JP5003970B2 - 接触面積測定装置および接触面積測定方法 - Google Patents

接触面積測定装置および接触面積測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、新規な接触面積測定装置に関する。また、本発明は、新規な接触面積測定方法に関する。
本発明は、具体的には、接触している2面間の接触部を可視化し、その可視化画像より真実接触部を抽出する際に、2値化しきい値を要求することなく画像の輝度ヒストグラムのみに基づき統計的に抽出する新規な装置および方法に関するものである。
従来、コントラスト法や全反射法で接触部の可視化画像を取得し、この取得画像を輝度のしきい値を用いて2値化し真実接触部を抽出することが一般的であった。真実接触部の可視化にコントラスト法を用いる場合、対象とする材質が限定され、また真実接触領域の抽出精度が劣っていた。全反射法では、プリズムを使用し斜め方向からの観察となり、画像の縦横比(アスペクト比)が1でなく、また焦点部がぼけるという欠点があった。このような方法で取得した画像に対し、従来の抽出方法では、(1)目視によって元画像との比較により抽出すべき画像の2値化を行うので、しきい値の設定、したがって抽出結果に人的差違が生じ、また長時間を要するという問題があった、(2)画像解析の分野では、このしきい値決定に対し大津法と呼ばれる方法が比較的良く利用されているが、これは一般的画像を対象とし背景より対象物を抽出するためのものであった。その抽出原理は、輝度値ヒストグラムのピーク同士の谷間にそのしきい値が存在するという特徴を利用したもので、本課題に直接適用できる明確な理由が存在せず、適用不可もしくは不正確であった。
図14は、輝度値ヒストグラムと2値化しきい値の関係を示すものである。左の山が真実接触部とその近傍部の領域のヒストグラムを表す。従来は、あるしきい値以下の領域を真実接触部として抽出するので、そのしきい値の合理的な決定が困難であった。
一方、特許公報「真実接触部の検出装置」においては、白色偏光干渉法を採用し、正面から見た接触部画像を取得でき、すきまと輝度値の関係について理論的・実験的に正確に真実接触部を可視化できた(特許文献1参照)。これによる取得画像に対し特許文献1に示すRGB-AND法によって、厳密なしきい値を必要としない方法で真実接触部の抽出が可能であった。つまり、RGB3色の干渉画像の輝度を同時に評価して、真実接触部が無彩色、つまりRGBが同時に同一輝度となる各領域を概略的(大まか)なしきい値で抽出し、それらの各領域の論理積(AND)によって最終的に真実接触部を求めるものであった。すなわち、図15に示すように、2光束干渉による場合、真実接触部(ゼロ次の干渉縞)は無彩色となるためにRGB各色の輝度は同一の値となる。このことを利用して、概略的なしきい値による2値化したRGB3色の画像間の論理積(AND)演算を行って真実接触面積が抽出できる。
特許第3718837号公報
しかしながら、この方法もRGB3要素の輝度を必要とし概略的ではあるがしきい値を必要とすること、そのしきい値次第で結果が変化しやすい、という問題点があった。さらに、これらの厳密・概略的なしきい値の介在は、測定時の照明や対象物体材質、カメラの特性の影響によって、それらの組合せ毎に校正作業を必要としていた、という問題点もあった。
