JPWO2006025475A1 - 新規なカルバペネム化合物 - Google Patents

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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D477/00Heterocyclic compounds containing 1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. carbapenicillins, thienamycins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulphur-containing hetero ring
    • C07D477/10Heterocyclic compounds containing 1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. carbapenicillins, thienamycins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulphur-containing hetero ring with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, directly attached in position 4, and with a carbon atom having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. an ester or nitrile radical, directly attached in position 2
    • C07D477/12Heterocyclic compounds containing 1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. carbapenicillins, thienamycins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulphur-containing hetero ring with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, directly attached in position 4, and with a carbon atom having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. an ester or nitrile radical, directly attached in position 2 with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, attached in position 6
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    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents

Abstract

例えば、式[1]:〔式中、R1はC1—C3アルキルまたは水酸基により置換されたC1—C3アルキルを表し、Rは水素原子または生体内で加水分解されてカルボキシル基を生成する基を表し、Aは式[1a](式中、Eはベンゼン環とビシクロ構造を形成する1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよい5〜7員環(ただし、ベンゼン環を除く)を表し、Yは水素原子、C1—C4アルキル、C1—C4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ハロゲン原子もしくはシアノを表す。)]で表されるカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。

Description

本発明は、新規なカルバペネム化合物に関する。詳細には、母核である7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エンの3位に、第二の環構造と縮環したフェニルが直接置換したカルバペネム化合物に関する。更には、これらを有効成分として含有する抗菌剤に関する。
これまで開発・上市されてきたカルバペネム化合物は、消化管からの吸収性が乏しく、そのため、臨床上はいずれも注射剤として主に静脈注射での使用が行われているにすぎなかった。しかし、臨床の場においては、患者の事情や治療目的等の点で、薬剤投与に関して、いくつかの投与経路を選択できることが望ましい。特に、経口抗菌剤は、注射剤と比較し患者への投与が容易で簡便であることもあり、患者の在宅治療と言う点で、より利便性が高く、臨床上の有用性は極めて高いものがある。とりわけ近年分離頻度の増加が見られ臨床上の大きな問題となっているペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)やβ−ラクタメース非産生性アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)などペニシリン結合蛋白(PBP)変異にともない既存β−ラクタム剤に幅広く耐性を獲得したインフルエンザ菌に対して優れた抗菌活性を有し、安全性に優れ、かつ経口投与が可能なカルバペネム化合物の開発が臨床上も強く望まれていたが、現在までに上市されたものは皆無である。従来、経口投与が可能なカルバペネム化合物として研究・開発されたものとしては、例えば三環性カルバペネム化合物が開示されている(例えば、特許文献1)。この化合物は炭素−炭素結合を介して縮環した側鎖部分をその構造的な特徴とし、経口吸収性を向上させるためにプロドラッグ化しているが、臨床の場での安全性などについてはいまだ不明である。それ以外には、例えば種々の1β-メチルカルバペネム化合物が知られている(例えば、特許文献1、2、3、4、5、6、7、および非特許文献1)。これらはいずれも、化学的安定性ならびに生体内安定性の向上に寄与するとされる1β-メチル基ならびにスルフィド結合を介した側鎖部分を有することを構造的特徴とし、経口吸収性を向上させるためにプロドラッグ化している。とりわけ特許文献2および3に記載された化合物については臨床試験が行われているが、安全性などについてはいまだ不明である。
一方で、側鎖構造として炭素−炭素結合を介したアリール環を有するカルバペネム化合物は1980年代から知られている(例えば、特許文献8、9,10、非特許文献2、3)。しかしながら、いずれも注射剤としての研究・開発が展開されているにとどまり、経口剤としての応用はなされていない。なお、特許文献11〜13は経口剤に関する特許出願であるが、母核である7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エンの3位側鎖については単環式構造(ベンゼン環、チオフェン環もしくはピリジン環)に限定されている。3位側鎖がベンゼン環とのビシクロ構造であるカルバペネム化合物としてはナフタレン環であるもの(例えば、特許文献14〜17)が知られるが、他の種類のビシクロ環については全く言及されておらず、しかも経口剤としての応用はなされていない。従って、本発明に含まれる置換様式を持つカルバペネム誘導体は新規であり、その経口剤としての応用についても知られていない。
WO92/03437 特開平2-49783 特開平8-53453 WO98/34936 WO99/57121 特開平4-279588 特開平2-223587 米国特許US4543257 米国特許US4775669 米国特許US5258509 WO02/053566 WO03/040146 WO03/089431 米国特許US5006519 米国特許US5032587 欧州特許EP466253 欧州特許EP466254 Antimicrobial Agents and Chemotherapy、 Mar.1999、p460−464 Tetrahedron、1983年、第39巻、p2531-2549 Journal of Medicinal Chemistry、1987年、第30巻、p871-880
本発明は広範囲のグラム陽性菌およびグラム陰性菌、特に近年分離頻度の増加が見られ臨床上の大きな問題となっているペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)やβ−ラクタメース非産生性アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)などペニシリン結合蛋白(PBP)変異にともない既存β−ラクタム剤に幅広く耐性を獲得したインフルエンザ菌に対して優れた抗菌活性を有すると共に経口吸収性の高いカルバペネム薬剤を提供することを目的とする。
本発明者らは種々の検討を行った結果、カルバペネム化合物の母核である7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エンの3位に、第二の環構造と縮環したフェニルが直接置換したカルバペネム化合物が高い抗菌活性を示し、広範囲のグラム陽性菌およびグラム陰性菌、特に近年分離頻度の増加が見られ臨床上の大きな問題となっているペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)やβ−ラクタメース非産生性アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)などペニシリン結合蛋白(PBP)変異にともない既存β−ラクタム剤に幅広く耐性を獲得したインフルエンザ菌に対して優れた抗菌活性を有することを見出した。また、2位のカルボキシル基に生体内で加水分解されてカルボキシル基を生成する基を導入した化合物が、経口投与において消化管からの吸収性に優れ、生体内で2位脱エステル体となり強力な抗菌活性を示すことを見出し、また、腎デヒドロペプチダーゼに対しても優れた耐性を有することを見出し、本発明を完成させるに到った。
すなわち本発明は、
(1)式[1]:
Figure 2006025475
[式中、R1はC1―C3アルキルまたは水酸基により置換されたC1―C3アルキルを表し、Rは水素原子または生体内で加水分解されてカルボキシル基を生成する基を表し、Aは式[1a] :
Figure 2006025475
(式中、Eはベンゼン環とビシクロ構造を形成する1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよい5〜7員環(ただし、ベンゼン環を除く)を表し、Yは水素原子、C1―C4アルキル、C1―C4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ハロゲン原子またはシアノを表す。)]
で表されるカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩;
(2) 生体内で加水分解されてカルボキシル基を生成する基が、C1―C4アルキル基、C2―C12アルキルオキシアルキル基、式[2]:
Figure 2006025475
(式中、R2は水素原子またはC1−C6アルキルを表し、R3は置換されていてもよいC1−C10アルキルまたは置換されていてもよいC3−C10シクロアルキルを表し、nは0または1を表す。)で表される基、または式[3]:
Figure 2006025475
(式中、R4は水素原子またはC1−Cアルキルを表し、R5は水素原子、C1−C6アルキル、C3−C10シクロアルキルまたはフェニルを表す。)で表される基である、上記(1)に記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩;
(3)Rが水素原子、ピバロイルオキシメチルまたは(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチルを表わす、上記(1)に記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩;
(4)R1が1−ヒドロキシエチルである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩;
(5)Aが式[1b]:
Figure 2006025475
(式中、Yは上記(1)における意味と同義であり、X1は−O−、−NR6−(R6は水素原子、生体内で代謝されてイミノ基を生成する基または置換されていてもよいC1−C4アルキルを表す)またはメチレンを表し、X2は−O−、−NR7−(R7は水素原子、生体内で代謝されてイミノ基を生成する基または置換されていてもよいC1−C4アルキルを表す)またはメチレンを表す)
である上記(1)〜(4)のいずれかに記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩;
(6)X1が−O−またはメチレン、X2が−NR7−(R7は上記(5)における意味と同義である。)である上記(5)に記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩;
(7)X1が−NR6−(R6は上記(5)における意味と同義である。)、X2が−O−またはメチレンである上記(5)に記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩;
(8)Aが式[1c]:
Figure 2006025475
(式中、X1、X2およびYは上記(5)における意味と同義であり、X3は−O−、−NR8−(R8は水素原子、生体内で代謝されてイミノ基を生成する基または置換されていてもよいC1−C4アルキルを表す)またはメチレンを表す。ただし、X3が−O−である場合、X2は−NR5−(R5は上記(5)における意味と同義である)またはメチレンを表す)である上記(1)〜(4)のいずれかに記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩;
(9)X1が−NR6−(R6は上記(5)における意味と同義である。)であり、X2がメチレンであり、X3が−O−である上記(8)に記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩;
(10)Aが式[1d]:
Figure 2006025475
(式中、X1、X2、X3およびYは上記(8)における意味と同義である。ただし、X3が−O−である場合、X1は−NR6−(R6は上記(5)における意味と同義である)またはメチレンを表す)である上記(1)〜(4)のいずれかに記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩;
(11)Aが式[1e]:
Figure 2006025475
(式中、Yは上記(8)における意味と同義である。)である上記(1)〜(4)のいずれかに記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩;
(12)上記(1)〜(11)のいずれかに記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩を有効成分とする経口医薬;
(13)上記(1)〜(11)のいずれかに記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩を有効成分とする抗菌剤;および
(14)上記(1)〜(11)のいずれかに記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩を有効成分とする経口抗菌剤;
に関する。
本発明により、広範囲のグラム陽性菌およびグラム陰性菌、特に近年分離頻度の増加が見られ臨床上の大きな問題となっているペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)やβ−ラクタメース非産生性アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)などペニシリン結合蛋白(PBP)変異にともない既存β−ラクタム剤に幅広く耐性を獲得したインフルエンザ菌に対して優れた抗菌活性を有すると共に経口吸収性の高いカルバペネム薬剤を提供することが可能になった。
本発明の第1態様は、上記のカルバペネム化合物に関するものである。次に本明細書において言及される各種用語およびその好適な例について説明する。
1における「C1―C3アルキル」としては、例えばメチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜3のものが挙げられる。好適なものとしてはエチルまたはイソプロピルが挙げられる。
1における「水酸基により置換されたC1―C3アルキル」としては例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシ−1−メチルエチルまたは1−ヒドロキシプロピル等の炭素数1〜3のものが挙げられる。好適なものとしては1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチルまたは1−ヒドロキシ−1−メチルエチルが挙げられる。特に好適なものとしては1−ヒドロキシエチルが挙げられる。
Yにおける「C1―C4アルキル」としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルまたはtert−ブチルが挙げられる。好適なものとしては例えばメチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルが挙げられる。特に好適なものとしてはメチルまたはエチルが挙げられる。
Yにおける「C1―C4アルコキシ」としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシまたはtert−ブトキシが挙げられる。好適なものとしては例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシまたはイソプロポキシが挙げられる。特に好適なものとしてはメトキシまたはエトキシが挙げられる。
Yにおける「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が挙げられ、好適なものとしては、フッ素原子または塩素原子が挙げられる。
Eにおける環構造としては窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる任意の1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよい5ないし7員から成る単環式の非芳香環または芳香環が挙げられ、以下に示すようなものが好適である。

Figure 2006025475
(式中、R及びR10は独立して窒素原子上の置換基を表わし、上記の環は、それぞれ任意のエチレンで、ベンゼン環と縮合してビシクロ環を形成する。)
なお、環内に窒素原子が含まれる場合には窒素原子上に置換基が存在するが、当該置換基としては水素原子、アミノ基の保護基、アミド基の保護基、生体内で代謝されてイミノ基を生成する基または置換されていてもよいC1−C4アルキルが挙げられる。「置換されていてもよいC1−C4アルキル」における置換基としては例えば水酸基、C1―C3アルキルオキシ、C2―C7アルキルカルボニルオキシ、C2―C7アルキルオキシカルボニル、C3―C7シクロアルキル、カルボキシル、ハロゲン原子、シアノ、アミノ、C1―C3アルキルアミノ、ジ(C1―C3アルキル)アミノ、モルホリノ、1−ピペリジノ、1−ピペラジニル、1−ピロリジニル、アミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、C2―C4アルキルアミノカルボニル、ジ(C1―C3アルキル)アミノカルボニル、モルホリノカルボニルオキシ、1−ピペリジノカルボニルオキシ、1−ピペラジニルカルボニルオキシまたは1−ピロリジニルカルボニルオキシ等が挙げられる。
前記「置換されていてもよいC1−C4アルキル」におけるC1−C4アルキルとしては、直鎖もしくは分枝鎖状の炭素数1〜4のものが挙げられ、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルまたはt−ブチルが挙げられる。
前記「C1―C3アルキルオキシ」としては、メチルオキシ、エチルオキシ、n−プロピルオキシまたはイソプロピルオキシが挙げられる。
前記「C2―C7アルキルカルボニルオキシ」としては、例えばメチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシまたはイソプロピルカルボニルオキシ等が挙げられる。前記「C2―C7アルキルオキシカルボニル」としては、例えばメチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、n−プロピルオキシカルボニルまたはイソプロピルオキシカルボニル等が挙げられる。前記「C3―C7シクロアルキル」としてはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルが挙げられる。前記「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が挙げられ、好ましくは、フッ素原子、塩素原子または臭素原子が挙げられる。前記「C1―C3アルキルアミノ」としては、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノまたはイソプロピルアミノが挙げられる。前記「ジ(C1―C3アルキル)アミノ」としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジn−プロピルアミノまたはジイソプロピルアミノが挙げられる。前記「C2―C4アルキルアミノカルボニル」としては、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n−プロピルアミノカルボニルまたはイソプロピルアミノカルボニルが挙げられる。前記「ジ(C1―C3アルキル)アミノカルボニル」としては、ジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ジn−プロピルアミノカルボニルまたはジイソプロピルアミノカルボニルが挙げられる。

これらの置換基は必要に応じて適当な保護基により保護されていてもよい。置換位置は化学的に可能な位置であれば制限はなく、一箇所あるいは複数箇所の置換が可能である。
前記「生体内で代謝されてイミノ基を生成する基」としては、生体内で加水分解されてイミノ基を生成する限りいかなるものも含み、プロドラッグと総称される化合物群に誘導する際に使用される基が挙げられる。好適なものとしては、2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−t−ブチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチルオキシカルボニル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチルオキシカルボニル、(5−t−ブチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチルオキシカルボニル、(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチルオキシカルボニル等が挙げられ、特に好適なものとしては、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチルオキシカルボニルが挙げられる。
本明細書において、「生体内で加水分解されてカルボキシル基を生成する基」としては、生体内で加水分解されてカルボキシル基を生成する限りいかなるものも含み、プロドラッグと総称される化合物群に誘導する際に使用される基が挙げられる。具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルもしくはブチル等のC1−C4アルキル基、メトキシメチル、エトキシメチル、2−メトキシエチルもしくは2−メトキシエトキシメチル等のC2−C12アルキルオキシアルキル基、式[2]:
