JPWO2006030788A1 - インターカレータ及びそれを用いた遺伝子検出方法 - Google Patents

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Abstract

乾燥状態における蛍光色素の蛍光消光を抑制することにより、操作を簡便にし、かつ高感度の検出を行うことが可能なインターカレータ及びそれを用いた遺伝子検出方法を提供する。インターカレータが、二本鎖DNAに結合する結合部と、有機EL色素から成り連結部を介して結合部と結合された少なくとも1つの発色部とを有する。発色部に有機EL色素を用いることにより、乾燥状態でも高感度の検出が可能となる。

Description

本発明は、二本鎖DNAの検出に用いるインターカレータ及びそれを用いた遺伝子検出方法に関する。
近年、ヒトゲノムの全容が明らかにされ、遺伝子治療、遺伝子診断などを目的としたポストゲノム研究が盛んに行われている。例えば、DNA解析は、それを用いて難治ガンなどの早期発見を行うこともできる。DNA解析手法として、サザンハイブリダイゼーション法等のハイブリダイゼーション法が用いられている。例えば、DNAマイクロアレイ基板上に固定されたプローブDNAと、蛍光色素等で標識されたサンプルDNAとをハイブリダイズさせて二本鎖を形成させ、サンプルDNAの検出を行っている。
しかしながら、上記のハイブリダイゼーション法では、検体から取り出したDNAを制限酵素でフラグメント化した後、電気泳動等によりサイズで分画し、次いでサンプルDNAを一本鎖に変成するという煩雑な操作が必要である。これに対し、一本鎖DNAを予め標識せず、インターカレータにより二本鎖DNAを直接標識する分析方法が提案されている(例えば、特許文献1)。この方法によれば、サンプルDNAを予め標識する必要が無く簡便であり、また二本鎖を形成する際の形成速度の低下がなく分析時間を短縮することができ、さらに変異の発生を防止することができる。
インターカレータには、そのもの自体が検出可能なシグナルを形成できる物質、あるいはその側鎖に標識物質を結合したものが用いられる。標識物質として、Fluorescein、Rhodamin、Cy5、Cy3、Texas Red、ルテニウム錯体等に代表される蛍光色素が用いられており、水溶液中もしくは湿潤状態では蛍光発光を確認できる。しかしながら、マイクロアレイ基板上の試料が乾燥することにより、インターカレータに結合している蛍光色素の蛍光が消光するという問題がある。特に、mlからμlといった微量試料の場合、試料が乾燥しやすいため、非常に大きな問題となる。また、蛍光色素によっては温度および光安定性が低く、測定に時間を要すれば、定量性に問題が生じる事も考えられる。
特開2002−125700号公報
本発明は、上記の課題を解決し、乾燥状態における蛍光色素の蛍光消光を抑制することにより、操作を簡便し、かつ高感度の検出を行うことが可能なインターカレータ及びそれを用いた遺伝子検出方法を提供することを目的とした。
上記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討の結果、標識物質に有機EL色素を用いたインターカレータが、乾燥状態でも消光せず、高輝度に発光することを見出して本発明を完成させたものである。すなわち、本発明のインターカレータは、二本鎖DNAの検出に用いるインターカレータであって、二本鎖DNAに結合する結合部と、有機EL色素から成り連結部を介して結合部と結合された少なくとも1つの発色部とを有することを特徴とする。
従来のインターカレータは、二本鎖DNAと結合しない場合には結合部と発色部が分子内スタッキングを起こして消光し、二本鎖DNAと結合すると分子内スタッキングが解消されて蛍光を発する。しかし、試料が乾燥すると、蛍光は消光する。これは、乾燥に伴い発色部が分子間スタッキングするためと考えられる。一方、本発明のインターカレータは、発色部に有機EL色素を用いているので、試料が乾燥しても消光することがないので、乾燥状態でも高感度の検出が可能となる。また、蛍光色素によっては温度安定性が低く冷凍保存する必要があるが、有機EL色素は熱に対して安定であり、常温での長期保存に耐えることができるので、取り扱いが容易である。
また、上記有機EL色素には、共役系を有する5員環化合物を含む化合物であって、その5員環化合物は1種以上のヘテロ原子、セレン原子又はボロン原子を含むものを用いることができる。あるいは、その5員環化合物と共役系を有する6員環化合物とから成る縮合多環化合物を用いることもできる。さらに、その5員環化合物には、アゾール誘導体又はイミダゾール誘導体を用いることができる。
また、結合部には、単環又は多環芳香族基を用いることができる。例えば、アントラセン基、フェナントレン基、ピレン基、フルオレン基、ビフェニレン基、ナフタレンジイミド基、ナフタレンイミド基、アクリジン基、フェニルジイミド基、ベンゾチアゾール基、ベンゾイミダゾール基、キノリン基、フェナントリジン基そしてインドール基から成る群から選択されたいずれか1種を用いることができる。
また、インターカレータに、結合部の両側に連結部を介して結合された発色部を有する縫い込み型インターカレータを用いることができる。
また、本発明の遺伝子検出方法は、二本鎖DNAにインターカレータを挿入し、該インターカレータにより標識した二本鎖DNAを検出する遺伝子検出方法において、二本鎖DNAに結合する結合部と、連結部と、有機EL色素から成り該連結部を介して結合部と結合された発色部とを有するインターカレータを用いることを特徴とする。
本発明によれば、インターカレータの発色部に有機EL色素を用いることにより、以下のような効果が得られる。
すなわち、有機EL色素は固体状態(固体及び半固体を含む)で高い量子収率を有しており高い蛍光強度を有している。したがって、試料が乾燥状態でも蛍光を発することができるので、二本鎖DNAの検出を簡便に行うことができる。また、Cy3やCy5、Alexa色素よりも熱安定性が高く、退光性も観測されない。さらに、有機EL色素はCy3やCy5に比べ安価であるので、より低コストで生体高分子の検出を行うことができる。また、蛍光波長の選択の自由度が増加し、オレンジ、イエロー、グリーン、ブルーなど多くの蛍光波長を用いることができる。これにより、ストークスシフトの大きい(励起波長と蛍光波長の差が大きい)2種以上の蛍光色素を用いることが可能となるので、一つの試料中に含まれる複数の標的核酸を同時に検出することも可能となる。また、Cy3やCy5は冷凍保存する必要があるのに対し、有機EL色素は化学的に安定であり、常温での長期保存に耐えることができるので、取り扱いが容易である。
