JP2006145386A - ホログラムの撮像方法および欠陥判別方法ならびに欠陥判別装置 - Google Patents

ホログラムの撮像方法および欠陥判別方法ならびに欠陥判別装置 Download PDF

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Abstract

【課題】任意の品種のホログラムの欠陥検出に汎用的に利用することができ、かつ欠陥を精度良く安定して検出する。
【解決手段】本発明のホログラム欠陥判別装置は、ライトガイド2を介して光源1から発せられた光を平行光にして、この平行光を、ホログラム5の面に対して任意の入射角度φで照射する平行光学系4と、この平行光がホログラム5の面で反射してなる反射光のうち、投影された進行方向が、平行光の投影された進行方向と同一であって、かつホログラム5の面に対する法線ONを中心として入射角度φと対称になるような反射角度φで反射する反射光成分を抽出するテレセントリックレンズ6及び絞り部7と、抽出された反射光成分を用いてホログラム5の面を撮像するカメラ9とを備える。そして、この撮像結果に画像処理を施し、その結果から、ホログラム5の欠陥の有無を判定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ホログラムを構成する回折格子自体の不良や傷等による欠陥の有無を判別したり、ホログラムの表面に付着したごみ等の有無を検出するために行うホログラムの撮像方法および欠陥判別方法ならびに欠陥判別装置に関するものである。
ホログラムは、印刷やカラーコピー機では再現できない立体画像を記録できるため、現在では金券やクレジットカード、IDカード、身分証明書、コンピュータならびにその関連製品、音楽、ゲームソフト、CD、DVD、ビデオ、書籍とあらゆるものを保障するために使われている。
係るホログラムの中で、特にレインボーホログラムはホログラムの光学的な干渉縞を凹凸で記録することにより薄いフィルムにエンボス加工する方法で大量複製が可能であり、かつ視認性の高い意匠性と偽造防止性とが世界的にも認められている。また、国内においても、紙幣に採用されることになり益々その需要と重要性が高まってくるものと予想される。
したがって、製造工程内および出荷前の欠陥検査には十分な注意が必要である。製造工程では、例えばスタンパにゴミ等の異物が付着した場合、異物が付いたままの状態でホログラムをエンボスすると異物付着部における回折格子の凹凸が潰れる、または異なる回折格子が形成されることとなる。したがって、マスタ品と異なる回折格子のある透明フィルムがアルミ蒸着された場合、出来上がった製品にも同様の傷や異物による欠陥が含まれることになる。
従来のホログラム検査装置は、回折光を捉えることで画像化を行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−239834号公報
このようなホログラムの従来技術による欠陥検査においては、ホログラムの品種に応じて光照射系と撮像系の角度を固定した検査装置が一般に用いられている。
通常、ホログラムは、回折光を見ることになるため、視点の位置により像の見え方が異なる。したがって、ただ単なる直接反射光や単一もしくは複数箇所の光源を用いた照明条件下では一度に全ての画像を撮像することはできないため、ホログラムの全てのテザインパターンを保証することはできない。また、ホログラムのデザインが変更された場合、デザインに応じて光照射系と撮像系とを調整しなければならず、手間と時間とを要するという欠点がある。更に、前述したようにホログラムのとる回折角度によっては、検査装置の構造上の都合から、回折光を取れず、部分的な検査しかできない場合もある。
このような事情のため、任意の品種のホログラムを自動検査することは到底現実的ではなく、ホログラムの品質は、一部あるいは大部分を目視チェックに頼らざるを得ないのが現状である。