そのため、このような課題を解決する、新規な接触面積測定装置および接触面積測定方法の開発が望まれている。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、新規な接触面積測定装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、新規な接触面積測定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の接触面積測定装置は、試料に接する光透過性基板と、前記試料とは反対側から、前記光透過性基板に白色光を照射する照射手段と、前記試料からの反射光と前記光透過性基板からの反射光とから生じる干渉画像を取得する干渉画像取得手段と、前記干渉画像の輝度値情報から輝度値ヒストグラムを作成する輝度値ヒストグラム作成手段と、前記輝度値ヒストグラムから接触面積を算出する接触面積演算手段を有し、前記接触面積演算手段は、輝度値ヒストグラムを複合正規分布最適化近似により複数の正規分布に分離し、そのうち最も低輝度側の正規分布のみから接触面積を算出する
ここで、限定されるわけではないが、干渉画像取得手段は、干渉画像と前記干渉画像の輝度値情報を取得することが好ましい。また、限定されるわけではないが、輝度値ヒストグラム作成手段は、干渉画像の輝度値情報をRGB輝度値情報に分離し、G輝度値ヒストグラムを作成することが好ましい。
本発明の接触面積測定方法は、試料に光透過性基板を接触させ、前記試料とは反対側から、前記光透過性基板に白色光を照射し、前記試料からの反射光と前記光透過性基板からの反射光とから生じる干渉画像を取得し、前記干渉画像の輝度値情報から輝度値ヒストグラムを作成し、前記輝度値ヒストグラムから接触面積を算出し、接触面積の演算は、輝度値ヒストグラムを複合正規分布最適化近似により複数の正規分布に分離し、そのうち最も低輝度側の正規分布のみから接触面積を算出する
ここで、限定されるわけではないが、干渉画像の取得は、干渉画像と前記干渉画像の輝度値情報を取得することが好ましい。また、限定されるわけではないが、輝度値ヒストグラムの作成は、干渉画像の輝度値情報をRGB輝度値情報に分離し、G輝度値ヒストグラムを作成することが好ましい。
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
本発明の接触面積測定装置は、試料に接する光透過性基板と、前記試料とは反対側から、前記光透過性基板に白色光を照射する照射手段と、前記試料からの反射光と前記光透過性基板からの反射光とから生じる干渉画像を取得する干渉画像取得手段と、前記干渉画像の輝度値情報から輝度値ヒストグラムを作成する輝度値ヒストグラム作成手段と、前記輝度値ヒストグラムから接触面積を算出する接触面積演算手段を有し、前記接触面積演算手段は、輝度値ヒストグラムを複合正規分布最適化近似により複数の正規分布に分離し、そのうち最も低輝度側の正規分布のみから接触面積を算出するので、新規な接触面積測定装置を提供することができる。
本発明の接触面積測定方法は、試料に光透過性基板を接触させ、前記試料とは反対側から、前記光透過性基板に白色光を照射し、前記試料からの反射光と前記光透過性基板からの反射光とから生じる干渉画像を取得し、前記干渉画像の輝度値情報から輝度値ヒストグラムを作成し、前記輝度値ヒストグラムから接触面積を算出し、接触面積の演算は、輝度値ヒストグラムを複合正規分布最適化近似により複数の正規分布に分離し、そのうち最も低輝度側の正規分布のみから接触面積を算出するので、新規な接触面積測定方法を提供することができる。
以下、接触面積測定装置および接触面積測定方法にかかる発明を実施するための最良の形態について説明する。
接触面積測定装置は、試料に接する光透過性基板と、前記試料とは反対側から、前記光透過性基板に白色光を照射する照射手段と、前記試料からの反射光と前記光透過性基板からの反射光とから生じる干渉画像を取得する干渉画像取得手段と、前記干渉画像の輝度値情報から輝度値ヒストグラムを作成する輝度値ヒストグラム作成手段と、前記輝度値ヒストグラムから接触面積を算出する接触面積演算手段を有するものである。
接触面積測定方法は、試料に光透過性基板を接触させ、前記試料とは反対側から、前記光透過性基板に白色光を照射し、前記試料からの反射光と前記光透過性基板からの反射光とから生じる干渉画像を取得し、前記干渉画像の輝度値情報から輝度値ヒストグラムを作成し、前記輝度値ヒストグラムから接触面積を算出する方法である。
