JPH08502730A - アポリポタンパクeを用いた細胞増殖を阻害する方法 - Google Patents

アポリポタンパクeを用いた細胞増殖を阻害する方法

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JPH08502730A JP6506399A JP50639993A JPH08502730A JP H08502730 A JPH08502730 A JP H08502730A JP 6506399 A JP6506399 A JP 6506399A JP 50639993 A JP50639993 A JP 50639993A JP H08502730 A JPH08502730 A JP H08502730A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、腫瘍細胞を含めた活発に増殖する細胞の増殖を阻害するためのApoEの使用を提供する。この方法は、細胞増殖を阻害するのに効果的な量のアポリポタンパクEと該細胞を接触することを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の名称〕 アポリポタンパクEを用いた細胞増殖を阻害する方法 〔本発明の背景〕 本発明は、細胞増殖を阻害する方法におけるアポリポタンパクEの使用に関す る。 本出願の全体を通して、種々の刊行物を括弧内に引用した。これらの参照文献 の完全な記載は、明細書の最後、即ち請求の範囲の直前に見出しうる。これらの 刊行物全体に対する開示は、個々に開示され請求された本発明の日時現在の当業 者に公知の分野の状態をより完全に開示するために、本出願中の参照文献によっ て本出願の一部をなす。 〔背景技術〕 正常組織において、細胞の成長およびDNA合成は、ポジティブおよびネガテ ィブレベルの両方で作用する種々の調節因子によって密接に制御されている(We inberg et al.,1989)。正常細胞の固体腫瘍への進展のように、これは幾つか の変化を受ける(Folkman,1989; Liotta,1992)。生理学的なレベルでは、成 長が刺激され、免疫性が減少され、新たな血管形成が誘導される。この新たな血 管を誘導する能力、即ち血管形成および血管新生は、最も悪性な細胞の特徴であ り、固体腫瘍増殖の必要条件である(D'Amore,1988;Folk-man,1976)。更に、 腫瘍を穿通する新たな血管は、循環に腫瘍細胞が入り込むための定常的(freqen t)部位である。血管形成も転移性のコロニーの広がりに必要である (Aznavoorian,1991)。悪性細胞の成長に加えて、他の疾患も血管新生緑内障 、糖尿病性網膜症、および慢性関節リュウマチを含めた異常な血管新生によって 特徴づけられる(Folkman,et al.,1989)。 悪性細胞は、内皮細胞増殖および転移を刺激し、新たな毛細血管床を腫瘍モジ ュール内に形成させる種々の因子を産生する(D'Amore,1988; Shing,et al., 1985)。種々の薬剤が、細胞増殖の可能なモジュレータ(これらにはヘパリンお よびヘパリン硫酸塩が含まれる(Castellot, etal.,1987; Clowes,1977)。 )および成長因子、並びにこれらの阻害剤として示唆されている(Edelman, et al.,1992; Liu,1990; Schweigerer,et al.,1987)。これらのファクターの ほとんどはまた、正常組織の天然成分として存在する。今日まで、研究されたほ とんどの成長因子は、基本的な線維芽細胞成長因子(bFGF)、即ち線維芽細 胞成長因子ファミリーのメンバーである(Ba-silico and Moscatelli,1992; Sc hweigerer,etal.,1987; Thomas and Gimenez-Gallego,1986)。bFGFは強 いヘパリン結合分子であり、実質的には全ての細胞に存在し、複数分裂および血 管形成性の効果を有する(Thomas and Gimenez-Gallego,1986)。血管内皮細胞 では、bFGFは血管の形成および血管新生に影響を与える多くの機能を刺激す る。bFGFは、in vivoおよびinvitroの両方で最も強い血管新生誘導物質の 1つであると考えられている(Folkman,1976; Folkman and Klagsb- run,1987)。最近、bFGFの静脈内注射が、バルーン誘導された内皮の露出 (balloon-induced endothelial denudation)の後、内皮の再生およびSMC増 殖を刺激することが示された(Edelman,et al.,1992; Lindner and Reidy,19 91; Lindner,et al.,1990)。この研究では、bFGFがin vivoでSMCに 対して血管新生性および分裂促進性であることが確認され、これら2種類の効果 が対になっていることも示された。bFGFはまた、細胞外マトリクッス(EC M)および基底膜の両方のヘパランサルフェートプロテオグリカン(HSPG) に結合する(Folkman,et al.,1988; Vlodavsky,et al.,1987)。従って、b FGFはアテローム硬化性の血管障害の病因論において重要な役割を果たしうる ことが仮定されている。 細胞成長および分化の調節におけるHSPGの役割が開示されている(Burges s and Maciag,1989; Klagsbrun and Baird,1991; Rouslahti and Yamaguchi, 1991)。多くのプロテオグリカンは、ECMまたはFGFおよび他のヘパリン結 合性成長因子の分子を含めた成長因子の相互作用のための低親和性細胞表面レセ プターとしての機能の構成要素である。bFGFのバインダーとしてのHSPG の役割は、分解からbFGFを保護することにあると思われ、bFGFのマトリ クッス若しくは細胞表面結合リザーバー(reservoir)を提供するということに おいて重要である。Yanon,et al.,(1991)は、bFGFの高親和性レ セプターに結合するbFGFが膜HSPGのヘパランサルフェート側鎖または遊 離のヘパランサルフェート(ヘパリン)鎖の何れかに予め結合することが必要で あり、グリコサミノグリカンがbFGFのコンフォーメーションを変化し、その 結果このレセプターに結合する能力を獲得しうるという推測をした。プロテオグ リカンへの成長因子の結合は、ヘパリンまたはヘパランサルフェートに結合する 幾つかの他の成長因子でも観測されている(Ruoslahti and Yamaguchi,1991) 。プロテオグリカンがアジュバントおよび遍在する組織成分であるから、これら は、これらのほとんどの成長因子およびグリコサミノグリカンに親和性を有する サイトカインを誘引するようである。これは、成長因子およびサイトカインが、 近距離間でのみこれらの標的細胞に作用することを意味し、細胞表面およびEC Mにおける(プロテオグリカン結合を通した)これらの固定化がその目的を達成 することになる(Ruoslahti and Yamaguchi,1991)。 アポリポタンパクE(ApoE)はヘパリンおよびHSPGに対して強い親和 性を有する血漿タンパク質である(Cardin,et al.,1988; Mahley,1988; Mahl ey,et al.,1979; Weisgraber,et al.,1986)。apoEは、低密度リポタン パク(LDL)およびごく最近同定されたapoEレセプター、即ちLDLレセ プター関連タンパク質(LRP)を含む細胞表面レセプターとのその高親和性相 互作用を通して血漿リポタンパク質代謝に関与している(Hewrtz,et al.,1988 ; Lund,et al.,1989; Yamada,et al.,1989; 1992)。LDLレセプターへの結合に応答しうるapo Eのドメインはが同定されている(Dyer and Curtiss,1991; Wilson,1991)。 このドメインは、apoE分子の残基140〜160よりなる20のアミノ酸領 域である。LDLレセプターへのApoEの結合が脂質との組合せに依存すると いうことが長く知られている(Innerarity,1979)。しかし、in vitroにおける LDLレセプターと結合する合成ペプチドの結果からは、LDLレセプターへの ペプチドの直接の結合があると仮定されるか、またはLDLレセプターが細胞の 唯一の結合部位ではないことが推測されうる。 高脂血漿性ウサギへのApoEの静脈内投与が、血漿コレステロールレベルの 低下を起こすことが示された(Mahley,et al.,1979; Yamada,et al.,1989) 。最近(Yamada,et al.,1992)、Watanabeの遺伝性高脂血漿ウサギへApoE の持続的な静脈内投与を行うと、アテローム硬化症の進行が顕著に阻害された。 外来性のApoEの投与は、大動脈のアテローム硬化症的な障害の数とサイズの 両方に効果があった。しかし、これらの実験では、ApoE処理された動物と処 理されていない対照動物との間の血漿コレステロールレベルの顕著な差がなかっ た。これらおよび他の実験を基にすれば、アテローム発生に関するApoEの影 響は、単独でもまた直接的にも血漿コレステロールレベルに関係していないであ ろう。 ApoEは、肝臓、腸管、副腎、腎臓、肺、脾臓、睾丸、 子宮、および脳を含めた多くの組織においていたるところで合成される(Mahley ,1988)。最近、ApoEが炎症性および非炎症性滑液の両方で見出された(Te rkeltaub,et al.,1991)。ApoEは、局所的に脂質の再配分を調節すること によって組織の修復に作用しうる(Hui,et al.,1980; Mahley,1988)。しか し、ApoEが、コレステロールホメオスタシスに必ずしも関与しない多数の細 胞によって合成され、分泌されることも観測されている(Boyles,et al.,1989 ; Hui,et al.,1980)。 リポタンパク質代謝に関するその影響に加えて、apoEはまた、脂質輸送に 無関係な種々の機能も有している(Mahley,1988)。マイトジェンによるリンパ 球の活性化の強い抑制およびApoE結合性リポタンパク質およびApoEポリ ペプチドによる抗原の強い抑制が観測されている(Cardin,et al.,1988; Hui ,et al.,1980)。本発明は、幾つかの細胞タイプの増殖および転移に関するA poEの効果を開示する。 〔本発明の概要〕 活発に増殖する細胞を阻害する方法が開示される。この方法は、細胞を細胞増 殖を阻害するのに効果的な量でアポリポタンパクE(ApoE)と接触させるこ とを具備する。 細胞増殖を阻害するのに効果的な量でアポリポタンパクを含有する組成物が提 供される。 加えて、本発明は、過度の細胞増殖に苦しんでいる患者を治療する方法であっ て、過度に増殖している細胞を効果的な 量のアポリポタンパク質Eと接触させ、過度の細胞増殖を抑制することを具備し た方法を提供する。 更に、本発明は、腫瘍に悩まされている患者を治療する方法であって、該腫瘍 を化学療法剤と共に効果的な量のアポリポタンパクと接触させ、腫瘍細胞の増殖 を抑制することを具備した方法を提供する。 