JPWO2006035992A1 - 光機能デバイス - Google Patents

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Abstract

光機能デバイスは、誘電体基板5、誘電体基板5上に配置され、電気光学効果を有する材質からなる強誘電体薄層10、および強誘電体薄層10上に配置された電極3A、3Bを備えている。強誘電体薄層10の一部を光導波路のコアー9として機能させ、誘電体基板5を光導波路のクラッドとして機能させ、光導波路9が強誘電体薄層10の少なくとも深さ方向Dにおいて多モード導波路として構成されている。

Description

本発明は光機能デバイスに関するものである。
マルチメディアの発展に伴い、通信のブロードバンド化の需要が高まり、10Gb/sを超える光伝送システムが実用化され、さらに高速化が期待されている。10Gb/s以上の電気信号(マイクロ波信号)を光に変調するデバイスとしてLN光変調器が使用されている。
光変調器の変調帯域を広帯域化するために、光導波路基板を薄くすることによりマイクロ波と光波の速度整合をとる構造が発明されている(特開2002−169133号公報)。
本出願人は、特願2002−330325号において、厚さ30μm以下の薄い光導波路基板の背面側に、厚さが略一定の接着層を設けて保持基体を接着することを開示した。
また、本出願人は、さらに特願2003−136740号において、接着層によって保持基体と基板本体とを接着し、保持基体における熱膨張係数の最小値を基板本体における熱膨張係数の最小値の1/5倍以上とし、かつ保持基体における熱膨張係数の最大値を基板本体における熱膨張係数の5倍以下とすることを開示した。
特願2002−330325号、特願2003−136740号のように、光導波路を形成する強誘電体基板を薄くすることによって、基板内に加わる電界強度を増大させ、光導波路に加わる実効電界を大きくし、光機能デバイスを駆動する際のVπ・Lをそれだけ低減することができる。
光機能デバイスの駆動時のVπ・Lをさらに小さくするためには、光導波路を伝搬する光スポットの直径を小さくすることが有効である。しかし、光導波路を伝搬する光スポットの直径は、通常は基板内へと内拡散されるチタンやプロトンのような不純物の量や処理温度によってほぼ定まっており、光導波路の閉じ込めを強くしてスポットの直径を小さくすると光導波路が多モード化してデバイス特性上の問題が生ずるために、光スポットの直径を小さくすることで駆動電圧Vπ・Lをいっそう低減することは困難と考えられてきた。
本発明の課題は、光導波路を伝搬する光スポットの直径を小さくできるようにし、これによって光機能デバイスの駆動電圧Vπ・Lを低減可能とすることである。
本発明は、誘電体基板、この誘電体基板上に配置され、電気光学効果を有する材質からなる強誘電体薄層、およびこの強誘電体薄層上に配置された電極を備えている光機能デバイスであって、強誘電体薄層の一部を光導波路のコアーとして機能させ、誘電体基板を光導波路のクラッドとして機能させ、この光導波路が強誘電体薄層の深さ方向において多モード導波路として構成され、横方向において単一もしくは多モード導波路として構成されていることを特徴とする。
本発明者は、種々のタイプの高速光変調デバイスの原理を根本的に再検討し、本発明にいたった。
たとえば、図1(a)に示すように、十分に大きな機械的強度を有する強誘電体基板1(X板)の表面領域に光導波路2を形成し、信号電極3Aと接地電極3Bとの間に信号電圧を印加し、光導波路を伝搬する光を変調する。このタイプの光変調デバイスにおいては、基板1が厚いために光導波路に加わる電界密度が若干低くなる。また、このように厚い基板1内に光導波路を形成する場合には、光導波路とその周囲との屈折率差が一般に小さく、このために光スポットが広がり易く、光スポット径を小さくすることが難しい。光の閉じ込めを強くするためには、光導波路2とその周囲との屈折率差を大きくする必要があり、このためには光導波路2への不純物の拡散量を増加させる必要がある。この場合には縦横ともに多モード化し、光損失が増大する。これらの理由から、ある程度以上駆動電圧を低減することは難しい。
図1(b)に示すタイプでは、強誘電体基板5上に誘電体層(たとえばシリカや重合体)6を形成し、誘電体層6中に、強誘電体基板5よりも屈折率の高い強誘電体からなる光導波路7を埋め込む。このようなデバイスでは、光導波路7と基板5との屈折率差を大きくすることが難しい。また、強誘電体基板5,光導波路7に対して、誘電体層6の誘電率が相対的に小さいために、光導波路7に加わる電界強度が低く、駆動電圧が相対的に高い。
図1(c)に示すようなタイプのデバイスでは、誘電体基板(シリカや重合体)1上に、強誘電体(ニオブ酸リチウム等)からなるリッジ型の光導波路8を形成し、その両側に電極3A、3Bを形成する。この場合も、図1(b)のデバイスと同様に、光導波路と基板との屈折率差を大きくすることが難しい。また、光導波路に加わる電界強度が低く、駆動電圧が相対的に高い。
