JPWO2006033253A1 - 膜電極複合体およびその製造方法、ならびに燃料電池、電子機器 - Google Patents

膜電極複合体およびその製造方法、ならびに燃料電池、電子機器 Download PDF

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Abstract

取り出し電極(6a,6b)、触媒層(5a,5b)、電解質膜(2)がこの順に積層され一体化して形成されている膜電極複合体(1)、ならびに、基体の一方の面に取り出し電極(6a,6b)を固定し、電極基材を作成する工程と、取り出し電極(6a,6b)上に触媒層(5a,5b)を形成する工程と、触媒層(5a,5b)が形成された電極基材を電解質膜(2)に一体化する工程とを有する、膜電極複合体(1)の製造方法によって、外部からの締め付けによる押圧固定を用いずとも、触媒層と取り出し電極間の良好な電気的接触を確保した膜電極複合体を、歩留まりよく製造することにより、高出力かつ小型化可能な燃料電池を実現できる膜電極複合体およびその製造方法を提供することができる。

Description

本発明は、燃料電池の膜電極複合体およびその製造方法、ならびに当該膜電極複合体を用いた燃料電池、電子機器に関する。
電解質として固体高分子イオン交換膜を用いる固体高分子燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell、以下「PEFC」)は、電解質膜が薄膜であること、また反応温度が100℃以下と他の燃料電池に比べ比較的低温であるため、大掛かりな補機類を必要としないことから、小型な燃料電池システムの実現が可能である。近年、燃料電池は自動車や家庭用への応用を目的とした次世代電源として期待されており、燃料として水素を用いるものは、既に自動車への搭載が実用化されつつある段階であり、この場合の燃料(水素)収容手段としては主に高圧のボンベが用いられている。
一方、メタノールから直接プロトンを取り出すことにより発電を行う、直接メタノール型燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell、以下「DMFC」)は、改質器を必要としないこと、また、ガス燃料に比べ体積エネルギー密度の高い液体燃料を使用することから、高圧ガスボンベに比べメタノール燃料容器を小さくすることが可能であるため、小型機器用電源への応用、特に、携帯機器用の二次電池代替用途という観点で注目が集まっている。
前記2種の燃料電池の携帯機器への応用を考えた際には、単位セルあたりの出力電圧が1V以下であるため、実用では単位セルを直列に接続しスタック化することにより所望の電圧を得る必要がある。従来の固体高分子電解質型燃料電池は、図10に示すように、燃料電池起電部101は燃料極集電体105a、燃料極触媒層104a、電解質膜102、空気極触媒層104b、空気極集電体105bの各部材を複数繰り返して積層し、それらを電気的に直列接続し、最外部から支持基材107a,107bで挟み込み、ボルトやナットを締め付けて各部材を押圧固定することで、必要な電圧と電力を確保している。一般的に、燃料極流路板106aとカソード流路板106bは一枚のカーボン板を表裏に共有することによって部品点数を省略すると共に、良好な電気伝導を得ている(たとえば非特許文献1)。しかしながら、このような、支持基板で挟み込み、ボルトやナットで外部から締め付けることにより各部材を押圧固定して電気的な接触を確保する従来の方法では、スタックの数が増えるほど面内の圧力を全スタック均一に保つことが非常に難しく、安定した出力を得ることが困難である。
これに対し、特開2004−31026号公報(特許文献1)には、図11に示すように、電解質膜122の両面に、触媒層125a,125b、基体126a,126b、集電体127a,127bがそれぞれ積層された燃料電池用電極121において、前記集電体127a,127bと前記基体126a,126bとが接着されたことを特徴とする燃料電池用電極121が提案されている。こうすることにより、前記基体126a,126bと前記集電体127a,127bとの密着性が良好に保たれ、前記基体126a,126bと前記集電体127a,127bとを電気的に接続することができる。かかる構造により、従来締結に必要とされていた支持基材やボルト、ナットなどの小型化を阻害する部材が不要となる。したがって、燃料電池を薄型、小型軽量化することが可能となる。
特開2004−31026号公報 特開2001−160406号公報 特開2003−187810号公報 NTS社、「固体高分子型燃料電池の開発と応用」、p171
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、前記基体126a,126bと前記集電体127a,127bとの密着性は両者の接着により保証されているが、前記基体126a,126bと前記触媒層125a,125bとの接着は確保されていないため、良好な電気的接触を確保した膜電極複合体を製造する過程において、歩留まりが低下するという課題が生じる。
また特許文献1に記載された方法では、前記触媒層125a,125bと前記集電体127a,127bの間に基体126a,126bが介在している構造であるため、発生した電子が外部出力端子127a1,127b1を介して電池外部へ取り出される際に通る接触界面の数が増加し、また導電距離も長くなることから、出力の抵抗ロスが大きくなるという課題が生じる。
また、上記特許文献1の実施例に記載のように、基体126a,126bとしてカーボンペーパーを用いた際は、外部からの押え圧なしの状態においては、カーボンペーパー自身の面圧方向の内部抵抗が上昇し、オーミックロスが生じてしまい電力が低下するという問題が生じる。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、外部からの締め付けによる押圧固定を用いずとも、触媒層と取り出し電極間の良好な電気的接触を確保した膜電極複合体を、歩留まりよく製造することにより、高出力かつ小型化可能な燃料電池を実現できる膜電極複合体およびその製造方法を提供することである。また本発明は、当該膜電極複合体を用いた燃料電池、電子機器を提供することも目的とするものである。
本発明は、電解質膜に触媒層、取り出し電極が順次積層され一体化して形成されている膜電極複合体を提供する。
ここにおいて、取り出し電極は開孔部を有し、当該開孔部に触媒層が入り込んでいることが好ましい。また、取り出し電極は、接着層を介して触媒層と一体化して形成されていることが好ましい。
