JPWO2006030570A1 - 接触センサ、把持装置及び滑り余裕計測方法 - Google Patents

接触センサ、把持装置及び滑り余裕計測方法 Download PDF

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Abstract

測定対象物(5)と接触する部位に弾性体(1a)を有する感知部(1)と、測定対象物(5)と弾性体(1a)との接触面(1b)に対して、接線方向に外力が印加される前後において、接触面(1b)の状態を画像情報として取得する画像取得部(2)と、画像取得部(2)によって得られた画像情報に基づき、接触面(1b)の変形情報を解析する変形解析部(7)と、接触面(1b)に対して、接線方向に印加される外力を検出する外力検出部(3)と、変形解析部(7)によって得られる接触面(1b)の変形情報、及び外力検出部(3)によって検出される外力、並びに弾性体(1a)の物体定数に基づいて、測定対象物(5)と弾性体(1a)との間の滑り余裕を推定する推定部(8)と、を備える触覚センサ(10)によれば、簡便かつ精度よく滑り余裕を推定できる。

Description

本発明は、触覚センサ及びその利用に関し、特に、完全滑りを起こすことなく、簡便かつ確実に滑り余裕を推定可能な触覚センサ及びその利用に関するものである。
人間が指で物体を持ち上げるとき、摩擦係数が未知であっても最小把持力より僅かに大きい把持力しか用いないことが知られている。このような把持をロボットに行わせるためには、摩擦係数や“滑り易さ”の指標である「滑り余裕」を検出できる触覚センサをロボットに搭載する必要がある。このような触覚センサとしては、ロボットの指先に搭載し、それを実際に滑らせて摩擦係数を知覚するものや、滑りはじめの振動を検出したりする触覚センサや摩擦係数計測装置が開発されている。
具体的には、例えば、非特許文献1には、曲面状のシリコン樹脂内部に歪みセンサを多数配置し、完全に滑り出すまでのセンサ内部の応力変化から摩擦係数等を推定する圧力感知式の触覚センサが開示されている。また、圧力感知式の他の例として、非特許文献2には、曲面状の指先を複数のバネにて支持した触覚センサによって、該触覚センサが実際に滑り出すまでの内部の応力変化から摩擦係数等を推定する技術が開示されている。
また、特許文献1には、空孔と超音波を用いた圧力感知式の触覚センサが開示されており、この触覚センサを対象物に押し当てた瞬間に、その対象物の表面に沿った方向の応力と歪みの成分を観測することにより、その摩擦係数及び最大の横ずれ力を安定に検出することができる摩擦係数測定方法、最大横ずれ力測定方法及びそれらの測定装置について記載されている。
また、特許文献2には、圧力感知式の触覚センサではないが、触覚センサに関連する技術として、透明ゲルからなるセンサ感知部と対象物との接触面を、カメラを用いて観察し、その画像情報からセンサ感知部の形状変化を推定する画像処理アルゴリズムが開示されている。
また、特許文献3には、摩擦係数を推定する床面に装置を設置し、接線方向に僅かずつ力を増加させ、滑りが生じた時点の力から摩擦係数を推定する携帯用摩擦計について開示されている。
〔特許文献1〕
特開2001−021482号公報(公開:平成13(2001)年1月26日)
〔特許文献2〕
米国特許第5967990号明細書
〔特許文献3〕
特開平07−151672号公報(公開:平成7年(1995)6月16日)
〔非特許文献1〕
河合隆志、他2名共著、「把持力制御のための曲面ひずみ分布センサの開発」、日本機械学会論文集C編、Vol.64、No.627、pp.4264−4270,1998
〔非特許文献2〕
藤本英雄、佐野 明人、西恒介、上原祐作共著、「多指ハンドによる遠隔把持のための触覚センサ内蔵ソフトフィンガ」、ロボティクス・メカトロニクス講演会、2002
しかしながら、上述した圧力感知式の触覚センサには、以下に示す問題点がある。まず、非特許文献1に開示の触覚センサでは、シリコン樹脂内部に設置可能な歪みセンサの個数は限られており、十分な検出感度を得るために必要な個数を設置すると装置が大型化していまい、小型化すると十分な検出精度が得られないという問題点がある。
また、非特許文献2に開示の触覚センサも同様に、センサ内部に配置可能なバネの個数は限られており、十分な検出精度が得られないという問題点がある。
そして、特許文献1に開示の触覚センサも、センサに配置可能な空孔の個数は限られており、検出精度に問題がある。加えて、摩擦係数と超音波との位相変化を多数計測して相互関係を把握したテーブルを事前に準備する必要があり、使用に際して、非常に煩雑であるという問題点もある。
また、特許文献2に開示の技術は、触覚センサに関連する技術であるが、滑り余裕や摩擦係数の検出に関連するものではないため、そのままでは滑り余裕や摩擦係数等を計測することができない。
また、特許文献3に開示の携帯摩擦計では、摩擦係数を測定するためには、一旦、実際に滑り始める状態(完全滑り)を生じさせる必要があり、簡便に摩擦係数等を計測することができないという問題点がある。また、この携帯摩擦計は、実際に滑りを生じさせる必要があるため、使用に際して、ある程度の広さを持つ平面に限定され、汎用性の面で問題がある。
以上のように、圧力感知式の触覚センサの場合、測定対象物とセンサ感知部との間の摩擦係数や滑りを精度よく検出するためには、センサ内部に配置する応力センサを多数配置する必要があるが、装置の小型化という要望があるため、装置スペースの都合から搭載できる応力センサの数が限定されてしまい、十分な検出精度が得られないという問題がある。さらに、カメラを用いて弾性体と剛体との接触面の変化を検出する技術が開発されているが、これを物体間の摩擦係数や滑りの計測に応用する技術は開発されていない。
したがって、上述した問題点を解決するのに資する、物体間の滑り余裕や摩擦係数を簡便かつ精度よく計測可能な触覚センサ及びその利用方法の開発が強く要望されていた。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、物体間の滑り余裕や摩擦係数を簡便かつ精度よく計測可能な触覚センサ及びその利用を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、弾性体からなるセンサ感知部と測定対象物との接触面の変形を、小型カメラを用いて計測し、この接触面の変形情報、上記接触面に働く接線方向の力信号、及び上記弾性体の物性定数を所定の計算アルゴリズムを用いて計算することにより、実際に完全滑りを生じさせることなく、かつ、測定対象物の摩擦係数が不明であっても、精度よく滑り余裕を推定できるという知見を見出し、本願発明を完成させるに至った。本発明は、かかる新規知見に基づいて完成されたものであり、以下の産業上有用な物質又は方法を包含する。
(1)測定対象物と接触する部位に弾性体を有する感知手段と、上記測定対象物と弾性体との接触面に対して、接線方向に外力が印加される前後において、上記接触面の状態を画像情報として取得する画像取得手段と、上記画像取得手段によって得られた画像情報に基づき、上記接触面の変形情報を解析する変形解析手段と、上記変形解析手段によって得られる接触面の変形情報、及び上記接触面に対して接線方向に印加される外力、並びに上記弾性体の物体定数に基づいて、上記測定対象物と弾性体との間の滑り余裕を推定する推定手段と、を備える触覚センサ。
(2)測定対象物と接触する部位に弾性体を有する感知手段と、上記測定対象物と弾性体との接触面に対して接線方向に外力が印加される前における、上記接触面の中心位置が常に所定の位置に来るように設定されており、かつ、上記設定された状態にて、上記接触面に対して接線方向に外力が印加された後の、上記接触面の状態を画像情報として取得する画像取得手段と、上記画像取得手段によって得られた画像情報に基づき、上記接触面の変形情報を解析する変形解析手段と、上記変形解析手段によって得られる接触面の変形情報、及び上記接触面に対して接線方向に印加される外力、並びに上記弾性体の物体定数に基づいて、上記測定対象物と弾性体との間の滑り余裕を推定する推定手段と、を備える触覚センサ。
(3)さらに、上記接触面に対して、接線方向に印加される外力を検出する外力検出手段を備える(1)又は(2)に記載の触覚センサ。
(4)上記弾性体は、測定対象物と円周部分で接触する略半球状であり、上記変形解析手段は、上記画像取得手段によって得られた画像情報に基づき、上記接触面の半径を算出する半径算出部と、上記画像取得手段によって得られた画像情報に基づき、上記接触面に対して、接線方向に外力が加わる場合に生じる、上記接触面の相対変位を算出する相対変位算出部と、を備えており、上記推定手段は、上記変形解析手段によって得られる接触面の半径、相対変位、及び上記外力検出手段によって検出される外力、並びに上記弾性体の物体定数から、ヘルツ接触を仮定した計算式を用いて、滑り余裕を推定するものである(1)〜(3)のいずれかに記載の触覚センサ。
(5)上記弾性体の表面には、上記画像取得手段が、上記接触面に対して接線方向に外力が印加される前の状態における上記接触面の中心位置を明確に認識できる特徴図形が形成されている(1)〜(4)のいずれかに記載の触覚センサ。
(6)上記弾性体は透明であり、上記画像取得手段は、上記弾性体における、測定対象物と接触する側の面の裏面側に設けられている(1)〜(5)のいずれかに記載の触覚センサ。
