JPWO2006025252A1 - 超伝導薄膜、その製造方法、およびそれを用いた超伝導線材、超伝導デバイス - Google Patents

超伝導薄膜、その製造方法、およびそれを用いた超伝導線材、超伝導デバイス Download PDF

Info

Publication number
JPWO2006025252A1
JPWO2006025252A1 JP2006531973A JP2006531973A JPWO2006025252A1 JP WO2006025252 A1 JPWO2006025252 A1 JP WO2006025252A1 JP 2006531973 A JP2006531973 A JP 2006531973A JP 2006531973 A JP2006531973 A JP 2006531973A JP WO2006025252 A1 JPWO2006025252 A1 JP WO2006025252A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide
superconducting
layer
substrate
thin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006531973A
Other languages
English (en)
Inventor
吉田 隆
吉田  隆
高井 吉明
吉明 高井
一野 祐亮
祐亮 一野
正志 三浦
正志 三浦
松本 要
要 松本
昌志 向田
昌志 向田
滋 堀井
堀井  滋
中 一瀬
中 一瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagoya University NUC
Yamagata University NUC
Central Research Institute of Electric Power Industry
Kyoto University
University of Tokyo NUC
Tokai National Higher Education and Research System NUC
Original Assignee
Nagoya University NUC
Yamagata University NUC
Central Research Institute of Electric Power Industry
Kyoto University
University of Tokyo NUC
Tokai National Higher Education and Research System NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagoya University NUC, Yamagata University NUC, Central Research Institute of Electric Power Industry, Kyoto University, University of Tokyo NUC, Tokai National Higher Education and Research System NUC filed Critical Nagoya University NUC
Publication of JPWO2006025252A1 publication Critical patent/JPWO2006025252A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N60/00Superconducting devices
    • H10N60/01Manufacture or treatment
    • H10N60/0268Manufacture or treatment of devices comprising copper oxide
    • H10N60/0828Introducing flux pinning centres

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Abstract

磁場中においても高い臨界電流密度を有し、かつ高い単位幅当たりの臨界電流値を有する超伝導薄膜を提供する。本発明の超伝導薄膜は、基板と、基板上の酸化物層と、基板および酸化物層上の酸化物系超伝導層とを有し、酸化物層は、複数の島状部から構成され、および液体窒素温度で超伝導性を示さないペロブスカイト構造を有する酸化物から形成されていることを特徴とする。酸化物層の複数の島状部は、薄膜中の微細に分割されたピニング点として機能する。

