JPWO2005079835A1 - Blアンジオスタチンを含む制がん剤 - Google Patents
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Abstract
本発明は、BLアンジオスタチンを有効成分として含む制がん剤及びその製造方法を提供する。
Description
本発明はBLアンジオスタチンを含む制がん剤及びその製造方法に関する。
血管の新生を阻害する物質は、癌の増殖、浸潤、転移を抑制することから、抗腫瘍剤としての用途が期待されており、このような物質の一つとしてアンジオスタチンが知られている。アンジオスタチンは、血液中に存在する、線溶因子であるプラスミノーゲンを分解することにより得られる分子量約40,000のタンパク質であり、動物実験では、癌に対して劇的な効果を示すことが報告されている(M.S.O’Reilly et al.,Cell,79,315−328(1994))。
アンジオスタチンには、(1)プラスミノーゲンをエラスターゼで加水分解したもの(M.S.O’Reilly et al.,Nature Medicine,2,689−692(1996))及び(2)遺伝子組換え技術を用いて酵母に直接生産させたもの(B.K.Sim et al.,Cancer Research 57,1329−1334(1997))の2種類が知られていた。
しかし、(1)では、エラスターゼの基質特異性の低さのため、副生成物が多く生じ、プラスミノーゲンからアンジオスタチンを選択的に生成させることが困難であることから、アンジオスタチンの活性が低いという欠点があった。また、(2)では、アンジオスタチンの精製が困難であり、高コストであり、また、水に対する溶解性が低いという問題があった。
最近、Bacillus megaterium A9542株が産生するプロテアーゼであるバシロライシンMAを用いて、ヒトプラスミノーゲンを特異的に切断したアンジオスタチン様断片(主にGlu1−Ser441、以降、「BLアンジオスタチン」と記載する。)が開発された。(特開2002−272453号公報)。ヒトプラスミノーゲンのアミノ酸配列は公知であり、SWISSPROTに受入番号P00747として登録されている。なお、ヒトプラスミノーゲンのアミノ酸配列は、シグナルペプチド(Met1−Gly19)を含むものであるため、本出願では、シグナルペプチドを除外した成熟ポリペプチド、すなわち、Glu1−Asn791のアミノ酸配列に基づくアミノ酸番号でアミノ酸位置を示した。
また、組換えアンジオスタチンは、天然型に比べて物理的性質と活性にばらつきがあり、これは異種生物での発現の過程でのタンパク質フォールディングの差に基づく立体構造の変化、糖鎖修飾の差などが原因と考えられる(Cao,Y.,Int J Biochem Cell Biol 33,357−69(2001)、Dell’Eva,R.,et al.,Endothelium 9,3−10(2002))。また、同様の原因により、組換えタンパク質の溶解性が低いことも指摘されている。これらの点で、組換え体と比較して、酵素法により生産される天然型が有利である。
しかし、タンパク質解酵素の基質認識が特異性であることから、プラスミノーゲンから選択的にアンジオスタチンを生成することは、極めて困難であり、多くの副産物を生成するという欠点があった。
また、すべての市販エラスターゼ標品が活性のあるアンジオスタチンを生産することができるわけではなく、切断、その後の処理によってアンジオスタチンを変性させる可能性も示唆されている(O’Reilly et al.,Nat Med 2,689−92(1996))。
バシロライシンMAは、プラスミノーゲンを極めて選択的に切断し、BLアンジオスタチン(主生成物としてGlu1からSer441のアミノ酸配列を有するフラグメント、微量生成物として、Phe75からSer441、Glu1からVal449、およびPhe75からVal449のアミノ酸からなるフラグメント)を生じせしめる(特開2002−272453号公報)。
更に発明者らは、バシロライシンMA固定化リアクター(アフィニティートラップリアクター)を開発し、ヒト血漿から1段階のステップでGlu1からSer441のアミノ酸配列を有するフラグメントを主成分とするプラスミノーゲンフラグメントの製造技術を開発し(PCT/JP03/00338)、製造時間の短縮とコスト削減を達成した。
組換えアンジオスタチンはLeu74からLeu451のアミノ酸からなるプラスミノーゲンの内部フラグメントである(Sim,B.K.et al.Cancer Res 57,1329−34(1997))のに対し、BLアンジオスタチンは、上述のようにアンジオスタチンとは異なる構造を有するが、アンジオスタチンと同様の抗血管内皮細胞作用をもつ。
特に、主生成物であるGlu1からSer441のアミノ酸配列を有するフラグメント、更にGlu1からVal449のアミノ酸配列を有するフラグメントは、プラスミノーゲンのN末端側を含むものである。
プラスミノーゲンのN末端ペプチド(Glu1からGlu83)は親水性アミノ酸に富み、N末端ペプチドの有無の差はBLアンジオスタチンとアンジオスタチンとの間に、溶解性などの物理的特性だけではなく、生体内での活性、動態などにも差異をもたらすと考えられる。
しかし、BLアンジオスタチンが、実際に、インビボでの制がん効果を有するとの報告はまだなされておらず、安価で、水に対する溶解性が高く、かつ、優れた制がん性を有する制がん剤及びその製造方法の開発が待たれている。
本発明者は、上記のBLアンジオスタチンのがんに対する効果について鋭意研究を行なった結果、驚くべきことに、BLアンジオスタチンが極めて優れた制がん効果を有し、かつ、水に対する溶解性が高いことから、静脈内投与によっても格別の制がん効果を奏することを発見して、本発明を完成するに至った。
また、本発明者は、BLアンジオスタチンの製造の際に、バシロマイシンMAによる自己消化の阻害剤であるイソプロピルアルコールを用いないでも、効率よくBLアンジオスタチンを得ることができることを発見して、本発明を完成するに至った。
アンジオスタチンには、(1)プラスミノーゲンをエラスターゼで加水分解したもの(M.S.O’Reilly et al.,Nature Medicine,2,689−692(1996))及び(2)遺伝子組換え技術を用いて酵母に直接生産させたもの(B.K.Sim et al.,Cancer Research 57,1329−1334(1997))の2種類が知られていた。
