JPWO2005074219A1 - データ送信装置、データ受信装置、伝送路符号化方法および復号方法 - Google Patents
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Abstract
データ部については、各シンボルの信号レベルの極性が1シンボル毎に常に反転するようにマッピングする。一方、ヘッダ部については、データ部とヘッダ部とを判別するための判別シンボルが含まれ、かつ、判別シンボルの信号レベルが、判別シンボルの直前にマッピングされたシンボルと同一の信号レベルとなるようにマッピングする。これにより、ヘッダ部とデータ部とを受信側の機器において確実に判別することができるようなデータ転送が可能となる。
Description
本発明は、データ送信装置、データ受信装置、伝送路符号化方法および復号方法に関し、より特定的には、送信データの各シンボルを複数の信号レベルのいずれかにマッピングすることによって生成された信号を送信または受信するためのデータ送信装置、データ受信装置、伝送路符号化方法および復号方法に関する。
従来、2台の機器間でデジタルオーディオデータを転送する際には、例えばS/PDIF(Sony/Philips Digital Interface)のフォーマットに規定されているように、一般にバイフェーズマーク変調が用いられる。バイフェーズマーク変調では、図18に示すように、元データの各ビットが2つの論理値でそれぞれ表される。バイフェーズマーク変調後において、元データの論理「1」については1ビット期間の中央で状態遷移が生じ(例えば0→1または1→0)、元データの論理「0」については1ビット期間の中央でも状態遷移が生じない(例えば0→0または1→1)。さらに、元データの各ビットの境界では論理値が必ず反転する(つまりバイフェーズマーク変調後において、直前の論理値が0なら1に、1なら0に反転する)。
このように、バイフェーズマーク変調を用いれば、元データの各ビットの境界において論理値が必ず変化するため、元データにおいて0や1が連続するような場合でも、別途クロック信号を送信することなく、受信側の機器は転送データからクロック信号を容易に再生することができる。
なお、機器間で転送されるデータには、一般に、上述のようにバイフェーズマーク変調されたオーディオデータに加えて、このオーディオデータの同期を取るための8ビットのプリアンブル(バイフェーズマーク変調前の元データで4ビット分のサイズに相当)が付加される。プリアンブルについてはバイフェーズマーク変調が適用されず、プリアンブルのビット列には0または1が3つ以上連続して含まれる。ところで、バイフェーズマーク変調されたデータには、前述のように元データの各ビットの境界において必ず論理値が反転するため、0または1が3つ連続して含まれることはあり得ない。したがって、受信側の機器では、0または1を3つ連続して受信したか否かを判別することにより、オーディオデータ部分とプリアンブル部分とを容易に判別することができる。なお、プリアンブルには予め複数のパターンが用意されており、例えばブロックの先頭を示すもの(Bプリアンブル)や、Rチャネルのサブフレームの先頭を示すもの(Mプリアンブル)や、Lチャネルのサブフレームの先頭を示すもの(Wプリアンブル)がある。
S/PDIFでは、図19に示すように、フレーム(S/PDIFフレーム)単位でデータ転送が行われ、データ部には前述のバイフェーズマーク変調が適用される。また、データ部の先頭には前述のようなプリアンブル(ヘッダ)が付加される。図20に、S/PDIFで利用される各ヘッダ(Bヘッダ、Mヘッダ、Wヘッダ)のパターンを示す。なお、S/PDIFフレームのヘッダ部とデータ部の境界では符号が必ず反転するため、各ヘッダのパターンとしては、直前の符号に応じた2通りのパターンが用意されている。
図21に、従来のS/PDIFの送受信装置の代表的な構成を示す。送受信装置90には、S/PDIFコントローラ91、E/O変換器92、O/E変換器93が設けられている。S/PDIFコントローラ91には送信データが入力され、S/PDIFコントローラ91は、送信データに対してバイフェーズマーク変調を行うとともに、ヘッダ部(Bヘッダ、Mヘッダ等)を適宜付加して、図19に示したようなS/PDIFフレームをE/O変換器92へと出力する。E/O変換器92は、S/PDIFコントローラ91からのS/PDIFフレーム(電気信号)を光信号に変換し、光ファイバ94を通じて光信号を他の送受信装置へ出力する。一方、送受信装置90には、光ファイバ95を通じて他の送受信装置からの光信号が入力される。入力された光信号は、O/E変換器93によって電気信号に変換され、図19に示したS/PDIFフレームとしてS/PDIFコントローラ91に入力される。S/PDIFコントローラ91は、S/PDIFフレームのヘッダ部に基づいてヘッダ種別を判別しつつ、データ部をバイフェーズマーク復号して受信データを出力する。
なお、S/PDIFはPOF(プラスチック光ファイバ)を用いたデータ転送に最適化された通信プロトコルではあるが、伝送媒体としてツイストペアケーブルや同軸ケーブルなどの導線を利用することもできる。導線を利用することのメリットとしては、扱いが容易であることが挙げられる。
ところが、バイフェーズマーク変調を用いたデータ転送は、クロック信号の転送が不要となる反面、所定のデータ転送速度を実現するのに必要となる伝送帯域が増大してしまう。例えば、図21に示すように、25Mbpsの実効転送速度を実現するために、S/PDIFでは50Mbpsのデータ転送速度が必要となる。よって、車載機器などから出力されるバイフェーズマーク変調された送信データをそのまま車内ネットワークに送出すると、伝送媒体として外部に影響を与える可能性の少ないツイストペアケーブルを用いたとしても、外部に放出される電磁放射の影響は無視できなくなる。
そこで、上記の問題を解決するために、S/PDIFコントローラ91から出力された送信データの各2ビットを1シンボルとして所定の信号レベルにマッピングして伝送することが考えられる(例えば、国際公開第02/30075号パンフレット(第16図、第17図)参照。)。
図22に、S/PDIFフレームをツイストペアケーブルで伝送する際の送受信装置の構成例を示す。図22において、S/PDIFコントローラ91から出力されたS/PDIFフレーム(シリアルデータ)は、s/p変換部97において2ビット毎のパラレルデータに変換される。8値マッピング部98は、s/p変換部97から順次出力される2ビットのデータを1シンボルとして所定の信号レベルにマッピングする(より正確には直前のシンボルに対する信号レベルの変動量に対して各シンボルをマッピングしているのであるが、ここでは詳細な説明を省略する。)。図23に、この8値マッピング部98の処理結果の一例を示す。この8値マッピング部98の処理結果は、D/A変換部99においてアナログ信号に変換された後、差動ドライバ100を通じてツイストペアケーブル105に出力される。なお、図示は省略するが、送受信装置96には、例えば、8値マッピング部98の後段において、ロールオフフィルタ等のデジタルフィルタが設けられ、D/A変換部99の後段などにおいて、適宜アナログフィルタが設けられる。
一方、差動レシーバ104にはツイストペアケーブル106を通じて受信した他の機器からの信号が入力される。この受信信号は、差動レシーバ104を通じてA/D変換部103に入力され、デジタル信号に変換される。A/D変換部103からの出力データは8値判定部102に供給され、各シンボルが、その信号レベルに基づいて2ビットのパラレルデータに変換される。8値判定部102から出力された2ビット毎のパラレルデータはp/s変換部101においてシリアルデータに変換され、S/PDIFコントローラ91に入力される。このp/s変換部101の出力は図19に示したS/PDIFフレームに相当する。S/PDIFコントローラ91は、入力されたS/PDIFフレームに基づいて受信データを出力する。
このように、S/PDIFコントローラ91から出力された送信データの各2ビットを1シンボルとして所定の信号レベルにマッピングして伝送することにより、1ビットを1シンボルとして伝送する場合に比べて、シンボルレートを半分に抑えることができ、電磁放射を低減することができる。なお、図23に示すようにシンボル毎に信号レベルの極性が常に反転するようにマッピングすることによって、送信信号には常にシンボル周波数の半分の周波数成分が含まれることになるので、受信側の機器において、PLL(Phase Lock Loop)による、より確実なクロック再生が可能となる。
このように、バイフェーズマーク変調を用いれば、元データの各ビットの境界において論理値が必ず変化するため、元データにおいて0や1が連続するような場合でも、別途クロック信号を送信することなく、受信側の機器は転送データからクロック信号を容易に再生することができる。
なお、機器間で転送されるデータには、一般に、上述のようにバイフェーズマーク変調されたオーディオデータに加えて、このオーディオデータの同期を取るための8ビットのプリアンブル(バイフェーズマーク変調前の元データで4ビット分のサイズに相当)が付加される。プリアンブルについてはバイフェーズマーク変調が適用されず、プリアンブルのビット列には0または1が3つ以上連続して含まれる。ところで、バイフェーズマーク変調されたデータには、前述のように元データの各ビットの境界において必ず論理値が反転するため、0または1が3つ連続して含まれることはあり得ない。したがって、受信側の機器では、0または1を3つ連続して受信したか否かを判別することにより、オーディオデータ部分とプリアンブル部分とを容易に判別することができる。なお、プリアンブルには予め複数のパターンが用意されており、例えばブロックの先頭を示すもの(Bプリアンブル)や、Rチャネルのサブフレームの先頭を示すもの(Mプリアンブル)や、Lチャネルのサブフレームの先頭を示すもの(Wプリアンブル)がある。
S/PDIFでは、図19に示すように、フレーム(S/PDIFフレーム)単位でデータ転送が行われ、データ部には前述のバイフェーズマーク変調が適用される。また、データ部の先頭には前述のようなプリアンブル(ヘッダ)が付加される。図20に、S/PDIFで利用される各ヘッダ(Bヘッダ、Mヘッダ、Wヘッダ)のパターンを示す。なお、S/PDIFフレームのヘッダ部とデータ部の境界では符号が必ず反転するため、各ヘッダのパターンとしては、直前の符号に応じた2通りのパターンが用意されている。
図21に、従来のS/PDIFの送受信装置の代表的な構成を示す。送受信装置90には、S/PDIFコントローラ91、E/O変換器92、O/E変換器93が設けられている。S/PDIFコントローラ91には送信データが入力され、S/PDIFコントローラ91は、送信データに対してバイフェーズマーク変調を行うとともに、ヘッダ部(Bヘッダ、Mヘッダ等)を適宜付加して、図19に示したようなS/PDIFフレームをE/O変換器92へと出力する。E/O変換器92は、S/PDIFコントローラ91からのS/PDIFフレーム(電気信号)を光信号に変換し、光ファイバ94を通じて光信号を他の送受信装置へ出力する。一方、送受信装置90には、光ファイバ95を通じて他の送受信装置からの光信号が入力される。入力された光信号は、O/E変換器93によって電気信号に変換され、図19に示したS/PDIFフレームとしてS/PDIFコントローラ91に入力される。S/PDIFコントローラ91は、S/PDIFフレームのヘッダ部に基づいてヘッダ種別を判別しつつ、データ部をバイフェーズマーク復号して受信データを出力する。
なお、S/PDIFはPOF(プラスチック光ファイバ)を用いたデータ転送に最適化された通信プロトコルではあるが、伝送媒体としてツイストペアケーブルや同軸ケーブルなどの導線を利用することもできる。導線を利用することのメリットとしては、扱いが容易であることが挙げられる。
ところが、バイフェーズマーク変調を用いたデータ転送は、クロック信号の転送が不要となる反面、所定のデータ転送速度を実現するのに必要となる伝送帯域が増大してしまう。例えば、図21に示すように、25Mbpsの実効転送速度を実現するために、S/PDIFでは50Mbpsのデータ転送速度が必要となる。よって、車載機器などから出力されるバイフェーズマーク変調された送信データをそのまま車内ネットワークに送出すると、伝送媒体として外部に影響を与える可能性の少ないツイストペアケーブルを用いたとしても、外部に放出される電磁放射の影響は無視できなくなる。
そこで、上記の問題を解決するために、S/PDIFコントローラ91から出力された送信データの各2ビットを1シンボルとして所定の信号レベルにマッピングして伝送することが考えられる(例えば、国際公開第02/30075号パンフレット(第16図、第17図)参照。)。
図22に、S/PDIFフレームをツイストペアケーブルで伝送する際の送受信装置の構成例を示す。図22において、S/PDIFコントローラ91から出力されたS/PDIFフレーム(シリアルデータ)は、s/p変換部97において2ビット毎のパラレルデータに変換される。8値マッピング部98は、s/p変換部97から順次出力される2ビットのデータを1シンボルとして所定の信号レベルにマッピングする(より正確には直前のシンボルに対する信号レベルの変動量に対して各シンボルをマッピングしているのであるが、ここでは詳細な説明を省略する。)。図23に、この8値マッピング部98の処理結果の一例を示す。この8値マッピング部98の処理結果は、D/A変換部99においてアナログ信号に変換された後、差動ドライバ100を通じてツイストペアケーブル105に出力される。なお、図示は省略するが、送受信装置96には、例えば、8値マッピング部98の後段において、ロールオフフィルタ等のデジタルフィルタが設けられ、D/A変換部99の後段などにおいて、適宜アナログフィルタが設けられる。
一方、差動レシーバ104にはツイストペアケーブル106を通じて受信した他の機器からの信号が入力される。この受信信号は、差動レシーバ104を通じてA/D変換部103に入力され、デジタル信号に変換される。A/D変換部103からの出力データは8値判定部102に供給され、各シンボルが、その信号レベルに基づいて2ビットのパラレルデータに変換される。8値判定部102から出力された2ビット毎のパラレルデータはp/s変換部101においてシリアルデータに変換され、S/PDIFコントローラ91に入力される。このp/s変換部101の出力は図19に示したS/PDIFフレームに相当する。S/PDIFコントローラ91は、入力されたS/PDIFフレームに基づいて受信データを出力する。
このように、S/PDIFコントローラ91から出力された送信データの各2ビットを1シンボルとして所定の信号レベルにマッピングして伝送することにより、1ビットを1シンボルとして伝送する場合に比べて、シンボルレートを半分に抑えることができ、電磁放射を低減することができる。なお、図23に示すようにシンボル毎に信号レベルの極性が常に反転するようにマッピングすることによって、送信信号には常にシンボル周波数の半分の周波数成分が含まれることになるので、受信側の機器において、PLL(Phase Lock Loop)による、より確実なクロック再生が可能となる。
しかしながら、図23に示すようなマッピングによって1シンボルで2ビット分の情報を伝送する場合、各シンボルを8つの信号レベルのいずれかにマッピング(以下、このようなマッピングを8値マッピングと称す。)しているため、受信側において信号レベルを判定するための閾値の間隔が狭くなってしまい、伝送誤りが発生しやすいという問題がある。
