JPWO2005080982A1 - A型及びb型急性大動脈解離と急性心筋梗塞の鑑別方法及び鑑別用キット - Google Patents

A型及びb型急性大動脈解離と急性心筋梗塞の鑑別方法及び鑑別用キット Download PDF

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Abstract

互いに臨床症状が類似している、スタンフォードA型急性大動脈解離とスタンフォードB型急性大動脈解離と急性心筋梗塞とを鑑別する方法及び鑑別するキットを提供する。具体的には、急性大動脈解離及び急性心筋梗塞が疑われるヒトから分離された血液中のD−ダイマー及びH−FABPの両方を検出して、検出された濃度に基いて、スタンフォードA型急性大動脈解離とスタンフォードB型急性大動脈解離と急性心筋梗塞とを鑑別する方法及び鑑別するキットを提供する。

Description

本発明は、血液中のD−ダイマー(D−dimer)及びH−FABP(Heart−type Fatty Acid−Binding Protein;心臓由来脂肪酸結合蛋白)を検出することによるスタンフォードA型急性大動脈解離(以下「A型急性大動脈解離」ということもある)と、スタンフォードB型急性大動脈解離(以下「B型急性大動脈解離」ということもある)と、急性心筋梗塞の鑑別方法に関する。また本発明は、前記方法を実施するために使用される鑑別用キット及び該キットを含む商業パッケージに関する。
急性大動脈解離と急性心筋梗塞は、循環器系疾患による急死原因の大部分を占める疾患である。
両疾患はともに、激烈な胸痛を主訴とし、突然に発症して急速に死に至る転帰をとることが稀ではない疾患であり、的確な処置・治療のためには、この両疾患を鑑別することが非常に重要である。特に、スタンフォードA型の急性大動脈解離では、解離が冠動脈にまで進展し、血管が閉塞することにより急性心筋梗塞の病態を呈することがある。仮に医師が診断を誤って、急性大動脈解離患者に急性心筋梗塞に対する治療である血栓溶解療法を施すと、大動脈からの大出血により死に至らしめる可能性がある。
しかしながら、前述のとおり急性大動脈解離と急性心筋梗塞は激烈な胸痛を主訴とする点で共通しており、医療の現場において、臨床症状からは両疾患の鑑別は極めて困難である。そのため、疾患の確定診断には、心エコー図、造影CT(またはMRI)検査等の画像診断を必要とする。しかし、急性心筋梗塞やA型急性大動脈解離は急性期の死亡率が非常に高く(例えば、急性心筋梗塞では、死亡例の約80%が発作後24時間以内であり、該疾患の治療のゴールデンタイムは発作から6時間以内であると考えられている)、より迅速な診断が求められる。
疾患の迅速且つ簡便な診断手段として、生体試料中の生化学マーカーを指標とした臨床検査法が広く用いられてきている。したがって、胸痛発作を起こした患者の病名を、迅速且つ精度よく診断し得る臨床マーカー、特に急性心筋梗塞とA型急性大動脈解離とB型急性大動脈解離とを精度よく鑑別し得るマーカーの開発が切望される。
D−ダイマーは二次線溶系亢進のマーカーとして、血液凝固・線溶系亢進の病態を詳細に把握するために利用されている生体内蛋白である。具体的には、播種性血管内凝固症候群(DIC)や各種の血栓性疾患の診断、病態把握、治療効果判定のマーカーとして現在使用されている。
また、急性心筋梗塞患者の血液中D−ダイマー濃度が健常人に比べて上昇していることが知られている(例えば、“The American Journal of Medicine”、(米国)、1992年12月、第93巻、p.651−657)。“CHEST”、(米国)、2003年5月、第123巻、No.5、p.1375−1378には、スタンフォードA型又はB型の急性大動脈解離を発症している患者において、血液中のD−ダイマー濃度が上昇していることが記載されている。しかしながら、その上昇はA型急性大動脈解離とB型急性大動脈解離において同程度であり、該マーカーによる両疾患の鑑別の可能性については記載も示唆もされてはいない。
一方、H−FABPは心筋の細胞質内に豊富に存在し、脂肪酸と結合する能力を有し、脂肪酸の細胞内輸送に関係していると考えられている生体内蛋白である。
特開平4−31762号公報及び“Clinical Chemistry and Laboratory Medicine”、(独)、2000年、第38巻、No.3、p.231−238には血液中のH−FABPを検出して急性心筋梗塞を判定する方法が記載されており、また血液中のH−FABPを検出することによる急性心筋梗塞の体外診断用医薬品(「ラピチェック(登録商標)H−FABP」、「マーキット(登録商標)M H−FABP」)が大日本製薬株式会社より販売されている。
ところが、「日本臨床救急医学会雑誌」、2003年、第6巻、第2号、p.226(2−15−6)には、スタンフォードA型又はB型の急性大動脈解離を発症している患者においても、血液中のH−FABP濃度が上昇していることが記載されている。従って、該マーカーを用いてA型急性大動脈解離とB型急性大動脈解離と急性心筋梗塞とを鑑別することは困難であると考えられる。
また、血液中のD−ダイマーとH−FABPの両方を検出することによって、スタンフォードA型急性大動脈解離と、スタンフォードB型急性大動脈解離と、急性心筋梗塞とが精度良く鑑別できることは、上記各文献には記載されていない。
このような状況に鑑み、本発明は血液を採取し、その中の生化学的マーカーを検出することによってスタンフォードA型急性大動脈解離と、スタンフォードB型急性大動脈解離と、急性心筋梗塞とを鑑別する方法及び鑑別するためのキット並びに該キットを含む商業用パッケージを提供することを目的とする。
