JPWO2005064781A1 - モータの制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
速度制御手段7は比例制御器9、積分制御器10、および、加算器11から構成される。比例制御器9は入力した速度誤差に比例ゲインKPを乗じて出力し、積分制御器10は速度誤差の積分値に積分ゲインKIを乗じて出力する。加算器11は比例制御器9の出力と積分制御器10の出力を加算して、電流指令として出力する。また、15は機械系であり、モータ1と負荷2および軸3から構成される。
従来の速度制御系は上記のように構成され、速度指令信号とモータ速度の差である速度誤差が小さくなるようにモータ1を加速あるいは減速するトルクを発生させ、これにより、モータ速度が上位コントローラから与えられる速度指令信号に追従するようにモータ1と負荷2が回転する。機械系に外乱トルクが作用した場合には、この外乱トルクによってモータ速度が変動するが、この速度変動はエンコーダ4と速度検出手段5で検出され、速度制御手段7にフィードバックされて速度変動を修正するような電流指令が生成される。このように、外乱トルクが作用した場合でも速度制御ループによって速度変動が抑制され、速度指令信号に追従するようにモータが制御される。
図7は従来の速度制御装置を用いて速度制御系を構成した場合の速度開ループ周波数特性を示したものである。速度開ループ周波数特性とは、速度制御手段7の入力から速度検出手段5で検出されるモータ速度までの周波数特性であり、図7上図はゲイン特性、下図は位相特性を示す。図の破線はモータ1と負荷2を接続する軸3の剛性が高い場合、すなわち、機械剛性が高い場合の周波数特性を示す。また、実線は軸3の剛性が低いために機械剛性が低く、機械共振を持つ場合の周波数特性を示している。
機械剛性が高い(軸3の剛性が高い)場合のゲイン特性は図7上図に破線で示すように、全周波数にわたって右下がりとなる。位相特性は図7下図に破線で示すように、高周波数では電流制御手段8や制御装置のサンプル周期に起因する位相遅れのために位相遅れが大きくなり、低周波数でも速度制御手段7で積分制御器10を用いているために位相遅れが大きくなる。
一方、機械剛性が低い(軸3の剛性が低い)場合、機械系は機械共振を持つようになり、そのゲイン特性は図7上図に実線で示すように共振と呼ばれるピークと反共振と呼ばれる谷の部分を持つようになる。共振と反共振の間でゲインが左下がりとなるため、低周波数でのゲインは軸3の剛性が高い場合(破線)に比べて小さくなる。モータ1の慣性モーメントと負荷2の慣性モーメントの和である機械系全体の慣性モーメントJがモータの慣性モーメントJMに比べて大きくなるほど、共振と反共振の距離が離れ、反共振の周波数が低くなるため、低周波数のゲインはより小さくなる。
高精度の速度制御を実現するには、速度誤差の要因のひとつである外乱トルクの影響を抑制して、外乱トルクが作用したときの速度変動を小さくしなければならない。一般に、外乱トルクは低周波数の信号成分を持つので、外乱トルクによる速度変動を小さくするには、低周波数でのゲインを大きくする必要がある。ところが、剛性が低い機械では上記のように低周波数でのゲインが小さくなるため、外乱トルクによる速度変動が大きくなり、高精度の制御が困難であった。
図6に示した従来の速度制御装置で低周波数でのゲインを大きくするには、速度制御手段7の比例ゲインKPや積分ゲインKIを大きくする必要がある。しかし、これには限界があり、結果的に高精度の制御ができなかった。その理由を以下に説明する。図7において、低剛性の場合のゲイン特性(実線)が反共振周波数より低い周波数でゲイン0dbの線と交差する周波数を第一の交差周波数ωC1、共振周波数より高い周波数でゲイン0dbの線と交差する周波数を第二の交差周波数ωC2とする。制御系が振動を起こしたり発振したりせずに安定に動作するには、第一の交差周波数ωC1や第二の交差周波数ωC2において速度開ループ周波数特性の位相遅れが小さいことが必要となる。ところが、比例ゲインKPを大きくすると、第二の交差周波数ωC2が高周波側に移動するため、第二の交差周波数ωC2における位相遅れが大きくなり、制御系が振動的になったり、発振したりするようになってしまう。また、積分ゲインKIを大きくすると、積分制御器10による低周波数での位相遅れが大きくなるため、第一の交差周波数ωC1での位相遅れが大きくなり、やはり制御系が振動的になったり、発振したりするようになってしまう。このように、従来の速度制御装置では、比例ゲインKPや積分ゲインKIをある程度以上には大きくすることができないため、低周波数のゲインを大きくすることが出来ず、結果として高精度の制御が困難となっていたのである。
