JPWO2005054331A1 - エポキシ樹脂組成物及びそれを用いて封止した半導体装置 - Google Patents

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羊一 橋本
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Abstract

エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材、シリコーンゴムを必須成分とするエポキシ樹脂組成物において、該エポキシ樹脂の20〜80質量%がビフェニル型エポキシ樹脂であり、該無機充填材の99.9質量%以上が粒径20μm以下であり、該シリコーンゴムの添加量が全エポキシ樹脂組成物の3〜10質量%であり、該エポキシ樹脂組成物のゲルタイムが45〜80秒であり、該硬化剤が特定の構造のフェノール樹脂からなり、該エポキシ樹脂のビフェニル型エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂として、特定の構造の化合物を用いることを特徴とする封止用エポキシ樹脂組成物は、WL−CSP用の、充填性、低反り性、高信頼性を併せ持つ封止材として使用可能である。

Description

本発明は、半導体素子の封止に使用される封止用エポキシ樹脂組成物に関し、更にこれを用いて封止した半導体装置に関する。
従来から、ダイオード、トランジスタ、集積回路等の電気、電子部品や、半導体装置等の封止方法として、エポキシ樹脂等による樹脂封止方法が用いられている。
上記の樹脂封止方法においては、エポキシ樹脂と、硬化剤としてフェノール樹脂を主成分とする樹脂類と、更に、封止される素子が放出する熱に対応するために結晶シリカ、溶融シリカなどの無機充填材を高密度に充填してなる樹脂組成物封止材料が一般的に使用される。
コンデンサなどの電子部品やトランジスタ、ダイオード、IC、LSI等の半導体装置の高密度化、高集積化に伴って、近年の電子機器は小型化、軽量化、高性能化の動向にあり、樹脂封止方法においても効果的な対応が求められている。
近年の小型・薄型パッケージの要求に対し、IC等の素子とほぼ同じスケール(サイズ)の電子部品装置、即ちチップスケールパッケージ(CSP)が開発され、その製造方法として大きな基板に半導体を多数個搭載し、全体を樹脂封止し、後工程で個片化してパッケージを作る方法(MAPCSP;一括封止チップスケールパッケージ)が主流になりつつある。
一方、近年の高速化・高集積化に伴う更なる薄型パッケージの要求に対応すべく、回路が形成されたシリコンウエハーに直接樹脂封止してダイシングし、個片化するいわゆるウエハーレベル−チップスケールパッケージ(以降、WL−CSPと表記)が登場した。このWL−CSPは、半導体素子として微細配線が施され、且つその表面に外部接続端子引き出し用の再配線、及び電極が形成され、該電極上にバンプが形成、もしくはリードが接続されたシリコンウエハーの表面を封止用成形材料で封止し、必要に応じてバンプもしくはリードに半田付けを行った後、該シリコンウエハーを個々の素子に切断、製品とするものである。この方法は、ウエハーの段階で多数の素子を一度に封止するため、パッケージの小型化と同時に大幅な生産合理化が実現できる方法であるが、WL−CSPにおいてはウエハーの片面に樹脂封止するため成形品が厚さ方向で非対称になり、加えてウエハーの大型化、パッケージの薄型化傾向もあって反りや充填性の面での問題が顕在化してきた。このため、低反り性、良好な充填性、高信頼性を併せ持つWL−CSP用封止材料が望まれてきている。
低反り性を達成するには封止材料の低応力化が必要であり、それには、1)線膨張率を下げる、2)弾性率を下げる、3)硬化収縮率を下げる、等の対応が一般的である。この中で、1)に関しては樹脂組成物中に無機充填材を高密度に充填する方法が効果的だが樹脂組成物としての作業性を考慮すると粘度上昇の面で充填量には限界がある。そこで2)、3)の項目の改良が重要であり、これまで封止材料中にオルガノポリシロキサン(特開平06−313027号公報)や液状ポリブタジエンゴム(特公平06−11783号公報)を添加すること等が試みられてきた。
ところがこれらの低応力化の試みのうち、オルガノポリシロキサン添加については成形時のバリ溶出が大で成形品の充填性が悪く、液状ポリブタジエンゴムを添加する方法については架橋密度が低下するため、耐湿性が悪いという欠点があった。
