の全身投与では充分な効果が得られないか又は長期間の投与が必要な患者に対して有効な治療効果を示す、抗菌剤を全身投与されている呼吸器感染症の患者に対して併用で経気道投与するためのカルバペネムを有効成分とする経気道呼吸器感染症治療剤、抗菌剤を全身投与されている呼吸器感染症の患者に対し、カルバペネムを併用で経気道投与する工程を含む呼吸器感染症の治療方法、及び、抗菌剤を全身投与されている呼吸器感染症の患者に対して併用で経気道投与するための経気道呼吸器感染症治療剤を製造するためのカルバペネムの使用を提供する。

Description

本発明はカルバペネムを有効成分とする経気道呼吸器感染症治療剤に関する。詳しくは、抗菌剤を全身投与されている呼吸器感染症の患者に対して、併用で経気道投与するためのカルバペネムを有効成分とする経気道呼吸器感染症治療剤に関する。本発明はまた、抗菌剤を全身投与されている呼吸器感染症の患者に対し、カルバペネムを併用で経気道投与する工程を含む呼吸器感染症の治療方法、及び、抗菌剤を全身投与されている呼吸器感染症の患者に対して併用で経気道投与するための経気道呼吸器感染症治療剤を製造するためのカルバペネムの使用に関する。
各種細菌による呼吸器感染症、特に肺炎を中心とした下気道呼吸器感染症は、重症化することも多く、重症例においては、各種注射用抗菌薬を用いた化学療法によっても、治療が困難であるか又は長期間の治療を必要とするケースが多い。
カルバペネムは、その幅広い抗菌スペクトルと強い殺菌力から、既存の注射用抗菌薬の中で最も優れた感染治療効果が期待でき、重症呼吸器感染症の治療においてもその有用性は非常に高い(日本化学療法学会雑誌Vol.50 No.3,161−170(2002))。
しかしながら患者の背景因子や重症度によっては、カルバペネムの全身投与による治療法を含め、既存の全身的抗菌化学療法をいかに駆使しても治療に長期間を要するかあるいは治療又は救命を達成できない呼吸器感染症例も少なくないのが実状であり、更に優れた治療法に対する要望は大きい。
本発明の課題は、呼吸器感染症、特に重症肺炎等の患者において、抗菌剤の全身投与では充分な効果が得られないか又は長期間の投与が必要な患者に対して有効な経気道呼吸器感染症治療剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、カルバペネムを有効成分とする経気道呼吸器感染症治療剤の投与が、抗菌薬の全身投与との併用により呼吸器感染症モデルで相乗効果を示すことを見出し、更に検討を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のものを提供する。
〔1〕 抗菌剤を全身投与されている呼吸器感染症の患者に対し、併用で経気道投与するための、カルバペネムを有効成分とする経気道呼吸器感染症治療剤。
〔2〕 呼吸器感染症が重症肺炎である、〔1〕に記載の経気道呼吸器感染症治療剤。
〔3〕 カルバペネムがメロペネム、イミペネム、パニペネム、ビアペネム又はドリペネムである、〔1〕に記載の経気道呼吸器感染症治療剤。
〔4〕 抗菌剤がカルバペネムを有効成分として含む、〔1〕に記載の経気道呼吸器感染症治療剤。
〔5〕 カルバペネムがメロペネムである、〔1〕に記載の経気道呼吸器感染症治療剤。
〔6〕 抗菌剤を全身投与されている呼吸器感染症の患者に対し、カルバペネムを併用で経気道投与する工程を含む、呼吸器感染症の治療方法。
〔7〕 抗菌剤を全身投与されている呼吸器感染症の患者に対して併用で経気道投与するための経気道呼吸器感染症治療剤を製造するためのカルバペネムの使用。
〔8〕 〔1〕から〔5〕のいずれかに記載の経気道呼吸器感染症治療剤を含む溶液からなる経気道投与可能な溶液製剤と投与器具からなるキット。
〔9〕 〔1〕から〔5〕のいずれかに記載の経気道呼吸器感染症治療剤を含む懸濁液からなる経気道投与可能な懸濁液製剤と投与器具からなるキット。