機械共振を持つ機械系を対象としたサーボ制御技術が日本国特開2000−322105号公報に開示されている。この技術を用いた速度制御装置の構成を図8に示す。図6と同一部分には同一の符号を付してある。図8において、12は速度制御ループに直列に挿入されたフィルタであり、機械系の反共振・共振特性の逆の特性あるいは近似する特性を持つ。このフィルタ12は式(1)に示されるような特性を示すように調整される。
ここで、ω1、ω2、ζ1、ζ2は各々パラメータであり、ω1は反共振周波数に近い値とし、ω2は共振周波数に近い値とする。また、ζ1、ζ2は反共振、共振のピークに応じて小さめに設定する。この技術によれば、機械系の共振ピークのゲインをフィルタ12によって抑えることができるので、従来よりもゲインを上げられるようになり、高精度の制御が実現できるというものである。
しかしながら、この技術が主に対象としているのは図7に示す共振ピークよりももっと高い周波数にある不安定な共振ピークを抑えることであり、図7のような安定な共振ピークに対してこの技術を適用すると不都合が生じる。以下、この不都合を説明する。
図7の実線に示す周波数特性を持つ機械系にこの技術を適用した場合のフィルタ12の周波数特性を図9に示す。フィルタ12は上記のように機械系の反共振・共振特性と逆の特性を持つように調整されるので、そのゲイン特性は機械系の反共振でピークを持ち、機械系の共振で谷を持つ特性となる。このようなフィルタを用いて制御されている機械系に外乱トルクが作用した場合を考える。共振周波数は機械系が振動しやすい周波数であり、外乱トルクが作用すると機械系が共振周波数で振動することがある。この振動は速度検出手段5で検出され、速度制御手段7にフィードバックされ、速度制御手段7はこの振動を止めるための電流指令を生成して出力する。この電流指令には当然ながら共振周波数の信号成分が含まれている。ところが、図9に示すようにフィルタ12のゲインは共振周波数で小さくなっているので、フィルタ12を通ることにより電流指令から共振周波数の信号成分が除去されてしまう。つまり、フィルタ12により、振動を止めるための信号成分が電流指令から除去されてしまうのである。このため、機械系が共振周波数で振動しても、速度制御系はこの振動を止めることができないと言う不都合が生じるのである。
上記のように、低剛性で、かつ、機械系の慣性モーメントJがモータの慣性モーメントJMに比べて大きい機械系を制御する場合、従来一般に用いられていた速度制御装置では低周波数でのゲインを大きくすることが困難で、外乱トルクによる速度変動が大きくなるため高精度の制御が困難であると言う問題があった。
また、特開2000−322105号公報に開示されている技術は、低周波数でのゲインを大きくすることは出来るが機械振動を止めることが出来なくなるため、低い周波数で機械共振を持つ機械系に適用できなかった。
第1の発明に係るモータの制御装置は、共振周波数と反共振周波数とを有する機械系を有する機械負荷に結合されたモータを、速度指令信号に基いて駆動すると共に、前記モータの検出速度を速度制御ループに有するモータの制御装置において、前記速度指令信号と前記モータの検出速度の差信号に基いて前記モータの速度を前記速度指令信号に追従させるための前記モータの駆動指令信号を出力する速度制御手段と、前記速度制御ループに前記速度制御手段と直列に挿入されると共に、高周波数領域と、低周波数領域と、高周波数領域と低周波数領域との間にある中間周波数領域とから成り、前記高周波数領域のゲインKHよりも低周波数領域のゲインKLが大きいと共に、前記中間周波数領域の位相が遅れる位相遅れ特性を有するフィルタとを備え、前記速度制御手段は、入力に比例ゲインKPを乗じて出力する比例制御部、または、入力に比例ゲインKPを乗じた値と入力の積分値に積分ゲインKIを乗じた値を加算して出力する積分制御部を有しており、前記フィルタは、前記共振周波数と前記反共振周波数との間で、位相が遅れるように設定されたことを特徴とするものである。
第2の発明に係るモータの制御装置は、共振周波数と反共振周波数とを有する機械系を有する機械負荷に結合されたモータを、速度指令信号に基いて駆動すると共に、前記モータの検出速度を速度制御ループに有するモータの制御装置において、前記速度指令信号と前記モータの検出速度の差信号に基いて前記モータの速度を前記速度指令信号に追従させるための前記モータの駆動指令信号を出力する速度制御手段と、前記速度制御ループに前記速度制御手段と直列に挿入されると共に、高周波数領域と、低周波数領域と、高周波数領域と低周波数領域との間にある中間周波数領域とから成り、前記高周波数領域のゲインKHよりも低周波数領域のゲインKLが大きいと共に、前記中間周波数領域の位相が遅れる位相遅れ特性を有するフィルタとを備え、前記速度制御手段は、入力に比例ゲインKPを乗じて出力する比例制御部、または、入力に比例ゲインKPを乗じた値と入力の積分値に積分ゲインKIを乗じた値を加算して出力する積分制御部を有しており、前記フィルタは、前記比例ゲインKPと前記ゲインKLとの積を前記機械系の慣性モーメントJで除した値である第一の交差周波数ωC1と前記比例ゲインKPと前記ゲインKHとの積を前記モータの慣性モーメントJMで除した値である第二の交差周波数ωC2との間で、位相が遅れるように設定された、ことを特徴とするものである。