そこで本願の発明者らは、上記の問題を解決するために、バイフェーズマーク変調されたS/PDIFフレームのデータ部を、バイフェーズマーク変調前のデータ列に戻してから、図24に示すように、各シンボルを4つの信号レベルのいずれかにマッピング(以下、このようなマッピングを4値マッピングと称す。)して伝送することを考えついた。これにより、シンボルレートを上げることなく、信号レベルを判定するための閾値の間隔を8値マッピングに比べて広げることができるため、より誤りの少ないデータ伝送が可能となる。
しかしながら、S/PDIFフレームに上記の4値マッピングを適用しようとした場合、ヘッダ部の扱いが問題となることが判明した。つまり、ヘッダ部(8ビット)は元データをバイフェーズマーク変調することによって生成したものではないので4ビットのデータとして伝送することができず、8ビットのヘッダ部に4値マッピングを適用して伝送しようとすると、ヘッダ部の転送に8シンボル期間を要してしまう。その結果、S/PDIFフレームのフレーム周期が変化してしまい、S/PDIFフレームのスムーズな転送に支障が生じてしまうという問題がある。また、仮に8ビットのヘッダ部を4ビットのデータに適宜変換してから4値マッピングを適用して伝送したとしても、データ部のビット列の一部が偶然にヘッダ部のビット列と一致することがあり得るため、受信側の機器においてヘッダ部とデータ部とを間違いなく確実に判別することは難しい。
それゆえに、本発明は、例えば上述したS/PDIFフレームのヘッダ部のようにデータ部と区別して伝送すべき非データ部とデータ部とを受信側の機器において確実に判別することができるようなデータ送信装置、データ受信装置、伝送路符号化方法および復号方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号等は、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
本発明の伝送路符号化方法は、送信データの各シンボルを複数の信号レベル(+1.5、+0.5、−0.5、−1.5)のいずれかにマッピングするためのものである。この伝送路符号化方法では、データ部については、ある基準レベル(0)に対する各シンボルの信号レベルの大小関係(極性)が1シンボル毎に常に反転するようにマッピングする。つまり、データ部の第N(Nは任意の整数)番目のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも大きい場合には、そのシンボルの次のシンボルである第N+1番目のシンボルの信号レベルは基準レベルよりも小さくなるようにマッピングし、一方、データ部の第N番目のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも小さい場合には、第N+1番目のシンボルの信号レベルは基準レベルよりも大きくなるようにマッピングする。また、例えばヘッダ部のように、データ部と区別して伝送すべき非データ部については、データ部と非データ部とを判別するための判別シンボルが含まれ、かつ、基準レベルに対する判別シンボルの信号レベルの大小関係が判別シンボルの直前のシンボルと同一の大小関係となるようにマッピングする。つまり、判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも大きい場合には、判別シンボルの信号レベルは基準レベルよりも大きくなるようにマッピングし、一方、判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも小さい場合には、判別シンボルの信号レベルは基準レベルよりも小さくなるようにマッピングする。これにより、受信側の機器(26)では、データ部と非データ部とを確実に判別することが可能となる。なお、本発明は、S/PDIFフレームの送受信に好適に適用することができるが、本発明の適用範囲はS/PDIFに限定されるものではない。
なお、判別シンボルについては、判別シンボルの直前のシンボルと同一の信号レベルとなるようにマッピングしても良い。これにより、受信側の機器では基準レベルを意識することなく判別シンボルを確実に検出することが可能となる。したがって、車内環境など、固定的な基準レベルが得られにくい環境では特に有効である。
また、判別シンボルは、非データ部を構成するシンボル列に含まれるいずれのシンボルであっても構わない。非データ部の先頭に判別シンボルを設けるようにすれば、受信側の機器において、非データ部の先頭をより早く判別することが可能となるので、より好ましい。
また、本発明のデータ送信装置(10)は、送信データの各シンボルを複数の信号レベル(+1.5、+0.5、−0.5、−1.5)のいずれかにマッピングして送信するためのものであって、送信データを、ある基準レベル(0)に対する各シンボルの信号レベルの大小関係(上位レベル、下位レベル)が1シンボル毎に常に反転するようにマッピングするデータマッピング部(18)と、データ部と区別して伝送すべき非データ部(ヘッダ部)を、データ部と非データ部とを判別するための判別シンボルが含まれるようにマッピングし、かつ基準レベルに対する判別シンボルの信号レベルの大小関係が判別シンボルの直前のシンボルと同一の大小関係となるようにマッピングする非データマッピング部(16)とを備える。
また、本発明のデータ受信装置(26)は、送信データの各シンボルを複数の信号レベル(+1.5、+0.5、−0.5、−1.5)のいずれかにマッピングして送信された伝送信号を受信するためのものであって、伝送信号の信号レベルの変動パターンから、伝送信号のデータ部と非データ部(ヘッダ部)とを判別するための判別シンボルを検出する判別シンボル検出部(30)と、判別シンボル検出部の検出結果に基づいて伝送信号のデータ部からデータを再生するデータ判定部(34)と、判別シンボル検出部の検出結果に基づいて伝送信号の非データ部から非データ情報(ヘッダ情報)を再生する非データ判定部(32)とを備える。
そこで本願の発明者らは、上記の問題を解決するために、バイフェーズマーク変調されたS/PDIFフレームのデータ部を、バイフェーズマーク変調前のデータ列に戻してから、図24に示すように、各シンボルを4つの信号レベルのいずれかにマッピング(以下、このようなマッピングを4値マッピングと称す。)して伝送することを考えついた。これにより、シンボルレートを上げることなく、信号レベルを判定するための閾値の間隔を8値マッピングに比べて広げることができるため、より誤りの少ないデータ伝送が可能となる。
しかしながら、S/PDIFフレームに上記の4値マッピングを適用しようとした場合、ヘッダ部の扱いが問題となることが判明した。つまり、ヘッダ部(8ビット)は元データをバイフェーズマーク変調することによって生成したものではないので4ビットのデータとして伝送することができず、8ビットのヘッダ部に4値マッピングを適用して伝送しようとすると、ヘッダ部の転送に8シンボル期間を要してしまう。その結果、S/PDIFフレームのフレーム周期が変化してしまい、S/PDIFフレームのスムーズな転送に支障が生じてしまうという問題がある。また、仮に8ビットのヘッダ部を4ビットのデータに適宜変換してから4値マッピングを適用して伝送したとしても、データ部のビット列の一部が偶然にヘッダ部のビット列と一致することがあり得るため、受信側の機器においてヘッダ部とデータ部とを間違いなく確実に判別することは難しい。
それゆえに、本発明は、例えば上述したS/PDIFフレームのヘッダ部のようにデータ部と区別して伝送すべき非データ部とデータ部とを受信側の機器において確実に判別することができるようなデータ送信装置、データ受信装置、伝送路符号化方法および復号方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号等は、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
本発明の伝送路符号化方法は、送信データの各シンボルを複数の信号レベル(+1.5、+0.5、−0.5、−1.5)のいずれかにマッピングするためのものである。この伝送路符号化方法では、データ部については、ある基準レベル(0)に対する各シンボルの信号レベルの大小関係(極性)が1シンボル毎に常に反転するようにマッピングする。つまり、データ部の第N(Nは任意の整数)番目のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも大きい場合には、そのシンボルの次のシンボルである第N+1番目のシンボルの信号レベルは基準レベルよりも小さくなるようにマッピングし、一方、データ部の第N番目のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも小さい場合には、第N+1番目のシンボルの信号レベルは基準レベルよりも大きくなるようにマッピングする。また、例えばヘッダ部のように、データ部と区別して伝送すべき非データ部については、データ部と非データ部とを判別するための判別シンボルが含まれ、かつ、基準レベルに対する判別シンボルの信号レベルの大小関係が判別シンボルの直前のシンボルと同一の大小関係となるようにマッピングする。つまり、判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも大きい場合には、判別シンボルの信号レベルは基準レベルよりも大きくなるようにマッピングし、一方、判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも小さい場合には、判別シンボルの信号レベルは基準レベルよりも小さくなるようにマッピングする。これにより、受信側の機器(26)では、データ部と非データ部とを確実に判別することが可能となる。なお、本発明は、S/PDIFフレームの送受信に好適に適用することができるが、本発明の適用範囲はS/PDIFに限定されるものではない。
なお、判別シンボルについては、判別シンボルの直前のシンボルと同一の信号レベルとなるようにマッピングしても良い。これにより、受信側の機器では基準レベルを意識することなく判別シンボルを確実に検出することが可能となる。したがって、車内環境など、固定的な基準レベルが得られにくい環境では特に有効である。
また、判別シンボルは、非データ部を構成するシンボル列に含まれるいずれのシンボルであっても構わない。非データ部の先頭に判別シンボルを設けるようにすれば、受信側の機器において、非データ部の先頭をより早く判別することが可能となるので、より好ましい。
また、本発明のデータ送信装置(10)は、送信データの各シンボルを複数の信号レベル(+1.5、+0.5、−0.5、−1.5)のいずれかにマッピングして送信するためのものであって、送信データを、ある基準レベル(0)に対する各シンボルの信号レベルの大小関係(上位レベル、下位レベル)が1シンボル毎に常に反転するようにマッピングするデータマッピング部(18)と、データ部と区別して伝送すべき非データ部(ヘッダ部)を、データ部と非データ部とを判別するための判別シンボルが含まれるようにマッピングし、かつ基準レベルに対する判別シンボルの信号レベルの大小関係が判別シンボルの直前のシンボルと同一の大小関係となるようにマッピングする非データマッピング部(16)とを備える。
また、本発明のデータ受信装置(26)は、送信データの各シンボルを複数の信号レベル(+1.5、+0.5、−0.5、−1.5)のいずれかにマッピングして送信された伝送信号を受信するためのものであって、伝送信号の信号レベルの変動パターンから、伝送信号のデータ部と非データ部(ヘッダ部)とを判別するための判別シンボルを検出する判別シンボル検出部(30)と、判別シンボル検出部の検出結果に基づいて伝送信号のデータ部からデータを再生するデータ判定部(34)と、判別シンボル検出部の検出結果に基づいて伝送信号の非データ部から非データ情報(ヘッダ情報)を再生する非データ判定部(32)とを備える。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデータ送信装置の構成を示すブロック図である。
図2は、ヘッダマッピング部16とデータマッピング部18の出力を示す図である。
図3は、データマッピング部18の動作を説明するための図である。
図4は、データマッピング部18が参照するマッピングテーブルである。
図5は、ヘッダマッピング部16の動作を説明するための図である。
図6は、ヘッダマッピング部16の動作を説明するための図である。
図7は、本発明の第1の実施形態に係るデータ受信装置の構成を示す図である。
図8は、受信信号と差分算出部36の出力との関係を示す図である。
図9は、データ判定部34の動作を説明するための図である。
図10は、ヘッダ判定部32の動作を説明するための図である。
図11は、本発明の第2の実施形態に係るデータ送信装置の構成の一部を示す図である。
図12は、第2の実施形態に係るデータ送信装置の動作を説明するための図である。
図13は、本発明の第2の実施形態に係るデータ受信装置の構成の一部を示す図である。
図14は、本発明の変形例に係るシステム構成例を示す図である。
図15は、変形例における伝送データの構造を示す図である。
図16は、変形例におけるデータ部の信号波形のパターンを示す図である。
図17は、変形例における非データ部の信号波形のパターンを示す図である。
図18は、バイフェーズマーク変調を説明するための図である。
図19は、S/PDIFフレームの構成を説明するための図である。
図20は、S/PDIFフレームのヘッダ部について説明するための図である。
図21は、S/PDIFフレームを光ファイバを通じて送受信する従来の送受信装置の構成を示す図である。
図22は、S/PDIFフレームを導線を通じて送受信する従来の送受信装置の構成を示す図である。
図23は、2ビットのデータを1シンボルとして所定の信号レベルにマッピングするときのマッピング例を示す図である。
図24は、1ビットのデータを1シンボルとして所定の信号レベルにマッピングするときのマッピング例を示す図である。
図2は、ヘッダマッピング部16とデータマッピング部18の出力を示す図である。
図3は、データマッピング部18の動作を説明するための図である。
図4は、データマッピング部18が参照するマッピングテーブルである。
図5は、ヘッダマッピング部16の動作を説明するための図である。
図6は、ヘッダマッピング部16の動作を説明するための図である。
図7は、本発明の第1の実施形態に係るデータ受信装置の構成を示す図である。
図8は、受信信号と差分算出部36の出力との関係を示す図である。
図9は、データ判定部34の動作を説明するための図である。
図10は、ヘッダ判定部32の動作を説明するための図である。
図11は、本発明の第2の実施形態に係るデータ送信装置の構成の一部を示す図である。
図12は、第2の実施形態に係るデータ送信装置の動作を説明するための図である。
図13は、本発明の第2の実施形態に係るデータ受信装置の構成の一部を示す図である。
図14は、本発明の変形例に係るシステム構成例を示す図である。
図15は、変形例における伝送データの構造を示す図である。
図16は、変形例におけるデータ部の信号波形のパターンを示す図である。
図17は、変形例における非データ部の信号波形のパターンを示す図である。