Figure 2006025475
[式中、R2は水素原子またはC1−C6アルキルを表す。R3は置換されていてもよいC1−C10アルキルまたは置換されていてもよいC3−C10シクロアルキルを表す。nは0または1を表す。]で表される基、または式[3]:
Figure 2006025475
(式中、R4は水素原子またはC1−C4アルキルを表し、R5は水素原子、C1−C6アルキル、C3−C10シクロアルキルまたはフェニルを表す。)で表わされる基が挙げられる。
式[2]においてR2における「C1−C6アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソブチル、tert −ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル等の直鎖または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。好ましくは、メチルが挙げられる。R3における「C1−C10アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソブチル、tert −ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニルまたはn−デシル等の直鎖または分枝鎖状の炭素数1〜10のものが挙げられる。好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソブチル、tert −ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルが挙げられる。R3における「C3−C10シクロアルキル」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル等が挙げられる。好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルが挙げられる。
3における「置換されてもよいC1−C10アルキル」の置換基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル等のC3−C10シクロアルキルが挙げられる。好ましくは、シクロヘキシルが挙げられる。「置換されてもよいC3−C10シクロアルキル」の置換基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソブチル、tert −ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル等の直鎖または分枝鎖状の炭素数1〜6のアルキルが挙げられる。好ましくは、メチルまたはエチルが挙げられる。具体的には、式[2]で表わされる基として、ピバロイルオキシメチル、アセチルオキシメチル、シクロヘキシルアセチルオキシメチル、1-メチルシクロヘキシルカルボニルオキシメチル、エトキシカルボニルオキシ-1-エチルまたはシクロヘキシルオキシカルボニルオキシ-1-エチル等が挙げられ、特に好適なものとしては、ピバロイルオキシメチルが挙げられる。
式[3]において、R4におけるC1−C4アルキルとしては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル等が挙げられる。R5におけるC1−C6アルキルとしては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。R5におけるC3−C10シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル等が挙げられる。式[3]で表わされる基として、好ましくは(2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−t−ブチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチルまたは(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル等が挙げられ、特に好適なものとしては、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチルを挙げることができる。
また、「生体内で加水分解されてカルボキシル基を生成する基」の他の好適な例として、フタリジル等を挙げることができる。
カルボキシルの保護基としては通常用いられる各種の保護基が利用可能であるが、好適には例えばメチル、エチル、イソプロピルもしくはtert−ブチル等の直鎖状または分枝鎖状のC1―C6アルキル、例えば2−ヨウ化エチルもしくは2,2,2−トリクロロエチル等のC1―C6ハロゲノアルキル、例えばメトキシメチル、エトキシメチルもしくはイソブトキシメチル等のC2―C7アルキルオキシメチル、例えばアセチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチルもしくはピバロイルオキシメチル等のC2―C7アルキルカルボニルオキシメチル、例えば1−エトキシカルボニルオキシエチル等のC4―C11の1−アルキルオキシカルボニルオキシエチル、例えばベンジル、p−メトキシベンジル、o−ニトロベンジルもしくはp−ニトロベンジル等のアラルキル基、例えばアリルもしくは3−メチルアリル等のC3―C7アルケニル、ベンズヒドリル、フタリジル、(2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−t−ブチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチルまたは(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル等が挙げられる。
水酸基の保護基、アミノ基およびアミド基の保護基としては、通常用いられる各種の保護基が利用可能であるが、好適には例えば、tert−ブトキシカルボニル等のC2―C7アルキルオキシカルボニル、例えば2−ヨウ化エトキシカルボニルもしくは2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル等の炭素数1〜5のハロゲノアルキルオキシカルボニル、例えばアリルオキシカルボニル等の置換または無置換のC2―C7アルケニルオキシカルボニル、例えばベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニルもしくはp−ニトロベンジルオキシカルボニル等のアラルキルオキシカルボニル、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリルもしくはtert−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリル等が挙げられる。さらに生体内で加水分解されて水酸基、アミノ基および/またはアミド基を生成する各種保護基を用いることも可能であって、好適には例えば、(5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オン−4−イル)メチルまたは(5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オン−4−イル)メチルオキシカルボニル等が挙げられる。
本発明のカルバペネム化合物の医薬品として許容される塩としては、例えば常用の無毒性塩が挙げられる。具体的には、例えば分子内に存在するカルボキシル基の塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩もしくはアンモニウム塩等の無機性塩基塩、または例えばトリエチルアンモニウム、ピリジニウム塩もしくはジイソプロピルアンモニウム塩等の有機性塩基塩が挙げられる。また、分子内に存在する塩基性基の塩として例えば塩酸塩、硫酸塩もしくはリン酸塩等の無機酸塩、または例えばギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩もしくはベンゼンスルホン酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。
本発明のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩は、それらの無水物、水和物または溶媒和物であってもよい。
本発明の第2の態様は、本発明のカルバペネム化合物を有効成分とする医薬に関する。
本発明のカルバペネム化合物は、高い抗菌活性と共に優れた経口吸収性を示し、さらには優れたデヒドロペプチダーゼ−I(DHP−1)に対する安定性を示すことから、臨床上優れた抗菌剤となり得ることが示された。
本発明のカルバペネム化合物はスタフィロコッカス・オウレウス、スタフィロコッカス・エピデルミディス、ストレプトコッカス・ピオゲネス、ストレプトコッカス・ニューモニア、エンテロコッカス・フェカーリスなどのグラム陽性菌、大腸菌、プロテウス属菌、クレブシエラ・ニューモニア、ヘモフィルス・インフルエンザ、淋菌またはブランハメラ菌などのグラム陰性菌を包含する広範囲な病原菌に対し抗菌活性を有する。特に近年分離頻度の増加が見られ臨床上の大きな問題となっているペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)やβ−ラクタメース非産生性アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)などペニシリン結合蛋白(PBP)変異にともない既存β−ラクタム剤に幅広く耐性を獲得したインフルエンザ菌に対して優れた抗菌活性を有することを見出した。
腎酵素であるデヒドロペプチダーゼ−I(DHP−I)は天然由来のカルバペネム化合物を容易に分解することが知られているが、カルバペネム類である本発明化合物はDHP−Iに対し安定なものもあり単剤での使用が可能であるが、もし必要である場合にはDHP−I阻害剤との併用も可能である。
本発明のカルバペネム化合物を、細菌感染症を治療する抗菌剤として用いるための投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤等による経口投与、または例えば静脈内注射、筋肉内注射、直腸投与等による非経口投与等が挙げられる。
特に経口投与用の抗菌剤(経口抗菌剤)としては、式[1]においてRが生体内で加水分解されてカルボキシル基を生成する基を表す化合物が好ましい。
前記の適当な投与剤型は、許容される通常の担体、賦型剤、結合剤、安定剤などに活性化合物を配合することにより、従来公知の技術を使用して製造することができる。注射剤型で用いる場合には許容される緩衝剤、溶解補助剤、等張剤などを添加することもできる。
投与量は症状、年齢、体重、投与形態、投与回数等によって異なるが、通常は成人に対し、一日100〜3000mgを一回または数回に分けて投与する。必要に応じて減量あるいは増量することができる。
本発明のカルバペネム化合物は種々の公知方法(Tetrahedron, 39, 2531-2549 (1983)、Tetrahedron Letters,31,2853-2856(1990), ibid. 34,3211-3214(1993)、ibid. 36,4563-4566 (1995)、特公平4-40357、WO 02/053566等)により製造することができる。例えばその一例として以下に示す方法が挙げられる。
Figure 2006025475
[式中、R1、EおよびYは前記と同じ意味を表し、R7はカルボキシル基の保護基を表し、R1aおよびR1bはそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基または保護された水酸基により置換された炭素数1〜3のアルキルを表し、E1は環構造Eのうち環内に含まれる窒素原子の置換基が水素原子ではないものを表し、R'は生体内で容易に加水分解されてカルボキシル基を生成する基を表し、Zは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。]
工程1:化合物4の製法
化合物2と化合物3を酸触媒の存在下、不活性溶媒中で反応させることにより得られる。酸触媒としては、例えば塩化亜鉛、臭化亜鉛、沃化亜鉛、四塩化スズ、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルエステル、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体等が挙げられる。不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、アセトニトリル、モノクロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。反応温度は−78℃〜+60℃の範囲で行われるが、−30℃〜+40℃の範囲が好適である。
また、原料化合物3は公知方法(例えば、日本化学会編 新実験化学講座 第14巻 有機化合物の合成と反応 [II] (1977) (丸善株式会社)751頁〜875頁;同会編 第4版 実験化学講座 第21巻 有機合成 [III] アルデヒド・ケトン・キノン (1991) (丸善株式会社) 149頁〜353頁;又はComprehensive Organic Transformation、 R. C. ラロック著、VCH Publisher Inc.、1989年 等に記載の方法に準じて製造することができる。)で得られる各種ケトンをエノールエーテル化することにより得られる。
工程2:化合物6の製法
化合物4と化合物5Aとを脱水条件下、不活性溶媒中で加熱することにより相当するヘミアセタール体を得る。不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。反応温度は+50℃〜+200℃の範囲で行われるが、+80℃〜+150℃の範囲が好適である。また、公知方法(例えば、Journal of Organic Chemistry,61,7889-7894(1996)に記載の方法)に従って化合物4と化合物5Bとを塩基の存在下、不活性溶媒中で反応して得られるイミド体を引き続いて還元することにより相当するヘミアセタール体を得ることもできる。塩基としてはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン等が挙げられる。イミド化に用いられる不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、モノクロロベンゼン等が挙げられる。イミド化の反応温度は−50℃〜+50℃の範囲で行われるが、−30℃〜+30℃の範囲が好適である。還元剤としては亜鉛が好適であり、その際の溶媒としては酢酸と塩化メチレン、酢酸と1,2-ジクロロエタン、酢酸とモノクロロベンゼン等の混合溶媒が好適である。還元の反応温度は−50℃〜+50℃の範囲で行われるが、−30℃〜+30℃の範囲が好適である。
得られたヘミアセタール体を塩化チオニル、塩化オキザリル、オキシ塩化リン等の塩化剤を使用して化合物6を得る。クロル化反応はエーテル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン等の不活性溶媒中で、ルチジン、ピリジン、キノリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の塩基の存在下で行う。反応温度は−78℃〜+60℃の範囲で行われるが、−30℃〜40℃の範囲が好適である。
工程3:化合物7の製法
化合物6をテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等の不活性溶媒中で、ルチジン、ピリジン、キノリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の塩基の存在下でトリフェニルホスフィンを使用して化合物7を得る。反応温度は0℃〜+100℃の範囲で行われるが、+10℃〜+70℃の範囲が好適である。
工程4:化合物8の製法
必要に応じてR1aにおける水酸基の保護基の除去と引き続いての再保護反応を行う。保護基の除去ならびに導入方法はそれ自体公知の方法であり、例えばT.W.Greene,P.G.M.Wuts: Protective Groups in Organic Synthesis;第3版,Wiley,New York (1999年)あるいはP.Kocienski,Protecting Groups,Thieme,Stuttgart(1994年)を参照することができる。
工程5:化合物9の製法
化合物8の閉環反応は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性溶媒中で、反応温度+80℃〜200℃の範囲で行ない化合物9を得る。
工程6:カルバペネム化合物1(R=水素原子)の製法
化合物9のR7におけるカルボキシル基の保護基を除去することにより、またR1bが水酸基の保護基を有している場合は、その水酸基の保護基を除去することにより、カルバペネム化合物1を得ることができる。保護基の除去方法は、酸、塩基、還元剤等で処理するそれ自体公知の方法であり、例えばT.W.Greene,P.G.M.Wuts: Protective Groups in Organic Synthesis;第3版,Wiley,New York (1999年)あるいはP.Kocienski,Protecting Groups,Thieme,Stuttgart(1994年)を参照することができる。
工程7:カルバペネム化合物1(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を生成する基)の製法
常法に従って、カルバペネム化合物1(R=水素原子)に生体内で加水分解されてカルボキシル基を生成する基を導入することによって、カルバペネム化合物1(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を生成する基)を得ることができる。例えば、カルバペネム化合物1(Rが水素原子である)またはそのカルボン酸塩に対して、必要に応じてジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の塩基あるいは塩化トリエチルベンジルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等の相間移動触媒の存在下に化合物10で表される各種ハライドを作用させてエステル化することにより、カルバペネム化合物1(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を生成する基)を得ることができる。反応溶媒は不活性なものであれば特に限定されないが、好適なものとしてジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホラミド、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン等を挙げることができる。カルボン酸塩としては、好適にはナトリウム塩あるいはカリウム塩等を挙げることができる。反応温度は−78℃〜+100℃の範囲で行われるが、−20℃〜+60℃の範囲が好適である。化合物10として具体的には、上記式[2]もしくは式[3]で表される基のハロゲン化物等が挙げられる。
以上の工程において、化合物5Aまたは5Bの段階でR7が生体内で加水分解されてカルボキシル基を生成する基である原料を用いて、各工程を経て、カルバペネム化合物1(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を生成する基)を直接製造することもできる。
以上の工程において反応終了後は通常の有機化学的手法により成績体を取り出すことができるが、水溶性の成績体については例えば反応混合物の液性を中性付近とした後、吸着樹脂等を用いるカラムクロマトグラフィーに付し、目的化合物の溶出する部分を分取し、凍結乾燥することにより反応成績体を得ることができる。
本発明のカルバペネム化合物の製造法は、この製造法によって何ら限定されるものではない。
本発明のカルバペネム化合物には、式[1]:
Figure 2006025475
に示されるように、母核である7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エンの5位、6位の不斉炭素に基づく光学異性体が存在する。これらの異性体は便宜上すべて単一の式で示されているが、本発明には各不斉炭素原子に基づくすべての異性体および異性体混合物が含まれる。しかし、好適なものとして、5位の炭素原子がR配位である化合物((5R,6R)または(5R,6S))を挙げることができ、さらに好適なものとしては、式[1A]:
Figure 2006025475
で示される配位を示す化合物が挙げられる。
さらに、R1が1−ヒドロキシエチルの場合、式[1B]:
Figure 2006025475
に示されるように8位においてもR配位のものとS配位の異性体があり、好適なものとしてR配位を挙げることができる。
また、3位側鎖Aに含まれる環構造Eにおいても光学異性体が存在し得るが、本発明には各不斉炭素原子に基づくすべての異性体および異性体混合物が含まれる。
本発明のカルバペネム化合物の具体例として、例えば以下の表1〜6に示した例示化合物1〜48を挙げることができる。
Figure 2006025475
Figure 2006025475
Figure 2006025475
Figure 2006025475
Figure 2006025475
Figure 2006025475
Figure 2006025475
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はもちろんこれらによって何ら限定されるものではない。
なお以下の実施例で用いている略号の意味は次の通りである。
Ac: アセチル基
ALOC:アリルオキシカルボニル基
br.:幅広い
t-Bu:tert−ブチル基
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
Et:エチル基
Me:メチル基
Ph:フェニル基
PNB:p-ニトロベンジル基
TBDMS: tert-ブチル(ジメチル)シリル基
THF:テトラヒドロフラン
TMS:トリメチルシリル基
Figure 2006025475
参考例3で得られたアリル (5R,6S)-3-(4-アリルオキシカルボニル-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル)-7-オキソ-6-{(1R)-1-ヒドロキシエチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート(0.36 g、0.67 mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(23 mg、0.034 mmol)を塩化メチレン(7 ml)に溶解し、0℃にて水素化トリ-n-ブチルすず(2.7ml、10 mmol)を加え30分間攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液(0.13M、10ml)を滴下し、水層をジエチルエーテルにて洗浄・分液した。水層の一部分を、0℃にて減圧濃縮した後、残渣をC18逆相カラムクロマトグラフィー(充填剤:和光純薬製Wakosil 40C18、移動相;0〜3%THF/氷冷イオン交換水)にて精製した。目的物のフラクションを合せて減圧下室温で1時間攪拌してTHFを除き、凍結乾燥して(5R,6S)- 3-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム塩(170 mg、収率69%)を得た。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.12 (d, 3 H, J = 6.4 Hz), 2.86 (dd, 1 H, J = 16.9, 9.8 Hz), 3.20 (dd, 1 H, J = 17.0, 8.6 Hz), 3.30 (dd, 1 H, J = 6.0, 2.8 Hz), 4.02-4.15 (m, 2 H), 6.74-6.86 (m, 3 H).