第3の発明に係るモータの制御装置は、共振周波数と反共振周波数とを有する機械系を有する機械負荷に結合されたモータを速度指令信号に基いて駆動すると共に、前記モータの検出速度を速度制御ループに有するモータの制御装置において、前記速度指令信号と前記モータの検出速度の差信号に基いて前記モータの速度を前記速度指令信号に追従させるための前記モータの駆動指令信号を出力する速度制御手段と、前記速度制御ループに前記速度制御手段と直列に挿入すると共に、第一のフィルタ周波数ωF1より低い周波数領域でほぼ一定のゲインKLとなり、第二のフィルタ周波数ωF2より高い周波数領域で前記ゲインKLよりも小さいほぼ一定のゲインKHを有し、前記第一のフィルタ周波数ωF1と前記第二のフィルタ周波数ωF2との間で位相が遅れる位相遅れ特性を有するフィルタとを備え、前記速度制御手段は入力に比例ゲインKPを乗じて出力する比例制御演算、または、入力に比例ゲインKPを乗じた値と入力の積分値に積分ゲインKIを乗じた値を加算して出力する比例積分制御演算を有しており、前記フィルタは、前記比例ゲインKPと前記ゲインKLとの積を前記機械系の慣性モーメントJで除した値である交差周波数ωC1と前記第一のフィルタ周波数ωF1との比が概ね一定となるように設定する、ことを特徴とするものである。
第4の発明に係るモータの制御装置は、モータに結合された機械負荷からなる共振周波数と反共振周波数とを有する機械系を、速度指令信号に基づいて前記モータの検出速度を速度制御ループにより駆動制御するモータの制御装置において、前記速度制御ループに速度制御手段と直列に挿入するとともに、第一のフィルタ周波数ωF1より低い周波数領域ではほぼ一定のゲインKLとなり、第二のフィルタ周波数ωF2より高い周波数領域では前記ゲインKLより小さいほぼ一定のゲインKHとなり、前記低い周波数領域と前記高い周波数領域との間の中間周波数領域で、位相遅れ特性を有するフィルタと、前記フィルタの特性と前記速度制御手段のパラメータを設定するパラメータ設定手段とを備え、前記速度制御手段は、入力に比例ゲインKPを乗じた値と入力の積分値に積分ゲインKIを乗じた値を加算して出力する積分制御部を有しており、前記フィルタは、前記比例ゲインKPと前記ゲインKLとの積を前記機械系の慣性モーメントJで除した値である交差周波数ωC1と前記第一のフィルタ周波数ωF1との比が概ね一定となるようにすると共に、前記積分ゲインKIを前記比例ゲインKPで除した値である零点周波数ωPIと前記交差周波数ωC1との比が概ね一定とする、ことを特徴とするものである。
第5の発明に係るモータの制御装置は、フィルタと速度制御手段のパラメータを設定するパラメータ設定手段を備えており、パラメータ設定手段は、機械系の慣性モーメントJをモータの慣性モーメントJMで除した値である慣性比が大きくなれば、第一のフィルタ周波数ωF1に対する第二のフィルタ周波数ωF2の比が大きくなるように設定する、ことを特徴とするものである。
第6の発明に係るモータの制御装置は、フィルタと速度制御手段のパラメータを設定するパラメータ設定手段を備えており、パラメータ設定手段はゲインKLとゲインKHの比であるゲイン比、または、第二のフィルタ周波数ωF2と第一のフィルタ周波数ωF1の比である周波数比を入力し、ゲイン比、または、周波数比に基づいてフィルタの特性を設定する、ことを特徴とするものである。
第7の発明に係るモータの制御装置は、共振周波数と反共振周波数とを有する機械系を有する機械負荷に結合されたモータを、速度指令信号に基いて駆動すると共に、前記モータの検出速度を速度制御ループに有するモータの制御装置において、前記速度指令信号と前記モータの検出速度の差信号に基いて前記モータの速度を前記速度指令信号に追従させるための前記モータの駆動指令信号を出力する速度制御手段と、前記速度制御ループに前記速度制御手段と直列に挿入されると共に、高周波数領域と、低周波数領域と、高周波数領域と低周波数領域との間にある中間周波数領域とから成り、前記高周波数領域のゲインKHよりも低周波数領域のゲインKLが大きいと共に、前記中間周波数領域の位相が遅れる位相遅れ特性を有するフィルタと、前記機械系の周波数特性を取得する周波数特性取得手段と、前記フィルタの特性を設定するパラメータ設定手段とを備え、前記パラメータ設定手段は、前記周波数特性取得手段で取得した前記機械系の周波数特性に基づいて機械系の反共振周波数と共振周波数の間で前記フィルタの位相が遅れるように設定する、ことを特徴とするものである。