加えて、本発明は、腫瘍に悩まされている患者を治療する方法であって、該腫 瘍を所定量の照射と共に効果的な量のアポリポタンパク質と接触させ、腫瘍細胞 の増殖を抑制することを具備した方法を提供する。 加えて、本発明は、高められた血管新生を含む疾患に苦しんでいる患者を治療 する方法を提供する。この方法は、血管新生を正常化するのに効果的な量のアポ リポタンパクEを患者に投与することを具備する。 〔図面の簡単な説明〕 図1:ウシ大動脈内皮細胞(BAEC)DNAに[3H]チミジンを取り込ま せたヘパリン結合性分子の効果を、プロトコルM2を用いて、ウシ胎児血清(F CS)(1%および2.5%)のみ[対照(ctr)]の存在下、または基底( basic)線維増殖因子(bFGF)を加えて、例1および2に開示されているよ うに試験した。(全ての他のサンプルは10ng/mlを用いて試験した。)指示さ れる場合には、0.05または0.5μMのmet−アポリポタンパクE(それ ぞれ+E.05または+E0.5)または組換えトロンボスポンジン(thrombos pondin)(rTSP)18KdがF CSおよびbFGFを含むウェルに加えられる。有糸分裂誘発のアッセイを42 時間後に終わらせた。 図2:BAECDNAへの[3H]チミジンの取り込みの時間経過を観測した 。DNA合成を、有糸分裂誘発のプロトコルM2(例1の方法参照)に従って新 たに付着された細胞培養物で試験した。細胞を、bFGF(10ng/mlおよび、 1%FCSのみ(ctr)若しくは0.5μMの指示分子(indicated molecule s)[(rTSP)18Kd)組換えフィブロネクチン(rFN)33kdまた はmet−apoE]と一緒のものを含有するダルベッコの修飾イーグル培地( DMEM)にプレート化した。 図3:予め付着されたBAEC培地への[3H]チミジンの取り込みを、0. 5%FCSのみ若しくはbFGF(10ng/ml)と一緒のものの何れかでプロト コルM1に従って試験した。指示された濃度のmet−apoEをプレート化後 5日に細胞に加え、[3H]チミジンの取り込みを、細胞に5時間適用した後、 次の日にプロトコルM1で示されるように試験した。 図4:予め付着され、密集したBAECの培養物を、予めプレート化された培 養物中で試験した。0%若しくは0.5%FCS(それぞれ0および.5)をb FGF、10ng/ml(それぞれ0Fおよび.5F)と共に用いるか、または0. 5μMのmet−apoE(それぞれ0FEおよび.5FE)を使用して、有糸 分裂誘発をプロトコルM1に従って試験した。有糸分裂誘発のアッセイを40時 間で終わらせた。 図5:BAEC培養物への[3H]チミジンの取り込みを、時間ゼロ(0〜4 0としてデザインされた)またはプレート化後15時間若しくは22時間(それ ぞれ15〜40時間および22から40時間としてデザインされた)で新たにプ レート化された培養物に加えられるbFGF(10ng/ml)および、FCS単独 (対照)若しくはmet−apoE(0.5μM)と一緒のものの(図に示され ているように)二種類の濃度の1つの存在下に試験した。[3H]チミジンも、 M2プロトコルに示されるようにゼロ時に全てのウエルに加え、アッセイを40 時間後に終わらせた。取り込みは、ApoEの存在しない場合の同じ時間の[3 H]チミジンでラベルされた対照に対するパーセントとして表した。 図6:ApoEによる抑制に関するbFGFの影響を試験した。増殖アッセイ を、5%FCS単独(ctr)若しくは20ng/mlのbFGFを含んだものの存 在下でプロトコルP1に示されるように、BAEC−1の培養物で行った。指示 された場合は、種々の濃度のmet−apoEを細胞のプレート化の後1日で加 えた。該細胞数をプロトコルP1で示されたようにモニターした。 図7:ウシ角膜内皮細胞(CBEC)培養物への[3H]チミジンの取り込み を、指示されたように(0%、1%、または2%)種々の濃度のFCS(ctr )を用いて試験した。これに成長因子を単独で(bFGF[10ng/ml]若しく はEGF[50ng/ml])、またはmet−apoE(E、0.5μM)若しく はFN33Kd(FN、0.5μM)と共に 加えた。有糸分裂誘発アッセイをプロトコルM2に示されたように行い44時間 後に終わらせた。 図8:増殖アッセイを、FCS並びにbFGF単独(対照)の存在下において 、それぞれ5%および10ng/mlで、プロトコルP2に示されているようにCB ECの培養物で行った。 指示される場合は、種々の濃度のmet−apoE若しくはFN33(rFN3 3Kd)を時間ゼロで該細胞に加えた。 全く同じ3つのサンプルの平均の吸光性(absorvancy)を計算し、対照に対する パーセントとして表した。 図9:ApoE抑制の可逆性を試験した。1%FCSおよび10ng/mlbFG F中のCBEC培養物を、プロトコルM2(対照)を用いて標識の40時間後の [3H]チミジンの取り込みに対して試験した。同様な(parallel)培養物に対 して、met−apoEを指示された濃度でゼロ時に加え、全標識期間(0〜4 0)または22時間のみ(0〜22)放置した。全ての試験培養物に対して、2 2時間後に培地を、出発の濃度のFCS、bFGF、および[3H]チミジンを 含む適切な組合せで置き換えた。 例10:A2058ヒトメラノーマ細胞の培養物への[3H]チミジンの取り 込みを、プロトコルM2に開示されているように、および、0.5%FCS並び にbFGF(10ng/ml)単独(ctr)または、0.5μMおよび1.5μM のmet−apoE(それぞれ0.5Eおよび1.5E)、0.5μMSP18 Kd(0.5T18)、0.5μMTSP28Kd(0.5T28)、若しくは 0.5μMFN3 3Kd(0.5FN33)を含むものの存在下で試験した。アッセイは32時間 後に終わらせた。 図11:ヒト乳房腫瘍(mammary tumor)(MDA−435)細胞の培養物へ の[3H]チミジンの取り込みをプロトコル2に従って、および0.5%FCS およびbFGF(10ng/ml)単独(ctr)の存在下、または0.5μMのm et−apoE(E)またはTSP18Kdを加えて、または75μg/mlヘパ リン(Hep)を加えて行った。アッセイを42時間後に終わらせた。 図12:平滑筋細胞(SMC)の増殖を、0.5%若しくは5%FCS単独( ctr)、またはbFGF(+F,20ng/ml)と組み合わせたものの存在下で 、プロトコルP1に示されたように行った。指示される場合は、met−apo E(E)(4μM)をゼロ時に培養物に加えた。 図13:35S−メチオニンの取り込みを、公表されている方法(D.Blake 199 0)を僅かに変更して試験した。手短に言えば、CBEC細胞を6−ウェルの組 織培養皿に105細胞/ウェルでDMEM+10%FCSでプレート化した。2 4時間後、細胞をPBSで3回洗浄し、培地をDMEMマイナスメチオニン(メ チオニンの消耗に対して)のみまたはmet−apoE(0.5μm)を含むも のに変化させた。1時間後に、0.25μCi[35S]メチオニン(1268C i/mmol、Amersham)を加え、培養物を37℃/5%CO2で6時間インキュベ ートした。細胞を、10mMEDTAおよび1mMフェニル−メチル−スルホニルを 含有するリ ン酸塩緩衝生理食塩水(phosphate buffered saline)(PBS)で2回洗浄し 、次いで同じバッファーに懸濁した。細胞を20mMの水酸化アンモニウム(NH4 OH)で溶解し、該細胞溶解物のアリコートを5倍容積の20%トリクロロ酢 酸(TCA)で沈殿させた。氷中で10分後、TCF溶液を、ガラスミクロフィ ルター(GF/C、ワットマン)で濾過し、フィルターを5%冷TCAで3回、 70%エタノールで1回洗浄した。TFAに不溶な[35S]メチオン標識された タンパク質の放射活性をβ線をカウントすることによってモニターした。 図14:bFGFに対するBAECの走化性を、5μmポアサイズのポリカー ボネートのPVCを含まないヌクレオポアフィルター(nucleopore filters)を 用いて、先に開示されているように(Taraboletti,1990)、修正されたBoy denチャンバー中で行った。半集密化した細胞をトリプシン化し、10%FC Sで洗浄し、室温において2時間10%FCS−DMEM中で振蓋しながら平衡 にさせ、次いでペレット化し、0.1%BSAを含有する培地に再懸濁した。細 胞を106/mlの濃度ですぐに使用し、0.1%BSA単独のグラジェント(c tr)若しくはbFGF(33ng/ml)を含むものに対して、単独若しくはme t−apoE(E)の指示された濃度で移動をチェックした。全く同じ3つのサ ンプルで移動した細胞を37℃で4.5時間インキュベートした後モニターし、 0.1%BSA(crt)に対する移動のパーセントとして表した。 図15:この図はプラスミドpTVR590−4を示す。このプラスミドはA TCCアクセッシヨンナンバー67360でE.coliW1485として寄託 された。プラスミドpTVR590−4は、例1に示されるようにλLプロモ ータの制御下でmet−apoEのよい発現体である。(E.coliW148 5は、アクセッションナンバー12435で、ATCCから自由に利用できる。 ) 図16:アミノ酸1−217を含有するApoEをコードするプラスミドpE 2−5の構成が開示されている。プラスミドpTV194−80(相互に掲げら れている米国特許第5,126,252で開示されている、図22)を制限酵素 BssHIIおよびBglIIで消化した。大きなフラグメントを単離し、図で 示される合成リンカーに結紮した。得られたプラスミドをpE2−5と表した。 図17:アミノ酸1−217を有するApoEを発現するプラスミドpTVR 6−2の構成が開示されている。deoP1プロモーター配列部分の制御下でλ CI遺伝子を含有する1200bpフラグメントを、プラスミドpFSAL−B 27(ATCCアクセッションナンバー67071;またヨーロッパ特許出願公 開No.303,972)のClaI消化物から単離した。次に、1200bp フラグメントをClaI消化されたプラスミドpE2−5(図16)を結紮した 。得られたpTVR6−2と表されるプラスミドは、ApoE構造遺伝子およびλ CI抑制因子遺伝子の両方を含み、従って、これはλCI抑制因子を含んでい るホストでの使用に制 限されない独立のプラスミドであるが、非常に多くのホストでApoEポリペプ チドフラグメントを発現することができる。追加のN−末端メチオニンが存在す るか否かは現在知られていない。プラスミドpTVR6−2を、E.coli4 300として、American Type Calture Collec-tion,12301 Parklawn Drive,R ockville,Mary-landに、アクセッションナンバー69364で1993年7月 26日に寄託した。 図18:培養物中のマウス内皮腫END2の増殖に関するApoEの影響を試 験した。END2細胞の増殖アッセイをウェル当たり20,000の細胞を用い 、0.5%FCSおよび指示された濃度のmet−apoEの存在下で例7のよ うに行った。 