また本発明は、電解質膜に触媒層、取り出し電極、多孔質基体が順次積層され一体化して形成されている膜電極複合体を提供する。ここにおいて、前記取り出し電極は開孔部を有し、当該開孔部に多孔質基体および触媒部から選ばれる少なくともいずれかが入り込んでいることが好ましい。また取り出し電極は、接着層を介して触媒層と一体化して形成されていることが好ましい。
本発明における多孔質基体は、導電性を有するのが好ましい。
また本発明における多孔質基体は、撥水性の表面を有するのが好ましい。
本発明において、触媒層が電解質膜に遠い方から第1の触媒層と第2の触媒層の順で構成されており、第2の触媒層よりも第1の触媒層の空隙率が高いことが好ましい。
また本発明の膜電極複合体における取り出し電極は、Ti、Au、Ag、Pt、Nb、Ni、Cu、Si、WおよびAlからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含むことが好ましい。
また前記取り出し電極は、表面に導電性耐腐食処理を施されている金属メッシュまたは打ち抜き加工金属板であることが、好ましい。
また本発明における取り出し電極は、インクジェット印刷法、CVD法、蒸着法、鍍金法、ゾルゲル法、スパッタ法またはスクリーン印刷法により形成されたものであるのが好ましい。
本発明は、上述した本発明の膜電極複合体を、平面方向に配列し電気的接続を施した燃料電池も提供する。本発明はさらに、当該燃料電池を用いた電子機器も提供する。
本発明はまた、基体の一方の面に取り出し電極を固定し、電極基材を作成する工程と、取り出し電極上に触媒層を形成する工程と、触媒層が形成された電極基材を電解質膜に一体化する工程とを有する、膜電極複合体の製造方法を提供する。
本発明の膜電極複合体の製造方法において、電解質膜に触媒層が直接転写されたCCM(Catalyst Coated Membrane)を用いることが好ましい。
本発明の膜電極複合体の製造方法において、基体として、取り出し電極と接する側の面に撥水層を形成した多孔質基体を用いることが好ましい。
本発明の膜電極複合体の製造方法において、基体として、取り出し電極と接する側の面に導電層を形成した多孔質基体を用いることが好ましい。
本発明の膜電極複合体の製造方法においては、電極基材と電解質膜とを一体化する工程の前処理として、接着する触媒層面と電解質膜面のうち少なくともいずれか一方の面に凹凸を形成する工程を含むことが好ましい。
本発明における膜電極複合体の製造方法によれば、取り出し電極と触媒層が隣接して一体化しているため、外部からの押え圧のない状態においても、取り出し電極と触媒層の良好な導電性を確保した膜電極複合体を歩留まりよく製造することが可能である。また本発明の膜電極複合体は、取り出し電極が膜電極複合体の触媒層において芯の役割を果たすため、通常は脆い空隙率の高い触媒層を、強度を保ちつつ作成することが可能となる。
また、本発明の膜電極複合体は、外部からの押え圧のない状態においても、取り出し電極と触媒層の良好な導電性を確保しているため、ボルトで締め付ける箇所をなくすことができ、より薄い状態で燃料電池の発電面積を増大させることが可能となる。
本発明の好ましい一例の膜電極複合体1を模式的に示す断面図である。 図1に示す膜電極複合体1の分解斜視図である。 本発明の好ましい他の例の膜電極複合体11を模式的に示す断面図である。 本発明の好ましい他の例の膜電極複合体21を模式的に示す断面図である。 一枚の電解質膜上に多数枚のセルを配列し、各セルを直列に接続させることにより回路を構成した膜電極複合体71を模式的に示す平面図である。 図5に示した例の膜電極複合体71を用いた直接液体供給型燃料電池70を模式的に示す断面図である。 本発明の燃料電池を用いた電子機器の一例を模式的に示す斜視図である。 本発明に好適に適用される燃料電池システム77の一例を示すブロック図である。 本発明の好ましい他の例の膜電極複合体31を模式的に示す断面図である。 従来の燃料電池101の一例を示す断面図である。 従来の膜電極複合体121の一例を示す断面図である。
符号の説明
1,11,21,31,71 膜電極複合体、2 電解質膜、3,22,32 燃料極、4,23,33 空気極、5a,5b,15a,15b,24a,24b,25a,25b,35a,35b 触媒層、6a,6b 取り出し電極、7a,7b,17a,17b 多孔質基体。
本発明の膜電極複合体は、電解質膜に触媒層、取り出し電極が順次積層され一体化して形成されていることを特徴とする。ここで「一体化」とは、前記膜電極複合体の各部材が外部から圧力を加えなくとも分離しない状態のことをいい、具体的には化学結合やアンカー効果、粘着力などにより接合された状態のことを指す。前記一体化させるための方法としては、たとえば、ホットプレス法により電解質膜を触媒層および取り出し電極に融着する方法が挙げられる。この場合、触媒層中の高分子バインダーや多孔質基体の撥水処理面の高分子バインダーなどが、ホットプレス時の熱で変形することにより、三次元的なアンカー効果で接合を確保している。このような構造を備える本発明の膜電極複合体によれば、支持基材で挟み込み、ボルトやナットなどにより締め付けを行って外部圧をかけることなしに、取り出し電極と触媒層の電気的な接触を良好に保つことができる。また本発明の膜電極複合体は、取り出し電極と触媒層は常に隣接している状態にあるため、製造過程において接触不良の起こる割合を大幅に低減することが可能である。
図1は本発明の好ましい一例の膜電極複合体1を模式的に示す断面図であり、図2は図1に示す膜電極複合体1の分解斜視図である。本発明の膜電極複合体1は、たとえば、図1に示すように、電解質膜2を挟んで燃料極3と空気極4とをそれぞれ配した構造を備える。電解質膜2は従来公知の適宜の高分子膜、無機膜またはコンポジット膜にて形成される。高分子膜としては、たとえばパーフルオロスルホン酸系電解質膜(ナフィオン(デュポン社製)、ダウ膜(ダウ・ケミカル社製)、アシプレックス(旭化成社製)、フレミオン(旭硝子社製))やポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエーテルエーテルケトンなどの炭化水素系電解質膜などが挙げられ、無機膜としては、たとえばリン酸ガラス、硫酸水素セシウム、ポリタングストリン酸、ポリリン酸アンモニウムなどが挙げられる。また、コンポジット膜としては、たとえばゴアセレクト膜(ゴア社製)や細孔フィリング電解質膜などが挙げられる。
膜電極複合体1における燃料極3は、電解質膜2に順次積層された触媒層(燃料極触媒層)5aと、取り出し電極6aと、多孔質基体7aとを備える。燃料極3には、燃料貯蔵容器(図示なし)を介して燃料が供給される。燃料の供給方法としては、燃料貯蔵容器の液体燃料を自然落下させる方法や、多孔質基体7aの毛管力を利用して燃料貯蔵容器から燃料を引き込む方法、液体燃料を気化させて蒸気供給する方法などが挙げられる。液体燃料として、メタノール、DME(Dimethyl Ether)やギ酸などの水素原子を含む有機燃料、もしくは気体や多種液体との混合液体燃料を用いることができる。