Figure 2006025475
実施例1で得られた(5R,6S)-3-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム塩(0.14g)を乾燥DMF(1.4 ml)に溶解させた後、氷冷下にピバロイルオキシメチルヨーダイド(98 mg)をゆっくりと滴下し、撹拌した。1時間後、酢酸エチルを加え、炭酸水素ナトリウム水溶液、水、食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:3)にて精製し、(2,2-ジメチルプロパノイル)オキシメチル (5R,6S)- 3-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート (0.11g、収率68%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ1.19 (s, 9 H), 1.37 (d, 3 H, J = 6.3 Hz), 1.80 (d, 1 H, J = 4.8 Hz), 3.18-3.35 (m, 3 H), 4.22-4.30 (m, 2 H), 4.63 (s, 2 H), 5.78 (d, 1 H, J = 5.5 Hz), 5.85 (d, 1 H, J = 5.5 Hz), 6.88-7.02 (m, 3 H), 8.07 (s, 1 H).
Figure 2006025475
参考例7で得られた アリル (5R,6S)-3-(1,3-ジアリルオキシカルボニル- 2-オキソ-2,3-ジヒドロ-2H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-7-オキソ-6-{(1R)-1-ヒドロキシエチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート(0.56 g、1.0 mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(18 mg、0.025 mmol)を塩化メチレン(35 ml)に溶解し、0℃にて水素化トリ-n-ブチルすず(4.4 g、15 mmol)を加え20分間攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液(0.20M、10ml)を滴下し、水層をジエチルエーテルにて洗浄・分液した。水層の一部分を、0℃にて減圧濃縮した後、残渣をC18逆相カラムクロマトグラフィー(充填剤:和光純薬製Wakosil 40C18、移動相;0〜2%THF/氷冷イオン交換水)にて精製した。目的物のフラクションを合せて減圧下室温で1時間攪拌してTHFを除き、凍結乾燥して(5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-2H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム塩(181 mg、収率51%)を得た。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.10 (d, 3 H, J = 6.4 Hz), 2.87 (dd, 1 H, J = 16.9, 9.8 Hz), 3.23 (dd, 1 H, J = 17.0, 8.6 Hz), 3.29 (dd, 1 H, J = 6.0, 2.8 Hz), 3.98-4.13 (m, 2 H), 6.86-6.95 (m, 3 H).
Figure 2006025475
実施例3で得られた(5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-2H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム塩(70 mg)を乾燥DMF(5 ml)に溶解させた後、氷冷下にピバロイルオキシメチルヨーダイド(53 mg)をゆっくりと滴下し、撹拌した。1時間後、酢酸エチルを加え、炭酸水素ナトリウム水溶液、水、食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1→酢酸エチルのみ)にて精製し、[(2,2-ジメチルプロパノイル)オキシメチル (5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-2H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート (55 mg、収率62%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ1.19 (s, 9 H), 1.37 (d, 3 H, J = 6.3 Hz), 1.93 (br.s, 1 H), 3.16-3.38 (m, 3 H), 4.22-4.31 (m, 2 H), 5.77 (d, 1 H, J = 5.5 Hz), 5.89 (d, 1 H, J = 5.5 Hz), 6.92-7.09 (m, 3 H), 8.28 (br.s, 1 H), 8.35 (br.s, 1 H).
Figure 2006025475
参考例11で得られた アリル (5R,6S)-3-(1-アリルオキシカルボニル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル)-7-オキソ-6-{(1R)-1-ヒドロキシエチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート(0.39 g、0.87 mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(15 mg、0.022 mmol)を塩化メチレン(25 ml)に溶解し、0℃にて水素化トリ-n-ブチルすず(3.8 g、13 mmol)を加え20分間攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液(0.17M、10ml)を滴下し、水層をジエチルエーテルにて洗浄・分液した。水層の一部分を、0℃にて減圧濃縮した後、残渣をC18逆相カラムクロマトグラフィー(充填剤:和光純薬製Wakosil 40C18、移動相;0〜1%THF/氷冷イオン交換水)にて精製した。目的物のフラクションを合せて減圧下室温で1時間攪拌してTHFを除き、凍結乾燥して(5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル)-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム塩(219 mg、収率72%)を得た。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.11 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 2.82-2.90 (m, 1 H), 3.23 (dd, 1H, J = 17.0, 8.6 Hz), 3.28 (dd, 1 H, J = 6.0, 2.7 Hz), 3.38-3.44 (m, 2 H), 4.02-4.13 (m, 2 H), 6.76 (d, 1 H, 11.8 Hz), 7.03 (d, 1 H, 8.2 Hz), 7.09 (s, 1 H).
Figure 2006025475
実施例5で得られた(5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル)-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム塩(83 mg)を乾燥DMF(6 ml)に溶解させた後、氷冷下にピバロイルオキシメチルヨーダイド(91 mg)をゆっくりと滴下し、撹拌した。1時間後、酢酸エチルを加え、炭酸水素ナトリウム水溶液、水、食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1→酢酸エチルのみ)にて精製し、[(2,2-ジメチルプロパノイル)オキシメチル (5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル)-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート (72 mg、収率69%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ1.19 (s, 9 H), 1.35 (d, 3 H, J = 6.3 Hz), 1.93 (br.s, 1 H), 3.14-3.33 (m, 3 H), 3.56 (s, 2 H), 4.21-4.33 (m, 2 H), 5.77 (d, 1 H, J = 5.5 Hz), 5.87 (d, 1 H, J = 5.5 Hz), 6.84 (d, 1 H, J = 8.2 Hz), 7.22-7.36 (m, 2 H), 7.82 (s, 1 H).
Figure 2006025475
参考例20で得られた アリル (5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3-(2-オキソ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾキサゾール-6-イル)-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート(0.767 g、2.0 mmol)、トリフェニルホスフィン(52 mg)をTHF(15 ml)に溶解し、0℃にて2-エチルヘキサン酸ナトリウム(0.33 g、2.0 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.12 g、0.1 mmol)を加え20分間攪拌した。ヘキサン(10 ml)を加え析出した白色固体を窒素雰囲気下で濾取し、ヘキサンで洗浄し、減圧下室温で乾燥し粗生成物を得た。少量の氷冷水に溶解し、C18逆相カラムクロマトグラフィー(充填剤:和光純薬製Wakosil 40C18、移動相;0〜3%THF/氷冷イオン交換水)にて精製した。目的物のフラクションを合せて減圧下室温で1時間攪拌してTHFを除き、凍結乾燥して(5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3-(2-オキソ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾキサゾール-6-イル)-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム塩(310 mg、収率58%)を得た。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.07 (d, 3 H, J = 6.0 Hz), 2.89 (dd, 1 H, J = 16.9, 9.8 Hz), 3.19 (s, 3 H), 3.24 (dd, 1 H, J = 17.0, 8.6 Hz), 3.30 (dd, 1 H, J = 6.0, 2.7 Hz), 4.01-4.14 (m, 2 H), 6.87-6.92 (m, 1 H), 7.02-7.09 (m, 2 H).
Figure 2006025475
実施例7で得られた(5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3-(2-オキソ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾキサゾール-6-イル)-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム塩(0.20g)を乾燥DMF(4 ml)に溶解させた後、氷冷下にピバロイルオキシメチルヨーダイド(145 mg)をゆっくりと滴下し、撹拌した。1時間後、酢酸エチルを加え、炭酸水素ナトリウム水溶液、水、食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:3)にて精製し、[(2,2-ジメチルプロパノイル)オキシメチル (5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3-(2-オキソ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾキサゾール-6-イル)-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート (0.19g、収率76%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ1.19 (s, 9 H), 1.37 (d, 3 H, J = 6.3 Hz), 1.80 (d, 1 H, J = 4.8 Hz), 3.18-3.37 (m, 3 H), 3.41 (s, 3H), 4.21-4.35 (m, 2 H), 5.77 (d, 1 H, J = 5.5 Hz), 5.86 (d, 1 H, J = 5.5 Hz), 6.89-6.94 (m, 1 H), 7.22-7.28 (m, 2 H).
Figure 2006025475
参考例28で得られた アリル (5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3-(2-オキソ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾキサゾール-5-イル)-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート(0.21 g、0.56 mmol)、トリフェニルホスフィン(15 mg)をTHF(5 ml)に溶解し、0℃にて2-エチルヘキサン酸ナトリウム(93 mg、0.56 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(32 mg、0.029 mmol)を加え20分間攪拌した。ヘキサン(5 ml)を加え析出した白色固体を窒素雰囲気下で濾取し、ヘキサンで洗浄し、減圧下室温で乾燥し粗生成物を得た。少量の氷冷水に溶解し、C18逆相カラムクロマトグラフィー(充填剤:和光純薬製Wakosil 40C18、移動相;0〜3%THF/氷冷イオン交換水)にて精製した。目的物のフラクションを合せてTHFを減圧下室温で1時間攪拌して除き、凍結乾燥して(5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3-(2-オキソ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾキサゾール-5-イル)-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム塩(76 mg、収率37%)を得た。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 1.07 (d, 3 H, J = 6.0 Hz), 2.93 (dd, 1 H, J = 17.0, 9.8 Hz), 3.21 (s, 3H), 3.22-3.37 (m, 2 H), 4.03-4.18 (m, 2 H), 6.95-7.01 (m, 2 H), 7.04-7.10 (m, 1 H).
Figure 2006025475
実施例9で得られた(5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3-(2-オキソ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾキサゾール-5-イル)-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム塩(43 mg)を乾燥DMF(1 ml)に溶解させた後、氷冷下にピバロイルオキシメチルヨーダイド(31 mg)をゆっくりと滴下し、撹拌した。1時間後、酢酸エチルを加え、炭酸水素ナトリウム水溶液、水、食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1→1:2)にて精製し、[(2,2-ジメチルプロパノイル)オキシメチル (5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3-(2-オキソ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾキサゾール-5-イル)-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート (33 mg、収率62%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.15 (s, 9 H), 1.37 (d, 3 H, J = 6.3 Hz), 1.77 (d, 1 H, J = 4.8 Hz), 3.19-3.37 (m, 3 H), 3.42 (s, 3H), 4.23-4.37 (m, 2 H), 5.77 (d, 1 H, J = 5.5 Hz), 5.84 (d, 1 H, J = 5.5 Hz), 6.89-7.00 (m, 2 H), 7.17 (d, 1 H, J = 8.4 Hz).
Figure 2006025475
参考例15で得られた6-{(5R,6S)-2-[(アリルオキシ)カルボニル]-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-3-イル}-2-オキソ-1,3-ベンズオキサゾール-3(2H)-カルボン酸アリル(0.69g)を用い、実施例7と同様の方法により(5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾキサゾール-6-イル)-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム(0.19g)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO- d6) δ 1.09 (d, 3 H, J = 6.3 Hz), 2.82 (dd, 1 H, J = 9.8, 15.6 Hz), 3.00 (dd, 1 H, J = 8.5, 15.6 Hz), 3.05 (dd, 1 H, J = 2.8, 6.6 Hz), 3.80-3.88 (m, 1 H), 3.89-3.95 (m, 1 H), 4.92 (d, 1 H, J = 5.0 Hz), 6.84 (d, 1 H, J = 8.2 Hz), 7.10 (dd, 1 H, J = 1.6, 8.2 Hz), 7.49 (br.s, 1 H), 11.52 (br.s, 1 H). LCMS 331 (M-Na+1+). IR 1751, 1585, 1497, 1446, 1392, 1300, 1257, 1219, 1153, 1134, 1091, 933, 810, 756, 710 cm-1.
Figure 2006025475
実施例11で得られた(5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾキサゾール-6-イル)-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム(0.12g)を用い実施例8と同様にして(5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾキサゾール-6-イル)-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボン酸[(2,2-ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル(0.10g)を薄黄色アモルファスとして得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.20 (s, 9 H), 1.38 (d, 3 H, J = 6.0 Hz), 1.92 (d, 1 H, J = 4.4 Hz), 3.18-3.38 (m, 3 H), 4.25-4.35 (m, 2 H), 5.79 (d, 1 H, J = 5.5 Hz), 5.88 (d, 1 H, J = 5.5 Hz), 7.03 (d, 1 H, J = 8.2 Hz), 7.19 (dd, 1 H, J = 1.6, 8.2 Hz), 7.26 (d, 1 H, J = 1.6 H), 8.35 (br.d, 1 H).
Figure 2006025475
参考例26で得られた5-((5R,6S)-2-[(アリルオキシ)カルボニル]-7-オキソ-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-3-イル)-2-オキソ-1,3-ベンズオキサゾール-3(2H)-カルボン酸アリル(0.79g)をTHF(13 ml)と水(4 ml)に溶解し、氷浴中で冷却しpHメーターを使用しながら、1 N塩酸をゆっくりと滴下しpH = 2.5に調整した。15分後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20 ml)、飽和食塩水(30 ml)を加え、クロロホルム(30 mlX 3回)で抽出した。有機層を合せて無水硫酸ナトリウムにて乾燥、濾過、濃縮し、5-((5R,6S)-2-[(アリルオキシ)カルボニル]-7-オキソ-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-3-イル)-2-オキソ-1,3-ベンズオキサゾール-3(2H)-カルボン酸アリル(0.67g)を薄黄色アモルファスとして得た。このものを用い実施例4と同様にして(5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンズオキサゾール-5-イル)-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム(0.33g、収率62%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO- d6) δ 1.09 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 2.82 (dd, 1 H, J = 9.9, 15.7 Hz), 3.03-3.10 (m, 2 H), 3.83-3.87 (m, 1 H), 3.92-3.98 (m, 1 H), 4.95 (br.s, 1 H), 6.92 (dd, 1 H, J = 1.8, 8.4 Hz), 7.00 (d, 1 H, J = 8.4 Hz), 7.37 (d, 1 H, J = 1.8 Hz), 12.32 (br.s, 1 H). LCMS 331 (M-Na+1+).