標識されたペプチドの精製前(a)及び精製後(b)のHPLCスペクトルである。 標識されたペプチドのTOF MSスペクトルの一例である。 本発明の実施例1における、標識された二本鎖DNAの発光パターンの一例であり、(a) はアントラセン系インターカレータ10b中にct DNAを添加したサンプル、(b)及び(c)はフルオレセイン系インターカレータ中にct DNAを添加したサンプル、そして(d)及び(e)は10bのみをスポットした場合の結果を示す。 本発明の実施例1における、標識された二本鎖DNAの発光パターンの一例であり、アントラセン系インターカレータ10a中にct DNAを添加したサンプルの結果を示す。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明のインターカレータは、二本鎖DNAと結合する結合部と、有機EL色素から成り連結部を介して結合部と結合する少なくとも1つの発色部とからなるが、以下の一般式(1)〜(3)で表されるものが含まれる。
(1) (D1−L1)−I
(2) (D1−L1)−I−L2
(3) (D1−L1)−I−(L2−D2
ここで、D1と D2 は発色部、L1 とL2 は連結部、そしてIは結合部を表す。また(3)は、結合部の両側に連結部を介して発色部が結合した、いわゆる縫い込み型のインターカレータを表す。一般に、インターカレータと二本鎖DNAと結合反応は、インターカレータの挿入と脱離に規定される平衡関係にある。したがって、インターカレータが脱離しやすいと、蛍光強度は低下する。しかし、縫い込み型インターカレータは、一方の発色部が二本鎖DNAの塩基対間を通り抜け、他方の発色部が二本鎖DNAからの脱離を抑制するストッパーとしての役割を果たすため、高い蛍光強度が期待できる。また、分子内に2つの発色部を有しているので、1つの発色部の場合に比べ2倍の蛍光強度を期待できるという利点も有する。
結合部(インターカレート基)は、二本鎖DNAの塩基対と塩基対との間に介入することにより、二本鎖DNAと結合するものであり、ヘテロ原子を含んでもよい単環又は多環芳香族基を用いることができる。好ましくは多環芳香族基、さらに好ましくは平面性の大きい縮合芳香族基を用いることができる。具体例を挙げれば、アントラセン基、フェナントレン基、ピレン基、フルオレン基、ビフェニレン基、ナフタレンジイミド基、ナフタレンイミド基、アクリジン基、フェニルジイミド基、ベンゾチアゾール基、ベンゾイミダゾール基、キノリン基、フェナントリジン基そしてインドール基から成る群から選択されたいずれか1種、さらに好ましくはアントラセン基、アクリジン基又はナフタレンジイミド基を用いることができる。なお、ナフタレンジイミド基には、1,8,4,5-ナフタレンジイミドと2,3,6,7-ナフタレンジイミドが含まれる。
また、結合部に、リジン、アルギニン、ヒスチジン及びオルニチンからなる群から選択された1種のアミノ酸から構成されるペプチド化合物を用いることもできる。さらに、アクリジンをペプチド化合物に導入することもできる。
なお、インターカレータでない従来の蛍光試薬、例えば、以下の蛍光色素を本発明の結合部に用いることができる。これら従来の蛍光色素は、検体が乾燥状態では消光するので、この従来の蛍光色素を結合部として含むインターカレータは、発色基からの発光のみを観測することができる。従来の蛍光色素としては、例えば、9-chloromethylacridine、9-amino-6-chloro-2-methoxyacridine(ACMA)、4',6-diamidino-2-phenylindole、dihydrochloride(DAPI)、propidium iodide、TOTO(R)-1-iodide(514/533)、TO-PRO(R)-1-iodide(515/531)、acridine homodimer、acridine orange、Hoechst 33258等を挙げることができる。
[化1]
Figure 2006030788

[化2]
Figure 2006030788
[化3]
Figure 2006030788
[化4]
Figure 2006030788
[化5]
Figure 2006030788
[化6]
Figure 2006030788
[化7]
Figure 2006030788
[化8]
Figure 2006030788
連結基には、一般式A-R-A (2)で表される化合物を用いることができる。ここで、Aは上記インターカレート基と結合する第1結合基、Aは上記発色基と結合する第2結合基、そしてRは第1結合基と第2結合基を連結するスペーサ基である。
具体例として、スペーサ基にはアルキレン基又は主鎖にヘテロ原子を含むアルキレン基を用いることが好ましい。アルキレン基には、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基を用いることが好ましい。また、主鎖にヘテロ原子を含むアルキレン基としては、エチレンオキサイド基を用い、繰り返し数を1から5とすることが好ましい。
また、第1結合基にはヘテロ原子、好ましくは酸素原子、窒素原子を用いることができる。また、第2結合基には置換又は未置換のアルキル基、エーテル基、チオエーテル基、置換又は未置換のイミノ基、アミド基、そしてエステル基からなる群から選択されたいずれか1種を用いることが好ましい。
なお、従来の蛍光色素を本発明のインターカレータの結合部に用いる場合、従来の蛍光色素と発色基の活性エステル体とを縮合させることによりインターカレータを合成することができる。[化9]に示すように、従来の蛍光色素として、9-chloromethylacridineを用いる場合、アミノアルコールをアルコラートへ誘導した後、9-chloromethylacridineと反応させて、そのアミノ基含有誘導体を合成し、次いで、例えばオキサジアゾール活性エステルと反応させることにより、9-chloromethylacridineを結合部とするインターカレータを得る。[化10]に示すように、ACMA誘導体とオキサジアゾール活性エステルとを反応させることにより、ACMA誘導体を結合部とするインターカレータを得ることができる。
[化9]
Figure 2006030788
スキーム1.