また膜電極複合体1における空気極4は、燃料極3と同じく電解質膜2に順次積層された触媒層(空気極触媒層)5bと、取り出し電極6bと、多孔質基体7bとを備える。空気極4には、空気中の酸素が酸化剤として供給される。空気の供給方法としては、空気極を大気に開放する方法や、フィルターを介して送風ファンもしくは送風ポンプで供給する方法などが挙げられる。
本発明の膜電極複合体においては、電解質膜に触媒層、取り出し電極、多孔質基体が順次積層され一体化して形成されている膜電極複合体であるのが、好ましい。さらにこのような構成において、前記取り出し電極が後述するような開孔部を有し、当該開孔部に多孔質基体および触媒層から選ばれる少なくとも一方が入り込んでいるのが、好ましい。ここで「入り込んでいる」状態とは、触媒層および多孔質基体の少なくとも一方が取り出し電極の開孔部に埋め込まれている状態を指す。このような構造を備える本発明の膜電極複合体によれば、取り出し電極が膜電極複合体の支持材として機能するため、寸法安定性を向上させることが可能となる。また、取り出し電極の開孔部に触媒層が入り込んでいるとき、取り出し電極が触媒層において芯の役割を果たすため、触媒層の強度を上げることが可能である。また、取り出し電極と触媒層との接触面積が増大するため接触抵抗が軽減される。また、接着面積が増大するため、接着性が向上し剥離を防ぐことが可能となる。また、取り出し電極の開孔部に多孔質基体が入り込んでいるとき、多孔質基体と触媒層との間の距離が短くなるため、両層間の燃料および生成排出物の受け渡しが円滑化される。図1には、燃料極3の取り出し電極6aが触媒層5aおよび多孔質基体7aに埋め込まれ、また、空気極4の取り出し電極6bが触媒層5bおよび多孔質基体7bに埋め込まれてなる例を示している。なお、図1には多孔質基体を有する構成を示しているが、多孔質基体を有しない構成を採ることも可能である。
図3は、本発明の好ましい他の例の膜電極複合体11を模式的に示す図である。図3に示す例の膜電極複合体11は、触媒層15a,15bと取り出し電極6a,6b、触媒層15a,15bと多孔質基体17a,17bのそれぞれの間に接着層18a,18bが形成されている構成以外は図1に示した膜電極複合体1と同様であり、同様の構成を有する部分には同一の参照符を付して示している。接着層18a,18bの形成には、陽イオンなどの溶出物を押えるため、架橋剤、可塑剤などとして、金属系の配合剤や硫黄化合物、揮発性有機化合物を使用していないような有機高分子を主成分とした接着剤を用いることが好ましい。たとえば、耐熱性および耐水性を有するシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、オレフィン樹脂、フッ素系樹脂を主成分とする接着剤を用いることが可能である。このような構造を備える膜電極複合体によれば、接着層のバインダーが触媒層のカーボンおよび取り出し電極(たとえば金属)と結着性を有するため、触媒層と取り出し電極間の接着強度が強化され、剥離を防ぐことが可能となる。接着層としては、導電性物質(たとえば、カーボン粒子など)を接着剤に混練した導電性かつ多孔性のものがより好ましい。
図1および図3に示す例の膜電極複合体1,11において、燃料極の触媒層5a,15aでの発電反応により得られた電子は取り出し電極6aにおいて集電され外部に取り出される。触媒層5a,15aと取り出し電極6aはそれぞれ隣接して一体化しているため、外部からの押圧なしの状態においても触媒層5a,15aと取り出し電極6aはそれぞれ良好な電気的な接続が実現されている。このことにより、触媒層5a,15aと取り出し電極6aとの間の抵抗値を大幅に低減することが可能であり、その結果、発電効率を向上させることができる。取り出し電極6aから外部回路に取り出された電子は取り出し電極6bを通って触媒層5b,15bに供給され反応に使用される。よって、取り出し電極6b、触媒層5b,15bにおいても同様に、電気抵抗値を下げることが可能であるため、発電効率を向上させることが可能である。また、従来の加圧方法で生じていた面内圧力のばらつきが生じることもないため、安定した発電を行うことが可能である。
図1および図3に示した例の膜電極複合体1,11に使用される触媒層5a,5b,15a,15bとしては、たとえば、触媒を担持した炭素粒子と固体高分子電解質膜の微粒子を含むものを用いることができる。前記触媒としては、たとえばPt、Ru、Au、Ag、Rh、Pd、Os、Irなどの貴金属や、Ni、V、Ti、Co、Mo、Fe、Cu、Znなどの卑金属が例示される。本発明においては、これらを、単独もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。なお、触媒層5a,5b,15a,15bは必ずしも同種類のものに限定されず、異なる材料を用いることができる。
図4は、本発明の好ましい他の例の膜電極複合体21を模式的に示す図である。図4に示す例の膜電極複合体21は、触媒層が第1の触媒層24a,24bと第2の触媒層25a,25bとで構成されており、第2の触媒層25aの空隙率よりも第1の触媒層24aの空隙率が高く形成され、第2の触媒層25bの空隙率よりも第1の触媒層24bの空隙率が高く形成されてなる構成以外は、図1に示した例の膜電極複合体1と同様であり、同様の構成を有する部分には同一の参照符を付して示している。
本発明の膜電極複合体においては、電解質膜に第2の触媒層、第1の触媒層、取り出し電極、多孔質基体が順次積層され一体化して形成されている構造であって、上記第1の触媒層が第2の触媒層よりも空隙率が高く形成されている構造を、その好適な態様の一つとして挙げることができる。図4に示す例においては、燃料極22は、電解質膜2に順次積層された第2の触媒層(第2の燃料極触媒層)25a、第1の触媒層(第1の燃料極触媒層)24a、取り出し電極6a、多孔質基体7aを備える。また空気極23は、同じく電解質膜2に順次積層された第2の触媒層(第2の空気極触媒層)25b、第1の触媒層(第1の空気極触媒層)24b、取り出し電極6b、多孔質基体7bを備える。
第1の触媒層24a,24bとして第2の触媒層25a,25bよりも空隙率が高く形成されているものを用いることによって、取り出し電極直下の触媒層の燃料拡散性を向上させ、燃料が供給されている三相界面の面積を増加することが可能であり、また、面内の発電のばらつきが軽減されることから、安定して高出力を発電することが可能となる。また、取り出し電極が触媒層において芯の役割を果たすため、通常脆い空隙率の高い触媒層を、一定の強度を保った状態で形成することが可能となる。