(7)さらに、上記推定手段によって推定された滑り余裕に基づき、上記測定対象物と弾性体との間の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段を備える(1)〜(6)のいずれかに記載の触覚センサ。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の触覚センサを備える摩擦検査装置。
(9)上記触覚センサにおける弾性体が検査対象物と接触できるように、上記触覚センサが筒状筐体に搭載されている(8)に記載の摩擦検査装置。
(10)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の触覚センサを備える把持装置。
(11)上記把持装置は、上記搭載した触覚センサの弾性体と把持対象物とが接触して、当該把持対象物を把持する際に、上記触覚センサの弾性体と上記把持対象物との接触面における滑り余裕が減少する場合は把持力を増強し、また上記触覚センサの弾性体と上記把持対象物との接触面における滑り余裕が増加する場合は把持力を低減させて、所定の滑り余裕を保つように把持力を制御する制御手段を備える(10)に記載の把持装置。
(12)上記把持装置がロボットハンドである(10)又は(11)に記載の把持装置。
(13)測定対象物に対して弾性体を接触させる接触工程と、上記接触工程における、上記測定対象物と弾性体との接触面の状態を画像情報として取得する第1の画像取得工程と、上記接触面に対して、接線方向に外力を加える外力印加工程と、上記外力印加工程によって印加された外力によって、上記接触面に生じる変形の状態を画像情報として取得する第2の画像取得工程と、上記第1の画像取得工程及び第2の画像取得工程によって得られた画像情報に基づき、上記接触面の変形情報を解析する変形解析工程と、上記変形解析工程によって得られる接触面の変形情報、及び上記外力印加工程にて印加した外力、並びに上記弾性体の物体定数に基づいて、上記測定対象物と弾性体との間の滑り余裕を推定する推定工程と、を含む滑り余裕計測方法。
(14)上記弾性体は、測定対象物と円周部分で接触する略半球状であり、上記変形解析工程は、上記第1及び/又は第2の画像取得工程によって得られた画像情報に基づき、上記測定対象物と弾性体との接触面の半径を算出する半径算出工程と、上記第1及び/又は第2の画像取得工程によって得られた画像情報に基づき、上記弾性体に、上記測定対象物と弾性体との接触面の接線方向に力が加わる場合に、測定対象物と弾性体との接触面の相対変位を算出する相対変位算出工程と、を含んでおり、上記推定工程は、上記変形解析工程によって得られる接触面の半径、相対変位、及び上記外力印加工程にて印加した外力、並びに上記弾性体の物体定数から、ヘルツ接触を仮定した計算式を用いて、滑り余裕を推定する工程である(13)に記載の滑り余裕計測方法。
(15)測定対象物に対して弾性体を接触させる接触工程と、上記接触面に対して、接線方向に外力を加える外力印加工程と、上記外力印加工程によって印加された外力によって、上記接触面に生じる変形の状態を画像情報として取得する画像取得工程と、上記画像取得工程によって得られた画像情報に基づき、上記接触面の変形情報を解析する変形解析工程と、上記変形解析工程によって得られる接触面の変形情報、及び上記外力印加工程にて印加した外力、並びに上記弾性体の物体定数に基づいて、上記測定対象物と弾性体との間の滑り余裕を推定する推定工程と、を含み、上記画像取得工程は、上記測定対象物と弾性体との接触面に対して接線方向に外力が印加される前における、上記接触面の中心位置が常に所定の位置に来るように設定されており、かつ、上記設定された状態にて、上記接触面に対して接線方向に外力が印加された後の、上記接触面の状態を画像情報として取得する画像取得手段を用いるものである滑り余裕計測方法。
(16)上記弾性体は、測定対象物と円周部分で接触する略半球状であり、上記変形解析工程は、上記画像取得工程によって得られた画像情報に基づき、上記測定対象物と弾性体との接触面の半径を算出する半径算出工程と、上記画像取得工程によって得られた画像情報と、予め設定された、上記外力が印加される前における上記接触面の中心位置の座標情報とに基づき、上記弾性体に、上記測定対象物と弾性体との接触面の接線方向に力が加わる場合に、測定対象物と弾性体との接触面の相対変位を算出する相対変位算出工程と、を含んでおり、上記推定工程は、上記変形解析工程によって得られる接触面の半径、相対変位、及び上記外力印加工程にて印加した外力、並びに上記弾性体の物体定数から、ヘルツ接触を仮定した計算式を用いて、滑り余裕を推定する工程である(15)に記載の滑り余裕計測方法。
(17)さらに、上記外力印加工程にて印加した外力を検出する外力検出工程を含み、上記推定工程では、上記外力印加工程にて印加した外力として、上記外力検出工程により検出される外力を用いる(13)〜(16)のいずれかに記載の滑り余裕計測方法。
(18)上記弾性体は透明であり、上記画像取得工程は、上記弾性体における、測定対象物と接触する側の面の裏面側に設けられている画像取得手段を用いて、画像情報を取得する工程である(13)〜(17)のいずれかに記載の滑り余裕計測方法。
なお、上記触覚センサにおける変位解析手段や推定手段、また把持装置における制御手段は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記触覚センサや把持装置をコンピュータにて実現させる触覚センサや把持装置の制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本実施の一形態に係る触覚センサの構造を模式的に示す図である。 本実施の形態における弾性体と測定対象物とが接触した状態を模式的に示す図である。 弾性体と測定対象物とが接触した状態で、さらに接線方向に外力fを印加した場合の状態を模式的に示す図である。 本実施の形態において、測定対象物と弾性体とが接触した状態で、外力fを印加する場合を模式的に示すとともに、この場合の接触面に生じる変形状態を画像取得部によって画像情報として取得した図である。 画像取得部、外力検出部、及び情報処理ユニットの機能ブロックを模式的に示した図である。 本実施の形態において、相対変位検出部が行う相対変位の算出処理の具体的な方法を説明する図である。 本実施の形態において、相対変位検出部が行う相対変位の算出処理のその他の具体的な方法を説明する図である。 本実施の形態に係る触覚センサを用いて滑り余裕を検出する場合の動作の一例を示すフローチャートである。 本実施の他の一形態に係る触覚センサを用いて滑り余裕を検出する場合の動作の一例を示すフローチャートである。 本実施の他の一形態に係る触覚センサの構造を模式的に示す図である。 本実施の一形態に係る摩擦検査装置の構造を模式的に示す図である。 本実施の一形態に係る把持装置の構造を模式的に示す図である。 本実施の形態に係る把持装置を用いた把持力制御の実験において、摩擦係数μ=0.3の場合の把持力f及び荷重fの変化を示す図である。 本実施の形態に係る把持装置を用いた把持力制御の実験において、摩擦係数μ=0.3の場合の滑り余裕Φの変化を示す図である。 本実施の一形態に係るロボットハンドの構造を模式的に示す図である。
符号の説明
1 感知部(感知手段)
1a 弾性体
1b 接触面
1c 中心位置
2 画像取得部(画像取得手段)
3 外力検出部(外力検出手段)
4 情報処理ユニット
5 測定対象物
7 変形解析部(変形解析手段)
7a 半径算出部
7b 相対変位算出部
8 推定部(推定手段)
10、10’ 触覚センサ
20 筒状筐体
100 摩擦検査装置
200 把持装置
300 ロボットハンド
本発明は、完全滑りを生じさせることなく、簡便かつ正確に滑り余裕を推定することができる触覚センサ及びその利用に関するものである。このため、以下の実施形態では、まず本発明に係る触覚センサについて説明し、次いでその利用形態としての摩擦検査装置、及びロボットハンド等の把持装置について説明する。
<1.本発明に係る触覚センサ>
本発明に係る触覚センサは、感知手段と、画像取得手段と、変形解析手段と、推定手段と、を少なくとも備えているものであればよく、その他の具体的な構成、材料、大きさ等は特に限定されるものではない。つまり、上記特徴的な構成以外の構成としては、従来公知の触覚センサのものを好適に利用可能である。なお、本発明に係る触覚センサは、外力検出手段をさらに備える構成であることが好ましい。後述する“外力”が変数である場合、この外力検出手段を設けることが好ましいが、“外力”情報が検出するまでもなく容易に取得できる場合(例えば、一定値として予め設定可能、又は事後的に測定可能である場合等)は特に設けなくともよい。以下、本発明に係る触覚センサについて、外力検出手段を備えるものを例に挙げて詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
図1は、本実施の一形態に係る触覚センサの構造を模式的に示す図である。同図に示すように、本実施の形態に係る触覚センサ10は、感知部1、画像取得部2、外力検出部3、情報処理ユニット4を備えており、測定対象物5と感知部1との間の滑り余裕を計測するものである。