従来の封止材料ではWL−CSPを成形する際、封止樹脂の硬化時の収縮による成形後のウエハーの反りと、封止樹脂の充填不良に起因する表面ボイドに問題があった。本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、従来の封止用エポキシ樹脂組成物の欠点を改善し、WL−CSP用の、充填性、低反り性、高信頼性を併せ持つ封止材を提供することを目的とする。
発明の概要
上記課題を解決するため、本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、[1]エポキシ樹脂、[2]硬化剤、[3]無機充填材、[4]シリコーンゴムを必須成分とするエポキシ樹脂組成物であって、該エポキシ樹脂の20〜80質量%がビフェニル型エポキシ樹脂であり、該無機充填材の99.9質量%以上が粒径20μm以下であり、該シリコーンゴムの添加量が全エポキシ樹脂組成物の3〜10質量%であることが必要である。
上記課題を解決するため、本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、該エポキシ樹脂組成物のゲルタイムが45〜80秒であることが望ましい。
上記課題を解決するため、本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、上記硬化剤が下記[化学式1]で示されるフェノール樹脂からなることが望ましい。
Figure 2005054331
Figure 2005054331
上記課題を解決するため、本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、上記エポキシ樹脂の、ビフェニル型エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂として、下記[化学式2]で表される化合物を用いてなることが望ましい。
Figure 2005054331
又、上記課題を解決するため、本発明の半導体装置は、上記の封止用エポキシ樹脂組成物を使用して成形されてなることが望ましい。
発明の詳細な開示
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、[1]エポキシ樹脂、[2]硬化剤、[3]無機充填材、[4]シリコーンゴムを必須成分とする。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂としては特に下記[化学式3]で示されるビフェニル型エポキシ樹脂を全エポキシ樹脂中20〜80質量%含むことが必要である。ビフェニル型エポキシ樹脂を全エポキシ樹脂中20〜80質量%含むことは充填性の向上に有効である。20質量%未満では充填性向上効果は得られず、80質量%を超えると反り性が悪化し、好ましくない。
Figure 2005054331
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、上記ビフェニル型エポキシ樹脂以外の成分が、前記[化学式2]のエポキシ樹脂であることが好ましい。但し、これに限定されるものではなく、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば半導体装置で一般的にその封止用に用いられているエポキシ樹脂を使用できる。例えば、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂等を挙げることができる。又、難燃性付与のため、ブロム等のハロゲンを含有した含ハロゲンエポキシ樹脂を併用しても良い。
本発明のエポキシ樹脂組成物の必須成分の一つである硬化剤は、前記[化学式1]で表されるフェノール樹脂であることが望ましい。但し、これに限定されるものではなく、1分子中に2個以上のフェノール水酸基を有するものであれば、反り性が問題にならない条件下で使用可能である。例えばフェノールノボラック樹脂が代表的であるが、その他、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等、各種多価フェノール化合物、あるいはナフトール化合物が使用可能である。これらは単独で使用しても良く、又、2種以上併用しても良い。
本発明のエポキシ樹脂組成物では、エポキシ樹脂と硬化剤の配合比率は、エポキシ−フェノール当量比で0.9〜1.5の範囲であることが好ましい。この範囲外では硬化後も未反応のエポキシ基、又はフェノール水酸基が残留し、封止機能に関しての信頼性が低下するため好ましくない。