図4に示す例の第1の触媒層24a,24b、第2の触媒層25a,25bは、上記例示したもののうち、互いに同じ材料で形成されてもよいし、互いに異なる材料にて形成されていてもよい。同じ材料にて形成されているときは、それぞれの材料の成分比や溶媒の乾燥条件を変えることにより空隙率を変えて作成することが可能である。第1の触媒層は、取り出し電極と第2の触媒層の接着強度を強化する、接着剤の効果を有するため剥離を防ぐことが可能である。また第1の触媒層24a,24bの空隙率が第2の触媒層25a,25bの空隙率よりも高いという関係を有するならば、第1の触媒層24a,24b、第2の触媒層25a,25bの空隙率は特に制限されるものではないが、第1の触媒層24a,24bが30〜45%の範囲内であり、第2の触媒層25a,25bが20〜35%の範囲内であるのが好ましい。なお、第1の触媒層24a,24b、第2の触媒層25a,25bの空隙率は、包埋用エポキシ樹脂(応研商事社製)を含浸して室温にて12時間乾燥した後に切断した膜電極複合体の触媒層の断面を、走査型電子顕微鏡JSM−5000(日本電子社製)により加速電圧10kV、倍率4000倍にて観察し、得られたSEM写真をスキャナにて取り込み、解析ソフト(Image−Pro PLUS、プラネトロン社製)によって2値化を行い、面積比率を計算する画像処理を行うことによって測定された値を指す。
図1、図3および図4に示したいずれの態様の膜電極複合体1,11,21においても、取り出し電極6a,6bには、金属を用いることが可能であり、取り出し電極自身の比抵抗を小さくすることができる。取り出し電極6a,6bは、たとえば、Ti、Au、Ag、Pt、Nb、Ni、Cu、Si、WおよびAlの群より選ばれる少なくとも一つの元素を含むことが好ましく、Au、Cu、NiおよびWの群より選ばれる少なくとも一つの元素を含むことがより好ましい。前記元素を含むことにより、取り出し電極自身の比抵抗が小さくなるため、取り出し電極の抵抗ロスを軽減することが可能となるためである。
また本発明における取り出し電極6a,6bには、表面に導電性耐腐食処理が施されている金属メッシュまたは打ち抜き加工金属板を用いることが好ましい。導電性耐腐食処理は、たとえば、Au、Ag、Ptなどの貴金属で取り出し電極6a,6bの表面をコーティングすることによって施すことができる。導電性耐腐食処理を施すことにより、膜電極複合体の寿命を延ばすことが可能となる。また、金属メッシュまたは打ち抜き加工金属板を用いることで、取り出し電極6a,6bには、多孔質基体7a,7b,17a,17bを介して供給された燃料、および空気を触媒層に供給するための開孔部を面厚方向に設けることができる。これにより、取り出し電極の面厚方向の液体燃料および気体燃料の供給を阻害することを軽減しつつ、効率よく集電を行うことが可能となる。
本発明における取り出し電極6a,6bは、上述したものには限定されず、従来公知の薄膜形成技術により形成されたものを用いることが可能である。たとえばインクジェット印刷法、CVD法、蒸着法、鍍金法、スパッタ法またはスクリーン印刷法により形成された取り出し電極は、線幅の狭い高精細な電極を実現することが可能となるため、触媒層への燃料の拡散性が向上し、好適である。
取り出し電極6a,6bの開孔率は、特に制限されるものではないが、10%以上とすることが好ましく、40%以上とすることがより好ましい。開孔率を10%以上とすることにより、燃料および空気が拡散する面積を広く確保することが可能であり、反応場への燃料供給を効率よく行うことができるためである。また、取り出し電極6の開孔率は、95%以下とすることが好ましく、90%以下とすることがより好ましい。開孔率を95%以下とすることにより、発生した電子が取り出し電極6aから引き出される前に、取り出し電極6aより比抵抗の高い触媒層5aで電子が面内方向に移動する距離を短くすることが可能となり、抵抗ロスを軽減することが可能となるためである。また、取り出し電極6aから外部回路に取り出された電子が、取り出し電極6bを通じて触媒層5bへ移動する際も同様に、抵抗ロスを軽減することが可能となる。ここで、長さL、断面積Sの棒状物体の抵抗Rに関して、R=ρ・L/Sの式が成り立つ(ρ:抵抗率)。よって、取り出し電極6a,6bの面内方向の最小線幅w、面厚方向の厚みdとすると断面積S=w・dが大きいほど抵抗ロスを小さくすることができる。最小線幅wが小さいほど、電極直下の触媒層における燃料の回り込む拡散性を向上させることが可能となり、よって有効触媒面積が増加するため、高出力を安定して発電することが可能となる。よって、取り出し電極の形状としては、線幅wが狭く、厚みdの大きい高アスペクト比を有する形状が好ましい。
本発明における多孔質基体は、必ずしも必須の構成要件ではなく、取り出し電極、触媒層、電解質膜の順に積層して一体化して形成された膜電極複合体も本発明の範囲に包含される。ここで、「多孔質」とは、空孔率が5%以上(好ましくは30%以上)の基体を指す。多孔質基体の空孔率は、たとえば多孔質基体の容積と重量を測定し、多孔質基体の比重を求め、これと素材の比重より、下記式
空孔率(%)=(1−(多孔質基体の比重/素材比重))×100
により算出することができる。このような多孔質基体を用いると、特に液体燃料を用いる場合には、燃料極における多孔質基体7a,17aに毛細管力を持たせることにより、効率のよい燃料供給が可能となるという利点がある。
多孔質基体7a,7b,17a,17bとしては、たとえば発泡金属、カーボン成形体、セラミック成形体などの導電性を有するものや、繊維束や高分子成形体などの導電性を有しないものを用いることができる。また、流体透過を阻害しない導電層を表面に形成した非導電性多孔質基体を用いてもよい。多孔質基体7a,7b,17a,17bとして導電性を有するものを用いると、多孔質基体7a、17aに、取り出し電極6aの触媒層5a,15aからの電子の集電、および横方向への導電を補助する役目を付与でき、抵抗ロスを軽減させることが可能となるという利点がある。また、多孔質基体7b,17bにおいても、取り出し電極6bにおける触媒層5b,15bへの電子の供給および横方向への導電を補助する役目を付与でき、同様の効果を得ることが可能である。また、多孔質基体7a,7b,17a,17bとしては、少なくとも導電性粉末とバインダーを構成材料とする混練したペーストから作成することも可能である。