これらの問題点を踏まえ、本発明者は、たとえば図2(a)に示すような形態の光機能デバイスを検討した。このデバイスにおいては、誘電体基板5上に強誘電体薄層10が設けられており、強誘電体薄層10中に光導波路9のコアーが設けられており、誘電体基板5がクラッドとして機能する。強誘電体薄層10の表面には信号電極3Aと接地電極3Bとが形成されている。この実施形態においては、光導波路9は、強誘電体薄層10への不純物の内拡散によって形成されている。
この構成において、強誘電体薄層10の厚さを小さくしていくと、信号電圧の印加に伴って発生する信号電極3Aと接地電極3Bとの間の基板側の電気力線の多くが、基板5の低誘電率性によって強誘電体薄層10中に集中するために、強誘電体薄層の電界強度が強くなり、特に電極と接する表面部近傍で電気力線が集中する。
一方、この構成は、誘電体基板5の屈折率が相対的に小さいために、原理的に、強誘電体薄層10をコアー、誘電体基板5をクラッドとするような多モードスラブ導波路になっている。強誘電体薄層10の厚さTsubが充分に大きい場合、スラブ導波路の高次(1次)モード深さ方向スポット径は、強誘電体薄層10の厚さとほぼ同じ大きさであり、光導波路9の基本(0次)モードの深さ方向スポット径(:Tsub=500μmのときの基本モードの深さ方向スポット径をDyoと表示する)、あるいは光ファイバの伝搬光スポット径に対して充分大きくなっている。このため、実用上この多モード性による特性への影響は極めて小さく、基本モードのみがデバイス特性と関係している(すなわち実用上、深さ・横方向共に単一モード状態になっている)ためにデバイス動作時の問題はない。
ここで、強誘電体薄層10の厚さを小さくしていくと、スラブ導波路の高次(1次)モード深さ方向スポット径はその厚さに応じて小さくなり、ある厚さ(TsubがDyoの約5倍:光導波路形成条件と誘電体基板の材質に依存する)になると、光導波路9の基本モードの深さ方向スポット径の数倍の大きさになる。さらに厚さが小さくなると、この高次モード深さ方向スポット径と共に基本モードのスポット径も小さくなり、光導波路の製造時の拡散条件に依存して、強誘電体薄層10の深さ方向Dへと向かって光導波路9が実動作上、多モード化することを見いだした。言い換えると、強誘電体薄層10が深さ方向に見たときにスラブ導波路化することがわかった。
また、光導波路製造時の拡散条件として極端に光閉じ込め効果を弱く(例えばTiパターンの膜厚もしくは幅を小さく設定する)すると、強誘電体薄層10の厚さが充分厚い(例えばTsub=500μm)場合、いわゆるカットオフ状態になって、光導波路の基本モードがない(横方向の閉じ込めがない)状態になる。しかし、上記と同様に、強誘電体薄層10の厚さを小さくして、ある厚さ以下(光導波路形成条件と誘電体基板の材質に依存する)になると、光導波路部での横方向閉じ込め現象(横方向での基本モード)が生じて、光導波路としての機能が発現しする。さらに強誘電体薄層10の厚さを小さくすると、光導波路のスポット径は縮小し、この場合も深さ方向では多モード化している。
図2(b)に示した、図2(a)中の光導波路中心部断面の屈折率分布と、光導波路基本モード伝搬光の等価屈折率(伝搬定数)との関係を詳細に調べた結果、以上のスポット径縮小効果は、この等価屈折率の低減現象と相まって生ずることが理論解析・実験から明らかになった。
すなわち、強誘電体薄層10の厚さTsubが充分厚い場合、光導波路の等価屈折率Neffは、Nfs<Neff<Npの関係がある(ただし、カットオフ状態の場合、強誘電体基板スラブ導波路モードでNeff<Nfsの関係)。ここで、Np,Nfs,Nds,Nairは、それぞれ光導波路の不純物拡散中央表面部の屈折率最大値,強誘電体層10の非拡散部の屈折率、誘電体基板5の屈折率、空気層の屈折率を表す。Tsubが小さくなると、やがてNeffが小さくなり始め、光導波路のスポット径は深さ方向・横方向に縮小する。この時、上記での深さ方向での多モード化の状態に相当する。さらにTsubが小さくなると、やがてNeff≦Nfsの関係になり、光導波路のスポット径は深さ方向・横方向共に顕著に縮小する事が分かった。
なお、光導波路伝搬光の等価屈折率は、例えばプリズム結合法、あるいは光導波路ファブリーペロー共振法(:光導波路をファブリーペロー共振器として構成させた時に、共振器長さとファブリーベロー共振波長の関係を調べる)等により測定できる。
このように強誘電体薄層10の深さ方向へと向かって多モード化すると、光導波路の深さ方向と共に横方向の光閉じ込め効果が強まり、光スポット径が深さ方向Dおよび幅方向Wの両方において縮小する。特に、TsubがDyoの2倍以下になると、基本モードのスポット径は顕著に縮小し、強誘電体薄層表面部近傍での電気力線の集中効果と相まって駆動電圧を大幅に低減可能となることを見いだし、本発明に到達した。