本発明のエポキシ樹脂組成物では、エポキシ樹脂として含ハロゲンエポキシ樹脂や多官能型エポキシ樹脂を併用する場合、それぞれのエポキシ当量を基準として、エポキシ−フェノール当量比が好ましい範囲となるよう配合割合を決めるのが望ましく、又、硬化剤として上述した2種以上を併用する場合も同様に、それらのフェノール当量を基準に配合割合を決定することが望ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物では、無機充填剤を配合することが必要である。使用できる無機充填剤としては、半導体装置の封止用エポキシ樹脂組成物に一般的に用いられる、例えば溶融シリカ、結晶シリカ、を挙げることができる。無機充填剤を含有させることにより、封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の特性(線膨張率、吸湿率)が向上し、相乗効果により更に耐半田性、耐リフロー性が良くなる。その点で、上記した無機充填剤の中では特に溶融シリカがそれ自体の熱膨張率が低く、好ましい。
無機充填剤の含有量は、全エポキシ樹脂組成物中75〜92質量%の範囲で使用することができる。無機充填剤の含有量が75質量%未満では上述したエポキシ樹脂組成物の線膨張率の増大を抑えることができずに耐熱性に関する信頼性が低下し、無機充填剤の含有量が92質量%以上では粘度上昇により、成形性が劣るため好ましくない。
無機充填材のシリカの粒径は、その99.9%以上が20μm以下の場合、充填性において良好である。粒径が20μmを超えるとボイドが発生し易くなり、又、充填性が悪化し好ましくない。又、粒子の形状は特に限定しないが球形であれば粘度上昇を抑制することができ、より好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物では、シリコーンゴムを3〜10質量%配合することが必要である。これにより、成形後のウエハーの反り性が良好となる。これは、エポキシ樹脂組成物中に散在するシリコーンゴムの粘弾性により、エポキシ樹脂の硬化で生じた残留応力が緩和されるためと推察される。シリコーンゴムの配合量が3質量%未満では上記効果は得られず、逆に10質量%を超えると成形性が低下し、又、エポキシ樹脂組成物全体の強度低下が起こり、好ましくない。
シリコーンゴムとしては、エポキシ変性シリコーンゴムやジメチルシリコーンゴムが使用可能である。性状は固体であることが望ましい。又、形状は特に限定しないが好ましくは球形であり、粒径は20μm以下の範囲であることが分散性の確保の点で好ましい。
シリコーンゴムは、配合前に表面をカップリング剤処理しておくことが、必須ではないが成形性を向上させる意味で好ましい。カップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤が効果が大きく好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、半導体装置の封止用エポキシ樹脂組成物に一般的に用いられる硬化促進剤が使用できる。例えば、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン等の有機リン化合物類、2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1ベンジル−2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾール類を挙げることができる。1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン類等も使用可能である。これらは単独で用いても良く、併用しても良い。
又、添加量は、エポキシ樹脂(難燃剤としての含ハロゲンエポキシ樹脂を含む)と硬化剤の合計に対して、0.5〜3.5質量%が好ましい。0.5質量%未満ではゲル化時間が遅くなって作業性が低下し、逆に3.5質量%を超えると混合・撹拌の途中で硬化が進んでしまい、分子量分布が不安定になり易くなる。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、半導体装置の封止用エポキシ樹脂組成物に一般的に用いられる離型剤としてワックスが使用できる。ワックスとしては、例えばカルナバワックス、ステアリン酸、モンタン酸、モンタン酸エステル、リン酸エステル、カルボキシル基含有ポリオレフィン等が使用可能である。