感知部1は、感知手段として機能するものであり、測定対象物5と接触する部位に弾性体1aを有するものであればよく、その他の具体的な構成等は特に限定されるものではない。ここで「測定対象物と接触する部位に弾性体を有する」とは、感知手段において、滑り余裕等を計測する測定対象物が接触する部分であれば、具体的な部位は限定されるものではないが、例えば、感知部1の先端部に弾性体1aが設けられていることが好ましい。
「弾性体」とは、測定対象物5と接触した際に、測定対象物5を変形させることなく、自身が変形する性質を有する物質であればよく、例えば、シリコン樹脂やウレタン樹脂等からなるゲル、ゴム等を挙げることができる。
また「測定対象物(被測定物質)」とは、触覚センサ10を用いて滑り余裕等を計測することができる物質であれば、その具体的な形状、材質、硬度等は特に限定されるものではないが、剛体であることが好ましい。かかる「剛体」としては、各種金属やガラス等を挙げることができる。
また、弾性体1aは、測定対象物5と円周部分で接触する略半球状である。弾性体1aをこのような形状にすることにより、弾性球と剛体平板との接触について詳細に検討されている「ヘルツ接触」(トライボロジーハンドブック,日本トライボロジー学会編,pp.7−25,養賢堂,2001参照)に関する知見を好適に利用することができ、正確に滑り余裕等を算出することができる。つまり、弾性体1aは、測定対象物5と接触した際に、その接触面1bが略円形状になる形状であることが好ましい。
また、弾性体1aには、その表面における、測定対象物5との接触面1b内に相当する領域に、測定対象物5と接触した際に生じる変形を観察しやすくするための特徴図形が形成されていることが好ましい。かかる特徴図形としては、例えば、後述の図3に示すように、後述する画像取得部2が、接触面1bの中心位置1cを明確に認識できるようにするための図形が挙げられ、より具体的には、接触面1bの中心位置にマーキング(図3では、黒点●)した特徴図形を挙げることができる。このような特徴図形が形成されている場合、後述の画像取得部2によって、正確に接触面の変形情報(相対変位δ)を画像情報として取得することができる。なお、特徴図形は黒点に限られず、中心位置が明確になるものであればよく、例えば、×(クロス)印等のマーキングであってもよい。
画像取得部2は、画像取得手段として機能するものであり、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bに対して、接線方向に外力が印加される前後において、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bの状態を画像情報として取得するものであればよい。より詳細には、測定対象物5と弾性体1aとの接触した際の、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bの状態を画像情報として取得する第1の画像取得工程と、接触面1bに対して接線方向に印加された外力によって、上記接触面に生じる変形の状態を画像情報として取得する第2の画像取得工程と、を実行するものであればよい。
画像取得部2は、接触面1bに対して接線方向に外力が印加される前後における画像、つまり、上記第1及び第2の画像取得工程にて取得する画像を、別々の静止画像として取得してもよいし、連続画像(動画)として取得してもよく、特に限定されるものではない。ただし、動画の場合は、任意の時間における画像情報を用いて、任意の時間における滑り余裕を検出することができるし、また連続して(継続的に)滑り余裕を推定することができるため、より好ましいといえる。かかる画像取得部2としては、例えば、小型カメラやCCDカメラ等の固体撮像素子を好適に用いることができる。
また、本実施形態では、測定対象物5は透明であり、画像取得部2は、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bを、ミラー6を介して、測定対象物5側から(測定対象物5を通して)観察し、接触面1bの画像情報を得るように設けられている。なお、鮮明な画像を取得するために、例えば、LED等の発光手段を用いて、接触面1b近傍を照明してもよい。
外力検出部3は、上記外力検出手段として機能するものであり、接触面1bに対して、接線方向に加わる外力(図1中、矢印fで示すもの)を検出するものである。かかる外力検出部3としては、従来公知の応力センサを好適に用いることができ、特に限定されるものではないが、例えば、6軸力センサ等を用いることができる。なお、外力検出部3は、弾性体1aに対して、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bの法線方向に加わる外力(図1中、矢印fで示すもの)を検出できるものであってもよい。
また、ここでいう「外力」とは、後述するように、接触面1b付近の局所的な弾性変形と初期滑りによる微小滑りを生じさせる程度の大きさであることが好ましい。すなわち、上記外力は、完全滑りを生じない程度の外力が加わっている状態(完全に滑り出さない状態)であることが好ましい。
なお、上述したように、外力検出部3を備えない触覚センサも構成上可能である。この場合、接触面1bに対して接線方向に加わる“外力”情報については、例えば、入力装置(不図示)によって事前又は事後的に入力することにより、後述する所定の演算処理を行うことができる。ただし、接触面1bに対して接線方向に加わる“外力”について正確に検出することができるため、外力検出部3を備えることがより好ましいといえる。
情報処理ユニット4は、触覚センサ10が滑り余裕を推定するための各種情報処理を行うものであり、画像取得部2によって得られた画像情報に基づき、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bの変形情報を解析する変形解析手段として機能する変形解析部7と、変形解析部7によって得られる接触面の変形情報、及び外力検出部3によって検出される外力、並びに弾性体1aの物体定数に基づいて、測定対象物5と弾性体1aとの間の滑り余裕を推定する推定手段として機能する推定部8と、を備えている。
本実施の形態に係る触覚センサ10の特徴的な部分である情報処理ユニット4の機能・動作について詳細に説明する前に、まず、本実施の形態における弾性体1aと測定対象物5とが接触する際に生じる接触状態について説明する。
図2(a)は、本実施の形態における弾性体1aと測定対象物5とが接触した状態を模式的に示す図であり、図2(b)は、弾性体1aと測定対象物5とが接触した状態で、さらに接線方向に外力fを印加した場合の状態を模式的に示す図である。このような半球状の弾性体1aと測定対象物5(剛体平板)の接触はヘルツ接触と呼ばれ、様々な解析が行われている(トライボロジーハンドブック,日本トライボロジー学会編,pp.7−25,養賢堂,2001参照)。
ここで半径Rをもつ半球状の弾性体1aと剛体平面の接触における接触面1bは、図2(a)に示すように、半径aの円形となり、半径aは以下の数式(1)で表される。
Figure 2006030570
弾性体1aと測定対象物(剛体平板)5の接触では接触領域の中心部分に比べて周辺部分では法線方向の接触力が弱くなる。この状態で接線方向に負荷力を加えた場合、周辺部では拘束が弱いため中心部に比べて早く滑り始める。このように接触面1b内において局所滑りが発生している状態を初期滑りと呼ぶ。滑りの発生していない領域を固着域、発生している領域を滑り域とすると固着域は接触中心から半径c=a(1−Φ)1/3の円領域となる。Φは接線方向係数と呼ばれ、Φ=f/μfで表される。fは接線方向に加えられた負荷力(外力)であり、μは接触面1bに働く摩擦係数である。弾性体1aに前述のような接線方向の力が加わった場合、接触面1b付近の局所的な弾性変形と初期滑りによる微小滑りによって、図2に示すような相対変位δが生じる。
上述の現象を実験的に示したものが図3である。図3は、測定対象物5と弾性体1aとが接触した状態で、外力fを印加する場合を模式的に示すとともに、この場合の接触面1bに生じる変形状態を画像取得部2によって画像情報として取得した図である。なお、画像(i)〜(v)において、白く見える部分は接触面1bを示し、黒点1cは接触面の中心位置を示し、十字印は上記黒点の移動を追跡する様子を示し、実線で囲まれる領域は固着域(Stick Region)を示し、点線で囲まれる領域は接触面を示し、点線と実線との間の領域は滑り域(Slip Region)を示す。また、(i)は外力fの印加前の状態を示し、(ii)〜(v)は外力fを印加後の状態を示す。
同図に示すように、接線方向に外力(負荷力)fを加えた場合、周辺部では拘束が弱いため中心部に比べて早く滑り始め、初期滑りが生じている。そして、弾性体1aに前述のような接線方向の外力fが加わった場合、接触面1b付近の局所的な弾性変形と初期滑りによる微小滑りによって、図3に示すように、接触面1bの中心位置(黒点の位置)1cが移動して相対変位δが生じることがわかる。上述した相対変位δは次式により計算される。
Figure 2006030570
ここでG=E/{2(1+ν)}である。ここで、Eは弾性体1aの材料のヤング率であり、νは弾性体1aの材料のポワソン比である。これらの式によって弾性体1aと測定対象物5の接触面1bの状態と接触面1bに働く応力分布、及び弾性体1aの相対変位δを求めることができる。
