JPWO2005106503A1 - 電子機器及び落下検出方法 - Google Patents
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Abstract
X方向、X方向に直行するY方向、X方向及びY方向に直行するZ方向の加速度を合成して合成加速度ベクトルの大きさを検出し、時刻と対応付けて合成加速度メモリ(4)に記憶させる。合成加速度ベクトルの大きさがa近傍の値で所定の時間安定している落下候補を検出するとともに、合成加速度メモリ(4)に記憶されている合成加速度ベクトルの大きさを検索して、大きさが所定の値bである合成加速度ベクトルに対応付けられており落下候補が検出された時刻に最も近い時刻T1を求める。そして、合成加速度メモリ(4)に最も速い時刻に記憶された合成加速度ベクトルの大きさに対応した時刻T2から時刻T1までの合成加速度ベクトルの大きさの安定性を検出する。落下候補が検出され、かつ、安定性が所定の範囲内であるときに、電子機器が落下していると判定する。
Description
本発明は、落下していることを検出してハードディスクドライブ装置の破壊などを防止できる電子機器に関する。また、本発明は、落下していることを精度良く検出する落下検出方法に関する。また、本発明は、落下していることを検出してハードディスクドライブ装置の破壊などを防止できるコンテンツ再生装置に関する。
本出願は、日本国において2004年4月28日に出願された日本特許出願番号2004−134327及び2004年6月30日に出願された日本特許出願番号2004−194643を基礎として優先権を主張するものであり、これらの出願は参照することにより、本出願に援用される。
本出願は、日本国において2004年4月28日に出願された日本特許出願番号2004−134327及び2004年6月30日に出願された日本特許出願番号2004−194643を基礎として優先権を主張するものであり、これらの出願は参照することにより、本出願に援用される。
従来、データ容量を増大させるために、携帯型電子機器にもハードディスクドライブ装置が搭載されている。ハードディスクドライブ装置は、データを記憶するハードディスクと、ハードディスクに対するデータの記録や再生を行う磁気ヘッドとを備えている。磁気ヘッドは、ハードディスクに対してデータの記録や再生を行うときには、ハードディスクと対向する位置に移動する。
ハードディスクドライブ装置では、ハードディスクに対するデータの再生又は記録を行うときにハードディスクが回転し、磁気ヘッドとハードディスクとの間に空気が巻き込まれ、磁気ヘッドが浮き上がる構成とされている。したがって、電源が急激に切断されてハードディスクの回転が停止すると、磁気ヘッドとハードディスクとの間に空気が巻き込まれなくなるために磁気ヘッドがハードディスクと接触して、ハードディスクドライブ装置が破壊されるという不都合が生じる。
このような不都合を回避するために、ハードディスクドライブ装置には、電源を監視して、電源が切断されたときに磁気ヘッドをハードディスクと対向しない位置に退避させるオートリトラクト機能が備えられている。
一方、携帯型電子機器は、ハードディスクに対してデータを記録しているときや再生しているときに落下すると、ハードディスクと対向した位置にある磁気ヘッドがハードディスクと衝突して、ハードディスクドライブ装置が破壊されてしまう。
そこで、落下によるハードディスクドライブ装置の破壊を回避するために、携帯型電子機器には、落下を認識してハードディスクドライブ装置の電源をオフとすることにより、落下時にオートリトラクト機能を利用して磁気ヘッドをハードディスクと対向しない位置に退避させることで、ハードディスクドライブ装置の破壊を防ぐ機能が搭載されている。
落下を認識する方法としては、同一平面にない少なくとも3方向の加速度を検出して合成した合成加速度ベクトルの大きさを求め、合成加速度ベクトルの大きさが0近傍で所定の時間安定することを検出することによって認識する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この方法では、ハードディスクドライブ装置が破壊されない限界とされている25cm上からの自由落下を想定し、合成加速度ベクトルの大きさが0近傍で安定している時間が220m秒以上であれば携帯型電子機器が落下していると判定し、磁気ヘッドをハードディスクと対向しない位置に退避させている。
しかしながら、落下を検出してから磁気ヘッドの退避が完了するまでには約100m秒の時間を要する。また、ハードディスクドライブ装置によっては、25cmより下の位置からの自由落下が、破壊されない限界とされているものもある。これらの事情を考慮すると、上述した方法で磁気ヘッドを退避するときには、落下判定するために220m秒の時間を費やすことは不可能であり、落下判定に要することができる時間は最長で50m秒程度とされる。
一方、携帯型電子機器は持ち運びされるが、持ち運ばれると、振動が生じるために、図1中Xに示すように、落下していないにも拘わらず合成加速度ベクトルの大きさが0近傍で約50m秒安定する場合が頻発してしまう。
したがって、合成加速度ベクトルの大きさが0近傍で50m秒安定していることを検出することによって磁気ヘッドをハードディスクに対向するから退避させて、ハードディスクドライブ装置の破壊を防止しようとした場合には、携帯型電子機器が落下していないにも拘わらず磁気ヘッドがハードディスクに対向した位置から退避するケースが多発してしまう。
持ち運び時に生じた振動が原因となって磁気ヘッドがハードディスクに対向した位置から退避してしまうと、携帯型電子機器を持ち運びながら使用しているときに、ハードディスクに対するデータの記録や再生が中断してしまう。ハードディスクに対するデータの記録や再生が中断すると、携帯型電子機器の使用に支障が生じてしまい、例えば、音声を聴いている最中に音切れするなどの不都合が生じてしまう。
また、ハードディスクドライブ装置は、オートリトラクト機能の利用回数が制限されている。したがって、携帯型電子機器では、落下していないにも拘わらず落下と判断され、磁気ヘッドがハードディスクから退避するケースが多発すると、オートリトラクト機能の利用期間が短くなってしまい、磁気ヘッドとハードディスクとの衝突が原因となるハードディスクドライブ装置の破壊が生じ易くなってしまう。
また、同一平面上にない3方向の加速度の合成加速度ベクトルの大きさが0となるのは自由落下のときに限定され、斜面に沿って携帯型電子機器が落下する場合や、携帯型電子機器が回転しながら落下する場合などには、合成加速度ベクトルの大きさは0とはならず、図2に示すように、合成加速度ベクトルの大きさは、0近傍ではないが、所定の時間、元の合成加速度ベクトルの大きさより小さい一定の値とされる。したがって、合成加速度ベクトルの大きさが0となることを検出して携帯型電子機器の落下を判断した場合には、斜面に沿った落下や回転を伴った落下などを検出できないために、ハードディスクドライブ装置の破壊を防ぐことができなくなってしまう。
特許第3441668号公報
ハードディスクドライブ装置では、ハードディスクに対するデータの再生又は記録を行うときにハードディスクが回転し、磁気ヘッドとハードディスクとの間に空気が巻き込まれ、磁気ヘッドが浮き上がる構成とされている。したがって、電源が急激に切断されてハードディスクの回転が停止すると、磁気ヘッドとハードディスクとの間に空気が巻き込まれなくなるために磁気ヘッドがハードディスクと接触して、ハードディスクドライブ装置が破壊されるという不都合が生じる。
このような不都合を回避するために、ハードディスクドライブ装置には、電源を監視して、電源が切断されたときに磁気ヘッドをハードディスクと対向しない位置に退避させるオートリトラクト機能が備えられている。
一方、携帯型電子機器は、ハードディスクに対してデータを記録しているときや再生しているときに落下すると、ハードディスクと対向した位置にある磁気ヘッドがハードディスクと衝突して、ハードディスクドライブ装置が破壊されてしまう。
そこで、落下によるハードディスクドライブ装置の破壊を回避するために、携帯型電子機器には、落下を認識してハードディスクドライブ装置の電源をオフとすることにより、落下時にオートリトラクト機能を利用して磁気ヘッドをハードディスクと対向しない位置に退避させることで、ハードディスクドライブ装置の破壊を防ぐ機能が搭載されている。
落下を認識する方法としては、同一平面にない少なくとも3方向の加速度を検出して合成した合成加速度ベクトルの大きさを求め、合成加速度ベクトルの大きさが0近傍で所定の時間安定することを検出することによって認識する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この方法では、ハードディスクドライブ装置が破壊されない限界とされている25cm上からの自由落下を想定し、合成加速度ベクトルの大きさが0近傍で安定している時間が220m秒以上であれば携帯型電子機器が落下していると判定し、磁気ヘッドをハードディスクと対向しない位置に退避させている。
しかしながら、落下を検出してから磁気ヘッドの退避が完了するまでには約100m秒の時間を要する。また、ハードディスクドライブ装置によっては、25cmより下の位置からの自由落下が、破壊されない限界とされているものもある。これらの事情を考慮すると、上述した方法で磁気ヘッドを退避するときには、落下判定するために220m秒の時間を費やすことは不可能であり、落下判定に要することができる時間は最長で50m秒程度とされる。
一方、携帯型電子機器は持ち運びされるが、持ち運ばれると、振動が生じるために、図1中Xに示すように、落下していないにも拘わらず合成加速度ベクトルの大きさが0近傍で約50m秒安定する場合が頻発してしまう。
したがって、合成加速度ベクトルの大きさが0近傍で50m秒安定していることを検出することによって磁気ヘッドをハードディスクに対向するから退避させて、ハードディスクドライブ装置の破壊を防止しようとした場合には、携帯型電子機器が落下していないにも拘わらず磁気ヘッドがハードディスクに対向した位置から退避するケースが多発してしまう。
持ち運び時に生じた振動が原因となって磁気ヘッドがハードディスクに対向した位置から退避してしまうと、携帯型電子機器を持ち運びながら使用しているときに、ハードディスクに対するデータの記録や再生が中断してしまう。ハードディスクに対するデータの記録や再生が中断すると、携帯型電子機器の使用に支障が生じてしまい、例えば、音声を聴いている最中に音切れするなどの不都合が生じてしまう。
また、ハードディスクドライブ装置は、オートリトラクト機能の利用回数が制限されている。したがって、携帯型電子機器では、落下していないにも拘わらず落下と判断され、磁気ヘッドがハードディスクから退避するケースが多発すると、オートリトラクト機能の利用期間が短くなってしまい、磁気ヘッドとハードディスクとの衝突が原因となるハードディスクドライブ装置の破壊が生じ易くなってしまう。