しかし、(1)では、エラスターゼの基質特異性の低さのため、副生成物が多く生じ、プラスミノーゲンからアンジオスタチンを選択的に生成させることが困難であることから、アンジオスタチンの活性が低いという欠点があった。また、(2)では、アンジオスタチンの精製が困難であり、高コストであり、また、水に対する溶解性が低いという問題があった。
最近、Bacillus megaterium A9542株が産生するプロテアーゼであるバシロライシンMAを用いて、ヒトプラスミノーゲンを特異的に切断したアンジオスタチン様断片(主にGlu1−Ser441、以降、「BLアンジオスタチン」と記載する。)が開発された。(特開2002−272453号公報)。ヒトプラスミノーゲンのアミノ酸配列は公知であり、SWISSPROTに受入番号P00747として登録されている。なお、ヒトプラスミノーゲンのアミノ酸配列は、シグナルペプチド(Met1−Gly19)を含むものであるため、本出願では、シグナルペプチドを除外した成熟ポリペプチド、すなわち、Glu1−Asn791のアミノ酸配列に基づくアミノ酸番号でアミノ酸位置を示した。
また、組換えアンジオスタチンは、天然型に比べて物理的性質と活性にばらつきがあり、これは異種生物での発現の過程でのタンパク質フォールディングの差に基づく立体構造の変化、糖鎖修飾の差などが原因と考えられる(Cao,Y.,Int J Biochem Cell Biol 33,357−69(2001)、Dell’Eva,R.,et al.,Endothelium 9,3−10(2002))。また、同様の原因により、組換えタンパク質の溶解性が低いことも指摘されている。これらの点で、組換え体と比較して、酵素法により生産される天然型が有利である。
しかし、タンパク質解酵素の基質認識が特異性であることから、プラスミノーゲンから選択的にアンジオスタチンを生成することは、極めて困難であり、多くの副産物を生成するという欠点があった。
また、すべての市販エラスターゼ標品が活性のあるアンジオスタチンを生産することができるわけではなく、切断、その後の処理によってアンジオスタチンを変性させる可能性も示唆されている(O’Reilly et al.,Nat Med 2,689−92(1996))。
バシロライシンMAは、プラスミノーゲンを極めて選択的に切断し、BLアンジオスタチン(主生成物としてGlu1からSer441のアミノ酸配列を有するフラグメント、微量生成物として、Phe75からSer441、Glu1からVal449、およびPhe75からVal449のアミノ酸からなるフラグメント)を生じせしめる(特開2002−272453号公報)。
更に発明者らは、バシロライシンMA固定化リアクター(アフィニティートラップリアクター)を開発し、ヒト血漿から1段階のステップでGlu1からSer441のアミノ酸配列を有するフラグメントを主成分とするプラスミノーゲンフラグメントの製造技術を開発し(PCT/JP03/00338)、製造時間の短縮とコスト削減を達成した。
組換えアンジオスタチンはLeu74からLeu451のアミノ酸からなるプラスミノーゲンの内部フラグメントである(Sim,B.K.et al.Cancer Res 57,1329−34(1997))のに対し、BLアンジオスタチンは、上述のようにアンジオスタチンとは異なる構造を有するが、アンジオスタチンと同様の抗血管内皮細胞作用をもつ。
特に、主生成物であるGlu1からSer441のアミノ酸配列を有するフラグメント、更にGlu1からVal449のアミノ酸配列を有するフラグメントは、プラスミノーゲンのN末端側を含むものである。
プラスミノーゲンのN末端ペプチド(Glu1からGlu83)は親水性アミノ酸に富み、N末端ペプチドの有無の差はBLアンジオスタチンとアンジオスタチンとの間に、溶解性などの物理的特性だけではなく、生体内での活性、動態などにも差異をもたらすと考えられる。
しかし、BLアンジオスタチンが、実際に、インビボでの制がん効果を有するとの報告はまだなされておらず、安価で、水に対する溶解性が高く、かつ、優れた制がん性を有する制がん剤及びその製造方法の開発が待たれている。
本発明者は、上記のBLアンジオスタチンのがんに対する効果について鋭意研究を行なった結果、驚くべきことに、BLアンジオスタチンが極めて優れた制がん効果を有し、かつ、水に対する溶解性が高いことから、静脈内投与によっても格別の制がん効果を奏することを発見して、本発明を完成するに至った。
また、本発明者は、BLアンジオスタチンの製造の際に、バシロマイシンMAによる自己消化の阻害剤であるイソプロピルアルコールを用いないでも、効率よくBLアンジオスタチンを得ることができることを発見して、本発明を完成するに至った。
本発明は、BLアンジオスタチンを有効成分として含む制がん剤及びその製造方法に関する。
図1は、アフィニティートラップリアクターにより精製したBLアンジオスタチンを示す。レーン1は、得られたBLアンジオスタチンである。レーン2は、バシロライジンMA(5nM)、プラスミノーゲン(3μM)を100mMNaCl、0.01%Tween80、1mMCaCl2を含む50mMトリス塩酸(pH7.4)10μl中で37℃、60分間インキュベートした後、10μlのサンプル緩衝液(4%SDS、10%2−メルカプトエタノール、20%スクロース、0.004%ブロモフェノールブルーを含む125mMトリス塩酸緩衝液、pH6.8)を加えレーン1と同様に分析した。
図2は、皮下移植ルイス肺がんの増殖に対するBLアンジオスタチンの効果(腫瘍体積の推移)を表す。X軸はルイス肺がんを移植してからの日数(日)であり、Y軸は腫瘍体積(mm3)である。●は、対照群を、▲、■、×及び◆は、それぞれ、BLアンジオスタチン0.3、1、3及び10mg/kg/day処理群を表し、それぞれの値は、各群8例の平均値±標準偏差を表す。Dunnettの多重比較検定で、対照群と比較して統計的に有意な差は*印を付してある。*(p<0.05)、**(p<0.01)
図3は、皮下移植ルイス肺がんの増殖に対するBLアンジオスタチンの効果(腫瘍湿重量)を表す。X軸はBLアンジオスタチンの用量(mg/kg/day)であり、Y軸は腫瘍湿重量(mg)である。それぞれの値は、各群8例の平均値±標準誤差を表す。Dunnettの多重比較検定で、対照群と比較して統計的に有意な差は*印を付してある。*(p<0.05)、**(p<0.01)