また、初期滑り時の滑り余裕の推定については以下のように考える。具体的には、ヒトの指先のように、弾性体1aと測定対象物5との間に滑りを生じずに把持を行う場合、負荷力fに応じた把持力fを決定する指標として、滑り余裕w=1−Φがある。この“滑り余裕”wは、
Figure 2006030570
の間で変化する無次元量である。また、w=1において完全固着状態であり、wが減少するにしたがって物体は初期滑り状態となり、w=0で完全滑り状態となる。
ここで、上記数式(2)を応用し、滑り余裕を表すΦを推定することができる。上述のように、Gは弾性体1aの材料のヤング率E、及び弾性体1aの材料のポワソン比νで表されるものであり、Gもνも弾性体1aの材料固有定数(物体定数)である。このため、Φを推定するのに必要な変数は相対変位δ、摩擦係数μ、把持力f、接触面1bの半径aとなる。上述したように、本実施の形態では、接触面1bを画像取得部2によって観測するため、相対変位δ及び半径aは画像情報より計算可能である。また、把持力fはグリッパ自体の出力であるため既知である。一方、本実施の形態では、摩擦係数μが未知であるため、上記数式(2)の両辺をfで除算し、数式全体をΦで統一する。その結果、以下に示すようなΦに関する2次式(3)が得られる。
αΦ+(1−3α)Φ+(3α−2)=0 ・・・(3)
ここで、αは、以下の数式(4)に示すように表され、観測量及び弾性体1aの物体定数で定義される。
Figure 2006030570
このため、Φは以下の数式(5)に示すように推定できる。
Figure 2006030570
以上のように、弾性体1aと測定対象物5との間に発生する滑り余裕w=1−Φを求めるためには、弾性体1aと測定対象物5との接触面1bの半径a、弾性体1aに対して、その接線方向に印加される外力f、弾性体1aに外力fが印加された際に生じる接触面1bの相対変位δ、弾性体1aの物性定数であるG、νがわかればよく、実際に計測する必要のある数値は、半径a、外力f、相対変位δである。ここで上述したように、外力fは、外力検出部3にて検出されるため、情報処理ユニット4では、半径a及び相対変位δを算出するとともに、最終的に滑り余裕を算出することができるものであればよい。以上の理解を踏まえて、情報処理ユニット4が有する各機能ブロックの構成及びその機能・動作について詳細に説明する。
図4は、画像取得部2、外力検出部3、及び情報処理ユニット4の機能ブロックを模式的に示した図である。
変形解析部7は、画像取得部2によって得られた画像情報に基づき、上述した測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bの半径aを算出する半径算出部7aを備えている。また、変形解析部7は、画像取得部2によって得られた画像情報に基づき、上述した弾性体1aに対して、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bの接線方向に、外力fが加わる場合に生じる、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bの相対変位δを算出する相対変位算出部7bを備えている。
すなわち、半径算出部7aは、上述した第1の画像取得工程及び/又は第2の画像取得工程によって得られた画像情報に基づき、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bの半径aを算出する半径算出工程を実行するものである。また、相対変位算出部7bは、上記第1及び/又は第2の画像取得工程によって得られた画像情報に基づき、弾性体1aに、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bの接線方向に力が加わる場合に、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bの相対変位δを算出する相対変位算出工程を実行するものである。
半径算出部7aが行う半径aの算出方法としては、例えば、接触面(略円形状)の半径を、画像情報から直接距離を測定して取得する方法を挙げることができる。具体的には、半径算出部7aは、接線方向に外力fが加わっていない状態の接触面1bの画像情報において、接触面1bの中心点1cと接触面の外周部分との距離を画像情報から算出し、半径aを求めることができる。この他にも、接触面1bの形状が略円形状であると仮定すれば、接触面1bの総面積Sを用いて、a=(S/π)1/2で求めることができる。なお、この場合、外力fを印加する前の画像において、中心位置1cを求める必要がない。
また、中心位置1cは、接触面1bの重心を算出してその重心位置を中心位置1cとすることができる。
また、相対変位算出部7bが行う相対変位δの算出方法としては、例えば、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bの相対変位δを、画像情報から算出して取得することができる。具体的には、図3のパネル(i)〜(v)を参照して説明すると、相対変位算出部7bは、接線方向に外力fが印加される前の状態の接触面1bの画像情報から接触面1bの中心位置1cと、接線方向に外力fが印加された後の状態の接触面1bの画像情報から接触面1bの中心位置1cとを比較し、中心位置1cの移動量(変化量)として相対変位δを算出する。
中心位置1cの移動量の算出は、例えば、図5に示すように、面積の差分値から以下のように行うことができる。図5(a)は、接線方向に外力fが印加される前の状態の接触面1bの画像情報を模式的に示した図であり、図5(b)は、接線方向に外力fが印加された後の状態の接触面1bの画像情報を模式的に示した図である。
まず、図5(b)に示すように、相対変位算出部7bは、接触面1bの中心位置1cを通る縦方向の直線L1にて取得画像の接触面領域を2つの領域D1、D2に分割する。次いで、相対変位算出部7bは、領域D1及びD2のそれぞれの面積S1及びS2を算出し、領域D1及びD2の面積の差分値ΔS1(=S2−S1)を算出する。
続いて、相対変位算出部7bは、差分値ΔS1から、図5(a)で示す接線方向に外力fが印加される前の状態の接触面1bの画像情報における中心位置1cのX座標に対する中心位置1cの移動量ΔXを算出する。移動量ΔXは、例えば、画像情報を表示する表示画面の横方向のサイズと接触面1bの横方向のサイズとの関係から換算係数を求め、この換算係数を差分値ΔS1に乗することにより算出してもよい。あるいは、画像情報を表示する表示画面の横方向のサイズと接触面1bの横方向のサイズとの関係から換算関数を求め、この換算関数に差分値ΔS1を代入することにより算出してもよい。
次に、相対変位算出部7bは、接触面1bの中心位置1cを通る横方向の直線L2にて取得画像の接触面領域を2つの領域D3、D4に分割する。次いで、相対変位算出部7bは、領域D3及びD4のそれぞれの面積S3及びS4を算出し、領域D3及びD4の面積の差分値ΔS2(=S4−S3)を算出する。
続いて、相対変位算出部7bは、差分値ΔS2から、図5(a)で示す接線方向に外力fが印加される前の状態の接触面1bの画像情報における中心位置1cのY座標に対する中心位置1cの移動量ΔYを算出する。移動量ΔYは、移動量ΔXと同様に、換算係数又は換算関数により算出することができる。
なお、図5(a)で示す接線方向に外力fが印加される前の状態の接触面1bの画像情報における中心位置1cのX座標及びY座標は、例えば、第1の画像取得工程にて取得した画像情報から算出することができる。
また、推定部8は、変形解析部7によって得られる接触面1bの半径a、相対変位δ、及び外力検出部3によって検出される外力f、並びに弾性体1aの物体定数G、νから、ヘルツ接触を仮定した計算式から滑り余裕を推定する推定工程を実行するものである。すなわち、推定部8は、上述の数式(5)を用いて、Φを算出し、(1−Φ)で表される滑り余裕wを推定するものである。なお、弾性体1aの物体定数G、νは、弾性体1aに固有の値であり、予め推定部3に入力しておくこともできるし、もしくは計測の度に別途入力する方式でもよい。
さらに、本実施の形態では図示しないが、触覚センサ10は、推定部8によって推定された滑り余裕に基づき、測定対象物5と弾性体1aとの間の摩擦係数μを推定する摩擦係数推定手段として機能する摩擦係数推定部を備えていてもよい。上記数式(5)より、Φを推定できれば、Φ=f/μfより摩擦係数を容易に算出することができる。
次に、本実施の形態に係る触覚センサ10を用いて滑り余裕を検出する場合の動作の一例について、図6に示すフローチャートにしたがって説明する。
同図に示すように、まず、ステップ1(以下「ステップ」を単に「S」と称する)において、ユーザが、測定対象物5に対して弾性体1aを接触させる接触工程を行う。次に、S2において、画像取得部2が、S1の接触工程における、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bの状態を画像情報として取得する第1の画像取得工程を実行する。すなわち、この工程は、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bに生じる変形を画像情報として取得する工程である。