本発明者らはスタンフォードA型又はB型の急性大動脈解離を発症している患者の血液、及び急性心筋梗塞を発症している患者の血液を採取し、その中に含まれるD−ダイマー濃度及びH−FABP濃度を測定した。その結果、この両者を組み合わせて判定の指標とすれば、それぞれ単独の場合と比較して、スタンフォードA型急性大動脈解離と、スタンフォードB型急性大動脈解離と、急性心筋梗塞とを精度良く鑑別できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
[1]急性大動脈解離および急性心筋梗塞が疑われるヒトから分離された血液中のD−ダイマー及びH−FABPを検出することを特徴とするスタンフォードA型急性大動脈解離と、スタンフォードB型急性大動脈解離と、急性心筋梗塞の鑑別方法、
[2]検出された血液中のD−ダイマー濃度を予め設定されたD−ダイマーのカットオフ値と比較し、且つ、検出された血液中のH−FABP濃度を予め設定されたH−FABPのカットオフ値と比較する上記[1]に記載の鑑別方法、
[3](a)D−ダイマー濃度が予め設定されたD−ダイマーのカットオフ値以上(陽性)であり、且つ、H−FABP濃度が予め設定されたH−FABPのカットオフ値以上(陽性)の場合にはスタンフォードA型急性大動脈解離を発症していると判定し、
(b)D−ダイマー濃度が前記カットオフ値以上(陽性)であり、且つ、H−FABP濃度が前記カットオフ値未満(陰性)の場合にはスタンフォードB型急性大動脈解離を発症していると判定し、
(c)D−ダイマー濃度が前記カットオフ値未満(陰性)であり、且つ、H−FABP濃度が前記カットオフ値以上(陽性)の場合には急性心筋梗塞を発症していると判定する、上記[2]に記載の鑑別方法、
[4]D−ダイマーのカットオフ値が急性大動脈解離群と急性心筋梗塞群との間で設定されたカットオフ値であり、H−FABPのカットオフ値が急性心筋梗塞群及びスタンフォードA型急性大動脈解離群からなる群とスタンフォードB型急性大動脈解離群との間で設定されたカットオフ値である上記[2]又は[3]に記載の鑑別方法、
[5]D−ダイマーのカットオフ値がD−ダイマーの基準値であり、H−FABPのカットオフ値が急性心筋梗塞判定用のカットオフ値である上記[2]又は[3]に記載の鑑別方法、
[6]急性大動脈解離および急性心筋梗塞が疑われるヒトが胸痛発作を起したヒトである上記[1]〜[5]のいずれかに記載の鑑別方法、
[7]D−ダイマーの検出をD−ダイマーを認識する抗体を使用する免疫化学的方法により行い、H−FABPの検出をH−FABPを認識する抗体を使用する免疫化学的方法により行う上記[1]〜[6]のいずれかに記載の鑑別方法、
[8]免疫化学的方法が酵素免疫化学的方法、ラテックス凝集法または免疫クロマト法のいずれかである上記[7]に記載の鑑別方法、
[9]D−ダイマーを認識する抗体を含む、スタンフォードA型急性大動脈解離と、スタンフォードB型急性大動脈解離と、急性心筋梗塞の鑑別用試薬であって、H−FABPを認識する抗体を含む試薬と組み合わせて用いることを特徴とする試薬、
[10]H−FABPを認識する抗体を含む、スタンフォードA型急性大動脈解離と、スタンフォードB型急性大動脈解離と、急性心筋梗塞の鑑別用試薬であって、D−ダイマーを認識する抗体を含む試薬と組み合わせて用いることを特徴とする試薬、
[11]D−ダイマーを認識する抗体を含む試薬およびH−FABPを認識する抗体を含む試薬を含んでなる、スタンフォードA型急性大動脈解離と、スタンフォードB型急性大動脈解離と、急性心筋梗塞の鑑別用キット、
[12]上記[11]に記載の鑑別用キット及び該キットに関する記載物を含む商業パッケージであって、該記載物および/または該パッケージに、該キットはスタンフォードA型急性大動脈解離と、スタンフォードB型急性大動脈解離と、急性心筋梗塞の鑑別の用途に使用できる、または使用すべきであることが記載されている商業パッケージ。
上記本発明の鑑別方法によれば、これまで共通する臨床症状(胸痛発作)ゆえに鑑別が極めて困難であったスタンフォードA型急性大動脈解離とB型急性大動脈解離と急性心筋梗塞の中のどの疾患を発症しているかを鑑別することができ、医師はこの鑑別結果に基づき、各疾患に応じた適切な処置を施すことができる。
また、上記本発明の鑑別用キット又は商業パッケージを使用することにより、本発明の鑑別方法と同一の効果を達成することができる。
図1は、実施例1において測定した各患者の血液中D−ダイマー濃度及びH−FABP濃度の分布を示す。
図2は、実施例2において作成したD−ダイマーのROC曲線を示す。
図3は、実施例3において作成したH−FABPのROC曲線を示す。
本発明は、急性大動脈解離および急性心筋梗塞が疑われるヒトから分離された血液中のD−ダイマー及びH−FABPを検出することを特徴とするスタンフォードA型急性大動脈解離と、スタンフォードB型急性大動脈解離と、急性心筋梗塞の鑑別方法に関する。
本発明の鑑別の対象疾患に含まれる急性大動脈解離(Acute Aortic Dissection)は、スタンフォード(Stanford)の病型分類により、「スタンフォードA型急性大動脈解離」と「スタンフォードB型急性大動脈解離」の何れかに分類される。急性大動脈解離は、大動脈壁を構成する中膜が解離し、内膜側と外膜側に裂けている病態を特徴とする疾患である。なお、大動脈壁は組織学的に血管内腔側から順に、内膜、中膜および外膜から構成される。
急性大動脈解離は、解離の発症部位によって臨床症状や予後が異なり、治療方針決定のために発症部位による病型分類が行われる。
前記スタンフォード分類は、病型分類の代表的なものであり、急性大動脈解離症例のうち、解離が心臓から頚部に至る上行大動脈に存在する症例をスタンフォードA型、解離が上行大動脈には存在しない症例をスタンフォードB型と分類するものである。
本疾患の典型的な初発症状は突然に生じる激烈な胸痛であり、この症状は一般に胸痛発作と呼ばれている。胸痛発作における痛みは、急性大動脈解離の発症部位の大きさによっては胸部には限局せず、背部にまで拡大し胸背部痛の様相を呈することもある。なお、このような痛みは大動脈壁が裂けることに起因する、と一般には理解されている。