図4は、ルイス肺がん皮下移植動物の体重に対するBLアンジオスタチンの影響を表す。X軸はルイス肺がんを移植してからの日数(日)であり、Y軸は体重(g)である。●は対照(生理食塩水)処理群であり、▲は、アンジオスタチン0.3mg/kg/day処理群であり、■は、アンジオスタチン1mg/kg/day処理群であり、×は、アンジオスタチン3mg/kg/day処理群であり、◆は、アンジオスタチン10mg/kg/day処理群である。それぞれの値は、各群8例の平均値±標準誤差を表す。Dunnettの多重比較検定で、対照群と比較して統計的に有意な差は*印を付してある。*(p<0.05)、**(p<0.01)
図5は、腫瘍の病理組織像及びvon Willebrand因子免疫染色像を表す。対照群(腫瘍長径8.2mm、短径7.8mm)(A、B、C、D)、3mg/kg投与群(腫瘍長径7.0mm、短径5.6mm)(E、F、G、H)および10mg/kg投与群(腫瘍長径4.4mm、短径2.8mm)(I、J、K、L)の代表例を示す。D、HおよびLはvon Willebrand因子免疫染色、それ以外はヘマトキシリン・エオシン染色。倍率は、5倍(A、E、I)、25倍(B、F、J)、100倍(C、G、K)、および50倍(D、H、L)。
図2は、皮下移植ルイス肺がんの増殖に対するBLアンジオスタチンの効果(腫瘍体積の推移)を表す。X軸はルイス肺がんを移植してからの日数(日)であり、Y軸は腫瘍体積(mm3)である。●は、対照群を、▲、■、×及び◆は、それぞれ、BLアンジオスタチン0.3、1、3及び10mg/kg/day処理群を表し、それぞれの値は、各群8例の平均値±標準偏差を表す。Dunnettの多重比較検定で、対照群と比較して統計的に有意な差は*印を付してある。*(p<0.05)、**(p<0.01)
図3は、皮下移植ルイス肺がんの増殖に対するBLアンジオスタチンの効果(腫瘍湿重量)を表す。X軸はBLアンジオスタチンの用量(mg/kg/day)であり、Y軸は腫瘍湿重量(mg)である。それぞれの値は、各群8例の平均値±標準誤差を表す。Dunnettの多重比較検定で、対照群と比較して統計的に有意な差は*印を付してある。*(p<0.05)、**(p<0.01)
図4は、ルイス肺がん皮下移植動物の体重に対するBLアンジオスタチンの影響を表す。X軸はルイス肺がんを移植してからの日数(日)であり、Y軸は体重(g)である。●は対照(生理食塩水)処理群であり、▲は、アンジオスタチン0.3mg/kg/day処理群であり、■は、アンジオスタチン1mg/kg/day処理群であり、×は、アンジオスタチン3mg/kg/day処理群であり、◆は、アンジオスタチン10mg/kg/day処理群である。それぞれの値は、各群8例の平均値±標準誤差を表す。Dunnettの多重比較検定で、対照群と比較して統計的に有意な差は*印を付してある。*(p<0.05)、**(p<0.01)
図5は、腫瘍の病理組織像及びvon Willebrand因子免疫染色像を表す。対照群(腫瘍長径8.2mm、短径7.8mm)(A、B、C、D)、3mg/kg投与群(腫瘍長径7.0mm、短径5.6mm)(E、F、G、H)および10mg/kg投与群(腫瘍長径4.4mm、短径2.8mm)(I、J、K、L)の代表例を示す。D、HおよびLはvon Willebrand因子免疫染色、それ以外はヘマトキシリン・エオシン染色。倍率は、5倍(A、E、I)、25倍(B、F、J)、100倍(C、G、K)、および50倍(D、H、L)。
本発明のBLアンジオスタチン
本発明のBLアンジオスタチンは、プロテアーゼ、特に、バチラス メガテリウム(Bacillus megaterium)A9542が産生する酵素であるバシロライシンMA(BLMA)を用いてプラスミノーゲンを処理することによって得ることができる。バチラス メガテリウム(Bacillus megaterium)A9542は、産業技術総合研究所生命工学研究所の特許生物寄託センターに平成13年3月21日に受託番号FERM P−18268として寄託されている。BLMAのアミノ酸配列は、特開2002−272453に開示されている。
BLMAは、ヒトプラスミノーゲンのSer441−Val442、Leu74−Phe75及びVal449−Leu450の間を切断し、Glu1−Ser441、Glu1−Val449、Phe75−Ser441、Phe75−Val449の4種類のアンジオスタチン様活性を有する断片を生成することが知られている。
本発明の制がん剤としては、上記の4つのアンジオスタチン様断片の1種類以上を単独でか又は組み合わせて用いることができるが、特に、Glu1−Ser441が好ましく用いられる。
プラスミノーゲンは、哺乳動物、特にヒトやウシにおいて、そのアミノ酸配列が高度に保存されていることが知られている。したがって、本発明のBLアンジオスタチンの製造のための原料としてのプラスミノーゲンは、哺乳動物に由来するものであればあらゆるものを用いることができ、特に、ヒトやウシ由来のプラスミノーゲンが好ましい。
また、本発明のBLアンジオスタチンは、化学合成又は遺伝子組み換え技術によっても製造することができる。比較的容易な操作でかつ大量に製造できるという点では、遺伝子組み換え技術による製造が好ましい。本発明のBLアンジオスタチンを製造するには、該タンパク質をコードする塩基配列を有するDNAを作製し、これを好適な発現系に導入することにより目的タンパク質を製造することができる。
本発明のBLアンジオスタチンの塩基配列を有するDNAは、ヒト由来(例えば、HepG2細胞由来など)のcDNAライブラリーを、BLアンジオスタチンのアミノ酸配列をコードする塩基配列の情報に基づいて設計した好適なプライマー又はプローブを用いてスクリーニングすることにより入手できる。スクリーニングはプラークハイブリダイゼーション等で行うことができる。あるいは、ヒト由来(例えば、HepG2細胞由来など)のcDNAライブラリーを鋳型として使用し、上記塩基配列の情報に基づいて設計した好適なプライマーを用いてPCRを行うことにより、目的遺伝子を直接クローニングすることもできる。
組み換えタンパク質を発現させるための発現系(遺伝子を含む発現ベクターとその宿主)は当業者に公知である。DNAを宿主細胞中で発現させるためには、まず、該DNAを発現ベクター中のプロモーターの下流に挿入し、次いでこの組み換え発現ベクターを、当該発現ベクターに適合した宿主細胞中に導入する。
細菌用の発現ベクターとしては、pGEMEX−1(Promega)、pQE−9(QIAGEN)、pQE−30(QIAGEN)、pRSET(Invitrogen)、pLEX(Invitrogen)などが挙げられ、動物細胞用の発現ベクターとして、例えば、pcDNAI、pcDM8(フナコシ)、pcDNAI/AmP(Invitrogen)、pREP4(Invitrogen)や、組換えウイルス作成用発現ベクター、例えば、pMFG(Takara)が挙げられる。