Figure 2006025475
実施例13で得られた(5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンズオキサゾール-5-イル)-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボン酸ナトリウム(0.12g)を用い、実施例8と同様にして(5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンズオキサゾール-5-イル)-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボン酸[(2,2-ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル(0.10g)を白色アモルファスとして得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.16 (s, 9 H), 1.36 (d, 3 H, J = 6.3 Hz), 2.67 (br.s, 1 H), 3.19-3.39 (m, 3 H), 4.24-4.35 (m, 2 H), 5.74 (d, 1 H, J = 5.6 Hz), 5.85 (d, 1 H, J = 5.6 Hz), 7.08 (dd, 1 H, J = 1.7, 8.4 Hz), 7.15 (d, 1 H, J = 8.4 Hz), 7.16 (d, 1 H, J = 1.7 H), 9.23 (br.d, 1 H). LCMS 445 (M+1+).
Figure 2006025475
参考例30で得られたアリル (5R,6S)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシラート(0.77g)を用い実施例7と同様の方法によりナトリウム (5R,6S)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシラート(0.50g、収率73%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO- d6) δ1.15 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 2.88 (dd, 1 H, J = 9.8, 15.8 Hz), 3.04 (dd, 1 H, J = 8.5, 15.8 Hz), 3.12 (dd, 1 H, J = 2.8, 6.9 Hz), 3.89-3.95 (m, 1 H), 3.98-4.01 (m, 1 H), 5.95-5.96 (m, 2 H), 6.79 (d, 1 H, J = 8.1 Hz), 6.86 (dd, 1 H, J = 1.7, 8.1 Hz), 7.33 (d, 1 H, J = 1.7 Hz).
Figure 2006025475
実施例15で得られたナトリウム (5R,6S)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシラート(0.13 g)を用い実施例8と同様にして[(2,2-ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル (5R,6S)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシラート(0.08g、収率48%)を薄黄色アモルファスとして得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.20 (s, 9 H), 1.36 (d, 3 H, J = 6.3 Hz), 3.15-3.31 (m, 3 H), 4.22-4.29 (m, 2 H), 5.79 (d, 1 H, J = 5.5 Hz), 5.88 (d, 1 H, J = 5.5 Hz), 5.99 (s, 2 H), 6.78 (d, 1 H, J = 8.0 Hz), 6.86-6.89 (m, 2 H).
LCMS 432.
Figure 2006025475
参考例33で得られたアリル 6-{(5R,6S)-2-[(アリルオキシ)カルボニル]-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-3-イル}-2-オキソインドリン-1-カルボキシラート(0.26g)を用い実施例7と同様の方法によりナトリウム (5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-6-イル)-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシラート(0.11g、収率64%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO- d6) δ 1.09 (d, 3 H, J = 6.3 Hz), 2.76 (dd, 1 H, J = 9.8, 15.5 Hz), 2.99 (dd, 1 H, J = 8.5, 15.5 Hz), 3.07 (dd, 1 H, J = 2.8, 6.6 Hz), 3.31 (s, 2 H), 3.80-3.88 (m, 1 H), 3.90-3.95 (m, 1 H), 4.91 (d, 1 H, J = 5.0 Hz), 6.87 (dd, 1 H, J = 1.5, 7.7 Hz), 6.96 (d, 1 H, J = 7.7 Hz), 7.02 (d, 1 H, J = 1.5 Hz), 10.27 (br.s, 1 H).
Figure 2006025475
実施例17で得られたナトリウム (5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-6-イル)-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシラート(0.07g)を用い実施例8と同様にして[(2,2-ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル (5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-6-イル)-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシラート(0.06g、収率63%)を薄黄色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.18 (s, 9 H), 1.37 (d, 3 H, J = 6.3 Hz), 3.17-3.36 (m, 3 H), 3.53 (s, 2 H), 4.23-4.33 (m, 2 H), 5.76 (d, 1 H, J = 5.5 Hz), 5.86 (d, 1 H, J = 5.5 Hz), 6.92 (d, 1 H, J = 1.6 Hz), 6.97 (dd, 1 H, J = 1.6, 7.7 Hz), 7.20 (d, 1 H, J = 7.7 Hz), 8.22 (br.s, 1 H).
参考例1
Figure 2006025475
工程a)
6-アセチル-2H-1,4-ベンゾキサジン-3(4H)-オン(1.91 g、10 mmol)のDMF(30 ml)溶液に氷冷下で60%水素化ナトリウム(480mg、12mmol)を加えた。氷冷下でクロロギ酸アリル(1.45g、12 mmol)を滴下し、室温で1時間半撹拌した。反応混合物に酢酸(601mg、10mmol)を滴下して反応を停止した後、予め冷却した5%硫酸水素カリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出・分液した。有機層を飽和食塩水・飽和炭酸水素ナトリウム水溶液・飽和食塩水(3回)の順に用いて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、濃縮した残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 60 g、ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、アリル 6-アセチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-4H-1,4-ベンゾキサジン-4-カルボキシレート(2.057 g、収率74.7%)を油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.57 (s, 3 H), 4.65 (s, 2 H), 4.90-4.95 (m, 2H), 5.36-5.42 (m, 1 H), 5.47-5.55 (m, 1 H), 5.98-6.09 (m, 1 H), 7.12 (d, 1 H, J = 8.4Hz), 7.74 (dd, 1 H, J = 2.0, 8.4 Hz), 7.97 (d, 1 H, J = 1.9Hz).
工程b)
工程a)で得られたアリル 6-アセチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-4H-1,4-ベンゾキサジン-4-カルボキシレート(2.04g、7 mmol)とトリエチルアミン(1.14ml、8 mmol)の塩化メチレン(30 ml)溶液にトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(1.34ml、8 mmol)を-40℃にて滴下し、氷冷で20分撹拌した。反応混合物に(2R,3R)-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソ-2-アゼチジニル アセテート(2.13 g、7mmol)、ヨウ化亜鉛(1.42 g、4 mmol)を氷冷にて加え、室温で1時間20分攪拌した。反応液に酢酸エチルと飽和食塩水を加え抽出・分液、無水硫酸ナトリウム乾燥、濾過、濃縮し、残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 50g、酢酸エチル:ヘキサン=1:2→1:1)で精製し、アリル 6-{[(2R,3S)-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-4H-1,4-ベンゾキサジン-4-カルボキシレート(3.6 g、収率96%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.02-0.13 (m, 6 H), 0.87 (s, 9 H), 1.25 (d, 3 H, J = 5.4 Hz), 2.85-2.91 (m, 1 H), 3.07-3.16 (m, 1 H), 3.36-3.44 (m, 1 H), 4.07-4.14 (m, 1 H), 4.18-4.25(m, 1 H), 4.66 (s, 2 H), 4.90-4.95 (m, 2 H), 5.34-5.41 (m, 1 H), 5.47-5.54(m, 1 H), 5.94-6.12 (m, 2 H), 7.14 (d, 1 H, J = 8.5 Hz), 7.72 (d, 1 H, J = 8.5 Hz), 8.00 (s, 1 H).
参考例2
Figure 2006025475
工程a)
参考例1で得られたアリル 6-{[(2R,3S)-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-4H-1,4-ベンゾキサジン-4-カルボキシレート(3.6 g、7 mmol)のトルエン(40 ml)溶液にアリルジヒドロキシアセテート(1.41 g, 11 mmol)を室温にて滴下した後、120℃にてDean-Stark蒸留器を用いて共沸脱水しながら2時間攪拌した。反応液を濃縮しアリル {(2R,3S)- 2-[2-(4-アリルオキシカルボニル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-4H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル)-2-オキソエチル]-3-(1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル-4-オキソアゼチジン-1-イル}(ヒドロキシル)アセテート(5.33g)を得た。このものはそのまま次の反応に用いた。
工程b)
工程a)で得られたアリル {(2R,3S)- 2-[2-(4-アリルオキシカルボニル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-4H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル)-2-オキソエチル]-3-(1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル-4-オキソアゼチジン-1-イル}(ヒドロキシル)アセテート(5.33g)のTHF(40ml)溶液に2,6-ルチジン(1.32 ml, 11 mmol)、塩化チオニル(0.73 ml, 10 mmol)を-20℃にて添加した後、室温にてTHF(20 ml)を加え、1時間攪拌した。反応液をろ過した後、ろ液を濃縮して、残渣を1,4-ジオキサン(40 ml)に溶解した。室温にて2,6-ルチジン(1.82 ml, 16 mmol)とトリフェニルホスフィン(3.35 g, 13 mmol)を加え、50℃にて3時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出・分液した。有機層を飽和食塩水洗浄(3回)した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、濃縮した。残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル150g、酢酸エチル:ヘキサン=1:5→3:1)にて精製し、アリル {(2R,3S)- 2-[2-(4-アリルオキシカルボニル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-4H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル)-2-オキソエチル]-3-(1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル-4-オキソアゼチジン-1-イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(2.56 g, 収率42%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ -0.15-0.11 (m, 6 H), 0.70-0.85 (m, 9 H), 1.10 (d, 3 H, J = 6.0 Hz), 2.85-3.01 (m, 2 H), 3.51-3.59 (m, 1 H), 3.78-4.05 (m, 2 H), 4.37-4.48 (m, 1 H), 4.62-4.71(m, 1 H), 4.88-5.04 (m, 3 H), 5.06-5.56 (m, 4 H), 5.73-6.11 (m, 2 H), 7.11-7.19 (m, 1 H), 7.38-7.88 (m, 15 H), 7.89-8.05 (m, 2 H)
参考例3
Figure 2006025475
工程a)
参考例2で得られたアリル {(2R,3S)- 2-[2-(4-アリルオキシカルボニル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-4H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル)-2-オキソエチル]-3-(1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル-4-オキソアゼチジン-1-イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(2.56 g)を70%トリフルオロ酢酸水溶液(20 ml)に室温にて溶解した。反応液に酢酸エチル(100 ml)を加え、飽和食塩水(100 mlX 2回)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mlX 2回)で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮して、アリル {(2R,3S)-2-[2-(4-アリルオキシカルボニル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-4H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル)-2-オキソエチル]-3-((1R)-1-ヒドロキシエチル)-4-オキソアゼチジン-1-イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(2.35 g)を薄黄色アモルファスとして得た。このものはそのまま次の反応に用いた。
工程b)
工程a)で得られたアリル {(2R,3S)- 2-[2-(4-アリルオキシカルボニル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-4H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル)-2-オキソエチル]-3-((1R)-1-ヒドロキシエチル)-4-オキソアゼチジン-1-イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(2.35g)とトリエチルアミン(2.15 ml、15 mmol)をTHF(20 ml)に溶解し、0℃にてクロロトリメチルシラン(1.17 ml、8.9 mmol)を加え、30分攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (50 ml)、飽和食塩水(100 ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮しアリル {(2R,3S)- 2-[2-(4-アリルオキシカルボニル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-4H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル)-2-オキソエチル]-3-(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル-4-オキソアゼチジン-1-イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(2.46 g)を黄色油状物として得た。このものはそのまま次の反応に用いた。
工程c)
工程b)で得られたアリル {(2R,3S)- 2-[2-(4-アリルオキシカルボニル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-4H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル)-2-オキソエチル]-3-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-4-オキソアゼチジン-1-イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテートをトルエン(50 ml)に溶解し、N,O−ビストリメチルシリルアセトアミド(1.5 ml)を加え4時間加熱還流した。放冷後、反応液を濃縮し、残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 100 g、酢酸エチル:ヘキサン=1:1→2:1)で精製し、アリル (5R,6S)-3-(4-アリルオキシカルボニル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-4H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル)-7-オキソ-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート(0.45 g、収率28%)を薄黄色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.14 (s, 9 H), 1.29 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 3.12-3.31 (m, 3 H), 4.15-4.25 (m, 2 H), 4.56-4.75 (m, 4 H), 4.88-4.93 (m, 2 H), 5.16-5.21 (m, 1 H), 5.29-5.39 (m, 2 H), 5.44-5.52 (m, 1 H), 5.82-6.08 (m, 2 H), 7.24 (d, 1 H, J = 8.4 Hz), 7.15 (d, 1 H, J = 8.4 Hz) 7.45 (s, 1 H).
工程d)
工程c)で得られたアリル (5R,6S)-3-(4-アリルオキシカルボニル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-4H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル)-7-オキソ-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート(0.45 g、0.83 mmol)をTHF(20 ml)と水(2 ml)に溶解し、氷浴中で冷却しpHメーターを使用しながら、1 N塩酸をゆっくりと滴下しpH = 2.5に調整した。10分後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20 ml)、飽和食塩水(20 ml)を加え、酢酸エチル(20 ml)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥、濾過、濃縮し、アリル (5R,6S)-3-(4-アリルオキシカルボニル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-4H-1,4-ベンゾキサジン-6-イル)-7-オキソ-6-{(1R)-1-ヒドロキシエチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート(0.36 g、0.67 mmol、収率93%)を薄黄色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.37 (d, 3 H, J = 6.3 Hz), 1.74 (br.s, 1 H), 3.17-3.31 (m, 3 H), 4.22-4.34 (m, 2 H), 4.54-4.78 (m, 3 H), 4.86-4.91 (m, 2 H), 5.20-5.54 (m, 4 H), 5.82-6.07 (m, 2 H), 7.03 (d, 1 H, J = 8.4 Hz), 7.15 (d, 1 H, J = 8.4 Hz), 7.51 (s, 1 H).
参考例4
Figure 2006025475
5-アセチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾイミダゾール-2-オン(0.785 g、4.5 mmol)のDMF(30 ml)溶液に氷冷下で60%水素化ナトリウム(374 mg、9.4 mmol)を加えた。氷冷下でクロロギ酸アリル(1.07 g、8.9 mmol)を滴下し、室温で1時間撹拌した。反応混合物に予め冷却した5%硫酸水素カリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出・分液した。有機層を塩水洗浄(3回)した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 40 g、酢酸エチル:ヘキサン=1:3→1:1)精製し,ジアリル 5-アセチル-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1,3(2H)-ジカルボキシレート(1.26 g、収率83%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.63 (s, 3 H), 4.94-5.02 (m, 4 H), 5.38-5.44 (m, 2 H), 5.54-5.63 (m, 2 H), 6.03-6.14 (m, 2 H), 7.92 (d, 1 H, J = 8.6 Hz), 8.03 (d, 1 H, J = 8.6 Hz), 8.56 (s, 1H).