鑑別のもう一方の対象疾患である急性心筋梗塞は、心筋を支配する冠状動脈が閉塞し、その支配下にある心筋が壊死する疾患である。世界保健機構(WHO)は、A.胸痛、B.心電図異常、及びC.クレアチンキナーゼ−MBやアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼなどの血液中の心筋逸脱酵素の上昇、の中の2つ以上の要件を満たす者を本疾患を発症しているとする診断基準を示している。
急性心筋梗塞は近年の食生活の欧米化により、日本において急激に増加している。本疾患は、主な症状である激しい胸痛及び呼吸困難を伴い突然に発症し、心筋の梗塞巣の大きさによっては、発症と同時に心停止に至ることもある極めて経過の早い疾患である。このため発症後1〜2時間で患者が死亡することも多く、迅速かつ的確な本疾患の診断とそれに対応した適切な処置を施すことが救命のためには重要である。急性心筋梗塞の症状である激しい胸痛も、急性大動脈解離の場合と同様に胸痛発作と呼ばれ、痛みが背部にまで拡大し胸背部痛の様相を呈することがある。
急性大動脈解離と急性心筋梗塞は前記のような共通する特徴的な臨床症状である胸痛発作に因んで、「二大胸痛疾患」といわれており、この両疾患を臨床症状から鑑別することは困難である。しかしながら、医療の現場において、胸痛発作によって急性大動脈解離および急性心筋梗塞が疑われた場合にはそのどちらを発症しているのか、さらには、急性大動脈解離がスタンフォードA型であるのかB型であるのかを鑑別することは適切な治療を施すためには極めて重要である。
従って、本発明の別の実施形態においては、「胸痛発作を起したヒト」を「急性大動脈解離および急性心筋梗塞が疑われるヒト」とみなし、血液中のD−ダイマー及びH−FABPの検出の対象とするものである。
本明細書において「胸痛発作を起したヒト」は、血液を分離される以前に胸痛発作を起したヒトのみならず、血液を分離されている時点において現に胸痛発作を起しているヒトをも意味する。
本明細書において「鑑別」とは、スタンフォードA型急性大動脈解離、B型急性大動脈解離、急性心筋梗塞のいずれの疾患を発症しているのかを判定することのみならず、判定がなされた場合には、判定がなされた疾患の病態の進行程度(病巣の大きさ)を検出されたD−ダイマー濃度及びH−FABP濃度に基づいて推定することも意味する。
本発明において、ヒトから分離された血液中のD−ダイマーの検出は、特に制限されず、たとえば、免疫化学的方法、HPLC法に代表される各種クロマトグラフィー法、などのいずれの方法によっても行うことができる。その中でも特に、D−ダイマーを認識する抗体(以下「抗D−ダイマー抗体」ということもある)を使用する免疫化学的方法により検出を行なうのが好ましい。また、各疾患の進行度やその経過を判定したい場合には、定量的にD−ダイマーのレベルを検出することができる方法が好ましい。
血液中のD−ダイマーの検出に使用される免疫化学的方法としては、特に制限はなく、従来公知の例えば、酵素免疫測定法(EIA法)、ラテックス凝集法、免疫クロマト法、放射免疫測定法(RIA法)、蛍光免疫測定法(FIA法)、ルミネッセンス免疫測定法、スピン免疫測定法、抗原抗体複合体形成に伴う濁度を測定する比濁法、抗体固相膜電極を利用し抗原との結合による電位変化を検出する酵素センサー電極法、免疫電気泳動法、ウエスタンブロット法などが挙げられる。これらの中でも、EIA法、ラテックス凝集法または免疫クロマト法によってD−ダイマーを検出するのが好ましい。
EIA法には、酵素標識抗原と検体中の抗原とを競合させる競合法と、競合させることのない非競合法があるが、これらの方法の中でも、2種類の抗体、特にモノクローナル抗体を用いた、非競合法の一種であるサンドイッチ酵素結合免疫固相測定法(サンドイッチELISA法)が抗原(D−ダイマー)に対する特異性および検出操作の容易性において特に好ましい。
サンドイッチELISA法によれば、D−ダイマーに存在する異なったエピトープを認識する2種類の抗体、すなわち固相化抗D−ダイマー抗体と酵素標識抗D−ダイマー抗体との間に、D−ダイマーを挟み込む(サンドイッチ)ことによってD−ダイマーを検出することができる。すなわち、固相化抗体によって捕捉されたD−ダイマーと結合した標識抗体の酵素量を測ることにより、D−ダイマーを検出することができる。
また、サンドイッチELISA法の一種としてアビジン−ビオチン反応を利用した方法もある。本法によれば、血液中のD−ダイマーを固相化抗D−ダイマー抗体でもって捕捉し、捕捉されたD−ダイマーとビオチンで標識した抗D−ダイマー抗体との間で抗原抗体反応を行わせ、次に、酵素標識ストレプトアビジンを加えることによって、前記と同様にしてD−ダイマーを検出することができる。
ラテックス凝集法は、抗体感作ラテックス粒子と抗原との凝集反応を利用した免疫化学的方法である。この方法によるD−ダイマーの検出は、抗D−ダイマー抗体感作ラテックス粒子と検体血液中のD−ダイマーとを免疫反応せしめ、その結果生じたラテックス粒子の凝集の程度を測定することにより実施できる。
また、免疫クロマト法は全ての免疫化学反応系がシート状のキャリア上に保持されており、血液の添加のみで操作が完了する方法である。本法によるD−ダイマーの検出の要領は、次のとおりである。まず、検体たる血液がキャリアに滴下されると、血液中のD−ダイマーとキャリア上に配置された標識物(金コロイド等)で標識された抗D−ダイマー抗体とが免疫反応し、その結果、免疫複合体が生成される。この複合体がキャリア上を展開してゆき、その特定箇所に固相化された別のエピトープを認識する抗D−ダイマー抗体に捕捉されると標識物が集積し、その集積度合いを肉眼で観察することによって、D−ダイマーを検出することができる。