以上のように、第1の発明によれば、フィルタは、機械系の共振周波数と反共振周波数との間で、位相が遅れるように設定したので、制御系の安定性を保ちながら低周波数でのゲインを大きくすることができる。これによって外乱トルクによる速度変動が小さくなり、高精度の制御が実現できるという効果がある。
第2の発明によれば、比例ゲインKPとゲインKLとの積を機械系の慣性モーメントJで除した値である第一の交差周波数ωC1と比例ゲインKPと前記ゲインKHとの積を前記モータの慣性モーメントJMで除した値である第二の交差周波数ωC2との間で、位相が遅れるように設定した。これにより第一の交差周波数ωC1及び第二の交差周波数ωC2での位相遅れの増加分が小さくなるので、制御系の安定性を保ちながら低周波数でのゲインを大きくすることができる。これによって外乱トルクによる速度変動が小さくなり、高精度の制御が実現できるという効果がある。
第3の発明によれば、フィルタは、比例ゲインKPとゲインKLとの積を機械系の慣性モーメントJで除した値である交差周波数ωC1と第一のフィルタ周波数ωF1との比が概ね一定となるように設定したので、第一の交差周波数ωC1での位相遅れの増加分も小さくなり、安定性を損ねることがなくなり、制御系が振動的になったり、発振したりすることがないという効果がある。
第4の発明によれば、フィルタは、比例ゲインKPとゲインKLとの積を機械系の慣性モーメントJで除した値である交差周波数ωC1と第一のフィルタ周波数ωF1との比が概ね一定となるようにすると共に、積分ゲインKIを比例ゲインKPで除した値である零点周波数ωPIと交差周波数ωC1との比を概ね一定としたので、第一の交差周波数ωC1における位相遅れが大きくなり過ぎず、制御系の安定性を確保することができるという効果がある。
第5の発明によれば、パラメータ設定手段は、機械系の慣性モーメントJをモータの慣性モーメントJMで除した値である慣性比が大きくなれば、第一のフィルタ周波数ωF1に対する第二のフィルタ周波数ωF2の比が大きくなるように設定したので、第二の交差周波数ωC2での位相遅れの増加分も小さくなり、安定性を損ねることがなくなり、制御系が振動的になったり、発振したりすることがないという効果がある。
第6の発明によれば、パラメータ設定手段はゲインKLとゲインKHの比であるゲイン比、または、第二のフィルタ周波数ωF2と第一のフィルタ周波数ωF1の比である周波数比を入力し、ゲイン比、または、周波数比に基づいてフィルタの特性を設定したので、機械系が複数の機械共振を持つ場合でも、第一の交差周波数ωC1及び第二の交差周波数ωC2における位相遅れが大きくなり過ぎることはなく、安定性を保ちながら低周波数のゲインを増大させることができるという効果がある。
第7の発明によれば、パラメータ設定手段は、周波数特性取得手段で取得した機械系の周波数特性に基づいて機械系の反共振周波数と共振周波数の間でフィルタの位相が遅れるように設定したので、フィルタの位相遅れが機械系の位相進みによってキャンセルされる。このため、第一の交差周波数ωC1、および、第二の交差周波数ωC2での位相遅れが大きくなることがなく、フィルタを挿入しても安定性を損なうことがなくなるという効果がある。
図2は、本発明の一実施例である位相遅れフィルタの周波数特性を示す図である。
図3は、一実施例による速度開ループ周波数特性を示す図である。
図4は、本発明の他の実施例による制御装置の構成示すブロック図である。
図5は、本発明の他の実施例による制御装置の構成示すブロック図である。
図6は、従来の速度制御装置の構成を示すブロック図である。
図7は、従来の速度制御装置を適用した場合の速度開ループ周波数特性を示す図である。
図8は、機械共振を持つ機械系を対象とした従来の速度制御装置の構成を示すブロック図である。
図9は、従来技術で用いられるフィルタの周波数特性を示す図である。
速度制御手段7は比例制御器9、積分制御器10、および、加算器11から構成される。比例制御器9は入力した速度誤差に比例ゲインKPを乗じて出力し、積分制御器10は速度誤差の積分値に積分ゲインKIを乗じて出力する。加算器11は比例制御器9の出力と積分制御器10の出力を加算して、電流指令として出力する。また、15は共振周波数と反共振周波数とを有する機械系で、モータ1と負荷2および軸3から構成される。13は、速度ループに速度制御手段7と直列に挿入されると共に、速度制御手段7の出力を入力とし、フィルタ演算を行って電流指令を出力する位相遅れフィルタ、14は位相遅れフィルタの特性と速度制御手段のパラメータである積分ゲインKIを設定するパラメータ設定手段である。
ここで、速度ループとは、速度制御手段7、位相遅れフィルタ13、電流制御手段8、モータ1、エンコーダ4、速度検出5にて形成されるループをいう。