このため、万が一表面に正しい回折格子が形成されず、欠陥のあるホログラムが製造されても、欠陥を見逃してしまう場合や、欠陥を検出できない場合がありうる。また、欠陥のあるホログラムが単発発生または連続して多数製造され、それを見逃してしまった場合には、ホログラム製造者は、利益だけでなく、信用や信頼を含めて大損害を被ることとなる。
そこで、任意の品種に対応するために、またホログラム絵柄に対し全ての方向から見た場合に欠陥があるかどうかの検査を保証するための撮像系が提案された。すなわち、ホログラムを撮像する場合に、あらゆる角度からの反射光を捉えるための照明方法を備えた撮像系である。このために、この撮像系では、ドーム型照明や円筒型照明が用いられる。
ただし、ドーム型照明では横幅サイズが非常に大きくなってしまうために、横幅方向に検査ホログラムフィルムが横幅を持っていて複数面付けとなっている場合、検査撮像ヘッド配列が数段千鳥となるが、撮像ヘッドが幅広であればあるほどヘッドが干渉するため千鳥段数を多くしなければならないという不都合が発生する。
一方、図5に示すような円筒型照明10は、このようなドーム型照明を改良し、横幅をコンパクト化するためのものであるが、ホログラム面Sの照射点Oに向かって照射する点Lと点Lとでは照射点Oまでの距離が高さによって異なる。光量は距離の2乗に反比例し減衰していくことは既知であるため、照射される角度によって光量が異なるという事態が起こる。すなわち、鉛直方向OPに対する回折角が小さくなればなるほど光源である円筒型照明10と、ワークであるホログラム面Sとの間の距離が遠くなるために光量が小さくなるという欠点を持つ。
したがって、この欠点を解決するためには、ワーク、すなわちホログラム面Sから照明が離れた位置になればなるほど光量を上げなければならないため、高さによって出力電圧を変えなければならないといった対応が必要となる。
また、ドーム型照明あるいは円筒型照明のいずれにおいても中心のみ均一照明であり、照明の左右における光の照射方向は異なる。このため、照明範囲において十分小さい領域での検査であれば問題ないが、特に多面同時撮像の場合では画像がラインカメラの場合左右で、エリアカメラの場合は上下斜めも含み、照射の方向によって光強度が異なるため画像が異なってしまう。これでは同じホログラムにも関わらず同じ品質を保証しているとは言い難い。また、ホログラムフィルムが検査ライン上において幅方向に振れた場合、同じホログラム内の同じ箇所に照射される光の量や角度が異なるため擬似欠陥の発生する確率が高くなるという問題もある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、任意の品種のホログラムの欠陥検出に汎用的に利用することができ、かつ欠陥を精度良く安定して検出することが可能なホログラムの欠陥判別方法および欠陥判別装置、ならびにこれらに適用されるホログラムの撮像方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
すなわち、請求項1の発明は、ホログラムの欠陥を検出するために、ホログラム面を撮像する方法であって、ホログラム面に対して任意の入射角度で平行光を照射し、照射された平行光がホログラム面で反射してなる反射光のうち、投影された進行方向が、平行光の投影された進行方向と同一であって、かつホログラム面に対する法線を中心として入射角度と対称になるような反射角度で反射する反射光成分を抽出し、抽出した反射光成分を用いてホログラム面を撮像する。
請求項2の発明は、ホログラムの欠陥を検出するために、ホログラム面を撮像する方法であって、ホログラム面に対して任意の入射角度で平行光を照射し、ホログラム面に照射された平行光がホログラムで回折して得られる回折光のうち、0次回折光のみを抽出し、抽出した0次回折光を用いてホログラム面を撮像する。
請求項3の発明は、請求項2の発明の方法において、ホログラム面に照射された平行光がホログラムで回折して得られる回折光から、物体側もしくは両側テレセントリックレンズを用いて0次回折光を抽出する。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のうち何れか1項の発明の方法で撮像された撮像結果に基づいてホログラムの欠陥の有無を判定するようにした欠陥判別方法である。