Description

本発明は、超伝導線材または超伝導フィルタ等の超伝導デバイス(ケーブル、マグネット、シールド、限流器、マイクロ波デバイス、およびそれらの中間製品等)の分野において使用できる超伝導薄膜、およびその製造方法に関するものである。
Y−Ba−Cu−O系に代表される酸化物系超伝導体は、液体窒素よりも高い臨界温度Tcを示すため、超伝導線材、ならびに超伝導フィルタのような超伝導デバイスへの応用が期待されている。このような酸化物系超伝導体を超伝導線材や超伝導フィルタに応用する際には、臨界電流密度Jcを向上させる必要がある。また、磁場中における臨界電流密度の低下を防ぐためには、超伝導体中に侵入する量子化磁束のピニング点を、超伝導体中に導入する必要がある。
このような状況の中で、Y−Ba−Cu−O系酸化物系超伝導薄膜では、Cu−Oの析出物をピニング点とする方法が提案されている(非特許文献1参照)。しかしながら、このようなピニング点を超伝導体中に均一に分散させるのは困難である。また、基板上の酸化物超伝導薄膜の結晶のc軸面が、基板の薄膜形成面と平行に配列した相の中に、結晶のc軸面が基板の薄膜形成面と垂直に配列した板状の相をピニング点として用いる方法も提案されている(非特許文献2参照)。しかし、この方法では、膜厚を厚くすると、ピニング点が電流パスを遮断してしまうため、臨界電流密度Jcが低下すると考えられる。
H.Yamane et al., J. Appl. Phys., 69(11), 7948-7960 (1991) H.Fuke et al., Appl. Phys. Lett., 60(21), 2686-2688 (1992) M. Sano et al., Supercond. Sci. Technol., 9, 478 (1996)
上述したように、酸化物系超伝導薄膜の臨界電流密度を向上させるいくつかの手法が提案されているが、酸化物系超伝導薄膜を超伝導線材または超伝導フィルタに応用する際には、臨界電流密度Jcに加えて、薄膜の単位幅当たりの臨界電流値Ic(超伝導線材の評価には、1cm幅当たりの臨界電流値を表す単位A/1cm−widthがよく用いられる)も大きくする必要がある。このためには、臨界電流密度Jcを低下させずに、薄膜の厚さを厚くする必要がある。
本発明は、このような課題を解決するために、酸化物系超伝導薄膜において膜厚を厚くしても臨界電流密度特性が劣化せず、磁場中における単位幅当たりの臨界電流値の大きい酸化物系超伝導薄膜を提供することを目的とするものである。
本発明の第1の実施形態の超伝導薄膜は、基板と、該基板上の酸化物層と、該基板および該酸化物層上の酸化物系超伝導層とを有する超伝導薄膜であって、前記酸化物層は、複数の島状部から構成され、および液体窒素温度で超伝導性を示さないペロブスカイト構造を有する酸化物から形成されていることを特徴とする。ここで、前記酸化物層を構成する複数の島状部のそれぞれは、20nm以上200nm以下の寸法を有してもよく、また、前記酸化物層を構成する複数の島状部は、20nm以上200nm以下の間隔で配置されていてもよい。本実施形態において、前記酸化物系超伝導層が、化学式RE1+xBa2−xCu6+y(式中、REはLa、Nd、Sm、Eu、Gd、YおよびYbからなる群から選択され、0≦x<0.2であり、0≦y<2である)を有し、その結晶のc軸が該基板の表面に垂直である酸化物から形成されていることが望ましい。一方、前記酸化物層は、化学式RE1+xBa2−xCu6+y(式中、REはLa、Nd、Sm、Eu、Gd、YおよびYbからなる群から選択され、0.2≦x<2.0であり、0≦y<2である)を有し、その結晶のc軸が該基板の表面に垂直である酸化物から形成されていることが望ましい。あるいはまた、酸化物系超伝導層が、前記複数の島状部に相当する位置に結晶欠陥を含んでもよい。本実施形態の超伝導薄膜は、基板を準備する工程と、該基板上に、液体窒素温度で超伝導性を示さないペロブスカイト構造を有する酸化物から、複数の島状部からなる酸化物層を形成する工程と、該基板および該酸化物層上に、酸素分圧13.3Pa(0.1Torr)以上、基板温度680℃以上の雰囲気において、物理気相蒸着法および化学気相蒸着法からなる群から選択される方法により酸化物系超伝導層を形成する工程とを含む方法によって製造することができる。
本発明の第2の実施形態の超伝導薄膜は、基板と、該基板上の第1酸化物系超伝導層と、該第1酸化物系超伝導層上の酸化物層と、該第1酸化物系超伝導層および該酸化物層上の第2酸化物系超伝導層とを有する超伝導薄膜であって、前記酸化物層は、複数の島状部から構成され、および液体窒素温度で超伝導性を示さないペロブスカイト構造を有する酸化物から形成されており、前記第1および第2酸化物系超伝導層が、化学式RE1+xBa2−xCu6+y(式中、REはLa、Nd、Sm、Eu、Gd、YおよびYbからなる群から選択され、0≦x<0.2であり、0≦y<2である)を有し、その結晶のc軸が該基板の表面に垂直である酸化物から形成されていることを特徴とする。本実施形態において、前記酸化物層が、化学式RE1+xBa2−xCu6+y(式中、REはLa、Nd、Sm、Eu、Gd、YおよびYbからなる群から選択され、0.2≦x<2.0であり、0≦y<2である)を有し、その結晶のc軸が該基板の表面に垂直である酸化物から形成されていることが望ましい。また、前記酸化物層を構成する複数の島状部のそれぞれは、20nm以上200nm以下の寸法を有し、および前記酸化物層を構成する複数の島状部は、20nm以上200nm以下の間隔で配置されていてもよい。あるいはまた、第2酸化物系超伝導層が、前記複数の島状部に相当する位置に結晶欠陥を含んでもよい。本実施形態の超伝導薄膜は、基板を準備する工程と、該基板上に、第1酸化物系超伝導層を形成する工程と、該第1酸化物系超伝導層上に、液体窒素温度で超伝導性を示さないペロブスカイト構造を有する酸化物から、複数の島状部からなる酸化物層を形成する工程と、該第1酸化物系超伝導層および該酸化物層上に、第2酸化物系超伝導層を形成する工程とを含む方法によって製造することができ、前記第1および第2酸化物系超伝導層は、酸素分圧13.3Pa(0.1Torr)以上、基板温度680℃以上の雰囲気において、物理気相蒸着法および化学気相蒸着法からなる群から選択されてもよい。