次いで、S3において、接触面1bに対して、接線方向に外力fを加える外力印加工程を実行する。本工程は、ユーザが行ってもよいし、モータ等の外力印加手段を用いてもよい。続いて、S4において、画像取得部2が、S3の外力印加工程によって印加された外力fによって、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bに生じる変形状態を画像情報として取得する第2の画像取得工程を実行する。続いて、S5において、外力検出部3が、S3の外力印加工程にて印加した外力fを検出する外力検出工程を実行する。
そして、S6において、変形解析部7が、S2の第1の画像取得工程及びS4の第2の画像取得工程によって得られた画像情報に基づき、接触面1bの変形情報を解析する変形解析工程を実行する。このS6の変形解析工程は、より詳細には、S6aの半径算出工程とS6bの相対変位算出工程とを含む。すなわち、S6aにおいて、半径算出部7aが、S2の第1の画像取得工程及び/又はS4の第2の画像取得工程によって得られた画像情報に基づき、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bの半径aを算出する半径算出工程を実行する。また、S6bにおいて、相対変位算出部7bが、S2の第1及びS4の第2の画像取得工程によって得られた画像情報に基づき、弾性体1aに、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bの接線方向に外力fが加わる場合に、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bの相対変位δを算出する相対変位算出工程を実行する。
そして、S7において、推定部8が、S6の変形解析工程によって得られる接触面1bの変形情報、及びS7の外力検出工程によって検出される外力f、並びに弾性体1aの物体定数G、νに基づいて、上記測定対象物と弾性体との間の滑り余裕を推定する推定工程を実行する。より詳細には、推定部8は、S6の変形解析工程(S6aの半径算出工程、S6bの相対変位算出工程)によって得られる接触面の半径a、相対変位δ、及びS5の外力検出工程によって検出される外力f、並びに弾性体1aの物体定数G、νから、ヘルツ接触を仮定した計算式(上記数式(5))を用いて、滑り余裕wを推定する。
最後に、推定部8によって算出された滑り余裕は、出力装置40に出力される。なお、出力装置40は、図1では図示していない。出力装置40としては、例えば、CRTや液晶パネル等の従来公知の表示装置だけでなく、ハードコピーとして例えば紙に出力する印刷装置も含まれる。また、上記フローにおいて、S5とS6の工程は順序が入れ替わってもよい。
なお、触覚センサが外力検出部3を備えない構成の場合、上記S5の外力検出工程は行わない。この場合、上述したように、外力印加工程にて印加した外力fについては、不図示の入力装置等により入力して演算処理を行うことができる。
以上のように、本実施の形態に係る触覚センサ10によれば、センサの感知部と測定対象物との接触面を画像情報として取得するため、従来の応力センサ等を用いた圧力感知式の触覚センサに比べて、検出精度が著しく向上する。また、独自の計算アルゴリズムを用いているため、弾性体1aを測定対象物5に軽く押し当て、測定対象物5と弾性体1aとの間に完全滑りを生じさせることなく、わずかに接線方向に外力を加えるだけで、簡便かつ正確に、滑り余裕、摩擦係数を算出することができる。
〔実施の形態2〕
本発明に係る触覚センサの他の構成について説明すると以下の通りである。なお、ここでは、上述の実施形態1における構成要素と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。つまり、ここでは、上述の実施形態1との相違点について説明するものとする。
上記実施形態1では、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bに、接線方向に外力fが印加される前後で、接触面1bの状態を画像情報として取得する画像取得部2を備えた触覚センサ10について説明したが、本実施の形態では、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bに、接線方向に外力fが印加される前の画像を取得せず、外力fが印加された後の接触面1bの状態を画像情報として取得する画像取得部2’を備えた触覚センサについて説明する。
画像取得部2’は、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bに対して接線方向に外力fが印加される前における、接触面1bの中心位置1cが常に所定の位置に来るように設定されており、かつ、上記のように設定された状態にて、接触面1bに対して接線方向に外力fが印加された後の、接触面1bの状態を画像情報として取得する画像取得手段として機能するものである。
すなわち、画像取得部2’は、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bに対して接線方向に外力fが印加される前における、接触面1bの画像情報は取得しないが、仮に画像情報を取得した場合は、常に所定の位置に中心位置1cが来るように設定されている。この場合、画像取得部2’は、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bに対して接線方向に外力fが印加される前における、接触面1bの中心位置1cの座標情報を認識していることになる。この状態で、画像取得部2’は、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bに対して接線方向に外力fが印加された後における、接触面1bの状態の画像を取得する。
具体的な例を挙げて説明すると、例えば、画像取得部2’は、その光軸の中心と、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bに対して接線方向に外力fが印加される前における、接触面1bの中心位置1cとが、常に一致するように設定されており、この状態で、外力fが印加された後の接触面1bの状態を画像取得する。
この場合、弾性体1aの表面に、画像取得部2’が、接触面1bの中心位置1cが明確に認識できるような図形が形成されていると、上記図形と光軸とが一致するように、画像取得部2’を容易に設定することができる。
上記の構成の場合、半径算出部7aは、上記取得した画像情報から、接触面1bの半径aを算出する。一方、相対変位算出部7bは、画像取得部2’において、予め設定されている中心位置1cの座標情報と、上記取得した画像情報とに基づき、相対変位δを算出することになる。この場合、取得する画像情報が減るため、データ処理量が減少し、処理スピードが向上するという利点がある。
上記の構成における触覚センサを用いて、滑り余裕を推定する場合の処理の一例を図7に示すフローチャートにしたがって説明する。
同図に示すように、まず、S11において、ユーザが、測定対象物5に対して弾性体1aを接触させる接触工程を行う。次に、S12において、接触面1bに対して、接線方向に外力fを加える外力印加工程を実行する。本工程は、ユーザが行ってもよいし、モータ等の外力印加手段を用いてもよい。続いて、S13において、画像取得部2’が、S12の外力印加工程によって印加された外力fによって、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bに生じる変形状態を画像情報として取得する画像取得工程を実行する。続いて、S14において、外力検出部3が、S12の外力印加工程にて印加した外力fを検出する外力検出工程を実行する。
そして、S15において、変形解析部7が、S13の画像取得工程によって得られた画像情報と、予め設定された中心位置1cの座標情報(外力fが印加される前の接触面1bにおける中心位置1cの座標情報)とに基づき、接触面1bの変形情報を解析する変形解析工程を実行する。このS15の変形解析工程は、より詳細には、S15aの半径算出工程とS15bの相対変位算出工程とを含む。すなわち、S15aにおいて、半径算出部7aが、S13の画像取得工程によって得られた画像情報に基づき、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bの半径aを算出する半径算出工程を実行する。また、S15bにおいて、相対変位算出部7bが、S13の画像取得工程によって得られた画像情報と、予め設定された中心位置1cの座標情報(外力fが印加される前の接触面1bにおける中心位置1cの座標情報)とに基づき、弾性体1aに、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bの接線方向に外力fが加わる場合に、測定対象物5と弾性体1aとの接触面1bの相対変位δを算出する相対変位算出工程を実行する。
なお、触覚センサが外力検出部3を備えない構成の場合、上記S14の外力検出工程は行わない。この場合、上述したように、外力印加工程にて印加した外力fについては、不図示の入力装置等により入力して演算処理を行うことができる。
〔実施の形態3〕
本発明に係る触覚センサの他の構成について、図8に基づいて説明すると以下の通りである。なお、ここでは、上述の実施形態1、2における構成要素と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。つまり、ここでは、上述の実施形態1、2との相違点について説明するものとする。