請求項5の発明は、ホログラムの欠陥の有無を判定する欠陥判別装置であって、被検体であるホログラムのホログラム面に対して任意の入射角度で平行光を照射する照射手段と、照射手段によって照射された平行光がホログラム面で反射してなる反射光のうち、投影された進行方向が、平行光の投影された進行方向と同一であって、かつホログラム面に対する法線を中心として入射角度と対称になるような反射角度で反射する反射光成分を抽出する第1の抽出手段と、抽出された反射光成分を用いてホログラム面を撮像する撮像手段と、撮像手段によって撮像された撮像結果に対して所定の画像処理を施し、その結果から、被検体であるホログラムの欠陥の有無を判定する判定手段とを備える。
請求項6の発明は、請求項5の発明の欠陥判別装置において、第1の抽出手段に代えて、ホログラム面に照射された平行光がホログラムで回折して得られる回折光のうち、0次回折光のみを抽出する第2の抽出手段を備える。
請求項7の発明は、請求項6の発明の欠陥判別装置において、第2の抽出手段は、ホログラム面に照射された平行光がホログラムで回折して得られる回折光から、物体側もしくは両側テレセントリックレンズを用いて0次回折光を抽出する。
本発明によれば、任意の品種のホログラムの欠陥検出に汎用的に利用することができ、かつ欠陥を精度良く安定して検出することが可能となる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
なお、以下の実施の形態の説明に用いる図中の符号は、図5と同一部分については同一符号を付して示すことにする。
まず、図1を用いて、ホログラムの回折原理の概略について説明する。図1に示すように、ホログラム面Sに対して、点Lより平行光を照射点Oに任意の入射角度φで照射したものとする。図1に示すNは、照射点Oにおけるホログラム面Sに対する法線方向であり、入射角度φは、点Lと照射点Oとを結んでなる直線LOと、法線ONとのなす角度である。
この場合、照射された光は照射点Oで回折し、その回折光は、法線ONを中心して、入射角度φと対称な角度を中心としてsin−1(mλ/d)の出射角度θで生じる。すなわち、出射角度は下記(1)式に示す通りとなる。
θ=sin−1(mλ/d) ・・・(1)式
ここで、mは回折次数であり、±1、±2、±3、・・・。λ=波長、d=回折格子ピッチである。言い換えると、回折光の投影された進行方向は、平行光の投影された進行方向と同一であって、かつホログラム面Sに対する法線ONを中心として入射角度φと対称になるような出射角度φを中心として回折する。
上記(1)式において、m=0の場合における回折光は、0次回折光に相当する。これは、正反射光にあたり、出射角度θは波長λが短いほど0次項よりの角度となる。また、波長λが大きくなると出射角度θも大きくなる。代表的なホログラムであるエンボスホログラムの場合は通常、空間周波数がおよそ500〜2500本/mmの範囲にあり、様々な回折格子ピッチdと方向性とを持つ回折格子と無地領域からなり、さらに回折格子上に異なる回折格子を有する場合もある。これによって、回折格子の並びの向きや回折格子ピッチd、光の入射角度φによって様々な模様や色を見ることができる。
図2は、本発明の実施の形態に係るホログラムの撮像方法および欠陥判別方法を適用したホログラム欠陥判別装置の一例を示す構成概念図である。この装置では、基本的にはホログラムはドラム上、パス上関係無く適用できる。
すなわち、同実施の形態に係るホログラムの撮像方法および欠陥判別方法を適用したホログラム欠陥判別装置は、光源1と、ライトガイド2と、NDフィルタ3と、平行光学系4と、テレセントリックレンズ6と、絞り部7と、受光素子8と、カメラ9とを備えてなる。
光源1は、ホログラム欠陥判別用の検査光を発する。光源としては、特に限定はないが、一般に低価格で赤色成分が多いハロゲンが好ましい。ライトガイド2は、光源1から発せされた検査光を、NDフィルタ3に導く。NDフィルタ3は、ライトガイド2によって導かれた検査光を、検査光を拡散させることなく減少させるものである。光量過多で安定な光を得たいときに用いるとよい。なお、NDフィルタ3は、必ずしも設ける必要は無く、省略することも可能である。