また本発明の膜電極複合体の多孔質基体は、その表面が撥水性を有するように実現されてもよい。多孔質基体の取り出し電極と接合する側の表面が撥水性を有すると、多孔質基体の細孔が液体により目詰まりを起こすことを回避することができるため、触媒層中において効率のよい気体の供給、排出を行わせることが可能となる。これにより、触媒層中の有効触媒面積が向上し特性を向上させることが可能となる。多孔質基体表面への撥水性の付与は、たとえば、PTFE(PolyTetraFluoroEthylene)を含む撥水層を多孔質基体表面に形成することで実現される。
次に、本発明の膜電極複合体を用いた燃料電池を、直接液体供給型燃料電池を例に挙げて説明する。図5は、1枚の電解質膜2上に多数枚のセルを配列し、各セルを直列に接続させた膜電極複合体71の平面図である。図6は、図5に示した例の膜電極複合体71を用いた直接液体供給型燃料電池70の模式的な断面図を示す。なお、図6における膜電極複合体71の部分は、図5の切断面線VI−VIからみた断面である。図5に示す例の膜電極複合体71によれば、電解質膜2上の全セルの燃料極が片面にあるので、燃料を全ての電極に同時に伝達することができ、燃料供給機構を小型化することが可能である。また図6に示す例の燃料電池70では、前記膜電極複合体71のアノード極側に燃料供給スペース72と排気孔73が設けられたカバー筐体74が設置され、液体燃料タンク75中の液体燃料が燃料スペース72へと供給される。カバー筐体74は、液体燃料が外部へ流出しないようにシール性を確保しつつ、膜電極複合体71の外周部と接合されている。
図6に示す例の燃料電池70において、燃料供給スペース72には、燃料の効率のよい拡散および供給のためにウィッキング材を設けることが好ましい。ウィッキング材としては、燃料に対する耐性、耐酸性を有する材料であることが必要であり、たとえば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリプロピレン、ポリフェニルサルファイドなどの不織布を用いることが可能である。燃料電池発電セルの燃料極と液体燃料の両者をウィッキング材に接する状態を保つことで、燃料電池の設置方向による燃料供給スペース内の液面に依存して起こるような触媒層面内で燃料に触れない面ができる状況を回避することが可能となる。排気口73は、発生した二酸化炭素を排出する機能を有し、液体の外部への漏れを防止するため、気液分離膜を用いることが好ましい。発生した二酸化炭素は燃料供給スペースもしくはウィッキング材の中を通って排気口73から排出される。
図7は、本発明の燃料電池を用いた電子機器76の一例を模式的に示す図である。また図8は、図7に示した例の電子機器76における燃料電池システム77の一例を示すブロック図である。本発明の電子機器76において、燃料電池システム77は、たとえば、燃料電池70、液体燃料タンク75、DC/DCコンバータ78、制御回路79、二次電池80、充電制御回路81から構成される。図中において、液体燃料タンク75は燃料電池システムの構成要素の一部に含まれているが、他の態様として、液体燃料タンクを含まない燃料電池システムの外部に別途取り付けることも可能である。また二次電池80の代わりにキャパシタを用いてもよい。
燃料電池70は、液体燃料タンク75から液体燃料を、大気中から空気(酸素)を取り込むことにより発電を行う。燃料電池70は、取り出し電圧をDC/DCコンバータ78により電子機器負荷の所望の電圧へ昇圧もしくは降圧を行い、電子機器負荷82へ電気的に直列に接続されている。ダイオード92,93により電流の逆流を防止しているため、二次電池80の電圧が燃料電池の発電時の電圧より高いときは二次電池側から多くの電流が流れるハイブリッド制御が構成されている。また、燃料電池システム77は、燃料電池の発電時の電圧を検出するための燃料電池電圧検出器94をさらに有していてもよい。燃料電池電圧検出器94による検出により、パルス的なピーク電流時など、燃料電池の検出電圧がある設定閾値を下回ったときは、スイッチ90をオフにスイッチ91をオンに切り替えることによって、二次電池もしくはキャパシタにより出力を補う制御が可能である。充電制御回路81は、二次電池の残存容量を検出しながら二次電池の充電を制御する。
本発明による膜電極複合体71は、所望の厚みを有した押え板やボルトによる締め付け構造を必要としないため、良好な出力を確保した燃料電池を薄く作成することが可能である。また、本発明の燃料電池において、カバー筐体は剛性を大きくする必要がないため、厚みを薄くすることが可能である。
本発明の膜電極複合体は、上述したような構造を備えるものであれば、その製造方法は特に制限されるものではないが、本発明の膜電極複合体の製造方法によって製造されたものであるのが好ましい。すなわち本発明は、(1)基体の一方の面に取り出し電極を固定し、電極基材を作成する工程(電極基材作成工程)と、(2)取り出し電極上に触媒層を形成する工程(触媒層形成工程)と、(3)触媒層が形成された電極基材を電解質膜に一体化する工程(一体化工程)とを有する、膜電極複合体の製造方法を提供する。このような本発明の膜電極複合体の製造方法によれば、取り出し電極と触媒層とが隣接し、かつ、外部からの押え圧なしに良好な電気的接触を確保した膜電極複合体を歩留まりよく提供することが可能となる。
本発明の膜電極複合体の製造方法において、基体は膜電極複合体を作成後、剥離させてもよいし、剥離させず一体化させたままにしておいてもよい。前者の場合はPTFE製のシートなど剥離しやすい基体を用い、後者の場合は燃料および空気を透過させることが可能な多孔質の基体を用いることが好ましい。
(1)電極基材作成工程として、たとえば基体に金属メッシュをプレス圧によって埋め込む方法を採用することができる。この方法は、常温での作業が可能であり煩雑な工程が不要であることから、電極基材を作成する工程のコストを低く抑えることが可能となる。
基体として多孔質基体を用いる場合、取り出し電極を固定する多孔質基体の同一表面上にたとえばPTFEを含む撥水層を予め形成させておくことができる。こうすることで、その表面に撥水性が付与された多孔質基体を実現でき、多孔質基体の液体による目詰まりを回避し、効率のよい気体の供給、排出を行う構造を有する膜電極複合体を提供することが可能となる。
また基体として多孔質基体を用いる場合、一方の面に燃料もしくは空気が透過する開孔性を確保した状態で導電層を形成した多孔質基体を用いることが好ましい。図9は、本発明の好ましい他の例の膜電極複合体31を模式的に示す図である。図9に示す例の膜電極複合体31は、多孔質基体37a,37bのそれぞれの取り出し電極6a,6bと接する側の表面に導電層39a,39bが形成されている構成以外は、図1に示した膜電極複合体1と同様であり、同様の構成を有する部分には同一の参照符を付して示している。このような多孔質基体を用い、同一面上に取り出し電極を固定することで、燃料極32においては、多孔質基体37a上の導電層39aが取り出し電極6aの触媒層35aからの電子の集電、および横方向への導電を補助する役目を果たし、抵抗ロスを軽減する構造を有する膜電極複合体31を提供することが可能となる。空気極33に関しても同様の効果を得ることが可能である。