本発明は、前述の第1または第2の実施形態のいずれかに記載の超伝導薄膜を含むことを特徴とする超伝導線材および超伝導デバイスを提供する。
以上のような構成を採ることにより、磁場中においても高い臨界電流密度Jcおよび高い単位幅当たりの臨界電流値Icを有する超伝導薄膜を得ることができる。本発明の超伝導薄膜を用いることによって、超伝導線材または超伝導フィルタ等の超伝導デバイス(ケーブル、マグネット、シールド、限流器、マイクロ波デバイス、およびそれらの中間製品等)を提供することが可能となる。
図1は本発明の第1の実施形態の超伝導薄膜を示す模式的断面図である。 図2は本発明の第2の実施形態の超伝導薄膜を示す模式的断面図である。 図3は実施例1で形成された酸化物層のAFM観察像を示す図である。
本発明の第1の実施形態の超伝導薄膜を図1に示す。図1の超伝導薄膜は、基板10と、基板10上の酸化物層20と、基板10および酸化物層20上の酸化物系超伝導層30とを有し、酸化物層20は、複数の島状部から構成され、および液体窒素温度で超伝導性を示さないペロブスカイト構造を有する酸化物から形成されている。
基板10として、酸化物基板、金属基板などを用いることができるが、それらに限定されるものではない。基板10に用いることができる酸化物は、SrTiO、LaAlOなどのペロブスカイト型結晶構造を有するもの;MgO、NiOなどの岩塩型結晶構造を有するもの;イットリウム安定化ジルコニア、CeOなどの蛍石型結晶構造を有するものなどを含む。また、基板10に用いることができる金属は、純Ni、またはNi−Cr、Ni−WなどのNi基合金を含む。あるいはまた、前述のような金属基板上に酸化物系中間層のコーティングを施したものを、基板10として用いてもよい。酸化物系中間層を構成する酸化物としては、前述のような酸化物を用いることができる。用いる基板10は、その上に形成される酸化物系超伝導層30を形成する超伝導性酸化物の結晶に近い格子定数を有することが好ましい。そのような基板10を用いることによって、酸化物系超伝導層30のc軸配向を容易にすることができる。
酸化物層20は、液体窒素温度(77K)で超伝導性を示さないペロブスカイト構造を有する非超伝導性の酸化物から形成される。上に形成される超伝導性酸化物をエピタキシャル成長させるために、酸化物層20を、RE1+xBa2−xCu6+y(式中、REはLa、Nd、Sm、Eu、Gd、YおよびYbからなる群から選択され、0.2≦x<2、0≦y<2)から形成することが好ましい。ここで、酸化物層20は、超伝導薄膜の導電パス中のピニング点として機能するために、超伝導性を持たないことが望ましく、その観点から0.2≦x<2の範囲内の組成を有することが望ましい。なお、酸化物層を構成する酸化物材料RE1+xBa2−xCu6+yは、ペロブスカイト構造であり、REおよびBaの組成比によって臨界温度が変化する(非特許文献3参照)。xが0.2以上の組成を有する前記酸化物材料は、液体窒素温度で超伝導特性を示さないことが分かる。より好ましくは、0.2≦x≦0.4および0.6≦y≦1.2の範囲内の組成を有することが望ましい。酸化物層20は、必要ではないが、c軸配向(基板表面の法線と酸化物のc軸とが平行)していることが好ましい。
ピニング点として有効に機能するために、酸化物層20は、微細に分割された複数の島状部から構成される。複数の島状部のそれぞれは、円形、多角形、不定形状の任意の底面形状を有していてもよい。また、複数の島状部のそれぞれは、錐状、半球状、半回転楕円体状などの任意の立体形状を有していてもよい。複数の島状部のそれぞれは、20nm以上、200nm以下の寸法を有する。本明細書において、複数の島状部のそれぞれの「寸法」は、それらの底面形状が円形である場合にはその直径を意味し、それ以外の形状を有する場合にはその底面積と等しい円の直径を意味する。また、複数の島状部は、20nm以上、200nm以下の間隔を有して配置される。このような形状および間隔を有することによって、超伝導薄膜の導電パスを遮断することなく、有効に機能するピニング点を導入することが可能となる。
酸化物層20は、パルスレーザ蒸着法(PLD)、蒸着法、スパッタ法、分子線エピタキシー法(MBE)などの物理気相蒸着法、あるいは化学的気相蒸着法(CVD)または有機金属化学蒸着法(MOCVD)などの化学気相蒸着法を用いて形成することができる。ターゲットの組成比が形成される超伝導層の組成に良好に反映されるPLD法を用いることが望ましい。PLD法を用いる場合、基板温度を680℃以上に設定し、成膜チャンバー内の酸素分圧を0.1Torr(13.3Pa)以上とし、所望の組成RE1+xBa2−xCu6+y(式中、REはLa、Nd、Sm、Eu、Gd、YおよびYbからなる群から選択され、0.2≦x<2、0≦y<2)を有するターゲットに対して適切なパルス数のエキシマレーザなどを照射することによって、基板10上に不連続の島状部から構成される酸化物層を形成することができる。より好ましくは、基板温度を750〜850℃に設定し、酸素分圧を0.2〜0.8Torr(26.7〜107Pa)に設定することが望ましい。
あるいはまた、CVDないしMOCVD法を用いる場合には、それぞれの金属元素の原料ガスの比率を所望の比率とし、基板温度を680℃以上に設定し、成膜チャンバー内の酸素分圧を0.1Torr(13.3Pa)以上に設定することによって、酸化物層20を得ることができる。原料ガスの比率は各原料の保持温度または各原料のキャリアガス流量比を調整することによって適切な設定とすることが可能である。より好ましくは、基板温度を750〜850℃に設定し、酸素分圧を0.2〜0.8Torr(26.7〜107Pa)に設定することが望ましい。
酸化物系超伝導層30は、希土類(RE)を含むRE1+xBa2−xCu6+y(式中、REはLa、Nd、Sm、Eu、Gd、YおよびYbからなる群から選択され、0.2≦x<2、0≦y<2)の組成を有する超伝導性酸化物から形成される。より好ましくは、0.2≦x≦0.4および0.6≦y≦1.2の範囲内の組成を有することが望ましい。xおよびyの値を前述の範囲内とすることによって、少なくとも液体窒素温度(77K)で超伝導性を発現することが可能となる。酸化物系超伝導層30を形成する超伝導性酸化物は、c軸配向(基板表面の法線と超伝導性酸化物のc軸とが平行)した状態に堆積して、基板面に平行な超伝導面(ab面)を形成する。酸化物系超伝導層30は、通常0.1μm〜5μm、好ましくは0.1μm〜3μmの範囲内の膜厚を有する。