平行光学系4は、凹レンズやfθレンズ等を組み合わせてなり、NDフィルタ3によって安定かつ適切な光量に調節された検査光を、これらレンズにより平行光にする。そして、この平行光によって、被検体である例えばアルミ蒸着後エンボスホログラムのようなホログラム5が照射点Oを中心として照射されるようにする。ホログラム5の表面に対する検査光の入射角度φは任意でよい。
テレセントリックレンズ6としては、物体側テレセントリックレンズは必須であり、更に両側テレセントリックレンズを用いても良い。このようなテレセントリックレンズ6、特に物体側テレセントリックレンズは、検査光がホログラム5の表面で回折してなる0次回折光の進行方向、すなわち検査光に対する正反射光の進行方向に光軸Jを合わせており、検査光がホログラム5の表面で回折してなる回折光のうち、0次回折光のみが絞り部7の中心に設けられた穴を通過するように絞り部7に導く。したがって、0次回折光以外の光は、絞り部7の絞りによりカットされるようにしている。
絞り部7を通過した0次回折光は、受光素子8に導かれるようにしている。物体側テレセントリックレンズのみならず、両側テレセントリックレンズを用いた場合には、両側テレセントリックレンズが、絞り部7を通過した0次回折光を、平行光にして受光素子8に導く。
物体側テレセントリックレンズは、両側テレセントリックレンズより比較的レンズ枚数も少なく形状をコンパクトにすることができる。両側テレセントリックレンズは、物体側テレセントリックレンズと同様に光軸Jに対して平行な光のみを通すが、物体側テレセントリックレンズに比べて、カメラ9の受光素子8の取り付け精度、カメラ9に対するレンズそのものの取り付けのばらつきが減少するために精度が向上する。
受光素子8は、テレセントリックレンズ6の光軸J、すなわち0次回折光の進行方向に対して直交する面上に配置されるようにしている。これによって、受光素子8は、絞り部7を通過した0次回折光を効率良く受光する。
より詳細には、回折格子ピッチdにより出射角度θは異なり、それによってテレセントリックレンズ6に入射する光の角度は、照射点Oとの距離に依存するが、テレセントリックレンズ6との距離が遠いほど直線に近づき、0次回折光をより捉えることができるようになり、輝度に差が現れるようになる。例えば、テレセントリックレンズ6の口径をD、テレセントリックレンズ6と照射点Oとの距離をkとすると、照射点Oの捉えられる角度は、テレセントリックレンズ6の光軸Jを中心として、±tan−1(d/2k)であり、この範囲以外の角度を持つ回折光は排除される。すなわち回折格子ピッチdにより正反射光に対し回折光が排除された分だけ輝度が低下するため、無地領域と回折格子領域との判別だけでなく、回折格子領域においてもコントラストのある画像を得る。
そして、このようにして受光した0次回折光を、カメラ9が撮像する。このようにしてカメラ9で撮像した画像は、0次回折光から成り立っている、つまり、正反射光軸に対して角度を持つm次(m≠0)項の回折光を排除しているために、コントラストのある画像となる。
図3は、光を照射したときの回折格子の有無、欠陥領域で生じる光強度を表しており、枠点線領域が照射光に対し損失無しの場合に反射する光量であり、縦軸に輝度をとると、エネルギー損失無しの場合は図中縦軸に示すmaxのライン上に位置することとなる。図中に示すAの無地領域では、入射した照射光に対してほぼ100%の光が正反射する。一方、図中に示すBの回折格子を有する領域では、反射する光は、回折によりテレセントリックレンズ6の光軸Jに対して角度を有するため、光は光軸J以外にも分散される。したがって、0次回折光以外である点線枠外の光を取り除くことで、輝度値は、無地領域Aの場合よりも低下する。さらに、図中に示すCの欠陥領域では、例えば異物を有することによって、反射光は四方八方に拡散してしまうため、そのうちの正反射光成分は非常に小さくなり、得られる輝度もほぼ0となってしまう。