図18は、バイフェーズマーク変調を説明するための図である。
図19は、S/PDIFフレームの構成を説明するための図である。
図20は、S/PDIFフレームのヘッダ部について説明するための図である。
図21は、S/PDIFフレームを光ファイバを通じて送受信する従来の送受信装置の構成を示す図である。
図22は、S/PDIFフレームを導線を通じて送受信する従来の送受信装置の構成を示す図である。
図23は、2ビットのデータを1シンボルとして所定の信号レベルにマッピングするときのマッピング例を示す図である。
図24は、1ビットのデータを1シンボルとして所定の信号レベルにマッピングするときのマッピング例を示す図である。
以下、本発明の種々の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係るデータ送信装置およびデータ受信装置について説明する。図1に、データ送信装置の構成を示す。図1において、データ送信装置10は、送信データに対して4値マッピングを行う4値マッピング部12と、4値マッピング部12から出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換部20と、D/A変換後の信号に基づいてツイストペアケーブル24の2本の線に互いに対称的な信号を送信する差動ドライバ22とを備える。なお、図示は省略するが、4値マッピング部128の後段において、ロールオフフィルタ等のデジタルフィルタが設けられ、D/A変換部20の後段などには、アナログフィルタが適宜に設けられる。
4値マッピング部12には、前信号レベル記憶部14と、ヘッダマッピング部16と、データマッピング部18が含まれる。ヘッダマッピング部16は、データ送信装置10において生成された(またはデータ送信装置10に接続された機器より入力された)ヘッダ情報に基づいて、所定の信号レベルにマッピングしたヘッダ部を送信データに付加する。なお、ヘッダマッピング部16にヘッダ情報を供給することなく、ヘッダマッピング部16に周期的にヘッダ部を付加させるようにしてもよい。データマッピング部18は、データ送信装置10において生成された(またはデータ送信装置10に接続された機器より入力された)送信データの各シンボル(ここでは1ビットのデータ)を所定の信号レベルにマッピングし、送信データのデータ部を生成する。これらヘッダマッピング部16およびデータマッピング部18の処理の結果、図2に示すようなシンボル列が生成され、D/A変換部20に出力される。前信号レベル記憶部14は、4値マッピング部12から直前に出力されたシンボルの信号レベルを順次記憶し、ヘッダマッピング部16とデータマッピング部18にその値を供給する。以下、4値マッピング部12の処理を、データ部についての処理とヘッダ部についての処理に分けて説明する。
まず、図3および図4を参照して、データマッピング部18の動作について説明する。
データマッピング部18は、送信データの各シンボル(ここでは1ビットのデータ)を、図3に示すような4つの信号レベル(+1.5、+0.5、−0.5、−1.5)のいずれかに順次マッピングする。ただし、これらの信号レベルの値は単なる一例に過ぎない。これら4つの信号レベルは、基準レベル(ここではレベル零)を境にして上位レベル(+1.5、+0.5)と下位レベル(−0.5、−1.5)とに区分され、送信データの各シンボルは、上位レベルと下位レベルに交互にマッピングされる。このマッピングは、データマッピング部18が保持しているマッピングテーブルに従って行われる。図4に、マッピングテーブルの具体例を示す。データマッピング部18は、マッピングしようとするシンボルの符号と、前信号レベル記憶部14より供給される値(つまりマッピングしようとするシンボルの直前のシンボルの信号レベル)とに基づいてマッピングテーブルを参照し、信号レベルを決定する。例えば、マッピングしようとするシンボルの符号が1であって、その直前のシンボルがマッピングされた信号レベルが+1.5であった場合には、このシンボルは−0.5の信号レベルにマッピングされることになる。
なお、図4に示すマッピングテーブルにおいて、括弧内の数字は直前の信号レベルとの差を示しており、後述するデータ受信装置では、この差に基づいて、マッピング処理前の送信データを再生する。つまり、直前のシンボルとの信号レベルの差が−3、−1、+1、+3のいずれかであれば、送信データは0であると判定することができ、一方、直前のシンボルとの信号レベルの差が−2、+2のいずれかであれば、送信データは1であると判定することができる。このように、連続するシンボル間の信号レベルの差に対してデータを乗せて伝送すれば、データを再生する際に、基準となる信号レベル(例えばグランドレベル)が不要となる。これは、データ送信装置とデータ受信装置とで基準となる信号レベルが異なる場合に特に有効である。ただし、本発明はこれに限定されず、例えば、直前のシンボルの信号レベルに関係なく、シンボル0については+0.5または−0.5の信号レベルにマッピングし、シンボル1については+1.5または−1.5の信号レベルにマッピングするようにしてもよい。
次に、図5および図6を参照して、ヘッダマッピング部16の動作について説明する。
ヘッダ部は図2に示したように4シンボルで構成される。ヘッダマッピング部16には、ヘッダ種別毎に予め出力パターンが数通り用意されており、付加すべきヘッダ種別に応じたヘッダパターンを出力する。図5および図6に、ヘッダマッピング部16に用意されたヘッダのパターンを示す。図5および図6は、Bヘッダ、Mヘッダ、Wヘッダ、Rヘッダという4つのヘッダ種別に対応するヘッダマッピング部16の出力を示している。これら4つのヘッダ種別からどのヘッダを選択するかは、ヘッダマッピング部16に入力されるヘッダ情報に基づいて決定される。さらにヘッダマッピング部16は、ヘッダ種別毎に、前信号レベル記憶部14より供給される値(つまりデータ部の最後のシンボルの信号レベル)に応じた4通りのパターンの出力を行う。例えば、ヘッダ種別がBヘッダであって、前信号レベル記憶部14より供給される値が−0.5であった場合には、図5より、ヘッダマッピング部16からは信号レベルがそれぞれ−0.5、−1.5、+1.5、−1.5であるような4つのシンボルが順次出力される。また例えば、ヘッダ種別がWヘッダであって、前信号レベル記憶部14より供給される値が−1.5であった場合には、図6より、ヘッダマッピング部16からは信号レベルがそれぞれ−1.5、−1.5、+1.5、−0.5であるような4つのシンボルが順次出力される。
なお、全てのヘッダに共通している点は、ヘッダ部の先頭のシンボルが、直前のシンボル(つまりデータ部の最後のシンボル)の信号レベルと同一の信号レベルにマッピングされていることである。前述のように、データ部においては、シンボル毎に信号レベルの極性が反転するようにマッピングされるので、後述するデータ受信装置では、直前のシンボルの信号レベルと同一の信号レベルにマッピングされたシンボルを検出することにより、ヘッダ部とデータ部を確実に判別することができる。このように、ヘッダ部の先頭のシンボルは、ヘッダ部とデータ部を判別のための特別なシンボルであり、以下ではこのシンボルを判別シンボルと称す。なお、判別シンボルは、必ずしもヘッダ部の先頭のシンボルである必要はないが、データ受信装置においてヘッダ部をより早く判別するためには、ヘッダ部の先頭のシンボルを判別シンボルとするのが好ましい。
なお、本実施形態では、判別シンボルの信号レベルは直前のシンボルの信号レベルと同一であるとしたが、本発明はこれに限らず、少なくともデータ部とヘッダ部とが判別可能となる限りにおいて、判別シンボルの信号レベルを任意に設定してもよい。例えば、判別シンボルの信号レベルの極性(つまり基準レベルに対する大小関係)が、判別シンボルの直前のシンボルと同一の極性となるように判別シンボルの信号レベルが設定されていれば、データ受信装置において極性の変化をモニタすることによって判別シンボルを検出することができる。ただし、極性の変化をモニタするためには基準レベルが確定している必要があるので、基準レベルの確定が困難な状況においては、基準レベルが確定していなくても判別シンボルを検出できることが望ましい。そこで、例えば、判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも大きい場合には、判別シンボルの信号レベルが直前のシンボルの信号レベルと同一またはより大きい信号レベルとなり、判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも小さい場合には、判別シンボルの信号レベルが直前のシンボルの信号レベルと同一またはより小さい信号レベルとなるように設定すれば、データ受信装置では、単に信号レベルの増減のパターンをモニタするだけで判別シンボルを検出することができる。さらには、図6に示すように判別シンボルの信号レベルを直前のシンボルの信号レベルと同一とすることにより、データ受信装置では、単に信号レベルが変化したか否かをモニタするだけで判別シンボルを検出することができるため、判別シンボルを容易に検出することができる。
ヘッダ部は、判別シンボルの他に3つのシンボルを有している。これら3つのシンボルの信号レベルのパターンによって、ヘッダ種別を判別することができる。なお、図5および図6に示す例では、ヘッダ部の2番目のシンボルについては全てのヘッダ種別について判別シンボルと同一の極性でかつ最大振幅レベルに設定されており、3番目と4番目のシンボルの信号レベルのパターン(つまり2ビットの情報)によってヘッダ種別が示されている。ただし、これは単なる一例であって、判別シンボルを除くヘッダ部のパターンは任意に設定することができる。ただし、後述するように、データ受信装置では、受信信号からシンボル周波数の2分の1の周波数成分をバンドパスフィルタで抽出し、その抽出結果をPLLに入力することによってクロック信号を再生する。したがって、バンドパスフィルタから安定した抽出結果が得られるように、データ部における信号レベルの変動パターン(上位レベル→下位レベル→上位レベル→下位レベルというパターン)が変化しないように、ヘッダ部の各シンボルの信号レベル(特にヘッダ部の最後のシンボルの信号レベル)を適切に設定すべきである。例えば、ヘッダ部が偶数個のシンボルで構成される場合には、ヘッダ部の最後のシンボルの信号レベルの極性を、このヘッダ部の直前のデータ部における最後のシンボルの信号レベルの極性と一致させるのが好ましい。
図7にデータ受信装置の構成を示す。図7において、差動レシーバ40には、図1に示したデータ送信装置10から送信された伝送信号がツイストペアケーブル24を通じて入力される。差動レシーバ40は、ツイストペアケーブル24の2本の線によって伝送された信号の差分を出力し、この出力は、A/D変換部38によってデジタル信号に変換される。A/D変換部38の出力データは差分算出部36に入力され、差分算出部36は、シンボル毎に、直前のシンボルとの間の信号レベルの差分を順次算出して出力する。図8に、受信信号と差分算出部36の算出結果との関係を示す。この差分算出部36の算出結果は、4値判定部28に入力される。
4値判定部28には、受信信号から判別シンボルを検出するための判別シンボル検出部30と、受信信号のヘッダ部からヘッダ情報を再生するヘッダ判定部32と、同じく受信信号のデータ部から受信データ(図1における送信データに相当)を再生するデータ判定部34とが含まれる。図8から明らかなように、判別シンボルに対応する差分算出結果は0となる。判別シンボル検出部30は、差分算出部36の出力をモニタし、あるシンボルに対応する差分算出結果として0が出力されたときに、このシンボルを判別シンボルとして検出する。ヘッダ判定部32およびデータ判定部34は、この判別シンボル検出部30の検出結果に基づいてヘッダ部およびデータ部を判別し、それぞれについて処理を行う。以下、ヘッダ判定部32およびデータ判定部34の動作について説明する。
まず、図9を参照して、データ判定部34の動作を説明する。
データ判定部34は、図9に示す変換テーブルを参照して、差分算出結果を0または1の符号に順次変換して出力する。つまり、差分算出結果が−3、−1、+1、+3のいずれかであった場合には0を出力し、差分算出結果が−2または+2であった場合には1を出力する。このようにして、データ判定部34において受信データが再生される。
次に、図10を参照して、ヘッダ判定部32の動作を説明する。
ヘッダ判定部32は、判別シンボル検出部30の検出結果に基づいて、判別シンボルから4シンボル分(つまりヘッダ部)に対応する差分算出結果に基づいて、ヘッダ種別を判別する。なお、本実施形態では、ヘッダ部の3シンボル目と4シンボル目にそれぞれ対応する差分算出結果を参照することによって、4通りのヘッダ種別(Bヘッダ、Mヘッダ、Wヘッダ、Rヘッダ)を判別することができる。具体的には、ヘッダ部の3シンボル目に対応する差分算出結果が−2であり、ヘッダ部の4シンボル目に対応する差分算出結果が+2であった場合には、図10に示す判定テーブルに基づいてこのヘッダがMヘッダであると判別できる。ヘッダ判定部32は、こうして判別したヘッダ種別をヘッダ情報として出力する。
なお、本実施形態では、判別シンボル検出部30は、差分算出部36の出力をモニタし、あるシンボルに対応する差分算出結果として0が出力されたときに、このシンボルを判別シンボルとして検出するとしたが、例えば、データ送信装置10における判別シンボルのマッピング方法が本実施形態とは異なっている場合には、それに応じて判別シンボル検出部30の動作を最適化する必要があることは言うまでもない。例えば、判別シンボルの信号レベルの極性(つまり基準レベルに対する大小関係)が、判別シンボルの直前のシンボルと同一の極性となるように判別シンボルの信号レベルが設定される場合には、判別シンボル検出部30は、差分算出部36の差分算出結果ではなく、受信信号の極性の変化をモニタすることによって、判別シンボルを検出することができる。また例えば、判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも大きい場合には、判別シンボルの信号レベルが直前のシンボルの信号レベルと同一またはより大きい信号レベルとなり、判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも小さい場合には、判別シンボルの信号レベルが直前のシンボルの信号レベルと同一またはより小さい信号レベルとなるように設定される場合には、判別シンボル検出部は、差分算出結果の符号の変化をモニタすることによって判別シンボルを検出することができる。
以上のように、本実施形態のデータ送信装置およびデータ受信装置によれば、判別シンボルに基づいてデータ部とヘッダ部とをデータ受信装置において確実に判別することができる。なお、本実施形態では、データ部とヘッダ部を区別して伝送する場合について説明したが、本発明は、ヘッダ部に限らず、一般に、データと区別して伝送すべき任意の情報を非データ部として伝送する場合に適用することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るデータ送信装置およびデータ受信装置について説明する。これらデータ送信装置およびデータ受信装置は、図19に示したS/PDIFフレームを送受信する。