酸化物系超伝導層30は気相法を用いて形成することができ、たとえばPLD法、蒸着法、スパッタ法、MBE法などの物理気相蒸着法、あるいはCVD法またはMOCVD法などの化学気相蒸着法を用いて形成することができる。特に好ましい方法は、ターゲットの組成比が形成される超伝導層の組成に良好に反映されるPLD法である。PLD法を用いる場合、所望の組成RE1+xBa2−xCu6+y(式中、REはLa、Nd、Sm、Eu、Gd、YおよびYbからなる群から選択され、0≦x<0.2、0≦y<2)を有するターゲットを用い、基板温度を680℃以上に設定し、成膜チャンバー内の酸素分圧を0.1Torr(13.3Pa)以上に設定することによって、超伝導性酸化物をエピタキシャル成長させて、c軸配向した酸化物系超伝導層30を得ることができる。より好ましくは、基板温度を750〜850℃に設定し、酸素分圧を0.2〜0.8Torr(26.7〜107Pa)に設定することが望ましい。
あるいはまた、CVDないしMOCVD法を用いる場合には、それぞれの金属元素の原料ガスの比率を所望の比率とし、基板温度を680℃以上に設定し、成膜チャンバー内の酸素分圧を0.1Torr(13.3Pa)以上に設定することによって、酸化物系超伝導層30を得ることができる。原料ガスの比率は流量制御弁または各ソースの保持温度を調整することによって適切な設定とすることが可能である。より好ましくは、基板温度を750〜850℃に設定し、酸素分圧を0.2〜0.8Torr(26.7〜107Pa)に設定することが望ましい。
以上のような構成を採ることによって、酸化物層20が超伝導薄膜の導電パス中のピニング点として機能し、磁場中の臨界電流密度Jcの低下を防止することができる。ここで、酸化物層20上方に形成された酸化物系超伝導層30中には積層欠陥(転位、結晶粒界、非晶質体、非超伝導体および低臨界温度の超伝導体などを含む)が形成され、該積層欠陥もまた有効なピニング点として機能しているものと考えられる。さらに、酸化物層20が微細に分割された複数の島状部から形成されるので、酸化物系超伝導層30中の導電パスを遮断することがなく、単位幅当たりで大きな電流を流すことが可能となる。
本発明の第2の実施形態の超伝導薄膜を図2に示す。図2の超伝導薄膜は、基板10と、基板10上の第1酸化物系超伝導層40と、第1酸化物系超伝導層40上の酸化物層50と、第1酸化物系超伝導層40および酸化物層50上の第2酸化物系超伝導層60とを有する超伝導薄膜である。基板10は、第1の実施形態と同様のものとを用いることができる。
基板10上に、第1酸化物系超伝導層40が形成される。第1酸化物系超伝導層40に用いられる材料は、第1の実施形態における酸化物系超伝導層30と同様であり、希土類(RE)を含むRE1+xBa2−xCu6+y(式中、REはLa、Nd、Sm、Eu、Gd、YおよびYbからなる群から選択され、0≦x<0.2であり、0≦y<2である)なる組成を有する酸化物である。第1酸化物系超伝導層40の形成は、第1の実施形態における酸化物系超伝導層30と同様に、PLDなどの物理気相蒸着法またはCVDもしくはMOCVDなどの化学気相蒸着法を用いて行うことができる。形成の際には、680℃以上の基板温度、および0.1Torr(13.3Pa)以上の酸素分圧、より好ましくは750〜850℃の基板温度、および0.2〜0.8Torr(26.7〜107Pa)の酸素分圧を用いることが望ましい。本実施形態における第1酸化物系超伝導層40は、通常0.1μm〜5μm、好ましくは0.1μm〜3μmの範囲内の膜厚を有する。
酸化物層50は、液体窒素温度(77K)で超伝導性をもたないペロブスカイト構造を有する非超伝導性の酸化物から構成される。酸化物層50の形成に用いられる材料は、第1の実施形態における酸化物層20と同様に、RE1+xBa2−xCu6+y(式中、REはLa、Nd、Sm、Eu、Gd、YおよびYbからなる群から選択され、0.2≦x<2、0≦y<2)から形成される。なお、酸化物層を構成する酸化物材料RE1+xBa2−xCu6+yは、ペロブスカイト構造であり、REおよびBaの組成比によって臨界温度が変化する(非特許文献3参照)。xが0.2以上の組成を有する前記酸化物材料は、液体窒素温度で超伝導特性を示さないことが分かる。酸化物層50は、必要ではないが、c軸配向(基板表面の法線と酸化物のc軸とが平行)していることが好ましい。
ピニング点として有効に機能するために、酸化物層50は、微細に分割された複数の島状部から構成される。複数の島状部のそれぞれは、円形、多角形、不定形状の任意の底面形状を有していてもよい。また、複数の島状部のそれぞれは、錐状、半球状、半回転楕円体状などの任意の立体形状を有していてもよい。複数の島状部のそれぞれは、20nm以上、200nm以下の寸法を有する。また、複数の島状部は、20nm以上、200nm以下の間隔を有して配置される。このような形状および間隔を有することによって、超伝導薄膜の導電パスを遮断することなく、有効に機能するピニング点を導入することが可能となる。
酸化物層50は、第1の実施形態の酸化物層20と同様に、PLDなどの物理気相蒸着法またはCVDもしくはMOCVDなどの化学気相蒸着法を用いて行うことができる。形成においては、基板温度を680℃以上に設定し、成膜チャンバー内の酸素分圧を0.1Torr(13.3Pa)以上とし、所望の組成を有するターゲットまたは所望の流量比を有する原料ガスを用いることによって、不連続の島状部から構成される酸化物層50を形成することができる。より好ましくは、基板温度を750〜850℃に設定し、酸素分圧を0.2〜0.8Torr(26.7〜107Pa)に設定することが望ましい。