接触面積測定装置の干渉画像取得手段においては、干渉画像と前記干渉画像の輝度値情報を取得する。試料の材質・表面性状に依存しない白色偏光干渉法およびダイナミックレンジの広いカメラを使用して接触部の可視化画像の取得を行う。試料を光透過性基板に押し付けた際に界面に生じる微小なすきまを実体顕微鏡と白色偏光干渉法によって可視化して、その接触部周辺に生じる干渉縞画像をデジタルカメラにて取得する。このとき、白色光の持つ低可干渉性のために、真実接触部とは無関係な高次の暗部干渉縞の強度(輝度)が低下するので、真実接触部のみを取り出しやすい。
光透過性基板としては、ガラス、サファイヤ、またはポリカーボネイトなどを採用することができる。
接触面積測定装置の輝度値ヒストグラム作成手段においては、干渉画像の輝度値情報をRGB輝度値情報に分離し、G輝度値ヒストグラムを作成する。カラーデジタルカメラを使用する場合、画像処理ソフトによって、取得画像に対してRGB輝度値情報への分離を行い、その後、その内のG画像輝度値情報に対し輝度値ヒストグラム作成を行う。これは、G要素が最も感度が高いためである。
なお、G輝度値ヒストグラムばかりでなく、R輝度値ヒストグラムまたはB輝度値ヒストグラムを用いても、本発明の目的を達成することができる。
接触面積測定装置の接触面積演算手段においては、輝度値ヒストグラムを複合正規分布最適化近似により複数の正規分布に分離し、そのうち最も低輝度側の正規分布から接触面積を算出する。一般的な粗面平面接触における真実接触部干渉画像のG輝度値ヒストグラムは、2つ以上の正規分布が重なり合った複合正規分布を示す。この分布を、ソフトウェアを用いて非線形最適化手法で複数の正規分布に分離し、その内の最も低輝度側の正規分布に最も良くフィッティングする正規分布を求める。この正規分布で囲まれる領域(画素数)が真実接触部に相当する。
接触面積測定装置および接触面積測定方法は、つぎの技術分野に適用することができる。ブレーキやクラッチなどの摩擦材の材料開発や性能評価、およびタイヤ・靴底等の接触・摩擦保持改善に直接関わる試作・技術開発データを必要とする分野である。また、コピー機に代表される事務機などの摩擦を利用した紙搬送システムやフリクションドライブ、超音波モータなどの摩擦駆動システムの信頼性・機能改善・性能向上に関わるデータを必要とする分野である。
接触面積測定装置および接触面積測定方法について、具体的な例を説明する。
本例で用いた実験装置について、構成部を説明する。
本例では、白色偏光干渉法を用いて真実接触部の可視化を行う。白色干渉法を用いた測定システムについて説明する。
図1に実体顕微鏡をベースとした真実接触面積測定システムを示す。この測定システムは、本体である標準的な実体顕微鏡と同軸光ファイバ照明装置から構成されている。測定原理は以下のとおりである。
ハロゲンランプ1からの白色光は、光ファイバからなるライトガイド2によって偏光子3に導入される。その光は直線偏光となってビームスプリッタ8に入射する。ここで光は2分される。一方の光は試料7を照射する方向に向かう。もう一方の光は検光子9の方向に向かう。検光子9は偏光子3に対して位相を角度90°ずらしてあるため、光は検光子9を通過することが出来ない。試料7に向かう光は、レンズ4を通過した後、1/4波長板5によって円偏光に変換される。ガラス板6下面で一部は反射し、また、もう一方の光も試料7面で反射する。これらのガラス板6下面および試料7面での反射光がガラス板下面で干渉を生じる。その干渉光は1/4波長板5で直線偏光に戻され、ビームスプリッタ8を通過して、検光子9に入射する。この干渉光は、先の偏光子3を出た白色光に対し位相が角度90°ずれているために検光子9を通過できる。こうして、干渉光はレンズ10を通過した後、カラーイメージセンサー11によって検出され、比較的コントラストのある画像が得られる。 本装置ではカラーイメージセンサー11として、デジタルカメラ(Nikon CoolPix4500、あるいはVictor KY-F550)を使用した。