また、同一平面上にない3方向の加速度の合成加速度ベクトルの大きさが0となるのは自由落下のときに限定され、斜面に沿って携帯型電子機器が落下する場合や、携帯型電子機器が回転しながら落下する場合などには、合成加速度ベクトルの大きさは0とはならず、図2に示すように、合成加速度ベクトルの大きさは、0近傍ではないが、所定の時間、元の合成加速度ベクトルの大きさより小さい一定の値とされる。したがって、合成加速度ベクトルの大きさが0となることを検出して携帯型電子機器の落下を判断した場合には、斜面に沿った落下や回転を伴った落下などを検出できないために、ハードディスクドライブ装置の破壊を防ぐことができなくなってしまう。
本発明は、誤検出を少なくするとともに、確実に落下を検出することができる電子機器及び落下検出方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、落下によるディスク状記録媒体の破損を防止するとともに、落下があった場合にもコンテンツの再生を継続することができるコンテンツ再生装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電子機器は、第1の方向の加速度、上記第1の方向に直交する第2の方向の加速度、上記第1の方向及び上記第2の方向に直交する第3の方向の加速度を検出する加速度検出部と、上記加速度検出部によって検出された上記第1の方向の加速度、上記第2の方向の加速度、上記第3の方向の加速度を合成した合成加速度ベクトルの大きさを検出する合成加速度ベクトル検出部と、上記合成加速度ベクトル検出部によって検出された上記合成加速度ベクトルの大きさを、上記加速度検出部によって上記第1の方向の加速度、上記第2の方向の加速度、上記第3の方向の加速度が検出された時刻と対応付けて記憶する記憶部と、上記合成加速度ベクトル検出部によって検出された合成加速度ベクトルの大きさが所定の値a(但し、a≧0。)になる時刻T0付近における所定の期間の合成加速度の安定度を算出する第1の安定度算出部と、上記記憶部に記憶されている合成加速度ベクトルの大きさを検索し、大きさが所定の値b(但し、b>a。)である合成加速度ベクトルに対応付けられているとともに、上記時刻T0に最も近く、かつ、上記時刻T0より前の時刻T1を上記記憶部から読出し、上記時刻T1付近における所定の期間の合成加速度の安定度を算出する第2の安定度算出部と、上記第1の安定度が所定の範囲内であり、かつ、上記第2の安定度が所定の範囲内である場合に、当該電子機器が落下していると判定する落下判定部とを備えることを特徴とする。
本発明に係る落下検出方法は、電子機器の落下検出方法であって、第1の方向の加速度と、上記第1の方向に直交する第2の方向の加速度と、上記第1の方向及び上記第2の方向に直交する第3の方向の加速度とを検出する加速度検出ステップと、上記加速度検出手段によって検出された上記第1の方向の加速度、上記第2の方向の加速度、上記第3の方向の加速度を合成した合成加速度ベクトルの大きさを検出する合成加速度ベクトル検出ステップと、上記合成加速度ベクトル検出手段によって検出された上記合成加速度ベクトルの大きさを、上記加速度検出手段によって上記第1の方向の加速度、上記第2の方向の加速度、上記第3の方向の加速度が検出された時刻と対応付けて記憶する記憶ステップと、上記合成加速度ベクトル検出手段によって検出された合成加速度ベクトルの大きさが所定の値a(但し、a≧0。)になる時刻T0付近における所定の期間の合成加速度の安定度を算出する第1の安定度算出ステップと、上記記憶手段に記憶されている合成加速度ベクトルの大きさを検索し、大きさが所定の値b(但し、b>a。)である合成加速度ベクトルに対応付けられているとともに、上記時刻T0に最も近く、かつ、上記時刻T0より前の時刻T1を上記記憶手段から読出し、上記時刻T1付近における所定の期間の合成加速度の安定度を算出する第2の安定度算出ステップと、上記第1の安定度が所定の範囲内であり、かつ、上記第2の安定度が所定の範囲内である場合に、当該電子機器が落下していると判定する落下判定ステップとを備えることを特徴とする。
本発明に係るコンテンツ再生装置は、ディスク状記録媒体からデータを再生する再生部と、上記再生部から再生されたデータを一時的にバッファリングするバッファメモリ部と、上記バッファメモリ部に蓄積されているデータを復号して出力する復号部と、第1の方向の加速度、上記第1の方向に直交する第2の方向の加速度、上記第1の方向及び上記第2の方向に直交する第3の方向の加速度を検出する加速度検出部と、上記加速度検出部によって検出された上記第1の方向の加速度、上記第2の方向の加速度、上記第3の方向の加速度を合成した合成加速度ベクトルの大きさを検出する合成加速度ベクトル検出部と、上記合成加速度ベクトル検出部によって検出された上記合成加速度ベクトルの大きさを、上記加速度検出部によって上記第1の方向の加速度、上記第2の方向の加速度、上記第3の方向の加速度が検出された時刻と対応付けて記憶する記憶部と、上記合成加速度ベクトル検出部によって検出された合成加速度ベクトルの大きさが所定の値a(但し、a≧0。)になる時刻T0付近における所定の期間の合成加速度の安定度を算出する第1の安定度算出部と、上記記憶部に記憶されている合成加速度ベクトルの大きさを検索し、大きさが所定の値b(但し、b>a。)である合成加速度ベクトルに対応付けられているとともに、上記時刻T0に最も近く、かつ、上記時刻T0より前の時刻T1を上記記憶部から読出し、上記時刻T1付近における所定の期間の合成加速度の安定度を算出する第2の安定度算出部と、上記第1の安定度が所定の範囲内であり、かつ、上記第2の安定度が所定の範囲内である場合に、当該電子機器が落下していると判定する落下判定部と、上記落下判定部によって落下していると判定された場合に、ディスク状記録媒体から信号を読み出しているヘッドを、上記ディスク状記録媒体から退避させる退避部とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、落下によるディスク状記録媒体の破損を防止するとともに、落下があった場合にもコンテンツの再生を継続することができるコンテンツ再生装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電子機器は、第1の方向の加速度、上記第1の方向に直交する第2の方向の加速度、上記第1の方向及び上記第2の方向に直交する第3の方向の加速度を検出する加速度検出部と、上記加速度検出部によって検出された上記第1の方向の加速度、上記第2の方向の加速度、上記第3の方向の加速度を合成した合成加速度ベクトルの大きさを検出する合成加速度ベクトル検出部と、上記合成加速度ベクトル検出部によって検出された上記合成加速度ベクトルの大きさを、上記加速度検出部によって上記第1の方向の加速度、上記第2の方向の加速度、上記第3の方向の加速度が検出された時刻と対応付けて記憶する記憶部と、上記合成加速度ベクトル検出部によって検出された合成加速度ベクトルの大きさが所定の値a(但し、a≧0。)になる時刻T0付近における所定の期間の合成加速度の安定度を算出する第1の安定度算出部と、上記記憶部に記憶されている合成加速度ベクトルの大きさを検索し、大きさが所定の値b(但し、b>a。)である合成加速度ベクトルに対応付けられているとともに、上記時刻T0に最も近く、かつ、上記時刻T0より前の時刻T1を上記記憶部から読出し、上記時刻T1付近における所定の期間の合成加速度の安定度を算出する第2の安定度算出部と、上記第1の安定度が所定の範囲内であり、かつ、上記第2の安定度が所定の範囲内である場合に、当該電子機器が落下していると判定する落下判定部とを備えることを特徴とする。
本発明に係る落下検出方法は、電子機器の落下検出方法であって、第1の方向の加速度と、上記第1の方向に直交する第2の方向の加速度と、上記第1の方向及び上記第2の方向に直交する第3の方向の加速度とを検出する加速度検出ステップと、上記加速度検出手段によって検出された上記第1の方向の加速度、上記第2の方向の加速度、上記第3の方向の加速度を合成した合成加速度ベクトルの大きさを検出する合成加速度ベクトル検出ステップと、上記合成加速度ベクトル検出手段によって検出された上記合成加速度ベクトルの大きさを、上記加速度検出手段によって上記第1の方向の加速度、上記第2の方向の加速度、上記第3の方向の加速度が検出された時刻と対応付けて記憶する記憶ステップと、上記合成加速度ベクトル検出手段によって検出された合成加速度ベクトルの大きさが所定の値a(但し、a≧0。)になる時刻T0付近における所定の期間の合成加速度の安定度を算出する第1の安定度算出ステップと、上記記憶手段に記憶されている合成加速度ベクトルの大きさを検索し、大きさが所定の値b(但し、b>a。)である合成加速度ベクトルに対応付けられているとともに、上記時刻T0に最も近く、かつ、上記時刻T0より前の時刻T1を上記記憶手段から読出し、上記時刻T1付近における所定の期間の合成加速度の安定度を算出する第2の安定度算出ステップと、上記第1の安定度が所定の範囲内であり、かつ、上記第2の安定度が所定の範囲内である場合に、当該電子機器が落下していると判定する落下判定ステップとを備えることを特徴とする。
本発明に係るコンテンツ再生装置は、ディスク状記録媒体からデータを再生する再生部と、上記再生部から再生されたデータを一時的にバッファリングするバッファメモリ部と、上記バッファメモリ部に蓄積されているデータを復号して出力する復号部と、第1の方向の加速度、上記第1の方向に直交する第2の方向の加速度、上記第1の方向及び上記第2の方向に直交する第3の方向の加速度を検出する加速度検出部と、上記加速度検出部によって検出された上記第1の方向の加速度、上記第2の方向の加速度、上記第3の方向の加速度を合成した合成加速度ベクトルの大きさを検出する合成加速度ベクトル検出部と、上記合成加速度ベクトル検出部によって検出された上記合成加速度ベクトルの大きさを、上記加速度検出部によって上記第1の方向の加速度、上記第2の方向の加速度、上記第3の方向の加速度が検出された時刻と対応付けて記憶する記憶部と、上記合成加速度ベクトル検出部によって検出された合成加速度ベクトルの大きさが所定の値a(但し、a≧0。)になる時刻T0付近における所定の期間の合成加速度の安定度を算出する第1の安定度算出部と、上記記憶部に記憶されている合成加速度ベクトルの大きさを検索し、大きさが所定の値b(但し、b>a。)である合成加速度ベクトルに対応付けられているとともに、上記時刻T0に最も近く、かつ、上記時刻T0より前の時刻T1を上記記憶部から読出し、上記時刻T1付近における所定の期間の合成加速度の安定度を算出する第2の安定度算出部と、上記第1の安定度が所定の範囲内であり、かつ、上記第2の安定度が所定の範囲内である場合に、当該電子機器が落下していると判定する落下判定部と、上記落下判定部によって落下していると判定された場合に、ディスク状記録媒体から信号を読み出しているヘッドを、上記ディスク状記録媒体から退避させる退避部とを備えることを特徴とする。