[化10]
Figure 2006030788
スキーム2.
ここで、連結基の役割について説明する。
連結基は、第1結合基と第2結合基とにより、発色基とインターカレート基との連結を確保する。さらに、スペーサ基の存在は、発色基とインターカレート基との物理的距離を確保して、発色基とインターカレート基の分子骨格の選択の自由度を確保する一方、発色基とインターカレート基とのスタッキングを抑制して発色基の発光波長の変化あるいは発光強度の低下を防止する。また、第1結合基に窒素原子などのヘテロ原子を用いると、分子全体をより剛直な構造とすることができるので、スタッキングをさらに抑制することができる。また、酸素原子などを導入することで柔軟な分子構造となり、スタッキング強度をコントロールすることが可能である。
また、本発明においては、結合部が連結部を兼ねることができ、その例としてはペプチド化合物を挙げることができる。ここで、ペプチド化合物を構成するアミノ酸は、リジン、アルギニン、ヒスチジン、オルニチン、より好ましくはリジンであり、より強く二本鎖DNAに結合することができる。ペプチド化合物は、さらにアクリジンを含むことが好ましい。より強く二本鎖DNAに結合することができるからである。なお、以下、ペプチド化合物を含むインターカレータをペプチドインターカレータという。
本発明に用いる有機EL色素は、一対の陽極と陰極との間に固体状態で挟持され、陽極から注入された正孔と陰極から注入された電子とが再結合する際のエネルギーにより発光可能な色素であれば特に限定されない。例えば、テトラフェニルブタジエンやペリレン等の多環芳香族化合物、シクロペンタジエン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、アクリドン誘導体、キナクドリン誘導体、スチルベン誘導体、フェノチアジン誘導体、ピラジノピリジン誘導体、アゾール誘導体、イミダゾール誘導体、カルバゾール誘導体そしてテトラフェニルチオフェン誘導体等を用いることができる。
本発明の検出方法に用いる好ましい有機EL色素は、共役系を有する5員環化合物を含む化合物であって、その5員環化合物が1種以上のヘテロ原子、セレン原子又はボロン原子を含むものを挙げることができる。さらに、詳しくは共役系を有する5員環化合物から成る単環化合物と、その5員環化合物と共役系を有する6員環化合物から成る縮合多環化合物を挙げることができる。固体状態であっても、量子収率が大きく、強い蛍光を示すからである。
以下に、縮合多環化合物の具体例について説明する。
(ジアゾール誘導体1)
[化11]
Figure 2006030788
ここで、式中、R1、R2、R3、R4、R7は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホニル基、芳香族炭化水素基、複素環基などの置換基を有しても良い芳香族炭化水素基又は炭化水素基又は複素環基を示し、R1、R2、R3、R4、R7は同じでも異なっていても良い。上記のアルキル基は、好ましくは炭素数1から6の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。また、上記のアルケニル基は、好ましくはビニル基、アリル基、クロチル基、チグリル基又はプレニル基である。また、上記のアルキニル基は、好ましくはエチニル基又はプロパルギル基である。また、上記のアルコキシ基は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基又はフェノキシ基である。また、上記の芳香族炭化水素基は単環又は多環を含み、好ましくはフェニル基、トリル基、キシリル基又はナフチル基であり、より好ましくはフェニル基である。また、上記の複素環基は、好ましくはピロール基、フラン基、チオフェン基、イミダゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、ピラゾール基、ピリジン基又はキノリン基であり、より好ましくはフラン基、イミダゾール基又はチオフェン基である。また、上記の炭化水素基は、好ましくは炭素数1から6の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。また、R5、R'は芳香環を含んでも良いアルキル基又はアルケニル基等の脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基を示し、アルキル基、アルケニル基芳香族炭化水素基には、上記と同様のものを用いることができる。また、An-は、Cl-、Br-、I-等のハロゲン化物イオン、CF3SO3 -、BF4 -、PF6 -を示す。
なお、以下のジアゾール誘導体、モノアゾール誘導体及びトリアゾール誘導体の一般式においても、特に断らない限り同様である。
(ジアゾール誘導体2)
[化12]
Figure 2006030788
ここで、式中、R8、R9は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホニル基、芳香族炭化水素基、複素環基などの置換基を有しても良い芳香族炭化水素基又は炭化水素基又は複素環基を示し、R8、R9は同じでも異なっていてもよい。上記のアルキル基は、好ましくは炭素数1から6の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。また、上記のアルケニル基は、好ましくはビニル基、アリル基、クロチル基、チグリル基又はプレニル基である。また、上記のアルキニル基は、好ましくはエチニル基又はプロパルギル基である。また、上記のアルコキシ基は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基又はフェノキシ基である。また、上記の芳香族炭化水素基は単環又は多環を含み、好ましくはフェニル基、トリル基、キシリル基又はナフチル基であり、より好ましくはフェニル基である。また、上記の複素環基は、好ましくはピロール基、フラン基、チオフェン基、イミダゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、ピラゾール基、ピリジン基又はキノリン基であり、より好ましくはフラン基、イミダゾール基又はチオフェン基である。また、上記の炭化水素基は、好ましくは炭素数1から6の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。また、nは1以上の整数、好ましくは1〜5である。
なお、以下のジアゾール誘導体、モノアゾール誘導体及びトリアゾール誘導体の一般式においても、特に断らない限り同様である。