細菌用の発現ベクターに用いることができるプロモーターとしては、例えば、trpプロモーター、T7プロモーター、lacプロモーター等の大腸菌やファージ等に由来するプロモーター等を挙げることができる。酵母用の発現ベクターに用いることができるプロモーターとしては、例えば、PHO5プロモーター、GAPプロモーターを挙げることができる。動物細胞用の発現ベクターに用いることができるプロモーターとしては、例えば、サイトメガロウイルス(ヒトCMV)のIE(immediate early)遺伝子のプロモーター、SV40の初期プロモーター、レトロウイルスのプロモーター、アデノウイルスのプロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒートショックプロモーターを挙げることができる。
宿主細胞としては、目的タンパク質を発現できるものであれば特に制限されず、細菌、酵母、動物細胞、昆虫細胞などが挙げられる。
組換えベクターの宿主への導入方法は、例えば、リン酸カルシウム法、プロトプラスト法、エレクトロポレーション法、スフェロブラスト法、酢酸リチウム法、リポフェクション法などが挙げられ、宿主細胞の種類に応じて適宜選択することができる。
形質転換体の培養物から、目的の組み換えタンパク質を単離精製するには、通常のタンパク質の単離、精製法を用いることができる。例えば、組み換えタンパク質が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了後、細胞を遠心分離により回収し水系緩衝液に懸濁後、細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。該無細胞抽出液を遠心分離することにより得られた上清から、通常のタンパク質の単離精製法、即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒による沈殿法、イオン交換グロマトグラフィー法、ゲルろ過法、アフィニティークロマトグラフィー法を単独でか又は組み合わせて用い、精製することができる。
また、本発明は、下記工程:
アガロースゲル上にバシロライシンMA及びリシンを固定したアフィニティトラップリアクターを緩衝液で平衡化する工程、
クエン酸処理した血清を添加する工程、
塩化ナトリウムを含む緩衝液で洗浄する工程、及び
6−アミノヘキサン酸で溶出する工程からなる、BLアンジオスタチンの製造方法であって、上記緩衝液が、イソプロピルアルコールを含まないことを特徴とする、製造方法にも関する。好ましくは、全ての操作を4℃で行う。これによって、BLアンジオスタチンを高収率で得ることができる。
本発明の制がん剤は、一般的には、有効成分としてのBLアンジオスタチンと担体、賦形剤などの製剤用添加物とを含む医薬組成物の形態で提供される。
本発明の制がん剤は、ヒトを含む哺乳動物に医薬として投与することができる。
本発明の薬剤の投与経路は特に限定されず、経口投与または非経口投与(例えば、筋肉内投与、静脈内投与、皮下投与、腹腔内投与、鼻腔などへの粘膜投与、または吸入投与など)の何れでもよい。
BLアンジオスタチンは、先行技術のアンジオスタチンとは異なり、水に対する溶解度が高い(20mg/ml以上)ことから、本発明の制がん剤は、静脈内投与によって投与することができるという特徴を有する。
本発明の制がん剤の形態は特に限定されず、経口投与のための製剤としては例えば、錠剤、カプセル剤、細粒剤、粉末剤、顆粒剤、液剤、シロップ剤などが挙げられ、非経口投与のための製剤としては例えば、注射剤、点滴剤、座剤、吸入剤、経粘膜吸収剤、経皮吸収剤、点鼻剤、点耳剤などが挙げられる。本発明の薬剤の形態、使用すべき製剤用添加物、製剤の製造方法などは、いずれも当業者が適宜選択することができる。
本発明の薬剤の投与量は、患者の性別、年齢または体重、症状の重症度、予防または治療といった投与目的、あるいは他の合併症状の有無などを総合的に考慮して適宜選択することができる。投与量は、一般的には、0.1mg/kg体重/日〜100mg/kg体重/日、好ましくは1mg/kg体重/日〜10mg/kg体重/日である。
本発明の制がん剤は、乳がん、肺がん、咽頭がん、胃がん、膵がん、肝がん、結腸がん、子宮がん、卵巣がん、等の治療に用いることができる。
本発明のBLアンジオスタチンは、プロテアーゼ、特に、バチラス メガテリウム(Bacillus megaterium)A9542が産生する酵素であるバシロライシンMA(BLMA)を用いてプラスミノーゲンを処理することによって得ることができる。バチラス メガテリウム(Bacillus megaterium)A9542は、産業技術総合研究所生命工学研究所の特許生物寄託センターに平成13年3月21日に受託番号FERM P−18268として寄託されている。BLMAのアミノ酸配列は、特開2002−272453に開示されている。
BLMAは、ヒトプラスミノーゲンのSer441−Val442、Leu74−Phe75及びVal449−Leu450の間を切断し、Glu1−Ser441、Glu1−Val449、Phe75−Ser441、Phe75−Val449の4種類のアンジオスタチン様活性を有する断片を生成することが知られている。
本発明の制がん剤としては、上記の4つのアンジオスタチン様断片の1種類以上を単独でか又は組み合わせて用いることができるが、特に、Glu1−Ser441が好ましく用いられる。
プラスミノーゲンは、哺乳動物、特にヒトやウシにおいて、そのアミノ酸配列が高度に保存されていることが知られている。したがって、本発明のBLアンジオスタチンの製造のための原料としてのプラスミノーゲンは、哺乳動物に由来するものであればあらゆるものを用いることができ、特に、ヒトやウシ由来のプラスミノーゲンが好ましい。
また、本発明のBLアンジオスタチンは、化学合成又は遺伝子組み換え技術によっても製造することができる。比較的容易な操作でかつ大量に製造できるという点では、遺伝子組み換え技術による製造が好ましい。本発明のBLアンジオスタチンを製造するには、該タンパク質をコードする塩基配列を有するDNAを作製し、これを好適な発現系に導入することにより目的タンパク質を製造することができる。