まず、第2の実施形態に係るデータ送信装置について説明する。図11に、このデータ送信装置の構成の一部を示す。なお、第2の実施形態に係るデータ送信装置が図1に示す第1の実施形態に係るデータ送信装置と異なる点は、4値マッピング部12の前段にヘッダ判別部42とバイフェーズデコーダ44を設けた点のみであり、その他の構成については同一であるため説明を省略する。
ヘッダ判別部42およびバイフェーズデコーダ44には、データ受信装置に向けて送信すべきS/PDIFフレームのヘッダ部およびデータ部がそれぞれ入力される。ヘッダ判別部42は、S/PDIFフレームのヘッダ部のパターンに基づいてヘッダ種別を判別し、この判別結果をヘッダ情報としてヘッダマッピング部16に供給する。一方、バイフェーズデコーダ44は、S/PDIFフレームのデータ部に対してバイフェーズマーク復号を行い、その復号結果をデータマッピング部18に供給する。バイフェーズデコーダ44の出力データは、S/PDIFコントローラによってバイフェーズマーク変調される前の元データに相当する。4値マッピング部12以降の処理は、第1の実施形態と同一である。その結果、データ送信装置から送信される信号は、図12に示すような波形を有する信号となる。なお、図11に示す構成では、ヘッダ判別部42およびバイフェーズデコーダ44が4値マッピング部12とは独立して設けられているが、本発明はこれに限らず、例えばヘッダマッピング部16およびデータマッピング部18が、ヘッダ判別部42およびバイフェーズデコーダ44の機能をそれぞれ内包するように構成しても構わない。
次に、第2の実施形態に係るデータ受信装置について説明する。図13に、このデータ受信装置の構成の一部を示す。なお、第2の実施形態に係るデータ受信装置が図7に示す第1の実施形態に係るデータ受信装置と異なる点は、4値判定部28の後段にヘッダ生成部46とバイフェーズエンコーダ48を設けた点のみであり、その他の構成については同一であるため説明を省略する。
4値判定部28からは、データ送信装置から送信された伝送信号に基づいて再生されたヘッダ情報および送信データが出力される。これらヘッダ情報および送信データは、ヘッダ生成部46およびバイフェーズエンコーダ48にそれぞれ入力される。ヘッダ生成部46は、ヘッダ判定部32からのヘッダ情報に基づいて、図20に示したS/PDIFフレームのヘッダ部を生成して出力する。一方、バイフェーズエンコーダ48は、データ判定部34から出力された送信データに対してバイフェーズマーク変調を行い、その変調結果をS/PDIFフレームのデータ部として出力する。このように、ヘッダ生成部46およびバイフェーズエンコーダ48によって、データ送信装置が伝送しようとしたS/PDIFフレームが再生されることになる。なお、図13に示す構成では、ヘッダ生成部46およびバイフェーズエンコーダ48が4値判定部28とは独立して設けられているが、本発明はこれに限らず、例えばヘッダ判定部32およびデータ判定部34が、ヘッダ生成部46およびバイフェーズエンコーダ48の機能をそれぞれ内包するように構成しても構わない。
以上のように、第2の実施形態によれば、S/PDIFフレームをツイストペアケーブル等の導線で伝送する際に、S/PDIFフレームの2ビット分のデータを1シンボルとして4値マッピングを行って伝送するので放射ノイズを抑圧できる。また、S/PDIFフレームの8ビットのヘッダ部を4シンボルで伝送することができ、しかも受信側の装置ではヘッダ部とデータ部とを確実に判別することができる。また、送信側のS/PDIFコントローラから出力されたS/PDIFフレームを、受信側のS/PDIFコントローラにそのままの形で入力することができるため、既存のS/PDIFコントローラの構成に何ら手を加えることなく、S/PDIFのシステ厶を導線を用いたデータ転送に最適化することができる。
なお、上記の第1および第2の実施形態では、データ送信装置およびデータ受信装置がそれぞれデータ送信機能およびデータ受信機能のみを備えていたが、これらの装置をデータ送信機能とデータ受信機能の両方の機能を備えたデータ送受信装置として構成しても構わない。
(変形例)
なお、上記の第1および第2の実施形態では、データ部とヘッダ部を区別して伝送する場合について説明したが、本発明は、ヘッダ部に限らず、一般に、データと区別して伝送すべき任意の情報を非データ部として伝送する場合に適用することができる。
データと区別して伝送すべき情報の例として、データ部に含まれるデータの種別を示すデータ識別子(例えばデータ部に含まれるデータがオーディオデータであるかビデオデータであるかを示す識別子)が考えられる。また、データと区別して伝送すべき情報の他の例として、制御データ(例えばデータ部に含まれるビデオデータに関する時間情報やフレーム番号や走査線の番号を指定するためのデータ)が考えられる。
図14に、非データ部においてデータ識別子を伝送する場合のシステム構成例を示す。このシステムでは、オーディオデータおよびビデオデータを機器#1から機器#2に伝送する。図15に、このシステムにおける伝送データの構造を示す。伝送データはパケット単位で伝送される。そして、各パケットは、非データ部とデータ部とで構成される。機器#1は、伝送すべきデータに応じて異なる非データ部を付加する。一方、機器#2は、受信した非データ部に基づいてオーディオデータとビデオデータを分離して出力する。非データ部には、対応するデータ部のデータ種別を表すデータ識別子が含まれている。なお、各パケットの開始タイミングは、非データ部に含まれる判別シンボルを検出することによって受信側で判別可能であるため、各パケットに含まれるデータ部の長さは送信側が任意に決定することができる。図16に、データ部の信号パターンを示す。なお、第1および第2の実施形態では、4値マッピングを用いて、送信データの各ビットを1シンボルとして所定の信号レベルにマッピングする例について説明したが、図16では、8値マッピングを用いて、データ部の各2ビットを1シンボルとして所定の信号レベルにマッピングした場合の信号波形のパターンを示している。また、図17に、非データ部の信号パターンを示す。図17の例では、非データ部の後半部分において、信号レベルが1シンボルにつき4通りのレベルを取り得る。したがって、データ識別子としては16通りの情報(すなわち4ビットの情報)を伝送することが可能である。
非データ部において制御データを伝送する場合も同様に実施可能である。
また、4値マッピングに比べて、本例のように8値マッピングを用いた場合は、ヘッダ部とバイフェーズマーク変調されたデータ部により構成された、前出の2倍の速度のフレームデータを伝送することが可能となる。
なお、図17の例では、非データ部が4シンボルで構成される例を示したが、非データ部のシンボル数は任意である。非データ部のシンボル数を増やすことにより、データ識別子や制御データとして、より多くの情報を伝送することができる。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係るデータ送信装置およびデータ受信装置について説明する。図1に、データ送信装置の構成を示す。図1において、データ送信装置10は、送信データに対して4値マッピングを行う4値マッピング部12と、4値マッピング部12から出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換部20と、D/A変換後の信号に基づいてツイストペアケーブル24の2本の線に互いに対称的な信号を送信する差動ドライバ22とを備える。なお、図示は省略するが、4値マッピング部128の後段において、ロールオフフィルタ等のデジタルフィルタが設けられ、D/A変換部20の後段などには、アナログフィルタが適宜に設けられる。
4値マッピング部12には、前信号レベル記憶部14と、ヘッダマッピング部16と、データマッピング部18が含まれる。ヘッダマッピング部16は、データ送信装置10において生成された(またはデータ送信装置10に接続された機器より入力された)ヘッダ情報に基づいて、所定の信号レベルにマッピングしたヘッダ部を送信データに付加する。なお、ヘッダマッピング部16にヘッダ情報を供給することなく、ヘッダマッピング部16に周期的にヘッダ部を付加させるようにしてもよい。データマッピング部18は、データ送信装置10において生成された(またはデータ送信装置10に接続された機器より入力された)送信データの各シンボル(ここでは1ビットのデータ)を所定の信号レベルにマッピングし、送信データのデータ部を生成する。これらヘッダマッピング部16およびデータマッピング部18の処理の結果、図2に示すようなシンボル列が生成され、D/A変換部20に出力される。前信号レベル記憶部14は、4値マッピング部12から直前に出力されたシンボルの信号レベルを順次記憶し、ヘッダマッピング部16とデータマッピング部18にその値を供給する。以下、4値マッピング部12の処理を、データ部についての処理とヘッダ部についての処理に分けて説明する。
まず、図3および図4を参照して、データマッピング部18の動作について説明する。
データマッピング部18は、送信データの各シンボル(ここでは1ビットのデータ)を、図3に示すような4つの信号レベル(+1.5、+0.5、−0.5、−1.5)のいずれかに順次マッピングする。ただし、これらの信号レベルの値は単なる一例に過ぎない。これら4つの信号レベルは、基準レベル(ここではレベル零)を境にして上位レベル(+1.5、+0.5)と下位レベル(−0.5、−1.5)とに区分され、送信データの各シンボルは、上位レベルと下位レベルに交互にマッピングされる。このマッピングは、データマッピング部18が保持しているマッピングテーブルに従って行われる。図4に、マッピングテーブルの具体例を示す。データマッピング部18は、マッピングしようとするシンボルの符号と、前信号レベル記憶部14より供給される値(つまりマッピングしようとするシンボルの直前のシンボルの信号レベル)とに基づいてマッピングテーブルを参照し、信号レベルを決定する。例えば、マッピングしようとするシンボルの符号が1であって、その直前のシンボルがマッピングされた信号レベルが+1.5であった場合には、このシンボルは−0.5の信号レベルにマッピングされることになる。
なお、図4に示すマッピングテーブルにおいて、括弧内の数字は直前の信号レベルとの差を示しており、後述するデータ受信装置では、この差に基づいて、マッピング処理前の送信データを再生する。つまり、直前のシンボルとの信号レベルの差が−3、−1、+1、+3のいずれかであれば、送信データは0であると判定することができ、一方、直前のシンボルとの信号レベルの差が−2、+2のいずれかであれば、送信データは1であると判定することができる。このように、連続するシンボル間の信号レベルの差に対してデータを乗せて伝送すれば、データを再生する際に、基準となる信号レベル(例えばグランドレベル)が不要となる。これは、データ送信装置とデータ受信装置とで基準となる信号レベルが異なる場合に特に有効である。ただし、本発明はこれに限定されず、例えば、直前のシンボルの信号レベルに関係なく、シンボル0については+0.5または−0.5の信号レベルにマッピングし、シンボル1については+1.5または−1.5の信号レベルにマッピングするようにしてもよい。
次に、図5および図6を参照して、ヘッダマッピング部16の動作について説明する。
ヘッダ部は図2に示したように4シンボルで構成される。ヘッダマッピング部16には、ヘッダ種別毎に予め出力パターンが数通り用意されており、付加すべきヘッダ種別に応じたヘッダパターンを出力する。図5および図6に、ヘッダマッピング部16に用意されたヘッダのパターンを示す。図5および図6は、Bヘッダ、Mヘッダ、Wヘッダ、Rヘッダという4つのヘッダ種別に対応するヘッダマッピング部16の出力を示している。これら4つのヘッダ種別からどのヘッダを選択するかは、ヘッダマッピング部16に入力されるヘッダ情報に基づいて決定される。さらにヘッダマッピング部16は、ヘッダ種別毎に、前信号レベル記憶部14より供給される値(つまりデータ部の最後のシンボルの信号レベル)に応じた4通りのパターンの出力を行う。例えば、ヘッダ種別がBヘッダであって、前信号レベル記憶部14より供給される値が−0.5であった場合には、図5より、ヘッダマッピング部16からは信号レベルがそれぞれ−0.5、−1.5、+1.5、−1.5であるような4つのシンボルが順次出力される。また例えば、ヘッダ種別がWヘッダであって、前信号レベル記憶部14より供給される値が−1.5であった場合には、図6より、ヘッダマッピング部16からは信号レベルがそれぞれ−1.5、−1.5、+1.5、−0.5であるような4つのシンボルが順次出力される。
なお、全てのヘッダに共通している点は、ヘッダ部の先頭のシンボルが、直前のシンボル(つまりデータ部の最後のシンボル)の信号レベルと同一の信号レベルにマッピングされていることである。前述のように、データ部においては、シンボル毎に信号レベルの極性が反転するようにマッピングされるので、後述するデータ受信装置では、直前のシンボルの信号レベルと同一の信号レベルにマッピングされたシンボルを検出することにより、ヘッダ部とデータ部を確実に判別することができる。このように、ヘッダ部の先頭のシンボルは、ヘッダ部とデータ部を判別のための特別なシンボルであり、以下ではこのシンボルを判別シンボルと称す。なお、判別シンボルは、必ずしもヘッダ部の先頭のシンボルである必要はないが、データ受信装置においてヘッダ部をより早く判別するためには、ヘッダ部の先頭のシンボルを判別シンボルとするのが好ましい。
なお、本実施形態では、判別シンボルの信号レベルは直前のシンボルの信号レベルと同一であるとしたが、本発明はこれに限らず、少なくともデータ部とヘッダ部とが判別可能となる限りにおいて、判別シンボルの信号レベルを任意に設定してもよい。例えば、判別シンボルの信号レベルの極性(つまり基準レベルに対する大小関係)が、判別シンボルの直前のシンボルと同一の極性となるように判別シンボルの信号レベルが設定されていれば、データ受信装置において極性の変化をモニタすることによって判別シンボルを検出することができる。ただし、極性の変化をモニタするためには基準レベルが確定している必要があるので、基準レベルの確定が困難な状況においては、基準レベルが確定していなくても判別シンボルを検出できることが望ましい。そこで、例えば、判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも大きい場合には、判別シンボルの信号レベルが直前のシンボルの信号レベルと同一またはより大きい信号レベルとなり、判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも小さい場合には、判別シンボルの信号レベルが直前のシンボルの信号レベルと同一またはより小さい信号レベルとなるように設定すれば、データ受信装置では、単に信号レベルの増減のパターンをモニタするだけで判別シンボルを検出することができる。さらには、図6に示すように判別シンボルの信号レベルを直前のシンボルの信号レベルと同一とすることにより、データ受信装置では、単に信号レベルが変化したか否かをモニタするだけで判別シンボルを検出することができるため、判別シンボルを容易に検出することができる。