(ジアゾール誘導体3)
[化13]
Figure 2006030788
ここで、Xは、置換基を有してもよい窒素原子又は硫黄原子又は酸素原子又はセレン原子又はボロン原子を示す。
なお、以下のジアゾール誘導体、モノアゾール誘導体及びトリアゾール誘導体の一般式においても、特に断らない限り同様である。
(ジアゾール誘導体4)
[化14]
Figure 2006030788
(ジアゾール誘導体5)
[化15]
Figure 2006030788
ここで、N→Oは、窒素原子が酸素原子に配位結合している状態を示す。
(ジアゾール誘導体6)
[化16]
Figure 2006030788
(ジアゾール誘導体7)
[化17]
Figure 2006030788
(ジアゾール誘導体8)
[化18−1]
Figure 2006030788
ここで、式中、R10、R11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホニル基、芳香族炭化水素基、複素環基などの置換基を有しても良い芳香族炭化水素基又は炭化水素基又は複素環基を示し、R10、R11は同じでも異なっていてもよい。上記のアルキル基は、好ましくは炭素数1から6の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。また、上記のアルケニル基は、好ましくはビニル基、アリル基、クロチル基、チグリル基又はプレニル基である。また、上記のアルキニル基は、好ましくはエチニル基又はプロパルギル基である。また、上記のアルコキシ基は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基又はフェノキシ基である。また、上記の芳香族炭化水素基は単環又は多環を含み、好ましくはフェニル基、トリル基、キシリル基又はナフチル基であり、より好ましくはフェニル基である。また、上記の複素環基は、好ましくはピロール基、フラン基、チオフェン基、イミダゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、ピラゾール基、ピリジン基又はキノリン基であり、より好ましくはフラン基、イミダゾール基又はチオフェン基である。また、上記の炭化水素基は、好ましくは炭素数1から6の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。
なお、以下のジアゾール誘導体、モノアゾール誘導体及びトリアゾール誘導体の一般式においても、特に断らない限り同様である。
[化18−2]
Figure 2006030788
ここで、R12は、置換基を有してもよいオレフィン基又はパラフィン基であり、nは1から3の整数、好ましくは1である。なお、以下のジアゾール誘導体の一般式においても、特に断らない限り同様である。
(ジアゾール誘導体9)
[化19−1]
Figure 2006030788
[化19−2]
Figure 2006030788
(モノアゾール誘導体1)
[化20]

Figure 2006030788
(モノアゾール誘導体2)
[化21]
Figure 2006030788
(トリアゾール誘導体1)
[化22]
Figure 2006030788
(トリアゾール誘導体2)
[化23]
Figure 2006030788
5員環化合物として、チオフェン基を含む以下の誘導体を用いることもできる。
(チオフェン誘導体1)
[化24]
Figure 2006030788
ここで、式中、R1、R2、R3、R4、R6、R7は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホニル基、芳香族炭化水素基、複素環基などの置換基を有しても良い芳香族炭化水素基又は炭化水素基又は複素環基を示し、R1、R2、R3、R4、R6、R7は同じでも異なっていても良い。上記のアルキル基は、好ましくは炭素数1から6の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。また、上記のアルケニル基は、好ましくはビニル基、アリル基、クロチル基、チグリル基又はプレニル基である。また、上記のアルキニル基は、好ましくはエチニル基又はプロパルギル基である。また、上記のアルコキシ基は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基又はフェノキシ基である。また、上記の芳香族炭化水素基は単環又は多環を含み、好ましくはフェニル基、トリル基、キシリル基又はナフチル基であり、より好ましくはフェニル基である。また、上記の複素環基は、好ましくはピロール基、フラン基、チオフェン基、イミダゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、ピラゾール基、ピリジン基又はキノリン基であり、より好ましくはフラン基、イミダゾール基又はチオフェン基である。また、上記の炭化水素基は、好ましくは炭素数1から6の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。
また、R'は芳香環を含んでも良いアルキル基又はアルケニル基等の脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基を示し、アルキル基、アルケニル基芳香族炭化水素基には、上記と同様のものを用いることができる。また、An-は、Cl-、Br-、I-等のハロゲン化物イオン、CF3SO3 -、BF4 -、PF6 -を示す。
なお、以下のチオフェン誘導体の一般式においても、特に断らない限り同様である。
(チオフェン誘導体2)
[化25]
Figure 2006030788
ここで、式中、R8、R9は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホニル基、芳香族炭化水素基、複素環基などの置換基を有しても良い芳香族炭化水素基又は炭化水素基又は複素環基を示し、R8、R9は同じでも異なっていても良い。上記のアルキル基は、好ましくは炭素数1から6の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。また、上記のアルケニル基は、好ましくはビニル基、アリル基、クロチル基、チグリル基又はプレニル基である。また、上記のアルキニル基は、好ましくはエチニル基又はプロパルギル基である。また、上記のアルコキシ基は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基又はフェノキシ基である。また、上記の芳香族炭化水素基は単環又は多環を含み、好ましくはフェニル基、トリル基、キシリル基又はナフチル基であり、より好ましくはフェニル基である。また、上記の複素環基は、好ましくはピロール基、フラン基、チオフェン基、イミダゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、ピラゾール基、ピリジン基又はキノリン基であり、より好ましくはフラン基、イミダゾール基又はチオフェン基である。また、上記の炭化水素基は、好ましくは炭素数1から6の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。