本発明のBLアンジオスタチンの塩基配列を有するDNAは、ヒト由来(例えば、HepG2細胞由来など)のcDNAライブラリーを、BLアンジオスタチンのアミノ酸配列をコードする塩基配列の情報に基づいて設計した好適なプライマー又はプローブを用いてスクリーニングすることにより入手できる。スクリーニングはプラークハイブリダイゼーション等で行うことができる。あるいは、ヒト由来(例えば、HepG2細胞由来など)のcDNAライブラリーを鋳型として使用し、上記塩基配列の情報に基づいて設計した好適なプライマーを用いてPCRを行うことにより、目的遺伝子を直接クローニングすることもできる。
組み換えタンパク質を発現させるための発現系(遺伝子を含む発現ベクターとその宿主)は当業者に公知である。DNAを宿主細胞中で発現させるためには、まず、該DNAを発現ベクター中のプロモーターの下流に挿入し、次いでこの組み換え発現ベクターを、当該発現ベクターに適合した宿主細胞中に導入する。
細菌用の発現ベクターとしては、pGEMEX−1(Promega)、pQE−9(QIAGEN)、pQE−30(QIAGEN)、pRSET(Invitrogen)、pLEX(Invitrogen)などが挙げられ、動物細胞用の発現ベクターとして、例えば、pcDNAI、pcDM8(フナコシ)、pcDNAI/AmP(Invitrogen)、pREP4(Invitrogen)や、組換えウイルス作成用発現ベクター、例えば、pMFG(Takara)が挙げられる。
細菌用の発現ベクターに用いることができるプロモーターとしては、例えば、trpプロモーター、T7プロモーター、lacプロモーター等の大腸菌やファージ等に由来するプロモーター等を挙げることができる。酵母用の発現ベクターに用いることができるプロモーターとしては、例えば、PHO5プロモーター、GAPプロモーターを挙げることができる。動物細胞用の発現ベクターに用いることができるプロモーターとしては、例えば、サイトメガロウイルス(ヒトCMV)のIE(immediate early)遺伝子のプロモーター、SV40の初期プロモーター、レトロウイルスのプロモーター、アデノウイルスのプロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒートショックプロモーターを挙げることができる。
宿主細胞としては、目的タンパク質を発現できるものであれば特に制限されず、細菌、酵母、動物細胞、昆虫細胞などが挙げられる。
組換えベクターの宿主への導入方法は、例えば、リン酸カルシウム法、プロトプラスト法、エレクトロポレーション法、スフェロブラスト法、酢酸リチウム法、リポフェクション法などが挙げられ、宿主細胞の種類に応じて適宜選択することができる。
形質転換体の培養物から、目的の組み換えタンパク質を単離精製するには、通常のタンパク質の単離、精製法を用いることができる。例えば、組み換えタンパク質が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了後、細胞を遠心分離により回収し水系緩衝液に懸濁後、細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。該無細胞抽出液を遠心分離することにより得られた上清から、通常のタンパク質の単離精製法、即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒による沈殿法、イオン交換グロマトグラフィー法、ゲルろ過法、アフィニティークロマトグラフィー法を単独でか又は組み合わせて用い、精製することができる。
また、本発明は、下記工程:
アガロースゲル上にバシロライシンMA及びリシンを固定したアフィニティトラップリアクターを緩衝液で平衡化する工程、
クエン酸処理した血清を添加する工程、
塩化ナトリウムを含む緩衝液で洗浄する工程、及び
6−アミノヘキサン酸で溶出する工程からなる、BLアンジオスタチンの製造方法であって、上記緩衝液が、イソプロピルアルコールを含まないことを特徴とする、製造方法にも関する。好ましくは、全ての操作を4℃で行う。これによって、BLアンジオスタチンを高収率で得ることができる。
本発明の制がん剤は、一般的には、有効成分としてのBLアンジオスタチンと担体、賦形剤などの製剤用添加物とを含む医薬組成物の形態で提供される。
本発明の制がん剤は、ヒトを含む哺乳動物に医薬として投与することができる。
本発明の薬剤の投与経路は特に限定されず、経口投与または非経口投与(例えば、筋肉内投与、静脈内投与、皮下投与、腹腔内投与、鼻腔などへの粘膜投与、または吸入投与など)の何れでもよい。
BLアンジオスタチンは、先行技術のアンジオスタチンとは異なり、水に対する溶解度が高い(20mg/ml以上)ことから、本発明の制がん剤は、静脈内投与によって投与することができるという特徴を有する。
本発明の制がん剤の形態は特に限定されず、経口投与のための製剤としては例えば、錠剤、カプセル剤、細粒剤、粉末剤、顆粒剤、液剤、シロップ剤などが挙げられ、非経口投与のための製剤としては例えば、注射剤、点滴剤、座剤、吸入剤、経粘膜吸収剤、経皮吸収剤、点鼻剤、点耳剤などが挙げられる。本発明の薬剤の形態、使用すべき製剤用添加物、製剤の製造方法などは、いずれも当業者が適宜選択することができる。
本発明の薬剤の投与量は、患者の性別、年齢または体重、症状の重症度、予防または治療といった投与目的、あるいは他の合併症状の有無などを総合的に考慮して適宜選択することができる。投与量は、一般的には、0.1mg/kg体重/日〜100mg/kg体重/日、好ましくは1mg/kg体重/日〜10mg/kg体重/日である。
本発明の制がん剤は、乳がん、肺がん、咽頭がん、胃がん、膵がん、肝がん、結腸がん、子宮がん、卵巣がん、等の治療に用いることができる。
以下に、本発明について具体的に説明するが、本発明は実施例に記載されたものに限定されるものではない。
例1.バシロライシンMAの生産及び精製
バシロライシンMAは、Bacillus megaterium A9542株(寄託番号FERM P−18268で経済産業省産業技術総合研究所生命工学工業技術研究所特許生物寄託センターに寄託されている)から、以下の方法により分離精製した。
グルコース1%、コーンスターチ3%、大豆ミール1%、ペプトン0.5%、イースト抽出物0.5%、CaCO30.2%、CB442 0.01%の成分を含む液体培地(pH7.0)100mlを含む500ml容三角フラスコで、Bacillus megaterium A9542株を28℃で6日間振とう培養後、培養液3リットルをセライトを用いてろ過し、そのろ液1リットルをH2Oで5リットルに希釈し、イソプロピルアルコールを最終濃度5%(v/v)となるように添加した。その後、20mM MES(2−〔N−モルホリノ〕エタンスルホン酸)−NaOH緩衝液(pH6.5)/5%イソプロピルアルコールで平衡化した400mlのカルボキシメチルセルロース(生化学工業株式会社)カラムに流速15ml/分で注入した。同じ緩衝液600mlで洗浄した後、20mM MES/NaOH(pH6.5)/5%イソプロピルアルコール/0.2M NaClで溶出した。その溶出画分を60mlずつ分画し、活性の認められた画分を集めた。その純度をSDS−PAGEで確認し、精製物90mgを得た。