免疫クロマト法の実施には特別な測定機器は不要であり、病院外での判定や、救急などの迅速な判定が求められる場合には有利な方法である。本方法は一定のレベル以上のD−ダイマーの存在を定性的に検出するのに適しており、後述するカットオフ値をあらかじめ定めた場合には、カットオフ値以上のD−ダイマーを検出すれば陽性の結果が、また、カットオフ値未満であれば陰性の結果が出るように容易に設定することができる。
なお、血液中のD−ダイマーの検出を目的とする上記サンドイッチELISA法やラテックス凝集法などの免疫化学的方法は既に公知であり、これらの方法を利用したD−ダイマーの検出試薬は後述のとおり市販されている。これらの試薬を使用すれば、ヒトから分離された血液中のD−ダイマーの検出は容易に実施することができる。
一方、血液中のH−FABPの検出も、これまでに述べたD−ダイマーを検出する方法と同様にして実施することができる。
これらの検出方法の中でも、D−ダイマーの検出の場合と同様に、H−FABPを認識する抗体(以下「抗H−FABP抗体」ということもある)を使用する免疫化学的方法によってH−FABPを検出するのが好ましく、特に、EIA法、ラテックス凝集法、免疫クロマト法によって検出するのが好ましい。
なお、血液中のH−FABPの検出を目的とするサンドイッチELISA法やイムノクロマト法などの免疫化学的方法は、後述するように既に公知であり、これらの方法を利用したH−FABPの検出試薬が市販されている。これらの試薬を使用すれば、ヒトから分離された血液中のH−FABPの検出は容易に実施することができる。
本発明において、検体として使用される血液としては、全血、血清、血漿のいずれであってもよく、これらは、ヒトから採取した血液を常法に従って処理することで、適宜、得ることができる。
各疾患の鑑別は、このようにして検出された血液中のD−ダイマー及びH−FABPの各濃度を、例えば、あらかじめ求めておいた各疾患を発症している多数患者の平均値や、患者個々の値の分布図などと比較することにより行うことができる。
例えば、後記実施例に記載されているA型急性大動脈解離の患者21名の血液中D−ダイマー濃度の平均値±SD(標準偏差)及びH−FABP濃度の平均値±SDはそれぞれ62.3±78.7μg/mL及び21.0±24.0ng/mLであり、B型急性大動脈解離の患者22名においては同様に22.0±45.6μg/mL及び6.54±4.12ng/mLである。また、心筋梗塞患者34名の血液中D−ダイマー濃度の平均値±SDは0.51±0.56μg/mLであり、H−FABP濃度のそれは51.8±77.8ng/mLである。このように、D−ダイマー濃度及びH−FABP濃度ともに各疾患の間で大きく相違している。
また、本発明の別の形態においては、D−ダイマーのカットオフ値及びH−FABPのカットオフ値をあらかじめ設定しておき、検出された血液中のD−ダイマー濃度及びH−FABP濃度とこれらのカットオフ値とを比較することにより、各疾患を鑑別することができる。例えば、(a)検出された血液中のD−ダイマー濃度が前記カットオフ値以上(陽性)であり、且つ、H−FABP濃度が前記カットオフ値以上(陽性)の場合にはスタンフォードA型急性大動脈解離を発症している可能性が高く、(b)D−ダイマー濃度が前記カットオフ値以上(陽性)であり、且つ、H−FABP濃度が前記カットオフ値未満(陰性)の場合にはスタンフォードB型急性大動脈解離を発症している可能性が高く、(c)D−ダイマー濃度が前記カットオフ値未満(陰性)であり、且つ、H−FABP濃度が前記カットオフ値以上(陽性)の場合には急性心筋梗塞を発症している可能性が高いとの判定をすることができる。
上記(a)〜(c)の判定基準を採用することにより、急性大動脈解離および急性心筋梗塞が疑われるヒトを対象として、スタンフォードA型急性大動脈解離、同B型急性大動脈解離、急性心筋梗塞のいずれを発症しているのかの鑑別を精度良く実施できることは、後記実施例に示すとおりである。
なお、「カットオフ値」は、その値を基準として疾患の判定をした場合に、高い診断感度(有病正診率)及び高い診断特異度(無病正診率)の両方を満足できる値である。D−ダイマーについては、例えば、急性大動脈解離を発症している患者で高い陽性(カットオフ値以上)率を示し、かつ、急性心筋梗塞を発症している患者で高い陰性(カットオフ値未満)率を示す血液中のD−ダイマー濃度をカットオフ値として設定することができる。また、H−FABPについては、例えば、急性心筋梗塞を発症している患者及びスタンフォードA型急性大動脈解離を発症している患者で高い陽性率を示し、かつ、スタンフォードB型急性大動脈解離を発症している患者で高い陰性率を示す血液中のH−FABP濃度をカットオフ値として設定することができる。
カットオフ値の算出方法は、この分野において周知である。D−ダイマーの場合、例えば、多数の急性大動脈解離患者及び急性心筋梗塞患者において血液中のD−ダイマーを検出し、検出された各濃度における、診断感度および診断特異度を求め、これらの値に基づき、市販の解析ソフトを使用してROC(Receiver Operating Characteristic)曲線を作成する(図2参照)。そして、診断感度と診断特異度が可能な限り100%に近いときのD−ダイマー濃度を求めて、その値をカットオフ値とすることができる。また、例えば、検出された各濃度における診断効率(全症例数に対する、有病正診症例と無病正診症例の合計数の割合)を求め、最も高い診断効率が算出される濃度をカットオフ値とすることができる。後記実施例において、急性大動脈解離群と急性心筋梗塞群との間で設定されたD−ダイマーのカットオフ値は、2.4μg/mLであった。
H−FABPのカットオフ値は、多数の急性心筋梗塞患者及び急性大動脈解離患者において血液中のH−FABPを検出し、以下D−ダイマーの場合と同様にして求めることができる。後記実施例において、急性心筋梗塞群及びスタンフォードA型急性大動脈解離群からなる群とスタンフォードB型急性大動脈解離群との間で設定されたH−FABPのカットオフ値は、6.7ng/mLであった。