[図1]図1は、電子機器を携帯して歩行しているときの合成加速度ベクトルの大きさの変化を模式的に示す図である。
[図2]図2は、電子機器が斜面に沿って落下したとき又は回転を伴って落下したときの合成加速度ベクトルの大きさの変化を模式的に示す図である。
[図3]図3は、本発明が適用された電子機器を示すブロック図である。
[図4]図4は、電子機器が自由落下したときの合成加速度ベクトルの大きさの変化を示す図である。
[図5]図5は、電子機器を携帯して歩行しているときの合成加速度の大きさの変化を示す図である。
[図6]図6は、本発明が適用された電子機器が落下を検出して磁気ヘッドを退避させるまでの動作を示すフローチャートである。
[図7]図7は、電子機器の持ち運び時と落下時との標準偏差σ1及び標準偏差σ2を示した図である。
[図8]図8は、本発明が適用されたコンテンツ再生装置の外観図である。
[図9]図9は、上記コンテンツ再生装置のブロック図である。
[図10]図10は、上記コンテンツ再生装置の再生処理時の動作手順を示すフローチャートである。
[図11]図11は、バッファメモリの上限容量及び下限容量を示す図である。
[図2]図2は、電子機器が斜面に沿って落下したとき又は回転を伴って落下したときの合成加速度ベクトルの大きさの変化を模式的に示す図である。
[図3]図3は、本発明が適用された電子機器を示すブロック図である。
[図4]図4は、電子機器が自由落下したときの合成加速度ベクトルの大きさの変化を示す図である。
[図5]図5は、電子機器を携帯して歩行しているときの合成加速度の大きさの変化を示す図である。
[図6]図6は、本発明が適用された電子機器が落下を検出して磁気ヘッドを退避させるまでの動作を示すフローチャートである。
[図7]図7は、電子機器の持ち運び時と落下時との標準偏差σ1及び標準偏差σ2を示した図である。
[図8]図8は、本発明が適用されたコンテンツ再生装置の外観図である。
[図9]図9は、上記コンテンツ再生装置のブロック図である。
[図10]図10は、上記コンテンツ再生装置の再生処理時の動作手順を示すフローチャートである。
[図11]図11は、バッファメモリの上限容量及び下限容量を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図3に示すように、本発明が適用された電子機器1は、図3中X方向の加速度、X方向に直交するY方向の加速度、X方向とY方向との両方に直交するZ方向の加速度を検出して出力する加速度センサ2と、加速度センサ2から出力された信号に基づいて演算を行う演算回路3と、演算回路3に接続している合成加速度メモリ4とを備える。ここで加速度センサ2とは、X、Y、Zの各方向に関して、運動加速度成分から重力加速度成分を差し引いた成分を各方向の加速度として測定する慣性センサである。
また、電子機器1は、演算回路3から出力された信号に基づいて電子機器1が落下している可能性があることを検出する落下候補検出部5と、演算回路3から出力された信号に基づいて後述する時刻T2から時刻T1の間の電子機器1の安定度を検出する安定度検出部6と、落下候補検出部5及び安定度検出部6から供給された信号に基づいて電子機器1が落下しているか否かを判定する落下判定部7と、落下判定部7から信号が供給される電源8と、電源8から供給された電力によって駆動するハードディスクドライブ装置9と、電源8及びハードディスク装置9に接続しているヘッド退避部15とを備える。
なお、落下候補検出部5、安定度検出部6、ヘッド退避部15によって制御部16が構成されおり、制御部16は、メインCPU等の制御に従って動作する。
電子機器1は、携帯型とされており、ユーザは、移動したり歩行しながら電子機器1を使用することが可能とされている。
演算回路3は、X方向の加速度とY方向の加速度とZ方向の加速度とを合成した合成加速度ベクトルの大きさを検出し、加速度センサ2によって、X方向の加速度、Y方向の加速度、Z方向の加速度が検出された時刻T0と対応させて、合成加速度メモリ4に記憶させる。
また、演算回路3は、時刻T0より所定の時間前の時刻T0’から時刻T0までの合成加速度ベクトルの大きさの安定度を求めることによって、時刻T0で検出された合成加速度の大きさの安定度Sを求める。本実施の形態では、時刻T0’から時刻T0までの時間は40m秒とされており、時刻T0’から時刻T0までの合成加速度ベクトルの大きさの標準偏差σ1を算出することによって、合成加速度ベクトルの大きさの安定度Sを検出する。
また、演算回路3は、安定度Sの算出に利用した合成加速度ベクトルの大きさの最大値が所定の値a(但し、a≧0。)未満であるときに、合成加速度ベクトルの大きさの安定度Sを、落下候補検出部5に供給する。本実施の形態では、標準偏差σ1の算出に利用した合成加速度ベクトルの大きさの最大値がa未満であるときに標準偏差σ1を落下候補検出部5に供給している。また、本実施の形態では、a=0.4とされている。なお、落下候補検出部5への安定度Sの供給は、安定度Sの算出に利用した合成加速度ベクトルの大きさの全て又は一部の平均が所定の値a未満であるときに行われても良い。
また、演算回路3は、合成加速度メモリ4に記憶されている合成加速度ベクトルの大きさを検索して、大きさが所定の値b(但し、b>a。)である合成加速度ベクトルに対応付けられており、かつ時刻T0に最も近い時刻、言いかえると、合成加速度メモリ4に記憶されている値bの合成加速度ベクトルのうち最も新しく記憶されたデータに対応付けられている時刻T1を検出する。本実施の形態では、新しく記憶された合成加速度ベクトルの大きさから順番に検索する。また、演算回路3は、合成加速度メモリ4に最も古くから記憶されている合成加速度ベクトルの大きさに対応付けられている時刻T2を検出する。そして、時刻T2から時刻T1の間の合成加速度ベクトルの大きさのばらつき(以下、過去の合成加速度ベクトルの大きさのばらつきともいう。)Uを検出して、安定性検出部6に供給する。本実施の形態では、時刻T1から時刻T2の間の標準偏差σ2を検出することによって、過去の合成加速度の大きさのばらつきUを算出する。また、本実施の形態では、b=0.8とされている。
合成加速度メモリ4は、演算回路3によって算出された合成加速度ベクトルの大きさを、所定の時間記憶する。合成加速度メモリ4に合成加速度ベクトルの大きさが記憶される時間は、任意に設定できる。本実施の形態では、合成加速度ベクトルの大きさを、1秒の約1/4に相当する約240m秒間記憶している。すなわち、時刻T2は時刻T0の240m秒前とされる。なお、合成加速度ベクトルの大きさの記憶時間が約1/4秒間とされている理由については、後述する。
落下候補検出部5は、演算回路3から供給された合成加速度ベクトルの大きさの安定度Sに基づいて、電子機器1が落下している可能性があることを示す落下候補を検出する。落下候補検出部5は、演算回路3から供給された合成加速度ベクトルの大きさの安定度Sが所定の範囲内か否かを判断することによって落下候補を検出する。本実施の形態では、安定度Sは標準偏差σ1として示されているので、標準偏差σ1が所定の値以下であることを検出することにより、落下候補を検出する。
本実施の形態では、落下候補検出部5は、第1の基準値メモリ11と、演算回路3及び第1の基準値メモリ11から信号が供給される第1の比較回路12とを備える。第1の基準値メモリ11は、落下候補として判断される標準偏差σ1の上限値(以下、第1の上限値ともいう。)M1が記憶されており、第1の比較回路12に第1の上限値M1を供給する。また、第1の比較回路12は、演算回路3から供給された標準偏差σ1と第1の基準値メモリ11から供給された第1の上限値M1とを比較して、標準偏差σ1が第1の上限値M1以下であるときに落下候補を検出して、HIGHを出力する。
安定性検出部6は、演算回路3から供給された過去の合成加速度ベクトルの大きさのばらつきUに基づいて、電子機器1が時刻T2から時刻T1の間に安定した状態であったことを検出する。安定性検出部6は、演算回路3から供給された過去の合成加速度ベクトルの大きさのばらつきUが所定の範囲内か否かを判断することによって、電子機器1が時刻T2から時刻T1の間に安定した状態とされていたことを検出する。本実施の形態では、過去の合成加速度ベクトルの大きさのばらつきUは標準偏差σ2として示されているので、標準偏差σ2が所定の値以下であることを検出することにより、電子機器1が時刻T2から時刻T1の間に安定した状態とされていたことを検出する。
本実施の形態では、安定性検出部6は、第2の基準値メモリ13と、演算回路3及び第2の基準値メモリ13から信号が供給される第2の比較回路14とを備える。第2の基準値メモリ13は、電子機器1が時刻T2から時刻T1の間に安定した状態であったと判断される値の上限値(以下、第2の上限値ともいう。)M2が記憶されており、第2の比較回路14に第2の上限値M2を供給する。また、第2の比較回路14は、演算回路3から供給された標準偏差σ2と第2の基準値メモリ13から供給された第2の上限値M2とを比較して、標準偏差σ2が第2の上限値M2以下であるときに、電子機器1が時刻T2から時刻T1の間に安定した状態であったと判断し、HIGHを出力する。
落下判定部7は、本実施の形態ではAND回路からなり、落下候補検出部5から供給された信号と安定性検出部6から供給された信号とがともにHIGHであった場合に、電子機器1が落下していると判定して信号を出力する。
ここで、落下候補検出部5から供給された信号と安定性検出部6から供給された信号とがともにHIGHであった場合、すなわち、落下候補が検出され、かつ、電子機器1が時刻T2から時刻T1の間に安定した状態とされていたことが検出されたときに、電子機器1が落下していると判定される理由について説明する。
電子機器1が自由落下すると、図4中R1に示すように、合成加速度ベクトルの大きさは所定の時間0近傍の値とされる。したがって、電子機器1は、合成加速度ベクトルの大きさが所定の時間0近傍の値とされることを検出することにより、落下している可能性があることを検出できる。
また、電子機器1が斜面に沿って落下した場合や、回転しながら落下した場合には、合成加速度ベクトルの大きさは、0近傍ではないが、所定の時間、元の合成加速度ベクトルより小さい一定の値とされる。したがって、電子機器1は、合成加速度ベクトルの大きさが、a未満の所定の値で所定の時間安定した状態とされていることを検出することにより、落下している可能性があることを検出することができる。
しかし、例えばユーザが電子機器1を携帯して歩いている場合など、電子機器1が移動している場合には、図4中R2に示すように、電子機器1が落下していなくても、電子機器1が振動していることが原因となって、合成加速度ベクトルの大きさが所定の時間0近傍の値とされることや、0近傍ではないものの、所定の時間元の合成加速度ベクトルより小さい値で安定した状態とされることがある。