画像処理部について説明する。取得した画像の解析にソフトウェアを使用した。
本例では、真実接触部の解析を、干渉画像の輝度ヒストグラムに着目して行う。取得した画像から、輝度ヒストグラムを作成するにはソフトウェアMATLABを使用した。画像(640×480,720×480)は、RGB(赤緑青)の3要素の輝度データを各8ビット(256階調)ずつ所有している。各要素の画素数をカウントし、輝度ヒストグラムを作成する。
ソフトウェアOriginでは、グラフ解析機能を使用し、ソフトウェアMATLABを用いて得られたヒストグラムの解析を行った。後に述べる正規分布フィッティングは、ソフトウェアOriginを使用したマルカート法による最適化処理を用いた。
試験片について説明する。本例では接触する二平面の真実接触部を、平面と球体との間に生じる点接触で簡易化して実現している。簡易化を行うことによりつぎの利点が挙げられる。すなわち、接触部を明確に限定して可視化でき、また試験片の物性値と形状から、ヘルツの接触理論の援用が可能となり、また基礎実験としての実験装置の信頼性を確かめることができる。
上部試験片について説明する。上部試験片には平面で且つ透明体である必要があるため、ガラス板を用いた。材質は合成石英である。外径はφ30mm、厚さは3.0mm、面精度は20nm、ヤング率は72 GPa、ポアソン比は0.16である。
下部試験片について説明する。本例では、平滑レンズ、粗面レンズを用いた。PMMA(ポリメタクリル酸メチル)製光学レンズは、表面形状精度に優れており、ヘルツ理論との比較が可能である。また、実際的表面を模擬するために粗面化した同レンズも補助的に用いて、画像解析時における差異を調べた。粗面化は、1500#エメリー紙上でレンズを転がし、その凹凸を転写させた。平滑レンズおよび粗面レンズともに、外形は10.0mm、曲率半径は23.0mm、ヤング率は3.3 GPa、ポアソン比は0.32である。
接触面積測定装置には、ガラス板と試験片の間に垂直力を負荷する垂直力負荷機構が設置されている。
取得画像の前処理について説明する。撮影した画像の輝度情報には、光干渉による接触面とその近傍の情報とともに、照明照度の不均一さやガラス面のキズなど、接触面の解析には必要でない情報も含まれている。
そこで、画像解析の前処理として照明照度の不均一さを補正する「背景補正処理」を行った。下部試験片を鉛直下向きに変位させ、ガラス板と下部試験片を接触させずに、30〜40μm程度の空間をつくる。この距離は干渉縞が生じない十分離れた距離であり、これによりガラス下面からの反射光のみを捉えた画像を得ることができる。つぎに、同倍率にて撮影した真実接触部の画像を作成する。この2枚の画像の輝度を、それぞれのピクセル毎に差を取ることにより、照度の不均一さを相殺する。また、以上の演算によって輝度の値を負にしないために、輝度125を加算し、その結果撮影画像の背景部分の最頻値が輝度約125となるようにした。この背景補正処理により、照度の不均一さが解消された。
なお、本例では低可干渉性を有する白色光干渉を用いているが、輝度解析のためには単一要素の輝度を用いる。上記演算の例では、G要素を代表して行ったが、RGB各要素内のどの要素が解析に適当であるか検討を行った。 R、G、B要素それぞれについて背景補正を施した後、輝度ヒストグラムを作成した結果、G要素が他に比べ、分布幅が狭く最も高感度である。したがって、以後、G要素の輝度を用いて解析を行った。