第1酸化物系超伝導層40および酸化物層50上に、第2酸化物系超伝導層60が形成される。第2酸化物系超伝導層60に用いられる材料は、第1の実施形態における酸化物系超伝導層30と同様であり、希土類(RE)を含むRE1+xBa2−xCu6+y(式中、REはLa、Nd、Sm、Eu、Gd、YおよびYbからなる群から選択され、0≦x<0.2であり、0≦y<2である)なる組成を有する酸化物である。第2酸化物系超伝導層60の形成は、第1の実施形態における酸化物系超伝導層30と同様に、PLDなどの物理気相蒸着法またはCVDもしくはMOCVDなどの化学気相蒸着法を用いて行うことができる。形成の際には、680℃以上の基板温度、および0.1Torr(13.3Pa)以上の酸素分圧、より好ましくは750〜850℃の基板温度、および0.2〜0.8Torr(26.7〜107Pa)の酸素分圧を用いることが望ましい。本実施形態における第2酸化物系超伝導層60は、通常0.1μm〜5μm、好ましくは0.1μm〜3μmの範囲内の膜厚を有する。
本実施形態の構成においては、酸化物層50が第1酸化物系超伝導層40および第2酸化物系超伝導層60の中間、すなわち導電パス内部に存在し、超伝導薄膜の導電パス中のピニング点として機能し、磁場中の臨界電流密度Jcの低下を防止することができる。ここで、酸化物層20上方に形成された第2酸化物系超伝導層60中には積層欠陥(転位、結晶粒界、非晶質体、非超伝導体および低臨界温度の超伝導体などを含む)が形成され、該積層欠陥もまた有効なピニング点として機能しているものと考えられる。さらに、酸化物層50が微細に分割された複数の島状部から形成されるので、第1酸化物系超伝導層40および第2酸化物系超伝導層60中の導電パスを遮断することがなく、単位幅当たりで大きな電流を流すことが可能となる。
(実施例1)
MgOからなる基板10をパルスレーザ蒸着(PLD)装置内に配置し、基板温度を830℃とし、成膜室内の酸素分圧を0.4Torr(53.3Pa)に設定した。Sm1+xBa2−xCu6+y(x=0.2、0.3、0.4; 0.6≦y≦1.2)のターゲットを準備し、それぞれのターゲットにエキシマレーザを照射して、種々の組成を有する酸化物層20を成膜した。
得られた酸化物層20を分析した結果、いずれの組成の酸化物層20においても、結晶のc軸は基板10表面に対して垂直である(すなわち、c軸配向している)ことが確認された。また、原子間力顕微鏡(AFM)にて成膜表面を観察した結果、図3に示すような表面観察像が得られた。それぞれの試料に関する観察像から、いずれの組成の酸化物層20も、複数の島状部から構成され、複数の島状部が20〜200nmの寸法を有し、および島状部が約20〜200nmの間隔で配置されていることが確認された。
次に、酸化物層20が形成された基板10を再びPLD装置内に配置し、基板温度を830℃とし、成膜室内の酸素分圧を0.4Torr(53.3Pa)に設定した。Sm1+xBa2−xCu6+y(x=0、0.04、0.08;0.6≦y≦1.2)のターゲットを準備し、それぞれのターゲットにエキシマレーザを照射して、種々の組成を有する膜厚2μmの酸化物系超伝導層30を成膜した。
得られた酸化物系超伝導層30を分析した結果、いずれの組成の酸化物系超伝導層30においても、結晶のc軸はMgO基板表面に対して垂直である(すなわち、c軸配向している)ことが確認された。
また、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面微細組織観察および組成分析から、酸化物層20におけるSm/Ba比がそれぞれ0.2、0.3、0.4であり、酸化物系超伝導層30におけるSm/Ba比がそれぞれ0、0.04、0.08であることが確認された(本実施例において、Sm/Ba比は組成式Sm1+xBa2−xCu6+yにおけるxで表す)。これらの分析から、PLD法によって得られた酸化物層20および酸化物系超伝導層30が、用いたターゲットと同等の組成を有し、かつc軸配向しているペロブスカイト構造であることが確認された。さらに、酸化物層20におけるSm/Ba比が0.2以上であることから、酸化物層20は液体窒素温度で超伝導性を示さないと推定される。
次に、得られた超伝導薄膜の超伝導転移温度Tc、および液体窒素温度(77K)における磁場無印加時の臨界電流密度Jcを測定した。さらに、酸化物系超伝導層30のc軸に平行(すなわち、基板10表面に垂直)方向に磁場(5Tおよび9T)を印加した際の温度77KにおけるJcを測定した。
その結果、いずれの超伝導薄膜も90K以上のTcを有した。また、77Kにおける磁場無印加時のJcは、いずれの超伝導薄膜においても2×10A/cm以上の値が得られた。特に、酸化物層20のSm/Ba比を0.2、酸化物系超伝導層30のSm/Ba比を0.04とした超伝導薄膜において、最高のJc=7.9×10A/cmの値が得られた。さらに、該超伝導薄膜は、c軸に平行な磁場の印加時(温度77K)においても、5T(テスラ)において3×10A/cm、9Tにおいて1×10A/cmのJcが得られることを確認した。
特にSm/Ba比を0.04とした膜厚2μmの酸化物系超伝導層30を形成した超伝導薄膜においては、温度77Kにおいて、幅1cm当たり430A(430A/1cm−width)の臨界電流値Icが得られた。
(比較例1)
MgOからなる基板をパルスレーザ蒸着(PLD)装置内に配置し、基板温度を830℃とし、成膜室内の酸素分圧を0.4Torr(53.3Pa)に設定した。Sm1+xBa2−xCu6+y(x=0、0.04、0.08;0.6≦y≦1.2)のターゲットを準備し、それぞれのターゲットにエキシマレーザを照射して、種々の組成を有する酸化物系超伝導層(膜厚1μm)を成膜した。得られた酸化物系超伝導層を分析した結果、いずれの組成の酸化物系超伝導層においても、結晶のc軸は、MgO基板表面に対して垂直である(すなわち、c軸配向している)ことが確認された。
次に、得られた超伝導薄膜の超伝導転移温度Tcは、いずれの組成においても90K以上であることが確認された。また、温度77Kにおける磁場無印加時のJcは2〜4×10A/cmであった。
次に、実施例1と同様に温度77Kにおけるc軸に平行な磁場印加時のJcを測定した。5Tの磁場を印加した際には4×10A/cmまでJcが低下した。さらに、9Tの磁場を印加した際には電流がほとんど流れず、Jcは10A/cm以下であった。この磁場印加時のJcの低下は、酸化物層20によるピニング点が導入されなかったためである。
(実施例2)