図1(a)、図1(b)、図1(c)は、種々のタイプの光変調デバイスの要部を模式的に示す断面図である。
図2(a)は、本発明の一実施形態に係る光機能デバイスの要部を模式的に示す断面図であり、図2(b)は、空気層、誘電体基板、強誘電体薄層、光導波路の各屈折率の関係を模式的に示すグラフである。
図3は、本発明の他の実施形態に係る光機能デバイスの要部を模式的に示す断面図であり、リッジ部分11が形成されている。
図4は、本発明の更に他の実施形態に係る光機能デバイスの要部を模式的に示す断面図であり、強誘電体薄層10の表面にバッファ層12が形成されている。
図5は、本発明の更に他の実施形態に係る光機能デバイスの要部を模式的に示す断面図であり、リッジ部分11の両側に溝13が形成されている。
図6は、本発明の更に他の実施形態に係る光機能デバイスの要部を模式的に示す断面図であり、強誘電体薄層10と誘電体基板5とが接着層14で接着されている。
図7は、本発明の更に他の実施形態に係る光機能デバイスの要部を模式的に示す断面図であり、強誘電体薄層10としてZ板が使用されている。
図8は、電極間ギャップG、駆動電圧および基板厚さTsubの関係を示すグラフである。
図9は、電極間ギャップG、駆動電圧および基板厚さTsubの関係を示すグラフである。
図10は、チタン層の幅と厚さ、基板厚さおよび幅方向の光スポットサイズの関係を示すグラフである。
図11は、チタン層の幅と厚さ、基板厚さおよび深さ方向の光スポットサイズの関係を示すグラフである。
図12は、チタン層の幅と厚さ、基板厚さおよび幅方向の光スポットサイズの関係を示すグラフである。
図13は、チタン層の幅と厚さ、基板厚さおよび深さ方向の光スポットサイズの関係を示すグラフである。
図14は、チタン層の幅と厚さ、基板厚さTsubおよび幅方向の光スポットサイズの関係を示すグラフである。
図15は、チタン層の幅と厚さ、基板厚さTsubおよび深さ方向の光スポットサイズの関係を示すグラフである。
図16は、リッジ部分の高さ、リッジ部分の幅および駆動電圧の関係を示すグラフである。
図17は、リッジ部分の高さ、リッジ部分の幅および駆動電圧の関係を示すグラフである。
図18は、リッジ部分の高さ、リッジ部分の幅および駆動電圧の関係を示すグラフである。
図19は、基板厚さTsub、電極間ギャップGおよび駆動電圧の関係を示すグラフである。
好適な実施形態においては、光導波路が強誘電体薄層10の幅方向Wにおいて単一モード条件を満足する。幅方向で多モード状態となると、光ファイバーモード径(10μm以下)の影響で、出力光の消光比が劣化し、たとえば20dB以下となる傾向が見られる。このため、強誘電体薄層の幅方向は単一モード化させることが好ましい。これは、強誘電体薄層の厚さと、光導波路生成時の拡散条件(光の閉じ込めの強さ)とを調整することで実現可能である。
強誘電体薄層の深さ方向、幅方向において光が多モードであるか、単一モードであるかは、例えば、単一モード光ファイバ励振によって、光ファイバを光導波路のコアーに対して位置合わせ調整しながら光を伝搬させてその強度分布を観測することで決定できる。
好適な実施形態においては、先導波路が不純物の拡散によって形成されている。この拡散される不純物は、強誘電体の屈折率を変化させ得るものであれば特に限定されないが、いわゆる内拡散法やイオン交換法によって形成された光導波路が好よしく、例えばチタン拡散光導波路、プロトン交換光導波路であってよい。
図2(a)の光機能デバイスは、誘電体基板5、および強誘電体薄層10を備えている。本例では強誘電体薄層10の厚さは略一定である。強誘電体薄層の表面には所定の電極3A、3Bが形成されている。本例では、いわゆるコプレーナ型(Coplanar waveguide:CPW電極)の電極配置を採用しているが、電極の配置形態は特に限定されない。例えばACPSタイプであってよい。また、本例では、隣接する電極3A、3Bの間に光導波路9が形成されており,光導波路9に対して略水平方向に信号電圧を印加するようになっている。この光導波路は、平面的に見るといわゆるマッハツェンダー型の光導波路を構成しているが、この平面的パターンそれ自体は周知であるので省略する。強誘電体薄層10と誘電体基板5との間には接着層を設けることができる。
また、光導波路はリッジ型光導波路であってよい。この光導波路は、強誘電体薄層の表面に直接形成されたリッジ型の光導波路であってよく、強誘電体薄層の表面に他の層を介して形成されたリッジ型の光導波路であってよい。
リッジ型光導波路は、レーザー加工、機械加工によって形成可能である。あるいは、高屈折率膜を強誘電体薄層10上に形成し、この高屈折率膜を機械加工やレーザーアプレーション加工することによって、リッジ型の三次元光導波路を形成できる。高屈折率膜は、例えば化学的気相成長法、物理的気相成長法、有機金属化学的気相成長法、スパッタリング法、液相エピタキシャル法によって形成できる。