図19:BAECおよびCHO細胞の増殖に関するApoEの影響を試験した 。BAECおよびCHO細胞の増殖は、例2に示されるように0.5%FCSお よび指示された濃度のmet−apoEの存在下で、30,000細胞/mlで行 った。 図20:BAECおよび神経芽腫細胞の増殖に関するapoEの影響を試験し た。BAECおよび神経芽腫N18TG2の増殖を、例2で説明したように0. 5%FCSおよび指示された濃度のmet−apoE(20A)およびApoE peプチド348(20B)の存在下で、1ml当たり20,000の細胞で行 った。 図21:ApoEの抗増殖活性の熱安定性を試験した。B AEC細胞(30,000細胞/ml)の増殖を、例2で説明したように、0.5 %FCSおよび指示された濃度の熱処理されていないmet−apoE若しくは 熱処理された(100℃で1時間)met−apoEの存在下で試験した。 図22:met−apoEの抗増殖活性に関する血清濃度の影響を試験した。 BAEC細胞の増殖を0.5%および2.5%FCSにおいて、および指示され た濃度のApoEの存在下で、外来性の成長因子を加えずに測定した。met− apoEは例2で示されるように高血清濃度で低度の抑制を示した。 図23:END−2細胞の増殖に関するapoE6−2と命名したApoEの 影響を試験した。END−2の増殖を、例8で説明されるように、0.5%FC SおよびプラスミドpTVR6−2(図17)によってコードされる指示された 量のApoEポリペプチドフラグメントの存在下で、図18に示されるように測 定した。 図24:ApoEポリペプチドの抗増殖活性に関する血清濃度の影響を試験し た。BAEC細胞の増殖を、例8で説明したように、0.5%および2.5%F CSおよび指示された濃度のApoEポリペプチドapoE6−2で測定した。 図25:ApoEによるヘパリン活性の逆転を試験した。 ApoEはヘバリンに対して高い親和性を有しており、ApoEのこの特性は、 ヘパリン、抗トロンビンIIIおよびトロンビンよりなる複合体に関するmet− apoEの影響によって研究された。該複合体へのApoEの添加は、ヘパリン の抗トロンビン活性の抑制で起こるヘパリン活性を逆転させる。ペプチド185 と命名された非反応性の短いペプチドをネガティブな対照として使用した。第2 のネガティブな対照[cont(−)]は何れのApoEも含んでいない。ポジ テイブな対照[cont(+)]はヘパリンを含んでいない。 結果は、トロンビン活性の50%が阻害されるApoEの濃度でヘパリン:Ap oEの比が約3:1であること、即ちApoEの各々の分子に2〜3分子のヘパ リンが結合することを示している。 〔本発明の詳細な説明〕 本発明は、活発に増殖する細胞を阻害する方法であって、活発に増殖する細胞 を増殖を、阻害するのに効果的な量のアポリポタンパクEと接触することを具備 した方法を提供する。増殖の阻害は、該細胞の増殖の速度の減少を意味する。 該細胞は、平滑筋細胞、内皮細胞、例えば大動脈若しくは角膜内皮細胞、また は腫瘍細胞、例えばヒトメラノーマ細胞、乳房腫瘍細胞、ヒト肉腫細胞若しくは カルチノーマ細胞でありうる。当業者に知られた他の活動的な増殖細胞のタイプ も本発明の方法に含まれる。 活発に増殖する細胞の増殖を阻害するためのアポリポタンパクEおよび適切な 担体を含有する組成物も提供される。 加えて、過度の細胞増殖に苦しめられている患者を治療する方法であって、過 度の細胞増殖を阻害するのに効果的な量のアポリポタンパクEを該患者に投与す ることを具備した方 法を提供する。このような方法は、化学療法剤または照射治療のような他の治療 手段と組み合わせてアポリポタンパクEを投与すること、即ち他の治療方法の前 、治療中、若しくは後にApoEを投与することを含みうる。アポリポタンパク Eと組み合わせて使用するための他の治療手段は、当業者に公知であり、本発明 の手段にも包含される。 過度の増殖を阻害するのに効果的な量のアポリポタンパクEおよび薬学的に許 容しうる担体を含有する薬学的組成物が提供される。 一つの態様では、過度の細胞増殖は腫瘍である。 ここで使用されるアポリポタンパクE(ApoE)の語は、由来、例えば天然 に存在するもの若しくは遺伝子組換えによるものにかかわりなく何れのポリペプ チドも包含する。該ポリペプチドには細胞の増殖を阻害する生物活性に必要な天 然由来のapoEの配列および突然変異体(この配列は、細胞の増殖を阻害する 生物活性をこのような突然変異体に与える1以上、典型的には10以下のアミノ 酸によって変化する。)が含まれる。 天然に存在するapoEは、当業者に公知の方法で血漿若しくは血清から得ら れ、更に例えばCalbiochem cat.no.178466から商業的に入手しうる。 組換えApoEは一般に、組換えApoEを産生する処理細胞(engineered cells)から得ることができる。該細胞は、この細胞がDNA配列を発現し得、 組換えApoEポリペプチドを産生する限り、組換えApoEをコードするD NA配列が組換えDNA技術で導入された任意の系(stra-in)でありうる。該 細胞は、プラスミドのようなベクターDNA分子中に組み換えApoEをコード するDNA配列を含有しうる。該ベクターDNA分子は、組換えDNA技術で構 築され、組換えApoEをコードする配列が該ベクター中の適切な位置に組み込 まれうる。該細胞は好ましくは細菌細胞若しくは他の単細胞微生物であるが、酵 母、昆虫若しくは哺乳類細胞のような真核生物細胞も組換えApoEを産生する のに使用しうる。 一つの態様では、ApoEは、必須でない1以上、典型的には10以下のアミ ノ酸残基の付加、欠失、若しくは置換による、天然に存在するポリペプチドと異 なった組換えapoEの突然変異体であるが、生じるポリペプチドはapoEの 細胞増殖阻害活性を維持しているものである。当業者は、公表された周知の手順 を用いて、どのアミノ酸残基が付加され、欠失され、または(どのアミノ酸がこ のような置換を受けうるかを含めて)置換されたかを容易に決定することができ る。該周知の手段には、例えば目的のポリペプチドの突然変異体の細菌による発 現をコードするDNA配列のデザインおよび形成、部位特異的突然変異誘発によ るcDNAおよびゲノム配列の修飾、組換えタンパク質および発現ベクターの構 築、並びに従来の生化学的アッセイを用いるポリペプチドの生化学的活性の決定 のための従来の方法が含まれる。 apoEの突然変異体の例は、天然に存在するapoEの全てのアミノ酸残基 よりも少ない残基を含有する欠失変異株 であり、置換変異株は1以上の残基が他の残基で置換されているものであり、付 加変異株は1以上のアミノ酸残基がポリペプチドに加えられているものである。 全てのこのような変異株は天然に存在するapoEの細胞増殖阻害活性を有して いる。 天然に存在するアポリポタンパクEと実質的に同じアミノ酸配列を有するポリ ペプチドは、ポリペプチドのアミノ酸残基のN末端で4つよりも少ないアミノ酸 を付加若しくは欠失したものでありうる。ポリペプチドの細胞増殖を阻害する生 物学的活性を失わない配列で追加の置換および/または欠失が起こりうる。この ような置換および欠失は当業者に公知である。置換は、Lehninger,Biochemistr y ,2nd ed.Worth Pub.,N.Y.(1975); Creighton,Protein Structure,a P ractrical Approach , IRL Press at Oxford Univ.Press,Oxford,England(1 989);およびDayhoff,Atlas of Protein Sequence and Structure 1972,Natio nal Biomedical Research Foundation,Maryland(1972)によって開示されてい る相同の若しくは等価のグループに従って約10残基まででなされうる。 特別の態様では、ApoEは組換えapoE、例えばN末端で追加のメチオニ ンを有する天然に存在するapoEの配列を含有する組み換えポリペプチドであ る。 「アポリポタンパクE」の語には、組換えApoEおよび天然に存在するap oEのポリペプチドフラグメントであっ て、ApoEの細胞増殖阻害活性を示すものが包含される。このようなフラグメ ントの1つの例は、1993年1月5に発行された米国特許第5,177,18 9に開示されている15−mer−フラグメントである。 このようなポリペプチドフラグメントの追加の例としては、天然に存在するa poEのアミノ酸1−217または1−185がある。天然に存在するapoE のアミノ酸1−217を有するApoEポリペプチドの特別な態様は、プラスミ ドpTVR6−2(図17)によってコードされる。該プラスミドは、アクセッ ションナンバー69364で1993年7月26日にE.coli4300とし て、American Type Culture Collection,12301 Perklawn Drive,Rockville,M arylandに寄託された。他のフラグメントは、天然に存在するapoEまたは組 換えmet−apoEのトロンビン消化によって生成される22KDのN末端A poEポリペプチドである。 同様のapoEポリペプチドは、上記の何れのプラスミドを基にして構築され るプラスミドから当業者によって得ることができ、これらの使用は本発明で定義 したクレームによって含まれる。このようなプラスミドを構築するためおよびこ のようなポリペプチドを得るための手順は、当業者に周知であり、多数の刊行物 に開示されている。この刊行物には、Smab-rook,Fritsch and Maniatis,Molec ular Cloning: A Laboratory Manual,2nd edition,Cold Spring Harbor Labor atory Press,USA (1989)が含まれる。 要するに、本発明の方法は、天然に存在するapoEと少なくとも実質的に同 様の細胞増殖阻害活性を有する何れのApoEでも実施しうる。 更に、本発明は、増殖細胞のDNA合成を阻害するinvivo法を提供する。この 方法は、DNA合成を阻害するのに効果的な量で該細胞とApoEを接触させる ことを具備する。本発明はまた、内皮細胞の走化性応答を阻害するinvitro法を 提供する。この方法は、走化性応答を阻害するのに効果的な量で細胞とApoE を接触させることを具備する。 ここで使用される走化性応答は、刺激に対する応答で細胞が移動することを意 味する。本発明は、成長因子にさらされることによって移動を誘発された細胞が 、ApoEと移動した細胞を接触することによって阻害される方法を提供する。 走化性応答を阻害するのに効果的な量は、増殖因子に応答して刺激された細胞の 移動を阻害するのに効果的な任意の量である。 ApoEが大動脈および角膜内皮細胞並びに乳癌細胞を含めた種々の哺乳類細 胞、メラノーマ、並びに平滑筋細胞の増殖を阻害することが、ここで開示される 。ここで使用されるカルチノーマは、悪性上皮腫瘍をいう。更に、ApoEは大 動脈内皮細胞を阻害するので血管新生を阻害するようである。血管新生、即ち新 たな血管の形成がない場合では、細胞は活発に増殖することができない。