以上の他、必要に応じて一般的に封止用エポキシ樹脂組成物に使用可能なものを適宜配合して用いることができる。例えば、リン系難燃剤、ブロム化合物や三酸化アンチモン等の難燃剤、及びカーボンブラックや有機染料等の着色剤等を使用することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、以上の各成分をミキサー等によって均一に混合した後、加熱ロール、ニーダー等によって混練して製造する。成分の配合順序には特に制限はない。更に又、混練後に溶融混練物の粉砕を行い、パウダー化することやタブレット化することも可能である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、そのゲルタイムが45〜80秒の範囲であることが好ましい。ゲルタイムは、後述する測定装置によって、溶融したエポキシ樹脂組成物のゲル化が著しくなるまでの時間を測定したもので、特に成形時の作業性において重要な特性である。即ち、ゲルタイムが45秒より短いと充填が完了する前に硬化が始まって未充填箇所が発生し、80秒より長いと硬化時の剛性低下による作業性の低下をもたらす。
ゲルタイムは、樹脂総量(エポキシ樹脂+硬化剤)に対する硬化促進剤の添加量で制御する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、特に半導体や電子部品等の、パッケージで構成される装置に封止用として用いられる。
以下、本発明を、実施例、比較例にて説明する。但し、本発明はここに記載した実施例に限定されるものではない。
[評価用サンプル試作]
実施例1〜7
表1に示す成分のうち、溶融シリカとエポキシ変性シリコーンゴムをそれぞれカップリング剤処理した後、その他の成分を配合してミキサーで十分混合し、加熱ロールで約5分間混練したものを冷却し、粉砕してそれぞれ実施例1〜7のエポキシ樹脂組成物を得た。又、タブレット状に成形したものも同時に作製した。
(比較例1〜4)
表1に示す成分のうち、溶融シリカとエポキシ変性シリコーンゴムをそれぞれカップリング剤処理した後、その他の成分を配合してミキサーで十分混合し、加熱ロールで約5分間混練したものを冷却し、粉砕してそれぞれ比較例1〜4のエポキシ樹脂組成物を得た。又、タブレット状に成形したものも同時に作製した。
[評価方法]
(1)ゲルタイム
キュラストメータ(今中機械工業製)を用い、実施例1〜7、比較例1〜4の、粉粒状化したエポキシ樹脂組成物を175℃に加熱した金型に投入し、金型を稼動させ、粉粒状材料が流動化した後、硬化開始とともに急激にトルク値が上昇する立ち上がり時間を測定した。結果は表1に示した。
(2)反り性
性能評価用の半導体装置(8インチのWL−CSP(ウエハーレベル−チップスケールパッケージ))の金型を用い、実施例1〜7、比較例1〜4で得られたエポキシ樹脂組成物のタブレットをウエハーと共に金型に装填し圧縮成形法にて成形して成形品を作製した。評価用成形品の成形条件は、温度175℃、加圧時間180秒、加圧圧力35MPaとした。この成形品を175℃で6時間アフターキュアした後、室温まで放冷し、定盤上に固定して成形品表面の凹凸を表面粗さ計で測定し、(最大値−最小値)を求め、以下のように評価した。結果は表1に示した。
◎:0.5mm以下
○:0.5〜1.0mm
△:1.0〜2.0mm
×:2.0mm以上
(3)充填性
上記性能評価用の半導体装置(8インチのWL−CSP(ウエハーレベル−チップスケールパッケージ))の金型を用い、実施例1〜7、比較例1〜4で得られたエポキシ樹脂組成物のタブレットをウエハーと共に金型に装填し圧縮成形法にて成形して成形品を作製した。評価用成形品の成形条件は、温度175℃、加圧時間180秒、加圧圧力35MPaとした。この成形品を175℃で6時間アフターキュアした後、室温まで放冷し、成形品表面に生じたボイドの大きさを測定することで行った。ボイドの大きさは、成形品の表面を超音波探査装置((株)キャノン製M700II)で観察し、これで得たチャート中で直径を計測し、以下のように評価した。結果は表1に示した。
◎:未充填なし
○:0.1mm以下のボイドあり
△:0.1〜0.5mmのボイドあり
×:0.5mm以上の未充填あり
[評価結果]
実施例1〜実施例4のエポキシ樹脂組成物は、いずれも望ましい範囲のゲルタイムを示し、反り性、充填性共に良好な結果を示した。ビフェニル型エポキシ樹脂の配合量が下限値の実施例5や、シリコーンゴムの配合量が上限値の実施例6ではゲルタイムや反り性は問題なかったが、何れも充填性が低下する傾向が見られ、又、シリコーンゴムの配合量が下限値の実施例7ではゲルタイム、充填性は問題なしだが反り性が劣化する様子が見られた。但し何れの実施例も十分実用範囲であった。