したがって、図2に示すような本発明の実施の形態に係るホログラム欠陥判別装置を用いることによって、回折格子の有無(図3中に示すBとA)や、欠陥領域(図3中に示すC)においてそれぞれ異なる輝度が得られ、ホログラム5の表面を撮像するとコントラストの高い画像が得られることとなる。
この高コントラストな画像に対して一連の画像処理を施すことにより、容易に欠陥の判別、検出をすることができる。例えば、無地領域、回折格子領域、回折格子でもピッチが細かい領域や回折格子上に回折格子が重なっている領域、ゴミ、傷、異物、ピンホール抜けなどが簡単に判別できるようになる。これにより、前述した擬似欠陥の発生する確率が高くなる問題や、その対策であるマスク画像の生成、マスク領域内、および同領域に掛かる欠陥の流出といった欠点が無くなる。
さらにフィルタリングによりノイズ除去をし、回折格子領域の中で最低輝度を示す輝度値を欠陥の有無の判断となる閾値(例えば図3を参照)とするならば、閾値を超えなかった領域が、検出したいゴミや傷であり、面積等のサイズによる判定閾値を設けることにより簡単に所望のサイズの欠陥を検出できるようになる。
以下に、具体的な欠陥検出方法について述べる。
前述したように、ホログラム5の表面を撮像するにあたり、無地領域や、回折格子領域、あるいは回折格子内の別な回折格子を有する領域、さらには欠陥領域では、輝度の異なる画像が得られる。
図4は、ホログラム5のある波長λに対し開口の大きさaを変えたとき、すなわちホログラム5の空間周波数が異なるときの波動の回折による広がり角の変化を概念的に示す図である。図4に示すように、波長λに対する開口の大きさaを、図4(a)、図4(b)、図4(c)に行くに従って徐々に小さくしていった場合、図4(a)に示すように波長λに対し開口の大きさaが十分大きい場合(a>>λ)では直進性が強いが、開口の大きさaを小さくして行くにつれて図4(b)、図4(c)に示すように、広がり角が段々大きくなる。したがって、同じ回折格子を含む領域において、ホログラムの空間周波数が小さくなる、すなわち回折格子ピッチdが十分大きくなると、図4(a)に示すような傾向に、空間周波数が大きくなり回折格子ピッチdが十分小さくなると、図4(c)に示すような傾向をとるようになる。
回折格子の広がり角が大きくなると、図3中のB(回折格子)に示すように、反射する全体光量(図3中のBに示す縦線領域の面積)は変わらないが、輝度は全体的に小さくなり、その分横幅方向に回折角が広がることになる。したがって、上述したように0次回折光のみを抽出することで、ホログラム5の空間周波数によって輝度差が得られるようになる。つまり、回折格子ピッチdが大きくなるほど、図4(a)に示すような並進性の傾向が強くなるために、0次回折光の方向の光強度は、図4(b)や図4(c)の場合に比べて大きくなり、抽出される光成分も大きくなり、輝度値が大きくなる。逆に、回折格子ピッチdが小さくなるほど、図4(c)のように回折角が広がる傾向になり、抽出される光成分も小さくなり、輝度値も小さくなる。
具体的には、エンボスホログラム回折格子の空間周波数は500〜2500本/mmであるため、回折格子ピツチdは400〜2000nm(500本/mmのとき2000nm、2500本/mmのとき400nm)となり、単純に開口の大きさaを半分とすると、開口の大きさaのとる範囲は200〜1000nmとなる。可視光は380〜780nmであるので、照射光の代表値として500nmについて考える。
開口の大きさa=1000nmの場合、波長λ=500nmよりも十分大きいために、図4(a)に示すような直進性を示す光強度が大きくなり、得られる画像も高輝度となる。開口の大きさa=500nmの場合、波長λ=500nmと等しいので、図4(b)に示すような傾向となる。更に、開口の大きさa=200nmの場合、波長λ=500nmよりも十分小さいので、図4(c)に示すように、180度程度回折するようになり、直進性の光強度の割合は小さくなり、回折格子ピッチの細かい領域では低輝度となる。