したがって、合成加速度ベクトルの大きさが、所定の時間a近傍の値で安定した状態となることが検出されても、電子機器1が落下していない場合もある。
しかし、図5に示すように、電子機器1を持ち運んでいるときには、合成加速度ベクトルの大きさは変化し続けている。一方、電子機器1が静置された状態から落下したときには、図4中Aに示すように、合成加速度ベクトルの大きさが安定している状態から合成加速度ベクトルの大きさが急激に小さくなり、a未満の所定の値で安定した状態となる。
したがって、電子機器1の合成加速度ベクトルの大きさがa未満の所定の値で安定した状態となることを検出するとともに、電子機器1の過去の合成加速度ベクトルの大きさがばらついていないことを検出すること、すなわち、落下候補であり、かつ電子機器1が時刻T2から時刻T1の間安定していたことを検出することにより、電子機器1が落下していることを正確に検出できる。
なお、本実施の形態では、ユーザの歩行に伴った電子機器1の振動によって、落下が誤検出されることを防止することを目的としている。人間の歩行による振動は約2Hzである。したがって、電子機器1では、合成加速度メモリ4に対して、約1/4秒の間に検出された合成加速度ベクトルの大きさがそれぞれ記憶されていれば、ユーザの歩行に伴った振動を落下と区別することができる。
電源8は、ハードディスクドライブ装置9に対して電力を供給する。電源8は、落下判定部7から信号が供給されることにより、オフとなる。
ハードディスクドライブ装置9は、データを記憶するハードディスク21と、ハードディスク21に対してデータの記録や再生を行う磁気ヘッド22とを備える。ハードディスクドライブ装置9は、電源から供給された電力によって駆動される。
ハードディスクドライブ装置9では、ハードディスク21に対するデータの再生又は記録を行うときにハードディスク21が回転し、磁気ヘッド22とハードディスク21との間に空気が巻き込まれ、磁気ヘッドが浮き上がる構成とされている。
また、ハードディスクドライブ装置9は、電源8がオフとされたときに、磁気ヘッド22をハードディスク21と対向しない位置に退避させるオートリトラクト機能が備えられている。オートリトラクト機能により、電源8がオフとされたことに伴ってハードディスク21の回転が停止したときに、磁気ヘッド22がハードディスク21と衝突することを回避できる。
また、ハードディスクドライブ装置9では、電子機器1が落下したときには、落下判定部7から信号が供給されて電源8がオフとされるため、オートリトラクト機能が働いて、磁気ヘッド22がハードディスク21と対向しない位置に退避される。磁気ヘッド22がハードディスク21と対向しない位置に退避されるために、磁気ヘッド22がハードディスク21と衝突してハードディスクドライブ装置9が破壊されることが回避される。
ヘッド退避部15は、磁気ヘッド22をハードディスク21に対向した位置から退避させる。本実施の形態では、オートリトラクト機能による磁気ヘッド22の退避も行っており、電源8がオフとされたときに、磁気ヘッド22をハードディスク21に対向した位置から退避させる。なお、ヘッド15は、電源8のオフとは関係なく、磁気ヘッド22を退避させる構成とされていても良い。
つぎに、電子機器1が、落下したときに、磁気ヘッド22をハードディスク21と対向しない位置に退避する方法について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
電子機器1では、加速度センサ2が、常時X方向の加速度とY方向の加速度とZ方向の加速度とを検出し、演算回路3に対して出力している。演算回路3は、供給されたX方向の加速度とY方向の加速度とZ方向の加速度とを合成して合成加速度ベクトルの大きさを検出して、X方向の加速度、Y方向の加速度、Z方向の加速度が検出された時刻と対応させて、合成加速度メモリ4に記憶させる(ステップST1)。
次に、演算回路3は、合成加速度メモリ4に記憶されている合成加速度ベクトルの大きさに基づいて、時刻T0’から時刻T0までの合成加速度ベクトルの大きさの標準偏差σ1を算出する(ステップST2)。
次に、演算回路3は、ステップST2で標準偏差σ1の算出に利用された合成加速度ベクトルの大きさの最大値が、所定の値a以上であるかa未満であるかを判断する。合成加速度ベクトルの大きさの最大値が所定の値a以上である場合にはステップST1に戻り、所定の値a未満である場合にはステップST4に進む(ステップST3)。
そして、演算回路3は、標準偏差σ1を、第1の比較回路12に供給する。第1の比較回路12は、演算回路3から供給された標準偏差σ1を、第1の基準値メモリ11に記憶されている第1の上限値M1と比較して、標準偏差σ1が第1の上限値M1以下であるときには、落下候補であると判断してHIGHを出力して落下判定部7に供給し、標準偏差σ1が第1の上限値M1を超えるときにはLOWを出力する。(ステップST4)。
また、演算回路3は、合成加速度メモリ4に記憶されている合成加速度ベクトルの大きさを検索して、大きさが所定の値bである合成加速度ベクトルに対応付けられており、かつ時刻T0に最も近い時刻T1を検出する(ステップST5)。
次に、演算回路3は、合成加速度メモリ4に最も早く記憶された合成加速度ベクトルの大きさに対応付けられている時刻T2を検出する(ステップST6)。
そして、演算回路3は、時刻T2から時刻T1の間の合成加速度ベクトルの大きさの標準偏差σ2を算出して、第2の比較回路14に対して供給する(ステップST7)。
次に、第2の比較回路14は、演算回路3から供給された標準偏差σ2と、第2の基準値メモリ13に記憶されている第2の上限値M2とを比較して、第2の上限値M2を超える場合には、時刻T2から時刻T1までの電子機器1の安定性が所定の範囲内であると判断して、HIGHを出力して落下判定部7に供給し、標準偏差σ2が第2の上限値M2以下である場合にはLOWを出力する。(ステップST8)。
次に、落下判定部7は、電子機器1が落下候補であり、かつ時刻T2から時刻T1までの電子機器1の安定性が所定の範囲内であることから落下していると判定して信号を出力し、電源8に供給する。具体的には、ステップST4で第1の比較回路11から供給された信号がHIGHであり、かつステップST8で第2の比較回路14から供給された信号がHIGHであることを検出して、信号を出力する(ステップST9)。
電源8は、落下判定部7から信号が供給されてオフとなる。電源8がオフとなると、ヘッド退避部15は、オートリトラクト機能により、磁気ヘッド22をハードディスク21に対向する位置から退避させる(ステップST10)。
なお、合成加速度ベクトルの大きさが0近傍の値となったときには、合成加速度ベクトルの大きさは、必ず所定の時間安定する。したがって、aを0近傍の値としたときには、ステップST2〜ステップST4の処理を行う代わりに、時刻T0の合成加速度ベクトルの大きさがa未満であることを検出して、落下判定部7に対してHIGHを供給する構成としても良い。かかる構成とすることにより、電子機器1の構成を簡略化することが可能となる。
つぎに、第1の上限値M1及び第2の上限値M2の具体的な数値について説明する。
最初に、電子機器1を持ち運んで標準偏差σ1と標準偏差σ2とを測定したところ、図7中Bに示すように、標準偏差σ1は0.005〜0.060の範囲の値であり、標準偏差σ2は0.070以上であり、特にほとんどが0.1より大きい値であった。
そして、電子機器1を落下させて標準偏差σ1と標準偏差σ2とを測定したところ、図7中Cに示すように、標準偏差σ1は0.035〜0.075の範囲の値であり、標準偏差σ2は0.020〜0.070の範囲の値であった。
測定結果より、第1の上限値M1を0.075よりやや大きい値に設定し、第2の上限値M2を0.070よりやや大きい値に設定することで、電子機器1の落下を100%検出することが可能となることがわかる。
また、第2の上限値M2を0.07よりやや小さい値に設定することで、持ち運びによる振動などを誤検出することを回避できるが、電子機器1は落下している場合にも標準偏差σ2が0.07近傍の値となる場合があるため、標準偏差σ2を0.07よりやや小さい値に設定すると、落下しているにも拘わらず検出されない場合が生じてしまうことがわかる。また、第2の上限値M2を0.1以下に設定すれば、持ち運びによる振動などを誤検出する確率を10%程度に下げることが可能となることがわかる。
したがって、本実施例では第1の上限値M1を0.1に設定し、第2の上限値M2を0.1に設定をしている。第1の上限値M1を0.1に設定し、第2の上限値M2を0.1に設定することで、電子機器1の落下を100%検出し、持ち運びによる振動を落下と検出してしまう誤検出を非常に小さく抑えることができる。
なお、落下時の標準偏差σ1や標準偏差σ2、並びに、持ち運び時の標準偏差σ1や標準偏差σ2は、電子機器1の大きさや形状などによって変化する。したがって、第1の上限値M1及び第2の上限値M2は、特に限定される値ではなく、電子機器1の大きさや形状などに応じて適切に設定される値である。
以上説明したように、本発明が適用された電子機器1は、合成加速度ベクトルの大きさがa未満の所定の値で所定の時間以上安定している落下候補を検出し、かつ時刻T2から時刻T1まで電子機器1の安定性が所定の範囲内であるとことを検出することで、電子機器1自身が落下していることを検出している。
したがって、電子機器1では、持ち運びのときに生じる振動などが原因となって一時的に合成加速度ベクトルの大きさが0となるために生じる落下の誤検出を低減することが可能となり、オートリトラクト機能を利用してハードディスク21と対向した位置から磁気ヘッド22が退避されることが、多発することを防止できる。
オートリトラクト機能を利用してハードディスク21と対向した位置からの磁気ヘッド22が退避されることが少なくなるために、電子機器1は、移動しながら利用している最中に、振動などが原因となってハードディスク21に記憶されているデータの読出しが中断されることがなくなり、ハードディスク21に記憶されているデータの読出し能力が高くなる。
また、オートリトラクト機能によってハードディスク21と対向した位置から磁気ヘッド22が退避すると、電源8のオフに伴って電力が消費される。したがって、電子機器1は、オートリトラクト機能の利用が多発しなくなることにより、消費電力を削減することが可能となり、結果的に、使用されている電池の寿命を延ばすことが可能となる。
また、オートリトラクト機能の利用回数には制限があるので、電子機器1は、オートリトラクト機能の利用回数を少なくすることにより、利用回数の制限に達するまでの期間を延ばすことが可能となり、ハードディスクドライブ装置9の寿命を延ばすことが可能となる。