腫瘍細 胞の場合は、血管新生の抑制は増殖の阻害を起こし、これによって腫瘍の増殖が 抑 えられる。結果として、ApoEの投与は、腫瘍細胞の成長および転移の阻害を 付随した新たな血管成長の形成(血管形成)の阻害のための新たな治療である。 従って、間接的には血管形成の阻害によって、直接にはApoEによってメラノ ーマ、肉腫、リンパ腫および白血病細胞を含めた広範囲の腫瘍細胞の増殖が阻害 される。 ApoEが平滑筋細胞の増殖を阻害することがここで開示される。異常な血管 新生によるプラークおよび転移組織の形成および進行には、プラークまたは転移 組織の部位への平滑筋細胞の移動が付随する。平滑筋細胞の増殖の阻害は、プラ ークおよび転移組織の形成の進行を妨げうる。 更に、平滑筋細胞の異常な血管新生は肉腫の形成を導く。ここで使用される肉 腫は軟組織腫瘍を意味する。従って、平滑筋細胞の増殖を阻害するためのApo Eによる治療も提供され、これによってプラーク、転移組織、および肉腫の腫瘍 の形成および進行を調節するための治療が構築される。 ApoEが、異常な血管新生によって特徴づけられる疾患に悩まされている患 者の治療のために血管形成の阻害剤として治療に使用されうることを更に提供す る。異常な血管新生とは、高められ増強された血管を形成する能力を意味する。 異常な血管新生の例には、血管新生緑内障、糖尿病性網膜症、慢性関節リュウマ チ(Folkman et al.,1989)および血管腫のような疾患が含まれる。 哺乳動物の体において、細胞は活発に増殖しうる。これは、細胞が癌細胞であ るか、または外来性若しくは天然に存在す る成長因子、或いは血清因子によってまたは他の応答に対して刺激されるためで ある。好ましくはApoEは、薬学的に許容しうる担体として投与される。薬学 的に許容しうる担体には、無菌溶液、錠剤、コートされた錠剤およびカプセルの ような標準の薬学的担体のどれでも含まれる。典型的には、このような担体には 、澱粉、ミルク、砂糖、幾つかのタイプのクレイ(clay)、ゼラチン、ステンジ ン酸(stensicacid)、タルク、植物脂肪若しくはオイル、ゴム、グリコールま たは他の公知の賦形剤のような賦形剤が含まれる。このような担体はまた、香味 剤、および着色添加剤、並びに他の成分を含有しうる。 このような担体を含有する組成物は周知の従来の方法によって製剤化される。 しかし、活発に増殖する細胞の増殖を阻害するのに効果的な量でApoEを含有 する組成物は以前には知られていない。 本発明の方法において、ApoEを含有する組成物の投与は、経口、静脈内、 筋肉内、および皮下投与を含めた(しかしこれらには限定されない。)何れの周 知の方法によっても効果があり得る。 本発明の方法の実施において、組成物中に含まれるアポリポタンパクEの量は 大きく変化する。細胞の増殖を阻害するのに効果的なApoEの量は0.1mg〜 1gのApoEである。正確な量および投与量の投与頻度は、製剤の特徴、患者 の体重および症状、腫瘍のサイズ、投与の経路と頻度、並びに使用される個々の ApoEの特徴に基づいて当業者によ って容易に決定されるであろう。 〔実施例〕 本発明は、以下の例によって例示される。これらの例は特別な具体例を提供し 、本発明の理解を助けるために示されているが、以下の請求の範囲に示される本 発明の何れの方法も制限することを意図するものではなく、また制限すると考え るべきではない。 例1. 方法と材料 A. 細胞増殖を測定するのみ使用される方法と材料 細胞増殖を、異なった増殖条件下で、3H−チミジンのDNAへの取り込みを 測定することによるDNA合成(有糸分裂誘発)を含めた種々の方法によって評 価し、更に、細胞数に関連した酵素活性によって直接に細胞数を定量することに より増殖を評価した。 ポリペプチド 組換えmet−apoEは、N末端メチオニンを有するヒトApoE3異性型 (isoform)のアミノ酸配列を含んでおり(Vogel,et al.,PNAS 1985)、以下 のセクションBで説明されるように生成される。 血漿性のapoEは、S.Eiesengerg(Laboratory of Lipids,Hadassa Medic al School,Ein Kerem,Jerusalem)によって好意的に提供された。これは、E 3異性型に対して同型接合性の健康な人ボランティアから先に 示されているように誘導される血漿リポタンパク質から単離される(Rall S.C. et al.,Methods In Enzymology128:273(1986))。 apoEのアミノ酸1−217にわたるApoE6−2と命名されたApoE は、例8に示されたように生成される。 ペプチド348と命名されたApoE、apoEのアミノ酸141−155に わたるタンデムな二量体ペプチドは、例2に示されたように生成される。 C末端を除去したapoEのトロンビン消化によって生産されるApoEは、 例8に示されたように生産される。 組換えTSP18は18Kdのポリペプチドフラグメントであり、組換えTS P28は28Kdポリペプチドフラグメントであり、これらの両方とも、それぞ れヒトトロンボスポンジンのアミノ酸1〜174および1〜242を含むヘパリ ンドメインを含有する。 rFN33は、アミノ酸1329〜1722を含有するヒトフィブロネクチン の細胞結合ドメインから成る33kDの組換えポリペプチドフラグメントである が、アミノ酸1600〜1689を欠いている。33kDのポリペプチドフラグ メントをコードするpFN137−2と称されるプラスミドは、共に関連する1 988年12月29日に提出された米国特許出願番号第291,951に開示さ れ、ATCCアクセッションナンバー67910としてEscherichia coli株A4 255として寄託されている。 先にリストされた組換えポリペプチドは−70℃で凍結乾 燥され保存された。 met−apoEは、まず2mg/mlの濃度で蒸留水に溶解され、次いで0.1 倍容量の10X PBSを加えることによって再構成された。rFN33を3. 5〜5mg/mlの濃度で蒸留水に溶解した。rTSP18及び28を、まず0.5 mg/mlで蒸留水に溶解し、10mMの重炭酸ナトリウムpH9.5で平衡化したP D10カラムで脱塩し、次いで同じバッファーで溶出した。次に10X PBS の溶液の10分の1の容量を加えた。ポリペプチドサンプルを、−20℃で少量 のアリコートに保存し、1カ月以内に使用した。ヘパリン(ナトリウム、注射U SP、1000U/m10、6.25mg/ml)をリリー(Lilly)で供給した。 細胞系と試薬 ウシ大動脈内皮細胞(BAEC)は、Dr.E.Gallin(AFRY,Bethesda,MD) から好意的に提供され、5〜10継代で使用された。BAEC培養物を、通常の 方法で10%FCS、4mMグルタミン、0.5mg/mlアスコルビン酸並びに50 0u/mlペニシリン及び500u/mlストレプトマイシン(Biofluids Inc.,Rock ville,MD)を含有する低グルコースDMEMに維持された。 ウシ角膜内皮細胞(CBEC)は、Dr.D.Blake(Ma-harry Medical Collleg e,Nashville,TN)によって好意的に提供され、2〜8継代で使用された。CB EC培養物を、通常の方法で10%FCS、4mMグルタミン、50 0u/mlペニシリン、500u/mlストレプトマイシン及びフンギゾン(Fungison )(BioFluids,Rockville,MD,20850)を含有する低グルコースDMEMに維 持された。培地を2〜3日ごとに交換した。 ヒトメラノーマ細胞系A2058細胞(Todaro,et al.Proc.Natal.Acad. Sci.U.S.A.,77,5258-5262,1980)及びヒト乳房腫瘍細胞系MDA−MB43 5(Coill-ean,et al.,(1978)In Vitro 14,911-915)を、10%FCS、 4mMグルタミン、並びにBiofluids Inc.,Rockville,MD 20850,USAから購入し た500u/mlペニシリン及び500u/mlストレプトマイシンを含有する高グル コースDMEMに維持した。ヒト平滑筋線維芽細胞(SMC)を、National Ca ncer Institute,National Institute of Health,Bethesda,MarylandのDr.Ph ilip Browningから得た。 該細胞を、10%FCS、4mMグルタミン、500u/mlペニシリン及び500u /mlストレプトマイシン(Biofluidsから購入)を含有するRPMI培地で培養 した。 ミドル−T(Middle-T)抗原を発現するマウス内皮腫細胞(END2)(Will iams et al.,Cell 57:1053(1989))は、I.Voldavsky(Hadassa Medical Sch ool,Ein Kerem Jerusalem)によって提供された。END2細胞を、通常の方法 で10%FCS、4mMグルタミン、各500U/mlずつのペニシリン及びストレ プトマイシンを含有する低グルコースDMEMに維持した。 END2細胞を5〜8日間培養した後、通常70〜80%の集密度(confluen cy)で使用した。培地の成分をKibbutz Beit Haemek,Israelから得た。 チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)及び神経芽細胞腫N18TG2細 胞(Z.Vogel,Weizmann Institu-te)を、通常の方法で10%FCS、2mMグ ルタミン、各500U/mlずつのペニシリン及びストレプトマイシンを含有する 高グルコースDMEMに維持した。培地の成分を、Kib-butz Beit Haemek,Isra elから得た。 アッセイ ApoE及びbFGFは両方とも、該細胞表面及びECMの両方でヘパリン及 びHSPGに対して高い親和性を示すヘパリン結合性分子である。bFGFで刺 激された成長に関するApoEの影響を、2つの分離した系において幾つかの細 胞タイプで試験した。これは、有糸分裂誘発−DNAへの[3H]チミジンの取 り込みを追跡することによる;及び増殖−培養物中の実際の細胞数を測定するこ とによるものである。 1. 有糸分裂誘発の阻害 プロトコルM1:予め接着された密培養物(dense cul-ture) 24−ウェル組織培養プレートのインナープレートにおいて、10%FCSを 補充した0.5mlの培地に細胞を105/ウェルでまいた。3日後、該細胞をP BSで洗浄し、0.5%FCSを含有する0.5mlの培地を供給し、48時間 この培地中でそのままにしておいた(飢餓条件)。次に、試験される成長因子を 含有する血清を含まない培地を該ウェルに加え、22時間後に該細胞を[メチル −3H]チミジン(86.1Ci/mmol、NEN;2.5μCi/ウェル)で5時 間標識した。有糸分裂誘発アッセイを停止するために、該細胞を2回1mlのPB Sで洗浄し、メタノール/酢酸(3:1)溶液0.3mlで固定し、0.5mlのエ タノール(80%)で2回洗浄し、空気乾燥した。該細胞を、300μlのトリ プシン/EDTAでインキュベートし(37℃で1時間及び室温で30分)、1 00μlの1%SDSを加えることによってウェルから抽出した。