また、D−ダイマーのカットオフ値として、一般的な血液凝固・線溶系異常の検査において採用されている公知の基準値を使用することもできる。基準値は大多数の健常人の血液中D−ダイマー濃度がその範囲に収まる上限(例えば、95%区間の上限)を表すものであり、血液中のD−ダイマー濃度がこの値を超えている場合には、血液凝固・線溶系に何らかの異常の可能性があると判断される。このような基準値は、使用する試薬に応じて特定の値が定められており、後記実施例において使用した試薬の血液中D−ダイマーの基準値は400ng/mLである。
H−FABPのカットオフ値として、急性心筋梗塞を判定するために求められた公知のカットオフ値を使用することもできる。例えば、“Clinical Chemistry and Laboratory Medicine”,(2000),38(3),p.231−238においては、後記実施例に記載のH−FABP測定試薬が使用されており、そこで求められた急性心筋梗塞判定用のカットオフ値は6.2ng/mLである。
なお、同一の検体を対象とした場合でも、D−ダイマーやH−FABPの測定値は使用する測定方法や試薬によって異なることもあるので、カットオフ値は使用する測定方法や試薬ごとに設定する必要がある。
本発明の鑑別方法を実施する場合には、公知の一般的な心臓血管系疾患の検査法である他の方法、例えば、胸部単純X線撮影、超音波断層撮影、CTスキャンなどと組み合わせることによって各疾患の鑑別をより確実にすることができる。
また、本発明に係わるD−ダイマーを認識する抗体を含むD−ダイマーの検出試薬は、本発明の鑑別方法の実施において、免疫化学的方法によりD−ダイマーを検出する場合に好適に使用することができる。したがって、本発明はまた、D−ダイマーを認識する抗体を含む、スタンフォードA型急性大動脈解離と、スタンフォードB型急性大動脈解離と、急性心筋梗塞の鑑別用試薬を提供する。当該試薬は、H−FABPの検出試薬(具体的には、例えばH−FABPを認識する抗体等)と組み合わせて用いることを特徴とする。
前記鑑別用試薬中に含まれる抗D−ダイマー抗体は、ヒトから分離された血液中に存在するD−ダイマーを認識し、D−ダイマーとの特異的な免疫反応性を有するものであれば、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体の何れでも良い。両者のうち、抗体の安定供給の点において、また、D−ダイマーに対する高い特異性及び均一性の点においてモノクローナル抗体が好ましい。
このような抗D−ダイマー抗体は公知の手段により製造することができ、遊離の状態、標識された状態または固相化された状態で前記鑑別用試薬に含まれる。
ポリクローナル抗体は、常法によりヒトの血液から分離・精製されたD−ダイマーを適当なアジュバントとともにマウス、ラット、ウサギなどの動物に免疫し、血液を採取して公知の処理をなすことにより製造することができる。
またモノクローナル抗体は、このように免疫された動物の脾臓細胞を採取し、ミルシュタインらの方法によりミエローマ細胞との細胞融合、抗体産生細胞スクリーニング及びクローニング等を行い、抗D−ダイマー抗体を産生する細胞株を樹立し、これを培養することにより製造することができる。ここで、免疫抗原として使用されるD−ダイマーは、必ずしもヒトの血液中に存在する天然のD−ダイマーである必要はなく、遺伝子工学的手法により得られる組換え型D−ダイマーやそれらの同効物(断片)であってもよい。
D−ダイマーの検出試薬に、サンドイッチELISA法を採用する場合、かくして得られた抗D−ダイマー抗体は、固相化抗D−ダイマー抗体及び酵素標識抗D−ダイマー抗体の形態で該試薬に含まれる。
固相化抗D−ダイマー抗体は、前述のようにして得られた抗D−ダイマー抗体を固相(例えば、マイクロプレートウェルやプラスチックビーズ)に結合させることにより製造することができる。固相への結合は、通常、抗体をクエン酸緩衝液等の適当な緩衝液に溶解し、固相表面と抗体溶液を適当な時間(1〜2日)接触させることにより行うことができる。
さらに、非特異的吸着や非特異的反応を抑制するために、牛血清アルブミン(BSA)や牛ミルク蛋白等のリン酸緩衝溶液を固相と接触させ、抗体によってコートされなかった固相表面部分を前記BSAや牛ミルク蛋白等でブロッキングすることが一般的に行われる。
酵素標識抗D−ダイマー抗体は、上記固相化された抗体とは異なるエピトープを認識する抗D−ダイマー抗体と酵素とを結合(標識)させることにより製造できる。該抗体を標識する酵素としては、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、パーオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ等が挙げられる。これらの酵素と抗D−ダイマー抗体との結合はそれ自体公知の方法、例えば、グルタルアルデヒド法、マレイミド法などにより行うことができる。
また、ELISA法においてアビジン−ビオチン反応を利用した場合、D−ダイマーの検出試薬に含まれるビオチン標識抗D−ダイマー抗体は、例えば、市販のビオチン標識化キットを使用することにより製造できる。
サンドイッチELISA法を実施する場合、前記抗D−ダイマー抗体以外に必要に応じて、標準物質、洗浄液、酵素活性測定用試薬(基質剤、基質溶解液、反応停止液等)、酵素標識ストレプトアビジン(アビジン−ビオチン反応を利用した場合)などが使用される。従って、D−ダイマーの検出試薬は、抗D−ダイマー抗体以外にこれらを構成試薬として有するキットの形態であってもよい。
前記基質剤としては、選択した標識酵素に応じて適当なものが選ばれる。例えば、酵素としてパーオキシダーゼを選択した場合においては、o−フェニレンジアミン(OPD)、テトラメチルベンチジン(TMB)などが使用され、アルカリフォスファターゼを選択した場合においては、p−ニトロフェニルホスフェート(PNPP)などが使用される。また、反応停止液、基質溶解液についても、選択した酵素に応じて、従来公知のものを特に制限なく適宜使用することができる。