これは、波長λ=500nmに関わらず、どの波長帯域においても当てはまることである。このように回折格子ピッチdにより輝度差が得られ、回折格子ピッチdが小さくなる領域ほど画像は暗くなり、回折格子ピッチdが大きくなるほど画像は明るくなる。また、回折格子の重なる領域、異なる回折格子を含む回折格子領域においても同様のことが言え、重なれば重なるほど低輝度となる。
以上まとめると、回折光のうちの0次回折光のみを抽出した場合、無地領域、回折格子領域、欠陥領域によって輝度値はそれぞれ異なる。すなわち、図3に示すように、輝度値は、図3中Aに示すように、無地領域では最大値max付近、図3中Cに示すようにゴミや傷等からなる欠陥領域は低輝度に、図3中Bに示すように回折格子領域ではその中間値を示す。さらに図3中Aに示すように回折格子領域では照射する光の波長やホログラムの回折格子ピッチdにより輝度が変化し、空間周波数の大きい箇所ほど輝度は小さくなり、回折格子の重なる箇所ではさらに小さくなる。
ゴミが付着していたり、傷がある欠陥領域では、回折格子の有無に関わらず散乱光を生じることを先に述べた。散乱光はあらゆる角度に光を生じ、正反射光成分はほぼ0となるため、傷等の欠陥は回折格子領域の最低輝度さえ把握できていれば、その値を図3に示すように閾値とすると閾値以下が欠陥であると容易に判定できるようになる。ピンホール抜けの場合においても、ドラム上の検査であればドラムが黒色であれば、パス上であれば表側からの光が無ければ光は反射することがないため異物や傷と同様にほぼ0の低輝度を示す。大きさによる欠陥判定も加えたいのであれば、欠陥サイズの判定閾値を設けることにより、輝度の閾値以下で面積等によるサイズの閾値を超えた場合を示すことで容易に判定できるようになる。
上述したような原理を用いることにより、従来技術のようなパターンマッチング等の複雑な処理系を必要とせず、またマッチングの際必要となるマスク画像の作成、およびマスクによる検査無効領域が無くなるといった欠点を克服することができる。したがって、本発明の実施の形態に係るホログラムの撮像方法および欠陥判別方法を適用したホログラム欠陥判別装置は、非常に安定し、かつ精度が高く、更には高い完成度で欠陥判別を行うことが可能となる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明の実施の形態に係るホログラムの撮像方法および欠陥判別方法を適用したホログラム欠陥判別装置を用いることで、従来ホログラム検査をする際に必要としていたホログラムのデザインパターンによって光学系を変更する手間や労力がなくなり、任意のデザインパターンに適用することが可能となった。
また、デザインパターンによる回折光を排除し、正反射光のみを抽出するという原理を用いているため、検査光の光量が非常に少量で良いことから、ランニングコストが抑えられるという利点もある。
更には、均一の平行照明を検査光として用いるために、ドーム型や円筒型のようなホログラム中の位置における照明の不均一性が解消されるとともに、ホログラムの周囲に光源を置く必要がなくなるために、スペースを必要とせず、小型化が可能となる。
このように、本発明の実施の形態に係るホログラムの撮像方法および欠陥判別方法を適用したホログラム欠陥判別装置は、安価で高精度で、かつ汎用的に用いることができ、非常に優位な点ばかりである。また欠陥はすべて低輝度の黒色として現れるため複雑な処理系も必要とせず、欠陥と良品との閾値を引きやすいといったメリットが大きい。したがって、本発明の実施の形態に係るホログラムの撮像方法および欠陥判別方法を適用したホログラム欠陥判別装置によってもたらされる産業上の利益は非常に大きい。
ホログラムの回折原理の概略説明図。 本発明の実施の形態に係るホログラムの撮像方法および欠陥判別方法を適用したホログラム欠陥判別装置の一例を示す構成概念図。 光を照射したときの回折格子の有無、欠陥領域で生じる光強度の輝度分布の概念を示す図。 ホログラムの空間周波数と、波動の回折による広がり角の変化との関係を概念的に示す図。 従来技術の円筒型照明を用いたホログラム検査装置の概念を示す図。