また、前記(1)電極基材作成工程として、多孔質基体と取り出し電極の間に接着層を設け、これらを接着して電極基材を作成するようにしてもよい。接着層は、導電性、撥水性を有するものが好ましく、たとえば炭素粒子、PTFE、溶媒(たとえば水)からなる撥水処理カーボンブラック分散液を用いて形成することができる。多孔質基体と取り出し電極を一体化する際に、前記分散液を含浸させた電極基材を110〜120℃程度で塗膜を乾燥させ、電気炉にて360℃で30分間以上加熱を行うことにより、撥水性を付与させつつ多孔質基体と取り出し電極を接着することが可能となる。
また、前記(1)電極基材作成工程として、多孔質基体上にパターニングマスクを作成した後、CVD法、PVD法、ゾルゲル法、電気鍍金法などにより薄膜を生成し、マスクを剥離することにより電極パターンを形成する方法が挙げられる。マスク作成技術としては、たとえばフォトリソグラフィー法などが挙げられる。薄膜形成技術としては、たとえば常圧CVD法、プラズマCVD法、スパッタ法、真空蒸着法、表面重合法、ゾルゲル法、電気鍍金法などの手法が挙げられる。これらの方法を用いると、線幅約十μm以下という精細な電極パターンを形成することができる。よって、高開孔率かつ高アスペクト比の取り出し電極を形成することで、燃料の拡散性および集電性、導電性の高い膜電極複合体を提供することが可能となる。もしくは、別の方法としてインクジェット印刷法はマスクを用いる必要がないため、工程が簡略化し、高精細の電極パターンを形成することが可能であるため好適である。
前記(2)触媒層形成工程では、たとえば、触媒を担持した導電性粉末、電解質および溶媒を混合してなるスラリーを、電極基材の取り出し電極が固定された側に塗布した後、前記溶媒を除去する。触媒としてはたとえばPt、Ru、Au、Ag、Rh、Pd、Os、Irなどの貴金属や、Ni、V、Ti、Co、Mo、Fe、Cu、Znなどの卑金属が例示される。本発明においては、これらを、単独もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。また、導電性粉末としては、たとえばアセチレンブラックやケッチェンブラック、ファーネスブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレンなどの炭素粉末を用いることができる。前記電解質としては、たとえばナフィオン(デュポン社製)、フレミオン(旭硝子社製)などの高分子電解質溶液を用いることができ、溶媒としてはたとえばエチレングリコールジメチルエーテル、n−酢酸ブチル、イソプロパノールなど、その他低級アルコールを用いることができる。撥水性を付与するためにPTFEを添加したカーボン粉末や、粘度調整剤としてエチレングリコールを入れてもよい。スラリーの具体的組成は特に制限されるものではないが、貴金属触媒を担持した炭素粉末、高分子電解質溶液および希釈用溶媒を混合してなる場合には、たとえば、Pt/C、ナフィオン(登録商標)溶液、有機溶媒をある電極面積に対してそれぞれ、2mgPt/cm2、1.0mg/cm2、60mg/cm2の配分で混合して調整する場合が例示される。このスラリーを、前記(1)電極基材作成工程で作成した電極基材の取り出し電極が固定されている側の表面に、バーコータもしくはスクリーン印刷法などを用いて均一に塗布し、スラリー中の希釈用の溶媒を除去して触媒層を形成する。
前記(3)一体化工程において、触媒層の形成された電極基材を電解質膜に一体化する方法としては、ホットプレス法が挙げられる。ホットプレスに際しては、触媒層の形成された面と電解質膜が接するように両者を配置する。ホットプレス時の条件は、材質に応じて選択されるが、たとえば電解質膜や触媒層中の高分子電解質膜の軟化温度やガラス転移温度を超える温度とすることができる。具体的には、たとえば、高分子電解質膜としてナフィオン(登録商標)を用いる場合、ホットプレスの条件としては温度135℃、10kgf/cm2、時間5分(予熱2分、プレス3分)とすることができる。
以上の工程により、基体として多孔質基体を用いた場合には、図1に示した例の電解質膜2に触媒層5a,5b、取り出し電極6a,6b、多孔質基体7a,7bが順次積層され一体化して形成された膜電極複合体1を製造することが可能である。また基体として、PTFE製のシートを用いた場合、このPTFE製のシートを剥がすことによって、電解質膜に触媒層、取り出し電極が順次積層され一体化して形成された膜電極複合体を実現することができる。これらのように取り出し電極と触媒層が隣接して接着した構造を有するため、抵抗ロスを小さく抑えることが可能であり、出力特性の良好な燃料電池を提供することが可能となる。
また、前記(3)一体化工程において、電解質膜の代わりに、予め電解質膜に直接触媒電極が転写されているCCM(Catalyst Coated Membrane)を用いることが可能である。こうすることにより、強度安定性を持った触媒層を形成することが可能となる。CCMの作成方法としては、たとえばデカール法が挙げられる。上記と同様の方法で作成されたスラリーをキャリアシートであるPTFE製のシート上にバーコータなどを用いて均一に塗布し、乾燥して溶媒を除去した後に、電解質膜にホットプレス法で熱圧着し、キャリアシートを剥離することによってCCMを作成することができる。このCCM上に、前記(2)触媒層形成工程で作成した触媒層の形成された電極基材をホットプレスで一体化することにより、図3に示した電解質膜2に、第1の触媒層14a,14b、第2の触媒層15a,15b、取り出し電極6a,6b、多孔質基体7a,7bが順次積層された構造を備える膜電極複合体11を製造することができる。