位相遅れフィルタ13は図2に示すような位相遅れ特性を持つフィルタである。すなわち、第一のフィルタ周波数ωF1以下(低周波領域)、の周波数でほぼ一定のゲインKLを持ち、第二のフィルタ周波数ωF2以上(高周波領域)ではゲインKLより小さいほぼ一定のゲインKHをもち、第一のフィルタ周波数ωF1と第二のフィルタ周波数ωF2の間でゲインが連続的に変化する。図2では、KH=1=0dbとしている。また、位相特性は、第一のフィルタ周波数ωF1と第二のフィルタ周波数ωF2の間で位相が遅れ、第一のフィルタ周波数ωF1以下の周波数と第二のフィルタ周波数ωF2以上の周波数では位相遅れがほぼ零もしくは小さい値となる。このような周波数特性を持つフィルタは、たとえば、式(2)のような伝達関数Gf(s)を持つフィルタで実現できる。
ここに、ω1=ωF1、 ω2=ωF2
ただし、ω1<ω2である。
位相遅れフィルタ13の特性を決める第一のフィルタ周波数ωF1と第二のフィルタ周波数ωF2はパラメータ設定手段14で以下のように設定される。まず、第一の交差周波数ωC1と第二の交差周波数ωC2を以下の式で計算できる。
ここに、KP:速度制御手段7の比例ゲイン
KL:位相遅れフィルタ13の低周波数でのゲイン
KH:位相遅れフィルタ13の高周波数でのゲイン
J:機械系15の慣性モーメント
JM:モータ1の慣性モーメント
式(3)と式(4)は次のようにして導出できる。反共振周波数以下の低周波数では、機械系15の伝達関数を1/Jsで近似することができる。また、低周波数での位相遅れフィルタ13のゲインはKLとなるので、速度制御手段7の比例ゲインがKPであることを考慮すると、低周波数での速度開ループ伝達関数は近似的にKP・KL/Jsとなる。ただし、速度制御手段7の積分ゲインKIは小さいとしての影響を無視している。この伝達関数のゲインが0dbとなる周波数はKP・KL/Jであり、これが第一の交差周波数ωC1となるから式(3)が得られる。
同様に、共振周波数以上の高周波数では機械系15の伝達関数を1/JMsで近似することができ、高周波数での位相遅れフィルタ13のゲインはKHとなるので、高周波数での速度開ループ伝達関数は近似的にKP・KH/JMsとなる。
この伝達関数のゲインが0dbとなる周波数はKP・KH/JMとなり、これが第二の交差周波数ωC2となるから式(4)が得られる。パラメータ設定手段14では、式(3)および式(4)で与えられる第一の交差周波数ωC1と第二の交差周波数ωC2との間で位相遅れフィルタ13の位相が遅れるように第一のフィルタ周波数ωF1と第二のフィルタ周波数ωF2とを設定する。
図3はこのような位相遅れフィルタ13を速度ループに挿入した場合としない場合の速度開ループ周波数特性を比較したものである。図3において、実線は位相遅れフィルタ13を速度ループに挿入した場合、破線は挿入しない場合の周波数特性である。位相遅れフィルタ13は低周波数でゲインを大きくする特性を持っているので、位相遅れフィルタ13を速度ループに挿入することにより、低周波数でのゲインが大きくなっていることがわかる。上記のように、低周波数でのゲインを大きくすると外乱トルクによる速度変動が小さくなるので、位相遅れフィルタ13を挿入することで精度のよい制御が実現できることになる。
また、制御系が安定に動作するには、上記のように第一の交差周波数ωC1と第二の交差周波数ωC2での位相遅れが小さいことが必要である。位相遅れフィルタ13は上記のように、第一の交差周波数ωC1と第二の交差周波数ωC2で位相遅れが小さくなるように第一のフィルタ周波数ωF1と第二のフィルタ周波数ωF2を設定しているので、第一の交差周波数ωC1と第二の交差周波数ωC2での位相遅れの増加分が小さく、制御系の安定性を損なうことがない。すなわち、パラメータ設定手段14で位相遅れフィルタ13の第一のフィルタ周波数ωF1と第二のフィルタ周波数ωF2を上記のように設定すれば、制御系の安定性を損なうことなく、低周波数でのゲインを大きくすることができ、高精度の制御を実現することが可能となる。
なお、図3の第一の交差周波数ωC1と第二の交差周波数ωC2の正確な値は速度開ループ周波数特性を実際に計測しないと決められないが、近似的には上記式(3)および式(4)で計算することができる。
次にパラメータ設定手段14の具体的な処理内容について説明する。まず、第一のフィルタ周波数ωF1と第一の交差周波数ωC1の比が概ね一定となるように、第一のフィルタ周波数ωF1を設定する。たとえば、第一のフィルタ周波数ωF1は第一の交差周波数ωC1の1〜2倍程度に設定する。図2に示したように、第一のフィルタ周波数ωF1以下の周波数では位相遅れフィルタ13の位相遅れが小さくなっているので、このように設定すれば第一の交差周波数ωC1での位相遅れの増加分も小さくなり、安定性を損ねることがなくなり、制御系が振動的になったり、発振したりすることがない。