参考例5
Figure 2006025475
参考例4で得られたジアリル 5-アセチル-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1,3(2H)-ジカルボキシレート(1.16 g、3.4 mmol)とトリエチルアミン(0.38 g、3.7 mmol)の塩化メチレン(20 ml)溶液にトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.75 g、3.4 mmol)を0℃にて滴下し、20分間撹拌した後、トリエチルアミン(0.38 g、3.7 mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.75 g、3.4 mmol)を0℃にて滴下し、15分間撹拌した。反応混合物に(2R,3R)-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソ-2-アゼチジニル アセテート(0.97 g、3.4 mmol)、ヨウ化亜鉛(1.3 g、4.0 mmol)を氷冷にて加え、室温で5時間攪拌した。反応液に酢酸エチルと飽和食塩水を加え抽出・分液、無水硫酸ナトリウム乾燥、濾過、濃縮し、残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル50g、酢酸エチル:ヘキサン=1:4→1:1)で精製し、ジアリル 5-{[(2R,3S)-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1,3(2H)-ジカルボキシレート(1.5 g、収率73%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.08 (s, 6 H), 0.88 (s, 9 H), 1.25 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 2.85-2.92 (m, 1 H), 3.11-3.23 (m, 1 H), 3.43-3.54 (m, 1 H), 4.07-4.16 (m, 1 H), 4.19-4.27 (m, 1 H), 4.91-4.97 (m, 4 H), 5.33-5.42 (m, 2 H), 5.54-5.62 (m, 2 H), 5.95-6.12 (m, 3 H), 7.91 (d, 1 H, J = 8.6 Hz), 8.06 (d, 1 H, J = 8.6 Hz), 8.55 (s, 1 H).
参考例6
Figure 2006025475
工程a)
参考例5で得られた ジアリル 5-{[(2R,3S)-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1,3(2H)-ジカルボキシレート(1.53 g、2.7 mmol)のトルエン(35 ml)溶液にアリルジヒドロキシアセテート(0.53 g, 4.0 mmol)を室温にて滴下した後、120℃にてDean-Stark蒸留器を用いて共沸脱水しながら2時間攪拌した。反応液を濃縮しアリル {(2R,3S)- 2-{2-(1,3-ジアリルオキシカルボニル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-2-オキソエチル}-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-1-イル}(ヒドロキシル)アセテートを得た。このものはそのまま次の反応に用いた。
工程b)
工程a)で得られたアリル {(2R,3S)- 2-{2-(1,3-ジアリルオキシカルボニル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-2-オキソエチル}-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-1-イル}(ヒドロキシル)アセテートのTHF(30ml)溶液に2,6-ルチジン(0.46 g, 4.3 mmol)、塩化チオニル(0.45 g, 3.8 mmol)を-20℃にて添加した後、室温にてTHF (15 ml)を加え、1時間攪拌した。反応液をろ過した後、ろ液を濃縮して、残渣を1,4-ジオキサン(30 ml)に溶解した。室温にて2,6-ルチジン(0.63 g, 5.9 mmol)とトリフェニルホスフィン(1.27 g, 4.8 mmol)を加え、50℃にて3時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出・分液した。有機層を飽和食塩水洗浄(3回)した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、濃縮した。残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル150g、酢酸エチル:ヘキサン=1:5→1:1)にて精製し、アリル {(2R,3S)-2-{2-(1,3-ジアリルオキシカルボニル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-2-オキソエチル}-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-1-イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(1.48 g, 収率59%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ -0.15-0.08 (m, 6 H), 0.72-0.79 (m, 9 H), 1.06-1.12 (m, 3 H), 2.62-2.79 (m, 1 H), 2.86-3.04 (m, 2 H), 3.41-3.57 (m, 1 H), 3.79-3.98 (m, 1 H), 4.88-4.99(m, 6 H), 5.31-5.39 (m, 3 H), 5.52-5.62 (m, 3 H), 5.96-6.13 (m, 3 H), 7.35-7.80 (m, 15 H), 7.98-8.05 (m, 2 H), 8.58-8.64 (m, 1 H)
参考例7
Figure 2006025475
工程a)
参考例6で得られたアリル {(2R,3S)-2-{2-(1,3-ジアリルオキシカルボニル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-2-オキソエチル}-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-1-イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(1.48 g)を70%トリフルオロ酢酸水溶液(15 ml)に室温にて溶解した。反応液に酢酸エチル(100 ml)を加え、飽和食塩水(100 mlX 2回)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mlX 2回)で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮して、アリル {(2R,3S)-2-{2-(1,3-ジアリルオキシカルボニル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-2-オキソエチル}-3-((1R)-1-ヒドロキシエチル)-4-オキソアゼチジン-1-イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテートを薄黄色アモルファスとして得た。このものはそのまま次の反応に用いた。
工程b)
工程a)で得られたアリル {(2R,3S)-2-{2-(1,3-ジアリルオキシカルボニル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-2-オキソエチル}-3-((1R)-1-ヒドロキシエチル)-4-オキソアゼチジン-1-イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテートとトリエチルアミン(1.6 g、16 mmol)をTHF(50 ml)に溶解し、0℃にてクロロトリメチルシラン(1.2 g、11 mmol)を加え、30分攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50 ml)、飽和食塩水(100 ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮した。残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル30 g、酢酸エチル:ヘキサン=1:4→2:1)にて精製し、アリル {(2R,3S)-2-{2-(1,3-ジアリルオキシカルボニル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-2-オキソエチル}-3-((1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル)-4-オキソアゼチジン-1-イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(1.1 g, 収率78%)を得た。
工程c)
工程b)で得られたアリル {(2R,3S)-2-{2-(1,3-ジアリルオキシカルボニル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-2-オキソエチル}-3-((1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル)-4-オキソアゼチジン-1-イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート (1.1 g) をトルエン(50 ml)に溶解し、N,O−ビストリメチルシリルアセトアミド(0.50 g)を加え10時間加熱還流した。放冷後、反応液を濃縮し、残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 30 g、酢酸エチル:ヘキサン=1:4→1:3)で精製し、アリル (5R,6S)-3-(1,3-ジアリルオキシカルボニル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-7-オキソ-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート(0.62 g、収率82%)を薄黄色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.14 (s, 9 H), 1.28 (d, 3 H, J = 7.0 Hz), 3.14-3.35 (m, 3 H), 4.17-4.24 (m, 2 H), 4.59-4.75 (m, 2 H), 4.91-4.98 (m, 4 H), 5.13-5.18 (m, 1 H), 5.26-5.41 (m, 3 H), 5.49-5.58 (m, 2 H), 5.81-5.90 (m, 1 H), 5.97-6.07 (m, 2 H), 7.28-7.33 (m, 1 H), 7.90 (d, 1 H, J = 8.5 Hz) 8.02 (s, 1 H).
工程d)
工程c)で得られたアリル (5R,6S)-3-(1,3-ジアリルオキシカルボニル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-7-オキソ-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート(0.62 g、1.0 mmol)をTHF(45 ml)と水(5 ml)に溶解し、氷浴中で冷却しpHメーターを使用しながら、1 N塩酸をゆっくりと滴下しpH = 2.5に調整した。10分後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30 ml)、飽和食塩水(30 ml)を加え、酢酸エチル(30 ml)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥、濾過、濃縮し、アリル (5R,6S)-3-(1,3-ジアリルオキシカルボニル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-7-オキソ-6-{(1R)-1-ヒドロキシエチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン}-2-カルボキシレート(0.56 g、1.0 mmol、定量的収率)を薄黄色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.38 (d, 3 H, J = 6.3 Hz), 1.79 (br.s, 1 H), 3.19-3.38 (m, 3 H), 4.22-4.37 (m, 2 H), 4.55-4.67 (m, 1 H), 4.71-4.79 (m, 1 H), 4.91-4.98 (m, 4 H), 5.14-5.20 (m, 1 H), 5.24-5.44 (m, 3 H), 5.52-5.61 (m, 2 H), 5.81-5.91 (m, 1H), 5.97-6.08 (m, 2 H), 7.28-7.32 (m, 1 H), 7.91 (d, 1 H, J = 8.5 Hz), 8.03 (s, 1 H).
参考例8
Figure 2006025475
1,3-ジヒドロ-2H-インドール-2-オン(6.30 g、36 mmol)のDMF(100 ml)溶液に氷冷下で60%水素化ナトリウム(3.0 g、76 mmol)を加えた。氷冷下でクロロギ酸アリル(8.7 g、72 mmol)を滴下し、室温で3時間撹拌した。反応混合物に予め冷却した5%硫酸水素カリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出・分液した。有機層を食塩水洗浄(3回)した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 40 g、酢酸エチル:ヘキサン=1:4→1:3)精製し,アリル 5-アセチル-2-(アリルオキシカルボニルオキシ)-1H-インドール-1-カルボキシレート(3.96 g、収率32%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.67 (s, 3 H), 4.76-4.79 (m, 2 H), 4.91-4.93 (m, 2 H), 5.36-5.48 (m, 4 H), 5.97-6.04 (m, 2 H), 6.43 (s, 1 H), 7.94-7.97 (m, 1 H), 8.14-8.17 (m, 2 H).
参考例9
Figure 2006025475
参考例8で得られたアリル 5-アセチル-2-(アリルオキシカルボニルオキシ)-1H-インドール-1-カルボキシレート(3.76 g、11 mmol)とトリエチルアミン(1.23 g、12 mmol)の塩化メチレン(75 ml)溶液にトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(2.43 g、11 mmol)を0℃にて滴下し、20分間撹拌した後、トリエチルアミン(0.60 g、6.0 mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(1.21 g、5.5 mmol)を0℃にて滴下し、15分間撹拌した。反応混合物に(2R,3R)-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソ-2-アゼチジニル アセテート(3.15 g、11 mmol)、ヨウ化亜鉛(3.2 g、9.9 mmol)を氷冷にて加え、室温で5時間攪拌した。反応液に酢酸エチルと飽和食塩水を加え抽出・分液、無水硫酸ナトリウム乾燥、濾過、濃縮し、残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100 g、酢酸エチル:ヘキサン=1:4→1:2)で精製し、アリル 5-{[(2R,3S)-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}-2-(アリルオキシカルボニルオキシ)-1H-インドール-1-カルボキシレート(3.5 g、収率56%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.08 (s, 6 H), 0.86 (s, 9 H), 1.25 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 2.89-2.91 (m, 1 H), 3.17-3.26 (m, 1 H), 3.49-3.54 (m, 1 H), 4.12-4.16 (m, 1 H), 4.16-4.29 (m, 1 H), 4.76-4.79 (m, 2 H), 4.91-4.93 (m, 2 H), 5.36-5.42 (m, 2 H), 5.42-5.56 (m, 2 H), 5.92-6.12 (m, 2 H), 6.17 (s, 1 H), 6.43 (s, 1 H), 7.87-7.92 (m, 1 H), 8.12 (s, 1 H), 8.16-8.21 (m, 1 H).
参考例10
Figure 2006025475
工程a)
参考例9で得られたアリル 5-{[(2R,3S)-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}-2-(アリルオキシカルボニルオキシ)-1H-インドール-1-カルボキシレート(3.52 g、6.2 mmol)のトルエン(100 ml)溶液にアリルジヒドロキシアセテート(1.2 g, 9.3 mmol)を室温にて滴下した後、120℃にてDean-Stark蒸留器を用いて共沸脱水しながら6時間攪拌した。反応液を濃縮しアリル {(2R,3S)- 2-[2-(1-アリルオキシカルボニル-2-アリルオキシカルボニルオキシ-1H-インドール-5-イル)-2-オキソエチル]-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-1-イル}(ヒドロキシル)アセテートを得た。このものはそのまま次の反応に用いた。
工程b)
工程a)で得られたアリル {(2R,3S)- 2-[2-(1-アリルオキシカルボニル-2-アリルオキシカルボニルオキシ-1H-インドール-5-イル)-2-オキソエチル]-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-1-イル}(ヒドロキシル)アセテートのTHF(70 ml)溶液に2,6-ルチジン(1.05 g, 9.9 mmol)、塩化チオニル(1.03 g, 8.6 mmol)を-20℃にて添加した後、室温にてTHF (30 ml)を加え、1時間攪拌した。反応液をろ過した後、ろ液を濃縮して、残渣を1,4-ジオキサン(70 ml)に溶解した。室温にて2,6-ルチジン(1.45 g, 14 mmol)とトリフェニルホスフィン(2.91 g, 11 mmol)を加え、50℃にて3時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出・分液した。有機層を飽和食塩水洗浄(3回)した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、濃縮した。残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル150g、酢酸エチル:ヘキサン=1:5→1:1)にて精製し、アリル {(2R,3S)-2-[2-(1-アリルオキシカルボニル-2-アリルオキシカルボニルオキシ-1H-インドール-5-イル)-2-オキソエチル]-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-1-イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(2.86 g, 収率50%)を得た。
LC/MS (EI) 929 (M+1)
参考例11
Figure 2006025475
工程a)
参考例10で得られた アリル {(2R,3S)-2-[2-(1-アリルオキシカルボニル-2-アリルオキシカルボニルオキシ-1H-インドール-5-イル)-2-オキソエチル]-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-1-イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(2.66 g)を70%トリフルオロ酢酸水溶液(30 ml)に室温にて溶解した。3日間攪拌した後、反応液に酢酸エチル(100 ml)を加え、飽和食塩水(100 mlX 2回)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mlX 2回)で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮して、アリル [(2R,3S)-2-[2-(1-アリルオキシカルボニル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル)-2-オキソエチル]-3-((1R)-1-ヒドロキシエチル)-4-オキソアゼチジン-1-イル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテートを薄黄色アモルファスとして得た。このものはそのまま次の反応に用いた。
工程b)
工程a)で得られた アリル [(2R,3S)-2-[2-(1-アリルオキシカルボニル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル)-2-オキソエチル]-3-((1R)-1-ヒドロキシエチル)-4-オキソアゼチジン-1-イル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテートとトリエチルアミン(1.5 g、14 mmol)をTHF(80 ml)に溶解し、0℃にてクロロトリメチルシラン(1.1 g、10 mmol)を加え、30分攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50 ml)、飽和食塩水(100 ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮した。残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル50 g、酢酸エチル:ヘキサン=1:3→2:1)にて精製し、アリル [(2R,3S)-2-[2-(1-アリルオキシカルボニル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル)-2-オキソエチル]-4-オキソ-3-((1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル)-アゼチジン-1-イル](トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(0.91 g, 収率39%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ -0.05 (s, 9 H), 1.06-1.15 (m, 3 H), 2.62-2.75 (m, 1 H), 2.88-3.15 (m, 2 H), 3.41-3.52 (m, 1 H), 3.66-3.79 (m, 2 H), 3.82-4.01(m, 1H), 4.42-4.61 (m, 2 H), 4.88-4.95 (m, 2 H), 5.03-5.28 (m, 2 H), 5.36-5.58 (m, 2 H), 5.78-6.13 (m, 2 H), 7.45-8.12 (m, 18 H)
工程c)
工程b)で得られた アリル [(2R,3S)-2-[2-(1-アリルオキシカルボニル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル)-2-オキソエチル]-4-オキソ-3-((1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル)-アゼチジン-1-イル](トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(0.91 g) をトルエン(45 ml)に溶解し、N,O−ビストリメチルシリルアセトアミド(0.46 g)を加え10時間加熱還流した。放冷後、反応液を濃縮し、残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 30 g、酢酸エチル:ヘキサン=1:5→1:2)で精製し、アリル (5R,6S)-3-(1-アリルオキシカルボニル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル)-7-オキソ-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート(0.48 g、収率80%)を薄黄色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.14 (s, 9 H), 1.28 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 3.12-3.32 (m, 3 H), 3.69 (s, 2 H), 4.19-4.28 (m, 2 H), 4.59-4.67 (m, 1 H), 4.72-4.79 (m, 1 H), 4.88-4.95 (m, 2 H), 5.17-5.22 (m, 1 H), 5.29-5.39 (m, 2 H), 5.49-5.58 (m, 1 H), 5.83-6.12 (m, 2 H), 7.32-7.40 (m, 2 H), 7.86 (d, 1 H, J = 8.4 Hz).