なお、サンドイッチELISA法によるD−ダイマーの検出試薬が多数販売されており(例えば、ベーリンガーマンハイム社「アセラクロムDダイマー」(商品名)、富士レビオ社「ダイマーテストEIA」(商品名)など)、これらの試薬を本発明の前記検出試薬として使用することもできる。
D−ダイマーの検出試薬にラテックス凝集法を採用する場合、抗D−ダイマー抗体は、ラテックス感作抗D−ダイマー抗体の形態で該試薬に含まれる。ラテックス粒子と抗D−ダイマー抗体との感作(結合)は、この分野で公知の方法、例えば、化学結合法(架橋剤としてカルボジイミドやグルタルアルデヒド等を用いる方法)や物理吸着法により成すことができる。
ラテックス凝集法を実施する場合、上記ラテックス感作抗体以外に必要に応じて、希釈安定化緩衝液、標準抗原などが使用される。従って、D−ダイマーの検出試薬は、抗D−ダイマー抗体以外にこれらを構成試薬として有するキットの形態であってもよい。
なお、ラテックス凝集法によるD−ダイマーの検出試薬が多数販売されており(例えば、ダイアヤトロン社「エルピアエースD−Dダイマー」(商品名)、日本ロッシュ社「コアグソルD−ダイマー」(商品名)など)、これらの試薬を本発明の前記検出試薬として使用することもできる。
D−ダイマーの検出試薬に免疫クロマト法を採用する場合、抗D−ダイマー抗体は、固相化抗D−ダイマー抗体及び標識抗D−ダイマー抗体の形態で該試薬に含まれる。標識抗D−ダイマー抗体における標識物として、この分野において公知のものを適宜使用することができるが、その中でも金コロイドを使用するのが好ましい。
このような免疫クロマト法による本発明のD−ダイマーの検出試薬は公知の方法、例えば、後述する免疫クロマト法によるH−FABP検出試薬の製造方法が記載されている“Clinical Biochemistry”,(2001),34,p.257−263を参考にして製造することができる。
また、本発明に係わるH−FABPを認識する抗体を含むH−FABPの検出試薬は、本発明の鑑別方法の実施において、免疫化学的方法によりH−FABPを検出する場合に好適に使用することができる。したがって、本発明はまた、H−FABPを認識する抗体を含む、スタンフォードA型急性大動脈解離と、スタンフォードB型急性大動脈解離と、急性心筋梗塞の鑑別用試薬を提供する。当該試薬は、D−ダイマーの検出試薬(具体的には、例えばD−ダイマーを認識する抗体等)と組み合わせて用いることを特徴とする。
前記鑑別用試薬中に含まれる抗H−FABP抗体は、ヒトから分離された血液中に存在するH−FABPを認識し、H−FABPとの特異的な免疫反応性を有するものであれば、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体の何れでも良いが、抗D−ダイマー抗体の場合と同様の理由でモノクローナル抗体が好ましい。このような抗H−FABP抗体は公知の手段により製造することができる。また、本発明に係わるH−FABPを認識する抗体を含む前記鑑別用試薬も、これまでに記載した抗D−ダイマー抗体を含む鑑別用試薬の場合と同様にして製造することができ、また、これらの製造方法も既に公知である。
例えば、サンドイッチELISA法によるH−FABPの検出試薬の具体的な製造方法は“Journal of Immunological Methods”,(1995),178,p.99−111に、ラテックス凝集法による検出試薬については“Clinical Chemistry”,(1998),44,No.7,p.1564−1567や特開平4−31762号公報に、また、免疫クロマト法による検出試薬については前記“Clinical Biochemistry”,(2001),34,p.257−263に記載されている。
また大日本製薬株式会社から、血液中のH−FABPの検出試薬が販売されており(免疫クロマト試薬「ラピチェック(登録商標)H−FABP」、サンドイッチELISA試薬「マーキット(登録商標)M H−FABP」)、これらの試薬を本発明の前記検出試薬として使用することもできる。
本発明は、前記D−ダイマーの検出試薬及び前記H−FABPの検出試薬からなるスタンフォードA型急性大動脈解離と、スタンフォードB型急性大動脈解離と、急性心筋梗塞の鑑別用キットに関する。
本発明の鑑別用キットは、免疫化学的方法により血液中のD−ダイマー及びH−FABPを検出して上記各疾患を鑑別する場合に好適に使用することができ、本発明の鑑別方法と同一の目的を達成するものである。
かかる本発明の鑑別用キットは、D−ダイマー検出試薬及びH−FABP検出試薬から構成される。これらの検出試薬は、各々別個独立した形態で該キットに含まれるのが一般的であるが、例えば特開平8−5635号公報や特開2000−292427号公報に記載されている試薬のような、複数の抗原を同時に検出できる試薬として製造した場合には、該キットは抗D−ダイマー抗体及び抗H−FABP抗体を同時に含む単一の検出試薬の形態であっても良い。
例えば、サンドイッチELISA法を採用した前記単一の検出試薬には、マイクロプレート上の同一のウェルに固相化された抗D−ダイマー抗体及び抗H−FABP抗体、並びに、互いに区別して検出可能な酵素で標識された抗D−ダイマー抗体及び抗H−FABP抗体が含まれる。
本発明の鑑別用キットは、実際の医療現場において、商業パッケージの形態で提供される。かかる商業パッケージは本発明の鑑別用キット及び該キットに関する記載物(いわゆる「添付文書」)を含むものであり、前記記載物および/または前記商業パッケージには、本発明の鑑別用キットはスタンフォードA型急性大動脈解離と、スタンフォードB型急性大動脈解離と、急性心筋梗塞の鑑別の用途に使用できる、または使用すべきであることが記載されている。