図3はこの例に係る光機能デバイスを示す図である。誘電体基板5上に強誘電体薄層10が設けられており、強誘電体薄層10の表面に信号電極3Aおよび接地電極3Bが形成されている。電極3Aと3Bとの間で、強誘電体薄層10の一部が突出し、リッジ部11を形成している。本例では、さらにリッジ部11内に光導波路(コアー)9が設けられている。このような形態の光機能デバイスにおいても、光導波路形成時の拡散条件および強誘電体薄層10の厚さやリッジ部分の高さHrを適宜調整することによって、光導波路9の深さ方向Dに見たときに多モード状態とし、幅方向Wに見たときに単一モード状態とする。このようにリッジ部分11内にコアー9を形成する場合には、光導波路を伝搬する光スポットの幅方向サイズを小さくでき、駆動電圧低減に有効である。
好適な実施形態においては、リッジ部分の高さをHrとし、強誘電体薄層の厚さをTsubとしたとき、以下の関係を満足する。
Hr/Tsub≦3/4(特に好ましくは2/3)
このようにリッジ部分の高さを強誘電体薄層の厚さに比べて小さく制限することによって、光導波路を伝搬する光スポットが深さ方向に向かって多モード化しやすく、光スポットサイズを小さくしやすい。
また、好適な実施形態においては、電極のギャップをGとし、強誘電体薄層の厚さをTsubとしたとき、以下の関係を満足する。
G/Tsub≦2(特に好ましくは1以下)
また、好適な実施形態においては、電極のギャップGが30μm以下である。Gは25μm以下とすることが一層好ましい。
このようにギャップGを小さくすることによって、光導波路を伝搬する光に印加される電界強度を大きくし、光機能デバイスの駆動電圧を低減することができる。
また、強誘電体薄層の厚さは一般に100μm以下であり、50μm以下とすることが好ましく、40μm以下とすることがさらに好ましく、25μm以下とすることが最も好ましい。また、導波路形状をリッジ構造にする場合、特に強誘電体薄層の厚さは8μm以下とすることが好ましく、6μm以下とすることがさらに好ましい。このように強誘電体薄層の厚さを小さくすることによって、光導波路形成時の拡散条件や拡散種によるが、深さ方向Dへと見たときに多モード化しやすくなる。
特に好適な実施形態においては、強誘電体薄層と同じ材料からなり、厚さ500μmの強誘電体基板に光導波路を形成したときに、光導波路を伝搬する光スポットの直径をDyoとしたとき、以下の関係を満足する。
Tsub/Dyo≦5(特に好ましくは2以下)
すなわち、強誘電体薄層の厚さを500μmまで十分に大きくしたときの光スポットの直径をDyoとしたとき、強誘電体薄層の厚さTsubがまだ大きいときには単一モード条件を保持している。しかし、Tsubが小さくなると、深さ方向Dへと見たときに光が多モード化し、光スポットが小さくなる。
また、特に光導波路へと光の閉じ込めが弱い場合には、Tsub/Dyo≦1となった場合に、この作用効果が発現し易い。
なお、Dyoは、強誘電体薄層と同じ材質からなる厚さ500μmの基板における光導波路のスポットサイズである。これは、測定対象の強誘電体薄層と同じ材質からなる厚さ500μmの基板に、測定対象の光導波路と同じ製造条件で光導波路を形成したときのスポットサイズである。一般的には、厚さ500μmの基板に光導波路を形成した後、まずその光スポットサイズを測定し、これをDyoとする。次いで光導滋路とは反対側から加工して基板を薄くし、強誘電体薄層を形成することができる。
強誘電体薄層の材料は、強誘電性の電気光学材料、好ましくは単結晶からなる。こうした結晶は、光の変調が可能であれば特に限定されないが、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体、ニオブ酸カリウムリチウム、KTP、GaAs及び水晶などを例示することができる。ニオブ酸リチウム単結晶、タンタル酸リチウム単結晶、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶が、特に好ましい。
電極は、低抵抗でインピーダンス特性に優れる材料であれば特に限定されるものではなく、金、銀、銅などの材料から構成することができる。
電極は、強誘電体薄層の表面側に設けられているが、強誘電体薄層の表面に直接形成されていてよく、低誘電率層ないしバッファ層を介して形成されていてよい。低誘電率層ないしバッファ層は、酸化シリコン、弗化マグネシウム、窒化珪素、及びアルミナなどの公知の材料を使用することができる。ここで言う低誘電率層とは、強誘電体薄層を構成する材質の誘電率よりも低い誘電率を有する材料からなる層を言い、光とマイクロ波の速度整合条件を満たすという観点では誘電率が低い材料ほど好ましい。
例えば図4に示す光機能デバイスにおいては、強誘電体薄層10の表面がバッファ層12によって被覆されており、バッファ層12上に電極3A、3Bが形成されている。