工程d)
工程c)で得られた アリル (5R,6S)-3-(1-アリルオキシカルボニル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル)-7-オキソ-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート(0.48 g、0.91 mmol)をTHF(45 ml)と水(5 ml)に溶解し、氷浴中で冷却しpHメーターを使用しながら、1 N塩酸をゆっくりと滴下しpH = 3.0に調整した。20分後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30 ml)、飽和食塩水(30 ml)を加え、酢酸エチル(30 ml)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥、濾過、濃縮し、アリル [(5R,6S)-3-(1-アリルオキシカルボニル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル)-7-オキソ-6-{(1R)-1-ヒドロキシエチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン]-2-カルボキシレート(0.39 g、0.87 mmol、収率96%)を薄黄色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.38 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 1.77 (br.s, 1 H), 3.16-3.38 (m, 3 H), 3.70 (s, 2 H), 4.21-4.35 (m, 2 H), 4.57-4.68 (m, 1 H), 4.72-4.79 (m, 1 H), 4.86-4.92 (m, 2 H), 5.19-5.27 (m, 1 H), 5.31-5.39 (m, 2 H), 5.48-5.59 (m, 1 H), 5.83-6.12 (m, 2 H), 7.33-7.40 (m, 2 H), 7.87 (d, 1 H, J = 8.4 Hz).
参考例12
Figure 2006025475
6-アセチル-1,3-ベンゾキサゾール-2(3H)-オン(1.772 g、10 mmol)のDMF(30 ml)溶液に氷冷下で60%水素化ナトリウム(480mg、12mmol)を加えた。氷冷下でクロロギ酸アリル(1.45g、12 mmol)を滴下し、室温で1時間半撹拌した。反応混合物に予め冷却した5%硫酸水素カリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出・分液した。有機層を塩水洗浄(4回)した後、THFを加えて一部析出する固体を溶解し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、濃縮した。得られた粗結晶を酢酸エチル/ヘキサンでリパルプ精製し、減圧乾燥することでアリル 6-アセチル-2-オキソ-1,3-ベンゾキサゾール-3(2H)-カルボキシレート(2.207 g、収率84%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.60 (s, 3 H), 4.90-4.98 (m, 2 H), 5.31-5.39 (m, 1 H), 5.48-5.58 (m, 1 H), 6.00-6.13 (m, 1 H), 7.77-7.83 (m, 1 H), 7.90-7.98 (m, 2 H).
参考例13
Figure 2006025475
アリル 6-アセチル-2-オキソ-1,3-ベンゾキサゾール-3(2H)-カルボキシレート(1.31 g、5 mmol)とトリエチルアミン(605mg、6 mmol)の塩化メチレン(45 ml)溶液にトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(1.22g、5.5 mmol)を-50℃にて滴下し、氷冷で20分撹拌した。反応混合物に(2R,3R)-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソ-2-アゼチジニル アセテート(1.44 g、5mmol)、ヨウ化亜鉛(1.60 g、5 mmol)を氷冷にて加え、室温で2時間20分攪拌した。反応液に酢酸エチルと飽和食塩水を加え抽出・分液、無水硫酸マグネシウム乾燥、濾過、濃縮した。得られた粗結晶を酢酸エチルでリパルプ精製し、アリル 6-{[(2R,3S)-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}-2-オキソ-1,3-ベンゾキサゾール-3(2H)-カルボキシレート(1.675 g)を淡黄色固体として得た。この結晶には、原料であるアリル 6-アセチル-2-オキソ-1,3-ベンゾキサゾール-3(2H)-カルボキシレートが7%含まれていたが、更に精製することなく次反応に用いた(収率64%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.03 (s, 3 H), 0.05 (s, 3 H), 0.83 (s, 9 H), 1.13 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 2.82-2.88 (m, 1 H), 3.37-3.44 (m, 1 H), 3.90-3.98 (m, 1 H), 4.07-4.17 (m, 1 H), 7.77-7.85 (m, 1 H), 7.91-8.00 (m, 1 H), 8.01-8.09 (m, 1 H).
参考例14
Figure 2006025475
参考例13で得られたアリル 6-{[(2R,3S)-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}-2-オキソ-1,3-ベンゾキサゾール-3(2H)-カルボキシレート(1.51g)、アリルジヒドロキシアセテート(0.49g)のトルエン(31ml)溶液をDean-Stark蒸留器を用いて共沸脱水しながら6時間還流した。放冷後、トルエンを減圧濃縮で除き残渣をTHF(15ml)に溶解した。2,6-ルチジン(0.50g)を加え−20℃で塩化チオニル(0.55g)を滴下し、1時間攪拌した。THF(20ml)を加え、不溶物を濾別し、THFで洗浄した。濾液と洗浄液を合せて濃縮し、残渣をジオキサン(50ml)に溶解した。2,6-ルチジン(0.73g)、トリフェニルホスフィン(1.79g)を加え60℃で3時間攪拌した。ジオキサンを減圧除去した残渣を酢酸エチル(50ml)に溶解し、飽和食塩水(50mlX3回)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル50g、ヘキサン:酢酸エチル=4:1→1:1)で精製して6-{[(2R,3S)-1-[2-(アリルオキシ)-2-オキソ-1-(トリフェニルホスホラニリデン)エチル]-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}-2-オキソ-1,3-ベンズオキサゾール-3(2H)-カルボン酸アリル(1.76g)を得た。
LCMS 847(M+1+)
参考例15
Figure 2006025475
工程a)
参考例14で得られた6-{[(2R,3S)-1-[2-(アリルオキシ)-2-オキソ-1-(トリフェニルホスホラニリデン)エチル]-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}-2-オキソ-1,3-ベンズオキサゾール-3(2H)-カルボン酸アリル(1.76g)を70%トリフルオロ酢酸(7ml)に溶解した。反応液にクロロホルム(50ml)を加え、飽和食塩水(50ml)で洗浄し、さらに飽和食塩水(50ml)を加えた。混合物を炭酸水素ナトリウムで中和し、有機層を分取し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過、濃縮した。残渣をTHF(10ml)に溶解し、トリエチルアミン(0.35ml)を加え、0℃でクロロトリメチルシラン(0.32ml)を滴下し30分攪拌した。反応液に飽和食塩水(10ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)を加え酢酸エチル(10mlX3回)で抽出した。有機層を合せて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過、濃縮し、残渣をトルエン(40ml)に溶解した。N,O−ビストリメチルシリルアセトアミド(0.5ml)を加え2時間還流し、放冷後トルエンを減圧除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 100g、ヘキサン:酢酸エチル=4:1→1:1)で精製し6-((5R,6S)-2-[(アリルオキシ)カルボニル]-7-オキソ-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-3-イル)-2-オキソ-1,3-ベンズオキサゾール-3(2H)-カルボン酸アリル(0.86g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.15 (s, 9 H), 1.30 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 3.15-3.33 (m, 3 H), 4.20-4.27 (m, 2 H), 4.62-4.76 (m, 2 H), 4.96-4.97 (m, 2H), 5.21-5.24 (m, 1 H), 5.32-5.43 (m, 2 H), 5.53-5.57 (m, 1 H), 5.84-5.93 (m, 1 H), 6.01-6.11 (m, 1 H), 7.25-7.30 (m, 2 H), 7.75 (d, 1 H, J = 8.4 Hz).
工程b)
工程a)で得られた6-((5R,6S)-2-[(アリルオキシ)カルボニル]-7-オキソ-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-3-イル)-2-オキソ-1,3-ベンズオキサゾール-3(2H)-カルボン酸アリル(0.86g)をTHF(13 ml)と水(4 ml)に溶解し、氷浴中で冷却しpHメーターを使用しながら、1 N塩酸をゆっくりと滴下しpH = 2.5に調整した。15分後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20 ml)、飽和食塩水(50 ml)を加え、クロロホルム(50 mlX 3回)で抽出した。有機層を合せて無水硫酸ナトリウムにて乾燥、濾過、濃縮し、6-{(5R,6S)-2-[(アリルオキシ)カルボニル]-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-3-イル}-2-オキソ-1,3-ベンズオキサゾール-3(2H)-カルボン酸アリル(0.69g、収率93%)を薄黄色アモルファスとして得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.39 (d, 3 H, J = 6.3 Hz), 3.18-3.35 (m, 3 H), 3.75 (br.s, 1 H), 4.24-4.35 (m, 2 H), 4.62-4.78 (m, 2 H), 4.96-4.98 (m, 2H), 5.21-5.25 (m, 1 H), 5.31-5.42 (m, 2 H), 5.53-5.58 (m, 1 H), 5.84-5.94 (m, 1 H), 6.01-6.11 (m, 1 H), 7.25-7.32 (m, 2 H), 7.76 (d, 1 H, J = 8.4 Hz). LCMS 455(M+1+1).
参考例16
Figure 2006025475
6-アセチル-1,3-ベンゾキサゾール-2(3H)-オン(2.0 g、11.3 mmol)のDMF(20 ml)溶液に氷冷下で60%水素化ナトリウム(540mg、13.6mmol)を加え20分攪拌した。氷冷下でヨウ化メチル(0.92ml、14.7 mmol)を滴下し、室温で1時間半撹拌した。反応混合物に飽和食塩水(90ml)、2M塩酸(10ml)を加え、酢酸エチルで抽出・分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、濃縮した。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 23g、クロロホルム:メタノール=100:0→95:5)で精製し6-アセチル-3-メチル-1,3-ベンズオキサゾール-2(3H)-オン(2.11 g、収率98%)を薄橙色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.61 (s, 3 H), 3.46 (s, 3 H), 7.03 (d, 1 H, J = 8.2 Hz), 7.82 (d, 1 H, J = 1.5 Hz), 7.90 (dd, 1 H, J = 1.5, 8.2 Hz). LCMS 192.
参考例17
Figure 2006025475
参考例16で得られた6-アセチル-3-メチル-1,3-ベンズオキサゾール-2(3H)-オン(2.11 g)を用い、参考例13と同様にして粗生成物を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 50g、ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチルのみ)で精製し6-{[3-(1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}-3-メチル-1,3-ベンズオキサゾール-2(3H)-オン(4.59g、定量的収率)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.08 (s, 3 H), 0.09 (s, 3 H), 0.88 (s, 9 H), 1.26 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 2.90 (dd, 1 H, J = 2.3, 5.3 Hz), 3.16 (dd, 1 H, J = 10.2, 17.6 Hz), 3.43-3.48 (m, 1 H), 3.47 (s, 3 H), 4.11-4.15 (m, 1 H), 4.20-4.26 (m, 1 H), 6.11 (br.s, 1 H), 7.05 (d, 1 H, J = 8.3 Hz), 7.80 (d, 1 H, J = 1.5 Hz), 7.88 (dd, 1 H, J = 1.5, 8.3 Hz). LCMS 419 (M+1)+.
参考例18
Figure 2006025475
参考例17で得られた6-{[3-(1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}-3-メチル-1,3-ベンズオキサゾール-2(3H)-オン(4.59g)を用い、参考例14と同様にしてアリル {(2R,3S)-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-2-[2-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンズオキサゾール-6-イル)-2-オキソエチル]-4-オキソアゼチジン-1-イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(5.24g、61%)を薄黄色アモルファスとして得た。
LCMS 777 (M+1)+.
参考例19
Figure 2006025475
参考例18で得られたアリル {(2R,3S)-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-2-[2-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンズオキサゾール-6-イル)-2-オキソエチル]-4-オキソアゼチジン-1-イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(3.0g)を用い、参考例15の工程a)と同様にしてアリル (5R,6S)-3-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンズオキサゾール-6-イル)-7-オキソ-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート(1.8g、100%)を薄黄色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.15 (s, 9H), 1.30 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 3.15-3.32 (m, 3 H), 3.41 (s, 3 H), 4.20-4.26 (m, 2 H), 4.62-4.76 (m, 2 H), 5.20-5.24 (m, 1 H), 5.32-5.37 (m, 1 H), 5.83-5.94 (m, 1 H), 6.93 (d, 1 H, J = 8.4 Hz), 7.25-7.28 (m, 2 H). LCMS 385, 457.
参考例20
Figure 2006025475
アリル (5R,6S)-3-(3-メチル-2-オキソ-1,3-ベンゾキサゾール-6-イル)-7-オキソ-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート(1.37 g、3.0 mmol)をTHF(30 ml)と水(3 ml)に溶解し、氷浴中で冷却しpHメーターを使用しながら、1 N塩酸をゆっくりと滴下しpH = 2.5に調整した。10分後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20 ml)、飽和食塩水(20 ml)を加え、酢酸エチル(20 ml)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥、濾過、濃縮し、アリル (5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3-(3-メチル-2-オキソ-1,3-ベンゾキサゾール-6-イル)-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート(0.77 g、2.0 mmol、収率66%)を薄黄色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.37 (d, 3 H, J = 6.3 Hz), 1.77 (d, 1 H, J = 4.6 Hz), 3.19-3.38 (m, 3 H), 3.41 (s, 3 H), 4.22-4.33 (m, 2 H), 4.61-4.79 (m, 2 H), 5.18-5.23 (m, 1 H), 5.29-5.35 (m, 1 H), 5.82-5.91 (m, 1 H), 6.93 (d, 1 H, J = 8.1 Hz), 7.23-7.29 (m, 2 H).
参考例21
Figure 2006025475
塩化アルミニウム(53.3g)のDMF(8.6g)懸濁液に2-アセトアミドフェノール(7.6g)、続いてアセチルクロリド(5.5g)を35℃で加え、85℃で5時間加熱した。放冷後、反応混合物に氷と濃塩酸を0℃でゆっくりと加えた。反応混合物を6M塩酸(400ml)中に加え不溶物を濾取・水洗・減圧下で乾燥し、N-(5-アセチル-2-ヒドロキシフェニル)アセトアミド(2.38g)を薄緑色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.10 (s, 3 H), 2.46 (s, 3 H), 6.94 (d, 1 H, J = 8.4), 7.61 (dd, 1 H, J = 2.1, 8.4), 8.41 (d, 1 H, J = 2.1 Hz), 9.34 (br.s, 1 H), 10.80 (br.s, 1 H). LCMS 194 (M+1+).