ヘッダ部は、判別シンボルの他に3つのシンボルを有している。これら3つのシンボルの信号レベルのパターンによって、ヘッダ種別を判別することができる。なお、図5および図6に示す例では、ヘッダ部の2番目のシンボルについては全てのヘッダ種別について判別シンボルと同一の極性でかつ最大振幅レベルに設定されており、3番目と4番目のシンボルの信号レベルのパターン(つまり2ビットの情報)によってヘッダ種別が示されている。ただし、これは単なる一例であって、判別シンボルを除くヘッダ部のパターンは任意に設定することができる。ただし、後述するように、データ受信装置では、受信信号からシンボル周波数の2分の1の周波数成分をバンドパスフィルタで抽出し、その抽出結果をPLLに入力することによってクロック信号を再生する。したがって、バンドパスフィルタから安定した抽出結果が得られるように、データ部における信号レベルの変動パターン(上位レベル→下位レベル→上位レベル→下位レベルというパターン)が変化しないように、ヘッダ部の各シンボルの信号レベル(特にヘッダ部の最後のシンボルの信号レベル)を適切に設定すべきである。例えば、ヘッダ部が偶数個のシンボルで構成される場合には、ヘッダ部の最後のシンボルの信号レベルの極性を、このヘッダ部の直前のデータ部における最後のシンボルの信号レベルの極性と一致させるのが好ましい。
図7にデータ受信装置の構成を示す。図7において、差動レシーバ40には、図1に示したデータ送信装置10から送信された伝送信号がツイストペアケーブル24を通じて入力される。差動レシーバ40は、ツイストペアケーブル24の2本の線によって伝送された信号の差分を出力し、この出力は、A/D変換部38によってデジタル信号に変換される。A/D変換部38の出力データは差分算出部36に入力され、差分算出部36は、シンボル毎に、直前のシンボルとの間の信号レベルの差分を順次算出して出力する。図8に、受信信号と差分算出部36の算出結果との関係を示す。この差分算出部36の算出結果は、4値判定部28に入力される。
4値判定部28には、受信信号から判別シンボルを検出するための判別シンボル検出部30と、受信信号のヘッダ部からヘッダ情報を再生するヘッダ判定部32と、同じく受信信号のデータ部から受信データ(図1における送信データに相当)を再生するデータ判定部34とが含まれる。図8から明らかなように、判別シンボルに対応する差分算出結果は0となる。判別シンボル検出部30は、差分算出部36の出力をモニタし、あるシンボルに対応する差分算出結果として0が出力されたときに、このシンボルを判別シンボルとして検出する。ヘッダ判定部32およびデータ判定部34は、この判別シンボル検出部30の検出結果に基づいてヘッダ部およびデータ部を判別し、それぞれについて処理を行う。以下、ヘッダ判定部32およびデータ判定部34の動作について説明する。
まず、図9を参照して、データ判定部34の動作を説明する。
データ判定部34は、図9に示す変換テーブルを参照して、差分算出結果を0または1の符号に順次変換して出力する。つまり、差分算出結果が−3、−1、+1、+3のいずれかであった場合には0を出力し、差分算出結果が−2または+2であった場合には1を出力する。このようにして、データ判定部34において受信データが再生される。
次に、図10を参照して、ヘッダ判定部32の動作を説明する。
ヘッダ判定部32は、判別シンボル検出部30の検出結果に基づいて、判別シンボルから4シンボル分(つまりヘッダ部)に対応する差分算出結果に基づいて、ヘッダ種別を判別する。なお、本実施形態では、ヘッダ部の3シンボル目と4シンボル目にそれぞれ対応する差分算出結果を参照することによって、4通りのヘッダ種別(Bヘッダ、Mヘッダ、Wヘッダ、Rヘッダ)を判別することができる。具体的には、ヘッダ部の3シンボル目に対応する差分算出結果が−2であり、ヘッダ部の4シンボル目に対応する差分算出結果が+2であった場合には、図10に示す判定テーブルに基づいてこのヘッダがMヘッダであると判別できる。ヘッダ判定部32は、こうして判別したヘッダ種別をヘッダ情報として出力する。
なお、本実施形態では、判別シンボル検出部30は、差分算出部36の出力をモニタし、あるシンボルに対応する差分算出結果として0が出力されたときに、このシンボルを判別シンボルとして検出するとしたが、例えば、データ送信装置10における判別シンボルのマッピング方法が本実施形態とは異なっている場合には、それに応じて判別シンボル検出部30の動作を最適化する必要があることは言うまでもない。例えば、判別シンボルの信号レベルの極性(つまり基準レベルに対する大小関係)が、判別シンボルの直前のシンボルと同一の極性となるように判別シンボルの信号レベルが設定される場合には、判別シンボル検出部30は、差分算出部36の差分算出結果ではなく、受信信号の極性の変化をモニタすることによって、判別シンボルを検出することができる。また例えば、判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも大きい場合には、判別シンボルの信号レベルが直前のシンボルの信号レベルと同一またはより大きい信号レベルとなり、判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも小さい場合には、判別シンボルの信号レベルが直前のシンボルの信号レベルと同一またはより小さい信号レベルとなるように設定される場合には、判別シンボル検出部は、差分算出結果の符号の変化をモニタすることによって判別シンボルを検出することができる。
以上のように、本実施形態のデータ送信装置およびデータ受信装置によれば、判別シンボルに基づいてデータ部とヘッダ部とをデータ受信装置において確実に判別することができる。なお、本実施形態では、データ部とヘッダ部を区別して伝送する場合について説明したが、本発明は、ヘッダ部に限らず、一般に、データと区別して伝送すべき任意の情報を非データ部として伝送する場合に適用することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るデータ送信装置およびデータ受信装置について説明する。これらデータ送信装置およびデータ受信装置は、図19に示したS/PDIFフレームを送受信する。
まず、第2の実施形態に係るデータ送信装置について説明する。図11に、このデータ送信装置の構成の一部を示す。なお、第2の実施形態に係るデータ送信装置が図1に示す第1の実施形態に係るデータ送信装置と異なる点は、4値マッピング部12の前段にヘッダ判別部42とバイフェーズデコーダ44を設けた点のみであり、その他の構成については同一であるため説明を省略する。
ヘッダ判別部42およびバイフェーズデコーダ44には、データ受信装置に向けて送信すべきS/PDIFフレームのヘッダ部およびデータ部がそれぞれ入力される。ヘッダ判別部42は、S/PDIFフレームのヘッダ部のパターンに基づいてヘッダ種別を判別し、この判別結果をヘッダ情報としてヘッダマッピング部16に供給する。一方、バイフェーズデコーダ44は、S/PDIFフレームのデータ部に対してバイフェーズマーク復号を行い、その復号結果をデータマッピング部18に供給する。バイフェーズデコーダ44の出力データは、S/PDIFコントローラによってバイフェーズマーク変調される前の元データに相当する。4値マッピング部12以降の処理は、第1の実施形態と同一である。その結果、データ送信装置から送信される信号は、図12に示すような波形を有する信号となる。なお、図11に示す構成では、ヘッダ判別部42およびバイフェーズデコーダ44が4値マッピング部12とは独立して設けられているが、本発明はこれに限らず、例えばヘッダマッピング部16およびデータマッピング部18が、ヘッダ判別部42およびバイフェーズデコーダ44の機能をそれぞれ内包するように構成しても構わない。
次に、第2の実施形態に係るデータ受信装置について説明する。図13に、このデータ受信装置の構成の一部を示す。なお、第2の実施形態に係るデータ受信装置が図7に示す第1の実施形態に係るデータ受信装置と異なる点は、4値判定部28の後段にヘッダ生成部46とバイフェーズエンコーダ48を設けた点のみであり、その他の構成については同一であるため説明を省略する。
4値判定部28からは、データ送信装置から送信された伝送信号に基づいて再生されたヘッダ情報および送信データが出力される。これらヘッダ情報および送信データは、ヘッダ生成部46およびバイフェーズエンコーダ48にそれぞれ入力される。ヘッダ生成部46は、ヘッダ判定部32からのヘッダ情報に基づいて、図20に示したS/PDIFフレームのヘッダ部を生成して出力する。一方、バイフェーズエンコーダ48は、データ判定部34から出力された送信データに対してバイフェーズマーク変調を行い、その変調結果をS/PDIFフレームのデータ部として出力する。このように、ヘッダ生成部46およびバイフェーズエンコーダ48によって、データ送信装置が伝送しようとしたS/PDIFフレームが再生されることになる。なお、図13に示す構成では、ヘッダ生成部46およびバイフェーズエンコーダ48が4値判定部28とは独立して設けられているが、本発明はこれに限らず、例えばヘッダ判定部32およびデータ判定部34が、ヘッダ生成部46およびバイフェーズエンコーダ48の機能をそれぞれ内包するように構成しても構わない。
以上のように、第2の実施形態によれば、S/PDIFフレームをツイストペアケーブル等の導線で伝送する際に、S/PDIFフレームの2ビット分のデータを1シンボルとして4値マッピングを行って伝送するので放射ノイズを抑圧できる。また、S/PDIFフレームの8ビットのヘッダ部を4シンボルで伝送することができ、しかも受信側の装置ではヘッダ部とデータ部とを確実に判別することができる。また、送信側のS/PDIFコントローラから出力されたS/PDIFフレームを、受信側のS/PDIFコントローラにそのままの形で入力することができるため、既存のS/PDIFコントローラの構成に何ら手を加えることなく、S/PDIFのシステ厶を導線を用いたデータ転送に最適化することができる。
なお、上記の第1および第2の実施形態では、データ送信装置およびデータ受信装置がそれぞれデータ送信機能およびデータ受信機能のみを備えていたが、これらの装置をデータ送信機能とデータ受信機能の両方の機能を備えたデータ送受信装置として構成しても構わない。
(変形例)
なお、上記の第1および第2の実施形態では、データ部とヘッダ部を区別して伝送する場合について説明したが、本発明は、ヘッダ部に限らず、一般に、データと区別して伝送すべき任意の情報を非データ部として伝送する場合に適用することができる。
データと区別して伝送すべき情報の例として、データ部に含まれるデータの種別を示すデータ識別子(例えばデータ部に含まれるデータがオーディオデータであるかビデオデータであるかを示す識別子)が考えられる。また、データと区別して伝送すべき情報の他の例として、制御データ(例えばデータ部に含まれるビデオデータに関する時間情報やフレーム番号や走査線の番号を指定するためのデータ)が考えられる。
図14に、非データ部においてデータ識別子を伝送する場合のシステム構成例を示す。このシステムでは、オーディオデータおよびビデオデータを機器#1から機器#2に伝送する。図15に、このシステムにおける伝送データの構造を示す。伝送データはパケット単位で伝送される。そして、各パケットは、非データ部とデータ部とで構成される。機器#1は、伝送すべきデータに応じて異なる非データ部を付加する。一方、機器#2は、受信した非データ部に基づいてオーディオデータとビデオデータを分離して出力する。非データ部には、対応するデータ部のデータ種別を表すデータ識別子が含まれている。なお、各パケットの開始タイミングは、非データ部に含まれる判別シンボルを検出することによって受信側で判別可能であるため、各パケットに含まれるデータ部の長さは送信側が任意に決定することができる。図16に、データ部の信号パターンを示す。なお、第1および第2の実施形態では、4値マッピングを用いて、送信データの各ビットを1シンボルとして所定の信号レベルにマッピングする例について説明したが、図16では、8値マッピングを用いて、データ部の各2ビットを1シンボルとして所定の信号レベルにマッピングした場合の信号波形のパターンを示している。また、図17に、非データ部の信号パターンを示す。図17の例では、非データ部の後半部分において、信号レベルが1シンボルにつき4通りのレベルを取り得る。したがって、データ識別子としては16通りの情報(すなわち4ビットの情報)を伝送することが可能である。
非データ部において制御データを伝送する場合も同様に実施可能である。
また、4値マッピングに比べて、本例のように8値マッピングを用いた場合は、ヘッダ部とバイフェーズマーク変調されたデータ部により構成された、前出の2倍の速度のフレームデータを伝送することが可能となる。
なお、図17の例では、非データ部が4シンボルで構成される例を示したが、非データ部のシンボル数は任意である。非データ部のシンボル数を増やすことにより、データ識別子や制御データとして、より多くの情報を伝送することができる。
本発明は、例えば、車内LAN等において複数の機器間でデータをやりとりするようなシステムにおいて、S/PDIFフレームのヘッダ部のような、データ部と区別して伝送すべき非データ部と、データ部とを受信側の機器において確実に判別可能に伝送するのに好適である。
【0010】
るためのものであって、送信データを、ある基準レベル(0)に対する各シンボルの信号レベルの大小関係(上位レベル、下位レベル)が1シンボル毎に常に反転するようにマッピングするデータマッピング部(18)と、データ部と区別して伝送すべき非データ部(ヘッダ部)を、データ部と非データ部とを判別するための判別シンボルが含まれるようにマッピングし、かつ基準レベルに対する判別シンボルの信号レベルの大小関係が判別シンボルの直前のシンボルと同一の大小関係となるようにマッピングする非データマッピング部(16)とを備える。
また、本発明のデータ受信装置(26)は、送信データの各シンボルを複数の信号レベル(+1.5、+0.5、−0.5、−1.5)のいずれかにマッピングして送信された伝送信号を受信するためのものであって、伝送信号の信号レベルの変動パターンから、伝送信号のデータ部と非データ部(ヘッダ部)とを判別するための判別シンボルを検出する判別シンボル検出部(30)と、判別シンボル検出部の検出結果に基づいて伝送信号のデータ部からデータを再生するデータ判定部(34)と、判別シンボル検出部の検出結果に基づいて伝送信号の非データ部から非データ情報(ヘッダ情報)を再生する非データ判定部(32)とを備え、前記判別シンボル検出部は、前記伝送信号におけるあるシンボルの信号レベルとその直前のシンボルの信号レベルが、ある基準レベルに対して同一の大小関係であった場合に、該シンボルを判別シンボルとして検出することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデータ送信装置の構成を示すブロック図である。
10/1
るためのものであって、送信データを、ある基準レベル(0)に対する各シンボルの信号レベルの大小関係(上位レベル、下位レベル)が1シンボル毎に常に反転するようにマッピングするデータマッピング部(18)と、データ部と区別して伝送すべき非データ部(ヘッダ部)を、データ部と非データ部とを判別するための判別シンボルが含まれるようにマッピングし、かつ基準レベルに対する判別シンボルの信号レベルの大小関係が判別シンボルの直前のシンボルと同一の大小関係となるようにマッピングする非データマッピング部(16)とを備える。