抽出物の放射 活性は、シンチレーションカウンターで測定した。 プロトコルM2: 新たに付着された培地−密培養物 T−150cm2のフラスコ中の細胞の集密単層をPBSで一回洗浄し、次い で0.5%FCSを含有する培地で48時間インキュベートした(飢餓条件)。 細胞をトリプシン化し、10%FCS含有培地で洗浄し、0.1%BSAを含有 する培地に再懸濁し、種々の濃度のFCS、成長因子、及び[3H]チミジン( プロトコルM1で示された濃度で)の存在下において2×104細胞/ウェルで 24−ウェルプレートにまいた。異なった時間点(図の解説で示されている)で 有糸分裂誘発をプロトコルM1で説明したように停止した。 2. 増殖の阻害 プロトコルP1:105の細胞を35mmの培養皿にプレート化し、10%FC S含有培地中において24時間付着させ、 次いで5%FCS及び試験される成長エフェクターを含有する培地を再度供給し た。72時間後、細胞をトリプシン化することによってプレートから剥がし、こ れらの数をコールターカウンターでモニターした。 プロトコルP2:本プロトコルを、Danizot et al.,J.Immunol.Meth.89:2 71(1986)に開示された方法を基にして、細胞力価96TM非放射活性細胞検定 法(cell titer 96TM nonradioactive cell assay)(Promega #G4000)を用い て行った。5〜30×103細胞を、5%FCSと共に指示された濃度の成長エ フェクターを含有する培地において、96−ウェルの培養皿の各々のウェルにプ レート化した。72時間後、15μlの色素溶液を各々のウェルに加え、該プレ ートを更に4時間インキュベートした。次に、100μlの可溶化溶液を加え、 24時間後ウェルに保持された色素の量を、ELISAプレートリーダーを用い て、570nmでの吸光性(absorbancy)を記録することによって試験した。 3. END2血管腫モデル 上記のように成長されたEND2細胞を、培養中で5日後、中間の集密度でト リプシン化することによって取り出した。次に細胞を、10%FCSを含有する DMEMに懸濁し、遠心し、血清を含まない基底DMEMに6×106細胞/ml (または指示された別の方法によって)で再懸濁し、氷上で保存した。次に該細 胞を細胞外基質組成物(Matrigel,H.Kleinman,Dental Institute,National Insti- tutes of Health)で1:1に希釈した。0.1mlのアリコートを、雌Balb /Cマウス(20〜25g)の後ろ足に注射した。9日目に該マウスを殺し、注 射した足の腫瘍の発達を観測した。この腫瘍は、紫がかった血腫様の塊として現 れており、その大きさは最初に注射された細胞の数に相関して変化する。完全な サイズの腫瘍は、106の細胞の注射の後に発生したが、このサイズは、105の 細胞を注射した場合により著しく小さくなり、3×104の細胞で注射を行った 場合は、非常に小さな腫瘍が発生したことがわかった。従って、試験は3×105 細胞/マウスで通常行った。 4. トロンビン活性 トロンビン活性は、基本的にはLotenberg(BBA,142:556(1983))で開示さ れた着色化合物を放出する色素産生性基質の加水分解によって測定されうる。手 短に言えば、トロンビンは、合成基質Tos-Gly-Pro-Arg-パラニトロアニリンを開 裂し、パラニトロアニリン(PNA)を放出させる。該パラニトロアニリンの濃 度は405nmの吸光度から決定しうる。 B. AoEの産生 I. 組換えAoEの発現のためのホスト−ベクター系 met−ApoEの産生に使用される好ましいホスト−ベクター系は、プラス ミドpTVR590−4を内部に有している(harboring)E.coli株W1 485(ATCCNo.12435)であり、該ホストベクター系は、American Type Colture Collection(ATCC)in Rockville,MarylandにATCCアクセッ シヨンNo.67360として寄託されている。 以下に開示されるプラスミドpTVR590−4の構成は、相互に関連した継 続中の特許出願EPO公開第303,972で完全に開示されている(図15参 照)。 プラスミドpTVR590−4は、以下の要素を含有する。 a)複製の源 b)反時計回りの方向のAmpR遺伝子 c)時計回りの方向で5’から3’の順で、不完全な eoP1プロモーター配列及びlambda cI 857温度感受性抑制因子コード配列 d)反時計回りで及び5’から3’の順で、lambd aプロモーター、ベータラクラマーゼプロモーター リボソーム結合部位、ApoEのコード配列及びT 12転写末端配列。 このプラスミドは、プラスミド上にも位置している構成要素として発現された cI857温度感受性抑制因子によって熱誘導可能に制御されるバクテリオファー ジlambda(PL)の強力なレフトワードプロモーター(leftward pro-mot er)の制御下で、ApoEの高レベルの発現因子である。このプラスミドからの ApoEの産生は、42℃での熱誘導で起こる。 これは、該プラスミドが、ホストE.coli染色体にlambda cI85 7 遺伝子を予め挿入することとは独立に met−ApoEを熱誘導可能に産生しうるので、いわゆる「ホストに独立な」 発現系である。従って、このプラスミドは、非常に広範囲のホスト細菌細胞を形 質転換するのに使用しうる。開示されたホスト、E.coli W1485は、 アクセッシヨンNo.12435でATCCから自由に得られる原栄養菌性の野生 型のE.coli系である II. E.coli W1485を隠し持っているプラス ミドpTVR590−4の成長及びAoEを含有する 細菌ケーキの製造 E.coli W1485を内部に有しているプラスミドpTVR590−4 の発酵の以下の説明は、ApoEを含有する細胞ケーキを製造するための好まし い態様でるある。 1. シードフラスコ(seed flask)での発達 E.coli(ATCCNo.12435/pTVR590−4)を含有する冷 凍したバイアルの内容物を、以下の培地を含有するシードフラスコに接種するた めに使用した。 K2HPO4 9g KH2PO4 1g NaCl 5g MgSO4.7H2O 0.2g NH4Cl 1g FeNH4クエン酸塩 0.01g 追跡要素(trace element)溶液 1ml ビオチン 0.5mg グルコース 5g アンピシリン、ナトリウム塩 0.1g 脱イオン化水 1L 追跡要素の保存溶液: MnSO4.H2O 1g ZnSO4.7H2O 2.78g CoCl2.6H2O 2g Na2MoO4.2H2O 2g CaCl2.2H2O 3g CuSO4.5H2O 1.85g H3BO3 0.5g 濃HCl 100mL 脱イオン化水 900mL グルコースとアンピシリンを、培地の他の成分を圧熱滅菌した後の無菌の濃縮 した保存溶液に加えた。培養物を、30℃、250rpmにおいて回転振蓋器で 一夜インキュベートし、3.5〜5.0のOD660を得た。 2. シード物の発酵器 シードフラスコの内容物を、25〜30Lの以下の培地(1リットル当たりの 含量)を含有する50Lのシード物発酵器に接種するために使用した。 K2HPO4 8g KH2PO4 2g クエン酸ナトリウム 2g NH4Cl 2g FeNH4クエン酸塩 0.02g CaCl2.2H2O 0.04g K2SO4 0.6g 追跡要素溶液(セクション1と同様) 3ml 消泡剤(Silicolapse 5000) 2mL 無菌化の後に加えられるもの(培地1リットル当たり) MgSO47H2O 0.4g ナトリウムアンピシリン 0.1g グルコース 40〜60g NH3(25〜28%水溶液) 約40mL グルコースを接種時にバッチ式で加え、アンモニアを、成長の間pHの制御( 設定点pH=7.0)のために自動的に加えた。 培養物を、成長を行うために15〜20時間30℃でインキュベートし、通常 この時間の間にOD660が20〜30に達した。これは7.5〜12g/Lの乾 燥細胞重量(DCW)に等しい。 3. 生成物発酵器 シード物発酵器の内容物を、シード物の発酵器で説明した約360Lの製造培 地(但し、アンピシリンを除く。)を含有する750L(名目上の容積)に接種 するために使用した。培養物をOD660が10になるまで30℃でインキュベー トした。次に、発酵器の温度を42℃まで上げることによってApoEの発現の 誘導が達成された。誘導が起こった時点で 以下の発酵剤を加えた。 DL−メチオニン 培地1L当たり0.6g 酢酸ナトリウム 培地1L当たり5g 酢酸ナトリウム(0.1%〜1%)を、ApoEアナローグによって引き起こ される「毒性効果」から細胞を護るために添加した。 発酵器の温度を3時間42℃に維持し、この時間で細胞を収穫した。収穫した 時点での細胞懸濁液のOD660は通常16〜20であり、その容積は400〜4 30Lであり、DCWは5.0〜6.5g/Lである。 4. 細胞の収穫 細胞懸濁液を、250L/時間の供給速度でCEPA101管状ボール遠心器 において14,000rpm(16,000g)で遠心し、約10kgの重量の 細胞ケーキを製造し、供給した。他の方法として、細胞懸濁物を、Westfalia CS A-19連続遠心器において、500L/時間で遠心した。 沈殿物をすぐに粉砕(disrupt)するか、若しくは冷凍した。 両方の場合、懸濁物には、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動での測定 で検出しうるApoEは含まれていなかった。 III. 組換えAoEの精製 以下の方法は、工業的に応用するために適切であり、非常に純粋なApoEを 与える。一般的スキーム(スキーム1) は以下のステップAからGより成る下方に向かうプロセスである。 A マグネシウムイオンの存在下での細胞の粉砕 B トリトン(登録商標)(TRIRONR)での細胞ペレ ットの抽出 C 100Kの限外濾過 D DEAEクロマトグラフィー E Qセファロースクロマトグラフィー F CMセファロースクロマトグラフィー G 100Kの限外濾過−トリトン(登録商標)除去 以下のApoEの精製における該ステップの詳細な例を3Kgの細胞ケーキで 行った。加えて、我々は、使用した装置の大きさのスケールアップを含めたマイ ナーな変更のみで、以下に説明する方法を用いて15Kgの細胞ケーキを加工処 理することに成功した。 ステップAからDを、2バッチの細菌ケーキ(それぞれ1.5Kgの重量)で 行った。ステップDの後、この2バッチを併せ、1バッチとしてステップEから Gを進めた。ステップA、B、Cは、他の方法が示されている以外、4℃〜10 ℃で行った。全ての他の活性を室温で行った。 A. マグネシウムイオンの存在下での細胞の粉砕 1.5Kgの湿った細胞ケーキを6LのバッファーA(これは、50mMのトリ ス/HCl、30mMのMgCl2、0.25%のベータヒドロキシブチレートの ナトリウム塩、pH =7.5より成る。)に懸濁した。(ベータヒドロキシブチレートはプロテアー ゼ阻害剤として添加された。)次に、これをKinematicaのホモジネーターを用い て均質化し、7.5Lの均質物を得た。