参考例22
Figure 2006025475
参考例21で得られたN-(5-アセチル-2-ヒドロキシフェニル)アセトアミド(4.86g)を濃塩酸(25ml)に懸濁させて45分間還流し、放冷後塩酸を減圧除去した。残渣に尿素と濃塩酸(7ml)を加え140℃で1.5時間、170℃で2.5時間加熱した。放冷後水(30ml)を加え1時間攪拌した。固体を濾取・水洗・減圧乾燥して粗生成物(5.3g)を得た。エタノールから再結晶して5-アセチル-1,3-ベンズオキサゾール-2(3H)-オン(2.08g)を橙色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.47 (s, 3 H), 7.30 (d, 1 H, J = 8.4 Hz), 7.45 (d, 1 H, J = 1.8 Hz), 7.67 (dd, 1 H, J = 1.8, 8.4 Hz), 11.80 (br.s, 1 H).
参考例23
Figure 2006025475
参考例22で得られた5-アセチル-1,3-ベンズオキサゾール-2(3H)-オン(2.08g)を用いて参考例12と同様な操作を行い粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 30g、ヘキサン:酢酸エチル=4:1→1:1)で精製して5-アセチル-2-オキソ-1,3-ベンズオキサゾール-3(2H)-カルボン酸アリル(2.61g)を黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.64 (s, 3 H), 4.99-5.01 (m, 1 H), 5.41-5.44 (m, 1 H), 5.55-5.60 (m, 1 H), 6.02-6.13 (m, 1 H), 7.30 (d, 1 H, J = 8.4 Hz), 7.94 (dd, 1 H, J = 1.8, 8.4 Hz), 8.41 (d, 1 H, J = 1.8 Hz).
参考例24
Figure 2006025475
参考例23で得られた5-アセチル-2-オキソ-1,3-ベンズオキサゾール-3(2H)-カルボン酸アリル(2.61g)を用い参考例13と同様にして得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 60g、ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:3)で精製し5-{[3-(1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}-2-オキソ-1,3-ベンズオキサゾール-3(2H)-カルボン酸アリル(4.31g)を薄黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.08 (s, 3 H), 0.09 (s, 3 H), 0.88 (s, 9 H), 1.26 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 2.91 (dd, 1 H, J = 2.3, 5.2 Hz), 3.19 (dd, 1 H, J = 10.2, 17.8), 3.47 (dd, 1 H, J = 3.0, 17.8 Hz), 4.13-4.17 (m, 1 H), 4.21-4.27 (m, 1 H), 4.99-5.01 (m, 1 H), 5.41-5.45 (m, 1 H), 5.55-5.61 (m, 1 H), 6.03-6.11 (m, 1 H), 6.12 (br.s, 1 H), 7.33 (d, 1 H, J = 8.4 Hz), 7.93 (dd, 1 H, J = 1.8, 8.4 Hz), 8.41 (d, 1 H, J = 1.8 Hz).
参考例25
Figure 2006025475
参考例24で得られた5-{[3-(1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}-2-オキソ-1,3-ベンズオキサゾール-3(2H)-カルボン酸アリル(4.31g)を用い、参考例14と同様にして5-{[1-[2-(アリルオキシ)-2-オキソ-1-(トリフェニルホスホラニリデン)エチル]-3-(1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}-2-オキソ-1,3-ベンズオキサゾール-3(2H)-カルボン酸アリル(5.58g)を薄黄色アモルファスとして得た。
LCMS 847(M+1+).
参考例26
Figure 2006025475
参考例25で得られた5-{[1-[2-(アリルオキシ)-2-オキソ-1-(トリフェニルホスホラニリデン)エチル]-3-(1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}-2-オキソ-1,3-ベンズオキサゾール-3(2H)-カルボン酸アリル(2.5g)を用い、参考例15の工程a)と同様にして5-((5R,6S)-2-[(アリルオキシ)カルボニル]-7-オキソ-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-3-イル)-2-オキソ-1,3-ベンズオキサゾール-3(2H)-カルボン酸アリル(0.79g)を薄黄アモルファスとして、(5R,6S)-7-オキソ-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンズオキサゾール-5-イル)-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボン酸アリル(0.43g)を薄茶色アモルファスとして得た。
5-((5R,6S)-2-[(アリルオキシ)カルボニル]-7-オキソ-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-3-イル)-2-オキソ-1,3-ベンズオキサゾール-3(2H)-カルボン酸アリル:1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.15 (s, 9H), 1.31 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 3.14-3.34 (m, 3 H), 4.19-4.28 (m, 2 H), 4.60-4.76 (m, 2 H), 4.95-4.98 (m, 2 H), 5.18-5.22 (m, 1 H), 5.27-5.35 (m, 1 H), 5.37-5.42 (m, 1 H), 5.51-5.58 (m, 1 H), 5.80-5.93 (m, 1 H), 5.99-6.12 (m, 1 H), 7.19 (d, 1 H, J = 8.4 Hz), 7.25-7.29 (m, 1 H), 7.86 (d, 1 H, J = 1.8 Hz). LCMS 527 (M+1+), 455 (M-TMS+1).
(5R,6S)-7-オキソ-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンズオキサゾール-5-イル)-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボン酸アリル:1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.15 (s, 9 H), 1.31 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 3.13-3.33 (m, 3 H), 4.19-4.27 (m, 2 H), 4.60-4.76 (m, 2 H), 5.20-5.24 (m, 1 H), 5.30-5.36 (m, 1 H), 5.82-5.94 (m, 1 H), 7.09-7.19 (m, 3 H), 8.60 (br.s, 1 H). LCMS 371 (M-TMS+1+).
参考例27
Figure 2006025475
参考例26で得られた(5R,6S)-7-オキソ-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンズオキサゾール-5-イル)-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボン酸アリル(0.28g)のDMF(2.5ml)溶液にヨウ化メチル(47μl)を0℃で滴下し、さらに炭酸カリウム(0.14g)を加え1.5時間攪拌した。反応混合物にエーテル(100ml)を加え飽和食塩水(50mlX3回)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過、濃縮して粗生成物を得た。さらに(5R,6S)-7-オキソ-3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンズオキサゾール-5-イル)-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボン酸アリル(0.11g)を用いて同様の操作を行い、粗生成物を合せてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 15g、ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製しアリル (5R,6S)-3-(3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンズオキサゾール-5-イル)-7-オキソ-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシラート(0.23g、収率59%)を薄黄色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.16 (s, 9 H), 1.31 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 3.18-3.33 (m, 3 H), 3.39 (s, 3 H), 4.20-4.27 (m, 2 H), 4.62-4.74 (m, 2 H), 5.19-5.23 (m, 1 H), 5.30-5.35 (m, 1 H), 5.83-5.92 (m, 1 H), 7.08 (d, 1 H, J = 1.6 Hz), 7.11 (dd, 1 H, J = 1.6, 8.3 Hz), 7.17 (d, 1 H, J = 8.3 Hz).
参考例28
Figure 2006025475
アリル (5R,6S)-3-(3-メチル-2-オキソ-1,3-ベンゾキサゾール-5-イル)-7-オキソ-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート(0.233 g、0.51 mmol)をTHF(5.5 ml)と水(0.5 ml)に溶解し、氷浴中で冷却しpHメーターを使用しながら、1 N塩酸をゆっくりと滴下しpH = 2.5に調整した。10分後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20 ml)、飽和食塩水(20 ml)を加え、酢酸エチル(20 ml)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥、濾過、濃縮し、アリル (5R,6S)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-3-(3-メチル-2-オキソ-1,3-ベンゾキサゾール-5-イル)-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシレート(0.21 g、0.51 mmol、収率100%)を薄黄色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.37 (d, 3 H, J = 6.3 Hz), 1.77 (br.s, 1 H), 3.17-3.33 (m, 3 H), 3.40 (s, 3 H), 4.20-4.37 (m, 2 H), 4.60-4.78 (m, 2 H), 5.19-5.35 (m, 2 H), 5.81-5.93(m, 1 H), 7.04-7.21 (m, 3 H).
参考例29
Figure 2006025475
3',4'-(メチレンジオキシ)アセトフェノン(10.0g)を用い、参考例13と同様にして得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 500g、ヘキサン:酢酸エチル=2:1→1:1→0:1)で精製し(3S,4R)-4-[2-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-オキソエチル]-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アゼチジン-2-オン(18.7g、78%)を薄黄色固体として得た。LCMS 392. このものを参考例14と同様にしてアリル [(2R,3S)-2-[2-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-オキソエチル]-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-1-イル](トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(27.3g、77%)を黄土色アモルファスとして得た。LCMS 750 (M+1)+.
参考例30
Figure 2006025475
工程a)
参考例29で得られたアリル [(2R,3S)-2-[2-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-オキソエチル]-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-1-イル](トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(4.04g)を参考例15の工程a)と同様にしてアリル (5R,6S)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-7-オキソ-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシラート(2.07g、89%)を薄黄色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.15 (s, 9 H), 1.30 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 3.11-3.27 (m, 3 H), 4.15-4.24 (m, 2 H), 4.62-4.82 (m, 2 H), 5.20-5.23 (m, 1 H), 5.31-5.37 (m, 1 H), 5.85-5.95 (m, 1 H), 5.97-5.98 (m, 2 H), 6.78 (d, 1 H, J = 8.1 Hz), 6.89 (dd, 1 H, J = 1.7, 8.1 Hz), 6.92 (d, 1 H, J = 1.7 Hz).
LCMS 430, 358.
工程b)
工程a)で得られたアリル (5R,6S)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-7-オキソ-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシラート(1.02 g)を参考例15の工程b)と同様にしてアリル (5R,6S)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-2-カルボキシラート(0.77g、収率91%)を薄黄色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.38 (d, 3 H, J = 6.3 Hz), 3.14-3.29 (m, 3 H), 4.23-4.32 (m, 2 H), 4.62-4.78 (m, 2 H), 5.20-5.24 (m, 1 H), 5.31-5.36 (m, 1 H), 5.86-5.95 (m, 1 H), 5.98-5.99 (m, 2 H), 6.79 (d, 1 H, J = 8.1 Hz), 6.89 (dd, 1 H, J = 1.7, 8.1 Hz), 6.92 (d, 1 H, J = 1.7 Hz). . LCMS 358(M+1+).
参考例31
Figure 2006025475
工程a)
(4-アセチル-2-ニトロフェニル)マロン酸ジエチル
ナトリウムエトキシドの20%エタノール溶液(68.7 g)にマロン酸ジエチル(32.4 g)を4〜50℃で撹拌下滴下し、10分撹拌した。この混合物に室温で4-クロロ-3-ニトロアセトフェノン(20.2 g)を加え3時間撹拌した。反応混合物に2N塩酸(200 ml)、クロロホルム(200 ml)を加え、有機層を分取した。水層をクロロホルム(100 ml X2回)で抽出し、有機層を合せて無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、減圧除去して目的物とマロン酸ジエチルの混合物(54.1 g、定量的収率)を得た。このものはそのまま次の反応に用いた。
分析用サンプルはシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製して得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.29 (t, 6 H, J = 7.1 Hz), 2.67 (s, 3 H), 4.280 (q, 2 H, J = 7.1 Hz), 4.283 (q, 2 H, J = 7.1 Hz), 5.33 (s, 1 H), 7.67 (d, 1 H, J = 8.1 Hz), 8.20 (dd, 1 H, J = 8.1, 1.8 Hz), 8.60 (d, 1 H, J = 1.8 Hz).
工程b)
(4-アセチル-2-ニトロフェニル)酢酸
工程a)で得られた(4-アセチル-2-ニトロフェニル)マロン酸ジエチルとマロン酸ジエチルの混合物(54.1 g)を4M 塩酸(800 ml)/ジオキサン(800 ml)中に溶かし、100℃で8時間撹拌した。放冷後ジオキサンを減圧除去し、水層をクロロホルム(200 ml, さらに100 ml X 2回)で抽出した。有機層を合せて無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、減圧除去して目的物(23.1 g, 定量的収率)を茶色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.68 (s, 3 H), 4.14 (s, 2 H), 7.50 (d, 1 H, J = 7.9 Hz), 8.18 (dd, 1 H, J = 1.7, 7.9Hz), 8.68 (d, 1 H, J = 1.7 Hz).
工程c)
(4-アセチル-2-ニトロフェニル)酢酸エチル
工程b)で得られた(4-アセチル-2-ニトロフェニル)酢酸(23.1 g)をエタノール(500 ml)に溶かし、濃塩酸(50 ml)を加えて6時間加熱還流した。放冷後エタノールを減圧除去し、水層に酢酸エチル(300 ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 ml)を加えさらに炭酸水素ナトリウム粉末を加えて中和した。水層を分離し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 ml)、飽和食塩水(100 ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、減圧除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 100g, ヘキサン:酢酸エチル1:1)で精製し目的物(23.2 g, 収率91%)を茶色油状物として得た。また水層を塩酸で酸性にし、クロロホルムで抽出して(4-アセチル-2-ニトロフェニル)酢酸(1.8 g, 回収率8%)を回収した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.26 (t, 3 H, J = 7.1 Hz), 2.67 (s, 3 H), 4.09 (s, 2 H), 4.18 (q, 2 H, J = 7.1 Hz), 7.49 (d, 1 H, J = 7.9 Hz), 8.16 (dd, 1 H, J = 1.8, 7.9Hz), 8.65 (d, 1 H, J = 1.8 Hz). LCMS (EI) 252 (M+1)+.
工程d)
(4-アセチル-2-アミノフェニル)酢酸エチルおよび[2-アミノ-4-(1-ヒドロキシエチル)フェニル]酢酸エチル混合物
工程c)で得られた(4-アセチル-2-ニトロフェニル)酢酸エチル(23.2 g)をエタノール(660 ml)に溶かし5%パラジウム-炭素(5.9 g)を加えて水素雰囲気下常圧で9.5時間撹拌した。触媒をセライトで濾過して除き、溶媒を減圧除去して目的物(20.4 g, 定量的収率)を茶色油状物として得た。ケトン体とアルコール体の比はNMR解析の結果1:2であった。このものはそのまま次の工程に用いた。
LCMS (EI) 222 (M+1)+ :ケトン体, 224 (M+1)+ :アルコール体.
工程e)
(4-アセチル-2-{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸エチルおよび[2-{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-(1-ヒドロキシエチル)フェニル]酢酸エチル
工程d)で得られた(4-アセチル-2-アミノフェニル)酢酸エチルおよび[2-アミノ-4-(1-ヒドロキシエチル)フェニル]酢酸エチル混合物(20.4 g)をピリジン(184 ml)に溶かしアリルオキシカルボニルクロライド(22.2 g)を室温で滴下し30分撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(100 ml)、飽和食塩水(100 ml)を加え、ピリジンを減圧除去した。水層に2M塩酸(200 ml)を加え酢酸エチル(100 ml X3回)で抽出した。有機層を合せて2M塩酸(50 ml X3回)、飽和食塩水(50 ml)で洗浄し、濾過し、溶媒を減圧除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 500 g, ヘキサン:酢酸エチル=3:1→1:1)で精製し(4-アセチル-2-{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸エチル(7.34 g, 収率26%)を灰色油状物として、および[2-{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-(1-ヒドロキシエチル)フェニル]酢酸エチル(14.1 g, 収率50%)を紫色油状物として得た。
(4-アセチル-2-{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸エチル
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.28 (t, 3 H, J = 7.1 Hz), 2.60 (s, 3 H), 3.68 (s, 2 H), 4.18 (q, 2 H, J = 7.1 Hz), 4.69-4.71 (m, 2 H), 5.26-5.30 (m, 1 H), 5.37-5.41 (m, 1 H), 5.95-6.05 (m, 1 H), 7.30 (d, 1 H, J = 8.0 Hz), 7.69 (dd, 1 H, J = 1.8, 8.0 Hz), 8.12 (br.s, 1 H), 8.42 (br.s, 1 H). LCMS (EI) 306 (M+1)+.