また、強誘電体薄層10には溝を形成することもできる。例えば図5に示す光機能デバイスでは、リッジ部分11の両側に細長い溝13が形成されている。そして本例では溝13の深さはリッジ部分の高さHrと一致する。このように強誘電体薄層10内に溝を設けることでリッジ部分の全部あるいは一部を成形した場合には、溝を設けない場合と比べて伝搬光を多モード化させ易い。
また、図6に示すように、強誘電体薄層10を誘電体基板5に対して接着層14をを介して接着することができる。接着剤の具体例は特に限定されないが、エポキシ系接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化性接着剤、ニオブ酸リチウムなどの電気光学効果を有する材料と比較的近い熱膨張係数を有するアロンセラミックスC(商品名、東亜合成社製)(熱膨張係数13×10−6/K)を例示できる。
また接着用ガラスとしては、低誘電率で接着温度(作業温度)が約600℃以下のものが好ましい。また、加工の際に十分な接着強度が得られるものが好ましい。具体的には、酸化珪素、酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素等の組成を複数組み合わせた、いわゆるはんだガラスが好ましい。
また、強誘電体薄層10と誘電体基板5との間に接着剤のシートを介在させ、接合することができる。好ましくは、熱硬化性、光硬化性あるいは光増粘性の樹脂接着剤からなるシートを、基板本体4の裏面と保持基板との間に介在させ、シートを硬化させる。このようなシートとしては、300μm以下のフイルム樹脂が適当である。
強誘電体薄層においては、特に好ましくは結晶の分極軸が基板の一方の主面(表面)と略水平である。この場合には、ニオブ酸リチウム単結晶、タンタル酸リチウム単結晶、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶からなるX板あるいはY板が好ましい。図1〜図6には、本発明をX板あるいはY板に適用した例について示した。
また、他の好適な実施形態においては、強誘電体薄層を構成する結晶の分極軸が基板の一方の主面(表面)と略垂直である。この場合には、ニオブ酸リチウム単結晶、タンタル酸リチウム単結晶、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶からなるZ板が好ましい。この場合には、例えば図7に示すように、電極の下に光導波路19を形成する。また、Z板を使用した場合には、光導波路は電極の直下に設ける必要があり、光の伝搬損失を低減するために、基板の表面と電極との間にはバッファ層18を設けることが好ましい。
誘電体基板5の材質は特に限定されず、石英ガラス等のガラスや重合体がある。好適な実施形態においては、強誘電体薄層10における熱膨張係数の最小値が誘電体基板5における熱膨張係数の最小値の1/5倍以上であり、かつ強誘電体薄層10における熱膨張係数の最大値が誘電体基板5における熱膨張係数の最大値の5倍以下である。
ここで、強誘電体薄層10、誘電体基板5をそれぞれ構成する各電気光学材料に熱膨張係数の異方性がない場合には、強誘電体薄層10、誘電体基板5において最小の熱膨張係数と最大の熱膨張係数とは一致する。強誘電体薄層10、誘電体基板5を構成する各電気光学材料に熱膨張係数の異方性がある場合には、各軸ごとに熱膨張係数が変化する場合がある。例えば、強誘電体薄層10を構成する各電気光学材料がニオブ酸リチウムである場合には、X軸方向、Y軸方向の熱膨張係数が
16×10−6/℃であり、これが最大値となる。Z軸方向の熱膨張係数が5×10−6/℃であり、これが最小値となる。従って、誘電体基板5の熱膨張係数の最小値は1×10−6/℃以上とし、強誘電体薄層10の熱膨張係数の最大値は80×10−6/℃以下とする。なお、例えば石英ガラスの熱膨張係数は0.5×10−6/℃であり、例えば1×10−6/℃未満である。
この観点からは、誘電体基板5の熱膨張係数の最小値を、強誘電体薄層10における熱膨張係数の最小値の1/2倍以上とすることが更に好ましい。また、誘電体基板5の熱膨張係数の最大値を、強誘電体薄層10の熱膨張係数の最大値の2倍以下とすることが更に好ましい。
誘電体基板5の具体的材質は、上記の条件を満足する限り、特に限定されず,ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体、ニオブ酸カリウムリチウムなどを例示することができる。この場合、熱膨張差の観点では、強誘電体薄層と誘電体基板とを同じ材質とすることが好ましく、ニオブ酸リチウム単結晶が特に好ましい。
光機能デバイスの機能は限定されないが、光変調器が好ましい。光変調器以外の機能として、光スイッチ、偏波ローテーター、電界あるいは磁界センサー等、強誘電体の電気光学効果を利用したあらゆる光機能デバイスに適用できる。