次に、Dynomill KDLビーズミル粉砕器( Willy A.Bachofen,Basel)を用いて5L/時間で粉砕を行った。得られた懸濁 液をバッファーAで3倍希釈し、22.5Lの容積を得た。この溶解産物は、6 gのApoE、即ち初めの細菌ケーキの1Kg当たり約4gのApoEを含有す る。 次に遠心を、連続CEPA-41管状ボール遠心器(Carl Padberg,Lahr/Schwarzwal d)において9L/時間の供給速度を用い、20,000rpm(17,000 g)で行った。約700gの重量で不溶性のApoEを含有するペレットを貯え 、上清を捨てた。(ApoEがMg++の存在によって不溶になることに注意。) B. トリトン(登録商標)を用いる細胞ペレットの抽出 6リットル(1:10)の抽出バッファーを該ペレットに加えた。(抽出バッ ファ:50mMトリス/HCl、20mMEDTA、0.3%トリトン(登録商標) 、pHをHClで3.0に調節した。)懸濁物を低速度でホモジナイザー(Kine matica)を用いて得た。次に別の6Lの抽出バッファを加え(1:20のペレツ ト:バッファの最終比を与える。)、1NNaOHでpHを4.5に調節した。 得られた12Lの懸濁液を室温で撹拌しながら10分間インキュベー トした。 インキュベーション後、懸濁液をCEPA41遠心器で、20L/時間の供給 速度で遠心した。約450gの重量のペレットを粉砕し、ApoEを含有する上 清溶液を1NNaOHでpH=7.5にタイトレーションし(titrat-ed)、貯 蔵した。 注:トリトン(登録商標)は以下の全てのステップに存在し、ステップGで除 かれる。 C. 100K限外濾過 このステップの目的は、限外濾過/透析によって低分子量の不純物を取り除く ことにある。 1つの100KカセットタイプのPTHKを用いるMil-lipore Pelliconの限 外濾過システムを、先のステップの上清(約12L)を約2Lに濃縮するために 使用した。供給圧力は20psigであり、濾過流速は20L/時間であった。透析 バッファーは50mMトリスHCl、10mMEDTA及び0.1%トリトン(登録 商標)、pH=7.5である。約2〜3mgのApoE/mlを含有する2Lの保持 物(ret-entate)を氷で冷却させた。 保持物を、Pellicon限外濾過システムの再循環モードを使用して、濾液の伝導 率が透析バッファーの伝導率と等しくなるまで透析した。これを、透析を停止す るための、精製全体で使用される基準とした。 D. DEAEクロマトグラフィー このステップの目的は、タンパク質及び他の細胞性物質のような不純物からA poEを分離することである。 このステップでは、1.6LのDEAEセファロースファーストフロー(Seph arose Fast Flow)カラム(ファルマシア)を使用した。流速は10カラム容積 /時間であった。これらの条件でのカラムの許容量は、4mgApoE/mlである と決定された。該カラムは第一に、DEAE平衡化バッファー(20mMトリス/ HCl、1mMEDTA、0.5%トリトン(登録商標)、pH=7.5)で平衡 にされた。 次に、先のステップからの保持物溶液(約3L)をカラムに導入し、3カラム 容積(CV)の平衡化バッファーで洗浄した。最初の溶出を、120mMNaCl を含有する3CVの平衡化バッファーを用いて行った。画分を集め、進行の状況 を、280nmで抽出物の吸光度を連続的に追跡することによってモニターした。 該画分を、コーマーシーブルー(Coomassie Blue)で染色されたSDSポリアク リルアミドゲル電気泳動で分析し、ピーク(3.1CV)のけん引エッジ部(tr ailing edge)を貯蔵した。 第二の溶出を150mMのNaClを含有する平衡化バッファーを用いて行った 。画分を集め、SDSゲル電気泳動で分析し、ピークのほとんど(3.9CV) を貯蔵した。エンドトキシンを、U.S.Pharmacopeia(U.S.P)XXI,1165-116 6(1985)。リムルスアメーバ様(LAL)細胞の細胞分解産物試験(Limulus A mebocyte Lysate(LAL) assay)で測定した。エンドトキシンのレベルは、ApoE当たり3μgである 。 DEAEセファロース後の濃縮と透析 第一及び第二の溶出物から指示された画分を、1つの100Kカセットを取り 付けたPellicon限外濾過システムを用いてプールし、透析した。透析バッファー は20mMトリス/HCl、1mMEDTA、0.1%トリトン(登録商標)、pH =7.5である。サンプルを2L(約2〜3mgApoE/ml)に濃縮し、透析し た。 E. Q−セファロース(QS)クロマトグラフィー このステップの目的は、不活性なApoEから活性なものを分離し、更にエン ドトキシンを除去することである。 このステップでは、1.6LのQSファーストフローカラム(ファルマシア) を使用した。これらの条件下でのカラムの許容量は約7mgApoE/mlであり、 流速は約10CV/時間であった。 QS平衡化バッファーは、20mMトリス/HCl、1mMEDTA、0.2%ト リトン(登録商標)、pH=7.8であった。平衡化の後、先のステップの2つ のバッチからの保持物溶液、即ち約5gのApoEを含有する約5Lのバッファ ーの全容積を併せ、カラムに導入した。このカラムを次に2.8CVの平衡化バ ッファーで洗浄した。第一の溶出を、20mMのNaClを含有する3CVの平衡 化バッファーで行い、第二の溶出を40mMのNaClを含有する約5.5 CVの平衡化バッファーで行った。上記のように画分を集め、モニターして分析 し、2.0CVを併せ、貯蔵した。エンドトキシンのレベルは、LALアッセイ で測定し、そのときには250pg/mgApoE以下であった。 70mMのNaCl及び350mMのNaClをそれぞれ含有するバッファーを用 いる2つの引き続きの溶出は、不活性なApoEを溶出した。 Q−セファロース後の濃縮と透析 QS−誘導され、貯蔵、プールされた画分を、1つの100Kカセットを使用 したMillipore Pellicon限外濾過システムを通して限外濾過することによって濃 縮及び透析した。 透析バッファーは10mMトリス/HCl、1mMEDTA、0.1%トリトン(登 録商標)、pH7.5である。サンプルを、2〜3mg/mlのApoEの濃度を維 持しながら再循環モードを用いて透析した。最終の保持物の容積は約500mlで あった。 F. CM−セファロースクロマトグラフィー このステップの目的は更にエンドトキシンを除去すること、トリトン(登録商 標)を0.05%まで下げることにある。 このステップでは、120mlのCM−セファロースファーストフロー(ファル マシア)カラムを使用した。平衡化バッファーは20mMNaCl、1mMEDTA 、0.2%トリトン(登録商標)、pH=4.8である。平衡化の後、先のステ ップで得た保持物溶液をCM−セファロースカラムに導 いた。カラムの許容量は、10mgApoE/mlであり、流速は10CV/時間で あった。 次に、カラムを以下の溶液で洗浄した。4CVの平衡化バッファー、次いで5 CVの70mMNaClを含有する平衡化バッファー、次いで2CVの20mM酢酸 ナトリウム、1mMEDTA、0.05%トリトン(登録商標)、70mMNaCl 、pH=4.8。導入及び洗浄ステップで得た溶出物を捨てた。 次にカラムを溶出した。溶出液は、8CVの20mM酢酸ナトリウム、1mMED TA、0.05%トリトン(登録商標)、300mMNaCl、pH=5.0であ る。溶出の進行は280nmの溶出物の吸光度を連続的に追跡することによってモ ニターした。(2つの異なったベースラインを溶出の間に使用した。1つは、0 .2%トリトンを含有する高U.V.吸光度のバッファーであり、もう一方は0 .05%トリトンを含有する低U.V.吸光度のバッファーである。約1.0の ODの感度のスケールを使用すると、両方のバッファーを(最下部で低い方を、 また約0.5ODで高い方を)チャートカラムに表すことができる。) ApoEを含有するサンプルをpH7.8にすぐにタイトレーションし、保存 した。このサンプルのエンドトキシンレベルは、LALアッセイによる測定で、 ApoE1mg当たり50pg以下であった。 このステップを、0.5MNaOHで一夜前洗浄し、1つの100Kカセット を含むMillipore Pellicon限外濾過 システムを用いて4℃で行った。流速は9〜12L/時間であり、挿入/圧力は 5〜10psigであった。(この低流速を使用し、トリトン(登録商標)が除去さ れるにつれApoEが集まるのを防止する。)先のステップで得られたApoE サンプル(約600mgのApoEを含有する960ml)を10mMNaHCO3バ ッファー、pH=7.7で0.5mg/mlに希釈した。 次に、該サンプルを、限外濾過システムで処理し、以下の条件をこのトリトン (登録商標)除去ステップ全体に渡って適用した。 a)トリトン(登録商標)の濃度を0.02%より低くしなければならない 。即ち、100K膜を通して効果的なトリトン(登録商標)の除去を達成するた めに、トリトン(登録商標)の濃度をその臨界のミセル濃度以下にしなければな らない。 b)ApoEを0.5mg/ml以下に希釈してはならない。 即ち、ApoE 分子の解離が起こり、これは100K膜を越えていく。 c)ApoEは1.5mg/ml以上に濃縮されてはならまい。即ち、ApoE 分子の集合が起こりうる。 限外濾過システムで使用される透析バッファーは、10mMNaHCO3、15 0mMNaCl、pH=7.8である。 上記条件に従った濃縮及び希釈の後、透析を一定容積及び一定流速で行い、該 透析を濾液の280nmでの吸光度が0.01ユニットとなったとき完了させた。 (トリトン (登録商 標)は280nmで吸収があり、0.01の吸光度は0.0005%トリトン(登 録商標)に等しい。)最終保持物の全容積は770mlであり、濾液の全容席は9 .5Lであった。 次いで、ApoEを含有する溶液を濾過し(0.2ミクロンフィルター)、8 0mlのガラス容器に−70℃で保存した。 総収率 0.3gの高純度met−apoEを3kgの細菌ケーキから回収した。Apo E(約97%純度)は、同じゲル濾過分析の条件下で試験した場合、血漿のap oEと同じ集合状態であった。ApoEサンプルは50pgよりも少ないエンドト キシン/mg蛋白質を含有する。 凍結乾燥 ApoEを凍結乾燥する場合は、トリトン(登録商標)除去ステップの透析バ ッファーは2mMNaHCO3、pH7.8、1mMシステイン/mgapoEであり 、凍結乾燥後に、apoEのサンプルを−20℃で保存した。 凍結乾燥後に、ApoEは再溶解され得、これは、その通常の生物学的活性を 保持している。凍結乾燥されたApoEは、少なくとも5年間非常に安定である 。 例2ウシ大動脈内皮細胞培養におけるApoEの効果 A. 3H チミジンの取り込みに関するApoEの影響 48時間血清を欠乏させたウシ大動脈内皮細胞(BAE C)の新たにプレート化された培養物をbFGFに加えることは、図1に示され るように1%及び2.5%FCSの両方で、対照培養物に比較して数倍[3H] チミジンの取り込みを刺激する。