以下、実施例に基いて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1;スタンフォードA型急性大動脈解離、スタンフォードB型急性大動脈解離、及び急性心筋梗塞患者における血液中D−ダイマー及びH−FABPの測定
胸痛(胸背部痛含む)を訴えて来院した患者のうち、急性大動脈解離と確定診断された症例(スタンフォードA型21例、スタンフォードB型22例の計43例)及び、急性心筋梗塞と確定診断された症例(34例)の来院時に採血された血液中のD−ダイマー濃度及びH−FABP濃度を以下のようにして測定して、その結果を得た。
なお、これらの患者からはインフォームドコンセントを取得した。
(1)D−ダイマーの測定
ラテックス凝集法を測定原理とするD−ダイマー測定試薬「STAライアテストD−ダイマー」(商品名、ロッシュダイアグノステイックス社製)を使用して以下のとおり測定した。なおこの試薬の基準値は400ng/mLに定められている。
患者の静脈から市販のクエン酸ナトリウム採血管(インセパック−C凝固検査用(積水化学工業)、3.13%クエン酸ナトリウム0.2mL含有)に1.8mLの全血を採取した。その後、採血管を緩やかに転倒混和し、3000rpmで5分間、室温で遠心分離した。遠心分離後の採血管をそのままD−ダイマー測定自動装置であるSTA(ロシュダイアグノステイックス社製)にセットし、分析した。D−ダイマーの測定には上記測定試薬を用いた。分析条件は、検体血液量50μL、緩衝液(上記D−ダイマー検出試薬に添付の試薬1;トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン 11.5mg/mL,アジ化ナトリウム 1mg/mL,NaCl 23.5mg/mL,メチルパラオキシ安息香酸[防腐剤]0.95mg/mL)100μL、上記D−ダイマー測定試薬用のSTA機器用希釈液50μL、ラテックス感作抗D−ダイマー抗体液(上記D−ダイマー検出試薬に添付の試薬2;抗ヒトD−ダイマーマウスモノクローナル抗体55μg/mL,ラテックス0.65mg/mL,ウシ血清アルブミン 3mg/mL,メチルパラオキシ安息香酸[防腐剤]0.95mg/mL,アジ化ナトリウム 1mg/mL)150μLを自動的に添加し、分析時間240秒、反応温度37℃で測定した。この測定試薬の検量線範囲はD−ダイマー濃度0.2〜4.0μg/mLであり、この濃度範囲を超える高値検体は再検査の対象とした。高値検体は前記STA機器用希釈液で予め所定の希釈倍数で希釈し、再度STA装置に掛けて検体中のD−ダイマー濃度を測定した。D−ダイマーの測定値はオンラインでコンピューター処理及び管理された。
(2)H−FABPの測定
前記(1)と同様にして採取した血液を3000rpmで遠心分離し、血漿分画を得た。この血漿分画をH−FABP測定用ELISAの検体とした。H−FABP測定用ELISAは市販の「マーキットM H−FABP」(大日本製薬株式会社)を用いた。予め本ELISAキットに添付されている検体分注プレートにキット緩衝液70μLを分注し、そこに先に得た血清あるいは血漿を70μL分注し、撹拌後その100μLを、抗ヒトH−FABPモノクローナル抗体を固相化した抗体結合プレートに添加し、25℃で30分間静置することにより検体中のH−FABPを抗体と反応させた。上記キットに添付の洗浄液300μLで各ウェルを3回洗浄した後、西洋ワサビパーオキシダーゼ標識抗ヒトH−FABPモノクローナル抗体を添加し、25℃で30分間静置することにより固相化抗体に捕捉されたH−FABPに標識抗体を反応させた。先と同様に洗浄し過剰の酵素標識抗体を除いた後、基質液(o−フェニレンジアミン/過酸化水素)を各ウェルに100μL添加し、25℃で15分間酵素反応した。その後、反応停止液を100μL添加した。撹拌後、各ウェルの吸光度を主波長492nm(副波長620nm)で測定した。同様に操作したH−FABP標準溶液で得られた吸光度を基に標準曲線を作成し、検体のH−FABP濃度を求めた。
(3)測定結果
測定結果は下記[表1]に示すとおりであり、D−ダイマーの測定値及びH−FABPの測定値は各疾患の間で大きく相違していた。
マン・ホイットニーU検定で各群の比較を行った。その結果、D−ダイマーにおいては、急性心筋梗塞群(AMI)とA型急性大動脈解離群(A−AAD)、およびB型急性大動脈解離群(B−AAD)との間に1%水準で有意な差が認められ、A型急性大動脈解離群とB型急性大動脈解離群との間に5%水準で有意な差が認められた。
また、H−FABPにおいては、急性心筋梗塞群とB型急性大動脈解離群との間、及び、A型急性大動脈解離群とB型急性大動脈解離群との間に1%水準で有意な差が認められた。
Figure 2005080982
実施例2;各疾患の鑑別その一
(1)D−ダイマーのカットオフ値の設定
実施例1において得られた測定値について、ROC解析ソフト「MedCalc」(商品名、Med Calc Software社[ベルギー])を使用してROC曲線分析を行い、急性大動脈解離群と急性心筋梗塞群との間でD−ダイマーのカットオフ値を設定した。ROC曲線(図2)から算出された値は2.4μg/mLであった。
(2)H−FABPのカットオフ値の設定
実施例1において得られた測定値について、上記(1)と同様にして、急性心筋梗塞群及びスタンフォードA型急性大動脈解離群からなる群とスタンフォードB急性大動脈解離群との間でH−FABPのカットオフ値を設定した。ROC曲線(図3)から算出された値は6.7ng/mLであった。
(3)診断効率の算出
実施例1の測定結果を上記(1)及び(2)で求めたカットオフ値を基準として、診断効率を算出し、単独マーカーの場合と比較した。
「診断効率」は全症例数に対する、有病正診症例と無病正診症例の合計数の割合である。診断効率の値が高いほど、疾患を診断するために定められた診断基準が、その疾患をより正確に診断できることを意味する。なお、診断効率は診断感度(有病正診率)と診断特異度(無病正診率)に基いて算出される。