また、本発明のデータ受信装置(26)は、送信データの各シンボルを複数の信号レベル(+1.5、+0.5、−0.5、−1.5)のいずれかにマッピングして送信された伝送信号を受信するためのものであって、伝送信号の信号レベルの変動パターンから、伝送信号のデータ部と非データ部(ヘッダ部)とを判別するための判別シンボルを検出する判別シンボル検出部(30)と、判別シンボル検出部の検出結果に基づいて伝送信号のデータ部からデータを再生するデータ判定部(34)と、判別シンボル検出部の検出結果に基づいて伝送信号の非データ部から非データ情報(ヘッダ情報)を再生する非データ判定部(32)とを備え、前記判別シンボル検出部は、前記伝送信号におけるあるシンボルの信号レベルとその直前のシンボルの信号レベルが、ある基準レベルに対して同一の大小関係であった場合に、該シンボルを判別シンボルとして検出することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデータ送信装置の構成を示すブロック図である。
10/1
本発明は、データ送信装置、データ受信装置、伝送路符号化方法および復号方法に関し、より特定的には、送信データの各シンボルを複数の信号レベルのいずれかにマッピングすることによって生成された信号を送信または受信するためのデータ送信装置、データ受信装置、伝送路符号化方法および復号方法に関する。
従来、2台の機器間でデジタルオーディオデータを転送する際には、例えばS/PDIF(Sony/Philips Digital Interface)のフォーマットに規定されているように、一般にバイフェーズマーク変調が用いられる。バイフェーズマーク変調では、図18に示すように、元データの各ビットが2つの論理値でそれぞれ表される。バイフェーズマーク変調後において、元データの論理「1」については1ビット期間の中央で状態遷移が生じ(例えば0→1または1→0)、元データの論理「0」については1ビット期間の中央でも状態遷移が生じない(例えば0→0または1→1)。さらに、元データの各ビットの境界では論理値が必ず反転する(つまりバイフェーズマーク変調後において、直前の論理値が0なら1に、1なら0に反転する)。
このように、バイフェーズマーク変調を用いれば、元データの各ビットの境界において論理値が必ず変化するため、元データにおいて0や1が連続するような場合でも、別途クロック信号を送信することなく、受信側の機器は転送データからクロック信号を容易に再生することができる。
なお、機器間で転送されるデータには、一般に、上述のようにバイフェーズマーク変調されたオーディオデータに加えて、このオーディオデータの同期を取るための8ビットのプリアンブル(バイフェーズマーク変調前の元データで4ビット分のサイズに相当)が付加される。プリアンブルについてはバイフェーズマーク変調が適用されず、プリアンブルのビット列には0または1が3つ以上連続して含まれる。ところで、バイフェーズマーク変調されたデータには、前述のように元データの各ビットの境界において必ず論理値が反転するため、0または1が3つ連続して含まれることはあり得ない。したがって、受信側の機器では、0または1を3つ連続して受信したか否かを判別することにより、オーディオデータ部分とプリアンブル部分とを容易に判別することができる。なお、プリアンブルには予め複数のパターンが用意されており、例えばブロックの先頭を示すもの(Bプリアンブル)や、Rチャネルのサブフレームの先頭を示すもの(Mプリアンブル)や、Lチャネルのサブフレームの先頭を示すもの(Wプリアンブル)がある。
S/PDIFでは、図19に示すように、フレーム(S/PDIFフレーム)単位でデータ転送が行われ、データ部には前述のバイフェーズマーク変調が適用される。また、データ部の先頭には前述のようなプリアンブル(ヘッダ)が付加される。図20に、S/PDIFで利用される各ヘッダ(Bヘッダ、Mヘッダ、Wヘッダ)のパターンを示す。なお、S/PDIFフレームのヘッダ部とデータ部の境界では符号が必ず反転するため、各ヘッダのパターンとしては、直前の符号に応じた2通りのパターンが用意されている。
図21に、従来のS/PDIFの送受信装置の代表的な構成を示す。送受信装置90には、S/PDIFコントローラ91、E/O変換器92、O/E変換器93が設けられている。S/PDIFコントローラ91には送信データが入力され、S/PDIFコントローラ91は、送信データに対してバイフェーズマーク変調を行うとともに、ヘッダ部(Bヘッダ、Mヘッダ等)を適宜付加して、図19に示したようなS/PDIFフレームをE/O変換器92へと出力する。E/O変換器92は、S/PDIFコントローラ91からのS/PDIFフレーム(電気信号)を光信号に変換し、光ファイバ94を通じて光信号を他の送受信装置へ出力する。一方、送受信装置90には、光ファイバ95を通じて他の送受信装置からの光信号が入力される。入力された光信号は、O/E変換器93によって電気信号に変換され、図19に示したS/PDIFフレームとしてS/PDIFコントローラ91に入力される。S/PDIFコントローラ91は、S/PDIFフレームのヘッダ部に基づいてヘッダ種別を判別しつつ、データ部をバイフェーズマーク復号して受信データを出力する。
なお、S/PDIFはPOF(プラスチック光ファイバ)を用いたデータ転送に最適化された通信プロトコルではあるが、伝送媒体としてツイストペアケーブルや同軸ケーブルなどの導線を利用することもできる。導線を利用することのメリットとしては、扱いが容易であることが挙げられる。
ところが、バイフェーズマーク変調を用いたデータ転送は、クロック信号の転送が不要となる反面、所定のデータ転送速度を実現するのに必要となる伝送帯域が増大してしまう。例えば、図21に示すように、25Mbpsの実効転送速度を実現するために、S/PDIFでは50Mbpsのデータ転送速度が必要となる。よって、車載機器などから出力されるバイフェーズマーク変調された送信データをそのまま車内ネットワークに送出すると、伝送媒体として外部に影響を与える可能性の少ないツイストペアケーブルを用いたとしても、外部に放出される電磁放射の影響は無視できなくなる。
そこで、上記の問題を解決するために、S/PDIFコントローラ91から出力された送信データの各2ビットを1シンボルとして所定の信号レベルにマッピングして伝送することが考えられる(例えば、特許文献1参照。)。
図22に、S/PDIFフレームをツイストペアケーブルで伝送する際の送受信装置の構成例を示す。図22において、S/PDIFコントローラ91から出力されたS/PDIFフレーム(シリアルデータ)は、s/p変換部97において2ビット毎のパラレルデータに変換される。8値マッピング部98は、s/p変換部97から順次出力される2ビットのデータを1シンボルとして所定の信号レベルにマッピングする(より正確には直前のシンボルに対する信号レベルの変動量に対して各シンボルをマッピングしているのであるが、ここでは詳細な説明を省略する。)。図23に、この8値マッピング部98の処理結果の一例を示す。この8値マッピング部98の処理結果は、D/A変換部99においてアナログ信号に変換された後、差動ドライバ100を通じてツイストペアケーブル105に出力される。なお、図示は省略するが、送受信装置96には、例えば、8値マッピング部98の後段において、ロールオフフィルタ等のデジタルフィルタが設けられ、D/A変換部99の後段などにおいて、適宜アナログフィルタが設けられる。
一方、差動レシーバ104にはツイストペアケーブル106を通じて受信した他の機器からの信号が入力される。この受信信号は、差動レシーバ104を通じてA/D変換部103に入力され、デジタル信号に変換される。A/D変換部103からの出力データは8値判定部102に供給され、各シンボルが、その信号レベルに基づいて2ビットのパラレルデータに変換される。8値判定部102から出力された2ビット毎のパラレルデータはp/s変換部101においてシリアルデータに変換され、S/PDIFコントローラ91に入力される。このp/s変換部101の出力は図19に示したS/PDIFフレームに相当する。S/PDIFコントローラ91は、入力されたS/PDIFフレームに基づいて受信データを出力する。
このように、S/PDIFコントローラ91から出力された送信データの各2ビットを1シンボルとして所定の信号レベルにマッピングして伝送することにより、1ビットを1シンボルとして伝送する場合に比べて、シンボルレートを半分に抑えることができ、電磁放射を低減することができる。なお、図23に示すようにシンボル毎に信号レベルの極性が常に反転するようにマッピングすることによって、送信信号には常にシンボル周波数の半分の周波数成分が含まれることになるので、受信側の機器において、PLL(Phase Lock Loop)による、より確実なクロック再生が可能となる。
国際公開第02/30075号パンフレット(第16図、第17図)
しかしながら、図23に示すようなマッピングによって1シンボルで2ビット分の情報を伝送する場合、各シンボルを8つの信号レベルのいずれかにマッピング(以下、このようなマッピングを8値マッピングと称す。)しているため、受信側において信号レベルを判定するための閾値の間隔が狭くなってしまい、伝送誤りが発生しやすいという問題がある。
そこで本願の発明者らは、上記の問題を解決するために、バイフェーズマーク変調されたS/PDIFフレームのデータ部を、バイフェーズマーク変調前のデータ列に戻してから、図24に示すように、各シンボルを4つの信号レベルのいずれかにマッピング(以下、このようなマッピングを4値マッピングと称す。)して伝送することを考えついた。これにより、シンボルレートを上げることなく、信号レベルを判定するための閾値の間隔を8値マッピングに比べて広げることができるため、より誤りの少ないデータ伝送が可能となる。
しかしながら、S/PDIFフレームに上記の4値マッピングを適用しようとした場合、ヘッダ部の扱いが問題となることが判明した。つまり、ヘッダ部(8ビット)は元データをバイフェーズマーク変調することによって生成したものではないので4ビットのデータとして伝送することができず、8ビットのヘッダ部に4値マッピングを適用して伝送しようとすると、ヘッダ部の転送に8シンボル期間を要してしまう。その結果、S/PDIFフレームのフレーム周期が変化してしまい、S/PDIFフレームのスムーズな転送に支障が生じてしまうという問題がある。また、仮に8ビットのヘッダ部を4ビットのデータに適宜変換してから4値マッピングを適用して伝送したとしても、データ部のビット列の一部が偶然にヘッダ部のビット列と一致することがあり得るため、受信側の機器においてヘッダ部とデータ部とを間違いなく確実に判別することは難しい。
それゆえに、本発明は、例えば上述したS/PDIFフレームのヘッダ部のようにデータ部と区別して伝送すべき非データ部とデータ部とを受信側の機器において確実に判別することができるようなデータ送信装置、データ受信装置、伝送路符号化方法および復号方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号等は、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
本発明の伝送路符号化方法は、送信データの各シンボルを複数の信号レベル(+1.5、+0.5、−0.5、−1.5)のいずれかにマッピングするためのものである。この伝送路符号化方法では、データ部については、ある基準レベル(0)に対する各シンボルの信号レベルの大小関係(極性)が1シンボル毎に常に反転するようにマッピングする。つまり、データ部の第N(Nは任意の整数)番目のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも大きい場合には、そのシンボルの次のシンボルである第N+1番目のシンボルの信号レベルは基準レベルよりも小さくなるようにマッピングし、一方、データ部の第N番目のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも小さい場合には、第N+1番目のシンボルの信号レベルは基準レベルよりも大きくなるようにマッピングする。また、例えばヘッダ部のように、データ部と区別して伝送すべき非データ部については、データ部と非データ部とを判別するための判別シンボルが含まれ、かつ、基準レベルに対する判別シンボルの信号レベルの大小関係が判別シンボルの直前のシンボルと同一の大小関係となるようにマッピングする。つまり、判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも大きい場合には、判別シンボルの信号レベルは基準レベルよりも大きくなるようにマッピングし、一方、判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも小さい場合には、判別シンボルの信号レベルは基準レベルよりも小さくなるようにマッピングする。これにより、受信側の機器(26)では、データ部と非データ部とを確実に判別することが可能となる。なお、本発明は、S/PDIFフレームの送受信に好適に適用することができるが、本発明の適用範囲はS/PDIFに限定されるものではない。
なお、判別シンボルについては、判別シンボルの直前のシンボルと同一の信号レベルとなるようにマッピングしても良い。これにより、受信側の機器では基準レベルを意識することなく判別シンボルを確実に検出することが可能となる。したがって、車内環境など、固定的な基準レベルが得られにくい環境では特に有効である。
また、判別シンボルは、非データ部を構成するシンボル列に含まれるいずれのシンボルであっても構わない。非データ部の先頭に判別シンボルを設けるようにすれば、受信側の機器において、非データ部の先頭をより早く判別することが可能となるので、より好ましい。
また、本発明のデータ送信装置(10)は、送信データの各シンボルを複数の信号レベル(+1.5、+0.5、−0.5、−1.5)のいずれかにマッピングして送信するためのものであって、送信データを、ある基準レベル(0)に対する各シンボルの信号レベルの大小関係(上位レベル、下位レベル)が1シンボル毎に常に反転するようにマッピングするデータマッピング部(18)と、データ部と区別して伝送すべき非データ部(ヘッダ部)を、データ部と非データ部とを判別するための判別シンボルが含まれるようにマッピングし、かつ基準レベルに対する判別シンボルの信号レベルの大小関係が判別シンボルの直前のシンボルと同一の大小関係となるようにマッピングする非データマッピング部(16)とを備える。
また、本発明のデータ受信装置(26)は、送信データの各シンボルを複数の信号レベル(+1.5、+0.5、−0.5、−1.5)のいずれかにマッピングして送信された伝送信号を受信するためのものであって、伝送信号の信号レベルの変動パターンから、伝送信号のデータ部と非データ部(ヘッダ部)とを判別するための判別シンボルを検出する判別シンボル検出部(30)と、判別シンボル検出部の検出結果に基づいて伝送信号のデータ部からデータを再生するデータ判定部(34)と、判別シンボル検出部の検出結果に基づいて伝送信号の非データ部から非データ情報(ヘッダ情報)を再生する非データ判定部(32)とを備え、前記判別シンボル検出部は、前記伝送信号におけるあるシンボルの信号レベルとその直前のシンボルの信号レベルが、ある基準レベルに対して同一の大小関係であった場合に、該シンボルを判別シンボルとして検出することを特徴とする。