このDNA合成の刺激は、該培養物にApoE を添加することによって著しく阻害され、この刺激は投与量及び血清依存性であ る。1%FCSでは、0.05μM及び0.5μMApoEによる刺激が、それ ぞれ約85%及び98%であった。しかし、2.5%FCSでは該阻害はより低 くなった(即ち、それぞれ55%と85%の範囲であった)。 組換えTSPフラグメント(rTSPl8)のような他のヘパリン結合性分子 の添加によって、1%FCSで、DNA合成の阻害は更に少なくなる。2.5% FCSでは、ApoE及びrTSPによる阻害は同じである。 B. チミジンの取り込みの時間経過におけるApoEの影響 bFGF及び1%FCSの両方の存在下で、新たにプレート化されたBAEC の培養物への[3H]チミジンの取り込みの時間経過におけるApoEの影響は 、図2に示されている。[3H]チミジンの取り込みは、時間依存性であり、最 大容量は細胞の飢餓状態を停止させた後、42時間付近で達成された。0.5μ MApoEの存在下で、[3H]チミジンの取り込みは95%以上まで減少され た。[3H]チミジンの取り込みの残りの活性(2〜3%)も42時間後に最大 に達した。同様の(parallel)培養物においては、0.5 μMrTSP18又はrFN33では、それぞれ30%阻害されるか、又は全く 阻害されなかった。 C. 種々の濃度のApoEの影響 BAECの予め付着された培養物の[3H]チミジンの取り込みに関するAp oEの種々の濃度の影響を測定した。図3の例は、0.5%FCSおよびbFG Fの存在下で5nMApoEによって得られる阻害が、約45%であるが、FC Sが単独で存在する場合は、同量のApoEによる阻害が10倍低い(〜4%) ことを示している。進行している実験全体に渡って、外来的に加えられたbFG Fによる細胞の増殖の刺激が変化しうるということに注意すべきである。一般に 、細胞が、低い血清濃度(例えば0−0.5%)で、高い[3H]チミジンの取 り込みの基礎活性を示した場合、該細胞はbFGFを加えられることによって更 に刺激されない。 D. 成長因子依存性増殖におけるApoEの影響 高密度(105/ウェル)でプレート化されたBAECの予め付着された培養 物は、0%及び0.5%FCSの両方で(図4に示されているように)非常に高 レベルの[3H]チミジンの取り込みを示した。該培養物へのbFGFの添加は 、[3H]チミジンの取り込みのいずれの実質的な刺激も示さなかった。しかし 、外来性のbFGFを含有する培養物のみは、ApoEを加えることによって顕 著な阻害(〜65%)を示した。0.5%FCSのみを含有する培養物にApo E を加えた場合、ApoEの阻害の影響は、何倍も低くなった(〜5%)。即ち、 ApoEは、これらの細胞の成長因子依存性の増殖を阻害する。 E. ウシ大動脈内皮細胞へApoEを添加する時の影響 新たに付着させたBAEC培養物をbFGF及び0.5若しくは1%FCSの 存在下で成長させた。ゼロ時でのApoEと共にbFGFを添加することによっ て阻害の最大の効果が得られた。15若しくは22時間後のApoEの添加では 、阻害は両血清濃度でより低かった。この結果は図5に示されている。従って、 成長の最初の15時間は、ApoEの阻害が最も効果的である。15時間後は、 ApoEはこれらの培養物中でDNA合成を減少することに関して、おそらく影 響が少ない。該細胞は、図2に示されている時間経過を基にしてDNA合成の開 始の前の時間でApoEに対して無反応になることに注意すべきである。従って 、ApoEはおそらくS−フェーズへの参加を阻害するが、一度これが開始され ると十分にDNA合成を抑止しない。 ウシ大動脈内皮細胞の成長に関するApoEの影響を、5%FCSの存在下で 測定した。成長を3日続けた後、多数の細胞をトリプシン化すること及び直接に 計数することによって試験した。細胞を、bFGFを存在させずにプレート化し た場合、細胞数の全体の増加は、10〜15%であり、ApoEの添加に関する 細胞数の影響はなかった。しかし、bFGFを同様の培養物に添加した場合、細 胞数は、2.5倍に 増加した。ApoEと共にbFGFを添加すると、投与量依存的に成長が阻害さ れる。ApoEの濃度が0.5μM、2.5μM、及び5μMのとき、細胞の成 長の阻害は、それぞれ約10%、40%、及び50%であった。これらの増殖の 結果は、例2Dのチミジンの取り込みの結果と一致する。 ウシ大動脈(BAEC)から得られる血管内皮細胞の増殖におけるApoEの 影響を外来性のbFGFを加えることなく更に試験した。この結果によって、0 .15μM付近にIC50を有する0.5%における増殖のApoEによる阻害が 示された。100℃で60分加熱すると、ApoEの抗増殖活性の95%以上が 失われ、ApoE分子の天然型の阻害活性の依存性を示した(図21)。BAE Cの増殖の同程度の阻害もヒト血漿から単離されたapoEで観測された。 ApoEによる阻害の特異性を、ペプチド348、即ちLDL−レセプター結 合部位およびアミノ酸141−155に及ぶ強くヘパリンに結合するコンセンサ ス配列から誘導されるapoEのタンデム2量体ペプチドフラグメント(LRKL-R KRLLRDADDL)2(Dyer et al., J. Biol. Chem.266:15009 (1991))を用いて 更に示し、これは、1993年1月5日に発行された米国特許第5,177,1 89に開示されている。該ペプチド(H. C. Krutzsch (Labo-ratory of Patholo gy, NCI, NIH)によって好意的に提供された。)は、Merrifieldの標準的な固相 法によって合成され、先に開示された方法(Guo et al., PNAS89:3040 (1992) )によって精製された。 従って、BAEC細胞の増殖は0.1〜0.3μMのIC50(図20A)を有 するmet−apoEによって、及び10〜15μMのペプチド348のIC50 を有するペプチド348(図20B)によって阻害された。 met−apoEによる増殖の阻害は、細胞のタイプに対して選択性を示し、 BAEC細胞がCHO細胞(図19)及び神経芽腫細胞よりも阻害に敏感である ので血管内皮細胞に有利であるようである。 更に、外来性のbFGFを欠く場合の内皮細胞の増殖の阻害も低及び高血清濃 度で観測されていおり、これによって、apoEの抗増殖活性が、血清中に通常 存在する天然に存在する内因性の成長因子の存在下で効果的に達成されることが 示される。更に、ヘパリン依存性でないEGFのような他の成長因子の存在下で 血清依存性の増殖の阻害を観測すると、apoEによる増殖の阻害の他のメカニ ズムの存在が示唆される。 他の実験で、組換えmet−apoEを、0.5%血清濃度においてBAEC 細胞増殖アッセイで血漿のapoEと比較した。阻害の程度は、組換えmet− apoEによって示される僅かに高い程度の阻害を除いて同様であった。 更なる実験で、精製されたmet−apoEによる処理の前のBAEC細胞増 殖アッセイにおける影響を試験した。結果は、0.5%FCSでは、GuCl処 理がmet−apoEの阻害活性をわずかに増加させたが、一方、5%FCSで は、GuCl処理が阻害の程度に大きな増加をもたらしたこ とを示した。 例3. ウシ角膜内皮細胞におけるApoEの影響 A. CBECが成長因子で刺激されたの場合のapoEの影響 ウシ角膜内皮細胞(CBEC)から誘導される内皮細胞の第二のタイプの有糸 分裂誘発及び増殖に関するapoEの影響を試験した。結果をそれぞれ図7及び 8に示した。図7の結果は、CBECへの[3H]チミジンの取り込みを示して おり、これは新たに付着された培養物で、血清を2日間欠乏させた後に測定され た。0%FCSで[3H]チミジンの取り込みは相対的に低かった。取り込みは 、bFGFが培養物に加えられた場合には数倍刺激された。met−apoEの 添加(0.5μM)は、このbFGF依存性DNA合成を劇的に減少させ、90 %以上の阻害を与えた。細胞を1%若しくは2%FCSの存在下で成長させると 、これらの最初の成長が更に顕著になり、これらはbFGFの血清への添加によ って剌激されない。血清の濃度が増加すると、apoEで誘導された阻害は、1 %及び2%FCSでそれぞれ約50%及び35%まで減少された。驚くことに、 apoEによる刺激の同様のモードが、非ヘパリン結合性成長因子であると考え られるEGFで刺激されたCBEC培養物で得られる。ここで再度、apoEは EGF依存性の成長を阻害し(>90%)、更に少ない範囲まででは、血清依存 性成長(1%及び2.5%FCSでそれぞれ45%及び25%)を阻害する。 上記の結果を基にすると、ApoEは、他の哺乳類(ヒトを含む)源からの角 膜内皮細胞を、特に該細胞が活発に増殖する場合に阻害するであろう。 B. CBECが血清で刺激される場合のApoEの効果 高濃度のApoEは、CBEC培養物における血清で刺激された増殖を阻害す る。CBEC増殖に関するmet−apoEの影響を測定し、図8に示した。C BCEは、5%FCSで、及びbFGFの存在下での増殖を試験された。bFG Fによる増殖は投与量依存性で阻害され、IC50は〜1.5μMである。この場 合の増殖の阻害がbFGFの存在に依存するか否かは明確でない。しかし、Ap oEが、活発に増殖する角膜内皮細胞の増殖を阻害することは明かである。 C. ApoE阻害の可逆性 CBEC培養物のApoEによる[3H]チミジンの取り込みの阻害は図9に 示されるように可逆的である。この可逆性は、ApoEを培養物に与える量と時 間に依存する。新たに付着されたCBEC培養物が、1%FCS及びbFGFの 存在下において、有糸分裂誘発実験(40時間)の全範囲において1.0及び1 .5μMのmet−apoEに維持された場合、阻害は、それぞれ30%及び5 0%であった。しかし、ApoEが最初の22時間でのみ与えられた場合、40 時間の取り込みの後の1.0及び1.5μMによる阻害は、より低かった(例え ば、それぞれ5%及び15%のオーダー である。)。 D. CBECのタンパク合成におけるApoEの影響 CBECのタンパク合成を、メチオニンを1時間欠いた後にS35−メチオニン を添加(6時間)して、図13に示されるように測定した。met−apoE( 0.5μM)を同様の2種類の培養物に加えた場合は、S35−メチオニンの蛋白 質への取り込みはapoEを用いない対照と同一であった。両方とも、取り込み は約60%であった。したがって、ApoEの添加はタンパク合成に直接影響し ない。 例4. メラノーマ細胞におけるApoEの影響 ヒトA2058Hメラノーマ細胞のDNA合成を新たに付着させた培養物で 、及び0.5%FCSとbFGFの存在下で、さらにmet−apoE、rTS P18(rTSP18)及びrFN33の添加に続いて図10に示されるように 試験した。0.5及び1.0μMでApoEを添加するとそれぞれ約40%及び 75%の阻害が起こる。このような阻害は、平行して添加された他の分子では全 く観測されなかった。実際は、0.5μMのTSP若しくはFNの添加で、[3 H]チミジンの取り込みが2〜2.5倍刺激される。 例5. カルチノーマ細胞におけるApoEの影響 ヒト乳房腫瘍(MDA)細胞のDNA合成を、0.5%FCS及びbFGF 中の新たに付着された培養物で図11に 示されるように測定した。