また、電子機器1では、落下の検出に時刻T2から時刻T1の間の安定性も利用しているために、合成加速度ベクトルの大きさが0近傍以外の値で安定しているときにも、落下を検出することができる。したがって、電子機器1によれば、自由落下以外の回転を伴った落下や斜面に沿った落下なども検出することが可能となり、自由落下以外の落下が生じたときにも、ハードディスクドライブ装置9を保護することが可能となる。
なお、本実施の形態では、本発明をハードディスクドライブ装置9に備えられた磁気ヘッド21をハードディスク22に対向する位置から待避させることによるハードディスクドライブ装置9の破壊の回避に適用しているが、本発明は他の用途に適用されても良い。例えば、ミニディスク(登録商標)などの着脱可能な記録媒体に対向する位置から、この着脱可能な記録媒体に対してデータを記録したり再生するヘッドを待避させることにより、記録媒体が破壊されることを回避する用途に適用しても良い。
つぎに、コンテンツ(映像若しくは音声、又は、映像及び音声)を再生するポータブルのコンテンツプレーヤに、上記電子機器1が適用された例について説明をする。
なお、以下、コンテンツプレーヤの説明をするにあたり、上記電子機器1に備えられている構成要素と同一の構成要素については、図面中に同一の符号を付けてその詳細な説明を省略する。
図8は、コンテンツプレーヤ30の模式的な外観図である。
コンテンツプレーヤ30は、人間が携帯して持ち運びしてできる程度の大きさである。コンテンツプレーヤ30は、例えば、表示モニタ31及びヘッドフォン32が設けられており、これらに内部の記憶媒体(ハードディスク21)に格納されているコンテンツを出力する。また、コンテンツプレーヤ30は、操作部33を備えており、この操作部33によりユーザからの操作入力を受け付ける。
このようなコンテンツプレーヤ30は、コンピュータと所定のインタフェース(例えば、USB(Universal serial bus))により接続可能とされている。コンテンツプレーヤ30は、このUSBインタフェースを介してコンテンツデータがコンピュータから転送され、内部の記憶媒体(ハードディスク21)に格納される。
また、コンテンツプレーヤ30には、内部に加速度センサ2が備えられている。この加速度センサ2の加速度の検出方向は、図8の矢印で示しているように、表示モニタ31及びヘッドフォン32が設けられている筐体主面34の面内方向であり互いに直交するX方向及びY方向と、X方向及びY方向に直交する方向(すなわち、筐体主面34に直交する方向)であるZ方向となっている。なお、この方向は一例であり、互いに直交する3軸方向の加速度が検出できれば、加速度センサ2の検出方向はどのような方向であってもよい。
図9は、コンテンツプレーヤ30の内部ブロック構成図である。
コンテンツプレーヤ30は、映像及び音楽データであるコンテンツデータが格納されるハードディスクドライブ装置9と、ハードディスクドライブ装置9から読み出されたコンテンツデータを一時的に格納する半導体メモリであるバッファメモリ41と、コンテンツデータを復号するデコーダ42と、デコーダ42により復号された音声信号を外部に出力する音声出力部43と、デコーダ42により復号された画像信号を表示する表示部44とを備えている。
また、コンテンツプレーヤ30は、加速度センサ2と、演算回路3と、合成加速度メモリ4と、制御部16とを備えている。これらの構成は、上述した電子機器1の構成要素と同一である。
また、コンテンツプレーヤ30は、外部のコンピュータと接続してデータのやり取りを行うためのUSB端子45及びそのコントローラであるUSBコントローラ46とを備えている。
以上のような構成のコンテンツプレーヤ30は、外部のコンピュータからUSBを介してコンテンツデータがハードディスク21に記録される。
具体的には、コンテンツプレーヤ30は、コンピュータとUSBケーブルを介して接続されると、当該コンピュータからリムーバブルなハードディスクドライブとして認識される。コンピュータは、USBケーブル経由でコンテンツデータを送信する。コンピュータからコンテンツデータが送信されると、USBコントローラ46がそのデータを一旦受信した後にハードディスク21に書き込む。
また、コンテンツプレーヤ30は、再生時においては、コンピュータから取り外されて、スタンドアローンで動作を行う。
つぎに、コンテンツプレーヤ30の再生時の動作及び落下検出に伴う動作について、図10のフローチャートを参照して説明をする。
コンテンツプレーヤ30の制御部16は、電源がONされると、ステップST21から処理を開始する。
制御部16は、ステップST21において、ユーザにより再生操作がされ、ハードディスク21からバッファメモリ41へのデータの読み込みの開始命令があったか否かを判断し、データの読み込み命令があるまで待機をする。制御部16は、ステップST21において、データの読み込み開始命令があった場合には、ステップST22に進む。
続いて、制御部16は、ステップST22において、当該コンテンツプレーヤ30が落下しているか否かについて判定処理を行う。具体的には、図6の落下判定処理を行う。
続いて、ステップST23において、制御部16は、判定結果を参照して、落下しているか否かを判断する。落下していると判断する場合には、ステップST22に戻り、再度落下判定を行う。落下判定の結果、落下していないと判断する場合には、ステップST24に進む。
続いて、制御部16は、落下していないと判断する場合には、ステップST24において、磁気ヘッド22をハードディスク21上の所定の位置に移動させる。
続いて、ステップST25において、制御部16は、ハードディスクドライブ装置9からバッファメモリ41へデータを転送させる。
ここで、バッファメモリ41にデータが蓄積をされると、デコーダ42は、バッファメモリ41からコンテンツデータを抜き出して復号して外部へ出力を開始する。デコーダ42は、以後、磁気ヘッド22がハードディスク21から退避されたとしても、バッファメモリ41に格納されているデータがなくなるまでデコードを続行し続ける。
続いて、制御部は、ステップST26において、当該コンテンツプレーヤ30が落下しているか否かについて判定処理を行う。具体的には、図6の落下判定処理を行う。
続いて、制御部16は、ステップST27において、判定結果を参照して、落下しているか否かを判断する。
落下していると判断する場合には、ステップST28に進む。ステップST28では、制御部16は、磁気ヘッド22を一定時間だけハードディスク21から退避させて、ステップST24に進む、再度磁気ヘッド22をハードディスク21上に移動させる。
落下していないと判断する場合には、ステップST29に進む。
続いて、制御部16は、ステップST29において、バッファメモリ41が記憶しているデータ容量が、上限容量値以上であるか否かを判断する。
図11に示すように、バッファメモリ41には、その最大容量から一定マージン分少ない容量値が「上限容量値」として定められており、一方、0から一定マージン分加えた容量値が「下限容量値」として定められている。
上記ステップST29では、バッファメモリ41に記憶している容量が既に上限容量値を超えているか否かが判断されている。
上限容量値以上でない場合には、制御部16は、ステップST25に進み、さらに、ハードディスクドライブ装置9からバッファメモリ41へデータを転送し、再度落下判定ステップST26及びST27を行う。制御部16は、上限容量値以上となった場合には、ステップS30に進む。
続いて、制御部16は、ステップS30において、磁気ヘッド22をハードディスク21から退避させる。
続いて、制御部16は、ステップS31において、バッファメモリ41が記憶しているデータ容量が、下限容量値以下であるか否かを判断する。
制御部16は、下限容量値以下でない場合には、当該ステップS31において処理を待機する。
下限容量値以下となった場合には、ステップST25に進み、さらに、ハードディスクドライブ装置9からバッファメモリ41へデータを転送し、以下、ステップST25からステップS31までの処理を繰り返す。
そして、制御部16は、読み込み停止命令が与えられるまで、以上の処理を繰り返し行う。
以上のような処理を行うコンテンツプレーヤ30では、ハードディスクドライブ装置9からバッファメモリ41へバースト的にデータの転送を行うとともに、データの転送を行っている時にのみ落下の判定を行っている。さらに、落下と判定されて磁気ヘッド22を退避させている際にも、バッファメモリ41にデータが蓄積されているので、コンテンツの出力(音声出力、映像出力)は継続して行われている。つまり、落下している最中にもコンテンツの出力の連続性が保たれている。また、落下と判定して磁気ヘッド22が退避した場合には、一定時間経過後に再度ハードディスク21に対するアクセスが開始されることとなる。
本発明は、図面を参照して説明した上述の実施例に限定されるものではなく、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な変更、置換又はその同等のものを行うことができることは当業者にとって明らかである。
図3に示すように、本発明が適用された電子機器1は、図3中X方向の加速度、X方向に直交するY方向の加速度、X方向とY方向との両方に直交するZ方向の加速度を検出して出力する加速度センサ2と、加速度センサ2から出力された信号に基づいて演算を行う演算回路3と、演算回路3に接続している合成加速度メモリ4とを備える。ここで加速度センサ2とは、X、Y、Zの各方向に関して、運動加速度成分から重力加速度成分を差し引いた成分を各方向の加速度として測定する慣性センサである。
また、電子機器1は、演算回路3から出力された信号に基づいて電子機器1が落下している可能性があることを検出する落下候補検出部5と、演算回路3から出力された信号に基づいて後述する時刻T2から時刻T1の間の電子機器1の安定度を検出する安定度検出部6と、落下候補検出部5及び安定度検出部6から供給された信号に基づいて電子機器1が落下しているか否かを判定する落下判定部7と、落下判定部7から信号が供給される電源8と、電源8から供給された電力によって駆動するハードディスクドライブ装置9と、電源8及びハードディスク装置9に接続しているヘッド退避部15とを備える。
なお、落下候補検出部5、安定度検出部6、ヘッド退避部15によって制御部16が構成されおり、制御部16は、メインCPU等の制御に従って動作する。
電子機器1は、携帯型とされており、ユーザは、移動したり歩行しながら電子機器1を使用することが可能とされている。
演算回路3は、X方向の加速度とY方向の加速度とZ方向の加速度とを合成した合成加速度ベクトルの大きさを検出し、加速度センサ2によって、X方向の加速度、Y方向の加速度、Z方向の加速度が検出された時刻T0と対応させて、合成加速度メモリ4に記憶させる。
また、演算回路3は、時刻T0より所定の時間前の時刻T0’から時刻T0までの合成加速度ベクトルの大きさの安定度を求めることによって、時刻T0で検出された合成加速度の大きさの安定度Sを求める。本実施の形態では、時刻T0’から時刻T0までの時間は40m秒とされており、時刻T0’から時刻T0までの合成加速度ベクトルの大きさの標準偏差σ1を算出することによって、合成加速度ベクトルの大きさの安定度Sを検出する。