比較例1は、実施例1の溶融シリカの粒径を20μm以下から74μm以下に変更したもので、ゲルタイムや反り性は問題なかったが、充填性が劣り、成形品表面に大きなボイドが見られ、実用できるレベルには達していなかった。
比較例2は、実施例2のシリコーンゴムの配合量を下限値以下まで減らし、その減量分を溶融シリカの増量で補ったもので、ゲルタイムは特に問題なく、充填性も溶融シリカ増量の影響なく良好な結果を示したが、成形後に大きな反りが発生し、実用できるレベルには達していなかった。
比較例3は、実施例1のエポキシ樹脂を、ビフェニル型エポキシ樹脂100質量%とし、離型剤としてカルナバワックスを添加したもので、ゲルタイムは特に問題なく、充填性も溶融シリカ増量の影響なく良好な結果を示したが、成形後に1〜2mmの反りが発生し、実用できるレベルには達しなかった。
比較例4は、実施例1のエポキシ樹脂を、ビフェニル型エポキシ樹脂を使用せず、化学式2のエポキシ樹脂100質量%とし、離型剤としてカルナバワックスを添加したもので、ゲルタイムは特に問題なく、反り性も良好な結果を示したが、充填性が劣り、成形品表面にボイドが見られ、実用できるレベルには達していなかった。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、[1]エポキシ樹脂、[2]硬化剤、[3]無機充填材、[4]シリコーンゴムを必須成分とするエポキシ樹脂組成物であって、該エポキシ樹脂の20〜80質量%がビフェニル型エポキシ樹脂であり、該無機充填材の99.9質量%以上が粒径20μm以下であり、該シリコーンゴムの添加量が全エポキシ樹脂組成物の3〜10質量%であることを特徴としており、これによってWL−CSP用の充填性、低反り性、高信頼性を併せ持つ封止材を提供することが可能となった。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、該エポキシ樹脂組成物のゲルタイムが45〜80秒であることを特徴としており、これによって成形時の良好な充填性が確保でき、超薄成形性が良好で極めてボイドの少ない高信頼性の封止材を提供することが可能となった。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、硬化剤が[化学式1]で示されるフェノール樹脂からなることを特徴としており、これによって低反り性の封止材を提供することが可能となった。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂の、ビフェニル型エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂として、[化学式2]で表される化合物を用いてなることを特徴としており、これによって低反り性の封止材を提供することが可能となった。
更に、本発明の半導体装置は、上記の封止用エポキシ樹脂組成物を使用して成形されてなることを特徴としており、高信頼性の半導体装置を提供することが可能となった。
Figure 2005054331

Claims (5)

  1. [1]エポキシ樹脂、[2]硬化剤、[3]無機充填材、[4]シリコーンゴムを必須成分とするエポキシ樹脂組成物であって、該エポキシ樹脂の20〜80質量%がビフェニル型エポキシ樹脂であり、該無機充填材の99.9質量%以上が粒径20μm以下であり、該シリコーンゴムの添加量が全エポキシ樹脂組成物の3〜10質量%であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 上記エポキシ樹脂組成物のゲルタイムが45〜80秒であることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 上記硬化剤が下記[化学式1]で示されるフェノール樹脂からなることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2005054331
  4. 上記エポキシ樹脂の、ビフェニル型エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂として、下記[化学式2]で表される化合物を用いてなることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2005054331
  5. 請求項1乃至請求項4に記載のエポキシ樹脂組成物を使用して成形されてなることを特徴とする半導体装置。
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