0.5μMのmet−apoE又はrTSP18の添 加によって、[3H]チミジンの取り込みを約60%及び45%まで阻害した。 ヘパリンによるDNA合成の阻害は低かった(30%の範囲である。)。 例6. 平滑筋細胞におけるApoEの影響 ヒト平滑筋細胞(SMC)の増殖におけるapoEの影響を0.5%及び5% FCSで試験した。0.5%FCS及び高濃度のmet−apoE(4μM)の 存在下において、血清及びbFGF依存性増殖の両方で強い阻害が観測された( 両方の場合で約80%の阻害)。血清濃度を5%まで増加させると、同濃度のm et−apoEによって得られる阻害がより低くなる (血清及びbFGF−依 存性増殖の両方に対して約30%)。結果を図12に示した。このように、Ap oEは、活発に増殖するヒト平滑筋細胞の増殖を阻害する。 例7. マウス内皮細胞におけるApoEの影響 ApoEの抗増殖活性及び抗血管形成活性をマウス内皮腫細胞END2(Will iams, Cell 1989)を用invitro及びin vivoで更に行った。END2は、ポリオ ーマミドルT−抗原で形質転換されたマウス内皮細胞であり、in vivoで紡錘型 細胞を、in vitroで血管の腫瘍及び血管腫を発生する。これらの細胞は、血管形 成を研究するためのモデルシステムとしてin vivoで使用される。細胞増殖を、 プロトコルP1に従って例1で説明したようにアッセイした。 met−apoEは、培養物中のEND2細胞の増殖を、0.5%FCSで0. 25μMIC50を有して阻害した(図18)。他のApoEによる増殖の阻害は 例8に示されている。 加えて、ApoEが内皮腫モデルにおいてin vivoで血管形成由来の病巣及び 血管腫の発達を阻害する。このように、8日間、1日当たり0.4mg/マウスの 濃度でのmet−apoEの静脈内(i.v.)投与によって、ApoEで処理 されていない対照と比較して血管腫の大きさを40〜60%減少させた。 10匹のマウスから成るグループに、上記のEND2細胞のマトリゲル(Matr igel)を用いて注射した。次に、該グループを0.2ml生理食塩水(対照グルー プ)又は2mg/mlmet−apoEを含有する0.2ml生理食塩水(実験グル ープ)の何れかで処理した。該動物を9日目に殺し、腫瘍を0〜3(0=腫瘍な し)のスケールに点数化した。結果を表1に示した。 結果から、Wilcoxon Rank Sum Testに従つて、有意(P<0.005)である ことがわかった。 上記の結果を基にして、ApoEがヒトの血管腫を治療するのに効果的である 。 例8. AOP Eフラグメント 先に説明したように、ApoEは、血漿からのリポタンパク質粒子の除去を管 理するため、即ち「可逆性コレステロールヘモスタシス」を管理するために、及 び肝臓へのレセプター依存性エンドサイトーシスを媒介するために、リポタンパ ク質粒子に結合する特異的能力を有する。血漿に含まれるリポタンパク質粒子の 数が高いので、少量で腫瘍部位に運ぶことに関して、ApoEがリポタンパク質 に結合してしまい、抗増殖剤として機能させるようには利用し得ないであろう。 従って、完全長さのApoE(例えばmet−apoE)は、血清若しくは血漿 の存在下で、腫瘍に大量に運ぶことによってのみ細胞の増殖を阻害しうる。 この欠陥は、apoE配列を開裂し、カルボキシ末端に存在するタンパク結合 性ドメインを除去することによって回避することができる。タンパク質分解酵素 によりapoEが開裂され、カルボキシル末端脂質親和性ドメインが脱離される と、残りのアミノ酸の末端フラグメントは、もはやリポタンパク粒子へ結合する ための通常の親和性を有していないが、まだヘパリン及びヘパラン硫酸プロテオ グリカンに容易に結合する。従って、少量のApoEで十分に細胞増殖の阻害が 得られるであろう。 特別な態様では、タンパク質分解酵素を用いでカルボキシ ル末端を開裂し、例えばApoEフラグメントは、アミノ末端を含有する22K フラグメントを生成することによって天然に存在するapoEの完全な配列を含 むapoEから生産される(Thuren, 1992)。使用されうるタンパク質分解酵 素の一例はトロンビンである。トロンビンにより組換えmet−apoEが消化 されると、1種類の22kDフラグメント及び1種類の10kDフラグメントが 得られる。該22kDフラグメントは、最初の191アミノ酸末端残基を有して おり、マンガンヘパリン硫酸塩及びヘパリンに対する結合部位、並びに低密度リ ポタンパク(LDL)レセプターに対する結合部位を有しているが、天然のリポ タンパク質と相互作用する能力は減少されている。 血漿中のapoEの遊離型(free form)の量の増加及び脂質粒子によるその 滞留の減少を得るための改良された方法は、組換えDNA技術によってカルボキ シル末端からapoEの主要な脂質結合ドメインの欠如されたApoEフラグメ ントを生成することによっている。 特異的な態様では、apoEのアミノ酸1−217に渡るApoEポリペプチ ドフラグメント、即ちApoE6−2がコードされ、これはプラスミドpTVR 6−2によって発現される(図17)。この28KD MW ApoEも、細胞 増殖に関してその影響を試験した。このApoEの精製は、マイナーな変更を伴 っているが例1で説明したmet−apoEの精製と同様である。このマイナー な変更の1つは、限外濾過で、100K遮断膜の代わりに50Kのものを用いる ことである。次に、精製されたポリペプチドを6Mの尿素で処理し、透析して尿 素を除去した。 ApoE6−2は、BAEC培養物の増殖を阻害し、0.5%及び2.5%F CSの両方で、それぞれ0.3μM付近にID50を有する。このように、高い血 清濃度で実質的な活性の減少を示すmet−apoEと対照的に、ApoE6− 2は血清の濃度の増加による影響がより少ない。 このApoEはまた、END−2細胞の増殖を阻害することも見いだされた。 END−2の増殖を、図18に示したように、0.5%FCS及び指示された量 のApoE6−2の存在下で測定した。 これらの結果を基にして、このApoE及び同様のApoEのフラグメントは 、in vivo(血清濃度が100%の場合。)で高い抗増殖活性及び抗血管形成活 性を提供する。 例9. ApoEによるヘパリンの抗トロンビン活性の逆転 この例では、ヘパリン−抗トロンビンIII−トロンビン複合体においてヘパ リンの活性に関するApoEの影響を示す。ヘパリンは、抗トロンビンIIIを 活性化し、これは次にトロンビン活性を阻害する。ApoEによってこの複合体 からヘパリンを隔離することによって、抗トロンビンIIIの不活性化が起こり 、トロンビン活性の付随した増加が起こる。このApoEの効果は投与量依存性 である(図25)。反応の化学両諭は、ApoEがヘパリンに高親和性を示し、 ApoE 1モルが2〜3モルのヘパリンと結合することを示した。トロンビン活性は例1 に示されているようにアッセイした。より特異的には、140μlから成る全容 積において、抗トロンビン(2.9U/mlで50μl、シグマ)、ヘパリン(15 μl Eli Lilly 14KD、0.4USP/ml;反応において2μMの最 終濃度)及び、met−apoE(60μM溶液の指示された希釈物の15μl )を30秒間プレインキュベートした。次に、トロンビン(10μl、20U/ml 、シグマ)を加え、反応混合物を更に30秒インキュベートし、これに続いて、 染色体基質(2μM、シグマ)を加えた。結果を図25に示した。使用された反 応条件下では、ヘパリンによるトロンビン活性の減少は、met−apoEが6 4倍に希釈されるまで観測されなかった。トロンビン活性の50%阻害は、Ap oEの約1:100希釈(0.6μM)で達成された。従って、ApoEの1分 子は、約2〜3分子のヘパリンを結合しうる。参照文献

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 活発に増殖している細胞の増殖を阻害するための方法であって、活発に 増殖している細胞を、増殖を阻害するのに効果的な量のアポリポタンパクEと接 触することを具備する方法。 2. 請求の範囲第1項に記載の方法であって、該細胞がヒト平滑筋細胞であ る方法。 3. 請求の範囲第1項に記載の方法であって、該細胞が内皮細胞である方法 。 4. 請求の範囲第3項に記載の方法であって、該内皮細胞が大動脈内皮細胞 である方法。 5. 請求の範囲第3項に記載の方法であって、該内皮細胞が角膜内皮細胞で ある方法。 6. 請求の範囲第1項に記載の方法であって、該細胞が腫瘍細胞である方法 。 7. 請求の範囲第6項に記載の方法であって、該細胞がヒトメラノーマであ る方法。 8. 請求の範囲第6項に記載の方法であって、該細胞がヒト乳房腫瘍細胞で ある方法。 9. 請求の範囲第6項に記載の方法であって、該細胞がヒト肉腫細胞である 方法。 10. 請求の範囲第6項に記載の方法であって、該細胞がカルチノーマ細胞 である方法。 11. アポリポタンパクE及び適切な担体を含有する活発に増殖している細 胞の増殖を阻害するための組成物。 12. 過度の細胞増殖に苦しんでいる患者を治療するための方法であって、 過度の細胞増殖を阻害するのに効果的な量のアポリポタンパクEを患者に投与す ることを具備した方法。 13. 請求の範囲第12項に記載の方法であって、該アポリポタンパクEが 化学療法剤と組み合わせて投与される方法。 14. 請求の範囲第12項に記載の方法であって、該アポリポタンパクEが 照射治療と組み合わせて投与される方法。 15. 請求の範囲第12項に記載の方法であって、該過度の細胞増殖が腫瘍 を含有している方法。 16. 請求の範囲第15項に記載の方法であって、該腫瘍細胞がヒトメラノ ーマ細胞である方法。 17. 請求の範囲第15項に記載の方法であって、該腫瘍細胞がヒト乳房腫 瘍細胞である方法。 18. 請求の範囲第15項に記載の方法であって、該腫瘍細胞がヒト肉腫細 胞である方法。 19. 請求の範囲第12項に従った方法であって、該過度の細胞増殖が異常 な血管新生を含有する方法。 20. 請求の範囲第19項に記載の方法であって、該異常な血管新生が血管 新生性緑内障である方法。 21. 請求の範囲第19項に記載の方法であって、該異常な血管新生が糖尿 病性網膜症である方法。 22. 請求の範囲第19項に記載の方法であって、該異常な血管新生が慢性 関節リュウマチに存在する方法。 23. 請求の範囲第19項に記載の方法であって、該異常な血管新生が血管 腫である方法。 24. 請求の範囲第12項に記載の方法であって、該アポリポタンパクEが 静脈内的に投与される方法。 25. 請求の範囲第12項に記載の方法であって、該アポリポタンパクEが 皮下的に投与される方法。 26. 請求の範囲第12項に記載の方法であって、該アポリポタンパクEが 筋肉内的に投与される方法。 27. 過度の細胞増殖を阻害するのに効果的な量でアポリポタンパクE、及 び薬学的に許容しうる担体を含有する薬学的組成物。 28. 請求の範囲第27項に記載の組成物であって、該過度の細胞増殖が腫 瘍である組成物。
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