次に、機械系15の慣性モーメントJをモータ1の慣性モーメントJMで除した値である慣性比が大きくなれば、第一のフィルタ周波数ωF1に対する第二のフィルタ周波数ωF2の比が大きくなるように第二のフィルタ周波数ωF2を設定する。たとえば、第二のフィルタ周波数ωF2を慣性比の平方根と第一のフィルタ周波数ωF1の積に設定する。または、第二のフィルタ周波数ωF2を第二の交差周波数ωC2の1/2〜1倍程度に設定してもよい。このように設定すれば、第二のフィルタ周波数ωF2は第二の交差周波数ωC2と同程度かそれよりも小さい値となる。図2に示したように、第二のフィルタ周波数ωF2以上の周波数では位相遅れフィルタ13の位相遅れが小さくなっているので、このように設定すれば第二の交差周波数ωC2での位相遅れの増加分も小さくなり、安定性を損ねることがなくなり、制御系が振動的になったり、発振したりすることがない。
さらに、パラメータ設定手段14は、速度制御手段7における積分ゲインKIを比例ゲインKPで除した値である零点周波数ωPIと第一の交差周波数ωC1との比が概ね一定となるように積分ゲインKIを設定する。たとえば、零点周波数ωPIが第一の交差周波数ωC1の1/2になるようにするには、KI=KP・ωC1/2とすればよい。積分制御器10に起因する第一の交差周波数ωC1における位相遅れの大きさは概ね零点周波数ωPIと第一の交差周波数ωC1の比で決まるので、零点周波数ωPIと第一の交差周波数ωC1の比を適切に設定しておけば第一の交差周波数ωC1における位相遅れが大きくなり過ぎず、制御系の安定性を確保することができる。つまり、零点周波数ωPIと第一の交差周波数ωC1の比が適切な値になるように積分ゲインKIを設定すれば、制御系の安定性が確保された範囲内で積分ゲインKIを大きくでき、低周波数の外乱に対する抑制効果を増大できる。
この調整パラメータαは、位相遅れフィルタ13の高周波数でのゲインKHに対する低周波数でのゲインKLの比を指定する。パラメータ設定手段16では、調整パラメータαを用いてKL=α・KHとし、上式(3)によって第一の交差周波数ωC1を計算する。さらに、上記のように、第一の交差周波数ωC1と第一のフィルタ周波数ωF1の比が概ね一定になるように第一のフィルタ周波数ωF1を決める。第二のフィルタ周波数ωF2はKL=α・KHとなるように設定される。
調整パラメータαの与え方は、まず、α=1とする。そして、機械系を作動させてその応答特性を見ながらαを徐々に大きくして行く。望ましい応答が得られるか、または、機械振動が出始めたら調整パラメータαを大きくするのをやめ、望ましい応答が得られた場合はαをその値で固定し、振動が出はじめた場合はαを少し小さくして固定する。このような手順で調整パラメータαを与えることにより、制御系の安定性を保ちながら低周波数でのゲインを大きくすることができ、外乱に対する抑制効果を増大させることができる。その理由を以下に説明する。
まず、調整パラメータαを大きくすると、KL=α・KHによって位相遅れフィルタの低周波数でのゲインKLが大きくなるので、低周波数の外乱に対する抑制効果を増大できる。また、このとき、第一の交差周波数ωC1と第一のフィルタ周波数ωF1の比が概ね一定になるようにしているので、上記のように第一の交差周波数ωC1における位相遅れが大きくなり過ぎることはなく、安定性を保ちながら低周波数のゲインを増大させることができる。
また、第二のフィルタ周波数ωF2は位相遅れフィルタ13の低周波数でのゲインKLと高周波数でのゲインKHの関係がKL=α・KHとなるように設定される。図2のフィルタ特性を見るとわかるが、高周波数でのゲインKHに対する低周波数でのゲインKLの比であるαを大きくするには、第一のフィルタ周波数ωF1に対する第二のフィルタ周波数ωF2の比も大きくする必要がある。αを大きくすると、KL=α・KHによりKLが大きくなり、これに伴って式(3)により第一の交差周波数ωC1が大きくなり、さらに第一の交差周波数ωC1と第一のフィルタ周波数ωF1の比が概ね一定になるようにしているから第一のフィルタ周波数ωF1も大きくなり、したがって、第二のフィルタ周波数ωF2も大きくなる。第一のフィルタ周波数ωF1と第二のフィルタ周波数ωF2が大きくなると、位相遅れフィルタ13の位相が遅れる周波数範囲が高周波側に移動するため、第二の交差周波数ωC2における位相遅れが大きくなる。
このように、調整パラメータαを1から徐々に大きくしていくと、それに応じて第二の交差周波数ωC2におけ位相遅れが少しずつ大きくなって行くことになる。しかし、第二の交差周波数ωC2におけ位相遅れが大きくなり過ぎると機械系に振動が出始めるので、機械系の応答を見ているとそれを知ることができる。