Figure 2005080982
上記[表2]に示すように、D−ダイマー単独の場合の診断効率はA型大動脈解離では、72.7%であり、B型大動脈解離では68.8%であった。また、H−FABP単独の場合の急性心筋梗塞の診断効率は57.1%であった。
これに対し、2つのマーカーを同時に診断基準とした場合の診断効率は、それぞれ順に、84.4%81.8%87.0%という極めて高い値であり、すべての対象疾患において、単独の場合と比較して、顕著に向上していた。
実施例3;各疾患の鑑別その2
D−ダイマーのカットオフ値として実施例1で使用された試薬の基準値(400ng/mL)を、また、H−FABPのカットオフ値として実施例1で使用された試薬に設定されている急性心筋梗塞判定用のカットオフ値(6.2ng/mL)を使用して、以下実施例2と同様に各疾患の診断効率を算出し、単独マーカーの場合と比較した。
Figure 2005080982
上記[表3]に示すように、D−ダイマー単独の場合の診断効率はA型大動脈解離では、58.4%であり、B型大動脈解離では54.5%であった。また、H−FABP単独の場合の急性心筋梗塞の診断効率は55.8%であった。
これに対し、2つのマーカーを同時に診断基準とした場合の診断効率は、それぞれ順に、68.8%81.8%72.7%という非常に高い値であり、すべての対象疾患において、単独の場合と比較して、顕著に向上していた。
本発明の鑑別方法及び鑑別用キットを使用することにより、これまでその臨床症状からは鑑別が困難であった、スタンフォードA型急性大動脈解離とスタンフォードB型急性大動脈解離と急性心筋梗塞とを精度良く鑑別することができる。医師は、この鑑別結果に基づき、ぞれぞれの疾患に対する適切な処置を施すことができる。
本出願は、日本で出願された特願2004−046877(出願日:2004年2月23日)を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。

Claims (12)

  1. 急性大動脈解離および急性心筋梗塞が疑われるヒトから分離された血液中のD−ダイマー及びH−FABPを検出することを特徴とするスタンフォードA型急性大動脈解離と、スタンフォードB型急性大動脈解離と、急性心筋梗塞の鑑別方法。
  2. 検出された血液中のD−ダイマー濃度を予め設定されたD−ダイマーのカットオフ値と比較し、且つ、検出された血液中のH−FABP濃度を予め設定されたH−FABPのカットオフ値と比較する請求の範囲1に記載の鑑別方法。
  3. (a)D−ダイマー濃度が予め設定されたD−ダイマーのカットオフ値以上であり、且つ、H−FABP濃度が予め設定されたH−FABPのカットオフ値以上の場合にはスタンフォードA型急性大動脈解離を発症していると判定し、
    (b)D−ダイマー濃度が前記カットオフ値以上であり、且つ、H−FABP濃度が前記カットオフ値未満の場合にはスタンフォードB型急性大動脈解離を発症していると判定し、
    (c)D−ダイマー濃度が前記カットオフ値末満であり、且つ、H−FABP濃度が前記カットオフ値以上の場合には急性心筋梗塞を発症していると判定する、請求の範囲2に記載の鑑別方法。
  4. D−ダイマーのカットオフ値が急性大動脈解離群と急性心筋梗塞群との間で設定されたカットオフ値であり、H−FABPのカットオフ値が急性心筋梗塞群及びスタンフォードA型急性大動脈解離群からなる群とスタンフォードB型急性大動脈解離群との間で設定されたカットオフ値である請求の範囲2又は3に記載の鑑別方法。
  5. D−ダイマーのカットオフ値がD−ダイマーの基準値であり、H−FABPのカットオフ値が急性心筋梗塞判定用のカットオフ値である請求の範囲2又は3に記載の鑑別方法。
  6. 急性大動脈解離および急性心筋梗塞が疑われるヒトが胸痛発作を起したヒトである請求の範囲1〜5のいずれかに記載の鑑別方法。
  7. D−ダイマーの検出をD−ダイマーを認識する抗体を使用する免疫化学的方法により行い、H−FABPの検出をH−FABPを認識する抗体を使用する免疫化学的方法により行う請求の範囲1〜6のいずれかに記載の鑑別方法。
  8. 免疫化学的方法が酵素免疫化学的方法、ラテックス凝集法または免疫クロマト法のいずれかである請求の範囲7に記載の鑑別方法。
  9. D−ダイマーを認識する抗体を含む、スタンフォードA型急性大動脈解離と、スタンフォードB型急性大動脈解離と、急性心筋梗塞の鑑別用試薬であって、H−FABPを認識する抗体を含む試薬と組み合わせて用いることを特徴とする試薬。
  10. H−FABPを認識する抗体を含む、スタンフォードA型急性大動脈解離と、スタンフォードB型急性大動脈解離と、急性心筋梗塞の鑑別用試薬であって、D−ダイマーを認識する抗体を含む試薬と組み合わせて用いることを特徴とする試薬。
  11. D−ダイマーを認識する抗体を含む試薬およびH−FABPを認識する抗体を含む試薬を含んでなる、スタンフォードA型急性大動脈解離と、スタンフォードB型急性大動脈解離と、急性心筋梗塞の鑑別用キット。
  12. 請求の範囲11に記載の鑑別用キット及び該キットに関する記載物を含む商業パッケージであって、該記載物および/または該パッケージに、該キットはスタンフォードA型急性大動脈解離と、スタンフォードB型急性大動脈解離と、急性心筋梗塞の鑑別の用途に使用できる、または使用すべきであることが記載されている商業パッケージ。
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JPN6010011766, Medical Technology, 2003, Vol.31, No.2, Page.196−203 *
JPN6010011769, CHEST, 2003, Vol.123, No.5, Page.1375−1378 *
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