MgOからなる基板10をパルスレーザ蒸着(PLD)装置内に配置し、基板温度を830℃とし、成膜室内の酸素分圧を0.4Torr(53.3Pa)に設定した。Gd1+xBa2−xCu6+y(x=0、0.02、0.04、0.08;0.6≦y≦1.2)のターゲットを準備し、それぞれのターゲットにエキシマレーザを照射して、種々の組成を有する第1酸化物系超伝導層40(膜厚0.3μm)を成膜した。得られた第1酸化物系超伝導層40を分析した結果、いずれの組成の第1酸化物系超伝導層40もc軸配向しているペロブスカイト構造であることが確認された。
次に、第1酸化物系超伝導層40が形成された基板10を再びPLD装置内に配置し、基板温度を830℃とし、成膜室内の酸素分圧を0.4Torr(53.3Pa)に設定した。Gd1+xBa2−xCu6+y(x=0.1、0.2、0.3、0.4;0.6≦y≦1.2)のターゲットを準備し、それぞれのターゲットにエキシマレーザを照射して、種々の組成を有する酸化物層50を成膜した。得られた酸化物層50を分析した結果、いずれの組成を有する酸化物層50も、c軸配向しているペロブスカイト構造であることが確認された。また、原子間力顕微鏡(AFM)にて成膜表面を観察した結果、酸化物層50は、20〜200nmの寸法を有し、および約20〜200nmの間隔で配置された複数の島状部から構成されていることが確認された。
さらに、第1酸化物系超伝導層40および酸化物層50が形成された基板10を再びPLD装置内に配置し、基板温度を780℃とし、成膜室内の酸素分圧を0.4Torr(53.3Pa)に設定した。Gd1+xBa2−xCu6+y(x=0、0.04、0.08;0.6≦y≦1.2)のターゲットを準備し、それぞれのターゲットにエキシマレーザを照射して、種々の組成を有する第2酸化物系超伝導層60(膜厚0.8μm)を成膜した。得られた第2酸化物系超伝導層60を分析した結果、いずれの組成の第2酸化物系超伝導層60もc軸配向しているペロブスカイト構造であることが確認された。
また、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面微細組織観察および組成分析から、酸化物層50におけるGd/Ba比がそれぞれ0.1、0.2、0.3、0.4であり、第2酸化物系超伝導層60におけるGd/Ba比がそれぞれ0、0.04、0.08であることが確認された(本実施例において、Gd/Ba比は組成式Gd1+xBa2−xCu6+yにおけるxで表す)。さらに、酸化物層50におけるGd/Ba比が0.1以上であることから、酸化物層50は液体窒素温度で超伝導性を示さないと推定される。
次に、得られた超伝導薄膜の超伝導転移温度Tc、および液体窒素温度(77K)における磁場無印加時の臨界電流密度Jcを測定した。さらに、酸化物系超伝導層30のc軸に平行(すなわち、基板10表面に垂直)方向に磁場(5Tおよび9T)を印加した際の温度77KにおけるJcを測定した。
その結果、いずれの超伝導薄膜も90K以上のTcを有した。また、磁場無印加時の温度77KにおけるJcは、いずれの超伝導薄膜においても1×10A/cm以上の値が得られた。特に、酸化物層20のGd/Ba比を0.2、酸化物系超伝導層30のGd/Ba比を0.02とした超伝導薄膜において、最高のJc=5.0×10A/cmの値が得られた。さらに、該超伝導薄膜は、c軸に平行な磁場の印加時(温度77K)においても、5T(テスラ)において2.3×10A/cm、9Tにおいて0.5×10A/cmのJcが得られることを確認した。
(実施例3)
SrTiOからなる基板10を有機金属化学蒸着(MOCVD)装置内に配置し、基板温度を830℃とし、成膜室内の酸素分圧を3Torr(400Pa)に設定して、Nd(DPM)、Ba(DPM)、Cu(DPM)(式中、DPMはジピバロイルメタンアニオンを表す)を原料として用いて、酸化物層20を形成した。Nd(DPM)原料の保持温度を125℃、Ba(DPM)原料の保持温度を240℃、およびCu(DPM)原料の保持温度を120℃に設定し、10秒間にわたって成膜した。得られた酸化物層20を分析した結果、c軸配向しているペロブスカイト構造であることが確認された。また、原子間力顕微鏡(AFM)にて成膜表面を観察した結果、酸化物層20は、20〜200nmの寸法を有し、および約20〜200nmの間隔で配置された複数の島状部から構成されていることが確認された。また、原料のキャリアガス流量の制御により、Nd/Ba比0.4の組成を有する酸化物層20を形成した(本実施例において、Nd/Ba比は組成式Nd1+xBa2−xCu6+yにおけるxで表す)。
さらに、酸化物層20が形成された基板10を再びPLD装置内に配置し、基板温度を830℃とし、成膜室内の酸素分圧を0.4Torr(53.3Pa)に設定して、原料のキャリアガス流量を変更したMOCVD法によりNd1+xBa2−xCu6+y(x=0.04;0.6≦y≦1.2)を積層させ、膜厚0.7μmの酸化物系超伝導層30を成膜した。得られた酸化物系超伝導層30を分析した結果、c軸配向しているペロブスカイト構造であることが確認された。
また、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面微細組織観察および組成分析から、酸化物層20におけるNd/Ba比が0.4であり、酸化物系超伝導層30におけるNd/Ba比がそれぞれ0.04であることが確認された。
得られた超伝導薄膜も90K以上のTcを有した。また、磁場無印加時のJcは、温度77Kにおいて1×10A/cm以上の値が得られた。さらに、c軸に平行な磁場印加時(温度77K)においても、5T(テスラ)において1.4×10A/cmのJcが得られることを確認した。
以上のように、本発明の超伝導薄膜は、従来型の超伝導薄膜と同等の臨界温度Tcを示し、かつ無磁界において従来型膜と同等以上の臨界電流密度を有した。さらに、本発明の超伝導薄膜は、磁場印加の下においては、従来型の超伝導薄膜よりも著しく高い臨界電流密度を示した。したがって、本発明の超伝導薄膜は、磁界の影響下で作働する際により多くの電流を流すことが可能であり、そのような環境下で作働すべき装置にとどまらず、広く、たとえば超伝導線材ならびにケーブル、マグネット、シールド、限流器、マイクロ波デバイス、超伝導フィルタなどの超伝導デバイスおよびそれらの作製に用いられる中間製品等における使用に好適である。