ここで、前記CCMの触媒層より空隙率の大きな触媒層を前記電極基材に形成することで、上述した第1の触媒層14a,14bの空隙率が第2の触媒層15a,15bの空隙率よりも大きい膜電極複合体11を実現できる。こうすることにより、取り出し電極下部の触媒層の燃料拡散性を向上させ、有効に働く三相界面の総面積を増加させる構造を有する膜電極複合体を提供することが可能となる。空隙率の調整は、具体的には、前記(2)触媒層形成工程において、スラリーを塗布した後の乾燥を通常より急激に行うことにより内部にクラックを生じさせて空隙率を大きくする方法や、スラリー中に造孔材(たとえば、亜鉛粉末、炭酸カルシウム、市販の有機発泡剤、市販の無機発泡剤など)を混合し、乾燥後、酸、アルカリ、水などによりその造孔材を溶解させて取り除き空隙を作成する方法、触媒担持カーボンの粒子径、比表面積を変える方法などが挙げられる。このようにして第1の触媒層14a,14bの空隙率が第2の触媒層の空隙率15a,15bよりも大きい膜電極複合体11とすることで、取り出し電極6a,6b直下の燃料拡散性、生成物排出特性が向上し、燃料不足により機能しない三相界面の面積を軽減するため、高寿命、高出力の膜電極複合体を提供することが可能となる。通常、高空隙率の触媒層はもろくて崩れやすいが、本発明の形態においては取り出し電極が芯の役割を果たすため、強度を保ちつつ所定の厚みに作成することが可能となる。
また、前記(3)一体化工程においては、電極基材と電解質膜とを一体化する工程の前処理として、接着する触媒層面と電解質膜面のうち少なくともいずれか一方の面に凹凸を形成する工程をさらに含むのが、好ましい。このような前処理を施すことで、電極基材と電解質膜とを一体化する際にアンカー効果を発揮し、接着面間の密着性が向上する。表面に凹凸をつける方法として、たとえば、バーコータで表面に直接傷つける方法やブラスト処理などが挙げられる。
以下、本実施形態の膜電極複合体について実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
<実施例1>
燃料極および空気極の基体として、厚み0.6mmのセルロース系多孔質基体(シルバー社製)を用いた。0.06φ、150メッシュのNiメッシュ(ニラコ社製)に1μmの厚さで金鍍金を施したものを取り出し電極として用いた。多孔質基体と取り出し電極をプレス圧10kgf/cm2で10秒間プレスすることにより、取り出し電極が多孔質基体に埋め込まれた形で固定された電極基材を作成した。
46.5wt%白金(燃料極側では1:1の白金ルテニウム)担持カーボン触媒(田中貴金属工業社製)と20wt%ナフィオン溶液(アルドリッチ社製)、イソプロパノールを、Pt/C、ナフィオン溶液、有機溶媒が電極面積に対して、それぞれ、2mgPt/cm2、1.0mg/cm2、60mg/cm2の配分になるように量を調節してジルコニアビーズを用いた攪拌ミルにて500rpmで50分間混合し、スラリーを作成した。上記電極基材の取り出し電極が固定された側の表面に、このスラリーを面積5cm2となるようにスクリーン印刷法で塗布し、溶媒を室温にて乾燥させることにより触媒層を形成した。
この触媒層を作成した電極基材を、膜厚170μmのナフィオン膜(デュポン社製)の両面に温度135℃、圧力10kgf/cm2で5分間(予熱2分、プレス3分)ホットプレスすることにより膜電極複合体を作成した。
次に、この膜電極複合体の燃料極側の面が燃料に全面浸かるように燃料容器を設置し、空気極側は大気に開放させた。触媒層より一回り大きい面積の穴を一側面に設けた燃料容器を用い、その穴と膜電極複合体燃料電池側の触媒層の中心位置が一致するように膜電極複合体燃料極側の発電部外周と燃料容器とを接着し、液体燃料が漏れないようにシールすることによって燃料電池単セルを作成した。測定条件は室温34℃、湿度40%であり、燃料として3Mメタノール水溶液を用い、0.1A/cm2負荷条件で発電を行った。出力電圧は0.37Vであった。
<実施例2>
燃料極および空気極の多孔質基体として、厚さ0.26mmのカーボンペーパー(GDL21AA、SGLカーボン社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、膜電極複合体を作成した。実施例1と同様の条件で測定したところ、出力電圧は0.39Vであった。
また、電気化学アナライザー(PGSTAT30、オートラボ社製)を用いてセル全体の交流インピーダンス解析を行うことにより、電流密度25mA/cm2負荷条件下におけるコール・コールプロットを得た。高周波側の円弧の実軸切片がオーミック抵抗を示すことが一般的に知られており、オーミック抵抗は0.090Ωであった。オーミック抵抗は膜抵抗、電極抵抗、接触抵抗の直列回路で構成されているとすると、文献値から膜抵抗は0.045Ω、実測値から電極抵抗が0.025Ωであったことから、接触抵抗は0.020Ωであると考えられる。
一方、比較実験として、取り出し電極を用いなかったことと、燃料極、空気極の多孔質基体として厚さ0.26mmのカーボンぺーパーを用いた以外は実施例1と同様にして、膜電極複合体を作成した。これを、特性評価セル(FC05−01SP−REF、エレクトロケム社製)に挟み込むような形で組み込み、3Mメタノール水溶液を流量1.0ml/minでアノード流路に送り、300ml/minの流量で空気をカソード流路に送り、25mA/cm2負荷条件下における交流インピーダンス測定を行った。その結果、オーミック抵抗は0.070Ωであった。膜抵抗、電極抵抗の実測値はそれぞれ0.045Ω、0.005Ωであったため、接触抵抗は0.020Ωであった。
以上の結果より、本発明の膜電極複合体は、カーボン取り出し電極でMEAを挟み込み、外からボルト、ナットを用いて押し圧により固定したエレクトロケム社製の特性評価セルと同等の接触抵抗を実現していることが確認された。
<比較例1>
電極基材の取り出し電極が固定された面と逆側の面にスラリーを塗布して触媒層を形成し、その面と電解質膜をホットプレスにて一体化した以外は、実施例2と同様にして、膜電極複合体を作製した。実施例1と同様の条件で測定したところ、出力電圧は0.30Vであった。
実施例2と比較例1の比較からも、本発明の膜電極複合体の発電特性が優れていることが分かった。
<実施例3>
基体として0.3mmのPTFE製のシートを用い、出来上がった膜電極複合体からPTFE製のシートを剥離したこと以外は実施例1と同様にして、膜電極複合体を作製した。実施例1と同様の条件で測定したところ出力電圧は0.36Vであり、良好な結果が得られた。
<実施例4>
燃料極および空気極の基体の表面に、希釈用の溶媒である水50重量部に対して、炭素粉末としてバルカンXC−72(キャボット社製)10重量部、エポキシ樹脂5重量部を攪拌ビーズミルにて混合してなるスラリーをスクリーン印刷法で塗布し、60℃に設定された熱処理装置にて2時間、希釈用溶媒を乾燥することにより導電接着層を形成したセルロース系多孔質基体を用い、その導電接着層と同一表面上に0.06φ、150メッシュのNiメッシュ(ニラコ社製)に1μmの厚さで金鍍金を施した取り出し電極をプレス圧10kgf/cm2で10秒間プレスすることにより、固定した以外は実施例1と同様に行い、膜電極複合体を作製した。実施例1と同様の条件で測定したところ出力電圧は0.39Vであった。
<実施例5>