(実験1)
図2(a)に示すような光変調器1を製造する。具体的には、Xカットした3インチウエハー(LiNbO単結晶)からなる基板を使用し、チタン拡散プロセスとフォトリソグラフィー法とによって、ウエハーの表面にマッハツェンダー型の光導波路3を形成する。拡散時のチタン層の厚さTtiは、0.08μmとし、幅Wtiは7μmとして従来例より光閉じ込めを弱い状態にした。またチタン拡散時の処理温度は1050℃とした。
次いで、メッキプロセスにより、CPW電極を形成する。信号電極3Bと接地電極3AとのギャップGを40,30,25,20,15,10,5,2μmとし、電極長を35mmとする。次に薄型研磨のために研磨定盤に研磨ダミー基板を貼り付け、その上に変調器基板を電極面を下にして熱可塑性樹脂で貼り付ける。さらに、横型研磨およびポリッシング(CMP)にて、図8に示すような種々の厚さ(2〜15μm)となるまで強誘電体薄層10を薄型加工する。その後、平板状の誘電体基板5を強誘電体薄層10に接着固定し、光ファイバの接続部を端面研磨し、ダイシングにてチップ切断する。接着固定用の樹脂は、樹脂厚50μmのエポキシ樹脂フィルムを使用した。チップの幅および補強基板を含めたトータルの厚みは、それぞれ4.4mmと1mmとした。入力側には1.55μm帯パンダファイバを保持した単芯ファイバーアレイを、出力側にはシングルモードファイバを保持した単芯ファイバアレイを進行波形光変調器チップに結合し、光ファイバーと光導波路とを調芯し、紫外線硬化型樹脂によって接着する。
また、図1(a)〜(c)に示すような各光変調器を作製した。ただし、強誘電体基板の材質やチタンの拡散方法は上記と同様とした。強誘電体基板1、5の厚さは500μmとした。ここで、強誘電体基板の非拡散部での屈折率はNfs=2.137であった。
各光変調デバイスについて、電極間ギャップGと駆動電圧Vπ・Lとの関係を図8に示す。ここで、図1(c)および基板厚さTsubが15μm以下のデバイスでは、サンプル製作途中での基板厚が500μmの時、伝搬光の深さ方向のスポット径Dyoは約4μm、光導波路の等価屈折率NeffはNeff=2.143−2.141(強誘電体層の非拡散部での屈折率Nfs=2.137)であった。図1(a)、図1(b)、図1(c)のデバイスにおいては、深さ方向Dおよび幅方向Wのいずれにおいても、伝搬光は単一モードである。これに対して、基板厚さTsubが20μm以下の例では、深さ方向Dおよび幅方向Wにおいて伝搬光は多モード化していた。この結果として、光スポットサイズの縮小効果によって、駆動電圧が全般的に低下するとともに、Tsubが8μm以下の例では、等価屈折率NeffはNeff=2.140以下になり、Gの減少に対して駆動電圧が鋭敏に反応し、大きく低下することが判明した。
Tsubが5μm以下の例では、等価屈折率NeffはNeff=2.137以下になり、駆動電圧が更に大きく低下する。
(実験2)
実験1と同様にして、図9の各例に示す条件で、図2(a)の光変調デバイスを作製した。ただし、チタン拡散時のチタン層の厚さTtiを0.06μmとし、幅Wtiを5μmとした。強誘電体薄層の厚さTsubは、500μm以外は15〜2μmで変更した。電極間ギャップGと駆動電圧Vπ・Lとの関係を図9に示す。本例では、チタン拡散時のチタン量が実験1の例よりも少なく、このために光の閉じ込めが相対的に弱い。
基板厚さ500μmの場合には、伝搬光の深さ方向のスポット径Dyoは約100μmであり、光導波路の等価屈折率NeffはNeff=2.1371で、強誘電体層の非拡散部での屈折率Nfs=2.137より僅かに大きく、深さ方向D、幅方向Wともに伝搬光は単一モードであった。これに対して、基板厚さTsubが15μm以下の例では、Neff=2.137もしくはそれ以下(Tsubが6μmのとき、Neff=2.135)で、深さ方向Dにおいて伝搬光は多モード化し、幅方向Wにおいて伝搬光は単一モード化していた。この結果として、駆動電圧が全般的に低下するとともに、光スポットサイズの縮小効果によって、Gの減少に対して駆動電圧が鋭敏に反応し、大きく低下することが判明した。
(実験3)
実験1と同様にして、図10の各例に示す条件で、図2(a)の光変調デバイスを作製した。ただし、チタン拡散時のチタン層の厚さTtiおよび幅Wtiは、図10に示すように変更した。幅方向Wに見た光スポットサイズと基板厚さTsubとの関係を図10に示し、深さ方向Dに見た光スポットサイズと基板厚さTsubとの関係を図11に示す。