符号の説明
A…無地領域、J…光軸、S…ホログラム面、1…光源、2…ライトガイド、3…NDフィルタ、4…平行光学系、5…ホログラム、6…テレセントリックレンズ、7…絞り部、8…受光素子、9…カメラ、10…円筒型照明

Claims (7)

  1. ホログラムの欠陥を検出するために、ホログラム面を撮像する方法であって、
    前記ホログラム面に対して任意の入射角度で平行光を照射し、
    前記照射された平行光が前記ホログラム面で反射してなる反射光のうち、投影された進行方向が、前記平行光の投影された進行方向と同一であって、かつ前記ホログラム面に対する法線を中心として前記入射角度と対称になるような反射角度で反射する反射光成分を抽出し、
    前記抽出した反射光成分を用いて前記ホログラム面を撮像するようにした方法。
  2. ホログラムの欠陥を検出するために、ホログラム面を撮像する方法であって、
    前記ホログラム面に対して任意の入射角度で平行光を照射し、
    前記ホログラム面に照射された平行光が前記ホログラムで回折して得られる回折光のうち、0次回折光のみを抽出し、
    前記抽出した0次回折光を用いて前記ホログラム面を撮像するようにした方法。
  3. 請求項2に記載の方法において、
    前記ホログラム面に照射された平行光が前記ホログラムで回折して得られる回折光から、物体側もしくは両側テレセントリックレンズを用いて前記0次回折光を抽出するようにした方法。
  4. 請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の方法で撮像された撮像結果に基づいて前記ホログラムの欠陥の有無を判定するようにした欠陥判別方法。
  5. ホログラムの欠陥の有無を判定する欠陥判別装置であって、
    被検体であるホログラムのホログラム面に対して任意の入射角度で平行光を照射する照射手段と、
    前記照射手段によって照射された平行光が前記ホログラム面で反射してなる反射光のうち、投影された進行方向が、前記平行光の投影された進行方向と同一であって、かつ前記ホログラム面に対する法線を中心として前記入射角度と対称になるような反射角度で反射する反射光成分を抽出する第1の抽出手段と、
    前記抽出された反射光成分を用いて前記ホログラム面を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段によって撮像された撮像結果に対して所定の画像処理を施し、その結果から、前記被検体であるホログラムの欠陥の有無を判定する判定手段と
    を備えた欠陥判別装置。
  6. 請求項5に記載の欠陥判別装置において、
    前記第1の抽出手段に代えて、前記ホログラム面に照射された平行光が前記ホログラムで回折して得られる回折光のうち、0次回折光のみを抽出する第2の抽出手段を備えるようにした欠陥判別装置。
  7. 前記第2の抽出手段は、前記ホログラム面に照射された平行光が前記ホログラムで回折して得られる回折光から、物体側もしくは両側テレセントリックレンズを用いて前記0次回折光を抽出するようにした請求項6に記載の欠陥判別装置。
JP2004336028A 2004-11-19 2004-11-19 ホログラムの撮像方法および欠陥判別方法ならびに欠陥判別装置 Pending JP2006145386A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008275563A (ja) * 2007-05-07 2008-11-13 Dainippon Printing Co Ltd 検査画像形成装置、検査装置、検査画像形成方法、及び検査方法
JP2009211479A (ja) * 2008-03-05 2009-09-17 Toppan Printing Co Ltd 検証装置及びその装置を用いて検証する物品

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