したがって、機械系の振動が出始めるよりも少し小さい値にαを設定すると、第二の交差周波数ωC2においても位相遅れが大きくなり過ぎることがなくなる。このようにして、第一の交差周波数ωC1と第二の交差周波数ωC2の両方における位相遅れが大きくならないように位相遅れフィルタ13の特性を設定することができ、制御系の安定性を保つことができる。
図1に示した実施の形態1の速度制御装置におけるパラメータ設定手段14は、機械系が一組の共振・反共振を持つ場合には有効に作用する。しかし、機械によってはより高い周波数にも別の共振・反共振特性を持つ場合があり、このような機械では第二の交差周波数ωC2を計算で正確に求めることが困難となる。このような場合は、第二のフィルタ周波数ωF2を計算で自動的に設定するよりは、調整パラメータαを用いて機械の応答をみながら設定した方が結果的に良好な特性が得られる。
なお、上記では、調整パラメータαは、位相遅れフィルタ13の低周波でのゲインKLと高周波でのゲインKHの比であるゲイン比を指定するようにしたが、第二のフィルタ周波数ωF2と第一のフィルタ周波数ωF1の比である周波数比を指定するようにしてもよい。ゲイン比と周波数比の関係は位相遅れフィルタ13の伝達関数により決まっているから、ゲイン比を指定しても周波数比を指定しても同じ効果が得られる。
周波数特性取得手段17では機械系の周波数特性を取得するが、その方法はいくつか知られている。専用の計測器を用いて計測することも出来るし、モータをランダムなトルクで駆動して、そのときの速度応答を周波数解析して求めることもできる。また、機械の剛性や質量、慣性モーメントなどがわかっている場合はこれらを用いて数式モデルを作り、計算で求めることもできる。その結果、たとえば、図7に実線で示したような周波数特性が得られる。パラメータ設定手段18では、このようにして取得した機械系の周波数特性に基づいて、機械系の反共振周波数と共振周波数の間で位相遅れフィルタ13の位相が遅れるように位相遅れフィルタ13の特性を設定する。このためには、位相遅れフィルタの第一のフィルタ周波数ωF1を反共振周波数の付近に設定し、第二のフィルタ周波数ωF2を共振周波数付近に設定する。
機械共振を持つ機械系の周波数特性は、図7の実線に示したように、反共振周波数と共振周波数の間で位相が進む特性を持っている。したがって、上記のように反共振周波数と共振周波数の間で位相遅れフィルタ13の位相が遅れるように設定すれば、位相遅れフィルタの位相遅れが機械系の位相進みによってキャンセルされる。このため、第一の交差周波数ωC1、および、第二の交差周波数ωC2での位相遅れが大きくなることがなく、位相遅れフィルタ13を挿入しても安定性を損なうことがなくなる。
Claims (7)
- 共振周波数と反共振周波数とを有する機械系を有する機械負荷に結合されたモータを、速度指令信号に基いて駆動すると共に、前記モータの検出速度を速度制御ループに有するモータの制御装置において、
前記速度指令信号と前記モータの検出速度の差信号に基いて前記モータの速度を前記速度指令信号に追従させるための前記モータの駆動指令信号を出力する速度制御手段と、
前記速度制御ループに前記速度制御手段と直列に挿入されると共に、高周波数領域と、低周波数領域と、高周波数領域と低周波数領域との間にある中間周波数領域とから成り、前記高周波数領域のゲインKHよりも低周波数領域のゲインKLが大きいと共に、前記中間周波数領域の位相が遅れる位相遅れ特性を有するフィルタとを備え、
前記速度制御手段は、入力に比例ゲインKPを乗じて出力する比例制御部、または、入力に比例ゲインKPを乗じた値と入力の積分値に積分ゲインKIを乗じた値を加算して出力する積分制御部を有しており、
前記フィルタは、前記共振周波数と前記反共振周波数との間で、位相が遅れるように設定された、
ことを特徴とするモータの制御装置。 - 共振周波数と反共振周波数とを有する機械系を有する機械負荷に結合されたモータを、速度指令信号に基いて駆動すると共に、前記モータの検出速度を速度制御ループに有するモータの制御装置において、
前記速度指令信号と前記モータの検出速度の差信号に基いて前記モータの速度を前記速度指令信号に追従させるための前記モータの駆動指令信号を出力する速度制御手段と、
前記速度制御ループに前記速度制御手段と直列に挿入されると共に、高周波数領域と、低周波数領域と、高周波数領域と低周波数領域との間にある中間周波数領域とから成り、前記高周波数領域のゲインKHよりも低周波数領域のゲインKLが大きいと共に、前記中間周波数領域の位相が遅れる位相遅れ特性を有するフィルタとを備え、
前記速度制御手段は、入力に比例ゲインKPを乗じて出力する比例制御部、または、入力に比例ゲインKPを乗じた値と入力の積分値に積分ゲインKIを乗じた値を加算して出力する積分制御部を有しており、
前記フィルタは、前記比例ゲインKPと前記ゲインKLとの積を前記機械系の慣性モーメントJで除した値である第一の交差周波数ωC1と前記比例ゲインKPと前記ゲインKHとの積を前記モータの慣性モーメントJMで除した値である第二の交差周波数ωC2との間で、位相が遅れるように設定された、