なお、以下のチオフェン誘導体の一般式においても、特に断らない限り同様である。
(チオフェン誘導体3)
また、チオフェン誘導体の場合、非縮合系の化合物であり、以下の一般式で示される2,3,4,5-テトラフェニルチオフェン誘導体を用いることもできる。
[化26]
Figure 2006030788
ここで、式中、R13,R14,R15はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、置換または未置換のアリール基、あるいは置換または未置換のアラルキル基を表し、Ar1およびAr2は置換または未置換のアリール基を表し、さらに、Ar1とAr2は結合している窒素原子と共に含窒素複素環を形成してもよい。また、Y1およびY2は水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、置換または未置換のアリール基、置換または未置換のアラルキル基、あるいは置換または未置換のアミノ基を表す。
(チオフェン誘導体4)
また、以下の一般式で示される2,3,4,5-テトラフェニルチオフェン誘導体を用いることもできる。
[化27]
Figure 2006030788
ここで、式中、Ar1〜Ar6はそれぞれ独立に、置換または未置換のアリール基を表し、さらに、Ar1とAr2、Ar3とAr4およびAr5とAr6は結合している窒素原子と共に含窒素複素環を形成していても良い。
また、5員環化合物にイミダゾールを用い、以下の一般式で示すイミダゾール誘導体を用いることもできる。ここで、イミダゾール誘導体を構成するイミダゾール基は4級アミノ基を有することが好ましい。水溶性を向上させることができるからである。さらに、ピリジノ基を含む場合、より水溶性を向上させるために、ピリジノ基も4級アミノ基を有していても良い。
(イミダゾール誘導体1)
[化28]
Figure 2006030788
(イミダゾール誘導体1)
[化29]
Figure 2006030788
ここで、式中、R1、R2、R3、R4、R5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホニル基、芳香族炭化水素基、複素環基などの置換基を有しても良い芳香族炭化水素基又は炭化水素基又は複素環基を示し、R1、R2、R3、R4、R5は同じでも異なっていても良い。上記のアルキル基は、好ましくは炭素数1から6の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。また、上記のアルケニル基は、好ましくはビニル基、アリル基、クロチル基、チグリル基又はプレニル基である。また、上記のアルキニル基は、好ましくはエチニル基又はプロパルギル基である。また、上記のアルコキシ基は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基又はフェノキシ基である。また、上記の芳香族炭化水素基は単環又は多環を含み、好ましくはフェニル基、トリル基、キシリル基又はナフチル基であり、より好ましくはフェニル基である。また、上記の複素環基は、好ましくはピロール基、フラン基、チオフェン基、イミダゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、ピラゾール基、ピリジン基又はキノリン基であり、より好ましくはフラン基、イミダゾール基又はチオフェン基である。また、上記の炭化水素基は、好ましくは炭素数1から6の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。また、R'、R'は芳香環を含んでも良いアルキル基又はアルケニル基等の脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基を示し、アルキル基、アルケニル基芳香族炭化水素基には、上記と同様のものを用いることができる。また、An-は、Cl-、Br-、I-等のハロゲン化物イオン、CF3SO3 -、BF4 -、PF6 -を示す。
なお、以下のイミダゾール誘導体の一般式においても、特に断らない限り同様である。
(イミダゾール誘導体2)
[化30]
Figure 2006030788
(イミダゾール誘導体3)
[化31−1]
Figure 2006030788
[化31−2]
Figure 2006030788
ここで、式中、R6、R7、R8、R9、R10、R11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホニル基、芳香族炭化水素基、複素環基などの置換基を有しても良い芳香族炭化水素基又は炭化水素基又は複素環基を示し、R6、R7、R8、R9、R10、R11は同じでも異なっていても良い。上記のアルキル基は、好ましくは炭素数1から6の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。また、上記のアルケニル基は、好ましくはビニル基、アリル基、クロチル基、チグリル基又はプレニル基である。また、上記のアルキニル基は、好ましくはエチニル基又はプロパルギル基である。また、上記のアルコキシ基は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基又はフェノキシ基である。また、上記の芳香族炭化水素基は単環又は多環を含み、好ましくはフェニル基、トリル基、キシリル基又はナフチル基であり、より好ましくはフェニル基である。また、上記の複素環基は、好ましくはピロール基、フラン基、チオフェン基、イミダゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、ピラゾール基、ピリジン基又はキノリン基であり、より好ましくはフラン基、イミダゾール基又はチオフェン基である。また、上記の炭化水素基は、好ましくは炭素数1から6の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。