輝度及びその分布とすきまの関係について説明する。2光束干渉の場合の干渉光強度Iは、図2の式で近似でき、干渉光強度(輝度)とすきまの関係が得られる。図2の曲線グラフは、低可干渉性を持つ白色光(G要素)の2光束干渉理論による輝度とすきまの関係を示すものである。真実接触部はすきまがゼロの部分に相当するので、その部分の光強度(輝度、この例では100)の領域を抽出すれば真実接触部を求めることができる。
図2に示した光干渉強度の理論曲線(輝度−すきま)において、すきまゼロとなる輝度の期待値は100であるが、実際の測定では図3に示すように真実接触(ヘルツ接触)領域の光強度ヒストグラムには分布幅が生じる。この理由として(1)CCDでノイズが発生し、それは一般的に正規分布すること、(2)CCD前面に設置されている(RGB)カラーフィルターによって、代表波長選択の帯域幅が存在することが考えられる。
干渉縞輝度ヒストグラムに及ぼすカメラのISO 感度の影響について説明する。図3に同一接触条件(平滑レンズ)の下において、カメラのISO感度のみを変化し、取得した干渉画像の輝度ヒストグラムの一例を示す。図中の凡例は設定したISO感度値と適正な露出を得るシャッタースピードである。絞り値は一定とした。輝度の分布は、低ISO感度ほど狭く急峻となっていることがわかる。これは、高感度に設定すると、CCDで発生するノイズが多くなるためと考えられる。このように、輝度の分布幅はカメラのISO感度によって変化するので、真実接触部を抽出するための2値化のしきい値が変化することになる。
図4〜6は同一形状・同一材質の試料であるが、その表面が平滑面と粗面の場合のヒストグラムの例である。図4に平滑面レンズの場合の、輝度ヒストグラム示す。そのときの撮影画像を図4の写真に示す。接触部を示す低輝度側の分布をみると、荷重の増大と共にピーク値の輝度はほぼ変わらないが、分布のピーク度数値および積分値が増加している。明らかに輝度ヒストグラムは真実接触面積の変化を反映している。平滑面では明確に真実接触部(左側)と背景部(右側)からなる独立した2つの山の分布となり、真実接触部を分離しやすく正確にその部分の面積を抽出できる。
粗面のヒストグラムを図5に、撮影画像を図5の写真に示す。この場合にも平滑レンズと同様に、荷重の増大とともに、低輝度側の分布が増大していることが分かる。また、ピークより高輝度側の画素数が増加したため、ピークを中心とした対称性は見られない。粗面では2つの山が重なり、しかも左側の真実接触部の分布幅が広く、従来のしきい値による方法では、このしきい値を決めることが難しい。したがって、真実接触部(左側の山)と背景部(右側の山)を示す2つの山の分離および真実接触面積を抽出することが難しくなる。
図6は、平滑及び粗面ヒストグラムの接触部分拡大図を示すものである。表面性状の違いにより、輝度ヒストグラムの形に大きな違いが生じることがわかる。
図7は、図5に示した同一の粗面レンズをダイナミックレンジの広いカメラで撮影した結果である。図5のダイナミックレンジが狭いカメラを使用した場合,ピーク間の輝度値幅は16(=125-109)である。一方,図7のダイナミックレンジが広いカメラを使用した場合では58(=116-58)であり,同じ光強度差を持つ物体に対して約3倍以上も詳細にその差を記録できている。ダイナミックレンジの違いにより、輝度ヒストグラムの形に違いが生じる。このダイナミックレンジが広い場合、粗面の場合にも2つの山がほぼ独立し、真実接触部がより分離しやすくなっている。しかし、このように、面の性状やカメラの性能によって、従来のしきい値による方法では、しきい値がカメラ(CCD)や接触条件によって異なり、その都度、最適なしきい値を推定する必要がある。