また、演算回路3は、安定度Sの算出に利用した合成加速度ベクトルの大きさの最大値が所定の値a(但し、a≧0。)未満であるときに、合成加速度ベクトルの大きさの安定度Sを、落下候補検出部5に供給する。本実施の形態では、標準偏差σ1の算出に利用した合成加速度ベクトルの大きさの最大値がa未満であるときに標準偏差σ1を落下候補検出部5に供給している。また、本実施の形態では、a=0.4とされている。なお、落下候補検出部5への安定度Sの供給は、安定度Sの算出に利用した合成加速度ベクトルの大きさの全て又は一部の平均が所定の値a未満であるときに行われても良い。
また、演算回路3は、合成加速度メモリ4に記憶されている合成加速度ベクトルの大きさを検索して、大きさが所定の値b(但し、b>a。)である合成加速度ベクトルに対応付けられており、かつ時刻T0に最も近い時刻、言いかえると、合成加速度メモリ4に記憶されている値bの合成加速度ベクトルのうち最も新しく記憶されたデータに対応付けられている時刻T1を検出する。本実施の形態では、新しく記憶された合成加速度ベクトルの大きさから順番に検索する。また、演算回路3は、合成加速度メモリ4に最も古くから記憶されている合成加速度ベクトルの大きさに対応付けられている時刻T2を検出する。そして、時刻T2から時刻T1の間の合成加速度ベクトルの大きさのばらつき(以下、過去の合成加速度ベクトルの大きさのばらつきともいう。)Uを検出して、安定性検出部6に供給する。本実施の形態では、時刻T1から時刻T2の間の標準偏差σ2を検出することによって、過去の合成加速度の大きさのばらつきUを算出する。また、本実施の形態では、b=0.8とされている。
合成加速度メモリ4は、演算回路3によって算出された合成加速度ベクトルの大きさを、所定の時間記憶する。合成加速度メモリ4に合成加速度ベクトルの大きさが記憶される時間は、任意に設定できる。本実施の形態では、合成加速度ベクトルの大きさを、1秒の約1/4に相当する約240m秒間記憶している。すなわち、時刻T2は時刻T0の240m秒前とされる。なお、合成加速度ベクトルの大きさの記憶時間が約1/4秒間とされている理由については、後述する。
落下候補検出部5は、演算回路3から供給された合成加速度ベクトルの大きさの安定度Sに基づいて、電子機器1が落下している可能性があることを示す落下候補を検出する。落下候補検出部5は、演算回路3から供給された合成加速度ベクトルの大きさの安定度Sが所定の範囲内か否かを判断することによって落下候補を検出する。本実施の形態では、安定度Sは標準偏差σ1として示されているので、標準偏差σ1が所定の値以下であることを検出することにより、落下候補を検出する。
本実施の形態では、落下候補検出部5は、第1の基準値メモリ11と、演算回路3及び第1の基準値メモリ11から信号が供給される第1の比較回路12とを備える。第1の基準値メモリ11は、落下候補として判断される標準偏差σ1の上限値(以下、第1の上限値ともいう。)M1が記憶されており、第1の比較回路12に第1の上限値M1を供給する。また、第1の比較回路12は、演算回路3から供給された標準偏差σ1と第1の基準値メモリ11から供給された第1の上限値M1とを比較して、標準偏差σ1が第1の上限値M1以下であるときに落下候補を検出して、HIGHを出力する。
安定性検出部6は、演算回路3から供給された過去の合成加速度ベクトルの大きさのばらつきUに基づいて、電子機器1が時刻T2から時刻T1の間に安定した状態であったことを検出する。安定性検出部6は、演算回路3から供給された過去の合成加速度ベクトルの大きさのばらつきUが所定の範囲内か否かを判断することによって、電子機器1が時刻T2から時刻T1の間に安定した状態とされていたことを検出する。本実施の形態では、過去の合成加速度ベクトルの大きさのばらつきUは標準偏差σ2として示されているので、標準偏差σ2が所定の値以下であることを検出することにより、電子機器1が時刻T2から時刻T1の間に安定した状態とされていたことを検出する。
本実施の形態では、安定性検出部6は、第2の基準値メモリ13と、演算回路3及び第2の基準値メモリ13から信号が供給される第2の比較回路14とを備える。第2の基準値メモリ13は、電子機器1が時刻T2から時刻T1の間に安定した状態であったと判断される値の上限値(以下、第2の上限値ともいう。)M2が記憶されており、第2の比較回路14に第2の上限値M2を供給する。また、第2の比較回路14は、演算回路3から供給された標準偏差σ2と第2の基準値メモリ13から供給された第2の上限値M2とを比較して、標準偏差σ2が第2の上限値M2以下であるときに、電子機器1が時刻T2から時刻T1の間に安定した状態であったと判断し、HIGHを出力する。
落下判定部7は、本実施の形態ではAND回路からなり、落下候補検出部5から供給された信号と安定性検出部6から供給された信号とがともにHIGHであった場合に、電子機器1が落下していると判定して信号を出力する。
ここで、落下候補検出部5から供給された信号と安定性検出部6から供給された信号とがともにHIGHであった場合、すなわち、落下候補が検出され、かつ、電子機器1が時刻T2から時刻T1の間に安定した状態とされていたことが検出されたときに、電子機器1が落下していると判定される理由について説明する。
電子機器1が自由落下すると、図4中R1に示すように、合成加速度ベクトルの大きさは所定の時間0近傍の値とされる。したがって、電子機器1は、合成加速度ベクトルの大きさが所定の時間0近傍の値とされることを検出することにより、落下している可能性があることを検出できる。
また、電子機器1が斜面に沿って落下した場合や、回転しながら落下した場合には、合成加速度ベクトルの大きさは、0近傍ではないが、所定の時間、元の合成加速度ベクトルより小さい一定の値とされる。したがって、電子機器1は、合成加速度ベクトルの大きさが、a未満の所定の値で所定の時間安定した状態とされていることを検出することにより、落下している可能性があることを検出することができる。
しかし、例えばユーザが電子機器1を携帯して歩いている場合など、電子機器1が移動している場合には、図4中R2に示すように、電子機器1が落下していなくても、電子機器1が振動していることが原因となって、合成加速度ベクトルの大きさが所定の時間0近傍の値とされることや、0近傍ではないものの、所定の時間元の合成加速度ベクトルより小さい値で安定した状態とされることがある。
したがって、合成加速度ベクトルの大きさが、所定の時間a近傍の値で安定した状態となることが検出されても、電子機器1が落下していない場合もある。
しかし、図5に示すように、電子機器1を持ち運んでいるときには、合成加速度ベクトルの大きさは変化し続けている。一方、電子機器1が静置された状態から落下したときには、図4中Aに示すように、合成加速度ベクトルの大きさが安定している状態から合成加速度ベクトルの大きさが急激に小さくなり、a未満の所定の値で安定した状態となる。
したがって、電子機器1の合成加速度ベクトルの大きさがa未満の所定の値で安定した状態となることを検出するとともに、電子機器1の過去の合成加速度ベクトルの大きさがばらついていないことを検出すること、すなわち、落下候補であり、かつ電子機器1が時刻T2から時刻T1の間安定していたことを検出することにより、電子機器1が落下していることを正確に検出できる。
なお、本実施の形態では、ユーザの歩行に伴った電子機器1の振動によって、落下が誤検出されることを防止することを目的としている。人間の歩行による振動は約2Hzである。したがって、電子機器1では、合成加速度メモリ4に対して、約1/4秒の間に検出された合成加速度ベクトルの大きさがそれぞれ記憶されていれば、ユーザの歩行に伴った振動を落下と区別することができる。
電源8は、ハードディスクドライブ装置9に対して電力を供給する。電源8は、落下判定部7から信号が供給されることにより、オフとなる。
ハードディスクドライブ装置9は、データを記憶するハードディスク21と、ハードディスク21に対してデータの記録や再生を行う磁気ヘッド22とを備える。ハードディスクドライブ装置9は、電源から供給された電力によって駆動される。
ハードディスクドライブ装置9では、ハードディスク21に対するデータの再生又は記録を行うときにハードディスク21が回転し、磁気ヘッド22とハードディスク21との間に空気が巻き込まれ、磁気ヘッドが浮き上がる構成とされている。
また、ハードディスクドライブ装置9は、電源8がオフとされたときに、磁気ヘッド22をハードディスク21と対向しない位置に退避させるオートリトラクト機能が備えられている。オートリトラクト機能により、電源8がオフとされたことに伴ってハードディスク21の回転が停止したときに、磁気ヘッド22がハードディスク21と衝突することを回避できる。
また、ハードディスクドライブ装置9では、電子機器1が落下したときには、落下判定部7から信号が供給されて電源8がオフとされるため、オートリトラクト機能が働いて、磁気ヘッド22がハードディスク21と対向しない位置に退避される。磁気ヘッド22がハードディスク21と対向しない位置に退避されるために、磁気ヘッド22がハードディスク21と衝突してハードディスクドライブ装置9が破壊されることが回避される。
ヘッド退避部15は、磁気ヘッド22をハードディスク21に対向した位置から退避させる。本実施の形態では、オートリトラクト機能による磁気ヘッド22の退避も行っており、電源8がオフとされたときに、磁気ヘッド22をハードディスク21に対向した位置から退避させる。なお、ヘッド15は、電源8のオフとは関係なく、磁気ヘッド22を退避させる構成とされていても良い。
つぎに、電子機器1が、落下したときに、磁気ヘッド22をハードディスク21と対向しない位置に退避する方法について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
電子機器1では、加速度センサ2が、常時X方向の加速度とY方向の加速度とZ方向の加速度とを検出し、演算回路3に対して出力している。演算回路3は、供給されたX方向の加速度とY方向の加速度とZ方向の加速度とを合成して合成加速度ベクトルの大きさを検出して、X方向の加速度、Y方向の加速度、Z方向の加速度が検出された時刻と対応させて、合成加速度メモリ4に記憶させる(ステップST1)。
次に、演算回路3は、合成加速度メモリ4に記憶されている合成加速度ベクトルの大きさに基づいて、時刻T0’から時刻T0までの合成加速度ベクトルの大きさの標準偏差σ1を算出する(ステップST2)。
次に、演算回路3は、ステップST2で標準偏差σ1の算出に利用された合成加速度ベクトルの大きさの最大値が、所定の値a以上であるかa未満であるかを判断する。合成加速度ベクトルの大きさの最大値が所定の値a以上である場合にはステップST1に戻り、所定の値a未満である場合にはステップST4に進む(ステップST3)。