例2.バシロライシンMA及びリシンを固定した本発明のアフィニティートラップリアクターの作成(リアクター10mlを作成)
臭化シアンであらかじめ活性化しておいたアガロースゲル(セファロース4B、ファルマシア社)2.86gを1mMHCl溶液100mlに懸濁し、室温で15分間撹拌した。これをカラムに移し、吸引してHCl溶液を除去し、1mMHCl溶液100mlで3回、次に0.5M NaCl、5%イソプロピルアルコールを含む緩衝液A(0.1M炭酸水素ナトリウム、pH8.3)75mlで1回ゲルを洗浄した。2.84mg/mlのバシロライシンMA溶液を同じ緩衝液Aで作成し、その17.6mlをカラムに添加し、室温で2時間撹拌することによって、固定化反応を行なった。反応終了後、吸引により溶液を除去し、0.2M L−リシン塩酸塩を含む5%イソプロピルアルコール水溶液(pH8.0)20mlを加えて、室温で2時間撹拌することによりリシンの固定化反応を行なった。反応終了後、溶液を吸引により除去し、5%イソプロピルアルコールを含む、緩衝液B(20mM MES(2−〔モルホリノ〕エタンスルホン酸)−NaOH)500mlでゲルを洗浄し、最後に0.02%アジ化ナトリウムを含む、上記組成の緩衝液B中、4℃で保存した。
例3.バシロライシンMA/リシンリアクターを用いた、ヒト血漿からのBLアンジオスタチンの一段階精製プロセス
クエン酸処理したヒト血漿95mlにイソプロピルアルコール5mlを氷上で添加し、30分間放置した後、遠心分離(22,000xg、4℃、1時間)により上清を得、ろ過した。以降の操作はすべて4℃で行なった。例2で作成した本発明のバシロライシンMA/リシンリアクター10mlを、5%イソプロピルアルコールを含む緩衝液C(25mMリン酸ナトリウム、pH7.4)で平衡化した。平衡化したリアクターに、上記の上清を流速1.5ml/分で添加した。その後、0.5M NaClを含む上記組成の緩衝液C200mlでリアクターを洗浄した(3ml/分)。生成したBLアンジオスタチンの溶出は、200mMの6−アミノヘキサン酸を含む5%イソプロピルアルコール溶液50mlで行なった。その結果、ほとんどのBLアンジオスタチンは、10〜30mlの溶出液で溶出された。BLアンジオスタチンの収量は、4.2mgであり、純度は95%であった。
なお、使用後のリアクターは、1MのNaClと200mMの6−アミノヘキサン酸を含む上記組成の緩衝液C50mlを用いて4℃で洗浄した。その後、0.02%アジ化ナトリウムを含む緩衝液C中、4℃で保存した。この状態で洗浄、保存したリアクターは、2ヶ月以上繰り返して使用可能であった。
例4.バシロライシンMA/リシンリアクターを用いた、ヒト血漿からのBLアンジオスタチンの一段階精製プロセス(イソプロピルアルコールを用いない方法)
クエン酸処理したヒト血漿を15,000rpm、20分間遠心して、上清を得た。以下の操作は、すべて4℃で行った。例2で作製した本発明のバシロライシンMA/リシンリアクター0.5mlを、緩衝液Cで平衡化した。これに、上記の上清2.5mlを流速0.1ml/分で添加した。その後、15mlの0.5M塩化ナトリウムを含む緩衝液Cで洗浄(0.15ml/分)後、2.5mlの200mM 6−アミノヘキサン酸で溶出した。大部分のBLアンジオスタチンは、0から1.5mlの溶出液で溶出された。BLアンジオスタチンの収量は63μgで純度は94%であった(図1)。
なお、使用後のリアクターは、1MのNaClと200mMの6−アミノヘキサ酸を含む緩衝液C2.5mlを用いて洗浄した。その後、0.02%アジ化ナトリウムを含む緩衝液C中、4℃で保存した。この状態で、保存したリアクターは2ヶ月以上繰り返して使用可能であった。
得られたBLアンジオスタチンのうち4μgを精製水に溶解して10μlとし、これに10μlのサンプル緩衝液(4%SDS、10%2−メルカプトエタノール、20%スクロース、0.004%のブロモフェノールブルーを含む125mMトリス塩酸緩衝液、pH6.8)を加え、そのうち10μlを、7.5%ポリアクリルアミドゲルを用いた電気泳動で分画した後、クーマシーブリリアントブルーR250で染色した(図1)。
例5.BLアンジオスタチンのルイス肺がんに対する効果
・がん種及びがんの移植方法、試験動物
ルイス肺がん細胞をC57BL/6マウスに皮下移植して継代維持した。10−14日目の腫瘍を摘出し、リン酸緩衝生理食塩水にがん細胞を懸濁した。5週齢で購入し、その後1週間SPF環境下で予備飼育したBDF1マウスの腹側部皮下に、1匹当たり1×105個の細胞を含む0.05mlの細胞懸濁液を移植した。以後の実験もすべてSPF環境で行った。
・薬剤調製方法、投与方法、投与条件
例3の方法で調製したBLアンジオスタチンを凍結乾燥し、これを精製水に対して、2時間、3回透析した。得られた溶液を凍結乾燥して、20mg/mlとなるように生理食塩水に溶解した。この溶液を孔径0.22μmのフィルターを用いてろ過滅菌した。この溶液をさらに滅菌生理食塩水で希釈して、0.06mg/ml、0.2mg/ml、0.6mg/ml及び2mg/mlの溶液を作製した。ルイス肺がん細胞の移植の翌日から、上記のBLアンジオスタチン溶液を、5ml/kgの割合で毎日1回14日間静脈内投与した。これにより、それぞれの投与量は、0.3、1、3、および10mg/kgとなった。対照群には、生理食塩水を同容量静脈内投与した。各群の動物数は10匹とした。
・観察項目
投与期間中は、腫瘍の大きさ(短径及び長径から腫瘍体積を以下のように算出:短径の2乗×長径×0.52)及び体重を毎日測定した。投与終了翌日、エーテル麻酔下にマウスを致死させ、腫瘍を摘出してその湿重量を測定した。各群の最大及び最小値を除外して、計8匹の動物のデータを統計処理した。有意差の検定にはDunnettの多重比較検定を用い、危険率0.05%以下を有意差とした。更に、対照群、3mg/kg投与群および10mg/kg投与群の代表例各3個体から得られた腫瘍について、長径および短径の測定、細胞増殖、出血、壊死、分裂細胞の組織学的観察、および抗von Willebrand因子抗体を用いた血管内皮細胞の免疫染色を行った。
・観察結果、考察