〔10〕 〔1〕から〔5〕のいずれかに記載の経気道呼吸器感染症治療剤を含む微粒子化した固体からなる経気道投与可能な固体製剤と投与器具からなるキット
〔11〕 カルバペネムを有効成分とする薬剤と、抗菌剤を全身投与されている呼吸器感染症の患者に対して該薬剤を併用で経気道投与することによって該薬剤を呼吸器感染症を治療するために使用し得るかまたは使用すべきであることを記載した書類とを含む商業的パッケージ。
図1は、10 CFU感染モデルにおける併用効果を示す感染2日後の生残率のグラフである(n=7〜8/群)。
図2は、10 CFU感染モデルにおける併用効果を示す感染3日後の生残率のグラフである(n=8/群)。
図3は、10 CFU感染モデルにおける併用効果を示す感染6日後の生残率のグラフである(n=8/群)。
図4は、Klebsiella pneumoniae経鼻感染−未治療マウスの肺組織の写真である(感染48時間後)。点線で囲んだ部分が肺炎発症部位である。
図5は、Klebsiella pneumoniae経鼻感染−メロペネム/シラスタチン治療(皮下投与/経鼻投与併用)マウスの肺組織の写真である(感染48時間後)。
発明の詳細な説明
本発明の経気道呼吸器感染症治療剤は、細菌性肺炎の重症患者に特に有用である。肺炎は胸部レントゲン写真上の陰影の拡がりと、体温、脈拍、呼吸数、脱水の有無などの身体的所見から軽症、中等症、重症と分類される。
以下の5項目のうち3項目以上該当するものを重症という。
・胸部X線写真で、1側肺の2/3以上に陰影がある。
・体温が38.6℃以上。
・脈拍が130/分以上。
・呼吸数が30/分以上。
・脱水状態である。
また、検査による場合は、以下の3項目の2項目以上該当する場合を重症という。
・白血球数が20,000/mm以上又は4,000/mm未満。
・CRP(C反応性タンパク)が20mg/dl以上。
・PaO(動脈血酸素分圧)が60Torr以下。
本発明の経気道呼吸器感染症治療剤の有効成分であるカルバペネム、すなわち、抗菌剤を全身投与されている呼吸器感染症の患者に対し併用で経気道投与されるカルバペネムとしては、病態に応じた抗菌活性を有するカルバペネムであれば特に限定されないが、具体例として医療用医薬品として販売されているメロペネム、イミペネム、パニペネム、ビアペネム、ドリペネム等が挙げられる。好ましいものとしてはメロペネムが挙げられる。メロペネムは、肺炎の原因微生物が、肺炎球菌、インフルエンザ菌、メロペネムに感性のブドウ球菌、クレブシエラ、緑膿菌、モラクセラ・カタラーリス、嫌気性菌である時に特に有効である。
本発明の経気道呼吸器感染症治療剤の投与方法としてはいずれの公知の経気道投与方法も使用可能であり、限定されるものではないが、例えば以下の方法を挙げることができる。
(1)カルバペネムを適切な等張溶媒(生理食塩水など)に溶かす。溶解量は、薬剤の1回投与量が5〜10mL程度の容量になるように溶解する。これを、超音波ネブライザー装置あるいはコンプレッサー式ネブライザー装置で20〜40分程度かけ投与する。
(2)カルバペネムをエアロゾル剤にし、定量的噴霧式吸入器で投与する。
(3)カルバペネムを適切な等張溶媒(生理食塩水など)に溶かす。溶解量は、注入箇所あたり5〜10mL程度を目安とした合計容量に、1回投与量を溶解する(例えば、肺の4箇所程度に注入したい場合、1回投与量を20〜40mL程度の容量に溶解する)。気管支鏡などを利用して、病巣部付近まで挿管し、薬液を注入する。
本発明において、全身投与される抗菌剤と経気道投与されるカルバペネムとは同時に併用投与されてもよいし、本発明の併用効果を得ることができれば、これらは間隔をおいて併用投与されてもよい。同時に併用投与することが最も好ましいが、間隔をおいて併用投与する場合の好ましい間隔としては、0〜180分、さらに好ましい間隔としては、0〜60分が挙げられる。