以下、本発明の種々の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係るデータ送信装置およびデータ受信装置について説明する。図1に、データ送信装置の構成を示す。図1において、データ送信装置10は、送信データに対して4値マッピングを行う4値マッピング部12と、4値マッピング部12から出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換部20と、D/A変換後の信号に基づいてツイストペアケーブル24の2本の線に互いに対称的な信号を送信する差動ドライバ22とを備える。なお、図示は省略するが、4値マッピング部12の後段において、ロールオフフィルタ等のデジタルフィルタが設けられ、D/A変換部20の後段などには、アナログフィルタが適宜に設けられる。
まず、本発明の第1の実施形態に係るデータ送信装置およびデータ受信装置について説明する。図1に、データ送信装置の構成を示す。図1において、データ送信装置10は、送信データに対して4値マッピングを行う4値マッピング部12と、4値マッピング部12から出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換部20と、D/A変換後の信号に基づいてツイストペアケーブル24の2本の線に互いに対称的な信号を送信する差動ドライバ22とを備える。なお、図示は省略するが、4値マッピング部12の後段において、ロールオフフィルタ等のデジタルフィルタが設けられ、D/A変換部20の後段などには、アナログフィルタが適宜に設けられる。
4値マッピング部12には、前信号レベル記憶部14と、ヘッダマッピング部16と、データマッピング部18が含まれる。ヘッダマッピング部16は、データ送信装置10において生成された(またはデータ送信装置10に接続された機器より入力された)ヘッダ情報に基づいて、所定の信号レベルにマッピングしたヘッダ部を送信データに付加する。なお、ヘッダマッピング部16にヘッダ情報を供給することなく、ヘッダマッピング部16に周期的にヘッダ部を付加させるようにしてもよい。データマッピング部18は、データ送信装置10において生成された(またはデータ送信装置10に接続された機器より入力された)送信データの各シンボル(ここでは1ビットのデータ)を所定の信号レベルにマッピングし、送信データのデータ部を生成する。これらヘッダマッピング部16およびデータマッピング部18の処理の結果、図2に示すようなシンボル列が生成され、D/A変換部20に出力される。前信号レベル記憶部14は、4値マッピング部12から直前に出力されたシンボルの信号レベルを順次記憶し、ヘッダマッピング部16とデータマッピング部18にその値を供給する。以下、4値マッピング部12の処理を、データ部についての処理とヘッダ部についての処理に分けて説明する。
まず、図3および図4を参照して、データマッピング部18の動作について説明する。
データマッピング部18は、送信データの各シンボル(ここでは1ビットのデータ)を、図3に示すような4つの信号レベル(+1.5、+0.5、−0.5、−1.5)のいずれかに順次マッピングする。ただし、これらの信号レベルの値は単なる一例に過ぎない。これら4つの信号レベルは、基準レベル(ここではレベル零)を境にして上位レベル(+1.5、+0.5)と下位レベル(−0.5、−1.5)とに区分され、送信データの各シンボルは、上位レベルと下位レベルに交互にマッピングされる。このマッピングは、データマッピング部18が保持しているマッピングテーブルに従って行われる。図4に、マッピングテーブルの具体例を示す。データマッピング部18は、マッピングしようとするシンボルの符号と、前信号レベル記憶部14より供給される値(つまりマッピングしようとするシンボルの直前のシンボルの信号レベル)とに基づいてマッピングテーブルを参照し、信号レベルを決定する。例えば、マッピングしようとするシンボルの符号が1であって、その直前のシンボルがマッピングされた信号レベルが+1.5であった場合には、このシンボルは−0.5の信号レベルにマッピングされることになる。
なお、図4に示すマッピングテーブルにおいて、括弧内の数字は直前の信号レベルとの差を示しており、後述するデータ受信装置では、この差に基づいて、マッピング処理前の送信データを再生する。つまり、直前のシンボルとの信号レベルの差が−3、−1、+1、+3のいずれかであれば、送信データは0であると判定することができ、一方、直前のシンボルとの信号レベルの差が−2、+2のいずれかであれば、送信データは1であると判定することができる。このように、連続するシンボル間の信号レベルの差に対してデータを乗せて伝送すれば、データを再生する際に、基準となる信号レベル(例えばグランドレベル)が不要となる。これは、データ送信装置とデータ受信装置とで基準となる信号レベルが異なる場合に特に有効である。ただし、本発明はこれに限定されず、例えば、直前のシンボルの信号レベルに関係なく、シンボル0については+0.5または−0.5の信号レベルにマッピングし、シンボル1については+1.5または−1.5の信号レベルにマッピングするようにしてもよい。
次に、図5および図6を参照して、ヘッダマッピング部16の動作について説明する。
ヘッダ部は図2に示したように4シンボルで構成される。ヘッダマッピング部16には、ヘッダ種別毎に予め出力パターンが数通り用意されており、付加すべきヘッダ種別に応じたヘッダパターンを出力する。図5および図6に、ヘッダマッピング部16に用意されたヘッダのパターンを示す。図5および図6は、Bヘッダ、Mヘッダ、Wヘッダ、Rヘッダという4つのヘッダ種別に対応するヘッダマッピング部16の出力を示している。これら4つのヘッダ種別からどのヘッダを選択するかは、ヘッダマッピング部16に入力されるヘッダ情報に基づいて決定される。さらにヘッダマッピング部16は、ヘッダ種別毎に、前信号レベル記憶部14より供給される値(つまりデータ部の最後のシンボルの信号レベル)に応じた4通りのパターンの出力を行う。例えば、ヘッダ種別がBヘッダであって、前信号レベル記憶部14より供給される値が−0.5であった場合には、図5より、ヘッダマッピング部16からは信号レベルがそれぞれ−0.5、−1.5、+1.5、−1.5であるような4つのシンボルが順次出力される。また例えば、ヘッダ種別がWヘッダであって、前信号レベル記憶部14より供給される値が−1.5であった場合には、図6より、ヘッダマッピング部16からは信号レベルがそれぞれ−1.5、−1.5、+1.5、−0.5であるような4つのシンボルが順次出力される。
なお、全てのヘッダに共通している点は、ヘッダ部の先頭のシンボルが、直前のシンボル(つまりデータ部の最後のシンボル)の信号レベルと同一の信号レベルにマッピングされていることである。前述のように、データ部においては、シンボル毎に信号レベルの極性が反転するようにマッピングされるので、後述するデータ受信装置では、直前のシンボルの信号レベルと同一の信号レベルにマッピングされたシンボルを検出することにより、ヘッダ部とデータ部を確実に判別することができる。このように、ヘッダ部の先頭のシンボルは、ヘッダ部とデータ部を判別のための特別なシンボルであり、以下ではこのシンボルを判別シンボルと称す。なお、判別シンボルは、必ずしもヘッダ部の先頭のシンボルである必要はないが、データ受信装置においてヘッダ部をより早く判別するためには、ヘッダ部の先頭のシンボルを判別シンボルとするのが好ましい。
なお、本実施形態では、判別シンボルの信号レベルは直前のシンボルの信号レベルと同一であるとしたが、本発明はこれに限らず、少なくともデータ部とヘッダ部とが判別可能となる限りにおいて、判別シンボルの信号レベルを任意に設定してもよい。例えば、判別シンボルの信号レベルの極性(つまり基準レベルに対する大小関係)が、判別シンボルの直前のシンボルと同一の極性となるように判別シンボルの信号レベルが設定されていれば、データ受信装置において極性の変化をモニタすることによって判別シンボルを検出することができる。ただし、極性の変化をモニタするためには基準レベルが確定している必要があるので、基準レベルの確定が困難な状況においては、基準レベルが確定していなくても判別シンボルを検出できることが望ましい。そこで、例えば、判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも大きい場合には、判別シンボルの信号レベルが直前のシンボルの信号レベルと同一またはより大きい信号レベルとなり、判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも小さい場合には、判別シンボルの信号レベルが直前のシンボルの信号レベルと同一またはより小さい信号レベルとなるように設定すれば、データ受信装置では、単に信号レベルの増減のパターンをモニタするだけで判別シンボルを検出することができる。さらには、図6に示すように判別シンボルの信号レベルを直前のシンボルの信号レベルと同一とすることにより、データ受信装置では、単に信号レベルが変化したか否かをモニタするだけで判別シンボルを検出することができるため、判別シンボルを容易に検出することができる。
ヘッダ部は、判別シンボルの他に3つのシンボルを有している。これら3つのシンボルの信号レベルのパターンによって、ヘッダ種別を判別することができる。なお、図5および図6に示す例では、ヘッダ部の2番目のシンボルについては全てのヘッダ種別について判別シンボルと同一の極性でかつ最大振幅レベルに設定されており、3番目と4番目のシンボルの信号レベルのパターン(つまり2ビットの情報)によってヘッダ種別が示されている。ただし、これは単なる一例であって、判別シンボルを除くヘッダ部のパターンは任意に設定することができる。ただし、後述するように、データ受信装置では、受信信号からシンボル周波数の2分の1の周波数成分をバンドパスフィルタで抽出し、その抽出結果をPLLに入力することによってクロック信号を再生する。したがって、バンドパスフィルタから安定した抽出結果が得られるように、データ部における信号レベルの変動パターン(上位レベル→下位レベル→上位レベル→下位レベルというパターン)が変化しないように、ヘッダ部の各シンボルの信号レベル(特にヘッダ部の最後のシンボルの信号レベル)を適切に設定すべきである。例えば、ヘッダ部が偶数個のシンボルで構成される場合には、ヘッダ部の最後のシンボルの信号レベルの極性を、このヘッダ部の直前のデータ部における最後のシンボルの信号レベルの極性と一致させるのが好ましい。
図7にデータ受信装置の構成を示す。図7において、差動レシーバ40には、図1に示したデータ送信装置10から送信された伝送信号がツイストペアケーブル24を通じて入力される。差動レシーバ40は、ツイストペアケーブル24の2本の線によって伝送された信号の差分を出力し、この出力は、A/D変換部38によってデジタル信号に変換される。A/D変換部38の出力データは差分算出部36に入力され、差分算出部36は、シンボル毎に、直前のシンボルとの間の信号レベルの差分を順次算出して出力する。図8に、受信信号と差分算出部36の算出結果との関係を示す。この差分算出部36の算出結果は、4値判定部28に入力される。
4値判定部28には、受信信号から判別シンボルを検出するための判別シンボル検出部30と、受信信号のヘッダ部からヘッダ情報を再生するヘッダ判定部32と、同じく受信信号のデータ部から受信データ(図1における送信データに相当)を再生するデータ判定部34とが含まれる。図8から明らかなように、判別シンボルに対応する差分算出結果は0となる。判別シンボル検出部30は、差分算出部36の出力をモニタし、あるシンボルに対応する差分算出結果として0が出力されたときに、このシンボルを判別シンボルとして検出する。ヘッダ判定部32およびデータ判定部34は、この判別シンボル検出部30の検出結果に基づいてヘッダ部およびデータ部を判別し、それぞれについて処理を行う。以下、ヘッダ判定部32およびデータ判定部34の動作について説明する。
まず、図9を参照して、データ判定部34の動作を説明する。
データ判定部34は、図9に示す変換テーブルを参照して、差分算出結果を0または1の符号に順次変換して出力する。つまり、差分算出結果が−3、−1、+1、+3のいずれかであった場合には0を出力し、差分算出結果が−2または+2であった場合には1を出力する。このようにして、データ判定部34において受信データが再生される。
次に、図10を参照して、ヘッダ判定部32の動作を説明する。
ヘッダ判定部32は、判別シンボル検出部30の検出結果に基づいて、判別シンボルから4シンボル分(つまりヘッダ部)に対応する差分算出結果に基づいて、ヘッダ種別を判別する。なお、本実施形態では、ヘッダ部の3シンボル目と4シンボル目にそれぞれ対応する差分算出結果を参照することによって、4通りのヘッダ種別(Bヘッダ、Mヘッダ、Wヘッダ、Rヘッダ)を判別することができる。具体的には、ヘッダ部の3シンボル目に対応する差分算出結果が−2であり、ヘッダ部の4シンボル目に対応する差分算出結果が+2であった場合には、図10に示す判定テーブルに基づいてこのヘッダがMヘッダであると判別できる。ヘッダ判定部32は、こうして判別したヘッダ種別をヘッダ情報として出力する。
なお、本実施形態では、判別シンボル検出部30は、差分算出部36の出力をモニタし、あるシンボルに対応する差分算出結果として0が出力されたときに、このシンボルを判別シンボルとして検出するとしたが、例えば、データ送信装置10における判別シンボルのマッピング方法が本実施形態とは異なっている場合には、それに応じて判別シンボル検出部30の動作を最適化する必要があることは言うまでもない。例えば、判別シンボルの信号レベルの極性(つまり基準レベルに対する大小関係)が、判別シンボルの直前のシンボルと同一の極性となるように判別シンボルの信号レベルが設定される場合には、判別シンボル検出部30は、差分算出部36の差分算出結果ではなく、受信信号の極性の変化をモニタすることによって、判別シンボルを検出することができる。また例えば、判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも大きい場合には、判別シンボルの信号レベルが直前のシンボルの信号レベルと同一またはより大きい信号レベルとなり、判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが基準レベルよりも小さい場合には、判別シンボルの信号レベルが直前のシンボルの信号レベルと同一またはより小さい信号レベルとなるように設定される場合には、判別シンボル検出部は、差分算出結果の符号の変化をモニタすることによって判別シンボルを検出することができる。
以上のように、本実施形態のデータ送信装置およびデータ受信装置によれば、判別シンボルに基づいてデータ部とヘッダ部とをデータ受信装置において確実に判別することができる。なお、本実施形態では、データ部とヘッダ部を区別して伝送する場合について説明したが、本発明は、ヘッダ部に限らず、一般に、データと区別して伝送すべき任意の情報を非データ部として伝送する場合に適用することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るデータ送信装置およびデータ受信装置について説明する。これらデータ送信装置およびデータ受信装置は、図19に示したS/PDIFフレームを送受信する。
次に、本発明の第2の実施形態に係るデータ送信装置およびデータ受信装置について説明する。これらデータ送信装置およびデータ受信装置は、図19に示したS/PDIFフレームを送受信する。
まず、第2の実施形態に係るデータ送信装置について説明する。図11に、このデータ送信装置の構成の一部を示す。なお、第2の実施形態に係るデータ送信装置が図1に示す第1の実施形態に係るデータ送信装置と異なる点は、4値マッピング部12の前段にヘッダ判別部42とバイフェーズデコーダ44を設けた点のみであり、その他の構成については同一であるため説明を省略する。