図8は、本実施の他の一形態に係る触覚センサの構造を模式的に示すものである。同図に示すように、本実施の形態に係る触覚センサ10’は、感知部1、画像取得部2、外力検出部3、情報処理ユニット4、支持部材9を備えており、感知部1は、半球状の弾性体1aを備えている。
感知部1及び弾性体1aは、透明である。画像取得部2は、支持部材9によって、弾性体1aにおける測定対象物と接触する面の裏面側に設けられている。つまり、画像取得部2は、略半球状である弾性体1aの円周部分が存在する面と逆の面側に配置されている。
画像取得部2をこのように配置すると、透明な感知部1及び弾性体1aの内側から、つまり、透明な感知部1及び弾性体1aを通して、弾性体1aと測定対象物との接触面の状態を観察して画像情報を取得することできる。
この場合、実施形態1のように測定対象物が透明であるという制限がなくなり、広範な測定対象物について、本触覚センサを利用可能である。また、画像取得部2は、弾性体1aの内部、つまり測定対象物と弾性体1aとが接触する面の裏面側に設けられており、接触面が存在する側には物体が存在しなくなる。このため、測定対象物と弾性体1aとが接触する場合の物理的な障害がなくなる。したがって、自由度の高い計測が可能となり、操作性も向上する。また、上述のように画像取得部2を弾性体1aの内側に配置することにより、後述する摩擦検査装置や把持装置、ロボットハンド等に容易に搭載することができる。
<2.本発明に係る触覚センサの利用>
<2−1>摩擦検査装置
本発明に係る触覚センサは、上述したように、滑り余裕や摩擦係数を簡便かつ精度よく検出することができるため、触覚センサを用いる各種の検査装置に利用することができる。すなわち、本発明に係る摩擦検査装置は、上述の触覚センサを、検査対象物(被検査物質)と接触する部分に備えているものであればよく、その他の具体的な構成等は特に限定されるものではない。なお、本明細書でいう「摩擦検査装置」とは、検査対象物の摩擦係数を算出する検査装置であればよく、例えば、表面の凹凸やざらつきの評価、塗装や研磨処理等の表面仕上げの評価等を行うことができる。
上記の構成によれば、簡便かつ精度よく滑り余裕や摩擦係数を算出できる触覚センサを備えるため、精度よく摩擦検査を行うことができる。また、わずかなスペースで検査を行うことができるため、曲面や小面積部分の摩擦検査を好適に行うことができる。
以下、本発明に係る摩擦検査装置の一例を図面にしたがって説明する。図9は、本実施の一形態に係る摩擦検査装置の構造を模式的に示す図である。同図に示すように、摩擦検査装置100は、触覚センサ10’と、筒状筐体20とを備えている。触覚センサ10’は、略半球状の透明な弾性体1aを有する感知部1、画像取得部2、外力検出部3、情報処理ユニット4を備えており、上述したとおりの構成であるので、ここではその説明を省略する。なお、情報処理ユニット4は、筒状筐体20の内部に設けられており、図には示していない。
筒状筐体20は、触覚センサ10’を取り付け可能な形状であり、摩擦検査装置100をユーザが使用する際の把持部分として機能するものであればよく、その他の具体的な構成は特に限定されるものではない。なお、本実施の形態では、長方体の筒状筐体を用いたが、円柱形状であってよいし、その他の多角柱形状であってもよい。また、筒状筐体20の太さや長さ等の諸条件は適宜設定可能であることはいうまでもない。
摩擦検査装置100では、触覚センサ10’は、弾性体1aが検査対象物と接触する位置に配置されるように、筒状筐体20に設けられている。換言すれば、触覚センサ10’における弾性体1aが筒状筐体20の先端部分に位置するように、触覚センサ10’が搭載されている。
つまり、摩擦検査装置100は、いわゆるペン型摩擦検査装置である。かかる構成によれば、操作性が優れているだけでなく、持ち運びが容易であるという利点もある。
<2−2>把持装置
本発明に係る触覚センサは、把持装置にも好適に利用可能である。すなわち、本発明に係る把持装置は、上述の本発明に係る触覚センサが把持対象物(被把持物質)と接触する部分に搭載されているものであればよい。なお、本明細書でいう「把持装置」とは、把持対象物を他の物質との間で把持する装置であればよく、例えば、例えば、ロボットハンド等のように、複数の触覚センサを搭載した把持装置によって把持対象物を把持する装置も含まれる。
また、本発明に係る把持装置は、搭載した触覚センサを用いて把持対象物を把持する際に、上記触覚センサにおける弾性体と上記把持対象物との接触面の滑り余裕が減少する場合、その把持力を増強し、また、上記触覚センサにおける弾性体と上記把持対象物との接触面の滑り余裕が増加する場合、その把持力を低減させるように制御する制御手段を備えていることが好ましい。なお、「触覚センサにおける弾性体と上記把持対象物との接触面の滑り余裕」が変化する場合とは、例えば、把持対象物や弾性体に外力が印加する場合を挙げることができる。
つまり、本発明に係る把持装置は、触覚センサにより算出した滑り余裕の変化量に基づき、把持力を制御するという、滑り余裕フィードバックによる把持力の更新則を実行する制御部を備えることが好ましい。以下、この滑り余裕フィードバックの安定性について説明する。
本明細書では、下記数式(6)に示すように、Φの値を用い、滑り余裕フィードバックによる把持力の更新則を説明する。これにより接触面の摩擦係数が未知であっても一度完全滑り状態に移行して摩擦係数を推定する必要がなく、把持対象物を任意の滑り余裕で把持することが可能となる。
Figure 2006030570
k(>0)は定数フィードバックゲイン、w(=1−Φ)は滑り余裕の目標値である。ここで摩擦係数μが不要であることに注意されたい。すなわち、上記数式(6)は、把持力(f)の増減(時間微分)を(滑り余裕の設定値−現在の滑り余裕)で決定することを示している。
上記数式(6)にΦ=f/μf及びfgd=f/μΦを代入して下記数式(7)を得る。
Figure 2006030570
ここで(ε=fgd−f)は力の誤差である。fgdは目標の滑り余裕Φを実現する把持力であるが、摩擦係数μが未知のためその値も未知である。またα=kf/(μfgd)(>0)、β=fgdとした。上記数式(7)の解は次の数式(8)で表される。
Figure 2006030570
w(z)はLambertのW関数と呼ばれ、z=weを満たす(R.M.Corless,G.H.Gonnet,D.E.G.Hare and D.M.Jeffrey,“On Lambert’s W Function.”Technical report,Faculty of Mathematics,University of Waterloo,No.9,pp.12−22,1993.)。W関数は、z→0のとき、w→0となる。よって数式(8)において、t→∞の時、−e−(αt+C)/β/β→0となり、ε→0となる。よって任意の滑り余裕の目標値
に対する力誤差は0に収束し、上述した把持力制御の安定性が証明された。
したがって、本発明に係る把持装置は、上述したように、把持対象物を把持する際に、把持対象物と弾性体との間の滑り余裕が変化しても、常に所定の滑り余裕の値(目標の滑り余裕の値)で継続して把持可能なように制御する制御部を備えることが好ましいといえる。
次いで、把持力制御の有効性を確認するため、把持装置による把持力制御実験を行った結果を示す。具体的には、図10に示すような把持装置を用いて実験を行った。図10に示すように、把持装置200は、触覚センサ10、モータ30、ステージ31、支持部材32、重り33を備えている。触覚センサ10は、実施形態1で説明したものと同様の構成であるため、ここではその説明を省略する。なお、本実施の形態の場合、測定対象物5が把持対象物となる。
触覚センサ10はステージ31上を移動可能に設置されており、モータ30によって把持力fgが印加されるようになっている。また、情報処理ユニット4には、把持対象物を把持する際に、把持対象物と弾性体との間の滑り余裕が変化しても、常に所定の滑り余裕の値(目標の滑り余裕の値)で継続して把持可能なように制御する制御部が備えられており、モータ30の出力を制御している。
測定対象物5として透明なアクリル板を使用しており、弾性体1aとの接触面の映像を測定対象物5の内側からCCDカメラで撮影し、滑り余裕推定に必要な接触面変形を観測する。弾性体1aには、重り33によって、図中、矢印fで示す方向に荷重(外力)を加えられるようになっている。
フィードバックゲインはk=0.3とし、また滑り余裕の目標値Φ=0.2とした。図11(a)には摩擦係数μ=0.3の場合の把持力f及び荷重fの変化を示し、図11(b)には摩擦係数μ=0.3の場合の滑り余裕Φの変化を示す。なお、摩擦係数μの値は制御に直接使用していない。
t=23.0(sec)とt=57.0(sec)のそれぞれにおいて弾性体1aに重り33(0.14(kg))1個ずつ追加した。重り33の追加による荷重(外力)の増加に対して生じる滑り余裕Φの変化が把持力にフィードバックされ、目標の滑り余裕で把持を継続可能であることが確認できた。なお、データは示さないが、摩擦係数μが異なる場合でも同じ制御手法を用いることで把持力制御を行うことが可能であった。また、図8に示す構成の触覚センサ10’を用いた把持装置の場合も、同様に制御可能であった。