そこで、もし諸条件の違いがあっても、真実接触部が特有の輝度ヒストグラム分布パターンを示せば、しきい値や輝度値の大小、カメラの特性(ダイナミックレンジ)に無関係に真実接触部を抽出できる。ここでは、正規分布による解析を提案する。一般的な曲線適合法を基本とした合成的分離法を適用した。すなわち、輝度ヒストグラムが複数の分布の重ね合わせであるとして、ヒストグラムの曲線フィッティングを行った。解析にはグラフ解析ソフトのOriginを用いた。ここでは、輝度ヒストグラムが複数の正規分布の重ね合わせから成ると仮定した。複数の正規分布のうち、最も低輝度側の正規分布を領域Iとした。領域Iは実験値の最頻値付近にピークを持ち、最頻値より低輝度側の実験値と良く合うように決めた。
図8は平滑レンズ面を利用した理想的なヘルツ接触状態での輝度ヒストグラム分布を示す。輝度値のヒストグラムの低輝度側の第1山に対し、複合正規分布を仮定してフィッティングしたものである。その結果求めた正規分布Iは低輝度側の左半分によくフィットし、その残差は非常に小さく高輝度側(右半分)の残差も小さく対称性がある。
図9は、正規分布のフィッティングを各荷重時において行い、得られた領域Iの総度数を実面積(mm2)へ換算したものである。また、参考としてヘルツの弾性接触理論による理論値も示した。図9をみると、領域Iの面積とヘルツ理論との値が、実験した荷重の範囲内すべてにおいて、高い一致を示していることがわかる。したがって、領域Iの大きさを真実接触部とみなすことができると考えられる。また、 ISO感度およびRGB要素の影響はない。
従来、真実接触部を抽出する際には、2値化しきい値をどのように決定するかといった問題があった。しかし、本真実接触部測定法では、2値化しきい値を要求することなく画像の輝度ヒストグラムのみに基づき、統計的に測定が可能である。
図10に示す粗面の場合も、同様に複合正規分布性が認められ、正規分布Iは低輝度側の第1山の低輝度側の左半分によくフィットし、残差も小さい。高輝度側(右半分)の残差は大きく平滑面の場合とは異なり非対称となっている。
図11は正規分布Iの領域を真実接触部と考え、全荷重域で抽出した結果である。粗面の場合、真実接触面積の理論的な見積もりはできないが、べき関数に回帰できることがわかる。
図12は、図7と同一の図であるが、ダイナミックレンジの広いカメラを使用した粗面の場合の結果を示している。背景中心との分離幅が約58輝度値あり、第1山と第2山との分離が容易になっている。さらに、図13に示すように第1山に対する複合正規分布へのフィッティングにおいて、第1山の低輝度側(左半分)への適合性が高く急峻となっている。一方、高輝度側(右半分)における分布が階段状の広い分布になっていることが読み取れる。このように、ダイナミックレンジの広いカメラの使用は、本発明において重要な正規分布へのフィッティング作業をより正確にするので有効である。
以上のことから、本発明により、従来の方法に比べて次のような効果を発揮する。
(1)低可干渉画像の輝度ヒストグラムを取得して、その最も低輝度側に位置する分布に対 して正規分布へのフィッティングを行い、正規分布する領域を真実接触部と見なして抽出するので、2値化のための輝度しきい値を決める必要がない。
(2)カメラや撮影条件が変化しても接触面全体の統計的情報(干渉画像輝度ヒストグラム の分布形状)に基づいて解析するので、照明の不均一性や傷・ホコリなどの局所的な変動に対するロバステ性がある。
(3)ダイナミックレンジの広いカメラを使用するほど、真実接触部の抽出精度の向上を図 れる。従来のしきい値法では、真実接触部近傍のわずかなすきまを持つ部分の評価をどうするかの問題が常に付随する。
(4)白色偏光干渉の採用によって、接触面の材種・表面性状(低反射率・粗面でも可能)を問わない。
なお、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