経気道投与されるカルバペネムの一日投与量は、成人の場合好ましくは0.25〜3g/dayの範囲、さらに好ましくは0.5〜1.5g/dayの範囲から、小児の場合好ましくは5〜60mg/kg/dayの範囲、さらに好ましくは10〜30mg/kg/dayの範囲から選択する。投与回数は好ましくは1〜4回/日である。経気道投与されるカルバペネムの一回投与量は、成人の場合好ましくは0.0625g〜3g/回の範囲、さらに好ましくは0.125g〜1.5g/回の範囲から、小児の場合好ましくは1.25〜60mg/kg/回の範囲、さらに好ましくは2.5〜30mg/kg/回の範囲から選択する。
より具体的には、経気道投与されるカルバペネムの1日投与量、投与回数及び1回投与量は、以下の範囲から選択することが好ましい。
メロペネム(成人の場合)
・1日投与量: 0.5〜3g
・投与回数: 2〜3回
・1回投与量: 0.25〜1g
メロペネム(小児の場合)
・1日投与量: 30〜120mg/kg
・投与回数: 3回
・1回投与量: 10〜40mg/kg
イミペネム(成人の場合)
・1日投与量: 0.5〜2g
・投与回数: 2〜3回
・1回投与量: 0.25〜1g
イミペネム(小児の場合)
・1日投与量: 30〜100mg/kg
・投与回数: 3〜4回
・1回投与量: 10〜25mg/kg
パニペネム(成人の場合)
・1日投与量: 1〜2g
・投与回数: 2回
・1回投与量: 0.5〜1g
パニペネム(小児の場合)
・1日投与量: 30〜100mg/kg
・投与回数: 3〜4回
・1回投与量: 10〜25mg/kg
ビアペネム(成人の場合)
・1日投与量: 0.6〜1.2g
・投与回数: 2回
・1回投与量: 0.3〜0.6g
ドリペネム(成人の場合)
・1日投与量: 0.5〜1.5g
・投与回数: 2〜3回
・1回投与量: 0.25〜0.5g
全身投与される抗菌剤は、治療対象である呼吸器感染症の原因微生物に有効と考えられるものであれば特に限定されない。好ましいものとしては、カルバペネム系抗菌剤が挙げられる。具体的には、メロペネム、イミペネム、パニペネム、ビアペネム、ドリペネム等が挙げられる。好ましいものとしてはメロペネムが挙げられる。
全身投与される抗菌剤の一日投与量としては、成人の場合好ましくは0.25〜3g/dayの範囲、さらに好ましくは0.5〜1.5g/dayの範囲から、小児の場合好ましくは5〜60mg/kg/dayの範囲、さらに好ましくは10〜30mg/kg/dayの範囲から選択する。全身投与される抗菌剤の投与回数は好ましくは1〜4回/日である。全身投与される抗菌剤の一回投与量は、成人の場合好ましくは0.0625g〜3g/回の範囲、さらに好ましくは0.125g〜1.5g/回の範囲から、小児の場合好ましくは1.25〜60mg/kg/回の範囲、さらに好ましくは2.5〜30mg/kg/回の範囲から選択する。
より具体的には、全身投与されるカルバペネムの1日投与量、投与回数及び1回投与量は、以下の範囲から選択することが好ましい。
メロペネム(成人の場合)
・1日投与量: 0.5〜3g
・投与回数: 2〜3回
・1回投与量: 0.25〜1g
メロペネム(小児の場合)
・1日投与量: 30〜120mg/kg
・投与回数: 3回
・1回投与量: 10〜40mg/kg
イミペネム(成人の場合)
・1日投与量: 0.5〜2g
・投与回数: 2〜3回
・1回投与量: 0.25〜1g
イミペネム(小児の場合)
・1日投与量: 30〜100mg/kg
・投与回数: 3〜4回
・1回投与量: 10〜25mg/kg
パニペネム(成人の場合)
・1日投与量: 1〜2g
・投与回数: 2回
・1回投与量: 0.5〜1g
パニペネム(小児の場合)
・1日投与量: 30〜100mg/kg
・投与回数: 3〜4回
・1回投与量: 10〜25mg/kg
ビアペネム(成人の場合)
・1日投与量: 0.6〜1.2g
・投与回数: 2回
・1回投与量: 0.3〜0.6g
ドリペネム(成人の場合)
・1日投与量: 0.5〜1.5g
・投与回数: 2〜3回
・1回投与量: 0.25〜0.5g