対照群と比較して、ルイス肺がん移植後10日目移行、3及び10mg/kgBLアンジオスタチン投与群において、腫瘍体積が有意に低下した(図2)。10mg/kg投与群においてはすべての観察期間で、腫瘍体積は対照群の1/2以下であった。0.3及び1mg/kg投与群においても腫瘍成長の抑制が観察されたが統計的に有意な差となったのは、0.3mg/kg投与群で14及び15日目、1mg/kg投与群で14日目であった(図2)。また、移植後15日目に腫瘍を摘出して、その湿重量を測定したが、BLアンジオスタチン投与群では対照群と比較して、50−70%の値となった(図3)。0.3、3及び10mg/kg投与群における差は統計的に有意な差であった。一方、飼育期間を通して各群の体重に有意な差は見られなかった(図4)。また、動物の一般状態も、試験群間の差は見られなかった。
摘出した腫瘍の病理組織学的検査の結果を表1にまとめた。対照群では、細胞増殖が高度に(図5A)、出血が軽度に(図5B)、壊死が軽微に(図5B)、分裂細胞が中等度に(図5C)認められた。また、抗von Willebrand因子抗体による血管内皮細胞の免疫染色では、陽性細胞の割合が軽度から中等度に認められた(図5D)。BLアンジオスタチン3mg/kg投与群では、細胞増殖が中等度に(図5E)、出血が軽度に(図5F)、壊死が軽度に(図5F)、分裂細胞が中等度に(図5G)、von Willebrand因子陽性細胞の割合が軽微から中等度に(図5H)認められた。更に、BLアンジオスタチン10mg/kg投与群では、細胞増殖が軽微から中等度に(図5I)、出血が軽微から中等度に(図5J)、壊死が軽度から高度に(図5J)、分裂細胞が軽微から軽度に(図5K)、von Willebrand因子陽性細胞の割合が軽微から軽度に(図5L)認められた。
以上のことから、1日当たり0.3mg/kg〜10mg/kgのBLアンジオスタチンの静脈内投与は、皮下移植ルイス肺がんの成長の抑制に有効であることが示された。また、腫瘍の病理組織学的検査の結果から、BLアンジオスタチンの投与により、腫瘍細胞の分裂増殖の低下、壊死の増加がおこることが示された。さらに、抗von Willebrand因子抗体による血管内皮細胞の免疫染色により、BLアンジオスタチンが、がんの新生血管を抑えていることが確認され、この血管新生阻害作用が、上述の腫瘍細胞の分裂増殖の低下、壊死の増加をもたらすものと考えられる。また、試験動物の体重や一般状態に影響しないことから、BLアンジオスタチンは重篤な副作用を持たないものと推測される。臨床予測性に優れたルイス肺がんの成長を抑制したことから、他の多くのがん(乳がん、肺がん、咽頭がん、膵がん、肝がん、結腸がん、子宮がん、卵巣がん等)に対して、抑制効果を示すと考えられる。
例1.バシロライシンMAの生産及び精製
バシロライシンMAは、Bacillus megaterium A9542株(寄託番号FERM P−18268で経済産業省産業技術総合研究所生命工学工業技術研究所特許生物寄託センターに寄託されている)から、以下の方法により分離精製した。
グルコース1%、コーンスターチ3%、大豆ミール1%、ペプトン0.5%、イースト抽出物0.5%、CaCO30.2%、CB442 0.01%の成分を含む液体培地(pH7.0)100mlを含む500ml容三角フラスコで、Bacillus megaterium A9542株を28℃で6日間振とう培養後、培養液3リットルをセライトを用いてろ過し、そのろ液1リットルをH2Oで5リットルに希釈し、イソプロピルアルコールを最終濃度5%(v/v)となるように添加した。その後、20mM MES(2−〔N−モルホリノ〕エタンスルホン酸)−NaOH緩衝液(pH6.5)/5%イソプロピルアルコールで平衡化した400mlのカルボキシメチルセルロース(生化学工業株式会社)カラムに流速15ml/分で注入した。同じ緩衝液600mlで洗浄した後、20mM MES/NaOH(pH6.5)/5%イソプロピルアルコール/0.2M NaClで溶出した。その溶出画分を60mlずつ分画し、活性の認められた画分を集めた。その純度をSDS−PAGEで確認し、精製物90mgを得た。
例2.バシロライシンMA及びリシンを固定した本発明のアフィニティートラップリアクターの作成(リアクター10mlを作成)
臭化シアンであらかじめ活性化しておいたアガロースゲル(セファロース4B、ファルマシア社)2.86gを1mMHCl溶液100mlに懸濁し、室温で15分間撹拌した。これをカラムに移し、吸引してHCl溶液を除去し、1mMHCl溶液100mlで3回、次に0.5M NaCl、5%イソプロピルアルコールを含む緩衝液A(0.1M炭酸水素ナトリウム、pH8.3)75mlで1回ゲルを洗浄した。2.84mg/mlのバシロライシンMA溶液を同じ緩衝液Aで作成し、その17.6mlをカラムに添加し、室温で2時間撹拌することによって、固定化反応を行なった。反応終了後、吸引により溶液を除去し、0.2M L−リシン塩酸塩を含む5%イソプロピルアルコール水溶液(pH8.0)20mlを加えて、室温で2時間撹拌することによりリシンの固定化反応を行なった。反応終了後、溶液を吸引により除去し、5%イソプロピルアルコールを含む、緩衝液B(20mM MES(2−〔モルホリノ〕エタンスルホン酸)−NaOH)500mlでゲルを洗浄し、最後に0.02%アジ化ナトリウムを含む、上記組成の緩衝液B中、4℃で保存した。
例3.バシロライシンMA/リシンリアクターを用いた、ヒト血漿からのBLアンジオスタチンの一段階精製プロセス
クエン酸処理したヒト血漿95mlにイソプロピルアルコール5mlを氷上で添加し、30分間放置した後、遠心分離(22,000xg、4℃、1時間)により上清を得、ろ過した。以降の操作はすべて4℃で行なった。例2で作成した本発明のバシロライシンMA/リシンリアクター10mlを、5%イソプロピルアルコールを含む緩衝液C(25mMリン酸ナトリウム、pH7.4)で平衡化した。平衡化したリアクターに、上記の上清を流速1.5ml/分で添加した。その後、0.5M NaClを含む上記組成の緩衝液C200mlでリアクターを洗浄した(3ml/分)。生成したBLアンジオスタチンの溶出は、200mMの6−アミノヘキサン酸を含む5%イソプロピルアルコール溶液50mlで行なった。その結果、ほとんどのBLアンジオスタチンは、10〜30mlの溶出液で溶出された。BLアンジオスタチンの収量は、4.2mgであり、純度は95%であった。
なお、使用後のリアクターは、1MのNaClと200mMの6−アミノヘキサン酸を含む上記組成の緩衝液C50mlを用いて4℃で洗浄した。その後、0.02%アジ化ナトリウムを含む緩衝液C中、4℃で保存した。この状態で洗浄、保存したリアクターは、2ヶ月以上繰り返して使用可能であった。