また、イミダゾール骨格は中央のベンゼン環R8, R9, R10, R11 の任意の位置に複数ユニットが結合していても良い。また、R12は、置換基を有してもよいオレフィン基又はパラフィン基であり、nは1から3の整数、好ましくは1である。
(カルバゾール誘導体)
また、以下の一般式で示されるカルバゾール誘導体を用いることもできる。
[化32]
Figure 2006030788
また、共役系を有する5員環化合物であって、1種以上のヘテロ原子、セレン原子又はボロン原子を含む単環化合物を用いることもできる。特に限定されないが、例えば、以下の一般式で表されるイミダゾール誘導体を用いることができる。
[化33]
Figure 2006030788
ここで、式中、R1、 R4、 R5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホニル基、芳香族炭化水素基、複素環基などの置換基を有しても良い芳香族炭化水素基又は炭化水素基又は複素環基を示し、R1、R4、Rは同じでも異なっていてもよい。上記のアルキル基は、好ましくは炭素数1から6の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。また、上記のアルケニル基は、好ましくはビニル基、アリル基、クロチル基、チグリル基又はプレニル基である。また、上記のアルキニル基は、好ましくはエチニル基又はプロパルギル基である。また、上記のアルコキシ基は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基又はフェノキシ基である。また、上記の芳香族炭化水素基は単環又は多環を含み、好ましくはビフェニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基又はナフチル基であり、より好ましくはビフェニル基、フェニル基である。また、上記の複素環基は、好ましくはピロール基、フラン基、チオフェン基、イミダゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、ピラゾール基、ピリジン基又はキノリン基であり、より好ましくはフラン基、イミダゾール基又はチオフェン基である。また、上記の炭化水素基は、好ましくは炭素数1から6の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。
本発明のインターカレータに用いる有機EL色素は、以上、説明した縮合多環化合物及び単環化合物であれば特に限定されないが、以下の一般式で表されるジアゾール誘導体又はイミダゾール誘導体を好適に用いることができる。
[化34]

Figure 2006030788
[化35]

Figure 2006030788

Figure 2006030788
さらに好ましくは、ジアゾロピリジン誘導体又はイミダゾロピリジン誘導体である。ここで、ジアゾロピリジン誘導体の中では、以下の一般式で表されるオキサジアゾロピリジン誘導体を好適に用いることができる。
[化36]
Figure 2006030788
オキサジアゾロピリジン誘導体は、そのカルボン酸誘導体を合成後、例えば、以下のスキーム3に示す反応により、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を縮合剤として用い、N−ヒドロキシ−スクシンイミドエステルを含む活性エステル体へ誘導したものを用いることができる。
[化37]
Figure 2006030788
スキーム3.
ここで、インターカレータの好ましい例を挙げると、結合部にアントラセン基、ナフタレンジイミド基、アクリジン基のいずれか1種を用い、発色部にアゾール誘導体又はイミダゾール誘導体、より好ましくはアゾール誘導体、さらに好ましくは[化15]で示されるオキサジアゾロピリジン誘導体又はベンゾチアジアゾール誘導体を用いたインターカレータである。
また、インターカレータの水溶性を向上させるために、スルホニル基や4級アミノ基等の荷電基を発色部に導入することができる。荷電基は、例えば、以下の方法により導入することができる。
アントラセン基又はナフタレンジイミド基の連結部に1級、2級及び3級アミノ基を有する化合物を塩基性下にて処理することにより荷電を持たないインターカレータを合成することができる。一方、荷電基を導入するには、酸性下にて処理を行うことで4級アミノ基を形成することにより、荷電を有するインターカレータを合成することができる。あるいは、アントラセン基又はナフタレンジイミド基の連結部末端に1級もしくは2級アミノ基を導入し、分子内に2カ所のアミノ基を存在させる。その内の一カ所のアミノ基と活性エステル体を反応させることで片末端に一つのアミノ基を持たせたインターカレータを合成する。塩基性下にて処理することにより荷電を持たないインターカレータを合成することができる。又は酸性下にて処理を行うことで4級アミノ基を形成し、荷電を有するインターカレータを合成することができる。
本発明の検出方法は、標識された固体あるいは半固体状態の生体分子の蛍光を測定する検出方法であれば、あらゆる検出方法に適用することができる。例えば、DNAマイクロアレイを用いる遺伝子解析に用いる場合、以下の手順で行うことができる。
基板に固定するプローブ核酸には、遺伝子の発現を調べる場合、cDNA等をcDNAのライブラリー、ゲノムのライブラリー又は全ゲノムをテンプレートとしてPCR法により増幅して調製したものを用いることができる。また、遺伝子の変異等を調べる場合、標準となる既知の配列をもとにして、変異等に対応する種々のオリゴヌクレオチドを合成したものを用いることができる。
プローブ核酸の基板上への固定は、核酸の種類や基板の種類に応じて適当な方法を選択することができる。例えば、DNAの荷電を利用し、ポリリシン等の陽イオンで表面処理した基板に静電結合させる方法を用いることもできる。
先ず、標的核酸を基板上にスポットし、基板上でハイブリダイゼーションを行う。ハイブリダイゼーションは、室温〜70℃、そして2〜48時間の範囲で行うことが好ましい。ハイブリダイゼーションにより、プローブ核酸と相補的な塩基配列を有する標的核酸が選択的にプローブ核酸と結合し二本鎖を形成する。次に、任意の濃度に調製したインターカレータをこの基板上に流し込む。その後、基板を洗浄し余分なインターカレータを除き室温で乾燥する。
次いで、乾燥した基板の表面の蛍光強度を蛍光レーザスキャナ法により測定する。蛍光強度により、遺伝子発現のレベルをモニタリングすることができる。
以下、実施例を用いてさらに詳細に本発明について説明する。
合成例1.