本発明の経気道呼吸器感染症治療剤の投与対象としては、ヒトをはじめサル、マウス、ラット、ウサギ、ブタ、イヌ、ウマ、ウシ等種々の哺乳動物が挙げられ、これらの対象において優れた呼吸器感染症治療効果を示す。
本発明の経気道呼吸器感染症治療剤は、適当な添加剤とともに、エアロゾル剤又はネブライザー剤では液体又は懸濁液にて投与するのが好ましく、粉末吸入剤では微粒子化した固体状態にて投与するのが好ましい。
本発明の経気道呼吸器感染症治療剤を液剤として製剤化する場合、必要により公知の溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等を加え、水、生理食塩水等に溶解、懸濁又は乳化して一定量とすることにより、製剤化することができる。
本発明の経気道呼吸器感染症治療剤を懸濁液として製剤化する場合、必要に応じて予め抗菌剤を粉砕、凍結乾燥又はスプレードライ法などにより、平均粒子径1〜50μm、好ましくは1〜10μmに微粒子化することが望ましい。ここでの平均粒子径とは、質量平均空気力学径(Mass median aerodynamic diameter:MMAD)を指す。また、粒子化にあたっては、必要により公知の添加剤を用いてもよい。
本発明の経気道呼吸器感染症治療剤を粉末として製剤化する場合、抗菌剤を粉砕、凍結乾燥又はスプレードライ法などにより、平均粒子径50μm以下、好ましくは1〜10μmに微粒子化することにより製造することができる。ここでの平均粒子径とは、質量平均空気力学径(Mass median aerodynamic diameter:MMAD)を指す。必要に応じて、生理学的に許容される基剤又は添加剤とともに微粒子化することも可能である。また、微粒子化された抗菌剤を、生理学的に許容される基剤に均一に分散、付着結合させるか、あるいは微粒子化された基剤又は添加剤とともに凝集させて、平均粒子径250μm以下の二次粒子としてもよい。また、必要に応じて公知の滑沢剤、結合剤、希釈剤、着色剤、保存剤、防腐剤、矯臭剤、タンパク質分解酵素阻害剤、水吸収性かつ水難溶性の基剤、水溶性基剤、水吸収性かつゲル形成性の基剤、及びそれらの混合物などを添加してもよい。
以下に実施例を記載して本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
1.使用薬剤
メロペネムは、市販のメロペン点滴用0.25g(住友製薬)を使用した。シラスタチンは市販のシラスタチンナトリウム(和光純薬)を使用した。
2.使用菌株
Klebsiella pneumoniae B−54株を使用した。
3.使用動物
ICR系雄性マウスを使用した。
4.感染治療実験
試験菌株をTSB培地に接種し、37℃下、一夜振とう培養した。一夜培養菌液(約10 CFU/ml)を滅菌生理食塩水で1/10又は1/1000希釈し、各々感染用菌液とした。Ketamine(100mg/kg)/xylazin(10mg/kg)麻酔下のマウスに上記の感染用菌液を30μl/headで経鼻的に接種した。
菌液接種の約24時間後にメロペネム/シラスタチンを(1)皮下投与(10/10mg/kg)、(2)経鼻投与(2.5/2.5mg/kg)、又は、(3)皮下投与(10/10mg/kg)と経鼻投与(2.5/2.5mg/kg)の併用により投与した。コントロール群として未治療群を設定した。各群の匹数は、7〜8匹/群とした。
その後の生残数推移を観察し、生残率を指標として各投与法での治療効果を比較検討した。
5.結果
10 CFU感染モデルでの治療効果(図1)
10 CFU感染モデルでの各投与法による治療効果を比較した結果、感染2日後の生残率は、皮下投与群で12.5%(1匹/8匹)、経鼻投与群で0%(0匹/8匹)、皮下投与/経鼻投与併用群で42.9%(3匹/7匹)であった。
10 CFU感染モデルでの治療効果(図2、図3)
10 CFU感染モデルでの各投与法による治療効果を比較した結果、感染3日後の生残率は、皮下投与群で25%(2匹/8匹)、経鼻投与群で25%(2匹/8匹)、皮下投与/経鼻投与併用群で62.5%(5匹/8匹)であった。また、感染6日後の生残率は、皮下投与群で0%(0匹/8匹)、経鼻投与群で0%(0匹/8匹)、皮下投与/経鼻投与併用群で37.5%(3匹/8匹)であった。