空気極側のカーボンペーパーの表面に0.06φ、150メッシュのNiメッシュ(ニラコ社製)に1μmの厚さで金鍍金を施した取り出し電極をプレス圧10kgf/cm2で10秒間プレスすることにより固定した後に、希釈用の溶媒である水100重量部に対して、炭素粒子としてバルカンXC−72(キャボット社製)10重量部、PTFE5重量部を攪拌ビーズミルにて混合してなるカーボンブラック分散液を取り出し電極と同一表面上に塗布し、120℃に設定された熱処理装置に1時間入れて塗膜を乾燥させ、電気炉にて360℃で30分間加熱することにより撥水性を付与させた電極基材を用いた以外は実施例2と同様に行い、膜電極複合体を作製した。実施例1と同様の条件で測定したところ出力電圧は0.40Vであり、良好な結果が得られた。
<実施例6>
触媒層形成工程において、スラリー塗布を行った直後の電極基材を、85℃に設定された熱処理装置に入れて、急速にカーボン層内の溶媒を除去させ第1の触媒層を形成した。また、電解質膜に換えて、第2の触媒層を有するCCMを用いた。なお、CCMは、上記スラリーをPTFE製のシート上にバーコータを用いて均一に塗布し、乾燥して溶媒を飛ばした後に、膜厚175μmのナフィオン膜(デュポン社製)の両面に温度135℃、圧力10kgf/cm2で4分間(予熱2分、プレス2分)ホットプレス法で熱圧着し、キャリアシートを剥離することによって作製した。このCCMの両面に、前記触媒層形成工程で作成した触媒層の形成された電極基材を温度135℃、圧力10kgf/cm2で5分間(予熱2分、プレス3分)ホットプレスすることにより膜電極複合体を形成した。なお、上述した以外の工程は、実施例5と同様にして行った。触媒層の空隙率を測定するため、この膜電極複合体の1つを包埋用エポキシ樹脂(応研商事社製)に含浸した後、室温にて12時間乾燥し、中央部を切断した。走査型電子顕微鏡(日本電子社製、JSM−5000)により加速電圧10kV、倍率4000倍にて観察し、第1の触媒層、第2の触媒層それぞれの断面SEM写真を得た。これらのSEM写真をスキャナにて取り込み、解析ソフト(Image−Pro PLUS、プラネトロン社製)によって2値化を行い、面積比率を計算する画像処理を行うことによって空隙率を計算したところ、第1の触媒層、第2の触媒層の空隙率は、それぞれ42%、35%であった。また実施例1と同様にして測定された出力電圧は、0.42Vであり、良好な結果が得られた。
<実施例7>
CCMと電極基材をホットプレスにて一体化する工程の前処理として、CCM上の第2の触媒層表面に型番3のバーコータ(RKプリントコートインスツルメント社製)を用いて上から下へ1回、左から右へ1回走査して格子状の傷をつけた以外は実施例6と同様にして、膜電極複合体を作製した。なお、ホットプレスを行う前に第2の触媒層表面を走査型共焦点レーザ顕微鏡で観察したところ、0.31mmの間隔で最高深さ1μm、最高線幅2μmの傷がついていることが確認された。実施例1と同様にして測定された出力電圧は0.42Vであり、良好な結果が得られた。また、1000時間連続通電後の出力電圧は0.41Vであった。実施例6との比較により、安定した出力を確保できていることが確認された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (19)

  1. 電解質膜に触媒層、取り出し電極が順次積層され一体化して形成されている膜電極複合体。
  2. 電解質膜に触媒層、取り出し電極、多孔質基体が順次積層され一体化して形成されている、請求項1に記載の膜電極複合体。
  3. 取り出し電極が開孔部を有し、当該開孔部に多孔質基体および触媒部から選ばれる少なくともいずれかが入り込んでいることを特徴とする、請求項2に記載の膜電極複合体。
  4. 多孔質基体が導電性を有する、請求項2に記載の膜電極複合体。
  5. 多孔質基体が撥水性の表面を有する、請求項2に記載の膜電極複合体。
  6. 取り出し電極が開孔部を有し、当該開孔部に触媒層が入り込んでいることを特徴とする、請求項1に記載の膜電極複合体。
  7. 取り出し電極が接着層を介して触媒層と一体化していることを特徴とする請求項1に記載の膜電極複合体。
  8. 触媒層が、電解質膜に遠い方から第1の触媒層、第2の触媒層の順で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の膜電極複合体。
  9. 第1の触媒層の空隙率が第2の触媒層の空隙率よりも高いことを特徴とする、請求項8に記載の膜電極複合体。
  10. 取り出し電極が、Ti、Au、Ag、Pt、Nb、Ni、Cu、Si、WおよびAlからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含むことを特徴とする、請求項1に記載の膜電極複合体。
  11. 取り出し電極が、表面に導電性耐腐食処理を施されている金属メッシュまたは打ち抜き加工金属板であることを特徴とする、請求項1に記載の膜電極複合体。
  12. 取り出し電極が、インクジェット印刷法、CVD法、蒸着法、鍍金法、ゾルゲル法、スパッタ法またはスクリーン印刷法により形成されたものである、請求項1に記載の膜電極複合体。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の膜電極複合体を平面方向に配列し電気的配線を施した燃料電池。
  14. 請求項13に記載の燃料電池を搭載したことを特徴とする電子機器。
  15. 基体の一方の面に取り出し電極を固定し、電極基材を作成する工程と、
    取り出し電極上に触媒層を形成する工程と、
    触媒層が形成された電極基材を電解質膜に一体化する工程とを有する、膜電極複合体の製造方法。
  16. 前記触媒層が形成された電極基材を電解質膜に一体化する工程が、触媒層が形成された電極基材を、触媒層が転写された電解質膜であるCCM(Catalyst Coated Membrane)に一体化する工程であることを特徴とする、請求項15に記載の膜電極複合体の製造方法。
  17. 基体として、取り出し電極と接合する側の面に撥水層を形成した多孔質基体を用いることを特徴とする、請求項15に記載の膜電極複合体の製造方法。
  18. 基体として、取り出し電極と接合する側の面に導電層を形成した多孔質基体を用いることを特徴とする、請求項15に記載の膜電極複合体の製造方法。
  19. 電極基材と電解質膜とを一体化する工程の前処理として、接着する触媒層面と電解質膜面のうち少なくともいずれか一方の面に凹凸を形成する工程を含むことを特徴とする、請求項15に記載の膜電極複合体の製造方法。
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