Tti=0.08μm、Wti=7μmの場合には、Tsub=500μmのときDyoが4μm,Neff=2.141であり、Tsubが20μm以上では光スポットサイズはほとんど変化していないが、10μm以下でNeff=2.141以下に、Tsub=4μm以下でNeff=2.137以下になり光スポットサイズが深さ方向で特に顕著に減少する。Tti=0.06μm、Wti=5μmの場合(Tsub=500μmのときNeff=2.1371,Dyo=100μm)には、幅方向Wではすべて単一モードであり、深さ方向DではTsub=200μm以下でNeff=2.137以下になり多モードである。ただし、Tsub=100μm以上では、横・深さ方向のスポット径が大きく、実用性が低い。
Tti=0.05μm、Wti=4μmの場合(Dyo=約500μm:横方向Wでの閉じ込めがないカットオフ状態)には、Tsubが100μm以下でNeff=2.136以下になり光スポットサイズが大きく低下する。ただし、Tsub100μm以上では横方向Wでの閉じ込めがないカットオフ状態のために、デバイスとして実質的には機能しない。
(実験4)
実験1と同様にして、図12の各例に示す条件で、図2(a)の光変調デバイスを作製した。ただし、チタン拡散時のチタン層の厚さTti、幅Wtiは、図12に示すように変更した。幅方向Wに見た光スポットサイズと基板厚さTsubとの関係を図12に示し、深さ方向Dに見た光スポットサイズと基板厚さTsubとの関係を図13に示す。
Tti=0.08μm、Wti=3μmの場合には、Dyo=約500μm(:カットオフ状態)である。この場合、Tsub=50μm以上ではカットオフ状態になり、デバイスとして実質的には機能しない。Tsub=40μm以下で横方向Wでの閉じ込め効果が現れ、その時の等価屈折率NeffはNeff=2.137以下で、幅方向Wではすべて単一モードで、深さ方向DではTsub500μm以下で多モードである。Tti=0.08μm、Wti=5μmの場合(Tsub=500μmのときNeff=2.138,Dyo=9μm)には、幅方向WではTsub=12μm以下でNeff=2.138以下になり多モード化し、深さ方向DではTsub=40μm以下で多モードである。Tti=0.08μm、Wti=7μmの場合(Tsub=500μmのときNeff=2.141,Dyo=4μm)には、幅方向WではTsub=20μm以下でNeff=2.14以下になり多モード化し、深さ方向DではTsub=20μm以下で多モード化している。
(実験5)
実験1と同様にして、図14の各例に示す条件で、図2(a)の光変調デバイスを作製した。ただし、チタン拡散時のチタン層の厚さTti、幅Wtiは、図14に示すように変更した。幅方向Wに見た光スポットサイズと基板厚さTsubとの関係を図14に示し、深さ方向Dに見た光スポットサイズと基板厚さTsubとの関係を図15に示す。
Tti=0.06μm、Wti=3μmの場合(Dyo=500μm(:カットオフ状態))、Tsub=50μm以上ではカットオフ状態になり、デバイスとして実質的には機能しない。Tsub40μm以下では、Neff=2.137以下となり幅方向Wではすべて単一モードであり、深さ方向DではTsub500μm以下で多モードである。Tti=0.06μm、Wti=6μmの場合(Tsub=500μmのときNeff=2.1373,Dyo=25μm)、幅方向Wではすべて単一モードであり、深さ方向DではTsubが100μm以下でNeff=2.137以下になり多モード化し、光スポットサイズが大きく低下する。Tti=0.06μm、Wti=7μmの場合(Tsub=500μmのときNeff=2.138,Dyo=9μm)には、幅方向WではTsub=12μm以下でNeff=2.138以下になり多モード化し、深さ方向DではTsub=40μm以下で多モード化している。
(実験6)
実験1と同様にして、図16の各例に示す条件で、図3の光変調デバイスを作製した。ただし、チタン拡散時のチタン層の厚さTtiは0.06μmとし、幅Wtiは5μmとし、強誘電体薄層10の厚さTsubは6μmとし、電極ギャップ幅Gは20μm(G/Tsub=10/3)とする。リッジ部分11は機械加工法とレーザアブレーション法によって形成する。リッジ幅Wrと駆動電圧Vπ・Lとの関係を図16に示す。なお、図中のデバイスは、いずれも深さ方向Dでは多モード化している事を確認している。
図16からわかるように、リッジ形状を採る事で駆動電圧低減効果が見られるが、リッジ高さHrが大きくなると駆動電圧が増大する傾向が見られた。
(実験7)
実験6と同様にして、図17の各例に示す条件で、図3の光変調デバイスを作製した。チタン拡散寺のチタン層の厚さTtiは0.06μmとし、幅Wtiは5μmとし、強誘電体薄層10の厚さTsubは6μmとし、電極ギャップ幅Gは10μm(G/Tsub=5/3)とする。リッジ幅Wrと駆動電圧Vπ・Lとの関係を図17に示す。図中のデバイスは、いずれも深さ方向Dでは多モード化している。
図17からわかるように、リッジ高さHrが4.5μm以下で駆動電圧が低減する傾向があり、Hrが1.5μmのときに最も低下する。
(実験8)