ナフタレンジイミド系インターカレータの合成例を示す。エチレングリコールジアミン1をジオキサン中、片方のアミノ基のBoc化し、2を得た。次に、片末端がBoc化された2とナフタレン二無水物3との縮合反応を行い、目的とする4を収率64%で得た。その後、TFA中、Boc基の脱離を行い、ナフタレンジイミド誘導体5を収率82%で得た(スキーム4)。
[化38]
Figure 2006030788

スキーム4.
次にナフタレンジイミド誘導体5とオキサジアゾール活性エステル体6との縮合反応を行い、一置換のインターカレータ7a及び二置換のインターカレータ7bを得た (スキーム5)。
[化39]

Figure 2006030788
スキーム5.
合成例2.
アントラセン系インターカレータの合成例を示す。アントラセン誘導体9は、低温下、NaHを用いて対応するアミノアルコールをアルコラートへと誘導し、そこへ9,10-ビスクロロアントラセン(8)を投入することにより合成した。反応で生成したNaClを濾別した後、DMFを減圧下留去し残渣をクロロホルムに溶解した。そこへ水を添加し、TFA酸性条件下で目的化合物の抽出を行った。その後、水を濃縮し有機溶媒を用いた再沈法により目的化合物を得た。次に、アントラセン誘導体9とオキサジアゾール活性エステル6との縮合反応により連結の片末端及び両末端を置換したインターカレータ10a及び10bを合成した (スキーム6)。
[化40]

Figure 2006030788
スキーム6.
合成例3.
比較のため、従来の蛍光色素フルオレセインを有するインターカレータも合成した。具体的には、合成例2で合成したアントラセン誘導体9の一端を(チオウレア結合)によりフルオレセインで置換して合成した。
合成例4.
ペプチドインターカレータの合成例を示す。
1.Ac-Lys(EL)-Lys-Lys-Lys(Acr)-Lys-Lys-Lys(Acr)-Lys-Lys-NH2の合成
(1)Ac-Lys(Mtt)-(Lys(Boc))2-Lys(Acr)-(Lys(Boc))2-Lys(Acr)-(Lys(Boc))2-Resinの合成
(実験操作)
リアクションベッセルにFmoc-NH-SAL Resin 0.15g(0.61mmol/g)を入れ、カートリッジ3, 6にFmoc-Lys(Acr)-OHを0.26gずつ、カートリッジ1,2,4,5,7,8にFmoc-Lys(Boc)-OHを0.18gずつ、カートリッジ9にFmoc-Lys(Mtt)-OHを0.23g入れた。後は、Applied Biosystems社の431A peptide synthesizerを用いて合成を行った。Methodは、standard Fmoc法で行い、N末端はアセチル化した。黄色固体のペプチドレジンが得られ、収量は0.30gであった。
(2)Ac-Lys(Mtt)-(Lys(Boc))2-Lys(Acr)-(Lys(Boc))2-Lys(Acr)-(Lys(Boc))2-ResinのMtt基の脱保護、ELの修飾及びレジンからの切り出し、及び側鎖の脱保護
(実験操作)
i)Mtt基の脱保護
スクリュー管に1で合成したペプチドレジン0.30g入れ、これに過剰のジクロロメタン(DCM)を加えて30分かけて膨潤させた後、過剰のDCMを窒素ガスで除いた。その後、DCM:TFA:TIPS(トリイソプロピルシラン)=94:1:5の混合溶液4mlを加えて2分攪拌し、窒素ガスで溶媒を除いた。この操作を5回繰り返した後、吸引濾過しDCM、トリエチルアミン、DCMで洗浄後、減圧乾燥させた。
ii)メトキシ型有機EL色素の修飾
減圧乾燥させたペプチドレジンにNMP 6mlを加えて30分間攪拌して膨潤させ、トリエチルアミン 0.15mlを加えて攪拌した。さらに、オキサジアゾール活性エステル6を0.2g加えて室温で24時間攪拌した。その後吸引濾過し、NMP、DCMで洗浄して減圧乾燥させた。
iii)レジンからの切り出し及び側鎖の脱保護
減圧乾燥させたペプチドレジンにm-クレゾール 0.08ml、チオアニソール 0.48ml、TFA 3.44mlを加えて室温で1時間半撹拌した。その後、吸引濾過しTFAで洗浄した。TFAを減圧留去した後、氷浴中でエーテル15ml加えた。超音波処理後、しばらく放置し、上澄み液を取り除いた。次に、氷浴中で酢酸エチル15mlを加えて、超音波処理後、しばらく放置した。その後、吸引濾過しエーテルで洗浄後、減圧乾燥させた。
黄橙色固体が得られ、収量は0.29gであった。図1に生成物の精製前後のHPLCスペクトルを示す。R.T.=12.5min付近のピークのサンプルについてTOF-Mass測定を行ったところEL色素とペプチドの複合体(EL-Peptide)の分子量:2055.30に対応するピークが2057.33に観測され、目的物の生成を確認した。(Matrix:α-CHCA;図2)
実施例1.