以上のように、上記把持装置において、搭載した触覚センサの弾性体と把持対象物とが接触して、当該把持対象物を把持する際に、上記触覚センサの弾性体と上記把持対象物との接触面における滑り余裕が減少する場合は把持力を増強し、また上記触覚センサの弾性体と上記把持対象物との接触面における滑り余裕が増加する場合は把持力を低減させて、所定の滑り余裕を保つように把持力を制御する制御部(制御手段)を備えることにより、ヒトの手が有する滑り知覚に近い把持力制御を行うことができ、摩擦係数が未知の物質であっても、強すぎず、かつ弱すぎない把持力で把持することができる。なお、上記制御部は、上記数式(6)にしたがって、把持力を制御することになる。
上述した把持力の制御部は、例えば、上記触覚センサから滑り余裕の推定結果を得て、把持力を供給する手段(例えば、モータ等)に対して、その動作を制御できるように構成されていればよい。また、上記触覚センサは、安定な把持力制御を行うために、連続して(継続的に)滑り余裕を測定するものであることが好ましい。
また、本発明に係る把持装置の1種として、その指先に上述した本発明に係る触覚センサを備えたロボットハンドを挙げることができる。本発明に係る触覚センサは、上述したように、接触面の検出精度が高く、またロボットハンドの指先に搭載可能な程度に小型化することも可能である。このため、本触覚センサを搭載することにより、滑り余裕を推定することができるロボットハンドを提供することができる。
本発明に係る触覚センサを搭載できるロボットハンドの一例として、本発明者らが以前より開発している、4本指で各指3自由度をもつNAIST−Handシステム(上田淳,近藤誠宏,小笠原司,“作業計測とスキル生成のためのNAIST−Handシステムの開発”,第21回日本ロボット学会学術講演会予稿集,3E24,2003.)を挙げることができる。なお、本発明者らは、同時に直接教示のための操作認識システム(近藤誠宏,上田淳,松本吉央,小笠原司,“多指ハンドのための物体操作認識システムの開発”,第4回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会,pp.269−270,2003.)や神経振動子による操りパターン生成(Y.Kurita,J.Ueda,Y.Matsumoto,T.Ogasawara,“CPG−Based Manipulation:Generation of Rhythmic Finger Gaits from Human Observation”,Proc.IEEE Int.Conf.Robotics and Automation pp.1204−1209,2004.)などにも取り組んでいる。
以下、本発明者らが開発したNAIST−Handシステムなる多指多関節ロボットハンドについて簡単に説明する。
人間と同程度の機構及び自由度をもち、器用な操りを行うことができる多指ロボットハンドは1980年代にすでに開発されているが、ワイヤ駆動方式の採用により保守性や小型化に問題があった。近年、モータの小型化高性能化が進み、最近開発されているロボットハンドでは、モータとギヤをハンド機構に内蔵する機構が多くなっている。
しかしながら、モータの小型化にも限界があり、特に指先端に近いPIP関節やDIP関節の駆動モータを指に内蔵する構造では十分なトルクを発生できるモータを使用できない。
そこで、本発明者らは、(i)全ての駆動モータを掌部に設置し、(ii)動力をギヤ及びリンク機構で伝達する機構によりこの問題を解決した多指多関節ロボットハンドを開発した。より詳細には、PIP関節を駆動するモータを掌部に内蔵するため、大きさの異なる2個のかさ歯車を3組、計6個をMP関節で組み合わせる機構を開発した(近藤誠宏,上田淳,松本吉央,小笠原司,“多指ハンドのための物体操作認識システムの開発”,第4回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会,pp.269−270,2003.)。2自由度をもつMP関節を経由し、リンク機構によりPIP関節が駆動される。
上述したようなNAIST−Handシステムなる多指多関節ロボットハンドの指先に、本発明に係る触覚センサを用いたものを図12に示す。同図に示すように、本発明に係るロボットハンド300は、その指先部分に触覚センサ10’を備えている構成であればよく、その他の具体的な構成等は特に限定されるものではない。
また、ロボットハンドによって器用で柔軟な操りを実現するためには、人間の持つ滑り知覚(R.S.Johansson and G.Westling,“Roles of glabrous skin receptors and sens orimotor memory in automatic control of precision grip when lifting rougher or more slippery ob−jects”,Exp.Brain Res.Vol.56,pp.550−564,1987.)に基づく把持力制御が重要である。
このため、上述した滑り余裕フィードバックにより把持力制御を行う制御部を本発明に係るロボットハンドにも搭載することが好ましい。この場合、例えば、制御部は、触覚センサから得られる滑り余裕の推定結果に基づき、ロボットハンド300の駆動手段(モータ)の動作を制御するように構成されており、ロボットハンド300に搭載した触覚センサ10’の弾性体と把持対象物とが接触して、当該把持対象物を把持する際に、触覚センサ10’の弾性体と上記把持対象物との接触面における滑り余裕が減少する場合は把持力を増強し、また触覚センサ10’の弾性体と上記把持対象物との接触面における滑り余裕が増加する場合は把持力を低減させて、所定の滑り余裕を保つように把持力を制御するように構成されている。
上記の構成によれば、滑り余裕や摩擦係数を精度よく算出できる触覚センサを備えており、さらに、常に一定の滑り余裕で把持力を制御できる構成であるため、人間の指のように、物体を把持する際、摩擦係数が未知であっても最小把持力より僅かに大きい把持力しか用いないロボットハンドを作製することできる。つまり、ヒトの滑り知覚に基づき、物体を滑らさず、かつ強すぎない力で把持、操作することができる。
したがって、本発明に係るロボットハンドを用いれば、人間の手のように、物体の複雑な操作を行うことができる。このため、例えば、壊れやすい物体や傷つき易い物体(例えば、食品や医薬品、精密機械等)のハンドリング・搬送装置等に好適に利用することができる。より具体的には、液晶パネルのハンドリングや搬送装置に利用できる。
なお、本発明には、物体と円周部分で接触する半球状透明ゲルと、その接触面内に相当する半球状透明ゲルの表面に描画された特徴図形と、その接触面を半球状透明ゲルの平面部分を通じて計測する小型カメラと、半球状透明ゲルを支持するフレームと、そのフレームに取り付けられた力センサと、物体と半球状透明ゲル間に力が生じた場合、その接触面の変形を計測する画像処理アルゴリズムと、計測された接触面の変形と力信号から物体と半球状透明ゲル間の滑り余裕を推定する計算アルゴリズムより構成される触覚センサも含まれる。
また、上記触覚センサにおいて、計算アルゴリズムとして、ヘルツ接触を仮定した計算式を利用することが好ましい。また、計測された滑り余裕より、物体と半球状透明ゲル間の摩擦係数を推定することが好ましい。また、感知部である半球状透明ゲルを物体に押し当て、物体とゲル間を滑らさず、わずかに力を加えるだけで、滑り余裕あるいは摩擦係数を推定することが好ましい。
さらに、上述した触覚センサを筒状筐体の先端に取り付け、可般性と操作性を高めたペン型摩擦検査装置も本発明に含まれる。
さらに、上述した触覚センサを指先に搭載し、センサと物体間に完全に滑りが生じなくても滑り余裕を直接推定し、外力の印加によって滑り余裕が減少すれば把持力を増強し、外力の免加によって滑り余裕が減少すれば把持力を減少し、一定の滑り余裕で物体を探偵に把持できるロボットハンドも本発明に含まれる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、情報処理ユニット4の各ブロック、特に変形解析部7及び推定部8は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、情報処理ユニット4は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである情報処理ユニット4の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記情報処理ユニット4に供給し、そのコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、情報処理ユニット4を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明に係る触覚センサによれば、完全滑りを生じさせることなく(実際に滑り始める前に)、微小な接触面の変形から滑り余裕を推定することができる。このため、簡便かつ正確に滑り余裕や摩擦係数を推定することができるという効果を奏する。また、測定対象物と弾性体との接触面の変形を画像情報として取得し解析するため、従来の圧力感知式の触覚センサに比べて、検出精度が高くなるという効果を奏する。
加えて、感知部の弾性体を測定対象物に接触させるわずかなスペースがあれば、計測可能であるため、摩擦係数が部分的に異なる物質や曲面等でも精度よく計測することができる。