ヘッダ判別部42およびバイフェーズデコーダ44には、データ受信装置に向けて送信すべきS/PDIFフレームのヘッダ部およびデータ部がそれぞれ入力される。ヘッダ判別部42は、S/PDIFフレームのヘッダ部のパターンに基づいてヘッダ種別を判別し、この判別結果をヘッダ情報としてヘッダマッピング部16に供給する。一方、バイフェーズデコーダ44は、S/PDIFフレームのデータ部に対してバイフェーズマーク復号を行い、その復号結果をデータマッピング部18に供給する。バイフェーズデコーダ44の出力データは、S/PDIFコントローラによってバイフェーズマーク変調される前の元データに相当する。4値マッピング部12以降の処理は、第1の実施形態と同一である。その結果、データ送信装置から送信される信号は、図12に示すような波形を有する信号となる。なお、図11に示す構成では、ヘッダ判別部42およびバイフェーズデコーダ44が4値マッピング部12とは独立して設けられているが、本発明はこれに限らず、例えばヘッダマッピング部16およびデータマッピング部18が、ヘッダ判別部42およびバイフェーズデコーダ44の機能をそれぞれ内包するように構成しても構わない。
次に、第2の実施形態に係るデータ受信装置について説明する。図13に、このデータ受信装置の構成の一部を示す。なお、第2の実施形態に係るデータ受信装置が図7に示す第1の実施形態に係るデータ受信装置と異なる点は、4値判定部28の後段にヘッダ生成部46とバイフェーズエンコーダ48を設けた点のみであり、その他の構成については同一であるため説明を省略する。
4値判定部28からは、データ送信装置から送信された伝送信号に基づいて再生されたヘッダ情報および受信データが出力される。これらヘッダ情報および受信データは、ヘッダ生成部46およびバイフェーズエンコーダ48にそれぞれ入力される。ヘッダ生成部46は、ヘッダ判定部32からのヘッダ情報に基づいて、図20に示したS/PDIFフレームのヘッダ部を生成して出力する。一方、バイフェーズエンコーダ48は、データ判定部34から出力された受信データに対してバイフェーズマーク変調を行い、その変調結果をS/PDIFフレームのデータ部として出力する。このように、ヘッダ生成部46およびバイフェーズエンコーダ48によって、データ送信装置が伝送しようとしたS/PDIFフレームが再生されることになる。なお、図13に示す構成では、ヘッダ生成部46およびバイフェーズエンコーダ48が4値判定部28とは独立して設けられているが、本発明はこれに限らず、例えばヘッダ判定部32およびデータ判定部34が、ヘッダ生成部46およびバイフェーズエンコーダ48の機能をそれぞれ内包するように構成しても構わない。
以上のように、第2の実施形態によれば、S/PDIFフレームをツイストペアケーブル等の導線で伝送する際に、S/PDIFフレームの2ビット分のデータを1シンボルとして4値マッピングを行って伝送するので放射ノイズを抑圧できる。また、S/PDIFフレームの8ビットのヘッダ部を4シンボルで伝送することができ、しかも受信側の装置ではヘッダ部とデータ部とを確実に判別することができる。また、送信側のS/PDIFコントローラから出力されたS/PDIFフレームを、受信側のS/PDIFコントローラにそのままの形で入力することができるため、既存のS/PDIFコントローラの構成に何ら手を加えることなく、S/PDIFのシステムを導線を用いたデータ転送に最適化することができる。
なお、上記の第1および第2の実施形態では、データ送信装置およびデータ受信装置がそれぞれデータ送信機能およびデータ受信機能のみを備えていたが、これらの装置をデータ送信機能とデータ受信機能の両方の機能を備えたデータ送受信装置として構成しても構わない。
(変形例)
なお、上記の第1および第2の実施形態では、データ部とヘッダ部を区別して伝送する場合について説明したが、本発明は、ヘッダ部に限らず、一般に、データと区別して伝送すべき任意の情報を非データ部として伝送する場合に適用することができる。
なお、上記の第1および第2の実施形態では、データ部とヘッダ部を区別して伝送する場合について説明したが、本発明は、ヘッダ部に限らず、一般に、データと区別して伝送すべき任意の情報を非データ部として伝送する場合に適用することができる。
データと区別して伝送すべき情報の例として、データ部に含まれるデータの種別を示すデータ識別子(例えばデータ部に含まれるデータがオーディオデータであるかビデオデータであるかを示す識別子)が考えられる。また、データと区別して伝送すべき情報の他の例として、制御データ(例えばデータ部に含まれるビデオデータに関する時間情報やフレーム番号や走査線の番号を指定するためのデータ)が考えられる。
図14に、非データ部においてデータ識別子を伝送する場合のシステム構成例を示す。このシステムでは、オーディオデータおよびビデオデータを機器#1から機器#2に伝送する。図15に、このシステムにおける伝送データの構造を示す。伝送データはパケット単位で伝送される。そして、各パケットは、非データ部とデータ部とで構成される。機器#1は、伝送すべきデータに応じて異なる非データ部を付加する。一方、機器#2は、受信した非データ部に基づいてオーディオデータとビデオデータを分離して出力する。非データ部には、対応するデータ部のデータ種別を表すデータ識別子が含まれている。なお、各パケットの開始タイミングは、非データ部に含まれる判別シンボルを検出することによって受信側で判別可能であるため、各パケットに含まれるデータ部の長さは送信側が任意に決定することができる。図16に、データ部の信号パターンを示す。なお、第1および第2の実施形態では、4値マッピングを用いて、送信データの各ビットを1シンボルとして所定の信号レベルにマッピングする例について説明したが、図16では、8値マッピングを用いて、データ部の各2ビットを1シンボルとして所定の信号レベルにマッピングした場合の信号波形のパターンを示している。また、図17に、非データ部の信号パターンを示す。図17の例では、非データ部の後半部分において、信号レベルが1シンボルにつき4通りのレベルを取り得る。したがって、データ識別子としては16通りの情報(すなわち4ビットの情報)を伝送することが可能である。
非データ部において制御データを伝送する場合も同様に実施可能である。
また、4値マッピングに比べて、本例のように8値マッピングを用いた場合は、ヘッダ部とバイフェーズマーク変調されたデータ部により構成された、前出の2倍の速度のフレームデータを伝送することが可能となる。
なお、図17の例では、非データ部が4シンボルで構成される例を示したが、非データ部のシンボル数は任意である。非データ部のシンボル数を増やすことにより、データ識別子や制御データとして、より多くの情報を伝送することができる。
本発明は、例えば、車内LAN等において複数の機器間でデータをやりとりするようなシステムにおいて、S/PDIFフレームのヘッダ部のような、データ部と区別して伝送すべき非データ部と、データ部とを受信側の機器において確実に判別可能に伝送するのに好適である。
10
データ送信装置
12 4値マッピング部
14 前信号レベル記憶部
16 ヘッダマッピング部
18 データマッピング部
20 D/A変換部
22 差動ドライバ
24 ツイストペアケーブル
26 データ受信装置
28 4値判定部
30 判別シンボル検出部
32 ヘッダ判定部
34 データ判定部
36 差分算出部
38 A/D変換部
40 差動レシーバ
42 ヘッダ判別部
44 バイフェーズデコーダ
46 ヘッダ生成部
48 バイフェーズエンコーダ
12 4値マッピング部
14 前信号レベル記憶部
16 ヘッダマッピング部
18 データマッピング部
20 D/A変換部
22 差動ドライバ
24 ツイストペアケーブル
26 データ受信装置
28 4値判定部
30 判別シンボル検出部
32 ヘッダ判定部
34 データ判定部
36 差分算出部
38 A/D変換部
40 差動レシーバ
42 ヘッダ判別部
44 バイフェーズデコーダ
46 ヘッダ生成部
48 バイフェーズエンコーダ
Claims (19)
- 送信データの各シンボルを複数の信号レベルのいずれかにマッピングして送信するためのデータ送信装置であって、
送信データを、ある基準レベルに対する各シンボルの信号レベルの大小関係が1シンボル毎に常に反転するようにマッピングするデータマッピング部と、
データ部と区別して伝送すべき非データ部を、データ部と非データ部とを判別するための判別シンボルが含まれ、かつ、前記基準レベルに対する該判別シンボルの信号レベルの大小関係が該判別シンボルの直前のシンボルと同一の大小関係となるようにマッピングする非データマッピング部とを備えることを特徴とする、データ送信装置。 - 前記非データマッピング部は、
a)前記判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが前記基準レベルよりも大きい場合には、前記判別シンボルの信号レベルが該直前のシンボルの信号レベルと同一またはより大きい信号レベルとなり、
b)前記判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが前記基準レベルよりも小さい場合には、前記判別シンボルの信号レベルが該直前のシンボルの信号レベルと同一またはより小さい信号レベルとなるようにマッピングすることを特徴とする、請求項1に記載のデータ送信装置。 - 前記非データマッピング部は、前記判別シンボルの信号レベルが、該判別シンボルの直前のシンボルと同一の信号レベルとなるようにマッピングすることを特徴とする、請求項1に記載のデータ送信装置。
- 前記非データマッピング部は、非データ部の先頭のシンボルが前記判別シンボルとなるようにマッピングすることを特徴とする、請求項1に記載のデータ送信装置。
- 非データ部が、データ部に付加されるヘッダ情報であることを特徴とする、請求項1に記載のデータ送信装置。
- 前記非データマッピング部は、前記判別シンボルに加えて、ヘッダ種別を判別するための所定のパターンを有するシンボル列を出力することを特徴とする、請求項5に記載のデータ送信装置。
- 前記非データマッピング部は、ヘッダ種別を示すデータに基づいて、予め用意された複数パターンのシンボル列の中からヘッダ種別に応じたシンボル列を選択することを特徴とする、請求項6に記載のデータ送信装置。
- 伝送すべきデータが、8ビットのヘッダ部とバイフェーズマーク変調されたデータ部とから成るフレームデータであり、
前記非データマッピング部は、前記フレームデータのヘッダ部を、当該ヘッダ部のヘッダ種別に応じて、前記判別シンボルを含む4シンボルから成るシンボル列に変換し、
前記データマッピング部は、前記フレームデータのデータ部に対してバイフェーズマーク復号を行い、該復号されたデータの各ビットを1シンボルとして、ある基準レベルに対する信号レベルの大小関係が1シンボル毎に常に反転するように各シンボルをマッピングすることを特徴とする、請求項1に記載のデータ送信装置。 - 前記データマッピング部および前記非データマッピング部の出力を記憶し、該データマッピング部および該非データマッピング部に供給する前信号レベル記憶部をさらに備える、請求項1に記載のデータ送信装置。
- 送信データの各シンボルを複数の信号レベルのいずれかにマッピングして送信された伝送信号を受信するためのデータ受信装置であって、
前記伝送信号の信号レベルの変動パターンから、該伝送信号のデータ部と非データ部とを判別するための判別シンボルを検出する判別シンボル検出部と、
前記判別シンボル検出部の検出結果に基づいて前記伝送信号のデータ部からデータを再生するデータ判定部と、
前記判別シンボル検出部の検出結果に基づいて前記伝送信号の非データ部から非データ情報を再生する非データ判定部とを備えることを特徴とする、データ受信装置。 - 前記判別シンボル検出部は、前記伝送信号におけるあるシンボルの信号レベルが、該シンボルの直前のシンボルの信号レベルに等しい場合に、該シンボルを判別シンボルとして検出することを特徴とする、請求項10に記載のデータ受信装置。
- 前記非データ判定部は、非データ部が、ヘッダ種別に対応して予め用意された複数パターンのシンボル列のいずれを含んでいるかを判定することによって、該非データ部に対応するヘッダ種別を判別することを特徴とする、請求項10に記載のデータ受信装置。
- 前記データ判定部によって再生されたデータに対してバイフェーズマーク変調を行って、該変調結果をフレームデータのデータ部として出力するバイフェーズエンコード部をさらに備え、
前記非データ判定部は、前記伝送信号の非データ部のパターンに応じて、該非データ部をフレームデータのヘッダ部に変換して出力することを特徴とする、請求項10に記載のデータ受信装置。 - 送信データの各シンボルを複数の信号レベルのいずれかにマッピングするための伝送路符号化方法であって、
データ部については、ある基準レベルに対する各シンボルの信号レベルの大小関係が1シンボル毎に常に反転するようにマッピングし、
データ部と区別して伝送すべき非データ部については、データ部と非データ部とを判別するための判別シンボルが含まれ、かつ、前記基準レベルに対する該判別シンボルの信号レベルの大小関係が該判別シンボルの直前のシンボルと同一の大小関係となるようにマッピングすることを特徴とする、伝送路符号化方法。 - a)前記判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが前記基準レベルよりも大きい場合には、前記判別シンボルの信号レベルが該直前のシンボルの信号レベルと同一またはより大きい信号レベルとなり、
b)前記判別シンボルの直前のシンボルの信号レベルが前記基準レベルよりも小さい場合には、前記判別シンボルの信号レベルが該直前のシンボルの信号レベルと同一またはより小さい信号レベルとなるようにマッピングすることを特徴とする、請求項14に記載の伝送路符号化方法。 - 前記判別シンボルの信号レベルが、該判別シンボルの直前のシンボルと同一の信号レベルとなるようにマッピングすることを特徴とする、請求項14に記載の伝送路符号化方法。
- 請求項14に記載の伝送路符号化方法によってマッピングされた受信信号を復号するための復号方法であって、
前記基準レベルに対する各シンボルの信号レベルの大小関係を1シンボル毎に判定することによって、受信信号に含まれる前記判別シンボルを検出し、
前記判別シンボルに基づいて、データ部と非データ部とを個別に復号することを特徴とする、復号方法。 - 請求項15に記載の伝送路符号化方法によってマッピングされた受信信号を復号するための復号方法であって、
前記データの連続する2シンボル間の信号レベルの差分を1シンボル毎に判定することによって前記判別シンボルを検出し、
前記判別シンボルに基づいて、データ部と非データ部とを個別に復号することを特徴とする、復号方法。 - 請求項16に記載の伝送路符号化方法によってマッピングされた受信信号を復号するための復号方法であって、
前記データの連続する2シンボル間の信号レベルが等しいか否かを判定することによって前記判別シンボルを検出し、
前記判別シンボルに基づいて、データ部と非データ部とを個別に復号することを特徴とする、復号方法。
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