(検出方法)
合成したアントラセン系インターカレータ10bとフルオレセイン系インターカレータとをDMSOに溶解し、それぞれ1mMの溶液を調製した。次いで、5mLのサンプル管に超純水995μLを計量し、そこへアントラセン系インターカレータ10b を 1μL加えた。また、フルオレセイン系インターカレータも同様の手順により同濃度の溶液を調製した。次に、二本鎖DNAとして32 mM ct DNAを4μL添加して、十分に攪拌した。調製したサンプル溶液を、マイクロアレイヤーにてガラス基板上に1 nL(色素の相対濃度 1 pmol)ずつスポットした。乾燥させた後、蛍光スキャナーにて観測を行った。ここで、検出機器には、BIO-RAD モレキュラーイメージャー FX Proを用いた。レーザの波長は488 nm、スキャン間隔は50nmである。
(結果)
図3に標識された二本鎖DNAの観測結果を示す。ここで、図3中、(a) はアントラセン系インターカレータ10b中にct DNAを添加したサンプル、(b)及び(c)はフルオレセイン系インターカレータ中にct DNAを添加したサンプル、そして(d)及び(e)は10bのみをスポットした場合の観測結果である。二本鎖DNAに結合した10bは、乾燥状態でも発光して安定して観測することができた。これに対し、フルオレセイン系インターカレータは、乾燥状態で消光を生じ、観測は不可能であった。
実施例2.
合成したアントラセン系インターカレータ10aについて実施例1と同様の方法により蛍光を測定した。図4は、同一試料を複数スポットした結果を示している。乾燥状態でも安定して観測することができた。
実施例3.
合成したペプチドインターカレータについて実施例1と同様の方法により蛍光を測定した。その結果、実施例1と2の場合と同様に乾燥状態でも安定して観測することができた。
比較例.
従来の蛍光色素(4',6-diamidino-2-phenylindole, dihydrochloride (DAPI))を用いて実施例1と同様の方法により蛍光を測定した。しかし、乾燥状態では消光を生じ、観測は不可能であった。

Claims (9)

  1. 二本鎖DNAの検出に用いるインターカレータであって、二本鎖DNAに結合する結合部と、有機EL色素から成り連結部を介して結合部と結合された少なくとも1つの発色部とを有するインターカレータ。
  2. 上記有機EL色素は、共役系を有する5員環化合物を含む化合物であって、該5員環化合物は1種以上のヘテロ原子、セレン原子又はボロン原子を含む請求項1記載のインターカレータ。
  3. 上記有機EL色素は、上記5員環化合物と共役系を有する6員環化合物とから成る縮合多環化合物である請求項1記載のインターカレータ。
  4. 上記5員環化合物は、アゾール誘導体又はイミダゾール誘導体である請求項2又は3に記載のインターカレータ。
  5. 上記結合部は、単環又は多環芳香族基から成る請求項1から4のいずれか一つに記載のインターカレータ。
  6. 上記結合部は、アントラセン基、フェナントレン基、ピレン基、フルオレン基、ビフェニレン基、ナフタレンジイミド基、ナフタレンイミド基、アクリジン基、フェニルジイミド基、ベンゾチアゾール基、ベンゾイミダゾール基、キノリン基、フェナントリジン基そしてインドール基から成る群から選択されたいずれか1種である請求項1記載のインターカレータ。
  7. 上記結合部は、リジン、アルギニン、ヒスチジン及びオルニチンからなる群から選択された1種のアミノ酸から構成されるペプチド化合物である請求項1記載のインターカレータ。
  8. 上記インターカレータは、結合部の両側に連結部を介して結合された発色部を有する縫い込み型インターカレータである請求項1から7のいずれか一つに記載のインターカレータ。
  9. 二本鎖DNAにインターカレータを挿入し、該インターカレータにより標識した二本鎖DNAを検出する遺伝子検出方法において、二本鎖DNAに結合する結合部と、連結部と、有機EL色素から成り該連結部を介して結合部と結合された発色部とを有するインターカレータを用いる遺伝子検出方法。
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