Claims (14)

  1. 基板と、該基板上の酸化物層と、該基板および該酸化物層上の酸化物系超伝導層とを有する超伝導薄膜であって、前記酸化物層は、複数の島状部から構成され、および液体窒素温度で超伝導性を示さないペロブスカイト構造を有する酸化物から形成されていることを特徴とする超伝導薄膜。
  2. 前記酸化物層を構成する複数の島状部のそれぞれは、20nm以上200nm以下の寸法を有することを特徴とする請求項1に記載の超伝導薄膜。
  3. 前記酸化物層を構成する複数の島状部は、20nm以上200nm以下の間隔で配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の超伝導薄膜。
  4. 前記酸化物系超伝導層が、化学式RE1+xBa2−xCu6+y(式中、REはLa、Nd、Sm、Eu、Gd、YおよびYbからなる群から選択され、0≦x<0.2であり、0≦y<2である)を有し、その結晶のc軸が該基板の表面に垂直である酸化物から形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の超伝導薄膜。
  5. 前記酸化物層が、化学式RE1+xBa2−xCu6+y(式中、REはLa、Nd、Sm、Eu、Gd、YおよびYbからなる群から選択され、0.2≦x<2.0であり、0≦y<2である)を有し、その結晶のc軸が該基板の表面に垂直である酸化物から形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の超伝導薄膜。
  6. 前記酸化物系超伝導層が、前記複数の島状部に相当する位置に結晶欠陥を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の超伝導薄膜。
  7. 基板と、該基板上の第1酸化物系超伝導層と、該第1酸化物系超伝導層上の酸化物層と、該第1酸化物系超伝導層および該酸化物層上の第2酸化物系超伝導層とを有する超伝導薄膜であって、前記酸化物層は、複数の島状部から構成され、および液体窒素温度で超伝導性を示さないペロブスカイト構造を有する酸化物から形成されており、前記第1および第2酸化物系超伝導層が、化学式RE1+xBa2−xCu6+y(式中、REはLa、Nd、Sm、Eu、Gd、YおよびYbからなる群から選択され、0≦x<0.2であり、0≦y<2である)を有し、その結晶のc軸が該基板の表面に垂直である酸化物から形成されていることを特徴とする超伝導薄膜。
  8. 前記酸化物層が、化学式RE1+xBa2−xCu6+y(式中、REはLa、Nd、Sm、Eu、Gd、YおよびYbからなる群から選択され、0.2≦x<2.0であり、0≦y<2である)を有し、その結晶のc軸が該基板の表面に垂直である酸化物から形成されていることを特徴とする請求項7に記載の超伝導薄膜。
  9. 前記酸化物層を構成する複数の島状部のそれぞれは、20nm以上200nm以下の寸法を有し、および前記酸化物層を構成する複数の島状部は、20nm以上200nm以下の間隔で配置されていることを特徴とする請求項7または8に記載の超伝導薄膜。
  10. 前記第2酸化物系超伝導層が、前記複数の島状部に相当する位置に結晶欠陥を含むことを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の超伝導薄膜。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の超伝導薄膜を含むことを特徴とする超伝導線材。
  12. 請求項1から10のいずれかに記載の超伝導薄膜を含むことを特徴とする超伝導デバイス。
  13. 基板を準備する工程と、
    該基板上に、液体窒素温度で超伝導性を示さないペロブスカイト構造を有する酸化物から、複数の島状部からなる酸化物層を形成する工程と、
    該基板および該酸化物層上に、酸素分圧13.3Pa(0.1Torr)以上、基板温度680℃以上の雰囲気において、物理気相蒸着法および化学気相蒸着法からなる群から選択される方法により酸化物系超伝導層を形成する工程と
    を含む超伝導薄膜の製造方法。
  14. 基板を準備する工程と、
    該基板上に、第1酸化物系超伝導層を形成する工程と
    該第1酸化物系超伝導層上に、液体窒素温度で超伝導性を示さないペロブスカイト構造を有する酸化物から、複数の島状部からなる酸化物層を形成する工程と、
    該第1酸化物系超伝導層および該酸化物層上に、第2酸化物系超伝導層を形成する工程と
    を含み、前記第1および第2酸化物系超伝導層は、酸素分圧13.3Pa(0.1Torr)以上、基板温度680℃以上の雰囲気において、物理気相蒸着法および化学気相蒸着法からなる群から選択される方法により形成されることを特徴とする超伝導薄膜の製造方法。
JP2006531973A 2004-08-31 2005-08-25 超伝導薄膜、その製造方法、およびそれを用いた超伝導線材、超伝導デバイス Pending JPWO2006025252A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004253273 2004-08-31
JP2004253273 2004-08-31
PCT/JP2005/015423 WO2006025252A1 (ja) 2004-08-31 2005-08-25 超伝導薄膜、その製造方法、およびそれを用いた超伝導線材、超伝導デバイス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2006025252A1 true JPWO2006025252A1 (ja) 2008-05-08