[2-{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-(1-ヒドロキシエチル)フェニル]酢酸エチル
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.28 (t, 3 H, J = 7.1 Hz), 1.49 (d, 3 H, J = 6.4 Hz), 3.61 (s, 2 H), 4.16 (q, 2 H, J = 7.1 Hz), 4.67-4.69 (m, 2 H), 4.89 (q, 1 H, J = 6.4 Hz), 5.24-5.28 (m, 1 H), 5.34-5.40 (m, 1 H), 5.94-6.03 (m, 1 H), 7.12 (dd, 1 H, J = 1.7, 7.8 Hz), 7.18 (d, 1 H, J = 7.8 Hz), 7.81 (br.s, 1 H), 8.07 (br.s, 1 H). LCMS (EI) 308 (M+1)+.
工程f)
(4-アセチル-2-{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸エチル
工程e)で得られた[2-{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-(1-ヒドロキシエチル)フェニル]酢酸エチル(10.3 g)をアセトン(30 ml)に溶かしジョーンズ試薬(10 ml)を室温で加え30分撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50 ml)、飽和食塩水(100 ml)を加え酢酸エチル(50 ml X3回)で抽出した。有機層を合せて無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、減圧濃縮して粗生成物を得た。別に1gスケールで得られた粗生成物を合せてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 300 g, ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で生成し目的物(10.3 g, 収率85%)を黄色油状物として得た。
工程g)
(4-アセチル-2-{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸
工程e)および工程f)で得られた(4-アセチル-2-{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸エチル(17.6 g)をエタノール(176 ml)に溶かし1M 水酸化ナトリウム水(132 ml)を0℃で加えて1時間撹拌した。反応液に2M塩酸(400 ml)を加えエタノールを減圧除去した。析出した固体を濾過で集め2M塩酸で洗浄し減圧乾燥して目的物を薄茶固体(11.2 g, 収率70%)として得た。さらに水層を酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、減圧濃縮して目的物(3.58 g, 収率22%)を茶色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.59 (s, 3 H), 3.74 (s, 2 H), 4.68-4.70 (m, 2 H), 5.27 (br.d, 1 H, J = 10.8 Hz), 5.35 (br.d, 1 H, J = 15.3 Hz), 5.60 (br.s, 1 H), 7.34 (d, 1 H, J = 7.9 Hz), 7.70 (br.s, 1 H), 7.74 (dd, 1 H, J = 1.5, 7.9 Hz), 8.25 (br.s, 1 H).
工程h)
(4-アセチル-2-{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸4-ニトロベンジル
工程g)で得られた(4-アセチル-2-{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸(10.9 g)、トリエチルアミン(11 ml)のDMF(100 ml)溶液に臭化パラニトロベンジル(17.0 g)を室温で加え1時間撹拌した。反応液に飽和食塩水(500 ml)と水(300 ml)を加え酢酸エチル(200 ml, さらに100 ml X2回)で抽出した。有機層を合せて飽和食塩水(100 ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 300 g, ヘキサン:酢酸エチル:クロロホルム=3:1:4→0:1:1)により精製し目的物(16.4 g, 収率98%)を薄茶色固体として得た。さらにこのものをクロロホルム/ヘキサンから再結晶を行い目的物(10.4 g, 収率64%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.61 (s, 3 H), 3.78 (s, 2 H), 4.68-4.70 (m, 2 H), 5.24 (s, 2 H), 5.27-5.30 (m, 1 H), 5.35-5.40 (m, 1 H), 5.93-6.01 (m, 1 H), 7.32 (d, 1 H, J = 8.0 Hz), 7.46-7.50 (m, 2 H), 7.71 (dd, 1 H, J = 1.8, 8.0 Hz), 7.73 (br.s, 1 H), 8.22 (td, 2 H, J = 2.3, 6.8 Hz), 8.38 (br.s, 1 H). LCMS (EI) 413 (M+1)+.
工程i)
(2-{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-{[(2R,3S)-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}フェニル)酢酸4-ニトロベンジル
工程h)で得られた(4-アセチル-2-{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸4-ニトロベンジル(10.0 g)、トリエチルアミン(8.2 ml)の塩化メチレン(100 ml)溶液に0℃でトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(11.9 g)を滴下した。シリルエノールエーテルの生成をシリカゲル薄層クロマトグラフィーで確認後、(2R,3R)-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソ-2-アゼチジニルアセテート(6.98 g)、ヨウ化亜鉛(4.65 g)を0℃にて加え1時間撹拌した。さらに(2R,3R)-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソ-2-アゼチジニルアセテート(3.0 g)を加え、室温で14時間撹拌した。反応混合物に5%硫酸水素カリウム水溶液(380 ml)および飽和食塩水(100 ml)を加え、酢酸エチル(200 ml, さらに100 ml X2回)で抽出した。有機層を合せて無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 500 g, ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:3)で精製して目的物(11.4 g, 収率70%)を薄黄色アモルファスとして得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.08 (s, 3 H), 0.08 (s, 3 H), 0.88 (s, 9 H), 1.25 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 2.90 (dd, 1 H, J = 2.2, 5.1 Hz), 3.18 (dd, 1 H, J = 10.1, 17.8 Hz), 3.45 (dd, 1 H, J = 3.0, 17.8 Hz), 3.79 (s, 2 H), 4.10-4.15 (m, 1 H), 4.20-4.26 (m, 1 H), 4.69 (td, 2 H, J = 1.4, 4.4 Hz), 5.25 (s, 2 H), 5.27-5.31 (m, 1 H), 5.35-5.40 (m, 1 H), 5.93-6.03 (m, 1 H), 6.12 (bs, 1 H), 7.34 (d, 1 H, J = 8.0 Hz), 7.47-7.50 (m, 2 H), 7.70 (dd, 1 H, J = 1.8, 8.0 Hz), 7.83 (bs, 1 H), 8.21-8.24 (m, 2 H), 8.39 (br.s, 1 H). LCMS (EI) 640 (M+1)+.
工程j)
アリル [(2R,3S)-2-[2-(3-{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-{2-[(4-ニトロベンジル)オキシ]-2-オキソエチル}フェニル)-2-オキソエチル]-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-1-イル](トリフェニルホスホラニリデン)アセテート
工程i)で得られた(2-{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-{[(2R,3S)-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}フェニル)酢酸4-ニトロベンジル(11.4 g)を用い参考例2と同様にして、目的物(10.4 g, 収率59%)を薄茶色アモルファスとして得た。
LCMS (EI) 998 (M+1)+.
工程k)
(2-{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-{[(2R,3S)-1-[2-(アリルオキシ)-2-オキソ-1-(トリフェニルホスホラニリデン)エチル]-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}フェニル)酢酸
工程j)で得られたアリル [(2R,3S)-2-[2-(3-{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-{2-[(4-ニトロベンジル)オキシ]-2-オキソエチル}フェニル)-2-オキソエチル]-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-1-イル](トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(10.4 g)をTHF(200 ml)に溶解し、亜鉛(3.4 g)を加え懸濁させ、さらに2M塩化アンモニウム溶液(26 ml)を室温で加え2時間撹拌した。ここに酢酸(6.3 g)を加えさらに1時間撹拌した。反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液(200 ml)を加え、酢酸エチル(100 ml X3回)で抽出した。抽出液を合せて5%硫酸水素カリウム水溶液(100 ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、減圧濃縮した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 300 g, クロロホルム:メタノール=98:2→90:10)で精製し、目的物(9.11 g, 定量的収率)を赤茶色アモルファスとして得た。
LCMS (EI) 863 (M+1)+.
参考例32
Figure 2006025475
参考例31で得られた(2-{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-{[(2R,3S)-1-[2-(アリルオキシ)-2-オキソ-1-(トリフェニルホスホラニリデン)エチル]-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}フェニル)酢酸(0.86g)をTHF(3ml)に溶解し、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.23g)を0℃で加えて、14時間攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(15ml)を加え、クロロホルム(10mlX3回)で抽出した。有機層を合せて無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過、濃縮してアリル 6-{[(2R,3S)-1-[2-(アリルオキシ)-2-オキソ-1-(トリフェニルホソホラニリデン)エチル]-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}-2-オキソインドリン-1-カルボキシラート(0.89g、定量的収率)の粗生成物を得た。このものはそのまま次の反応に用いた。LCMS 845 (M+1)+.
参考例33
Figure 2006025475
工程a)
アリル 6-((5R,6S)-2-[(アリルオキシ)カルボニル]-7-オキソ-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-3-イル)-2-オキソインドリン-1-カルボキシラート
参考例32で得られたアリル 6-{[(2R,3S)-1-[2-(アリルオキシ)-2-オキソ-1-(トリフェニルホソホラニリデン)エチル]-3-((1R)-1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-オキソアゼチジン-2-イル]アセチル}-2-オキソインドリン-1-カルボキシラート(0.89g)を用い、参考例15の工程a)と同様にしてアリル 6-((5R,6S)-2-[(アリルオキシ)カルボニル]-7-オキソ-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-3-イル)-2-オキソインドリン-1-カルボキシラート(0.26g、収率70%)を薄黄色アモルファスとして得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.15 (s, 9 H), 1.30 (d, 3 H, J = 6.2 Hz), 3.15-3.39 (m, 3 H), 3.69 (s, 2 H), 4.19-4.26 (m, 2 H), 4.61-4.75 (m, 2 H), 4.89-4.91 (m, 2 H), 5.17-5.36 (m, 2 H), 5.49-5.55 (m, 1 H), 5.82-5.92 (m, 1 H), 5.99-6.09 (m, 1 H), 7.18 (dd, 1 H, J = 1.5, 7.8 Hz), 7.24 (d, 1 H, J = 7.8 Hz), 7.93 (d, 1 H, J = 1.5 Hz).
工程b)
アリル 6-{(5R,6S)-2-[(アリルオキシ)カルボニル]-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-3-イル}-2-オキソインドリン-1-カルボキシラート
工程a)で得られたアリル 6-((5R,6S)-2-[(アリルオキシ)カルボニル]-7-オキソ-6-{(1R)-1-[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-3-イル)-2-オキソインドリン-1-カルボキシラート(0.26g)を用い、参考例15の工程b)と同様にしてアリル 6-{(5R,6S)-2-[(アリルオキシ)カルボニル]-6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-7-オキソ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプト-2-エン-3-イル}-2-オキソインドリン-1-カルボキシラート(0.26g、定量的収率)を薄黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.39 (d, 3 H, J = 6.3 Hz), 3.18-3.36 (m, 3 H), 3.70 (s, 2 H), 4.24-4.34 (m, 2 H), 4.61-4.75 (m, 2 H), 4.89-4.91 (m, 2 H), 5.17-5.21 (m, 1 H), 5.27-5.32 (m, 1 H), 5.33-5.37 (m, 1 H), 5.49-5.55 (m, 1 H), 5.82-5.92 (m, 1 H), 5.99-6.09 (m, 1 H), 7.18 (dd, 1 H, J = 1.6, 7.8 Hz), 7.25 (d, 1 H, J = 7.8 Hz), 7.93 (d, 1 H, J = 1.6 Hz).
本発明に係わる新規なカルバペネム化合物は、広範囲のグラム陽性菌およびグラム陰性菌、特に近年分離頻度の増加が見られ臨床上の大きな問題となっているペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)やβ−ラクタメース非産生性アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)などペニシリン結合蛋白(PBP)変異にともない既存β−ラクタム剤に幅広く耐性を獲得したインフルエンザ菌に対して優れた経口抗菌剤として使用しうる。

Claims (13)

  1. 式[1]:
    Figure 2006025475
    [式中、R1はC1―C3アルキルまたは水酸基により置換されたC1―C3アルキルを表し、Rは水素原子または生体内で加水分解されてカルボキシル基を生成する基を表し、Aは式[1a] :
    Figure 2006025475
    (式中、Eはベンゼン環とビシクロ構造を形成する1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよい5〜7員環(ただし、ベンゼン環を除く)を表し、Yは水素原子、C1―C4アルキル、C1―C4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ハロゲン原子またはシアノを表す。)]
    で表されるカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
  2. 生体内で加水分解されてカルボキシル基を生成する基が、C1―C4アルキル基、C2―C12アルキルオキシアルキル基、式[2]:
    Figure 2006025475
    (式中、R2は水素原子またはC1−C6アルキルを表し、R3は置換されていてもよいC1−C10アルキルまたは置換されていてもよいC3−C10シクロアルキルを表し、nは0または1を表す。)で表される基、または式[3]:
    Figure 2006025475
    (式中、R4は水素原子またはC1−C6アルキルを表し、R5は水素原子、C1−C6アルキル、C3−C10シクロアルキルまたはフェニルを表す。)で表される基である請求項1に記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
  3. Rが、水素原子、ピバロイルオキシメチルまたは(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチルを表わす、請求項1に記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
  4. 1が1−ヒドロキシエチルである請求項1〜3のいずれかに記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
  5. Aが式[1b]:
    Figure 2006025475
    (式中、Yは請求項1における意味と同義であり、X1は−O−、−NR6−(R6は水素原子、生体内で代謝されてイミノ基を生成する基または置換されていてもよいC1−C4アルキルを表す)またはメチレンを表し、X2は−O−、−NR−(R7は水素原子、生体内で代謝されてイミノ基を生成する基または置換されていてもよいC1−C4アルキルを表す)またはメチレンを表す)
    である請求項1〜4のいずれかに記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
  6. 1が−O−またはメチレン、X2が−NR7−(R7は請求項5における意味と同義である。)である請求項5に記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
  7. 1が−NR6−(R6は請求項5における意味と同義である。)であり、X2が−O−またはメチレンである請求項5に記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
  8. Aが式[1c]:
    Figure 2006025475
    (式中、X1、X2およびYは請求項5における意味と同義であり、X3は−O−、−NR8−(R8は水素原子、生体内で代謝されてイミノ基を生成する基または置換されていてもよいC1−C4アルキルを表す)またはメチレンを表す。ただし、X3が−O−である場合、X2は−NR5−(R5は請求項5における意味と同義である)またはメチレンを表す)である請求項1〜4のいずれかに記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
  9. 1が−NR6−(R6は請求項5における意味と同義である。)であり、X2がメチレンであり、X3が−O−である請求項8に記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
  10. Aが式[1d]:
    Figure 2006025475
    (式中、X1、X2、X3およびYは請求項8における意味と同義である。ただし、X3が−O−である場合、X1は−NR6−(R6は請求項5における意味と同義である)またはメチレンを表す)である請求項1〜4のいずれかに記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩を有効成分とする経口医薬。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩を有効成分とする抗菌剤。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩を有効成分とする経口抗菌剤。


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