ことを特徴とするモータの制御装置。 - 共振周波数と反共振周波数とを有する機械系を有する機械負荷に結合されたモータを速度指令信号に基いて駆動すると共に、前記モータの検出速度を速度制御ループに有するモータの制御装置において、
前記速度指令信号と前記モータの検出速度の差信号に基いて前記モータの速度を前記速度指令信号に追従させるための前記モータの駆動指令信号を出力する速度制御手段と、
前記速度制御ループに前記速度制御手段と直列に挿入すると共に、第一のフィルタ周波数ωF1より低い周波数領域でほぼ一定のゲインKLとなり、第二のフィルタ周波数ωF2より高い周波数領域で前記ゲインKLよりも小さいほぼ一定のゲインKHを有し、前記第一のフィルタ周波数ωF1と前記第二のフィルタ周波数ωF2との間で位相が遅れる位相遅れ特性を有するフィルタとを備え、
前記速度制御手段は入力に比例ゲインKPを乗じて出力する比例制御演算、または、入力に比例ゲインKPを乗じた値と入力の積分値に積分ゲインKIを乗じた値を加算して出力する比例積分制御演算を有しており、
前記フィルタは、前記比例ゲインKPと前記ゲインKLとの積を前記機械系の慣性モーメントJで除した値である交差周波数ωC1と前記第一のフィルタ周波数ωF1との比が概ね一定となるように設定する、
ことを特徴とするモータの制御装置。 - モータに結合された機械負荷からなる共振周波数と反共振周波数とを有する機械系を、速度指令信号に基づいて前記モータの検出速度を速度制御ループにより駆動制御するモータの制御装置において、
前記速度制御ループに速度制御手段と直列に挿入するとともに、第一のフィルタ周波数ωF1より低い周波数領域ではほぼ一定のゲインKLとなり、第二のフィルタ周波数ωF2より高い周波数領域では前記ゲインKLより小さいほぼ一定のゲインKHとなり、前記低い周波数領域と前記高い周波数領域との間の中間周波数領域で、位相遅れ特性を有するフィルタと、
前記フィルタの特性と前記速度制御手段のパラメータを設定するパラメータ設定手段とを備え、
前記速度制御手段は、入力に比例ゲインKPを乗じた値と入力の積分値に積分ゲインKIを乗じた値を加算して出力する積分制御部を有しており、
前記フィルタは、前記比例ゲインKPと前記ゲインKLとの積を前記機械系の慣性モーメントJで除した値である交差周波数ωC1と前記第一のフィルタ周波数ωF1との比が概ね一定となるようにすると共に、
前記積分ゲインKIを前記比例ゲインKPで除した値である零点周波数ωPIと前記交差周波数ωC1との比が概ね一定とする、
することを特徴とするモータの制御装置。 - 前記フィルタと前記速度制御手段のパラメータを設定するパラメータ設定手段を備え、
前記パラメータ設定手段は、前記機械系の慣性モーメントJを前記モータの慣性モーメントJVで除した値である慣性比が大きくなれば、前記第一のフィルタ周波数ωF1に対する前記第二のフィルタ周波数ωF2の比が大きくなるように設定する、
ことを特徴とする請求の範囲3または4に記載のモータの制御装置。 - 前記フィルタと前記速度制御手段のパラメータを設定するパラメータ設定手段を備え、
前記パラメータ設定手段は前記ゲインKLと前記ゲインKHの比であるゲイン比、または、前記第二のフィルタ周波数ωF2と前記第一のフィルタ周波数ωF1の比である周波数比を入力し、前記ゲイン比、または、前記周波数比に基づいて前記フィルタの特性を設定する、
ことを特徴とする請求の範囲3または4に記載のモータの制御装置。 - 共振周波数と反共振周波数とを有する機械系を有する機械負荷に結合されたモータを、速度指令信号に基いて駆動すると共に、前記モータの検出速度を速度制御ループに有するモータの制御装置において、
前記速度指令信号と前記モータの検出速度の差信号に基いて前記モータの速度を前記速度指令信号に追従させるための前記モータの駆動指令信号を出力する速度制御手段と、
前記速度制御ループに前記速度制御手段と直列に挿入されると共に、高周波数領域と、低周波数領域と、高周波数領域と低周波数領域との間にある中間周波数領域とから成り、前記高周波数領域のゲインKHよりも低周波数領域のゲインKLが大きいと共に、前記中間周波数領域の位相が遅れる位相遅れ特性を有するフィルタと、
前記機械系の周波数特性を取得する周波数特性取得手段と、
前記フィルタの特性を設定するパラメータ設定手段とを備え、
前記パラメータ設定手段は、前記周波数特性取得手段で取得した前記機械系の周波数特性に基づいて機械系の反共振周波数と共振周波数の間で前記フィルタの位相が遅れるように設定する、
ことを特徴とするモータの制御装置。
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