さらに、本発明に係る触覚センサを用いることにより、高性能の摩擦検査装置やロボットハンド等の把持装置を提供することができる。
以上のように、本発明に係る触覚センサによれば、摩擦検査装置等の検査機器やロボットハンド等の把持装置、また搬送装置等にも利用可能であり、広範な産業上の利用可能性がある。

Claims (18)

  1. 測定対象物と接触する部位に弾性体を有する感知手段と、
    上記測定対象物と弾性体との接触面に対して、接線方向に外力が印加される前後において、上記接触面の状態を画像情報として取得する画像取得手段と、
    上記画像取得手段によって得られた画像情報に基づき、上記接触面の変形情報を解析する変形解析手段と、
    上記変形解析手段によって得られる接触面の変形情報、及び上記接触面に対して接線方向に印加される外力、並びに上記弾性体の物体定数に基づいて、上記測定対象物と弾性体との間の滑り余裕を推定する推定手段と、を備えることを特徴とする触覚センサ。
  2. 測定対象物と接触する部位に弾性体を有する感知手段と、
    上記測定対象物と弾性体との接触面に対して接線方向に外力が印加される前における、上記接触面の中心位置が常に所定の位置に来るように設定されており、かつ、上記設定された状態にて、上記接触面に対して接線方向に外力が印加された後の、上記接触面の状態を画像情報として取得する画像取得手段と、
    上記画像取得手段によって得られた画像情報に基づき、上記接触面の変形情報を解析する変形解析手段と、
    上記変形解析手段によって得られる接触面の変形情報、及び上記接触面に対して接線方向に印加される外力、並びに上記弾性体の物体定数に基づいて、上記測定対象物と弾性体との間の滑り余裕を推定する推定手段と、を備えることを特徴とする触覚センサ。
  3. さらに、上記接触面に対して、接線方向に印加される外力を検出する外力検出手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の触覚センサ。
  4. 上記弾性体は、測定対象物と円周部分で接触する略半球状であり、
    上記変形解析手段は、
    上記画像取得手段によって得られた画像情報に基づき、上記接触面の半径を算出する半径算出部と、
    上記画像取得手段によって得られた画像情報に基づき、上記接触面に対して、
    接線方向に外力が加わる場合に生じる、上記接触面の相対変位を算出する相対変位算出部と、を備えており、
    上記推定手段は、上記変形解析手段によって得られる接触面の半径、相対変位、及び上記外力検出手段によって検出される外力、並びに上記弾性体の物体定数から、ヘルツ接触を仮定した計算式を用いて、滑り余裕を推定するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の触覚センサ。
  5. 上記弾性体の表面には、上記画像取得手段が、上記接触面に対して接線方向に外力が印加される前の状態における上記接触面の中心位置を明確に認識できる特徴図形が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の触覚センサ。
  6. 上記弾性体は透明であり、
    上記画像取得手段は、上記弾性体における、測定対象物と接触する側の面の裏側に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の触覚センサ。
  7. さらに、上記推定手段によって推定された滑り余裕に基づき、上記測定対象物と弾性体との間の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の触覚センサ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の触覚センサを備えることを特徴とする摩擦検査装置。
  9. 上記触覚センサにおける弾性体が検査対象物と接触できるように、上記触覚センサが筒状筐体に搭載されていることを特徴とする請求項8に記載の摩擦検査装置。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の触覚センサを備えることを特徴とする把持装置。
  11. 上記把持装置は、
    上記搭載した触覚センサの弾性体と把持対象物とが接触して、当該把持対象物を把持する際に、上記触覚センサの弾性体と上記把持対象物との接触面における滑り余裕が減少する場合は把持力を増強し、また上記触覚センサの弾性体と上記把持対象物との接触面における滑り余裕が増加する場合は把持力を低減させて、所定の滑り余裕を保つように把持力を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項10に記載の把持装置。
  12. 上記把持装置がロボットハンドであることを特徴とする請求項10又は11に記載の把持装置。
  13. 測定対象物に対して弾性体を接触させる接触工程と、
    上記接触工程における、上記測定対象物と弾性体との接触面の状態を画像情報として取得する第1の画像取得工程と、
    上記接触面に対して、接線方向に外力を加える外力印加工程と、
    上記外力印加工程によって印加された外力によって、上記接触面に生じる変形の状態を画像情報として取得する第2の画像取得工程と、
    上記第1の画像取得工程及び第2の画像取得工程によって得られた画像情報に基づき、上記接触面の変形情報を解析する変形解析工程と、
    上記変形解析工程によって得られる接触面の変形情報、及び上記外力印加工程にて印加した外力、並びに上記弾性体の物体定数に基づいて、上記測定対象物と弾性体との間の滑り余裕を推定する推定工程と、を含むことを特徴とする滑り余裕計測方法。
  14. 上記弾性体は、測定対象物と円周部分で接触する略半球状であり、
    上記変形解析工程は、
    上記第1及び/又は第2の画像取得工程によって得られた画像情報に基づき、上記測定対象物と弾性体との接触面の半径を算出する半径算出工程と、
    上記第1及び/又は第2の画像取得工程によって得られた画像情報に基づき、上記弾性体に、上記測定対象物と弾性体との接触面の接線方向に力が加わる場合に、測定対象物と弾性体との接触面の相対変位を算出する相対変位算出工程と、を含んでおり、
    上記推定工程は、上記変形解析工程によって得られる接触面の半径、相対変位、及び上記外力印加工程にて印加した外力、並びに上記弾性体の物体定数から、ヘルツ接触を仮定した計算式を用いて、滑り余裕を推定する工程であることを特徴とする請求項13に記載の滑り余裕計測方法。
  15. 測定対象物に対して弾性体を接触させる接触工程と、
    上記接触面に対して、接線方向に外力を加える外力印加工程と、
    上記外力印加工程によって印加された外力によって、上記接触面に生じる変形の状態を画像情報として取得する画像取得工程と、
    上記画像取得工程によって得られた画像情報に基づき、上記接触面の変形情報を解析する変形解析工程と、
    上記変形解析工程によって得られる接触面の変形情報、及び上記外力印加工程にて印加した外力、並びに上記弾性体の物体定数に基づいて、上記測定対象物と弾性体との間の滑り余裕を推定する推定工程と、を含み、
    上記画像取得工程は、上記測定対象物と弾性体との接触面に対して接線方向に外力が印加される前における、上記接触面の中心位置が常に所定の位置に来るように設定されており、かつ、上記設定された状態にて、上記接触面に対して接線方向に外力が印加された後の、上記接触面の状態を画像情報として取得する画像取得手段を用いるものであることを特徴とする滑り余裕計測方法。
  16. 上記弾性体は、測定対象物と円周部分で接触する略半球状であり、
    上記変形解析工程は、
    上記画像取得工程によって得られた画像情報に基づき、上記測定対象物と弾性体との接触面の半径を算出する半径算出工程と、
    上記画像取得工程によって得られた画像情報と、予め設定された、上記外力が印加される前における上記接触面の中心位置の座標情報とに基づき、上記弾性体に、上記測定対象物と弾性体との接触面の接線方向に力が加わる場合に、測定対象物と弾性体との接触面の相対変位を算出する相対変位算出工程と、を含んでおり、
    上記推定工程は、上記変形解析工程によって得られる接触面の半径、相対変位、及び上記外力印加工程にて印加した外力、並びに上記弾性体の物体定数から、ヘルツ接触を仮定した計算式を用いて、滑り余裕を推定する工程であることを特徴とする請求項15に記載の滑り余裕計測方法。
  17. さらに、上記外力印加工程にて印加した外力を検出する外力検出工程を含み、
    上記推定工程では、上記外力印加工程にて印加した外力として、上記外力検出工程により検出される外力を用いることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載の滑り余裕計測方法。
  18. 上記弾性体は透明であり、
    上記画像取得工程は、上記弾性体における、測定対象物と接触する側の面の裏面側に設けられている画像取得手段を用いて、画像情報を取得する工程であることを特徴とする請求項13〜17のいずれか1項に記載の滑り余裕計測方法。
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