実験6と同様にして、図18の各例に示す条件で、図3の光変調デバイスを作製した。チタン拡散寺のチタン層の厚さTtiは0.06μmとし、幅Wtiは5μmとし、強誘電体薄層10の厚さTsubは6μmとし、電極ギャップ幅Gは5μm(G/Tsub=5/6)とする。リッジ幅Wrと駆動電圧Vπ・Lとの関係を図18に示す。図中のデバイスは、いずれも深さ方向Dでは多モード化している。
図18からわかるように、電極ギャップ幅G=20,10μm(図16,17)の場合と比較して、特に、リッジ高さHrが4.5μm以下のときにいずれも顕著な駆動電圧低減効果が発現し、特にHrが4.5もしくは3μmのときに最も低下する傾向が見られた。
(実験9)
実験6と同様にして、図19の各例に示す条件で、図3の光変調デバイスを作製した。ただし、チタン拡散時のチタン層の厚さTtiは0.06μmとし、幅Wtiは5μmとし、リッジ幅Wrは8,6,4,1.6μm、リッジ高さHrは1,2,3,3.5,4.5,6μmとし、強誘電体薄層10の厚さTsub、電極ギャップ幅Gを変更する。電極間ギャップGと駆動電圧Vπ・Lとの関係を図19に示す。この場合、図中のデバイスは、いずれも深さ方向Dでは多モード化している事を確認している。
図19からわかるように、リッジ形状をとり、基板厚さTsubが6μm以下と小さく、Hr/Tsub≦3/4,G/Tsub≦2の構造をとると、駆動電圧はGにほぼ比例して減少し、駆動電圧が著しく低下した。特に電極間ギャップG=10μm以下の領域でこの傾向が顕著であった。

Claims (12)

  1. 誘電体基板、この誘電体基板上に配置され、電気光学効果を有する材質からなる強誘電体薄層、およびこの強誘電体薄層上に配置された電極を備えている光機能デバイスであって、
    前記強誘電体薄層の一部を光導披路のコアーとして機能させ、前記誘電体基板を光導波路のクラッドとして機能させ、この光導波路が前記強誘電体薄層の深さ方向において多モード導波路として構成され、横方向において単一もしくは多モード導波路として構成されていることを特徴とする、光機能デバイス。
  2. 前記光導波路が不純物の拡散によって形成されていることを特徴とする、請求項1記載のデバイス。
  3. 前記強誘電体薄層にリッジ部分が形成されており、このリッジ部分の一部を前記光導波路のコアーとして機能させることを特徴とする、請求項1または2記載のデバイス。
  4. 前記リッジ部分の高さをHrとし、前記強誘電体薄層の厚さをTsubとしたとき、以下の関係を満足することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載のデバイス。
    Hr/Tsub≦3/4
  5. 前記電極のギャップをGとし、前記強誘電体薄層の厚さをTsubとしたとき、以下の関係を満足することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載のデバイス。
    G/Tsub≦2
  6. 前記強誘電体薄層の厚さが40μm以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記載のデバイス。
  7. 前記強誘電体薄層の厚さをTsubとし、前記強誘電体薄層と同じ材料からなり、厚さ500μmの強誘電体基板に前記光導波路を形成したときに前記光導波路を伝搬する光スポットの直径をDyoとしたとき、以下の関係を満足することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つの請求項に記載のデバイス。
    Tsub/Dyo≦5
  8. 前記電極のギャップGが30μm以下であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つの請求項に記載のデバイス。
  9. 前記光導波路が前記強誘電体薄層の幅方向において単一モード条件を満足することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つの請求項に記載のデバイス。
  10. 前記誘電体基板と前記強誘電体薄層との間に設けられた接着層を備えていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つの請求項に記載のデバイス。
  11. 前記誘電体基板における熱膨張係数の最小値が前記強誘電体薄層における熱膨張係数の最小値の1/5倍以上であり、かつ前記誘電体基板における熱膨張係数の最大値が前記強誘電体薄層における熱膨張係数の最大値の5倍以下であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つの請求項に記載のデバイス。
  12. 前記誘電体基板と前記強誘電体薄層とが同じ材質からなることを特徴とする、請求項11記載のデバイス。
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