そして、演算回路3は、標準偏差σ1を、第1の比較回路12に供給する。第1の比較回路12は、演算回路3から供給された標準偏差σ1を、第1の基準値メモリ11に記憶されている第1の上限値M1と比較して、標準偏差σ1が第1の上限値M1以下であるときには、落下候補であると判断してHIGHを出力して落下判定部7に供給し、標準偏差σ1が第1の上限値M1を超えるときにはLOWを出力する。(ステップST4)。
また、演算回路3は、合成加速度メモリ4に記憶されている合成加速度ベクトルの大きさを検索して、大きさが所定の値bである合成加速度ベクトルに対応付けられており、かつ時刻T0に最も近い時刻T1を検出する(ステップST5)。
次に、演算回路3は、合成加速度メモリ4に最も早く記憶された合成加速度ベクトルの大きさに対応付けられている時刻T2を検出する(ステップST6)。
そして、演算回路3は、時刻T2から時刻T1の間の合成加速度ベクトルの大きさの標準偏差σ2を算出して、第2の比較回路14に対して供給する(ステップST7)。
次に、第2の比較回路14は、演算回路3から供給された標準偏差σ2と、第2の基準値メモリ13に記憶されている第2の上限値M2とを比較して、第2の上限値M2を超える場合には、時刻T2から時刻T1までの電子機器1の安定性が所定の範囲内であると判断して、HIGHを出力して落下判定部7に供給し、標準偏差σ2が第2の上限値M2以下である場合にはLOWを出力する。(ステップST8)。
次に、落下判定部7は、電子機器1が落下候補であり、かつ時刻T2から時刻T1までの電子機器1の安定性が所定の範囲内であることから落下していると判定して信号を出力し、電源8に供給する。具体的には、ステップST4で第1の比較回路11から供給された信号がHIGHであり、かつステップST8で第2の比較回路14から供給された信号がHIGHであることを検出して、信号を出力する(ステップST9)。
電源8は、落下判定部7から信号が供給されてオフとなる。電源8がオフとなると、ヘッド退避部15は、オートリトラクト機能により、磁気ヘッド22をハードディスク21に対向する位置から退避させる(ステップST10)。
なお、合成加速度ベクトルの大きさが0近傍の値となったときには、合成加速度ベクトルの大きさは、必ず所定の時間安定する。したがって、aを0近傍の値としたときには、ステップST2〜ステップST4の処理を行う代わりに、時刻T0の合成加速度ベクトルの大きさがa未満であることを検出して、落下判定部7に対してHIGHを供給する構成としても良い。かかる構成とすることにより、電子機器1の構成を簡略化することが可能となる。
つぎに、第1の上限値M1及び第2の上限値M2の具体的な数値について説明する。
最初に、電子機器1を持ち運んで標準偏差σ1と標準偏差σ2とを測定したところ、図7中Bに示すように、標準偏差σ1は0.005〜0.060の範囲の値であり、標準偏差σ2は0.070以上であり、特にほとんどが0.1より大きい値であった。
そして、電子機器1を落下させて標準偏差σ1と標準偏差σ2とを測定したところ、図7中Cに示すように、標準偏差σ1は0.035〜0.075の範囲の値であり、標準偏差σ2は0.020〜0.070の範囲の値であった。
測定結果より、第1の上限値M1を0.075よりやや大きい値に設定し、第2の上限値M2を0.070よりやや大きい値に設定することで、電子機器1の落下を100%検出することが可能となることがわかる。
また、第2の上限値M2を0.07よりやや小さい値に設定することで、持ち運びによる振動などを誤検出することを回避できるが、電子機器1は落下している場合にも標準偏差σ2が0.07近傍の値となる場合があるため、標準偏差σ2を0.07よりやや小さい値に設定すると、落下しているにも拘わらず検出されない場合が生じてしまうことがわかる。また、第2の上限値M2を0.1以下に設定すれば、持ち運びによる振動などを誤検出する確率を10%程度に下げることが可能となることがわかる。
したがって、本実施例では第1の上限値M1を0.1に設定し、第2の上限値M2を0.1に設定をしている。第1の上限値M1を0.1に設定し、第2の上限値M2を0.1に設定することで、電子機器1の落下を100%検出し、持ち運びによる振動を落下と検出してしまう誤検出を非常に小さく抑えることができる。
なお、落下時の標準偏差σ1や標準偏差σ2、並びに、持ち運び時の標準偏差σ1や標準偏差σ2は、電子機器1の大きさや形状などによって変化する。したがって、第1の上限値M1及び第2の上限値M2は、特に限定される値ではなく、電子機器1の大きさや形状などに応じて適切に設定される値である。
以上説明したように、本発明が適用された電子機器1は、合成加速度ベクトルの大きさがa未満の所定の値で所定の時間以上安定している落下候補を検出し、かつ時刻T2から時刻T1まで電子機器1の安定性が所定の範囲内であるとことを検出することで、電子機器1自身が落下していることを検出している。
したがって、電子機器1では、持ち運びのときに生じる振動などが原因となって一時的に合成加速度ベクトルの大きさが0となるために生じる落下の誤検出を低減することが可能となり、オートリトラクト機能を利用してハードディスク21と対向した位置から磁気ヘッド22が退避されることが、多発することを防止できる。
オートリトラクト機能を利用してハードディスク21と対向した位置からの磁気ヘッド22が退避されることが少なくなるために、電子機器1は、移動しながら利用している最中に、振動などが原因となってハードディスク21に記憶されているデータの読出しが中断されることがなくなり、ハードディスク21に記憶されているデータの読出し能力が高くなる。
また、オートリトラクト機能によってハードディスク21と対向した位置から磁気ヘッド22が退避すると、電源8のオフに伴って電力が消費される。したがって、電子機器1は、オートリトラクト機能の利用が多発しなくなることにより、消費電力を削減することが可能となり、結果的に、使用されている電池の寿命を延ばすことが可能となる。
また、オートリトラクト機能の利用回数には制限があるので、電子機器1は、オートリトラクト機能の利用回数を少なくすることにより、利用回数の制限に達するまでの期間を延ばすことが可能となり、ハードディスクドライブ装置9の寿命を延ばすことが可能となる。
また、電子機器1では、落下の検出に時刻T2から時刻T1の間の安定性も利用しているために、合成加速度ベクトルの大きさが0近傍以外の値で安定しているときにも、落下を検出することができる。したがって、電子機器1によれば、自由落下以外の回転を伴った落下や斜面に沿った落下なども検出することが可能となり、自由落下以外の落下が生じたときにも、ハードディスクドライブ装置9を保護することが可能となる。
なお、本実施の形態では、本発明をハードディスクドライブ装置9に備えられた磁気ヘッド21をハードディスク22に対向する位置から待避させることによるハードディスクドライブ装置9の破壊の回避に適用しているが、本発明は他の用途に適用されても良い。例えば、ミニディスク(登録商標)などの着脱可能な記録媒体に対向する位置から、この着脱可能な記録媒体に対してデータを記録したり再生するヘッドを待避させることにより、記録媒体が破壊されることを回避する用途に適用しても良い。
つぎに、コンテンツ(映像若しくは音声、又は、映像及び音声)を再生するポータブルのコンテンツプレーヤに、上記電子機器1が適用された例について説明をする。
なお、以下、コンテンツプレーヤの説明をするにあたり、上記電子機器1に備えられている構成要素と同一の構成要素については、図面中に同一の符号を付けてその詳細な説明を省略する。
図8は、コンテンツプレーヤ30の模式的な外観図である。
コンテンツプレーヤ30は、人間が携帯して持ち運びしてできる程度の大きさである。コンテンツプレーヤ30は、例えば、表示モニタ31及びヘッドフォン32が設けられており、これらに内部の記憶媒体(ハードディスク21)に格納されているコンテンツを出力する。また、コンテンツプレーヤ30は、操作部33を備えており、この操作部33によりユーザからの操作入力を受け付ける。
このようなコンテンツプレーヤ30は、コンピュータと所定のインタフェース(例えば、USB(Universal serial bus))により接続可能とされている。コンテンツプレーヤ30は、このUSBインタフェースを介してコンテンツデータがコンピュータから転送され、内部の記憶媒体(ハードディスク21)に格納される。
また、コンテンツプレーヤ30には、内部に加速度センサ2が備えられている。この加速度センサ2の加速度の検出方向は、図8の矢印で示しているように、表示モニタ31及びヘッドフォン32が設けられている筐体主面34の面内方向であり互いに直交するX方向及びY方向と、X方向及びY方向に直交する方向(すなわち、筐体主面34に直交する方向)であるZ方向となっている。なお、この方向は一例であり、互いに直交する3軸方向の加速度が検出できれば、加速度センサ2の検出方向はどのような方向であってもよい。
図9は、コンテンツプレーヤ30の内部ブロック構成図である。
コンテンツプレーヤ30は、映像及び音楽データであるコンテンツデータが格納されるハードディスクドライブ装置9と、ハードディスクドライブ装置9から読み出されたコンテンツデータを一時的に格納する半導体メモリであるバッファメモリ41と、コンテンツデータを復号するデコーダ42と、デコーダ42により復号された音声信号を外部に出力する音声出力部43と、デコーダ42により復号された画像信号を表示する表示部44とを備えている。
また、コンテンツプレーヤ30は、加速度センサ2と、演算回路3と、合成加速度メモリ4と、制御部16とを備えている。これらの構成は、上述した電子機器1の構成要素と同一である。
また、コンテンツプレーヤ30は、外部のコンピュータと接続してデータのやり取りを行うためのUSB端子45及びそのコントローラであるUSBコントローラ46とを備えている。
以上のような構成のコンテンツプレーヤ30は、外部のコンピュータからUSBを介してコンテンツデータがハードディスク21に記録される。
具体的には、コンテンツプレーヤ30は、コンピュータとUSBケーブルを介して接続されると、当該コンピュータからリムーバブルなハードディスクドライブとして認識される。コンピュータは、USBケーブル経由でコンテンツデータを送信する。コンピュータからコンテンツデータが送信されると、USBコントローラ46がそのデータを一旦受信した後にハードディスク21に書き込む。
また、コンテンツプレーヤ30は、再生時においては、コンピュータから取り外されて、スタンドアローンで動作を行う。
つぎに、コンテンツプレーヤ30の再生時の動作及び落下検出に伴う動作について、図10のフローチャートを参照して説明をする。
コンテンツプレーヤ30の制御部16は、電源がONされると、ステップST21から処理を開始する。