[実施例2]
1.使用薬剤
メロペネムは、市販のメロペン点滴用0.25g(住友製薬)を使用した。シラスタチンは市販のシラスタチンナトリウム(和光純薬)を使用した。
2.使用菌株
Klebsiella pneumoniae B−54株を使用した。
3.使用動物
ICR系雄性マウスを使用した。
4.感染治療実験
試験菌株をTSB培地に接種し、37℃下、一夜振とう培養した。一夜培養菌液(約10 CFU/ml)を滅菌生理食塩水で1/1000希釈し、感染用菌液とした。Ketamine(100mg/kg)/xylazin(10mg/kg)麻酔下のマウスに上記の感染用菌液を30μl/headで経鼻的に接種した。菌液接種の約24時間後にメロペネム/シラスタチンを皮下投与(10/10mg/kg)と経鼻投与(2.5/2.5mg/kg)の併用により投与した。コントロール群として未治療群を設定した。感染48時間後にKetamine(100mg/kg)/xylazin(10mg/kg)麻酔下のマウスを腹部大動脈から脱血致死後、開胸して慎重に肺を採取し、肉眼にて炎症の有無を観察し、メロペネム/シラスタチン投与個体とコントロール個体での観察所見を比較検討した。
5.結果
経鼻感染48時間後の未治療マウスの肺においては、肉眼所見として明らかな肺炎症状が認められた(図4)。
これに対して、メロペネム/シラスタチン治療(皮下投与/経鼻投与併用)マウスの肺においては、明らかな肺炎症状は認められず、健常マウスの肺の観察所見との差は認められなかった(図5)。
本発明は、呼吸器感染症患者の治療効果の向上、治療期間の短縮に有用である。特に本発明は、重症肺炎等の患者であって、抗菌剤の全身投与では充分な効果が得られないか又は長期間の投与が必要な患者の治療に有用である。
本出願は、日本で出願された特願2005−014133を基礎としており、その内容は本出願にすべて包含されるものである。

Claims (11)

  1. 抗菌剤を全身投与されている呼吸器感染症の患者に対して、併用で経気道投与するための、カルバペネムを有効成分とする経気道呼吸器感染症治療剤。
  2. 呼吸器感染症が重症肺炎である、請求項1に記載の経気道呼吸器感染症治療剤。
  3. カルバペネムがメロペネム、イミペネム、パニペネム、ビアペネム又はドリペネムである、請求項1に記載の経気道呼吸器感染症治療剤。
  4. 抗菌剤がカルバペネムを有効成分として含む、請求項1に記載の経気道呼吸器感染症治療剤。
  5. カルバペネムがメロペネムである、請求項1に記載の経気道呼吸器感染症治療剤。
  6. 抗菌剤を全身投与されている呼吸器感染症の患者に対し、カルバペネムを併用で経気道投与する工程を含む、呼吸器感染症の治療方法。
  7. 抗菌剤を全身投与されている呼吸器感染症の患者に対して併用で経気道投与するための経気道呼吸器感染症治療剤を製造するためのカルバペネムの使用。
  8. 請求項1から5のいずれか1項に記載の経気道呼吸器感染症治療剤を含む溶液からなる経気道投与可能な溶液製剤と投与器具からなるキット。
  9. 請求項1から5のいずれか1項に記載の経気道呼吸器感染症治療剤を含む懸濁液からなる経気道投与可能な懸濁液製剤と投与器具からなるキット。
  10. 請求項1から5のいずれか1項に記載の経気道呼吸器感染症治療剤を含む微粒子化した固体からなる経気道投与可能な固体製剤と投与器具からなるキット。
  11. カルバペネムを有効成分とする薬剤と、抗菌剤を全身投与されている呼吸器感染症の患者に対して該薬剤を併用で経気道投与することによって該薬剤を呼吸器感染症を治療するために使用し得るかまたは使用すべきであることを記載した書類とを含む商業的パッケージ。
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