白色干渉法を用いた測定システムを示す図である。 輝度値とすきまの関係を示す図である。 輝度値ヒストグラムの分散に及ぼす、ISO感度の影響を示す図である。 撮影画像とヒストグラムの例を示す図である[PMMA平滑レンズ]。 撮影画像とヒストグラムの例を示す図である[PMMA粗面レンズ]。 平滑及び粗面ヒストグラムの接触部分拡大図を示すものである。 高ダイナミックレンジカメラを使用した場合を示す図である[粗面レンズ]。 正規分布Iへのフィッティングを示す図である[平滑レンズ]。 正規分布Iの面積とヘルツ理論値を示す図である。 ヒストグラム領域分けの例を示す図である[粗面レンズ、6.66Nのとき]。 正規分布Iの面積とヘルツ理論値を示す図である。 高ダイナミックレンジカメラを使用した場合を示す図である[粗面レンズ]。 ヒストグラム領域分けの例を示す図である[粗面レンズ]。 輝度値ヒストグラムと2値化しきい値の関係を示す図である。 RGB-AND法を示す図である。
符号の説明
1‥‥ハロゲンランプ、2‥‥ライトガイド、3‥‥偏光子、4‥‥レンズ、5‥‥1/4波長板、6‥‥ガラス板、7‥‥試料、8‥‥ビームスプリッタ、9‥‥検光子、10‥‥レンズ、11‥‥カラーイメージセンサー

Claims (8)

  1. 試料に接する光透過性基板と、
    前記試料とは反対側から、前記光透過性基板に白色光を照射する照射手段と、
    前記試料からの反射光と前記光透過性基板からの反射光とから生じる干渉画像を取得する干渉画像取得手段と、
    前記干渉画像の輝度値情報から輝度値ヒストグラムを作成する輝度値ヒストグラム作成手段と、
    前記輝度値ヒストグラムから接触面積を算出する接触面積演算手段を有し、
    前記接触面積演算手段は、輝度値ヒストグラムを複合正規分布最適化近似により複数の正規分布に分離し、そのうち最も低輝度側の正規分布のみから接触面積を算出する
    接触面積測定装置。
  2. 干渉画像取得手段は、干渉画像と前記干渉画像の輝度値情報を取得する
    請求項1記載の接触面積測定装置。
  3. 輝度値ヒストグラム作成手段は、干渉画像の輝度値情報をRGB輝度値情報に分離し、G輝度値ヒストグラムを作成する
    請求項1記載の接触面積測定装置。
  4. 干渉画像取得手段は、干渉画像と前記干渉画像の輝度値情報を取得し、
    輝度値ヒストグラム作成手段は、前記干渉画像の輝度値情報をRGB輝度値情報に分離し、G輝度値ヒストグラムを作成し、
    接触面積演算手段は、前記G輝度値ヒストグラムを複合正規分布最適化近似により複数の正規分布に分離し、そのうち最も低輝度側の正規分布のみから接触面積を算出する
    請求項1記載の接触面積測定装置。
  5. 試料に光透過性基板を接触させ、
    前記試料とは反対側から、前記光透過性基板に白色光を照射し、
    前記試料からの反射光と前記光透過性基板からの反射光とから生じる干渉画像を取得し、
    前記干渉画像の輝度値情報から輝度値ヒストグラムを作成し、
    前記輝度値ヒストグラムから接触面積を算出し、
    接触面積の演算は、輝度値ヒストグラムを複合正規分布最適化近似により複数の正規分布に分離し、そのうち最も低輝度側の正規分布のみから接触面積を算出する
    接触面積測定方法。
  6. 干渉画像の取得は、干渉画像と前記干渉画像の輝度値情報を取得する
    請求項記載の接触面積測定方法。
  7. 輝度値ヒストグラムの作成は、干渉画像の輝度値情報をRGB輝度値情報に分離し、G輝度値ヒストグラムを作成する
    請求項記載の接触面積測定方法。
  8. 干渉画像の取得は、干渉画像と前記干渉画像の輝度値情報を取得し、
    輝度値ヒストグラムの作成は、前記干渉画像の輝度値情報をRGB輝度値情報に分離し、G輝度値ヒストグラムを作成し、
    接触面積の演算は、前記G輝度値ヒストグラムを複合正規分布最適化近似により複数の正規分布に分離し、そのうち最も低輝度側の正規分布のみから接触面積を算出する
    請求項記載の接触面積測定方法。
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