制御部16は、ステップST21において、ユーザにより再生操作がされ、ハードディスク21からバッファメモリ41へのデータの読み込みの開始命令があったか否かを判断し、データの読み込み命令があるまで待機をする。制御部16は、ステップST21において、データの読み込み開始命令があった場合には、ステップST22に進む。
続いて、制御部16は、ステップST22において、当該コンテンツプレーヤ30が落下しているか否かについて判定処理を行う。具体的には、図6の落下判定処理を行う。
続いて、ステップST23において、制御部16は、判定結果を参照して、落下しているか否かを判断する。落下していると判断する場合には、ステップST22に戻り、再度落下判定を行う。落下判定の結果、落下していないと判断する場合には、ステップST24に進む。
続いて、制御部16は、落下していないと判断する場合には、ステップST24において、磁気ヘッド22をハードディスク21上の所定の位置に移動させる。
続いて、ステップST25において、制御部16は、ハードディスクドライブ装置9からバッファメモリ41へデータを転送させる。
ここで、バッファメモリ41にデータが蓄積をされると、デコーダ42は、バッファメモリ41からコンテンツデータを抜き出して復号して外部へ出力を開始する。デコーダ42は、以後、磁気ヘッド22がハードディスク21から退避されたとしても、バッファメモリ41に格納されているデータがなくなるまでデコードを続行し続ける。
続いて、制御部は、ステップST26において、当該コンテンツプレーヤ30が落下しているか否かについて判定処理を行う。具体的には、図6の落下判定処理を行う。
続いて、制御部16は、ステップST27において、判定結果を参照して、落下しているか否かを判断する。
落下していると判断する場合には、ステップST28に進む。ステップST28では、制御部16は、磁気ヘッド22を一定時間だけハードディスク21から退避させて、ステップST24に進む、再度磁気ヘッド22をハードディスク21上に移動させる。
落下していないと判断する場合には、ステップST29に進む。
続いて、制御部16は、ステップST29において、バッファメモリ41が記憶しているデータ容量が、上限容量値以上であるか否かを判断する。
図11に示すように、バッファメモリ41には、その最大容量から一定マージン分少ない容量値が「上限容量値」として定められており、一方、0から一定マージン分加えた容量値が「下限容量値」として定められている。
上記ステップST29では、バッファメモリ41に記憶している容量が既に上限容量値を超えているか否かが判断されている。
上限容量値以上でない場合には、制御部16は、ステップST25に進み、さらに、ハードディスクドライブ装置9からバッファメモリ41へデータを転送し、再度落下判定ステップST26及びST27を行う。制御部16は、上限容量値以上となった場合には、ステップS30に進む。
続いて、制御部16は、ステップS30において、磁気ヘッド22をハードディスク21から退避させる。
続いて、制御部16は、ステップS31において、バッファメモリ41が記憶しているデータ容量が、下限容量値以下であるか否かを判断する。
制御部16は、下限容量値以下でない場合には、当該ステップS31において処理を待機する。
下限容量値以下となった場合には、ステップST25に進み、さらに、ハードディスクドライブ装置9からバッファメモリ41へデータを転送し、以下、ステップST25からステップS31までの処理を繰り返す。
そして、制御部16は、読み込み停止命令が与えられるまで、以上の処理を繰り返し行う。
以上のような処理を行うコンテンツプレーヤ30では、ハードディスクドライブ装置9からバッファメモリ41へバースト的にデータの転送を行うとともに、データの転送を行っている時にのみ落下の判定を行っている。さらに、落下と判定されて磁気ヘッド22を退避させている際にも、バッファメモリ41にデータが蓄積されているので、コンテンツの出力(音声出力、映像出力)は継続して行われている。つまり、落下している最中にもコンテンツの出力の連続性が保たれている。また、落下と判定して磁気ヘッド22が退避した場合には、一定時間経過後に再度ハードディスク21に対するアクセスが開始されることとなる。
本発明は、図面を参照して説明した上述の実施例に限定されるものではなく、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な変更、置換又はその同等のものを行うことができることは当業者にとって明らかである。
Claims (9)
- 第1の方向の加速度、上記第1の方向に直交する第2の方向の加速度、上記第1の方向及び上記第2の方向に直交する第3の方向の加速度を検出する加速度検出部と、
上記加速度検出部によって検出された上記第1の方向の加速度、上記第2の方向の加速度、上記第3の方向の加速度を合成した合成加速度ベクトルの大きさを検出する合成加速度ベクトル検出部と、
上記合成加速度ベクトル検出部によって検出された上記合成加速度ベクトルの大きさを、上記加速度検出部によって上記第1の方向の加速度、上記第2の方向の加速度、上記第3の方向の加速度が検出された時刻と対応付けて記憶する記憶部と、
上記合成加速度ベクトル検出部によって検出された合成加速度ベクトルの大きさが所定の値a(但し、a≧0。)になる時刻T0付近における所定の期間の合成加速度の安定度を算出する第1の安定度算出部と、
上記記憶部に記憶されている合成加速度ベクトルの大きさを検索し、大きさが所定の値b(但し、b>a。)である合成加速度ベクトルに対応付けられているとともに、上記時刻T0に最も近く、かつ、上記時刻T0より前の時刻T1を上記記憶部から読出し、上記時刻T1付近における所定の期間の合成加速度の安定度を算出する第2の安定度算出部と、
上記第1の安定度が所定の範囲内であり、かつ、上記第2の安定度が所定の範囲内である場合に、当該電子機器が落下していると判定する落下判定部とを備えること
を特徴とする電子機器。 - 記録媒体に対してデータを記憶及び/又は再生する記録再生部と、
上記落下判定部によって当該電子機器が落下していると判定された場合に、上記記録再生部を、上記記録媒体に対向する位置から退避させる退避部とを備えること
を特徴とする請求の範囲第1項記載の電子機器。 - 上記記録媒体は、当該電子機器に備えられているハードディスクであり、
上記記録再生部は、上記ハードディスクに対してデータを記録及び/又は再生する磁気ヘッドであること
を特徴とする請求の範囲第2項記載の電子機器。 - 上記第1の安定度算出部は、上記合成加速度ベクトル検出部によって検出された合成加速度ベクトルの大きさが0になる時刻T0付近における所定の期間の合成加速度の安定度を算出すること
を特徴とする請求の範囲第1項記載の電子機器。 - 電子機器の落下検出方法であって、
第1の方向の加速度と、上記第1の方向に直交する第2の方向の加速度と、上記第1の方向及び上記第2の方向に直交する第3の方向の加速度とを検出する加速度検出ステップと、
上記加速度検出部によって検出された上記第1の方向の加速度、上記第2の方向の加速度、上記第3の方向の加速度を合成した合成加速度ベクトルの大きさを検出する合成加速度ベクトル検出ステップと、
上記合成加速度ベクトル検出部によって検出された上記合成加速度ベクトルの大きさを、上記加速度検出部によって上記第1の方向の加速度、上記第2の方向の加速度、上記第3の方向の加速度が検出された時刻と対応付けて記憶する記憶ステップと、
上記合成加速度ベクトル検出部によって検出された合成加速度ベクトルの大きさが所定の値a(但し、a≧0。)になる時刻T0付近における所定の期間の合成加速度の安定度を算出する第1の安定度算出ステップと、
上記記憶部に記憶されている合成加速度ベクトルの大きさを検索し、大きさが所定の値b(但し、b>a。)である合成加速度ベクトルに対応付けられているとともに、上記時刻T0に最も近く、かつ、上記時刻T0より前の時刻T1を上記記憶部から読出し、上記時刻T1付近における所定の期間の合成加速度の安定度を算出する第2の安定度算出ステップと、
上記第1の安定度が所定の範囲内であり、かつ、上記第2の安定度が所定の範囲内である場合に、当該電子機器が落下していると判定する落下判定ステップとを備えること
を特徴とする落下検出方法。 - 上記第1の安定度検出ステップでは、上記合成加速度ベクトル検出部によって検出された合成加速度ベクトルの大きさが0になる時刻T0付近における所定の期間の合成加速度の安定度を算出すること
を特徴とする請求の範囲第5項記載の落下検出方法。 - ディスク状記録媒体からデータを再生する再生部と、
上記再生部から再生されたデータを一時的にバッファリングするバッファメモリ部と、
上記バッファメモリ部に蓄積されているデータを復号して出力する復号部と、
第1の方向の加速度、上記第1の方向に直交する第2の方向の加速度、上記第1の方向及び上記第2の方向に直交する第3の方向の加速度を検出する加速度検出部と、
上記加速度検出部によって検出された上記第1の方向の加速度、上記第2の方向の加速度、上記第3の方向の加速度を合成した合成加速度ベクトルの大きさを検出する合成加速度ベクトル検出部と、
上記合成加速度ベクトル検出部によって検出された上記合成加速度ベクトルの大きさを、上記加速度検出部によって上記第1の方向の加速度、上記第2の方向の加速度、上記第3の方向の加速度が検出された時刻と対応付けて記憶する記憶部と、
上記合成加速度ベクトル検出部によって検出された合成加速度ベクトルの大きさが所定の値a(但し、a≧0。)になる時刻T0付近における所定の期間の合成加速度の安定度を算出する第1の安定度算出部と、
上記記憶部に記憶されている合成加速度ベクトルの大きさを検索し、大きさが所定の値b(但し、b>a。)である合成加速度ベクトルに対応付けられているとともに、上記時刻T0に最も近く、かつ、上記時刻T0より前の時刻T1を上記記憶部から読出し、上記時刻T1付近における所定の期間の合成加速度の安定度を算出する第2の安定度算出部と、
上記第1の安定度が所定の範囲内であり、かつ、上記第2の安定度が所定の範囲内である場合に、当該電子機器が落下していると判定する落下判定部と、
上記落下判定部によって落下していると判定された場合に、ディスク状記録媒体から信号を読み出しているヘッドを、上記ディスク状記録媒体から退避させる退避部と
を備えるコンテンツ再生装置。 - 上記再生部は、上記バッファメモリ部に蓄積されているデータ量が、所定量以下となったときにディスク状記録媒体からデータを読み出して上記バッファメモリ部に転送し、
上記落下判定部は、上記再生部がデータを読み出している時に落下判定を行うこと
を特徴とする請求項7記載のコンテンツ再生装置。 - 上記復号部は、上記落下判定部が落下していると判定している時にも、上記バッファメモリ部からデータを読み出してデータの復号を継続すること
を特徴とする請求項7記載のコンテンツ再生装置。
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