Family

ID=35999909

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006531973A Pending JPWO2006025252A1 (ja) 2004-08-31 2005-08-25 超伝導薄膜、その製造方法、およびそれを用いた超伝導線材、超伝導デバイス

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2006025252A1 (ja)
WO (1) WO2006025252A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009104813A (ja) * 2007-10-19 2009-05-14 Kagoshima Univ 超伝導材

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03250774A (ja) * 1990-02-28 1991-11-08 Chodendo Hatsuden Kanren Kiki Zairyo Gijutsu Kenkyu Kumiai 酸化物超電導体及びその製造方法
JP2003008090A (ja) * 2001-06-19 2003-01-10 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ナノドットを利用した柱状ピン止め中心を有する超伝導薄膜及びその製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03250774A (ja) * 1990-02-28 1991-11-08 Chodendo Hatsuden Kanren Kiki Zairyo Gijutsu Kenkyu Kumiai 酸化物超電導体及びその製造方法
JP2003008090A (ja) * 2001-06-19 2003-01-10 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ナノドットを利用した柱状ピン止め中心を有する超伝導薄膜及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2006025252A1 (ja) 2006-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4495426B2 (ja) 超伝導膜およびその製造方法
JP4713012B2 (ja) テープ状酸化物超電導体
US20130196856A1 (en) Iron based superconducting structures and methods for making the same
US9812233B2 (en) Superconducting oxide thin film
US20110034336A1 (en) CRITICAL CURRENT DENSITY ENHANCEMENT VIA INCORPORATION OF NANOSCALE Ba2(Y,RE)NbO6 IN REBCO FILMS
JP5757587B2 (ja) 鉄系超電導材料、及びこれからなる鉄系超電導層、鉄系超電導テープ線材、鉄系超電導線材
US20110034338A1 (en) CRITICAL CURRENT DENSITY ENHANCEMENT VIA INCORPORATION OF NANOSCALE Ba2(Y,RE)TaO6 IN REBCO FILMS
Chen et al. Composition effects on the critical current of MOCVD-processed Zr: GdYBCO coated conductors in an applied magnetic field
JP4559720B2 (ja) 酸化物超伝導薄膜およびその製造方法
JPWO2006025252A1 (ja) 超伝導薄膜、その製造方法、およびそれを用いた超伝導線材、超伝導デバイス
JP2015198057A (ja) 超伝導膜の使用方法および超伝導膜
Koster et al. Structure and properties of (Sr, Ca) CuO2–BaCuO2 superlattices grown by pulsed laser interval deposition
JP2005276465A (ja) 超電導線材
WO2013015328A1 (ja) 超電導薄膜用基材、超電導薄膜及び超電導薄膜の製造方法
Yoshida et al. Controlled nanoparticulate flux pinning structures in RE1+ xBa2− xCu3Oy films
JP6276523B2 (ja) 酸化物超電導導体及び酸化物超電導導体の製造方法
Raffy BSCCO high-Tc superconducting films
JP2012212571A (ja) 酸化物超電導導体
Holesinger et al. Ultrafine multilayers of complex metal oxide films
JP2007257872A (ja) Ybco系高温超電導体成膜用複合基材およびybco系高温超電導体膜の作製方法
Ichino et al. Microstructure and field angle dependence of critical current densities in REBa/sub 2/Cu/sub 3/O/sub y/thin films prepared by PLD method
JP2004149380A (ja) 単結晶性薄膜
Werner-Malento et al. Structure and Magnetic Characterization οf BiFeO_3/YBa_2Cu_3O_7 Bilayers
JP6167443B2 (ja) 超電導線及びその製造方法
Ichinose et al. Microstructures of high-T/sub c/superconducting films having artificial pinning centers

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080801

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111220

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120410