例4.バシロライシンMA/リシンリアクターを用いた、ヒト血漿からのBLアンジオスタチンの一段階精製プロセス(イソプロピルアルコールを用いない方法)
クエン酸処理したヒト血漿を15,000rpm、20分間遠心して、上清を得た。以下の操作は、すべて4℃で行った。例2で作製した本発明のバシロライシンMA/リシンリアクター0.5mlを、緩衝液Cで平衡化した。これに、上記の上清2.5mlを流速0.1ml/分で添加した。その後、15mlの0.5M塩化ナトリウムを含む緩衝液Cで洗浄(0.15ml/分)後、2.5mlの200mM 6−アミノヘキサン酸で溶出した。大部分のBLアンジオスタチンは、0から1.5mlの溶出液で溶出された。BLアンジオスタチンの収量は63μgで純度は94%であった(図1)。
なお、使用後のリアクターは、1MのNaClと200mMの6−アミノヘキサ酸を含む緩衝液C2.5mlを用いて洗浄した。その後、0.02%アジ化ナトリウムを含む緩衝液C中、4℃で保存した。この状態で、保存したリアクターは2ヶ月以上繰り返して使用可能であった。
得られたBLアンジオスタチンのうち4μgを精製水に溶解して10μlとし、これに10μlのサンプル緩衝液(4%SDS、10%2−メルカプトエタノール、20%スクロース、0.004%のブロモフェノールブルーを含む125mMトリス塩酸緩衝液、pH6.8)を加え、そのうち10μlを、7.5%ポリアクリルアミドゲルを用いた電気泳動で分画した後、クーマシーブリリアントブルーR250で染色した(図1)。
例5.BLアンジオスタチンのルイス肺がんに対する効果
・がん種及びがんの移植方法、試験動物
ルイス肺がん細胞をC57BL/6マウスに皮下移植して継代維持した。10−14日目の腫瘍を摘出し、リン酸緩衝生理食塩水にがん細胞を懸濁した。5週齢で購入し、その後1週間SPF環境下で予備飼育したBDF1マウスの腹側部皮下に、1匹当たり1×105個の細胞を含む0.05mlの細胞懸濁液を移植した。以後の実験もすべてSPF環境で行った。
・薬剤調製方法、投与方法、投与条件
例3の方法で調製したBLアンジオスタチンを凍結乾燥し、これを精製水に対して、2時間、3回透析した。得られた溶液を凍結乾燥して、20mg/mlとなるように生理食塩水に溶解した。この溶液を孔径0.22μmのフィルターを用いてろ過滅菌した。この溶液をさらに滅菌生理食塩水で希釈して、0.06mg/ml、0.2mg/ml、0.6mg/ml及び2mg/mlの溶液を作製した。ルイス肺がん細胞の移植の翌日から、上記のBLアンジオスタチン溶液を、5ml/kgの割合で毎日1回14日間静脈内投与した。これにより、それぞれの投与量は、0.3、1、3、および10mg/kgとなった。対照群には、生理食塩水を同容量静脈内投与した。各群の動物数は10匹とした。
・観察項目
投与期間中は、腫瘍の大きさ(短径及び長径から腫瘍体積を以下のように算出:短径の2乗×長径×0.52)及び体重を毎日測定した。投与終了翌日、エーテル麻酔下にマウスを致死させ、腫瘍を摘出してその湿重量を測定した。各群の最大及び最小値を除外して、計8匹の動物のデータを統計処理した。有意差の検定にはDunnettの多重比較検定を用い、危険率0.05%以下を有意差とした。更に、対照群、3mg/kg投与群および10mg/kg投与群の代表例各3個体から得られた腫瘍について、長径および短径の測定、細胞増殖、出血、壊死、分裂細胞の組織学的観察、および抗von Willebrand因子抗体を用いた血管内皮細胞の免疫染色を行った。
・観察結果、考察
対照群と比較して、ルイス肺がん移植後10日目移行、3及び10mg/kgBLアンジオスタチン投与群において、腫瘍体積が有意に低下した(図2)。10mg/kg投与群においてはすべての観察期間で、腫瘍体積は対照群の1/2以下であった。0.3及び1mg/kg投与群においても腫瘍成長の抑制が観察されたが統計的に有意な差となったのは、0.3mg/kg投与群で14及び15日目、1mg/kg投与群で14日目であった(図2)。また、移植後15日目に腫瘍を摘出して、その湿重量を測定したが、BLアンジオスタチン投与群では対照群と比較して、50−70%の値となった(図3)。0.3、3及び10mg/kg投与群における差は統計的に有意な差であった。一方、飼育期間を通して各群の体重に有意な差は見られなかった(図4)。また、動物の一般状態も、試験群間の差は見られなかった。
摘出した腫瘍の病理組織学的検査の結果を表1にまとめた。対照群では、細胞増殖が高度に(図5A)、出血が軽度に(図5B)、壊死が軽微に(図5B)、分裂細胞が中等度に(図5C)認められた。また、抗von Willebrand因子抗体による血管内皮細胞の免疫染色では、陽性細胞の割合が軽度から中等度に認められた(図5D)。BLアンジオスタチン3mg/kg投与群では、細胞増殖が中等度に(図5E)、出血が軽度に(図5F)、壊死が軽度に(図5F)、分裂細胞が中等度に(図5G)、von Willebrand因子陽性細胞の割合が軽微から中等度に(図5H)認められた。更に、BLアンジオスタチン10mg/kg投与群では、細胞増殖が軽微から中等度に(図5I)、出血が軽微から中等度に(図5J)、壊死が軽度から高度に(図5J)、分裂細胞が軽微から軽度に(図5K)、von Willebrand因子陽性細胞の割合が軽微から軽度に(図5L)認められた。
本発明の制がん剤は、乳がん、肺がん、咽頭がん、胃がん、膵がん、肝がん、結腸がん、子宮がん、卵巣がん、前立腺がん等の治療に用いることができる。
Claims (4)
- BLアンジオスタチンを有効成分として含む制がん剤。
- BLアンジオスタチンが、哺乳動物に由来する、請求の範囲第1項に記載の制がん剤。
- BLアンジオスタチンが、ヒトプラスミノーゲンのGlu1−Ser441、Glu1−Val449、Phe75−Ser441及びPhe75−Val449断片からなる群より選択される、請求の範囲第1又は2項に記載の制がん剤。
- 下記工程:
アガロースゲル上にバシロライシンMA及びリシンを固定したアフィニティトラップリアクターを緩衝液で平衡化する工程、
クエン酸処理した血清を添加する工程、
塩化ナトリウムを含む緩衝液で洗浄する工程、及び
6−アミノヘキサン酸で溶出する工程からなる、請求の範囲第1項に記載のBLアンジオスタチンの製造方法であって、上記緩衝液が、イソプロピルアルコールを含まないことを特徴とする、製造方法。
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